JP2005322061A - 2次元コード読取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】撮影された2次元コードに歪みが生じていても、斜め上方から2次元コードを正確に読み取ることができる2次元コード読取装置を提供する。
【解決手段】2次元コード読取装置において、所定の記録媒体に記録された2次元コードを撮影して画像データを取得する固体撮像素子と、撮影方向に垂直な平面上の座標を、記録媒体の平面上の座標に射影変換する射影変換係数算出手段と、2次元コードの所定の座標値を射影変換し、記録媒体に記録された2次元コードの歪み量を求め、情報の抽出位置の補正を行う位置補正手段と、情報を抽出する情報抽出手段とを備えた。
【選択図】図7

Description

本発明は、画像の読取に関し、特に2次元コードの読取りに関する。
業務の電子化の進展に伴い、流通する電子文書はますます増大傾向にあるが、印刷文書に較べて、CRT、LCDなどに表示される品質が未だ劣る状況にあることから、電子文書を印刷して紙文書にする機会も増大傾向にある。
しかしながら、電子文書に加えられる修正個所は、元の電子文書に容易に反映されるのに対し、紙文書に加えられた修正個所は、その修正個所を元の紙文書や電子文書に反映させることが容易ではない。
一般に、紙文書に手書き作業で加えられた修正個所を元の電子文書などに反映させるには、板状のセンサーとペン型の装置とからなる、例えばタブレット、デジタイザなどを用いる方法が考えられるが、現状では、単に加筆座標情報を取得する機能を有するのみであり、取得された加筆座標情報を電子文書などに反映させることはできない。また、スキャナ装置を用いても紙文書を電子文書に変換することは、可能であるが、元の電子文書とは別の電子文書が作成されるだけで、元の電子文書に加筆情報を挿入することは不可能である。
そこで、電子的に作成された文書を印刷する際に、電子文書を保管するファイル名や電子文書のページ番号などが記録されたバーコードなどを同時に印刷しておき、印刷された紙文書に手書き入力を行うときは、加筆された座標情報と共にバーコードに表された文書識別情報を取得する。そして、電子文書に加筆情報を挿入するときには、取得した文書識別情報により元の電子文書を識別し、加筆情報をその電子文書に挿入することを可能としているものがある(特許文献1参照)。
また、手書き入力装置上に複数の紙文書を積載し、積載された紙文書をめくりながら自動的に文書識別することを可能とし、大量の紙文書に施された加筆情報を電子文書に反映させることを可能としているものがある(特許文献2参照)。
一方、電子文書が増加するにつれて印刷される紙文書も増加するため、文書識別に必要とされるコードもより大きな容量を持つコードが必要である。
例えば、1次元コードに6桁のコード39形式を用いて文書識別を行う場合には、約21億が識別限界であるのに対して、2次元コードは、例えば12×6のセル(白黒の最小単位)により構成される場合には、誤り訂正符号を32ビットにすれば識別限界は、約1兆であり、誤り訂正符号を16ビットにすれば2京である。したがって、通常の紙文書を1次元コードで識別するのでは情報量不足となるが、2次元コードで識別すれば十分な情報量が確保される。
そこで、例えば、位置を特定する位置決め用シンボルと同じサイズのセルを用いて表現される第1の情報と、位置決め用シンボルより小さいサイズのセルを用いて表現される第2の情報とが所定位置に配置された2次元コードがある(特許文献3参照)。
特開平9−91083号公報 特開2000−112646号公報 特開平11−328301号公報
しかしながら、手書き入力装置に積載される紙文書に記録してその紙文書の識別に用いるためには、一定の面積を有する2次元コードを斜め上方から読み取る必要がある。
