JP2005342157A - 歯科用インプラント - Google Patents

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Abstract

【課題】 歯槽骨に損傷を殆ど与えることなく、インプラントを歯槽骨の埋め込み孔に挿入して埋設することができ、これによって、仮歯や義歯を短期間で歯槽骨に固定できる歯科用インプラントを提供すること。
【解決手段】 拡大部18を吸収型糸19で縛り収縮させて、歯根部17を埋め込み孔29に挿入できるので、埋め込み孔29の内面29aを殆ど損傷させずにインプラント12を歯槽骨14に埋設できる。よって、例えばインプラント12を歯槽骨14に埋入したその日のうちに、インプラント12に仮歯を取り付けることができる。そして、拡大部18は、それ自体の復元力によって拡大するので、インプラント12が歯槽骨14に与える損傷を小さくすることができ、歯槽骨14の損傷が短期間で回復する。よって、インプラント12を歯槽骨14に埋入した時から短い期間(例えば約1箇月)内で義歯をインプラントに取り付ける準備ができる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、義歯(補綴物)を歯槽骨に固定するための歯科用インプラントに関する。
従来の歯科用インプラントの一例として図8に示すものがある(例えば、特許文献1参照。)。この歯科用インプラント1は、同図に示すように、人工歯根となる脚部2と、義歯(図示せず)が取り付けられる頭部3とを備えている。頭部3には雄ねじ部4が設けられており、この雄ねじ部4は、脚部2に形成されている雌ねじ部5に螺合している。これによって、頭部3と脚部2とが互いに結合している。そして、脚部2の外周面には、雄ねじ部6が形成されている。このように、脚部2の外周面に雄ねじ部6を形成してあるのは、脚部2を歯槽骨に植設したときに、この雄ねじ部6によって、脚部2の外周面と歯槽骨との結合力を高めることができるからである。
しかし、図8に示す歯科用インプラント1では、脚部2の外周面に形成した雄ねじ部6を歯槽骨に形成した埋め込み孔に螺合させるときに、歯槽骨の埋め込み孔の内面の全体に、この雄ねじ部6によって損傷を与えることとなる。この歯槽骨が受ける損傷は、回復するのに長期間(約4〜6箇月)を要するので、仮歯や義歯を取り付けるまでに、約4〜6箇月以上の相当の期間を必要とする。
そこで、歯槽骨に大きな損傷を与えることなく歯科用インプラントを歯槽骨に植設できるようにしたものがある(例えば、特許文献2参照。)。図9(a)に示す歯科用インプラント7は、歯槽骨に形成される埋め込み孔に挿入する前の収縮状態を示している。図9(b)は、歯槽骨に形成された埋め込み孔にインプラント7を挿入して、拡大部10、10を拡大させた状態を示している。
このインプラント7を歯槽骨の所定箇所に埋設するときは、まず、図9(a)に示す収縮状態のインプラント7を歯槽骨に形成された埋め込み孔に挿入する。そして、雄ねじ部8を所定方向に回転させる。これによって、図9(b)に示すように、この雄ねじ部8に螺合する2つの各押上体9、9が上昇して、各押上体9、9の外面に形成されている傾斜面が拡大部10、10を外側に押し広げることができ、拡大部10、10が拡大した状態となる。拡大部10が拡大した状態となると、拡大部10が歯槽骨の埋め込み孔の内面と係合することができ、脚部11が歯槽骨と強力に結合した状態となる。
このように、図9(a)、(b)に示す歯科用インプラント7によると、拡大部10、10によって、埋め込み孔の内面の一部を損傷させるだけで済むので、内面全体を損傷させる図8に示すインプラント1と比較して、損傷を小さくすることができ、よって、歯槽骨の損傷が回復するまでの期間を短くすることができる。従って、インプラント7に仮歯や義歯を取り付けるまでの期間を、図8に示すインプラント1よりも短くすることができる。
特開平8−266558号公報 特開2000−93435号公報
