JP2005354351A - 多地点コミュニケーションの通信端末装置および遅延同期制御方法 - Google Patents

多地点コミュニケーションの通信端末装置および遅延同期制御方法 Download PDF

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征貴 増田
Satoko Tominaga
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Abstract

【課題】利用形態や様々なネットワークの品質状態の変化に対して各対地と常にメディアの遅延同期をとる。
【解決手段】基準対地となる通信端末装置1Aの遅延同期制御手段15Eにより、他の通信端末装置1B〜1Dから得られた片道転送遅延量およびメディアパケット受信用バッファでのバッファ遅延量に基づいて、各通信端末装置1での新たなバッファ遅延量をそれぞれ決定して対応する通信端末装置1へそれぞれ設定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、多地点接続技術に関し、特に多地点に配置されている通信端末間でメディアをやり取りする際に、各通信端末間で生じるメディア遅延を同期させるための遅延同期技術に関する。
近年、インターネットに代表されるパケット網におけるアクセス回線のブロードバンド化に応じて、比較的容量の大きいストリーミング系の映像・音声メディアのやり取りするリアルタイム系アプリケーションが利用されつつある。また、このようなリアルタイム系アプリケーションを用いて、多地点に配置された複数の端末間で映像・音声メディアをやり取りする、いわゆるテレビ会議などの多地点コミュニケーションも注目されている。
このような、多地点通信では、ネットワーク品質の差に応じて対地間でメディアの転送遅延差が生じることから、この転送遅延差がユーザ体感品質へ与える影響について検討されている。
従来、多地点間で遅延同期処理を行う方法として、各対地より送信されてきた映像のフレーム番号を順に並べて、各対地のフレーム番号を合わせることで遅延同期処理をする方法が提案されている(例えば、特許文献1など参照)。
また、システムに組み込まれる機能とは別に、多地点に分散されている端末の時刻同期をとる方法が提案されている(例えば、非特許文献2など参照)。
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
特開平09−219851号公報 特開2002−064539号公報 特開2004−023594号公報 田上ほか、「多地点パケット監視システム用時刻同期方式の検討」、FIT(情報科学技術フォーラム)、2002 M-24、2002 R.Caceres and A.Clark,「RTP Control Protocol Extended Reports(RTCP XR)」,IETF RFC3611,Nov.2003 David L.Mills,「Network Time Protocol(Version 3) Specification,Implementation and Analysis」,IETF RFC1305,Mar.1992 H.Schulzrinne,S.Casner,R.Frederick,V.Jacobson,「RTP:A Transport Protocol for Real-Time Applications」,IETF RFC3550,Jul.2003
しかしながら、このような従来技術では、利用形態や様々なネットワークの品質状態の変化に応じて、多地点間で常にメディアの遅延同期をとって、映像コミュニケーションを制御し、その品質を管理することができないという問題点があった。
すなわち、前者によれば、全対地で同時に映像フレームの通信が開始されない限り(開始時刻がずれない状態)、全対地で同期をとることはできない。したがって、送信端末の処理時間が変動した際(例えば、CPU等にかかる負荷の影響によりエンコード遅延が延びる状態)に、映像のフレーム番号で同期処理を行うと、実際の映像では時刻のずれが生じる。
また、IP網のようなパケット網上では、パケットの損失、遅延および遅延揺らぎが頻繁に生じるため、それらを考慮してフレーム番号で同期をとる場合、その同期処理によって余計な処理時間(損失を認識するまでの時間や全対地のフレームが到達するまでの待ち時間)が生じるために、遅延が延々と延びてしまう。
これらの現象が、端末(ハードウェア)性能の向上により、改善されたとしても、ある対地に注目した場合、他の対地から送られる映像の時刻同期はとれているが、ネットワークで対地ごとに遅延差が生じていれば、全対地で全く同時刻に、全く同じ映像を視聴することはできない。
また、後者には、専用測定器もしくは専用機能によって、パケットに時刻情報を入力するといった加工を施し、端末のクロック精度による長時間で生じる誤差を修正することを目的として、最終的にmsの誤差を修正する技術が開示されている。しかし、これは各端末間の時刻のずれを測定する手法であり、アプリケーション機能に組み込まれた機能を利用して、多地点間の映像を専用のパケットを新たな追加することなくパッシブに時刻同期させる手法ではなく、アプリケーションの同期をとる制御方法については開示されていない。アプリケーションレベルでの多地点同期は、ms精度までの誤差を要求することはなく、パッシブで処理に時間がかからない機能が望まれる。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、利用形態や様々なネットワークの品質状態の変化に応じて多地点間で常にメディアの遅延同期をとって、映像コミュニケーションを制御し、その品質を管理することができる多地点コミュニケーションの通信端末装置および遅延同期制御方法を提供することを目的としている。
このような目的を達成するために、本発明にかかる通信端末装置は、パケット網に接続された複数の通信端末装置との間でパケットを相互に送受信して各種メディアをやり取りすることにより多地点コミュニケーションを実現する通信端末装置において、各通信端末装置との間で送受信するパケットの片道転送遅延量を推定する転送遅延推定手段と、各通信端末装置のいずれかから、各通信端末装置でのメディアの遅延を同期させる際の基準となる基準対地を決定する基準対地決定手段と、通信端末装置から得られた片道転送遅延量およびメディアパケット受信用バッファでのバッファ遅延量に基づき各通信端末装置での新たなバッファ遅延量をそれぞれ決定して対応する通信端末装置へそれぞれ設定する遅延同期制御手段とを備えるものである。
この際、片道転送遅延量については、転送遅延推定手段で、任意の通信端末装置間を結ぶ両方向の経路での片道転送遅延量の平均値を当該通信端末装置間の片道転送遅延量として用いるようにしてもよい。
さらに、転送遅延推定手段で、両方向の経路での片道転送遅延量の差を示す遅延量誤差が予め設定されている許容範囲内である場合は当該通信端末装置間の片道転送遅延量として用い、許容範囲を超える場合は遅延量誤差と許容範囲との差を用いて平均値を補正した値を当該通信端末装置間の片道転送遅延量として用いるようにしてもよい。
また、基準対地については、基準対地決定手段で、各通信端末装置のうち、多地点コミュニケーションでやり取りするメディアデータの単位時間あたりの送信量が最も多い通信端末装置を基準対地として決定するようにしてもよい。
また、バッファ遅延量決定の具体例としては、遅延同期制御手段に、基準対地となる第1の通信端末装置から他の第2の通信端末装置方向の経路での片道転送遅延量と第2の通信端末装置でのバッファ遅延量との和から第1の通信端末装置と第2の通信端末装置とのEnd-to-End遅延量を算出するEnd-to-End遅延量算出手段と、基準対地以外の各第2の通信端末装置についてそれぞれ得られた複数のEnd-to-End遅延量からEnd-to-End遅延量の最適値を決定する最適値決定手段と、この最適値から各第2の通信端末装置との間の片道転送遅延量をそれぞれ減算することにより、各第2の通信端末装置の新たなバッファ遅延量を算出するバッファ遅延量算出手段とを設けてもよい。
