JP2005345161A - モーションキャプチャーシステム及びモーションキャプチャー方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 屋外などの広いフィールドでのモーションキャプチャーを可能にする。
【解決手段】 本発明のモーションキャプチャーシステム1は、運動者4の各特徴点に設置する複数のマーカーBjと、複数の魚眼レンズカメラAi(i=1,2)及び各魚眼レンズカメラAiの撮影画像を時系列的に送信する各送信器2を運動者4に装着するカメラ装着器具3と、複数の魚眼レンズカメラからAiの撮影画像を時系列的に受信して、各時間における撮影画像内のマーカーBjの位置を3次元座標に変換する画像処理装置5とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明のモーションキャプチャーシステム1は、運動者4の各特徴点に設置する複数のマーカーBjと、複数の魚眼レンズカメラAi(i=1,2)及び各魚眼レンズカメラAiの撮影画像を時系列的に送信する各送信器2を運動者4に装着するカメラ装着器具3と、複数の魚眼レンズカメラからAiの撮影画像を時系列的に受信して、各時間における撮影画像内のマーカーBjの位置を3次元座標に変換する画像処理装置5とを備える。
【選択図】 図1
Description
本発明はモーションキャプチャーシステム及びモーションキャプチャー方法に関する。詳しくは、運動者の特徴点に装着したマーカーをカメラで撮影し、撮影画像に基いてマーカーの3次元座標を求めるモーションキャプチャーシステム及びモーションキャプチャー方法に関する。
現在モーションキャプチャーの技術は、コンピューターグラフィックを用いたゲームや映画などにおいて,より人に近い動きを生成するために使用されている。他にも、スポーツ分野、医学分野などへも適用され、モーションキャプチャーは重要な技術として注目されている。
モーションキャプチャーにはいろいろなシステムがあり、その種類は大きく分けると、カメラを用いる光学式、磁場発生装置と磁場測定センサーを用いる磁気式、機械的な回転センサーを用いる機械式の3つに分けられる。この中で広く用いられている一般的な方式が光学式である。光学式キャプチャーシステムでは関節部分にマーキングした人が角度の異なる複数のカメラの前で動作を行い、マーカーの動きを三角測量の原理で計測し、3次元のデータを生成する。
図10に従来のモーションキャプチャーシステムの構成例を示す。図10において、11は従来のモーションキャプチャーシステム、12は運動者、13は運動者12の特徴点に装着されたマーカー14を時系列的に撮影するビデオカメラ、15はビデオカメラ13の撮影画像を時系列的に受信し、その受信データに基いてマーカー14の3次元座標を求める画像処理装置、16は画像処理装置15で得られた運動者12の特徴点の軌跡を表示するディスプレイ装置である。
この方法は得られるデータの品質が非常に高いことが広く用いられている理由の1 つであるが、運動者の動作領域がカメラの設置されたスタジオ内に限定されてしまうという問題や、広範囲の動作領域をカバーしようとすれば、設置カメラ数を増加するなど設備が大掛かりになってしまうという問題があった。光学式のこれらの問題に対処するために、カメラの設置場所に限定されないモーションキャプチャー、すなわち、家の様々な場所で行われる家事のモーションキャプチャーを目的として、アクターの目のすぐ近くに2台のカメラを装着して,マーカーを設置した手首及び手先の運動を撮影し、撮影画像から手首及び手先の運動の再構成を行った研究がある(例えば非特許文献1参照)。
「Motion Capture from Demonstrator’s Viewpoint and Its Application to Robot Teaching」Yasuyoshi YOKOKOHJI, Yuki KITAOKA, and Tsuneo YOSHIKAWA, Proceeding of the 2002 IEEE International Conference on Robotics and Automation, pp.1551−1558.
