JP2005326542A - マイクロレンズ構造体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱流動やエッチバックの工程を行なうことなく、微細な寸法、ピッチで高精度のレンズ形状を有するマイクロレンズ、及び低コストで再現性良く作製するマイクロレンズの製造方法、それらのマイクロレンズを有するシリコン構造体及びそのシリコン構造体を用いたマイクロマシンを提供する。
【解決手段】 シリコン基板表面上にマイクロレンズを有するマイクロレンズ構造体であって、該マイクロレンズ形成部のシリコン基板表面が凹部をなし、該凹部よりも該凹部以外のシリコン基板表面にボロンが高濃度に拡散されてなることを特徴とし、また、前記ボロンが1×1019原子/cm3 以上の濃度で拡散していることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は光スキャナや焦点可変レンズなど医療や光学用途に用いられるマイクロレンズ構造体とその製造方法に関する。
従来、マイクロマシンにおけるマイクロレンズの形成方法としては、レジストリフロー法(非特許文献1参照。)と称する方法が有名である。この方法は、基板上に感光性のレンズ用熱可塑性樹脂層(レジスト)を形成し、このレジストを円筒状等の所定のパタ−ンを有するフォトマスクを用いて露光し、現像して、所定の位置にレンズの平面形状にレジストパタ−ンを形成し、次に、レジストの軟化点以上に加熱処理を施してレジストを熱流動(リフロー)させることにより、パタ−ンエッジにダレを生じさせて凸レンズを形成する方法である(例えば、特許文献1参照。)。この方法により、様々なレンズを低コストで作製することが可能である。
また、従来技術による別な方法としてエッチバック法と称する方法があり、リフローによって形成したレジストレンズをマスクとして、その下の基板にドライエッチングを施し、エッチバックしてレジスト膜を除去すると同時に、基板にレジストレンズの形状を転写してマイクロレンズを形成する方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、上記の従来技術のレジストリフロー法を用いた場合、感光性のレンズ用熱可塑性樹脂のパターンを熱流動させて凸レンズ形状とするため、滑らかな曲面を持つレンズ形状が得られにくいという問題があり、また、レンズ形成材料の特性やその塗布厚等によって、レンズ作製において制御できる要因が限定されてしまうために、レンズ形状を正確に制御することができず、目的とするレンズ径や曲率等のレンズ形状が得られない場合があり、所望の焦点距離を有する集光効率の良いレンズを形成することが難しかった。特に、受光部までの距離が長い場合においては、熱処理による熱可塑性樹脂の自然流動では、焦点距離の長い設計通りのレンズ形状を形成することができなかった。また、複数のマイクロレンズを近接して形成するような場合には、熱流動する際に、隣のレンズと接触すると各レンズの山がつながってしまい、目的とするレンズ形状が得られなくなるため、各レンズの境界ではレンズの高さをゼロにし、かつ、ある程度の間隔を設けなければならないという問題があった。
さらに、レジストをそのままレンズとして使用する場合、レジストはそもそもレンズ材料ではないので使用する波長帯域に制限があるという問題があった。
また、光マイクロマシンにおいては、マイクロマシンを構成する基材の微細で脆弱な可動部上にマイクロレンズを形成する場合が多いが、レンズ形成後にウェットエッチングプロセスを通すとマイクロレンズを形成するレジストがエッチング液で劣化してしまい、光学特性に悪影響を及ぼす場合があるという問題があった。
一方、マイクロレンズの形成に上記の従来技術のエッチバック法を用いた場合、反応性イオンエッチング装置等の高価な設備が必要となり、レンズ形成工程が長くなり、それに伴いエッチバック時の欠陥も新たに発生し、レンズ形成歩留りに影響するという問題があり、マイクロレンズの製造コストが高くなるという問題があった。さらに、マイクロマシンの基材として用いられるシリコンにエッチバックしてレンズを転写した場合には、シリコンがレンズとなるため、レンズとして使用可能な波長帯域が、シリコンが透過性の高い赤外領域に限定されてしまうという問題があった。
そこで、近年では、マイクロレンズの製造方法として、液体の表面張力を利用した方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
D.Daly,et al.,Proc.Microlens Arrays Teddington.,p23−34,1991) 特開昭61−67003号公報(第4頁、第11図) 特許第3158296号公報(第1頁、第3図) 特開2000−280367号公報