この際、最適値については、最適値決定手段で、各第2の通信端末装置についてそれぞれ得られた複数のEnd-to-End遅延量のうちその最大値を最適値に決定するようにしてもよい。
あるいは、最適値決定手段で、任意の仮最適値に基づき算出した新たなバッファ遅延量を各第2の通信端末装置で用いて実際に多地点コミュニケーション行った際に、当該多地点コミュニケーションに対する各第2の通信端末装置でのユーザ体感品質がそれぞれ所定の目標値を満足する仮最適値を最適値として選択するようにしてもよい。
この際、最適値決定手段で、仮最適値の初期値として各第2の通信端末装置のEnd-to-End遅延量の平均値を用い、各ユーザ体感品質が目標値を満足するまで仮最適値を順次増加させ、目標値を満足した時点での仮最適値を最適値として選択するようにしてもよい。
また、本発明にかかる遅延同期制御方法は、パケット網に接続された複数の通信端末装置で用いられ、これら通信端末装置間でパケットを相互に送受信して各種メディアをやり取りすることにより多地点コミュニケーションを実現する際、各通信端末装置でのメディアの遅延同期を制御する遅延同期制御方法において、各通信端末装置との間で送受信するパケットの片道転送遅延量を推定する転送遅延推定ステップと、各通信端末装置のいずれかから、各通信端末装置でのメディアの遅延を同期させる際の基準となる基準対地を決定する基準対地決定ステップと、通信端末装置から得られた片道転送遅延量およびメディアパケット受信用バッファでのバッファ遅延量に基づき各通信端末装置での新たなバッファ遅延量をそれぞれ決定して対応する通信端末装置へそれぞれ設定する遅延同期制御ステップとを備えるものである。
この際、片道転送遅延量については、転送遅延推定ステップで、任意の通信端末装置間を結ぶ両方向の経路での片道転送遅延量の平均値を当該通信端末装置間の片道転送遅延量として用いるようにしてもよい。
さらに、転送遅延推定ステップで、両方向の経路での片道転送遅延量の差を示す遅延量誤差が予め設定されている許容範囲内である場合は当該通信端末装置間の片道転送遅延量として用い、許容範囲を超える場合は遅延量誤差と許容範囲との差を用いて平均値を補正した値を当該通信端末装置間の片道転送遅延量として用いるようにしてもよい。
また、基準対地については、基準対地決定ステップで、各通信端末装置のうち、多地点コミュニケーションでやり取りするメディアデータの単位時間あたりの送信量が最も多い通信端末装置を基準対地として決定するようにしてもよい。
また、バッファ遅延量決定の具体例としては、遅延同期制御ステップとして、基準対地となる第1の通信端末装置から他の第2の通信端末装置方向の経路での片道転送遅延量と第2の通信端末装置でのバッファ遅延量との和から第1の通信端末装置と第2の通信端末装置とのEnd-to-End遅延量を算出するEnd-to-End遅延量算出ステップと、基準対地以外の各第2の通信端末装置についてそれぞれ得られた複数のEnd-to-End遅延量からEnd-to-End遅延量の最適値を決定する最適値決定ステップと、この最適値から各第2の通信端末装置との間の片道転送遅延量をそれぞれ減算することにより、各第2の通信端末装置の新たなバッファ遅延量を算出するバッファ遅延量算出ステップとを設けてもよい。
この際、最適値については、最適値決定ステップで、各第2の通信端末装置についてそれぞれ得られた複数のEnd-to-End遅延量のうちその最大値を最適値に決定するようにしてもよい。
あるいは、最適値決定手段で、最適値決定ステップで、任意の仮最適値に基づき算出した新たなバッファ遅延量を各第2の通信端末装置で用いて実際に多地点コミュニケーション行った際に、当該多地点コミュニケーションに対する各第2の通信端末装置でのユーザ体感品質がそれぞれ所定の目標値を満足する仮最適値を最適値として選択するようにしてもよい。
この際、最適値決定ステップで、仮最適値の初期値として各第2の通信端末装置のEnd-to-End遅延量の平均値を用い、各ユーザ体感品質が目標値を満足するまで仮最適値を順次増加させ、目標値を満足した時点での仮最適値を最適値として選択するようにしてもよい。
本発明によれば、基準対地となる通信端末装置と他の通信端末装置との間の片道遅延量と、これら通信端末装置間でメディアをやり取りするためのパケット受信用バッファのバッファ遅延量とに基づき、各通信端末装置における新たなバッファ遅延量が決定されて、各通信端末装置でパケット受信用バッファのバッファ遅延量として設定されるため、基準対地となる通信端末装置と他の通信端末装置との間でやり取りされる多地点コミュニケーションのメディアに関する遅延を同期させることができる。
これにより、利用形態や様々なネットワークの品質状態の変化に応じて、多地点間で常にメディアの遅延同期をとって、映像コミュニケーションを制御し、その品質を管理することができる。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる通信端末装置が適用される多地点映像コミュニケーションシステムについて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる通信端末装置が適用される多地点映像コミュニケーションシステムの構成を示すブロック図である。
この多地点コミュニケーションシステムは、インターネットに代表されるパケット網5と、このパケット網5に接続された複数の通信端末装置1(1A〜1D)とから構成されている。
通信端末装置1は、全体としてコンピュータを持つ情報処理装置からなり、各種アプリケーション(ソフトウェア)を実行することにより、各種コミュニケーション機能を実現する。この際、アプリケーションとしてリアルタイム系アプリケーションを実行し、パケット網5を介して他の通信端末装置1とメディアパケットを送受信して映像や音声のメディアをやり取りすることにより、多地点TV会議や多地点IP電話会議などの多地点映像コミュニケーションを実現する。
本実施の形態では、これら通信端末装置1で、通信端末装置1間ごとに異なるパケット転送遅延量に基づいて、各通信端末装置1でリアルタイム系アプリケーションによりメディアをやり取りする際のパケット遅延量、具体的にはパケット受信用バッファのバッファ遅延量(揺らぎ吸収バッファのバッファ長)を制御することにより、上記メディアのEnd-to-Endでの遅延について同期制御を行うようにしたものである。
なお、多地点コミュニケーションシステムでは、多地点接続装置(MCU:Multi-point Control Unit)を利用しない場合、多地点コミュニケーションサービスに参加する通信端末装置1から、そのサービスに参加している他の通信端末装置1に対して、自身の作成するメディアデータ(例えば、音声や映像等)を送信する。
例えば図1には、通信端末装置1Aに着目して、この通信端末装置1Aと他の通信端末装置1B,1C,1Dとの間でやり取りするメディアが示されているが、通信端末装置1B,1C,1Dでも同様である。
また、図1では、通信端末装置1間で1つのメディア情報を送信している例が示しているが、実際には、映像や音声など複数のメディアを送信している。
この際、パケットの通信経路としては、パケット網5を介して各対地間でメッシュ状にセッションがはられるため、任意の対地に着目すると、他の全対地に向けてパケットを送信するものとなる。
[通信端末装置]
次に、図2を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる通信端末装置1について説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態にかかる通信端末装置1の構成を示すブロック図である。
この通信端末装置1には、全体としてコンピュータを持つ情報処理装置からなり、画面表示部11、操作入力部12、通信インターフェース部(以下、通信I/F部という)13、記憶部14、および制御部15が設けられている。
画面表示部11は、LCDやCRTなどの画面表示装置からなり、制御部15からの出力に応じて各種情報を画面表示する。
操作入力部12は、キーボードやマウスなどの操作入力装置からなり、利用者の操作を検出して制御部15へ出力する。
