JP2005500632A - 無限な広がりのデータのための表示方法 - Google Patents

無限な広がりのデータのための表示方法 Download PDF

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Abstract

無限な広がりのデータ集合を有限な寸法の表示手段上に表示すると共に、該データ集合のナビゲーション及び拡大を提供するような方法及びシステムである。該システムは、有限な寸法の表示器上で表示するには大き過ぎるデータ集合を入力する制御ユニットを有している。該制御ユニットは、上記データ集合に含まれるデータ点のうちの少なくとも表示可能な部分を上記表示器上に、有限な範囲と無限ドメインの少なくとも1つの独立変数とを持つ非線形な連続した数学的関数を有するような数学的方程式を適用することにより、マッピングする。上記データ点の表示可能な部分は、上記表示器上に表示することができ、上記データ集合におけるデータ点の1つを上記表示器上の基準位置に対応するように選択することにより決定される。該データ集合は上記表示器上において、上記基準位置に対応する選択されたデータ点を変更することにより横断される。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、無限な広がりのデータの表示のためのシステム及び方法に係り、特に、無限な広がりの動的データにおける選択された領域の非線形な横断(traversal)及び拡大のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大きなデータ集合を表示器上で見、該データを介して移動し、及び所望のデータにアクセスする場合に関連して困難さが存在する。これらの困難さは、未来及び/又は過去へ延びる時刻表のような無限の広がりのデータ集合を見る場合に増加する。コンピュータ表示器は寸法が限られ、従って表示されるべきデータの量を制限する。データが表示器上で提示される場合に分解及び/又は表示するには大きすぎるような選択されたデータの部分を拡大する特定の方法が存在する。或る方法においては、選択された領域が拡大され、隣接するデータに重なる。これは、勿論、該隣接するデータの全て又は一部を見えなくするという欠点を有している。他の方法においては、選択された領域が拡大され、これは残りのデータの部分を視野の外へずらすようにも作用する。これも、残りの又は隣接するデータを見えなくする。他の方法は、選択された領域を拡大する一方、他の隣接する領域は圧縮する。これは、隣接するデータを見えなくはしないが、この方法の実施は上記隣接するデータを歪ませるように作用する。該方法は、拡大及び圧縮の大きさが離散した所定の値においてのみ利用可能である場合のような特定の場合には、相対位置関係の提示を妨害する傾向もある。どの様な技術も、表示するには大きすぎ、及び/又は高い又は制限されない大きさまで増加する大きさのデータ点を持つような多数のデータ点を持つデータ集合の表示を(又は表現さえ)提供はしない。米国特許第4,790,028号は、表示されるデータのセグメントが、異なるスケーリング関数を用いて拡大又は圧縮されるような表示を提供する。全体の看取領域からデータは失われないが、有限のデータ集合のみしか扱われない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このように、コンピュータのユーザには、選択されたデータを表示器上で詳細にみることができ、それでいて、表示器上では全体として看取可能に表示することができないような大きなデータ集合内での該選択されたデータの相対位置を依然として知ることができるようになるという要求が存在する。
【0004】
また、選択された領域を拡大することができ、それでいて、当該データ集合に対する該選択された領域の表示を維持し、当該データ集合の関連するデータを見えなくすることがないような、大きな又は無限の広がりのデータ集合の表示を提供したいという要求が存在する。
【0005】
本発明の一つの目的は、有限な広がりを有する表示器上に大きな又は無限の広がりのデータ集合を表示するシステム及び方法を提供することにある。
【0006】
また、本発明の他の目的は、データ集合の一部を表示器上で拡張又は拡大するシステム及び方法であって、上記拡張された部分に含まれるデータを上記表示器上で容易に看取及びアクセスすることができ、それでいて、残りのデータは該表示器上でそれ以上分解することができないまで連続的態様で圧縮されるようなシステム及び方法を提供することにある。かくして、上記データの拡張された部分の位置は、例えば残りの部分に対して維持される。
【0007】
また、本発明の更なる目的は、有限の表示器上で大きな又は無限の広がりのデータ集合を介してのナビゲーションを提供することにある。
【0008】
また、本発明の更に他の目的は、無限の広がりのデータ集合の、連続関数に従うような拡大及び圧縮の大きさを提供することにある。
【0009】
また、本発明の更に他の目的は、無限の広がりのデータ集合を介しての曲線漸近関数に従う連続的ナビゲーションを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従って、本発明は大きな又は無限の広がりのデータ集合を有限の寸法の表示器上に表示するシステムを提供する。該システム及び方法は、上記データの選択された部分のナビゲーション及び拡張を提供し、その際に、該部分の上記表示器上で看取可能な上記データの残りの部分との空間的関係は維持する。本発明は、大きな又は無限の広がりのデータ集合を入力する制御ユニット、コントローラ、プロセッサ又は他の計算装置を有する。上記制御ユニットは、上記大きな又は無限のデータ集合の少なくとも一部を、上記データ集合のデータに数学的方程式を適用することにより、有限の範囲にマッピングするが、該方程式は有限の範囲と無限ドメインの少なくとも1つの独立変数とを持つ数学的関数を有する。このように、上記データ集合内の大きな又は無限の広がりのデータ点は、上記マッピングにおいて上記関数の少なくとも1つの独立変数に組み込まれる。該マッピングは、上記データに対して、例えばマッピングされた中心データ点を中心として相対的に伸張された目盛を提供することができ、該目盛は上記中心データ点の両側において、上記数学的方程式の範囲の有限限界に近付くにつれて連続的に減少(無限小の程度まで)する。
【0011】
上記数学的方程式は、通常は、上記数学的関数と、表示器の寸法及び該表示器上での上記データ集合の外観とに従って調整されるようなスケーリングパラメータとを有する。このように、該数学的方程式は、上記数学的関数の無限ドメインの少なくとも1つの独立変数に対して有限の範囲も有する。かくして、該数学的方程式は上記有限の表示器上に、例えば該表示器の少なくとも1つの軸に沿って表示することができる。前記プロセッサは前記マッピングされたデータを上記表示器に対し、上記データ集合を少なくとも1つの軸に表示するように供給する。このように、中心データ点を中心としてマッピングする上述した関数の例においては、表示器は該マッピングされた中心データ点を該表示器の中心に表示することができる。上記の大きな又は無限のデータ集合における上記中心データ点の左右にマッピングされる残りのデータは、当該表示器の上記少なくとも1つの軸上で上記データ点の左右に表示される。上記方程式の範囲は当該表示器の上記少なくとも1つの軸に限定及びスケーリングされるので、当該集合におけるマッピングされたデータは全て該表示器内に含まれる。
