JP2005318387A - 画像処理装置及びその色判定方法、画像機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 特定色を判別してノイズ低減処理を行うことにより、ハードウェア規模の削減を図りながら高い画質の画像データを得る。
【解決手段】 撮像素子からの出力信号を量子化して得られる画像信号に対し、判定領域に属する複数のカラーフィルタに対応する各画像信号から、判定領域が特定の色領域に属しているか否かを判定し(色判定手段11)、当該判定結果に基づき、特定色領域に属する画像信号に対する第1のノイズ低減処理と、特定色領域とは異なる色領域に属する画像信号に対する第2のノイズ低減処理の一方を選択して実行する(ノイズ低減処理手段13〜15)。
【選択図】 図1

Description

本発明は、カラー画像信号を取り込み、高画質、高速画像処理が必要とされる、特に、電子カメラに用いて好適な画像処理装置及びその色判定方法、画像機器に関する。
CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子(以下、イメージャと称する)を用いた画像入力機器において、より高画質な画像をより高速な処理で実現するために、イメージャにより得られた画像情報を量子化し、様々なデジタル処理を加えて所望の画像を得ることが行われている。その画像入力機器を備えた画像機器では、より高画質化が望まれ、特に被写体の特徴を現す特定色の再現性が重要になっている。例えば、デジタルカメラ若しくはムービー等の電子カメラは、イメージャを搭載した画像入力機器を用いた人物の撮影時において、ISO感度を高めると、イメージャ固有のランダムノイズが画像に重畳され、画像の見栄えに悪影響を及ぼす。
こうしたイメージャのノイズを抑制するため、イメージャにより生成されたカラー画像信号の量子化値に対する様々な画像処理が実施されている。例えば、イメージャより得られたRGBの画像データから、色相と濃淡のデータを加工して、当該色相データを用いて例えば、肌色等の特定色エリアを判別し、この判別された領域における濃淡のデータに対して空間フィルタによる処理を経て高域のノイズを低減させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記した技術によれば、判別領域に相当するか否かで、空間フィルタの種類を変えて(特定色領域に対して強めにローパスフィルタをかける処理)、よりきめ細かいノイズ低減を実施している。以下に具体的に説明する。
図14に上記したノイズ低減処理を行う従来の画像処理装置の構成例を示す。図14において、101はRGB補間回路であり、ここに、図示せぬイメージャからRGBの画像データが入力される。このデータはBayer(ベイヤー)配列であり、例えば、図5に示す様に、水平方向(図中の横方向)R/G列とG/B列の画素に相当するデータである。ここで、RGB補間回路101により、1フレームのRGBのベイヤーデータから、各1フレームずつのRGBデータが補間演算により求められ、各ピクセル当たりそれぞれ1つずつのRGB値を得る。102は濃淡データを演算する濃淡データ取得回路である。RGB補間回路101により得た、1ピクセル当たりのRGB値に従って、以下の演算(1)を行い、最終的には、1フレーム分の濃淡値YOを得る。
(1)YO=0.299R+0.587G+0.114B
このようにして求められた濃淡値YOは、高域抽出回路104および低域抽出回路105に入力され、それぞれ、高域成分のみの1フレームと低域成分のみの1フレームが抽出される。高域抽出回路104もしくは低域抽出回路105は、具体的には、n×nピクセルエリアの空間フィルタ(2次元フィルタ)である。
高域抽出回路104により出力される濃淡信号YHは、ローパスフィルタ(LPF107)のn×nピクセルエリアの空間フィルタ(2次元フィルタ)によりノイズ成分を抑圧されYNとして出力される。そして、合成回路108により、YN値と低域抽出成分であるYLが合成され、最終的な濃淡画像データが得られる。
一方、色相データ取得回路103は、RGB補間回路101により得た、1ピクセル当たりのRGB値よりG値を基準とした色相データを求める手段である。具体的には、以下の演算(2),(3)を行い、最終的に、1フレーム分の色値Cr及びCbを得る。
(2)Cr=0.500R−0.419G−0.081B
(3)Cb=−0.169R−0.332G+0.500B
特定色判断回路106は、特定色の判定手段である。例えば、色相データ取得回路103により得られた1ピクセル分のCrおよびCb値を基に、例えば、肌色領域に入っているか否かを判断し、結果をノイズ低減手段としてのLPF107に入力する。LPF107は、特定色判定回路106の判定結果により、例えば、肌色領域では、より強力にLPF処理を施し、より見栄えの良い画像を生成する。