一般に、斜め上方から被写体を撮影すると、遠近法で描かれた絵画と同様に、長方形ないしは正方形の2次元コードは台形に変形して撮像される。すなわち、斜めの光学系では手前側は大きく写り、奥側は小さく写る。一方、撮影に用いられる2次元固体撮像素子は、微細なセンサがマトリックス状に一様に分布しており、2次元コードは、奥側のセルが読み取れる大きさで撮影される。
したがって、2次元コードの各セルのサイズが均一な場合には、例えば奥側の小さく写るセルは、1つのセンサで1つのセルが読み取られるのに対して手前側の大きく写るセルは、複数のセンサで1つのセルが読み取られる場合が生じ、2次元コードの読み取り精度が低下するという課題がある。
一般に、紙文書の大きさは決まっており、手書き入力装置に積載されて2次元コードが読み取られる場合には、読取り角度も固定されるので、2次元固体撮像素子から2次元コードの手前側と奥側との距離差に応じて撮像された2次元コードを射影変換する方法が考えられる。また、手書き入力装置に積載されない状態においても、2次元コードの枠の形状などが決められているときは、撮像された枠各部の座標位置から射影変換係数を求め、2次元コードを射影変換する方法が考えられる。
しかしながら、手書き入力装置に紙文書を積載して加筆した後、頁をめくって次の紙文書の識別情報を読み取る際にその紙文書にカールやうねりなどが生じていることが想定される。また、手書き入力装置に積載されない状態においても、2次元コードを読み取る紙文書にカールやうねりなどが生じている場合もある。紙文書にそのようなカールやうねりなどが生じていると、その紙文書に記録された2次元コードを撮影したときに、撮影された画像に歪みが生じるので、読み取られた情報の精度が低下する恐れがある。
例えば、図1(a)に示すように紙文書にカール等が生じていない場合には、撮影された2次元コードは、コード境界線やセルの境界線などがすべて直線として再現される。一方、図1(b)に示すように紙文書にカール等が生じている場合には、2次元コードは、コード境界線やセルの境界線が曲線として再現され、この歪みにより読み取るべきセルの位置が正確に特定できないので2次元コードを正確に読み取ることができない。
本発明は上記事情に鑑み、紙文書にカールやうねりなどが存在し、撮影された2次元コードに歪みが生じていても、2次元コードが記録された記録媒体の斜め上方からその記録された2次元コードを正確に読み取ることができる2次元コード読取装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成する本発明の2次元コード読取装置は、枠で囲われた2次元コードを撮影して画像データを取得し、取得された画像データから該2次元コードにより表される情報を抽出する2次元コード読取装置において、
所定の記録媒体に記録された前記2次元コードを所定の撮影方向から撮影して画像データを取得する固体撮像素子と、
前記所定の撮影方向に垂直な平面上の座標を、前記2次元コードが記録された前記記録媒体の平面上の座標に射影変換する射影変換係数を求める射影変換係数算出手段と、
前記射影変換係数を用いて前記2次元コードの所定の座標値を射影変換し、前記所定の記録媒体に記録された前記2次元コードの歪み量を求め、求めた該歪み量に基づいて前記情報の抽出位置の補正を行う位置補正手段と、
前記位置補正手段により補正された前記抽出位置から抽出された前記画像データに基づいて前記2次元コードにより表される前記情報を抽出する情報抽出手段と、を備えたことを特徴とする。
このように、射影変換して2次元コードの歪み量を求め、情報の抽出位置の補正を行い、補正された抽出位置から抽出された画像データに基づいて2次元コードの情報を抽出するので、2次元コードが記録された記録媒体がゆがんでいても記録媒体の斜め上方から情報を正確に取得することができる。
本発明の2次元コード読取装置によれば、紙文書にカールやうねりなどが存在し、撮影された2次元コードに歪みが生じていても、紙文書の斜め上方から2次元コードを正確に読み取ることができる。
以下に、本発明の2次元コード読取装置の実施形態について説明する。
