JP2005328315A - 音響装置および記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】前方方向(音の到来方向)の音像定位が適正に得られ、立体感、臨場感よく音声を再生できるように、音声を集音してこれを音声信号として記録できるようにする音響装置を提供する。
【解決手段】通常用いられる左主マイクロフォン1Lと右主マイクロフォン1Rとに加えて、両耳部分以外の位置に、左前方マイクロフォン1FL、左後方マイクロフォン1RL、右前方マイクロフォン1FR、右後方マイクロフォン1RRを設ける。これらを通じて検出した音声信号の周波数とレベルとを調整手段としての周波数補正回路2FL、2RL、2FR、2RR、レベル調整回路3FL、3RL、3FR、3RRにより調整し、それらを別々に、あるいは、所定のチャンネル数分に合成して記録媒体に記録する。
【選択図】図2

Description

この発明は、いわゆるバイノーラル(bi-aural)方式を利用して、音楽、人声、その他の種々の発音体から発生られる音(以下、単に音という。)を録音できるようにするための音響装置および音の記録方法に関する。
人間の頭部を模して形成したダミーヘッドを用い、当該ダミーヘッドの左耳の位置と右耳の位置とにマイクロフォンを設置し、これら左右のマイクロフォンで集音した音を記録媒体に記録するようにするバイノーラル方式の録音方法が用いられている。このバイノーラル方式の録音の場合、ダミーヘッドの両耳部分に設置されるマイクロフォンで音声を収音するため、聴取者が実際に自分の耳で音を聴取するのと同じ状態で集音された音を記録することが可能となる。
このように、バイノーラル方式で録音された音を再生してヘッドフォンを用いて聴取するようにすると、音の収録(録音)音場における場合と同様の立体感、臨場感、迫力感のある音声を聴取することができるようにされる。
そして、後に記す特許文献1には、バイノーラル方式を利用するとともに、聴取者よりも前方に配置するマイクロフォンをも用いて集音した音を再生することにより、ヘッドフォンを用いて再生音声を聴取しても、また、スピーカを通じて再生音声を聴取しても、適正な残響感があり、かつ、臨場感のある再生音声を提供できるようにする技術が開示されている。
特開平06−217400号公報
ところで、バイノーラル方式により記録媒体に記録された音を再生して聴取すると、立体音場の広がりが、聴取者の前方よりも後頭部側に厚く広がった感じを受けてしまう場合がある。つまり、バイノーラル方式での録音では、聴取者の前方方向への音像の定位が不十分であるといえる。
しかし、バイノーラル方式の録音は、音を収録した音場を臨場感よく再生できるようにする合理的な方式であり、聴取者の前方方向の音像の定位を十分に確保できるようにすることが従来から望まれている。
以上のことにかんがみ、この発明は、前方方向(音の到来方向)の音像定位が適正に得られ、立体感、臨場感よく音声を再生できるように、音声を集音してこれを音声信号として記録できるようにする音響装置、および、音声信号の記録方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の音響装置は、
人間の頭部を模して形成されたダミーヘッドと、当該ダミーヘッドの形状に沿って設けられ、検出した音波を電気信号に変換して出力する複数個の音波検出素子とを有する音響装置であって、
前記ダミーヘッドの左耳部分に設けられる左音波検出素子と、
前記ダミーヘッドの右耳部分に設けられる右音波検出素子と、
前記左耳部分および前記右耳部分以外の位置に設けられる1つ以上の拡張音波検出素子と、
1つ以上の前記拡張音波検出手段に対して設けられ、前記拡張音波検出手段から出力される信号の周波数とレベルとの一方または両方の調整を行う調整手段と
を備えることを特徴とする。
この請求項1に記載の発明の音響装置によれば、聴取者が聴取する(感じる)音(音波)は鼓膜以外にも、顔全体に受けた音圧を顔の内部を通って鼓膜に振動として伝わっている可能性が高いということに着目し、バイノーラル方式の録音において通常用いられる左耳用の左音波検出素子と右耳用の右音波検出素子とに加えて、両耳部分以外の位置に拡張音波検出素子が設けられる。
そして、拡張音波検出素子を通じて検出した音波の周波数とレベルとの一方または両方を調整手段により調整し、左音波検出手段と右音波検出手段とにより収音した音と、拡張音波検出素子により検出され、調整手段により調整された音とが、記録媒体に記録するようにされる。
これにより、従来からダミーヘッドの両耳部分に設けられて使用されている左音波検出素子と右音波検出素子とに加えて、ダミーヘッドの両耳部分以外の位置に設けられる拡張音波検出素子をも用いて音を集音して記録媒体に記録できるようにすることによって、前方方向の音像の定位を十分に再現でき、音像の定位を実際の音場に即して再生することができるようにされる。
また、請求項2に記載の発明の音響装置は、請求項1に記載の音響装置であって、
1つ以上の前記拡張音波検出素子は、前記ダミーヘッドに対して、左右両耳部分よりも、音波が到来する方向である前方側に設けることを特徴とする。
