JP2005330199A - 関節クリーム - Google Patents
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Abstract
【課題】
従来の薬物治療の経口投与、注射剤の副作用を軽減し、外用療法としての簡便性に加えて、その有効性を高める目的で、従来の抗炎症剤にはない作用メカニズムを活かした上で、患部(関節腔)への薬物の経皮吸収を高め、薬物の到達度を高めるためには、どのようような薬物を選択し、どのように組み合わせればよいかを提供する。
【解決手段】
クリーム基剤中にメチルスルフォニルメタン(MSM)を主体として、メチルスルフォニルメタンの経皮吸収性を高め、関節腔内に効率的にメチルスルフォニルメタンを到達させる吸収促進剤として、皮膚刺激作用による温熱効果を有するトウガラシエキス(カプサイシン)、メチルスルフォニルメタンの経皮吸収促進効果と皮膚の保湿効果を有し細胞膜成分であるγ−リノレン酸を一定濃度で配合して関節炎又は関節痛に用いる関節クリーム。
【選択図】図1
従来の薬物治療の経口投与、注射剤の副作用を軽減し、外用療法としての簡便性に加えて、その有効性を高める目的で、従来の抗炎症剤にはない作用メカニズムを活かした上で、患部(関節腔)への薬物の経皮吸収を高め、薬物の到達度を高めるためには、どのようような薬物を選択し、どのように組み合わせればよいかを提供する。
【解決手段】
クリーム基剤中にメチルスルフォニルメタン(MSM)を主体として、メチルスルフォニルメタンの経皮吸収性を高め、関節腔内に効率的にメチルスルフォニルメタンを到達させる吸収促進剤として、皮膚刺激作用による温熱効果を有するトウガラシエキス(カプサイシン)、メチルスルフォニルメタンの経皮吸収促進効果と皮膚の保湿効果を有し細胞膜成分であるγ−リノレン酸を一定濃度で配合して関節炎又は関節痛に用いる関節クリーム。
【選択図】図1
Description
本発明は、関節の痛みや炎症した関節等に用いる関節クリームの技術分野に属する。
従来は、関節の痛みや炎症などを起こした関節部位に対しては、抗炎症効果を有する物質(抗炎症剤)や、消炎・鎮痛効果を有する物質(消炎・鎮痛剤)を配合して単に皮膚に塗布するだけで有効成分が殆ど患部に到達せず、また、これらの有効成分を患部に到達させる目的で、吸収促進剤を添加するものもあるが、これでも有効濃度には達せず、その効果を十分に発揮できない関節クリームが殆どである。
ところで、中高年になると膝や腰の関節の痛みに悩む人が多くなるが、膝関節の疾病(病気)には、変形性膝関節症、慢性関節リュウマチ、半月板損傷、大腿骨頸骨壊死等が挙げられるが、中でも変形性膝関節症は最も多く、膝の痛みの治療を受ける人が多数を占める。
この変形性膝関節症は、膝の関節部分の軟骨がすり減って痛みが起こる病気であるが、この関節は骨と骨とが連結している部分で、体を動かすためには必ず使用するもので重要な働きを有し、関節内では骨と骨との間に3〜4mmの厚さで骨の表面を薄く覆う関節軟骨があり、この軟骨部位での柔らかさや滑りの良さが骨と骨が接する部分の摩擦を少なくし、弾力性が衝撃を和らげる。
この変形性膝関節症は、膝の関節部分の軟骨がすり減って痛みが起こる病気であるが、この関節は骨と骨とが連結している部分で、体を動かすためには必ず使用するもので重要な働きを有し、関節内では骨と骨との間に3〜4mmの厚さで骨の表面を薄く覆う関節軟骨があり、この軟骨部位での柔らかさや滑りの良さが骨と骨が接する部分の摩擦を少なくし、弾力性が衝撃を和らげる。
しかし、変形性膝関節症において、関節軟骨が除々にすり減ると、すり減る時に生じた軟骨の「摩耗物質」が関節に炎症を起こさせ、また、じかに骨と骨とが接触するようになるので関節部位での痛みも起こる。変形性膝関節症に罹りやすい人は、50歳以上の人、女性、肥満体質などが関係すると云われている。
