【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発音体を有する音響装置に係わり、より具体的には、オルゴールの振動弁による発音を物理的に拡音する音響装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
発音体としてのオルゴールムーブメント(以下、単に「ムーブメント」という)は、音階に沿って配列した複数の振動弁を所定の楽曲に対応する順番で弾くことにより楽曲を演奏する構成である。このムーブメントには、所定の楽曲に対応する穴又は突起によって、対応する爪車を回動させ爪車の爪で振動弁を弾く特定の爪車を回動させるディスク式、および回転シリンダ上に所定の楽曲に対応するように設けられた複数のピンにより直接振動弁を弾くシリンダ式とがある。いずれの方式でもゼンマイ機構または電動モータ等を駆動源とする回転伝達機構により、ディスクあるいはシリンダを回転させる構造で、フレームに振動弁、振動弁を弾く手段(爪車とディスクまたは回転シリンダ等をいう)、回転伝達機構および駆動源等が配設されている。
【0003】
従来のオルゴールは、前述のようなムーブメントを発音体として、共鳴箱、宝石箱や玩具等の筐体に組み込んで筐体の共鳴および筐体内空間の空気振動を利用して拡音する構成であった。
【0004】
一方、特開平8−254977号に示すように、リード(振動弁)にて発生する振動を湾曲状態に設置した薄板状の拡音板に伝達し、拡音板を湾曲形状に強制する保持機構を備えたオルゴールの拡音装置は開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−254977号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のオルゴールにおいては、筐体内の共鳴を利用して拡音しているため、筐体内に複数の周波数の振動が入り交じり、振動弁から出る原音をそのままの状態に近い純粋な音として取り出し拡大することは難しい。
【0007】
一方、特開平8−254977号に開示された拡音装置では、振動板が拡音板と平行となるようにムーブメントを設置する構成で、湾曲形状を画定する自由端は拘束せず、振動入力に対向する端部近傍に屈折部を設けて振動の伝播を遮断しているだけであるから、拡音板内部振動の端面におけるエネルギー損失が大きく非効率的である等、音響装置として実用化するには問題がある。
【0008】
そこで本発明の目的は、振動を拡音板の一つの端部の端およびその付近から入力して音を拡大すると共に保持機構で拡音板の湾曲形状を画定して固定することにより、上記不具合を克服して良質の音響を得ることができる音響装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係わる音響装置は、発音体が発する振動を拡音板に伝達して可聴振動音を拡大する音響装置であって、前記拡音板は一つの端部を残してそれ以外の端部を支持部材で固定して前記拡音板の変位を阻止すると共に、前記拡音板を曲面に形成して前記支持部材に支持させ、前記拡音板に残された前記一つの端部に前記発音体を取付部材で固定して前記一つの端部の端およびその付近から前記振動を前記拡音板に入力する。
【0010】
そして、前記拡音板は剛性に異方性を有する素材で曲面に形成し、前記曲面の湾曲方向を前記剛性の大きな方向に整合させた。なお、前記拡音板の曲面は、片面が一つ以上の凸面を有する。さらに、前記拡音板の相対する長辺および短辺の少なくとも一方を互いに非平行にした。また、前記拡音板は前記支持部材の少なくとも一支持部材に対して、一箇所以上の接合点を有しているかまたは連続して接合する。さらに、前記拡音板を構成する板材固有の方向性に沿って直交する格子状リブあるいは前記拡音板の対角線に沿った傾斜状リブを固設した。
【0011】
その上、前記拡音板を2枚以上設け、前記拡音板のそれぞれは、材質、板厚、面積、凸面の数および曲面の曲率のうちの少なくとも一つが異なる構成とし、前記拡音板の材質は、厚紙、不織布、木材、合成樹脂板、FRP、金属板およびこれらを複合した板材のうちのいずれかによる。
【0012】
しかも、前記発音体はオルゴールのムーブメントであって、このムーブメントのフレームを前記拡音板に前記取付部材を介して装着した。さらに、前記拡音板に装着した前記オルゴールのムーブメントに前記拡音板に固設した前記リブを直接接触させ、または連結部材を介して間接的に接触させた。好適には前記オルゴールの振動弁の振動方向に対して前記拡音板を概ね平行となるように支持し、かつ前記拡音板は、前記オルゴールの振動弁の振動方向に対して直角方向に湾曲する曲面に形成し、前記拡音板の面積を前記オルゴールの振動弁を一体に形成した振動板の面積の2〜200倍とした。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係わる音響装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係わる音響装置10の外観を示す概略の斜視図で、実施例において、発音体は、所定の楽譜に対応させて突起を配列したディスクを回転させて、突起が係合して回転する爪車で振動弁を弾く発音機構をフレーム上に構成したディスク式オルゴールであり、そのムーブメント12と、その振動弁22を振動させて、発生した音を拡大する第一、第二拡音板14,16とが一体に構成されて音響装置10を形成している。
【0014】
オルゴールのムーブメント12は、振動弁22の振動を伝達するフレーム12aがスペーサ37を介してアルミ合金製L字型取付部材13に載置され、第一、第二拡音板14,16の端部Aに固定される(図11参照)。また、第一拡音板14、第二拡音板16は、音響装置10の前面と後面側に配置されており、これら拡音板14,16はその側端部B,Dを、応力がかかった状態、すなわち湾曲した状態で支持部材18に固定されている。なお、例えば一箇所の接合部15a以上の固定手段によって、あるいは連続接合15によって固定される(図2参照)。
【0015】
図2に模式的に図示したように、本実施例では、第一拡音板14は全周縁のうち端部A(図示上側)にムーブメント12が設置され、相対する両側端部B,Dを支持する支持部材18は基台20に固設される。さらに、第一拡音板14のムーブメント12を装着した端部Aに対向する端部C(図示下側)は、支持部材18間に跨設されたアルミ合金製L字型支持部材19に固定される。一方、第二拡音板16の端部Aも第一拡音板14と同様にムーブメント12に結合されている。そして、第二拡音板16の両側端部B,Dも、第一拡音板14と同様に、湾曲され、基台20に固設した支持部材18に固定される。本実施例では、第一、第二拡音板14,16および基台20は全て木製で、L字型の金属製型材には振動伝達効率の良いアルミ合金を使用する。
【0016】
第一、第二拡音板14,16を構成する素材は特定の方向性を有しており、例えば、天然あるいは製造過程で生じる繊維方向またはマシン方向として内在する。これを素材方向として矢印Mで示す。実施例では、第一、第二拡音板14,16は素材方向Mを長辺L、素材方向Mに垂直な方向を短辺Sとして、長辺Lの長さが短辺Sの長さの2倍以下に形成されている。また、実施例では、短辺Sと長辺Lの長さの比率がS:L=1:1.1〜1.2となるように形成されている。
【0017】
このように構成された第一、第二拡音板14,16内部では、ムーブメント12が発生する振動は、ムーブメント12を装着した第一、第二拡音板14,16の端部Aから図2に破線の矢印Wで示したように、第一、第二拡音板14,16全域に伝播され、支持部材18によって固定された第一、第二拡音板14,16の固定周縁で反射する振動(波動)が反射を繰り返し拡音に寄与するといわれる。
【0018】
このため、ムーブメント12の振動弁22が発生する振動は単一ではないから、種々の振動に対応できるように拡音板14-1は振動を入力する素材方向Mに垂直な端部S(A)に対向する端部Cおよび素材方向Mに整合する長辺Dに対向する端部Cを非平行にする(図3(a)参照)。また図3(b)に別の実施例として図示した、素材方向Mに沿って対向する長辺D,Bを非平行に形成した拡音板14-2も可能である。両辺の距離は上方に拡大しても下方に拡大してもよい。
【0019】
このように、相対する端部を非平行にすることにより、偏りのない音響特性を得ることができる。第一、第二拡音板14,16における振動入力される短辺S(A)とそれに向い合う端部Cに対してそれ以外の端部B,Dの長さの比率を1オクターブに相当する2倍程度以下とすることにより、オクターブ内での音の干渉を減少して効率のよい音を放射することができる。
【0020】
さらに、第一、第二拡音板14,16の面に垂直方向の振動運動で失われるエネルギー損失を極力抑制するために、第一拡音板14には図4(a),(b)に示すようにリブ14a,14b,14cを固着してもよい。リブ14aは素材方向Mに整合させ、リブ14bは素材方向Mに対して垂直に設ける。またリブ14cは素材方向Mを斜めに横断する構成で、四辺形の拡音板に対しては対角線上に設けると好適である。第一拡音板14のみ図示したが、第二拡音板16についても同様にリブを設けることができる(図示省略)。
【0021】
図4(a)のように格子状に固設するとムーブメント12からの振動を第一、第二拡音板14,16全体に効率よく伝播させ、かつこれら拡音板14,16の剛性を強化することができる。また、図4(b)に示したリブ14cのように素材方向Mに対して斜傾させて設置すると、これら拡音板14,16全体に一層効率よくかつ均一にムーブメント12からの振動を伝えることができる。リブ14a,14b,14cの材質、形状および設置位置の様々な選択により、リブ部分からの音のリークを抑制し、第一拡音板14(第二拡音板16)表面上の任意の場所からのみ音を放射するマスキング効果を得ることが可能である。
【0022】
拡音板に振動板を接続した場合に拡音作用があることは、特開平8−25497号に開示されている。この拡音板を湾曲させると、剛性が強化されて質量移動が抑制され、エネルギーの損失が少なくなるため、さらに拡音作用が増大することも同様に公知である。これは拡音板の表裏を高い音速で反射しながら、全面に振動の伝播が拡散し拡音板の表面に接する空気が高い効率で波動エネルギーとして音波を伝達するからとされている。
【0023】
ただし、この拡音効果は、発音エネルギーと拡音板面積との相対関係によって支配され、発音エネルギーを表す代用特性として、振動弁を形成している振動板の面積を設定した実験結果を図15(a)に示す。図15(a)は、横軸に拡音板面積(Fa)/振動板面積(Va)を対数目盛で示し、縦軸に一定の距離に設置したマイクロフォンによる相対拡音効果を示す座標で、振動弁の本数(R1〜R4)をパラメータとして描いたものである。便宜上、第一拡音板14の1枚だけを対象とし、材質、板厚および湾曲形状の曲率は同じにして実験に供した。
【0024】