通信I/F部13は、他の通信端末装置1などパケット網5に接続されている装置とパケットを送受信することにより、メディアデータや品質管理情報などの各種情報をやり取りする回路部である。
記憶部14は、ハードディスクやメモリなどの記憶装置からなり、制御部15での処理に用いる各種情報やプログラム14Pを記憶する。記憶部14で記憶する情報としては、他の通信端末装置1から取得した、各通信端末装置1に関する品質管理情報14Aがある。
制御部15は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路を有し、記憶部14のプログラム14Pを読み出して実行することにより、上記ハードウェアとプログラム14Pとを協働させて各種機能手段を実現する機能部である。
上記機能手段としては、時刻同期手段15A、転送遅延推定手段15B、基準対地決定手段15C、品質管理情報伝達手段15D、遅延同期制御手段15E、およびアプリケーション実行手段15Fがある。
時刻同期手段15Aは、各通信端末装置1相互間で計時時刻を同期させる機能手段である。
転送遅延推定手段15Bは、通信端末装置1間でやり取りされる所定の制御用パケットを用いることにより、各通信端末装置1間における片道転送遅延量を推定する機能手段である。
基準対地決定手段15Cは、各通信端末装置1のうちのいずれかを、各通信端末装置1でのメディアの遅延を同期させる際の基準となる基準対地として決定する機能手段である。
品質管理情報伝達手段15Dは、各通信端末装置1間で遅延同期制御に必要な各種品質管理情報、例えば転送遅延推定手段15Bで得られた片道転送遅延量や、メディアパケット受信用バッファのバッファ遅延量(バッファ長)、さらには各通信端末装置1での多地点コミュニケーションに対するユーザ体感品質値などの各種品質管理情報をやり取りする機能手段である。
遅延同期制御手段15Eは、各通信端末装置1間の片道転送遅延量や各通信端末装置1から収集した品質管理情報に基づき、各通信端末装置1でのメディアパケット受信用バッファの新たなバッファ遅延量を決定して各通信端末装置1へ設定することにより、多地点コミュニケーションで用いる各メディアのEnd-to-Endでの遅延について同期制御を行う機能手段である。
アプリケーション実行手段15Fは、多地点コミュニケーションを実現するリアルタイム系アプリケーションなど、各種アプリケーションを実行する機能手段である。ここでは、リアルタイム系アプリケーションを実行することにより、当該通信端末装置1でカメラ・マイク(図示せず)から得られた映像や音声などのメディアデータをメディアパケットに格納して通信I/F部13から送信するとともに、通信I/F部13で受信したメディアパケットを所定のバッファ遅延量を持つメディアパケット受信用バッファ(揺らぎ吸収バッファ)で一時的に保持して復調し画面表示部11やスピーカ(図示せず)から再生出力する。
[第1の実施の形態の動作]
次に、図3を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる通信端末装置1の動作について説明する。図3は、本発明の第1の実施の形態にかかる通信端末装置1の遅延同期処理を示すフローチャートである。ここでは、通信端末装置1Aが基準対地の場合を例として説明する。
各通信端末装置1(1A〜1D)の制御部15は、利用者による操作入力部12からの指示や他の通信端末装置1からの要求に応じて、アプリケーション実行手段15Fで多地点コミュニケーションを実現するためのアプリケーションを実行した場合、図3の遅延同期処理を開始する。
まず、制御部15は、時刻同期手段15Aにより、各通信端末装置1間で計時時刻を同期させ(ステップ100)、転送遅延推定手段15Bにより、所定の制御用パケットを利用して、各対地間のパケット網5上でのパケットの片道転送遅延を推定する(ステップ101)。
続いて、基準対地決定手段15Cで、各通信端末装置1のうち遅延同期の制御のための基準対地を決定する(ステップ102)。
ここで、通信端末装置1Aが基準対地に決定された場合、基準対地以外の通信端末装置1B〜1Dの制御部15は、品質管理情報伝達手段15Dで、当該装置で得られた片道転送遅延量やパケット受信用バッファのバッファ長、さらには基準対地決定手段15Cで決定した基準対地を示す通信端末装置の情報などの各種品質管理情報を基準対地となる通信端末装置1Aへ通知する(ステップ103)。
この際、品質管理情報伝達手段15Dでは、例えば、多地点コミュニケーションサービス実行中に通信端末装置1間で送受信されるRTCP XR(RTP Control Protocol Extended Reports:例えば非特許文献2など参照)のような制御用パケットに組み込み、各通信端末装置1に対して送信すればよい。
次に、基準対地となる通信端末装置1Aの制御部15は、品質管理情報伝達手段15Dで、各通信端末装置1B〜1Dから通知された品質管理情報を受信し、自装置で得られた品質管理情報と合わせて、記憶部14へ品質管理情報14Aとして格納する。
そして、遅延同期制御手段15Eで、記憶部14の品質管理情報14を参照して、各対地の通信端末装置1でのバッファ遅延量を決定し(ステップ104)、他の通信端末装置1B〜1Dへ通知する(ステップ105)。
各通信端末装置1では、基準対地の通信端末装置1Aで決定されたバッファ遅延量に基づき、パケット受信用バッファのバッファ遅延量(バッファ長)を設定することにより遅延同期制御を行う(ステップ106)。
これにより、各通信端末装置1A〜1Dのバッファ遅延量がそれぞれ調整されて、各通信端末装置1B〜1Dから基準対地となる通信端末装置1Aへそれぞれ送信されたメディアが、通信端末装置1Aで同じタイミングで復調され合成されるとともに、基準対地となる通信端末装置1Aから各通信端末装置1B〜1Dへ送信されたメディアがそれぞれの通信端末装置1B〜1Dにおいて同じタイミングで復調されて再生される。
そして、多地点コミュニケーションが継続されている間に、これら一連の遅延同期処理が、数秒単位で定期的にあるいは必要に応じて繰り返し実行され、通信端末装置1Aと通信端末装置1B〜1Dとの間でやり取りされるメディアの遅延同期が維持される。
このように、基準対地となる通信端末装置1Aと他の通信端末装置1B〜1Dとの間の片道遅延量と、これら通信端末装置間でメディアをやり取りするためのパケット受信用バッファのバッファ長とに基づき、各通信端末装置1A〜1Dにおけるバッファ遅延量を決定し、各通信端末装置1A〜1Dのパケット受信用バッファのバッファ遅延量として設定するようにしたので、基準対地と他の対地との間でやり取りされる多地点コミュニケーションのメディアの遅延を同期させることができ、各通信端末装置1において同じタイミングでメディアを復調し再生することができる。
これにより、多地点コミュニケーションサービスを利用する各通信端末装置間のメディア遅延差に起因して利用者が感じる違和感を軽減でき、各通信端末装置で異なる遅延が生ずる場合でも、一体感さらには臨場感のある多地点コミュニケーションサービスを提供できる。
また、実際の各通信端末装置間の片道転送遅延量を逐次推定し、この片道転送遅延量に基づいて各通信端末装置に対する新たなバッファ遅延量を算出するようにしたので、パケット網のトラフィックなどのネットワーク品質が変化した場合でも、安定した多地点コミュニケーションサービスを提供できる。
[第2の実施の形態]
次に、図4を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる通信端末装置について説明する。図4は、本発明の第2の実施の形態にかかる通信端末装置での片道転送遅延量の推定処理を示す説明図である。なお、本実施の形態にかかる通信端末装置1の構成については、前述した第1の実施の形態(図1参照)と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、制御部15の転送遅延推定手段15Bにおける片道転送遅延量の推定処理(図3のステップ101)と、これに必要な時刻同期手段15Aにおける時刻同期処理(図3のステップ100)について詳細に説明する。