図2は、本発明の2次元コード読取装置の実施形態が適用される手書き入力装置を示す図である。
図2に示す手書き入力装置10は、筆記具の形態をなし、筆先から電磁界が放射される電磁ペン6と、その電磁ペン6を用いて、所定の位置に配置された紙文書1に加筆することによりその紙文書1に加筆された加筆情報の画像データを取得する手書き入力部3と、紙文書1に記録された2次元コード2から文書識別情報を読み取る2次元コード読取装置5とを備えている。
2次元コード読取装置5は、固体撮像素子、例えばCCDセンサを備えた撮像部7と、撮像部7により撮影された画像データを処理して2次元コード2により表される情報を抽出する図に現れない本体部とを備えている。撮像部7は、所定の位置に配置された紙文書1に記録された2次元コード2に対し撮影方向が斜め下方向に向けられ、その2次元コード2を斜め上方から撮影して画像データを取得する。
ここで、本実施形態の2次元コード読取装置5は、手書き入力装置10の一部として構成されているが、必ずしも手書き入力装置10の一部である必要はなく、単体として構成することもできる。
図3は、本実施形態の2次元コード読取装置5により撮影された2次元コードの撮像の一例を模式的に示す図である。
図3に示す2次元コードの撮像は、図の手前側上方に配置された撮像部7から撮影されたものであり、手前側が大きく写り、奥側が小さく写っている。
2次元コード2は、周囲には黒い枠2aがあり、黒い枠2aの内部には白色または黒色により1ビットを表す矩形のセル2bが、72(6×12)個配置されている。この状態のままでは、各セル2bの境界を正しく把握することができない。そこで、図4に示すように、2次元コード(撮像部の撮影方向に垂直な平面上の座標を有する。)50を記録媒体が置かれた平面51に射影変換し、各セルの大きさや境界を合わせ、位置ずれが生じていないかなどを確認する。
図5及び図6は、2次元コードの一例を示す図である。
図5に一例を示す2次元コードは、撮影して取得された画像データにより、それが真の2次元コード2のものであるか否かを判別するファインダパターン62がセル2bの番号1から8に8ビットが割り当てられ、情報を表すデータとしてセル2bの番号9〜56に整数型48ビットが割り当てられ、誤り訂正符号データとしてセル2bの番号57〜72に16ビットが割り当てられている。
図6に一例を示す2次元コードのファインダパターン62には、2次元コードの中心に4×2セル2bが割り当てられ、黒色のセル2bが6つと、白色のセル2bが2つとにより構成されている。そしてこのファインダパターン62は方向性を有するので、このファインダパターン62と、四辺形の黒枠2aとにより、黒枠2aで囲まれた図形が2次元コード2であることや2次元コード2がどの方向を向いているのかを直ちに判別することができる。
ここで、本実施形態において用いられる、黒枠2aで囲われた2次元コード2は、予め、各頂点座標及び各セル2bの中心座標が規定されているので、2次元コード読み取り装置によりこの2次元コード2を撮影して画像データを取得したときに、2次元コード2を囲う枠の検出や、2次元コード2の射影変換、後述する歪み量算出などの際には、規定された各頂点座標及び各セルの中心座標が用いられる。また、本実施形態の2次元コード2は、ファインダパターン62が設けられているが、ファインダパターン62は、必ずしも設ける必要はない。
図7は、2次元コード読取装置の本体部を示す機能ブロック図である。
図7に示す本体部は、頂点候補検出部11と、2次元コード枠検出部(本発明の検出手段に相当する。)12と、射影変換係数算出部13と、サンプル点補正部(本発明の位置補正手段に相当する。)17と、データ抽出部14と、誤り訂正部15と、フォーマット変換部(本発明の情報抽出手段に相当する。)16と、を有する。