しかし、図9(a)、(b)に示す従来の歯科用インプラント7では、雄ねじ部8を回転させて、拡大部10、10を埋め込み孔内で強制的に押し広げることによって、この拡大部10、10を埋め込み孔の内面に係合させているので、拡大部10、10がその内面の一部を極度に損傷させることとなる。従って、その極度に損傷した部分が回復するまでは、インプラント7に仮歯や義歯を取り付けることができないという問題がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、歯槽骨に損傷を殆ど与えることなく、インプラントを歯槽骨の埋め込み孔に挿入して埋設することができ、これによって、仮歯や義歯を短期間で歯槽骨に固定できる歯科用インプラントを提供することを目的としている。
本発明は、義歯を歯槽骨に固定するためのものであって、歯槽骨に埋め込まれる歯根部を備える歯科用インプラントにおいて、前記歯根部は、歯槽骨に埋め込まれたときに、弾性力及び形状記憶効果のいずれかに基づく復元力によって外側に拡大する拡大部を有することを特徴とするものである。
この発明の歯科用インプラントによると、歯根部を歯槽骨に埋設して、この埋設されたインプラントに仮歯や義歯を取り付けることができる。インプラントを歯槽骨に埋設するときは、まず、例えば歯槽骨に埋め込み孔を形成する。そして、インプラント(歯根部)の拡大部を収縮させた状態にして、歯根部を埋め込み孔に挿入する。このように、収縮した歯根部を埋め込み孔に挿入すればよいので、埋め込み孔の内面を殆ど損傷させることなく歯根部を埋設できる。
そして、歯根部を埋め込み孔に挿入した状態で、拡大部が弾性力又は形状記憶効果に基づく復元力によって外側に拡大する。拡大部が拡大する過程で、歯根部が埋め込み孔の内面に固着すると共に、拡大部がほぼ元の拡大した形状に戻る。このように、歯根部が埋め込み孔の内面に固着すること、及び拡大部がほぼ元の拡大した形状に戻ることによって、インプラントが歯槽骨に固定される。そして、拡大部が、強制的に短時間で拡大するのではなく、それ自体の復元力によって時間を掛けて拡大するので、インプラントが歯槽骨に与える損傷を小さくすることができて、インプラントを歯槽骨に強固に固定することができる。また、歯槽骨内で拡大部が拡大するので、インプラントが歯槽骨から抜け難くすることができる。
そして、この発明の歯科用インプラントにおいて、前記拡大部は、互いに間隔を隔てて配置された複数の脚部を備え、中心軸に直交する断面の外表面がほぼ円形であることを特徴とするものとしてもよい。このようにすると、拡大部を収縮させる方向に力を掛けると、各脚部がそれぞれの隙間を狭める方向に変形するので、拡大部を収縮させることができる。そして、この収縮方向の力を取り除くと、弾性力又は形状記憶効果に基づく復元力によって外側に拡大して元の形状に戻る。また、拡大部の断面の外表面がほぼ円形であるので、このインプラントを埋め込むための埋め込み孔をキリで簡単に形成することができる。
また、この発明の歯科用インプラントにおいて、前記拡大部の内側に空間部が形成され、前記空間部に人工骨の粉粒体が収容されているようにするとよい。このようにすると、インプラントの歯根部が歯槽骨内に埋め込まれた状態で、拡大部内に収容されている人工骨の粉粒体が、歯根部と歯槽骨との結合を促進させることができる。そして、この粉粒体が拡大部及び歯槽骨と一体となることによって、インプラント自体の強度を高めることができ、インプラントが咬合圧に十分に耐えられるようにできる。
更に、この発明の歯科用インプラントにおいて、前記粉粒体が吸収型包装体で包まれるようにするとよい。そして、前記拡大部を、吸収型包装体によって包むようにしてもよい。このようにすると、拡大部内に収容されている粉粒体が拡大部から分離して零れ出ないようにできる。そして、吸収型包装体は、加水分解等によって体内に吸収されるものであり、体内に異物として残らないようにすることができる。
そして、この発明の歯科用インプラントにおいて、前記粉粒体が帆立貝の貝殻を粉砕したものとするとよい。帆立貝の貝殻は、新生骨形成を促進させる効果があると共に、除菌効果があるので、歯科用インプラントを歯槽骨に対して強固で安全に埋設するのに適している。
また、この発明の歯科用インプラントにおいて、前記拡大部が吸収型糸で縛られて収縮しているようにするとよい。このように、拡大部を吸収型糸で縛って収縮させると、この拡大部が形成されている歯根部を、歯槽骨に形成された埋め込み孔に、歯槽骨を損傷させないようにして簡単に挿入することができる。この吸収型糸は、加水分解等によって体内に吸収されるので、体内に異物として残らないようにすることができる。