まず、時刻同期手段15Aにおける時刻同期処理について詳細に説明する。通信端末装置1では、各通信端末装置1間の片道転送遅延量を推定する際、その経路区間の両端に位置する通信端末装置1でのパケット送受信時刻の差から片道転送遅延量を推定している。したがって、これら通信端末装置1で計時する時刻を、片道転送遅延量の推定に先立って同期させておく必要があり、この時刻同期のために時刻同期手段15Aが設けられている。
時刻同期手段15Aでは、NTP(Network Time Protocol:非特許文献3など参照)など汎用の時刻同期システムを用いればよい。NTPは、パケット網5に設けたNTPサーバ(図示せず)で基準時刻を計時しておき、他の装置からの問い合わせに応じて時刻情報を通知するシステムである。時刻同期手段15AからNTPサーバへアクセスするタイミングは、例えば数分ごとに定期的に行えばよく、その送信間隔は任意に決定してもよい。ただし、過去の実験結果等を利用して、時刻のずれが生じない程度に設定する。
また、NTPを利用した際には、時刻同期の精度に関して問題となるが、アプリケーションの特性から数ms以下の誤差は許容するものとして本発明を適用する。時刻同期の精度を向上させる手段として、どの程度の周期で、どのNTPサーバにアクセスするかが問題となる場合もあるが、本発明においては、その方法は限定せず、最も精度のよいものを利用する。例えば、数分の周期により、どの対地からでも同じNTPサーバにアクセスを試み、時刻同期を行う。
なお、より正確に時刻同期をとるためには、各通信端末装置1にGPS(Global Positioning System)レシーバを備え付けることが望ましく、このGPSレシーバを用いて時刻同期手段15Aで時刻同期処理を実施しても構わない。
次に、転送遅延推定手段15Bでの片道転送遅延量の推定処理について詳細に説明する。例えば、通信端末装置1A,1B間の片道転送遅延量を推定する場合、通信端末装置1A,1Bの転送遅延推定手段15Bから相手対地に対して、その送信時刻が記述されたパケットを送信する。この際、RTP(Real-time Transport Protocol:非特許文献4など参照)を利用して、そのパケットヘッダで時刻情報を通知してもよい。
図4では、通信端末装置1Aから通信端末装置1Bに対して、時刻TA1にその時刻TA1が送信時刻として記述されたパケットAが送信され、通信端末装置1Bから通信端末装置1Aに対して、時刻TB1にその時刻TB1が送信時刻として記述されたパケットBが送信されている。
その後、通信端末装置1A,1Bの転送遅延推定手段15Bは、相手対地からのパケットをそれぞれ受信し、その受信時刻と当該パケットに記述されている送信時刻との時刻差から片道転送遅延量を推定する。図4において、通信端末装置1Bでは、時刻TB2にパケットAが受信されており、通信端末装置1Aから通信端末装置1Bまでの片道転送遅延量dabは、dab=TB2−TA1で求められる。同様にして、通信端末装置1Aでは、時刻TA2にパケットBが受信されており、通信端末装置1Bから通信端末装置1Aまでの片道転送遅延量dbaは、dba=TA2−TB1で求められる。
この際、通信端末装置1A,1Bで得られた片道転送遅延量は、異なる通信端末装置1A,1Bでの時刻の差から求めているため、両者の時刻差すなわち時刻同期の誤差がそれぞれの片道転送遅延量に含まれる。本実施の形態では、同一の通信端末装置間について得られた両方向の片道転送遅延量を平均化することにより当該区間の片道転送遅延量を求めている。
したがって、各通信端末装置1で得られた片道転送遅延量は、品質管理情報伝達手段15Dにより基準対地となる通信端末装置1Aへ通知され、通信端末装置1Aの転送遅延推定手段15Bで、区間ごとに両方向の片道転送遅延量が平均化されて当該区間の片道転送遅延量が推定される。
このように、本実施の形態では、各通信端末装置1間において両方向の片道転送遅延量の平均化することにより当該区間の片道転送遅延量を推定するようにしたので、各通信端末装置1間の時刻同期の誤差を低減させることができ、より正確に片道転送遅延量を推定できる。
[第3の実施の形態]
次に、図5を参照して、本発明の第3の実施の形態にかかる通信端末装置について説明する。図5は、本発明の第3の実施の形態にかかる通信端末装置での片道転送遅延量推定処理を示すフローチャートである。なお、本実施の形態にかかる通信端末装置1の構成については、前述した第1の実施の形態(図1参照)と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
前述した第2の実施の形態では、片道転送遅延量推定処理(図3のステップ101)として、任意の区間について両方向の片道転送遅延量の平均化することにより当該区間の片道転送遅延量を推定する場合について詳細に説明した。
この際、同一区間における両方向の片道転送遅延量は、それぞれの転送経路の経路構成やトラフィックなどの転送条件にも依存する。本実施の形態では、片道転送遅延量推定処理(図3のステップ101)として、このような転送条件を考慮した片道転送遅延量の推定処理について、通信端末装置1A,1Bの片道転送遅延量を推定する場合を例として説明する。
前述した第2の実施の形態と同様にして、基準対地となる通信端末装置1Aの転送遅延推定手段15Bは、各通信端末装置1A,1Bで得られた片道転送遅延量dab,dbaをそれぞれ取得した後、図5の片道転送遅延量推定処理を開始する。
まず、片道転送遅延量dab,dbaの差の絶対値により両者の遅延量誤差Δdab=|dba−bab|を算出し(ステップ110)、この遅延量誤差Δdabと所定の許容範囲Jを比較して、遅延量誤差Δdabが許容範囲内かどうか判断する(ステップ111)。
ここで、Δdab≦Jとなり、遅延量誤差Δdabが許容範囲Jを満足する場合(ステップ111:YES)、前述した第2の実施の形態と同様にして、式(1)により片道転送遅延量dab,dbaを平均化することにより、当該区間の片道転送遅延量dab,dbaを推定し(ステップ112)、一連の片道転送遅延量推定処理を終了する。
Figure 2005354351
一方、Δdab>Jとなり、遅延量誤差Δdabが許容範囲Jを満足しない場合(ステップ111:NO)、遅延量誤差Δdabを用いて片道転送遅延量dab,dbaの平均値を補正して当該区間の片道転送遅延量dab,dbaを推定し(ステップ113)、一連の片道転送遅延量推定処理を終了する。
この際、dba>dabの場合には、次の式(2)を用いて、遅延量誤差Δdabと許容範囲Jとの差Δdab−Jの半分を、片道転送遅延量dab,dbaの平均値から減算して補正することにより遅延量の小さい方のdabを推定するとともに、片道転送遅延量dab,dbaの平均値に差Δdab−Jの半分を加算して補正することにより遅延量の大きい方のdbaを推定する。
Figure 2005354351
一方、dba<dabの場合には、次の式(3)を用いて、遅延量誤差Δdabと許容範囲Jとの差Δdab−Jの半分を、片道転送遅延量dab,dbaの平均値に加算して補正することにより遅延量の大きい方のdabを推定するとともに、片道転送遅延量dab,dbaの平均値から差Δdab−Jの半分を減算して補正することにより遅延量の小さい方のdbaを推定する。
Figure 2005354351
このように、同一区間における両片道転送遅延量の遅延量誤差が所定の許容範囲を満足しない場合には、両片道転送遅延量の平均値に対して遅延量誤差と許容範囲Jとの差の半分を加減算することにより、両片道転送遅延量をそれぞれ推定するようにしたので、同一区間における両方向の転送経路の経路構成やトラフィックなどの転送条件に起因して、両片道転送遅延量が大きく異なる場合でも、転送条件に起因する遅延量誤差を低減させることができ、より正確に片道転送遅延量を推定できる。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態にかかる通信端末装置について説明する。なお、本実施の形態にかかる通信端末装置1の構成については、前述した第1の実施の形態(図1参照)と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、通信端末装置での基準対地決定処理(図3のステップ102)について詳細に説明する。各通信端末装置間でメディアの遅延同期を行うためには、その同期の基準となる対地すなわち基準対地が必要となり、各通信端末装置1の制御部15で、基準対地決定手段15Cにより、通信端末装置1のうち基準対地となる通信端末装置1を決定する。