入力された画像データは、図示しない輪郭線検出手段により黒画素による外側の輪郭線と、その輪郭線の内部にあるファインダパターンによる小さな輪郭線とが検出される。これにより、この画像データが2次元コードであり、何れの方向から読み取られたのかが判別される。
頂点候補検出部11は、図8に示すように、判別された方向に対して、例えば±45度、±135度をなす方向に順次黒画素の検出処理を行い、最初に検出された黒画素A、B、C、Dを、2次元コードを囲う枠の頂点候補とする。
2次元コード枠検出部12は、図9に示すように、検出された頂点候補の黒画素A、B、C、Dから、さらに頂点候補の検出処理を行った方向に直交する方向に黒画素を検出し、頂点候補の黒画素A、B、C、Dから所定の画素数(セルの一辺の画素数の1/5〜1/√2)だけセルの中心方向に連続して黒画素が、検出されたときは、終端の黒画素同士を結び、それを黒枠判定ライン52〜55とする。そして、その各黒枠判定ライン52〜55上に配置された黒画素の割合がそれぞれ80%以上であるときは、各ライン52〜55が2次元コードを囲う枠であると判定する。また、頂点候補A、B、C、Dは、2次元コードを囲う枠の真の頂点A、B、C、Dであると確定し、同時に頂点A、B、C、Dの座標も検出する。
射影変換係数算出部13は、2次元コード枠検出部12により検出された頂点A、B、C、Dの座標値や枠上の座標値等を用いて、射影変換係数を算出する。なお、射影変換係数算出方法の詳細は後述する。
サンプル点補正部17は、入力された画像データと、算出された射影変換係数と、2次元コードを作成したときの各セルの規定座標値とを用いて、2次元コードを作成したときの、例えば各セルの境界や中心点などを射影変換し、撮影された2次元コードの各セル中心点の歪み量を求める(本発明の歪み量算出手段の処理に相当する)。なお、歪み量を求める方法の詳細は後述する。
データ抽出部14は、求めた歪み量を用いて、2次元コードを作成したときの各セルの中心位置の射影変換された座標値をずらし、ずらした座標値に対応する、撮影された2次元コードの画素を読み取ることにより、2次元コードの各セルのデータを得る。
例えば、2次元コードを作成したときの各セルの中心位置の座標値をずらし、ずらした座標値を中心とする3×3画素において黒画素数が白画素数を上回れば‘1’と判定し、そうでなければ‘0’とする。
誤り訂正部15は、データ抽出部14により得られたデータに誤りがあるか否かを判定し、誤りがあれば所定の訂正を行う。
フォーマット変換部16は、誤り訂正部15による誤り訂正が行われたデータに基づいて、誤り訂正符号以外の整数型56ビットのデータを数字又は文字列に変換する。
次に、射影変換係数算出方法について詳述する。
図10〜図12は、射影変換係数算出方法を説明する図である。
射影変換は、3次元空間内の図形・物体を2次元平面、あるいはスクリーンに投影したときの座標変換であり、射影変換係数算出方法は3次元画像処理の手法として広く知られている。
このような射影変換係数算出を厳密に行うためには、撮像部の位置や光学的特性などを特定する必要があるが、2次元コード読取装置の使用態様はさまざまであり、また装置自体の仕様もさまざまであることから、それらに応じた射影変換方法を用いることができる。
図10は、射影変換係数算出を行う一般的方法の例を示す図である。
図10において、画像データ60を射影変換して画像データ61を得たと仮定する。
また、画像データ61のAs〜Ds、画像データ60のAr〜Drは、2次元コードの各頂点であり、括弧内のxs1やyr2は、座標値を表し、また、PskとPrkは、セルの中心座標を表していると仮定する。
画像データ60の座標値と、画像データ60を射影変換したときの画像データ61の座標値とは、例えば図11に示すようなアフィン変換式により表すことができる。
したがって、画像データ60における各頂点の座標値を、図12に示すアフィン変換式に当てはめ、b1〜b6のパラメータ(射影変換係数)を求めることにより、画像データ60の、セルの中心座標を含む各座標値を射影変換することができる。