【0012】
上述した中心データ点を中心としてマッピングする関数の例においては、マッピングの目盛は、該中心データ点の両側において上記数学的方程式の範囲の限界に近付くにつれて、無限小の程度まで連続的に減少する。結果として、表示器上のマッピングされたデータの軸の目盛は各端部において無限小となる。このように、上記表示器の少なくとも1つの軸上にマッピングされたデータ集合からのデータは、分解不可能になり得る。したがって、上記プロセッサは、当該表示器上で分解可能なマッピングされたデータを上記中心データ点の左右に有するような上記マッピングされたデータの表示可能な部分を、該表示器に供給すればよい。該プロセッサは、更に、上記中心データ点及びスケーリングパラメータのような上記数学的関数のパラメータを変更する入力を入力することもできる。これらのパラメータを変更することにより、上記データ集合の表示可能な部分はずらすことができると共に、当該表示器の軸に沿う倍率の程度が、例えば、該表示器の中心において相対的に伸張された目盛で表示された異なる中心データ点が存在するように再分布される。
【0013】
当該システムは、ユーザがデータを入力し、斯かる入力を前記プロセッサに供給することにより上記表示器に影響を与えるような変数を変更するのを可能にすると共に、ユーザが例えばズームインする場合のように意図する特定のデータを容易に横切り及び拡大し、例えばズームアウトする場合のようにデータを縮小するのを可能にするグラフィックユーザインターフェースを提供するのを可能にするようなインターフェースを提供することができる。
【0014】
当該表示器は、上述した軸(主)に加えて、該主軸上に表示されたデータの一部を表示するための少なくとも1つの副軸を更に含むことができる。該副軸の表示は上記主軸に対するのと同一の数学的関数を使用することができ、その場合、該数学的関数のパラメータは、上記主軸上に表示されたデータの部分へズームインする又は斯かる部分からズームアウトする像(view)を提供する場合等に、該主軸に対して選択されたものとは異なるように選択される。該副軸は、上記中心データ点が両軸に対して同一となるように上記主軸に従属するものとすることができる。該副軸に使用される数学的関数は、上記主軸に使用されたものとは異なる数学的関数、例えば異なる非線形又は線形関数とすることができる。該副軸は、異なるスケーリング又は拡大パラメータを有するが、それ以外では上記主軸に使用されたものと同一又は同様の関数であるような関数を使用することができる。
【0015】
また、本発明は、有限の寸法の表示器上で表示するには大きすぎるデータ集合を入力する制御ユニットを有するようなシステムも含む。該制御ユニットは当該データ集合に含まれるデータ点のうちの少なくとも表示可能な部分を、有限の範囲及び無限ドメインの少なくとも1つの独立変数を持つ非線形及び連続した数学的関数を有する数学的方程式を適用することにより、表示器上にマッピングする。上記データ点の表示可能な部分は、当該表示器上に表示することができ、当該データ集合におけるデータ点の1つを当該表示器上の基準位置と対応するように選択することにより決定される。当該データ集合は表示器上において、上記基準点に対応する上記の選択されたデータ点を変更することにより横断される。
【0016】
また、本発明は、有限の寸法の表示器上に、該表示器上に表示するには大きすぎるような広がりのデータ集合を表示する方法も含む。該方法は、有限の寸法の表示器上に表示するには大きすぎるデータ集合にアクセスするステップと、該データ集合に含まれるデータ点のうちの少なくとも表示可能な部分を上記表示器上に、有限の範囲及び無限ドメインの少なくとも1つの独立変数を持つ非線形な連続した数学的関数を有するような数学的方程式を適用することによりマッピングするステップとを有する。上記データ点の表示可能な部分は上記表示器上に表示され、当該データ集合は、該データ集合における1以上のデータ点を当該表示器上の基準位置に対応するように選択することにより、該表示器上で上記数学的関数に従って非線形な連続した態様で横断される。
【0017】
前述したように、上記数学的関数は、該数学的関数が有限な範囲と無限ドメインの少なくとも1つの独立変数とを有するお陰で、該少なくとも1つの無限ドメインの独立変数にわたって有限の範囲を有する。このように、当該データ集合における大きな又は無限の広がりのデータ点は、上記マッピングにおいて上記関数の少なくとも1つの独立変数に組み込まれる。該マッピングは、例えばマッピングされた中心データ点を中心として当該データに対して相対的に伸張された目盛を提供し、該目盛は上記中心データ点の両側において上記数学的方程式の範囲の有限限界に近付くにつれて(無限小の程度まで)連続的に減少される。
【0018】
上記数学的方程式の有限範囲は、例えば有限な表示器上に表示することができるようにスケーリングされる。マッピングされたデータは、少なくとも1つの軸に上記データ集合を表示するために、表示器に供給することができる。このように、上述した中心データ点を中心としてマッピングする関数の例では、表示器はマッピングされた中心データ点を当該表示器の中心に表示する。当該大きな又は無限のデータ集合における上記中心データ点の左右にマッピングされた残りのデータは、当該表示器の上記少なくとも1つの軸上の中心データ点の左右に表示される。上記方程式の範囲は当該表示器の少なくとも1つの軸に制限及びスケーリングされるので、当該集合におけるマッピングされたデータは全て当該表示器内に含まれる。
【0019】
上述した中心データ点を中心としてマッピングする関数の例では、マッピングの目盛は、該中心データ点の両側において該数学的方程式の範囲の限界に近付くにつれて、無限小の程度まで連続的に減少される。結果として、表示器上のマッピングされたデータの軸の目盛は、各端部において無限小となる。このように、当該表示器の少なくとも1つの軸上にマッピングされたデータ集合からのデータは、分解不可能になり得る。従って、マッピングされたデータのうちの、上記中心データ点の左右に当該表示器上で分解可能なマッピングされたデータを有するような表示可能な部分を、表示器に供給することができる。中心データ点及びスケーリングパラメータのような上記数学的関数のパラメータを変更する入力を、入力することができる。これらのパラメータを変更することにより、上記データ集合の表示可能な部分を、例えば、該表示器の中心において相対的に伸張された目盛で表示された異なる中心データ点が存在するように、及び当該表示器の軸に沿う拡大及び圧縮の程度が再分布されるように、ずらすことができる。
【0020】