変形性膝関節症の治療方法には、保存的療法と手術療法があるが、保存的療法には、薬物療法、物理療法、運動療法がある。中でも、薬物療法は痛みを取り除き炎症を抑える為に、内服薬や外用薬を用いる。内服薬は、抗炎症剤として副腎皮質ホルモン剤(例えば、特許文献1)と非ステロイド剤(例えば、特許文献2)があるが、前者は、消化不良、視力低下、神経過敏、睡眠障害等の副作用があり、後者は肝臓や膵臓、造血機能に障害を起こす場合もあり、悪寒、吐き気、腰痛、下痢、頭痛、ねむけ、めまい、むくみ等の副作用が存在する。また、ステロイド剤を直接痛みのある関節部位に注入することがあるが、使いすぎると骨や軟骨を弱くするといった重大な副作用がある。
変形性膝関節症の治療方法には、保存的療法と手術療法があるが、保存的療法には、薬物療法、物理療法、運動療法がある。中でも、薬物療法は痛みを取り除き炎症を抑える為に、内服薬や外用薬を用いる。内服薬は、抗炎症剤として副腎皮質ホルモン剤(例えば、特許文献1)と非ステロイド剤(例えば、特許文献2)があるが、前者は、消化不良、視力低下、神経過敏、睡眠障害等の副作用があり、後者は肝臓や膵臓、造血機能に障害を起こす場合もあり、悪寒、吐き気、腰痛、下痢、頭痛、ねむけ、めまい、むくみ等の副作用が存在する。また、ステロイド剤を直接痛みのある関節部位に注入することがあるが、使いすぎると骨や軟骨を弱くするといった重大な副作用がある。
これらの薬物の副作用の軽減の目的で、軟膏、クリーム、貼り薬等を直接患部に投与する外用療法が試みられているが、患部への薬物の経皮吸収性が悪く、炎症部位に到達しないか、到達してもごく僅かであって、患者の痛みを取るには不十分である。また、手術療法には、頸骨高位骨切り手術、関節鏡下郭清手術(デブリードマン)、人工膝関節置換手術等があるが、患者への肉体的負担があり、全ての患者には適合しにくい現実がある。
上述した薬物療法のうち、副腎皮質ホルモン剤、非ステロイド剤の経口投与に伴う副作用の軽減と、手術療法に伴う患者の肉体的負担を解消する目的で、本発明は薬物を患部(関節)に直接投与する外用治療を選択したものであるが、患部である関節部位に必要量の薬物を到達させる必要がある。
ところで、皮膚組織は表皮と真皮からなり、その下部には皮下組織が発達し、表皮の最上位に角質層があり、そのバリア機能は角化細胞の細胞膜の内層及び細胞内の蛋白ケラチンのフィラメントによるものが主であると考えられる。また、細胞隙間に存在するケラチン等が膜透過性に影響を及ぼしていると考えられている。
このような皮膚組織における薬物の経皮吸収メカニズムは、次の(1)から(5)のステップであると考えられる。
(1)角質層表面への拡散層の拡大する過程
(2)角質層への吸着過程
(3)角質層実質中での拡散過程
(4)角質層以外の表皮層中の拡散過程
(5)真皮中での血管への移行過程
これらのステップの内、(3)の角質層実質での薬物が浸透し通過する拡散過程が重要であると考えられるが、一般的に薬物療法の経皮吸収率は悪く、従来の抗炎症剤の経皮吸収率を高め、関節部位に薬物が到達したとしても、炎症が一時的に抑えられるにすぎず、根本的治療とはならないのが現状であった。
ところで、皮膚組織は表皮と真皮からなり、その下部には皮下組織が発達し、表皮の最上位に角質層があり、そのバリア機能は角化細胞の細胞膜の内層及び細胞内の蛋白ケラチンのフィラメントによるものが主であると考えられる。また、細胞隙間に存在するケラチン等が膜透過性に影響を及ぼしていると考えられている。
このような皮膚組織における薬物の経皮吸収メカニズムは、次の(1)から(5)のステップであると考えられる。
(1)角質層表面への拡散層の拡大する過程
(2)角質層への吸着過程
(3)角質層実質中での拡散過程
(4)角質層以外の表皮層中の拡散過程