この請求項2に記載の発明の音響装置によれば、聴取者の頭部の内部は空気より遥かに振動の伝達が速いので、時間的には顔の前方より来る音は、外耳、中耳を通じて鼓膜に伝わる音の振動よりも早く認知されると考えられる点に着目し、ダミーヘッドの左右両耳部分よりも、前方側、すなわち、ダミーヘッドの顔面の頬部分や額部分などの音波の到来方向と対峙する側に拡張音波検出素子が設けられる。これにより、聴取者の前方方向の音像の定位を十分に再生できるように、音を収録することができるようにされる。
また、請求項3に記載の発明の音響装置は、請求項2に記載の音響装置であって、
1つ以上の前記拡張音波検出素子は、少なくとも、前記ダミーヘッドに対して、左右両耳部分よりも、音波が到来する方向である前方側であって、左耳側と右耳側とのそれぞれに設けられることを特徴とする。
この請求項3に記載の発明の音響装置によれば、ダミーヘッドの顔面の頬部分や額部分などの音波の到来方向と対峙する側であって、左側と右側とのそれぞれに拡張音波検出素子が設けられる。これにより、聴取者の前方方向の音像の定位を、左側と右側との2チャンネルに分けてより詳細に再生できるように、音を収録することができるようにされる。
また、請求項4に記載の発明の音響装置は、請求項1に記載の音響装置であって、
1つ以上の前記拡張音波検出素子は、前記ダミーヘッドに対して、左右両耳部分よりも、音波が到来する方向である前方側と、音波が到来する方向とは逆の方向である後方側とに設けられることを特徴とする。
この請求項4に記載の発明の音響装置によれば、ダミーヘッドの後頭部側から直接くる振動は、顔面側からくる振動よりは差が少ないが、直接鼓膜に到達する音よりも早く鼓膜が感じ取る可能性があることに着目し、ダミーヘッドの後方側、すなわち、ダミーヘッドの後頭部にも拡張音波検出素子が設けられる。これにより、音波が到来する方向とは反対側からダミーヘッドに至る音をも確実に集音して、より臨場感のある音を再生することができるように、音を収録することができるようにされる。
また、請求項5に記載の発明の音響装置は、請求項4に記載の音響装置であって、
1つ以上の前記拡張音波検出素子は、少なくとも、前方左側と前方右側と、後方左側と後方右側とに設けることを特徴とする。
この請求項5に記載の発明の音響装置によれば、ダミーヘッドの顔面の左側と右側、および、ダミーヘッドの後頭部の左側と右側とのそれぞれにも拡張音波検出素子が設けられる。これにより、聴取者の前方方向の音像の定位を十分に確保できることに加えて、聴取者の後方方向の音像の定位を、左側と右側との2チャンネルに分けてより詳細に反映できるように、音を収録することができるようにされる。
従来のバイノーラル方式の録音の場合に比べ、ダミーヘッドの両耳部分以外の部分に音波検出素子を設けることにより、鼓膜への到達時間が先行する先行音(先行音波)を処理対象に追加することができ、より立体的な音像の定位が表現でき、より臨場感のあるように音を再生することができるようになる。
以下、図を参照しながらこの発明による装置、方法の一実施の形態について説明する。以下に説明する実施の形態においては、バイノーラル方式を用いて音楽など種々の発音体からの音の録音を行うことが可能な音響装置に、この発明による装置、方法を適用した場合を例にして説明する。
上述もしたように、バイノーラル方式を用いて音声を左右2チャンネルで録音し、これを再生してヘッドフォンを用いて聴取すると、通常のステレオ録音よりかなり立体的に、臨場感よく音場を再生することができる。しかし、前方定位に関しては、十分に再生できていない場合がある。
一般には、聴取者の外耳、中耳を通って鼓膜に音が届くと思われている。しかし、実際には聴取者は、顔の全体からも音による振動を感じているのは明らかで、かつ、頬とか額から伝わる音の振動は頭部の中では空気中より早く伝播する。このため、実際には、聴取者の外耳、中耳を通って鼓膜に届く音と、聴取者の顔全体(頭部全体)を通じて鼓膜に到達する音による振動との間に時間差が生じるが、従来のバイノーラル方式の録音の場合、聴取者の顔全体(頭部全体)を通じて鼓膜に到達する音による振動については全く考慮されていない。
そこで、この実施の形態の音響装置においては、従来、まったく考慮されていない聴取者の頬や額、あるいは、聴取者の後頭部を通じて鼓膜に伝わる音による振動をも考慮して、音を録音できるようにし、従来のバイノーラル方式よりも、より立体感、臨場感のある音の再生を可能にするようにしている。
図1は、この実施の形態の音響装置において、音波検出素子であるマイクロフォンの設置位置を説明するための図である。図1Aは、人間の頭部を模して形成されたダミーヘッドDHをその上方から見た場合のマイクロフォンの設置位置を示す図であり、図1Bは、ダミーヘッドDHを左横側から見た場合のマイクロフォンの設置位置を示す図である。
図1Aに示すように、ダミーヘッドDHには、全部で6個のマイクロフォンが設けられている。つまり、この実施の形態の音響装置は、左右の耳部分に設けられる左主マイクロフォン1L、右主マイクロフォン1Rと、左右の耳部分よりも前方側のダミーヘッドDHの顔の頬部分に設けられる左前方マイクロフォン1FL、右前方マイクロフォン1FRと、左右の耳部分よりも後方側のダミーヘッドDHの後頭部部分に設けられる左後方マイクロフォン1RL、右後方マイクロフォン1RRとを備えたものである。