しかしながら、上記の特許文献3に記載される製造方法では、対称とする基板表面上に表面処理の相違により液滴を付着させる領域を設けるものであり、平面的な基板表面での濡れ性を利用するために、作製するマイクロレンズの寸法、ピッチ、形状等が制限され、精度、再現性にも問題があった。
本発明は上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、本出願人は、シリコン基板上に設けるマイクロレンズの形成方法を検討し、熱流動やエッチバックの工程を行なうことなく、微細な寸法、ピッチで高精度のレンズ形状を有するマイクロレンズ構造体、及び低コストで再現性良く作製するマイクロレンズ構造体の製造方法を提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係るマイクロレンズ構造体は、シリコン基板表面上にマイクロレンズを有するマイクロレンズ構造体であって、該マイクロレンズ形成部のシリコン基板表面が凹部をなし、該凹部よりも該凹部以外のシリコン基板表面にボロンが高濃度に拡散されていることを特徴とするものである。本発明においては、凹部と凹部以外のシリコン表面との形状の相違により、選択的に凹部にマイクロレンズを形成するものである。
請求項2の発明に係るマイクロレンズ構造体は、前記凹部以外のシリコン基板表面にボロンが1×1019原子/cm3 以上の濃度で拡散されていることを特徴とするものである。
請求項3の発明に係るマイクロレンズ構造体の製造方法は、シリコン基板表面上にマイクロレンズを有するマイクロレンズ構造体の製造方法であって、前記シリコン基板表面上のマイクロレンズ形成部にマスク層を形成する工程と、該マスク層をマスクとしてシリコン基板内にボロンを拡散する工程と、前記マスク層を除去した後、前記シリコン基板上のマイクロレンズ形成部をアルカリウエットエツチングして凹部を形成する工程と、該凹部に液状のマイクロレンズ材料を滴下して付着させる工程と、該マイクロレンズ材料を硬化する工程と、を含むことを特徴とするものである。高濃度にボロン拡散したシリコンはシリコンアルカリエッチング時のエッチング停止層として機能するものである。
請求項4の発明に係るマイクロレンズ構造体の製造方法は、前記ボロンを1×1019原子/cm3 以上の濃度で拡散させることを特徴とするものである。
請求項5の発明に係るマイクロレンズの製造方法は、前記液状のマイクロレンズ材料をインクジェット法により滴下して付着させることを特徴とするものである。
本発明のマイクロレンズ構造体は、シリコン基板に凹部を形成し、滴下した光学レンズ材料としての樹脂が凹部以外には広がらないことから、微細な形状、寸法、ピッチを有するマイクロレンズを高精度にすることができ、また広範囲の樹脂からレンズ材料を選定できるので、使用波長帯域の広いマイクロレンズをシリコン上に低コストで再現性良く形成することが可能である。
また、本発明のマイクロレンズ構造体は、マイクロマシン可動部のような微細で脆弱な部分にも適用できるという利点がある。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
(マイクロレンズ構造体)
図1は、本発明によるマイクロレンズ7を有するマイクロレンズ構造体1の断面模式図である。図1に示すマイクロレンズ構造体1において、シリコン基板2上のマイクロレンズ7の形成部以外のシリコン表面はボロンが高濃度に拡散したボロン拡散層5であり、マイクロレンズ7を形成しているシリコン基板表面は凹部6をなしている。
(シリコン基板)
本発明においては、アルカリ性エッチング液を用いて、エッチング選択比の相違によりシリコン基板2表面に凹部6を形成するので、シリコン基板2としては特に限定されず、通常のシリコン基板が用いられる。
また、前記のシリコン基板上にポリシリコン膜を形成した基板やSOI基板等も用いることができる。一方、アルカリ性エッチング液でのエッチング速度が極めて遅い表面の結晶面方位が{111}の基板は好ましくない。
(ボロン高濃度拡散層)
本発明においては、高濃度のボロン拡散層5は、アルカリ性エッチング液を用いてシリコン基板表面に凹部6を形成するときのマスク層として用いられる。アルカリ性エッチング液に対する凹部と該凹部以外のシリコン基板表面とのエッチング選択性の差を生じさせるために、シリコン基板のマイクロレンズ形成部以外の表面に、ボロンは少なくとも1×1019原子/cm3 以上の濃度で拡散していることが好ましく、アルカリ性エッチング液に対する耐性としては、1×1020原子/cm3 以上の濃度で拡散している方がより好ましい。1×1020原子/cm3 以上の濃度でボロンが拡散していると、例えば、水酸化カリウム水溶液を用いたアルカリウエットエツチングでは、ボロン拡散部にはほとんどエッチングが入らないからである。ボロンの拡散方法としては、イオン注入法、ボロンガラスを用いる方法等の従来用いられる方法が適用できる。
