JP2005342845A - 駆動力伝達機構及びマイクロマニュピュレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】平行四節機構の変位に拘わらず出力端の姿勢を一定に保ち安定した駆動力伝達が可能な駆動力伝達機構を提供する。
【解決手段】駆動伝達機構31は、X方向からの駆動力が入力される第1の入力端と、Y方向からの駆動力が入力される第2の入力端と、X及びY方向から入力された駆動力による変位が合成され拡大乃至縮小されて出力される出力端とをそれぞれ有する2つのパンタグラフと、第1の入力端同士を連結するリンク31aと、第2の入力端同士を連結するリンク31bと、出力端同士を連結するリンク31cと、を備えており、2つのパンタグラフがリンク31a、31b、31cのそれぞれの中点を結ぶ仮想線X−Xを中心線として対称配置されている。リンク31cは2つの出力端で支持されており、安定した姿勢を保つことができる。
【選択図】図5

Description

本発明は駆動力伝達機構及びマイクロマニュピュレータに係り、特に、第1及び第2の方向から入力された駆動力が合成され拡大乃至縮小されて出力される平行四節機構を有する駆動力伝達機構及び該平行四節機構を有し把持指の先端部を近接させて微小な把持対象物を把持するマイクロマニュピュレータに関する。
従来、駆動力伝達機構として、XYテーブル等、2方向での自由度を有する平面機構が知られている。XYテーブルは適正な価格で市場から調達可能であるが、1自由度駆動系に別の1自由度駆動系が重なるように配置されるため、全体構成が大きくかつ複雑で、動作負荷も大きくなる。
この問題を解決するために、XZ2方向での自由度を有する平行四節(パンタグラフ)機構を用いた部品装着装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、基板の移動方向に対してマウント対象の電子部品が各平行四節機構による片持ち状態で支持され、基板の所定位置に配置されるため、基板の移動方向に沿って平行四節機構を多数配置することにより効率的に電子部品の配置を行うことができる。
また、例えば、微小部品の組み立てや細胞操作等にマイクロマニュピュレータが用いられている。一般に、マイクロマニュピュレータは、微小な把持対象物を把持するために、複数本の把持指の先端部を互いに把持対象物に近接・離間させる機構(把持手段)を有しており(例えば、特許文献2参照)、把持対象物が微小なため、マイクロマニュピュレータによる作業は、肉眼による顕微鏡視野下や、顕微鏡に取り付けられたCCDカメラを介してディスプレイに出力された画像を参照して行われる(例えば、特許文献3参照)。
このようなマイクロマニュピュレータにおいても、把持指をXY方向に移動させるため、駆動力伝達機構が用いられており、上述したXYテーブルにおける問題を解決するため、いわゆる当業者において、把持指の移動に平行四節機構を用いた駆動力伝達機構を採用することも検討対象とされている。
特開2000−296486号公報 特開平8−168979号公報 特開平4−303810号公報
しかしながら、上記特許文献1の技術は、平行四節機構の出力端の負荷を片持ち状態で移動させるため、XZ平面で電子部品を基板上に載置するには好適であるが、駆動力伝達機構に適用すると、出力端の姿勢が平行四節機構の変位毎に一定しないため、安定した(精度の高い)駆動力伝達が難しい。
本発明は上記事案に鑑み、平行四節機構の変位に拘わらず出力端の姿勢を一定に保ち安定した駆動力伝達が可能な駆動力伝達機構及び該駆動力伝達機構を備えたマイクロマニュピュレータを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、駆動力伝達機構であって、第1の方向からの駆動力が入力される第1の入力端と、前記第1の方向に直角方向の第2の方向からの駆動力が入力される第2の入力端と、前記入力された駆動力による第1及び第2の方向の変位が合成され拡大乃至縮小されて出力される出力端とをそれぞれ有する2つの平行四節機構と、前記第1の入力端同士を連結する第1のリンクと、前記第2の入力端同士を連結する第2のリンクと、前記出力端同士を連結する第3のリンクと、を備える。
第1の態様では、2つの平行四節機構の第1及び第2の入力端同士がそれぞれ第1及び第2のリンクで連結されており、出力端同士も第3のリンクで接続されているので、2つの平行四節機構の第1及び第2の方向での変位に拘わらず、2つの平行四節機構の出力端同士に連結された第3のリンクは2つの出力端で支持されるため、安定した姿勢を保つことができ、第1及び第2の入力端から入力された駆動力を精度よく第3のリンクに伝達(駆動力による第1及び第2の方向の変位が合成され拡大乃至縮小されて出力)することができる。
第1の態様において、2つの平行四節機構の変位時の姿勢をより安定させるためには、2つの平行四節機構が第1乃至第3のリンクのそれぞれの中点を結ぶ第1の仮想線を中心線として対称配置されることが好ましい。各平行四節機構は、例えば、略直線状の第4乃至第7の4つのリンクを有し、第4のリンクの一端を第1のリンクに、第5及び第6のリンクの一端を第2のリンクに、第7のリンクの一端を第3のリンクに、第4のリンクの他端を第7のリンクの他端に、第5及び第6のリンクの他端を、第4のリンクの一端が第1のリンクに接続された接続箇所、第7のリンクの一端が第3のリンクに接続された接続箇所並びに第4及び第7のリンクの他端同士が接続された接続箇所の3箇所を頂点とする三角形と相似形となるように、第7及び第4のリンクに、それぞれ接続して構成することができる。第1及び第2の入力端に駆動力が入力されたときに、第3のリンクに、より安定した姿勢を持たせるには、第1乃至第3のリンクが略平行状態に維持されるように、第1及び第2の入力端同士、出力端同士がそれぞれ第1乃至第3のリンクで連結されていることが好ましい。このような2つの平行四節機構は、第1及び第2の入力端に駆動力が入力されたときに、一方の平行四節機構の第1、第2の入力端及び出力端を結ぶ第2の仮想線、並びに、他方の平行四節機構の第1、第2の入力端及び出力端を結ぶ第3の仮想線が、それぞれ第1の仮想線との略平行状態を維持するように変位する。
