JP2005324541A - 光輝性フィルム又は反射光輝性フィルム、並びに金銀糸及び真贋識別票 - Google Patents

光輝性フィルム又は反射光輝性フィルム、並びに金銀糸及び真贋識別票 Download PDF

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Abstract

【課題】
従来の金属蒸着フィルムに比べ、より選択的に光を反射させることにより、多様で明確であり、かつメタリック感にあふれる、意匠性や審美性に富んだ、美麗な金属光沢を容易に得られることを可能とする光輝性フィルム及び反射光輝性フィルムと、これらのフィルムをマイクロスリットすることにより得られる金銀糸を提供することである。
【解決手段】
第1高分子化合物と、該第1高分子化合物とは異なる屈折率を有する第2高分子化合物と、を交互に、即ち第1高分子化合物による層をA層、第2高分子化合物による層をB層、とすると、多層フィルムの構成は、A/B/A/B・・・というような構成を有してなる多層フィルムの表面に、金属蒸着層を設けた構成を有する、光輝性フィルムとした。
【選択図】 なし

Description

本発明は光輝性フィルム又は反射光輝性フィルム、並びに金銀糸に関するものであって、具体的には、自然光の反射や干渉によって発色する構造を有するフィルムと、このフィルムを原材料として用いる金銀糸に関する。
従来よりプラスチックフィルムに金属を蒸着してなる金属蒸着フィルムは衣料や建材等、幅広い分野で装飾材料として用いられてきた。
例えば衣料分野においては、西陣織や丹後縮緬などの和服の原材料、セーターやパーティードレス、パンティストッキング、靴下、等の洋服の原材料、等に広く利用されている。また、パーティー会場の装飾、贈答品等の包装材料、その他の装飾材料として、金属蒸着フィルムは広範囲において盛んに利用されている。
しかしこのように用いられている金属蒸着フィルムは基本的には単一の発色しか有さず、また場合によっては金属蒸着フィルムの製造工程において、コーティングを施すことにより複数の着色をなすことがあるが、いずれにせよ意匠の点において多様性を求められるようになってきた現在においては、これらの従来品ではその強い要望に十分に応えることが難しくなってきている。
そこで、多用な発色を可能とするために様々な提案がなされるようになってきた。例えば特許文献1では、特性のことなる2種類の層を交互に、総数11数以上になるように積層することにより、層間の構造的な干渉によって光を選択反射させることを特徴とする構成を有するフィルムに関する発明が開示されている。また特許文献2では、光学屈折率のことなる2種類以上の構成物質を積層した構造を有することで自然光の反射、干渉作用によって可視光を発色することを特徴とする構造体に関する発明が開示されている。
特開2000−141567号公報 特許第3036304号公報
しかし、この特許文献1に記載されたフィルムであれば、選択的に光を反射させることが可能となるが、得られる発色は透明感のあるものであるので、従来の金属蒸着フィルムにより得られる、明確な、メタリック感にあふれる、意匠性や審美性に富んだ、美麗な金属光沢を得ることは出来なかった。また特許文献2に記載された構造体であっても上記同様、得られる光沢感は透明感にあふれるものであって、従来金属蒸着フィルムにより得られていた、明確な、メタリック感にあふれる、意匠性や審美性に富んだ、美麗な金属光沢を得ることは出来なかった。
本発明はこのような問題点に鑑みて為されたものであり、その目的は、従来の金属蒸着フィルムに比べ、より選択的に光を反射させることにより、多様で明確であり、かつメタリック感にあふれる、意匠性や審美性に富んだ、美麗な金属光沢を容易に得られることを可能とする光輝性フィルム及び反射光輝性フィルムと、これらのフィルムをマイクロスリットすることにより得られる金銀糸、さらにこれらのフィルムを非常に精密に裁断することにより得られる微細粉末とこれを用いた顔料と、を提供することである。
上記課題を解決するため、本願発明の請求項1に記載の発明は、第1高分子化合物と、該第1高分子化合物とは異なる屈折率を有する第2高分子化合物と、を交互に複数積層してなる多層フィルムの表面に、金属蒸着層を設けてなること、を特徴とする。
