JP2005345349A - 光ファイバ電流センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】 測定誤差を少なくする光ファイバ電流センサを提供する。
【解決手段】 光源光を2つに分岐して出射するカプラ5の両出射端a,bに伝送用光ファイバ6,7をそれぞれ接続し、両伝送用光ファイバ6,7にそれぞれλ/4素子11,12を介してセンシングファイバ13の両端を接続して上記カプラ5の両出射端a,b間に光伝送のループを形成すると共に上記伝送用光ファイバ6,7に遅延用の余長を持たせた光ファイバ電流センサにおいて、上記センシングファイバ13を上記カプラ5の両出射端a,b間の伝送距離の中点に配置した。
【選択図】 図1
【解決手段】 光源光を2つに分岐して出射するカプラ5の両出射端a,bに伝送用光ファイバ6,7をそれぞれ接続し、両伝送用光ファイバ6,7にそれぞれλ/4素子11,12を介してセンシングファイバ13の両端を接続して上記カプラ5の両出射端a,b間に光伝送のループを形成すると共に上記伝送用光ファイバ6,7に遅延用の余長を持たせた光ファイバ電流センサにおいて、上記センシングファイバ13を上記カプラ5の両出射端a,b間の伝送距離の中点に配置した。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ファラデー効果を利用した光ファイバ電流センサに係り、測定誤差を少なくする光ファイバ電流センサに関する。
光ファイバ電流センサは、光ファイバループを用いてサニャック干渉系を構成し、この光ファイバループを正逆廻りに伝搬する光に対し、電流に伴う磁界によりファラデー効果を作用させ、両伝搬光に生じた位相差を光の干渉を利用して検出し、この位相差から電流を求めるものである。
この光ファイバ電流センサの原理や細部は、非特許文献1〜3、特許文献3に詳しく述べられているので、これらをもって本発明の背景技術の開示に代える。なお、非特許文献1の図2(Fig.2)におけるSLDは光源、Photo−Detectorは受光器、Fiber Polarizerは偏光子、Dummy Fiberは遅延用コイルである。
光ファイバ電流センサは、例えば、電鉄用変電所で用いられており、そのための構成が非特許文献2に開示されている。
非特許文献1の図2、非特許文献2の図4等に示されている背景技術の光ファイバ電流センサは、電流路の周囲にねじりファイバからなるセンシングファイバを周回させ、光源光を2つに分岐して出射するカプラの両出射端に伝送用光ファイバをそれぞれ接続し、両伝送用光ファイバにそれぞれλ/4素子を介してセンシングファイバの両端を接続することでカプラの両出射端間に光伝送のループを形成したものであり、カプラの一方の出射端から出射した光は他方の出射端へ戻ってくるようになっている。
また、背景技術の光ファイバ電流センサは、一方の伝送用光ファイバの途中に遅延用コイルを形成して遅延用の余長を持たせてある。このために、カプラの一方の出射端からセンシングファイバまでの伝送距離とカプラの他方の出射端からセンシングファイバまでの伝送距離とが互いに異なる。言い換えると、センシングファイバがカプラの両出射端間の伝送距離の中点(ループの中心)に位置しない。この状況をセンシングファイバがループの中心からずれた位置に組み込まれている、あるいはループの中心に対して非対称な位置にあると称する。
以上の原理的な構成に加え、光ファイバ電流センサを実際に電流測定の対象に適用する際には、図7に示されるように、光ファイバ電流センサをセンサヘッド14とセンサ本体15とに分割構成するのが一般的である。すなわち、センサヘッド14は、主としてセンシングファイバ13とそのセンシングファイバ13の両端に接続された2つのλ/4素子11,12とからなり、センシングファイバ13は測定対象の一例である導体ケーブル23を周回するように設置される。図示した光ファイバ電流センサではセンサヘッド14がユニット化されており、λ/4素子11,12の先に短い伝送用光ファイバ6,7を介して光コネクタ24,25が取り付けられている。センサ本体15は、光源1、受光器2、初段のカプラ3、偏光子4、ループ側のカプラ5、位相変調器10、遅延用コイル60、制御回路17、電源装置18などからなり、これらの部材をシャーシ16に収納してユニット化するときには、内外の伝送用光ファイバ6,7を相互接続するための2つの光コネクタ19,20がシャーシ16に取り付けられる。