また、上記課題を解決するために、本発明の第2の態様は、マイクロマニュピュレータであって、把持指の先端部を近接させて微小な把持対象物を把持する把持手段と、第1の方向からの駆動力が入力される第1の入力端と、前記第1の方向に直角方向の第2の方向からの駆動力が入力される第2の入力端と、前記入力された駆動力による第1及び第2の方向の変位が合成され拡大乃至縮小されて出力される出力端とをそれぞれ有する2つの平行四節機構と、前記第1の入力端同士を連結する第1のリンクと、前記第2の入力端同士を連結する第2のリンクと、前記出力端同士を連結する第3のリンクと、を具備し、前記把持手段を前記第1及び第2の方向に移動させる第1の移動手段と、前記把持手段を前記第1及び第2の方向と直交する第3の方向に移動させる第2の移動手段と、を備える。
第2の態様では、第1及び第2の入力端に駆動力を入力することで、第1の移動手段により、入力された駆動力による第1及び第2の方向の変位が合成され拡大乃至縮小されて第3のリンクに出力され把持手段が第1及び第2の方向に移動され、第2の移動手段により、把持手段が第1及び第2の方向と直交する第3の方向に移動される。そして、把持手段により、把持指の先端部を近接させて微小な把持対象物が把持される。第2の態様によれば、第3のリンクが2つの出力端で支持されるため、安定した姿勢を保ち、第1及び第2の方向での把持手段の移動の精度を高めることができると共に、XYテーブルに代えて平行四節機構を用いたため、マイクロマニュピュレータのコンパクト化、軽量化を図ることができる。
第2の態様において、第3のリンクに固設され第1及び第2の方向に移動可能な出力ステージを更に備え、第2の移動手段は出力ステージ上で把持手段を第3の方向に移動させるようにしてもよい。
本発明によれば、2つの平行四節機構の第1及び第2の入力端同士がそれぞれ第1及び第2のリンクで連結されており、出力端同士も第3のリンクで接続されているので、2つの平行四節機構の第1及び第2の方向での変位に拘わらず、2つの平行四節機構の出力端同士に連結された第3のリンクは2つの出力端で支持されるため、安定した姿勢を保つことができ、第1及び第2の入力端から入力された駆動力を精度よく第3のリンクに伝達することができる、という効果を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明に係るマイクロマニュピュレータを、微小物体を取り扱うための微小物体ハンドリングシステムに適用した実施の形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態の微小物体ハンドリングシステム200は、マイクロマニュピュレータ110、微小物体載置基台102及び顕微鏡101を有し厚板状の定盤106に固定された微小物体ハンドリング装置100と、パーソナルコンピュータ(以下、パソコンという。)202と、パソコン202のスレーブ(奴隷)コンピュータとしてマイクロマニュピュレータ110を制御するプログラマブル・ロジック・コントローラ(以下、PLCという。)204と、を備えている。
パソコン202には、液晶表示装置等のディスプレイ201及びマウス等の入力装置203が接続されている。また、顕微鏡101にはCCDカメラ107が装着されており、CCDカメラ107からの出力端子がパソコン202に接続されている。従って、微小物体ハンドリングシステム200のオペレータは、顕微鏡101の接眼レンズから直接、又は、ディスプレイ201を介して微小物体載置面17上に載置された微小物体を目視することができる。
また、パソコン202はインターフェースを介してPLC204に接続されており、PLC204は、マイクロマニュピュレータ110に配設された種々のアクチュエータの駆動制御を行う駆動制御部等をマウントした中継基板205に接続されている。中継基板205とマイクロマニュピュレータ110に配設された種々のアクチュエータとは、図示を省略したフレキシブル基板で接続されている。なお、PLC204は、CPU、ROM、RAMの他に、D/Aコンバータ、A/Dコンバータ等を有して構成されており、ROMに格納されたプログラム及びプログラムデータに従って、パソコン202から動作命令を受信すると共に、コンピュータ202にイーサネット(Ethernet)を介して後述するセンサで検出したデータや種々のアクチュエータのステータスを送信する。
図2に示すように、定盤106には、板状の顕微鏡基台105及び受け台103が固定されている。顕微鏡基台105上には顕微鏡101を支持する支柱が立設されており、受け台103の上には板状で受け台103より面積の小さい微小物体/マニュピュレータ基台108が固定されている。また、微小物体/マニュピュレータ基台108上には、ブロック状の微小物体載置基台102及び4本の脚部を有しマイクロマニュピュレータ100を固設するためのマニュピュレータ載置架台104が固定されている。上述した中継基板205は、マニュピュレータ載置架台104の脚部に固定されている。
微小物体載置基台102は、その頂上部分に、略水平の微小物体載置面17を有しており、把持対象物は微小物体載置基台102上に載置される。一方、マニュピュレータ載置架台104は、2本の把持指とメータからなる把持指駆動用アクチュエータ1c(図10参照)とを有し2本の把持指の先端部(以下、エンドエフェクタという。)を互いに近接ないし離間させる把持手段としてのマイクログリッパ機構部1のエンドエフェクタが概ね微小物体載置面17の中央に位置するように脚部の長さや微小物体/マニュピュレータ基台108への固定位置が設定されている。また、顕微鏡101は、対物レンズが微小物体載置面17の略中央部に位置するように上述した支柱で顕微鏡基台105に支持されている。なお、2本の把持指はそれぞれ図示しないバネで付勢されており、把持指駆動用アクチュエータ1cが非通電の通常状態で、エンドエフェクタは離間しており開口(以下、エンドエフェクタ開口1aという。)が形成される(図10参照)。