更に、この発明の歯科用インプラントにおいて、前記吸収型糸が前記拡大部の外表面に形成された溝に収容されているようにするとよい。このようにすると、拡大部を縛り付けている吸収型糸が、拡大部の表面から突出しないようにできる。これによって、歯根部を埋め込み孔にスムースに挿入することができる。
そして、この発明の歯科用インプラントにおいて、帆立貝の貝殻を粉砕してできた粉粒体を少なくとも前記拡大部の外表面に固着させてもよい。このようにすると、この粉粒体が拡大部と歯槽骨との結合を促進するので、インプラントを短期間で歯槽骨に強固にしかも安全に固定することができる。
また、この発明の歯科用インプラントにおいて、前記歯根部の表面に凹部及び切欠きのうちのいずれかを形成するとよい。このようにすると、歯根部が歯槽骨に埋設された状態で、歯槽骨が歯根部の凹部又は切欠きに入り込むことができる。これによって、インプラントがその中心軸を中心にして回動しないように固定できる。
更に、この発明の歯科用インプラントにおいて、前記歯根部が、義歯が取り付けられる保持部と一体に形成されているとよい。このようにすると、保持部を歯根部に取り付ける手間及び時間を省略することができる。
そして、この発明の歯科用インプラントにおいて、前記歯根部の外表面が、チタン及びチタン合金のいずれかによって形成されているとよい。このようにすると、チタン及びチタン合金は、骨との高い結合力が得られるので、インプラントを歯槽骨に強固に固定することができる。
この発明の歯科用インプラントによると、例えば拡大部を収縮させた状態にして歯根部を埋め込み孔に挿入できるので、埋め込み孔の内面を殆ど損傷させずにインプラントを歯槽骨に埋入できる。よって、例えばインプラントを歯槽骨に埋入したその日のうちに、インプラントに仮歯を取り付けることができる。そして、拡大部を強制的に短時間で拡大させるのではなく、それ自体の復元力によって時間を掛けて拡大するので、インプラントが歯槽骨に与える損傷を、図9(a)、(b)に示す従来のインプラント7よりも小さくすることができ、歯槽骨の損傷が短期間で回復する。よって、インプラントを歯槽骨に埋入した時から比較的短い期間(例えば約1箇月)内で義歯をインプラントに取り付ける準備ができる。従って、患者にとっては、早期に義歯を取り付けてもらえて便利であるし、歯科医師にとっては、患者の身体(歯槽骨)に与える損傷が小さいのでストレスが低減する。
以下、本発明に係る歯科用インプラントの実施形態を図1〜図7を参照して説明する。この歯科用インプラント12は、図7に示すように、義歯13を歯槽骨14に固定するためのものである。歯槽骨14は、皮質骨14aと海面骨14bとから成っている。皮質骨14aの表面に歯肉部15が形成されている。インプラント12は、上部に設けられている保持部16に義歯13が取り付けられ、この保持部16の下端から下方に延びる歯根部17が歯槽骨14に埋設される。
図1は、歯槽骨14に植設される前のインプラント12であって、歯根部17の下部に形成されている拡大部18が、吸収型糸19で縛られて収縮している状態を示している。図2(a)、(b)は、拡大部18が吸収型糸19で縛られておらず、拡大した状態を示している。この歯科用インプラント12は、例えばニッケル・チタン合金(チタン合金)で形成されている。このニッケル・チタン合金は、歯槽骨14との親和性があり、歯槽骨14との強い結合力を得ることができる。そして、このニッケル・チタン合金は、形状記憶合金であり、形状記憶効果を有している。
保持部16は、図7の側面図に示すように、義歯13が装着される装着部20、及びこの装着部20の下側に形成されている鍔状部21を備えている。装着部20は、義歯13の内面形状と対応する形状に形成されている。そして、図2(a)、(b)、及び図3(a)に示すように、装着部20は、上部20aがほぼ直方体の形状に形成されており、下部20bがほぼ円錐台の形状に形成されている。上部20aをほぼ直方体に形成することによって、保持部16に取り付けられる義歯13が中心軸を中心にして回動しないように確実に保持することができる。
