JP2005319036A - 内視鏡及び内視鏡装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】挿入補助具によって得られる推進力を効果的に利用して、挿入部を深部に向けて導入することを容易にする内視鏡及びその内視鏡を備える内視鏡装置を提供すること。
【解決手段】挿入部21に湾曲部25を有し、挿入部21の基端部に設けられた操作部22に湾曲部25を湾曲動作させるための湾曲操作ノブ27が設けられた内視鏡2において、挿入部21を構成する湾曲部25より基端側に、挿入部21に対して推進力を付与する螺旋状突起部43aを外周表面に設けた回転体43を備える回転アダプタ7が配設されている。回転アダプタ7が備える回転体43には永久磁石44が配設されている。このため、医療用磁気誘導装置8によって所定の外部磁場を発生させることによって、回転体43が回動する。
【選択図】図1
【解決手段】挿入部21に湾曲部25を有し、挿入部21の基端部に設けられた操作部22に湾曲部25を湾曲動作させるための湾曲操作ノブ27が設けられた内視鏡2において、挿入部21を構成する湾曲部25より基端側に、挿入部21に対して推進力を付与する螺旋状突起部43aを外周表面に設けた回転体43を備える回転アダプタ7が配設されている。回転アダプタ7が備える回転体43には永久磁石44が配設されている。このため、医療用磁気誘導装置8によって所定の外部磁場を発生させることによって、回転体43が回動する。
【選択図】図1
Description
本発明は、推進力を得るための挿入補助具が挿入部に設けられる内視鏡及びその内視鏡を備える内視鏡装置に関する。
従来より、細長の挿入部を体腔内に挿入することにより体腔内の臓器を観察したり、必要に応じて挿入部に設けられている処置具挿通用チャンネル内に処置具を挿通させることによって各種治療や処置を行える、内視鏡が広く利用されている。
一般的に、細長な挿入部を有する内視鏡では、挿入部の先端側に湾曲部が設けられている。湾曲部は、この湾曲部を構成する湾曲駒に接続されている操作ワイヤを進退させることによって、例えば上下方向/左右方向に湾曲動作するように構成されている。操作ワイヤの進退は、術者が操作部に設けられている例えば湾曲ノブを回動操作することによって行われる。
内視鏡の挿入部を複雑に入り組んだ体腔内、例えば大腸などのように360°のループを描く管腔に挿入する際、術者は、湾曲ノブを回動操作して湾曲部を湾曲動作させるとともに、挿入部を捻り操作して、挿入部の先端部を観察目的部位に向けて導入していく。
しかし、挿入部を複雑に入り組んだ大腸の深部まで、患者に苦痛を与えることなく、スムーズに、短時間で目的部位まで導入させられるようになるまでには、相当の熟練を要する。このため、挿入部の導入性を向上させるための提案が各種なされている。
例えば、特開平10−113396号公報には、生体管の深部まで容易にかつ低侵襲で医療機器を誘導し得る、医療機器の推進装置が示されている。この推進装置では、回転部材に、この回転部材の軸方向に対して斜めのリブが設けてある。したがって、回転部材を回転動作させることにより、回転部材の回転力がリブによって推進力に変換される。すると、推進装置に連結されている医療機器が、前記推進力によって深部に向かって移動される。
また、特開2001−179700号公報には移動可能なマイクロマシン及びその移動制御システムが開示されている。このマイクロマシンは、外部回転磁界から微小磁石に働く磁気トルクを利用した、磁気力を駆動源とする磁気マイクロマシンである。この磁気マイクロマシンでは、エネルギー供給のためのケーブルを必要とせず、ケーブルや電源等の制約から離れ、シンプルな構造で所望の運動が実現可能である。そして、静水中や流水中で良好な移動特性を示すことから、医用マイクロロボットへの応用において極めて有望であることが判明している。
また、特開2003−260026号公報には患者に抵抗感を与えず、小型で取り扱い易い医療用磁気誘導装置が示されている。この医療用磁気誘導装置では、磁界発生部が形成する回転磁界により、磁石を設けたカプセル型医療機器である内視鏡やカテーテル、ガイドワイヤ等の挿入部が磁気的に誘導されるようになっている。
そして、前記特開2003−260026号公報、特開2001−179700号公報及び特開平10−113396号公報等の記載から図12に示す構成の内視鏡装置を容易に想到することができる。
