JP2005315865A - 分離予測方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 構造類似物質や構造不明物質などの多様な化学構造の物質を多数含んだ混合物をキャピラリー電気泳動法を用いて分離するにあたり、分離しようとする物質の分離挙動を予測する方法を提供する。
【解決手段】 化学構造が類似した複数の物質および/または構造不明物質を含む混合物の分離をキャピラリー電気泳動法で行うにあたり、含有される各物質相互の分離度を予測する方法であって、下記の工程:(A)混合物中の物質のうちの少なくとも1つの物質についてキャピラリー電気泳動における実効移動度μeを求め、上記μeとこの物質のpKaとから下記の式(I):T=μe×[(m)1/2/z](式中、zはイオン電荷を示し、mは分子量を示す。)により分離挙動定数Tを算出する工程;および(B)上記工程(A)で求めた分離挙動定数Tと上記の式(I)を用いて、他の物質について、そのpKaおよび分子量から実効移動度を算出する工程;を含む方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 化学構造が類似した複数の物質および/または構造不明物質を含む混合物の分離をキャピラリー電気泳動法で行うにあたり、含有される各物質相互の分離度を予測する方法であって、下記の工程:(A)混合物中の物質のうちの少なくとも1つの物質についてキャピラリー電気泳動における実効移動度μeを求め、上記μeとこの物質のpKaとから下記の式(I):T=μe×[(m)1/2/z](式中、zはイオン電荷を示し、mは分子量を示す。)により分離挙動定数Tを算出する工程;および(B)上記工程(A)で求めた分離挙動定数Tと上記の式(I)を用いて、他の物質について、そのpKaおよび分子量から実効移動度を算出する工程;を含む方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、キャピラリー電気泳動法を使用して混合物中の物質を分離するにあたり、分離しようとする物質の分離度を予測する方法に関する。
有機化合物を化学合成的手法で製造した場合の反応液や動植物等からの成分や産生物の抽出物には、化学構造が類似した物質あるいは構造不明の物質が多数含まれることが多く、それぞれの物質を分離するには多大な労力を必要としている。例えば、化学構造が類似した構造類似物質は物理化学的な性状や挙動に差がないことが多く、一般的には分離が極めて困難であるという問題がある。また、医薬品の有効成分については厳密な製品規格が定められ、製品中に混入する微量の不純物を正確に定量する等の規格管理を行うことが求められるが、有効成分の化学合成において生じた微量の構造類似物質や構造不明の物質が製品に混入してくる場合があり、その分離および定量は通常困難である。
従来、構造類似物質を含め、物質の分離には高速液体クロマトグラフィーが利用されてきたが、最近ではキャピラリー電気泳動法(CE)も利用されるようになった。しかしながら、いずれの方法においても、多数の構造類似物質や構造不明物質を含む試料からそれぞれの物質を完全に、かつ一度の分離操作で一斉に分離するには、試行錯誤を繰り返して最適な分離用パラメーターを選択・決定せねばならず、その条件設定に多大な労力と時間がかかることが問題であった。特に、キャピラリー電気泳動法は応用例が少なく、公知の分離用パラメーターを参照することもでき難く、多数の構造類似や構造不明の物質を含む試料からそれぞれの物質を一斉に完全分離できる条件の設定は困難を極める作業であった。例えば、種々のβブロッカーにおける光学活性体のそれぞれを分離するための最適条件に関する検討がJ. Chromatogr. A, 855, pp.681-693, 1999に記載されているものの、この条件設定の方法はこれ以外の化合物について一般的に適用できるものではなく、極めて限定された適用範囲しかない。
