JP2005338015A - 熱式質量流量計 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ゼロ点を安定させるとともに計測精度を高めることが可能な熱式質量流量計を提供する。
【解決手段】 熱式質量流量計1は感温センサ4及び加熱感温センサ5を備え、その感温センサ4と加熱感温センサ5の配置を、これらを結ぶ直線(仮想線11)が加熱感温センサ5に生じる自然対流の方向12に対して不一致となるようにする。また、感温センサ4と加熱感温センサ5の配置を、更にセンサホルダ10の対角線方向に合わせるようにする。さらに、感温センサ4と加熱感温センサ5の各先端の配置を、流管2の中央又は中央周辺部分にくるようにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、感温センサと加熱感温センサを備えるとともに加熱感温センサの加熱に係る電流値から質量流量を算出する熱式質量流量計に関する。
熱式質量流量計は、温度センサと加熱センサの機能を有する加熱感温センサ(流速センサ(ヒータ))の温度が感温センサで計測される温度に対して一定の温度差になるように制御されている。これは、被測定流体を流した時にヒータから奪われる熱量が質量流量と相関があるからであって、ヒータに対する加熱電力量から質量流量が算出されるようになっている。
従来の熱式質量流量計としては、下記特許文献1に開示されたものが知られている。下記特許文献1に開示された熱式質量流量計は、感温センサと加熱感温センサとがセンサホルダの中心軸上に配置されている。センサホルダは、流量計本体の一構成部品であって、そのセンサホルダの前記中心軸は、被測定流体が流れる流管の軸に平行に配置されている。すなわち、感温センサと加熱感温センサは、流管の軸に沿って並んで配置されている。感温センサは上流側で加熱感温センサは下流側に配置されている。
下記特許文献1の熱式質量流量計は、水平軸方向に伸びる流管に取り付けられており、その流管の流路を流れる被測定流体の質量流量を算出するようになっている。下記特許文献1の熱式質量流量計は、水平軸方向に伸びる流管のみならず、鉛直方向やその他の方向に伸びる流管に対しても取り付けることができるように構成されている。
特開2004−12220号公報 (第6頁、第4図)
ところで、上記従来の熱式質量流量計にあっては、鉛直方向に伸びる流管に取り付けた場合を考えると次のような問題点を有している。すなわち、感温センサと加熱感温センサの配置が流管の軸に沿って並んで配置されていることから、加熱感温センサに生じる自然対流(対流熱)が感温センサに伝わってしまい、その結果、ゼロ点が移動したりする。自然対流による影響は、低流量時に起こり易く、計測精度の誤差となって表れる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、ゼロ点を安定させるとともに計測精度を高めることが可能な熱式質量流量計を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の本発明の熱式質量流量計は、感温センサと加熱感温センサを流管の流路に突出させ、前記感温センサと前記加熱感温センサの温度差を一定とするために前記加熱感温センサを加熱し、該加熱に係る電力供給量から質量流量を算出する熱式質量流量計において、
前記感温センサと前記加熱感温センサの配置を、これらを結ぶ直線が前記加熱感温センサに生じる自然対流の方向に対して不一致となるようにすることを特徴としている。
このような特徴を有する本発明によれば、加熱感温センサに生じる自然対流の方向に対して感温センサがずれた位置に配置される。すなわち、加熱感温センサによって生じる対流熱が感温センサに伝わり難くなる。これによりゼロ点の移動がなくなる。また、計測精度の向上が図られる。
請求項2記載の本発明の熱式質量流量計は、請求項1に記載の熱式質量流量計において、前記感温センサと前記加熱感温センサの配置を、更に前記流管に取り付けられるセンサホルダの対角線方向に合わせることを特徴としている。
このような特徴を有する本発明によれば、流管の向きが水平方向及び鉛直方向のいずれであっても対応可能な熱式質量流量計になる。本発明の熱式質量流量計は、その取り付けが流管の向きに左右されないようになる。
請求項3記載の本発明の熱式質量流量計は、請求項1又は請求項2に記載の熱式質量流量計において、前記感温センサと前記加熱感温センサの各先端の配置を、前記流管の中央又は中央周辺部分にすることを特徴としている。
このような特徴を有する本発明によれば、感温センサ及び加熱感温センサの各感温部分が流管の壁から離れて配置される。外部から流管に伝わる熱は、感温センサ及び加熱感温センサの各感温部分に作用し難くなる。