そして、図1Bに示すように、ダミーヘッドDHの左側面側からダミーヘッドDHを見ると、左主マイクロフォン1Lは、ダミーヘッドDHの左耳部分に設けられ、左前方マイクロフォン1FLは、ダミーヘッドDHの左頬のあたりであって、一般に顔面において鼻以外の部分で一番突出した部分である頬骨部分に設けられ、また、左後方マイクロフォンは、ダミーヘッドDHの後頭部の左側の部分(左耳部分の後ろ側)に設けられる。
なお、図には示さなかったが、ダミーヘッドDHの右側も左側の場合と同様に、マイクロフォン1Rは、ダミーヘッドDHの右耳部分に設けられ、右前方マイクロフォン1FRは、ダミーヘッドDHの右頬のあたりであって、一般に顔面において鼻以外の部分で一番突出した部分である頬骨部分に設けられ、また、右後方マイクロフォンは、ダミーヘッドDHの後頭部の右側の部分(右耳部分の後ろ側)に設けられる。
一般に、ダミーヘッドDHは、その顔面(全面)が音の到来方向に対峙するように設置される。なお、この実施の形態においては、音の到来方向と対峙するダミーヘッドDHの顔面側を前方側、音の到来方向とは逆の方向に対峙するダミーヘッドの後頭部側を後方側としている。
このように、この実施の形態の音響装置は、従来のバイノーラル方式で音を録音する場合に用いられる左耳部分に設けられる左主マイクロフォン1L、右耳部分に設けられる右主マイクロフォン1Rに加えて、ダミーヘッドDHの頬部分と後頭部部分とに2つづつ、合わせて4つのマイクロフォン(拡張音波検出素子)が追加され、全部で6個のマイクロフォンを備えたものである。
そして、図1において、左前方マイクロフォン1FLが設けられる左頬部分からダミーヘッドDHの内部を通り左耳の鼓膜までの距離(直線距離)、および、右前方マイクロフォン1FRが設けられる右頬部分からダミーヘッドDHの内部を通り右耳の鼓膜までの距離(直線距離)が約8センチメートルであるとする。空気中における音速は約340メートル/秒(秒速340メートル)であるので、約8センチメートルの距離を音が伝播するのにかかる時間は、8/34000=0.24ミリ秒(240マイクロ秒)である。
しかし、ダミーヘッドDHの内部(聴取者の頭部の内部)は空洞ではない。密度が高い部分での音の伝播速度は、空気中における伝播速度よりも速い。例えば、水中での音の伝播速度は秒速1500メートルであり、鉄の中における音の伝播速度は秒速5000メートルにもなる。したがって、顔面からその内部を通じて鼓膜に至る音の振動は、耳道を通じて鼓膜に至る音の振動よりも聴取者は早く感じ取ることになる。
そこで、この実施の形態の音響装置においては、上述のように、左前方マイクロフォン1FL、右前方マイクロフォン1FRをダミーヘッドDHの頬部分に設けることにより、左耳部分と右耳部分とに設ける2つのマイクロフォンだけでは集音しきれなかった、聴取者が、耳の耳道を通じて鼓膜に至る音の振動よりも早く感じ取る音の振動、すなわち、顔面を通じて感じる音を集音して利用できるようにしている。
同様に、図1において、左後方マイクロフォン1RLが設けられる左後頭部部分からダミーヘッドDHの内部を通り左耳の鼓膜までの距離(直線距離)、および、右後方マイクロフォン1RRが設けられる右後頭部部分からダミーヘッドDHの内部を通り右耳の鼓膜までの距離(直線距離)が約2センチメートルであるとする。
空気中において、約2センチメートルの距離を音が伝播するのにかかる時間は、上述の場合と同様に、2/34000=0.06ミリ秒(60マイクロ秒)となる。しかし、上述もしたように、ダミーヘッドDHの内部(聴取者の頭部の内部)は、空洞ではないので、後頭部を通じて感じ取る音の振動は、外耳、中耳を通って鼓膜に達する音の振動よりも早く鼓膜に到達するはずである。
そこで、この実施の形態の音響装置においては、左後方マイクロフォン1RL、左前方マイクロフォン1RRをダミーヘッドDHの後頭部部分に設けることにより、左耳部分と右耳部分とに設ける2つのマイクロフォンだけでは集音しきれなかった、聴取者が、後頭部を通じて感じる音を集音して利用できるようにしている。
そして、図1に示したように、新たに設ける左前方マイクロフォン1FL、左後方マイクロフォン1RL、および、右前方マイクロフォン1FR、左後方マイクロフォン1RRにより集音され、これが電気信号に変換されて形成された音声信号に対して、周波数特性や信号レベルの調整を行い、従来から用いられている左主マイクロフォン、右主マイクロフォンを通じて集音した音の音声信号に対して加算することにより、従来のバイノーラル方式で録音した音声信号よりも優れた立体音場を再現できるように音を集音し、これを音声信号として記録媒体に記録することができるようにしている。
なお、上述の左主マイクロフォン1L、左前方マイクロフォン1FL、左後方マイクロフォン1RL、右主マイクロフォン1R、右前方マイクロフォン1FR、右後方マイクロフォン1RRのそれぞれは、いうまでもなく、音を振動として検出し(音を集音し)、これを電気信号(音声信号)に変換して出力するものである。
図2は、この実施の形態の音響装置の発明にかかる主要部を説明するためのブロック図である。図2に示すように、この実施の形態の音響装置は、左チャンネル(Lチャンネル)と右チャンネル(Rチャンネル)との2チャンネルの音響装置である。