前述した第1の実施の形態(図1参照)のように、多地点映像コミュニケーションサービスにおいて、MCUを利用しない場合、当該サービスを利用する通信端末装置1のいずれかを基準対地として任意に決定してもよいが、次の2つの手法が考えられる。
まず、第1の手法は、多地点映像コミュニケーションサービスを開始する時点で、どの通信端末装置1を基準対地とするか予め利用者間で決定しておき、各通信端末装置1の操作入力部12からそれぞれの利用者が操作入力し、これを基準対地決定手段15Cで管理する方法である。
各通信端末装置1におけるメディアの遅延同期制御は、基準対地となる通信端末装置1との間でやり取りするメディアの復調および再生のタイミングが同期するよう制御される。したがって、各通信端末装置1のうち司会役あるいは進行役となる利用者の通信端末装置1と、他の通信端末装置1との間で遅延同期が得られれば、各利用者は、違和感なく多地点映像コミュニケーションサービスを利用できる。
次に、第2の手法は、基準対地決定手段15Cで、多地点映像コミュニケーションサービスの利用状況に応じて、基準対地となる通信端末装置1を決定する方法である。この場合、基準対地決定手段15Cで、例えば、多地点映像コミュニケーションサービスで用いるメディアの単位時間あたりの送信データ量が、最も多い対地を基準対地と判断する。なお、送信データ量に関しては、サービス実行中に端末間で送受信されるRTCP XRのような制御用パケットを利用して収集すればよい。
このように、各通信端末装置1におけるメディアの単位時間あたりの送信データ量に基づいて基準対地を決定するようにしたので、前述した第1の手法と同様にして、各通信端末装置1のうち発言の頻度が高い、例えば司会役あるいは進行役となる利用者の通信端末装置1が基準対地として自動的に選択される。したがって、第1の手法のように利用者による操作入力を必要とすることなく基準対地を決定できる。また、多地点映像コミュニケーションサービスの利用とともに発言頻度が高い利用者が変化しても、その変化に追従して基準対地を決定することができ、各利用者が、常に違和感なく多地点映像コミュニケーションサービスを利用できる。
[第5の実施の形態]
次に、図6を参照して、本発明の第5の実施の形態にかかる通信端末装置について説明する。図6は、本発明の第5の実施の形態にかかる通信端末装置でのバッファ遅延量決定処理を示すフローチャートである。なお、本実施の形態にかかる通信端末装置1の構成については、前述した第1の実施の形態(図1参照)と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、基準対地となる通信端末装置1Aにおけるバッファ遅延量決定処理(図3のステップ104)について詳細に説明する。
基準対地となる通信端末装置1Aでは、遅延同期制御手段15Eにより、転送遅延推定手段15Bで推定された各通信端末装置1B〜1Dとの間の片道転送遅延量dax(x=b,c,d)と、品質管理情報伝達手段15Dで得られた各通信端末装置1のパケット受信用バッファのバッファ長bax(x=b,c,d)との和dax+baxを求めることにより、当該通信端末装置1Aから各通信端末装置1B〜1Dへ転送されるパケットのEnd-to-End遅延量Dax(x=b,c,d)をそれぞれ算出する(ステップ120)。このEnd-to-End遅延量は、経路での転送遅延だけでなく受信側通信端末装置1B〜1Dでのパケット受信用バッファによるバッファ遅延量も含むものである。
次に、遅延同期制御手段15Eは、End-to-End遅延量Daxのうち、最も遅延量の大きいものをEnd-to-End遅延量の最適値Doptとして選択し(ステップ121)、この最適値Doptと片道転送遅延量daxとの差Dopt−daxを求めることにより、各通信端末装置1B〜1Dにおけるパケット受信用バッファのバッファ長を示す新たなバッファ遅延量baxを決定する(ステップ122)。これにより、基準対地となる通信端末装置1Aから各通信端末装置1B〜1Dへ送信されるメディアの遅延同期を得るためのバッファ遅延量が決定されたことになる。
その後、遅延同期制御手段15Eは、各通信端末装置1B〜1Dから通信端末装置1Aへの逆方向について、上記最適値Doptを適用できるかどうか判断する(ステップ123)。上記逆方向については、最適値Doptが、各通信端末装置1B〜1Dから通信端末装置1Aへの片道転送遅延量dxa(x=b,c,d)と通信端末装置1Aのパケット受信用バッファのバッファ長bxa(x=b,c,d)との和dxa+dxaを満足する必要がある。ここで、bxaは、各通信端末装置1B〜1Dから通信端末装置1Aへ送信されるメディアデータの転送揺らぎを吸収するため、各メディアに最低必要となる最低遅延量(最低バッファ長)bminが必要となる。
例えば、映像メディアとして代表的なフレームレート30fpsを用いる場合、その最低遅延量は33msとなる。また音声メディアとして20msごとに音声パケットを送信していれば、その最低遅延量は20msとなる。
したがって、最適値Doptは、片道転送遅延量dxa(x=b,c,d)と最低遅延量bminとの和dxa+bminに対して、dxa+bmin≧Doptの関係を満足する必要がある。このとき、通信端末装置1Aを除く他の通信端末装置1間についても、最適値Doptを満足するか確認してもよい。
ステップ123において、このような関係が満足されない場合(ステップ123:NO)、ステップ121へ戻って、最適値Doptを所定分だけ増加して、ステップ122,123を繰り返し実行する。
また、上記関係が満足された場合(ステップ123:YES)、この最適値Doptと片道転送遅延量dxaとの差Dopt−dxaを求めることにより、通信端末装置1Aにおける通信端末装置1B〜1Dごとのパケット受信用バッファのバッファ長を示す新たなバッファ遅延量bxaを決定する(ステップ124)。
したがって、例えば図7に示すような遅延特性の多地点映像コミュニケーションシステムの場合は、次のようにして各バッファ遅延量が決定される。まず、dab=20ms,dac=10ms,dad=60ms,bab=60ms,bac=30ms,bad=120msが通信端末装置1B〜1Dから通信端末装置1Aへ通知されて、これらからDab=80ms,Dac=40ms,Dad=180msが算出され、Dopt=180msが選択される。そして、新たなバッファ遅延量としてbab=160ms,bac=170ms,bad=120msが決定される。
また、dba=20ms,dca=20ms,dda=70msが通信端末装置1Aで計測されるとともに、bba=60ms,bca=30ms,bda=110msが通信端末装置1Aで取得される。そして、Dopt=180msを満足するか確認された後、新たなバッファ遅延量としてbba=160ms,bca=160ms,bda=110msが決定される。この際、例えばdcd=ddc=140ms,bcd=bdc=130msを通信端末装置1Aが取得し、通信端末装置1Aを除く通信端末装置1C,1D間についても最適値Doptを満足しているか確認してもよく、これらの新たなバッファ遅延量として、bcd=bdc=140msを決定してもよい。
遅延同期制御手段15Eは、このようにして決定された新たなバッファ遅延量に応じた遅延制御情報を各通信端末装置1B〜1Dへ配信する(図3のステップ105)。そして、各通信端末装置1において、これら遅延制御情報に基づき、それぞれのパケット受信用バッファのバッファ長が制御され、各通信端末装置1間でメディアを送受信することになる(図3のステップ106)。これにより、通信端末装置1Aと各通信端末装置1B〜1Dとの間で送受信されるメディアの遅延同期が得られ、各利用者が、違和感なく多地点映像コミュニケーションサービスを利用できるものとなる。