請求項1に記載された本発明によれば、ゼロ点を安定させるとともに計測精度を高めることができるという効果を奏する。また、請求項2に記載された本発明によれば、汎用性のある熱式質量流量計を提供することができるという効果を奏する。また、請求項3に記載された本発明によれば、より一層、計測精度を高めることができるという効果を奏する。
以下、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の熱式質量流量計の一実施の形態を示す図であり、(a)は流管が鉛直方向に伸びる場合においての上流側から見た概略図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(b)のB−B線断面図、(d)は感温センサ及び加熱感温センサの配置と自然対流の方向の説明図である。
本発明の熱式質量流量計1は、流管2の流路3に突出する感温センサ4と加熱感温センサ5とを備えて構成されている。図1における流管2は、その流管軸6が鉛直方向(図示省略)に略一致するように配管されている。流管2には、被測定流体(図示省略)が矢印で示される流体方向7に流れるように、すなわち図1(b)、(c)を見た場合には上から下へ流れるようになっている。尚、流管2の流管軸6が水平方向に略一致する場合等については、図2を参照しながら後述する。
感温センサ4及び加熱感温センサ5は、共に既知のものが用いられている。ここでは、具体的な構成について、その説明を省略する。本形態の感温センサ4は、棒状の温度センサであり、同じく棒状の加熱感温センサ5は、温度センサと加熱センサの機能を有する流速センサ(ヒータ)である。
感温センサ4及び加熱感温センサ5は、その先端側が感温部分8、後端側が固定部分9として構成されている。感温センサ4及び加熱感温センサ5は、各固定部分9をセンサホルダ10に差し込むような状態にした上で固定されている。感温センサ4及び加熱感温センサ5は、共に同じセンサホルダ10に固定されている(これに限らないものとする。すなわち、感温センサ4及び加熱感温センサ5の配置の仕方によっては別々のセンサホルダに固定してもよいものとする)。
感温センサ4及び加熱感温センサ5は、流管2の外周面にセンサホルダ10を取り付けると、流管2の壁に形成した貫通孔を介して各感温部分8が流路3に突出するようになっている。各感温部分8は、流管軸6に対して略直交する方向に突出するようになっている。感温センサ4及び加熱感温センサ5の各先端は、流管2の中央又は中央周辺部分に配置されている。感温センサ4及び加熱感温センサ5の各感温部分8には、仮に外部から流管2の壁に熱が伝わったとしてもその熱が作用しないように配慮されている。
本発明の要旨となる感温センサ4及び加熱感温センサ5の配置について説明すると、感温センサ4及び加熱感温センサ5は、これらを結ぶ直線(仮想線11)が加熱感温センサ5に生じる自然対流の方向12に対して不一致となるように配置されている。言い換えれば、感温センサ4は、加熱感温センサ5に生じる自然対流の方向12に対してずれた位置に配置されている。
感温センサ4及び加熱感温センサ5は、所定の間隔をあけて配置されている。また、感温センサ4及び加熱感温センサ5は、センサホルダ10の対角線方向に合わせて配置されている。本形態において、上記仮想線11は、上記対角線方向(図示省略)に一致している。
感温センサ4及び加熱感温センサ5の配置は、上記仮想線11が上記自然対流の方向12に対して不一致となればよく、加熱感温センサ5が感温センサ4よりも上流側に配置されないことがより好ましいものとする。図1に示されるように、感温センサ4を上流側、加熱感温センサ5を下流側に配置する他には、感温センサ4及び加熱感温センサ5を流管軸6に対して直交方向に並べて配置することも挙げられる。
次に、熱式質量流量計1の図示していない部分について簡単に説明する(その図示していない部分は、基本的に、背景技術の欄で挙げた特許文献1、すなわち特開2004−12220号公報の第6頁、第4図に開示された構成と同じである)。
図示していない部分として、感温センサ4及び加熱感温センサ5の上流側には、被測定流体を安定した流れに整える整流器が取り付けられている。センサホルダ10の上方には、感温センサ4及び加熱感温センサ5のリードが接続されるアンプボードが取り付けられている。感温センサ4及び加熱感温センサ5とアンプボードは、流量計測部及び流量演算部としての機能を有する。センサホルダ10及びアンプボードの周囲には、変換器ケースが取り付けられている。変換器ケースは、流管2に取り付けられている。変換器ケースの開口部分には、スイッチボードやディスプレイボードを有する本体カバーがパッキンを挟んだ状態で取り付けられている。変換器ケースの一側壁には、伝送ケーブルが接続されている。