図1にも示したように、左チャンネルは、左前方マイクロフォン1FLと、左主マイクロフォン1Fと、左後方マイクロフォン1RLとの3つのマイクロフォンを備えている。そして、左前方マイクロフォン1FLに対しては、周波数補正回路2FL、レベル調整回路3FLが設けられており、左後方マイクロフォン1RLに対しては、周波数補正回路2RL、レベル調整回路3RLが設けられている。さらに、左チャンネルは、レベル調整回路3FL、3RLからの出力信号と、左主マイクロフォン1Fからの出力信号とを加算する加算回路4Lを備えている。
同様に、右チャンネルは、右前方マイクロフォン1FRと、右主マイクロフォン1Rと、右後方マイクロフォン1RRとの3つのマイクロフォンを備えている。そして、右前方マイクロフォン1FRに対しては、周波数補正回路2FR、レベル調整回路3FRが設けられており、右後方マイクロフォン1RRに対しては、周波数補正回路2RR、レベル調整回路3RRが設けられている。さらに、右チャンネルは、レベル調整回路3FR、3RRからの出力信号と、右主マイクロフォン1Rからの出力信号とを加算する加算回路4Rが設けられている。
加算回路4L、4Rの後段には、合成および演算回路5が設けられている。この合成および演算回路5は、後述もするが、より臨場感のある音場を再生できるようにするために、LチャンネルとRチャンネルの音声信号の同相分(L+R)と逆相分(L−R)とを形成して周波数補正し、これらを合成するなどの処理を行って、左チャンネル用音声信号Lと右チャンネル用音声信号Rとを形成するものである。
そして、この実施の形態の音響装置の左チャンネルにおいて、左前方マイクロフォン1FLに対して設けられた周波数補正回路2FLは、左前方マイクロフォン1FLからの音声信号の周波数補正を行うものであり、例えば、音声信号の中域成分のみを抽出する帯域制限フィルタとしての機能を有するものである。また、左前方マイクロフォン1FLに対して設けられたレベル調整回路3FLは、例えば、前方の音像定位を強く出したい場合にはレベルを高く、そうでない場合には、低くするというように、周波数補正回路2FLからの音声信号のレベルを調整するものである。
したがって、左前方マイクロフォン1FLからの音声信号は、周波数補正回路2FLにおいて中域成分のみが抽出され、この抽出された中域成分の音声信号がレベル調整回路3FLにおいてレベル調整されて、加算回路4Lに供給される。
同様に、左後方マイクロフォン1RLに対して設けられた周波数補正回路2RLは、左後方マイクロフォン1RLからの音声信号の周波数補正を行うものであり、例えば、音声信号の中域成分のみを抽出する帯域制限フィルタとしての機能を有するものである。また、左後方マイクロフォン1RLに対して設けられたレベル調整回路3RLは、例えば、後方の音像定位を強く出したい場合にはレベルを高くし、逆に弱くしたい場合にはレベルを低くするというように、周波数補正回路2RLからの音声信号のレベルを調整するものである。
したがって、左後方マイクロフォン1RLからの音声信号は、周波数補正回路2RLにおいて中域成分のみが抽出され、この抽出された中域成分の音声信号がレベル調整回路3RLにおいてレベル調整されて、加算回路4Lに供給される。
加算回路4Lは、左前方マイクロフォン1FLで集音され、周波数補正回路2FLおよびレベル調整回路3FLを通じて供給される音声信号と、左主マイクロフォン1Lからの音声信号と、左後方マイクロフォン1RLで集音され、周波数補正回路2RLおよびレベル調整回路3RLを通じて供給される音声信号とを加算し、この加算して形成した音声信号を後段の合成および演算回路5に供給する。
同様に、この実施の形態の音響装置の右チャンネルにおいて、右前方マイクロフォン1FRに対して設けられた周波数補正回路2FRと、右後方マイクロフォン1RRに対して設けられた周波数補正回路2RRとは、対応するマイクロフォンからの音声信号の周波数補正を行うものであり、例えば、音声信号の中域成分のみを抽出する帯域制限フィルタとしての機能を有するものである。
また、右前方マイクロフォン1FRに対して設けられたレベル調整回路3FRと、右後方マイクロフォン1RRに対して設けられたレベル調整回路3RRとは、上述した左チャンネルのレベル調整回路3FL、3RLと同様に、周波数補正回路2FR、2RRのうちの対応する周波数補正回路から供給される音声信号のレベルを調整するものである。
そして、右前方マイクロフォン1FRからの音声信号は、周波数補正回路2FRにおいて中域成分のみが抽出され、この抽出された中域成分の音声信号がレベル調整回路3FRにおいてレベル調整されて、加算回路4Lに供給される。また、右後方マイクロフォン1RRからの音声信号は、周波数補正回路2RRにおいて中域成分のみが抽出され、この抽出された中域成分の音声信号がレベル調整回路3RRにおいてレベル調整されて、加算回路4Lに供給される。
加算回路4Rは、右前方マイクロフォン1FRで集音され、周波数補正回路2FRおよびレベル調整回路3FRを通じて供給される音声信号と、右主マイクロフォン1Rからの音声信号と、左後方マイクロフォン1RRで集音され、周波数補正回路2RRおよびレベル調整回路3RRを通じて供給される音声信号とを加算し、後段の合成および演算回路5に供給する。