特公平5−62879号公報
上記した特許文献1に開示された技術によれば、カラー画像において特に雑音が目立ちやすい特定部分からランダムな雑音を取り除き、この特定部分を美しく仕上げることが可能である。
しかしながら、ノイズ低減処理を行うために、複数の空間フィルタ(具体的には、高域抽出回路104、低域抽出回路105、LPF107)が必要となる。空間フィルタは、パイプライン処理によるフィルタ演算を前提とし、例えば、1フレームの画角が縦100、横100ピクセルで、かつ空間フィルタサイズが3×3ピクセルの場合、1つのフィルタにつき、横方向の画像データを保持するFIFO(First-In First-Out)メモリを100ピクセル×2段用意しなければならず、従って、ハードウェア規模の増大と消費電力の増加を招くといった課題を有していた。また、各種フィルタ演算を実施しなければならないため、スループットが低下し、リアルタイム性に欠ける課題もある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、特定色を判別してノイズ低減処理を行うことにより、ハードウェア規模の削減を図りながら高い画質の画像データを得ることのできる画像処理装置及びその色判定方法、画像機器を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために本発明の画像処理装置は、色属性の異なる複数のカラーフィルタを所定の配列でマトリクス状に配列して形成されたフィルタが受光面に貼付された撮像素子からの出力信号を量子化して得られる画像信号に対し、判定領域に属する複数の前記カラーフィルタに対応する各画像信号から、前記判定領域が特定の色領域に属しているか否かを判定する色判定手段と、前記色判定手段による判定結果に基づき、前記特定色領域に属する画像信号に対する第1のノイズ低減処理と、前記特定色領域とは異なる色領域に属する画像信号に対する第2のノイズ低減処理とのいずれか一方を選択して実行するノイズ低減処理手段とを具備することを特徴とする。
本発明の画像処理装置において、前記色判定手段は、前記フィルタが有する赤及び緑のカラーフィルタ、或いは緑及び青のカラーフィルタ、のいずれか一方のカラーフィルタが配列された領域に対応する画像信号から、前記判定領域が前記特定色領域に属しているか否かを仮決定してその結果を記憶し、前記フィルタが有する他方のフィルタが配列された領域に対応する画像信号と前記仮決定結果とから前記判定を行う予測手段を具備することを特徴とする。
本発明の画像処理装置において、前記ノイズ低減手段は、前記第1のノイズ低減処理として、前記画像信号に対応するノイズ量に所定のゲインを乗じた値を画像信号から減算することを特徴とする。
本発明の画像処理装置において、前記色判定手段は、前記特定色領域として肌色を判定することを特徴とする。
本発明の画像処理装置において、前記ノイズ低減手段は、前記色判定手段の判定結果を1フレーム分記憶する記憶手段から読み取られた前記判定結果に基づき、前記特定色領域とされた領域に対して前記第1のノイズ低減処理を行うか否かを判定することを特徴とする。
本発明の色判定方法は、赤、緑及び青の3刺激値に対応したベイヤー配列のカラー画像データを入力として画像処理を行う画像処理装置における色判定方法であって、前記赤及び緑の画像データ、或いは緑及び青の画像データ、のいずれか一方の画像データが配列された領域に対応する前記カラー画像データから、判定領域が特定色領域に属しているか否かを仮判定してその結果を記憶する過程と、他方の画像データが配列された領域に対応する画像信号と前記仮判定結果とから色判定を行う過程とを有することを特徴とする。
本発明の画像機器は、色属性の異なる複数のカラーフィルタを所定の配列でマトリクス状に配列して形成されたフィルタが受光面に貼付された撮像素子からの出力信号を量子化して得られる画像信号に対して、判定領域に属する複数の前記カラーフィルタに対応する各画像信号から、この判定領域が特定の色領域に属しているか否かを判定する色判定手段と、前記色判定手段による判定結果に基づき、前記特定色領域に属する画像信号に対する第1のノイズ低減処理と、前記特定色領域とは異なる色領域に属する画像信号に対する第2のノイズ低減処理とのいずれか一方を選択して実行するノイズ低減処理手段とを備えた画像処理装置を具備することを特徴とする。