更に、本発明は、有限の寸法の表示器上に表示するには大き過ぎるようなデータ集合を処理するソフトウェアアプリケーションも含む。該ソフトウェアアプリケーションは、該データ集合に含まれるデータ点のうちの少なくとも表示可能な部分を上記表示器に対応する有限の範囲上に、有限の範囲及び無限ドメインの少なくとも1つの独立変数を持つ数学的関数を有するような非線形な連続する数学的方程式を適用することにより、マッピングする。上記データ点の表示可能な部分のマッピングされた値は、表示のために出力される。該ソフトウェアアプリケーションは、当該表示器上の基準位置に対応する選択されたデータ点の入力を入力すると共に、該選択されたデータ点及び基準位置を、表示可能な部分を有する残りのデータ点を決定するために使用する。該ソフトウェアアプリケーションは、上記データ集合における上記表示可能な部分に対応するデータ点のマッピングされた値を、表示のために出力する。
【0021】
更に、本発明は、有限の寸法の表示器上に表示するには大き過ぎるようなデータ集合を処理するソフトウェアアプリケーションを実行するサーバも含む。上記ソフトウェアアプリケーションは、該データ集合に含まれるデータ点のうちの少なくとも表示可能な部分を、有限の範囲及び無限ドメインの少なくとも1つの独立変数を持つ数学的関数を有するような非線形な連続した数学的方程式を適用することにより、マッピングする。上記データ点の表示可能な部分のマッピングされた値は、表示のために出力される。該ソフトウェアアプリケーションは、当該表示器上の基準位置に対応する選択されたデータ点の入力を入力すると共に、該選択されたデータ点及び基準位置を、表示可能な部分を有する残りのデータ点を決定するために使用する。該ソフトウェアアプリケーションは、上記データ集合における上記表示可能な部分に関するデータ点のマッピングされた値を、上記数学的関数に従って表示のために出力する。
【0022】
上記サーバは、ローカルサーバと通信するリモートサーバとすることができる。このように、上記リモートサーバは、上記ローカルサーバにおいてユーザにより設定された当該データ集合の表示可能な部分を記述する入力パラメータを入力する。該リモートサーバはローカルサーバに対して当該データ集合の表示可能な部分のマッピングを出力する。該リモートサーバは、ローカルサーバにおいてユーザにより選択されたデータ点に対応する入力を入力することもできる。リモートサーバはローカルサーバに対して、当該データ集合における上記数学的関数に従って非線形な連続した態様で横断されるデータ点のマッピングされた値を出力する。
【0023】
上記ソフトウェアアプリケーションは、連続したデータ点の連続した選択を当該表示器上の基準位置に対応するデータ点として入力すると共に、当該データ集合のマッピングされたデータを対応する表示可能な部分に上記数学的関数に従って連続した態様で出力することができる。このようにして、当該データ集合は非線形な連続した態様で横断することができる。
【0024】
上記サーバは、ウェブサイトのリモートサーバとすることができ、上記データ集合は斯かるウェブサイトで発生することができる。他の例として、上記サーバはウェブサイトのリモートサーバと通信するローカルサーバとすることができ、上記データ集合は上記リモートサーバから上記ローカルサーバへ供給することができる。
【0025】
本発明の上述した及び他の目的、フィーチャ及び利点は、添付図面に関連してなされる本発明の例示的な実施例の下記の詳細に照らして一層明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図面を参照すると、図1は本発明の一実施例によるシステムを示し、該システムは制御ユニット10と、有限の水平幅Bを持つ表示器20とを有している。制御ユニット10は、入力として不定の又は無限の広がりの一次元データ集合Aを入力し、該データ集合A(又は該データ集合の表示可能な部分)を表示器20の上記有限の幅B上にマッピングする。
【0027】
制御ユニット10は、単一のマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラから複数の処理ノード上に分散されたコンピュータシステムまでの如何なる計算装置でもよい。該制御ユニット10は、本発明に従いデータ集合Aを入力し、該データ集合Aを処理し、及び該処理されたデータを表示されるべく送出することができる。制御ユニット10による処理は、通常、ソフトウェア又はソフトウェアアプリケーションを使用して実行される。制御ユニット10は、更に、上記データ集合A用のデータを発生することもできる。例えば、データ集合Aが年である場合、制御ユニット10は現在の年を1だけ増加及び/又は減少させる単純なソフトウェアループにおいて連続する年を発生することができる。
【0028】
以下に詳述するように、ユーザが制御ユニット10と通信し、これによりデータを当該データ集合に入力するのを可能にすると共に、例えば当該データ集合の表示されたデータを横断(traverse)し及び表示されたデータの所望の部分を拡大することにより当該データ集合の表示を制御するためにユーザインターフェースを設けることができる。斯かるユーザインターフェースは、グラフィックユーザインターフェース、キーボード、マウス、ジョイスティック及びタッチスクリーン等のコンピュータとインターフェースする通常の手段を有する。データファイル等に記憶されたデータを有するディスクドライブ、CDドライブ等の記憶装置も、制御ユニット10に上記データ集合又は該データ集合用のデータを供給することができる。
【0029】
表示器20は、例えばコンピュータモニタ、プロジェクション表示器、PDA及びプリンタにおけるように表示及び印刷出力が有限の寸法を持つような、表示及び印刷出力を生成する如何なる装置でもある。
【0030】
データ集合Aは、該データ集合Aの要素を、新要素を追加する、既存の要素を削除する及び/又は要素を置換する等のように変更することができるとおう点で、“動的”なものとすることができる。例えば、データ集合Aは、年(第1次元)及び関連する温度(第2次元)を含んでなるデータ点を有することができる。上記年は過去及び未来に不定に延びることができる。温度データは、関連する年に関する実際の平均温度の読み、未来の年に対する予測された温度、実際の記録された読みに先行する過去の年に関するモデルにより計算された温度を含むことができる。過去の及び未来の温度を計算するためのモデルが変化するにつれ、当該データ集合の温度値も変化する。更に、新たな読みを当該データ集合に追加することができる。このように、データ集合Aのデータは流動的であると考えられる。他の例においては、データ集合Aの第1次元は、選択された部分集合A上にズームインすると、各年の日を含むように(データ集合Aの選択された部分集合内で)拡大することができる。
【0031】
データ集合Aは、不定の又は無限若しくは大きな広がりのデータ集合とすることができる。不定又は無限の広がりのデータ集合は、潜在的に限界のない数のデータ点を含むと共に、限界無しに増加する大きさのデータ点を含む。“大きな広がりの”データ集合は、一般的に、通常の態様で表示器の有限の寸法上に表示された場合に、該表示器によっては完全に分解することができない、及び/又は斯かる表示器内には完全に含むことができないデータを含む(例えば、該データ集合を表示する通常の態様は、表示器上のリニアな目盛の軸を使用している)。これは、当該データ集合内の大きな数のデータ点、該データ集合内のデータ点の範囲、又はこれらの組み合わせによるものであり得る。データ集合Aは、制御ユニット10により全体として又は部分的に入力することができ、及び/又は全体として又は部分的に計算することができる。例えば、データ集合Aは日、月、年、又は過去及び未来へ不定的に延びる他の時間単位の集合であり得る。ここで述べる例示的な実施例においては、データ集合Aは年自体を有する。斯様なデータ集合は無限(データ点の大きさ及び数の両方において)である、又は大きな広がり(もし、例えば数百又は数千年で限られても)を有すると考えることができる。以下に更に説明するように、当該データ集合は、例えばデータ点が年の全て又は幾つかに関連する他のデータを有している場合、多次元であり得る。