本願発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光輝性フィルムにおいて、前記金属蒸着層が、アルミニウム、銀、金、白金、銅、インジウム、スズ、クロム、ニッケル、ステンレス、チタンのいずれか1つ若しくは複数よりなること、を特徴とする。
本願発明の請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の光輝性フィルムにおいて、得られた前記光輝性フィルムの、可視光線の全光線透過率が5%以上80%未満であること、を特徴とする。
本願発明の請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の光輝性フィルムにおいて、前記第1高分子化合物が、ポリエステル系、ポリアミド系、の何れかであって、前記第2高分子化合物が、ポリエステル系、ポリアミド系、の何れかであること、を特徴とする。
本願発明の請求項5に記載の発明は、請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の光輝性フィルムにおいて、前記金属蒸着層のさらに表面に、保護コート層を積層してなること、を特徴とする。
本願発明の請求項6に記載の発明は、請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の光輝性フィルムを2枚貼着した反射光輝性フィルムであって、前記光輝性フィルムを構成する多層フィルム同士がいずれも外側になること、を特徴とする。
本願発明の請求項7に記載の発明は、請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の光輝性フィルムにおける前記光輝性フィルムの多層フィルム側とは反対側の表面に、別の前記多層フィルムを貼着してなること、を特徴とする。
本願発明の請求項8に記載の発明は、プラスチックフィルムの片面若しくは両面に、請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の光輝性フィルムの多層フィルム側とは反対側の面を接するように前記光輝性フィルムを貼着してなること、を特徴とする。
本願発明の請求項9に記載の発明は、プラスチックフィルムの片面若しくは両面に金属蒸着層を設けてなる金属蒸着フィルムの片面若しくは両面に、請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の光輝性フィルムの多層フィルム側とは反対側の面を接するように前記光輝性フィルムを貼着してなること、を特徴とする。
本願発明の請求項10に記載の発明は、請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の光輝性フィルムをマイクロスリットすることにより得られる金銀糸であること、を特徴とする。
本願発明の請求項11に記載の発明は、請求項6ないし請求項9の何れか1項に記載の反射光輝性フィルムをマイクロスリットすることにより得られる金銀糸であること、を特徴とする。
本願発明の請求項12に記載の発明は、請求項10又は請求項11に記載の金銀糸を織り込んでなることを特徴とする。
本願発明の請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の真贋識別票において、前記金銀糸にエンボス加工を施してなること、を特徴とする。
以上のように、本願発明に係る光輝性フィルムでは、屈折率の異なる2種類の高分子樹脂を原材料とした複数層を積層してなるフィルムに金属蒸着層を積層したものであるので、構造的な光の干渉により、換言すれば染色によることのない多様な発色を可能とし、また明確で、メタリック感にあふれる、意匠性、審美性の高いフィルムを得ることが可能となる。さらにこの光輝性フィルムを複数貼着したり、別のプラスチックフィルムに貼着することで、より複雑な発色を実現する反射光輝性フィルムを得ることが可能となる。そしてこれらのフィルムをマイクロスリットすることにより、複雑な発色を呈する金銀糸を得ることが可能となる。またさらに、これらのフィルムを非常に細密に裁断することにより得られる、いわゆるグリッターとも呼ばれる微細粉末とすることも可能であり、そしてこのようにして得られた微細粉末を用いた顔料とすると、従来品に比べて特徴のある発色を呈する顔料とすることも可能となるのである。