センサヘッド14は、半円形の切り欠きの周囲に溝を形成した2つのベース片を導体ケーブル23を挟んで合わせることで、導体ケーブル23が貫通する円穴の縁を周回する溝を有する一体のベースに組み上げ、この溝にねじりファイバを落とし込みつつ周回させてセンシングファイバ13を形成したものである。
センサヘッド14は、測定対象が屋外にあれば当然屋外に設置され、測定対象が屋内にあれば屋内に設置される。一方、センサ本体15は、例えば変電所内の制御盤に組み込むなどして屋内に設置される。センサヘッド14とセンサ本体15との間は2本の伝送用光ファイバ6,7(以下、連絡用光ファイバ26,27という)で連絡することになる。
センサヘッド14や連絡用光ファイバ26,27は、振動、音、温度変化などの多様な外乱がある環境に設置されるので、これらの外乱を被る可能性が高い。サニャック干渉系にあっては、ループの中心(カプラの両出射端間の伝送距離の中点)からの伝送距離が互いに等しい箇所(対象な箇所)に互いに同じ外乱が加わった場合には、ループを両方向に伝搬する光に互いに同等の位相変化が発生することになるため、ノイズ(測定誤差)は発生しない。しかし、非対称な箇所に外乱が加わると測定誤差が発生することになる。
背景技術の構成では、伝送用光ファイバ6,7のうち一方の伝送用光ファイバ6には特に余長は持たせてなく、他方の伝送用光ファイバ7のみに遅延用コイル60を設けて余長を持たせてある。このため、センサヘッド14や連絡用光ファイバ26,27がループの中心に対して非対称な位置にあることになり、これらの部材に外乱が加わると、ループ上では非対称な箇所に外乱が加わることになる。このように、背景技術には外乱による測定誤差が発生しやすいという問題がある。
また、背景技術では、遅延用コイル60が一方向にのみ巻き回されている。このようなコイル状の光ファイバに角速度(角加速度)が生じると光ジャイロの原理で両方向の伝搬光に位相差が生じることが知られている。よって、光ファイバ電流センサにおいても、例えばセンサ本体15が回転するなどして遅延用コイル60が角運動すると電流測定による位相差に光ジャイロによる位相差が重なって測定誤差が発生することになる。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、測定誤差を少なくする光ファイバ電流センサを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、光源光を2つに分岐して出射するカプラの両出射端に伝送用光ファイバをそれぞれ接続し、両伝送用光ファイバにそれぞれλ/4素子を介してセンシングファイバの両端を接続して上記カプラの両出射端間に光伝送のループを形成すると共に上記伝送用光ファイバに遅延用の余長を持たせた光ファイバ電流センサにおいて、上記センシングファイバを上記カプラの両出射端間の伝送距離の中点に配置したものである。
両伝送用光ファイバにそれぞれ遅延用余長を持たせ、両遅延用余長を互いに等しくしてもよい。
上記伝送用光ファイバの途中にコイルを形成して上記遅延用余長を持たせるものとし、両伝送用光ファイバの遅延用コイルを共通の1つのボビンに互いに逆廻しに巻き付けてもよい。
上記遅延用コイルは、一方の伝送用光ファイバを1層巻き付けた外周に他方の伝送用光ファイバを1層巻き付けるようにして交互に多層巻きしてもよい。
上記カプラと上記遅延用コイルをセンサ本体に収容し、上記λ/4素子とセンシングファイバでセンサヘッドを構成し、上記センサ本体から上記センサヘッドまでを連絡する2本の伝送用光ファイバを1本のコードにまとめてもよい。