【0032】
データ集合Aは、制御ユニット10とインターフェースする(例えば、コンピュータを用いて)ユーザにより更新することができる。単純な実施例においては、限りのない年のデータ集合を選択することができ、制御ユニット10は全ての過去及び先の年に関するデータ集合を発生する(ソフトウェアプログラムを介して)ことができる。他の実施例においては、ユーザは過去100年と未来100年との間の各月の毎第1火曜日の日付を選択することができる。制御ユニット10は、過去及び未来の日付をアクセス及び/又は発生するのを可能にするカレンダプログラムを有し、かくしてデータ集合を発生することができる。一般的には、コンピュータによりデータ集合Aの部分集合のみが発生されて記憶され、このようにして、無限のプログラムループを回避する。斯かる部分集合は、ユーザにより入力された、以下に更に説明する中心データのようなデータを含むことができる。また、部分集合は、以下に更に説明するように、上記データ集合の表示可能な部分を含むこともできる。このような場合、上記表示可能な部分の外側の1以上の日付(これらは更に先の未来又は過去であり得る)のような、該データ集合Aの他のデータは、以下に更に説明するように、必要な場合に上記制御ユニットにより計算される。
【0033】
制限されない独立変数入力に対して有限範囲を持つ関数が、無限の又は大きな広がりを持つデータ集合を表示器20の有限の寸法B上にマッピングするために使用される。例えば、該関数はアークタンジェント(arc tan)zであり得、ここでzは該無限の又は非常に大きな広がりのデータ集合におけるデータ点の値をとる。関数arc tan zの範囲は−π/2と+π/2との間であり、かくして、当該データ集合におけるzの如何なる値も、どんなに大きくても(又は小さくても)、有限の範囲上にマッピングされる。無限の限界を有する関数の更なる例は、arc cot z、tanh z、及びsinh-1 zを含む。下記の実施例において指定する場合は、アークタンジェント関数が使用される。
【0034】
図2は、[−∞≦z≦+∞]に対するarc tan zのグラフである。図2は、zが正の無限大に近付くにつれて関数arc tan zは+π/2に近づき、zが負の無限大に近付くにつれて、関数arc tan zは−π/2に近付くことを示している。このように、関数arc tan zは有限の範囲[−π/2,+π/2]を有している。結果として、該関数arc tan zを適用することにより、無限のデータ集合(データ集合Aのような)を有限の間隔[−π/2,+π/2]に相関する有限長を持つような軸上にマッピングすることができる。このように、該軸の左端は当該画像の−π/2限界に相関し、該軸の右端は該画像のπ/2限界に相関する。従って、該軸はコンピュータ表示器のスクリーンの幅内で有限の幅を有することができ、その場合に、当該スクリーンの左辺は当該画像の−π/2限界に相関し、該スクリーンの右辺は該画像のπ/2限界に相関することができる。勿論、該軸は、例えば以下に更に説明するように当該関数をもっと包括的な数学的方程式の一部として使用することにより、スケーリングすることができる。また、当該データ集合がプロットされる軸を、如何なる方向にもなるように向けることもできる。
【0035】
本発明の方法の応用を、当該データ集合が過去へと負の無限大に向かって延びると共に未来へと正の無限大に向かって延びるような年の集合であるような例に関して説明する。該データ集合は、コンピュータ表示器上に表示される一次元の軸、即ちx軸上にプロットされる。該x軸は、当該スクリーンの幅だけ延びる。一実施例においては、制御ユニット10により無限のデータ集合t(tは−∞から+∞まで増加する時間の集合である)を有限幅の表示器上にマッピングするために使用される数学的方程式は、下記の式により以下のようになる:
【数1】
Figure 2005500632
ここで、
xは、当該表示器の水平軸(x軸)上における該軸の左側からのデータ点tの位置で、0からxmaxまでの範囲であり;
tは当該データ集合から選択された何れかのデータ点であり;
はx軸の中間点に表示される時間データ点であり;
maxは当該表示器上におけるx軸の長さであり;
K=(一度の増分)/tan (m*π)であり;
ここで、Mはパーセントでのスケーリング係数、m=M/100であり、“一度の増分”はデータ点間の一定の時間間隔である。
【0036】
上記時間増分が1年である場合、データ集合tは−∞から+∞までの年の集合である。値tは、例えば2000年である。約12.5インチの水平幅を持つコンピュータ表示器の場合、該表示器上のx軸の長さxmaxは例えば7.5インチとなり、かくして、該表示器内に心地よくはまり、余白用のスペースを有する。図3Aないし3Cは、制御ユニット10により上記式(1)を用いて該表示器の水平x軸上にマッピングされた上記データ集合の3つの異なる表示を示しており、一定の時間間隔は1年である。x軸に沿って表示される年の位置を決定する場合、該x軸を当該表示器の表示増分に対応する単位に分割するのが都合がよい。例えば、当該表示器がLCD表示器である場合、x軸に沿う表示増分はLCDピクセルとすることができる。インチ当たり72ピクセルを有するLCD表示器の場合、例えば、xmax=72*7.5=540となる。このように、表示増分の単位(即ち、本例ではLCDピクセル)では、x軸の長さは0から540LCD単位(“x単位”と呼ぶ)となる。
【0037】
図3aに示すx軸上に表示されたデータ集合のマッピングを参照すると、Mに関して使用される値=20%であり、かくしてm=0.2となり、K=1年/tan (π/5)=1/.72654年=1.376年となる。前述したように、t=2000及びxmax=540である。従って、適用される式(1)は:
【数2】
Figure 2005500632
となる。t=2000の場合、図2はarc tan (0)=0及びx=270を示す。このように、2000年は、予測され且つ図3aに示されるように、x軸の中心に(位置270に)マッピングされる。tが2000より増加するにつれて、アークタンジェント関数の有限な範囲により、年はx軸に沿って一緒に近接してマッピングされるようになって示される。tが+∞に近付いた場合、図2は該アークタンジェント関数がπ/2に近づき、xが{(540/π):π/2}+270に近付くことを示し、後者は予測され且つ図3aに示されるように540に等しい。このように、当該データ集合における2000より後の年は、全てx軸上のx単位270ないし540に沿ってマッピングされる。同様に、tが2000より減少すると、アークタンジェント関数の有限な範囲により、年はx軸に沿って一緒に近接してマッピングされるようになって示される。tが−∞に近付いた場合、図2は該アークタンジェント関数が−π/2に近づき、xが{(540/π):−π/2}+270に近付くことを示し、後者は予測され且つ図3aに示されるように0に等しい。このように、当該データ集合における2000より前の年は、全てx軸上のx単位270ないし0に沿ってマッピングされる。