しかしながら、上記研究も含め、従来のモーションキャプチャー技術では、カメラの視野角が小さいために,運動者が注意しないとマーカーがカメラの視界外に出てしまうという問題、すなわち、カメラの視野内に全てのマーカーを捕捉できないという問題があった。このため、上記研究においても、目の前の手首及び手先の運動だけでなく、もっと広い領域での手の動きや、全身のモーションを把握するには、カメラの方向を可変にして撮影画像を方向の関数として解析したり、或はカメラの設置位置を増加して撮影画像を設置位置の関数として解析しなければならず、屋外などの広いフィールドでのモーションキャプチャーを行うには、困難な問題が残されていた。
本発明は、運動者の動作領域がスタジオ内という制約をなくし、屋外などの広いフィールドでのモーションキャプチャーを可能にすることを目的とする。また、簡易な構成のモバイル式モーションキャプチャーシステムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載のモーションキャプチャーシステムは、例えば図1に示すように、運動者4の各特徴点に設置する複数のマーカーBj(j=1,2,…)と、複数の魚眼レンズカメラAi(i=1,2,…)及び各魚眼レンズカメラAiの撮影画像を時系列的に送信する各送信器2を有し、運動者4に装着されるカメラ装着器具3と、複数の魚眼レンズカメラAiからの撮影画像を時系列的に受信して、各時間における撮影画像内のマーカーBjの位置を3次元座標に変換する画像処理装置5とを備える。
ここにおいて、運動者の特徴点とは、運動者の動作を把握する上での特徴点を意味し、例えば、関節部(首、肩、腰、肘、膝、手首、足首)、体の重心近傍(臍)、その他(頭頂)などが該当する。また、「運動者の各特徴点に設置する」とはこれらの特徴点を全て含むことを意味するものではなく、複数の特徴点に設置されれば良い。また、時系列的とは、時間の前後関係に沿って送受信が行われれば、継続的でも断続的でも良い。また、送信器又は受信器は、それぞれ送信機能、受信機能を有していれば、魚眼レンズカメラや画像処理装置と一体的に構成されても良く、別個のものとして構成されても良い。また、送信器は魚眼レンズカメラ毎に設けられても良く、複数の魚眼レンズカメラ用にまとめて設けられても良い。また3次元座標は、世界座標に限られず、所定の基準点、例えばカメラ装着器具の重心を原点にした3次元座標でも良い。
このように構成すると、カメラは運動者に伴って移動し、広い視野角を有する魚眼レンズで撮影するので、運動者の動作領域がスタジオ内という制約がなくなり、屋外などの広いフィールドでのモーションキャプチャーが可能になる。また、簡易な構成のモバイル式モーションキャプチャーシステムを提供できる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のモーションキャプチャーシステムにおいて、例えば図8に示すように、画像処理装置5は、マーカーBjの位置Mを3次元座標に変換する際に、撮影画像内のマーカーBjの位置から、複数の魚眼レンズカメラAiとマーカーBjとを結ぶベクトルdiの方向を求め、複数のベクトルdiの方向を用いて三角測量法によりマーカーBjの位置Mの3次元座標を算出する。このように構成すると、マーカーの3次元座標を高い精度で把握できる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のモーションキャプチャーシステムにおいて、例えば図2に示すように、カメラ装着器具3は、運動者4の頭部又は腰部に装着可能であり、3〜6台の魚眼レンズカメラAiが器具の中心軸に対してほぼ対称位置に配置される。このように構成すると、多くの特徴点にあるマーカー或は全てのマーカーを2以上の魚眼レンズで撮影可能となり、これら多くの特徴点の3次元位置が解析可能になる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のモーションキャプチャーシステムにおいて、送信及び受信には無線通信を用いる。このように構成すると、運動の妨げにならずに、魚眼カメラから撮影画像を画像処理装置に送信できる。