(5)真皮中での血管への移行過程
これらのステップの内、(3)の角質層実質での薬物が浸透し通過する拡散過程が重要であると考えられるが、一般的に薬物療法の経皮吸収率は悪く、従来の抗炎症剤の経皮吸収率を高め、関節部位に薬物が到達したとしても、炎症が一時的に抑えられるにすぎず、根本的治療とはならないのが現状であった。
本発明が解決しようとする課題は、従来の薬物治療の経口投与、注射剤の副作用を軽減し、外用療法としての簡便性に加えて、その有効性を高める目的で、従来の抗炎症剤にはない作用メカニズムを活かした上で、患部(関節腔)への薬物の経皮吸収を高め、薬物の到達度を高めるためには、どのようような薬物を選択し、どのように組み合わせればよいかを提供することにある。
本発明者は、関節の痛みや炎症の為の外用薬、特に、変形性膝関節症に関して、いかなる薬物を選択し、また、いかなる付加物(組み合わせ)について、抗炎症効果を発揮する有効成分を患部に効率的に到達することができるかという点について、研究しいろいろと実験した結果、関節軟骨の新陳代謝が、骨や筋肉のように血液から栄養を補給するのではなく、関節軟骨や半月板の大部分は血管はなく、滑膜細胞から供給される関節液が栄養源にしていることに注目した。
すなわち、約1ccの関節液がこれらに栄養を与えるだけでなく、老廃物を滑膜細胞に運んで処理する重要な役目を果たしている。
関節は、日常生活で毎日継続してもたらされる負荷に、加齢や内因的要素が加わって、関節軟骨は少しずつ変性し、加齢によって関節軟骨も破壊するが、複数のタンパク分解酵素の活動も最近の研究で判ってきた。
すなわち、約1ccの関節液がこれらに栄養を与えるだけでなく、老廃物を滑膜細胞に運んで処理する重要な役目を果たしている。
関節は、日常生活で毎日継続してもたらされる負荷に、加齢や内因的要素が加わって、関節軟骨は少しずつ変性し、加齢によって関節軟骨も破壊するが、複数のタンパク分解酵素の活動も最近の研究で判ってきた。
本発明は、メチルスルフォニルメタン(MSM)は、有機硫黄化合物であり、髪や爪、皮膚や粘膜、関節軟骨などに必要な硫黄の供給に欠かせない成分であることに着目し、メチルスルフォニルメタン自体を関節部に直接塗布し、経皮吸収させることによって関節腔に到達させ、関節腔に存在する関節液内のメチルスルフォニルメタンの濃度を高めることによって、関節液を媒体として、関節軟膏に硫黄成分を供給し、細胞の新陳代謝を促進し、軟骨の再生を促すことが有効であることに想到した。
そして、メチルスルフォニルメタン自体の吸収性を高める目的で、患部を暖め毛細血管拡張と共に細胞間隙を緩めるために、トウガラシエキス(カプサイシン)の温熱刺激効果を利用した。
さらに、必須脂肪酸であるγ−リノレン酸は、脂肪酸の中でも成長や発育等の健康に関する重要な物質であり、皮膚の保湿成分であり、かつ、細胞膜の構成成分であることに着目し、メチルスルフォニルメタンの分配係数を高める目的で添加し、また、γ−リノレン酸は細胞膜を構成する脂肪酸であると同時に、抗炎症作用を有することにも着目した。
そして、メチルスルフォニルメタン自体の吸収性を高める目的で、患部を暖め毛細血管拡張と共に細胞間隙を緩めるために、トウガラシエキス(カプサイシン)の温熱刺激効果を利用した。
さらに、必須脂肪酸であるγ−リノレン酸は、脂肪酸の中でも成長や発育等の健康に関する重要な物質であり、皮膚の保湿成分であり、かつ、細胞膜の構成成分であることに着目し、メチルスルフォニルメタンの分配係数を高める目的で添加し、また、γ−リノレン酸は細胞膜を構成する脂肪酸であると同時に、抗炎症作用を有することにも着目した。
このような観点から、本発明に想到したのであるが、請求項1の発明は、クリーム軟膏内にメチルスルフォニルメタン、γ−リノレン酸、及び、トウガラシエキスを含有する関節炎又は関節痛に用いることを特徴とする関節クリームである。