図2〜図4に示すように、マイクロマニュピュレータ100は、マイクログリッパ機構部1、エンドエフェクタを中心として円弧状に回動可能でありエンドエフェクタの姿勢方向をX、Y方向で同時に変更する姿勢変更機構部60、マイクログリッパ機構部1及び姿勢変更機構部60をXY方向に移動させる第1の移動手段としてのXY移動機構部30及びXY方向に交差するZ方向に移動させる第2の移動手段としてのZ移動機構部50を備えている。
図3及び図4に示すように、XY移動機構部30は、X、Y方向からの駆動力による変位を合成して伝達ないし出力する駆動力伝達機構31を有している。駆動力伝達機構31は、11個のリンクとこれらを連結(接続)するポリプロピレン等の高分子材料からなる12個の弾性ヒンジとで構成されている。
図5に示すように、駆動力伝達機構31は、2つのパンタグラフ(平行四節機構)を有している。一方のパンタグラフは、第4のリンクとしての直線状リンク31d、第7のリンクとしての直線状リンク31e、第5のリンクとしての直線状リンク31f、第6のリンクとしての直線状リンク31gの4つのリンクで構成されており、他方のパンタグラフは、第4のリンクとしての直線状リンク31d’、第7のリンクとしての直線状リンク31e’、第5のリンクとしての直線状リンク31f’、第6のリンクとしての直線状リンク31g’の4つのリンクで構成されている。
リンク31dの一端は、X方向からの駆動力が入力される第1の入力端とされており、第1のリンクとしての略コ字状リンク31aに弾性ヒンジAを介して連結(接続)されている。リンク31f及びリンク31gの一端は、X方向に直角方向のY方向からの駆動力が入力される第2の入力端とされており、第2のリンクとしての直線状リンク31bに弾性ヒンジFを介して連結されている。リンク31eの一端はX方向及びY方向から入力された駆動力による変位が合成され拡大乃至縮小されて出力される出力端とされており、第3のリンクとしての直線状リンク31cに弾性ヒンジEを介して連結されている。また、リンク31d及びリンク31eの他端同士は弾性ヒンジCを介して連結されている。
更に、リンク31fの他端はリンク31eに弾性ヒンジDを介して連結されており、リンク31gの他端はリンク31dに弾性ヒンジBを介して連結されている。図8(a)に示すように、今、弾性ヒンジA〜Eの位置を、アルファベットの小文字a〜eで点として表すと、△abf、△fde及び△aceは互いに相似三角形を構成している。従って、リンク31f及びリンク31gの他端は、リンク31dの一端がリンク31aに弾性ヒンジAで接続(連結)された接続箇所a、リンク31eの一端がリンク31cに弾性ヒンジEで接続された接続箇所e、並びに、リンク31d及びリンク31eの他端同士が弾性ヒンジCで接続された接続箇所cの3箇所を頂点とする三角形と相似形となるように、それぞれ、リンク31e及びリンク31dに接続されている。
一方、他方のパンタグラフも同様に構成されている。すなわち、リンク31d’の一端は、X方向からの駆動力が入力される第1の入力端とされており、リンク31aに弾性ヒンジA’を介して連結されている。リンク31f’及びリンク31g’の一端は、Y方向からの駆動力が入力される第2の入力端とされており、リンク31bに弾性ヒンジF’を介して連結されている。また、リンク31e’の一端はX方向及びY方向から入力された駆動力による変位が合成され拡大乃至縮小されて出力される出力端とされており、リンク31cに弾性ヒンジE’を介して連結されている。また、リンク31d’及びリンク31e’の他端同士は弾性ヒンジC’を介して連結されている。更に、リンク31f’及びリンク31g’の他端は、リンク31d’の一端がリンク31a’に弾性ヒンジA’で接続された接続箇所、リンク31e’の一端がリンク31c’に弾性ヒンジE’で接続された接続箇所、並びに、リンク31d’及びリンク31e’の他端同士が弾性ヒンジC’で接続された接続箇所の3箇所を頂点とする三角形と相似形となるように、それぞれ、リンク31e’及びリンク31d’に弾性ヒンジD’及び弾性ヒンジB’を介して接続されている。
従って、リンク31aは弾性ヒンジA、A’を介して2つのパンタグラフのX方向の入力端(リンク31d、31d’の一端)同士を連結しており、リンク31bは弾性ヒンジF、F’を介して2つのパンタグラフのY方向の入力端(リンク31f、31g及びリンク31f’、31g’の一端)同士を連結しており、リンク31cは弾性ヒンジE、E’を介して2つのパンタグラフの出力端(リンク31e、31e’の一端)同士を連結している。また、2つのパンタフラフは、リンク31a、31b、31cのそれぞれの中点を結ぶ第1の仮想線として仮想線X−Xを中心線として対称配置されている。
弾性ヒンジには、鈍角の端部を有する2つのリンクを連結する弾性ヒンジA〜E、A’〜E’のタイプのものと、鋭角の端部を有する3つのリンクを連結する弾性ヒンジF、F’のタイプのものとの2種類が使用されている。しかしながら、これらの2種類の弾性ヒンジは、図6(a)に示すように、弾性変形範囲の略中央がホームポジションとされており、図6(b)、(c)に示すように、弾性変形範囲内でホームポジションを中心として両側方向に変形可能な両振構造を有している点で共通している。なお、弾性ヒンジA〜F、A〜F’は、2つのパンタグラフのX方向及びY方向の入力端に駆動力が入力されない状態のときにホームポジションに位置している。