本発明者は、先に、化学構造が類似した複数の構造類似物質を含んだ混合物をキャピラリー電気泳動法を用いて分離するにあたり、一度の分離操作でそれぞれの物質を完全に分離するための分離用パラメーターを簡便に設定する方法を提供した(特許文献1)。この方法によれば、一度の分離操作でそれぞれの物質を完全に分離するための条件設定が簡便に行うことができる。もっとも、この方法は各物質相互の分離度を予測できるものではなく、各物質の分離挙動をあらかじめ予測できる方法の開発が望まれていた。
特開2002-162384号公報
本発明の課題は、構造類似物質や構造不明物質などの多様な化学構造の物質を多数含んだ混合物をキャピラリー電気泳動法を用いて分離するにあたり、分離しようとする物質の分離挙動を予測する方法を提供することにある。
本発明者は上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、複数の構造類似物質を含む試料を用い、予めそれらの各物質の熱力学的解離定数(pKa)を測定した後、それらの構造類似物質中の1つの物質についてキャピラリー電気泳動における実効移動度μeを求め、このμeとさらにこの物質のpKaとから分離挙動定数kを算出し、このようにして得られたkと他の構造類縁物質のpKaおよび分子量から、各構造類縁物質の移動度と分離度Rsを精度よく予測できることを見出し、この発明について特許出願した(特願2003-52424号;特開2004-264069号公報)。
本発明者は、さらに鋭意研究を続けた結果、上記の発明を基にしてイオン半径が分子量の平方根に比例すると仮定することにより、さらに高い予測精度を有し、かつ多様な化学構造の構造非類似物質を含む混合物にも一般的に適用できる分離予測方法を提供できることを見出した。本発明はこの知見を基にして完成されたものである。
本発明者は、さらに鋭意研究を続けた結果、上記の発明を基にしてイオン半径が分子量の平方根に比例すると仮定することにより、さらに高い予測精度を有し、かつ多様な化学構造の構造非類似物質を含む混合物にも一般的に適用できる分離予測方法を提供できることを見出した。本発明はこの知見を基にして完成されたものである。
すなわち、本発明は、化学構造が類似した複数の構造類似物質および/または構造不明物質を含む混合物の分離をキャピラリー電気泳動法で行うにあたり、含有される各物質相互の分離度を予測する方法であって、下記の工程:
(A)混合物中の物質のうちの少なくとも1つの物質についてキャピラリー電気泳動における実効移動度μeを求め、上記μeとこの物質のpKaとから下記の式(I):
T=μe×[(m)1/2/z] (I)
(式中、zはイオン電荷を示し、mは分子量を示す。)
により分離挙動定数Tを算出する工程;および
(B)上記工程(A)で求めた分離挙動定数Tと上記の式(I)を用いて、他の物質について、そのpKaおよび分子量から実効移動度を算出する工程;
を含む方法を提供するものである。
本発明の好ましい態様では、さらに工程(C)構造類似物質相互の分離度を算出する工程を含む。
(A)混合物中の物質のうちの少なくとも1つの物質についてキャピラリー電気泳動における実効移動度μeを求め、上記μeとこの物質のpKaとから下記の式(I):
T=μe×[(m)1/2/z] (I)
(式中、zはイオン電荷を示し、mは分子量を示す。)
により分離挙動定数Tを算出する工程;および
(B)上記工程(A)で求めた分離挙動定数Tと上記の式(I)を用いて、他の物質について、そのpKaおよび分子量から実効移動度を算出する工程;
を含む方法を提供するものである。
本発明の好ましい態様では、さらに工程(C)構造類似物質相互の分離度を算出する工程を含む。
本発明のさらに好ましい態様によれば、
混合物中の物質のうちの少なくとも1つの物質についてキャピラリー電気泳動における実効移動度の実測値μeを用いて工程(A)を行う上記の方法;
混合物中の物質のうちの少なくとも1つの物質についてキャピラリー電気泳動における実効移動度の実測値μeを求め、該実測値μeから算出された実効移動度の理論値μeを用いて工程(A)を行う上記の方法;