【0038】
式(2a)が入力年tに対して整数であるx単位を生じない場合、制御ユニット10は(該ユニット内にプログラムされたソフトウェアにより)表示を発生する場合に最寄りのx単位に丸める。制御ユニット10は式(2a)において2000年(t)の前後で必要とされるだけ多くの年をマッピングして、図3aに示すような表示を発生することができる。しかしながら、データ集合tは無限であるかも知れないが、制御ユニット10は2000年(又は、一般的に中央データ点t)の前後に無限の数の年をマッピングすることはない。tが増加し、x軸の右側に一層近く(即ち、540に一層近く)マッピングされると、或る閾の年において2以上の年が単一のx単位に対してマッピングされる。この場合、連続する各x単位にマッピングされる年の数は、右側の限界(単位540)に近付くにつれて増加し続ける。(単位540に到達するまでに、当該データ集合に残存する無限の数の年が単一の時間単位540にマッピングされる。)kのように、2000を超える或る年tにおいて、マッピングは表示のためには分解不可能となる。(式(2a)の対称性により、年tが2000から減少するにつれて、当該表示器の左側においても(x単位0に近付くにつれて)同様のことが起きる。このように、2000より前の或る年tにおいても、当該マッピングは表示のためには分解不可能となる。)
【0039】
例えば、年が2000より増加するにつれ、式(2a)及び最寄りのx単位(ピクセル)への丸めを使用すると、
年t=2015は、位置x=524にマッピングされ;
年t=2016は、位置x=525にマッピングされ;
年t=2017は、位置x=526にマッピングされ;
年t=2018は、位置x=527にマッピングされ;
年t=2019は、位置x=528にマッピングされ;
年t=2020は、位置x=528にマッピングされ;
年t=2021は、位置x=529にマッピングされ;
年t=2022は、位置x=529にマッピングされ;
等々となる。
【0040】
このように、年2018の後では、2以上の年がピクセル(x単位)にマッピングされ、当該表示器によっては物理的に分解され得ない。(上記分解能は表示能力を指すもので、看取者を指すものではなく、斯かる看取者の目は2018年より速くても年を分解できない可能性があることに注意されたい。)従って、制御ユニット10は2000〜2018年を対応するx単位にマッピングし、次いで位置528〜540は単に“記入”する。何故なら、これらピクセルは残りの年2019〜∞(当該データ集合の部分集合)のマッピングを表し、これらは当該表示器によっては分解され得ないからである。対称性により、同様のことが2000〜1982年及び当該表示器の左側のデータ部分集合1981〜−∞に関しても生じる。
【0041】
従って、x軸上でデータ集合の表示を発生する場合、制御ユニット10は中央データ点の前後において、当該表示器の表示増分により分解することが可能な年(当該データ集合の“表示可能部分”と呼ぶ)のみをマッピングすればよい。表示器の右及び左における年の残りは、+∞及び−∞への残りのデータ点を表す実線(又は他の可視表現)として単に表示される。ユーザによる当該データ集合のスクローリング、又は中央データ点若しくは他のスケーリングパラメータの他の再設定に即座に対応するために、以下に説明するように、制御ユニット10は当該データ集合の表示可能分の前後に追加のデータ点をマッピング及び記憶することができる。
【0042】
他の例として、選択されたデータ点のみを当該軸上に表示することができ、これは上記範囲の縁部で表示されるデータ点の混雑さを軽減又は除去することができる。図3aに示すように、当該データ集合における各年は、上に年を伴う小さな“刻みマーク”を用いて表示される。当該表示器の左辺及び右辺に近付くにつれて、当該データ集合における全ての年を表示する必要はない。例えば、上記例において年t=2015が位置x=524にマッピングされた後、該表示器上にマッピングされる次の年は、位置530にマッピングされる年t=2024とすることができる。そして、マッピングされる次の年は位置535にマッピングされる年2047とすることができ、該表示器上における最後の刻みマークは位置540における“+∞”を表すことができる。様々な長さのデータ点間の他の間隔(又はデータ点の省略)も選択することができる。
【0043】
図3b及び3cは、式(1)のスケーリングパラメータが変更された場合に当該データ集合の表示がどの様に変化するかを示している。図3bにおいて、M=10%、m=0.1(従って、K=3.078)であり、式(1)は:
【数3】
Figure 2005500632
となる。図3cにおいては、M=5%、m=0.05(従って、K=6.314)であり、式(1)は:
【数4】
Figure 2005500632
となる。図2を参照すると、当該アークタンジェント関数において、より大きな分母Kは図3aから3cに順に示すように、中央データ点に向かってより多くの年をマッピングする。更に、Kが増加するにつれて、当該表示器の左側及び右側部分において、より多くの年が分解可能に表示される。全ての場合において、表示されるx軸は数式(2a)〜(2c)により決まる有限の長さを有するが、当該データ集合から表現される年は該表示された軸の右及び左において、各々、無限大及び負の無限大まで延びる(概念的に)。
【0044】
当該データ集合の年は、例えば中央データ点としての現在のtを置換する時間値を選択することによって該データ集合の表示を左又は右にずらすことにより、制限無しに横切ることができる。表示されたデータ集合をずらすことができる量は、無制限とすることができる。tに対する新たな値は、例えばコンピュータのキーボードにより、画面上の現在の表示を統合するGUIにより、又は画面上の現在の表示上で年をクリックすることによって、ユーザにより入力することができる。制御ユニット10は当該表示を、式(1)(又は、これらのスケーリングパラメータが選択された場合は式(2a)〜(2c))において新たな中央データ点tを使用することによって当該データ集合を該表示器の水平x軸上にマッピングすることにより、表示を完全に再発生することができる。他の例として、周囲の年の相対的位置はtに対して変化しないので、制御ユニット10にとっては、中央位置(図3a〜3cの場合は270)における年を新たな中央データ点(年)と単に置換し、次いで、tの左及び右のx単位における年をtの新たな値に基づいて再数値振りする方が簡単である。例えば、t=2000に関して図3aに示すように図2aにおいて前記スクリーンパラメータを使用して発生された表示に対して、図3dはtが2100にずらされた場合の当該データ集合の表示を図示している。該図3dの表示は、図3aにおいて表示された年の各々に単に100を加算することにより発生される。
【0045】
