JP2005338288A - 双方向光モジュール並びに一芯双方向光通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 発光素子からの光出力を有効活用することにより、マルチモード光通信を行うことができるダイナミックレンジを拡大する。
【解決手段】 偏光方向に応じて光を透過又は反射可能な平板状の偏光ビームスプリッタ14を、発光素子12の発光面12a並びに受光素子13の受光面13aの双方に対して略45°傾けて配置することにより、予め偏光方向が制御された出力光の全てをマルチモード対応の光ファイバ17へ反射させるとともに光ファイバ17から出射されたマルチモードの入力光の少なくとも一部を透過させてこれを受光素子13へ導く。
【選択図】図2

Description

本発明は、マルチモード光ファイバを介して双方向に光信号を伝送する一芯双方向光通信に適用される双方向光モジュール並びに一芯双方向光通信システムに関する。
近年における光ファイバ通信網の拡大に伴い、1本の光ファイバを用いて双方向に光信号を伝送する一芯双方向光通信システムの導入が進んできている。
従来、かかる一芯双方向光通信に適用される双方向光モジュールとして、特許文献1に示すような光半導体素子モジュール100が提案されている。この光半導体素子モジュール100は、図4に示すように、パッケージ121内に実装された発光素子102と、ホルダ117に固定された受光素子106,バンドパスフィルタ113,レンズ112と、受光素子106と対向するモジュールケース101の内側に設けられた平面118と、受光素子106の光軸中心に対して略45°傾けて配置された光分離フィルタ111とを備えている。
上述の如き構成からなる光半導体素子モジュール100において、発光素子102から集光された波長λ1の出力光は、光分離フィルタ111を透過し、ファイバホルダ115に固定された光ファイバ110へ光結合される。また、この光ファイバ110から出射された波長λ2の入力光は、光分離フィルタ111を反射して受光素子106へ導かれる。即ち、この光分離フィルタ111は、波長に応じて光を反射し、或いは透過させることができるため、これを受光素子106と発光素子102の各光軸が互いに直交する位置に配設することにより、互いに波長の異なる入力光と出力光を分離することでき、光ファイバ110を介した一芯双方向光通信が可能となる。
このような一芯双方向光通信を行うための双方向光モジュールとしては、さらに特許文献2,3,4に示す技術が開示されている。
また、マルチモード光ファイバを介して双方向に光信号を伝送する一芯双方向光通信に適用される双方向光モジュール9も提案されている。
この双方向光モジュール9は、図5に示すように、出力光を発光する発光素子98と、入力光を受光する受光素子92と、入射された光を反射させ又は透過させる平板状のビームスプリッタ99と、マルチモードの光を双方向に伝送可能なマルチモード光ファイバ94と、各構成要素を内部に配設するとともに上記マルチモード光ファイバ94の先端部分のみが挿通されるパッケージ95とを備えている。
ビームスプリッタ99は、発光素子98の発光面98a並びに受光素子92の受光面92aの双方に対して略45°傾けて配置されてなる。このビームスプリッタ99は、発光素子98により発光された出力光Lの一部を反射させて出力光Laとするとともに、他の一部をそのまま透過させて出力光Lbとする。この出力光Laはマルチモード光ファイバ94へ光結合され、相手側の双方向光モジュールへと伝送されることになる。
また、ビームスプリッタ99は、マルチモード光ファイバ94から出射された入力光Mの一部をそのまま透過させてこれを入力光Maとするとともに、他の一部を反射させてこれを入力光Mbとする。入力光Maは受光素子92における受光面92aにより受光され、電気信号に変換されることになる。
特開平8−160259号公報 特開平8−262276号公報 特開平10−197762号公報 特開平3−144602号公報
しかしながら、上述の如き従来の双方向光モジュール9では、発光素子98から発光された出力光Lを出力光Laと出力光Lbに分岐するとともに、当該出力光Laのみをマルチモード光ファイバ94へ光結合させるため、発光素子98における光出力の半分のみしか光伝送することができず、これにより光通信を行うことができるダイナミックレンジが小さくなるという問題点があった。
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、発光素子からの光出力を有効活用することにより、光通信を行うことができるダイナミックレンジを拡大することができる双方向光モジュール並びに一芯双方向光通信システムを提供することにある。
