JP2005332844A - メンブレンマスク、これを用いたパターン処理方法、およびメンブレンマスクの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 荷電粒子線のパターン照射に用いられるメンブレンマスクの変形を十分に抑え、パターン照射の精度の向上を図る。
【解決手段】支持枠3と、荷電粒子線pが透過する開口パターンpを有して支持枠3に張設支持された薄膜状のメンブレン5とを備えたメンブレンマスク1aにおいて、メンブレン5との間に間隔を有して対向配置されると共に、開口パターンpが配置された領域に対応して開口窓7aを有する遮蔽板7が、支持枠3に支持された状態で設けられていることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】支持枠3と、荷電粒子線pが透過する開口パターンpを有して支持枠3に張設支持された薄膜状のメンブレン5とを備えたメンブレンマスク1aにおいて、メンブレン5との間に間隔を有して対向配置されると共に、開口パターンpが配置された領域に対応して開口窓7aを有する遮蔽板7が、支持枠3に支持された状態で設けられていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、特に荷電粒子線を利用した半導体製造技術に用いられるメンブレンマスク、これを用いたパターン処理方法、およびメンブレンマスクの製造方法に関する。
近年、半導体装置の微細化、高集積化は進む一方であり、サブクォータミクロンの加工を高精度かつ再現性よく行う半導体製造技術が必要となってきている。このような半導体製造技術として、露光光に電子線を用いた電子線露光が行われている。電子線露光においては、薄膜(いわゆるメンブレン)に露光パターンを設けてなるメンブレンマスクを用いることにより、所定の領域に対して一括露光を行うことが可能であり、露光時間を短縮化することができる。尚、露光パターンとしては、開口パターンの他に散乱パターンを用いる場合もあり、開口パターンが形成さているマスクを特にステンシルマスクとしている。
そして、メンブレンに開口パターンを設けてなるメンブレンマスク(ステンシルマスク)は、上述したような露光(電子線露光)だけではなく、イオン注入、パターンエッチング、およびパターン成膜などの様々なパターン処理用途におけるマスクとして用いることが可能である。例えば、イオン注入における注入マスクとしてメンブレンマスクを用いる場合には、イオン注入が施される処理基板に対して、メンブレンマスクを対向配置する。そして、このメンブレンマスクを介して、処理基板にイオンビームを照射することで、処理基板の表面層における所定パターン部分のみにイオンを選択的に注入することができる(例えば、下記特許文献1参照)。
以上のように、イオン注入における注入マスクとしてメンブレンマスクを用いた場合には、処理基板上にレジストパターンを注入マスクとして形成する必要がなくなる。このため、レジストパターンを形成するためのリソグラフィー工程や、イオン注入後のレジストパターンの剥離工程やその後のウェット洗浄処理を削減でき、イオン注入工程を簡略化することが可能となる。しかも、上述したようなウェット処理を行う必要がないことから、ウェット処理による残渣の発生を防止でき、処理基板の汚染を防止することもできる。
しかしながら、メンブレンマスクを用いたパターン処理においては、処理基板上に配置されたメンブレンマスクのメンブレン部分に対しても、電子線やイオンビーム等の荷電粒子線が直接照射される。これにより、メンブレンの温度が大きく上昇して膨張し、メンブレンマスクに反りやゆがみ等が発生するため、メンブレンに形成されたパターンの位置ずれが生じ易い。
そこで、メンブレンの表面にダイヤモンド層のような熱膨張係数の小さい材料層を設けることによりメンブレンの熱変形を抑えたり、さらに熱膨張係数の小さい材料層を導電層で覆うことにより電荷を逃がす構成が提案されている(例えば、下記特許文献2参照)。
ところで、上述した構成のメンブレンマスクは、真空雰囲気下で用いられることが多いが、一般的に、真空雰囲気下においては、メンブレンの表面に生じた熱が真空中へ放熱され難い傾向がある。このため、メンブレンの表面に熱膨張係数の小さい材料層や導電層を設けた構成のメンブレンマスクであっても、これらの層に対する蓄熱が大きい場合には、メンブレンマスクの熱変形を十分に抑えることが困難であった。