図12に示す内視鏡装置は、内視鏡100と、この内視鏡100の挿入部101の先端部102に取り付けられる回転アダプタ103と、この回転アダプタ103を回転させる図示しない医療用磁気誘導装置とを備えて構成される。回転アダプタ103は内部に図示しない磁石が設けられ、外周面には螺旋形状部104が形成されている。
このため、図13に示すように回転アダプタ103を例えば矢印105に示す回転磁界中に配置させることによって、回転アダプタ103は挿入部101に対して矢印106に示す方向に回転される。したがって、挿入部101を例えば大腸などの管腔臓器内に挿通させた状態において、回転アダプタ103に回転磁界を作用させることによって、この回転アダプタ103が回転状態になる。すると、回転アダプタ103の外周面に形成されている螺旋形状部104が図示しない大腸壁に接触することによって摩擦力が発生し、この摩擦力が挿入部101を体腔内の深部に向けて導入する際の推進力を得られる。
特開平10−113396号公報
特開2001−179700号公報
特開2003−260026号公報
しかしながら、前記図12及び図13に示した内視鏡において、回転アダプタが挿入部を構成する先端部に取り付けられている。このため、以下に示す不具合が発生するおそれがある。
湾曲部を湾曲動作させた際、その湾曲動作に伴って回転アダプタが移動されることによって、回転アダプタによって発生される推進力を効果的に利用することができなくなることである。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、挿入補助具によって得られる推進力を効果的に利用して、挿入部を深部に向けて導入することを容易にする内視鏡及びその内視鏡を備える内視鏡装置を提供することを目的にしている。
本発明の内視鏡は、挿入部に湾曲部を有し、前記挿入部の基端部に設けられた操作部に前記湾曲部を湾曲動作させる湾曲操作手段を設けた内視鏡において、
前記内視鏡の挿入部を構成する湾曲部より基端側に、前記挿入部に対して推進力を付与する螺旋形状部を外周表面に設けた回転体を備える挿入補助具が配設される補助具取り付け部を設けている。
前記内視鏡の挿入部を構成する湾曲部より基端側に、前記挿入部に対して推進力を付与する螺旋形状部を外周表面に設けた回転体を備える挿入補助具が配設される補助具取り付け部を設けている。
この構成によれば、挿入部に備えられている湾曲部を湾曲動作させて、挿入部の先端部を所望する方向に向けた状態にして、挿入補助具で得られる推進力を利用することによって、先端部が深部に向かってスムーズに導入される。
また、本発明の内視鏡装置は、挿入部に湾曲部を有し、前記挿入部の基端部に設けられた操作部に前記湾曲部を湾曲動作させる湾曲操作手段を設けた内視鏡と、この内視鏡の挿入部に配設され、前記挿入部に対して推進力を付与する螺旋形状部を外周表面に設けた回転体を備える挿入補助具とを具備する内視鏡装置において、
前記内視鏡の挿入部を構成する湾曲部より基端側に、前記挿入補助具を配設している。
前記内視鏡の挿入部を構成する湾曲部より基端側に、前記挿入補助具を配設している。
そして、前記挿入補助具が備える回転体に磁界発生手段を配設する構成においては、さらに、前記回転体に配設された磁界発生手段に作用して、この回転体を所望の状態で回動させる外部磁場を発生する医療用磁気誘導装置を具備している。
この構成によれば、挿入部に備えられている湾曲部を湾曲動作させて、挿入部の先端部を所望する方向に向けた状態にして、医療用磁気誘導装置によって所定の外部磁場を発生させることによって、この外部磁場が回転体に設けられている磁界発生手段に作用して回転体が回転状態になって推進力が得られる。そして、この推進力を利用することによって、先端部が深部に向かってスムーズに導入される。