データ集合tの表示は、スケーリング係数Mに対する値(これは値Kを変化させるように作用する)を選択することにより、スケーリング可能である。調整することができる式(1)の他のパラメータは、表示解像度xmax(例えば、異なる表示器を使用することにより)及び時間増分(これは通常は、マッピングされるデータ集合を変更する)を含む。データ集合の表示のスケーリングは、スケーリング係数及び/又は時間増分に関する連続した値の連続した選択により、前記数学的関数に従い連続的な態様で調整することができる。Mは零と無限大との間の如何なる値もとることができ、ズームイン又はズームアウトのために、時間ラインの制限のないスケーリング度合いを提供する。データ集合(及び式(1)に関係する関連する時間増分)の他の例は、千年、百年、十年、月、週、日、時間、分、秒、ナノ秒等を含む。例えば、年であるように選択された時間単位によれば、より小さなスケーリング係数M(より大きなK)の選択は、図3aから3cへの進みにより示されたように、より大きな範囲の時間が当該表示器上で看取可能(分解可能)となることを可能にする。逆に、より大きなスケーリング係数M(より小さなK)を選択することにより、中央データ点の周囲の年は、より詳細に見えるようになるが、少ない年しか見えない。時間単位を百年に変更することにより、大幅に大きな時間範囲が表示器上で見えるようになるが、勿論、一般的に余り詳細には見えなくなる。時間単位を日に変更することにより、表示はより細部を有するようになるが、見える時間範囲は大幅に小さくなる。
【0046】
中央データ点を前述したようにずらし、且つ、スケーリング係数Mを選択することにより、当該データ集合における点は、表示器上で制限無しでアクセスし及び見ることができる。上述した実施例におけるように年等が時間増分のデータ集合の場合、該時間増分を調整し、ユーザ及び/又はシステムが、表示される時間を細かくし又は伸張することもできる。
【0047】
上述したように、表示されるデータ集合は種々の方法を使用して横断することができる。表示されたデータ集合は、同様の態様でスケーリングすることもできる(式(1)におけるように、マッピングに際してスケーリングパラメータを変更することにより)。コンピュータユーザは、グラフィックユーザインターフェース(GUI)を介してずれ及びスケーリングの程度を選択することができる。ユーザにとり好適な非常に多様なフィーチャが存在する。例えば、サムホイール、レバー又は矢印対をユーザ画面上に表示することができ、一つを拡大(スケーリング)係数Mの調整用に、一つを時間増分のデータ集合の上記例における時間ライン100上の位置を選択するため(従って、tに対する値を選択するために)とすることができる。当該データ集合の時間増分が調整可能である場合は、該時間増分を増加又は減少調整するために他のGUIフィーチャを使用することができる。GUIフィーチャは、スケーリング係数、基準位置(tのような)にマッピングされるデータ点及び/又は時間増分に対して連続した値を連続的に選択するように使用することもできる。現在表示されている当該データ集合上の位置を示すために、カーソルのような位置指示子を設けることができる。斯かる位置指示子を表示器上で位置決めすると、指示された年(又は他の時間増分若しくはデータ点)が、表示される中央データ点となるように当該表示が左又は右に再調整される。上記位置指示子は、表示器上のデータ集合から単一の所望の点を選択するために使用することができ、又は当該処理が、当該位置指示子に対応するデータ点が中央データ点となるまで、表示されたデータ点をスクロールすることができる。上記GUIは、キーボード、マウス、ジョイスティック、タッチスクリーン、マイクロフォン及び音声認識ソフトウェア等のユーザインターフェース装置を介して制御することができる。更に、ユーザに対して、例えばキーボード及びメニュを使用してM、t及び時間単位の値を直接入力する能力を提供することが望ましい。
【0048】
表示されたデータ集合を横断する場合、該データ集合は非線形(前記マッピングに使用された方程式により)な連続した態様で横断される。位置指示子の位置がtから遠いほど、前述したように、時間間隔は一層近付いて離隔される。(例えば、図3a〜3cにおいて表示器の左辺及び右辺に近付くにつれて、データ点は−∞及び+∞に近付く。)上記位置指示子が当該表示(図3a〜3cの表示のような)の左辺又は右辺に当たって位置される場合、制御ユニット10は、該位置指示子が除去されるまで、年を当該表示にわたって連続的にスクロールすることができる。
【0049】
他の実施例においては、加速された“ゴムバンド”効果が、表示器上の所望の点でクリックすると共にポイントを(例えばマウスを用いて)ドラッグするような良く知られた方法を使用して達成される。ポインタがtからより離れてドラッグされるにつれて、表示はより速くずれる。斯かるずれる表示は、式(1)においてtに対し一連の値を使用して当該データ集合を連続的に再マッピングすることにより発生することができる。例えば、当該表示を発生するために使用される該データ集合の順次のマッピングに対して、当該データ集合における表示器上のポインタに最も近い年を、式(1)におけるtとして使用することができる。マウスがt位置から更にドラッグされるにつれ、順次のマッピングにおけるt間の間隔が増加し、かくして、動きは一層速いように見える。他の例として、制御ユニット10は当該表示器の関連するx単位にわたって年を単にシフトさせ、該シフト速度を当該ポインタとt位置との間の距離に相関させることもできる。
【0050】
更に、選択された時間にズームインする場合、表示器上の現在の位置の全体の位置を示すために、スクリーンの上部に粗表示を設けることができる。ズームイン画像を提供するために、当該表示器の周辺区域に副表示を設けることもできる。該副表示は、元の表示とはことなる数学的関数を使用することができる。該副表示により使用される数学的関数は非線形又は線形とすることができる。このような態様で、複数のレベルの表示されたデータ集合を提供することができる。
【0051】
データ集合はGUI又は他のインターフェースを用いて同様にスケーリングすることができる。スケーリング係数M(従って、例えば式(1)のマッピングにおけるパラメータK)を調整することにより、当該データ集合の表示される部分及び様子を変更することができる。前述したように、時間増分(従って、マッピングされるデータ集合)もユーザにより調整することができる。上記時間増分は、当該表示がtと次のデータ点との間の間隔が所定の量を超えて増加するようにスケーリング(例えば、式(1)におけるパラメータMを介して)された場合に、時間増分が一層小さな単位に自動的に調整され得るように(年から月へのように)、制御ユニット10により自動的に調整可能とすることもできる。式(1)のスケーリングパラメータは上記制御ユニットにより、tの左又は右への最初の12の月が、置換される年の間隔に対応するように、調整することができる。当該表示器の中央に表示されるデータが、当該時間ラインの端部の近くで使用される時間単位とは異なるようにすることもできる。また、データを、当該表示器の異なる部分において、表示される値の間の軸上の間隔の大きさに従って、異なる時間単位を使用して表示することもできる。
