JP2005330209A - 自律神経調整剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸入し際して下気道の受容部位で受容されて、自律神経失調症を改善又は予防する自律神経調整剤の提供。
【解決手段】ネロリドール、イソカンフィルシクロヘキサノール、サンダルマイソル コア、バンガロール、イソ−ロンギフォラノン、グロブロール、サンタロール、パチュリ アルコール、トロポロン及びチンベロールの群から選ばれる化合物を有効成分とする自律神経調整剤。
【選択図】 なし
【解決手段】ネロリドール、イソカンフィルシクロヘキサノール、サンダルマイソル コア、バンガロール、イソ−ロンギフォラノン、グロブロール、サンタロール、パチュリ アルコール、トロポロン及びチンベロールの群から選ばれる化合物を有効成分とする自律神経調整剤。
【選択図】 なし
Description
本発明は、自律神経調整剤に関する。
自律神経は交感神経と副交感神経の2つで構成されており、この2つの神経のバランスがくずれると、自律神経系に失調が生じ、全身倦怠疲労感、易疲労、手足のしびれ、肩こり、目の疲れ、頭痛や集中力低下等の種々の不定愁訴症候群症状が発生する。また、現代では日常生活においては種々のストレスがあり、自律神経失調の自覚がなくとも、突然に動悸等が起こる等様々な不都合が起きている。
自律神経調整作用を有する物質としてγ−オリザノールが知られており、これを含んだ医薬品、食品が市販されている。一方、アロマテラピー療法に植物の精油が使用され、睡眠導入作用、鎮静作用、リラックス作用、覚醒(興奮)作用、交感神経抑制作用、交感神経賦活作用、副交感神経抑制作用、副交感神経賦活作用、自律神経調節作用、抗菌作用、免疫賦活作用、抗コンフリクト作用、抗不安作用等を有することが知られている。一般にこれらの生理作用は、鼻腔から吸入された匂い成分が、上気道にある嗅神経細胞に受容され、電気信号に変換された後、嗅神経、嗅球、そして大脳辺緑系へと伝えられ、自律神経系の遠心路などを介して、心臓など各効果器に作用するものと考えられている。
自律神経調整作用を有する物質としてγ−オリザノールが知られており、これを含んだ医薬品、食品が市販されている。一方、アロマテラピー療法に植物の精油が使用され、睡眠導入作用、鎮静作用、リラックス作用、覚醒(興奮)作用、交感神経抑制作用、交感神経賦活作用、副交感神経抑制作用、副交感神経賦活作用、自律神経調節作用、抗菌作用、免疫賦活作用、抗コンフリクト作用、抗不安作用等を有することが知られている。一般にこれらの生理作用は、鼻腔から吸入された匂い成分が、上気道にある嗅神経細胞に受容され、電気信号に変換された後、嗅神経、嗅球、そして大脳辺緑系へと伝えられ、自律神経系の遠心路などを介して、心臓など各効果器に作用するものと考えられている。
吸入して下気道の神経細胞に受容されて生理作用を発揮させる療法としては、気管支喘息治療薬による治療が知られている。
しかしながら、化合物を、下気道である気管支から吸収されて自律神経に作用して自律神経を調整することについては何も知られていない。
しかしながら、化合物を、下気道である気管支から吸収されて自律神経に作用して自律神経を調整することについては何も知られていない。
本発明の目的は、吸入し際して下気道の受容部位で受容されて、自律神経失調症を改善又は予防する自律神経調整剤を提供することにある。
本発明者等は、今般、特定の香料成分を吸入すると、下気道の受容部位に吸着し、自律神経に作用して、自律神経失調症が改善され、特に鎮静作用、覚醒(興奮)作用等の優れた自律神経調整剤が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明はネロリドール、イソカンフィルシクロヘキサノール、サンダルマイソール コア、バンガロール、イソ−ロンギフォラノン、グロブロール、サンタロール、パチュリ アルコール、トロポロン及びチンベロールの群から選ばれる化合物を有効成分とする自律神経調整剤を提供するものである。
本発明の自律神経調整剤は、鎮静作用に優れ心拍数の低下作用、また覚醒(興奮)作用に優れ心拍数の増加作用等に優れる。