本発明によれば、従来の薬物治療の経口投与、注射剤の副作用を軽減し、外用療法としてクリーム状での使用の簡便性を維持しながら、炎症の原因である関節軟膏の損傷を再生に寄与するメチルスルフォニルメタン(MSM)を主体として、トウガラシエキス(カプサイシン)の経皮吸収促進効果と細胞膜成分であるγ−リノレン酸の相乗効果により、より効果的に関節腔内に到達させ、メチルスルフォニルメタンを関節液に浸透させ、関節軟骨の再生を促すと同時に、メチルスルフォニルメタン(MSM)と同時に分配したγ−リノレン酸自体の抗炎症作用により、関節の炎症を抑え、更に、患部の関節周囲の皮膚に保湿効果が得られる。
本発明は、使用の簡便性に優れたクリーム基剤内にメチルスルフォニルメタン、γ−リノレン酸、及び、トウガラシエキスを含有する関節クリームであるが、更に詳細に説明すると、クリーム基剤中にメチルスルフォニルメタン(MSM)を主体として、メチルスルフォニルメタンの経皮吸収性を高め、関節腔内に効率的にメチルスルフォニルメタンを到達させる吸収促進剤として、皮膚刺激作用による温熱効果を有するトウガラシエキス(カプサイシン)、メチルスルフォニルメタンの経皮吸収促進効果と皮膚の保湿効果を有し細胞膜成分であるγ−リノレン酸を一定濃度で配合したものである。
その配合量は、メチルスルフォニルメタン(MSM)については、少なすぎると効果が無く、多すぎると基剤分散性が悪くなり、溶解性も悪くなり、湿潤性も劣り、経済性も不利であるので、好ましくは2〜30W/W%、より好ましくは5〜20W/W%を配合するのがよく、トウガラシエキス(カプサイシン)については、少なすぎると効果が無く、多すぎると刺激が大きく皮膚に炎症を起こすので、好ましくは0.001〜5W/W%、より好ましくは0.1〜3W/W%を配合するのがよく、γ−リノレン酸については、少なすぎると効果が無く、多すぎると基剤への適合性も劣り、経済性も不利であるので、好ましくは0.001〜5W/W%、より好ましくは0.01〜3W/W%を配合するのが望ましい。
[作用]
本発明の関節クリームは、疾病、特に変形性膝関節症に対して、炎症の原因である関節軟骨の損傷を再生に寄与するメチルスルフォニルメタンを主体として、トウガラシエキス(カプサイシン)の経皮吸収促進効果と細胞膜成分であるγ−リノレン酸の相乗効果により、より効果的に関節腔内に到達させ、関節液に分配させることによって、関節軟骨の再生を促すと同時に、メチルスルフォニルメタン(MSM)と同時に分配したγ−リノレン酸自体の抗炎症作用により、関節の炎症を抑える作用をする。さらに、トウガラシエキス(カプサイシン)が患部の関節周囲の皮膚に働きかけ、皮膚刺激効果により、局所の発病物質(サブスタンスP等)を枯渇させて、鎮痛作用を発現し、全体として関節痛及び関節炎症を緩和する作用をする。
本発明の関節クリームは、疾病、特に変形性膝関節症に対して、炎症の原因である関節軟骨の損傷を再生に寄与するメチルスルフォニルメタンを主体として、トウガラシエキス(カプサイシン)の経皮吸収促進効果と細胞膜成分であるγ−リノレン酸の相乗効果により、より効果的に関節腔内に到達させ、関節液に分配させることによって、関節軟骨の再生を促すと同時に、メチルスルフォニルメタン(MSM)と同時に分配したγ−リノレン酸自体の抗炎症作用により、関節の炎症を抑える作用をする。さらに、トウガラシエキス(カプサイシン)が患部の関節周囲の皮膚に働きかけ、皮膚刺激効果により、局所の発病物質(サブスタンスP等)を枯渇させて、鎮痛作用を発現し、全体として関節痛及び関節炎症を緩和する作用をする。
次ぎに、本発明の好適な実施例1について説明するが、実施例1の組成は以下のようなものである。
[実施例1]
小麦胚芽油 ・・・・・5W/W%
尿素 ・・・・・1W/W%
セタノール ・・・・・5W/W%
