JP2005316759A - 移動体の障害物回避方法及び該移動体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 移動体が円滑にかつ安全に自律走行でき、特に一般家庭等の不規則で乱雑な環境下においても障害物を安定的に回避することができ、狭隘部においても走行不能状態に陥らない移動体の障害物回避方法及び該移動体を提供する。
【解決手段】 移動体に設けられたセンサにて取得した検出距離に基づき、障害物を回避しながら自律走行する方法において、前記センサが、移動体側面に配設された一または複数の指向性センサであり、該指向性センサにより、移動体進行方向を中心として水平面内で放射状に検出距離を取得するステップ(S1)と、各検出方位角に対する検出距離の軌跡から多項式近似式を導出するステップ(S7)と、前記多項式近似式の極大点を抽出し、該極大点に対応する方位を一時的な回避進行方位に設定するステップ(S8)と、を有し、前記検出距離の取得を繰り返し行ない、前記回避進行方位を随時変更する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、移動体に設けられたセンサにて移動体周囲の障害物を検知し、該障害物を回避しながら自律走行する移動体技術に関し、特に相対的に移動する対象に対して安定的に回避行動をとり、また狭隘部を円滑に通過することができる移動体の障害物回避方法及び該移動体に関する。
従来より、自律的に行動する移動体に関する技術は種々提案されており、またこのような移動体は各種工業に広く利用されている。工業分野にて利用されている移動体は、整備された環境下で動作するものであったが、近年、不規則で乱雑な環境下、即ち一般家庭や各種施設等においても移動体の導入が要望されており、このような無秩序な環境下でもフレキシブルに動作する移動体が必要とされている。
移動体の主要な技術の一つとして、到達目標地点へ向けて自律走行する際に、進行方向に位置する障害物を検知し、回避する技術が挙げられる。
これは、未知の領域において移動体が円滑に移動するために、移動体に配設されたセンサにより走行領域に存在する障害物を検知し、該障害物を回避する経路を選択するものである。
特許文献1(特許第2608509号公報)、特許文献2(特許第2627472号公報)には、移動体の幅方向に複数配置した距離検出手段によって前方障害物から移動体までの距離を測定し、障害物を検知した距離検出手段の各幅方向の位置と検出距離に基づいて、移動体が障害物を回避するための旋回方向と旋回半径を計算して障害物を回避する方法が記載されている。特許文献1、2では、移動体は計算した旋回方向と旋回半径に基づき障害物の回避軌道を移動するが、前記距離検出手段が障害物を検知しなくなっても移動体が障害物の横に到達するまで旋回動作を続行させる。
しかしながら、この方法は移動体の幅方向に距離検出手段を列設する構成となっているため、移動体が円形断面を有するときには、移動体前方に距離検出手段を列設するための治具をせり出して距離検出手段を配置する工夫が必要となるばかりか、移動体の外観上のイメージが悪くなるという問題がある。
また、移動体と正対する障害物が平面ではなく、移動体の側方に壁などがあり、その距離が適切に保たれていない場合には旋回動作を行ったときに壁に衝突してしまうという問題がある。
以上のように、上記した特許文献1、2では、ある程度の開放空間に障害物が置かれた環境で、しかも移動体の前方に障害物がある場合にのみ有効な方法であり、その使用条件には限界があり、例えば廊下などの狭隘部を衝突することなく通過するといった方法としては使用できないという問題がある。
また、他の従来例としては、上記した特許文献1、2の中でも示されているように、移動体の進行方向側に備えた障害物検出器が移動経路近傍に存在する障害物を検知し、所定の距離になると移動体を停止させるという方法がある。
しかしながら、この方法では障害物の存在する環境では移動体が自律移動を行えないことになる。
さらに、移動体の進行方向側にカメラなどの視覚センサを備え、これによって移動体の進行方向を撮像し、撮像した画像情報を画像処理して障害物を検出して障害物を回避する経路を生成するという方法があるが、画像処理速度の問題によりリアルタイムな制御が行えないという問題があった。