本発明を適用した双方向光モジュールは、上述した課題を解決するために、発光させた出力光を双方向の光伝送が可能なマルチモード光ファイバへ供給するとともに、当該マルチモード光ファイバから供給される入力光を受光するための双方向光モジュールにおいて、偏光方向が予め制御された出力光を発光する発光素子と、入力光を受光する受光素子と、偏光方向に応じて光を透過又は反射可能な平板状の偏光ビームスプリッタを発光素子の発光面並びに受光素子の受光面の双方に対して略45°傾けて配置することにより発光素子により発光された出力光の全てをマルチモード光ファイバへ反射させるとともにマルチモード光ファイバから出射されたマルチモードの入力光の少なくとも一部を透過させてこれを受光素子へ導く光路制御手段とを備える。
本発明を適用した一芯双方向光通信システムは、上述した課題を解決するために、マルチモード光ファイバを介して両端に配設された光モジュール間で互いに光を伝送可能な一芯双方向光通信システムにおいて、光モジュールは、偏光方向が予め制御された出力光を発光する発光素子と、光ファイバを介して相手側の光モジュールから伝送された入力光を受光する受光素子と、偏光方向に応じて光を透過又は反射可能な平板状の偏光ビームスプリッタを発光素子の発光面並びに受光素子の受光面の双方に対して略45°傾けて配置することにより発光素子により発光された出力光の全てをマルチモード光ファイバへ反射させるとともにマルチモード光ファイバから出射されたマルチモードの入力光の少なくとも一部を透過させてこれを受光素子へ導く光路制御手段とを備える。
本発明は、偏光方向に応じて光を透過又は反射可能な平板状の偏光ビームスプリッタを、発光素子の発光面並びに受光素子の受光面の双方に対して略45°傾けて配置することにより、予め偏光方向が制御された出力光の全てをマルチモード光ファイバへ反射させるとともにマルチモード光ファイバから出射されたマルチモードの入力光の少なくとも一部を透過させてこれを受光素子へ導く。
これにより、本発明では、偏光方向が予め制御された出力光を発光素子を介して発光することにより、これを分岐させることなく光ファイバ側へ全反射させることができるため、発光素子からの光出力を有効活用することができ、ひいては、これを配設する一芯双方向光通信システム全体のダイナミックレンジを拡大することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態として、1本の光ファイバを用いて双方向に光信号を伝送する一芯双方向光通信システムに適用される双方向光モジュール1につき図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、この双方向光モジュール1が配設される一芯双方向光通信システム10を示している。この一芯双方向光通信システム10は、互いに異なるA地点,B地点に設置された各双方向光モジュール1a,1b間でマルチモード対応の光ファイバ17を介して信号を送受信するシステムである。
A地点に設置された双方向光モジュール1aは、相手側(双方向光モジュール1b)に送信すべき情報に応じた出力光を光ファイバ17を介して伝送させるとともに、当該光ファイバ17を介して相手側から伝送される入力光を受光する。この双方向光モジュール1aにより光ファイバ17へ伝送された出力光は、双方向光モジュール1bにおける入力光に相当する。この双方向光モジュール1bは、この入力光を受光することによりこれに付加された情報を取得するとともに、相手側(双方向光モジュール1a)に送信すべき情報に応じた出力光を発光し、これを光ファイバ17を介して伝送させる。この双方向光モジュール1bにより伝送された出力光は、上述した双方向光モジュール1aにおける入力光に相当することになる。
双方向光モジュール1は、図2に示すように、出力光を発光する発光素子12と、入力光を受光する受光素子13と、偏光方向に応じて光を透過又は反射可能な平板状の偏光ビームスプリッタ14とを備え、各構成要素12〜14を内部に配設するとともに上記マルチモード対応の光ファイバ17の先端部分のみが挿通されるパッケージ19とをさらに備えている。
発光素子12は、半導体の再結合発光を利用して光を発光する発光ダイオードやレーザダイオード等で構成され、一芯双方向光通信に用いられる帯域の出力光を、注入された電流に基づき発光させる。この発光素子12から出射された出力光は、偏光ビームスプリッタ14へ入射されることになる。この発光素子12は、発光面12aが光ファイバ17の光軸と略同一方向となるように配置される。この発光素子12は、注入すべき電流を送り込むためのドライバ回路が形成された配線基板に接続されていてもよい。