特に、荷電粒子線としてイオンビームを用いた場合には、メンブレンに対して大きなエネルギーが加わるためメンブレンにおける蓄熱量が大きくなる。したがって、メンブレンの表面に熱伝導率の高い導電層を設けた場合であっても、メンブレンの表面に生じた熱が導電層から真空中に放熱され難く、メンブレンマスクの変形を十分に抑えることは困難であった。
そこで本発明は、メンブレンの膨張による変形、およびメンブレンを透過した荷電粒子線の照射パターンの位置ずれを確実に防止することが可能なメンブレンマスク、これを用いたパターン処理方法を提供すること、さらにはこのようなメンブレンマスクの製造方法を提供することを目的としている。
このような目的を達成するための本発明のメンブレンマスクは、支持枠と、荷電粒子線が透過するパターンを有して支持枠に張設支持された薄膜状のメンブレンとを備えている。そしてさらに、メンブレンとの間に間隔を有して対向配置されると共に、前記パターンが配置された領域に対応して開口窓を有する遮蔽板が、支持枠に支持された状態で設けられていることを特徴としている。
このような構成のメンブレンマスクでは、荷電粒子線が透過するパターンが配置された領域に対応して開口窓を有する遮蔽板が設けられているため、この遮蔽板側からメンブレンマスクに対して照射された荷電粒子線は、開口窓で絞られた状態でメンブレンに照射されることになる。このため、メンブレンマスクに照射される荷電粒子線のうち、不必要な部分を遮蔽板で遮断して必要部分のみが、パターンが配置されたメンブレン部分に対して照射されることになる。したがって、荷電粒子線の照射によるメンブレンの温度上昇が抑えられる。また、遮蔽板は、メンブレンとの間に間隔を有して対向配置されるため、荷電粒子線の照射によって遮蔽板が温度上昇した場合、遮蔽板の熱がメンブレンに伝わることが抑えられ、これによってもメンブレンの温度上昇が抑えられる。
また、本発明は、上述した構成のメンブレンマスクを用いたパターン処理方法でもあり、メンブレンを処理基板側に向けた状態でメンブレンマスクを処理基板に対向配置した状態で、遮蔽板側からメンブレンマスクに対して荷電粒子線を照射する。これにより、遮蔽板の開口窓を通過し、さらにメンブレンに設けられたパターンを透過して成形された荷電粒子線を処理基板にパターン照射する。
これにより、上述したようにメンブレンの温度上昇を抑えた状態で、処理基板に対して荷電粒子線のパターン照射が行われる。
さらに本発明は、上述した構成のメンブレンマスクの製造方法でもあり、次のように行われる。先ず、基板の一主面側に成膜された薄膜状のメンブレンに荷電粒子線を透過させるパターンを形成する。次に、基板の中央部をエッチング除去することにより当該基板からなる支持枠の一主面側にメンブレンを張設支持させた状態とする。その後、複数の開口窓が形成された遮蔽板を支持枠の他主面側に貼り合わせる。この場合、開口窓とメンブレンのパターンとが平面視的に重なる状態とする。
このような製造方法では、一主面側にメンブレンが支持された支持枠の他主面側に、遮蔽板が貼り合わされる。これにより、メンブレンに対して間隔を設けた状態で遮蔽板が対向配置された、上述のメンブレンマスクが得られる。
以上説明したように本発明のメンブレンマスクおよびこれを用いたパターン処理方法によれば、メンブレンマスクに照射される荷電粒子線のうち、不必要な部分を遮蔽板で遮断して必要部分のみをメンブレンに対して照射することができるため、メンブレンの温度上昇を抑えることが可能になる。これにより、メンブレンの膨張による変形、およびメンブレンを透過した荷電粒子線の照射パターンの位置ずれを確実に防止することが可能になる。またこの結果、荷電粒子線によるパターン処理の精度の向上を図ることが可能になる。
そして、本発明のメンブレンマスクの製造方法によれば、上述したように不必要な部分を遮蔽板で遮断して必要部分のみがメンブレンに対して照射されるメンブレンマスクを得ることが可能になる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて順次詳細に説明する。
<メンブレンマスク−1>