特許第2608509号公報 特許第2627472号公報
従って、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、移動体が円滑にかつ安全に自律走行でき、特に一般家庭等の不規則で乱雑な環境下においても障害物を安定的に回避することができ、さらには狭隘部においてもデッドロック状態に陥らず、目的地点まで円滑に到達可能な移動体の障害物回避方法及び該移動体を提供することを目的とする。
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、
移動体に設けられたセンサにより障害物までの距離を検出し、検出距離に基づき前記障害物を回避しながら自律走行する移動体の障害物回避方法において、
前記センサが、移動体側面に配設された一または複数の指向性センサであり、該指向性センサにより、移動体進行方向を中心として水平面内で放射状に複数の検出距離を取得する検出距離取得ステップと、
各検出方位角に対する検出距離の軌跡から多項式近似式を導出する近似式導出ステップと、
前記多項式近似式の極大点を抽出し、該極大点に対応する方位を一時的な回避進行方位に設定する方位設定ステップと、を有し、
前記指向性センサによる検出を目的地に到達するまで繰り返し行ない、前記方位設定ステップにて設定された回避進行方位を随時変更することを特徴とする。
本発明において、前記指向性センサには例えば赤外線センサが挙げられ、該指向性センサの検知領域は、移動体の前方域から左右側方域を含む領域とすることが好適である。
このように本発明によれば、移動体の側面に設置したセンサにより移動体周囲を放射状に検出しているため、移動体周囲の壁等の障害物に対しても適当な間隔を置いて走行することができ、障害物回避の際にも壁等に衝突することなく移動することができる。従って、障害物回避だけでなく、移動体の幅に対して非常に狭い廊下等の狭隘部の通過にも対応可能である。
また本発明では、各検出方位角に対する検出距離を多項式にて近似することにより、検出距離を取得していない方位を補間することができ、認識対象である障害物の形状、大きさ、配置等を容易に導出でき、障害物の存在しない最も安全な回避経路を選択することが可能となる。即ち、不規則に分布する検出データ列であっても多項式近似により線形補間を行なうことにより、移動体周囲の走行環境を的確に把握することができるため、前記指向性センサの設置個数、検出回数を少なくすることができ、演算負荷を軽減することができ、処理速度を高速化して応答性を向上できるとともに、センサ設置コストを低減できる。
尚、本発明では、多項式近似式の係数を決定する方法として最小二乗法を用いることが好適である。
また、前記指向性センサが移動体の周方向に複数配設されたセンサ群であり、前記検出距離取得ステップにて、前記センサ群により放射状に複数の検出距離を取得することを特徴とする。
このように、複数のセンサからなるセンサ群にて検出を行なうことにより、駆動系を利用してセンサを回動させ検出領域を走査する場合に対して、駆動系を利用しないため不具合が発生することが少なく、安定的に検出動作を行なわせることができる。
前記発明に対して、前記指向性センサが、移動体周囲を放射状に走査する少なくとも1のセンサであり、前記検出距離取得ステップにて、1のセンサにより複数の検出距離を取得するように構成しても良い。
これは、一の指向性センサの検出データを基に多項式近似式を導出しているため、複数のセンサを利用した場合における各センサ精度の個体差による測定誤差がなく、より正確な近似式を導き出すことができる。
これらの方法は、夫々の移動体の適用場所、制限コスト等の各種条件により選択することが好ましい。
また、前記検出距離取得ステップでは、前記取得した検出距離に対して有効な値とする範囲を予め設定しておき、有効範囲内の検出距離のみを採用するようにし、
前記有効範囲を、前記移動体の走行速度に比例的に変化させることを特徴とする。
これにより、センサ自体の精度に起因する検出データのばらつきを防止することができる。さらに、本発明では、前記移動体の走行速度が速い場合には前記有効範囲を広げ、走行速度が遅い場合には該有効範囲を狭めることにより、移動体の慣性による障害物との衝突を確実に防止する。