本発明によれば、挿入補助具に備えられている回転体で得られる推進力によって挿入部を深部に向けて導入する際、内視鏡の挿入部に設けられている湾曲部を適宜湾曲動作させて挿入部を構成する先端部を目的部位に向けておくことにより、挿入部が推進力によってスムーズに深部に向かって導入される内視鏡及び内視鏡装置を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図9は本発明の第1実施形態に係り、図1は内視鏡装置の構成を説明する図、図2は回転アダプタの構成を説明する長手方向断面図、図3は図2のA−A線断面図、図4は内視鏡の挿入部に設けられる補助具取り付け部を説明する図、図5は医療用磁気誘導装置によって発生される外部磁界と回転アダプタに設けられている回転体との関係を説明する図、図6は医療用磁気誘導装置のベッド部に横たわっている患者に内視鏡の挿入部を挿入している状態を示す図、図7は内視鏡の挿入部に設けられている回転アダプタを肛門から大腸内に挿通させた状態を示す図、図8は回転アダプタから発生される推進力によって挿入部を導入する状態を説明する図、図9は挿入部を目的部位まで挿通させた状態を説明する図である。
図1ないし図9は本発明の第1実施形態に係り、図1は内視鏡装置の構成を説明する図、図2は回転アダプタの構成を説明する長手方向断面図、図3は図2のA−A線断面図、図4は内視鏡の挿入部に設けられる補助具取り付け部を説明する図、図5は医療用磁気誘導装置によって発生される外部磁界と回転アダプタに設けられている回転体との関係を説明する図、図6は医療用磁気誘導装置のベッド部に横たわっている患者に内視鏡の挿入部を挿入している状態を示す図、図7は内視鏡の挿入部に設けられている回転アダプタを肛門から大腸内に挿通させた状態を示す図、図8は回転アダプタから発生される推進力によって挿入部を導入する状態を説明する図、図9は挿入部を目的部位まで挿通させた状態を説明する図である。
図1に示すように本実施形態の内視鏡装置1は、体腔内に挿入される挿入部21を有する内視鏡2と、この内視鏡2の挿入部21を体腔内に導入する際の推進力を得るための内視鏡挿入補助装置3とで主に構成されている。
内視鏡2には、外部装置として光源装置4、カメラコントロールユニット(以下、CCUと略記する)5及びモニタ6が備えられている。光源装置4は内視鏡2に照明光を供給する。CCU5は内視鏡2に備えられている固体撮像素子に対する信号処理等を行う。モニタ6にはCCU5で生成された映像信号が入力される。このことによって、モニタ6の表示画面6a上に内視鏡画像が表示される。
一方、内視鏡挿入補助装置3は、挿入補助具である回転アダプタ7と、所望の外部磁場を発生させる医療用磁気誘導装置(以下、磁気誘導装置と略記する)8とで主に構成されている。磁気誘導装置8には外部装置として制御装置9及び電源装置10が備えられている。
内視鏡2は挿入部21、操作部22及びユニバーサルコード23を備えて構成されている。挿入部21は細長で可撓性を有している。操作部22は、挿入部21の基端側に連設されて、把持部を兼ねている。ユニバーサルコード23は、操作部22の例えば側部から延出している。
挿入部21は、先端側から順に硬質の先端部24、湾曲自在な湾曲部25及び長尺で可撓性を有する可撓管部26を連設して構成されている。
操作部22には湾曲部25を湾曲動作させるための湾曲操作手段である湾曲操作ノブ27が設けられている。また、操作部22には送気・送水を指示するための送気・送水ボタン28a及び吸引を指示するための吸引ボタン28bが設けられている。さらに、操作部22にはCCU5を遠隔操作するためのビデオ用スイッチ29aや各種周辺機器の制御等行うリモートスイッチ29b等が設けられている。また、操作部22には生検鉗子等の処置具が挿入される鉗子口30が設けられている。鉗子口30は挿入部21内を挿通する処置具挿通用チャンネル(不図示)に連通している。
操作部22には湾曲部25を湾曲動作させるための湾曲操作手段である湾曲操作ノブ27が設けられている。また、操作部22には送気・送水を指示するための送気・送水ボタン28a及び吸引を指示するための吸引ボタン28bが設けられている。さらに、操作部22にはCCU5を遠隔操作するためのビデオ用スイッチ29aや各種周辺機器の制御等行うリモートスイッチ29b等が設けられている。また、操作部22には生検鉗子等の処置具が挿入される鉗子口30が設けられている。鉗子口30は挿入部21内を挿通する処置具挿通用チャンネル(不図示)に連通している。
したがって、鉗子口30から例えば生検鉗子を挿入していくことにより、生検鉗子が処置具挿通用チャンネル内を通過して先端部24に形成されているチャンネル開口24aから突出される。