図1(1)は第1実施形態のメンブレンマスクを示す概略断面図であり、図1(2)は第1実施形態のメンブレンマスクの分解平面図を示す。尚、図1(1)は図1(2)における分解平面図のA−A’断面に相当し、図1(1)は図1(2)のメンブレンマスクを荷電粒子線bの照射方向から見た平面図に相当する。
図1(1)は第1実施形態のメンブレンマスクを示す概略断面図であり、図1(2)は第1実施形態のメンブレンマスクの分解平面図を示す。尚、図1(1)は図1(2)における分解平面図のA−A’断面に相当し、図1(1)は図1(2)のメンブレンマスクを荷電粒子線bの照射方向から見た平面図に相当する。
これらの図に示すメンブレンマスク1aは、支持枠3と、この支持枠3の一主面側に張設支持された薄膜状のメンブレン5と、支持枠3の他主面側に支持された遮蔽板7とを備えている。尚、図1(2)は、支持枠3と遮蔽板7とをずらした状態の分解平面図である。
このうち支持枠3は、例えば、単結晶シリコンからなる基板11の一主面側に酸化シリコンからなる絶縁膜13を設けてなり、円盤形状の中央を矩形形状に切り出してなる枠形状に成形されている。また、この支持枠3の枠内には、支持枠3と一体形成された梁3aが設けられており、この梁3aによって枠内が複数の開口領域3bに仕切られた状態となっている。
このような支持枠3は、例えば、円盤形状の外径寸法が直径100mmφである場合、中央の矩形形状、すなわち梁3aが設けられている部分の枠内は20mm×20mm□〜30mm×30mm□程度の大きさであることとする。そして、メンブレン5が張設支持されている一主面側は、梁3aも含めて同一平面上に配置されている。一方、遮蔽板7が配置されている他主面側は、梁3aの高さが周縁部分の高さよりも低く凹んだ構成となっている。
次に、メンブレン5は、例えば単結晶シリコン薄膜からなり、支持枠3の周縁部分と共に枠内に設けられた梁3aによって支持された状態で、支持枠3の絶縁膜13側(一主面側)に張設されている。このメンブレン5の中央部において、梁3aを含む支持枠3に張設されている薄膜状部分、すなわちメンブレン部5aには、荷電粒子線bが透過するパターンとして開口パターンpが設けられている。したがって、このメンブレンマスク1aは、いわゆるステンシルマスクとして構成されたものとなっている。
また、遮蔽板7は、例えば単結晶シリコン基板からなり、支持枠3の他主面側において、支持枠3の梁3aとの間に間隔dを設けた状態で、支持枠3の周縁部に貼り合わせられることにより、メンブレン5に対して対向配置されている。この遮蔽板7は、支持枠3と同等の円盤形状の中央部において、メンブレン部5a(すなわち支持枠3の開口領域3b)に対応する各位置に開口窓7aを設けてなる。この開口窓7aは、遮蔽板7側からメンブレンマスクに対して照射された荷電粒子線bが、メンブレン部5aに形成されている開口パターンpに照射されることを妨げない形状で、できるだけ小さい面積で開口していることが好ましい。
そして、この遮蔽板7の外側に向かう面15は、このメンブレンマスク1aを、荷電粒子線bの照射装置に対して固定するための固定面15として平坦に形成されていることとする。
以上説明した構成のメンブレンマスク1aでは、開口パターンpが配置されたメンブレン部5aに対応して開口窓7aが配置された遮蔽板7が設けられているため、この遮蔽板7側からメンブレンマスク1aに対して照射された荷電粒子線bは、開口窓7で絞られた状態でメンブレン5に照射されることになる。このため、メンブレンマスク1aに照射される荷電粒子線bのうち、不必要な部分を遮蔽板7で遮断し、必要部分のみをメンブレン部5aに対して照射することができる。したがって、荷電粒子線bの照射によるメンブレン5の温度上昇を抑えることができる。また、遮蔽板7は、メンブレン5やメンブレン5を支持する支持枠3の梁3aとの間に間隔dを有して対向配置される。このため、この間隔d部分の断熱効果により、荷電粒子線bの照射によって遮蔽板7が温度上昇した場合、遮蔽板7の熱がメンブレン5に伝わることが抑えられ、これによってもメンブレンの温度上昇が抑えられる。
したがって、荷電粒子線bの照射によるメンブレン5の熱膨張によるメンブレンマスク1aの変形を確実防止することができ、メンブレン5に形成した開口パターンpの変形や位置ずれ、およびこれによる荷電粒子線bの照射パターンの位置ずれを確実に防止することが可能になる。そしてこの結果、イオンのようなエネルギーの高い荷電粒子線bを用いた場合であっても、このような荷電粒子線bによるパターン処理の精度の向上を図ることが可能になる。
