以下、遊技機の一種であるパチンコ機の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開又は分解して示す斜視図、図3はパチンコ機10を構成する本体枠12の前面構成を示す正面図である。なお、図2,3では便宜上、パチンコ機10の遊技領域内の構成を空白としている。
図1〜図3に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えている。外枠11は、遊技ホールへの設置の際に、いわゆる島設備に取り付けられる。外枠11は、木製の板材を全体として矩形枠状に組み合わせた状態とされ、各板材を小ネジ等の離脱可能な締結部材により固定することによって構成されている。従って、釘やリベットを使って各板材を組み付けていた従来構造と比べて構成部材の再利用(リユース)が容易な構成となっている。本実施の形態では、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11を合成樹脂やアルミニウム等の金属によって構成してもよい。
外枠11の一側部には、本体枠12が開閉可能に支持されている。その開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて左側に上下へ延びるように設定されており、その開閉軸線を軸心にして本体枠12が前方側に開放できるようになっている。更に言うと、本パチンコ機10には右側に遊技球発射ハンドル18の設置箇所が設けられているため、遊技球発射ハンドル18とは反対側の側部を中心に本体枠12を開閉可能としたということができる。本体枠12は合成樹脂、具体的にはABS樹脂により構成されている。ABS樹脂を用いることにより、比較的低コストで耐衝撃性の高い本体枠12を得ることができる。本体枠12をアルミニウム等の金属によって構成してもよい。なお本実施の形態では、外枠11と本体枠12とにより遊技機本体が構成されている。外枠11に代わる構成として設置枠体を遊技ホール側に予め設けておき、遊技ホールへのパチンコ機10の設置に際しては本体枠12を前記設置枠体に組み付ける構成とすることも可能である。かかる構成では、本体枠12とにより遊技機本体が構成される。
本体枠12の前面側の下部位置には、前面板14が設けられている。前面板14は横長状に形成され、その横幅は本体枠12の横幅とほぼ一致するように構成されている。前面板14は、幅方向ほぼ中央部において手前側へ膨出した膨出部15aを有するベース部15と、ベース部15の膨出部15a内側に設けられ下方にくぼんだ皿形状をなす球受皿としての下皿16と、下皿16の奥側の壁面を構成する奥壁パネル17とを備えている。ベース部15は本体枠12に対してネジ等の締結部材により固定されていることから、ベース部15が本体枠12に対する取付部を構成している。ベース部15には膨出部15aよりも右方に、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル18が設けられている。奥壁パネル17には球排出口17aが設けられており、球排出口17aより排出された遊技球が下皿16内に貯留されるようになっている。
ベース部15の膨出部15a前面側にはスライド式の球抜きレバー19が設けられている。なお、球抜きレバー19はプッシュ式としてもよい。そして、球抜きレバー19が操作されると下皿16の底面に設けられた図示しない閉鎖板が一体に又はリンクを介して移動して球抜き穴が開放され、下皿16内の貯留球が下方に排出されるよう構成されている。球抜きレバー19には球抜き穴を塞ぐ側へ球抜きレバー19を付勢するコイルバネ等の付勢部材が設けられ、球抜きレバー19の操作が解除された際には付勢部材の付勢力によって閉鎖板が球抜き穴の開放位置に復帰する構成となっている。奥壁パネル17の球排出口17aとは異なる位置には、多数の小孔が集合したスピーカカバー部17bが形成されており、当該パネル17の後方に設置されたスピーカ20の出力音がスピーカカバー部17bを通じて前方に発せられるようになっている。
ベース部15には膨出部15aの左方に灰皿21が設けられている。灰皿21は、内部に溜まった吸い殻等を除去しやすいように手前側下方に反転可能に取り付けられており、その右側面と背面とでベース部15に対面している。具体的な図示は省略するが、灰皿21の右側面には当該灰皿21を回動可能な状態で片持ち支持するための支軸が設けられ、同背面には灰皿21が図示のように上方に開口した位置でベース部15に係止される係止部が設けられている。前面板14はその大部分が本体枠12と同様、ABS樹脂にて成形されている。前面板14はパチンコ機10の前面側に露出されるが、ABS樹脂で成形していることによって、装飾等の目的で表面の適宜箇所にメッキを施すことが可能となる。なお、灰皿21が近くに配置されている関係上、下皿16と奥壁パネル17とを構成する部位に関しては難燃性のABS樹脂を用い、仮に誤ってたばこ等を置いても燃えにくくなるよう構成することが好ましい。
本体枠12の前面側の前面板14を除く範囲には、本体枠12を覆うようにして前面扉としての前扉枠13が設けられている。従って、前面板14と前扉枠13とにより本体枠12の前面側全体が覆われている。前扉枠13は、本体枠12に対して開閉可能に取り付けられており、本体枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。なお、前扉枠13は前面板14と同様、ABS樹脂にて成形されている。前扉枠14はパチンコ機10の前面側に露出されるが、ABS樹脂で成形していることによって、装飾等の目的で表面の適宜箇所にメッキを施すことが可能となる。
前扉枠13の下部位置には、下皿16の上方において手前側へ膨出した膨出部22が設けられ、その膨出部22内側には上方に開口した上皿23が設けられている。上皿23は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置側へ導くための球受皿である。膨出部22前面側には上皿23用の球抜きレバー24が設けられており、この球抜きレバー24を操作すると上皿23の最下流部付近に設けられた球抜き通路(図示略)が開放され、上皿23内の貯留球が下皿16へ排出されるようになっている。なお、上皿23も下皿16等と同様、難燃性のABS樹脂にて構成することが可能である。
本パチンコ機10では、ガラス扉枠と前飾り枠とを個別に設けこれらを前面枠(本実施の形態の本体枠に相当)に対して各々開閉可能とすると共に前飾り枠に上皿を設けていた従来構成と異なり、ガラス扉枠と前飾り枠とを1つに統合して前扉枠13とし、前扉枠13に対して一体的に上皿23を設ける構成としている。この場合、ガラス扉枠と前飾り枠とを1つに統合して前扉枠13としたため、当該前扉枠13においてガラス支持構造の強度向上が実現できる。つまり、本パチンコ機10では、遊技領域の拡張を目的とし、その遊技領域拡張に伴い大きめのガラス137を前扉枠13に搭載している。従って、ガラス周囲の枠部分が幅狭になり、強度低下の問題が懸念されるが、ガラス下方に上皿一体の枠部分を設けること等によりガラス支持構造の十分な強度が確保できる。なお、ガラス137の縦横寸法は、従来一般に405mm×405mmであったのに対し、本パチンコ機10では453mm×434mmとしている。
また、前扉枠13は、少なくともその開閉の際に遊技球発射ハンドル18と干渉しないようにして下方に拡張されている。具体的な数値を示すと、パチンコ機下端から前扉枠13の下端までの寸法Laは、既存の一機種で例えば約201mmであるのに対し、本パチンコ機10では30mm程小さく、約172mmとなっている。また、これに伴いパチンコ機下端から上皿23の上端までの寸法Lbも小さくなっており、既存の一機種では例えば約298mmであるのに対し、本パチンコ機10では約261mmとなっている。ここで、上皿23の位置を下げたことにより、遊技ホールにおいてパチンコ機10左側に並設される球貸し装置のノズル先端との上下方向の距離が大きくなって貸球のこぼれ落ち等が懸念されるが、本実施の形態では、当該ノズルからの貸球排出部分となる左側部分において、膨出部22の壁面を他の壁面より高くした立ち上げ部22aを形成している。これにより、上皿23の位置を下げた構成にあっても貸球のこぼれ落ち等の不都合が解消されるようになっている。立ち上げ部22aの高さ寸法は上皿23の下げ寸法に見合うものであれば良く、その最大高さ寸法は本実施の形態では25mmとされている。
なお、前扉枠13においては、上皿形成のための膨出部22が手前側に大きく膨出して設けられるが、上皿23より上方のそれ以外の部位(後述する環状電飾部102等)は、球貸し装置のノズルとの干渉を避けるべく手前側への膨出が制限されている。具体的には、外枠11からの手前側への寸法が45〜50mmに制限されている。
図3に示すように、本体枠12は、外形が前記外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース25を主体に構成されており、樹脂ベース25の中央部には略円形状の窓孔26が形成されている。樹脂ベース25の後側には遊技盤30が着脱可能に装着されている。図4に示すように、遊技盤30は略四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース25の裏側に当接した状態で取着されている。すなわち、遊技盤30はパチンコ機10後方より取り付けられ、遊技盤30の前面部の略中央部分だけが樹脂ベース25の窓孔26を通じて本体枠12の前面側に露出した状態となっている。なお、遊技盤30は、従来と同様、上下方向の長さは476mm、左右方向の長さは452mmとなっている。
次に、遊技盤30の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤30には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33、スルーゲート34及び可変表示ユニット35等がそれぞれ設けられている。実際には、一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33、スルーゲート34及び可変表示ユニット35は木ねじ等により遊技盤表面に取り付けられている。本実施の形態では、可変表示ユニット35が遊技盤30の略中央に配置され、その下方に作動口33が配置され、さらにその下方に可変入賞装置32が配置されている。また、可変表示ユニット35の左側にスルーゲート34が配置され、遊技盤30の下部左側に3個、さらに下部右側に1個の一般入賞口31が配置されている。作動口33には、所定の条件下で作動状態(開放状態)となる電動役物が付随的に設けられている。前記一般入賞口31、可変入賞装置32及び作動口33に遊技球が入ると、それが後述する検出スイッチにより検出され、その検出結果に基づいて上皿23(場合によっては下皿16)に対し所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30の最下部にはアウト口36が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されていると共に、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。
遊技盤30の左右両側部には、組付相手である本体枠12の左右両側からの張出領域との干渉を回避するように凹部としての切欠38が複数箇所に形成されている。
前述したとおり、本パチンコ機10では上皿23の位置を下げられており、それに伴い上皿23の最下流部に設けた遊技球の取込口の位置も同様に下げられている。この場合、遊技球取込口が比較的高い位置にあった従来構成では、遊技球取込口と遊技盤30とが前後に重なり、遊技盤30には遊技球取込口に対応する切欠を設ける必要があったが、本パチンコ機10では、遊技球取込口を下げたことにより遊技球取込口と遊技盤30とが前後に重なることがなく、遊技球取込口用の切欠の形成が不要となる。故に、遊技盤30の製作工程上、有利な構成となる。
可変表示ユニット35には、作動口33への入賞をトリガとして第1図柄(特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置41が設けられている。可変表示ユニット35には、第1図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム43が配設されている。センターフレーム43の上部には、第1図柄表示装置41に対応した保留ランプ44が設けられている。遊技球が作動口33を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ44の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、保留ランプ44は、第1図柄表示装置41の一部で変動表示される構成等であっても良い。前記第1図柄表示装置41が、絵柄を変動表示するための「絵柄表示装置」に相当する。
また、センターフレーム43の上部中央には、スルーゲート34の通過をトリガとして第2図柄(普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置42が設けられている。センターフレーム43の下部には、第2図柄表示装置42に対応した保留ランプ46が設けられている。遊技球がスルーゲート34を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、保留ランプ46は、前記保留ランプ44と同様に、第1図柄表示装置41の一部で変動表示される構成等であっても良い。
第1図柄表示装置41は8インチサイズの比較的大型の液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。第1図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて第1図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。なお、第1図柄表示装置41は、8インチ以外の10インチ,7インチ等の液晶ディスプレイを備えたもの、ワイドサイズのディスプレイを備えたもの、又はCRT,ドットマトリックス,7セグメント等その他のタイプにより表示画面を構成したものであってもよい。
第2図柄表示装置42は、例えば「○」、「×」の2種類の第2図柄を表示する表示部45を備えている。そして、遊技球がスルーゲート34を通過する毎に表示部45の表示図柄(第2図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄(例えば「○」図柄)で停止した場合に、作動口33に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となるよう構成されている。具体的な変動態様は、遊技球がスルーゲート34を通過すると、「○」と「×」の表示が付された部分の背面に内蔵された各LEDが交互に点灯され、最終的に「○」か「×」の一方に対応したLEDのみが点灯されるというものである。なお、表示部45は、複数のランプ(LED)を交互に点灯させることにより変動表示される構成の他、第1図柄表示装置41(液晶表示装置)の一部で変動表示される構成等であってもよい。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、特別遊技状態(以下、大当たりという)の際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。より詳しくは、作動口33に遊技球が入賞すると第1図柄表示装置41で第1図柄が変動表示され、その停止後の決定図柄が予め設定した特定の図柄の組合せとなった場合に大当たりが発生する。そして、可変入賞装置32が所定の開放状態となり、遊技球が入賞し易い状態になるよう構成されている。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32内の継続入賞口への入賞を条件として次ラウンドへの移行条件成立とし、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放されるものが一般的である。
センターフレーム43には、その右側に猫の形をした可動装飾体160が別体として設けられている。この可動装飾体160は、前方から視認可能な前型161とその前型161の後側を塞ぐ後型162とを備えており、これら前型161と後型162とが前後に嵌め合わされることにより可動装飾体160の外形が形成されている。なお、前型161及び後型162は、上半分が猫の頭の部分となっており、下半分は猫の胴体の部分となっている。また、前型161の頭の部分には、左右一対の開口161aが形成されている。この開口161aにより猫の目の輪郭が表現されている。そして、後型162がセンターフレーム43に対して背面側からビス止めされることにより、可動装飾体160がセンターフレーム43に保持されている。また、前型161と後型162とが嵌め合わされたことにより形成される内部空間には、シャッター機構171が配設されている。このシャッター機構171の一部は、前型161の開口161aから視認可能となっている。ここでシャッター機構171について図5を用いて詳しく説明する。なお、図5は図4のA―A線断面であってシャッター機構171の構成を説明するための図面であるが、一部は簡略に示すこととする。
シャッター機構171は、開口161aに対応させて1個ずつ設けられた眼球部材172を備えている。両眼球部材172は、中空の半球形状をしており、その外面と前型161の裏面とが所定間隔離れるように、さらにその外面が開口161aを通して視認できるように前型161の裏面に固定されている。この眼球部材172により猫の眼球が表現されている。また、シャッター機構171は、それぞれの眼球部材172の外面を覆うように設けられた一対のシャッター部材173を備えている。シャッター部材173は、眼球部材172よりも一回り大きい中空の四半球形状となっている。両シャッター部材173は、眼球部材172の奥側端部及び前型161の裏面に固定された支軸棒174に回動可能に支持されている。また、両シャッター部材173を一体回動可能とすべく、当該両シャッター部材173はリンク175により連結されている。具体的には、リンク175の上端部には左右方向に貫通する貫通孔175aが形成されており、当該貫通孔175aの両端側から両シャッター部材173の連結部173aがそれぞれ嵌め込こまれている。そして、貫通孔175aの形状と連結部173aの外形とが非円形状となっていることにより、両シャッター部材173及びリンク175が一体回動可能となっている。また、支軸棒174の固定位置はシャッター部材173から想定される球体の中心と眼球部材172から想定される球体の中心とが一致するように設定されており、さらに上述したように眼球部材172の外面と前型161の裏面とが所定間隔離されていることにより、シャッター部材173は前型161及び眼球部材172に接触することなく、眼球部材172に沿って回動可能となっている。このシャッター部材173により猫の瞼が表現されている。
また、リンク175の下端部には、左方に延びる動作軸175bが一体形成されている。この動作軸175bには、シャッター機構171の駆動源として設けられたソレノイド178の動力が伝達される。このソレノイド178の出力軸179の前方端部には、板状の位置決め板177が取り付けられており、この位置決め板177には前後方向に延びるアーム部176が一体形成されている。さらに、出力軸179には、ソレノイド178の前方端部から位置決め板177にかけて、バネ182が巻きつけられている。このソレノイド178は、固定板183を介して前型161の裏面に固定されている。また、固定板183の前側には、位置決め板177を覆うように、前後方向に延びるレール部材181が取り付けられている。このレール部材181の左右両端には、上方に起立した延出壁が形成されており、両延出壁の間の距離は、位置決め板177の左右方向の長さよりも若干長くなっている。これにより、ソレノイド178が駆動したときに出力軸179が左右方向に位置ズレしたとしても、位置決め板177が延出壁に接触することにより、その左右方向の位置ズレが解消される。また、レール部材181の前方には、前後方向に延びるストッパ受け180が一体形成されており、ストッパ受け180の前側端部には上方に起立した起立部180aが一体形成されている。このストッパ受け180上にアーム部176の下方に形成されたストッパ176aが位置し、出力軸179が前後方向に動作するときはストッパ受け180上をストッパ176aが移動することとなる。そして、出力軸179が前方に移動していくと、ストッパ176aが起立部180aと当接することとなり、それ以上の出力軸179の前方への移動が阻害される。
アーム部176の先端には、上方に延出した2つの保持板176bが一体形成されている。これら2つの保持板176bは、前後方向に離間して配置されている。この両保持板176b間に、リンク175の動作軸175bが配置されている。そして、アーム部176が前後方向に動作したときには、それに伴って動作軸175bが円弧を描くように移動することとなる。具体的には、アーム部176が最も前方に位置するときは、動作軸175bが支軸棒174よりも前方であって保持板176bの上縁付近に位置することとなる。そして、アーム部176が後方に移動するのに伴って、動作軸175bは後方に移動しつつ下方へと移動し、動作軸175bが支軸棒174の真下に位置したときに当該動作軸175bは、最も下方に位置することとなる。そして、アーム部176が最も後方に位置するときは、動作軸175bが支軸棒174よりも後方であって保持板176bの上縁付近に位置することとなる。このように、アーム部176の前後方向の移動に伴って動作軸175bが移動することにより、出力軸179の前後方向の動作がシャッター部材173の回動動作に変換されることとなる。そして、シャッター機構171が動作することにより猫の瞬きが表現されている。
上述したソレノイド178に対しては、音声ランプ制御装置272から図示しない中継基板を介して駆動信号が出力され、その駆動信号に従ってソレノイド178が通電される。このソレノイド178が通電されていない状態においては、図5(a)に示すように、出力軸179がバネ182の付勢力によって伸長状態とされ、アーム部176の下方に形成されたストッパ176aがストッパ受け180の起立部180aに当接される。かかる状態では、上述したように、動作軸175bが最も前方に位置することとなり、シャッター部材173が眼球部材172の上方に位置し、可動装飾体160の目が開いている状態となる。一方、ソレノイド178が通電されると、ソレノイド178が励磁され、図5(b)に示すように、出力軸179がバネ182の付勢力に抗して後方へ移動する。これに伴いアーム部176が後方へと移動し、それに合せて動作軸175bも移動する。そして、動作軸175bが移動することにより、リンク175が回動し、これに合せてシャッター部材173が下方へと回動する。かかる状態では、シャッター部材173が眼球部材172の前方に位置し、可動装飾体160の目が閉じている状態となる。
シャッター機構171の駆動態様は、第1図柄表示装置41の表示態様に応じて異なる。第1図柄表示装置41の表示態様がリーチ及び大当たり中でないときには、シャッター機構171の駆動は所定の周期で行われる。具体的には、ソレノイド178に通電されていない状態で15sec経過すると、ソレノイド178に対して1回通電される。これにより、上述したように、出力軸179がバネ182の付勢力に抗して駆動するので、シャッター部材173が下方へと回動し可動装飾体160の目が閉じられる。このソレノイド178への通電は、瞬間的であるので、出力軸179はバネ182の付勢力により直ぐに元の位置に戻り、これに合せてシャッター部材173が上方へと回動し可動装飾体160の目は直ぐに開いた状態となる。その後、15sec経過すると、ソレノイド178への通電が若干の間隔を置いて2回行われる。これにより、上述した出力軸179の駆動が2回発生し、可動装飾体160の目は若干の間隔を置いて2回閉じた状態となる。そして、その後15sec経過する毎に、ソレノイド178への通電が1回と2回とで繰り返される。従って、可動装飾体160は、15secの経過で1回の瞬きをし、その後の15secの経過で2回の瞬きをするという動作を繰り返し行うこととなる。この可動装飾体160の瞬きを遊技ホールの管理者等が視認することにより、シャッター機構171が故障していないかどうかを判断することができる。また、ソレノイド178の電気的信号経路において故障が発生していないかどうかを判断することができる。また、第1図柄表示装置41の表示態様がリーチ及び大当たり中でないときにおいて、演出として可動装飾体160は瞬きをするものであると遊技者に認識させることができる。
一方、第1図柄表示装置41の表示態様がリーチ及び大当たり中であるときには、基本的にソレノイド178への通電は行われない。従って、この場合には、基本的に可動装飾体160の目は開いた状態となっている。しかし、所定の確率でソレノイド178への通電が単発的に行われることにより、可動装飾体160の瞬きが演出として使用される。この可動装飾体160の瞬きによる演出については、後に詳細に説明する。
上述した可動装飾体160が設けられていることにより、センターフレーム43は、中央に形成された開口の右方の領域が当該開口の左方の領域よりも広く、右側に大きく膨らんだ構成となっている。センターフレーム43が右側に大きく膨らんだ構成となっていることにより、センターフレーム43の右方のスペースが左方のスペースよりも狭い構成となっている。そして、この構成の場合、上述したスルーゲート34や風車37は、センターフレーム43の右方に配設することができないので、左方にのみ配設されている。また、センターフレーム43の右方よりも左方の方が多くの釘が配設されているため、遊技者は遊技球の挙動を楽しむべく遊技球がセンターフレーム43の左方を通過するように遊技球発射ハンドル18を操作すると考えられる。従って、一般入賞口31への入賞確率を高めるべく複数ある一般入賞口31は右側よりも左側に多く配置されている。