本実験では、図15(b)に図示したシリンダ式オルゴールのムーブメント60を使用し、振動板65の長辺の長さの最大値(X)と短辺の長さの最大値(Y)の積を振動板65の面積(Va)とし、これを発音エネルギーの大きさを表す特性値として代用し、概略の傾向を把握することにした。一方、拡音板14の面積には、平面図形における幾何学的実面積を適用して、拡音エネルギーの特性値に代用した。シリンダ式オルゴールのムーブメント60は、駆動部61の動力がガバナ62で制御され、ほぼ等速でシリンダ63を回転させる。
【0025】
シリンダ63の外周には楽曲に従う配列でピン64が植設され、シリンダ63の回転によってピン64は対向して並列配置された振動板65に一体に形成されて対応する振動弁66を順次弾いて振動させる。振動板65は、フレーム67に固設されて、振動を確実にフレーム67に伝達する。フレーム67は拡音板14の端部に、振動板65の面が板材の切口面と平行になる態様で固定される。符号68は始動/停止レバーで、引張スプリング69の弾性力により、先端70をシリンダ63に直結する速度制御歯車71の側面に圧接して摩擦による制動力を作用させている。
【0026】
図15(a)によれば、振動弁66の本数(R1〜R4)が増すに従って曲線はR1からR4へ移行して当然音量は増大する。本図を見ると拡音板14の面積を増大させていくと、明らかに拡音効果が増大している。しかしながら、拡音効果が有効に機能するのは、振動弁の本数(R1〜R4)の本数に関係なく、拡音板面積/振動板面積(Fa/Va)が2〜200の間で、面積比が200以上では拡音効果が飽和することが分る。
【0027】
前述したように、第1、第2の拡音板14、16の拡音作用は湾曲させることによって増大する。この拡音作用について、実験によって確認したところ、図17に示すような結果となった。この確認実験は、図16に示す簡易的な装置によって行われた。900mm×640mmの拡音板14の端部Aには取付部材13が固定され、この取付部材13にオルゴールのムーブメント12(図示しない)が載置固定されている。拡音板14は、図16に破線で示す平坦な自由状態を基準として、湾曲させた状態の曲げ寸法bを変化させながら周波数特性と音圧レベルの変化を測定した。なお、この実験に使用した拡音板14は、木製の薄板を8枚貼り合わせた合板であった。
【0028】
その結果、図17に示すように、150 〜220Hz付近では、曲げ寸法bが30mm以上では,周波数特性が150Hz付近を中心とするピークと、220Hz付近を中心とするディップを持った特性を示すようになる。曲げ寸法bが30mmより小さい場合にはこのようなピークまたはディップが見られない。このように、曲げ寸法bが30mm以上では周波数特性すなわち音量バランスが安定するようになる。
【0029】
次に、曲げ寸法bと平均音圧レベルの関係を実験によって確認した結果、図18に示すように、拡音効果が大きいのは曲げ寸法bが30mmまでであり、それ以上曲げ寸法bを大きくしても湾曲による拡音効果が徐々に飽和することが分かった。
【0030】
図5〜図7は、本発明に係わる音響装置に用いたディスク式オルゴールによる第一実施例の構成図で、図5は平面図、図6は図5の6−6線に沿って示した断面図、図7は図5の7−7線に沿った正面図である。図5は、構成を明確にするため外周縁に複数の透孔21aを等間隔で配列し、図示しない突起を楽曲に対応させて切り起したディスク21を透視で示し、図が複雑化するのを避けて振動弁22を弾く爪車列23、ディスク21の半径線上に横設した押え軸24(図7参照)および押え軸24に沿って等間隔に同心で並列に配列され、ディスク21を爪車列23との間に挟持して突起と爪車の係合を確保する押えローラ25は図示を省略してある。以下の図示にも透視と省略が適宜に行われる。
【0031】
ディスク式オルゴールのムーブメント機構は公知であるので詳細な説明は省略するが、要約すると、26はモータで、適当な減速機構26aを介して駆動スプロケット27を回転する。図5において、モータ26は駆動軸線をディスク21の半径線上に整合させて配置してあるが、図示しない適当な歯車機構(例えば傘歯車あるいはウォーム歯車等)や伝達軸のジョイント機構によって、ディスク21の半径線に対して直交方向に配置し、あるいは図示しない適当な回転伝達機構(例えばチェーンあるいはタイミングベルト等)によってディスク21半径線と並列な離間位置に配置することによってデッドスペースを削減し音響装置をコンパクトに構成することができる。
【0032】
ディスク21は、押え軸24と直交する直径線上の中心を挟む外周縁の対向位置を支持して案内するローラ29と押えローラ25との協働で下向きに凸状に湾曲支持された構造体を形成するので、半径線上で面方向の湾曲に対する剛性が強化され、爪車を介して弾く振動弁からの反作用に抗してディスク上の突起と対応する爪車との係合を確保する。
【0033】
このため、スプロケット27の外縁に等間隔で突設された複数の歯列28がディスク21外周縁の透孔21aと遊隙を生じることなく噛合し、ディスク21は、駆動スプロケット27の回転に連動して垂直軸30の周りに等速回転する。押えローラ25は、ディスク21の突起が爪車列23の対応する爪と係合して爪車を回転する回転力の反作用を受けてディスク21が上方に変位するのを抑制し、モータ26による回転力で確実に爪車に伝達し、爪車は回転して爪先で対応する振動弁22を弾く。
【0034】
上記したように、ディスク21の突起と爪車との確実な係合を維持させるために、押えローラ25がディスク21の上面に当接する相対位置関係は重要で、押えローラ25を軸線上に等間隔で並列配置した押え軸24をディスク21面との着脱のために回動する基端42における支点軸25bの高さ方向の位置が調整可能に構成されている。すなわち、図8に示すように、押え軸24の基端42を支持する支点軸25bは、押え軸基端42が回動する胴部25b1の両端から胴部25b1より直径の大きな固定軸25b2および胴部25b1より直径の小さい固定軸25b3が同一の中心C1で延在し、胴部25b1の中心C2は固定軸25b2,25b3の中心C1に対して偏心させてある。
【0035】
従って、ブラケット25cを貫通する軸孔43に嵌合する支点軸25bの中心C1に対して、回動軸中心C2が偏心して装着される。支点軸25bの頭部25b4のすり割溝44にドライバを係合して、ブラケット25cの軸孔43a,43b内で支点軸25bを回動させることにより、支点軸25bの中心C1に対する基端42の回動軸中心C2をブラケット25cの長手方向(図中高さ方向)に移動させることができる。押えローラ25とディスク21上面との位置関係が適正に設定された回動位置で支点軸25bをピンまたはセットネジ等の適当な手段で回り止めする。
【0036】
フレーム12aは、このような機構を搭載すると共に、振動弁22を一体に形成した振動板32が最もよく振動を伝達できる構成で直結されて、ムーブメント12を形成している。ムーブメント12は、第一、第二拡音板14,16と合体して音響装置を構成する。
【0037】
以下にムーブメントと拡音板とを結合する実施例を図9に基づいて説明する。便宜上、図9は、ムーブメント50としてシリンダ式オルゴールが図示されているが、ディスク式オルゴールのムーブメントについても同様の結合態様が適用できる。また一般的拡音板の参照符号として14xを使用し、その他の符号で共通する部材には同一の符号を使用して説明を省略する。
【0038】
シリンダ式オルゴールのムーブメント50は、ピン51を植設したシリンダ52を駆動部53で回転して振動板54に一体に形成された振動弁55を弾く機構で、フレーム56に搭載され、振動板54はフレーム56に固着されて、振動弁55が発生する振動を効率よくフレーム56に伝達する。
【0039】
図9(a)は、ムーブメント50と拡音板14xとの基本的取付関係を示すもので、振動板54の面の方向Lに対して拡音板14xの湾曲面において端部Aを含む接平面の方向Pが概ね直角となる取付態様である。ムーブメント50は、フレーム56が拡音板14xを木片36aと共に挾装したアルミ合金製コ字型取付部材13aに適当な結合手段によって固着され、振動弁55の振動方向(矢印V)に対して拡音板14xの面はほぼ平行になる。端部Aに対向する端部Cは、アルミ合金製L字型取付部材19aの内面側に木片36bで挟着し固定される。図示しないが以下の実施例も同様に、拡音板14xの両側端部B,Dは、上記したように支持部材18に固定される(図7参照)。
【0040】
図9(b)は、ムーブメント50のフレーム56より幅の広い拡音板14xに結合する実施例の図示で、アルミ合金製コ字型取付部材13aの長さを拡音板14x端部Aの幅全体に一致させることにより、ムーブメント50のフレーム56以上の幅をもつ拡音板14xに振動を伝達する場合にも、拡音板14x全体に効率良く振動を伝えることができる。振動板54の面の方向Lと拡音板の端部Aにおける曲面に対する取付に関する位置付けは図9(a)と同じで、端部Cに対する固定も取付部材19aと木片36bによって同様に行われる。
【0041】
図9(c)は、離間位置に配設されたムーブメント50と拡音板14xとを接続する場合の実施例で、連結部材38aをフレーム56とアルミ合金製L字型取付部材13bの間に介在させることにより、ムーブメント50からの振動を効率良く伝えることができる。拡音板14xの端部Aは取付部材13b内側の面と木片36bで挟着して固定する。連結部材38aの材質は、振動伝播速度の速い金属等が好ましく、また連結部材38aを取付部材13bと一体化すると一層効果的である。
【0042】
図9(d)は、連結部材39aの軸線が図9(c)に示すような直線でない場合を示す。この場合、ムーブメント50から取付部材13bに振動を効率的に伝達するため、振動板54と拡音板14xの直角方向関係が保てるように、連結部材38aのフレーム56に対する取付面を通る軸線方向S1と振動板の面の方向L1を直角に取付け、さらに、連結部材38aの取付部材13bに対する取付面を通る軸線方向S2に対して取付面を直角に設けて、拡音板14x端部Aを含む曲面の接平面の方向線上Pに軸線方向S2を整合させる。
【0043】
図9(c)および図9(d)において端部Cの図示が省略されているが、上記実施例と同様に固定され、両側端部B,Dについても同様である。このような結合手段を適用することによってデザインの自由度が広がり、視覚的に魅力のあるオルゴールの構造を実現することができる。拡音板14xの湾曲形状は特定できないので、各実施例ごとに異なる形状で図示した。また図示は省略するが、拡音板14xに固設したリブ14a,14b,14cの端部は、取付部材13a,13b、木片36a,36bあるいは連結部材38a,38bのいずれかに接続するか、ムーブメント50のフレーム56に直結する。
【0044】
以下にムーブメント12と第一、第二拡音板14,16からなる本発明に係わる音響装置の構成を説明する。図10は(a),(b),(c),(d)に第一、第二拡音板14,16を曲面に構成して支持する型枠33,34を第一、第二拡音板14,16と共に第一、第二拡音板14,16の両側の端部B,Dを支持する支持部材18から分解して示した側面図で、図10(e)に型枠33,34を接合して第一、第二拡音板14,16を支持する支持部材18を基台20に立設した組立図を示す。
【0045】