<メンブレンマスク−2>
図2は、第2実施形態のメンブレンマスクの構成を示す概略断面図である。この図に示すメンブレンマスク1bと、図1を用いて説明した第1実施形態のメンブレンマスク(1a)との異なるところは、支持枠3と遮蔽板7との間に断熱層17が狭持されているところにあり、他の構成は同様であることとする。断熱層17は、例えば酸化シリコンや窒化シリコン、酸窒化シリコン、さらには金属酸化膜などの絶縁膜からなる。
図2は、第2実施形態のメンブレンマスクの構成を示す概略断面図である。この図に示すメンブレンマスク1bと、図1を用いて説明した第1実施形態のメンブレンマスク(1a)との異なるところは、支持枠3と遮蔽板7との間に断熱層17が狭持されているところにあり、他の構成は同様であることとする。断熱層17は、例えば酸化シリコンや窒化シリコン、酸窒化シリコン、さらには金属酸化膜などの絶縁膜からなる。
このような構成のメンブレンマスク1bでは、荷電粒子線bの照射による遮蔽板7の温度上昇が大きい場合に、遮蔽板7の熱が支持枠3の周縁部分を介してメンブレン5に伝わることを防止できる。
尚、荷電粒子線bの照射によって加熱された遮蔽板7の熱が速やかに冷却される場合においては、断熱層17に換えて金属材料等からなる熱伝導層を設けることにより、支持枠3および熱伝導層を介してメンブレン5の熱を遮蔽板7側に逃がす構成としても良い。
尚、以上説明した実施形態においては、露光パターンとして開口パターンを用いたメンブレンマスク(いわゆるステンシルマスク)に本発明を適用した場合についてを説明した。しかしながら、本発明は、支持枠にメンブレンを張設支持させたメンブレンマスクに対して広く適用可能である。例えば、露光パターンとしてメンブレンにおけるメンブレン部の一主面上に散乱パターンを設けた構成のメンブレンマスクに対しても、本発明は適用可能であり、同様の効果を得ることができる。
<パターン処理方法>
図3は、上記構成のメンブレンマスク1a(1b)を用いたパターン処理方法、すなわちメンブレンマスク1a(1b)を用いて処理基板Wの表面に荷電粒子線bをパターン照射する方法を説明する。
図3は、上記構成のメンブレンマスク1a(1b)を用いたパターン処理方法、すなわちメンブレンマスク1a(1b)を用いて処理基板Wの表面に荷電粒子線bをパターン照射する方法を説明する。
この図に示すように、先ず、荷電粒子線bの照射装置における固定チャック21に、メンブレンマスク1a(1b)を固定保持させる。この場合、例えば冷却機能を備えた静電吸着式の固定チャック21の支持面21aに、メンブレンマスク1a(1b)の遮蔽板7側の固定面15を密着させ、静電吸着によってメンブレンマスク1を密着固定する。一方、荷電粒子線bの照射装置におけるステージ23上に処理基板Wを載置固定する。このステージ23は、xyz方向への移動および固定された処理基板Wの法線をz軸とした場合、z軸を回転軸としたθ回転が可能なステージ23であることとする。
次に、処理基板Wを載置固定したステージ23の駆動により、固定チャック21に密着固定させたメンブレンマスク1a(1b)のメンブレン5側に、処理基板Wを所定のギャップgを保って対向配置させると共に、処理基板Wの表面に対してメンブレンマスク1a(1b)の位置合わせを行う。
この状態で、メンブレンマスク1a(1b)の遮蔽板7側から、処理基板Wに対して垂直に荷電粒子線b(例えばイオンビームや電子ビーム)を照射する。これにより、メンブレンマスク1a(1b)における遮蔽板7の開口窓7aを通過し、さらにメンブレン5の開口パターンpを通過して成形された荷電粒子線bを、処理基板Wの表面にパターン照射する。この際、荷電粒子線bの走査により、メンブレンマスク1a(1b)における必要部分にわたって荷電粒子線bを照射する。また、ステージ23の移動により、処理基板Wの全処理領域面にわたって、荷電粒子線bを照射する。
このようなパターン処理方法によれば、上述した構成のメンブレンマスク1a(1b)の遮蔽板7側から照射された荷電粒子線bが、メンブレンマスク1a(1b)を透過して処理基板Wにパターン照射される。したがって、遮蔽板7によって余分な荷電粒子線bがメンブレン5に照射されることを防止することにより、メンブレン5の加熱による膨張を防止しつつ、荷電粒子線bによるパターン処理を行うことが可能になる。