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
(1)測定誤差を少なくすることができる。
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
本発明の着眼点は、ある部材に加わった外乱がループ上で対称な箇所に加わるようにするために、センサヘッドや連絡用光ファイバをループの中心に対して対称な位置に配置しようというものであり、この配置は、センシングファイバをループの中心(カプラの両出射端間の伝送距離の中点)に置くことで達成される。特に非対称の要因になっている遅延用余長は、2つに分け、両伝送用光ファイバに振り分けるのが好ましい。さらに、この2つにした遅延用コイルを互いに逆巻きとすることで光ジャイロによる位相差をも解消することができる。
図1に示されるように、本発明に係る光ファイバ電流センサは、ファラデー効果を作用させるための光を発生させる光源1と、干渉光を受光する受光器2と、光源光をループ側のカプラ5に導くと共にループ側のカプラ5からの干渉光を受光器2に導く初段のカプラ3と、初段のカプラ3からの光源光を偏光させる偏光子4と、偏光子4を経た光源光を2つに分岐して出射すると共に2つの戻り光を合成(干渉)させて初段のカプラ3へ戻すループ側のカプラ5と、このカプラ5の両出射端a,bにそれぞれ接続された伝送用光ファイバ6,7と、それぞれの伝送用光ファイバ6,7の途中に形成された遅延用コイル8,9と、一方の伝送用光ファイバ7に設けられた位相変調器10とを有する。
両伝送用光ファイバ6,7には、それぞれλ/4素子11,12を介してねじりファイバからなるセンシングファイバ13の両端が接続されている(・印は接続点)。2つの遅延用コイル8,9は、共通の1つのボビン(図示せず)に巻かれており、しかも互いに光ファイバ長が等しく、巻き回数も等しく、断面積も等しく、しかし巻き方向が逆になっている(遅延用コイル8,9の巻き方の詳細は後述する)。遅延用コイル8,9の光ファイバ長は、例えばそれぞれ50mであり、これにより図7の遅延用コイル60の光ファイバ長が100mである場合と同等の余長を実現することができる。遅延用コイル8,9を含む全ての伝送用光ファイバ6,7は偏波面保存光ファイバである。言い換えると、センシングファイバ13がねじりファイバである以外は全ての光ファイバ部分が偏波面保存光ファイバである。
図2に示されるように、光ファイバ電流センサはセンサヘッド14とセンサ本体15とに分割構成されている。センサ本体15は、光源1、受光器2、初段のカプラ3、偏光子4、ループ側のカプラ5、位相変調器10、遅延用コイル8,9を1つのシャーシ16に収容し、さらにこのシャーシ16に光源1及び位相変調器10を制御しつつ受光器2の受光出力から測定電流を算出する制御回路17と、この制御回路17に電力を供給する電源装置18とを収容し、シャーシ16の内外の伝送用光ファイバを相互に接続するための2つの光コネクタ19,20と、制御回路が出力する電流測定値のアナログ信号を取り出すアナログ端子21と、同電流測定値のデジタルシリアル信号を取り出すシリアル端子20とを設けたものである。電源装置18は、外部からの供給電源が直流の場合は、その外部電圧を内部電圧に変換するDC/DCコンバータであるが、外部からの供給電源が交流であればAC/DCコンバータを用い、外部からの供給電源がなければ電池を用いればよい。
なお、制御回路17で行うクローズドループ制御の詳細は、例えば、特許文献1に記載されている公知事項であるので、本明細書では説明を省略する。受光器2の出力に表れる両回り伝搬光の位相差から測定電流を算出するアルゴリズムは、非特許文献1,2に記載されている公知事項であるので、本明細書では説明を省略する。
センサヘッド14は、センシングファイバ13と2つのλ/4素子11,12とからなり、センシングファイバ13は測定対象の一例である導体ケーブル23(図にはケーブル断面が表れている)を周回するように設置される。各λ/4素子11,12には光コネクタ24,25が取り付けられている。