図3及び図4に示すように、XY移動機構部30は、駆動伝達機構31にX方向及びY方向への駆動力を入力するために、スライドテーブル32aとステータ部(固定子部)とを有するリニアステッピングモータからなるX方向アクチュエータ32と、同じくスライドテーブル33aとステータ部とを有するリニアステッピングモータからなるY方向アクチュエータ33とを有している。駆動伝達機構31のリンク31aはX方向アクチュエータ32のスライドテーブル32aに固着されており、駆動伝達機構31のリンク31bはY方向アクチュエータ33のスライドテーブル33aに固着されている。また、駆動伝達機構31のリンク31cはZ移動機構部50に固着(固設)されている。このため、X方向アクチュエータ32、Y方向アクチュエータ33からの直進駆動力がそれぞれリンク31a、31bに入力されると、当該直進駆動力により2つのパンタグラフが変位し、変位量がX、Y方向で合成・拡大されてリンク31cに出力される。
Z移動機構部50は、出力ステージとしての平板状の底部フレーム53を有している。上述したリンク31cは、この底部フレーム53に固着されている。また、底部フレーム53の隅部には4つのマイクロキャスタ36が配設されている。このため、底部フレーム53は、固着したリンク31cからの出力に従って、マニュピュレータ載置架台104に固定された受け台34上をXY方向に移動可能に構成されている。また、Z移動機構部50は、底部フレーム53の上方に位置し底部フレーム53に対しZ方向に離間・近接可能な移動フレーム54を有している。移動フレーム54には、正逆転可能なステッピングモータを有するZ方向アクチュエータ51と、一端が底部フレーム53に支持されたシャフト52とを含む直動機構が収容されている。移動フレーム54は、Z方向アクチュエータ51が正転することで底部フレーム53から離間し、逆転することで底部フレーム53に近接するように構成されている。
従って、移動フレーム54は底部フレーム53に対してZ方向に相対移動が可能なため、移動フレーム54は、X方向アクチュエータ32、Y方向アクチュエータ33、Z方向アクチュエータ51からの駆動力によりX、Y、Zの3次元方向への移動が許容されている。この移動フレーム54に、姿勢変更機構部60が固定されている。
図7に示すように、姿勢変更機構部60は、略扇状のベースフレーム2と、ベースフレーム2に対して移動可能な移動ユニット55とで構成されている。マイクログリッパ機構部1は、シャフト71より移動ユニット55の先端部に連結されている。
ベースフレーム2は、ベースフレーム2の中央部を構成し略扇状で略水平のスライド平面2a、スライド平面2aのエンドエフェクタ側に隣接し略扇状でテーパ状に略30°の角度で傾斜したスライド傾斜面2b、スライド平面2aの移動フレーム54側に隣接し表裏にエンドエフェクタを中心とする同心円の一部(円弧)を形成する曲壁2d、曲壁2dのスライド平面2a側に固着された歯付きベルト2c、エンドエフェクタを中心とする同心円の一部を形成し曲壁2dに対向する曲壁2e、曲壁2eの一側に固定された透過一体型センサ2f、及び、姿勢変更機構部60を移動フレーム54に連結(固定)するための連結部16(図11(a)参照)を有している。なお、曲壁2dと曲壁2eとの間には円弧状の溝2gが形成されている。
移動ユニット55には、正逆転可能なステッピングモータからなる姿勢変更アクチュエータ61が組み付けられている。姿勢変更アクチュエータ61のアクチュエータ軸には、プーリギアが嵌着されており、歯付き無端ベルトを介して姿勢変更アクチュエータ61からの回転駆動力が減速ギア66に伝達される。減速ギア66は回転軸に大径ギアと大径ギアの下方に配置された小径ギア(不図示)とが嵌着されて構成されている。なお、小径ギアは、移動ユニット55を貫通しベースフレーム2側に延出されている。また、移動ユニット55からはベースフレーム2側に向けて、2本の円柱状のスライダ(不図示)と、2本のシャフト(不図示)とが突設されている。これらのシャフトにはローラ70がそれぞれ回転可能に軸支されている。また、矩形板状の遮光板(不図示)がベースフレーム2側に向けて植設されている。なお、マイクログリッパ機構部1は、端部にリング状の接続部を有しており、この接続部をシャフト71が貫通することで移動ユニット55に固定されている。
移動ユニット55の小径ギアは、ベースフレーム2の歯付ベルト2cと噛合している。また、移動ユニット55のローラ70は、ベースフレーム2の溝2g内に配置されており、曲壁2dの曲面に当接している。なお、小径ギアが曲壁2dを押圧するようにバネ68が張架されている。更に、スライダ(不図示)の先端部はベースフレーム2のスライド平面2bに当接している。従って、移動ユニット55は、姿勢変更アクチュエータ61が駆動すると、その駆動力は歯付ベルト2bと噛合した小径ギアに伝達され、ベースフレーム2上を、エンドエフェクタを中心として円弧状に移動する構造が採られている。
マイクログリッパ機構部1は、シャフト71により移動ユニット55に固定される水平連結部を除き、エンドエフェクタが微小物体載置面17上に載置された微小物体を把持可能なように、下方に向けて略30°の角度で斜設されている。マイクログリッパ機構部1の水平連結部近傍の底面にはスライダ(不図示)が下方に向けて突設されている。スライダの先端部はベースフレーム2のスライド傾斜面2bに当接している。
(動作)
次に、直方体状の微小チップ素子をプリント基板上のランドに載置するときの微小物体ハンドリングシステム200の動作について説明する。
パソコン202、マイクロマニュピュレータ110等微小物体ハンドリングシステムを構成する全ての構成部に電源が投入され、パソコン202でのアプリケーションソフトウエアの起動やマイクロマニュピュレータ110の初期設定処理が終了すると、PLC204(のCPU)はマイクロマニュピュレータ110側の種々のアクチュエータやセンサのステータスをパソコン202に送出する。