また、遮蔽板7の表面を固定面15として照射装置の固定チャック21に密着固定させることで、荷電粒子線bの照射によって上昇した遮蔽板7の熱を、直接、固定チャック21に放熱することが可能になるため、メンブレンマスク1a(1b)全体の温度上昇による変形を確実に抑えたパターン処理を行うことが可能になる。
<製造方法−1>
図4は、図1を用いて説明した第1実施形態のメンブレンマスク(1a)の製造手順の一例を示す断面工程図である。以下、この図に基づいて、第1実施形態のメンブレンマスク(1a)の製造手順の一例を説明する。尚、上記図1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を行う。
図4は、図1を用いて説明した第1実施形態のメンブレンマスク(1a)の製造手順の一例を示す断面工程図である。以下、この図に基づいて、第1実施形態のメンブレンマスク(1a)の製造手順の一例を説明する。尚、上記図1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を行う。
先ず、図4(a)-1に示すように、例えば、単結晶シリコンからなる基板11の一主面(図面においては下面)側に酸化シリコンからなる絶縁膜13を成膜し、さらにこの上部に単結晶シリコンの薄膜からなるメンブレン5を成膜する。つまり、単結晶シリコンの薄膜からなるメンブレン5が、絶縁膜13上に形成されたSOI(Silicon on Insulating)構造となっている。尚、このようなSOI構造の基板は、貼り合わせによって得られたSOI基板であっても良し、SIMOX技術を適用してこのような積層構成とした基板であっても良い。
次に、図4(a)-2に示すように、リソグラフィー法によって、メンブレン5上にレジストパターン101を形成する。そして、レジストパターン101をマスクに用いたドライエッチングにより、メンブレン5の中央の領域部分に開口パターンpを形成する。尚、開口パターンpは、後の工程で基板11および絶縁膜13をエッチングして形成する薄膜状のメンブレン部に対応する位置に設けることとする。また、このドライエッチングの終了後にはレジストパターン101を剥離除去する。
次に、図4(a)-3に示すように、リソグラフィー法によって、基板11の他主面、すなわちメンブレン5の形成面と反対側の面であり図面においては上面側に、レジストパターン102を形成する。そして、レジストパターン102をマスクに用いたドライエッチングにより、基板11の中央部に凹部11aを形成する。この凹部11aの深さdは、図1を用いて説明した梁(3a)と遮蔽板(7)との間に設けられた間隔dに対応している。また、凹部11aは、後の工程で基板11および絶縁膜13をエッチングして形成する薄膜状のメンブレン部を平面視的に包含する形状で形成されることとする。尚、このドライエッチングの終了後にはレジストパターン102を剥離除去する。
尚、以上の図4(a)-2を用いて説明した工程と、図4(a)-3を用いて説明した工程とは、逆の手順で行っても良い。
次いで、図4(a)-4に示すように、リソグラフィー法によって、基板11の他主面(図面においては上面)側にレジストパターン103を形成する。そして、このレジストパターン103をマスクに用いたエッチングにより、基板11と絶縁膜13とをこの順にパターンエッチングし、凹部11aの底部をくり抜いて底部にメンブレン5のみを残した複数の開口領域3bを形成する。これにより、開口領域3bの底部にメンブレン5のみを残した薄膜状のメンブレン部5aを複数形成すると共に、各メンブレン部5aを仕切る梁3aを枠内に有する支持枠3を形成する。そして、この支持枠3の枠内には、支持枠3と一体形成された梁3aが設けられ、この梁3aによって枠内が複数の開口領域3bに仕切られた状態となる。また、支持枠3の一主面側に、メンブレン5が張設された状態となる。尚、このドライエッチングの終了後には、レジストパターン103を剥離除去する。
一方、図4(b)-1に示すように、例えば、単結晶シリコンからなり、基板(11)と略同一の外形寸法を有する円盤状の遮蔽板7を用意する。