【0052】
前述したように、図3a〜3cに示される表示は、x軸上にマッピングされたデータ点の位置を示すために刻みマークを使用している。これら刻みマークは式(2a)ないし(2c)を使用して計算されたピクセル又はx単位に対応する。前述したように、当該データ集合内の各点をマッピングしようと試みると、中央データ点からx軸の左又は右の近傍へ或る距離移動した後では、典型的には当該表示器によっては分解不可能となる。各データ点が表されるとすると、上記刻みマークは当該表示器の縁部の近傍では連続して見える。また、前述したように、特に多数のものが小さな表示間隔内に(非線形関数により)圧縮される縁部の近傍では、全てのデータ点が表示器上に表される必要はない。年のラベル(又は他の時間増分)は、全ての又は選択された刻みマークに対して設けることができる。表示される刻みマーク及びラベル(符号)は、当該表示データ集合の圧縮のレベルに応じて選択することができる。ユーザは、表示又は印刷のために、刻みマーク及びラベルの間隔を選択することができる。
【0053】
刻みマーク及びラベルは、表示されたデータ集合の選択された値に対する離散的指示子であるが、斯かるデータ集合は連続したデータ集合であると考えることができる。x軸上の各点(例えば、特定のピクセルに対応するデータ点)は、時間値(有理数により表されるような)に対応する。x軸上の点間の時間値増分は、拡大の程度により決定される。拡大の程度及び時間増分の選択は、連続的な態様で変化させるために、無制限及び選択可能とすることができる。同様に、x軸上の点間の時間値増分も、制限のない連続的な態様で選択及び変更することができる。勿論、表示解像度が、x軸上の点間に表示することができる時間値増分に対して実際的な制限を課し得る。
【0054】
他の実施例においては、当該データ集合を有するデータは多次元を有することができ、これら次元の1以上は無限の範囲を有し、これら次元の1以上は有限の範囲を有する。当該データ集合を単一の表示にマッピングするために、数学的関数の組み合わせを使用することができる。例えば、データ集合はデータ点(d,h)を含むことができ、ここでdは無限ドメイン(過去及び/又は未来へ無限に延びるような毎日の日付等)を有し、hは有限のドメイン(24時間時計で測定される日の特定の時間等)を有する。該データ集合における点dは、上述したように、無限のドメインに足して有限の範囲を有する関数を用いてマッピングすることによりx軸上に表示することができる。対応するデータ点hは、これらが決して24を超えることはないので、例えば扇形な目盛を用いてy軸に沿い表示することができる。該線形な目盛は、勿論、線形な関数を用いたhデータ点のマッピングに対応する。更に、上記無限パラメータdの表示又は印刷出力の中間領域は線形関数を使用することができる一方、外側の領域は有限な範囲を有する非線形関数を使用することができる。
【0055】
当該データ集合における両(又はそれ以上の)次元が無限ドメインを有するような他の実施例では、当該表示のx軸及びy軸の両者に対するマッピングは、各々、上述したように無限のドメインではあるが有限の範囲の非線形関数を有する式を用いて実行することができる。表示器上のデータの間の操作及びスケーリングは、上述したようにして各次元において実行することができる。三次元に対しては、制御ユニット10は表示器上に第3次元をレンダリングすることができる一方、四次元以上に対しては、ユーザは表示器上に表示するために、少ない数の次元を選択しなければならない。GUIが、次元間の切り換えを提供することができる。
【0056】
上述した説明は無限の広がりの変数を持つデータ集合に対して焦点を合わせたが、本発明は、大きなデータ集合、全体として表示器上で見る及び/又は分解することができないようなデータ集合にも同様に適用することができる。これは、当該データ集合の大きな範囲に繋がり得るような、データ集合内の大きな数のデータ点及び/又はデータ点の少なくとも幾つかの相対的大きさによるものであり得る。例えば、大きな広がりのデータ集合は、多数のデータ点故に、0と10,000との間の全ての年、0と1秒との間の全てのナノ秒、又はセンチメートルの解像度を持つ米国の地図のx及びy座標(即ち、2つの大きなデータ集合:x及びy座標の各々に対して1つの大きなデータ集合)のデータ集合を含むことができる。大きなデータ集合は、大きな範囲故に、例えば、年(1,10、9,999)のデータ集合、又は種々の材料の沸点及び融点を含むのに充分なほど大きな範囲を持ち且つミリケルビンの解像度を持つケルビン温度のデータ集合を有することもできる。データが一方向において限界のないような無限のデータ集合は、例えば、パイの順に小さい方への十進単位に対応する数、又は負の整数の集合を含むことができる。大きなデータ集合及び一方向に無限なデータ集合におけるデータ点は、上述した無限のデータ集合と同様にして扱うことができる。このように、大きなデータ集合におけるデータ点は、無限ドメインの関数を有するが有限の範囲を有するような方程式を用いてマッピングすることができる。コンピュータファイルシステムのような階層的データ集合さえも、連続的な態様で見ることができ、ユーザが、連続したサブディレクトリを個々に介して移動することなしに、当該ファイルシステムの全体のビューから特定のファイルへズームするのを可能にする。
【0057】
大きなデータ集合及び無限の範囲を持つデータ集合に関する両者の場合において、前記制御ユニットの処理は必ずしも有限の範囲を持つ関数を使用する必要はない。大きなデータ集合の場合、データ点に対して外側の限界があるので、適切なスケーリングでマッピングをする場合に無限の範囲を持つ関数を使用することができる。(他の例として、当該表示の異なる領域に対するマッピングに、異なる関数を使用することもできる。)同様に、無限の範囲のデータ集合に対して、当該処理は該データ集合を有限の範囲を持つものとして扱うことができる。例えば、年のデータ集合に関しては、制御ユニットは該データ集合を−10,000と+10,000との間で延びるものとして扱うことができる。ここでも、適切なスケーリングを伴うマッピングにおいて、無限の範囲を持つ関数を使用することができる。
【0058】
上述したように、本発明の制御ユニットは一般的に、参照された処理(種々の数学的方程式及び関数により提供されるマッピング)を、当該制御ユニットの1以上のメモリにロードされたソフトウェアプログラミング及び/又はソフトウェアアプリケーションのような、該制御ユニットの適切なプログラミングを介して実行する。上述した本発明を実施するために該制御ユニットによりアクセス可能な関連するメモリ又はデータベースも、本発明の一部であると考えられる。
【0059】
本発明の他の実施例においては、上記制御ユニットにより実行される処理は、加入者ユーザのようなユーザに対してサービスとして提供される。少なくとも上述した制御ユニットを含むリモートサーバが設けられる。ローカルサーバは、大きな又は無限のデータ集合の表示のためのマッピングを行うために、上記リモートサーバに対してリクエストを送る。該リモートサーバは上記大きなデータ集合のデータをアクセス及び処理して、表示のためのマッピングを上記ローカルサーバに提供する。
【0060】