λ/4素子11,12は伝送用光ファイバ6,7の一部分を溶融させた状態で光ファイバ軸の回りに円周角にして約45°ねじって構成したものである。この加工の詳細は非特許文献3の図6(Fig.6)に開示されている通りである。
図1に示されるように、伝送用光ファイバ6,7の一部はセンサ本体15とセンサヘッド14との間を連絡する連絡用光ファイバ26,27である。この2本の連絡用光ファイバ26,27は、一体にしてある。つまり、2本の連絡用光ファイバ26,27を両者が密着するように互いに添わせ、束ねたり互いに接着することで1本のコードのようにまとめてある。この1本のコード28は両端のみ分岐させてあり、2本に分岐した連絡用光ファイバ26,27の両端には、それぞれセンサ本体15の光コネクタ19,20に結合する光コネクタ29,30とセンサヘッド14の光コネクタ24,25に結合する光コネクタ31,32とが取り付けられている。コード28の具体的構造は後述する。
本発明の作用効果を以下に説明する。
図1及び図2に示した本発明の光ファイバ電流センサは、センシングファイバ13がループの中心に配置されている。具体的には、2つの遅延用コイル8,9の光ファイバ長が互いに等しく、一体のコード28にされた2本の連絡用光ファイバ26,27の光ファイバ長が互いに等しく、さらに細かくは、センサヘッド14内で光コネクタ24,25とλ/4素子11,12とを繋ぐ2本の短い伝送用光ファイバ6,7も光ファイバ長が互いに等しく、センサ本体15内でカプラ5と遅延用コイル8,9とを繋ぐ2本の短い伝送用光ファイバ6,7及び遅延用コイル8,9と光コネクタ19,20とを繋ぐ2本の短い伝送用光ファイバ6,7も光ファイバ長が互いに等しい。よって、カプラ5の一方の出射端aから一方のλ/4素子11までの伝送距離とカプラ5の他方の出射端bから他方のλ/4素子12までの伝送距離とが互いに等しい。つまり、センシングファイバ13がカプラ5の両出射端a,b間の伝送距離の中点に位置することになる。
また、2つの連絡用光ファイバ26,27を一体のコード28にまとめたので、コード28両端間の任意の箇所において連絡用光ファイバ26と連絡用光ファイバ27とが一緒に存在し、連絡用光ファイバ26に加わる外力と同じ外力が連絡用光ファイバ27にも加わることになる。
この構成において、センサヘッド14や連絡用光ファイバ26,27などの部材に外乱が加わると、ループ上では対称な箇所に外乱が加わることになる。例えば、図1のXの箇所に振動が加わったとすると、この箇所はカプラ5の一方の出射端aからの伝送距離とカプラ5の他方の出射端bからの伝送距離が等しい。センシングファイバ13側つまりループの中心から見ても伝送距離が互いに等しい。サニャック干渉系の特性により、ループの中心からの伝送距離が互いに等しい箇所(対象な箇所)に互いに同じ外乱が加わった場合には、ループを両方向に伝搬する光に互いに同等の位相変化が発生することになるため、測定誤差は発生しない。このように、本発明は外乱を受けても測定誤差を生じないという効果を発揮する。
また、この光ファイバ電流センサは、2つの遅延用コイル8,9が共通の1つのボビンに巻かれており、しかも互いに光ファイバ長が等しく、巻き回数も等しく、断面積も等しく、しかし巻き方向が逆になっている。
この構成において、センサ本体15が回転するなどして両遅延用コイル8,9が角運動したとき、カプラ5の一方の出射端aから他方の出射端bへ伝送される光が受ける位相変化と、カプラ5の他方の出射端bから一方の出射端aへ伝送される光が受ける位相変化とが互いに等しくなり、このカプラ5で戻り光を合成したときに位相差は生じない。よって、光ジャイロによる位相差がなくなるので、センサ本体15が回転しても電流の測定誤差は生じないことになる。
また、この光ファイバ電流センサは、センシングファイバ13以外の全ての光ファイバ部分が偏波面保存光ファイバであるため、偏波変動によるドリフト(干渉光ノイズ)を低減することができる。
次に、遅延用コイルの巻き方について説明する。