また、前記方位設定ステップにて、前記移動体の旋回角度変化を低減する特性を有する重み係数を予め設定しておき、該重み係数を前記回避進行方位に掛け、該回避進行方位を修正することを特徴とする。
本発明によれば、前記設定された回避進行方位に対して前記重み係数を掛けることにより、急激な旋回を防止し、移動体が滑らかな回避動作を行なうようになる。
このとき、前記重み係数を、前記取得した検出距離に応じて反比例的に変化させることを特徴とすることが好ましい。
これは、前記検出距離が短い場合には前記重み係数を大きい値とし、前記設定された回避進行方位にほぼ忠実に旋回動作を行なうようにし、前記検出距離が長い場合には前記重み係数を小さい値とし、前記設定された回避進行方位に基づく旋回角度を小さくするようにした。これにより、移動体と障害物との相対距離が短い場合には、確実に旋回動作を行ない障害物への衝突を避け、前記相対距離が長い場合には滑らかな旋回動作を行なうことを優先させて、円滑な回避動作を行なうようにした。
さらに、前記検出距離取得ステップにて、前記取得した検出距離が、障害物回避困難な相対距離として設定された閾値より小である場合には、前記移動体を停止するとともに警告手段により警告を発することを特徴とする。
このように、前記閾値を設定することにより、障害物の回避可否を判断することができ、通過困難な場合に移動体が立ち往生するデッドロック状態を避けることができる。
また、警告手段を設けることにより、通過困難な場合に利用者側が即時対応することが可能となる。
さらに、前記移動体の側面に、前記指向性センサの検出領域と重複する検出領域、若しくは前記指向性センサの検出領域と垂直方向に重複する検出領域を有する広域性センサを設け、
前記検出距離取得ステップにて、前記広域性センサの検出距離が、障害物回避困難な相対距離として設定された閾値より小となった場合に、前記指向性センサの検出距離に関わらず前記移動体を停止することを特徴とする。
このように、例えば超音波センサ等のように広視野を検出できる広域性センサを併用することによって、狭視野の指向性センサによる障害物の検知漏れを防ぐことができる。
さらにまた、前記方位設定ステップにて、前記抽出した極大点の時系列データを蓄積し、該時系列データの移動平均を算出し、該移動平均に基づき前記回避進行方位に指令を与えることを特徴とする。
これにより、移動体が細かい旋回動作を繰り返すことなく、滑らかな自律走行を行えるようになる。
また、これらの発明を好適に実施する装置の発明として、
障害物までの距離を検出するセンサが設けられ、検出距離に基づき前記障害物を回避しながら自律走行する移動体において、
前記センサが、移動体側面に周方向に複数配設された指向性センサ群であり、該指向性センサ群により移動体進行方向を中心として水平面内で放射状に複数の検出距離を取得する距離検出手段と、
各検出方位角に対する検出距離の軌跡から多項式近似式を導出する近似式導出手段と、
前記多項式近似式の極大点を抽出し、該極大点に対応する方位を一時的な回避進行方位に設定する方位設定手段と、を有し、
前記指向性センサによる検出を目的地に到達するまで繰り返し行ない、前記方位設定手段にて設定された回避進行方位を随時変更することを特徴とする。
また、別の発明として、障害物までの距離を検出するセンサが設けられ、検出距離に基づき前記障害物を回避しながら自律走行する移動体において、
前記センサが、移動体側面に配設され移動体周囲を放射状に走査する少なくとも1の指向性センサであり、該指向性センサにより水平面内で複数の検出距離を取得する距離取得手段と、
各検出方位角及び検出距離の軌跡から多項式近似式を導出する近似式導出手段と、
前記多項式近似式の極大点を抽出し、該極大点に対応する方位を一時的な回避進行方位に設定する方位設定手段と、を有し、
前記指向性センサによる検出を目的地に到達するまで繰り返し行ない、前記方位設定手段にて設定された回避進行方位を随時変更することを特徴とする。
さらに、前記取得した検出距離が、障害物回避困難な相対距離として設定された閾値より小である場合に前記移動体を停止する手段を設けるとともに、警告を発する警告手段を設けたことを特徴とする。