以下、本願発明の実施の形態について説明する。尚、ここで示す実施の形態はあくまでも一例であって、必ずもこの実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
本願発明に係る光輝性フィルムについて第1の実施の形態として説明する。
本実施の形態に係る光輝性フィルムは、第1高分子化合物と、該第1高分子化合物とは異なる屈折率を有する第2高分子化合物と、を交互に複数積層してなる多層フィルムの表面に、金属蒸着層を設けた構成を有する。ここで、第1高分子化合物による層をA層、第2高分子化合物による層をB層、とすると、多層フィルムの構成は、A/B/A/B・・・というものになる。
次にこれらA層とB層とについて説明する。
これらの層はいずれもポリエステル系、ポリアミド系、の何れかにより形成されるものであればよい。これらの樹脂であれば広く流通しており入手も容易であり、また積層体とするのに好適だからである。またA層とB層とは相異なる系統の樹脂であってもよく、また同一系統の樹脂であっても、屈折率が相異なる樹脂の組み合わせであればよい。
またA層とB層との積層回数については特に限定するものではないが、強い選択反射性を得るためには、少なくともA層の数とB層の数の総和が11以上であることが望ましい。また、A層の数とB層の数との総和が偶数であると、フィルムの表面と裏面のとの機械的および熱的物性に差が出るため、加工性に問題が生じるばかりでなく、選択反射性にも差が現れるので、これらの総和は奇数となることが望ましい。
このようにして得られる多層フィルムの膜厚については、後述のようにこの多層フィルムに金属蒸着層を積層する蒸着加工時における熱処理を考慮すると6μm以上であることが望ましく、また最終製品となった時の柔軟性を考慮すると50μm以下であることが望ましい。
このようにして得られる多層フィルムの表面に金属蒸着層を積層する。
本実施の形態における金属蒸着層の原料となる物質は、製造コストが高騰しない、入手しやすい、等の点から、一般的に真空蒸着で利用されているものであればよく、例えばアルミニウム、銀、金、白金、銅、インジウム、スズ、クロム、ニッケル、ステンレス、チタンの何れか1つ若しくは複数であればよい。またこの金属蒸着層を設ける手段としては、抵抗加熱方式、高周波加熱方式、イオンビーム方式、スパッタリング方式など、一般的に用いられている手法を用いればよい。
さらに、金属蒸着層と多層フィルムとの密着力を向上させるために、金属蒸着層を積層する前に、スパッタリング方式によりクロムやチタンを多層フィルムの表面に積層し、その後上記金属蒸着層を積層する、という方法を用いることも出来る。
又は、多層フィルムの表面に予めアンカーコーティングを施すことにより、多層フィルムと金属蒸着層との密着力を向上させる、という方法を用いることも可能である。この際アンカーコーティングに用いられる樹脂塗料は、本実施の形態では特に限定されるものではなく、例えばアクルル・メラミン系樹脂や、変性アクリル系樹脂等のような、一般的にプラスチックフィルムに用いられるコーティング材をそのまま用いることが出来る。
このように多層フィルムに金属蒸着層を積層して得られた光輝性フィルムの可視光線の全光線透過率が5%以上80%未満であること、が望ましい。これは、5%を下回ると、光輝性フィルムの金属蒸着層を設けていない側から光線が入射すると金属蒸着層により乱反射が生じてしまい、意匠性、審美性のある美麗な輝きを得ることが出来ず、また80%を超えてしまうと、今度は得られる反射光にメタリック感がなくなってしまうからである。
尚、このようにして得られた光輝性フィルムのさらに表面、即ち金属蒸着層のさらに表面に、保護コート層を積層することが考えられる。この保護コート層に使用されるコーティング材は、本実施の形態では特に限定はしないが、一般的にアクリル系樹脂、変性エポキシ樹脂、変性エポキシ・アミノ樹脂、等のような、プラスチックフィルムのコーティングで使用される樹脂塗料を使用することが考えられる。
以上、本実施の形態に係る光輝性フィルムであれば、屈折率の異なる2種類の高分子樹脂を多数積層し、その表面に金属蒸着層を設けてなるので、塗布などによることなく入射光により多彩な色彩感覚を呈し、かつメタリック感も備えた、意匠性、審美性に富むフィルムを得ることが出来る。
(実施の形態2)
次に、実施の形態1において説明した光輝性フィルムを用いた反射光輝性フィルムについて説明する。