センターフレーム43の下部には、図6に示すように、ステージ面190が設けられている。ステージ面190は、前後方向に遊技球2.5個分程度の幅を有し、中央を中心として左右対称な滑らかな流線形状となっている。具体的には、ステージ面190は、左右方向の中央が上方に盛り上がった山部191となっており、その左右は下方に凹んだ谷部192となっており、さらに左右両端は中央よりも上方に位置する。そして、この山部191の頂部の後側には前後方向に延び、後方に向けて下方に傾斜した誘導傾斜面193が形成されている。この誘導傾斜面193の後方には、作動口33の直上方に球出口を有する案内路194の球入口が位置する。従って、ステージ面190における転動の後、山部191の頂部の後側で十分に減速された遊技球は、誘導傾斜面193によって案内路194の球入口へと誘導され、さらに案内路194によって作動口33の直上方へと案内される。そして、この作動口33の直上方へと案内された遊技球は、比較的高い確率で作動口33への入球が発生する。一方、谷部192は、前方に向けて下方に傾斜した形状となっている。谷部192がこのような構成であることにより、谷部192に案内された遊技球は前方へと導出され、当該谷部192の前方から遊技盤30の遊技領域へと導出される。この谷部192の前方から遊技盤30の遊技領域へと導出される遊技球は、遊技盤30に配設された釘により跳ね返らない限り作動口33への入球は発生しない。従って、ステージ面190における転動の後、誘導傾斜面193に到達する遊技球と谷部192に到達する遊技球とでは、作動口33への入球の期待度が異なり、遊技者にステージ面190における遊技球の転動を誘導傾斜面193への到達を期待させながら視認させることができる。このようにステージ面190が設けられていることにより、遊技者に第1図柄表示装置41の表示態様を視認させて遊技を楽しませるだけでなく、ステージ面190における遊技球の転動態様を視認させて遊技を楽しませることができ、遊技興趣の向上を図ることができる。
さらにセンターフレーム43には、センターフレーム43の上方に打出された遊技球をステージ面190へと導くことができる図示しない球通路が形成されている。センターフレーム43には、上述したように、可動装飾体160が配設されているので右側には球通路を形成できるスペースが存在しない。従って、球通路はセンターフレーム43の左側にのみ形成されている。この球通路は、センターフレーム43の上部外側面の中央付近に形成された開口が球入口195となっており、センターフレーム43の左側側部の内側面の下端であってステージ面190の左端の左側に形成された開口が球出口196となっている。そして、センターフレーム43の上方に打出され、その後球入口195に到達した遊技球は、球通路によりステージ面190の左端へと導かれ、ステージ面190を転動することとなる。このように球通路が形成されていることにより、遊技盤30に配設された釘などにより跳ね返った場合以外にも、ステージ面190への遊技球の導入を積極的に発生させることができ、パチンコ機10全体における遊技球の転動態様を多様化させることができる。
図4の説明に戻り、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレール部材としての内レール部材51及び外レール部材52が取り付けられている。内レール部材51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、外レール部材52は内レール部材51の上方開放領域を囲むようにかつ内レール部材51の左側部と並行するように略半円環状に形成されている。また、内レール部材51及び外レール部材52は、遊技盤30の面上にほぼ垂直に起立して設けられている。かかる場合、内レール部材51と外レール部材52とにより誘導レールが構成され、これら各レール部材51,52が所定間隔を隔てて対向する部分により手前側に開放した溝状の球案内通路が形成されている。遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はこの球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
内外レール部材51,52において、前記球案内通路より遊技球が飛び出す部位(図4の左上部)には戻り球防止部材54が取着され、該飛び出した遊技球の最大飛翔部分に対応する部位(図4の右上部)には返しゴム55が取着されている。戻り球防止部材54により、一旦球案内通路から遊技盤30の上部へと飛び出した遊技球が球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、所定以上の勢いで発射された遊技球は返しゴム55に当たり、遊技領域の中央寄りに跳ね返されるようになっている。
遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙等のシールやプレートを貼着するためのスペース(図のSa,Sb)となっている。証紙等のシールを遊技盤30に直接貼り付ける構成とすることで、証紙等の不正な貼り直し等が行いにくいものとなっている。
遊技盤30において外レール部材52よりも外方の左上部には、前後に貫通した中継端子孔59が設けられており、この中継端子孔59を通じて、遊技盤裏面に設置した中継端子板の接続コネクタ60がパチンコ機10前面側に露出されるようになっている。
次に、遊技領域について説明する。遊技盤30の盤面は内外レール部材51,52により内外領域に区画され、略円形状に区画された内側領域が遊技領域とされている。特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領域が従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール部材52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール部材52の極左位置から内レール部材51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール部材51の極左位置から内レール部材51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
本実施の形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て内レール部材51及び外レール部材52によって囲まれる領域のうち、内外レール部材51,52の対向部分である球案内通路の領域を除いた領域として説明する。つまり、遊技領域は球案内通路部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール部材52によってではなく内レール部材51によって特定される。また、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール部材51によって特定され、遊技領域の下側限界位置はアウト口36が形成された遊技盤30の下端位置によって特定され、遊技領域の上側限界位置は外レール部材52によって特定される。従って、本実施の形態では、遊技領域の幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域の高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
ここで、前記遊技領域の幅は、少なくとも380mm以上あることが望ましい。より好ましくは400mm以上、410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらに460mm以上であることが望ましい。すなわち、遊技領域の幅寸法は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。また、遊技領域の高さは、少なくとも400mm以上あることが望ましい。より好ましくは410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらには460mm以上であることがより望ましい。もちろん、470mm以上又は480mm以上としてもよい。すなわち、遊技領域の高さ寸法は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。なお、上記幅及び高さの組合せについては、上記数値を任意に組み合わせたものとすることができる。なお、遊技領域の幅又は高さが一定値以上となると、遊技領域の一部が遊技盤30の盤面を越えることも考えられるが、その越えた領域については他の部材を遊技盤面に沿って設けること等によって補えばよい。
本実施の形態では、遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率は約70%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、遊技盤30面に対する遊技領域の面積比は、従来では50%程度に過ぎなかったことから、本実施の形態のように従来と同様の大きさの遊技盤30を使用している前提下では相当に遊技領域を拡大しているといえる。なお、パチンコ機10の外形は遊技ホールへの設置の都合上製造者間でほぼ統一されており、遊技盤30の大きさも同様とせざるを得ない状況下において、上記のように遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率を約20%も高めたことは、遊技領域拡大の観点で非常に有意義である。ここで、前記比率は、少なくとも60%以上であることが望ましい。さらに好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上である。また、本実施形態の場合を越えて75%以上であれば、一層望ましい。さらには、80%以上であってもよい。なお、80%以上を確保するには遊技領域の形状を略円形状とすることは困難となるため、隅部(例えば右下隅部や右上隅部)を拡張したような形状とすることが好ましい。
また、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積の比率は約40%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積比は、35パーセント以上であるのが望ましい。もちろん、40パーセント以上としてもよいし、45パーセント以上、又は50パーセント以上としてもよい。
遊技盤30の左右両側部に切欠38が形成されて本体枠12の左右両側からの張出領域との干渉が回避されていること、内外レール部材51,52において遊技盤30上の遊技領域の最大幅となる位置が遊技盤30の左右端位置にまで至るようになっていることは既に述べたが、更に後述するように、本体枠12の左右両側部に設けられる補強部材(軸受け金具235:図11参照)と施錠装置(基枠247、連動杆248等:図11参照)とを配置するための領域を残した幅となるようにして本体枠12に遊技盤30が取り付けられている。これらのことからも、遊技領域の拡張が図られている。
図3の説明に戻り、前記樹脂ベース25において、窓孔26(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置より発射された直後に遊技球を案内するための発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62を介して樹脂ベース25に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後球案内通路を通じて遊技領域に案内される。前述のとおり遊技領域が従来よりも大幅に拡張されたことにより、球案内通路の曲率は小さくなっているため、打出球を安定化させるための工夫が必要となる。そこで、本実施の形態では、遊技球の発射位置を低くして発射レール61の傾斜角度(発射角度)を既存のものよりも幾分大きくし(すなわち発射レール61を立ち上げるようにし)、また発射レール61を遊技球発射装置の発射位置から遊技領域の中央位置(アウト口36)を越える位置まで延びるよう形成することで発射レール61の長さを既存のものよりも長くして十分な長さの球誘導距離を確保するようにしている。これにより、遊技球発射装置から発射された遊技球をより安定した状態で球案内通路に案内できるようにしている。さらに打出球の安定化を図るべく、発射レール61を設置した金属板62を大型化すると共に該金属板62を多数箇所(本実施の形態では15〜20カ所)でネジ止めしており、これにより発射レール61が遊技盤30に対して強固に位置決めされている。
発射レール61と球案内通路との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路76が設けられている。従って、仮に遊技球発射装置から発射された遊技球が戻り球防止部材54まで至らずファール球として球案内通路内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路76を介して下皿16に排出される。因みに、本実施の形態の場合、発射レール61の長さは約240mm、発射レール先端部のファール球通路76に通じる隙間の長さ(発射レール61の延長線上の長さ)は約40mmである。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置には、前扉枠13側の球出口(上皿23の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。この際、本実施の形態では遊技球の発射位置を低くしたため、前扉枠13側の球出口から前記発射位置への落差が大きくなるが、発射レール61の発射基端部付近にはその右側と手前側にそれぞれガイド部材63,64を設置してある。これにより、前扉枠13側の球出口から供給される遊技球が常に所定の発射位置にセットされ、安定した発射動作が実現できる。また、遊技球発射装置には、基端部を中心に回動可能に支持された打球槌が設けられ、打球槌の回動に伴い遊技球が発射されるが、打球槌に関して軽量化が望まれている。それ故、アルミニウム等の軽金属への材料変更や槌シャフト部寸法の縮小化により打球槌の軽量化を図る一方で、十分な発射力を確保すべく、打球槌のヘッド部(基端部と反対側の先端部)に重り部を設けている。これにより、十分でかつ安定した遊技球の発射が実現できる。打球槌の重り部を上方に突出して設けることにより、打球槌を容易に摘んだりひっかけたりすることができ、槌先の打球強さの調整等がし易くなるという効果も得られる。
また、本体枠12の前面において発射レール61の左側には、左右一対の排出口66,67が形成されると共に、その前方に、排出口66,67より排出された遊技球を上皿23又は下皿16の何れかに案内するための遊技球案内ユニット70が取り付けられている。便宜上以下の説明では、排出口66を第1排出口、排出口67を第2排出口ともいう。これら排出口66,67は、本体枠12の背面に設けられた遊技球分配部245(図12参照)に通じており、基本的に第1排出口66より遊技球の排出が行われ、この第1排出口66も含め上皿23に通じる通路が遊技球で一杯になると、第1排出口66に代えて第2排出口67より遊技球の排出が行われるようになっている。
遊技球案内ユニット70は、ポリカーボネート樹脂等の透明な樹脂材料により内部を視認可能に構成され、本体枠12に対して前扉枠13を閉鎖した状態で本体枠12と前扉枠13との間に収まるよう厚みが比較的薄くなるように形成されている。遊技球案内ユニット70には、前述のファール球通路76が一体的に形成されている。遊技球案内ユニット70には、前記排出口66,67と下皿16とを連通するための球排出通路71が形成されている。遊技球案内ユニット70には、本体枠12の第1排出口66の手前側に、上皿23に連通する連通口72が形成され、連通口72を閉鎖するようにして開閉プレート73が取り付けられている。開閉プレート73は支軸74により回動可能に支持され、付勢手段としてのバネ75により連通口72を閉鎖する位置に常時付勢されている。
遊技球案内ユニット70の上記構成によれば、前扉枠13を開放した状態ではバネ75の付勢力により開閉プレート73が図示の如く起き上がり、連通口72を閉鎖する。この状態では、第1排出口66より排出される遊技球が球排出通路71を通じて下皿16に案内される。従って、連通口72の上流側に遊技球が貯留されている状態で前扉枠13を開放した場合、その貯留球は連通口72よりこぼれ落ちることなく、球排出通路71を通じて下皿16に流下する。つまり、前飾り枠が省略され前扉枠13に対して上皿23が直接設けられる構成とした本パチンコ機10にあっても、前扉枠13の開放に際し連通口72の上流側にある遊技球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠13を閉鎖した状態では、前扉枠13の裏面に設けられた球通路樋138(図2参照)によりバネ75の付勢力に抗して開閉プレート73が押し開けられる。この状態では、第1排出口66より排出される遊技球が連通口72を介して上皿23に案内される。従って、連通口72より上流側の遊技球は上皿23に払い出される。なお、遊技球案内ユニット70の球排出通路71下流側には、下皿16に排出された遊技球が一杯(満タン)になったことを検知する下皿満タンスイッチが取り付けられている。
樹脂ベース25には、窓孔26の右下部に略四角形状の小窓78が設けられている。従って、遊技盤30の右下隅部スペース(図4のSa)に貼られた証紙等は、この小窓78を通じて視認できるようになっている。この小窓78から遊技盤30上に証紙等を直接貼り付けることも可能である。
樹脂ベース25には、窓孔26の左上部にも小窓79が設けられている。この小窓79は、図4で説明した遊技盤30の中継端子孔59に対応する位置にそれとほぼ同一の形状で設けられ、中継端子孔59及び小窓79を通じて、遊技盤裏面に設置した中継端子板の接続コネクタ60が本体枠12の前面側に露出される。かかる構成において、前扉枠13側に設けた各種ランプに対しては、本体枠12(樹脂ベース25)の小窓79より露出した接続コネクタ60を介して電気的な接続がなされている。樹脂ベース25の上部には、前扉枠13の開放の状態を検出するための前扉枠開放スイッチ27が設けられている。前扉枠開放スイッチ27は、樹脂ベース25の前面に出没可能なピンを有しており、本体枠12に対して前扉枠13を閉じた状態ではピンが押し込まれて前扉枠13の閉鎖が検知され、本体枠12に対して前扉枠13を開いた状態ではピンが突出位置に戻って前扉枠13の開放が検知されるようになっている。樹脂ベース25の左右2カ所には、本体枠12に対して前扉枠13を閉じた際に前扉枠13背面の金具類(図7に示す補強板131〜134)に接触し、且つその金具類を本体枠12側に導通させてアース(接地)するための金属片28a,28bが取り付けられている。従って、金属片28a,28bを通じて、前扉枠13背面の金具類が本体枠12側の施錠装置やヒンジ金具に導通され、これら施錠装置やヒンジ金具と共にアースされる。
本体枠12の左端側(開閉軸線側)には、前扉枠13を開閉可能に支持するための支持機構として、上下一対の支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には上方へ突出する突起軸84が設けられている。なお、支持金具81,82に支持される前扉枠13の具体的構成については後述する。また、本体枠12の右端側(開閉軸線とは反対側)には、前扉枠13裏面側の開放端側に設けた上下一対の鉤金具155,156(図2参照)を挿入するための挿入孔87,88がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、本体枠12や前扉枠13を施錠状態とするための施錠装置が本体枠12の裏面側に隠れて配置される構成となっている。従って、鉤金具155,156が挿入孔87,88を介して施錠装置に係止されることによって、前扉枠13が本体枠12に対して開放不能に施錠される。
本体枠12の右下隅部には、外枠11に対する本体枠12の施錠及び解錠、並びに本体枠12に対する前扉枠13の施錠及び解錠を行うための鍵部材としてのシリンダ錠91が設置されている。シリンダ錠91は施錠装置に一体化されており、施錠装置のうちシリンダ錠91だけが本体枠12の前方に突出した状態で設けられている。この場合、シリンダ錠91は、遊技領域の最大幅となる位置とは異なる位置に設けられている。シリンダ錠91は、本体枠12の施解錠と前扉枠13の施解錠とを共に賄う機能を有しており、鍵穴に差し込んだキーを左(反時計回り方向)に回すと本体枠12の施錠が解かれ、逆にキーを右(時計回り方向)に回すと前扉枠13の施錠が解かれるようになっている。
図2に示すように、本体枠12には、シリンダ錠91を囲むようにして縦長状のカバー部材92が取り付けられている。詳細な図示は省略するが、カバー部材92には、その上端部及び下端部に係止部(フック)が形成されている。従って、上側の係止部を本体枠12側に係止させると共に、下側の係止部を本体枠12と前面板14との間に挟み込むことにより、カバー部材92が本体枠12に取り付けられる。前扉枠13には、カバー部材92の形状に合わせて切欠部145が形成されており、前扉枠13を閉鎖した状態ではこの前扉枠13と共にカバー部材92がパチンコ機前面部を構成する。なお、前扉枠13を閉鎖したとき、カバー部材92に形成された鍔部が前扉枠13により押さえられ、カバー部材92のがたつきが防止されるようになっている。
次に、前扉枠13について図1,図7を参照しつつ説明する。なお、図7は、前扉枠13の背面図である。
前扉枠13には遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした視認窓としての窓部101が形成されている。窓部101は、円形に近い略楕円形状をなし、より詳しくは、その左右側の略中央部が上下側に比べて緩やかに湾曲した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になる形状であってもよい。前扉枠13の窓部101上方において、最も狭い部位のフレーム幅は約61mmである。本実施の形態における上記フレーム幅寸法は、本体枠12において外レール部材52の最上部(遊技領域の上端)と本体枠12の上端との間の距離とほぼ一致するものであって、85mm〜95mm程度の上記フレーム幅を有する従来機種に比べて著しく短くなっている。これにより、遊技領域における上部領域の視認性が確保されやすくなると共に、大型の可変表示ユニット35も比較的上方に配置することができるようになっている。窓部101上方のフレーム幅(最狭部位)の寸法は80mm以下であることが望ましく、より望ましくは70mm以下であり、さらに望ましくは60mm以下である。もちろん、所定の強度が確保できるのであれば、50mm以下としても差し支えない。
前扉枠13の左右のフレーム部分は、フレーム幅を小さくするには制約があり、前扉枠13自体の強度及びガラス支持強度を確保するのに十分な幅寸法を必要とする。本実施の形態では、左右の各フレーム部分において最も狭い部位のフレーム幅を何れも約44mmとしている。この場合、本パチンコ機10にあっては遊技領域を大幅に拡張したことから、パチンコ機10の正面から見て左側すなわち開閉軸線側では、前扉枠13のフレーム幅が上記の通り約44mmとなるのに対し、外レール部材52の左端位置と本体枠12の左端位置との距離が約21mmとなり、後者の寸法がかなり小さいものとなっている。つまり本構成では、前扉枠13を閉鎖した状態において、球案内通路の一部が、前扉枠13の左側フレーム部分と重複し覆い隠されるようになる。しかしながら、球案内通路において遊技球が一時的に視認困難となったとしても、かかる球案内通路は遊技球が遊技領域に案内されるまでの通過領域に過ぎず、遊技者が主として遊技を楽しむ遊技領域において遊技球が視認困難となるわけではない。そのため、実際の遊技に際しては何ら支障が生じない。以上により、前扉枠13の十分な強度及びガラス支持強度を確保しつつも、遊技に何ら支障を及ぼすことなく遊技領域の拡張が可能となる。
前扉枠13の下端部における左右両側には、本体枠12表面や遊技盤30表面等(証紙等を含む)の一部を視認できるよう透明樹脂を取り付けた小窓107が設けられている。小窓107に取り付けられる透明樹脂は、その内部の証紙等を工場等で容易に機械読み取りできるよう平坦状に構成される。但し、小窓107に、内部の証紙等をホール作業者等が容易に目視できるよう拡大レンズ部を設けることも可能である。
前扉枠13にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御されることにより、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部101の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部にはLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり状態時に点灯や点滅を行うことにより大当たり中であることを報知する。また、上皿23周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とがそれぞれ設けられている。なお、環状電飾部102は、内外二重の樹脂カバー層とその内側に収容された発射板付き発光体(LED)とよりなり、樹脂カバー層の各々の内側面には各層で縦横に交差する向きに突条(又は波状の突起)が設けられている。外側の樹脂カバー層は透明であり、内側の樹脂カバー層は有色である。従って、環状電飾部102を発光させれば、多数に分散化された状態、又は立体感を伴った状態の電飾が実現できるようになる。樹脂カバー層には、ガラス粉末入りの樹脂材料を用いると良い。このような樹脂カバー層の構成は、他の電飾部(例えば中央電飾部103や賞球ランプ105)に適用することもできる。
前扉枠13には、窓部101の下方位置に、貸球操作部120が配設されている。貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されたカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で、貸球操作部120によって球貸し操作、カード返却操作及びカード度数の確認を行うことができる。すなわち、球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が払い出される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機(いわゆる現金機)では貸球操作部120が不要となるが、かかる場合には、貸球操作部120の設置部分に飾りシール等が付されるようになっている。これにより、貸球操作部120を設けた本パチンコ機10の構成において、カードユニットを用いたパチンコ機(いわゆるCR機)と現金機との共用が可能となる。