(凹部)
本発明において、凹部は液状のマイクロレンズ材料が付着する部分となる。本発明において用いられるマイクロレンズ材料を付着させる凹部のパターン形状は、レンズを形成できるものであれば特に限定されない。凹部の開き方(外枠の形)、凹部の形状は、シリコン基板表面の結晶面方位により異なるが、例えば、結晶面が{100}に円形パターンを用いた場合には、円形パターンを内接円とした正方形に凹部は開き、凹部の形状は正方形を底面とした四角錐型となる。
マイクロレンズの大きさ(径、高さ)、個数、ピッチ等は、用途に応じて適宜設計でき、それに基づいて、マイクロレンズを付着させる凹部の形状、寸法、ピッチが定められる。
凹部の深さは、必要とするマイクロレンズの大きさ(径、高さ)にもよるが、通常、数10nm〜数μm程度のエッチング深さで用いることができる。
本発明のマイクロレンズは、凹部の設計とマイクロレンズ材料を適切に選定することにより、レンズの焦点距離を調整すること、すなわち曲率を変化させることが容易に可能となる。
(マイクロレンズ材料)
本発明において用いられるマイクロレンズを構成する材料は、シリコン基板に液状のものとして付着させた後に硬化することができ、硬化後はレンズで使用する波長域で透明性を有する材料であれば特に限定されず、熱硬化樹脂や紫外線硬化樹脂等の各種の樹脂が用いられる。このうち紫外線硬化樹脂等の光硬化性樹脂は硬化が容易かつ迅速である点、硬化時にレンズ形成材料および支持体が高温とならず、レンズ材料の形状変化がない点等でより好ましい。
例えば、マイクロレンズ用樹脂として、レンズ使用波長域で透明性を有するシリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂等の種々の樹脂が適用できる。また、従来レンズ材料として用いられている使用波長域で透明な感光性レジストも用いることができ、例えば、感光性アクリル樹脂、架橋性のポリマ−と共重合させたポリメチルメタクリレ−ト樹脂、光架橋剤を含むポリグリシジルメタクリレ−ト樹脂、フェノ−ルノボラック系樹脂等が挙げられる。
このような材料としては、具体的には例えば次のものが挙げられる。
(1)光硬化性樹脂組成物
本発明に好適に用いられる光硬化性樹脂組成物としては可視光域に透明性の高いものが挙げられる。ここでいう光硬化性樹脂組成物とは、少なくとも1個以上の官能基を有し、光重合開始剤に硬化エネルギー線を照射することにより発生するイオンまたはラジカルによりイオン重合、ラジカル重合を行い分子量の増加や架橋構造の形成を行うモノマーやオリゴマーなどである。ここでいう官能基とは、ビニル基、カルボキシル基、水酸基などの反応の原因となる原子団または結合様式である。
このようなモノマー、オリゴマーとしては、不飽和ポリエステル型、エンチオール型、アクリル型等があげられる、硬化速度、物性選択の幅の広さからアクリル型が好ましい。アクリル型の代表例を以下に示す。
(1−1)単官能基のもの
2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルEO付加物アクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートのカプロラクトン付加物、2−フェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノールEO付加物アクリレート、ノニルフェノールEO付加物にカプロラクトン付加したアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フルフリルアルコールのカプロラクトン付加物アクリレート、アクリロイルモルホリン、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソランのカプロラクトン付加物のアクリレート、3−メチル−5,5−ジメチル−1,3−ジオキソランのカプロラクトン付加物のアクリレート等。
(1−2)多官能基のもの
ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのカプロラクトン付加物ジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物、ヒドロキシピバルアルデヒドとトリメチロールプロパンのアセタール化合物のジアクリレート、2,2−ビス[4−(アクリロイロキシジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロイロキシジエトキシ)フェニル]メタン、水添ビスフェノールエチレンオキサイド付加物のジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパンプロビレンオキサイド付加物トリアクリレート、グリセリンプロピレンオキサイド付加物トリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートペンタアクリレート混合物、ジペンタエリスリトールのカプロラクトン付加物アクリレート、トリス(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、2−アクリロイロキシエチルホスフェート等。
(2)光重合開始剤
本発明で使用される光重合開始剤は特に限定されるものではなく公知のものから選んで使用できる。代表例としては以下のものがあげられる。
(2−1)カルボニル化合物
アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、ミヒラーケトン系、ベンジル系、ベンゾイン系、ベンゾインエーテル系、ベンジルジメチルケタール、ベンゾインベンゾエート系、α−アシロキシムエステル等
(2−2)イオウ化合物
テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類等
(2−3)リン系化合物
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィノキシド等
(3)熱可塑性樹脂組成物
可視光域に透明性の高い熱可塑性樹脂組成物、透明性の他に屈折率、分散特性、複屈折率などの光学的特性にすぐれたものが好ましい。代表例としては、ポリカーボネイト、ポリメチルメタクリレート、メチルフタレート単独重合体または共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ジエチレングリコールビスアリルカーボネイト、アクリロニトリル・スチレン共重合体、メチルメタクリレート・スチレン共重合体、ポリ(−4−メチルペンテン−1)等が挙げられる。
(液状のマイクロレンズ材料)
液状のマイクロレンズ材料は、上記のようなレンズを形成するための材料が含まれているものであれば特に限定されない。液状のマイクロレンズ材料の形態としては、モノマーと重合開始剤とからなる液体、モノマーと重合開始剤とが溶解または分散しているもの、オリゴマーと重合開始剤からなる液体、オリゴマーと重合開始剤とが溶解または分散しているもの、モノマーおよびオリゴマーと重合開始剤とが溶解または分散しているもの等が挙げられる。
(マイクロマシン)
本発明のマイクロレンズ構造体を用いたマイクロマシンとしては、カンチレバー、光スイッチ等のミラーデバイス、DMDのようなミラーアレイ、面発光レーザ等に用いることができる。
(マイクロレンズ構造体の製造方法)
図2は、図1に示した本発明のマイクロレンズ構造体1の製造方法を示す工程断面図である。
図2(a)に示すように、シリコン基板2上のマイクロレンズ形成部にあらかじめマスク層3を形成する。シリコン基板2としては、半導体用に通常用いられる表面の結晶面方位が{100}、あるいは{211}の基板、あるいはSOI基板等が用いられる。マスク層3はシリコンにボロンを拡散するときのマスクとして用いるので、その材料としては無機化合物が好ましく、無機化合物の中ではシリコン化合物がマスク効果が大きく、半導体プロセスが適用し得るのでより好ましい。例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜等の薄膜が適用できる。
上記の無機化合物からなるマスク層3は、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法等の薄膜形成方法により形成することができ、例えば、シリコン酸化膜はプラズマCVDやシリコン基板の熱酸化によって形成でき、シリコン窒化膜はLPCVDによって形成できる。マスク層3とする薄膜の厚さは、拡散時にマスク効果を有し後工程でエッチング除去し易い厚さであれば特に限定されず、500nm〜2μm程度が好ましい。薄膜形成後、フォトリソグラフィ法により、マイクロレンズ形成部分にマスク層3をパターン状に形成する。マスク層3のパターン化は、それぞれの薄膜に応じたウエットエッチング液、あるいはドライエッチングで形成する。
次に、図2(b)に示すように、シリコン基板2上のマスク層3をマスクとして、シリコン基板2中にボロン4を拡散する。