なお、周波数補正回路2FL、2RL、2FR、2RRにおける周波数補正処理は、頬や後頭部に当たった音が頭部内の中を伝播する特性に近くなるようカット&トライで決めることになる。しかし、上述したように、所定の帯域の中域成分のみを抽出したり、あるいは、高域成分のみを抽出したり、逆に低域成分のみを抽出するようにするなど適宜の処理を行うことが可能である。
もちろん、ダミーヘッドDHの頬部分に設けられる左右の前方マイクロフォンに対して設けられる周波数補正回路2FL、2FRと、ダミーヘッドDHの後頭部部分に設けられる周波数補正回路2RL、2RRとで、異なる周波数補正処理を行うようにすることも可能であるし、また、左チャンネルの周波数補正回路2FLと、右チャンネルの周波数補正回路2FRとでの周波数補正処理を異ならせることも、左チャンネルの周波数補正回路2RLと、右チャンネルの周波数補正回路2RRとでの周波数補正処理を異ならせることも可能であるし、それらすべての周波数補正回路において、それぞれ異なる周波数補正処理を行うようにすることももちろん可能である。
そして、加算回路4L、4Rからの出力信号(音声信号)は、合成および演算回路5に供給されて、合成処理や演算処理が行われて、記録媒体に記録する音声信号を形成する。図3は、合成および演算回路5の構成例を説明するためのブロック図である。図3に示した例の合成および演算回路5は、演算回路51、55、54、57を備えるとともに、周波数補正回路52、レベル調整回路53、56を備えたものである。なお、図3においては、加算回路4Lから供給された左チャンネルの音声信号を文字「L」で表し、加算回路4Rからの右チャンネルからの音声信号を文字「R」で表している。
そして、図3に示したように、左チャンネルの音声信号Lは、演算回路51、54、55のそれぞれに供給され、また、右チャンネルの音声信号Rは、演算回路51、55、57に供給される。
演算回路51は、左チャンネルの音声信号Lから右チャンネルの音声信号Rを減算して、左チャンネルと右チャンネルの音声信号の逆相分を得て、これを周波数補正回路52に供給する。周波数補正回路52は、これに供給された音声信号の例えば中域成分を抽出するなどの帯域制限を行い、処理後の音声信号をレベル調整回路53に供給する。レベル調整回路53は、これに供給された音声信号のレベルを調整し、調整後の音声信号を演算回路54、57に供給する。
一方、演算回路55は、左チャンネルの音声信号Lと右チャンネルの音声信号Rとを加算して、左チャンネルと右チャンネルの音声信号の同相分を得て、これをレベル調整回路56に供給する。レベル調整回路56は、これに供給された音声信号のレベルを調整し、調整後の音声信号を演算回路54、57に供給する。
演算回路54は、図3に示すように、左チャンネルの音声信号Lと、レベル調整回路53からの音声信号K(L−R)と、レベル調整回路56からの音声信号J(L+R)とを加算処理し、これにより形成された音声信号(L+K(L−R)+J(L+R))を左チャンネルの音声信号として出力する。
また、演算回路57は、図3に示すように、右チャンネルの音声信号Rとレベル調整回路56からの音声信号J(L+R)を加算処理するとともに、レベル調整回路からの音声信号K(L−R)を減算処理し、これにより形成された音声信号(R+K(R−L)+(L+R))を右チャンネルの音声信号として出力する。
そして、合成および演算回路5からの左右両チャンネルの音声信号がアナログ信号として、あるいは、A/D(Analog/Digital)変換されてデジタル信号として、あるいは、デジタル信号とされた音声信号がさらにデータ圧縮処理されて、所定の記録媒体、例えば、磁気テープ、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスク、MD(Mini Disc)などの光磁気ディスクなどの種々の記録媒体に記録される。
このようにして記録された音声信号は、上述のように、従来考慮されていなかった、聴取者が自分の頬を通じて感じ取る音や自分の後頭部を通じて感じ取る音をも、左前方マイクロフォン1FL、左後方マイクロフォン1RF、右前方マイクロフォン1FR、右後方マイクロフォン1RRを通じて集音し、ダミーヘッドDHの左右の耳部分に設けられる左右の主マイクロフォン1F、1Rを通じて集音した音声信号とともに、記録することができるようにしている。これらの記録された音声信号は、音の到来方向である前方方向の音像定位を自然に再現し、より立体感があり、臨場感のあるように再生することができる。
[変形例]
上述した実施の形態においては、いわゆるクロストークについては考慮しなかった。しかし、実際には、左頬側からの音が左耳の鼓膜だけでなく右耳の鼓膜にも到達し、また、右頬側からの音が右耳の鼓膜だけでなく左耳の鼓膜にも到達するというように、いわゆるクロストーク(漏音)が発生している。そこで、このようなクロストーク分についても考慮することができれば、より忠実に集音音場の状態を再現することが可能となる。
図4は、クロストークをも考慮するようにしたこの発明による音響装置の変形例を説明するためのブロック図である。図4に示すように、この例の音響装置は、左チャンネルに周波数補正回路2LXとレベル調整回路3LXとを設けるとともに、右チャンネルに周波数補正回路2RXとレベル調整回路3RXとを設けるようにしたものである。また、加算回路4LX、4RXは、レベル調整回路3LX、3RXからの音声信号をも加算することができるようにしたものである。