このように、基準対地となる通信端末装置1Aの遅延同期制御手段15Eにおいて、各通信端末装置1から収集した片道転送遅延量とパケット受信用バッファのバッファ長とから、各通信端末装置1B〜1Dとの間のEnd-to-End遅延量を算出するとともに、これらEnd-to-End遅延量からその最適値を求め、その最適値から各通信端末装置1におけるパケット受信用バッファのバッファ長を示す新たなバッファ遅延量を決定するようにしたので、実際の片道転送遅延量に則した新たなバッファ遅延量を容易に算出できる。
また、End-to-End遅延量の最適値として、各End-to-End遅延量の最大値を用いるようにしたので、極めて容易な処理で各通信端末装置1が満足しうる最適値を選択できる。
また、End-to-End遅延量の最適値が、各通信端末装置1B〜1Dから通信端末装置1Aへの逆方向のメディア遅延についても満足するか確認するようにしたので、基準対地から配信されるメディアだけでなく、基準対地へ送信されるメディアについても遅延同期をとることができる。したがって、各対地から送信されたメディアを基準対地で復調して合成する際、そのタイミングを容易に同期させることができ、各利用者が、常に違和感なく多地点映像コミュニケーションサービスを利用できる。
なお、図3のステップ105,106においては、上記のようにして決定された各バッファ遅延量を、遅延制御情報で対応する通信端末装置1へ通知して、対応するパケット受信用バッファのバッファ遅延量として設定される場合について説明したが、各通信端末装置1における遅延同期制御については、これに限定されるものではない。
例えば、パケット網5でパケット優先制御サービスを提供している場合、上記のようにして決定された各バッファ遅延量と所定の優先制御しきい値とを比較し、優先制御しきい値を下回るバッファ遅延量の通信端末装置に対して送信するパケットについて、上記パケット優先制御サービスを用いるよう、遅延制御情報で各通信端末装置1へ通知するようにしてもよい。これにより、バッファ遅延量が少なく片道転送遅延量が比較的大きな経路を通過するメディアデータがパケット網5上で優先的に転送され、結果として他のメディアとの遅延同期が得られることになる。なお、上記各バッファ遅延量に代えて各片道転送遅延量を用いて優先制御の要否を判断してもよい。
また、各通信端末装置1において、対地ごとにメディアのパケット受信用バッファが設けられていない場合、送信側で、送信する時間を遅らせて送信する方法をとればよい。つまり、先の例を利用すると、受信側に対してバッファ量に関する制御情報を送信していたが、同等の値を送信側で設定するように情報を伝達する。具体的には、バッファ遅延量を各対地の送信側通信端末装置1へ情報伝達し、送信側通信端末装置1において、設定された値だけバッファリングして送信するような制御を実施すればよい。
これにより、対地ごとにメディアのパケット受信用バッファが設けられていない場合にも本発明を適用できる。
[第6の実施の形態]
次に、図8を参照して、本発明の第6の実施の形態にかかる通信端末装置について説明する。図8は、本発明の第6の実施の形態にかかる通信端末装置での最適値決定処理を示すフローチャートである。なお、本実施の形態にかかる通信端末装置1の構成については、前述した第1の実施の形態(図1参照)と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
前述した第5の実施の形態では、基準対地となる通信端末装置1Aでの遅延同期制御処理(図3のステップ104)において、End-to-End遅延量の最適値Doptとして、各End-to-End遅延量の最大値を選択する場合を例として説明した(図6のステップ121)。
本実施の形態では、ユーザ体感品質に基づきEnd-to-End遅延量の最適値Doptを適応的に決定する最適値決定処理について詳細に説明する。
基準対地となる通信端末装置1Aの制御部15は、遅延同期制御手段15Eで、End-to-End遅延量の最適値Doptを決定する場合、図8の最適値決定処理を開始する。
まず、基準対地となる通信端末装置1Aから各通信端末装置1B〜1D方向へのEnd-to-End遅延量Dab,Dac,Dadの平均値Daavgを算出し(ステップ130)、この平均値DaavgとこれらEnd-to-End遅延量Dab,Dac,Dadの最大値Damaxとの差Diff=Damax−Daavgを算出する(ステップ131)。
次に、利用するメディアの最低遅延量bminで差Diffを除算した値をさらに四捨五入(round)することにより、所望最適値の増加パラメータiの最大値Quotを算出し(ステップ132)、平均値Daavgに増加パラメータiと最低遅延量bminとの積を加算した値Daavg+i×bminを最適値Dopt(仮最適値)とする(ステップ133)。この場合、増加パラメータiは、0(初期値)からQuotまでの整数値をとる。
続いて、この最適値Doptと片道転送遅延量dax(x=b,c,d)との差Dopt−daxを求めることにより、新たなバッファ遅延量daxを決定し、これらを対応する通信端末装置1B〜1Dへ通知して、当該パケット受信用のバッファ長として設定する(ステップ134)。
そして、多地点コミュニケーションサービスを実際に実行して、各通信端末装置1B〜1Dでそのサービスに対するユーザ体感品質を推定する(ステップ135)。
このユーザ体感品質とは、サービスを利用する利用者が感じる主観的な品質のことであり、予め求めておいたネットワーク品質測定値とユーザ体感品質との関係を示す推定モデルを参照して、実際に測定したネットワーク品質測定値に対応するユーザ体感品質を取得する(例えば、特許文献2,3など参照)。
各通信端末装置1の制御部15に上記のようなユーザ体感品質推定手段を設けることにより、例えばパケット損失率などのネットワーク品質測定値からユーザ体感品質を推定できる。
基準対地となる通信端末装置1Aの遅延同期制御手段15Eでは、品質管理情報伝達手段15Dにより、各通信端末装置1B〜1Dからユーザ体感品質値を取得し(ステップ136)、これらユーザ体感品質値が予め設定しておいた目標値を満足しているか判断する(ステップ137)。
ここで、いずれかのユーザ体感品質値が目標値を満足していない場合(ステップ137:NO)、ステップ133に戻って増加パラメータiに1を加算して、上記ステップ133〜137を繰り返し実行する。
また、すべてのユーザ体感品質値が目標値を満足している場合(ステップ137:YES)、現在設定されている最適値Doptを所望の最適値に決定し(ステップ138)、一連の最適値決定処理を終了する。
このように、任意の仮最適値に基づき算出した新たなバッファ遅延量を用いて各通信端末装置1で実際に多地点コミュニケーション行った際に、当該多地点コミュニケーションに対する各ユーザ体感品質が所定の目標値を満足する値を最適値Doptとして選択するようにしたので、多地点コミュニケーションに対するユーザ体感品質を考慮した最適値Doptを選択できる。
また、仮最適値の初期値として各通信端末装置1のEnd-to-End遅延量の平均値を用い、各ユーザ体感品質が目標値を満足するまで仮最適値を所定分ずつ順次増加させ、目標値を満足した時点での仮最適値を最適値Doptとして選択するようにしたので、最適値DoptとしてEnd-to-End遅延量の最大値を選択する場合と比較して、各通信端末装置1でのバッファ遅延量としてより小さい値を得ることができ、多地点コミュニケーションサービス全体の品質を高めることができる。
[第7の実施の形態]
次に、本発明の第7の実施の形態にかかる通信端末装置について説明する。なお、本実施の形態にかかる通信端末装置1の構成については、前述した第1の実施の形態(図1参照)と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、各通信端末装置1でのバッファ遅延量設定処理(図3のステップ106)について詳細に説明する。各通信端末装置1では、基準対地となる通信端末装置1Aから通知された遅延制御情報に含まれるバッファ遅延量に基づき、パケット受信用バッファ(揺らぎ吸収バッファ)のバッファ遅延量を設定する。
本実施の形態では、このバッファ遅延量設定の際、通知されたバッファ遅延量をそのまま適用するのではなく、利用するメディアの最低遅延量bminの1/2の値を通知されたバッファ遅延量に加減算した値を、バッファ遅延量として設定するようにしたものである。