また、請求項5に記載のカメラ装着器具は、例えば図2に示すように、複数の魚眼レンズカメラAi及び各魚眼レンズカメラAiの撮影画像を時系列的に送信する各送信器2を有し、運動者4に装着される。このように構成すると、カメラは運動者に伴って移動でき、広い視野角を有する魚眼レンズを用いて、運動者の各特徴点に設置したマーカーを撮影できるので、これを用いて、フィールドで使用でき、簡易な構成のモバイル式モーションキャプチャーシステムを実現できる。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のカメラ装着器具において、運動者4の頭部又は腰部に装着可能であり、3〜6台の魚眼レンズカメラAiが器具の中心軸に対してほぼ対称位置に配置される。このように構成すると、多くの特徴点にあるマーカー或は全てのマーカーを2以上の魚眼レンズで撮影可能となり、これら多くの特徴点の3次元位置の動きが解析可能になる。
また、請求項7に記載の画像処理装置は、例えば図8に示すように、複数の魚眼レンズカメラAiからの撮影画像を時系列的に受信する機能と、各時間における撮影画像のマーカーBjの位置を3次元座標に変換する機能を有し、マーカーBjの位置Mを3次元座標に変換する際に、撮影画像内のマーカーBjの位置に基いて、複数の魚眼レンズカメラAiとマーカーBjとを結ぶベクトルdiの方向を求め、複数のベクトルdiの方向を用いて三角測量法によりマーカーBjの位置Mの3次元座標を算出する。このように構成すると、マーカー、すなわち運動者の特徴点の3次元座標及びその軌跡を高精度で把握できる画像処理装置を提供できる。
また、請求項8に記載のモーションキャプチャー方法は、例えば図3に示すように、運動者4の各特徴点に複数のマーカーBjを設置する工程(ステップS001)と、複数の魚眼レンズカメラAiからマーカーBjの撮影画像を時系列的に送信する工程(ステップS004)と、画像処理装置5で複数の魚眼レンズカメラAiからの撮影画像を時系列的に受信する工程(ステップS005)と、各時間における撮影画像内のマーカーBjの位置を3次元座標に変換する工程(ステップS006〜S007)とを備える。
このように構成すると、カメラは運動者に伴って移動し、広い視野角を有する魚眼レンズで撮影するので、運動者の動作領域がスタジオ内という制約がなくなり、屋外などの広いフィールドでのモーションキャプチャーが可能になる。また、簡易な構成のモバイル式モーションキャプチャーシステムを提供できる。
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のモーションキャプチャー方法において、例えば図3に示すように、マーカーBjの位置Mを3次元座標に変換する工程において、撮影画像内のマーカーBjの位置Mに基いて、複数の魚眼レンズカメラAiとマーカーBjとを結ぶベクトルdiの方向を求め(ステップS006)、複数のベクトルdiの方向を用いて三角測量法によりマーカーBjの位置Mの3次元座標を算出する(ステップS007)。このように構成すると、マーカーの3次元座標を高精度で把握できる。
本発明によれば、運動者の動作領域がスタジオ内という制約がなくなり、屋外などの広いフィールドでのモーションキャプチャーが可能になる。また、簡易な構成のモバイル式モーションキャプチャーシステムを提供できる。
以下に図面に基づき本発明の実施の形態について説明する。
図1に、本発明の実施の形態によるモーションキャプチャーシステムの構成例を示す。図1において、1はモーションキャプチャーシステム、Ai(i=1,2,…,n)は180度の広角撮影が可能な魚眼レンズを有する魚眼レンズカメラ、2は各魚眼レンズカメラAiの撮影画像を時系列的に送信する送信器、3は複数の魚眼レンズカメラAi及び送信器2を有し、運動者4に装着されるカメラ装着器具、4は運動者、Bj(j=1,2,…,m)は運動者4の身体の特徴点(運動者の身体の動き把握するための特徴点で、例えば、関節部、重心近傍の腹部(臍)、頭頂などが該当する)に装着されたマーカー、5は各送信器2から送信された撮影画像を受信器6で時系列的に受信し、その受信データに基いて前記撮影画像のマーカーの位置を時間の関数として3次元座標に変換する画像処理装置、6は受信器、7は画像処理装置5で得られたマーカー位置の3次元座標及びその軌跡を、運動者4のアニメーション画像と共に画像表示するディスプレイ装置である。