図12は、射影変換係数算出を行う簡易方法の例を示す図である。
図12(a)に示すように、2次元コード読取装置の撮像部から用紙に記録された2次元コードを撮影したとき、撮像面から2次元コードの手前側までの距離L1、2次元コードの中央部までの距離L2、2次元コードの奥側までの距離L3は、それぞれ相違する。
その結果、撮像された2次元コードは、図12(b)に示すように、手前側が大きく、奥側が小さく台形に写る。このとき、台形の長辺と短辺との比率(X1/X3)は、撮像素子からの距離の比率の逆数(L3/L1)と等しくなる。
したがって、2次元コードの各行のセルは、この比率(射影変換係数)を用いて射影変換することができる。
次に、歪み量を求める方法について詳述する。
図13は、サンプル点補正部を説明する図である。
図13に示すように、サンプル点補正部17は、コード境界探索部21と、座標補正部22とからなる。コード境界探索部21には、2次元コードを撮影して取得した画像データと、射影変換係数と、2次元コードを作成したときの規定座標値とが入力され、2次元コードを作成したときのコード境界(各セルの境界)の座標値を射影変換すると共に、その座標値に対応する、撮影された座標値を探索する。
座標補正部22は、射影変換したコード境界(各セルの境界)の規定座標値と探索した座標値との差分を求め、水平方向と垂直方向の歪み量を求める。
図14は、コード境界探索部における探索処理の具体例を示す図である。
図14に示すように、コード境界探索部22には、2次元コードを撮影して取得された画像データと射影変換係数算出部13により算出された射影変換係数とが入力され、図における点A、B、C、Dは、撮影された2次元コードの頂点を示す。
ここでは、AB間、CD間にゆがみが存在する。四辺形ABCD上に、2次元コードを作成したときのコード境界(各セルの境界)の規定座標を射影変換し、対応する座標を特定する。例えば、点Qと点Tである。そのように対応する座標は、AB、CD間には12点、AC、BD間には6点存在する。それぞれの点を結びAB、ACに平行な直線をそれぞれH1〜H6、V1〜V12とする。V2と、撮影された2次元コードのコード境界とが交わる点をそれぞれ点P、点Sすれば、点Pと点Q、点Tと点Sの位置のずれは、撮影された2次元コードのゆがみを表す。
ゆがみがない場合は点Pと点Q、点Sと点Tが一致し、1つのセルのデータサンプリング点である点Rと点R’の座標は一致するが、ゆがみが存在する場合は、点Rと点R’の座標は相違するので、そのままでは異なるセルのデータをサンプルすることとなり、これが読み取り誤りの原因となる。
ここでは、ゆがみがあるときのコード境界、点Pと点Qなどを探索する方法について説明する。
まず、点Qの位置にある画素値が黒の場合は、V2を図の上方向に白画素を探索する。初めて白画素が検出されたら、そのひとつ前に検出された黒画素が点Pであり、コード境界である。また、点Qが白画素である場合は、V2を図の下方向に黒画素を探索する。
初めて黒画素が検出されたら、それが点Pでありコード境界である。次に、点Tの位置にある画素値が白の場合は、V2を図の上方向に黒画素を探索する。初めて黒画素が検出れたら、それが点Sでありコード境界である。また、点Tが黒画素である場合は、V2を図の下方向に白画素を探索する。初めて白画素が検出されたら、そのひとつ前に検出された黒画素が点Sでありコード境界である。
このコード境界探索は、V2だけでなくV1〜V12、H1〜H6までのすべての直線に関して行い、撮影された2次元コード全体の歪み量を検出する。2次元コードの歪み量は、2次元コードを作成したときの理想のコード境界各点と、撮影された2次元コードから検出されたコード境界各点とのベクトルで表すことができる。
図15は、座標補正部における歪み量の算出方法を説明する図である。
図15に示すように、ベクトルQPをAB側の歪み量、ベクトルTSをCD側の歪み量とし、2次元コードを作成したときのセル中心の規定座標を射影変換した点をRとすれば、撮影された2次元コードのセルの中心点R’の座標は、次式により定義される。