混合物中の物質のうちの少なくとも1つの物質についてキャピラリー電気泳動における実効移動度の理論値μeをpKa'から求め、該実効移動度の理論値μeを用いて工程(A)を行う上記の方法;
混合物中の物質が解離基を有する化合物である上記の方法;
該解離基がカルボキシル基および/またはアミノ基である上記の方法;および
混合物中の物質のpKaの個数と同数またはそれ以上の数での異なるpHにおける実効移動度の実測値μeを求め、該実測値μeから算出されたそれぞれのpHにおける実効移動度の理論値μeを用いて工程(A)を行う上記の方法;
そして、T=32.6±2.7として式(I)より実効移動度を算出する工程;
が提供される。
混合物中の物質のうちの少なくとも1つの物質についてキャピラリー電気泳動における実効移動度の実測値μeを用いて工程(A)を行う上記の方法;
混合物中の物質のうちの少なくとも1つの物質についてキャピラリー電気泳動における実効移動度の実測値μeを求め、該実測値μeから算出された実効移動度の理論値μeを用いて工程(A)を行う上記の方法;
混合物中の物質のうちの少なくとも1つの物質についてキャピラリー電気泳動における実効移動度の理論値μeをpKa'から求め、該実効移動度の理論値μeを用いて工程(A)を行う上記の方法;
混合物中の物質が解離基を有する化合物である上記の方法;
該解離基がカルボキシル基および/またはアミノ基である上記の方法;および
混合物中の物質のpKaの個数と同数またはそれ以上の数での異なるpHにおける実効移動度の実測値μeを求め、該実測値μeから算出されたそれぞれのpHにおける実効移動度の理論値μeを用いて工程(A)を行う上記の方法;
そして、T=32.6±2.7として式(I)より実効移動度を算出する工程;
が提供される。
本発明の方法によれば、化学構造が類似した複数の物質および/または構造不明物質を含む混合物をキャピラリー電気泳動法を用いて分離するにあたり、該混合物に含まれる物質相互の分離挙動を簡便かつ確実に予測することができ、試行錯誤に頼らずに効率的な分離を行うことが可能になる。本発明の方法は高い予測精度を有しており、しかも構造非類似物質を含む混合物に対しても適用できるという特徴がある。
本明細書において用いられる用語の定義は以下のとおりである。
「構造類似物質」とは、例えば、主要な化学構造が共通しているが側鎖や置換基の一部または全部が異なる物質、あるいは主要な化学構造が類似していて同一または類似の側鎖や置換基を有する物質などを意味しており、好ましくは上記の特徴を有する有機物質を意味する。ラセミ体中の2以上のエナンチオマーや2以上のジアステレオマー混合物中の各ジアステレオマーも構造類似物質の例である。
本発明の方法において適用対象となる構造類似物質は、少なくともイオン化できる物質である必要があり、両極性の物質であってもよい。また、分離の対象となる混合物に含まれる構造類似物質は、それぞれ異なるpKa値を有していることが望ましい。物質の種類はイオン化できるものであれば特に限定されず、医薬の有効成分である化合物またはその塩のほか、アミノ酸、染料、農薬、界面活性剤、ペプチド化合物、タンパク質、糖類、オリゴヌクレオチド、DNA、RNAなどが包含される。本発明の方法では、カルボキシ基やアミノ基等の解離基を有する化合物を好ましい対象として分離予測することができる。
「構造類似物質」とは、例えば、主要な化学構造が共通しているが側鎖や置換基の一部または全部が異なる物質、あるいは主要な化学構造が類似していて同一または類似の側鎖や置換基を有する物質などを意味しており、好ましくは上記の特徴を有する有機物質を意味する。ラセミ体中の2以上のエナンチオマーや2以上のジアステレオマー混合物中の各ジアステレオマーも構造類似物質の例である。