上記構成において、加熱感温センサ5は、感温センサ4で検出された温度に基づいて流量計測を行う。すなわち、本発明の熱式質量流量計1の流量計測部及び流量演算部では、感温センサ4と加熱感温センサ5との温度差が一定(例えば+30℃)になるように、加熱感温センサ5を加熱する(電流を流す)とともに、その加熱に係る電力値から質量流量を算出する。算出された質量流量は、表示装置(図示省略)に表示される。
質量流量の算出について補足説明すると、被測定流体(図示省略)を流体方向7に流したときに、加熱感温センサ5は被測定流体によって冷やされる。感温センサ4との温度差を一定に制御するためには、さらに加熱感温センサ5に電流を流す必要がある。この時、加熱感温センサ5に流れる電流は、質量流量に比例することが知られており、これを利用して質量流量が算出される。
以上、図1(a)〜(d)を参照しながら説明してきたように、本発明の熱式質量流量計1は、加熱感温センサ5に生じる自然対流の方向12に対して感温センサ4がずれた位置に配置されることから、加熱感温センサ5によって生じる対流熱が感温センサ4に伝わり難くなる。従って、従来に比べてゼロ点を安定させることができるという効果を奏する。また、従来に比べて計測精度を高めることができるという効果を奏する。
続いて、図2を参照しながら本発明の熱式質量流量計1の他の取り付け例を説明する。図2は流管2が水平方向に伸びる場合においての熱式質量流量計1の取り付け状態を示す断面図である。
図2において、流管2は、その流管軸6が水平方向に略一致するように配管されている。熱式質量流量計1の取り付けは、流管2の向きが変わっただけで上述と同じになっている。感温センサ4及び加熱感温センサ5は、センサホルダ10の対角線方向に合わせて配置されている。センサホルダ10は、その軸が流管軸6に平行となるように流管2に取り付けられている。センサホルダ10の対角線方向に合わせて配置された感温センサ4及び加熱感温センサ5は、これらを結ぶ直線(上記仮想線11と同じ)が図2の状態において右下がりとなるように配置されている。感温センサ4は上流側、加熱感温センサ5は下流側に配置されている。また、加熱感温センサ5は、感温センサ4よりも上方に配置されている。加熱感温センサ5によって生じる対流熱は、感温センサ4に伝わらないようになっている。
本発明の熱式質量流量計1は、感温センサ4及び加熱感温センサ5をセンサホルダ10の対角線方向に合わせて配置していることから、流管2の向きに左右されない取り付けが実現されている。本発明の熱式質量流量計1は、流管2の向きが水平方向、鉛直方向のいずれであっても適用可能なもので、従来よりも汎用性を有している。
本発明の熱式質量流量計1は、特に図示しないが、流管2の向きが斜め方向に伸びる場合であっても上記対流熱が感温センサ4に伝わり難くなっている。
その他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
本発明の熱式質量流量計の一実施の形態を示す図であり、(a)は流管が鉛直方向に伸びる場合においての上流側から見た概略図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(b)のB−B線断面図、(d)は感温センサ及び加熱感温センサの配置と自然対流の方向の説明図である。 流管が水平方向に伸びる場合においての熱式質量流量計の取り付け状態を示す断面図である。
符号の説明
1 熱式質量流量計
2 流管
3 流路
4 感温センサ
5 加熱感温センサ
6 流管軸
7 流体方向
8 感温部分
9 固定部分
10 センサホルダ
11 仮想線(感温センサ及び加熱感温センサを結ぶ直線)
12 自然対流の方向

Claims (3)

  1. 感温センサと加熱感温センサを流管の流路に突出させ、前記感温センサと前記加熱感温センサの温度差を一定とするために前記加熱感温センサを加熱し、該加熱に係る電力供給量から質量流量を算出する熱式質量流量計において、
    前記感温センサと前記加熱感温センサの配置を、これらを結ぶ直線が前記加熱感温センサに生じる自然対流の方向に対して不一致となるようにする
    ことを特徴とする熱式質量流量計。
  2. 請求項1に記載の熱式質量流量計において、
    前記感温センサと前記加熱感温センサの配置を、更に前記流管に取り付けられるセンサホルダの対角線方向に合わせる
    ことを特徴とする熱式質量流量計。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の熱式質量流量計において、
    前記感温センサと前記加熱感温センサの各先端の配置を、前記流管の中央又は中央周辺部分にする
    ことを特徴とする熱式質量流量計。
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