ちなみに、この発光素子12は、上記出力光をシングルモード発振することにより生成する。即ち、この発光素子12から発光される出力光の偏光方向は予め制御されていることになる。なお、この発光素子12から出射される出力光は、短波長のファブリーペローレーザであってもよいし、また短波長の偏光が制御された面発光レーザであってもよい。
受光素子13は、例えばフォトダイオード(PD)等のように、印加されたバイアス電圧に基づき、受光面13aに対して照射された光を、その光量に応じた電気的な変換信号に変換する光電変換素子であり、例えば、フォトダイオード(PD)等からなるものである。この受光素子13は、偏光ビームスプリッタ14から出射された入力光を受光面13aを介して受光し、その光量に応じた電気信号を生成する。この受光素子13には、光電変換により生成された電気信号を取り出すためのドライバ回路が形成された配線基板が接続されていてもよい。
偏光ビームスプリッタ14は、発光素子12の発光面12a並びに受光素子13の受光面13aの双方に対して略45°傾けて配置されてなる。この偏光ビームスプリッタ14は、発光素子12により発光された出力光Kを全て反射させてこれを光ファイバ17へと導く。
また、偏光ビームスプリッタ14は、光ファイバ17から出射された入力光Nの一部をそのまま透過させてこれを入力光Naとするとともに、他の一部を反射させてこれを入力光Nbとする。入力光Naは受光素子13における受光面13aにより受光され、電気信号に変換されることになる。
光ファイバ17は、一芯双方向光通信システムにおける通信に特化した、双方向でマルチモードの光を伝送し伝送可能な光ファイバ17であり、偏光ビームスプリッタ14から反射される出力光Kが光結合されるとともに、相手側の双方向光モジュール1から伝送されてきた光を入力光Nとして上記偏光ビームスプリッタ14へ出射する。
このような構成からなる双方向光モジュール1において、発光素子12から出射された出力光Kは、偏光方向が予め制御されているため、偏光ビームスプリッタ14により全てが反射されて光ファイバ17へと導かれることになる。
また光ファイバ17から出射された入力光は、相手側の双方向光モジュール1により各種伝搬モードに基づいて伝送されてきた光であるため、円偏光や各直線偏光等の各種偏光成分が混在している。このため、この入力光が偏光ビームスプリッタ14に入射されると、偏光成分に応じて透過する光と反射する光に分離されることになり、その結果、透過光としての入力光Naと反射光としての入力光Nbに分けられることになる。
このように、本発明を適用した双方向光モジュール1は、偏光ビームスプリッタ14に対して偏光方向が予め制御された出力光を出射することにより、これを分岐させることなく全反射させることができるため、発光素子12からの光出力を有効活用することができ、ひいては、これを配設する一芯双方向光通信システム10全体のダイナミックレンジを拡大することが可能となる。
なお、本発明を適用した双方向光モジュール1では、光ファイバ17における光を入出射させる端面17aを光伝送方向Aに対して斜めに形成させ、又は当該端面17aにARコート等の反射防止膜を形成させてもよい。
これにより、偏光ビームスプリッタ14により全反射された出力光Kが光ファイバ17の端面17aに反射して戻り光となり、これが受光素子13へ受光されることがなくなるため、いわゆるクロストークを除去することも可能となる。
なお、本発明を適用した双方向光モジュール1は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、例えば図3に示すような双方向光モジュール2に適用してもよい。 この双方向光モジュール2において、双方向光モジュール1と同一の構成要素、部材に関しては、同一の番号を付すことにより、ここでの説明を省略する。
双方向光モジュール2は、出力光を発光する発光素子12と、入力光を受光する受光素子13と、偏光方向に応じて光を透過又は反射可能な平板状の偏光ビームスプリッタ14とを備え、各構成要素12〜14を内部に配設するとともに上記マルチモード対応の光ファイバ17の先端部分のみが挿通されるパッケージ19と、光ファイバ17内を伝搬する出力光の偏光方向をランダムに回転させるファラデーローテータ20とをさらに備えている。
出力光は、このファラデーローテータ20により偏光方向がランダムに回転され、そのまま相手側の双方向光モジュール2へ入力光として供給されることになる。この入力光は、偏光方向がランダムに回転された状態であるため、偏光ビームスプリッタ14において、入力光Naと入力光Nbにほぼ1:1の割合で分岐されることになる。