さらにまた、前記移動体の側面に、前記指向性センサの検出領域と重複する検出領域、若しくは前記指向性センサの検出領域と垂直方向に重複する検出領域を有する広域性センサを設けるとともに、該広域性センサの検出距離が、障害物回避困難な相対距離として設定された閾値より小となった時に、前記指向性センサの検出距離に関わらず前記移動体を停止する手段を設けたことを特徴とする。
以上記載のごとく本発明によれば、一般家庭のように不規則で乱雑な環境下であっても、障害物を回避し、円滑にかつ安定的に自律走行可能な移動体の障害物回避方法及び該移動体を提供することが可能である。
即ち、本発明によれば、移動体の側面に設置したセンサにより移動体周囲を放射状に検出しているため、移動体周囲の障害物に対しても適当な間隔を置いて走行することができ、障害物回避だけでなく、移動体の幅に対して非常に狭い廊下等の狭隘部の通過にも対応可能となる。
また本発明では、各検出方位角に対する検出距離を多項式にて近似することにより、検出距離を取得していない方位を補間することができ、最も安全な回避経路を選択することが可能となる。さらに、少ない検出データで移動体周囲の走行環境を的確に把握することができるため、前記指向性センサの設置個数、検出回数を少なくすることができ、演算負荷を軽減することができるとともに、センサ設置コストを低減できる。
また、前記取得した検出距離に対して有効範囲を設定することにより、センサ自体の精度に起因する検出データのばらつきを防止することができる。
さらに、回避進行方位に対して重み係数を設けることにより、急激な旋回を防止し、移動体が滑らかな回避動作を行なうようになる。
また、障害物回避困難な相対距離として設定された閾値を設定することにより、障害物の回避可否を判断することができ、通過困難な場合に移動体が立ち往生するデッドロック状態を避けることができ、さらに警告手段を設けることにより、通過困難な場合に利用者側が即時対応することが可能である。
また、広域性センサを併用することにより、狭視野の指向性センサによる障害物の検知漏れを無くすことができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
本実施例に示す移動体の走行空間としては、一般家庭、各種施設、工場内等が挙げられるが、特に前記移動体は一般家庭内にてユーザの生活を補助、支援、介護するロボットであることが好適である。
図1は本実施例に係る移動体の障害物回避アルゴリズムを示すフロー、図2は本実施例に係る赤外線センサ群を具備した移動体の正面図、図3は本実施例に係る赤外線センサ群を具備した移動体とその検知範囲を示す平面図、図4は本実施例に係る近似処理を説明する図で、赤外線センサ群により取得した各検出距離を示す図(a)、各検出方位角に対する検出距離を多項式で近似したグラフ(b)である。
まず、図2により本実施例の移動体の概略構成を説明する。図2に示すように本実施例に係る移動体10は、本体11と、該本体11からの各種指令に基づき図示しない駆動装置により走行を補助する左右一対の駆動輪12と、移動体10の側面に配設された複数の赤外線センサ14a、14b、14c、14d、14eからなるセンサ群13と、を主要構成とする。
本実施例では赤外線センサを利用する構成としたが、障害物までの距離を検出する指向性センサであれば何れでも良い。
前記赤外線センサ14a、14b、14c、14d、14eは、前記移動体10の側面に周方向に所定間隔を隔てて複数配設され、これらの赤外線センサからなるセンサ群13により該移動体10の進行方向を中心として水平面内で放射状に複数の検出距離を取得する構成となっている。
図3に赤外線センサの検出範囲の一例を示す。これによれば、赤外線センサ14a、14b、14c、14d、14eは、約22.5°間隔で5個設置され、これらの赤外線センサで移動体進行方向を中心として放射状に検出動作を行なう。
また、移動体10が具備するセンサ構成の別の例(不図示)として、移動体10の側面に配設されて、移動体周囲を放射状に走査する少なくとも一の赤外線センサを設け、該赤外線センサにより複数の検出距離を取得するようにしても良い。
このように、移動体10の側面に設置したセンサにより移動体周囲を放射状に検出しているため、移動体周囲の壁等の障害物に対しても適当な間隔を置いて走行することができ、障害物回避の際にも壁等に衝突することなく移動することができる。従って、障害物回避だけでなく、移動体の幅に対して非常に狭い廊下等の狭隘部の通過にも対応可能となる。