前扉枠13の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、図7に示すように、前扉枠13の裏側にあって窓部101の左右及び上下の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図の左側及び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。これにより、補強板131〜134による電気経路の閉じたループが切断され、ノイズの原因となる磁界の発生等が防止されている。
図7の右側となる開閉軸線側の補強板131にはその上端部及び下端部に、本体枠12に対する組付機構として、組付金具151,152が取り付けられている。そして、本体枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前扉枠13側の組付金具151,152が取り付けられている。すなわち、下側の組付金具152には下面に開口する軸穴が形成されており、その軸穴に下側の支持金具82の突起軸84が挿入される一方、上側の組付金具151の軸部が上側の支持金具81の支持孔83に挿入されることにより、本体枠12に対して前扉枠13が開閉可能に支持されている。また、同補強板131にはその中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前扉枠13を閉じた状態で本体枠12の孔部12a(図3参照)に挿入されるように構成されている。これにより、上皿23を含む形態で前扉枠13を構成し、その上下の軸支間隔を長くした本パチンコ機10においても、中間位置における前扉枠13の浮き上がりが防止できる。それ故、前扉枠13を浮かしての不正行為等が抑制されるようになっている。
図7の左側となる開閉軸線とは反対側の補強板132には鉤形状をなす上下一対の鉤金具155,156が取り付けられている。これら鉤金具155,156は、後方に延び、本体枠12に設けた挿入孔87,88(図3参照)に対応するようにして設けられている。本体枠12に対して前扉枠13を閉鎖した際、鉤金具155,156が本体枠12側の挿入孔87,88に挿入されて施錠装置により施錠状態とされるようになっている。
下側の補強板134には、前記発射レール61に対向する位置に樹脂ケース136が取り付けられている。樹脂ケース136には、前記貸球操作部120用の回路基板が収容されている。樹脂ケース136の背面(図7に見える面)は平坦状をなし、前扉枠13を閉じた際に発射レール61の側壁を構成するようになっている。故に、発射レール61から遊技球が前方にこぼれ落ちることが防止される。
下側の補強板134の一部を切り欠いた部位には、パチンコ機10後方に向けて球通路樋138が設置されており、球通路樋138の少なくとも上方には、同じくパチンコ機10後方に向けて延びる庇(ひさし)部139が設けられている。この場合、本体枠12側に前扉枠13を閉じた状態では、球通路樋138と庇部139との間に、本体枠12側の連通口72上辺に沿って延びる突条が入り込むようにして配置される。故に、球通路樋138より針金やフィルム等を侵入させて不正行為を行おうとしても、遊技領域にまで針金やフィルム等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金やフィルム等を利用して行われる不正行為を防止することができる。
上述した補強板131〜134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、これら補強板131〜134の内側が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている。ガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着されている。
前述した通り本実施の形態のパチンコ機10では遊技領域の拡張を図っていることから、前扉枠13を閉じた状態にあっては、内外のレール部材51,52間に形成された球案内通路の一部が前扉枠13により覆い隠される構成となっている。それ故、球案内通路では手前側の開放部がガラス137で覆えない部分ができてしまう。かかる場合、例えば、遊技球発射装置より発射された遊技球が戻り球防止部材54まで至らず戻ってくると、遊技球が球案内通路外に飛び出したり、外レール部材52とガラス137との間にできる隙間に挟まってしまうおそれがある。そこで本実施の形態では、前扉枠13に、球案内通路の手前側開放部を被覆するためのレールカバー140を取り付けている。レールカバー140は略円弧状をなす板体であって、透明な樹脂により形成されている。レールカバー140は、その円弧形状が前記球案内通路の形状に対応しており、窓部101の周縁部に沿って、球案内通路の基端部から先端部近傍までの区間を覆うようになっている。特にレールカバー140の内径側の寸法・形状は内レール部材51のそれにほぼ一致する。また、レールカバー140の右端部(すなわち、レールカバー140を前扉枠13に取着した図7の状態で右端となる部位)には、球案内通路がガラス137の側縁部からはみ出した部分を被覆するための被覆部141が設けられている。以上のレールカバー140の構成により、前扉枠13が閉じられた状態においては、レールカバー140の裏面が球案内通路のほぼ全域を覆うこととなって、遊技球が球案内通路外に飛び出したり、外レール部材52とガラス137との間にできる隙間に挟まってしまうといった不具合の発生を防止することができる。
また、レールカバー140の下部裏側には、その内側縁に沿って円弧状に延び且つ後方へ向けて突出する突条142が形成されている。突条142は、前扉枠13が閉じられた状態において、球案内通路内に入り込んだ状態で内レール部材51に重なり合うように配置される。従って、例えば前扉枠13と本体枠12との隙間から針金やフィルム等を侵入させて不正行為を行おうとしても、球案内通路の内側にある遊技領域にまで針金やフィルム等を侵入させることが非常に困難となる。その結果、針金やフィルム等を利用して行われる不正行為を防止することができる。なお、突条142をより広い範囲で、例えばレールカバー140の内側縁の全域に沿って形成する構成としても良く、かかる構成によれば、より広い範囲で針金やフィルム等を侵入させにくくなり、針金やフィルム等を利用して行われる不正行為をより確実に防止することができる。
次に、パチンコ機10の背面の構成を説明する。なお、図8はパチンコ機10の背面図、図9はパチンコ機10の背面構成を主要部品毎に分解して示す分解斜視図である。
まず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10の背面側には、各種制御装置(各種制御基板)が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されるとともに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御装置を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に本体枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主制御装置271(主基板)と音声ランプ制御装置272(音声ランプ制御基板)とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御装置311(払出制御基板)、発射制御装置312(発射制御基板)及び電源装置313(電源基板)を他方の取付台に搭載してユニット化している。以下においては、便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化され、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されるとともに、一部に支軸部を設けて本体枠12又は遊技盤30の裏面に対して展開できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置された場合に隠れた部位を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。実際には、図10の概略図に示すように、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重複する領域に、裏パックユニット203が配置されている。
第1制御基板ユニット201にはパチンコ機10の背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1による軸線Aを中心に第1制御基板ユニット201が回動可能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部すなわち支軸部M1の反対側となる開放端側に、ナイラッチ(登録商標)等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット201がパチンコ機10本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。また、第2制御基板ユニット202にはパチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4による軸線Bを中心に第2制御基板ユニット202が回動可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部すなわち支軸部M4の反対側となる開放端側に、ナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202がパチンコ機10本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。さらに、裏パックユニット203にはパチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に裏パックユニット203が回動可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部すなわち支軸部M6の反対側となる開放端側にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられるとともに、上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット203がパチンコ機10本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。
各ユニット201〜203を回動可能に支持する支軸部M1,M4,M6は、各ユニット201〜203をパチンコ機10の裏面から開いた状態で容易に取り外し可能なヒンジ構造となっている。簡単に説明すると、第1制御基板ユニット201については、締結部M2の締結及び係止爪部M3の係止を解除すると共に、当該ユニット201を軸線Aを中心に回動させて展開し、その状態で持ち上げる。これにより、裏パックユニット203がない前提であれば、第1制御基板ユニット201を取り外すことができる。また、第2制御基板ユニット202については、締結部M5の締結を解除すると共に、当該ユニット202を軸線Bを中心に回動させて展開し、その状態で持ち上げる。これにより、第2制御基板ユニット202を取り外すことができる。さらに、裏パックユニット203については、締結部M7の締結及び係止部M8,M9の係止を解除すると共に、当該ユニット203を軸線Cを中心に回動させて展開し、その状態で持ち上げる。これにより、裏パックユニット203を取り外すことができる。
ここで、各ユニット201〜203の展開方向は同一でなく、第1制御基板ユニット201は、パチンコ機10の背面から見て左開きになるのに対し、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、同右開きになるよう構成されている。この場合、第1制御基板ユニット201は、裏パックユニット203に一部重複して設けられるため、裏パックユニット203を開かないことには第1制御基板ユニット201を取り外すことが不可能であり、さらに言うと、第1制御基板ユニット201及び裏パックユニット203が各々逆方向に展開する構成であるため、裏パックユニット203を所定角度以上に大きく開いた状態又は同ユニット203を取り外した状態でなければ第1制御基板ユニット201を取り外すことが不可能である。従って、第1制御基板ユニット201を取り外すことに着目すると、他のユニット202,203に比べて取り外しが困難な構成となっている。さらに、施錠装置をキー操作して外枠11に対して本体枠12を開放しなければ、裏パックユニット203を開くことができない構成となっているため、より一層第1制御基板ユニット201の取り外しが困難なものとなっている。より具体的な構成については後述する。
次に、本体枠12及び遊技盤30の裏面構成を説明する。なお、図11は本体枠12に遊技盤30を組み付けた状態でかつ前記各ユニット201〜203等を取り外した状態の構成を示す背面図、図12は本体枠12を後方より見た斜視図、図13は遊技盤30を後方より見た斜視図である。
遊技盤30は、樹脂ベース25に囲まれた四角枠状の設置領域に裏面側より設置され、本体枠12に設けられた複数(本実施の形態では4カ所)の係止固定具211,212によって後方へ脱落しないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動操作することができ、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とに切り換えることができるよう構成されている。図11にはロック状態を示す。左右3カ所の係止固定具211は金属片を折り曲げ形成したL型の金具であり、遊技盤30の固定状態で本体枠12の外方へ張り出さないよう構成されている。なお、下部1カ所の係止固定具212は合成樹脂製のI型の留め具である。
遊技盤30の中央に配置される可変表示ユニット35には、センターフレーム43(図4参照)を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー213の後端に、第1図柄表示装置41と表示制御手段としての表示制御装置214とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、センターフレーム43に内蔵されたLED等を駆動するためのLED制御基板などが配設されている。
遊技盤30の裏面には、可変表示ユニット35を取り囲むようにして集合板ユニット215が設けられている。集合板ユニット215は、薄板状の枠体として例えばABS樹脂等の合成樹脂により成形されるベースを有し、そのベース面が遊技盤30の裏面に当接されるようにして取り付けられている。集合板ユニット215には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板ユニット215の下方には、前記一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33の遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30の下方には、本体枠12にポリカーボネート樹脂等の合成樹脂製の排出通路盤217が取り付けられており、排出通路盤217には排出球をパチンコ機10外部の例えば遊技ホールの島設備等へ案内するための排出通路218が形成されている。従って、図11に仮想線で例示するように、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも集合板ユニット215の回収通路216を介して集合し、さらに排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。上記構成では、遊技盤30の下端面を境界にして、上方に集合板ユニット215(回収通路216)が、下方に排出通路盤217(排出通路218)が設けられており、排出通路盤217が遊技盤30に対して前後方向に重複していない。従って、遊技盤30を本体枠12から取り外す際において、排出通路盤17が遊技盤取り外しの妨げになるといった不都合が生じることもない。
なお、排出通路盤217は、パチンコ機10前面の上皿23の裏側に配置されており、上皿23に至る球排出口(図2の球通路樋138)より針金やフィルム等を差し込み、さらにその針金やフィルム等を本体枠12と排出通路盤217との隙間を通じて遊技領域側に侵入させるといった不正行為が考えられる。そこで、本パチンコ機10では、図12に示すように、排出通路盤217には、球通路樋138の上部位置に対応する高さ位置に、本体枠12に重なり合うようにしてパチンコ機10前方に延びるプレート219を設けた。従って、本体枠12と排出通路盤217との隙間から針金やフィルム等を侵入させようとしてもそれがプレート219にて阻害され、遊技領域にまで針金やフィルム等を侵入させることが非常に困難となる。その結果、針金やフィルム等を利用して可変入賞装置32を強制的に開放する等の不正行為を防止することができる。
入賞検知機構について説明すると、集合板ユニット215には、遊技盤30表側の一般入賞口31と対応する位置に入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32と対応する位置に特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223が設けられている。特定領域スイッチ222は、大当たり中に可変入賞装置32へ入賞した遊技球が特定領域に入ったことを判定するスイッチである。特定領域とはラウンドの更新可否を判定するための領域であり、Vゾーンとも称されている。カウントスイッチ223は、可変入賞装置32に入賞した遊技球の数をカウントするスイッチである。また、作動口33に対応する位置には作動口33への遊技球の入賞を検知する作動口スイッチ224が設けられ、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲート34の遊技球の通過を検知するゲートスイッチ225が設けられている。入賞口スイッチ221及びゲートスイッチ225は電気配線を通じて盤面中継基板226に接続され、特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223は大入賞口中継基板227に接続されている。そして、盤面中継基板226及び大入賞口中継基板227が主制御装置271に接続されている。作動口スイッチ224は中継基板を介さずに直接主制御装置271に接続されている。その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口の開閉扉を開放するための大入賞口ソレノイドと、入賞球を特定領域かその他の領域に振り分けるための振分板を駆動する入賞球振分板ソレノイドとが設けられ、作動口33には、それに付随する電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。
上記入賞検知機構にて各々検出された検出結果は主制御装置271に取り込まれ、該主制御装置271よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信される。そして、払出制御装置311の出力により所定数の遊技球の払出が実行されるようになっている。ここで、従来のいわゆる証拠球方式では、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行うようにしていたが、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に検知して払出が直ちに行われるようにしているため、払い出す遊技球が多量にあってもその払出をいち早く実施することが可能となるとともに、入賞球処理装置が不要となる。
集合板ユニット215には、その右上部に盤用外部端子板230が設けられている。盤用外部端子板230には、第1図柄の変動が停止(決定)する毎に信号出力するための出力端子と、大当たり中又は第1図柄の変動時間短縮中に信号出力するための出力端子と、大当たり中に信号出力するための出力端子とが設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して遊技(遊技盤30側の状態)に関する信号が出力される。盤用外部端子板230は、取り外し容易な状態で集合板ユニット215に取り付けられている。なお、図11に示すように、本体枠12裏側の左下部には、打球槌等を備えるセットハンドル228及び発射モータ229が設けられている。
集合板ユニット215には、第1制御基板ユニット201を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、この取付機構として、遊技盤30の裏面から見て左下隅部には上下方向に延びる軸受け金具231が設けられ、この軸受け金具231には同一軸線上に上下一対の軸受け孔231aが形成されている。また、遊技盤30において、軸受け金具231の右方には上下一対の被締結孔(具体的にはナイラッチの取付孔)232が設けられ、軸受け金具231の上方には係止爪片233が設けられている。
本体枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、本体枠12にはその右端部に長尺状の軸受け金具235が取り付けられている。この軸受け金具235は補強部材としても機能する。図14に示すように、軸受け金具235は遊技盤30よりも下方へ延びる長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より後方へ起立させるようにして、下部2カ所に第2制御基板ユニット202用の軸受け部237が形成されると共に、上部2カ所に裏パックユニット203用の軸受け部238が形成されている。これら軸受け部237,238にはそれぞれ同軸の軸受け孔が形成されている。なお、第2制御基板ユニット202用の軸受け部237と裏パックユニット203用の軸受け部238とを各々個別の軸受け金具で構成することも可能である。その他、第2制御基板ユニット202用の取付機構として、本体枠12には、遊技盤30設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(具体的には、ナイラッチの取付孔)239が設けられている。また、裏パックユニット203用の取付機構として、本体枠12には、遊技盤30設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(具体的には、ナイラッチの取付孔)240が設けられている。本体枠12において遊技盤30の左上方、右寄り上方及び右寄り下方の各位置には、遊技盤30との間に裏パックユニット203を挟み込んで支持するための回動式の固定具241,242,243がそれぞれ設けられている。なお、裏パックユニット203は、その上部に大量の遊技球を貯留することから、裏パックユニット203の上部を支持するための固定具241,242に関しては特に十分な強度を持つ構成とするのが望ましく、本実施の形態では回動式の固定具を用いている。
上記の如く本体枠12の左右一側部(図11では右側部)には長尺状の軸受け金具235が設けられる一方、本体枠12の左右他側部(図11では左側部)には施錠装置が設けられている。施錠装置は、上下方向に延び本体枠12に固定された基枠247と、その基枠247に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆248とを備え、基枠247の下部に前記シリンダ錠91が一体化されている。連動杆248は、シリンダ錠91の操作により上下いずれかの方向に移動する。連動杆248には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具249が設けられており、外枠11に対して本体枠12を閉鎖した際には、鉤金具249が外枠11側の支持金具(図示略)に係止され、施錠装置により施錠状態とされるようになっている。この場合、シリンダ錠91の操作によって連動杆248が上方向に移動すると、外枠11に対する本体枠12の施錠が解除される。逆に、シリンダ錠91の操作によって連動杆248が下方向に移動すると、本体枠12に対する前扉枠13の施錠が解除される。
なお、本体枠12の左右側部に軸受け金具235と施錠装置(基枠247、連動杆248等)とが振り分けられる上記構成において、これら軸受け金具235及び施錠装置(基枠247、連動杆248等)を配置するための領域を残した幅となるようにして、本体枠12に前記遊技盤30が取り付けられている。これによっても遊技領域の拡張が図られていることは前述した通りである。
本体枠12の背面における遊技盤30の右下部には、後述する払出機構より払い出される遊技球を上皿23、下皿16又は排出通路218の何れかに振り分けるための遊技球分配部245が設けられている。遊技球分配部245は、左側の開口部245aが第1排出口66を介して上皿23に通じ、中央の開口部245bが第2排出口67を介して下皿16に通じ、右側の開口部245cが排出通路218に通じるように、各通路が形成されている。遊技球分配部245は、本体枠12に対してネジ等により強固に取り付けられている。従って、遊技球分配部245の設置部位における浮き上がりが防止され、隙間から針金やフィルム等を侵入させることによる不正行為が防止できるようになっている。なお、本体枠12の下端部には、奥壁パネル17の裏側に設置されたスピーカ20の背後を囲むための合成樹脂製のスピーカボックス246が取り付けられており、スピーカボックス246がスピーカ音を後方へ逃さないように機能することで低音域の音質改善が図られている。
次に、第1制御基板ユニット201の構成を図15〜図18に基づいて説明する。図15は第1制御基板ユニット201の正面図、図16は同ユニット201の斜視図、図17は同ユニット201の分解斜視図、図18は同ユニット201を裏面から見た分解斜視図である。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、取付台251に主制御装置271と音声ランプ制御装置272とが搭載されている。主制御装置271は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックス273に収容されて構成されている。なお、基板ボックス273は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印ユニット274によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス273が封印されている。