カルボマー ・・・・・1W/W%
ジプロピレングリコール(DPG)・・10W/W%
メチルスルフォニルメタン(MSM)・・5W/W%
トウガラシエキス(カプサイシン) ・2W/W%
γ−リノレン酸 ・・・・・1W/W%
精製水 ・・・・70W/W%
合 計 100W/W%
実施例1の組成の処方方法は、メチルスルフォニルメタン(MSM)と尿素とを精製水に溶解して溶解液を作ったのち、トウガラシエキス(カプサイシン)を加え、カルボマーを添加して溶解させる。次ぎに、小麦胚芽油にセタノール、DPG、γ−リノレン酸を混合した混合液を作った後、上記のメチルスルフォニルメタン等の溶解液にこの混合液を加えて、約10分間良く撹拌したのち静置する。
なお、精製水70W/W%、小麦胚芽油、尿素、セタノール、カルボマー、ジプロピレングリコールを加えているが、これは使用の利便性を向上させ、保湿効果を高めるためのクリーム基剤である。
[実施例1]
小麦胚芽油 ・・・・・5W/W%
尿素 ・・・・・1W/W%
セタノール ・・・・・5W/W%
カルボマー ・・・・・1W/W%
ジプロピレングリコール(DPG)・・10W/W%
メチルスルフォニルメタン(MSM)・・5W/W%
トウガラシエキス(カプサイシン) ・2W/W%
γ−リノレン酸 ・・・・・1W/W%
精製水 ・・・・70W/W%
合 計 100W/W%
実施例1の組成の処方方法は、メチルスルフォニルメタン(MSM)と尿素とを精製水に溶解して溶解液を作ったのち、トウガラシエキス(カプサイシン)を加え、カルボマーを添加して溶解させる。次ぎに、小麦胚芽油にセタノール、DPG、γ−リノレン酸を混合した混合液を作った後、上記のメチルスルフォニルメタン等の溶解液にこの混合液を加えて、約10分間良く撹拌したのち静置する。
なお、精製水70W/W%、小麦胚芽油、尿素、セタノール、カルボマー、ジプロピレングリコールを加えているが、これは使用の利便性を向上させ、保湿効果を高めるためのクリーム基剤である。
[効果確認の実験方法]
上記の実施例1の組成の関節クリームの効果を確認するために、次ぎのような実験を行った。
(1)抗炎症作用(アジュバント関節炎治療試験)
抗炎症作用を確認するためにアジュバント注射による関節炎治療実験を以下のような条件で行った。
[実験対象]
被験群:上記組成の関節クリーム(実施例1)
薬剤使用対照群:市販(A社製)のインドメタシン軟膏(比較例1)
無処置対照群:何の薬物の処置をしない(比較例2)
[実験方法]
生後7週齢(体重約180g)のWistar系雄性ラットに、流動パラフィンに懸したMycobacterium butyricum(Difco)の死菌菌体1%懸濁液0.06mlをラットの尾に皮内注射し、15日目に関節炎が確率したラットを選び、後肢腫率が同程度となるような一群10匹とした。アジュバント注射後15日目より21日目までの7日間、実施例1の関節クリーム及び比較例1のインドメタシン軟膏の0.2gを1日に午前10時と午後4時の各々2回塗布した。
アジュバント注射前と注射後15日目(薬剤投与直前)、更に、アジュバット注射後18日目、20日目、22日目(薬剤投与開始後3日目、5日目および7日目)に足容積を測定した。
そして、起炎剤注射前も足容積から、次の(数式1)及び(数式2)に示す計算式に基づいて、関節炎の腫脹抑制率を求めた。
(数式1)浮腫率(%)={(Vt−Vn)/Vn}×100
Vn:アジュバント注射前足容積
Vt:アジュバント注射t時間後の足容積
(数式2)抑制率(%)={(Ec−Et)/Ec}×100
Ec:比較例1(対照群)の平均浮腫率
Et:実施例1(薬剤投与群)の浮腫率
上記の実施例1の組成の関節クリームの効果を確認するために、次ぎのような実験を行った。
(1)抗炎症作用(アジュバント関節炎治療試験)