本発明によれば、撮像素子からの出力信号を量子化して得られる画像信号に対し、判定領域に属する複数のカラーフィルタに対応する各画像信号から、判定領域が特定の色領域に属しているか否かを判定し、当該判定結果に基づき、特定色領域に属する画像信号に対する第1のノイズ低減処理と、特定色領域とは異なる色領域に属する画像信号に対する第2のノイズ低減処理の一方を選択して実行することにより、ハードウェア規模の削減をはかりながら高い画質の画像データを得ることのできる、画像処理装置および電子カメラをはじめとする各種画像機器を提供することができる。また、ハードウェア規模が削減されたことによる省電力化、ならびにフィルタ演算に要する負荷が軽減されることからスループットの向上がはかれ、リアルタイム応答が可能になる。
更に、本発明によれば、ベイヤー配列のカラー画像データを入力として画像処理を行うのに、赤及び緑の画像データ、或いは緑及び青の画像データのいずれか一方の画像データが配列された領域に対応する画像データから、判定領域が特定色領域に属しているか否かを仮判定し、他方の画像データが配列された領域に対応する画像信号と仮判定結果とから色判定を行うことで、容易に色判定が可能になり、このための画像処理装置にかかる演算負荷が軽減される。
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態について詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態を示すブロック図である。ここでは、CCD等のイメージャから得られた画像データを直接用いて処理することを前提とし、イメージャには、色属性の異なる複数のカラーフィルタを所定の配列でマトリクス状に配列して形成されたフィルタがその受光面に貼付されている。なお、図1に示す実施形態においては、入力及び出力データはRGBベイヤーデータとして扱っているが、補色CCDから得られた画像データとして扱っても良い。
図1において、符号11は、RGBベイヤーデータから特定色を判定する、本発明の色判定手段としての色相判定回路である。ここでは、特定色として肌色領域を判定するものとする。特定色としては、他に、空の青、植物の緑等がある。符号12はノイズテーブルであり、画像データに対応したノイズ量が予め設定され記憶したものである。また、符号13は、乗算器14の乗算係数を決定する乗算係数選択回路、符号15は減算器である。これらノイズテーブル12、乗算係数選択回路13、乗算器14、減算器15で本発明のノイズ低減手段を構成する。回路構成等詳細は図2を用いて後述する。
図3にノイズテーブル12の内容の一例が示されている。横軸は、画像データ(1ピクセル)の値、すなわち明るさを示し、縦軸は各明るさに対応したノイズ量を示す。
図3中の白抜きの棒は、各明るさに対応したノイズ量のデフォルト値を示している。色相判定回路11で肌色領域内に存在すると判定された場合、乗算係数選択回路13でデフォルト値のK倍の係数が選択される。次いで、この選択された係数は、ノイズテーブル12から出力されるノイズ量に乗算器14にて乗算される。この係数が乗じられた後のノイズ量は、減算回路15にてベイヤーデータから減算される。また、図3において、黒で塗りつぶした棒は、あるノイズ量をK倍したときのノイズ量を示している。
次に、色相判定を主に、ノイズ低減処理について更に詳しく説明する。
RGBベイヤー配列の場合、R画素、G画素、B画素からなる4つの画素を1つのエリアと考え、当該4つの画像データから肌色領域を判定する。
図4は、ベイヤー配列の一例を示す図である。図4では、4ピクセル×4行(R/G画素の行とG/B画素の行)にて1フレームのベイヤー配列としている。なお、実際はこのような少ないピクセル数ではないが、便宜上、図4の例で説明する。肌色判定のための領域は、例えば、図4の破線Iで囲んだエリアで考える。この場合、R00、G00、G10、B10の4画素の画像データにて肌色か否かを判定し、肌色に相当した場合は、B10の画像データに対応したノイズ量をK倍して、B10自身の画像データから減算する。
すなわち、4つの画像データから領域判定を行い、判定された結果に対するノイズ低減処理を、右下の画像データB10に対して実施する。破線Iに対する肌色領域の判定とこの結果を受けたノイズ低減処理を終えたら、次は、図4中、破線IIにて囲まれた領域での処理を実施する。この場合、G00、R01、B10、G11の4画素の画像データにて肌色か否かを判定し、肌色に相当した場合は、右下のG11の画像データに対応したノイズ量をK倍して、G11自身の画像データから減算する。
こうしてノイズ低減処理後のデータは、図4における4×4のベイヤーデータより、図4内の斜線で示す3×3のデータとして得られる。尚、フレームの左端、及び上端の画像データは、ノイズ低減処理後無効になるが、実際にはメガピクセル相当の画素数であるため影響は無い。
図2に、図1の詳細回路構成を示す。具体的には、図1における色相判定回路11と、ノイズ量に乗ずる乗算係数選択回路13の内部構成を示したものである。