上述の通り、光輝性フィルムの構成は単純に説明すると、A層/B層/A層/B層/…/金属蒸着層(=多層フィルム/金属蒸着層)、というものになっている。
そして本実施の形態に係る反射光輝性フィルムは、この光輝性フィルムを2枚貼着してなるものであるが、その際には接着層を介して貼着することが望ましい。これは、2枚の光輝性フィルムを直接何らかの手法により貼着するよりも、何らかの接着層を介することにより2枚の光輝性フィルムを貼着する方が容易に出来るからである。
2枚の貼着の仕方は次のような組み合わせが考えられる。
1 多層フィルム/金属蒸着層/接着層/金属蒸着層/多層フィルム
2 多層フィルム/金属蒸着層/接着層/多層フィルム
尚、2枚の光輝性フィルムのうち、少なくとも1枚の光輝性フィルムの最表面に保護層が存在する場合は、
1’ 多層フィルム/金属蒸着層/保護層/接着層(/保護層)/金属蒸着層/多層フィルム
2’ 多層フィルム/金属蒸着層/保護層/接着層/多層フィルム
である。
そしてこれらを貼着する接着層としては、例えばポリウレタン系接着剤等のように、一般的にドライラミネートで使用されている接着剤を用いることが考えられる。
このように2枚の光輝性フィルムを貼着することにより得られる本実施の形態に係る反射光輝性フィルムであれば、光輝性フィルム単体の場合に比べ、さらに複雑で深みのある、意匠性、審美性に富んだフィルムを得ることが出来る。
(実施の形態3)
実施の形態1で説明した光輝性フィルムを2枚貼着してなるものとして、実施の形態2において反射光輝性フィルムを説明したが、これ以外にも、通常のプラスチックフィルム、又はその片面若しくは両面に金属蒸着層を設けた金属蒸着フィルムを用意し、これと第1の実施の形態で説明した光輝性フィルムとをフィルムの片面若しくは両面に貼着してなる反射光輝性フィルムとすることも可能である。以下、これを第3の実施の形態として説明する。
この第3の実施の形態に係る反射光輝性フィルムの構成は、単純に記載すると以下の通りとなる。即ち、
多層フィルム/金属蒸着層/接着層/プラスチックフィルム
多層フィルム/金属蒸着層/接着層/プラスチックフィルム/接着層(/金属蒸着層)/多層フィルム
多層フィルム/金属蒸着層/接着層/金属蒸着フィルム
多層フィルム/金属蒸着層/接着層/金属蒸着フィルム/接着層(/金属蒸着層)/多層フィルム
である。
保護層については設けてある場合は金属蒸着層の表面(多層フィルムと接している面と反対側の面)に位置する、ということになる。また金属蒸着フィルムは、その片面若しくは両面に金属蒸着層を設けてなるものであってよい。
本実施の形態におけるプラスチックフィルムについてさらに説明すると、基材となるプラスチックフィルムは、ポリエステル系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリオレフィン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアミドイミドフィルム、セルロースアセテートフィルム、等、一般的に広く利用されているプラスチックフィルムであればよく、またその種類、膜厚等については本実施の形態では特に限定しないが、市場に要求される物性にあわせて選択すればよく、例えば厚みが6μm〜50μmであると、得られた製品の醸し出す風味等が好適なものとなるのでよい。
そしてこのフィルムに金属を蒸着して金属蒸着フィルムとするのであるが、これに用いる金属としては、一般的に真空蒸着で使用される金属や合金であればよく、例えばアルミニウム、銀、金、白金、銅、インジウム、スズ、クロム、ニッケル、ステンレス、チタン、等であればよい。この金属蒸着層の膜厚についても本実施の形態では特に限定するものではないが、市場に要求される物性にあわせて選択すればよく、例えば厚みが30Å〜1000Åであると、得られた製品の醸し出す風味等が好適なものとなるのでよい。
このようにプラスチックフィルム又はこれに金属を蒸着した金属蒸着フィルムをベースに、その表面に光輝性フィルムを貼着することにより、第2の実施の形態で説明した反射光輝性フィルムとは異なる印象を与える、意匠性、審美性に富んだフィルムとすることが出来る。
なお、実施の形態1ないし実施の形態3以外の態様として、さらにここではこれ以上説明はしないが、光輝性フィルムの金属蒸着層側に多層フィルムを積層した形態とすることも考えられる。即ち、
多層フィルム/金属蒸着層(/保護層)/接着層/多層フィルム
という構成とすることである。