これ以外の各部分は、図2に示した各部分と同様に構成されたものである。したがって、この図3に示す音響装置において、図2に示した音響装置と同様に構成される部分には、同じ参照符号を付し、その部分の説明については省略する。
そして、図4に示したように、左チャンネルに新たに設けられる周波数補正回路2LXには、右チャンネルの右前方マイクロフォン1FRからの音声信号が供給される。周波数補正回路2LXは、これに供給される音声信号の周波数補正を行うものであり、例えば、音声信号の中域成分のみを抽出する帯域制限フィルタとしての機能を有するものである。
周波数補正回路2LXにおいて周波数補正された音声信号は、レベル調整回路3LXに供給される。レベル調整回路3LXは、周波数補正回路2LXから供給される音声信号のレベルを調整するものであり、右頬側から左耳の鼓膜に漏れこむ音声信号に応じたレベルとなるようにレベル調整を行うものである。レベル調整回路3LXにおいてレベル調整された音声信号は、加算回路4LXに供給される。
加算回路4LXは、図4に示すように、レベル調整回路3LXからの音声信号と、左前方マイクロフォン1FLで集音され、周波数補正回路2FLおよびレベル調整回路3FLを通じて供給される音声信号と、左主マイクロフォン1Lからの音声信号と、左後方マイクロフォン1RLで集音され、周波数補正回路2RLおよびレベル調整回路3RLを通じて供給される音声信号とを加算し、この加算して形成した音声信号を後段の合成および演算回路5に供給する。
さらに、図4に示したように、右チャンネルに新たに設けられる周波数補正回路2RXには、左チャンネルの左前方マイクロフォン1FLによって集音された音声信号が供給される。周波数補正回路2RXは、これに供給される音声信号の周波数補正を行うものであり、例えば、音声信号の中域成分のみを抽出する帯域制限フィルタとしての機能を有するものである。
周波数補正回路2RXにおいて周波数補正された音声信号は、レベル調整回路3RXに供給される。レベル調整回路3RXは、周波数補正回路2RXから供給される音声信号のレベルを調整するものであり、左頬側から右耳の鼓膜に漏れこむ音声信号に応じたレベルとなるようにレベル調整を行うものである。レベル調整回路3RXにおいてレベル調整された音声信号は、加算回路4RXに供給される。
加算回路4RXは、図4に示すように、レベル調整回路3RXからの音声信号と、右前方マイクロフォン1FRで集音され、周波数補正回路2FRおよびレベル調整回路3FRを通じて供給される音声信号と、右主マイクロフォン1Rからの音声信号と、右後方マイクロフォン1RRで集音され、周波数補正回路2RRおよびレベル調整回路3RRを通じて供給される音声信号とを加算し、この加算して形成した音声信号を後段の合成および演算回路5に供給する。
合成および演算回路5は、例えば図3に示した構成を有するものであり、左右のチャンネルの音声から同相分、逆相分を形成し、これらについて周波数補正やレベルの調整を行うなどして合成し、左右それぞれの音声信号を形成するものである。
そして、図4に示した音響装置の場合、左頬側から右耳に漏れこむ音のクロストーク分と、右頬側から左耳に漏れこむ音のクロストーク分とを考慮しているので、より自然で、臨場感のある音場を再生できるように、音を集音して記録媒体に記録することができる。
なお、ここでは、左頬側から右耳に漏れこむ音のクロストーク分と、右頬側から左耳に漏れこむ音のクロストーク分とを考慮する場合を説明したが、これに限るものではない。すなわち。左後頭部側から右耳に漏れこむ音のクロストーク分と、右後頭部側から左耳に漏れこむ音のクロストーク分とを考慮するようにすることもできる。
この場合には、左チャンネルに、右後方マイクロフォン1RRからの音声信号の供給を受けて周波数補正を行う周波数補正回路と、この周波数補正回路からの音声信号のレベルを調整し、これを後段の加算回路に供給するレベル調整回路をもけるとともに、右チャンネルに、左後方マイクロフォン1FLからの音声信号の供給を受けて周波数補正を行う周波数補正回路と、この周波数補正回路からの音声信号のレベルを調整し、これを後段の加算回路に供給するレベル調整回路をもけるようにすればよい。
もちろん、前方マイクロフォン1FL、1FRによって集音する音声信号についてだけロストーク分を考慮するようにしたり、後方マイクロフォン1RL、1RRによって集音する音声信号についてだけロストーク分を考慮するようにしたりすることもできるし、その両方を行うようにすることもできる。
[その他]
上述した実施の形態においては、従来のバイノーラル方式の録音において用いられていたダミーヘッドの左右の耳の部分に設けられる左主マイクロフォン1F、右主マイクロフォン1Rに加えて、左前方マイクロフォン1FL、左後方マイクロフォン1RF、右前方マイクロフォン1FR、右後方マイクロフォン1RRの4つのマイクロフォンを用いるようにしたが、これに限るものではない。