パソコン202は、プログラムデータを参照して受信したステータスに異常がないかを判断し、異常があるときは、ディスプレイ201に異常箇所及び異常の程度を表示させ、異常がないとき(又は異常の程度が低く回復可能なとき)は、エンドエフェクタが微小物体載置面17上の載置物(例えば、プリント基板)に不用意に接触しないように、エンドエフェクタを基準位置に位置させてよいか否かの問い合わせをディスプレイ201に表示させて、入力装置203から肯定的な入力があるまで待機する。入力装置203からの入力があると、パソコン202は、PLC204に対してエンドエフェクタを基準位置に位置させるように命令する。
PLC204は、姿勢変更アクチュエータ61を駆動させ移動ユニット55をセンサ2f側に移動させると共に、センサ2fからの2値信号に変化があるかを判断する。移動ユニット55の底部に植設された不図示の遮光板がセンサ2fの発光を遮光すると、例えば、センサ2fからの信号はローレベル信号からハイレベル信号に変化する。これにより、PLC204は、移動ユニット55が基準位置に到達したことを知ることができる。換言すれば、PLC204は、X、Y方向でエンドエフェクタの基準となる姿勢座標を得ることができる。PLC204は、移動ユニット55が基準位置に到達すると、姿勢変更アクチュエータ61の駆動を停止させ、パソコン202に微小物体のハンドリングの準備が完了した旨を報知する。
パソコン202は、ディスプレイ201に微小物体(微小チップ素子)のハンドリングが可能な旨を小ウインドで表示させ、入力装置203からの入力があるまで待機する。オペレータは、ディスプレイ201で顕微鏡画像を参照しながら、チップ素子がエンドエフェクタ開口部1aに位置するように入力装置203で入力する。本実施形態では、このような入力操作はアプリケーションソフトウエアでサポートされており、マウスによるドラッグや左右クリックを使用して行うことが可能である。
パソコン202は、入力装置203からの入力情報をX、Y、Z方向成分毎に変換してPLC204に送出する。PLC204は、パソコン202から送出されたX、Y、Z方向成分に応じて、XY移動機構部30のX方向アクチュエータ32、Y方向アクチュエータ33、及び、Z移動機構部50のZ方向アクチュエータ51を駆動して、チップ素子20がエンドエフェクタ開口部1aに位置するように移動させ(図11(A)に示す状態)、パソコン202からの命令があるまで待機する。
ここで、XY移動機構部30の駆動伝達機構31の動作について詳述する。まず、図8を参照して、一個のパンタグラフの動作原理について説明する。上述したように、△abf、△fde及び△aceは互いに相似である。一般に、点a、f、eが一直線上にある場合が多いが、同一直線上にない場合もある。パンタグラフの形状は、線分ab、係数k1(≡線分bcの長さ/線分abの長さ)及び係数k2(≡線分acの長さ/線分ceの長さ)によって定まる。
点fを固定して点aを動かした場合、点aの変位はk1倍に拡大(又は縮小)されて点eの変位となる(図8(b)参照)。逆に、点aを固定して点fを動かした場合、点eの変位は点fの変位の(1+k1)倍となる。また、点eの運動方向は、点aの運動方向に対して180°傾き、点fの運動方向に対しては同方向となる(図8(c)参照)。
次に、図9を参照して、2つのパンタグラフがリンク31a、31b、31cで連結された本実施形態の駆動伝達機構31の動作について説明する。上述したように、点a〜点fで表される一方のパンタグラフと、点a’〜点f’で表される他方のパンタグラフは、リンク31a、31b、31cのそれぞれの中点を結ぶ仮想線X−Xを中心線として対称配置されている。△abf、△fde及び△aceは互いに相似であり、△a’b’f’、△f’d’e’及び△a’c’e’も互いに相似である。また、△abfと△a’b’f’、△fdeと△f’d’e’、及び、△aceと△a’c’e’は、それぞれ仮想線X−Xについて線対称であり、いわば光学的な鏡像の関係にある。
点a〜点fで表される一方のパンタグラフは、上述したと1個のパンタグラフの場合と同様に、点fを固定して点aを動かした場合、点aの変位はk1倍に拡大(又は縮小)されて点eでの変位となる。逆に、点aを固定して点fを動かした場合、点eの変位は点fの変位の(1+k1)倍となる。また、点eの運動方向は、点aの運動方向に対して180°傾き、点fの運動方向に対しては同方向となる。一方、点a’〜点f’で表される他方のパンタグラフも同様に変位が拡大(又は縮小)される。
従って、点fと点f’を固定して点aと点a’を同時に変位させると、点eと点e’はそのk1倍に拡大された同じ変位を生じ、また、点aと点a’を固定して点fと点f’を同時に変位させると、点eと点e’はその(1+k1)倍に拡大された同じ変位を生ずる。故に、線分aa’、ff’の姿勢を保って変位を与えると、線分ee’の姿勢は変位の前後で一定に保たれる。
図10は、駆動伝達機構31の動作形態を模式的に示したものであり、図10(e)が駆動伝達機構31のホームポジションにあたる。ここに、ホームポジションとは、XY移動機構部30のX方向アクチュエータ32、Y方向アクチュエータ33からの駆動力が加えられる前の駆動伝達機構31の初期位置ないし保存位置をいう。2つのパンタグラフ及びリンク31a、31b、31cで構成される駆動伝達機構31は、このホームポジションから、PLC204によるX方向アクチュエータ32、Y方向アクチュエータ33の任意の駆動力制御により、図10(a)〜(f)の各形態に弾性ヒンジの変形を伴って変形する。
図10(a)〜(f)に示すように、リンク31cは、どの形態に変位しても垂直方向(Y方向)で姿勢が維持される。つまり、リンク31a、31bにX方向アクチュエータ32及びY方向アクチュエータ33から駆動力が入力されたときに、リンク31a、31b、31cは、略平行状態を維持するように変位する。付言すれば、リンク31a、31bにX方向アクチュエータ32及びY方向アクチュエータ33から駆動力が入力されたときに、図9に示す一方のパンタグラフの点a、f、eを結ぶ仮想線、並びに、他方のパンタグラフの点a’、f’、e’を結ぶ仮想線が、仮想線X−Xと略平行状態を維持するように変位する。