尚、前記移動体10が具備するセンサ構成は、上記構成に限定されるものではない。
次に、図1を参照して本実施例に係る移動体の障害物回避アルゴリズムにつき説明する。
まず、前記センサ群13により移動体10の進行方向を中心として水平面内で放射状に複数の検出距離を取得する(S1)。
ここで、前記取得した検出距離に対する有効範囲を予め設定しておき、該有効範囲外の検出データを除去する(S2)。これにより、センサ自体の精度に起因する検出データのばらつきを防止する。このとき、前記移動体10の走行速度に応じて比例的に前記有効範囲を変化させることが好ましい。即ち、移動体速度が速い場合には前記有効範囲を広げ、走行速度が遅い場合には該有効範囲を狭めることにより、移動体の慣性による障害物との衝突を確実に防止する。
センサ群13により取得した各検出距離を、障害物が存在しない場合の検出距離と比較し、センサ群13により取得した検出距離の方が短い場合には障害物を検出したものとし、短くない場合には検出範囲内で障害物を検出しないものと判断する。前記取得した検出距離の何れも障害物を検出しないか否かを判別し(S3)、障害物を検出しない場合には初期の到達目標に向けて走行を続行する(S4)。
障害物を検出した場合には、全検出距離が予め設定した閾値より小さいか否かを判別する(S5)。前記閾値は、移動体10と障害物の相対距離で表され、移動体が障害物を回避不可能な場合の距離として設定されている。
前記全検出距離が前記閾値より小さい場合には、障害物を回避不可として移動体10を停止し、警告手段により外部へ警告を発信する(S6)。前記警告手段は、利用者の五感を利用した手段であり、例えば「言葉を発する」、「警報を鳴らす」、「画面に警告表示する」等が挙げられる。
一方、前記全検出距離が前記閾値より小さくない場合、即ち、少なくとも一の検出距離が前記閾値よりも大きい場合には、回避可能とし、図4(a)に示すように検出距離と検出方位角のグラフを取得する。図4(b)に示すグラフは、横軸を検出方位角、縦軸をセンサ出力値即ち検出距離としており、各検出方位角に対する検出距離からなるデータ点列より多項式近似式を導出する(S7)。本実施例では4次多項式を採用しているが、これに限定されるものではない。このとき、多項式近似式の係数決定には最小二乗法を用いることが好ましく、これにより多項式近似式の未知数の数に対して、赤外線センサの数が多い場合にも対応可能となる。
さらに、前記導出した多項式近似式から極大点を抽出し、このうち、赤外線センサの出力値が最大となる方位を移動体10の回避進行方位として設定する(S8)。
このように、各検出方位角に対する検出距離を多項式にて近似することにより、検出距離を取得していない方位を補間することができ、障害物の存在しない最も安全な回避経路を選択することが可能となる。即ち、不規則に分布する検出データ列であっても多項式近似により線形補間を行なうことにより、移動体周囲の走行環境を的確に把握することができるため、前記指向性センサの設置個数、検出回数を少なくすることができ、演算負荷を軽減することができ、処理速度を高速化して応答性を向上できるとともに、センサ設置コストを低減できる。
ここで、前記設定された回避進行方位に重み付け係数を掛ける(S9)。即ち、前記回避進行方位をθとすると、該回避進行方位θに対し、以下の式(1)に示す演算を行ない回避指令Θを生成する。
Θ=α×θ (0<α≦1) …(1)
回避指令Θにより回避進行方位θを修正し、修正した回避進行方位によりテンポラリな目標位置を設定し、該目標位置に向けて走行する(S10)。
このとき、前記移動体10は前記センサ群13により常に障害物を検知し、テンポラリな目標位置を随時変更しながら障害物を回避する。
この動作を繰り返し行ない、移動体10は障害物を回避しながら初期の到達目標に達するまで自律走行する。
また、前記重み係数を掛けるステップ(S9)において、前記重み係数を前記検出距離に応じて反比例的に変化させるようにしても良い。
即ち、前記センサ群13により取得した検出距離が短い場合には前記重み係数αを大きい値とし、前記検出距離が長い場合には前記重み係数αを小さい値とする。
具体的には、以下の式(2)に示す演算を行ない、回避指令Θを生成する。
Θ=α(L)×θ …(2)
0<L≦βのとき、 α=α