本発明の方法において適用対象となる構造類似物質は、少なくともイオン化できる物質である必要があり、両極性の物質であってもよい。また、分離の対象となる混合物に含まれる構造類似物質は、それぞれ異なるpKa値を有していることが望ましい。物質の種類はイオン化できるものであれば特に限定されず、医薬の有効成分である化合物またはその塩のほか、アミノ酸、染料、農薬、界面活性剤、ペプチド化合物、タンパク質、糖類、オリゴヌクレオチド、DNA、RNAなどが包含される。本発明の方法では、カルボキシ基やアミノ基等の解離基を有する化合物を好ましい対象として分離予測することができる。
それぞれの物質の種類に応じて、当業者には構造類似物質の範囲は明確であり、「構造類似物質」の用語をいかなる意味においても限定的に解釈してはならない。構造類似物質は実質的に同一または類似の物理化学的性質を有していることが多く、高速液体クロマトグラフィー法やキャピラリー電気泳動法による分離においても近接した挙動を示すことが一般的である。本発明の方法を適用すべき好適な構造類似物質は、高速液体クロマトグラフィー法やキャピラリー電気泳動法などを用いた通常の一斉分離操作において、特定の分離条件の設定を行わない場合には完全な分離が不可能であるか、または著しく分離が困難である程度に類似の物理化学的性質を有している。なお、本発明の方法において、構造類似物質はその化学構造が既知または未知のいずれであっても差し支えないが、少なくとも分子量は既知である必要がある。また、本発明の方法において用いられる混合物には、上記の構造類似物質のほか、構造非類似物質、さらには構造不明物質が1または2以上含まれていてもよい。構造非類似物質とは、すでに説明した構造類似物質以外の物質のことである。構造非類似物質の構造は特に限定されないが、少なくともイオン化できる物質である必要がある。構造類似物質および構造非類似物質は、分子量が100程度から1000程度の範囲、好ましくは分子量が150から600程度の範囲の物質であるのがよい。
「キャピラリー電気泳動法」とは、緩衝液が充填されている内径(id)25-75μm程度のフューズドシリカキャピラリー内で電気泳動を行う方法であり、高電圧を印加しつつジュール熱がおよぼす悪影響を減少させることができるので、短い分析時間および高い分離効率と分解能が得られる方法である。キャピラリー電気泳動には種々の分離メカニズムや選択性を持つ多くの分離モードが提案されているが、本発明の方法においてはいかなるものを用いてもよい。また、キャピラリー電気泳動においては、電圧の印加手段や検出手段などのシステムの構成、自動化手段の採用などにより多様な組み合わせが可能であり、それらのいずれを本発明の方法に用いてもよい。
キャピラリー電気泳動における「実効移動度μe」には、実効移動度の実測値μeおよび実効移動度の理論値μeの両者が含まれる。
キャピラリー電気泳動における「実効移動度μe」には、実効移動度の実測値μeおよび実効移動度の理論値μeの両者が含まれる。
本発明の方法は、複数の構造類似物質および/または構造不明物質からなる混合物をキャピラリー電気泳動法を用いて分離するにあたり、該混合物に含まれる物質相互の分離度を予測する方法であって、下記の工程:
(A)混合物中の物質のうちの少なくとも1つの物質についてキャピラリー電気泳動における実効移動度μeを求め、この物質の実効移動度μeとpKaとから下記の式(I):
T=μe×[(m)1/2/z] (I)
(式中、zはイオン電荷を示し、mは分子量を示す。)
により分離挙動定数Tを算出する工程;および
(B)上記工程(A)で求めた分離挙動定数Tと上記の式(I)を用いて、他の物質について、そのpKaおよび分子量から実効移動度を算出する工程;
を含み、好ましくは、さらに
(C)混合物中の物質相互の分離度を算出する工程
を含むことを特徴としている。そして、T=32.6±2.7として式(I)より実効移動度を算出する工程も特徴としている。
(A)混合物中の物質のうちの少なくとも1つの物質についてキャピラリー電気泳動における実効移動度μeを求め、この物質の実効移動度μeとpKaとから下記の式(I):
T=μe×[(m)1/2/z] (I)
(式中、zはイオン電荷を示し、mは分子量を示す。)