図2に、カメラ装着器具3の構成例を模式的に示す。図2(a)にヘルメット3aに3個の魚眼レンズカメラAiを取りつけて頭に被るようにした例、図2(b)にリング3bに3個の魚眼レンズカメラAiを取りつけて頭に被るようにした例、図2(c)にベルト3cに3個の魚眼レンズカメラAiを取りつけて腰に留具8で締めるようにした例を示す。9はゴム紐である。いずれの図でも送信器2は1つにまとめて示す。多数のマーカーBjをカメラの視野に収めるため、図2(a)、(b)では、魚眼レンズカメラAiを下向きに設定しているのに対して、図2(c)では、魚眼レンズカメラAiを横向きに設定してある。撮影にあたり、マーカーBjの3次元座標を求めるために、3次元座標の原点に対して全ての魚眼レンズカメラAiの位置及びその向きが固定的関係にあることが必要である。3次元座標の原点は例えば、カメラ装着器具3の重心やヘルメット3aの頂頭部にする。尤も、撮影前にキャリブレーションを行い、3次元座標の原点に対して全ての魚眼レンズカメラAiの位置及びその向きを固定した後に、一連のモーションの撮影を行えば良い。
以下では、カメラ装着器具3にヘルメット3aを用いる例について説明する。魚眼レンズカメラAi及び送信器2はヘルメット3aに装着される。装着は運動者4の運動の妨げにならないように取り付けることが望ましい。このため、魚眼レンズカメラAi及び送信器2は小型軽量で少数とすることが望ましく、またヘルメット3aも小型軽量であることが望ましい。他方、運動者4の動きを3次元座標上に把握するには、全てのマーカーBjについて2以上の魚眼レンズカメラAiで観察できるように取り付ける必要があり、また、個数が多いほど精度が向上する。このため、このため、ヘルメット3aの周囲にほぼ対称に3〜6個の魚眼レンズカメラAiを配置するのが好適である。
本実施の形態では、例えばアルミ製(プラスチック製でも良い)のヘルメットに、例えばサイズ約15mmφ、重量約50gの魚眼レンズカメラAiを下方に向けて(鉛直方向となす角度約20度)3台取付けてカメラ装着器具3とする。また、魚眼レンズカメラAiをヘルメット3aの中心軸から離すほうが撮像の範囲を拡大できる反面、運動の妨げになり易いので、ヘルメット3aに外接する位置に取り付ける。マーカーBjは、運動の妨げにならないように小型軽量で、光を感知し易いものが好ましく、例えば、可視光を良く反射する白球(例えば1〜10cm径、)を布製バンド等で特徴点に装着して使用する。また、発光ダイオードを付した球を布製バンドで特徴点に装着したり、蛍光性のラベルを特徴点に貼付しても良い。
図3に、モーションキャプチャーシステムの動作フロー例を示す。運動者4は身体の特徴点にマーカーBjを装着し(ステップS001)、魚眼レンズカメラAiと送信器2を装着したヘルメット3aからなるカメラ装着器具3を被って運動する(ステップS002)。各魚眼レンズカメラAiはできるだけ多くのマーカーBjが撮影されるように下向きに取り付けられる。各魚眼レンズカメラAiで撮影を行い(ステップS003)、多くのマーカーBjを含む撮影画像を、送信器2を介して時系列的に画像処理装置5に送信する(ステップS004)。画像処理装置5は受信器6で各魚眼レンズカメラAiからの撮影画像を受信し(ステップS005)、撮影画像の各マーカーの位置を時間の関数として3次元座標に変換する(ステップS006〜S007)。なお、送受信に無線通信を用いると、殆ど運動の妨げにならず好ましい。また、3次元座標への変換に際しては、撮影画像内のマーカーBjの位置から、複数の魚眼レンズカメラAiとマーカーBjとを結ぶベクトルdiの方向を求め(ステップS006)、求めた複数のベクトルdiの方向を用いて三角測量法によりマーカーBjの3次元座標Mを算出する(ステップS007)。さらに、画像処理装置5はマーカーBjの3次元座標Mを世界座標に変換し(ステップS008)、さらに、複数のマーカーBjの3次元世界座標を合成し(ステップS009)、運動者4のアニメーション画像と共にディスプレイ装置7に表示する(ステップS010)、さらにマーカーBjの軌跡を求め(ステップS011)、運動者4の動作の分析に供する(ステップS012)。