β<L≦βのとき、 α=α
β<L≦βのとき、 α=α
(0<α<α<α≦1)
このように、前記検出距離が短い場合には前記重み係数αを大きい値とし、前記設定された回避進行方位にほぼ忠実に旋回動作を行なうようにし、前記検出距離が長い場合には前記重み係数αを小さい値とし、前記設定された回避進行方位に基づく旋回角度を低減するようにした。これにより、移動体10と障害物との相対距離が短い場合には、確実に旋回動作を行ない障害物への衝突を避け、前記相対距離が長い場合には滑らかな旋回動作を行なうことを優先させて、円滑な回避動作を行なうようにした。
また、前記抽出した極大点の時系列データを蓄積し、該時系列データの移動平均を算出し、該移動平均に基づき前記回避進行方位に指令を与えるステップを付加することも好適である。これにより、移動体10が細かい旋回動作を繰り返すことなく、滑らかな自律走行を行えるようになる。
図5に本実施例2に係る赤外線センサ群及び超音波センサを具備した移動体の正面図を示す。図5に示すように、移動体10は前記実施例1と同様のセンサ群13を具備するとともに、前記センサ群13の検出領域と重複する検出領域、若しくは前記センサ群13の検出領域と垂直方向に重複する検出領域を有する超音波センサ15を、一または複数具備する構成とする。尚、本実施例では一例として超音波センサ15を用いたが、これに限定されず、広視野を検出できる広域性センサであれば何れでも良い。
そして、図1に示した移動体の障害物回避アルゴリズムと同様の処理を行ない、前記検出距離取得ステップ(S1)にて、前記超音波センサ15の検出距離が、障害物回避困難な相対距離として設定された閾値より小となった場合に、前記センサ群13の検出距離に関わらず、前記移動体10を停止する。
このように、例えば超音波センサ等のように広視野を検出できる広域性センサを併用することによって、狭視野の指向性センサによる障害物の検知漏れを防ぐことができる。
上記した実施例1及び2は、狭隘部にも対応可能である。例えば一般家庭の室内において、移動体10が現在位置から廊下を通過して目標地点まで移動する場合、廊下にてドアが開いた状態にあると、前記移動体10はドアで狭まった廊下(狭隘部)を通過しなければならない。しかし、従来の障害物回避方法では狭隘部を避けて目的外の部屋へ侵入し、移動不可能な状態に陥ることがあったが、本実施例1、2に示した障害物回避アルゴリズムによれば、狭隘部通過時にもデッドロック状態に陥ることなく円滑な障害物回避が可能となる。
本実施例1に係る移動体の障害物回避アルゴリズムを示すフローである。 本実施例1に係る赤外線センサ群を具備した移動体の正面図である。 本実施例1に係る赤外線センサ群を具備した移動体とその検知範囲を示す平面図である。 本実施例1に係る近似処理を説明する図で、赤外線センサ群により取得した各検出距離を示す図(a)、各検出方位角に対する検出距離を多項式で近似したグラフ(b)である。 本実施例2に係る赤外線センサ群及び超音波センサを具備した移動体の正面図である。
符号の説明
10 移動体
11 本体
12 駆動輪
13 センサ群
14a、14b、14c、14d、14e 赤外線センサ
15 超音波センサ

Claims (13)

  1. 移動体に設けられたセンサにより障害物までの距離を検出し、検出距離に基づき前記障害物を回避しながら自律走行する移動体の障害物回避方法において、
    前記センサが、移動体側面に配設された一または複数の指向性センサであり、該指向性センサにより、移動体進行方向を中心として水平面内で放射状に複数の検出距離を取得する検出距離取得ステップと、
    各検出方位角に対する検出距離の軌跡から多項式近似式を導出する近似式導出ステップと、
    前記多項式近似式の極大点を抽出し、該極大点に対応する方位を一時的な回避進行方位に設定する方位設定ステップと、を有し、
    前記指向性センサによる検出を目的地に到達するまで繰り返し行ない、前記方位設定ステップにて設定された回避進行方位を随時変更することを特徴とする移動体の障害物回避方法。
  2. 前記指向性センサが移動体の周方向に複数配設されたセンサ群であり、前記検出距離取得ステップにて、前記センサ群により放射状に複数の検出距離を取得することを特徴とする請求項1記載の移動体の障害物回避方法。