本発明において、シリコン基板2上に設けたボロン拡散層5は、アルカリエッチング液に対するエッチングストッパとして用いられるものであり、シリコン基板2のマイクロレンズ形成部以外のシリコン表面に、1×1019原子/cm3 以上の濃度で拡散させることが好ましく、さらには1×1020原子/cm3 以上の濃度で拡散させるのがより好ましい。ボロン濃度が1×1019原子/cm3 未満であると、エッチングストッパとしての機能が不十分となり、ボロン拡散層5と拡散されなかったマスク層3の下のシリコン基板表面でアルカリエッチング液に対するエッチング選択性に差を生じにくくなるからである。また、1×1020原子/cm3 以上の濃度でボロンが拡散していると、ボロン拡散部にはほとんどエッチングが入らないからである。
ボロンの拡散方法としては、イオン注入法、ボロンガラスを塗布する方法等の通常用いられる方法が適用できる。本発明においては、ボロンガラスを塗布する方法が高価なイオン注入装置を用いることもなく、高濃度のボロン拡散層を容易に形成し得るのでより好ましい。シリコン基板2表面に設けられたボロンは、拡散炉等を用いて600℃〜1300℃程度、好ましくは900℃〜1200℃程度の高温でシリコン内部に熱拡散させる。
ボロンの濃度、拡散深さは、イオン注入の場合は、イオン加速電圧や電流値、時間等により、ボロンガラス塗布の場合には、ボロンの塗布量や熱拡散の温度、時間等で制御する。
なお、本工程において、シリコン基板の裏面側(マスク層3を設けた面の反対側)にもボロンを拡散させて、後工程のアルカリ性エッチング液でのエッチング時のストッパ層とすることも可能である。
次に、図2(c)に示すように、シリコン基板2上のマスク層3を除去する。マスク層3の除去は、マスク層3を構成するそれぞれの薄膜に応じたウエットエッチング液を用いるのが好ましい。例えば、マスク層としてシリコン酸化膜を用い、ボロンの拡散源としてボロンガラスを用いた場合には、フッ酸処理により、シリコン基板2上のマスク層3と拡散源のボロンガラスを、ともに除去することができ効率的である。
続いて、図2(d)に示すように、シリコン基板2を水洗後、シリコン基板2上のマイクロレンズ形成部をウエットエツチングして凹部6を形成する。ウエットエツチング液としては、シリコンのアルカリ性エッチング液を用いることができ、例えば、高温(50℃〜100℃)の水酸化カリウム水溶液が作業性がよくてより好ましいが、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)水溶液やEPW(エチレンジアミン:ピロカテコール:H2O=7:8:3)溶液等の他のアルカリ性エッチング液を用いてもよい。
マスク層のあった部分とそれ以外のボロンを高濃度拡散したシリコン基板表面は、アルカリ性エッチング液でエッチング速度の差を生じ、マスク層のあった部分のシリコン表面が選択的に速くエッチングされ、凹部が形成される。
本発明において、アルカリ性エッチング液による凹部のエッチング深さは、必要とするマイクロレンズの大きさ(径、高さ)によって異なるが、通常、数10nm〜数μm程度のエッチング深さで用いることができる。
次に、シリコン基板2上の凹部に液状のマイクロレンズ材料を滴下して付着させる。液状のマイクロレンズ材料を所定の位置に滴下する方法としては、ディスペンス法やインクジェット法が適用できる。ディスペンス法は、マイクロレンズ材料の粘度が高くレンズ径が大きいものに、インクジェット法は、マイクロレンズ材料の粘度が低くレンズ径が小さいものに、より適する方法である。
凹部に付着した液状のマイクロレンズ材料は、凹部の形状により大きさ(径)を規定されるが、表面張力で真球に近い形状を形成することも可能である。
続いて、図2(e)に示すように、マイクロレンズ材料を紫外線や熱等で硬化させることにより、所望するマイクロレンズ7が得られ、また、マイクロレンズ7を有するマイクロレンズ構造体1が形成される。
本発明のマイクロレンズを形成したシリコン構造体について説明する。
表面の結晶面方位が{100}のシリコン基板の表裏に、熱酸化法により厚さ1μmのシリコン酸化膜を基板両面に形成した。
次に、シリコン基板の表面のシリコン酸化膜上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ法により35μm径の円形のレジストパターンをピッチ70μmで複数形成し、露出しているシリコン基板表裏のシリコン酸化膜をフッ化水素酸でエッチングした後、レジストパターンを除去し、35μm径の円形のシリコン酸化膜のマスク層を複数形成した。
次に、上記のシリコン基板の表裏にポリボロンフィルムPBF(東京応化工業社製)をそれぞれ塗布厚3μmで塗布し、乾燥後、酸素雰囲気下で600℃、30分焼成して、PBFをボロンガラスに変えた。焼成後のボロンガラス厚は0.75μmであった。