例えば、映像メディアとして代表的なフレームレート30fpsを用いる場合、その最低遅延量は33msとなる。また音声メディアとして20msごとに音声パケットを送信していれば、その最低遅延量は20msとなる。
したがって、これら最低遅延量bminの1/2の値、すなわち16.5msや10msを通知されたバッファ遅延量に加減算した値を用いるため、各通信端末装置1でのバッファ遅延量をより細かく制御できる。
[第8の実施の形態]
次に、図9を参照して、本発明の第8の実施の形態にかかる通信端末装置について説明する。図9は、本発明の第8の実施の形態にかかる通信端末装置での遅延同期制御処理を示す説明図である。なお、本実施の形態にかかる通信端末装置1の構成については、前述した第1の実施の形態(図1参照)と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
前述した各実施の形態では、任意の1つのメディアに着目してその遅延同期制御を行う場合を例として説明したが、2つ以上のメディアについて同時に遅延同期制御を行う場合には、いずれか1つのメディアを基準として制御を行えばよい。
例えば、音声と映像の2つのメディアの遅延同期を制御する場合、これら2つのメディア間も同期をとる必要があるため、音声を優先的に考え映像を音声に合わせる。
具体的には、図9に示すように、非優先メディアである映像を、優先メディアである音声の早さに合わせるためには、制御部15のアプリケーション実行手段15Fにより、メディア再生処理において、映像フレームのうち例えば奇数フレームだけを間引く処理を行えばよい。
これにより、複数のメディアについて同時に遅延同期制御を行う場合、これらメディア間についても容易に同期させることができ、各利用者が、違和感なく多地点映像コミュニケーションサービスを利用できる。
なお、上記のように、音声が優先メディアに限定されるものではなく、映像を優先させ、音声を間引く処理を行つても構わない。また、上記間引き処理は、受信側の通信端末装置1で行う場合を例として説明したが、送信側の通信端末装置1で実施しても構わない。具低的には、図9のようにして、メディア間の同期をとるとともに、当該バッファ遅延量に合わせて送信すればよい。このような間引き処理を実施することで処理能力を向上させることができるとともに各通信端末装置1でメディアの遅延時間を減らすことができ、多地点コミュニケーションサービス全体の品質を高めることができる。
[各実施の形態の拡張]
以上の各実施の形態では、4つの通信端末装置1A〜1Dのうち通信端末装置1Aが基準対地となって、各通信端末装置1からのメディアを合成して各通信端末装置1へ配信する場合を例として説明したが、通信端末装置1の数や基準対地については、上記例に限定されるものではなく、通信端末装置1が3以上ある場合、さらにはいずれの通信端末装置1が基準対地となった場合も、各実施の形態を前述と同様に適用でき、同様の作用効果が得られる。
また、以上の各実施の形態では、通信端末装置1が遅延同期制御を行う場合を例として説明したが、通信端末装置1とは別個に、図1の制御部15の各機能手段を備える通信端末制御装置をそれぞれ設け、通信端末装置1や他の通信端末制御装置から得られた品質管理情報に基づき、この通信端末制御装置で遅延バッファ量の決定や通知などの処理を行うようにしてもよい。
また、以上の各実施の形態では、MCUがなくいずれかの通信端末装置1が基準対地となる場合を例として説明したが、図10に示すように、パケット網5にMCU2が配置されており、このMCU2で各通信端末装置1A〜1Dのメディアが合成されて各通信端末装置1A〜1Dへ配信される場合も同様である。
この場合には、図1の制御部15の各機能手段を備えるMCU2が前述した基準対地となって、各通信端末装置1のバッファ遅延量を決定し、各通信端末装置1での遅延同期制御が行われる。
図10において、パケットの通信経路としては、全通信端末装置1からMCU2に対してセッションがはられるとともに、MCU2から全通信端末装置1に対して別セッションがはられるため、ある通信端末装置1から送信されるパケットは、一度、MCU2へ向けて送信され、MCU2へ到着後、各通信端末装置1から送られてきたメディア情報を合成して、その情報を送られてきたパケットとは別のパケットを構成し、再度、各通信端末装置1へ向けて送信される。
つまり、通信端末装置1Aから通信端末装置1Bへのデータは、通信端末装置1AからMCU2へのセッションとMCU2から通信端末装置1Bへのセッションの2つのセッションを通って転送されることになる。MCU2を介さない場合には、通信端末装置1Aから通信端末装置1Bへの1つのセッションによってデータが送られる。
このMCU2の有無の違いは、各実施の形態において、各対地間で時刻同期をとる際にMCU2においても他の通信端末装置1と同等の時刻同期処理を行うことと、基準対地をMCU2とするか否かの違いである。
また、以上の各実施の形態で用いる各種品質管理情報は、品質管理情報伝達手段15Dにより、通信端末装置1間でやり取りする必要がある。この場合には、MIB(Management Information Base)情報を利用できる。
まず、各通信端末装置1の品質管理情報伝達手段15Dで、各種品質管理情報を、ネットワーク管理の標準規格MIBで規定されたMIB情報として管理しておく。そして、品質管理情報伝達手段15Dで、パケット網5を介して所望の通信端末装置1アクセスし、SNMP(Simple Network Management Protocol)などのプロトコルにより所望の品質管理情報を取得すればよい。
SNMPは、TCP/IPネットワークにおいて、ルータやコンピュータ、端末など、ネットワークに接続された通信機器をネットワーク経由で監視・制御するためのプロトコルである。制御の対象となる機器はMIBと呼ばれる管理情報データベースを持っており、管理を行う機器は対象機器のMIB情報を参照して適切な設定を行うことができる。
なお、MIB情報については、多地点コミュニケーションサービスに参加している各通信端末装置1の間を流通しているため、サービスに参加している利用者自身が、各種品質管理情報を確認して自身の通信端末装置1の設定を変更することも可能である。
また、同様の理由で、図11に示すように、パケット網5に配置されているネットワーク管理装置3など、多地点コミュニケーションサービスに参加していない装置で、多地点コミュニケーションの品質監視を行うことも可能である。
本発明の第1の実施の形態にかかる通信端末装置が適用される多地点映像コミュニケーションシステムの構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態にかかる通信端末装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態にかかる通信端末装置1の遅延同期処理を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態にかかる通信端末装置での片道転送遅延量の推定処理を示す説明図である。 本発明の第3の実施の形態にかかる通信端末装置での片道転送遅延量推定処理を示すフローチャートである。 本発明の第5の実施の形態にかかる通信端末装置でのバッファ遅延量決定処理を示すフローチャートである。 多地点映像コミュニケーションシステムの遅延特性例である。 本発明の第6の実施の形態にかかる通信端末装置での最適値決定処理を示すフローチャートである。 本発明の第8の実施の形態にかかる通信端末装置での遅延同期制御処理を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態にかかる通信端末装置が適用される多地点映像コミュニケーションシステムの他の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態にかかる通信端末装置が適用される多地点映像コミュニケーションシステムの他の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1,1A,1B,1C,1D…通信端末装置、11…画面表示部、12…操作入力部、13…通信I/F部、14…記憶部、14A…品質管理情報、14P…プログラム、15…制御部、15A…時刻同期手段、15B…転送遅延推定手段、15C…基準対地決定手段、15D…品質管理情報伝達手段、15E…遅延同期制御手段、15F…アプリケーション実行手段、2…MCU、3…ネットワーク管理装置、5…パケット網。