なお、鉗子口30には、処置具挿通用チャンネル内を逆流する体液等が内視鏡2の外部に飛沫するのを防止する鉗子栓30aが取り付けられるようになっている。符号24bは観察光学系を構成する観察窓であり、符号24cは照明光学系を構成する照明光が出射される照明窓である。
ユニバーサルコード23内には照明窓24cに一端面が臨む図示しないライトガイドファイバ束や固体撮像素子から延出する信号線、吸引チャンネルや送気・送水チャンネルを構成するチューブ等が挿通されている。ユニバーサルコード23の端部には光源装置5に着脱自在に連結される内視鏡コネクタ23aが設けられている。内視鏡コネクタ23aの側部には電気コネクタ部(不図示)が設けられている。電気コネクタ部にはCCU5に接続される電気ケーブル11のコネクタ11aが連結されるようになっている。
図1ないし図3を参照して内視鏡挿入補助装置3について説明する。
内視鏡挿入補助装置3を構成する回転アダプタ7は、内視鏡2の挿入部21を例えば大腸などの管腔臓器内に挿入する際の推進力を得るためのものである。回転アダプタ7は、内視鏡2の挿入部21を構成する湾曲部25より基端側の所定位置に配設される。
内視鏡挿入補助装置3を構成する回転アダプタ7は、内視鏡2の挿入部21を例えば大腸などの管腔臓器内に挿入する際の推進力を得るためのものである。回転アダプタ7は、内視鏡2の挿入部21を構成する湾曲部25より基端側の所定位置に配設される。
図2及び図3を参照して回転アダプタ7の構成を説明する。
図に示すように回転アダプタ7は、本体部41と、一対のベアリング部42と、回転体43と、磁界発生手段である永久磁石44と、本体部端部45とで構成されている。なお、本実施形態においては永久磁石44を用いた構成を示しているが、永久磁石44の代わりに図示しない電磁石を用いる構成であってもよい。
図に示すように回転アダプタ7は、本体部41と、一対のベアリング部42と、回転体43と、磁界発生手段である永久磁石44と、本体部端部45とで構成されている。なお、本実施形態においては永久磁石44を用いた構成を示しているが、永久磁石44の代わりに図示しない電磁石を用いる構成であってもよい。
本体部41はパイプ形状であり、一端部にはフランジ41aが設けられている。本体部41の長手軸方向中央部には挿入部21の先端部24、湾曲部25及び可撓管部26が挿通可能な貫通孔41bが形成されている。貫通孔41bのフランジ41a側には本体部41が挿入部21に対して回転することを防止する断面形状が略D字形状の回転止め凹部41cが形成されている。回転止め凹部41cには切り欠き平面41dが形成されている。この切り欠き平面41dは、湾曲部25と可撓管部26とを連結する後述する口金部材に設けられた平面部に対向配置されるようになっている。回転止め凹部41cの切り欠き平面41dには、回転止めネジ46が螺合配置される雌ねじが形成された貫通孔41dの開口が設けられている。
ベアリング部42は、本体部41の外周面所定位置に固設される。
回転体43は、ベアリング部42の外周面側に配置される。このことによって、回転体43は本体部41に対して回動自在に構成される。
回転体43は、ベアリング部42の外周面側に配置される。このことによって、回転体43は本体部41に対して回動自在に構成される。
回転体43は例えば、ゴム部材のように弾性を有する弾性体或いは軟性樹脂部材、又は硬質樹脂によって形成される。回転体43の外表面には回転されて体壁に接触することによって推進力を発生する螺旋形状部である螺旋状突起部43aが設けられている。
回転体43に設けられる螺旋状突起部43aの条数、ピッチ、或いは高さ寸法や幅寸法等は所望の推進力が得られるように適宜設定される。また、回転体43に設けられる螺旋状突起部43aの形成範囲は、図に示すように回転体43の一端部(縁部)近傍から他端部近傍までに限定されるものではなく、所望の推進力が得られるのであれば、回転体43の中途部だけに設ける構成であってもよい。
永久磁石44は例えば管状であり、一対のベアリング部42の間に位置するように回転体43の内周面に一体的に固設される。永久磁石44としては、ネオジウム磁石、サマリウムコバルト磁石、フェライト磁石、鉄・クロム・コバルト磁石、プラチナ磁石、アルニコ(Alnico)磁石などである。フェライト磁石においては安価であるというメリットがあり、プラチナ磁石においては耐腐食性に優れ、医療用に好適である。
アダプタ構成部材45は環状であり、本体部41の他端部側に固設される。