封印ユニット274はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図16等に示すように、5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結されるようになっている。封印ユニット274による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット274を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板の不具合発生の際や主基板の検査の際など基板ボックス273を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス273の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス273に残しておけば、基板ボックス273を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
音声ランプ制御装置272は、例えば主制御装置271又は表示制御装置214からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス275に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置272上には電源中継基板276が搭載されており、電源装置313の電源が電源中継基板276を介して表示制御装置214及び音声ランプ制御装置272に供給されるようになっている。
取付台251は、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂製であり、例えば緑や青等に着色されて不透明とされている。但し、取付台251は無色透明又は半透明であってもよい。取付台251の表面には平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられている。これら基板搭載面252,253は縦横に直交する向きに延び、前後方向に段差をもって形成されている。基板搭載面252の上縁部及び下縁部にはそれぞれ、基板搭載面252より起立した起立部254が一体成形されている。そして、横長の基板搭載面252上に主制御装置271が配置されると共に、縦長の基板搭載面253上に音声ランプ制御装置272が配置される。このとき、主制御装置271は、上下の側部が起立部254にて支えられる。また、音声ランプ制御装置172は、複数箇所でネジ等により基板搭載面253に固定される。
ここで、図17及び図18に示すように、基板搭載面252には、左右2カ所に横長形状の貫通孔256が形成されている。一方、主制御装置271の基板ボックス273には、その裏面の左右2カ所に回動操作式の固定具277が設けられている。主制御装置271を基板搭載面252に搭載する際には、基板搭載面252の貫通孔256に固定具277が挿通されるように主制御基板271を載置し、その状態で固定具277を回動操作することで主制御装置271がロックされる。従って、主制御装置271は第1制御基板ユニット201の裏面側から固定具277をロック解除しなければ取り外しできないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が得られる。
また、取付台251において、主基板用の基板搭載面252の下方には、基板搭載面252の裏面空間に通じる開口を遮蔽するための遮蔽部257が設けられている。従って、基板搭載面252の下方より取付台251の裏面に手などを差し入れることが阻止され、固定具277のロック状態を不正に解除することができないようになっている。また、第1制御基板ユニット201をパチンコ機10裏面に搭載した状態では、当該ユニット201の上部が裏パックユニット203により覆われるため、やはり取付台251の裏面に手などを差し入れることが阻止され、固定具277のロック状態を不正に解除することができないようになっている。
前述した通り、第1制御基板ユニット201は、裏パックユニット203を所定角度以上に大きく開いた状態又は同ユニット203を取り外した状態でなければ取り外すことが不可能であり、また、施錠装置を正しくキー操作して外枠11に対して本体枠12を開放しなければ、裏パックユニット203を開くことができない構成となっている。つまり、本体枠12を開くことができなければ、結果的に第1制御基板ユニット201を回動させたり取り外すことができず、ひいては主制御装置271の取り外しも不可能となる。それ故、主制御装置271の不正な載せ替えや盗難等を効果的に防止することができる。
主制御装置271は、パチンコ機10裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置272はその奥側に配置される。この場合、基板搭載面252,253が前後方向に段差をもって形成されているため、これら基板搭載面252,253に主制御装置271及び音声ランプ制御装置272を搭載した状態において各制御装置271,272はその一部を前後に重ねて配置される。つまり、図16等にも見られるように、主制御装置271はその一部(本実施の形態では1/3程度)が浮いた状態で配置される。故に、主制御装置271に重なる領域まで音声ランプ制御装置272を拡張することが可能となり、また別の見方をすれば音声ランプ制御装置272に重なる領域まで主制御装置271を拡張することが可能となり、パチンコ機10という限られた大きさの中にあっても、各制御基板271,272の大型化に良好に対処できるとともに、各制御装置271,272を効率良く設置できる。また、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に装着した状態では、基板搭載面252の後方にスペースが確保され、可変入賞装置32やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。なお、基板搭載面252の裏面には格子状のリブ258が設けられており、主制御基板271の支持強度が高められている。
取付台251の左端面には上下一対の掛止ピン261が設けられており、この掛止ピン261を前記軸受け金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して回動可能に片持ち支持される。取付台251の右端部には前記被締結孔232にはめ込まれる締結具として上下一対のナイラッチ262が設けられている。取付台251の上端部には前記係止爪片233が係止される長孔263が設けられている。従って、ナイラッチ262を被締結孔232にはめ込むと共に、長孔263に係止爪片233を係止させることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定される。なお、軸受け金具231及び掛止ピン261が前記支軸部M1に、被締結孔232及びナイラッチ262が前記締結部M2に、係止爪片233及び長孔263が前記係止爪部M3に、それぞれ相当する。
次に、第2制御基板ユニット202の構成を図19〜図21に基づいて説明する。図19は第2制御基板ユニット202の正面図、図20は同ユニット202の斜視図、図21は同ユニット202の分解斜視図である。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台301を有し、取付台301に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311及び発射制御装置312は制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備している。払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われる。また、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、主として遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、主制御装置271と同様、被包手段を構成する基板ボックス315がボックスベースとボックスカバーとを備え、それらが封印手段としての封印ユニット319によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、後述する払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
取付台301は例えば無色透明な樹脂成型品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面302が設けられている。基板搭載面302には、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が横並びとなった状態で搭載され、ネジ等で固定されている。電源装置313の基板ボックス317上には略平板状の台座プレート303が載置されるとともに台座プレート303上に払出制御装置311が搭載され、ネジ等で固定されている。払出制御装置311と電源装置313との間には台座プレート303が介在するため、例えばノイズ除去用の金属プレート等を設置するには台座プレート303に金属プレート等を取り付ければ良く、ノイズ対策が簡単に実現できる。
取付台301には、パチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン305が設けられており、掛止ピン305を前記軸受け部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が本体枠12に対して回動可能に片持ち支持される。取付台301の左端部には締結具として上下一対のナイラッチ306が設けられており、ナイラッチ306を前記被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が本体枠12に固定される。なお、軸受け部237及び掛止ピン305が前記支軸部M4に、被締結孔239及びナイラッチ306が前記締結部M5に、それぞれ相当する。
次に、裏パックユニット203の構成を図22〜図24に基づいて説明する。図22は裏パックユニット203の正面図、図23は裏パックユニット203の分解斜視図である。図24はタンクレールの分解斜視図である。
裏パックユニット203は、裏パック351と遊技球の払出機構部352とが一体化されることにより構成されている。裏パック351は例えばABS樹脂等の合成樹脂により一体成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機10後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する。但し、本実施の形態では、前述の音声ランプ制御装置272も併せて囲む構成となっている。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔354a間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置214等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができるようになっている。
裏パック351のベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、タンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、タンクレール356の下流側には上下方向に延びるケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出制御装置311の制御により払出モータ358aが駆動されて必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。払出装置358より払い出された遊技球は払出通路359等を通じて前記上皿23等に供給される。なお、図示は省略するが、ケースレール357の上流部には、タンク355やタンクレール356から供給される遊技球の有無を検出するタンク球無しセンサが設けられている。また、払出装置358には、払出モータ358aの回転を検出する払出回転センサと、払い出される遊技球数をカウントする払出カウントスイッチとが設けられている。
タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が取り付けられている。バイブレータ360は、バイブモータとそのバイブモータを収容する合成樹脂製のケースとによりユニット化されており、2本の脚部360aでタンクレール356に取り付けられている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
タンクレール356の構成ついて詳述すると、図24に示すように、タンクレール356は上方に開口した長尺樋状をなすレール本体361を有している。レール本体361の上流部には球面状の球受部362が形成され、球受部362によりタンク355より落下してきた遊技球が円滑にレール本体361内に取り込まれるようになっている。レール本体361には長手方向に延びる仕切壁363が設けられており、仕切壁363により遊技球が二手に分流されるようになっている。仕切壁363により仕切られた2条の球通路は遊技球の直径よりも僅かに幅広となっている。仕切壁363により仕切られた各球通路の底面には、1筋又は2筋の突条364が設けられると共に、その突条364の側方に塵埃を落下させるための開口部365が設けられている。レール本体361には、その下流側半分程度の天井部分を覆うようにして整流板367が配設されている。整流板367は、下流側ほどタンクレール356内の球通路高さを制限するよう弓なりに反った形状をしており、その下面には長手方向に延びる凸部368が形成されている。これにより、タンクレール356内を流れる各遊技球は最終的には上下に積み重なることなく下流側に流出する。従って、タンクレール356に多量の遊技球が流れ込んできても、遊技球の噛み込みが防止され、タンクレール356内における球詰まりが発生し難くなっている。なお、レール本体361が帯電防止のために黒色の導電性ポリカーボネート樹脂により成形されるのに対し、整流板367は球詰まり等を目視で確認できるように透明のポリカーボネート樹脂により成形されている。整流板367は着脱可能に設けられており、当該整流板367を取り外すことによりタンクレール356内のメンテナンスが容易に実施できるようになっている。整流板367には、遊技球の流下を阻止するための手動式のストッパ369が取り付けられている。
図22,図23の説明に戻り、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路359に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する合成樹脂材料、例えば導電性ポリカーボネート樹脂にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
裏パック351には、その右上部に枠用外部端子板390が設けられている。枠用外部端子板390には、タンク355やタンクレール356で遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、本体枠12の開放時に信号出力するための出力端子、及び前扉枠13の開放時に信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
裏パック351には、枠用外部端子板390に隣接して略四角形状の窓部391が設けられている。従って、裏パックユニット103を本体枠12に取り付けた状態では、窓部391を通じて遊技盤30裏面の盤用外部端子板230が露出し、裏パックユニット103を装着したままで盤用外部端子板230の操作を行うことができるようになっている。前述のとおり、盤用外部端子板230は取り外し容易な状態で集合板ユニット215に取り付けられていることから、盤用外部端子板230の配線を接続したままで、窓部391を介して当該盤用外部端子板230を取り出すことも可能となる。裏パック351の右上部には本体枠12の開放の状態を検出するための本体枠開放スイッチ392が設けられており、外枠11に対して本体枠12を閉じた状態では当該スイッチ392の金属接点が閉じて本体枠12の閉鎖が検知され、外枠11に対して本体枠12を開いた状態では金属接点が開いて本体枠12の開放が検知されるようになっている。
裏パック351には、パチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン385が設けられており、掛止ピン385を前記軸受け部238に上方から挿通させることで、裏パックユニット203が本体枠12に対して回動可能に片持ち支持される。裏パック351には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止孔387が設けられており、ナイラッチ386を前記被締結孔240にはめ込むと共に、係止孔387に前記固定具242を挿入した上で当該固定具242を回動操作することで、裏パックユニット203が本体枠12に固定される。また、前記固定具241,243によっても裏パックユニット203が本体枠12に固定される。なお、軸受け部238及び掛止ピン385が前記支軸部M6に、被締結孔240及びナイラッチ386が前記締結部M7に、固定具242及び係止孔387が前記係止部M8に、それぞれ相当する。また、固定具243が前記係止部M9に相当する。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図25のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置271には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、バックアップエリア503aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリア503aへの書き込みはNMI割込み処理(図37参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理(図30参照)において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路542からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、停電の発生により停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
主制御装置271のCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、表示制御装置214や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。
払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置271のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時には、このバックアップエリア513aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリア513aへの書き込みはNMI割込み処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置271のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SG1が入力されるように構成されており、停電の発生により、NMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
払出制御装置311のCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置271、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射モータ229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータ229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18に触れていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータ229が駆動され、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
表示制御装置214は、主制御装置271から送信される図柄表示コマンドに基づいて第1図柄表示装置41における第1図柄(特別図柄)の変動表示、及び第2図柄表示装置42における第2図柄(普通図柄)の変動表示を制御するものである。但し、表示制御装置214について第1図柄の表示制御にかかる構成は後述する。またその他に、表示制御装置214は、音声ランプ制御装置272に対して制御コマンドを送信し、音声ランプ制御装置272は、表示制御装置214から受信した制御コマンドに従って各種ランプ、スピーカの制御や、センターフレーム43の可動装飾体160に配設されたシャッター機構171の駆動を制御する。
電源装置313は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置271や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置271や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置271のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置271及び払出制御装置311へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置271及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、NMI割込み処理を実行する。なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込み処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置271及び払出制御装置311は、NMI割込み処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置271及び払出制御装置311のバックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力する回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、主制御装置271及び払出制御装置311に対してRAM消去信号SG2を出力する。これにより、RAM消去スイッチ323が押された状態でパチンコ機10の電源が投入されると、主制御装置271及び払出制御装置311においてそれぞれのバックアップエリア503a,513aのデータがクリアされる。
次に、表示制御装置214について第1図柄(特別図柄)の表示制御にかかる構成を図26に基づいて説明する。
図26に示すように、表示制御装置214は、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)524、ビデオRAM525、キャラクタROM526及び入力ポート527を備えている。表示制御装置214のCPU521は、主制御装置271から送信されてくる図柄表示コマンド(停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、決定コマンド等)を入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP524の制御(具体的にはVDP524に対する内部コマンドの生成)を実施する。プログラムROM522は、CPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP524は、第1図柄表示装置41に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP524はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP524は、CPU521、ビデオRAM525等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM525に記憶される表示データを、キャラクタROM526から所定のタイミングで読み出して第1図柄表示装置41に表示させる。
ビデオRAM525は、第1図柄表示装置41に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM525の内容を書き替えることにより第1図柄表示装置41の表示内容が変更される。キャラクタROM526は、第1図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM526には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。特に、ビットマップ形式の図柄画像データにはそれぞれ図柄コード(図柄番号)が付与されており、コマンドレベルでは各図柄画像を図柄コードだけで管理可能としている。なお、キャラクタROM526を複数設け、各キャラクタROM526に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM522に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM526に記憶する構成とすることも可能である。
ここで、第1図柄表示装置41に表示される第1図柄と、同第1図柄表示装置41における表示画面上の表示内容とについて図27,図28に基づいて説明する。図27は、第1図柄たる複数の図柄を個々に示す図面である。図28は、第1図柄表示装置41の表示画面Gを示す図面であり、(a)には表示画面G内の領域区分設定と有効ライン設定とを、(b)には実際の図柄をはめ込んだ表示内容を示す。