本発明の自律神経調整剤は、ネロリドール(Nerolodol)、イソカンフィルシクロヘキサノール(Isocamphylcyclohexanol)、サンダルマイソル コア(Sandalmysore Core)、バンガロール(Bangalol)、イソ−ロンギフォラノン(iso−Longifolanone)、グロブロール(Globulol)、サンタロール(Santalol)、パチュリ アルコール(Patchouli alcohol)、トロポロン(Tropolone)及びチンベロール(Timberol:トリメチルシクロヘキシル−3−ヘキサノール)を有効成分とする。
これらの化合物のうち、下気道に特異的に作用して心拍数を増加させるものとしては、ネロリドール、イソカンフィルシクロヘキサノール、サンダルマイソール コア及びバンガロールが挙げられる。下気道に特異的に作用して心拍数を低下させるものは、鎮静作用に優れ好ましく、イソ−ロンギフォラノン、グロブロール、サンタロール、パチュリ アルコール、トロポロン及びチンベロールが挙げられる。
化合物のうち、下気道及び上気道に作用した際の心拍数変化率の比(下気道作用時の心拍数変化率/上気道作用時の心拍数変化率)が3を超えるものが、鎮静作用、覚醒(興奮)作用等の点で好ましい。
下気道及び上気道に作用した際の心拍数変化率の比が3を超えるものとしては、イソカンフィルシクロヘキサノール、サンダルマイソール コア、バンガロール、グロブロール、サンタロール、パチュリ アルコール、トロポロン及びチンベロール等が挙げられる。
下気道及び上気道に作用した際の心拍数変化率の比が3を超えるものとしては、イソカンフィルシクロヘキサノール、サンダルマイソール コア、バンガロール、グロブロール、サンタロール、パチュリ アルコール、トロポロン及びチンベロール等が挙げられる。
本発明の自律神経調整剤は、通常、上記化合物のほかに他の成分と組み合わせて調製される。自律神経調製剤中には、上記化合物を0.0001〜100質量%、更に0.01〜90質量%、特に0.1〜80質量%含有するのが好ましい。
本発明の自律神経調整剤は、鼻腔投与又は経口的に投与される。
鼻腔投与の形態としては、噴霧剤、滴剤等が挙げられる。また、上記化合物の香気を直接鼻腔に吸気してもよく、この場合は上記化合物の香気を直接嗅いでもよいが、上記化合物を担体に含浸させて、その香気を嗅いでもよい。
経口投与の形態としては、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤等の固形製剤;エリキシル剤、シロップ剤、乳剤等の水性液製剤等が挙げられる。経口投与形態としては、水性液製剤が好ましい。また、水性液製剤は、ポンプ等で口腔内に噴霧してもよい。
鼻腔投与の形態としては、噴霧剤、滴剤等が挙げられる。また、上記化合物の香気を直接鼻腔に吸気してもよく、この場合は上記化合物の香気を直接嗅いでもよいが、上記化合物を担体に含浸させて、その香気を嗅いでもよい。
経口投与の形態としては、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤等の固形製剤;エリキシル剤、シロップ剤、乳剤等の水性液製剤等が挙げられる。経口投与形態としては、水性液製剤が好ましい。また、水性液製剤は、ポンプ等で口腔内に噴霧してもよい。
これらの投与形態とするために、蒸留水、滅菌精製水等の水;エタノール等のアルコール;ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート等の界面活性剤・懸濁剤;有機酸・無機酸及びそれらの塩等のpH調整剤;デンプン、乳糖、乳酸カルシウム等の賦形剤;ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン等の結合剤;カルボキシメチルセルロース、カルボシキシメチルセルロースカルシウム等の崩壊剤;矯味剤;安定化剤等を適宜その目的に応じて使用することができる。
また、本発明の自律神経調整剤は、飲食品の中に添加してもよい。
本発明の自律神経調整剤の投与量は、投与形態、投与される症状等によって異なるが、成人男子に対しては、上記化合物として、1日あたり0.0001〜5000mg、更に0.01〜500mg、特に0.1〜50mg投与するのが好ましい。投与は1日1回でもよいが、複数回に分けて投与してもよい。
実施例1
A:方法
(1)被験動物
ウィスター系ラット(雄、10〜13週齢;チャールズ リバー ジャパン社)を購入
し、温度25±1℃、湿度55±1%、照明時間7:00〜19:00の条件下で、1週
間の予備飼育したラットを実験に供した。
A:方法
(1)被験動物
ウィスター系ラット(雄、10〜13週齢;チャールズ リバー ジャパン社)を購入
し、温度25±1℃、湿度55±1%、照明時間7:00〜19:00の条件下で、1週