図10(a)に示す型枠33は、直線的に形成した後面側Rrと第二拡音板16の両側端部B,Dの曲面に沿って形成した前面側Frとを概ね鏡像対称に配置した型枠33が左右二枚作成される。この左右二枚の型枠33の前面側Frに形成され、第二拡音板16の両側端部B,Dの後面に密着される曲線は、左右型枠33の曲線は必ずしも一致しなくてよい。
【0046】
図10(c)に示す型枠34は、第二拡音板16の端部B,Dの前面に沿って密着するように形成した後面側Rf曲線と、第一拡音板14の両側端部B,Dの後面に沿って密着するように形成した前面側Ff曲線とを概ね鏡像対称に配置した型枠34が左右二枚作成される。左右の型枠34で、後面側Rf曲線と前面側Ff曲線とは、それぞれ拡音板14,16の曲面に整合させて形成されるので、左右の型枠34の曲線は必ずしも一致しない。また、第一拡音板14で両側の端部B,Dの長さが異なる場合は型枠34は左右の長さが異なってもよい。
【0047】
振動入力を第一、第二拡音板14,16の固定されない端部Aから入力する拡音機構で、第一、第二拡音板14,16を湾曲することが本発明に係わる音響装置の構成における主要課題である。第一、第二拡音板14,16を湾曲することによって生じる内部応力の増大が振動の物理的増幅をもたらすので拡音機能が最高に発揮される。湾曲は、曲面を画定する母線が第一、第二拡音板14,16を構成する素材特有の素材方向(自然に形成される特定の方向あるいは、素材形成の過程で生じる繊維方向、マシン方向、延伸方向、強化繊維の配向等)に対して垂直で、素材方向の断面が示す曲線に少なくとも一つの変曲点を有する曲面に形成することが、拡音機能にとって重要である。また、一つ以上の拡音板を持つ場合は、板厚、湾曲の曲率(曲げ量)、湾曲箇所の数をそれぞれの拡音板14,16で変えることにより、一層深みのある音質を確保することができる。
【0048】
ちなみに、図10(b)に示す後面拡音板16は前面に一つ、後面に二つの合計三つの凸面V1,V2,V3を備え、二つの変曲点T1,T2を持つ。一方、図10(d)に示す前面拡音板14は、前面に一つの凸面を持つ。このことはまた、囲まれた一定の投影面の枠内では、拡音板14,16を曲面にすることによって、単調な平面よりも拡音板14,16の放射面積が増大されるので、さらに拡音に寄与することになる。
【0049】
第一、第二拡音板14,16の端部の一箇所を振動入力の縁辺Aとし、それ以外の周縁B,C,Dについて、両側の端部B,Dは支持部材18に固着した型枠33,34が協働で固定する。第二拡音板16は、振動を入力する一箇所の端部Aに相対する図示下側の端部Cを基台20まで延在させて、基台20に固定される。一方、第一拡音板14は振動を入力する一箇所の端部Aに相対する端部Cが基台20まで延在しないから、左右の支持部材18間に跨設した支持部材19に固定される。第一拡音板14の支持部材19には、取付部材13と同様にL字型で振動伝播効率の良いアルミ合金製型材13が使用される。
【0050】
図11に拡大図示されるように、第一、第二拡音板14,16双方の端部Aすなわち振動入力の端部に沿って左右の支持部材18間に跨設した振動伝播効率の良いアルミ合金製L字型の取付部材13と木片36に挾装して固定する。そして、左右の木片36にムーブメント12のフレーム12aをスペーサ37を介してボルト等の適当な手段で固定する。
【0051】
各スペーサ37の取付部材13への接触面積をフレーム12aの面積より小さくし、発音体としてのオルゴールで発生する音(振動)を効率良く伝達することができる。また、スペーサ37を用いることで、フレーム12aの平面度の精度を上げる必要もない。
【0052】
また、各スペーサ37の高さは、振動弁22を一体に形成した振動板32が最もよく振動を伝達できる構成で直結されるフレーム12aは、振動弁22を含む平面が、第一、第二拡音板14,16の振動を入力する端部Aを含む湾曲面の接平面Pに対して垂直となるように設定される。すなわち、スペーサ37とアルミ合金製L字型の取付部材13とにより、振動弁22の振動方向と第一、第二拡音板14,16とは概ね平行となるように支持されている。
【0053】
上記構成により、振動弁22が発生する振動は、第一、第二拡音板14,16双方の端部Aから入力されて、第一、第二拡音板14,16内部に伝播され、物理的に増幅された振動として、第一、第二拡音板14,16内に伝播された振動の波動が板面から放射され拡音機能を達成する。
【0054】
図12は、本発明に係わる音響装置に適用するオルゴール11の第二実施例を示す正面図、図13は図12の13−13線に沿った側面の断面図である。第一実施例と同様の部材は同一の符号で示し説明を省略する。第一、第二拡音板14,16に対する構成は第一実施例と同様である。第一実施例では、ディスク21を水平に設置する構成であるのに対して、第二実施例のオルゴール11では、ディスク21を垂直に近い角度で立設した構成で、ムーブメント12自体は第一実施例と同じであるので説明を省略する。
【0055】
このため、図12の14−14線に沿って図14に拡大した断面図で示すように、振動弁22が発生する振動を最もよく伝達できるように振動板(図示しない)を平行に設置したフレーム12aと、第一、第二拡音板14,16に接続する木片36とは、連結部材38,39で連結される。連結部材38,39の連結部40,41の接続面40a,41aは、第一、第二拡音板14,16の振動入力側の端部Aを含む湾曲面の接平面Pに対して垂直となるように設定される。従って、第一実施例同様に、振動弁22が発生する振動は、第一、第二拡音板14,16双方の端部Aから入力されて、第一、第二拡音板14,16内部に伝播され、物理的に増幅された振動として、第一、第二拡音板14,16内に伝播された振動の波動が両拡音板の板面から放射され拡音機能を達成する。図中、Hはムーブメント12を収納するハウジングで、ディスク交換や保守点検のために開閉可能な蓋FおよびグリルGを備える。
【0056】
前述したように、本発明による音響装置では、湾曲状態に設置した薄板状の拡音板を備えた筐体を使用した実施例について説明した。筐体としては、上記拡音板を備えた筐体の他に、筺体の共鳴および筺体内空間の空気振動を利用して拡音する箱型の筐体があり、これら筐体によっても音響特性が異なる。
【0057】
図19は、拡音板を備えた筐体と箱型の筐体における周波数特性を測定した結果を示している。この特性図から分かるように、破線で示す箱型の筐体における周波数特性は、200Hz付近にピークを持った周波数特性を示し、実線で示す拡音板を備えた筐体における周波数特性はピークが見られず、高い周波数域まで平坦な周波数特性を示している。この周波数特性の差は、拡音板を備えた筐体の構造から共鳴器として作用しないことであり、このことから、拡音板14等による拡音作用は拡音板を備えた筐体の方が広い帯域に渡って安定していること判明した。
【0058】
次に、拡音板を備えた筐体と、箱型の筐体の周波数特性における指向性の違いについて確認したところ、図20および図21に示すような結果が確認された。この確認は、測定用のマイクロフォンを正面、右側面、および背面に距離と高さを各々1m離間させて設置して測定したものである。この測定によれば、箱型の筐体の低音付近の音圧レベルは、図20に示すように、実線で示す正面と小さな破線で示す背面とは同等であるが、大きな破線で示す右側面では10〜20db低下する。また、高音域は背面と右側面の音圧レベルが正面よりも低く、特に右側面では400Hz以上の中高音域の音圧レベルが正面より10db以上低下している。
【0059】
これに対して、拡音板を備えた筐体は、図21に示すように、小さな破線で示す背面と大きな破線で示す右側面において低音域・高音域の音圧レベル低下が見られるものの、右側面における全体的な音圧レベル低下は、箱型の筐体に比べると小さい。
【0060】
以上から明らかなように、拡音板を備えた筐体を使用した場合の周波数特性の変化は相対的に小さく、聴く位置による音量バランス(周波数特性)の変動が箱型の筐体よりも小さいことが判明した。この結果、 実際にオルゴールを演奏した場合には、聴く位置によらず良好な音量バランスでオルゴール音を聴くことができる。
【0061】
以上、実施例について説明したが、本発明は図示の実施例に限定されるものではなく、その形状や構成について、本発明の構成要件から逸脱しない範囲で、細部に関する多様な変更や部品の再構成や実施例における組合せを交換する等の改変をなし得ることが予期される。例えば、本実施例はディスク式オルゴールのムーブメントに基づいて説明したが、シリンダ式オルゴールを用いても同様の機能および効果を発揮することが可能である。また、拡音板は木材の代わりに厚紙(板紙)、不織布、ガラス繊維強化合成樹脂板(FRP)、硬質合成樹脂成形板、金属板およびこれらを複合した板材のうちのいずれかを構成素材として適用することができる。
【0062】
また、実施例に示す音響装置では、第一、第二拡音板を用いているが、拡音板は2枚に限定されることはなく、1枚でもよいし、3枚以上であってもよい。また、上記の実施例では、第一、第二拡音板は、間隔をおいて配置されているが、第一、第二拡音板が接触することがない限り、その間隔は限定されるものではない。さらに、拡音板の形状は矩形以外の形状であってもよいし、拡音板の湾曲形状も実施例に限定されるものではない。
【0063】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明に係わる音響装置は、請求項1から3の記載によれば、発音体が発する振動を拡音板に伝達して可聴振動音を拡大する音響装置が、前記拡音板は一つの端部を残してそれ以外の端部を支持部材で固定して前記拡音板の変位を阻止すると共に、前記拡音板を曲面に形成して前記支持部材に支持させ、前記拡音板に残された前記一つの端部に前記発音体を取付部材で固定して前記一つの端部の端およびその付近から前記振動を前記拡音板に入力し、前記拡音板は剛性に異方性を有する素材で曲面に形成し、湾曲方向を前記剛性の大きな方向に整合させ、片面が一つ以上の凸面を有する曲面としたので、音響エネルギーを拡散させることなく特定方向に伝達することができる。前記拡音板の発音体入力側の端部を除く支持部材で固定されたその他の端部からは音響エネルギーの損失が抑制できる。
【0064】
第二には、オルゴールから入力された振動方向の拡音板端部に設けた支持部材が透過波を抑制すると共に拡音板内部での反射を促進し、拡音板による拡音効果を向上することができる。しかも、拡音板内に生じる定在波によって大音量の拡音が可能になり、拡音板の面積を拡大して装置を大型化することにより、インテリアとしての装飾的機能を付加価値として付与することができる。
【0065】
そして、本発明に係わる音響装置は、請求項4の記載によれば、前記拡音板の相対する長辺および短辺の少なくとも一方を互いに非平行にしたので、拡音板内部に特定周波数の定在波の発生が抑制され、特定の周波数成分の音だけが拡大されることはなく、偏った音響特性になることが防止できる。
【0066】
また、本発明に係わる音響装置は、請求項5の記載によれば、前記拡音板は前記支持部材の少なくとも一支持部材に対して、一箇所以上の接合点を有しているかまたは連続して接合するので、密閉性が向上し、音響エネルギーの損失を減少させることができる。
【0067】