(実施の形態4)
実施の形態1〜実施の形態3では、本願発明に係る様々な形態のフィルムにつき説明をしたが、これらにおいて得られた各種のフィルムをマイクロスリットすることにより金銀糸を得ることが出来る。この際には、特殊な装置は必要ではなく、従来より用いられているマイクロスリット機によりマイクロスリットすることが出来る。即ち、特段の装置等を要することなく、意匠性、審美性に富んだ、複雑な色彩を呈する金銀糸を得ることができるのである。
さらに、先に説明した種々のフィルムを非常に細密に裁断することで、いわゆるグリッターとも呼ばれる、微細粉末を得ることも可能である。この得られた微細粉末であっても、基本的には断面積層構成が変わることはないので、やはりこの微細粉末であると、意匠性、審美性に富んだ、複雑な色彩を呈する微細粉末とすることが出来るのである。そしてこのようにして得られる微細粉末を顔料に用いれば、顔料そのものが従来品では決して得ることの出来なかった、意匠性、審美性に富んだ、複雑な色彩を呈する顔料とすることが出来るようになるのである。尚、ここで述べた微細粉末の大きさは、0.1 mm〜3.0mmであることを念頭に置いているのであるが、必ずしもこの大きさに限定されるものではないことをここで断っておく。
ここでは金銀糸、微細粉末、及び該微細粉末を用いた顔料につき簡単に述べたが、前述したフィルムを様々な形態に加工することで、ここでは説明しなかった様々なものに用いることが考えられる。例えばフィルムを打ち抜き加工することによってスパンコールとして利用することも考えられる。その他にも、本願発明の特徴を活かして意匠性に富んだ携帯電話等のストラップとすることも考えられるし、またいわゆるブランド品の真贋識別票としての偽造防止タグとすることも考えられる。この真贋識別票としての偽造防止タグに用いる方法としては、本願発明に係る金銀糸を商品タグに織り込むことにより真贋判定を行う、というものであり、さらには本願発明に係る金銀糸を予めエンボス加工処理を施しておくことにより、よりいっそう明確に真贋判定を行えるようにする、という利用方法も考えられる。
以上、要すれば、第1の実施の形態〜第3の実施の形態において説明したフィルムを様々な態様に加工しても、その積層構成は何ら変わることもないので、得られる物は、意匠性、審美性に富んだ、複雑な色彩を呈する物とすることが出来、またそれ故に不正な複製を防止することも可能なのであり、これらの性質を利用した種々様々な物品に追うよう展開することが出来るようになるのである。
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレートと、イソフタル酸を12mol%共重合したポリエチレンテレフタレートとを、前者が最外層となるように交互に積層し、積層数が201層、厚さ16.5μmの多層フィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製 製品名MLF)の片面に、アルミニウムを膜厚が60Åとなるように真空蒸着した。
得られたフィルムの全光線透過率は40.7%であった。
そして得られたフィルムは、美麗な選択反射性金属光沢を有していた。
尚、アルミニウムの膜厚は120Åとした場合の、全光線透過率は20.4%であった。また美麗な選択反射性金属光沢を得られる、という点において何ら代わりはなかった。
(実施例2)
実施例1で得られたフィルム2枚を、アルミニウム蒸着面を内側にして、接着剤により貼着して新たなフィルムを得た。
この際に用いた接着剤は、ドライラミネート用接着剤(三井武田ケミカル株式会社製「タケラックA−2070」)14重量部に対して、ドライラミネート用硬化剤(三井武田ケミカル株式会社製「タチネートA−3」)1重量部の割合で混合したものである。そしてこの接着剤を、実施例1で得られた1枚のフィルムの金属蒸着層表面に、接着層の膜厚が2μmとなるようにグラビアコーターで塗布し、そしてもう1枚のフィルムの金属蒸着層側を貼り合わせた。
得られたフィルムは、やはり美麗な選択反射金属光沢を有したものであった。
(実施例3)
実施例2で得られたフィルムを、マイクロスリット機で120切(0.25mm幅)にマイクロスリットした。得られたスリット糸は、美麗な選択反射金属光沢を有していた。
(比較例1)
実施例1と同様にしてフィルムを得たが、アルミニウムの膜厚を260Åとした、その結果、得られたフィルムの全光線透過率は4.1%となり、アルミニウムの光沢が強くなってしまって、選択反射金属光沢は消失してしまった。