アダプタ構成部材45は環状であり、本体部41の他端部側に固設される。
図4を参照して回転アダプタ7が取り付けられる補助具取り付け部について説明する。
図に示すように内視鏡2の挿入部21を構成する湾曲部25の基端部と可撓管部26の先端部とは口金部材12によって一体的に連結固定されている。口金部材12には前記本体部41に形成されている回転止め凹部41cに設けられている切り欠き平面41dが対向配置される補助具取り付け部となる平面部12aが設けられている。
図に示すように内視鏡2の挿入部21を構成する湾曲部25の基端部と可撓管部26の先端部とは口金部材12によって一体的に連結固定されている。口金部材12には前記本体部41に形成されている回転止め凹部41cに設けられている切り欠き平面41dが対向配置される補助具取り付け部となる平面部12aが設けられている。
口金部材12の平面部12aに回転アダプタ7を構成する本体部41に設けられている切り欠き平面41dを対向配置させることによって、本体部41が口金部材12に対して回転することが防止される。この状態で、回転止めネジ46を締め付けて、この回転止めネジ46の先端面が平面部12aを押圧するように当接させることによって、本体部41が口金部材12に一体的に固定保持される。
一方、磁気誘導装置8は、図1に示すように患者が例えば横たわることが可能なベッド部31と、ベッド部31に横たわった患者の所望の部分覆うように構成された磁界発生部32とで主に構成されている。
磁界発生部32は枠体部33と、窓部34とで構成され、枠体部33には図示しない電磁コイルが設けられている。具体的に、枠体部33を構成する互いに対向する3組の平面部33a、33b、33cにはそれぞれ一対の電磁コイルが図示しないヘルムホルツコイルを形成するように設けられている。つまり、磁界発生部32に設けられた3組のヘルムホルツコイルは、ベッド部31上で略キュービック状に構成される。
窓部34は、患者の首、脚、腕、胴体が自在に抜き差し可能に設けられている。
窓部34は、患者の首、脚、腕、胴体が自在に抜き差し可能に設けられている。
磁気誘導装置8からは接続ケーブル35が延出している。接続ケーブル35の端部にはコネクタ35aが設けられている。このコネクタ35aは電源装置10に着脱自在に接続される。電源装置10には信号ケーブル36を介して制御装置9が電気的に接続される。
制御装置9は、磁界発生部32に設けられている3組のヘルムホルツコイルに対して通電される電流の強弱、向き等の制御を行うことによって、磁界発生部32から図中のX方向、Y方向及びZ方向にそれぞれ対応する磁界を発生させることが可能である。つまり、3組のヘルムホルツコイルを適宜、制御することによって所望の3次元的な回転磁界を形成する。
本実施形態においてはCCU5と制御装置9とを信号ケーブル37によって電気的に接続するとともに、前記操作部22に設けられているリモートスイッチ29bを例えば、前記磁気誘導装置8が形成する回転磁界を制御するための誘導装置用スイッチとしている。
このことによって、術者が誘導装置用スイッチ29bを手元操作することによって、磁気誘導装置8を駆動制御して所望する回転磁界の形成を行える。つまり、誘導装置用スイッチ29bを操作することによって出力される指示信号は、CCU5及び制御装置9を介して磁気誘導装置8に伝送される。すると、図5に示すように磁気誘導装置8では例えば矢印Aに示すような回転磁界を形成する。このとき、この回転磁界中に回転アダプタ7を配置すると、永久磁石44が配設された回転体43が矢印Bに示すように回転される。
なお、リモートスイッチ29bを誘導装置用スイッチとして設定する代わりに、誘導装置用スイッチを別体に設け、操作部22に着脱可能に取り付ける構成にしたり、他の術者によって操作可能にしてもよい。この構成においては、例えば誘導用スイッチと制御装置9とを電気的に接続する。
上述のように構成した内視鏡装置1の作用を説明する。
内視鏡2の挿入部21を大腸に挿入するための準備手順を説明する。
内視鏡2の挿入部21を大腸に挿入するための準備手順を説明する。