その上、本発明に係わる音響装置は、請求項6の記載によれば、前記拡音板に前記板材固有の方向性に沿って直交する格子状リブあるいは前記拡音板の対角線に沿った傾斜状リブを固設したので、曲面形状の安定性が向上し、入力された振動を湾曲拡音板全体に効率よく伝播させることができる。またリブにより拡音板の剛性が増加するため、拡音板自体の振動を抑制し、拡音板内部からの振動をより効率よく放射させることができる。
【0068】
なお、拡音板表面上のリブは、格子状に設置することにより、剛性を一層効果的に向上させることができる。また、リブを湾曲拡音板表面上で拡音板の板対角線上に設置することにより、拡音板全体に効率的かつ均一に振動を伝えることができる。さらに、リブで拡音板にマスキングを施すことによって、拡音板の任意の場所から音を放射することができる。さらには、リブを適正に構成することによって支持部材を省略しても同様の効果を発揮することができる。
【0069】
しかも、本発明に係わる音響装置は、請求項7から9の記載によれば、前記拡音板を2枚以上設け、前記拡音板のそれぞれは、材質、板厚、面積、凸面の数および曲面の曲率のうちの少なくとも一つが異なるようにし、かつ前記拡音板の材質は、厚紙、不織布、木材、合成樹脂板、FRP、金属板およびこれらを複合した板材のうちのいずれかによるので、それぞれの拡音板より、違った音質・音量が発生し、一層深みのある音色を確保することができる。また、低音から高音まで幅広い拡音に対応することができ、音質の硬さや軟らかさの表現を好みや環境に合わせて拡音板の材質を選択することができる。
【0070】
さらに、本発明に係わる音響装置は、請求項10の記載によれば、前記発音体はオルゴールのムーブメントであって、このムーブメントのフレームを前記拡音板に前記取付部材を介して装着したので、レトロ的感覚が助長され視覚的にもヒーリング効果が期待できる。
【0071】
また、本発明に係わる音響装置は、請求項11の記載によれば、拡音板に装着したムーブメントに前記拡音板に固設したリブを直接接触させ、または連結部材を介して間接的に接触させたので、拡音板の強度および拡音機能を損なうことなく、オルゴール装置の外観に関してデザインの幅を広げることができ、連結部材の形状を工夫することにより、視覚的に魅力のあるオルゴールの構造を実現することができる。
【0072】
そして、本発明に係わる音響装置は、請求項12および13の記載によれば、振動弁の振動方向に対して前記拡音板を概ね平行となるように支持すると共に、前記拡音板は、前記オルゴールの振動弁の振動方向に対して直角方向に湾曲する曲面に形成したので、ムーブメントからの入力振動を拡音板全体に効率よく伝達し、かつ前記拡音板は、前記オルゴールの振動弁の振動方向に対して直角方向に湾曲する曲面に形成したので、拡音板自体の振動によるエネルギー損失が抑制され、拡音板内部振動をより効率的に放射させることができる。
【0073】
さらに、本発明に係わる音響装置は、請求項14の記載によれば、前記拡音板の面積を前記オルゴールの振動弁を一体に形成した振動板の面積の2〜200倍としたので、オルゴール装置として最適の大きさを設定することができ、振動エネルギーの損失が少ない状態で、良質の可聴音を大音量で得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる音響装置の第一実施例の外観を示す概略の斜視図である。
【図2】本発明に係わる音響装置の構成と拡音板内部の振動状態を説明する模式図である。
【図3】本発明に係わる音響装置における拡音板の外形に関する実施例を説明する模式図である。
【図4】本発明に係わる音響装置における拡音板のリブに関する実施例を示す模式図である。
【図5】本発明に係わる音響装置の第一実施例の平面図である。
【図6】図5の6−6線に沿って示した断面図である。
【図7】図5の7−7線に沿って示した正面図である。
【図8】図6において円Eで囲んだ部分の拡大部分断面図である。
【図9】本発明に係わる音響装置におけるムーブメントと拡音板の結合に関する実施例の説明図である。
【図10】本発明に係わる音響装置における拡音板機構の構成を示す側面図で、(a)〜(d)は分解図、(e)は組立図である。
【図11】本発明に係わる音響装置におけるオルゴールムーブメント取付部分を拡大図示した分解図と組立図の側面図である。
【図12】本発明に係わる音響装置の第二実施例の正面図である。
【図13】図12の13−13線に沿って示した側面の断面図である。
【図14】図10の14−14線に沿って示した拡大断面図である。
【図15】本発明に係わる音響装置における振動板と拡音板の面積比率に関する相対拡音効果の実験例で、(a)はムーブメントの振動弁の本数をパラメータとした図表、(b)は実験に使用したシリンダ式オルゴールの一例を示す平面図である。
【図16】本発明に係わる音響装置における拡音板の曲げ寸法と周波数特性の関係を確認するための実験装置を示す概要図である。
【図17】本発明に係わる音響装置における拡音板の曲げ寸法と周波数特性の関係を示す特性図である。
【図18】本発明に係わる音響装置における拡音板の曲げ寸法と音圧レベルの関係を示す特性図である。
【図19】本発明に係わる音響装置における箱型の筐体と拡音板を備えた筐体の周波数特性を示す特性図である。
【図20】本発明に係わる音響装置における箱型の筐体を備えた場合の聴取位置による周波数特性を示す特性図である。
【図21】本発明に係わる音響装置における拡音板を備えた筐体を備えた場合の聴取位置による周波数特性を示す特性図である。
【符号の説明】
10 音響装置
12 オルゴールのムーブメント
13 取付部材
14 第一拡音板
16 第二拡音板
18 支持部材
19 支持部材
20 基台
21 ディスク
22 振動弁
23 爪車列
24 押え軸
25 押えローラ
26 モータ
27 スプロケット
29 案内ローラ
30 垂直軸
32 振動板
33,34 型枠[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an acoustic device having a sound generator, and more specifically, to an acoustic device that physically expands sound produced by a music box vibration valve.
[0002]
[Prior art]
A music box movement as a sounding body (hereinafter simply referred to as “movement”) is configured to play music by playing a plurality of vibration valves arranged along a musical scale in an order corresponding to a predetermined music. This movement includes a disk type that rotates a corresponding claw wheel by rotating a corresponding claw wheel and flips a vibration valve with the claw of the claw wheel by a hole or protrusion corresponding to a predetermined music piece, and a predetermined on a rotating cylinder. There is a cylinder type in which a vibration valve is directly repelled by a plurality of pins provided so as to correspond to the music. In any method, the structure is such that a disk or cylinder is rotated by a rotation transmission mechanism using a spring mechanism or an electric motor as a driving source, and a vibration valve and a means for flipping the vibration valve to the frame (refers to a claw wheel and a disk or a rotation cylinder). ), A rotation transmission mechanism, a drive source, and the like are provided.
[0003]
A conventional music box has a structure in which the above-mentioned movement is incorporated as a sounding body into a housing such as a resonance box, jewelry box, or toy, and the sound is expanded using the resonance of the housing and the air vibrations in the housing space. It was.
[0004]
On the other hand, as shown in Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-254777, a holding mechanism that transmits vibration generated by a lead (vibration valve) to a thin plate-shaped sound expansion plate installed in a curved state and forces the sound expansion plate into a curved shape. A music box sound amplifying apparatus comprising:
[0005]
[Patent Document 1]
JP-A-8-254977
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the above-mentioned conventional music box, sound is expanded by utilizing resonance in the casing, so that vibrations of a plurality of frequencies are mixed in the casing, and the original sound emitted from the vibration valve is a pure sound that is almost as it is. It is difficult to take out and expand as.