即ち、この本発明を適用した双方向光モジュール2は、ファラデーローテータ20により偏光方向を制御することができるため、偏光ビームスプリッタ14において透過光としての入力光Naと反射光としての入力光Nbをほぼ1:1の割合で分岐させることができ、受光素子13に入射される入力光Naを入力光Nの光量の50%より極端に下回ることがなくなることから、光パワーを有効に活用することができる。これにより、従来と比較して光通信を行うことができるダイナミックレンジを3dB大きくすることが可能となる。
本発明を適用した双方向光モジュールが配設される一芯双方向光通信システムを示す図である。 本発明を適用した双方向光モジュールの構成図である。 本発明を適用した双方向光モジュールの他の構成図である。 従来の双方向通信用モジュールの構成につき説明するための図である。 マルチモード光ファイバを介して双方向に光信号を伝送する一芯双方向光通信に適用される従来の双方向光モジュールを示す図である。
符号の説明
1 双方向光モジュール、12 発光素子、13 受光素子、14 偏光ビームスプリッタ、17 光ファイバ、19 パッケージ、20 ファラデーローテータ

Claims (8)

  1. 発光させた出力光を双方向の光伝送が可能なマルチモード光ファイバへ供給するとともに、当該マルチモード光ファイバから供給される入力光を受光するための双方向光モジュールにおいて、
    偏光方向が予め制御された出力光を発光する発光素子と、
    上記入力光を受光する受光素子と、
    偏光方向に応じて光を透過又は反射可能な平板状の偏光ビームスプリッタを、上記発光素子の発光面並びに上記受光素子の受光面の双方に対して略45°傾けて配置することにより、上記発光素子により発光された出力光の全てを上記マルチモード光ファイバへ反射させるとともに、上記マルチモード光ファイバから出射されたマルチモードの入力光の少なくとも一部を透過させてこれを上記受光素子へ導く光路制御手段とを備えること
    を特徴とする双方向光モジュール。
  2. 上記マルチモード光ファイバは、光を入出射させる端面を上記光伝送方向に対して斜めに形成させ、又は当該端面に反射防止膜を形成させてなること
    を特徴とする請求項1記載の双方向光モジュール。
  3. 上記発光素子は、ファブリーペローレーザ、或いは面発光レーザからなる出力光を発光すること
    を特徴とする請求項1記載の双方向光モジュール。
  4. 上記マルチモード光ファイバへ供給された光の偏光方向をランダムに回転させる偏光方向回転手段を備えること
    を特徴とする請求項1記載の双方向光モジュール。
  5. マルチモード光ファイバを介して両端に配設された光モジュール間で互いに光を伝送可能な一芯双方向光通信システムにおいて、
    上記光モジュールは、
    偏光方向が予め制御された出力光を発光する発光素子と、
    上記光ファイバを介して相手側の光モジュールから伝送された入力光を受光する受光素子と、
    偏光方向に応じて光を透過又は反射可能な平板状の偏光ビームスプリッタを上記発光素子の発光面並びに上記受光素子の受光面の双方に対して略45°傾けて配置することにより、上記発光素子により発光された出力光の全てを上記マルチモード光ファイバへ反射させるとともに、上記マルチモード光ファイバから出射されたマルチモードの入力光の少なくとも一部を透過させてこれを上記受光素子へ導く光路制御手段とを備えること
    を特徴とする一芯双方向光通信システム。
  6. 上記マルチモード光ファイバは、光を入出射させる端面を上記光伝送方向に対して斜めに形成させ、又は当該端面に反射防止膜を形成させてなること
    を特徴とする請求項5記載の一芯双方向光通信システム。
  7. 上記発光素子は、ファブリーペローレーザ、或いは面発光レーザからなる出力光を発光すること
    を特徴とする請求項5記載の一芯双方向光通信システム。
  8. 上記マルチモード光ファイバへ供給された光の偏光方向をランダムに回転させる偏光方向回転手段をさらに備えること
    を特徴とする請求項5記載の一芯双方向光通信システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103592728A (zh) * 2013-11-28 2014-02-19 北京浦丹光电技术有限公司 集成偏振分束功能的双pin光探测器组件
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