R’=R+垂直方向の歪み量+水平方向の歪み量
垂直方向のAB側、CD側の歪み量を、線分QRと線分RTからの距離に応じてそれぞれ比例配分する。水平方向のゆがみ量も同様に定義できる。
図に示す例においては、水平方向の歪み量は0であり、R’は、次式により算出される。
ただし、QR、RT、QTはスカラー量であり、それ以外はベクトル量である。
R’=R+(QR・TS+RT・QP)/QT
ここでは、Rの例を説明したが、他の全てのセルのサンプル点についても同様にして求めることができる。
次に、本実施形態の2次元コード読取装置により2次元コードから情報を抽出する処理をフローチャートに基づいて説明する。
図16は、2次元コードから情報を抽出するフローチャートを示す図である。
図16に示すように、2次元コード読取装置の撮像部により斜め上方から2次元コードを撮影したコード画像データが入力される(S201)。
入力されたコード画像データと、別に処理され輪郭線検出処理により判別された2次元コードの方向とにより2次元コードの頂点を検出する処理が行われ、頂点候補が抽出される(S202)。
この処理においては、例えば輪郭線で囲われた2次元コードを表す画像の四隅から斜め走査が行われ、黒画素(A、B、C、D)が検出される。
次に、検出された頂点候補から2次元コードの枠が検出され(S203)、検出されないときは、入力された画像データが2次元コードに係るものではないので、処理を終了する。
2次元コードの枠が検出されたときは、頂点を確定すると共に、頂点の座標と枠上の座標とから、例えばアフィン変換式を用いて射影変換係数を算出する(S205)。
次に、2次元コードを作成したときの各規定値を、射影変換係数を用いて、射影変換し、例えば各セル境界の座標値相互を比較して、位置ずれが生じているときは、それぞれの歪み量を算出する。そして、2次元コードを作成したときの各セルの中心の座標をサンプリングし、算出したそれぞれの歪み量に基づいてその位置をずらす補正を行い、補正された中心点、すなわち補正サンプル点を求める(S206)。
次に、補正サンプル点の座標を中心として、3×3画素における黒画素数と白画素数とをカウントし黒画素数が白画素数を上回れば‘1’、さもなければ‘0’とする2値化を行う(S207)。このようにして読み取られた2次元コードの72ビットデータは、誤り訂正の判定が行われる(S208)。そして、誤りがあれば、誤り訂正を行い、誤り訂正符号以外の整数型56ビットのデータを、デコードアルゴリズムに従って数字・文字列に変換するフォーマット変換を行い(S209)、数字文字列からなる情報が出力される(S210)。
紙文書にカール等が生じている場合の2次元コードを示す図である。 本発明の2次元コード読取装置の実施形態が適用される手書き入力装置を示す図である。 本実施形態の2次元コード読取装置5により撮影された2次元コードの撮像の一例を模式的に示す図である。 射影変換を示す図である。 2次元コードの一例を示す図である。 2次元コードの一例を示す図である。 2次元コード読取装置の本体部を示す機能ブロック図である。 枠の頂点候補を検出する状況を示す図である。 2次元コードを囲う枠を検出する状況を示す図である。 射影変換係数算出方法を説明する図である。 射影変換係数算出方法を説明する図である。 射影変換係数算出方法を説明する図である。 サンプル点補正部を説明する図である。 コード境界探索部における探索処理の具体例を示す図である。 座標補正部における歪み量の算出方法を説明する図である。 2次元コードから情報を抽出するフローチャートを示す図である。
符号の説明
1 紙文書
2、50 2次元コード
2a 黒枠
2b セル
3 手書き入力部
5 2次元コード読取装置
6 電磁ペン
7 撮像部
10 手書き入力装置
11 頂点候補検出部
12 2次元コード枠検出部
13 射影変換係数算出部