により分離挙動定数Tを算出する工程;および
(B)上記工程(A)で求めた分離挙動定数Tと上記の式(I)を用いて、他の物質について、そのpKaおよび分子量から実効移動度を算出する工程;
を含み、好ましくは、さらに
(C)混合物中の物質相互の分離度を算出する工程
を含むことを特徴としている。そして、T=32.6±2.7として式(I)より実効移動度を算出する工程も特徴としている。
本発明の方法を行うにあたっては、予め、混合物に含まれる各物質のpKaを求めておく。pKaの測定方法は特に限定されないが、例えば電位差滴定法やキャピラリー電気泳動法を用いることで簡便かつ正確にpKaの測定を行うことができる。キャピラリー電気泳動法を用いた化合物のpKa測定の具体的手法は、例えばJ. Pharmaceu. Sci., 83, pp.1500-1507, 1994; J. Chromatogr. A, 839, pp.183-192, 1999などに記載されている。これらの文献に記載された方法をそのまま利用してもよいが、適宜、修飾あるいは改変を加えてpKaの測定を行ってもよい。必要に応じて、それぞれの物質のpKaの情報に基づいて、キャピラリー電気泳動を行うための好適な泳動溶液pHの範囲を定めておいてもよいが、そのような方法は特許文献1の公報に具体的に記載されており、この特許文献の開示のすべてを参照として本明細書の開示に含める。
物質のpKaが未知の場合には、まず一つの化合物についてpKaを求める必要がある。例えば、多価イオンにおける熱力学的乖離定数Kaは酸性度定数Ka'を用いて下記の式から算出することができる。ここで{X}=fx・[X]({X}はXの活量、[X]はXの濃度、fxはXの活量定数)と定義する。
上記式のnはイオン価数、dはÅ単位で表されるイオンの大きさを表すパラメーターであり、通常1〜11Åの範囲とされているため、ここではd=5と仮定し(J. Chromatogr. A., 652, 301, 1993)、次式を得ることができる。この式に従って、実効移動度から算出したpKa'を用いてpKaを求めることができる。
pKa'を算出するための実効移動度μeは、キャピラリー電気泳動において、見かけの移動度μaと電気浸透流移動度μoおよび溶質とアセトン(電気浸透流マーカー)のそれぞれの移動時間taとto、キャピラリー全長LC、キャピラリー有効長LD、印加電圧Vを用い、下記の式で表される。
μe=μa−μo=(LC×LD)/V×(1/ta−1/to)
μe=μa−μo=(LC×LD)/V×(1/ta−1/to)
一方、溶質の実効移動度μeは、あるイオン種の実効移動度mn-i+1と酸性度定数Kj’を用い、以下の式で表すこともできる(J. Chromatogra. A., 745, 117, 1996)。ただし、0≦i≦n、1≦j≦n、μ1≦μe≦μn+1、K1’≦Kj’≦Kn’とする。
この式は全ての多価化合物に対して適用可能である。ここで、Iが一定のときKj’は定数となりμeはpH依存性を示す。すなわち、一定イオン強度下でμeとpHとの関係を測定することでKj’を算出することができ、ある特定のpHで測定した実効移動度の実測値μeを用いて、種々のpHにおける実効移動度の理論値μeとpKa'を算出できることになり、さらに、そのpKa'を用いてpKaを算出できることになる。
例えば、カルボキシ基とアミノ基を有する両性化合物については、3種のイオン種H2A+、HA、A-が存在しており、解離する水素イオンを2つ持つので、n=2を代入して以下の式を得ることができる。
μe=(μe3{H}2+μe2K1’{H}+μe1K1’K2’)/({H}2+K1’{H}+K1’K2’)
μe=(μe3{H}2+μe2K1’{H}+μe1K1’K2’)/({H}2+K1’{H}+K1’K2’)
イオン種HAは、見かけ上電荷を持たない完全に等価である両性イオンが存在し、電気浸透流マーカーと同時に移動して、両性イオンの移動度はμe2=0と推定できる。これにより、下記の式が得られる。