図27の(a)〜(l)に示すように、第1図柄は、「1」〜「9」の数字を各々付した10種類の主図柄と、音符形状の絵図柄からなる2種類の副図柄とにより構成されている。詳しくは、各主図柄では、それぞれ異なる特徴が付与された9種類の猫キャラクタよりなる後方図柄の右側に「1」〜「9」の数字が付されている。但し、「4」の数字が付された主図柄は2個設けられており、この主図柄は後方図柄である猫キャラクタは同種であるが、付されている数字の色が異なっている。また、9種類の猫キャラクタの特徴の差異は、当該猫キャラクタに付された色だけでなく、外形(輪郭)や目の大きさ、形状によって設けられている。この場合において、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「高確率図柄」に相当し、当該高確率図柄が揃うことで特別遊技状態たる大当たり状態に突入し、さらにその後、高確率時の状態に移行する。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「低確率図柄」に相当し、当該低確率図柄が揃うことで大当たり状態に移行するが、かかる場合には高確率時の状態には移行しない。なお、高確率時とは、第1図柄の組み合わせが予め定められた確率変動図柄の組み合わせによって大当たりになり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確変の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない時をいう。一方、副図柄は、単純音符1つのみで表された図柄と2つの単純音符を連こうにより繋げた図柄とからなる。
次に、第1図柄表示装置41の表示画面Gについて説明する。図28の(a)に示すように、第1図柄表示装置41の表示画面Gは、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されており、各図柄列Z1〜Z3に、前述した第1図柄が規定の順序で表示される。詳細には、図柄列Z1は数字の降順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列され、各主図柄の間に2種類の副図柄が交互に1つずつ配列されている。図柄列Z3は数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列され、各主図柄の間に2種類の副図柄が交互に1つずつ配列されている。これに対して、図柄列Z2は数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で、さらに「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が配置されている。即ち、図柄列Z2のみ「4」の主図柄が2個配置されており、主図柄が10個存在する構成となっている。なお、上述したように、2個配置されている「4」の主図柄は、後方図柄である猫キャラクタは同種であるが付されている数字の色が異なっているので、「3」の主図柄と「5」の主図柄との間の「4」の主図柄であるのか、「9」の主図柄と「1」の主図柄との間の「4」の主図柄であるのかは識別可能となっている。また、図柄列Z2に配列されている副図柄は、図柄列Z1,Z3同様、各主図柄の間に交互に1つずつ配列されている。そして、表示画面Gでは、各図柄列Z1〜Z3に配列された複数の第1図柄が周期性をもって右から左へとスクロールするように変動表示される。また、表示画面Gには、各図柄列Z1〜Z3に左・中・右の3列に第1図柄が表示され、結果として3列×3列の計9個の第1図柄が表示されるようになっている。実際には、図28の(b)に示すように、表示画面Gに第1図柄の主図柄と副図柄とが合計9個表示される。
表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、左上がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、毎回の遊技に際しては、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に第1図柄の変動表示が停止され、図柄決定した時に第1図柄がいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示されるようになっている。なお、上述したように、上図柄列Z1は、9個の主図柄が降順に配列されているので、副図柄を挟んで「1」の主図柄の次に「9」の主図柄が位置する。また、下図柄列Z3は、9個の主図柄が昇順に配列されているので、副図柄を挟んで「9」の主図柄の次に「1」の主図柄が位置する。従って、図柄列Z1及び図柄列Z3において、左上がりラインL4と右上がりラインL5とに「1」の主図柄と「9」の主図柄とが停止する場合があり、この場合には高確率図柄のみによるダブルリーチとなる。そして、この場合に大当たりが発生した際には、当然に高確率図柄による大当たりとなる。これにより、上図柄列Z1及び下図柄列Z3における第1図柄の変動表示後の停止パターンのみによっても、見た目上、高確率図柄による大当たり発生の期待度が高い演出を行うことが可能となり、遊技興趣の向上が図られている。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施の形態では、主制御装置271内のCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選や第1図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図29に示すように、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、第1図柄表示装置41の大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2と、第1図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、第1図柄表示装置41の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2と、上列、中列及び下列の各外れ図柄の設定に使用する上・中・下の各外れ図柄カウンタCT,CM,CBとを用いることとしている。
このうち、カウンタC1〜C3,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタCT,CM,CBは、CPU501内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、作動口33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜676)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「337,673」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は10で、その値は「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」である。
大当たり図柄カウンタC2は、大当たりの際、第1図柄表示装置41の変動停止時の図柄を決定するものであり、本実施の形態では、第1図柄表示装置41において有効ラインが5ラインであり、特定図柄(主図柄)が10通り設定されていることから、50個(0〜49)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり図柄カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり図柄カウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。また、大当たり図柄カウンタC2の値によりシングルリーチ後の大当たりであるか、又はダブルリーチ後の大当たりであるかが決定される。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしており、例えば、C3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22〜238が完全外れに該当する。なお、リーチの抽選は、第1図柄表示装置41の抽選確率の状態や変動開始時の作動保留球数等に応じて各々個別に設定されるものであっても良い。リーチ乱数カウンタC3は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、第1図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示装置41による第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCS1,CS2のバッファ値が取得される。
上・中・下の各外れ図柄カウンタCT,CM,CBは、大当たり抽選が外れとなった時に上列第1図柄、中列第1図柄、下列第1図柄の外れ停止図柄を決定するためのものである。そして、上列第1図柄及び下列第1図柄では主図柄及び副図柄を合わせて18の第1図柄の何れかが表示されることから、各々に18個(0〜17)のカウンタ値が用意されている。一方、中列第1図柄では主図柄及び副図柄を合せて20の第1図柄の何れかが表示されることから、20個(0〜19)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCTにより上図柄列の左・中・右の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の左・中・右の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCBにより下図柄列の左・中・右の各図柄が決定される。
本実施の形態では、CPU501に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCT,CM,CBの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCT,CM,CBの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合に、上・下・外れ図柄カウンタの場合は18、中・外れ図柄カウンタの場合は20減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCT,CM,CBは更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら外れ図柄カウンタCT,CM,CBの組み合わせが、RAM503の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。そして、第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC3の値に応じて前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかのバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、不規則性を重視すれば、大当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。また、図示は省略するが、第2図柄表示装置42の抽選には第2図柄乱数カウンタC4が用いられる。第2図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球がスルーゲート34を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」である。
次いで、主制御装置271内のCPU501により実行される各制御処理を図30〜図37のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図35は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置271のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
図35において、ステップS601では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置271に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS602では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS603では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,49,238)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS604では、作動口33への入賞に伴う始動入賞処理を実行する。この始動入賞処理を図36のフローチャートにより説明すると、ステップS701では、遊技球が作動口33に入賞(始動入賞)したか否かを作動口スイッチ224の検出情報により判別する。遊技球が作動口33に入賞したと判別されると、続くステップS702では、第1図柄表示装置41の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する。作動口33への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であることを条件にステップS703に進み、作動保留球数Nを1インクリメントする。続くステップS704では、前記ステップS603で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM503の保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。そして、始動入賞処理の後、CPU501は本タイマ割込み処理を一旦終了する。
なお、遊技球が作動口33に入賞(始動入賞)した場合、それに伴い第1図柄表示装置41による第1図柄の変動表示が開始されることとなるが、始動入賞後、第1図柄が変動し図柄停止に至るまでには所定時間(例えば5秒)が経過していなければならないという制約がある。そこで、上記始動入賞処理では、始動入賞が確認された場合、各カウンタ値の格納処理(ステップS704)の後に、始動入賞後の経過時間を計るためのタイマをセットすることとしている。具体的には、上記始動入賞処理は2msec周期で実行されるため、例えば5秒の経過時間を計測するにはタイマに数値「2500」をセットし、始動入賞処理の都度、タイマ値を1ずつ減算する。このタイマ値は、その時々の各カウンタC1〜C3の値と共に、RAM503の保留球格納エリアに格納され管理される。そして、後述する第1図柄の変動パターン設定に際しては、上記タイマ値が参照され、残り時間に応じて(所定時間経過後に図柄変動が停止されるよう)変動パターンが設定されるようになっている。
図37は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置271のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に実行される。このNMI割込みにより、電源遮断時の主制御装置271の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路542から主制御装置271内のCPU501のNMI端子に出力され、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始する。図37のNMI割込み処理プログラムは、主制御装置271のROM502に記憶されている。停電信号SG1が出力された後所定時間は、主制御装置271の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされており、この所定時間内にNMI割込み処理が実行される。
NMI割込み処理において、ステップS801では使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aに退避し、続くステップS802ではスタックポインタの値を同バックアップエリア503aに記憶する。さらに、ステップS803では電源遮断の発生情報をバックアップエリア503aに設定し、ステップS804では電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する。ステップS805ではRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。ステップS806では、RAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、停電の発生等による電源遮断時の払出制御装置311の状態がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。停電信号SG1が出力された後所定時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされるのも同様である。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図37のNMI割込み処理を開始する。その内容はステップS804の電源遮断通知コマンドの送信を行わない点を除き上記説明と同様である。
図30は、主制御装置271内のCPU501により実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
メイン処理において、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置272、払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。ステップS102では、払出制御装置311に対して払出許可コマンドを送信し、続くステップS103では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS104では電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押されているか否かを判別し、続くステップS105ではRAM503のバックアップエリア503aに電源遮断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS106ではRAM判定値を算出し、続くステップS107では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323が押されていれば、RAMの初期化処理(ステップS114〜S116)に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS114〜S116)に移行する。つまり、ステップS114ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS115ではRAM503の初期化処理を実行する。また、ステップS116では割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源遮断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源遮断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS108では電源遮断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS109では電源遮断の発生情報をクリアする。ステップS110ではサブ側の制御装置を電源遮断時の遊技状態に復帰させるためのコマンドを送信し、ステップS111では使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。また、ステップS112,S113では、割込み許可/不許可を電源遮断前の状態に復帰させた後、電源遮断前の番地へ戻る。
次に、通常処理の流れを図31のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS201では、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置311に対して獲得遊技球数に対応する賞球払出コマンドを送信する。また、第1図柄表示装置41による第1図柄の変動表示に際して停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、決定コマンド等の表示コマンドを表示制御装置214に送信する。なお、第1図柄の変動開始後において、変動パターンコマンド→上図柄列の停止図柄コマンド→中図柄列の停止図柄コマンド→下図柄列の停止図柄コマンドの順で通常処理の都度1つずつ(すなわち、4msec毎に1つずつ)コマンドが送信され、変動時間経過のタイミングで決定コマンドが送信されるようになっている。
次に、ステップS202では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS203では、上図柄列、中図柄列及び下図柄列の各外れ図柄カウンタCT,CM,CBの更新を実行する。
各外れ図柄カウンタCT,CM,CBの更新処理を説明すると、図32に示すように、ステップS301では、上図柄列の外れ図柄カウンタCTの更新時期か否かを判別し、ステップS302では、中図柄列の外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。そして、上図柄列の更新時期(ステップS301がYES)であればステップS303に進み、上図柄列の外れ図柄カウンタCTを更新する。また、中図柄列の更新時期(ステップS302がYES)であればステップS304に進み、中図柄列の外れ図柄カウンタCMを更新する。さらに、下図柄列の更新時期(ステップS301,S302が共にNO)であればステップS305に進み、下図柄列の外れ図柄カウンタCBを更新する。ステップS303〜S305の外れ図柄カウンタCT,CM,CBの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が最大値を超えた場合に20を減算し、その演算結果を外れ図柄カウンタCT,CM,CBの今回値とする。上記CT,CM,CBの更新処理によれば、上図柄列、中図柄列及び下図柄列の各外れ図柄カウンタCT,CM,CBが1回の通常処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、通常処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCT,CM,CBの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップS306では、上記更新した外れ図柄カウンタCT,CM,CBの組み合わせが大当たり図柄の組み合わせになっているか否かを判別し、大当たり図柄の組み合わせである場合、そのまま本処理を終了する。大当たり図柄の組み合わせでない場合、ステップS307では、リーチ図柄の組み合わせになっているか否かを判別し、リーチ図柄の組み合わせである場合、さらにステップS308では、それが前後外れリーチであるか否かを判別する。外れ図柄カウンタCT,CM,CBが前後外れリーチの組み合わせである場合、ステップS309に進み、その時の外れ図柄カウンタCT,CM,CBの組み合わせをRAM503の前後外れリーチ図柄バッファに格納する。外れ図柄カウンタCT,CM,CBが前後外れ以外リーチの組み合わせである場合には、ステップS310に進み、その時の外れ図柄カウンタCT,CM,CBの組み合わせをRAM503の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納する。外れ図柄カウンタCT,CM,CBの組み合わせが大当たり図柄の組み合わせでなく、且つリーチ図柄の組み合わせでもない場合(ステップS306,S307が共にNOの場合)、これは外れ図柄カウンタCT,CM,CBの組み合わせが外れ図柄の組み合わせになっていることに相当し、かかる場合には、ステップS311に進み、その時の外れ図柄カウンタCT,CM,CBの組み合わせをRAM503の完全外れ図柄バッファに格納する。
外れ図柄カウンタCT,CM,CBの更新処理の後、図31のステップS204では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込む。その後、ステップS205では、第1図柄表示装置41による第1図柄の変動表示を行うための第1図柄変動処理を実行する。この第1図柄変動処理により、大当たり判定や第1図柄の変動パターンの設定などが行われる。但し、第1図柄変動処理の詳細は後述する。
その後、ステップS206では、大当たり状態である場合において可変入賞装置35の大入賞口を開放又は閉鎖するための大入賞口開閉処理を実行する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数だけ入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。このとき、遊技球が特定領域を通過したことを条件に大入賞口の連続開放を許容し、これを所定ラウンド数繰り返し実行する。
ステップS207では、第2図柄表示装置42による第2図柄(例えば「○」又は「×」の普通図柄)の表示制御を実行する。簡単に説明すると、遊技球がスルーゲート34を通過したことを条件に、その都度の第2図柄乱数カウンタC4の値が取得されると共に第2図柄表示装置42の表示部45にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2図柄乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、作動口33に付随する電動役物が所定時間開放される。なお説明は省略したが、第2図柄乱数カウンタC4も、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3と同様に、図35に示すタイマ割込み処理により更新されるようになっている。