弾性ヒンジA〜F、A’〜F’は、X方向アクチュエータ32及びY方向アクチュエータ33からの駆動力に従って、図6(a)に示した弾性変形範囲の略中央のホームポジションから、図6(b)、(c)に示した弾性変形範囲内でホームポジションを中心として変形する。なお、駆動伝達機構31がホームポジションに位置するときに、弾性ヒンジA〜F、A’〜F’もまたホームポジションに位置する。
従って、駆動伝達機構31は、X方向アクチュエータ32及びY方向アクチュエータ33からリンク31a、31bに駆動力が入力されると、弾性ヒンジA〜F、A’〜F’が変形して2つのパンタグラフよる所定の変位がリンク31cに出力され、マイクロキャスタ36を受け台34上でX、Y方向で移動させる(図4参照)。また、Z移動機構部50のZ方向アクチュエータ51を駆動することで、チップ素子20はエンドエフェクタ開口部1aに位置する。
エンドエフェクタの把持方向とチップ素子20の向きとが不整合の状態のため、オペレータは、エンドエフェクタのX、Y方向がチップ素子20を把持可能な方向となるように入力装置203で入力する。パソコン202は、入力装置203からの入力情報を変換してPLC204に送出する。PLC204は、姿勢変更アクチュエータ61を駆動させ、エンドエフェクタのX、Y方向がチップ素子20を把持可能な方向となるように、移動ユニット55をベースフレーム2に対してエンドエフェクタを中心として円弧状に回動させ(図11(B)に示す状態)、パソコン202の命令があるまで待機する。
エンドエフェクタの把持方向とチップ素子20の向きとが整合したため、オペレータは、エンドエフェクタでチップ素子20を把持するために入力装置203で入力する。パソコン202は、入力装置203からの入力情報を変換してPLC204に送出する。PLC204は、把持指駆動用アクチュエータ1cを駆動させ、エンドエフェクタに把持対象物20を把持させ、パソコン202の命令があるまで待機する。
オペレータは、チップ素子20を把持したままエンドエフェクタプリント基板のランド位置に位置するように入力装置203で入力する。パソコン202は、入力装置203からの入力情報を変換してPLC204に送出する。PLC204は、XYZ移動機構部40を駆動して、チップ素子20がランド位置に位置するように移動させ、パソコン202からの命令があるまで待機する。
チップ素子20を把持したエンドエフェクタの把持方向とランド位置の向きとが不整合の状態のため、オペレータは、エンドエフェクタの方向がランド位置と同じ方向となるように入力装置203で入力する。パソコン202は、入力装置203からの入力情報を変換してPLC204に送出する。PLC204は、姿勢変更アクチュエータ61を駆動させ、エンドエフェクタの方向がランド位置と同じ方向となるように、移動ユニット55をベースフレーム2に対してエンドエフェクタを中心として円弧状に回動させ、パソコン202の命令があるまで待機する。
オペレータは、エンドエフェクタを離間させるように入力装置203で入力する。パソコン202は、入力装置203からの入力情報を変換してPLC204に送出する。PLC204は、把持指駆動用アクチュエータ1cを駆動させ、エンドエフェクタを離間させる(エンドエフェクタ開口1cを形成し微小物体の把持を解放させる)。これにより、チップ素子20は、ランド位置21に載置される(図11(C)に示す状態)。
オペレータは、チップ素子20のランド位置21への載置を終了したので、駆動伝達機構31をホームポジションに復帰させる復帰命令を入力装置203で入力する。パソコン202は、入力装置203からの入力情報(復帰命令)をPLC204に送出する。PLC204は、X方向アクチュエータ32及びY方向アクチュエータ33を駆動させ、駆動伝達機構31を弾性ヒンジA〜F、A’〜F’が変形しないホームポジションに復帰させる。
(作用等)
次に、本実施形態の微小物体ハンドリングシステム200の作用等について、マイクロマニュピュレータ110の駆動伝達機構31の作用等を中心に説明する。
本実施形態のマイクロマニュピュレータ110は、駆動伝達機構31の2つのパンタグラフがリンク31a、31b、31cのそれぞれの中点を結ぶ仮想線X−Xを中心線として対称配置されており、X、Y方向の入力端(図9に示す点a、a’及び点f、f’)同士、出力端(図9に示す点e、e’)同士がそれぞれリンク31a、31b、31cで連結されている。リンク31cは、2つのパンタグラフのX、Y方向での変位に拘わらず、姿勢がリンク31a、31bと平行に維持され、かつ、リンク31cは2つの弾性ヒンジE、E’により両側で支持される。このため、リンク31cは安定した姿勢を保つことができ、駆動伝達機構31はX、Y方向の入力端から入力されたX方向アクチュエータ32、Y方向アクチュエータ33からの駆動力を合成し拡大乃至縮小して精度よくリンク31cに伝達することができる。従って、本実施形態によれば、リンク31cが2つの出力端で支持されるため、安定した姿勢を保ち、X方向及びY方向でのマイクログリッパ機構部1の移動の精度を高めることができると共に、XYテーブルに代えて2つのパンタグラフを有する駆動伝達機構31を用いたため、マイクロマニュピュレータ110のコンパクト化、軽量化を図ることができる。
また、本実施形態のマイクロマニュピュレータ110は、駆動伝達機構31の弾性ヒンジA〜F、A’〜F’が、高分子材料からなるため耐久性に優れ、図6に示したように、弾性変形範囲で両振可能な構造を有し動作範囲の両端での変形を小さくできる。すなわち、図6(a)に示した状態をホームポジションとし、図6(b)、(c)に示す状態まで変形可能なため、図6(b)、(c)に示す状態まで変形する場合に、半分程度の変形で済むため応力が小さくなり、塑性変形に対して余裕がとれる。更に、両振の平均応力がゼロの弾性変形範囲の略中央がホームポジションとされているため、ホームポジションに復帰させて保存することで、クリープ変形に対しても安全率を高めることができる。従って、継続使用をしても高い精度を維持可能な駆動力伝達機構31を得ることができる。