[0007]
On the other hand, in the sound expansion device disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-254777, the movement is installed so that the diaphragm is parallel to the sound expansion plate, and the free end that defines the curved shape is not constrained, and vibration input is performed. Since only the refracting part is provided in the vicinity of the end facing the slab to block the propagation of vibration, the energy loss at the end face of the sound expansion plate internal vibration is large and inefficient, and it is put to practical use as an acoustic device. Has a problem.
[0008]
Accordingly, an object of the present invention is to input vibration from one end of the sound expansion plate and the vicinity thereof to expand the sound, and to define and fix the curved shape of the sound expansion plate with a holding mechanism, thereby An object of the present invention is to provide an audio device capable of overcoming the problems and obtaining good quality sound.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, an acoustic device according to the present invention is an acoustic device that expands an audible vibration sound by transmitting a vibration generated by a sounding body to a sound expansion plate, and the sound expansion plate has one end. And the other end is fixed by a support member to prevent displacement of the sound expansion plate, and the sound expansion plate is formed into a curved surface and supported by the support member, and is left on the sound expansion plate. The sounding body is fixed to the one end portion by an attachment member, and the vibration is input to the sound expansion plate from the end of the one end portion and the vicinity thereof.
[0010]
And the said sound expansion board was formed in the curved surface with the material which has anisotropy in rigidity, and matched the bending direction of the said curved surface with the said big direction of rigidity. The curved surface of the sound expansion plate has one or more convex surfaces on one side. Further, at least one of the opposing long side and short side of the sound expansion plate is made non-parallel to each other. The sound expansion plate has one or more joint points or is continuously joined to at least one support member of the support members. Further, grid-like ribs that are orthogonal to each other along the directionality unique to the plate material constituting the sound expansion plate or inclined ribs along the diagonal line of the sound expansion plate are fixed.
[0011]
In addition, two or more sound expansion plates are provided, and each of the sound expansion plates has a configuration in which at least one of a material, a plate thickness, an area, the number of convex surfaces, and a curvature of a curved surface is different, The material is any one of cardboard, non-woven fabric, wood, synthetic resin plate, FRP, metal plate and a plate material obtained by combining these.
[0012]
In addition, the sounding body is a music box movement, and the frame of the movement is attached to the sound expansion plate via the mounting member. Furthermore, the rib fixed to the sound expansion plate is brought into direct contact with the movement of the music box mounted on the sound expansion plate, or indirectly through a connecting member. Preferably, the sound expansion plate is supported substantially in parallel with the vibration direction of the vibration valve of the music box, and the sound expansion plate is bent in a direction perpendicular to the vibration direction of the vibration valve of the music box. The area of the sound expansion plate is set to 2 to 200 times the area of the diaphragm integrally formed with the music box vibration valve.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of an audio device according to the present invention will be described below with reference to the drawings. FIG. 1 is a schematic perspective view showing the external appearance of an acoustic device 10 according to the present invention. In the embodiment, the sounding body rotates a disk on which protrusions are arranged corresponding to a predetermined score, and the protrusions are engaged. A disc-type music box having a sound generation mechanism on the frame that plays a vibration valve with a rotating pinwheel, and the movement 12 and the vibration valve 22 are vibrated to expand the generated sound. The sound plates 14 and 16 are integrally formed to form the acoustic device 10.
[0014]
In the music box movement 12, a frame 12a for transmitting the vibration of the vibration valve 22 is placed on an aluminum alloy L-shaped mounting member 13 via a spacer 37, and the end portions of the first and second sound expansion plates 14 and 16 are placed. A is fixed to A (see FIG. 11). Further, the first sound expansion plate 14 and the second sound expansion plate 16 are disposed on the front surface and the rear surface side of the acoustic device 10, and these sound expansion plates 14 and 16 have their side ends B and D subjected to stress. It is fixed to the support member 18 in the applied state, that is, in a curved state. For example, it is fixed by a fixing means at one joint 15a or more or by continuous joining 15 (see FIG. 2).
[0015]
As schematically illustrated in FIG. 2, in this embodiment, the first sound amplifying plate 14 is provided with a movement 12 at an end A (upper side in the drawing) of the entire periphery, and the opposite side ends B and D are arranged. The supporting member 18 to be supported is fixed to the base 20. Furthermore, the end C (the lower side in the figure) opposite to the end A to which the movement 12 of the first sound expansion plate 14 is mounted is fixed to an aluminum alloy L-shaped support member 19 straddling between the support members 18. Is done. On the other hand, the end A of the second sound expansion plate 16 is also coupled to the movement 12 in the same manner as the first sound expansion plate 14. Then, both end portions B and D of the second sound expansion plate 16 are also curved and fixed to the support member 18 fixed to the base 20 in the same manner as the first sound expansion plate 14. In this embodiment, the first and second sound expansion plates 14 and 16 and the base 20 are all made of wood, and an aluminum alloy having good vibration transmission efficiency is used for the L-shaped metal mold.
[0016]
The material which comprises the 1st, 2nd sound expansion boards 14 and 16 has a specific directionality, for example, is inherent as a fiber direction or machine direction which arises in a natural or manufacturing process. This is indicated by an arrow M as the material direction. In the embodiment, the first and second sound expansion plates 14 and 16 have the material direction M as the long side L, the direction perpendicular to the material direction M as the short side S, and the length of the long side L is the length of the short side S. It is formed to be 2 times or less. Moreover, in the Example, it forms so that the ratio of the length of the short side S and the long side L may be set to S: L = 1: 1.1-1.2.
[0017]
In the first and second sound expansion plates 14 and 16 configured as described above, the vibration generated by the movement 12 is illustrated from the end A of the first and second sound expansion plates 14 and 16 to which the movement 12 is attached. As indicated by broken line arrows W in FIG. 2, at the fixed peripheral edges of the first and second sound expansion plates 14 and 16 that are propagated throughout the first and second sound expansion plates 14 and 16 and fixed by the support member 18. It is said that the reflected vibration (wave) repeats reflection and contributes to sound expansion.
[0018]
For this reason, since the vibration generated by the vibration valve 22 of the movement 12 is not single, the sound expansion plate 14-1 has an end S (A perpendicular to the material direction M for inputting vibration so as to cope with various vibrations. ) And the end C facing the long side D aligned with the material direction M are made non-parallel (see FIG. 3A). In addition, a sound expansion plate 14-2 shown in FIG. 3B as another example, in which long sides D and B facing each other along the material direction M are formed non-parallel, is also possible. The distance between both sides may be increased upward or downward.
[0019]
Thus, by making the opposite end portions non-parallel, it is possible to obtain acoustic characteristics without deviation. The ratio of the length of the other ends B and D to the short side S (A) to which vibration is input in the first and second sound expansion plates 14 and 16 and the end C facing the short side S (A) corresponds to one octave. By setting it to about twice or less, it is possible to reduce the interference of sound within the octave and radiate efficient sound.
[0020]
Furthermore, in order to suppress as much as possible the energy loss lost by the vibration motion in the direction perpendicular to the surfaces of the first and second sound expansion plates 14 and 16, the first sound expansion plate 14 has FIGS. 4 (a) and 4 (b). The ribs 14a, 14b, and 14c may be fixed as shown in FIG. The ribs 14 a are aligned with the material direction M, and the ribs 14 b are provided perpendicular to the material direction M. The rib 14c is configured to obliquely cross the material direction M, and is preferably provided diagonally with respect to the quadrilateral sound expansion plate. Although only the first sound expansion plate 14 is illustrated, the second sound expansion plate 16 can be similarly provided with ribs (not shown).
[0021]
When fixed in a lattice form as shown in FIG. 4A, the vibration from the movement 12 is efficiently propagated to the entire first and second sound expansion plates 14 and 16, and the rigidity of the sound expansion plates 14 and 16 is enhanced. can do. Further, when installed obliquely with respect to the material direction M as in the rib 14c shown in FIG. 4B, vibrations from the movement 12 are transmitted more efficiently and uniformly to the entire sound expansion plates 14 and 16. be able to. By selecting various materials, shapes, and installation positions of the ribs 14a, 14b, and 14c, sound leakage from the rib portion is suppressed, and an arbitrary location on the surface of the first sound expansion plate 14 (second sound expansion plate 16). It is possible to obtain a masking effect that radiates sound only from.
[0022]
Japanese Patent Laid-Open No. 8-25497 discloses that there is a sound expansion effect when a diaphragm is connected to a sound expansion plate. It is also known that when this sound expansion plate is curved, the rigidity is enhanced, mass transfer is suppressed, and energy loss is reduced, so that the sound expansion effect is further increased. This is because, while reflecting the front and back surfaces of the sound expansion plate at a high sound speed, the propagation of vibration spreads over the entire surface and the air in contact with the surface of the sound expansion plate transmits sound waves as wave energy with high efficiency.
[0023]
However, this sound expansion effect is governed by the relative relationship between the sound generation energy and the sound expansion plate area, and the experimental results in which the area of the diaphragm forming the vibration valve is set as a substitute characteristic representing the sound generation energy are shown in FIG. Shown in (a). FIG. 15 (a) shows the sound expansion plate area (Fa) / diaphragm area (Va) on a horizontal axis on a logarithmic scale, and the vertical axis is a coordinate indicating the relative sound expansion effect by a microphone installed at a fixed distance. The number of vibration valves (R1 to R4) is drawn as a parameter. For convenience, only one of the first sound amplifying plates 14 was used as an object, and the material, the plate thickness, and the curvature of the curved shape were made the same for the experiment.
[0024]
In this experiment, the movement 60 of the cylinder type music box illustrated in FIG. 15B is used, and the maximum value (X) of the long side length and the maximum value (Y) of the short side length of the diaphragm 65 are set. The product is defined as the area (Va) of the diaphragm 65, which is used as a characteristic value representing the magnitude of the sounding energy, and the general tendency is grasped. On the other hand, the area of the sound expansion plate 14 is replaced with the characteristic value of the sound expansion energy by applying the geometrical real area in the plane figure. In the movement 60 of the cylinder type music box, the power of the drive unit 61 is controlled by the governor 62, and the cylinder 63 is rotated at a substantially constant speed.