図4は、魚眼レンズカメラAiの撮影画像からマーカーBjの三次元座標を得る方法を説明するための図である。まず、各魚眼レンズカメラAiから得られたある時間における撮影画像を抽出し、マーカーBjに対する各魚眼レンズカメラAiから見た2つの極座標成分(角度情報)θi,φi(i=1,2,…,n)を導出する。次に、これらの角度情報を用いて各魚眼レンズカメラAiの位置CiとマーカーBjの位置Mとを結ぶ直線の単位ベクトルdi(i=1,2,…,n)を求める。求められた複数の単位ベクトルdiを延長した直線上の交点にマーカーBjは存在するので,求めた複数の単位ベクトルdiを用いることで各魚眼レンズカメラAiに対するマーカーの3次元座標M(X,Y,Z)が得られる。ただし、各魚眼レンズカメラAi間の幾何関係はキャリブレーションによって既知であるものとする。
魚眼レンズカメラAiには数種類の射影方式が存在するが、一般的には、等距離射影方式が採用されている。このとき、画像中心(魚眼レンズの光軸上にある)と画像に投影された物体(マーカー)Bjとの距離をh、魚眼レンズから物体(マーカー)Bjを見込んだ角をθ、魚眼レンズカメラAiの焦点距離をfとすると、(式1)が成立する(図6参照)。
図5に魚眼レンズの光軸に対してチェッカーボードを鉛直に配置して撮影した画像を示す。チェッカーボードの桝目の一辺の長さは20mmで全て等しい。この桝目の撮像位置から画角θと光学中心からの距離hとの関係を求めることができる。
図6に画角θと距離hとの関係について上記チェッカーボードを用いて求めた測定結果を示す。測定データに対して最小二乗法で直線近似を行った。魚眼レンズの光軸に対してチェッカーボードは厳密には鉛直ではないが、相関関数はR2=0.9992と高い相関が得られており、魚眼レンズの特性である(式1)の成立性が確認された。
図7に魚眼レンズカメラAiとマーカーBjの位置関係を示す。図7(a)は斜方から、図7(b)は上方(カメラの光軸方向)から、図7(c)は側方から見た図である。図7(b)は投影画像を見た図でもある。魚眼レンズカメラAiの画像における、マーカーBjの座標がM(mix,miy)、画像中心と画像に投影された物体との距離がhiのとき、マーカーBjをXiYi平面に投影したときのXi軸とのなす角θiと魚眼レンズから物体を見込んだ角φiは(図7(b)、(c)参照)、(式1)を用いて、(式2)、(式3)のように導かれる。次に、カメラAiの座標系から見た物体Bjの座標をM(X’,Y’,Z’)とすると、(式2)より(式4)が得られる。また、(式5)が成立することから、(式4)から(式6)が得られる(図7(a)参照)。なお、M’は座標MのXiYi平面への投影点である。
よって、diは単位ベクトルであり、また単位ベクトルdiの方向は、魚眼レンズカメラAiの位置CiとマーカーBjの位置Mを結ぶベクトルに平行なので、(式4)、(式6)を用いて(式7)、(式8)のように求められる。
図8に魚眼レンズカメラAi(i=1,2)を2個、ヘルメット3aに装着した場合の、マーカーBjの座標Mと魚眼レンズカメラAiの座標Ciとの関係を例示する。マーカーBjの基準座標は、例えばヘルメット3aの頂点を原点Oとして、基準座標系M(X,Y,Z)で表され、カメラA1、A2から見た座標はカメラ座標系(X1,Y1,Z1)、(X2,Y2,Z2)で表される。単位ベクトルはd1、d2で表される。各魚眼レンズカメラA1、A2のレンズ中心位置C1、C2からの単位ベクトルd1、d2の延長線の交点にマーカーBiの位置Mがある。このように、最低2個の魚眼レンズカメラAiからの単位ベクトルdiが得られれば、マーカーBjの3次元座標M(X,Y,Z)を得ることができる。
これまでに得られた単位ベクトルdiは、各カメラ座標系ごとに得られたベクトルであるので、まず、各カメラ座標系と剛の関係にある基準座標系Cw−XwYwZw(原点をOとする)を設定し、各カメラ座標系から基準座標系に変換を行う。各カメラ座標系における単位ベクトルdiと基準座標系における単位ベクトルdiw(diwX,diwY,diwZ)との関係は、カメラの座標系の回転を表す3×3のマトリックスRiを用いて、(式9)で与えられる。
また、各カメラ座標系の原点であるCiも、カメラAiの座標系の並進を表す3×1のベクトルtiを用いて、(式10)のように基準座標系Ciw(CiwX,CiwY,CiwZ)への変換を行う。
なお、(式10)は図8を参照して、(式11)のように表すこともできる。
以上より,各魚眼レンズカメラAiのレンズ中心とマーカーBjを結ぶ直線の式は,diw、Ciwの各成分を用いて(式12)のようになる。(式12)をマトリックス表示すると、魚眼レンズカメラが2個の場合、(式13)のように表される。