更に、本実施形態のマイクロマニュピュレータ110は、ベースフレーム2と移動ユニット55とで構成される姿勢変更機構部60を備えている。移動ユニット55は、ベースフレーム2に対しエンドエフェクタを中心として円弧状に回動可能であり、移動ユニット55に連結されたマイクログリッパ機構部1のエンドエフェクタは姿勢変更が可能である。従って、マイクロマニュピュレータ110は、チップ素子のような微小物体(把持対象物)の形状に特色があっても(把持方向が限定されていても)、1回の操作(接触)で微小物体をエンドエフェクタで確実に把持可能であり、かつ、微小物体(チップ素子)を適正な載置位置(ランド位置)に載置することができる。従って、微小物体が生体等の傷つき易い物体でも、1回の接触で生体を把持でき、生体把持のために試行錯誤を繰り返す必要がないので、生体に損傷を加えることもない。
また、本実施形態のマイクロマニュピュレータ110は、移動ユニット55がベースフレーム2に対しエンドエフェクタを中心として円弧状に回動するため、微小物体を把持するエンドエフェクタが回動動作の中心となる。従って、エンドエフェクタの姿勢方向を変えることによる位置変化を少なくすることができ、顕微鏡視野内でマイクロマニュピュレータ110の操作を行うことができる。
更に、本実施形態のマイクロマニュピュレータ110は、移動ユニット55がベースフレーム2に当接する不図示のスライダを有しており、移動ユニット55がスライダ及びローラ70でベースフレーム2に複数箇所で当接するので、ベースフレーム2に対する移動ユニット55の安定な移動を確保することができる。また、本実施形態のマイクロマニュピュレータ110は、移動ユニット55がZ方向でベースフレーム2より上側に配置されており、マイクログリッパ機構部1がZ方向で傾斜するように移動ユニット55に支持されているので、微小物体載置基台102上に載置された微小物体を上方からエンドエフェクタで把持でき、顕微鏡視野内で観察しながら把持指先端部で把持することが容易となる。更にまた、マイクログリッパ機構部1のスライダ(不図示)はベースフレーム2のスライド傾斜面2bに当接しているので、マイクログリッパ機構部1が傾斜配置されていても、移動ユニット55の移動に伴ってマイクログリッパ機構部1の安定な移動を確保することができる。
また、本実施形態のマイクロマニュピュレータ110は、姿勢変更機構部60がベースフレーム2に配置されたセンサ2fと移動ユニット55に植設された遮光板(不図示)とを有しており、エンドエフェクタで微小物体を把持する前に、エンドエフェクタの姿勢(X、Y方向での位置)を検出するようにしたので、移動ユニット55が移動してもエンドエフェクタの姿勢を正確に把握することができる。
なお、本実施形態では、リンク31aに略コ字状のものを例示したが、本発明はリンクの形状に限定されるものではなく、リンク31aに、リンク31cと同様に、直線状のものを使用するようにしてもよい。また、本実施形態では、姿勢変更機構部60を介してZ移動機構部50とマイクログリッパ機構部1とを連結する例を示したが、姿勢変形機構60を設けずZ移動機構部50に直接マイクログリッパ機構部1を連結するようにしてもよい。
また、本実施形態では、11個のリンクと12個の弾性ヒンジとで構成された駆動力伝達機構31を例示したが、本発明はこれに制限されず、例えば、高分子材料でこれらのリンク及び弾性ヒンジを一体成形するようにしてもよく、また、2つのパンタフラフのパンタグラフを一体成形し、上述した対称配置となるように、これらのパンタグラフの入力端及び出力端とリンク31a、31b、31cとを弾性ヒンジA、A’、F、F’、E、E’で連結するようにしてもよい。
そして、本実施形態では、2本の把持指を有し、エンドエフェクタに略直線状の形状のものを例示したが、本発明はこれに制限されるものではなく、微小物体(把持対象物)の形状に応じて把持指の本数(複数本)や先端部の形状を変更可能なことは云うまでもない。更に、本実施形態では、把持指の双方を互いに近接させる例を示したが、一方の把持指のみを把持指駆動用アクチュエータ3で駆動(移動)させ、他方の把持指は固定されたままとするようにしてもよい。
本発明は平行四節機構の変位に拘わらず出力端の姿勢を一定に保ち安定した駆動力伝達が可能な駆動力伝達機構を提供するため、駆動力伝達機構及び該駆動力伝達機構を備えたマイクロマニュピュレータの製造・販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
本発明が適用可能な実施形態の微小物体ハンドリングシステムの概略構成図である。 実施形態の微小物体ハンドリングシステムのマイクロマニュピュレータの外観斜視図である。 マイクロマニュピュレータの平面図である。 マイクロマニュピュレータの側面図である。 マイクロマニュピュレータのXY移動機構部の駆動伝達機構の平面図である。 駆動伝達機構の弾性ヒンジC、Fの変形態様を示す部分拡大平面図であり、(a)はホームポジションでの態様を示し、(b)は弾性変形範囲の一方の変形極限での態様を示し、(c)は弾性変形範囲の他方の変形極限での態様を示す。 マイクロマニュピュレータのマイクログリッパ機構部及び姿勢変更機構部の外観斜視図である。 1個のパンタグラフを模式的に示す機構図であり、(a)は点a、fに入力がなされないホームポジションにある状態、(b)は点fを固定して点aを動かした状態、(c)は点aを固定して点fを動かした状態を示す。 XY移動機構部の駆動伝達機構を模式的に示す機構図である。 駆動伝達機構の変位を模式的に示す機構図であり、(a)は変位状態その1、(b)は変位状態その2、(c)は変位状態その3、(d)は変位状態その4、(e)は変位のないホームポジションでの状態、(f)は変位状態その5、(g)は変位状態その6、(h)は変位状態その7、(i)は変位状態その8を示す。 マイクログリッパ機構部及び姿勢変更機構部の動作状態の平面図であり、(a)は動作状態その1、(b)は動作状態その2、(c)は動作状態その3を示す。