  3. 前記指向性センサが、移動体周囲を放射状に走査する少なくとも1のセンサであり、前記検出距離取得ステップにて、1のセンサにより複数の検出距離を取得することを特徴とする請求項1記載の移動体の障害物回避方法。
  4. 前記検出距離取得ステップでは、前記取得した検出距離に対して有効な値とする範囲を予め設定しておき、有効範囲内の検出距離のみを採用するようにし、
    前記有効範囲を、前記移動体の走行速度に比例的に変化させることを特徴とする請求項1記載の移動体の障害物回避方法。
  5. 前記方位設定ステップにて、前記移動体の旋回角度変化を低減する特性を有する重み係数を予め設定しておき、該重み係数を前記回避進行方位に掛け、該回避進行方位を修正することを特徴とする請求項1記載の移動体の障害物回避方法。
  6. 前記重み係数を、前記取得した検出距離に応じて反比例的に変化させることを特徴とする請求項5記載の移動体の障害物回避方法。
  7. 前記検出距離取得ステップにて、前記取得した検出距離が、障害物回避困難な相対距離として設定された閾値より小である場合には、前記移動体を停止するとともに警告手段により警告を発することを特徴とする請求項1記載の移動体の障害物回避方法。
  8. 前記移動体の側面に、前記指向性センサの検出領域と重複する検出領域、若しくは前記指向性センサの検出領域と垂直方向に重複する検出領域を有する広域性センサを設け、
    前記検出距離取得ステップにて、前記広域性センサの検出距離が、障害物回避困難な相対距離として設定された閾値より小となった場合に、前記指向性センサの検出距離に関わらず前記移動体を停止することを特徴とする請求項1記載の移動体の障害物回避方法。
  9. 前記方位設定ステップにて、前記抽出した極大点の時系列データを蓄積し、該時系列データの移動平均を算出し、該移動平均に基づき前記回避進行方位に指令を与えることを特徴とする請求項1記載の移動体の障害物回避方法。
  10. 障害物までの距離を検出するセンサが設けられ、検出距離に基づき前記障害物を回避しながら自律走行する移動体において、
    前記センサが、移動体側面に周方向に複数配設された指向性センサ群であり、該指向性センサ群により移動体進行方向を中心として水平面内で放射状に複数の検出距離を取得する距離検出手段と、
    各検出方位角に対する検出距離の軌跡から多項式近似式を導出する近似式導出手段と、
    前記多項式近似式の極大点を抽出し、該極大点に対応する方位を一時的な回避進行方位に設定する方位設定手段と、を有し、
    前記指向性センサによる検出を目的地に到達するまで繰り返し行ない、前記方位設定手段にて設定された回避進行方位を随時変更することを特徴とする移動体。
  11. 障害物までの距離を検出するセンサが設けられ、検出距離に基づき前記障害物を回避しながら自律走行する移動体において、
    前記センサが、移動体側面に配設され移動体周囲を放射状に走査する少なくとも1の指向性センサであり、該指向性センサにより水平面内で複数の検出距離を取得する距離取得手段と、
    各検出方位角及び検出距離の軌跡から多項式近似式を導出する近似式導出手段と、
    前記多項式近似式の極大点を抽出し、該極大点に対応する方位を一時的な回避進行方位に設定する方位設定手段と、を有し、
    前記指向性センサによる検出を目的地に到達するまで繰り返し行ない、前記方位設定手段にて設定された回避進行方位を随時変更することを特徴とする移動体。
  12. 前記取得した検出距離が、障害物回避困難な相対距離として設定された閾値より小である場合に前記移動体を停止する手段を設けるとともに、警告を発する警告手段を設けたことを特徴とする請求項10若しくは11記載の移動体。
  13. 前記移動体の側面に、前記指向性センサの検出領域と重複する検出領域、若しくは前記指向性センサの検出領域と垂直方向に重複する検出領域を有する広域性センサを設けるとともに、該広域性センサの検出距離が、障害物回避困難な相対距離として設定された閾値より小となった時に、前記指向性センサの検出距離に関わらず前記移動体を停止する手段を設けたことを特徴とする請求項10若しくは11記載の移動体。
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