14 データ抽出部
15 誤り訂正部
16 フォーマット変換部
17 サンプル補正部
21 コード境界探索部
22 座標補正部
52〜55 黒枠判定ライン
60、61 画像データ

Claims (8)

  1. 枠で囲われた2次元コードを撮影して画像データを取得し、取得された画像データから該2次元コードにより表される情報を抽出する2次元コード読取装置において、
    所定の記録媒体に記録された前記2次元コードを所定の撮影方向から撮影して画像データを取得する固体撮像素子と、
    前記所定の撮影方向に垂直な平面上の座標を、前記2次元コードが記録された前記記録媒体の平面上の座標に射影変換する射影変換係数を求める射影変換係数算出手段と、
    前記射影変換係数を用いて前記2次元コードの所定の座標値を射影変換し、前記所定の記録媒体に記録された前記2次元コードの歪み量を求め、求めた該歪み量に基づいて前記情報の抽出位置の補正を行う位置補正手段と、
    前記位置補正手段により補正された前記抽出位置から抽出された前記画像データに基づいて前記2次元コードにより表される前記情報を抽出する情報抽出手段と、を備えたことを特徴とする2次元コード読取装置。
  2. 前記2次元コードは、2値データを表す複数のセルにより構成されたものであって、
    前記位置補正手段は、射影変換された前記2次元コードの前記複数のセル境界の座標値と前記画像データの対応する座標値とを比較して前記所定の記録媒体に記録された前記2次元コードの歪み量を求めることを特徴とする請求項1記載の2次元コード読取装置。
  3. 前記画像データから前記2次元コードを囲う枠及び該枠の頂点を検出する検出手段を備え、
    前記射影変換係数算出手段は、前記検出手段により検出された前記頂点を表す座標値及び前記枠の所定位置を表す座標値とを抽出し、抽出された該座標値を用いて前記射影変換係数を算出することを特徴とする請求項1記載の2次元コード読取装置。
  4. 前記固体撮像素子は、前記撮影方向が前記記録媒体の上方から斜め下方に向けられたものであることを特徴とする請求項1記載の2次元コード読取装置。
  5. 前記位置補正手段により補正された前記抽出位置から抽出された前記画像データから前記2次元コードを構成する各セルが表すデータを抽出するデータ抽出手段を備え、
    前記情報抽出手段は、前記データ抽出手段により抽出された前記データを所定のアルゴリズムに基づいてデコードし、文字又は数字により構成された情報を抽出することを特徴とする請求項1又は2記載の2次元コード読取装置。
  6. 前記位置補正手段は、
    前記射影変換係数を用いて前記2次元コードの前記複数のセルの境界を表す座標値を射影変換すると共に、射影変換された前記座標値に対応する、前記固体撮像素子により撮影された画像データの対応する座標値を探索する境界探索手段と、
    前記境界探索手段により探索された前記画像データの前記座標値と前記射影変換された前記座標値との差分により前記ひずみ量を求める座標補正手段とを有することを特徴とする請求項2記載の2次元コード読取装置。
  7. 前記枠は、複数の黒色を表す黒画素により構成されたものであって、
    前記検出手段は、前記画像データを所定方向に読み取り、黒画素が最初に検出されたときには該画像データをさらに該所定方向に交わる直交方向に読み取るものであって、該直交方向に連続して黒画素が検出されたときに、最初に検出された前記黒画素を表す画像データを前記頂点として抽出することを特徴とする請求項3記載の2次元コード読取装置。
  8. 前記複数のセルは、2種類の色のうちの何れか一方の色を表す画素により構成されたものであって、
    前記データ抽出手段は、前記何れか一方の色により表されるデータを抽出することを特徴とする請求項5記載の2次元コード読取装置。
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