その後、ステップS208では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS209,S210)。つまり、ステップS209では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップS210では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S207の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2についてもランダムに更新することができる。
次に、前記ステップS205の第1図柄変動処理を図33及び図34のフローチャートを参照して説明する。
第1図柄変動処理において、ステップS401では、今現在大当たり中であるか否かを判別する。なお、大当たり中には、大当たりの際に第1図柄表示装置41で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。続くステップS402では、第1図柄表示装置41による第1図柄の変動表示中であるか否かを判別する。そして、大当たり中でなくさらに第1図柄の変動表示中でもない場合、ステップS403に進み、第1図柄表示装置41の作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する。そして、大当たり中であるか、又は作動保留球数Nが0である場合、そのまま本処理を終了する。
大当たり中又は第1図柄の変動表示中の何れでもなく且つ作動保留球数N>0であれば、ステップS404に進む。ステップS404では、作動保留球数Nを1減算する。ステップS405では、保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS406では、第1図柄の変動開始処理を実行する。ここで、図34のフローチャートを用いて変動開始処理の詳細を説明すると、ステップS501では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する。大当たりか否かは大当たり乱数カウンタ値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。前述した通り通常の低確率時には大当たり乱数カウンタC1の数値0〜676のうち「337,673」が当たり値であり、高確率時には「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」が当たり値である。
大当たりであると判別された場合、ステップS502では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり図柄カウンタC2の値に対応する図柄、すなわち大当たり図柄を図示しないテーブル(大当たり図柄カウンタC2の値と図柄との対応関係を表すテーブル)に基づいて求め、その図柄を停止図柄コマンドに設定する。このとき、大当たり図柄カウンタC2の数値0〜49は、全5つの有効ライン上における50通りの大当たり図柄の何れかに対応しており、停止図柄コマンドには50通りの大当たり図柄の何れかが設定される。これらの大当たり図柄のうち予め定められた特定図柄で揃った場合には以後確変状態に移行するが、特定図柄でない図柄(非特定図柄)で揃った場合には確変状態に移行しない。
次に、ステップS503では、大当たり図柄で停止するまでの第1図柄の変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて後述するノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムパターンや再変動等の表示演出種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様を決定する。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値と表示演出種別との関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と停止図柄時間との関係は、それぞれにテーブルにより予め規定されている。但し、シングルリーチが発生する遊技回とダブルリーチが発生する遊技回とで異なる演出等を行うべく、上記テーブルは、シングルリーチ後の大当たりの場合と、ダブルリーチ後の大当たりの場合とで異なっている。これは、後述する前後外れリーチの場合及び前後外れ以外リーチの場合も同様である。また、両変動種別カウンタCS1,CS2の値により、センターフレーム43に配設された可動装飾体160によるプレミアムパターン3を行うか否かが決定される。なお、上記変動パターンは、第2変動種別カウンタCS2の値を使わずに第1変動種別カウンタCS1の値だけを用いて設定することも可能であり、第1変動種別カウンタCS1の値だけでパターン設定するか又は両変動種別カウンタCS1,CS2の両値でパターン設定するかは、その都度の第1変動種別カウンタCS1の値や遊技条件などに応じて適宜決められるようになっている。これは、後述する前後外れリーチ表示、前後外れ以外リーチ表示、完全外れ表示を行う場合における変動パターンの設定でも同様である。
ステップS501で大当たりではないと判別された場合には、ステップS504で、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値に基づいてリーチ発生か否かを判別し、リーチ発生の場合、さらにステップS505で、同じくリーチ乱数カウンタC3の値に基づいて前後外れリーチであるか否かを判別する。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3の値は0〜238の何れかであり、そのうち「0,1」が前後外れリーチに該当し、「2〜21」が前後外れ以外リーチに該当し、「22〜238」がリーチなし(完全外れ)に該当する。
前後外れリーチ発生の場合、ステップS506に進み、RAM503の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている上・中・下の各外れ図柄カウンタCT,CM,CBの各値を停止図柄コマンドに設定する。また、ステップS507では、前後外れリーチ表示のための変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、前記ステップS503と同様に、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて後述するノーマルリーチ、スーパーリーチ等の表示演出種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様を決定する。
前後外れ以外リーチ発生の場合、ステップS508に進み、RAM503の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている上・中・下の各外れ図柄カウンタCT,CM,CBの各値を停止図柄コマンドに設定する。また、ステップS509では、前後外れ以外リーチ表示のための変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて表示演出種別や変動パターンが決定されるのは前記ステップS503等と同様である。
大当たりでなくリーチでもない場合、ステップS510に進み、RAM503の完全外れ図柄バッファに格納されている上・中・下の各外れ図柄カウンタCT,CM,CBの各値を停止図柄コマンドに設定する。また、ステップS511では、完全外れ表示のための変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて変動パターンが決定されるのは前記ステップS503等と同様である。上記の通り大当たり時、リーチ発生時、リーチ非発生時のいずれかで図柄停止コマンド及び変動パターンコマンドの設定が完了すると、本処理を終了する。
図33の説明に戻り、ステップS402がYES、すなわち第1図柄の変動表示中である場合には、ステップS407に進み、変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、第1図柄の変動パターンに応じて当該第1図柄の変動時間が決められており、この変動時間が経過した時にステップS407が肯定判別される。そして、ステップS408では、停止図柄の決定のために設定されている決定コマンドを設定し、その後本処理を終了する。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。図38は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
まず、ステップS901では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。また、ステップS902では、主制御装置271から送信される払出許可コマンドを受信するまで待機する。そして、払出許可コマンドを受信した時点でステップS903に進んでRAMアクセスを許可すると共に、ステップS904で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、CPU511内のRAM513に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS905では電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押されているか否かを判別し、続くステップS906ではRAM513のバックアップエリア513aに電源遮断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS907ではRAM判定値を算出し、続くステップS908では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
RAM消去スイッチ323が押されていれば、RAMの初期化処理(ステップS915〜S918)に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM513の初期化処理(ステップS915〜S918)に移行する。つまり、ステップS915ではRAM513の全領域を0にクリアし、続くステップS916ではRAM513の初期化処理を実行する。また、ステップS917ではCPU周辺デバイスの初期設定を行うと共に、ステップS918では割込み許可を設定し、後述する払出制御処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源遮断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源遮断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS909では電源遮断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS910では電源遮断の発生情報をクリアする。また、ステップS911ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS912では使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS913,S914では、割込み許可/不許可を電源遮断前の状態に復帰させた後、電源遮断前の番地へ戻る。
次に、払出制御処理の流れを図39のフローチャートを参照しながら説明する。
図39において、ステップS1001では、主制御装置271からのコマンドを取得し、賞球の総賞球個数を記憶する。ステップS1002では、発射制御装置312に対して発射許可の設定を行う。また、ステップS1003では、状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。
その後、ステップS1004では、下皿16の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿16の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS1005では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS1006では、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する。
ステップS1007〜S1009では、賞球払出の処理を実行する。この場合、賞球の払出不可状態でなく且つ前記ステップS1001で記憶した総賞球個数が0でなければ(ステップS1007,S1008が共にNO)、ステップS1009に進み、図40に示した後述する賞球制御処理を開始する。また、賞球の払出不可状態又は総賞球個数が0であれば(ステップS1007,S1008の何れかがYES)、ステップS1010〜S1012の貸球払出の処理に移行する。
貸球払出の処理において、貸球の払出不可状態でなく且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(ステップS1010がNO、S1011がYES)、ステップS1012に進み、図41に示した後述する貸球制御処理を開始する。また、貸球の払出不可状態又は貸球払出要求を受信していなければ(ステップS1010がYES又はS1011がNO)、後続の球抜きの処理を実行する。
ステップS1013では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS1014では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本払出制御処理の先頭に戻る。
ここで、図40に示す賞球制御処理において、ステップS1101では、払出モータ358aを駆動させて賞球の払出を実行する。続くステップS1102では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1103に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図39の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1104に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1105に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図39の払出制御処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1106に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1107で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図39の払出制御処理に戻る。
また、図41に示す貸球制御処理において、ステップS1201では、払出モータ358aを駆動させて貸球の払出を実行する。続くステップS1202では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1203に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図39の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1204に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1205に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図39の払出制御処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1206に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1207で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図39の払出制御処理に戻る。
次に、表示制御装置214による表示制御の具体的手順について概説する。図42は、表示制御装置214内のCPU521により実行される表示制御処理を示すフローチャートである。CPU521は、図42に示す手順に従って主制御装置271から提供される各種コマンドを処理しつつ第1図柄表示装置41の表示制御を実行する。
図42において、先ずステップS1301では、主制御装置271から表示コマンドを受信したか否かを判別する。ステップS1301がNOの場合、何らかのコマンドを受信するまで待機する。そして、表示コマンドを受信すると、ステップS1302に進み、その表示コマンドの内容をワークRAM523に格納する。続いてステップS1303では、ワークRAM523に格納された情報に基づき、VDP524に対する内部コマンドを生成する等の各種の演算処理を開始する。内部コマンドは、変動表示の開始から終了までの一連の表示演出を指定するためのコマンドであり、ワークRAM523に格納された情報に基づいてその都度必要な内部コマンドが生成される。この場合に、表示コマンドに後述する演出用キャラクタを用いた予告演出やリーチ演出を行う旨のコマンドが含まれている場合には、そのコマンドに応じた表示演出を行う旨の内部コマンドが生成される。特に、後述する再変動を行う旨のコマンドが表示コマンドに含まれている場合には、まず再変動を行う前に一旦停止表示させる大当たり図柄の組合せの種類を決定し、この決定した大当たり図柄の組合せを停止表示させるまでの態様を設定する内部コマンドと再変動の態様を追加すべく設定する内部コマンドとが生成される。なお、ここで決定される再変動を行う前に一旦停止表示させる大当たり図柄の組合せの種類は、同一の偶数図柄の組合せに限られる。仮に、同一の偶数図柄の組合せが最終的に停止表示される遊技回において、再変動を行う前に同一の奇数図柄の組合せを停止表示させると、一旦確変状態となる大当たりが発生したと喜んだ遊技者を失望させることとなり、その後の遊技続行の意思を消失させるおそれがあるからである。そして、以上のように内部コマンドが生成されると、VDP524は、CPU521からの指令(内部コマンド)に応じて描画処理を行い、第1図柄表示装置41での図柄の変動表示を開始する。またこのとき、CPU521は、その都度の表示演出に同期させながら、音声類、ランプ類を駆動するための制御コマンドを動作させるための制御コマンドを音声ランプ制御装置272に対して送信する。これにより、音声ランプ制御装置272は、CPU521からの制御コマンドに従って音声類、ランプ類を駆動させる。なお、表示コマンドを一旦受信するとその後に決定コマンドを受信するまでの間、CPU521とVDP524との協働のもとに図柄の変動表示が継続される。その間、CPU521は、VDP524の制御と図42に示すコマンド受信処理とを並行して行う。音声ランプ制御装置272における制御も同様である。
その後、ステップS1304では、主制御装置271から決定コマンドを受信したか否かを判別する。そして、決定コマンドを受信したことを条件にステップS1305に進み、VDP524に対して停止図柄での決定表示を指示する。これにより、VDP524は変動していた図柄を停止図柄で決定表示させる。こうして、図柄の変動開始から変動停止(決定表示)までの一連の表示処理が行われる。表示制御装置214は、図柄の変動開始時及び変動停止時に主制御装置271によるコントロールを受けるが、その間の図柄や演出用キャラクタの継続的な変動については、表示制御装置214内のCPU521及びVDP524による自立的な画像制御によって担保される。
また、表示制御装置214においては、上述した表示制御処理と並行してシャッター機構制御処理を行う。このシャッター機構制御処理について図43を用いて以下に説明する。図43は、表示制御装置214内のCPU521により実行されるシャッター機構制御処理を示すフローチャートである。
図43において、先ずステップS1401では、第1図柄表示装置41の表示態様が大当たり中であるかを判別する。ステップS1401がYESの場合には、そのまま本処理を終了する。ステップS1401がNOの場合には、ステップS1402に進み、第1図柄表示装置41の表示態様がリーチ中であるかを判別する。ステップS1402がNOの場合には、ステップS1403に進み、前回駆動信号を出力させる旨のコマンドを出力してから15sec経過したかを判別する。具体的には、15sec経過したかどうかを判別するために表示制御装置214に設けられた15sec計測用タイマの値が0であるかどうかを判別する。そして、15sec経過していた場合(15sec計測用タイマが0の場合)には、ステップS1404に進み、判別フラグがセットされているかどうかを判別する。その結果、判別フラグがセットされていた場合には、ステップS1405において駆動信号を1回出力する旨のコマンドを音声ランプ制御装置272に対して出力する。これにより、音声ランプ制御装置272は、シャッター機構171のソレノイド178に対して駆動信号を1回出力し、可動装飾体160の瞬きが1回発生することとなる。その後、ステップS1406において、判別フラグを消去し、さらに15sec計測用タイマをセットした後に本処理を終了する。一方、判別フラグがセットされていなかった場合には、ステップS1407において駆動信号を2回出力する旨のコマンドを音声ランプ制御装置272に対して出力する。これにより、音声ランプ制御装置272は、シャッター機構171のソレノイド178に対して駆動信号を2回出力し、可動装飾体160の瞬きが2回発生することとなる。その後、ステップS1408において、判別フラグをセットし、さらに15sec計測用タイマをセットした後に本処理を終了する。このように、通常時におけるシャッター機構171の動作制御は、判別フラグがセットされているかどうかにより、駆動信号を1回出力するか2回出力するかが決定される。また、この判別フラグは駆動信号を出力する旨のコマンドが出力される度にセットされたり消去されたりするので、駆動信号の1回の出力と、駆動信号の2回の出力とが交互に発生することとなる。
一方、ステップS1402がYESの場合、即ち、第1図柄表示装置41の表示態様がリーチ中のときには、ステップS1409に進み、ワークRAM523に格納されている表示コマンドに、後述するプレミアムパターン3を行う旨の演出用コマンドが含まれているかを判別する。その結果、演出用コマンドが含まれていた場合には、ステップS1410においてプレミアムパターン3として駆動信号を出力するタイミングを計測すべく、表示制御装置214に設けられた演出用タイマを所定時間にセットする。このセットされる所定時間は、表示制御装置214に設けられた図柄の変動時間を制御するための図柄変動タイマの値を参照することにより決定され、この演出用タイマをセットする時点からプレミアムパターン3として駆動信号を出力する時点までの時間が所定時間となる。その後、ステップS1411では、所定時間経過したかどうかを判別する。ステップS1411において所定時間経過していないと判別された場合には、再度ステップS1411において所定時間経過したかどうかを判別する。即ち、所定時間経過するまではステップS1411に待機することとなる。そして、所定時間経過した場合には、ステップS1412に進み、音声ランプ制御装置272に対して駆動信号を出力する旨のコマンドを出力し、本処理を終了する。これにより、音声ランプ制御装置272は、シャッター機構171のソレノイド178に対して駆動信号を1回出力し、可動装飾体160の瞬きが1回発生することとなる。
ここで、表示制御装置214にて生成される第1図柄表示装置41の表示に関する内部コマンドの概略について図44を用いて説明する。図44は、プログラムROM522に記憶されている内部コマンドの基本構造を示す概略図である。表示制御装置214のCPU521は、主制御装置271から表示コマンド(変動パターンコマンド)を受信すると、その表示コマンドに応じて内部コマンドを決定し、当該内部コマンドに含まれる変動制御データを順次出力する。
図44において、内部コマンドの変動制御データは、大別して通常変動データ群D1と、ノーマルリーチデータ群D2と、スーパーリーチデータ群D3と、再変動データ群D4とを有してなり、変動開始後は、先ず通常変動データ群D1の各データが順次出力され、その後、ノーマルリーチ発生時にはノーマルリーチデータ群D2の各データが順次出力され、スーパーリーチ発生時にはスーパーリーチデータ群D3の各データが順次出力され、再変動発生時には再変動データ群D4の各データが順次出力される。詳しくは、図柄の通常変動に際し、変動背景表示データ、通常変動効果音データ、通常変動LEDデータ、通常変動データ1,2,・・・nが規定のタイミングで順次出力される。ノーマルリーチ発生時には、ノーマルリーチ効果音データ、ノーマルリーチLEDデータ、ノーマルリーチデータ1,2,・・・nが規定のタイミングで順次出力される。スーパーリーチ発生時には、スーパーリーチ効果音データ、スーパーリーチLEDデータ、スーパーリーチデータ1,2、予告選択データ、キャラクタ表示データ、スーパーリーチデータ3,・・・nが規定のタイミングで順次出力される。再変動発生時には、再変動背景表示データ、再変動効果音データ、再変動LEDデータ、再変動データ1,2,・・・nが規定のタイミングで順次出力される。上記各データの出力は、終了データが出力されるまで継続される。なお、予告選択データは、予告用乱数による抽選結果に基づいて出力される。さらに、キャラクタ表示が行われないスーパーリーチの場合には、キャラクタ表示データの出力は行われない。
かかる場合、各背景表示データ、通常変動データ、各リーチデータ、予告選択データ及び再変動データはVDP524に対して出力され、各背景表示データ、予告選択データ及びキャラクタ表示データに基づいて、その都度該当する背景、予告図柄及びキャラクタが表示画面Gに表示される。また、通常変動データ、各リーチデータ及び再変動データに基づいて、その都度該当する変動パターンが規定の時間ルール(変動速度、時間等)に即して表示画面Gに表示される。その他、効果音データ、LEDデータは音声ランプ制御装置272に対して出力され、各データに基づいて、音声類、ランプ類(LED)による補助演出等が適宜行われる。また、シャッター機構171を制御するためのデータは、表示制御とは別に、上述したようなシャッター機構制御において出力される。