歯根部17は、図2(a)、(b)、及び図3(b)に示すように、ほぼ砲弾形状であり、連結部22及び拡大部18を備えており、保持部16の側からこの順番で形成されている。連結部22は、ほぼ短円筒形に形成されており、下方に向かうに従って直径が少し小さくなっている。そして、拡大部18は、互いに間隔(隙間27)を隔てて円周方向に沿って配置された4つの脚部18aを備えており、中心軸に直行する断面の外表面がほぼ円形に形成されている。この拡大部18の最大直径A1(例えば約4.4mm)は、連結部22の上端部直径B(例えば約4.0mm)よりも大きい寸法である。なお、連結部22の下端部直径Cは、例えば約3.9mmである。
また、保持部16(装着部20及び鍔状部21)及び連結部22の外表面は、鏡面加工されている。このように、鍔状部21、及び連結部22の外表面に鏡面加工を施したのは、この部分は、露出する可能性があるので、汚れ難くすると共に、付着する汚れを掃除し易くするためである。更に、拡大部18の外表面は、図1及び図2(a)、(b)に網掛けして示すように、粗面処理が施されている。この粗面処理は、例えば帆立貝の貝殻を粉砕して形成した粉粒体(人工骨の粉粒体)を合成樹脂等を介して固着させる処理である。
更に、図4の断面図に示すように、歯根部17(拡大部18)の内側には空間部23が形成されている。この空間部23には、例えば帆立貝の貝殻を粉砕して形成した粉粒体24が収容されている。この粉粒体24は、吸収型包装体(カプセル25)に包まれている。
そして、図2(a)、(b)、及び図3(b)に示すように、4つの脚部18aのうち、対角線方向に配置されている2つの各脚部18aに切欠き26が1つずつ形成されている。一方の切欠き26は、他方の切欠き26の位置から中心軸を中心にして180°回転移動した位置に形成されている。各切欠き26は、脚部18aの下端部の外表面のうち隙間27を形成する縁部に沿って円弧状に形成されている。
次に、図1を参照して、拡大部18を吸収型糸(例えば吸収型手術用糸)19で縛り付けて、拡大部18を収縮させた歯科用インプラント12を説明する。この図1に示すインプラント12は、図2(a)、(b)に示すインプラント12の空間部23内に、粉粒体24が充填されたカプセル25を収容している。そして、拡大部18は、粉粒体24を収容した状態で、吸収型糸19で上下2箇所の位置で縛られて収縮している。また、吸収型糸19は、拡大部18の外表面の周方向に形成された2つの環状の各溝28、28内に収容されている。
そして、図1に示すように、この歯科用インプラント12は、4つの脚部18aを互いに隙間(間隔)27を隔てて配置してあるので、拡大部18を収縮させる方向に力を掛けると、各脚部18aがそれぞれの隙間27を狭める方向に変形し、これによって、拡大部18を収縮させることができる。そして、この収縮方向の力を取り除くと、各脚部18aの形状記憶効果に基づく復元力によって外側に拡大して、元の図2(a)、(b)に示す形状に戻る。また、拡大部18の断面の外表面がほぼ円形に形成されているので、このインプラント12を埋め込むための円筒形の埋め込み孔(図5参照)29をキリで簡単に形成することができる。
図1に示すように、拡大部18が吸収型糸19によって縛られて収縮した状態において、拡大部18の最大直径A2(例えば約3.9mm)は、連結部22の下端部直径C(例えば約3.9mm)とほぼ同一の寸法となっている。勿論、収縮した拡大部18の直径A2が、連結部22の下端部直径Cよりも小さくなるようにしてもよい。なお、吸収型糸19及びカプセル(吸収型包装体)25は、例えばポリディオキサノン製であり、加水分解等によって体内に吸収されるものであり、体内に異物として残らないものである。
上記のように構成された図1に示す歯科用インプラント12によると、図7に示すように、歯根部17を歯槽骨14に埋設して、この埋設されたインプラント12に仮歯30や義歯13を取り付けることができる。