(比較例2)
比較例1で得られたフィルムを、実施例2と同様の手順により2枚貼着した。しかし得られたフィルムは、やはりアルミニウムの光沢が強くなってしまって、選択反射金属光沢は消失してしまった。
(比較例3)
比較例2で得られたフィルムを、実施例3と同様の手順によりマイクロスリットしてスリット糸を得たが、得られたスリット糸は、やはりアルミニウムの光沢が強くなってしまって、選択反射金属光沢は消失してしまった。

Claims (13)

  1. 第1高分子化合物と、
    該第1高分子化合物とは異なる屈折率を有する第2高分子化合物と、
    を交互に複数積層してなる多層フィルムの表面に、
    金属蒸着層を設けてなること、
    を特徴とする、光輝性フィルム。
  2. 請求項1に記載の光輝性フィルムにおいて、
    前記金属蒸着層が、アルミニウム、銀、金、白金、銅、インジウム、スズ、クロム、ニッケル、ステンレス、チタンのいずれか1つ若しくは複数よりなること、
    を特徴とする、光輝性フィルム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の光輝性フィルムにおいて、
    得られた前記光輝性フィルムの、可視光線の全光線透過率が5%以上80%未満であること、
    を特徴とする、光輝性フィルム。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の光輝性フィルムにおいて、
    前記第1高分子化合物が、ポリエステル系、ポリアミド系、の何れかであって、
    前記第2高分子化合物が、ポリエステル系、ポリアミド系、の何れかであること、
    を特徴とする、光輝性フィルム。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の光輝性フィルムにおいて、
    前記金属蒸着層のさらに表面に、保護コート層を積層してなること、
    を特徴とする、光輝性フィルム。
  6. 請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の光輝性フィルムを2枚貼着した反射光輝性フィルムであって、
    前記光輝性フィルムを構成する多層フィルム同士がいずれも外側になること、
    を特徴とする、反射光輝性フィルム。
  7. 請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の光輝性フィルムにおける前記光輝性フィルムの多層フィルム側とは反対側の表面に、別の前記多層フィルムを貼着してなること、
    を特徴とする、反射光輝性フィルム。
  8. プラスチックフィルムの片面若しくは両面に、
    請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の光輝性フィルムの多層フィルム側とは反対側の面を接するように前記光輝性フィルムを貼着してなること、
    を特徴とする、反射光輝性フィルム。
  9. プラスチックフィルムの片面若しくは両面に金属蒸着層を設けてなる金属蒸着フィルムの片面若しくは両面に、
    請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の光輝性フィルムの多層フィルム側とは反対側の面を接するように前記光輝性フィルムを貼着してなること、
    を特徴とする、反射光輝性フィルム。
  10. 請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の光輝性フィルムをマイクロスリットすることにより得られること、
    を特徴とする、金銀糸。
  11. 請求項6ないし請求項9の何れか1項に記載の反射光輝性フィルムをマイクロスリットすることにより得られること、
    を特徴とする、金銀糸。
  12. 請求項10又は請求項11に記載の金銀糸を織り込んでなることを特徴とする、真贋識別票。
  13. 請求項12に記載の真贋識別票において、
    前記金銀糸にエンボス加工を施してなること、
    を特徴とする、真贋識別票。
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