なお、終了データが出力されたことは、第1図柄の副図柄である音符図柄の色の変化により報知される。従来の構成では、図柄等の動きが停止表示されることなどにより終了データが出力されたことが報知されていたが、この場合、図柄等の動きが突然停止するので遊技の連続性が寸断されることとなり遊技者に違和感を与えていた。しかし、本実施の形態であれば、色の変化により報知できるので遊技者に違和感を与えない。さらに言うと、色の変化により報知されるので、終了データが出力されたことを遊技者に明確に認識させることができる。
次に、表示制御装置214による表示制御において、リーチ発生に際して実際にどのような表示が行われるかを具体例を挙げて説明する。図45〜図49には、各種リーチパターンでの第1図柄表示装置41の表示画面を示す表示例を示す。ここでは、パターン1〜パターン5まで5種類のリーチパターンを例示しており、このうちパターン1はノーマルリーチと称されるリーチパターンであり、パターン2〜パターン5はスーパーリーチと称されるリーチパターンである。
図45に示すパターン1では、図柄列Z1及び図柄列Z3の第1図柄の左右方向の変動表示(以下、スクロール変動と称する)が停止され、図柄列Z1及び図柄列Z3の停止表示されている図柄が同一の組合せとなりリーチが発生している。そして、当該状況下において、リーチ演出用のキャラクタは表示されることなく、いわゆるリーチ変動(待機状態変動)としての図柄列Z2の第1図柄(以下、最終停止図柄と称する)のスクロール変動が行われる。
図46に示すパターン2では、図柄列Z1及び図柄列Z3の第1図柄のスクロール変動が停止され、図柄列Z1及び図柄列Z3のそれぞれに停止表示されている1の図柄が同一の組合せとなりシングルリーチが発生している。そして、当該シングルリーチが発生している状況下において、リーチ演出用のキャラクタ(図では葉が生い茂った木キャラクタ)がリーチとなっている有効ラインの上下に渡って表示され、その表示状態で最終停止図柄のスクロール変動が行われる。このパターン2は、シングルリーチとなったときにのみ発生し、ダブルリーチとなったときには発生しない。
図47に示すパターン3では、図柄列Z1及び図柄列Z3の第1図柄のスクロール変動が停止され、図柄列Z1及び図柄列Z3のそれぞれに停止表示されている1の図柄が同一の組合せとなりシングルリーチが発生している。そして、当該シングルリーチが発生している状況下において、リーチ演出用のキャラクタ(図では猫ジャラシキャラクタ)が表示され、その表示状態で最終停止図柄のスクロール変動が行われる。なお、当該リーチ演出用のキャラクタは、その一部がリーチとなっている有効ラインと重なるように表示される。このパターン3は、パターン2と同様に、シングルリーチとなったときにのみ発生し、ダブルリーチとなったときには発生しない。
図48に示すパターン4では、図柄列Z1及び図柄列Z3の第1図柄のスクロール変動が停止され、図柄列Z1及び図柄列Z3のそれぞれに停止表示されている2の図柄が同一の組合せとなりシングルリーチが発生している。そして、当該ダブルリーチが発生している状況下において、リーチ演出用のキャラクタ(図では女の子キャラクタ)が表示画面Gの中央に表示され、その表示状態で最終停止図柄のスクロール変動が行われる。このパターン4は、ダブルリーチとなったときにのみ発生し、シングルリーチとなったときには発生しない。
図49に示すパターン5では、図柄列Z1及び図柄列Z3の第1図柄のスクロール変動が停止され、図柄列Z1及び図柄列Z3のそれぞれに停止表示されている2の図柄が同一の組合せとなりシングルリーチが発生している。そして、当該ダブルリーチが発生している状況下において、リーチ演出用のキャラクタ(図では男の子キャラクタ)が表示画面Gの中央に表示され、その表示状態で最終停止図柄のスクロール変動が行われる。このパターン5は、パターン4と同様に、ダブルリーチとなったときにのみ発生し、シングルリーチとなったときには発生しない。なお、パターン5が発生した場合には、常に当該遊技回において高確率図柄での大当たりが発生することとなる。さらに、パターン5で大当たりが発生したときには、大当たり変動中に、他のパターンで大当たりが発生した場合とは異なる歌付きの音楽がスピーカ20より出力される。
以上のように、シングルリーチ発生時とダブルリーチ発生時とで演出の態様を変化させることにより、表示態様の画一化を防止することができる。また、ダブルリーチ発生時に、遊技者が感じる大当たり発生への期待度を最適に引き出すことができる。即ち、遊技者は、ダブルリーチが発生すると、シングルリーチが発生した場合に比べ大当たりが発生する確率が2倍になったと直感する。この場合に、シングルリーチが発生した場合とは異なる演出を行うことにより、遊技者はより大当たり発生の可能性が高いと感じることとなり、大当たりの発生をより期待することとなる。
また、上記リーチパターンの内、スーパーリーチであるパターン2〜パターン5は、必ず予告演出を経由して発生する。この予告演出は2種類有り、それぞれの予告演出について図50及び図51を用いて説明する。なお、以下の説明では便宜上、前述した主図柄を各々に付された数字番号で記述することとし、具体的にはそれぞれ「1」図柄、「2」図柄、「3」図柄、・・・「9」図柄と記述する。また、上下の図柄列Z1,Z3に一旦停止した主図柄が同一である場合、この上下に停止している図柄を結んだラインをリーチラインと記述する。また必要に応じて、前記図28で説明した、表示画面G及び図柄列Z1〜Z3等の用語を用いることとする。
図50(a)に示すように、予告演出の一方では、リーチライン上の上下に停止している「9」図柄の周囲に、擬音が記載された吹き出しやハートマークなどが表示される。なお、上に停止している「9」図柄と下に停止している「9」図柄とで予告演出の態様が異なる。具体的には、上に停止している「9」図柄には「ふぁー」という擬音が記載された吹き出しのみが表示されるのに対して、下に停止している「9」図柄には「スリスリ」という擬音が記載された吹き出しと共にハートマークが表示される。この際、上下に停止している「9」図柄は、小刻みに動いているように表示される。また、図50(b)に示すように、2本の有効ラインにリーチラインが存在するダブルリーチの場合においても同様であり、それぞれのリーチライン上の上下の図柄で、吹き出しに記載された擬音の内容やハートマークの有無が異なるように表示される。
一方、図51に示すように、もう一方の予告演出では、表示画面Gの全体を占める程度の大きさの巨大猫キャラクタが、表示画面Gの下から上へと通過するように表示される。具体的には、図51(a)に示すように、まず顔周辺を前方に向けた状態で遊技者に向かって笑いかけているかのように所定時間表示される。この際、遊技者は背景画面や第1図柄をほとんど視認することができない。その後、図51(b)に示すように、巨大猫キャラクタは上方へと移動するように変動表示され、この移動に伴い遊技者は除々に背景画面や第1図柄を視認することができるようになる。
なお、上述した2種類の予告演出で大当たり発生への期待度が異なり、巨大猫キャラクタが出現する方が大当たり発生の期待度が高い構成となっている。
次に、上記各パターン1〜パターン4の各リーチについて、図柄の変化を時系列的に図示しながらより詳しく説明する。なお、上記パターン5は、パターン4における女の子キャラクタが男の子キャラクタに変更される以外には、表示態様に差異がないので説明は省略する。
前記図45に示したパターン1のリーチパターンを、図52(a)〜(d)の一連の表示態様に基づいて詳細に説明する。
まず(a)では、表示画面Gにおいて、各図柄列Z1〜Z3の第1図柄が通常変動した後に図柄列Z1及び図柄列Z3のスクロール変動が一旦停止し、リーチラインLa1上で「3」図柄のシングルリーチが発生する。このリーチラインLa1は、前記図28で説明した右ラインL3と対応している。
ここで、図示のように垂直ラインでリーチ表示がなされる場合、上下の図柄列Z1,Z3において「3」図柄はリーチ表示の対象となるが、それ以外の図柄はリーチ表示の対象とならない。そこで、リーチ発生時には、リーチ対象外の図柄に関して半透明化の処理が施される(図では「3」図柄以外の「2」図柄、「4」図柄、音符形状の副図柄に対して半透明化の処理が施されている)。これにより、リーチ表示以外の図柄が薄色でぼんやりと表示されるのに対し、リーチ表示図柄が強調表示されるようになっている。なお、図示による説明は省略するが、前記図28で説明した左上がりラインL4及び右上がりラインL5のクロスラインにリーチラインが存在するダブルリーチの場合には、リーチ表示とは無関係な図柄(この場合は副図柄)についてはやはり半透明化の処理が施されている。この処理は、後述する他のリーチについても同様である。
その後、(b)及び(c)に示すように、最終停止図柄がスクロール変動されている過程で、最終停止図柄のうちリーチとなっている図柄(この場合、「3」図柄)が表示画面G内を通過するときは、上下に停止している「3」図柄の猫キャラクタの目が表示画面G内を通過している「3」図柄を追いかけるように表示される。この猫キャラクタの目による演出は、「3」図柄が表示画面G内に表示されることにより開始され、「3」図柄が表示画面G内に表示されなくなることにより停止される。これにより、最終停止図柄のリーチに対応した図柄がリーチラインLa1上に近づいていること及び当該図柄がリーチラインLa1上を通過してしまったことをリーチラインLa1上の上下に停止している図柄により遊技者に対して報知することが可能となる。また、最終停止図柄のスクロール変動に対応させてリーチラインLa1上に停止している図柄に動きが与えられていることにより、リーチ変動中における表示画面Gの表示態様が単調となるのを防止することができる。さらに、目で追うという猫キャラクタとしての特徴が表現されているので、主図柄を単なる数字が付された図柄としてではなく個性的な特徴を有する猫キャラクタとしての図柄として遊技者に認識させることができ、遊技者の視線が比較的集中し易い数字図柄だけでなくキャラクタ図柄を含めた図柄全体に視線を向けさせることができる。なお、図示による説明は省略するが、前記図28で説明した左上がりラインL4及び右上がりラインL5のクロスラインにリーチラインが存在するダブルリーチの場合、それぞれの図柄で上記演出が行われる。即ち、左上がりラインL4でリーチになっている最終停止図柄が表示画面G内を通過するときは、左上がりラインL4の上下に停止している図柄で上記演出が行われ、右上がりラインL5でリーチになっている最終停止図柄が表示画面G内を通過するときは、右上がりラインL5の上下に停止している図柄で上記演出が行われる。この演出は当該ノーマルリーチだけでなく、他のスーパーリーチにおいても同様に発生する。
また、本実施の形態の場合、最終停止図柄のリーチに対応した図柄(この場合、「3」図柄)がリーチラインLa1上を通過する度に、それぞれの図柄に対応した所定の音声がスピーカ20より出力される。具体的には、最終停止図柄の「3」図柄がリーチラインLa1上を通過した際は、当該「3」図柄に対応した所定の音声が出力される。そして、このリーチ変動中における音声は、「1」〜「9」の図柄に対して個別に設定されているので9種類存在する。これにより、視覚のみならず聴覚からも各図柄の特色を遊技者に認識させることが可能となり、遊技者の視線を図柄に向けさせることが可能となる。また、リーチとなっている図柄がリーチラインLa1上を通過する度にその旨が音声にて報知されるので、表示画面Gを仮に遊技者が見ていなくとも音声からどの図柄でリーチが発生しているか及びリーチとなっている図柄がリーチラインLa1上を現在通過していることを教示することが可能となる。
そして、(d)に示すように、リーチラインLa1上に最終停止図柄のリーチとなっている図柄(この場合、「3」図柄)が停止表示された場合、大当たりとなった上・中・下段の図柄が揃ってその場で3回飛び跳ねるように表示される。これにより、大当たりとなった旨が報知される。但し、リーチラインLa1上に最終停止図柄のリーチとなっている図柄(この場合、「3」図柄)が停止しなかった場合には、図柄が飛び跳ねるといった表示演出は発生しない。なお、本実施の形態では、最終停止図柄のリーチとなっている図柄(この場合、「3」図柄)が、リーチラインLa1上を通過する手前の位置又はリーチラインLa1上を通過した直後の位置にあるときに一旦スクロール変動が停止され、その後、最終停止図柄のみが右から左又は左から右にスクロールされ、リーチとなっている図柄がリーチラインLa1上に移動し大当たりが発生する場合がある。これは、他のリーチパターンにおいても同様に発生する。
また、リーチラインLa1上にリーチとなっている図柄(この場合、「3」図柄)が停止し大当たりが発生した際には、その大当たりとなった図柄に対応した所定の音声がスピーカ20より出力される。具体的には、「3」図柄で大当たりが発生した際には、当該「3」図柄に対応した所定の音声が出力される。そして、この大当たり発生時における音声は、「1」〜「9」の図柄に対して個別に設定されているので9種類存在する。これにより、視覚のみならず聴覚からも各図柄の特色を遊技者に認識させることが可能となり、遊技者の視線を図柄に向けさせることが可能となる。また、大当たり発生時にその旨が音声にて報知されるので、表示画面Gを仮に遊技者が見ていなくとも音声からどの図柄で大当たりが発生したかを教示することが可能となる。また、高確率図柄で大当たりが発生した際には当該高確率図柄に対応した音声が出力されるので、その旨を周囲の遊技者も知ることとなり、大当たりが発生した遊技者を優越感に浸らせることができる。
次に、前記図46に示したパターン2のリーチパターンを、図53(a)〜(d)の一連の表示態様に基づいて詳細に説明する。
(a)では、表示画面Gにおいて、各図柄列Z1〜Z3の第1図柄が通常変動した後に図柄列Z1及び図柄列Z3のスクロール変動が一旦停止し、リーチラインLb1上でシングルリーチが発生する。リーチラインLb1では上下の図柄が「9」図柄となっている。このリーチラインLb1は、前記図28で説明した中ラインL2と対応している。そして、(b)で示すように、上述した予告演出の一方が発生する。この場合、巨大猫キャラクタによる予告演出が発生する。なお、この際、巨大猫キャラクタによる予告演出の代わりに、吹き出しやハートマークによる予告演出が発生することもある。
その後(c)では、葉が生い茂った木キャラクタが表示画面Gの中央の上下に渡って表示される。但し、第1図柄が視認できるように、当該木キャラクタは第1図柄の後方に位置する。また、他の有効ラインにおいてリーチラインが形成される場合には、そのリーチライン上の第1図柄の後方に木キャラクタが表示されることとなる。当該木キャラクタが表示された後、最終停止図柄のスクロール変動の態様が変化する。具体的には、最終停止図柄は、表示画面Gの左右両端に位置するときは上下に停止している図柄と同じ大きさであるが、木キャラクタの前方を通過するときは拡大表示され、リーチラインLb1上に停止表示されている図柄よりも大きくなりながらスクロール変動する。そして、(d)に示すように、リーチラインLb1上に最終停止図柄のリーチとなっている「9」図柄が停止表示された場合、木キャラクタが表示画面Gの下方へと消えていくように表示されるのと共に、大当たりとなった上・中・下段の図柄が揃ってその場で3回飛び跳ねるように表示される。これにより、大当たりが発生した旨が報知される。なお、リーチラインLb1上に最終停止図柄のリーチとなっている「3」図柄が停止しなかった場合には、木キャラクタが表示画面Gの下方へと消えていくのみで、図柄が飛び跳ねるといった表示演出は発生しない。
次に、前記図47に示したパターン3のリーチパターンを、図54(a)〜(d)及び図55(a),(b)の一連の表示態様に基づいて詳細に説明する。
図54(a)では、表示画面Gにおいて、各図柄列Z1〜Z3の第1図柄が通常変動した後に図柄列Z1及び図柄列Z3のスクロール変動が一旦停止し、リーチラインLc1上でシングルリーチが発生する。リーチラインLc1では上下の図柄が「1」図柄となっている。このリーチラインLc1は、前記図28で説明した中ラインL2と対応している。そして、図54(b)で示すように、上述した予告演出の一方が発生する。この場合、上下の「1」図柄の周囲に擬音が記載された吹き出しやハートマークが表示される。なお、この際、吹き出しやハートマークによる予告演出の代わりに、巨大猫キャラクタによる予告演出が発生することもある。
その後、図54(c)で示すように、猫ジャラシキャラクタが表示画面Gの左下から中央にかけて表示される。具体的には、この猫ジャラシキャラクタは、その左側が細い茎の部分となっており、その右側が少なくとも1の図柄の大部分を隠すことができる程度の大きさの花穂の部分となっている。そして、花穂の部分は、リーチラインLc1上であって、図柄列Z2上の領域と重なるように表示される。なお、他の有効ラインにおいてリーチラインが形成される場合には、そのリーチライン上に花穂の部分が位置するように表示される。この猫ジャラシキャラクタが表示された時点では、当該猫ジャラシキャラクタは上・中・下段すべての第1図柄の手前側に位置するかのように表示されている。これにより、遊技者に猫ジャラシキャラクタの出現を明確に認識させることができる。一方、最終停止図柄のスクロール変動は、猫ジャラシキャラクタが表示された直後に高速となり、その後、低速に切り替えられる。この間、猫ジャラシキャラクタの花穂の部分は、最終停止図柄の変動に合せて、表示画面Gの中段付近を中心軸線としてリーチラインLc1上を上下に往復動するように変動表示される。但し、花穂の部分が表示画面Gの中段付近よりも上側又は下側に表示された場合であっても、リーチラインLc1上の上・下に停止表示されている主図柄の全体が猫ジャラシキャラクタにより隠されることはない。これにより、遊技者は常にリーチラインLcを形成している主図柄の種類を認識することができる。
そして、図54(d)で示すように、最終停止図柄が顔を下に向けて屈んだ状態でスクロール変動しだすのに合せて、猫ジャラシキャラクタは最終停止図柄の奥側に位置するかのように表示されることとなる。但し、上下に停止している図柄よりは手前側に位置するかのように表示される。これにより、遊技者に猫ジャラシキャラクタの動きとスクロール変動する最終停止図柄の全体とを同時に視認させることができる。なお、図55(a)で示すように、顔を下に向けて屈んだ状態でスクロール変動している最終停止図柄は、リーチラインLc1上を通過するタイミングで猫ジャラシキャラクタが下向きに表示されるのに合せて、当該猫ジャラシキャラクタに向けて飛び掛るようにスクロール変動する。そして、図55(b)に示すように、リーチラインLc1上に最終停止図柄の「1」図柄が停止表示された場合、猫ジャラシキャラクタが表示画面Gの左方へと消えていくように表示されるのと共に、大当たりとなった上・中・下段の図柄が揃ってその場で3回飛び跳ねるように表示される。これにより、大当たりが発生した旨が報知される。なお、リーチラインLc1上に最終停止図柄の「1」図柄が停止しなかった場合には、猫ジャラシキャラクタが表示画面Gの左方へと消えていくのみで図柄が飛び跳ねるといった表示演出は発生しない。
次に、前記図48に示したパターン4のリーチパターンを、図56(a)〜(d)の一連の表示態様に基づいて詳細に説明する。
(a)では、表示画面Gにおいて、各図柄列Z1〜Z3の第1図柄が通常変動した後に図柄列Z1及び図柄列Z3のスクロール変動が一旦停止し、リーチラインLd1,Ld2上でダブルリーチが発生する。リーチラインLd1では上下の図柄が「4」図柄となり、リーチラインLd2では上下の図柄が「3」図柄となっている。これらリーチラインLd1,Ld2は、前記図28で説明した左上がりラインL4及び右上がりラインL5と対応している。そして、(b)で示すように、上述した予告演出の一方が発生する。この場合、巨大猫キャラクタによる予告演出が発生する。なお、この際、巨大猫キャラクタによる予告演出の代わりに、吹き出しやハートマークによる予告演出が発生することもある。
その後、(c)で示すように、女の子キャラクタが表示画面Gの中央であって第1図柄の後方に表示される。女の子キャラクタは最終停止図柄のスクロール変動が停止されるまで、踊っているかのうように表示される。その間、最終停止図柄のスクロール変動の態様は、3段階に分けて変更される。具体的には、女の子キャラクタが表示画面Gに表示されたタイミングで、最終停止図柄は高速でスクロール変動を行う。その後、最終停止図柄は、上下に飛び跳ねつつスクロール変動を行い、最後に低速でスクロール変動を行う。そして、(d)に示すように、リーチラインLd1とリーチラインLd2とが交差している位置に最終停止図柄の「4」図柄が停止表示された場合、女の子キャラクタが大当たり発生を喜んでいるかのように表示されると共に、大当たりとなった上・中・下段の図柄が揃ってその場で3回飛び跳ねるように表示される。これにより、大当たりが発生した旨が報知される。なお、リーチラインLd1とリーチラインLd2とが交差している位置に最終停止図柄のリーチとなっている「3」図柄又は「4」図柄が停止しなかった場合には、女の子キャラクタが表示画面Gの下方へと消えていくのみで図柄が飛び跳ねるといった表示演出は発生しない。
次に、有効ラインL1〜L5上に低確率図柄の組合せが一旦停止表示されたときに、所定の確率で発生する再変動について説明する。この再変動の態様は、シングルリーチが発生した遊技回におけるものと、ダブルリーチが発生した遊技回におけるものとで異なっており、それぞれの再変動の態様を図57及び図58に基づいて説明する。
まず、シングルリーチが発生した遊技回における再変動についての図柄の変化を時系列的に、図57(a)〜(d)の一連の表示態様に基づいて詳細に説明する。
(a)では、ラインLe1上でシングルリーチが発生し、パターン1〜パターン3のうちのいずれかのリーチ変動が行われた後に、当該ラインLe1上に低確率図柄である「8」図柄の組合せが停止表示され、上・中・下段の「8」図柄が揃ってその場で3回飛び跳ねるように表示される。これにより、大当たりが当該遊技回において発生する旨が報知される。なお、ラインLe1は、前記図28で説明した中ラインL2と対応している。その後、(b)で示すように、第1図柄が一部を除いて単一の色で暗く表示される。具体的には、主図柄については、各図柄列Z1〜Z3のすべての図柄から数字図柄が取り除かれ、さらにすべての図柄の猫キャラクタが目の部分を除いて暗く表示される。これにより、主図柄は、目の部分と猫キャラクタの輪郭のみが表示されることとなる。また、副図柄は、猫キャラクタと同様にすべての図柄が暗く表示される。これにより、副図柄は、その輪郭のみが表示されることとなる。また、この際、背景画面も全体的に暗く表示される。そして、この表示態様で各図柄列Z1〜Z3のすべての第1図柄が一斉にスクロール変動を開始する。このスクロール変動は、停止時期となるまで比較的高速で行われ、この間遊技者は個々の第1図柄の全体像を完全には認識することができない。そして、この間に図柄列Z1〜Z3の第1図柄の組合せが変更される。その後、目の部分を除いて単一の色となった主図柄が、上・中・下と揃った状態で再びラインLe1上に停止表示される。
この表示態様では、各図柄の輪郭と目の部分しか認識することができないため、遊技者が各主図柄を識別することを困難なものとすることができ、いずれの大当たり図柄の組合せが停止して再変動が終了するのかを予測させづらくすることが可能となる。この結果、遊技者はいずれの大当たり図柄の組合せが停止して再変動が終了するのかを想像しながら再変動を注視することとなる。この場合において、主図柄の種類を輪郭からある程度推測することができる遊技者は、再変動中はその輪郭を注視するこことなる。また、主図柄の種類を目の部分からある程度推測することができる遊技者は、再変動中はその目の部分を注視することとなる。
また、クロスラインでのダブルリーチの発生を可能とすべく、上図柄列Z1には数字の降順に9種類の主図柄を配列し、下図柄列Z3には数字の昇順に9種類の主図柄を配列する構成においては、表示画面G内に1の同一の主図柄の組合せが揃っている場合に、表示画面G外のライン上に同一の主図柄の組合せが揃っていることはない。従って、シングルリーチが発生した遊技回における再変動で大当たり図柄の組合せの種類を変更するには、再変動中に各図柄列Z1〜Z3の第1図柄をそれぞれ独立して変動させる必要がある。この場合において、再変動中の第1図柄のスクロール変動を比較的高速で行う構成とすることにより、大当たり図柄の組合せの種類の変更を行っていることを遊技者に認識させづらくすることができる。これにより、遊技者は、大当たり図柄の組合せの種類の変更が行われたかどうかを再変動が終了するまで認識できないので、再変動の終了まで遊技者の期待感を持続させることができる。
また、再変動時における第1図柄の変動態様は、通常時における第1図柄の変動態様と同様に、右から左へのスクロール変動となっている。従って、遊技者は通常時における第1図柄の変動態様と再変動時における第1図柄の変動態様とを一連の流れとして違和感なく視認することができる。
その後、(c)で示すように、ラインLe1上の上・中・下段に停止表示されている図柄に右から左へとスポットライトが当てられるが如く、ラインLe1の周辺が右側から除々に通常時の色に戻るように表示される。そして、ラインLe1上の上・中・下段に停止表示されている図柄の猫キャラクタの色が通常時の色となる。但し、この段階ではラインLe1上に停止している図柄に数字図柄は付されていない。これにより、遊技者に輪郭と目の部分のみを視認させていた状態よりも多くの情報を与えることができ、この情報に基づきラインLe1上に停止している主図柄が何であるかをより深く推測させることができる。よって、遊技者に最終的に高確率図柄で大当たりが発生することへの期待感を維持させることができる。そして、(d)で示すように、表示画面G全体が通常時の色となり、さらに主図柄に数字図柄が付された後、ラインLe1上の主図柄が揃ってその場で3回飛び跳ねるように表示される。これにより、高確率図柄である「9」図柄で大当たりが発生した旨が報知され、この段階で初めてラインLe1上にどの図柄が停止しているかを遊技者に明確に認識させることができる。
仮に、図柄全体が通常時と同様の態様で再変動が行われる場合には、図柄のスクロール変動が停止しようとしている段階で、遊技者に最終的にどの図柄が停止表示されるかを概ね判断させることができてしまう。この場合、遊技者に再変動の態様を最後まで期待感を持たせて視認させることができない。しかし、本実施の形態であれば、再変動の最後まで期待感を持たせて視認させることができる。また、仮に、遊技者の期待感を最後まで維持すべく、再変動を2段階で行い1段階目の再変動終了後に1段階目とは全く異なる態様の2段階目の再変動を行う場合には、1段階目の再変動が全く無意味なものとなり、さらに再変動の態様の連続性が損なわれるため、遊技者に違和感を与えることとなる。しかし、本実施の形態であれば、再変動の開始から終了までが一連の流れとして表示されるので、遊技者に違和感を与えることなく再変動の態様を視認させることができる。