抗炎症作用を確認するためにアジュバント注射による関節炎治療実験を以下のような条件で行った。
[実験対象]
被験群:上記組成の関節クリーム(実施例1)
薬剤使用対照群:市販(A社製)のインドメタシン軟膏(比較例1)
無処置対照群:何の薬物の処置をしない(比較例2)
[実験方法]
生後7週齢(体重約180g)のWistar系雄性ラットに、流動パラフィンに懸したMycobacterium butyricum(Difco)の死菌菌体1%懸濁液0.06mlをラットの尾に皮内注射し、15日目に関節炎が確率したラットを選び、後肢腫率が同程度となるような一群10匹とした。アジュバント注射後15日目より21日目までの7日間、実施例1の関節クリーム及び比較例1のインドメタシン軟膏の0.2gを1日に午前10時と午後4時の各々2回塗布した。
アジュバント注射前と注射後15日目(薬剤投与直前)、更に、アジュバット注射後18日目、20日目、22日目(薬剤投与開始後3日目、5日目および7日目)に足容積を測定した。
そして、起炎剤注射前も足容積から、次の(数式1)及び(数式2)に示す計算式に基づいて、関節炎の腫脹抑制率を求めた。
(数式1)浮腫率(%)={(Vt−Vn)/Vn}×100
Vn:アジュバント注射前足容積
Vt:アジュバント注射t時間後の足容積
(数式2)抑制率(%)={(Ec−Et)/Ec}×100
Ec:比較例1(対照群)の平均浮腫率
Et:実施例1(薬剤投与群)の浮腫率
[実験結果]
実験結果を図1(関節クリームのアジュバント関節炎治療効果)のグラフに示すが、全ての群の浮腫率を100%とすると、無処置の比較例2の対照体群は除々に浮腫率は高まり、観察7日目(アジュバット注射22日目)の浮腫率は140%になり、インドメタシン軟膏を塗布した比較例1の対照群の浮腫率はほぼ横ばいであるが、本実施例の関節クリームを塗布した場合の浮腫率は、塗布3日目(アジュバット注射18日目)でほぼ40%程度に下がり、塗布20日、22日でも同様の浮腫率を維持し、明らかに関節患部において抗炎症作用を有することが判明した。
実験結果を図1(関節クリームのアジュバント関節炎治療効果)のグラフに示すが、全ての群の浮腫率を100%とすると、無処置の比較例2の対照体群は除々に浮腫率は高まり、観察7日目(アジュバット注射22日目)の浮腫率は140%になり、インドメタシン軟膏を塗布した比較例1の対照群の浮腫率はほぼ横ばいであるが、本実施例の関節クリームを塗布した場合の浮腫率は、塗布3日目(アジュバット注射18日目)でほぼ40%程度に下がり、塗布20日、22日でも同様の浮腫率を維持し、明らかに関節患部において抗炎症作用を有することが判明した。
(2)炎症足圧痛抑制実験
炎症足圧痛抑制を調べるために、以下の条件でRandall and Selittoの方法に準じて実験を行った。
[実験対象]
被験群:上記組成の関節クリーム(実施例1)
薬剤使用対照群1:市販(A社製)のインドメタシン軟膏(比較例1)
無処置対照群:何も薬物の処置をしない(比較例2)
[実験方法]
Randall and Selittoの方法に準じて実験を行ったが、体重180g〜200gのWistar系雄性ラットの一群10匹を用い、エーテル麻酔下にラット右後肢足跡皮下に20%イースト懸濁液の0.1mlを注射し、起炎剤注射前及び注射2時間後にanalgesy meter(Ugo Basile社製)を用いて、もがき様反応を指標として疼痛閾値を測定した。起炎剤注射後の疼痛閾値を次ぎに示す計算方法として、次の(数式3)及び(数式4)に示すように、無処置対照群(比較例2)の疼痛閾値比に対する実施例1及び比較例1の疼痛閾値の上昇率を求めた。
(数式3)疼痛閾値比(R)=Pt/Po
Po:起炎剤注射前の疼痛閾値
Pt:起炎剤注射2時間後の疼痛閾値
(数式4)疼痛閾値上昇率(%)={(Rt−Rc)/Rc}×100