図2において、符号21〜23は、それぞれ、RGBベイヤーデータから、Rデータ、Gデータ、Bデータを取り込むフリップフロップである。フリップフロップ21は、図6に示す表1に従い動作する。ここでは、信号S0とS1が共に“High(1)”の状態の際にイネーブル端子CEは“1”になり、データ端子DからRデータを取り込みQに出力する。なお、CEが“Low(0)”の場合は、前に記憶した値を保持する。
上記と同様に、フリップフロップ22は、図6に示す表2に従い動作し、フリップフロップ23は、図6に示す表3に従い動作する。
符号24〜26は、1クロックのデータ遅延用フリップフロップである。フリップフロップ24〜26は、図7に示す表4に従い動作する。また、符号27は、フリップフロップ21の出力、もしくはフリップフロップ24の出力を選択するRデータ用セレクタである。セレクタ27は、S0が“1”のときにはフリップフロップ21からのRデータ出力を選択し、S0が“0”のときにはフリップフロップ24からのRデータ出力を選択する。当該セレクタ27は、図7に示す表5に従い動作する。
符号28は、フリップフロップ22の出力もしくはフリップフロップ25の出力を選択するGデータ用セレクタである。セレクタ28は図7に示す表6に従い動作する。また、符号29は、フリップフロップ23出力もしくはフリップフロップ26出力を選択するBデータ用セレクタである。当該セレクタ29は図7に示す表7に従い動作する。
符号212は、肌色検出用のRデータの上限値を保持するRhレジスタ、符号213は、肌色検出用のRデータの下限値を保持するRlレジスタである。また、符号214は、肌色検出用のGデータの上限値を保持するGhジスタ、符号215は、肌色検出用のGデータの下限値を保持するGlレジスタである。更に、符号216は、肌色検出用のBデータの下限値を保持するBlレジスタである。
また、符号217はRhレジスタ212とR画素のデータを比較する比較器(CMP1)である。比較器217は、図8の表11に記載の肌色領域抽出条件のR≦Rhを満たした場合に出力は1となる。また、符号218は、Rlレジスタ213とR画素のデータを比較する比較器(CMP2)である。比較器218は、図8の表11記載の肌色領域抽出条件のR≧Rlを満たした場合に出力は1となる。
また、符号219は、Ghレジスタ214とG画素のデータを比較する比較器(CMP3)である。比較器219は、図8の表11記載の肌色領域抽出条件のG≦Ghを満たした場合に出力は1となる。また、符号220は、Glレジスタ215とG画素のデータを比較する比較器(CMP4)である。比較器220は、図8の表11記載の肌色領域抽出条件のG≧Glを満たした場合に出力は1となる。また、符号221は、Blレジスタ216とB画素のデータを比較する比較器(CMP5)である。比較器221は、図8の表11記載の肌色領域抽出条件のB≦Blを満たした場合に出力は1となる。
こうして、比較器217〜221による比較結果が全て“1”になった場合、上記したR画素、G画素、B画素からなる4画素を1エリアとした領域は肌色であると判断できる。
図9に、RGB空間での肌色領域の一例を示す。図9中、R軸において、Rh≧R≧Rlの領域がR軸における肌色領域である。また、G軸において、Gh≧G≧Glの領域がG軸における肌色領域である。R軸及びG軸に共通の肌色領域は、図9における四角形A1−B1−C1−D1−A1の範囲内になる。更に、B軸において、Bl≧Bの領域がB軸における肌色領域である。従って、R軸及びG軸及びB軸に共通な肌色領域は、多角形A1−D1−D2−A2−B2−C2−C1−B1−A1の範囲内になる。これが最終的な肌色領域である。
説明を図2に戻す。符号222は、R/G行のベイヤー配列を用いた肌色検出用のANDゲートである。図4に示す画像データ配列を参考にすれば、例えば、R00とG00が共に肌色領域か否かを判定する。すなわち、ANDゲート222で図9におけるR軸及びG軸に共通の肌色領域に相当する四角形A1−B1−C1−D1−A1を判定し、この領域内に存在する場合、ANDゲート222は、“1”を出力する。
符号223は、G/B行のベイヤー配列を用いた肌色検出用のANDゲートである。図4に示す画像データ配列を参考にすれば、例えば、G10とB10が共に肌色領域か否かを判定する。すなわち、ANDゲート223で図9におけるG軸及びB軸に共通の肌色領域に相当する四角形A1−A2−B2−B1を判定し、この領域内に存在する場合、ANDゲート223は、“1”を出力する。