内視鏡2の挿入部21を大腸内に挿通していくに当たって、まず、医療関係者(スタッフと略記する)は、内視鏡2に対応する回転アダプタ7を準備する。次に、スタッフによって、回転アダプタ7に設けられている貫通孔41bを挿入部21を構成する先端部24、湾曲部25、口金部材12、可撓管部26の順に挿通させて、回転アダプタ7に設けられている切り欠き平面41dを口金部材12の平面部12aに対向配置させる。次いで、回転アダプタ7の本体部41に螺合配置されている回転止めネジ46を締め付けて回転アダプタ7を口金部材12に固定配置させる。また、回転アダプタ7の取付けるとともに、内視鏡2の外部装置である光源装置4、CCU5、モニタ6の電源及び磁気誘導装置8の外部装置である制御装置9及び電源装置10の電源をオン状態にする。このことによって、内視鏡2の挿入部21を大腸内に挿通させるための準備が完了する。
内視鏡2の挿入部21を大腸に挿入する手順を説明する。
まず、術者は、内視鏡2を観察状態にするとともに、磁気誘導装置8の磁界発生部32に設けられている3組のヘルムホルツコイルにそれぞれ電流を供給して所定の回転磁界を形成する状態にする。
まず、術者は、内視鏡2を観察状態にするとともに、磁気誘導装置8の磁界発生部32に設けられている3組のヘルムホルツコイルにそれぞれ電流を供給して所定の回転磁界を形成する状態にする。
次に、図6に示すように磁気誘導装置8のベッド部31上で磁界発生部32内に検査対象部位が位置するように横たわっている患者13の肛門から内視鏡2の挿入部21を構成する先端部24を大腸内に挿入する。続いて、湾曲部25、口金部材12に固定配置されている回転アダプタ7も大腸内に挿入する。
図7に示すように肛門71から挿入された回転アダプタ7が二点鎖線で示す磁界発生部32の回転磁界内に配置されると、回転アダプタ7を構成する回転体43が矢印に示すように所定の回転状態になる。ここで、回転体43の外周面に設けられている螺旋状突起部43aが大腸壁に接触することによって摩擦力が発生し、このとき発生する摩擦力が内視鏡2の挿入部21を管腔の深部に向けて導入する際の推進力になる。つまり、術者は、回転アダプタ7によって得られる推進力を利用して、小さな力量で押し込み操作を行いながら挿入部21を深部に向けて導入していくことができる。
このとき、術者は、モニタ6の表示画面6a上に表示される内視鏡画像を観察して、進行状態や挿通位置を確認しながら回転磁界の制御等を行う。つまり、図7に示すように挿入部21の先端部24が例えばS字状結腸部72近傍の屈曲部に到達したことを内視鏡画像から判断したなら、術者は、湾曲操作ノブ27を適宜操作して先端部24を所定の方向である管腔の深部方向に向けるとともに、誘導装置用スイッチとしたリモートスイッチ29bを操作して回転体43を回転させる。このことによって、図7の破線に示すように挿入部21の先端部24は、回転アダプタ7の回転体43によって得られる推進力と、術者の湾曲部25を湾曲動作させる手元操作及び捻り操作とによって、S字状結腸部72を通過していく。
その後、図8及び図9に示すように挿入部21の先端部24は、回転アダプタ7の回転体43によって得られる推進力と、術者の湾曲部25を湾曲動作させる手元操作及び捻り操作とによって、S字状結腸部72、このS字状結腸部72と可動性に乏しい下行結腸部73との境界である屈曲部、下行結腸部73と可動性に富む横行結腸部74との境界である脾湾曲75、横行結腸部74と上行結腸部76との境界である肝湾曲77を通過して例えば、目的部位である盲腸部78近傍に到達する。
そして、術者は、挿入部21が目的部位である盲腸部78近傍に到達したことをモニタ6の表示画面6a上に表示されている内視鏡画像で確認したなら、磁気誘導装置8の外部装置である制御装置9及び電源装置10の電源をオフ状態にして目的部位の検査を行い、その後、挿入部21の引き戻し操作に移行する。
このように、磁気誘導装置で発生される外部磁場の作用を受ける永久磁石が配設された回転体を備えた挿入補助具を、内視鏡の挿入部を構成する湾曲部より基端側に固設したことによって、挿入部に備えられている湾曲部を湾曲動作させた際に、挿入補助具の回転体の螺旋状突起部と例えば大腸の体壁との密着状態に変化が生じることを防止することができる。
このことによって、外部磁場の作用によって回転体を回転させた状態で、湾曲部を湾曲動作させて先端部を管腔の深部に予め方向付けしておくことによって、挿入補助具によって発生される推進力を有効に利用して、挿入部の深部への導入をスムーズに行える。