[0025]
Pins 64 are implanted on the outer periphery of the cylinder 63 in an arrangement according to the music. As the cylinder 63 rotates, the pins 64 are integrally formed with the diaphragms 65 arranged in parallel to face each other and sequentially play the corresponding vibration valves 66. Vibrate. The diaphragm 65 is fixed to the frame 67 and reliably transmits the vibration to the frame 67. The frame 67 is fixed to the end portion of the sound expansion plate 14 in such a manner that the surface of the diaphragm 65 is parallel to the cut surface of the plate material. Reference numeral 68 designates a start / stop lever that presses the tip 70 against the side surface of the speed control gear 71 that is directly connected to the cylinder 63 by the elastic force of the tension spring 69 to apply a braking force due to friction.
[0026]
According to FIG. 15A, as the number (R1 to R4) of the vibration valves 66 increases, the curve shifts from R1 to R4 and naturally the volume increases. As can be seen from the drawing, the sound expansion effect is clearly increased when the area of the sound expansion plate 14 is increased. However, the sound expansion effect functions effectively regardless of the number of vibration valves (R1 to R4) and the area of the sound expansion plate / diaphragm area (Fa / Va) is between 2 and 200. It can be seen that the sound expansion effect is saturated when the ratio is 200 or more.
[0027]
As described above, the sound expansion action of the first and second sound expansion plates 14 and 16 is increased by curving. When this sound expansion effect was confirmed by experiments, the results shown in FIG. 17 were obtained. This confirmation experiment was performed with a simple apparatus shown in FIG. A mounting member 13 is fixed to the end A of the 900 mm × 640 mm sound expansion plate 14, and a music box movement 12 (not shown) is mounted and fixed to the mounting member 13. The sound expansion plate 14 was measured for changes in frequency characteristics and sound pressure levels while changing the bending dimension b in the curved state with reference to the flat free state indicated by the broken line in FIG. Note that the sound expansion plate 14 used in this experiment was a plywood obtained by bonding eight thin wooden plates.
[0028]
As a result, as shown in FIG. 17, in the vicinity of 150 to 220 Hz, when the bending dimension b is 30 mm or more, the frequency characteristic shows a characteristic having a peak centered around 150 Hz and a dip centered around 220 Hz. become. Such a peak or dip is not observed when the bending dimension b is smaller than 30 mm. Thus, when the bending dimension b is 30 mm or more, the frequency characteristic, that is, the volume balance is stabilized.
[0029]
Next, as a result of confirming the relationship between the bend dimension b and the average sound pressure level by experiment, as shown in FIG. 18, the bend dimension b has a large sound expansion effect up to 30 mm, and the bend dimension b is further increased. Even so, it was found that the sound expansion effect due to bending gradually saturates.
[0030]
5 to 7 are configuration diagrams of the first embodiment of the disk-type music box used in the sound apparatus according to the present invention, FIG. 5 is a plan view, and FIG. 6 is shown along line 6-6 in FIG. Sectional drawing and FIG. 7 are front views along line 7-7 in FIG. FIG. 5 shows a perspective view of a disk 21 in which a plurality of through holes 21a are arranged at equal intervals on the outer peripheral edge to clarify the configuration, and a protrusion (not shown) is cut in correspondence with a music piece. The claw wheel train 23 that flips the vibration valve 22 while avoiding the above, the presser shaft 24 (see FIG. 7) horizontally provided on the radial line of the disc 21 and the presser shaft 24 are arranged concentrically and in parallel at equal intervals. The presser roller 25 that is sandwiched between the claw wheel train 23 and secures the engagement between the projection and the claw wheel is not shown. In the following illustration, fluoroscopy and omission are appropriately performed.
[0031]
Since the movement mechanism of the disk-type music box is known, a detailed description thereof will be omitted. In summary, reference numeral 26 denotes a motor, which rotates a drive sprocket 27 via an appropriate speed reduction mechanism 26a. In FIG. 5, the motor 26 is arranged with the drive axis line aligned with the radial line of the disk 21. However, the disk 21 can be driven by an appropriate gear mechanism (such as a bevel gear or a worm gear) (not shown) or a transmission shaft joint mechanism. Is disposed in a direction orthogonal to the radial line of the disk 21 or disposed at a spaced position parallel to the radial line of the disk 21 by an appropriate rotation transmission mechanism (for example, a chain or a timing belt) (not shown), thereby reducing dead space and an acoustic device. Can be configured compactly.
[0032]
The disk 21 is a structure that is supported in a downwardly convexly curved manner by the cooperation of a roller 29 and a presser roller 25 that support and guide the opposing positions of the outer peripheral edge across the center of the diameter line perpendicular to the presser shaft 24. As a result, the rigidity against the curvature in the surface direction on the radial line is enhanced, and the engagement between the protrusion on the disk and the corresponding claw wheel is secured against the reaction from the vibration valve flipped through the claw wheel.
[0033]
For this reason, a plurality of tooth rows 28 protruding at equal intervals on the outer edge of the sprocket 27 mesh with the through-hole 21a on the outer peripheral edge of the disk 21 without causing any play, and the disk 21 is interlocked with the rotation of the drive sprocket 27. Then, it rotates at a constant speed around the vertical axis 30. The presser roller 25 suppresses the disc 21 from being displaced upward due to the reaction of the rotational force that rotates the claw wheel when the projection of the disc 21 is engaged with the corresponding claw of the claw wheel train 23, and is driven by the motor 26. The torque is reliably transmitted to the claw wheel by the rotational force, and the claw wheel rotates and flips the corresponding vibration valve 22 at the toe.
[0034]
As described above, in order to maintain the reliable engagement between the protrusion of the disk 21 and the ratchet wheel, the relative positional relationship in which the presser roller 25 abuts on the upper surface of the disk 21 is important. The position in the height direction of the fulcrum shaft 25b at the base end 42 that rotates the presser shafts 24 arranged in parallel at intervals to be attached to and detached from the surface of the disk 21 is adjustable. That is, as shown in FIG. 8, the fulcrum shaft 25b that supports the base end 42 of the presser shaft 24 includes a fixed shaft 25b2 having a diameter larger than that of the body portion 25b1 from both ends of the body portion 25b1 around which the presser shaft base end 42 rotates. A fixed shaft 25b3 having a diameter smaller than that of the body portion 25b1 extends at the same center C1, and the center C2 of the body portion 25b1 is eccentric with respect to the center C1 of the fixed shafts 25b2 and 25b3.
[0035]
Therefore, the rotation shaft center C2 is mounted eccentrically with respect to the center C1 of the fulcrum shaft 25b fitted in the shaft hole 43 penetrating the bracket 25c. The base end 42 with respect to the center C1 of the fulcrum shaft 25b is obtained by engaging the driver with the slot 44 of the head 25b4 of the fulcrum shaft 25b and rotating the fulcrum shaft 25b in the shaft holes 43a and 43b of the bracket 25c. Can be moved in the longitudinal direction (height direction in the figure) of the bracket 25c. The fulcrum shaft 25b is prevented from rotating by an appropriate means such as a pin or a set screw at a rotation position where the positional relationship between the presser roller 25 and the upper surface of the disk 21 is appropriately set.
[0036]
The frame 12a is mounted with such a mechanism, and the diaphragm 32 integrally formed with the vibration valve 22 is directly connected with a configuration capable of transmitting vibrations best to form the movement 12. The movement 12 is combined with the first and second sound expansion plates 14 and 16 to constitute an acoustic device.
[0037]
Hereinafter, an embodiment in which the movement and the sound expansion plate are combined will be described with reference to FIG. For convenience, FIG. 9 shows a cylinder-type music box as the movement 50, but a similar coupling mode can be applied to a movement of a disk-type music box. Moreover, 14x is used as a reference sign of a general sound expansion plate, and the same reference numerals are used for members common to other signs, and the description is omitted.
[0038]
A movement of a cylinder type music box 50 is a mechanism that rotates a cylinder 52 in which a pin 51 is implanted by a driving unit 53 and repels a vibration valve 55 formed integrally with the vibration plate 54, and is mounted on a frame 56. Is fixed to the frame 56 and efficiently transmits the vibration generated by the vibration valve 55 to the frame 56.
[0039]
FIG. 9A shows the basic attachment relationship between the movement 50 and the sound expansion plate 14x, and the contact including the end A on the curved surface of the sound expansion plate 14x with respect to the direction L of the surface of the diaphragm 54. FIG. This is an attachment mode in which the plane direction P is substantially a right angle. The movement 50 is fixed to an aluminum alloy U-shaped mounting member 13a in which a frame 56 is equipped with a sound expansion plate 14x together with a piece of wood 36a by an appropriate coupling means, and expands with respect to the vibration direction (arrow V) of the vibration valve 55. The surface of the sound plate 14x is almost parallel. An end C opposite to the end A is clamped and fixed to the inner surface of the aluminum alloy L-shaped mounting member 19a by a piece of wood 36b. Although not shown in the drawings, both end portions B and D of the sound expansion plate 14x are similarly fixed to the support member 18 as described above (see FIG. 7).
[0040]
FIG. 9B is an illustration of an embodiment coupled to the sound expansion plate 14x having a width wider than the frame 56 of the movement 50. The length of the aluminum alloy U-shaped mounting member 13a is set to the end of the sound expansion plate 14x. By matching the entire width, even when vibration is transmitted to the sound expansion plate 14x having a width equal to or larger than the frame 56 of the movement 50, vibration can be efficiently transmitted to the entire sound expansion plate 14x. The position of the diaphragm 54 in the direction L and the positioning of the sound expansion plate with respect to the curved surface at the end A are the same as in FIG. 9A, and the fixing to the end C is similarly performed by the mounting member 19a and the wooden piece 36b.
[0041]
FIG. 9 (c) shows an embodiment in which the movement 50 and the sound expansion plate 14x disposed at the separated positions are connected, and the connecting member 38a is interposed between the frame 56 and the aluminum alloy L-shaped mounting member 13b. By interposing, the vibration from the movement 50 can be transmitted efficiently. The end A of the sound expansion plate 14x is fixed by being sandwiched between the inner surface of the mounting member 13b and the piece of wood 36b. The material of the connecting member 38a is preferably a metal having a high vibration propagation speed, and is more effective when the connecting member 38a is integrated with the mounting member 13b.