符号224は、R/G行のベイヤー配列を用いた肌色検出と、FIFOメモリ227から読み出された1行前のG/B行のベイヤー配列を用いた肌色検出結果との論理積演算を行うANDゲート、符号226は、G/B行のベイヤー配列を用いた肌色検出と、FIFOメモリ227から読み出された1行前のR/G行のベイヤー配列を用いた肌色検出結果との論理積演算を行うANDゲートである。
また、符号225は、R/G行のベイヤー配列を用いた肌色検出、もしくはG/B行のベイヤー配列を用いた肌色検出をFIFOメモリ227に出力するためのセレクタである。セレクタ225は、図7に示す表8に従い動作する。なお、FIFOメモリ227は、1フレームにおけるベイヤー配列の1行分の画素数に相当する1ビットの記憶素子を有するものとする。
符号230は、ANDゲート224、226の出力を選択するセレクタであり、図8に示す表9に従い動作する。また、符号228および符号229は、ノイズ量に乗算する乗算係数が設定される乗算係数レジスタである。符号232は、乗算係数レジスタ228、229を選択するセレクタであり、図1に示す乗算係数選択回路13に相当する。セレクタ232は、肌色領域にあると判定された場合、乗算係数レジスタ228に設定された係数Kを選択する。なお、Kはあらかじめ設定される任意の値とする。
符号231は、ノイズ量が定義されるルックアップテーブルであり、図1に示すノイズテーブル12に相当する。符号233は乗算器であり、図1の乗算器14に相当する。
なお、符号210は、画像データに同期した転送クロックCLKと水平/垂直ブランキング信号を制御するANDゲート、符号211は、S0、S1信号を生成するシーケンサである。ここで、S1は水平ブランキングの開始毎にトグルし、S0はANDゲート210の出力のクロックをトグルした信号である。
図5は、図2に示す画像処理装置の動作を示すタイミングチャートである。以下、図5に示すタイミングチャートを参照しながら、図2に示す画像処理装置の動作について、色相判定を主に説明する。
図5中、CLKは、画像データに同期した転送クロックである。垂直(V)ブランキングは“High”(有効期間)とする。水平(H)ブランキングは、ベイヤー配列の行方向に画像データを出力する毎にブランキングレベル“Low”になるものとする。S1は、“High”でベイヤー配列のR/G画素列の出力中とし、“Low”でベイヤー配列のG/B画素列の出力中とする。S0は、1画素出力する毎に“Low”/“High”を繰り返す。RGBデータは、ベイヤー配列に従って読み出されるRGB画素の画像データであり、例えば、図4に示す配列に従って、R00、G00、R01、G01の順番に読み出される。FIFOメモリ227は、開始時点において1にプリセットされている。
図5において、まず、R00とG00で、G00の読み出し時刻にて肌色判定が行われる。なお、R00は、フリップフロップ24で1クロック遅延した値を用いる。判定結果は、図5中のC01であり、この結果がFIFOメモリ227に書き込まれる。次に、G00とR01で、R01の読み出し時刻にて肌色判定が行われる。なお、G00は、フリップフロップ25で1クロック遅延した値を用いる。判定結果は、図5中のC02であり、この結果がFIFOメモリ227に書き込まれる。
続いて、R01とG01で、G01の読み出し時刻にて肌色判定が行われる。なお、R01は、フリップフロップ24で1クロック遅延した値を用いる。ここでの判定結果は、図5中のC03であり、この判定結果がFIFOメモリ227に書き込まれる。以上で、図4に示される最初の1行に関する肌色判定が完了し、その判定結果は、FIFOメモリ227に書き込まれる。そして、Hブランキングレベルが“Low”から“High”になった後、G10、B10、G11、B11の順番に読み出される。
次に、G10とB10で、B10の読み出し時刻にて肌色判定が行われる。なお、G10は、フリップフロップ25で1クロック遅延した値を用いる。判定結果は、図5中のC11であり、その結果がFIFOメモリ227に書き込まれる。この判定結果のC11は、同時刻にFIFOメモリ227から読み出された値C01とANDゲート226で論理積演算を行うことで、R00、G00、G10、B10エリアでの肌色判定の最終結果になる。
続いて、B10とG11で、G11の読み出し時刻にて肌色判定が行われる。なお、B10は、フリップフロップ26で1クロック遅延した値を用いる。判定結果は、図5中のC12であり、FIFOメモリ227に書き込まれる。判定結果C12は、同時刻にFIFOメモリ227から読み出された値C02とANDゲート226で論理積演算を行うことにより、G00、R01、B10、C11エリアでの肌色判定の最終結果になる。