間の予備飼育したラットを実験に供した。
(2)麻酔条件
1.5質量%α−クロラロース−7質量%ウレタン/生理食塩水溶液を調製し、この溶液を0.7mL/100g体重(α−クロラロース0.105g/kg体重、ウレタン0.49g/kg体重)で腹腔内投与した。以下、この麻酔条件をChl−Ure麻酔とする。
1.5質量%α−クロラロース−7質量%ウレタン/生理食塩水溶液を調製し、この溶液を0.7mL/100g体重(α−クロラロース0.105g/kg体重、ウレタン0.49g/kg体重)で腹腔内投与した。以下、この麻酔条件をChl−Ure麻酔とする。
(3)被験物質の気道分別吸入(上気道吸入と下気道吸入)
被験物質の作用点を明らかにするために、ラットをChl−Ure麻酔下で仰臥位で保
定した後に、気道を、鼻腔、咽頭、喉頭などが存在する上気道、そして気管、気管支、肺
などが存在する下気道の2つに分別して、各々の気道に選択的に吸入させた。被験物質吸
入は、空気を送風するシリコーンチューブの途中にガラス製U字管を接続し、そのU字管
内に被験物質を入れて行なった。空気のみを吸入させる場合は、U字管内に何も入れずに
行なった。
<上気道吸入>
上気道はシラスコン製チューブ(外径2.0mm)を咽頭まで差し込まないよう浅めに挿入し軟質の絹製縫合糸で軽く結び固定し、チューブに小動物人工呼吸器(夏目製作所)を装着し、60r/minで作動させた。下気道はポリエチレン製チューブ(外径21/3mm)を装着し、軟質の絹製縫合糸で結び固定した。尚、下気道用チューブは暴露した被験物質の影響が出ないように長めのチューブを装着した。カップを鼻に被せ、鼻から鼻腔内へ、1.0L/minで被験物質を20分間吸入した(図1)。
<下気道吸入>
上気道は影響が出ないように結紮し、下気道にポリエチレン製チューブ(外径22/3
mm又は21/3mm)を装着、縫合糸で結び固定し、カップを下気道チューブに被せ、1.0L/minで被験物質を20分間吸入した(図2)。
尚、各被験物質の濃度は、ネロリドール900−1000ppb、イソカンフィルシクロヘキサノール400−500ppb、サンダルマイソール コア1550−1650ppb、バンガロール900−1000ppb、イソ−ロンギフォラノン1500−1600ppb、グロブロール850−950ppb、サンタロール1000−1100ppb、パチュリ アルコール850−950ppb、トロポロン800−900ppb及びチンベロール1100−1200ppbであった。
被験物質の作用点を明らかにするために、ラットをChl−Ure麻酔下で仰臥位で保
定した後に、気道を、鼻腔、咽頭、喉頭などが存在する上気道、そして気管、気管支、肺
などが存在する下気道の2つに分別して、各々の気道に選択的に吸入させた。被験物質吸
入は、空気を送風するシリコーンチューブの途中にガラス製U字管を接続し、そのU字管
内に被験物質を入れて行なった。空気のみを吸入させる場合は、U字管内に何も入れずに
行なった。
<上気道吸入>
上気道はシラスコン製チューブ(外径2.0mm)を咽頭まで差し込まないよう浅めに挿入し軟質の絹製縫合糸で軽く結び固定し、チューブに小動物人工呼吸器(夏目製作所)を装着し、60r/minで作動させた。下気道はポリエチレン製チューブ(外径21/3mm)を装着し、軟質の絹製縫合糸で結び固定した。尚、下気道用チューブは暴露した被験物質の影響が出ないように長めのチューブを装着した。カップを鼻に被せ、鼻から鼻腔内へ、1.0L/minで被験物質を20分間吸入した(図1)。
<下気道吸入>
上気道は影響が出ないように結紮し、下気道にポリエチレン製チューブ(外径22/3
mm又は21/3mm)を装着、縫合糸で結び固定し、カップを下気道チューブに被せ、1.0L/minで被験物質を20分間吸入した(図2)。
尚、各被験物質の濃度は、ネロリドール900−1000ppb、イソカンフィルシクロヘキサノール400−500ppb、サンダルマイソール コア1550−1650ppb、バンガロール900−1000ppb、イソ−ロンギフォラノン1500−1600ppb、グロブロール850−950ppb、サンタロール1000−1100ppb、パチュリ アルコール850−950ppb、トロポロン800−900ppb及びチンベロール1100−1200ppbであった。
B.結果