したがって、少なくとも2個の魚眼カメラAiの単位ベクトルdiが得られていれば、(式13)を用いてマーカーBjの座標M(X,Y,Z)を得ることができる。
以上により、魚眼レンズカメラAiの撮影画像から、少なくとも2個の魚眼カメラAiの単位ベクトルdiを得ることにより、マーカーBjの座標M(X,Y,Z)を得られることを説明した。このマーカーBjの座標M(X,Y,Z)を求める演算は画像処理装置5により行われ、その時間関数の軌跡から運動者4の動き(モーション)を把握(キャプチャー)可能である。
図9にヘルメット3aに魚眼レンズカメラAiを装着して運動者4を撮影した画像例を示す。運動者4の特徴点の多くが魚眼レンズカメラAiの視野内にあることがわかる。したがって、運動者4の殆ど全ての特徴点(頭頂を除く)を2以上の魚眼レンズカメラで撮影することが充分可能である。
なお、この基準座標系は、例えばヘルメット3aの頂点を基準にしているので、世界座標系に変換する場合には、基準座標の原点Oとしたヘルメット3aの頂点の位置を検出し、世界座標系に変換するか、魚眼レンズカメラAiの撮影画像に地球上の固定物を捉え、その位置を基準に座標変換すれば良い。前者の場合はヘルメット3aの頂点にマーカーを設置して、他のカメラでマーカーの位置を追跡する必要があるが、当該カメラにも魚眼レンズカメラを用いると運動者を広い範囲で検出可能である。また、後者の場合は例えばヘルメット3aの頂点に魚眼レンズカメラを設置すれば、広い範囲から地球上の固定物を撮影可能である。
以上の座標変換は例えば、画像処理装置5で処理される。画像処理装置5で、世界座標に変換した後は、複数のマーカーBjの3次元世界座標を合成し、さらに、運動者4のアニメーション画像上に複数のマーカーBj、すなわち、運動者4の特徴点の座標が重ねられて、ディスプレイ7に表示される。さらに、各マーカーBjの座標Mの時間的変化からマーカーBjの軌跡を求められ、これらのデータは運動者4の動作の分析に供される。
複数のマーカーについて、それぞれの軌跡を求めるのであるが、その識別は座標の連続性をたどることにより可能である。複数のマーカーの軌跡が撮像画面上で交叉した場合には、移動方向の連続性や移動速度の連続性などからフォロー可能である。また、各マーカーの色を変えるなど識別性を持たせて、マーカーの軌跡を識別しても良い。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、実施の形態に種々変更を加えられることは明白である。
例えば、本実施の形態では、基準座標の原点をカメラ装着器具のヘルメットの頂点にする例を説明したが、カメラ装着器具の重心を原点にしても良く、魚眼レンズカメラの1つを原点にしても良い。また、本実施の形態では、カメラ装着器具に3つの魚眼レンズカメラが装着される例を示したが、個数や向きに制限はない。また、カメラ装着器具に魚眼レンズカメラが接触装着される例を示したが、3次元座標の原点に対して不動であれば、運動の妨げにならない範囲で離して装着しても良い。また、マーカーが白球などで統一される場合を示したが、それぞれ、色を変えるなど個性を持たせて、識別し易くしても良い。また、マーカーは撮影光に感知し、周囲のものと区別できれば、形状、色彩など自由に選択可能である。また、魚眼レンズは本来180度の視野を有するが、完全でなく、例えば装着したカメラ装着器具の内側方向が視野に入らなくても良い。
本発明は、コンピューターグラフィックを用いたゲームや映画などにおいて,人体アニメーションを作成するために、また,スポーツ分野,医学分野などで人体の動きを分析するために利用される。
1 モーションキャプチャーシステム
2 送信器
3 カメラ装着器具
3a ヘルメット
3b リング
3c ベルト
4 運動者
5 画像処理装置
6 受信器
7 ディスプレイ装置
8 カメラ装着器具の留具
9 ゴム紐
11 モーションキャプチャーシステム
12 運動者
13 ビデオカメラ
14 マーカー
15 画像処理装置
16 ディスプレイ装置
Ai 魚眼レンズカメラ
Bj マーカー
Ci カメラの位置座標
di 単位ベクトル
f 焦点距離
h 画像に投影された物体の画像中心からの距離
M(X,Y,Z) マーカーの位置座標
O 基準座標の原点
θ マーカーMをXY平面に投影したときのX軸とのなす角