次に、G11とB11が入力され、B11の読み出し時刻にて肌色判定が行われる。なお、G11は、フリップフロップ25で1クロック遅延した値を用いる。判定結果は、図5中、C13であり、FIFOメモリ227に書き込まれる。判定結果C13は、同時刻にFIFOメモリ227から読み出された値C03とANDゲート226で論理積演算を行うことにより、R01、G01、G11、B11エリアでの肌色判定の最終結果になる。
こうして、肌色の判定結果であるセレクタ230の出力Y(図5中の230Y出力)が得られる。なお、図5中、230Y出力が“High”の時において、ノイズ量がK倍される。
図10は、本発明の他の実施形態を示すブロック図である。上記した肌色検出においては、ベイヤー画像データ4画素で判定を行うために肌色を過検出しやすい。ノイズ低減処理が要求されるケースは、人物画像等のポートレート写真に代表されるような肌色領域が1フレームの画角に対して支配的な場合である。従って、ここに示す実施形態では、1フレームの画像中にどの程度の肌色画素が含まれているかを判別し、この結果を用いてノイズ低減処理を行う。
以下に具体的に説明する。図10において、符号81はセレクタであり、入力されるベイヤー画像、もしくはフレームメモリ86に蓄えられた1フレーム分のベイヤー画像を上位コントローラであるCPU83からの信号S1で選択する。本実施形態では、S1が“High”の時に入力されるベイヤー画像を選択するものとする。符号82は色相判定回路であり、ここで上記したベイヤー画像データ4画素から肌色判定結果を出力する。なお、色相判定回路82は、図2の破線エリアで囲んだ領域相当の回路である。また、符号84はセレクタであり、上記したセレクタ81で選択された画像データ、もしくは当該画像データのノイズ低減結果(ノイズ低減回路(NR回路)87の出力)を選択する。本実施形態では、S1が“High”の時にセレクタ81を介して入力されるベイヤー画像を選択するものとする。
符号85は、色相判定回路82により検出された肌色判定結果をカウントするカウンタである。図2中のセレクタ230の出力であるYが“High”の期間において画像転送クロック毎に1インクリメントする。符号87はノイズ低減回路(NR回路)である。
上記構成において、先ず、1フレーム分のベイヤー画像がセレクタ81および84を経て、フレームメモリ86に蓄積される。この画像データの蓄積と並行して、色相判定回路82により肌色検出が行われると共に、カウンタ85で肌色検出結果のカウントが行われる。このとき、CPU83からの選択信号S1は、“High”である。
CPU83は、カウンタ値を、1フレーム分のベイヤー画像データがフレームメモリ86へ蓄積された時点で読み込む。カウンタ値が所望の値より大きい場合、CPU83は、画像データの肌色が支配的であると判断し、選択信号S2を“High”にする。次に、CPU83は、選択信号S1を“Low”にすることで、フレームメモリ86に蓄積された画像データをノイズ低減回路87に送る。このノイズ低減回路87でノイズ低減処理が実行された結果の画像データは再び、フレームメモリ86に蓄積される。
なお、カウンタ85によるカウント値が所望の値より小さい場合、CPU83は、画像データは肌色が支配的でないと判断し、選択信号S2を“Low”にする。このS2の信号は、図2中のセレクタ232のセレクト信号(セレクタ230の出力Y)をマスクする。
このように制御することで、乗算係数設定回路228のゲインKがノイズ量に乗算されることなく肌色領域外のノイズ低減処理が1フレーム全てに渡って実行される。
図11は、図1および図2に示した画像処理装置を画像機器としての電子カメラへ適用した場合の実施形態を示すブロック図である。
図11において、符号91はCCD等の撮像素子である。また、符号92は、撮像素子91から得られたアナログ画像データをベイヤーの画像データに変換するA/D回路である。符号93は上記したノイズ低減装置である。符号94は、本発明によりノイズ低減された後のベイヤー画像データをRGBに3板化する回路である。符号95は、RGB94で3板化されたデータに対して色調整を実施する色補正回路であり、符号96は、画像データをメディアへ記録するための記録回路である。また、符号98は、画像データをCRT等の表示装置に表示出力するための表示回路である。符号97は、上記した各ブロック93〜96ならびに表示装回路98を制御する上位コントローラである。
図12、図13は、本発明による特定色の判定処理をソフトウェアで実現する場合の処理の流れをフローチャートで示した図である。
以下に、処理の流れを説明する。まず、ベイヤー水平方向の画素カウント値iと垂直方向画素カウント値jをクリアする(S132)。続いて、レジスタL0に特定色のR軸判定用の下限値Rlを代入し、レジスタH0に特定色のR軸判定用の上限値Rhを代入する。また、レジスタL1に特定色のG軸判定用の下限値G1を代入し、レジスタH1に特定色のG軸判定用の上限値Ghを代入する(S133)。