[0042]
FIG. 9D shows a case where the axis of the connecting member 39a is not a straight line as shown in FIG. In this case, in order to efficiently transmit vibration from the movement 50 to the mounting member 13b, the axial direction S1 passing through the mounting surface of the connecting member 38a with respect to the frame 56 is maintained so that the relationship between the vibration plate 54 and the sound expansion plate 14x can be maintained. And the direction L1 of the surface of the diaphragm are attached at a right angle, and the attachment surface is provided at a right angle to the axial direction S2 passing through the attachment surface of the connecting member 38a with respect to the attachment member 13b, and includes the end A of the sound expansion plate 14x The axial direction S2 is aligned with the direction line P of the tangential plane of the curved surface.
[0043]
9C and 9D, the illustration of the end portion C is omitted, but it is fixed in the same manner as in the above embodiment, and the same applies to the side end portions B and D. By applying such a coupling means, the degree of freedom of design is widened, and a visually attractive music box structure can be realized. Since the curved shape of the sound expansion plate 14x cannot be specified, it is shown in a different shape for each example. Although not shown, the ends of the ribs 14a, 14b, 14c fixed to the sound expansion plate 14x are connected to any of the mounting members 13a, 13b, the wooden pieces 36a, 36b, or the connecting members 38a, 38b. Directly connected to the frame 56 of the movement 50.
[0044]
The configuration of the acoustic apparatus according to the present invention comprising the movement 12 and the first and second sound expansion plates 14 and 16 will be described below. 10A, 10B, 10C, and 10D, the first and second molds 33 and 34 for supporting the first and second sound expansion plates 14 and 16 with curved surfaces are shown. FIG. 10 (e) is a side view showing the form plate 33 in an exploded view from the support member 18 that supports the end portions B and D on both sides of the first and second sound expansion plates 14 and 16 together with the sound plates 14 and 16. , 34 are joined, and a support member 18 that supports the first and second sound expansion plates 14 and 16 is erected on the base 20.
[0045]
The mold 33 shown in FIG. 10A is substantially mirror-symmetric with respect to the rear side Rr formed linearly and the front side Fr formed along the curved surfaces of both side ends B and D of the second sound expansion plate 16. Two arranged left and right molds 33 are created. The curves formed on the front side Fr of the two left and right molds 33 and in close contact with the rear surfaces B, D of the second sound expansion plate 16 do not necessarily match the curves of the left and right molds 33. Good.
[0046]
The mold 34 shown in FIG. 10 (c) has a rear surface side Rf curve formed so as to be in close contact with the front surfaces of the ends B and D of the second sound expansion plate 16, and both side ends of the first sound expansion plate 14. Two left and right molds 34 are created in which the front side Ff curve formed so as to be in close contact with the rear surfaces of the parts B and D is arranged substantially mirror-symmetrically. In the left and right molds 34, the rear surface side Rf curve and the front surface side Ff curve are formed in alignment with the curved surfaces of the sound expansion plates 14 and 16, respectively, so the curves of the left and right mold frames 34 do not necessarily match. Further, when the lengths of the end portions B and D on both sides of the first sound expansion plate 14 are different, the left and right lengths of the mold 34 may be different.
[0047]
The sound device according to the present invention is configured to bend the first and second sound expansion plates 14 and 16 with a sound expansion mechanism that inputs vibration input from the unfixed ends A of the first and second sound expansion plates 14 and 16. It is a main problem in the configuration of Since the increase in internal stress caused by bending the first and second sound expansion plates 14 and 16 results in physical amplification of vibration, the sound expansion function is exhibited to the maximum. Curvature refers to the material direction specific to the material in which the generatrix defining the curved surface constitutes the first and second sound expansion plates 14 and 16 (specific direction formed naturally, fiber direction generated in the material formation process, machine direction) It is important for the sound expansion function to form a curved surface that is perpendicular to the stretching direction, the orientation of the reinforcing fibers, etc.) and has at least one inflection point in the curve indicated by the cross section in the material direction. Also, if you have more than one sound expansion plate, you can secure deeper sound quality by changing the plate thickness, curvature of curvature (bending amount), and number of curved portions with each of the sound expansion plates 14 and 16 can do.
[0048]
Incidentally, the rear sound expansion plate 16 shown in FIG. 10 (b) has a total of three convex surfaces V1, V2, V3 on the front surface and two on the rear surface, and has two inflection points T1, T2. On the other hand, the front sound amplifying plate 14 shown in FIG. 10 (d) has one convex surface on the front surface. This is also because the radiation area of the sound expansion plates 14 and 16 is increased from the monotonous plane by making the sound expansion plates 14 and 16 curved in the frame of the fixed fixed projection surface. Furthermore, it contributes to sound expansion.
[0049]
One portion of the end portions of the first and second sound expansion plates 14 and 16 is set as a vibration input edge A, and the other edges B and D are fixed to the support member 18 for the other peripheral edges B, C and D. The molds 33 and 34 are fixed together. The second sound expansion plate 16 is fixed to the base 20 by extending the lower end C shown in the figure, which is opposite to one end A to which vibration is input, to the base 20. On the other hand, the first sound expansion plate 14 is fixed to the support member 19 straddling between the left and right support members 18 because the end C corresponding to the end A at one place where vibration is input does not extend to the base 20. Is done. For the support member 19 of the first sound expansion plate 14, an aluminum alloy mold material 13 having an L-shape and good vibration propagation efficiency is used, like the mounting member 13.
[0050]
As shown in an enlarged view in FIG. 11, the vibration propagation efficiency is good between the left and right support members 18 along the end A of both the first and second sound expansion plates 14, 16, that is, the end of vibration input. The aluminum alloy L-shaped attachment member 13 and the wood piece 36 are fitted and fixed. Then, the frame 12a of the movement 12 is fixed to the left and right wooden pieces 36 with appropriate means such as bolts through the spacer 37.
[0051]
The contact area of each spacer 37 to the mounting member 13 can be made smaller than the area of the frame 12a, and the sound (vibration) generated by the music box as a sounding body can be transmitted efficiently. Further, by using the spacer 37, it is not necessary to increase the accuracy of the flatness of the frame 12a.
[0052]
Further, the height of each spacer 37 is such that the vibration plate 32 integrally formed with the vibration valve 22 is directly connected in a configuration in which the vibration can be transmitted best, and the plane including the vibration valve 22 has the first and second planes. It is set to be perpendicular to the tangent plane P of the curved surface including the end A for inputting the vibrations of the sound expansion plates 14 and 16. That is, the vibration direction of the vibration valve 22 and the first and second sound expansion plates 14 and 16 are supported by the spacer 37 and the aluminum alloy L-shaped attachment member 13 so as to be substantially parallel.
[0053]
With the above configuration, the vibration generated by the vibration valve 22 is input from both ends A of the first and second sound expansion plates 14 and 16 and propagated into the first and second sound expansion plates 14 and 16. As physically amplified vibrations, vibration waves propagated in the first and second sound expansion plates 14 and 16 are radiated from the plate surface to achieve a sound expansion function.
[0054]
12 is a front view showing a second embodiment of the music box 11 applied to the acoustic device according to the present invention, and FIG. 13 is a side sectional view taken along line 13-13 of FIG. The same members as those in the first embodiment are denoted by the same reference numerals and the description thereof is omitted. The structure with respect to the 1st, 2nd sound expansion boards 14 and 16 is the same as that of a 1st Example. In the first embodiment, the disc 21 is installed horizontally, whereas in the music box 11 of the second embodiment, the disc 12 is erected at an angle close to vertical, and the movement 12 itself is the first. Since it is the same as the embodiment, the description is omitted.
[0055]
For this reason, as shown in the sectional view enlarged in FIG. 14 along the line 14-14 in FIG. 12, a diaphragm (not shown) is installed in parallel so that the vibration generated by the vibration valve 22 can be transmitted best. The frame 12a and the piece of wood 36 connected to the first and second sound expansion plates 14 and 16 are connected by connecting members 38 and 39. The connection surfaces 40a and 41a of the connection portions 40 and 41 of the connection members 38 and 39 are perpendicular to the tangent plane P of the curved surface including the end A on the vibration input side of the first and second sound expansion plates 14 and 16. Is set to be Accordingly, as in the first embodiment, the vibration generated by the vibration valve 22 is input from both ends A of the first and second sound expansion plates 14 and 16, and the first and second sound expansion plates 14 and 16. As vibrations propagated inside and physically amplified, vibration waves propagated in the first and second sound expansion plates 14 and 16 are radiated from the plate surfaces of both sound expansion plates to achieve a sound expansion function. . In the figure, H is a housing that houses the movement 12, and includes a lid F and a grill G that can be opened and closed for disk replacement and maintenance.
[0056]
As described above, in the acoustic device according to the present invention, the embodiment using the casing provided with the thin plate sound expansion plate installed in the curved state has been described. In addition to the housing provided with the sound expansion plate, there is a box-shaped housing that expands the sound by utilizing the resonance of the housing and the air vibration of the housing space. Is different.
[0057]
FIG. 19 shows the results of measuring the frequency characteristics of a housing provided with a sound expansion plate and a box-shaped housing. As can be seen from this characteristic diagram, the frequency characteristic in the box-shaped housing indicated by a broken line shows a frequency characteristic having a peak in the vicinity of 200 Hz, and the frequency characteristic in the case provided with the sound expansion plate indicated by a solid line has a peak. It is not seen and shows a flat frequency characteristic up to a high frequency range. The difference in frequency characteristics is that the structure of the housing provided with the sound expansion plate does not act as a resonator. Therefore, the sound expansion effect by the sound expansion plate 14 or the like is different from that of the housing provided with the sound expansion plate. Turned out to be more stable over a wider band.
[0058]
Next, when the difference in directivity in the frequency characteristics between the housing provided with the sound expansion plate and the box-shaped housing was confirmed, results as shown in FIGS. 20 and 21 were confirmed. In this confirmation, measurement microphones are installed at a distance of 1 m from each other on the front, right side, and back side and measured. According to this measurement, as shown in FIG. 20, the sound pressure level in the vicinity of the bass of the box-shaped housing is equivalent to the front indicated by the solid line and the rear indicated by the small broken line, but the right side indicated by the large broken line. Then, it is reduced by 10 to 20 db. In the high sound range, the sound pressure levels on the back surface and the right side surface are lower than those on the front side, and particularly on the right side surface, the sound pressure level in the medium and high sound range of 400 Hz or higher is lower than the front side by 10 db or more.