このインプラント12を歯槽骨14に埋設するときは、まず、図5(a)に示すように、例えば歯槽骨14に埋め込み孔29を形成する。この埋め込み孔29は、例えばキリで形成することができ、直径は、約4.0mmである。なお、この埋め込み孔29は、インプラント12に応じた大きさに形成すればよい。そして、図5(b)に示すように、吸収型糸19で締め付けられて拡大部18が収縮した歯根部17を、埋め込み孔29に挿入する。拡大部18が収縮しているので、歯根部17を埋め込み孔29に簡単に挿入することができる。そして、歯根部17を埋め込み孔29に挿入する際に、歯根部17が埋め込み孔29の内面29aを殆ど損傷させることがないので、図6に示すように、インプラント12を埋設したその日のうちに、保持部16に仮歯30を取り付けることができる。
そして、インプラント12を歯槽骨14に埋入した日から例えば約1箇月の期間内で、インプラント12が歯槽骨14に強固に固定される(図7参照)。これによって、インプラント12を歯槽骨14に埋入した時から比較的短い期間(例えば約1箇月)内で、仮歯30に代えて義歯13をインプラント12に取り付ける準備ができる。従って、患者にとっては、早期に義歯13を取り付けてもらえて便利であるし、歯科医師にとっては、患者の身体(歯槽骨14)に与える損傷が小さいのでストレスが低減する。
また、このように、インプラント12を歯槽骨14に埋入した日から例えば約1箇月の短期間で、インプラント12が歯槽骨14に強固に固定されるのは、歯槽骨14に埋め込まれた拡大部18が、形状記憶効果に基づく復元力によって時間を掛けて拡大するので、インプラント12が歯槽骨14に与える損傷を、図9(a)、(b)に示す従来の歯科用インプラント7よりも小さくすることができるからであり、歯槽骨14の損傷が短期間で回復するからである。しかも、拡大部18が拡大する過程において、歯根部17が埋め込み孔29の内面29aに固着すると共に、拡大部18がほぼ元の拡大した形状に戻るので、インプラント12が歯槽骨14に強固に固定される。
また、図6に示す歯根部17内に、帆立貝の貝殻を粉砕して形成した粉粒体24を配置してあるので、歯根部17が歯槽骨14内に埋め込まれた状態で、この粉粒体24の新生骨形成作用によって、歯根部17と歯槽骨14との結合を促進させることができる。そして、この粉粒体24、拡大部18、及び歯槽骨14が一体となることによって、インプラント12自体の強度を高めることができ、インプラント12が咬合圧に十分に耐えられるようにすることができる。また、粉粒体24の材質として選択した帆立貝の貝殻は、除菌効果があるので、歯科用インプラント12を歯槽骨14に対して安全に埋設するために適している。
更に、図4に示すように、粉粒体24をカプセル(吸収型包装体)25内に収容しているので、拡大部18内に収容されている粉粒体24が、インプラント12を歯槽骨14に埋入する前に、拡大部18から分離して零れ出ないようにできる。そして、カプセル25は、吸収型包装体で形成されているので、加水分解等によって体内に吸収され、体内に異物として残らず安全である。
また、図5(b)に示すように、拡大部18を吸収型糸19で縛って収縮させると、この拡大部18が形成されている歯根部17を、歯槽骨14に形成された埋め込み孔29に、歯槽骨14を損傷させないようにして簡単に挿入できるようにすることができる。更に、拡大部18を縛り付けている吸収型糸19が、拡大部18の表面から突出しないように溝28内に収容されているので、歯根部17を埋め込み孔29にスムースに挿入できるようにすることができる。この吸収型糸19は、加水分解等されて体内に吸収されるものであり、体内に異物として残らず安全である。
そして、図7に示すように、帆立貝の貝殻を粉砕して形成された粉粒体を歯根部17の外表面に固着させているので、この粉粒体が拡大部18と歯槽骨14との結合を促進することができ、インプラント12を短期間で歯槽骨14に強固にしかも安全に固定することができる。
また、図7に示すように、この歯科用インプラント12の2つの各脚部18aに切欠き26を形成してあるので(図7には、1つの切欠き26が現れている。)、歯根部17が歯槽骨14に埋設された状態で、歯槽骨14が切欠き26に入り込むことができる。これによって、インプラント12がその中心軸を中心にして回動しないように確実に固定できる。また、歯槽骨14内で拡大部18が拡大していること、及び溝28が拡大部18の周方向に沿って形成されていることによって、インプラント12が歯槽骨14から抜け難くすることができる。