図3に示されるように、ボビン33の一端から他端へ第1の光ファイバ34を密なピッチで時計方向に巻き付けてコイルを1層(層厚=光ファイバ径)だけ形成する。次に、ボビン33の同じ一端から他端へ第2の光ファイバ35を前記1層目のコイルに重ねて密なピッチで反時計方向に巻き付けてコイルを2層目だけ形成する。その次に第1の光ファイバ34を前記2層目のコイルに重ねて時計方向に巻き付け、その次は第2の光ファイバ35を反時計方向に巻き付けるという順序で、1層ずつ交互に多層巻きしていく。この巻き方を対称巻きという。第1の光ファイバ34で巻かれたコイルが図1の一方の遅延用コイル8であるとすれば、第2の光ファイバ35で巻かれたコイルは他方の遅延用コイル9であり、両遅延用コイル8,9の巻き回数は等しく、光ファイバ長や断面積の違いは無視できる程度である。各々の遅延用コイル8,9の最内層の光ファイバ端をそれぞれカプラ5に接続し、最外層の光ファイバ端をそれぞれ光コネクタ19,20に接続する。
さて、光ジャイロではコイルに温度変化があると、光ファイバの熱伸縮と屈折率の温度変化とにより、回転相当の出力(回転をしていないのに回転をしたかのように生じる位相差)が発生する。これをシュッペ効果という。従って、図3のボビン33に対し仮に第1の光ファイバ34を全長分重ねて巻き付けた層(層厚=光ファイバ径×複数)の外周に第2の光ファイバ35を全長分重ねて巻き付けるという巻き方にすると、第1の光ファイバ34の層と第2の光ファイバ35の層とで温度変化に差が生じる。するとシュッペ効果による位相差が両光ファイバで異なることになり、この巻き方で図1の遅延用コイル8,9を作成すると温度変化による電流の測定誤差が生じる。その点、本発明では図1の遅延用コイル8,9を対称巻きにしたので、遅延用コイル8,9内の2つの光ファイバに生じる温度変化が同じである。よって、本発明の光ファイバ電流センサは、温度変化による電流の測定誤差が生じない。
次に、2本の光ファイバを一体にした光ファイバコードの実施形態を説明する。
図4(a)に示されるように、2本の光ファイバ素線41,41を平行にして一体化した2芯テープファイバ42をチューブ43に収容して光ファイバコード44が構成される。
あるいは図4(b)に示されるように、光ファイバ素線41にコーティング45を施した光ファイバ心線46を2本、介在物47に添わせ、その外周をシース48で覆うことで光ファイバコード49が構成される。
これらの光ファイバコード44,49を図1のコード28に用いる。これにより、コード28に含まれる2本の伝送用光ファイバ6,7(それぞれが光ファイバ素線41からなる)は同じ外乱が加わる環境に置かれることになる。
次に、本発明と背景技術との比較実験について説明する。
図5の実験装置は、直流電源51から模擬コイル52に所望の電流を流し、この模擬コイル52の一辺に周回させたセンシングファイバ53に電流磁界を作用させる。このときセンサ本体54が出力する測定値をパソコン55に記録する。センシングファイバ53及びセンサ本体54は模擬コイル52と共に恒温槽56の中に収容してあり、本来は温度特性試験を行うようになっているが、ここでは振動に対する敏感さを試験する。恒温槽56は槽内を一定温度に保つためにコンプレッサが稼働したり停止したりするため、稼働時(恒温槽ON)のとき僅かな振動を発生し、停止時(恒温槽OFF)のとき振動がなくなる。
この実験装置で、図7に示した背景技術の光ファイバ電流センサと図1に示した本発明の光ファイバ電流センサに対して実験を行った。模擬コイル52に電流を流さないで電流を測定し、その測定値の時間的変動を観測した。恒温槽56は稼働することにより振動を生じ、その振動が光ファイバ電流センサに伝わることになる。センシングファイバ53を通過する電流はゼロであるから、センサ本体54から出力される測定値は、誤差そのものである。