[0059]
On the other hand, as shown in FIG. 21, the housing provided with the sound expansion plate has low sound pressure level lowering in the low sound range and high sound range on the back side indicated by the small broken line and the right side indicated by the large broken line, The overall decrease in sound pressure level on the right side is smaller than that of a box-shaped housing.
[0060]
As is clear from the above, the change in frequency characteristics when using a housing with a sound expansion plate is relatively small, and the fluctuation in volume balance (frequency characteristics) depending on the listening position is smaller than in a box-shaped housing. It has been found. As a result, when the music box is actually played, the music box sound can be heard with a good volume balance regardless of the listening position.
[0061]
Although the embodiments have been described above, the present invention is not limited to the illustrated embodiments, and various modifications and re-parts of parts can be made with respect to the shapes and configurations without departing from the structural requirements of the present invention. It is anticipated that modifications may be made such as swapping configurations and combinations in the examples. For example, although the present embodiment has been described based on the movement of a disc-type music box, the same functions and effects can be exhibited even if a cylinder-type music box is used. In addition, the sound expansion board is made of cardboard (paperboard), non-woven fabric, glass fiber reinforced synthetic resin plate (FRP), hard synthetic resin molded plate, metal plate, or a composite material of these materials instead of wood. Can be applied.
[0062]
In the acoustic device shown in the embodiment, the first and second sound expansion plates are used. However, the number of sound expansion plates is not limited to two, and may be one or three or more. Also good. Moreover, in said Example, although a 1st, 2nd sound expansion board is arrange | positioned at intervals, the space | interval is limited unless a 1st, 2nd sound expansion board contacts. It is not a thing. Furthermore, the shape of the sound expansion plate may be a shape other than a rectangle, and the curved shape of the sound expansion plate is not limited to the embodiment.
[0063]
【The invention's effect】
As is apparent from the above description, according to the acoustic device according to the present invention, the acoustic device for transmitting the vibration generated by the sounding body to the sound expansion plate and expanding the audible vibration sound is provided. The sound expansion plate leaves one end portion and the other end portions are fixed by a support member to prevent displacement of the sound expansion plate, and the sound expansion plate is formed into a curved surface to the support member. The sounding body is fixed to the one end portion left on the sound expansion plate with an attachment member, and the vibration is input to the sound expansion plate from the end of the one end portion and the vicinity thereof, The sound expansion plate is made of a material having anisotropy in rigidity and is curved, and the curved direction is aligned with the direction of large rigidity, and one side has a curved surface with one or more convex surfaces. And can be transmitted in a specific direction. Loss of acoustic energy can be suppressed from the other end portions fixed by the support member except the end portion on the sound generator input side of the sound expansion plate.
[0064]
Second, the support member provided at the end of the sound expansion plate in the direction of vibration input from the music box suppresses transmitted waves and promotes reflection inside the sound expansion plate, improving the sound expansion effect of the sound expansion plate can do. In addition, the standing wave generated in the sound expansion plate enables sound expansion at a large volume, and the decorative function as an interior is added as an added value by expanding the area of the sound expansion plate and increasing the size of the device. can do.
[0065]
In the acoustic device according to the present invention, at least one of the opposed long side and short side of the sound expansion plate is made non-parallel to each other. Generation of a standing wave is suppressed, and only a sound having a specific frequency component is not enlarged, and it is possible to prevent a biased acoustic characteristic.
[0066]
According to a fifth aspect of the present invention, the sound expansion plate has at least one joint point or continuous with at least one support member of the support member. Therefore, the sealing performance is improved and the loss of acoustic energy can be reduced.
[0067]
Moreover, according to the sixth aspect of the present invention, the acoustic device according to claim 6 is inclined along the diagonal line of the lattice ribs or the sound expansion plate orthogonal to the sound expansion plate along the directionality unique to the plate material. Since the ribs are fixed, the stability of the curved surface shape is improved, and the input vibration can be efficiently propagated to the entire curved sound expansion plate. Further, since the rigidity of the sound expansion plate is increased by the rib, the vibration of the sound expansion plate itself can be suppressed and the vibration from the inside of the sound expansion plate can be radiated more efficiently.
[0068]
Note that the ribs on the surface of the sound expansion plate can be more effectively improved in rigidity by being installed in a lattice shape. Further, by installing the rib on the surface of the curved sound expansion plate on the diagonal of the sound expansion plate, vibration can be transmitted efficiently and uniformly to the entire sound expansion plate. Furthermore, by masking the sound expansion plate with ribs, it is possible to radiate sound from any place on the sound expansion plate. Furthermore, the same effect can be exhibited even if the supporting member is omitted by appropriately configuring the ribs.
[0069]
Moreover, according to the seventh to ninth aspects of the acoustic device according to the present invention, two or more sound expansion plates are provided, and each of the sound expansion plates includes a material, a plate thickness, an area, the number of convex surfaces, and Since at least one of the curvatures of the curved surface is different, and the material of the sound expansion plate depends on any one of cardboard, non-woven fabric, wood, synthetic resin plate, FRP, metal plate and a composite material of these, Different sound quality and volume are generated from each sound expansion board, and a deeper tone can be secured. In addition, it is possible to cope with a wide range of sound expansion from low to high sounds, and it is possible to select the material of the sound expansion plate in accordance with the preference and environment of the sound quality hardness and softness.
[0070]
Furthermore, in the acoustic device according to the present invention, the sounding body is a music box movement according to the description of claim 10, and the frame of this movement is mounted on the sound expansion plate via the mounting member. A retro sensation is promoted and a visual healing effect can be expected.
[0071]
According to the eleventh aspect of the present invention, there is provided an acoustic device according to the eleventh aspect in which a rib fixed to the sound expansion plate is brought into direct contact with a movement mounted on the sound expansion plate or indirectly through a connecting member. Since the contact has been made, the range of design for the appearance of the music box device can be expanded without impairing the strength and sound expansion function of the sound expansion plate. The structure can be realized.
[0072]
According to claims 12 and 13, the acoustic device according to the present invention supports the sound expansion plate so as to be substantially parallel to the vibration direction of the vibration valve. Since it is formed in a curved surface that is curved in a direction perpendicular to the vibration direction of the music valve of the music box, the input vibration from the movement is efficiently transmitted to the entire sound expansion plate, and the sound expansion plate is a vibration valve of the music box Therefore, the energy loss due to the vibration of the sound expansion plate itself is suppressed, and the internal vibration of the sound expansion plate can be radiated more efficiently.
[0073]
Furthermore, in the acoustic device according to the present invention, the area of the sound expansion plate is 2 to 200 times the area of the diaphragm integrally formed with the vibration valve of the music box. The optimum size of the device can be set, and high-quality audible sound can be obtained at a high volume with little loss of vibration energy.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic perspective view showing an external appearance of a first embodiment of an acoustic device according to the present invention.
FIG. 2 is a schematic diagram for explaining the configuration of the acoustic device according to the present invention and the vibration state inside the sound expansion plate.
FIG. 3 is a schematic diagram for explaining an embodiment relating to the outer shape of a sound expansion plate in an acoustic device according to the present invention.
FIG. 4 is a schematic view showing an embodiment relating to a rib of a sound expansion plate in an acoustic device according to the present invention.
FIG. 5 is a plan view of a first embodiment of the acoustic device according to the present invention.
6 is a cross-sectional view taken along line 6-6 of FIG.
7 is a front view taken along line 7-7 in FIG.
8 is an enlarged partial cross-sectional view of a portion surrounded by a circle E in FIG.
FIG. 9 is an explanatory diagram of an embodiment relating to the combination of a movement and a sound expansion plate in an acoustic device according to the present invention.
FIGS. 10A and 10B are side views showing the configuration of the sound expansion plate mechanism in the acoustic apparatus according to the present invention, wherein FIGS. 10A to 10D are exploded views and FIG.
FIGS. 11A and 11B are an exploded view and an side view of an assembly view in which a music box movement mounting portion in an acoustic device according to the present invention is enlarged.
FIG. 12 is a front view of a second embodiment of the acoustic device according to the invention.
13 is a side sectional view taken along line 13-13 of FIG.
14 is an enlarged cross-sectional view taken along line 14-14 of FIG.
FIG. 15 is an experimental example of a relative sound expansion effect regarding the area ratio of the diaphragm and the sound expansion plate in the acoustic device according to the present invention, where (a) is a chart with the number of vibration valves of the movement as parameters; It is a top view which shows an example of the cylinder type music box used for experiment.
FIG. 16 is a schematic diagram showing an experimental apparatus for confirming the relationship between the bending dimension of the sound expansion plate and the frequency characteristics in the acoustic apparatus according to the present invention.
FIG. 17 is a characteristic diagram showing the relationship between the bending dimension of the sound expansion plate and the frequency characteristics in the acoustic device according to the present invention.
FIG. 18 is a characteristic diagram showing the relationship between the bending dimension of the sound expansion plate and the sound pressure level in the acoustic device according to the present invention.
FIG. 19 is a characteristic diagram showing frequency characteristics of a housing having a box-shaped housing and a sound expansion plate in the acoustic device according to the present invention.
FIG. 20 is a characteristic diagram showing frequency characteristics depending on a listening position when a box-shaped housing is provided in the acoustic device according to the present invention.
FIG. 21 is a characteristic diagram showing frequency characteristics depending on a listening position when a housing having a sound expansion plate is provided in an acoustic device according to the present invention.
[Explanation of symbols]
10 Audio equipment
12 Music box movement
13 Mounting member
14 First sound expansion board
16 Second sound expansion board
18 Support members
19 Support member
20 base
21 discs
22 Vibration valve
23 claw train
24 Presser shaft
25 Presser roller
26 Motor
27 Sprocket
29 Guide roller
30 Vertical axis
32 Diaphragm
33, 34 formwork