次に、拡散炉にて1200℃、60分間熱処理して、シリコン酸化膜のマスク層をマスクとして、露出しているシリコン基板にボロンを拡散した。別途行なったテストにより、ボロンの拡散濃度は、1×1020原子/cm3 以上となるように条件を確認しておいた。
次に拡散源であるボロンガラスと拡散用マスクとして使用したシリコン酸化膜をフッ化水素酸処理によって完全に除去した。
次に、水酸化カリウム水溶液(20重量%)、70℃のアルカリエッチング溶液に上記のシリコン基板を浸漬し、マイクロレンズ形成部を1μmの深さにエッチングして凹部とし、水洗、乾燥した。
本実施例では、シリコン基板の裏面側にもボロンを高濃度拡散してアルカリエッチングのマスク層としたが、例えば水酸化カリウム水溶液の場合にはシリコン窒化膜等、エッチング液に対応して他の材料をマスク材として用いることが可能である。また、エッチング治具により、シリコン基板表面側にのみエッチング液が作用するようにすることもできる。
次に、上記のシリコン基板の凹部に、マイクロレンズ形成材料として紫外線硬化型の液状のアクリル樹脂を用い、インクジェット法で滴下し、紫外線で硬化させて、凹部にマイクロレンズを形成した。
液状の紫外線硬化型のアクリル系樹脂の組成は、ポリエステルアクリレート40重量部、テトラエチレングリコールジアクリレート60重量部、イソボルニルアクリレート30重量部に光開始剤4重量部を混合したものを用いた。紫外線硬化は、高圧水銀灯を光源として積算光量約600mJ/cm2 の紫外線で硬化を行った。
硬化後のマイクロレンズを光学顕微鏡で観察したところ、直径35μm、最大高さ約17μmの凸型レンズ形状のマイクロレンズが、ピッチ70μmで複数形成されていることが確認された。このマイクロレンズを形成したシリコン基板をスクライブすることにより、マイクロレンズを有する複数のマイクロレンズ構造体を得た。
本発明のシリコン基板上にマイクロレンズを有するマイクロレンズ構造体の断面模式図である。 図1に示した本発明のマイクロレンズ構造体の製造方法を示す工程断面図である。
符号の説明
1 マイクロレンズ構造体
2 シリコン基板
3 マスク層
4 ボロン
5 ボロン拡散層
6 凹部
7 マイクロレンズ










































Claims (5)

  1. シリコン基板表面上にマイクロレンズを有するマイクロレンズ構造体であって、該マイクロレンズ形成部のシリコン基板表面が凹部をなし、該凹部よりも該凹部以外のシリコン基板表面にボロンが高濃度に拡散されていることを特徴とするマイクロレンズ構造体。
  2. 前記凹部以外のシリコン基板表面にボロンが1×1019原子/cm3 以上の濃度で拡散されていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロレンズ構造体。
  3. シリコン基板表面上にマイクロレンズを有するマイクロレンズ構造体の製造方法であって、
    前記シリコン基板表面上のマイクロレンズ形成部にマスク層を形成する工程と、
    該マスク層をマスクとしてシリコン基板内にボロンを拡散する工程と、
    前記マスク層を除去した後、前記シリコン基板上のマイクロレンズ形成部をアルカリウエットエツチングして凹部を形成する工程と、
    該凹部に液状のマイクロレンズ材料を滴下して付着させる工程と、
    該マイクロレンズ材料を硬化する工程と、を含むことを特徴とするマイクロレンズ構造体の製造方法。
  4. 前記ボロンを1×1019原子/cm3 以上の濃度で拡散させることを特徴とする請求項3に記載のマイクロレンズ構造体の製造方法。
  5. 前記液状のマイクロレンズ材料をインクジェット法により滴下して付着させることを特徴とする請求項3もしくは4に記載のマイクロレンズ構造体の製造方法。

























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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7957048B2 (en) 2006-08-07 2011-06-07 Samsung Electronics Co., Ltd. Display device and method of manufacturing the same
JP2014065862A (ja) * 2012-09-27 2014-04-17 Dainippon Toryo Co Ltd 活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物、レンズ状粒子の形成方法及び複合材料

Cited By (2)

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