被験物質としてネロリドール(図3)、イソカンフィルシクロヘキサノール(図4)、サンダルマイソール コア(図5)、バンガロール(図6)、イソ−ロンギフォラノン(図7)、グロブロール(図8)、サンタロール(図9)、パチュリ アルコール(図10)、トロポロン(図11)及びチンベロール(図12)を用い、図3〜図12に測定結果を示す。
図に示されるように、ネロリドール(図3)、イソカンフィルシクロヘキサノール(図4)、サンダルマイソール コア(図5)、バンガロール(図6)は、下気道に特異的に作用して心拍数を増加させた。一方、イソ−ロンギフォラノン(図7)、グロブロール(図8)、サンタロール(図9)、パチュリ アルコール(図10)、トロポロン(図11)及びチンベロール(図12)は、下気道に特異的に作用して心拍数を低下させた。
被験物質としてネロリドール(図3)、イソカンフィルシクロヘキサノール(図4)、サンダルマイソール コア(図5)、バンガロール(図6)、イソ−ロンギフォラノン(図7)、グロブロール(図8)、サンタロール(図9)、パチュリ アルコール(図10)、トロポロン(図11)及びチンベロール(図12)を用い、図3〜図12に測定結果を示す。
図に示されるように、ネロリドール(図3)、イソカンフィルシクロヘキサノール(図4)、サンダルマイソール コア(図5)、バンガロール(図6)は、下気道に特異的に作用して心拍数を増加させた。一方、イソ−ロンギフォラノン(図7)、グロブロール(図8)、サンタロール(図9)、パチュリ アルコール(図10)、トロポロン(図11)及びチンベロール(図12)は、下気道に特異的に作用して心拍数を低下させた。
Claims (6)
- ネロリドール、イソカンフィルシクロヘキサノール、サンダルマイソール コア、バンガロール、イソ−ロンギフォラノン、グロブロール、サンタロール、パチュリ アルコール、トロポロン及びチンベロールの群から選ばれる化合物を有効成分とする自律神経調整剤。
- 下気道に特異的に作用して心拍数を増加させるものである請求項1記載の自律神経調整剤。
- 化合物が、ネロリドール、イソカンフィルシクロヘキサノール、サンダルマイソール コア又はバンガロールである請求項2記載の自律神経調整剤。
- 下気道に特異的に作用して心拍数を低下させるものである請求項1又は2記載の自律神経調整剤。
- 化合物が、イソ−ロンギフォラノン、グロブロール、サンタロール、パチュリ アルコール、トロポロン又はチンベロールである請求項4記載の自律神経調整剤。
- 経口投与又は鼻腔投与するものである請求項1〜5のいずれか1項記載の自律神経調整剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004148982A JP2005330209A (ja) | 2004-05-19 | 2004-05-19 | 自律神経調整剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004148982A JP2005330209A (ja) | 2004-05-19 | 2004-05-19 | 自律神経調整剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005330209A true JP2005330209A (ja) | 2005-12-02 |
Family
ID=35485112
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2004148982A Pending JP2005330209A (ja) | 2004-05-19 | 2004-05-19 | 自律神経調整剤 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011098898A (ja) * | 2009-11-05 | 2011-05-19 | Nippon Menaade Keshohin Kk | オキシトシン産生促進剤 |
-
2004
- 2004-05-19 JP JP2004148982A patent/JP2005330209A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011098898A (ja) * | 2009-11-05 | 2011-05-19 | Nippon Menaade Keshohin Kk | オキシトシン産生促進剤 |
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