次に、j値がVmax値と比較され(S134)、ここで、J値がVmaxを超えていたら1フレームの判別処理は終了する。否の場合、任意の1ピクセル分のベイヤー画像データD[i]が、R軸判定用の下限値Rlと上限値Rhの領域内(もしくはG軸判定用の下限値Glと上限値Ghの領域内)に存在するかを判定する(S135)。続いて、ベイヤー画像データに隣接するデータD[i+1]が、G軸判定用の下限値Glと上限値Ghの領域内(もしくはR軸判定用の下限値Rlと上限値Rhの領域内)に存在するか否かを判定する(S136)。
S135、S136の判定結果が共に領域内のときのみ、判定結果レジスタDET0[i+1]に“1”が書き込まれ(S137)、S135、S136のいずれかの判定結果が領域外ならば、判定結果レジスタDET0[i+1]に“0”が書き込まれる(S138)。続いて、j値が0のときは(S139でYES)、S141に進み、0でないときは(S139でNO)、S137もしくはS138で得られた、隣接画素による、特定色判定結果と、垂直方向に1行前の隣接画素による特定色判定結果との論理積演算を実行し、最終的な特定色判定結果としてDET[i+1]に格納する(S140)。続いて、i値がHmax値と比較され(S141)、ベイヤー画像データの水平方向の終了を判定する。
ここで未だ終了していない場合は、ベイヤー水平方向の画素カウント値iを+1更新する(S142)。終了した場合は、ベイヤー水平方向の画素カウント値iをクリアし、垂直方向画素カウント値jを+1更新する。更に、水平方向の判定結果レジスタDET0[i](i=1,・・・,Hmax−1)をDET1[i](i=1,・・・,Hmax−1)にコピーする(図13、S143)。続いて、垂直方向画素カウント値jが奇数か偶数かを判定し(S144)、奇数の場合は、レジスタL0に特定色のG軸判定用の下限値Glを代入し、レジスタH0にG軸判定用の上限値Ghを代入する。また、レジスタL1に特定色のB軸判定用の下限値Blを代入し、レジスタH1に特定色のB軸判定用の上限値Bhを代入する(S145)。一方、S144による判定が偶数の場合は、レジスタL0に特定色のR軸判定用の下限値Rlを代入し、レジスタH0に特定色のR軸判定用の上限値Rhを代入する。また、レジスタL1に特定色のG軸判定用の下限値Glを代入し、レジスタH1に特定色のG軸判定用の上限値Ghを代入する(S146)。
以上説明したように本実施形態によれば、撮像素子からの出力信号を量子化して得られる画像信号に対し、判定領域に属する複数のカラーフィルタに対応する各画像信号から、判定領域が特定の色領域に属しているか否かを判定する。そして、当該判定結果に基づき、特定色領域に属する画像信号に対する第1のノイズ低減処理と、特定色領域とは異なる色領域に属する画像信号に対する第2のノイズ低減処理とのいずれか一方を選択して実行する。これにより、ハードウェア規模の削減を図りながら高い画質の画像データを得ることが可能な画像処理装置、及び電子カメラをはじめとする各種画像機器を提供することができる。また、ハードウェア規模が削減されたことによる省電力化、ならびにフィルタ演算に要する負荷が軽減されることからスループットの向上が図れ、リアルタイム応答が可能になる。
また、ベイヤー配列のカラー画像データを入力として画像処理を行うために、赤及び緑の画像データが配列された領域に対応する画像データから、判定領域が特定色領域に属しているか否かを仮判定し、緑及び青の画像データが配列された領域に対応する画像信号と仮判定結果とから色判定を行う画像処理装置における色判定方法を提供することが可能となる。このことにより、色判定が容易になり、画像処理装置にかかる演算負荷が軽減される。
なお、本実施形態においては、特定色領域として人物の肌色を判定することを例に挙げて説明したが、他に、空の青、植物の緑等についても同様に応用が可能である。また、本実施形態では、ハードウェアにより実現する方法とソフトウェアにより実現する方法について説明したが、一部をハードウェア又はソフトウェアで実現しても同様の効果が得られる。
本発明の一実施形態を示すブロック図である。 図1の詳細を示す回路構成図である。 図1に示すノイズテーブルの内容を説明するために引用した図である。 画像データの配列の一例を示す図である。 図2に示す本発明実施形態の動作タイミングチャートである。 本発明実施形態の動作を表形式で示した図である。 本発明実施形態の動作を表形式で示した図である。 本発明実施形態の動作を表形式で示した図である。 肌色領域を説明するために引用した図である。 本発明の他の実施形態を示すブロック図である。 本発明の画像機器の構成例を示す図である。 本発明をソフトウェアで実現する場合の処理フローチャートである。 本発明をソフトウェアで実現する場合の処理フローチャートである。 従来例を示すブロック図である。