このとき測定した電流値の時間変化を図6に示す。横軸は時間、左側の縦軸は背景技術の測定値、右側の縦軸は本発明の測定値であり、両縦軸はグラフが重ならないよう電流値0のスケール位置がずらしてあり、上段のグラフが背景技術のもの、下段のグラフが本発明のものである。図示されるように、恒温槽OFFの時間帯では、本発明でも背景技術でも僅かな測定誤差が見られる。この誤差は恒温槽の振動とは違う要因による誤差と考えられる。一方、恒温槽ONの時間帯では、背景技術の測定誤差が顕著に増加している。この誤差は恒温槽の振動によるものと考えられる。これに対し本発明の測定誤差は、恒温槽ONの時間帯でも恒温槽OFFの時間帯と変わらない。この実験結果から、背景技術では恒温槽の振動程度でも測定誤差を生じ、本発明ではそうした振動の影響がなくなっていることが実証される。
図1、図2の実施形態では、伝搬光にファラデー効果を作用させるセンシングファイバ13として、ねじりファイバを使用したが、高温でアニール処理された通信用のシングルモード光ファイバを使用してもよい。
また、上記の実施形態に加え、センサヘッド14に収納されたセンシングファイバ13が囲む面積と同じ面積を囲み、かつセンシングファイバ13とは逆巻きに周回させた別のセンシングファイバをセンサヘッド14内に設けてもよい。この場合、センサヘッド14に加わる回転による誤差を無くすることができる。
上記の実施形態では、本発明の光ファイバ電流センサを屋内屋外に固定設置するものとしたが、本発明の光ファイバ電流センサは移動体に搭載してもよい。この場合、光ファイバ電流センサの回転が電流測定に影響を及ぼさない利点が活用できる。
上記の実施形態では、導体ケーブルの電流を測定するようにしたが、本発明の光ファイバ電流センサは空間電流の測定にも使用できる。
5 カプラ
6,7 伝送用光ファイバ
8,9 遅延用コイル
11,12 λ/4素子
13 センシングファイバ
26,27 連絡用光ファイバ
28 コード
6,7 伝送用光ファイバ
8,9 遅延用コイル
11,12 λ/4素子
13 センシングファイバ
26,27 連絡用光ファイバ
28 コード
Claims (5)
- 光源光を2つに分岐して出射するカプラの両出射端に伝送用光ファイバをそれぞれ接続し、両伝送用光ファイバにそれぞれλ/4素子を介してセンシングファイバの両端を接続して上記カプラの両出射端間に光伝送のループを形成すると共に上記伝送用光ファイバに遅延用の余長を持たせた光ファイバ電流センサにおいて、上記センシングファイバを上記カプラの両出射端間の伝送距離の中点に配置したことを特徴とする光ファイバ電流センサ。
- 両伝送用光ファイバにそれぞれ遅延用余長を持たせ、両遅延用余長を互いに等しくしたことを特徴とする請求項1記載の光ファイバ電流センサ。
- 上記伝送用光ファイバの途中にコイルを形成して上記遅延用余長を持たせるものとし、両伝送用光ファイバの遅延用コイルを共通の1つのボビンに互いに逆廻しに巻き付けたことを特徴とする請求項1又は2記載の光ファイバ電流センサ。
- 上記遅延用コイルは、一方の伝送用光ファイバを1層巻き付けた外周に他方の伝送用光ファイバを1層巻き付けるようにして交互に多層巻きしたことを特徴とする請求項3記載の光ファイバ電流センサ。
- 上記カプラと上記遅延用コイルをセンサ本体に収容し、上記λ/4素子とセンシングファイバでセンサヘッドを構成し、上記センサ本体から上記センサヘッドまでを連絡する2本の伝送用光ファイバを1本のコードにまとめたことを特徴とする請求項3又は4記載の光ファイバ電流センサ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7992440B2 (en) * | 2007-05-16 | 2011-08-09 | Hitachi Cable, Ltd. | Optical fiber vibration sensor |
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- 2004-06-04 JP JP2004167090A patent/JP2005345349A/ja active Pending
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