以上、本発明を好ましい実施例を参照して詳細に説明したが、これら実施例は例示的な応用を示すのみである。このように、当業技術を有する誰によっても、添付請求項に記載された本発明の範囲及び趣旨内に留まりながら、多くの変更を実施することができると明瞭に理解されるべきである。
【0061】
本発明は、各々の及び全ての新規な特徴的フィーチャ及び特徴的フィーチャの全ての組み合わせに存するものである。また、請求項における符号は、これら請求項の保護範囲を限定するものではない。また、“有する”なる動詞及びその活用変化の使用は、請求項に記載されたもの以外の構成要素の存在を排除するものではない。また、単数形の構成要素は、複数の斯様な構成要素の存在を排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1は、本発明によるシステムの概要図である。
【図2】図2は、本発明の一実施例の処理において使用される例示的な関数のグラフである。
【図3a】図3aは、本発明の実施例により発生された或るスケーリングパラメータを有する表示の実施例である。
【図3b】図3aは、本発明の実施例により発生された別のスケーリングパラメータを有する表示の実施例である。
【図3c】図3aは、本発明の実施例により発生された別のスケーリングパラメータを有する表示の実施例である。
【図3d】図3dは、図3aにおけるようにスケーリングされているが、異なる中心データ点を有する表示である。

Claims (17)

  1. 有限な寸法の表示器上に表示するには大き過ぎるデータ集合を入力する制御ユニットを有し、該制御ユニットは前記データ集合に含まれるデータ点の少なくとも表示可能な部分を前記表示器上に、有限な範囲と無限ドメインの少なくとも1つの独立変数とを持つ非線形な連続した数学的関数を有する数学的方程式を適用することによりマッピングし、前記データ点の前記表示可能な部分は前記表示器上に表示可能であり、該表示可能な部分は前記データ集合における前記データ点の1つを前記表示器上の基準位置に対応するように選択することにより決定され、前記データ集合は前記基準位置に対応する前記選択されたデータ点を変更することにより前記表示器上において横断されることを特徴とするシステム。
  2. 請求項1に記載のシステムにおいて、横断される場合に、前記データ集合の第1の表示可能な部分が前記データ集合の第2の表示可能な部分により置換されることを特徴とするシステム。
  3. 請求項2に記載のシステムにおいて、横断される場合に、前記データ集合における前記第1の表示可能な部分に対する前記基準位置に対応するデータ点と前記第2の表示可能な部分に対する前記基準位置に対応するデータ点との間のデータ点が、前記表示器の前記表示可能な部分を前記数学的関数に従って連続的な非線形な態様で横断することを特徴とするシステム。
  4. 請求項1に記載のシステムにおいて、前記データ集合における前記表示可能な部分に含まれるデータの量が、前記数学的関数をスケーリングするために該数学的関数の1以上のパラメータを調整することにより、前記数学的関数に従って非線形な態様で調整可能であることを特徴とするシステム。
  5. 請求項1に記載のシステムにおいて、前記データ集合は多次元的であり、該データ集合の少なくとも1つの次元は前記表示器上に前記関数の前記少なくとも1つの独立変数としてマッピングされることを特徴とするシステム。
  6. 請求項1に記載のシステムにおいて、前記表示可能な部分が前記表示器の軸上にマッピングされ、該軸の目盛が連続的に変化することを特徴とするシステム。
  7. 請求項6に記載のシステムにおいて、前記マッピングは、前記表示可能な部分の中間点の周囲にマッピングされたデータに対して相対的に伸張された目盛を付与し、前記マッピングが前記軸の端部に近付くにつれて、前記表示可能な部分の前記中間点の両側において連続的に減少する目盛を付与することを特徴とするシステム。
  8. 請求項1に記載のシステムにおいて、該システムは前記制御ユニットに入力を供給するユーザインターフェースを更に含み、該ユーザインターフェースはユーザが、前記データ集合の前記データ点の少なくとも幾つかの入力、前記数学的方程式の前記パラメータの変更、及び前記表示されたデータ点の選択のうちの少なくとも1つを実行するのを可能にすることを特徴とするシステム。
  9. 請求項8に記載のシステムにおいて、前記数学的方程式は前記数学的関数により前記データ集合に対して有限な範囲を有し、前記表示器は前記数学的方程式の前記有限な範囲に対応する少なくとも1つの軸を表示すると共に、前記マッピングされたデータ点の少なくとも前記表示可能な部分を該軸上に表示することを特徴とするシステム。
  10. 請求項9に記載のシステムにおいて、前記軸には、該軸上に表示される表示可能なデータ点の値の配置を示すために、選択可能な且つ可変の間隔でマークが付され及びラベルが付されることを特徴とするシステム。
  11. 請求項1に記載のシステムにおいて、前記数学的関数はarc tan、cot、tanh及びsinh-1を含む群から選択された1つであることを特徴とするシステム。
  12. 請求項1に記載のシステムにおいて、前記データ集合は、連続したデータ点の前記表示器上の前記基準位置に対応するデータ点としての連続的な選択により、前記数学的関数に従って前記表示可能な部分にわたり非線形な連続した態様で横断されることを特徴とするシステム。
  13. 請求項12に記載のシステムにおいて、前記データ集合を前記表示可能な部分にわたり前記非線形な連続した態様で横断するために、前記連続したデータ点の少なくとも一部が、前記データ集合の連続した表示可能な部分を計算するために前記数学的関数において基準位置パラメータとして使用されることを特徴とするシステム。
  14. 請求項1に記載のシステムにおいて、前記有限な範囲と無限ドメインの少なくとも1つの独立変数とを持つ非線形な連続した数学的関数が、少なくとも1つの線形な連続した数学的関数によりモデル化されることを特徴とするシステム。
  15. 有限な寸法の表示器上に該表示器上に表示するには大き過ぎる広がりのデータ集合を表示する方法において、有限な寸法の表示器上に表示するには大き過ぎるデータ集合にアクセスするステップと、前記データ集合に含まれるデータ点の少なくとも表示可能な部分を前記表示器上に、有限な範囲と無限ドメインの少なくとも1つの独立変数とを持つ非線形な連続した数学的関数を有する数学的方程式を適用することによりマッピングするステップと、前記データ点の前記表示可能な部分を前記表示器上に表示するステップと、前記データ集合における1以上のデータ点を前記表示器上の基準位置に対応するように選択することにより、前記データ集合を前記表示器上で前記数学的関数に従って非線形な連続した態様で横断するステップとを有することを特徴とする方法。
  16. システムが、実行する場合に、請求項1ないし14の何れか一項に記載のシステムとして機能するのを可能にするソフトウェアアプリケーション。
  17. 請求項1に記載のシステムにおいて、第1の装置が前記制御ユニットを有し、第2の装置が前記表示器を有することを特徴とするシステム。
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