符号の説明
11…色相判定回路(色判定手段)、12…ノイズテーブル(ノイズ低減処理手段)、13…乗算係数選択回路(ノイズ低減処理手段)、14…乗算器(ノイズ低減処理手段)、15…減算器(ノイズ低減処理手段)。

Claims (7)

  1. 色属性の異なる複数のカラーフィルタを所定の配列でマトリクス状に配列して形成されたフィルタが受光面に貼付された撮像素子からの出力信号を量子化して得られる画像信号に対し、判定領域に属する複数の前記カラーフィルタに対応する各画像信号から、前記判定領域が特定の色領域に属しているか否かを判定する色判定手段と、
    前記色判定手段による判定結果に基づき、前記特定色領域に属する画像信号に対する第1のノイズ低減処理と、前記特定色領域とは異なる色領域に属する画像信号に対する第2のノイズ低減処理とのいずれか一方を選択して実行するノイズ低減処理手段と、
    を具備することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記色判定手段は、
    前記フィルタが有する赤及び緑のカラーフィルタ、或いは緑及び青のカラーフィルタ、のいずれか一方のカラーフィルタが配列された領域に対応する画像信号から、前記判定領域が前記特定色領域に属しているか否かを仮決定してその結果を記憶し、前記フィルタが有する他方のフィルタが配列された領域に対応する画像信号と前記仮決定結果とから前記判定を行う予測手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記ノイズ低減手段は、
    前記第1のノイズ低減処理として、前記画像信号に対応するノイズ量に所定のゲインを乗じた値を画像信号から減算することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記色判定手段は、
    前記特定色領域として肌色を判定することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  5. 前記ノイズ低減手段は、
    前記色判定手段の判定結果を1フレーム分記憶する記憶手段から読み取られた前記判定結果に基づき、前記特定色領域とされた領域に対して前記第1のノイズ低減処理を行うか否かを判定することを特徴とする請求項1または3に記載の画像処理装置。
  6. 赤、緑及び青の3刺激値に対応したベイヤー配列のカラー画像データを入力として画像処理を行う画像処理装置における色判定方法であって、
    前記赤及び緑の画像データ、或いは緑及び青の画像データ、のいずれか一方の画像データが配列された領域に対応する前記カラー画像データから、判定領域が特定色領域に属しているか否かを仮判定してその結果を記憶する過程と、
    他方の画像データが配列された領域に対応する画像信号と前記仮判定結果とから色判定を行う過程と、
    を有することを特徴とする色判定方法。
  7. 色属性の異なる複数のカラーフィルタを所定の配列でマトリクス状に配列して形成されたフィルタが受光面に貼付された撮像素子からの出力信号を量子化して得られる画像信号に対して、判定領域に属する複数の前記カラーフィルタに対応する各画像信号から、この判定領域が特定の色領域に属しているか否かを判定する色判定手段と、前記色判定手段による判定結果に基づき、前記特定色領域に属する画像信号に対する第1のノイズ低減処理と、前記特定色領域とは異なる色領域に属する画像信号に対する第2のノイズ低減処理とのいずれか一方を選択して実行するノイズ低減処理手段とを備えた画像処理装置、
    を具備することを特徴とする画像機器。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007110576A (ja) * 2005-10-17 2007-04-26 Fujifilm Corp 被写体像データの色補正装置およびその制御方法
US8036457B2 (en) 2006-10-30 2011-10-11 Sony Corporation Image processing apparatus with noise reduction capabilities and a method for removing noise from a captured image
JP2014192543A (ja) * 2013-03-26 2014-10-06 Fuji Xerox Co Ltd 画像処理装置及び画像形成装置

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