左主マイクロフォン1F、右主マイクロフォン1Rに加えて設けるマイクロフォンの数は、1つ以上の任意の数とすることができる。例えば、左主マイクロフォン1F、右主マイクロフォン1Rに加えて、ダミーヘッドDHの額部分に1つだけマイクロフォンを設け、これを通じて集音して形成した音声信号を左チャンネルと右チャンネルとに分配するようにしたり、また、額部分と顎部分とにマイクロフォンを設けて、これらを通じて集音して形成した音声信号を左チャンネルと右チャンネルとに分配するようにしたりしてもよい。
また、ダミーヘッドDHの後頭部の中央部分に1つだけ後方マイクロフォンを設け、この後方マイクロフォンにより集音して形成した音声信号を左チャンネルと右チャンネルとに分配するようにしてももちろんよい。また、ダミーヘッドDHの頭頂部に1つ以上のマイクロフォンを設け、これらを通じて集音した音声信号を、左チャンネルと右チャンネルとに分配したりするようにしてももちろんよい。
すなわち、ダミーヘッドDHの左耳部分に設ける左主マイクロフォン1Fと右耳分部に設ける右主マイクロフォン1Rとに加えて設けるマイクロフォンは、ダミーヘッドDHの外面に沿った任意の複数の位置に設けるようにすることができる。
また、上述の実施の形態においては、左主マイクロフォン1Fと右主マイクロフォン1R以外のマイクロフォンによって集音された音声信号については、周波数補正とレベル調整を行うようにした。しかし、これら両方の処理を必ず行うようにしなくてもよい。周波数補正だけを行ったり、レベル調整だけを行ったりするようにすることもできるし、周波数補正とレベル調整の両方を行うことなく、ただ加算処理するだけでもよい場合もある。
また、上述の実施の形態においては、複数のマイクロフォンで集音した音声信号から左右2チャンネルの音声信号を形成するようにしたが、これに限るものではない。例えば、複数のマイクロフォンで集音した音声信号のそれぞれを別々のチャンネルの音声信号として(多チャンネルの音声信号)として記録媒体に記録し、再生時において左右2チャンネルの音声信号に合成および演算処理を行うようにしてもよい。
また、上述の実施の形態においては、クロストーク分を考慮する場合の一例について説明した。しかし、クロストーク分を考慮する他に、例えば、図2に示した音響装置において、加算回路4L、4Rの前段において、図3に示した回路のように、信号の合成処理、演算処理を行って、目的とする音声信号を得るようにすることもできる。
また、上述の実施の形態においては、人間の頭部を模して形成したダミーヘッドを用いる場合を例にして説明したがこれに限るものではなく、聴取者、すなわち人間の頭部にマイクロフォンを設けるようにした場合にもこの発明を用いることができる。
すなわち、聴取者の頭部に、左耳用のマイクロフォンと、右耳用のマイクロフォンとを用いて音を集音するとともに、左耳用のマイクロフォンと右耳用のマイクロフォンを設ける左右の耳部分以外の1つ以上の位置にマイクロフォン(拡張音波検出素子)を設け、このマイクロフォンを通じて音を集音して電気信号に変換し、このマイクロフォンからの電気信号である音声信号に対して、周波数とレベルとの一方または両方に対して調整を行い、これを、左耳用のマイクロフォンからの音声信号と、右耳用のマイクロフォンからの音声信号に合成して、あるいは、別々に記録媒体に記録するようにすることができる。
この場合、左右の耳部分に設けられるマイクロフォンに加えて設けられるマイクロフォン(追加されるマイクロフォン)は、左右の耳部分に設けられるマイクロフォンよりも、音波が到来する方向である前方側に設けるようにすることにより、外耳、中耳を通じて鼓膜に到達する音よりも早く鼓膜に到達する顔面を通じて感じる音を集音して利用するようにすることができる。
また、1つ以上の位置に設ける追加のマイクロフォンを、例えば図1に示したように、少なくとも、前方左側と前方右側とのそれぞれに設けることにより、左右2チャンネルの音声信号に対して、左頬部分を通じて感じる音と、右頬部分を通じて感じる音とを利用できるようにすることができる。
また、1つ以上の位置に設ける追加のマイクロフォンを、左右の耳部分よりも、音波が到来する方向である前方側と、音波が到来する方向とは逆の方向である後方側とに設けることにより、後頭部部分を通じて感じる音をも集音して利用するとともに、頬部分を通じて感じる音についても集音して利用することができる。
また、図1に示した例のように、1つ以上の位置に設ける追加のマイクロフォンを、少なくとも、前方左側と前方右側と、後方左側と後方右側とに設けることにより、左頬部分、右頬部分、左後頭部部分、右後頭部部分を通じて感じる音を集音して、これを利用することができる。
このように、この発明による方法を用いることにより、従来の左右1つずつのマイクロフォンしか用いないバイノーラル方式を用いた録音よりも、より立体感、臨場感の高い音場の再生ができるように、音を集音して、これを音声信号として記録媒体に記録することができる。
なお、上述した実施の形態においては、音、すなわち音波を検出して電気信号に変換する素子としてマイクロフォンを用いるようにしたが、これに限るものではない。種々の振動センサーや圧力センサーなどの音波を検出して、これを電気信号に変換して出力可能な音波検出素子をこの発明に用いることが可能である。