符号の説明
1 マイクログリッパ機構部(把持手段)
30 XY移動機構部(第1の移動手段)
31 駆動伝達機構
31a リンク(第1のリンク)
31b リンク(第2のリンク)
31c リンク(第3のリンク)
31d、31d’ リンク(第4のリンク)
31e、31e’ リンク(第7のリンク)
31f、31f’ リンク(第5のリンク)
31g、31g’ リンク(第6のリンク)
50 Z移動機構部(第2の移動手段)
54 底部フレーム(出力ステージ)
110 マイクロマニュピュレータ
A、B、C、D、E、F、A’、B’、C’、D’、E’、F’ 弾性ヒンジ

Claims (11)

  1. 第1の方向からの駆動力が入力される第1の入力端と、前記第1の方向に直角方向の第2の方向からの駆動力が入力される第2の入力端と、前記入力された駆動力による第1及び第2の方向の変位が合成され拡大乃至縮小されて出力される出力端とをそれぞれ有する2つの平行四節機構と、
    前記第1の入力端同士を連結する第1のリンクと、
    前記第2の入力端同士を連結する第2のリンクと、
    前記出力端同士を連結する第3のリンクと、
    を備えた駆動力伝達機構。
  2. 前記2つの平行四節機構が前記第1乃至第3のリンクのそれぞれの中点を結ぶ第1の仮想線を中心線として対称配置されたことを特徴とする請求項1に記載の駆動力伝達機構。
  3. 前記2つの平行四節機構はそれぞれ略直線状の第4乃至第7の4つのリンクを有し、前記第4のリンクの一端は前記第1のリンクに、前記第5及び第6のリンクの一端は前記第2のリンクに、前記第7のリンクの一端は前記第3のリンクにそれぞれ接続されており、前記第4及び第7のリンクの他端同士は接続されており、前記第5及び第6のリンクの他端は、前記第4のリンクの一端が前記第1のリンクに接続された接続箇所、前記第7のリンクの一端が前記第3のリンクに接続された接続箇所並びに前記第4及び第7のリンクの他端同士が接続された接続箇所の3箇所を頂点とする三角形と相似形となるように、それぞれ、前記第7及び第4のリンクに接続されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の駆動力伝達機構。
  4. 前記2つの平行四節機構は、前記第1及び第2の入力端に駆動力が入力されたときに、前記第1乃至第3のリンクが略平行状態を維持するように変位することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の駆動力伝達機構。
  5. 前記2つの平行四節機構は、前記第1及び第2の入力端に駆動力が入力されたときに、一方の平行四節機構の第1、第2の入力端及び出力端を結ぶ第2の仮想線、並びに、他方の平行四節機構の第1、第2の入力端及び出力端を結ぶ第3の仮想線が、それぞれ前記第1の仮想線との略平行状態を維持するように変位することを特徴とする請求項4に記載の駆動力伝達機構。
  6. 把持指の先端部を近接させて微小な把持対象物を把持する把持手段と、
    第1の方向からの駆動力が入力される第1の入力端と、前記第1の方向に直角方向の第2の方向からの駆動力が入力される第2の入力端と、前記入力された駆動力による第1及び第2の方向の変位が合成され拡大乃至縮小されて出力される出力端とをそれぞれ有する2つの平行四節機構と、前記第1の入力端同士を連結する第1のリンクと、前記第2の入力端同士を連結する第2のリンクと、前記出力端同士を連結する第3のリンクと、を具備し、前記把持手段を前記第1及び第2の方向に移動させる第1の移動手段と、
    前記把持手段を前記第1及び第2の方向と直交する第3の方向に移動させる第2の移動手段と、
    を備えたマイクロマニュピュレータ。
  7. 前記2つの平行四節機構が前記第1乃至第3のリンクのそれぞれの中点を結ぶ第1の仮想線を中心線として対称配置されたことを特徴とする請求項6記載のマイクロマニュピュレータ。
  8. 前記2つの平行四節機構はそれぞれ略直線状の第4乃至第7の4つのリンクを有し、前記第4のリンクの一端は前記第1のリンクに、前記第5及び第6のリンクの一端は前記第2のリンクに、前記第7のリンクの一端は前記第3のリンクにそれぞれ接続されており、前記第4及び第7のリンクの他端同士は接続されており、前記第5及び第6のリンクの他端は、前記第4のリンクの一端が前記第1のリンクに接続された接続箇所、前記第7のリンクの一端が前記第3のリンクに接続された接続箇所並びに前記第4及び第7のリンクの他端同士が接続された接続箇所の3箇所を頂点とする三角形と相似形となるように、それぞれ、前記第7及び第4のリンクに接続されていることを特徴とする請求項6に記載のマイクロマニュピュレータ。
  9. 前記第1の移動手段は、前記第1及び第2の入力端に駆動力が入力されたときに、前記第1乃至第3のリンクが略平行状態を維持するように前記2つの平行四節機構が変位することを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載のマイクロマニュピュレータ。
  10. 前記2つの平行四節機構は、前記第1及び第2の入力端に駆動力が入力されたときに、一方の平行四節機構の第1、第2の入力端及び出力端を結ぶ第2の仮想線、並びに、他方の平行四節機構の第1、第2の入力端及び出力端を結ぶ第3の仮想線が、それぞれ前記第1の仮想線との略平行状態を維持するように変位することを特徴とする請求項9に記載のマイクロマニュピュレータ。
  11. 前記第3のリンクに固設され前記第1及び第2の方向に移動可能な出力ステージを更に備え、前記第2の移動手段は前記出力ステージ上で前記把持手段を前記第3の方向に移動させることを特徴とする請求項6乃至請求項10のいずれか1項に記載のマイクロマニュピュレータ。
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