Rc:比較例2(無処置)の対照群の平均疼痛閾値比
Rt:実施例1、比較例1それぞれの関節クリーム薬剤投与群の平均疼痛閾値比
炎症足圧痛抑制を調べるために、以下の条件でRandall and Selittoの方法に準じて実験を行った。
[実験対象]
被験群:上記組成の関節クリーム(実施例1)
薬剤使用対照群1:市販(A社製)のインドメタシン軟膏(比較例1)
無処置対照群:何も薬物の処置をしない(比較例2)
[実験方法]
Randall and Selittoの方法に準じて実験を行ったが、体重180g〜200gのWistar系雄性ラットの一群10匹を用い、エーテル麻酔下にラット右後肢足跡皮下に20%イースト懸濁液の0.1mlを注射し、起炎剤注射前及び注射2時間後にanalgesy meter(Ugo Basile社製)を用いて、もがき様反応を指標として疼痛閾値を測定した。起炎剤注射後の疼痛閾値を次ぎに示す計算方法として、次の(数式3)及び(数式4)に示すように、無処置対照群(比較例2)の疼痛閾値比に対する実施例1及び比較例1の疼痛閾値の上昇率を求めた。
(数式3)疼痛閾値比(R)=Pt/Po
Po:起炎剤注射前の疼痛閾値
Pt:起炎剤注射2時間後の疼痛閾値
(数式4)疼痛閾値上昇率(%)={(Rt−Rc)/Rc}×100
Rc:比較例2(無処置)の対照群の平均疼痛閾値比
Rt:実施例1、比較例1それぞれの関節クリーム薬剤投与群の平均疼痛閾値比
[実験結果]
実験結果を図2(関節クリームの局所投与の炎症足圧痛抑制効果)の表に示すが、無処置の疼痛閾値に対して、インドメタシン軟膏を塗布した比較例1の対照群の疼痛閾値上昇率は44.4%であるのに対して、本実施例1の関節クリームを塗布した場合は、94.4%も上昇し、明らかに、炎症足圧痛抑制作用を有することが判る。
実験結果を図2(関節クリームの局所投与の炎症足圧痛抑制効果)の表に示すが、無処置の疼痛閾値に対して、インドメタシン軟膏を塗布した比較例1の対照群の疼痛閾値上昇率は44.4%であるのに対して、本実施例1の関節クリームを塗布した場合は、94.4%も上昇し、明らかに、炎症足圧痛抑制作用を有することが判る。
以上のように、本実施例では、関節炎及び関節痛の治療において、外用療法としてクリーム状での使用の簡便性を維持しながら、炎症の原因である関節軟膏の損傷を再生に寄与するメチルスルフォニルメタン(MSM)を主体とした薬剤を関節液に浸透させることであるが、その際に、トウガラシエキス(カプサイシン)の経皮吸収促進効果と、細胞膜成分であるγ−リノレン酸の相乗効果により、メチルスルフォニルメタンをより効果的に関節腔内に到達させて関節液に浸透させ、関節軟骨の再生を促すとともに、同時に分配したγ−リノレン酸自体の抗炎症作用により、関節の炎症及び痛みを抑え、更に、患部の関節周囲の皮膚に保湿するように作用する。
なお、本発明の特徴を損なうものでなければ、上述した実施例に限定されるものでないことは勿論であり、例えば、組成の比率も前述した範囲内で適宜設定すればよい。
なお、本発明の特徴を損なうものでなければ、上述した実施例に限定されるものでないことは勿論であり、例えば、組成の比率も前述した範囲内で適宜設定すればよい。
Claims (1)
- クリーム軟膏内にメチルスルフォニルメタン、γ−リノレン酸、及び、トウガラシエキスを含有する関節炎及び関節痛に用いることを特徴とする関節クリーム
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004148333A JP2005330199A (ja) | 2004-05-18 | 2004-05-18 | 関節クリーム |
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