次に、ダブルリーチが発生した遊技回における再変動についての図柄の変化を時系列的に、図58(a)〜(c)の一連の表示態様に基づいて詳細に説明する。
(a)では、ラインLf1上に低確率図柄である「8」図柄のリーチが発生し、さらにラインLf2上に高確率図柄である「7」図柄のリーチが発生し、上述したパターン4(女の子キャラクタによるリーチ)のリーチ変動が行われた後に、ラインLf1とラインLf2とが交差している位置に低確率図柄である「8」図柄が停止表示される。なお、ラインLf1は前記図28で説明した左上がりラインL4と対応し、ラインLf2は前記図28で説明した右上がりラインL5と対応している。その後、(b)で示すように、女の子キャラクタが表示されたまま、最終停止図柄のスクロール変動が再開される。この再変動は、最終停止図柄の各図柄を遊技者が識別できる程度の速さで行われる。そして、(c)で示すように、ラインLf1とラインLf2とが交差している位置に「7」図柄が停止表示され、女の子キャラクタが大当たり発生を喜んでいるかのように表示されると共に、大当たりとなった上・中・下段の図柄が揃ってその場で3回飛び跳ねるように表示される。これにより、高確率図柄で大当たりが発生した旨が報知される。
この場合、上段の図柄と下段の図柄とをリーチ時の位置に維持した状態で再変動を行うことができるので、低確率図柄の組合せが停止表示されるまでの変動態様と、その後の再変動の態様とを遊技者に違和感を与えることなく一連の流れとして視認させることができる。さらに、再変動により停止表示される図柄の組合せの種類が低確率図柄の組合せから高確率図柄の組合せに変更される場合には、リーチ時に表示されている高確率図柄の組合せへと変更されるので、より有利度合いの大きい大当たりに昇格したと遊技者に直感させることができ、当該大当たりへと昇格したことに対する遊技者の満足感を最適に引き出すことができる。また、女の子キャラクタが表示されたまま再変動が行われるので、「低確率図柄の組合せが停止表示されるまでの変動態様と、その後の再変動の態様とを遊技者に違和感を与えることなく一連の流れとして視認させることができる。」という効果をより顕著なものとすることができる。また、再変動は最終停止図柄の各図柄を遊技者が識別できる程度の速さで行われるので、遊技者に最終停止図柄の各図柄を視認しながらいずれの大当たりが発生するのかを予測させることができ、遊技興趣の向上を図ることができる。
次に、上述した大当たりの発生パターン以外のパターンについて以下に説明する。なお、以下のパターンは発生すれば当該遊技回において必ず大当たりが発生するものであり、その発生確率は比較的低確率に設定されているのでプレミアムパターンと称することとする。図59及び図60には、プレミアムパターンの一例の表示画面Gにおける表示例を示す。
まず、プレミアムパターン1を図59(a)〜(c)の一連の表示態様に基づいて詳細に説明する。
(a)では、通常変動が行われリーチが発生することなく図柄が一旦停止表示される。しかし、上述した有効ラインではないが、表示画面Gの左上の隅角から表示画面Gの中央の下段にかけた左上がりの枠外ラインLg1上に「1」図柄が一列に並んで表示される。そして、(b)で示すように、この状態で当該遊技回が終了したかのように表示された後、上・中・下段の「1」図柄が揃ってその場で飛び跳ねるような表示が行われる。さらに「1」図柄が一旦膨張した後もとの大きさに戻るという表示が、上から順に1回ずつ行われる。これにより、図柄の変動がまだ終了していないと遊技者に直感させることができ、表示画面Gにおけるその後の変動態様を注目させることができる。その後、(c)で示すように、枠外ラインLg1上に表示されていた上・中・下段の「1」図柄が揃った状態で、本来の有効ラインであるラインLg2上に移動するように左から右へとスクロールする。なお、ラインLg2は、前記図28で説明した左上がりラインL4と対応している。また、この際、上・中・下段の「1」図柄の右方へのスクロールに合せて背景画面も右方へスクロールする。そして、ラインLg2上に表示された上・中・下段の図柄が揃ってその場で3回飛び跳ねるように表示され、高確率図柄で大当たりが発生した旨が報知される。但し、プレミアムパターン1の発生確率は相当低く設定されており、枠外ラインLg1上の上・中・下段に同一の高確率図柄が停止表示されても、プレミアムパターン1が発生するのは稀である。また、プレミアムパターン1が発生する枠外のラインは、(d)で示すように、枠外ラインLg1以外にも複数設定されており、枠外ラインLg1を含めて合計6本の枠外ラインLg1,Lg3〜Lg7が存在する。
このプレミアムパターン1により、表示画面Gの外にも有効ラインが存在するかのような印象を遊技者に与えることができ、表示画面Gの隅々まで注目させることができる。従って、表示画面Gの隅々まで有効活用することが可能となる。また、リーチ状態を経ずに全ての図柄が停止したとしても大当たりが発生するかもしれないという期待感を遊技者に与えることができ、遊技者の大当たり発生に対する期待感を図柄のスクロール変動が終了するまで持続させることができる。さらに、表示画面Gにおける枠外ラインLg1上に高確率図柄の組合せを成立させた上で有効ラインLg2上に停止させることにより、遊技者に有効ラインLg2外で高確率図柄の組合せが成立したことを直感的に惜しいと思わせた上で大当たりを発生させることができるため、大当たりが発生したことに対する遊技者の満足感や他の遊技者への優越感を飛躍的に高めることが可能となる。
次に、上述したプレミアムパターン1が低確率図柄の組合せで発生した場合のプレミアムパターン2を、図60(a)〜(d)の一連の表示態様に基づいて詳細に説明する。
(a)では、通常変動が行われリーチが発生することなく図柄が一旦停止表示されている。しかし、上述した枠外ラインLg3に相当する垂直の枠外ラインLh1上に「8」図柄が一列に並んで停止表示されている。そして、この状態で当該遊技回が終了したかのように表示された後、上述したプレミアムパターン1と同様に、枠外ラインLh1上の「8」図柄を強調するための表示演出が行われる。その後、(b)で示すように、枠外ラインLh1上に表示されていた上・中・下段の「8」図柄が揃った状態で、本来の有効ラインであるラインLh2上に移動するように左から右へとスクロールする。なお、ラインLh2は、前記図28で説明した中ラインL2と対応している。また、この際、プレミアムパターン1と同様に、上・中・下段の「8」図柄の右方へのスクロールに合せて背景画面も右方へとスクロールされる。そして、ラインLh2上に表示された上・中・下段の図柄が揃ってその場で3回飛び跳ねるように表示され、当該遊技回において大当たりが発生する旨が報知される。その後、(c)で示すように、上述したシングルリーチ後の再変動が行われ、(d)で示すように、高確率図柄である「9」図柄で大当たりが発生した旨が報知される。このように枠外ラインLh1上に低確率図柄の組合せが停止表示された後に大当たりが発生する場合には、必ず再変動が発生し、必ず高確率図柄で大当たりが発生する。但し、プレミアムパターン2の発生確率は相当低く設定されており、枠外ラインLh1上の上・中・下段に同一の低確率図柄が停止表示されても、プレミアムパターン2が発生するのは稀である。また、このプレミアムパターン2もプレミアムパターン1と同様に、他の枠外ラインLg1,Lg3〜Lg7においても発生する。
このプレミアムパターン2により、上述したプレミアムパターン1と同様の効果を得ることができる。さらに、プレミアムパターン2の場合には、必ず再変動が発生し高確率図柄での大当たりとなる。仮に、枠外ラインで低確率図柄が揃って大当たりが発生し、再変動が発生せずにそのまま低確率図柄で大当たりが発生する場合には、想像力の豊かな遊技者が、枠外ラインで大当たりが発生するのなら実は表示画面Gでは表示されていないラインで高確率図柄が揃っているのではないかと疑念を抱き、高確率図柄で大当たりが発生しないことに不満を持つことにより、遊技興趣の低下を招く場合が考えられる。しかし、本実施の形態であれば、必ず高確率図柄での大当たりとなるので、このような不都合は生じない。
次に、プレミアムパターン3を説明する。但し、説明の便宜上、図面による説明は省略する。
プレミアムパターン3は、表示画面Gにおける変動態様に合せてセンターフレーム43に設けられた可動装飾体160のシャッター機構171が駆動されることにより行われる。上述したように、表示画面Gでリーチ変動が開始されてから終了するまで、さらに大当たりが発生した場合には当該大当たりが終了するまでは、シャッター機構171の周期的な駆動は停止されており、可動装飾体160の目は基本的に開いた状態となっている。但し、大当たりが発生する遊技回には、表示画面Gでリーチ変動が表示されている際に、所定の確率でソレノイド178への通電が単発的に発生し、可動装飾体160の瞬きが単発的に発生する。これにより、その遊技回で大当たりが発生する旨を遊技者に報知することができる。また、最初に低確率図柄で大当たりが発生し、その後、再変動が発生することにより最終的に高確率図柄で大当たりが発生することとなる遊技回には、有効ライン上の上・中・下段に停止表示された低確率図柄が揃ってその場で飛び跳ねるように変動表示される3回目の際に、所定の確率でソレノイド178への通電が単発的に発生し、可動装飾体160の瞬きが単発的に発生する。これにより、その遊技回で再変動が発生する旨を遊技者に報知することができる。また、表示画面Gでリーチが発生し、最終停止図柄のリーチとなっている図柄がリーチライン上に停止せずに一旦スクロール変動が停止され、その後、最終停止図柄のリーチとなっている図柄がリーチライン上に移動するようにスクロールされることにより大当たりが発生する場合がある。この場合であって、高確率図柄で大当たりが発生する遊技回には、最終停止図柄のリーチとなっている図柄がリーチライン上に移動するようにスクロールされる際に、所定の確率でソレノイド178への通電が単発的に発生し、可動装飾体160の瞬きが単発的に発生する。これにより、その遊技回で高確率図柄で大当たりが発生する旨を遊技者に報知することができる。
上記構成であれば、リーチ等が発生した際には、遊技者に表示画面Gの表示態様を視認させることにより大当たり発生等への期待感を高めさせるだけでなく、可動装飾体160を視認させることによっても大当たり発生等への期待感を高めさせることができる。これにより、遊技が画一的となるのを防止することができ、遊技興趣の向上を図ることができる。さらに、可動装飾体160は表示画面Gの右方に位置し、遊技者は表示画面Gと可動装飾体160とを同時に視認することができる。よって、リーチ発生時には遊技者の視線を常に可変表示ユニット35へと向けさせることができる。
ここまで説明したリーチなどを経て大当たりが発生した際には、表示画面Gにおいて大当たり動画が表示され、さらにスピーカ20より大当たり中の音声等が出力される。ここで、大当たり中の態様について説明する。本実施の形態では、低確率図柄で大当たりが発生した場合と、高確率図柄で大当たりが発生した場合とで、大当たり中の態様が異なる。具体的には、高確率図柄で大当たりが発生した際には、低確率図柄での大当たり時には表示されないキャラクタが大当たり中の表示画面Gに表示され、さらに低確率図柄での大当たり時には出力されない歌付きの音楽がスピーカ20より出力される。これにより、周囲の遊技者に高確率図柄での大当たりであることを報知することができ、高確率図柄での大当たりが発生した遊技者を優越感に浸らせることができる。さらに言うと、従来構成にあっては大当たり中の表示画面Gの表示の一部にて高確率図柄での大当たりであるか否かを教示することが一般的であるが、この場合、遊技ホールの管理者等は表示画面Gを逐一確認しなければ高確率図柄での大当たりであるか否かを確認することができず、複数の遊技者が大当たりとなった状況下においては業務に支障が生じる恐れがあった。しかしながら、本実施の形態であれば、表示画面Gを視認しなくても音声から確認することができるため、業務に支障が生じる恐れを軽減させることができる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
演出用キャラクタとしての猫ジャラシキャラクタを表示させて演出を行う場合には、まず猫ジャラシキャラクタを第1図柄の手前側に位置するように表示し、第1図柄の変動停止が近づいてきた段階で猫ジャラシキャラクタを第1図柄の奥側に位置するように表示する構成とすることにより、遊技者に最も注目される変動停止時の第1図柄の視認性を低下させることなく、猫ジャラシキャラクタが表示されたことを遊技者に明確に認識させることができる。仮に、猫ジャラシキャラクタが常に第1図柄の奥側に位置するように表示される構成とすると、第1図柄の視認性が低下することはないが、猫ジャラシキャラクタの全体像を遊技者に視認させることができず、当該猫ジャラシキャラクタの出現が遊技者に認識されないまま当該遊技回が終了してしまう可能性がある。この場合、猫ジャラシキャラクタを出現させた効果が消失することとなってしまう。また、仮に、猫ジャラシキャラクタが常に第1図柄の手前側に位置するように表示される構成とすると、猫ジャラシキャラクタを遊技者に明確に認識させることはできるが、遊技者に最も注目される変動停止時の第1図柄の視認性が低下してしまう。この場合、猫ジャラシキャラクタを出現させたにも関わらず、遊技興趣の低下を招くおそれがある。これに対して、本実施の形態であれば、上記のような不都合が生じることはなく、猫ジャラシキャラクタによる演出を最適に行うことができる。
また、猫ジャラシキャラクタを、最終停止図柄が停止する直前の変動態様となるまで第1図柄の手前側に位置するように表示し、前記変動態様となるのを契機として第1図柄の奥側に位置するように表示する構成とすることにより、比較的第1図柄の変動態様が注目されないときを有効活用して猫ジャラシキャラクタの全体像を遊技者に視認させることができる。また、この場合、猫ジャラシキャラクタの全体像を遊技者に視認させることができる期間を比較的長く設けることができる。
また、猫ジャラシキャラクタの表示位置が切り替えられた後は、当該猫ジャラシキャラクタは最終停止図柄よりも奥側に位置するように表示されるが、リーチラインLc1上の上下の第1図柄よりは手前側に位置するように表示される構成とすることにより、猫ジャラシキャラクタの表示位置が切り替えられた後において、当該猫ジャラシキャラクタの視認性が著しく低下するといった不都合が生じない。また、最終停止図柄のみ猫ジャラシキャラクタよりも手前側に位置することとなるので、最終停止図柄を他の第1図柄よりも強調することができる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施の形態では、第1図柄表示装置41の表示画面Gにおいてパターン3のリーチパターンが発生したときには、猫ジャラシキャラクタが表示され、最終停止図柄たる中図柄が高速変動及び低速変動されている間は、当該猫ジャラシキャラクタが第1図柄の前方に表示され、最終停止図柄が顔を下に向けて屈んだ状態で変動表示されだすのに合せて、猫ジャラシキャラクタが最終停止図柄の後方に表示される構成であったが、これを変更してもよい。例えば、最終停止図柄が低速変動されだすのに合せて、猫ジャラシキャラクタが第1図柄の後方に表示される構成であってもよい。
(b)上記実施の形態では、第1図柄表示装置41の表示画面Gにおいてリーチが発生した際に表示されるキャラクタの内、猫ジャラシキャラクタのみが第1図柄の前方と後方とで表示される位置が切り替えられる構成であったが、他のキャラクタも同様に第1図柄の前方と後方とで表示される位置が切り替えられる構成であってもよい。例えば、パターン2のリーチパターンにおいて表示される木キャラクタが、第1図柄の前方と後方とで表示される位置が切り替えられる構成としてもよい。
(c)上記実施の形態では、第1図柄表示装置41の表示画面Gにおいてパターン3のリーチパターンが発生したときに表示される猫ジャラシキャラクタは、最終停止図柄たる中図柄が顔を下に向けて屈んだ状態で変動表示されてからは、表示画面Gの上下に停止表示されている第1図柄よりは前方であって最終停止図柄よりは後方の位置に表示される構成であったが、これを変更してもよい。例えば、最終停止図柄が顔を下に向けて屈んだ状態で変動表示されてからは、上・中・下段すべての第1図柄の後方に猫ジャラシキャラクタが表示される構成であってもよい。
(d)上記実施の形態では、第1図柄表示装置41の表示画面Gにおいてパターン3のリーチパターンが発生したときに表示される猫ジャラシキャラクタは、リーチライン上に沿って上下に変動表示される構成であったが、これを変更してもよい。例えば、最終停止図柄たる中図柄の変動方向に沿って、左右に変動表示される構成であってもよい。
(e)上記実施の形態では、第1図柄表示装置41の表示画面Gにおいてパターン3のリーチパターンが発生したときには、1つの図柄の大部分を隠すことができる程度の大きさの花穂の部分を備えた猫ジャラシキャラクタが表示される構成であったが、これを変更してもよい。例えば、2つの図柄又は3つの図柄の大部分を隠すことができる程度の大きさの演出用キャラクタが表示される構成であってもよい。この場合、上記実施の形態よりも演出用キャラクタを強調することができる。
(f)上記実施の形態では、第1図柄表示装置41の表示画面Gにおいてパターン3のリーチパターンが発生したときに表示される猫ジャラシキャラクタは、リーチラインLc1上であって、図柄列Z2上の領域と重なるように表示される構成であったが、これを変更してもよい。例えば、図柄列Z2上の領域におけるリーチラインLcの左右のいずれかに猫ジャラシキャラクタを表示する構成としてもよい。
(g)上記実施の形態では、表示画面Gには、3列の図柄列が設定されており、当該図柄列に沿って所定の変動方向に図柄がスクロールするように変動表示される構成であったが、これを変更してもよい。例えば、表示画面Gに3行3列の表示位置を設定し、この合計9個の表示位置においてそれぞれ複数の図柄が所定の順序で切替表示される構成であってもよい。この場合においても、上記実施の形態のように演出用キャラクタの表示位置を切り替える構成とすれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
(h)上記実施の形態では、第1図柄表示装置41の表示画面Gにおいてシングルリーチが発生したときにのみ、パターン3のリーチパターンが発生し、猫ジャラシキャラクタが第1図柄の手前側に位置するかのように表示された後に第1図柄の奥側に位置するかのように表示される構成であったが、ダブルリーチが発生したときにおいても当該演出が発生する構成であってもよい。
(i)上記実施の形態における第1図柄表示装置41の表示画面Gにおいてパターン3のリーチパターンが発生したときに表示される猫ジャラシキャラクタの表示方法を以下のように行ってもよい。
例えば、猫ジャラシキャラクタの表示態様を部分ごとに適宜変更することにより上記実施の形態と同様の効果を得るようにしてもよい。具体的には、猫ジャラシキャラクタの花穂の部分についてその中央付近を境界として上側及び下側というように2つの領域を設定し、さらに、それぞれの領域に対して色が付された表示態様と色が付されずに透明な状態となる表示態様とを設定する。また、猫ジャラシキャラクタを第1図柄よりも優先して表示するように設定する。そして、最終停止図柄が顔を下に向けて屈んだ状態でスクロール変動しだすまでは、上下の領域の表示態様を共に色が付された表示態様とする。これにより、猫ジャラシキャラクタの表示が開始されてから所定の間は、当該猫ジャラシキャラクタが第1図柄の手前側に位置するかのように表示される。一方、最終停止図柄が顔を下に向けて屈んだ状態でスクロール変動しだしてからは、以下のように猫ジャラシキャラクタの表示態様を変更する。まず、花穂の部分が最終停止図柄よりも上側に表示されているときは、花穂の部分の上側の領域を色が付された表示態様とし下側の領域を透明な状態となる表示態様とする。そして、花穂の部分が最終停止図柄と重なるように表示画面Gの中央付近に表示されているときは、花穂の部分の上側及び下側の両方の領域を透明な状態となる表示態様とする。さらに、花穂の部分が最終停止図柄よりも下側に表示されているときは、花穂の部分の上側の領域を透明な状態となる表示態様とし下側の領域を色が付された表示態様とする。これにより、最終停止図柄が顔を下に向けて屈んだ状態でスクロール変動しだしてからは、猫ジャラシキャラクタの花穂の部分は最終停止図柄の奥側に位置するかのように表示され、さらに上下に停止している図柄よりは手前側に位置するかのように表示されることとなる。この場合、パターン3のリーチパターンを行う場合は、猫ジャラシキャラクタの表示態様のみを変更するだけでよく、第1図柄の表示態様を適宜変更する必要はない。従って、記憶容量の低減を図ることができるだけでなく、さらには処理負荷の軽減をも図ることができる。なお、上記のように花穂の部分を2つの領域に設定するのではなく、3つ、4つ、5つ以上の領域に設定する構成であってもよい。
また、例えば、第1図柄や猫ジャラシキャラクタをそれぞれ別個に表示するための表示レイヤを設定し、当該各レイヤの表示に関する優先度を適宜変更することにより上記実施の形態と同様の効果を得るようにしてもよい。具体的には、最終停止図柄である中図柄列Z2を表示するレイヤを第1レイヤ、猫ジャラシキャラクタを表示するレイヤを第2レイヤ、図柄列Z1及び図柄列Z3を表示するレイヤを第3レイヤとして設定する。そして、最終停止図柄が顔を下に向けて屈んだ状態でスクロール変動しだすまでは、第2レイヤを第1レイヤ及び第3レイヤよりも優先して表示する。これにより、猫ジャラシキャラクタの表示が開始されてから所定の間は、当該猫ジャラシキャラクタが第1図柄の手前側に位置するかのように表示される。一方、最終停止図柄が顔を下に向けて屈んだ状態でスクロール変動しだしてからは、第1レイヤを第2レイヤよりも優先して表示し、さらに第2レイヤを第3レイヤよりも優先して表示する。これにより、最終停止図柄が顔を下に向けて屈んだ状態でスクロール変動しだしてからは、猫ジャラシキャラクタの花穂の部分は最終停止図柄の奥側に位置するかのように表示され、さらに上下に停止している図柄よりは手前側に位置するかのように表示されることとなる。この場合、パターン3のリーチパターンを行う場合は、レイヤの優先度の変更のみを行うだけでよいので、記憶容量の低減を図ることができるだけでなく、さらには処理負荷の軽減をも図ることができる。
(j)上記実施の形態では、第1図柄表示装置41は表示制御装置214に対して従属的に設けられ、この表示制御装置214からの制御コマンドに従って制御を実施したが、この構成を変更する。例えば、第1図柄表示装置41を、表示制御装置214ではなく主制御装置271に対して従属的に設ける。つまり、第1図柄表示装置41は、主制御装置271からの制御コマンドに従って制御を実施する。
(k)上記実施の形態のように、主制御装置271から出力される表示コマンドに基づいて表示制御装置214が第1図柄表示装置41を直接的に表示制御する構成では、主制御装置271の処理負荷をさほど増大させることなくリーチ演出パターン等の多種多様化が実現できている。しかしながら、このような構成においては、主制御装置271に比べ細工を施し易い表示制御装置214を不正に操作して第1図柄表示装置41に特別遊技状態が発生している旨の表示を行わせた上で、例えば、特定領域スイッチ222などに不正を施し、特別遊技状態などが発生していないにも関わらず大量の遊技球の払い出しを行わせるといった不正行為が想定される。そこで、主制御装置271によって直接的に表示制御される表示部等を設け、当該表示部において主制御装置271における大当たり抽選の結果等を直接的に表示する構成としてもよい。これにより、大当たり抽選の結果等を直接的に教示することができるので、上記のような不正行為を抑制することができる。但し、遊技者の興味はあくまでも図柄の変動表示へと向けられるので、上記表示部において複雑な演出表示等を行う必要はない。従って、表示部に関する主制御装置271の処理負荷を軽減させるべく、表示部の表示内容は簡素なものであるのが望ましい。そこで、この表示部の態様としては、例えば、ランプ部をセンターフレーム43等に設け、当該ランプ部の内部に多色発光タイプのLEDランプを配設する構成が好ましい。この場合、主制御装置271は、LEDランプにおける幾つかの光源スイッチのオンオフ制御を行うだけでよい。また、表示制御装置214を不正に操作して第2図柄表示装置42における表示部45に所定図柄が停止した状態を表示させた上で、作動口33に付随する電動役物を開放状態とさせるという不正行為も考えられる。そこで、主制御装置271によって直接的に表示制御される第2表示部等を設け、当該第2表示部において主制御装置271における電動役物を開放状態とするかどうかの抽選結果等を直接的に表示する構成としてもよい。
(l)上記実施の形態では、前扉枠13に前後一対のガラス137を取り付けたが、所定の透明性を有していれば、いかなる材質のものを採用してもよい。例えば、「ガラス」に代えて「樹脂板」を採用してもよい。
(m)上記実施の形態では、従来に比べて遊技領域が比較的大きいパチンコ機10について説明したが、これに限らず、従来のような遊技領域や窓部等を有するパチンコ機等の遊技機にも適用できる。また、上記実施の形態とは異なる他のタイプの弾球遊技機等、例えば他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも適用できる。その他、スロットマシン等の回胴式遊技機や、パチンコ球等の遊技球を遊技媒体として使用する球使用ベルト式遊技機のうちの図柄の変動表示を行う表示画面を備えた遊技機にも適用できる。
10…遊技機としてのパチンコ機、11…外枠、12…本体枠、13…前扉枠、30…遊技盤、35…可変表示ユニット、38…切欠、41…第1図柄表示装置、50…レールユニット、91…シリンダ錠、101…窓部、160…可動装飾体、161…前型、161a…開口、162…後型、171…シャッター機構、172…眼球部材、173…シャッター部材、173a…連結部、174…支軸棒、175…リンク、175a…貫通孔、175b…動作軸、176…アーム部、177…位置決め板、178…ソレノイド、179…出力軸、180…ストッパ受け、181…レール部材、182…バネ、183…固定板、201…第1制御基板ユニット、202…第2制御基板ユニット、203…裏パックユニット、214…表示制御装置、248…連動杆、271…主制御装置、272…音声ランプ制御装置、G…表示画面。