なお、本実施形態においては、挿入補助具を構成する回転体に永久磁石を配設し、この永久磁石に磁気誘導装置で発生される外部磁場を作用させて、回転体を回転させる構成を示しているが、挿入補助具に回転体を回転させる駆動手段として例えばロータとステータとで構成されるアクチュエータを設けるようにしてもよい。
図10及び図11は本発明の第2実施形態に係り、図10は内視鏡の挿入部と回転アダプタとの他の構成を説明する図、図11は回転アダプタの構成を説明する断面図である。
図10に示すように本実施形態の内視鏡2Aは、回転アダプタの回転体によって得られる推進力によって挿入部61がスムーズに深部に向かって導入されるように、挿入部61の外径寸法を細径に形成するため、先端部64の先端面64aにはチャンネル開口64b及び観察窓64cが設けてある。この内視鏡2Aでは挿入部61を細径に形成したことによって、表面積が減少されて挿入部61の外表面と体腔壁との間の接触抵抗が低下されるとともに、重量が軽量になる。なお、符号65は湾曲部、符号66は可撓管部、符号67は口金部材である。
本実施形態の回転アダプタ7Aは、第1実施形態と同様に口金部材67に図示しない回転止めネジによって一体的に固設されるものであり、この回転アダプタ7Aの外径寸法は例えば大腸壁に接触するように第1実施形態の回転アダプタ7と略同寸法に形成されている。また、回転アダプタ7Aを構成する本体部47の先端面47cには複数(例えば4つ)の照明窓48が設けられている。
図11を参照して回転アダプタ7Aの具体的な構成を説明する。
図に示すように回転アダプタ7Aは、本体部47と、一対のベアリング部42と、回転体43と、磁界発生手段である永久磁石44と、本体部端部45とで主に構成されている。
図に示すように回転アダプタ7Aは、本体部47と、一対のベアリング部42と、回転体43と、磁界発生手段である永久磁石44と、本体部端部45とで主に構成されている。
本体部47は略パイプ形状であり、一端部にはフランジ47aが設けられている。本体部47の長手軸方向中央部には内視鏡2Aの挿入部61の先端部64、湾曲部65及び可撓管部66が挿通可能な貫通孔47bが形成されている。そして、本体部47の先端面47c側であって貫通孔47bの開口周りには照明窓48が配設される第1凹部47dが設けられている。
また、本体部47の基端面側からは前記第1凹部47dに対応する第2凹部47eが設けられている。第2凹部47eにはLEDユニット49が配設されるとともに、このLEDユニット49が第2凹部47eでから脱落するのを防止する蓋体50が配設されるようになっている。LEDユニット49には、照明光を供給する図示しないLEDやLEDに電力を供給する図示しない電池及び各種回路を構成する電気部品等が一体に設けられている。
なお、前記貫通孔47bのフランジ47a側には本体部47が挿入部61に対して回転することを防止する前記第1実施形態と同様の構成の図示しない回転止め凹部が形成されている。また、内視鏡2Aの挿入部61を構成する湾曲部65と可撓管部66とを連結する口金部材67には平面部が設けられている。その他の構成は前記第1実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略している。
上述のように内視鏡2A及び回転アダプタ7Aを構成したことによって、回転アダプタ7Aを構成する回転体43によって発生される推進力によって、重量が軽量でかつ表面積を減少して構成された挿入部61が、スムーズに体腔内深部に向けて導入されていく。
このように、内視鏡の挿入部内に照明光を供給するライトガイドファイバ束を設けることなく、回転アダプタにLEDユニットを設けて照明光を供給する構成にしたことによって、内視鏡の挿入部を細径に形成して挿入部の外表面と体腔壁との間の接触抵抗の低下を図って、かつ、重量を軽量にした挿入部を、回転アダプタの備える回転体の推進力をより効果的に利用して、体腔内の深部に向けてよりスムーズに導入することができる。
なお、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
1…内視鏡装置
2…内視鏡
3…内視鏡挿入補助装置
7…回転アダプタ
8…医療用磁気誘導装置
21…挿入部
25…湾曲部
31…ベッド部
32…磁界発生部
41…本体部
42…ベアリング部
43…回転体
43a…螺旋状突起部
44…永久磁石
代理人 弁理士 伊藤 進
2…内視鏡