φ 魚眼レンズから物体を見込んだ角
2 送信器
3 カメラ装着器具
3a ヘルメット
3b リング
3c ベルト
4 運動者
5 画像処理装置
6 受信器
7 ディスプレイ装置
8 カメラ装着器具の留具
9 ゴム紐
11 モーションキャプチャーシステム
12 運動者
13 ビデオカメラ
14 マーカー
15 画像処理装置
16 ディスプレイ装置
Ai 魚眼レンズカメラ
Bj マーカー
Ci カメラの位置座標
di 単位ベクトル
f 焦点距離
h 画像に投影された物体の画像中心からの距離
M(X,Y,Z) マーカーの位置座標
O 基準座標の原点
θ マーカーMをXY平面に投影したときのX軸とのなす角
φ 魚眼レンズから物体を見込んだ角
Claims (9)
- 運動者の各特徴点に設置する複数のマーカーと;
複数の魚眼レンズカメラ及び各前記魚眼レンズカメラの撮影画像を時系列的に送信する各送信器を有し、運動者に装着されるカメラ装着器具と;
前記複数の魚眼レンズカメラからの撮影画像を時系列的に受信して、各時間における前記撮影画像内のマーカーの位置を3次元座標に変換する画像処理装置とを備える;
モーションキャプチャーシステム。 - 前記画像処理装置は、
前記マーカーの位置を3次元座標に変換する際に、前記撮影画像内の前記マーカーの位置から、複数の前記魚眼レンズカメラと前記マーカーとを結ぶベクトルの方向を求め、複数の前記ベクトルの方向を用いて三角測量法により前記マーカーの位置の3次元座標を算出する;
請求項1に記載のモーションキャプチャーシステム。 - 前記カメラ装着器具は、
前記運動者の頭部又は腰部に装着可能であり、
3〜6台の前記魚眼レンズカメラが器具の中心軸に対してほぼ対称位置に配置される;
請求項1又は請求項2に記載のモーションキャプチャーシステム。 - 前記送信及び前記受信には無線通信を用いる;
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のモーションキャプチャーシステム。 - 複数の魚眼レンズカメラ及び各前記魚眼レンズカメラの撮影画像を時系列的に送信する各送信器を有し、運動者に装着されるカメラ装着器具。
- 前記運動者の頭部又は腰部に装着可能であり、
3〜6台の前記魚眼レンズカメラが器具の中心軸に対してほぼ対称位置に配置される;
請求項5に記載のカメラ装着器具。 - 複数の魚眼レンズカメラからの撮影画像を時系列的に受信する機能と、
各時間における前記撮影画像のマーカーの位置を3次元座標に変換する機能を有し;
前記マーカーの位置を3次元座標に変換する際に、前記撮影画像内のマーカーの位置に基いて、複数の前記魚眼レンズカメラと前記マーカーとを結ぶベクトルの方向を求め、複数の前記ベクトルの方向を用いて三角測量法により前記マーカーの位置の3次元座標を算出する;
画像処理装置。 - 運動者の各特徴点に複数のマーカーを設置する工程と;
複数の魚眼レンズカメラから前記マーカーの撮影画像を時系列的に送信する工程と;
画像処理装置で複数の魚眼レンズカメラからの前記撮影画像を時系列的に受信する工程と;
各時間における前記撮影画像内のマーカーの位置を3次元座標に変換する工程とを備える;
モーションキャプチャー方法。 - 前記マーカーの位置を3次元座標に変換する工程において、前記撮影画像内のマーカーの位置に基いて、複数の前記魚眼レンズカメラと前記マーカーとを結ぶベクトルの方向を求め、複数の前記ベクトルの方向を用いて三角測量法により前記マーカーの位置の3次元座標を算出する;
請求項8に記載のモーションキャプチャー方法。
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JP2004162637A Withdrawn JP2005345161A (ja) | 2004-05-31 | 2004-05-31 | モーションキャプチャーシステム及びモーションキャプチャー方法 |
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2004
- 2004-05-31 JP JP2004162637A patent/JP2005345161A/ja not_active Withdrawn
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