Claims (16)

  1. パケット網に接続された複数の通信端末装置との間でパケットを相互に送受信して各種メディアをやり取りすることにより多地点コミュニケーションを実現する通信端末装置において、
    前記各通信端末装置との間で送受信するパケットの片道転送遅延量を推定する転送遅延推定手段と、
    前記各通信端末装置のいずれかから、前記各通信端末装置でのメディアの遅延を同期させる際の基準となる基準対地を決定する基準対地決定手段と、
    前記通信端末装置から得られた前記片道転送遅延量およびメディアパケット受信用バッファでのバッファ遅延量に基づき前記各通信端末装置での新たなバッファ遅延量をそれぞれ決定して対応する通信端末装置へそれぞれ設定する遅延同期制御手段とを備えることを特徴とする通信端末装置。
  2. 請求項1に記載の通信端末装置において、
    前記転送遅延推定手段は、任意の通信端末装置間を結ぶ両方向の経路での片道転送遅延量の平均値を当該通信端末装置間の片道転送遅延量として用いることを特徴とする通信端末装置。
  3. 請求項2に記載の通信端末装置において、
    前記転送遅延推定手段は、前記両方向の経路での片道転送遅延量の差を示す遅延量誤差が予め設定されている許容範囲内である場合は当該通信端末装置間の片道転送遅延量として用い、前記許容範囲を超える場合は前記遅延量誤差と許容範囲との差を用いて前記平均値を補正した値を当該通信端末装置間の片道転送遅延量として用いることを特徴とする通信端末装置。
  4. 請求項1に記載の通信端末装置において、
    前記基準対地決定手段は、前記各通信端末装置のうち、多地点コミュニケーションでやり取りするメディアデータの単位時間あたりの送信量が最も多い通信端末装置を基準対地として決定することを特徴とする通信端末装置。
  5. 請求項1に記載の通信端末装置において、
    前記遅延同期制御手段は、
    基準対地となる第1の通信端末装置から他の第2の通信端末装置方向の経路での片道転送遅延量と前記第2の通信端末装置でのバッファ遅延量との和から前記第1の通信端末装置と前記第2の通信端末装置とのEnd-to-End遅延量を算出するEnd-to-End遅延量算出手段と、
    基準対地以外の前記各第2の通信端末装置についてそれぞれ得られた複数のEnd-to-End遅延量からEnd-to-End遅延量の最適値を決定する最適値決定手段と、
    この最適値から前記各第2の通信端末装置との間の前記片道転送遅延量をそれぞれ減算することにより、前記各第2の通信端末装置の新たなバッファ遅延量を算出するバッファ遅延量算出手段とを有することを特徴とする通信端末装置。
  6. 請求項5に記載の通信端末装置において、
    前記最適値決定手段は、前記各第2の通信端末装置についてそれぞれ得られた複数のEnd-to-End遅延量のうちその最大値を前記最適値に決定することを特徴とする通信端末装置。
  7. 請求項5に記載の通信端末装置において、
    前記最適値決定手段は、任意の仮最適値に基づき算出した新たなバッファ遅延量を前記各第2の通信端末装置で用いて実際に多地点コミュニケーション行った際に、当該多地点コミュニケーションに対する前記各第2の通信端末装置でのユーザ体感品質がそれぞれ所定の目標値を満足する仮最適値を前記最適値として選択することを特徴とする通信端末装置。
  8. 請求項7に記載の通信端末装置において、
    前記最適値決定手段は、前記仮最適値の初期値として前記各第2の通信端末装置のEnd-to-End遅延量の平均値を用い、前記各ユーザ体感品質が前記目標値を満足するまで前記仮最適値を順次増加させ、前記目標値を満足した時点での前記仮最適値を前記最適値として選択することを特徴とする通信端末装置。
  9. パケット網に接続された複数の通信端末装置で用いられ、これら通信端末装置間でパケットを相互に送受信して各種メディアをやり取りすることにより多地点コミュニケーションを実現する際、前記各通信端末装置でのメディアの遅延同期を制御する遅延同期制御方法において、
    前記各通信端末装置との間で送受信するパケットの片道転送遅延量を推定する転送遅延推定ステップと、
    前記各通信端末装置のいずれかから、前記各通信端末装置でのメディアの遅延を同期させる際の基準となる基準対地を決定する基準対地決定ステップと、
    前記通信端末装置から得られた前記片道転送遅延量およびメディアパケット受信用バッファでのバッファ遅延量に基づき前記各通信端末装置での新たなバッファ遅延量をそれぞれ決定して対応する通信端末装置へそれぞれ設定する遅延同期制御ステップとを備えることを特徴とする遅延同期制御方法。
  10. 請求項9に記載の遅延同期制御方法において、
    前記転送遅延推定ステップは、任意の通信端末装置間を結ぶ両方向の経路での片道転送遅延量の平均値を当該通信端末装置間の片道転送遅延量として用いることを特徴とする遅延同期制御方法。
  11. 請求項10に記載の遅延同期制御方法において、
    前記転送遅延推定ステップは、前記両方向の経路での片道転送遅延量の差を示す遅延量誤差が予め設定されている許容範囲内である場合は当該通信端末装置間の片道転送遅延量として用い、前記許容範囲を超える場合は前記遅延量誤差と許容範囲との差を用いて前記平均値を補正した値を当該通信端末装置間の片道転送遅延量として用いることを特徴とする遅延同期制御方法。
  12. 請求項9に記載の遅延同期制御方法において、
    前記基準対地決定ステップは、前記各通信端末装置のうち、多地点コミュニケーションでやり取りするメディアデータの単位時間あたりの送信量が最も多い通信端末装置を基準対地として決定することを特徴とする遅延同期制御方法。
  13. 請求項9に記載の遅延同期制御方法において、
    前記遅延同期制御ステップは、
    基準対地となる第1の通信端末装置から他の第2の通信端末装置方向の経路での片道転送遅延量と前記第2の通信端末装置でのバッファ遅延量との和から前記第1の通信端末装置と前記第2の通信端末装置とのEnd-to-End遅延量を算出するEnd-to-End遅延量算出ステップと、
    基準対地以外の前記各第2の通信端末装置についてそれぞれ得られた複数のEnd-to-End遅延量からEnd-to-End遅延量の最適値を決定する最適値決定ステップと、
    この最適値から前記各第2の通信端末装置との間の前記片道転送遅延量をそれぞれ減算することにより、前記各第2の通信端末装置の新たなバッファ遅延量を算出するバッファ遅延量算出ステップとを有することを特徴とする遅延同期制御方法。
  14. 請求項13に記載の遅延同期制御方法において、
    前記最適値決定ステップは、前記各第2の通信端末装置についてそれぞれ得られた複数のEnd-to-End遅延量のうちその最大値を前記最適値に決定することを特徴とする遅延同期制御方法。
  15. 請求項13に記載の遅延同期制御方法において、
    前記最適値決定ステップは、任意の仮最適値に基づき算出した新たなバッファ遅延量を前記各第2の通信端末装置で用いて実際に多地点コミュニケーション行った際に、当該多地点コミュニケーションに対する前記各第2の通信端末装置でのユーザ体感品質がそれぞれ所定の目標値を満足する仮最適値を前記最適値として選択することを特徴とする遅延同期制御方法。
  16. 請求項15に記載の遅延同期制御方法において、
    前記最適値決定ステップは、前記仮最適値の初期値として前記各第2の通信端末装置のEnd-to-End遅延量の平均値を用い、前記各ユーザ体感品質が前記目標値を満足するまで前記仮最適値を順次増加させ、前記目標値を満足した時点での前記仮最適値を前記最適値として選択することを特徴とする遅延同期制御方法。
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