更に、図6に示すように、この歯科用インプラント12は、歯根部17と保持部16とを一体に形成してあるので、保持部16を歯根部17に取り付ける手間及び時間を省略することができる。よって、仮歯30や義歯13をインプラント12を介して歯槽骨14に短時間で取り付けることができる。
そして、歯科用インプラント12は、ニッケル・チタン合金で形成されており、このニッケル・チタン合金は、歯槽骨14との親和性があり、歯槽骨14との強い結合力を得ることができるので、インプラント12を歯槽骨14に強固に固定することができる。
ただし、上記実施形態では、図1に示すように、歯根部17と保持部16とを一体に形成したが、これに代えて、歯根部17と保持部16とを別々の部品として形成して、両者を互いに結合して歯科用インプラント12を形成する構成としてもよい。
そして、上記実施形態では、歯科用インプラント12の材質として形状記憶合金(例えばニッケル・チタン合金)を使用したが、これに代えて、弾性的性質を有する金属(例えば金、金合金)を使用してもよい。弾性的性質を有する金属を使用すると、図5(b)に示す歯根部17が歯槽骨14に埋め込まれて吸収型糸19が分解して吸収されたときに、弾性力に基づく復元力によって拡大部18が外側に拡大するようにできる。そして、インプラント12を弾性的性質を有する金属で形成した場合は、インプラントの少なくとも歯根部17の表面をチタン層、又はチタン合金層で形成するとよい。チタン層等は、歯槽骨14との間で強い結合力が得られるからである。
また、上記実施形態では、図1に示すように、拡大部18の外表面に粗面処理を施してあり、この粗面処理として、例えば帆立貝の貝殻の粉粒体を合成樹脂等を介して外表面に固着させたが、帆立貝の貝殻以外の人工骨(例えばハイドロオキシアパタイト)の粉粒体を合成樹脂等を介して外表面に固着させてもよい。そして、粗面処理として、これ以外に、例えば酸による処理を施すことによって、表面に多数の小突起を形成してもよい。また、拡大部18の外表面に多数の小突起、又は多数の小さな凹部が形成されるように、内面に多数の凹部、又は凸部が形成された金型等を使用してこの歯科用インプラント12を成型加工してもよい。
更に、上記実施例では、図4に示す歯根部17内に収容されている粉粒体24の材質として、例えば帆立貝の貝殻を粉砕したものを使用したが、これ以外の人工骨として使用される例えばハイドロオキシアパタイトを使用してもよい。そして、この粉粒体24をカプセル(吸収型包装体)25によって包むことで、粉粒体24が拡大部18の外側に零れ出ないようにしたが、これに代えて、歯根部17の全体を吸収型包装体(例えばカプセル)によって包み、これによって、拡大部18内の粉粒体24が拡大部18から分離して零れ出ないようにしてもよい。なお、拡大部18を吸収型糸19で縛った状態で、その上から吸収型包装体で包んでもよいし、拡大部18を吸収型包装体で包んだ状態で、その上からこの拡大部18を吸収型糸19で縛ってもよい。
そして、上記実施形態では、図1に示すように、拡大部18を吸収型糸19で縛ることによって拡大部18を収縮させたが、これに代えて、例えば吸収型カプセルを形成し、この吸収型カプセル内に歯根部17を装着することによって、拡大部18を収縮させるようにしてもよい。この場合は、拡大部18内に収容されている粉粒体24をカプセル25で包まなくてもよい。
また、上記実施形態では、図1に示すように、各切欠き26を、脚部18aの下端部の外表面のうち、隙間27を形成する縁部に沿って円弧状に形成したが、これに代えて、図には示さないが、1つ又は2つ以上の各脚部18aの外表面に、脚部18aの長さ方向(図1の上下方向)に沿って凹部を形成してもよい。このように形成した各凹部は、各凹部内に歯槽骨が形成されると、このインプラント12が中心軸を中心にして回動しないように固定することができる。
以上のように、本発明に係る歯科用インプラントは、歯槽骨に損傷を殆ど与えることなく、インプラントを歯槽骨の埋め込み孔に挿入して埋設することができ、これによって、仮歯や義歯を短期間で歯槽骨に固定できる優れた効果を有し、このような歯科用インプラント等に適用するのに適している。