そして、図4(b)-2に示すように、リソグラフィー法によって、遮蔽板7の一主面にレジストパターン104を形成する。そして、レジストパターン104をマスクに用いたドライエッチングにより、遮蔽板7に複数の開口窓7aを貫通形成する。この開口窓7aは、図4(a)-4で形成したメンブレン部5aに対応する位置に形成する。
以上の後、図4(c)に示すように、支持枠3のメンブレン5が張設されている側と反対側の面、すなわち基板11の露出面に対して、開口窓7aが形成された遮蔽板7を貼り合わせる。この際、メンブレン部5aと開口窓7aとが1:1で平面視的に重なる状態で、基板11に対して遮蔽板7を位置合わせする。
以上により、図1を用いて説明した第1実施形態のメンブレンマスク1aを作製することができる。
尚、図2を用いて説明したメンブレンマスク1bを作製する場合には、図4(a)-1を用いて説明した工程で、基板11の一主面側(メンブレン5と反対側の面)に断熱層を形成しておくか、または図4(b)-1において、遮蔽板7の貼り合わせ面側に断熱層を形成しておくこととする。
1a,1b…メンブレンマスク、3…支持枠、3a…梁、5…メンブレン、7…遮蔽板、7a…開口窓、11a…凹部、15…固定面、17…断熱層、21…固定チャック、23…ステージ、b…荷電粒子線、p…開口パターン、W…処理基板
Claims (8)
- 支持枠と、荷電粒子線が透過するパターンを有して前記支持枠に張設支持された薄膜状のメンブレンとを備え、
前記メンブレンとの間に間隔を有して対向配置されると共に、前記パターンが配置された領域に対応して開口窓を有する遮蔽板が、前記支持枠に支持された状態で設けられている
ことを特徴とするメンブレンマスク。 - 請求項1記載のメンブレンマスクにおいて、
前記支持枠には、その枠内を仕切ると共に前記メンブレンを当該枠内において支持するための梁が設けられ、
前記遮蔽板と前記梁との間には空間が設けられている
ことを特徴とするメンブレンマスク。 - 請求項1記載のメンブレンマスクにおいて、
前記遮蔽板と前記支持枠との間に、断熱層が狭持されている
ことを特徴とするメンブレンマスク。 - 請求項1記載のメンブレンマスクにおいて、
前記荷電粒子線が透過するパターンは、前記メンブレンに設けられた開口パターンからなる
ことを特徴とするメンブレンマスク。 - 荷電粒子線を処理基板の表面にパターン照射するパターン処理方法であって、
支持枠と、荷電粒子線が透過するパターンを有して前記支持枠に張設支持された薄膜状のメンブレンとを備え、当該メンブレンとの間に間隔を有して対向配置されると共に、前記パターンが配置された領域に対応して開口窓を有する遮蔽板が、前記支持枠に支持された状態で設けられているメンブレンマスクを用い、
前記メンブレンを処理基板側に向けた状態で、前記メンブレンマスクを当該処理基板に対向配置し、
前記遮蔽板側から前記メンブレンマスクに対して荷電粒子線を照射することにより、前記遮蔽板の開口窓を通過し、さらに前記メンブレンのパターンを透過して成形された荷電粒子線パターンを前記処理基板に照射する
ことを特徴とするパターン処理方法。 - 請求項5記載のパターン処理方法において、
前記荷電粒子線の照射装置における固定チャックに対して前記遮蔽板を密着固定させることにより、前記メンブレンマスクを当該照射装置に設置させる
ことを特徴とするパターン処理方法。 - 基板の一主面側に成膜された薄膜状のメンブレンに荷電粒子線を透過させるパターンを形成する第1工程と、
前記基板の中央部をエッチング除去することにより当該基板からなる支持枠の一主面側に前記メンブレンを張設支持させた状態とする第2工程と、
複数の開口窓が形成された遮蔽板を、当該開口窓と前記メンブレンのパターンとが平面視的に重なる状態で前記支持枠の他主面側に貼り合わせる第3工程とを行う
ことを特徴とするメンブレンマスクの製造方法。 - 請求項7記載のメンブレンマスクの製造方法において、
前記第2工程の前に、前記基板の中央部をエッチングして凹部を形成する工程を行い、
前記第2工程では、前記凹部内に複数の開口領域が形成されるように前記基板をエッチング除去することにより、複数の開口領域が枠によって仕切られると共に当該梁によって枠内のメンブレンが支持された支持枠を形成する
ことを特徴とするメンブレンマスクの製造方法。
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