以上のように、この発明は、聴取者が感じ取る音は、鼓膜以外にも、顔全体に受けた音圧を顔の内部を通って鼓膜に振動として伝わっており、さらに顔の内部は空気より遥かに振動の伝達が速いく、時間的には顔の前方より来る音は、外耳、中耳を通じて鼓膜に伝わる振動よりも早く鼓膜に伝わって認知することができ、逆に顔の後方から到来する音は、前方から到来する音の場合よりも差は少ないが、後頭部から直接に鼓膜に伝わる音は、外耳、中耳を経て鼓膜に伝わる音よりも早く感じることができるということに着目してなされたものである。
そして、上述したように、従来のバイノーラル方式で用いている左右の耳部分に設ける2個のマイクロフォンに対し、当該耳部分より前方と後方に複数個のマイクロフォンをセットし、そのそれぞれが集音した音声信号に対して、信号処理を施し時間差を含めて合成することにより、音の到来方向である前方方向の音像の定位を十分に再現し、より立体的で、臨場感の豊かな音場を再現できるようにすることができる。
この発明の一実施の形態が適用された音響装置のマイクロフォンの配置の一例について説明するための図である。 この発明の一実施の形態が適用された音響装置の構成を説明するためのブロック図である。 図2に示した音響装置の合成および演算回路の構成例を説明するためのブロック図である。 この発明の他の実施の形態の音響装置を説明するためのブロック図である。
符号の説明
1L…左主スピーカ、1FL…左前方スピーカ、1RL…左後方スピーカ、1R…右主スピーカ、1FR…右前方スピーカ、1RR…右後方スピーカ、2FL、2RL…周波数補正回路、3FL、3RL…レベル調整回路、2FR、2RR…周波数補正回路、3FR、3RR…レベル調整回路、4L、4R…加算回路、5…合成および演算回路、DH…ダミーヘッド

Claims (10)

  1. 人間の頭部を模して形成されたダミーヘッドと、当該ダミーヘッドの形状に沿って設けられ、検出した音波を電気信号に変換して出力する複数個の音波検出素子とを有する音響装置であって、
    前記ダミーヘッドの左耳部分に設けられる左音波検出素子と、
    前記ダミーヘッドの右耳部分に設けられる右音波検出素子と、
    前記左耳部分および前記右耳部分以外の位置に設けられる1つ以上の拡張音波検出素子と、
    1つ以上の前記拡張音波検出手段に対して設けられ、前記拡張音波検出手段から出力される信号の周波数とレベルとの一方または両方の調整を行う調整手段と
    を備えることを特徴とする音響装置。
  2. 請求項1に記載の音響装置であって、
    1つ以上の前記拡張音波検出素子は、前記ダミーヘッドに対して、左右両耳部分よりも、音波が到来する方向である前方側に設けることを特徴とする音響装置。
  3. 請求項2に記載の音響装置であって、
    1つ以上の前記拡張音波検出素子は、少なくとも、前記ダミーヘッドに対して、左右両耳部分よりも、音波が到来する方向である前方側であって、左耳側と右耳側とのそれぞれに設けられることを特徴とする音響装置。
  4. 請求項1に記載の音響装置であって、
    1つ以上の前記拡張音波検出素子は、前記ダミーヘッドに対して、左右両耳部分よりも、音波が到来する方向である前方側と、音波が到来する方向とは逆の方向である後方側とに設けられることを特徴とする音響装置。
  5. 請求項4に記載の音響装置であって、
    1つ以上の前記拡張音波検出素子は、少なくとも、前方左側と前方右側と、後方左側と後方右側とに設けることを特徴とする音響装置。
  6. 音波を検出して電気信号に変換し、これを出力する音波検出素子からの信号を記録媒体に記録する場合に用いるバイノーラル方式を利用した記録方法であって、
    左耳用の音波検出素子と、右耳用の音波検出素子とを用いて音波を検出するとともに、前記左耳用の音波検出素子と前記右耳用の音波検出素子とを設ける位置以外の1つ以上の位置に拡張音波検出素子を設け、前記拡張音波検出素子を通じて音波を検出し、
    前記拡張音波検出素子から出力される信号に対して、周波数とレベルとの一方または両方の調整を行い、
    前記左耳用の音波検出素子と前記右耳用の音波検出素子とからの信号と、前記拡張音波検出素子により検出され、周波数とレベルとの一方または両方が調整された信号とを別々に、あるいは、所定のチャンネル数に合成して、記録媒体に記録する記録方法。
  7. 請求項6に記載の記録方法であって、
    1つ以上の位置に設ける前記拡張音波検出素子を、前記左耳用音波検出素子と前記右耳用音波検出素子よりも、音波が到来する方向である前方側に設けることを特徴とする記録方法。
  8. 請求項7に記載の記録方法であって、
    1つ以上の位置に設ける前記拡張音波検出素子を、少なくとも、前方左側と前方右側とのそれぞれに設けることを特徴とする記録方法。
  9. 請求項6に記載の記録方法であって、
    1つ以上の位置に設ける前記拡張音波検出素子を、前記左耳用音波検出素子と前記右耳用音波検出素子よりも、音波が到来する方向である前方側と、音波が到来する方向とは逆の方向である後方側とに設けることを特徴とする記録方法。
  10. 請求項9に記載の記録方法であって、
    1つ以上の位置に設ける前記拡張音波検出素子を、少なくとも、前方左側と前方右側と、後方左側と後方右側とに設けることを特徴とする記録方法。
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