3…内視鏡挿入補助装置
7…回転アダプタ
8…医療用磁気誘導装置
21…挿入部
25…湾曲部
31…ベッド部
32…磁界発生部
41…本体部
42…ベアリング部
43…回転体
43a…螺旋状突起部
44…永久磁石
代理人 弁理士 伊藤 進
Claims (7)
- 挿入部に湾曲部を有し、前記挿入部の基端部に設けられた操作部に前記湾曲部を湾曲動作させる湾曲操作手段を設けた内視鏡において、
前記内視鏡の挿入部を構成する湾曲部より基端側に、前記挿入部に対して推進力を付与する螺旋形状部を外周表面に設けた回転体を備える挿入補助具が配設される補助具取り付け部を設けたことを特徴とする内視鏡。 - 挿入部に湾曲部を有し、前記挿入部の基端部に設けられた操作部に前記湾曲部を湾曲動作させる湾曲操作手段を設けた内視鏡と、この内視鏡の挿入部に配設され、前記挿入部に対して推進力を付与する螺旋形状部を外周表面に設けた回転体を備える挿入補助具とを具備する内視鏡装置において、
前記内視鏡の挿入部を構成する湾曲部より基端側に、前記挿入補助具を配設したことを特徴とする内視鏡装置。 - 前記挿入補助具が備える回転体に磁界発生手段を配設する構成において、
さらに、前記回転体に配設された磁界発生手段に作用して、この回転体を所望の状態で回動させる外部磁場を発生する医療用磁気誘導装置を具備することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡装置。 - 前記磁界発生手段は、N極又はS極を有する少なくとも一対の磁性体であることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡装置。
- 前記磁界発生手段は、電磁石であることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡装置。
- 前記挿入補助具に、この挿入補助具に備えられる回転体を回転させる駆動手段を設けたことを特徴とする請求項2に記載の内視鏡装置。
- 前記挿入補助具に、照明光を照射する照明光学部を設けたことを特徴とする請求項3又は請求項6に記載の内視鏡装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004138961A JP2005319036A (ja) | 2004-05-07 | 2004-05-07 | 内視鏡及び内視鏡装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005329000A (ja) * | 2004-05-19 | 2005-12-02 | Olympus Corp | 内視鏡及び内視鏡装置 |
JP2008188360A (ja) * | 2007-02-07 | 2008-08-21 | Olympus Medical Systems Corp | 回転自走式内視鏡装置 |
US8500628B2 (en) | 2006-02-28 | 2013-08-06 | Olympus Endo Technology America, Inc. | Rotate-to-advance catheterization system |
WO2019106906A1 (ja) * | 2017-11-30 | 2019-06-06 | オリンパス株式会社 | 挿入装置用チューブ |
-
2004
- 2004-05-07 JP JP2004138961A patent/JP2005319036A/ja not_active Withdrawn
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US8684913B2 (en) | 2006-02-28 | 2014-04-01 | Olympus Medical Systems Corp. | Rotate-to-advance catheterization system |
US8764640B2 (en) | 2006-02-28 | 2014-07-01 | Olympus Medical Systems Corp. | Rotate-to-advance catheterization system |
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