この発明の実施形態に係る歯科用インプラントの拡大部を収縮させた状態を示す正面図である。 同実施形態に係る歯科用インプラントの拡大部が拡大した状態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。 同実施形態に係る歯科用インプラントを示す図であり、(a)は平面図、(b)は底面図である。 同実施形態に係る歯科用インプラントであって粉粒体が充填されたカプセルを収容する状態を示すD−D断面図である。 同実施形態に係る歯科用インプラントを歯槽骨に埋設する手順を示す断面図であり、(a)は埋め込み孔が形成された歯槽骨の断面図、(b)は埋め込み孔に埋入されたインプラントを示す断面図である。 同実施形態に係る歯科用インプラントを歯槽骨に埋入して仮歯を取り付けた状態を示す断面図である。 同実施形態に係る歯科用インプラントの吸収型糸が分解して吸収された状態を示す断面図である。 従来の歯科用インプラントを示す正面斜視図である。 従来の他の歯科用インプラントを示す断面図であり、(a)は拡大部が収縮した状態を示す縦断面図、(b)は拡大部が拡大した状態を示す縦断面図である。
符号の説明
12 歯科用インプラント
13 義歯
14 歯槽骨
14a 皮質骨
14b 海面骨
15 歯肉部
16 保持部
17 歯根部
18 拡大部
18a 脚部
19 吸収型糸
20 装着部
21 鍔状部
22 連結部
23 空間部
24 粉粒体
25 カプセル(吸収型包装体)
26 切欠き
27 隙間
28 溝
29 埋め込み孔
29a 埋め込み孔の内面
30 仮歯

Claims (12)

  1. 義歯を歯槽骨に固定するためのものであって、歯槽骨に埋め込まれる歯根部を備える歯科用インプラントにおいて、
    前記歯根部は、歯槽骨に埋め込まれたときに、弾性力及び形状記憶効果のいずれかに基づく復元力によって外側に拡大する拡大部を有することを特徴とする歯科用インプラント。
  2. 前記拡大部は、互いに間隔を隔てて配置された複数の脚部を備え、中心軸に直交する断面の外表面がほぼ円形であることを特徴とする請求項1記載の歯科用インプラント。
  3. 前記拡大部の内側に空間部が形成され、前記空間部に人工骨の粉粒体が収容されていることを特徴とする請求項1又は2記載の歯科用インプラント。
  4. 前記粉粒体が吸収型包装体で包まれていることを特徴とする請求項3記載の歯科用インプラント。
  5. 前記拡大部は、吸収型包装体によって包まれていることを特徴とする請求項3記載の歯科用インプラント。
  6. 前記粉粒体が帆立貝の貝殻を粉砕したものであることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の歯科用インプラント。
  7. 前記拡大部が吸収型糸で縛られて収縮していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の歯科用インプラント。
  8. 前記吸収型糸が前記拡大部の外表面に形成された溝に収容されていることを特徴とする請求項7記載の歯科用インプラント。
  9. 帆立貝の貝殻を粉砕してできた粉粒体を少なくとも前記拡大部の外表面に固着させたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の歯科用インプラント。
  10. 前記歯根部の表面に凹部及び切欠きのうちのいずれかを形成したことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の歯科用インプラント。
  11. 前記歯根部は、義歯が取り付けられる保持部と一体に形成されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の歯科用インプラント。
  12. 前記歯根部の外表面は、チタン及びチタン合金のいずれかによって形成されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の歯科用インプラント。
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