μe=(μe3{H}2+μe1K1’K2’)/({H}2+K1’{H}+K1’K2’)
μe=(μe3{H}2+μe1K1’K2’)/({H}2+K1’{H}+K1’K2’)
また、本発明の方法で用いられるイオン電荷zは、下記のようにして求めることができる。CZEモードの電気泳動では、物質の実効移動度μeは、イオン電荷z、イオン半径r、溶液粘度ηを用い、下記の理論式が成り立つ。
μe=(1/6πη)×z/r
すなわち、実効移動度はイオン電荷に比例し、イオン半径に反比例する。このとき、イオン電荷zはpH(すなわちpKa’)依存性であり、カルボキシ基とアミノ基を有する両性化合物では、見かけ上電荷を持たない完全に等価である状態を境に符号が逆転するため下記式として導くことができる。
z=({H}2−K1’K2’)/({H}2+K1’{H}+K1’K2’)
μe=(1/6πη)×z/r
すなわち、実効移動度はイオン電荷に比例し、イオン半径に反比例する。このとき、イオン電荷zはpH(すなわちpKa’)依存性であり、カルボキシ基とアミノ基を有する両性化合物では、見かけ上電荷を持たない完全に等価である状態を境に符号が逆転するため下記式として導くことができる。
z=({H}2−K1’K2’)/({H}2+K1’{H}+K1’K2’)
このようにして、構造類似物質の一つについて実効移動度の実測値μeを求めることによりpKaを求めることができ、イオン電荷zが算出できる。これらを式(I):T=μe×[(m)1/2/z](式中、zはイオン電荷を示し、mは分子量を示す。)に代入することにより分離挙動定数Tを算出することができる。通常、この分離挙動定数Tは広い範囲のpHでほぼ一定である。例えば、両性化合物についての分離挙動定数Tは両イオンが解離状態で存在する中性付近で変動することもあるが、酸性領域または塩基性領域で分離挙動定数がほぼ一定の値として得られる場合には、この値を以下の工程に用いればよい。また、この分離挙動定数Tは本明細書の実施例の例2に示すように、極めて多様な化学構造の化合物について概ね一定である。従って、上記の計算を行わずに、分離挙動定数として、例えば例2に示された数値を用いることも可能である。
工程(A)では、構造類似物質のうちの少なくとも1つの物質についてキャピラリー電気泳動における実効移動度μeを求めることが望ましいが、対象とする物質は混合物に含まれる構造類似物質のうちの2以上の物質でもよい。もっとも、通常は1つの代表的物質を選択して実効移動度μeを求めれば十分である。実効移動度μeとしては実測から求めた実効移動度μe(本明細書において「実効移動度の実測値μe」と呼ぶ。)を用いてもよいが、理論的に求めた実効移動度μe(本明細書において「実効移動度の理論値μe」と呼ぶ場合がある。)を用いてもよい。
実効移動度の理論値μeを算出した場合には、実効移動度の理論値μeと実効移動度の実測値μeとの一致度を確認しておいてもよい。より精度を高めるためには、実効移動度の理論値μeを式(I)にあてはめるのがよい。1つのpHにおいて実効移動度を求めてもよいが、2以上のpHにおける実効移動度を求め、実効移動度とpHとの関係を測定することも好ましい。また、2以上の異なるpHにおいて実効移動度の実測値μeを求め、この実測値を基にして2以上の異なるpHにおける実効移動度の理論値μeを算出することもできる。この場合、実効移動度の実測値μeを求めた2以上のpHと同じpHにおける実効移動度の理論値μeのほか、それらのpHとは異なるpHにおける実効移動度の理論値μeを算出することもできる。特に、構造類似物質が両性化合物である場合には、2以上のpHで実効移動度の実測値μeを求め、その値を基にして多数のpHにおける実効移動度の理論値μeを算出することが好ましい。
工程(B)では、この分離挙動定数Tと上記の式(I)を用いて、他の構造類似物質について、既知のpKaおよび分子量から実効移動度μeを算出することができる。さらに、各構造類縁物質の分離度Rsは下記の式により計算できる(式中、物質1の見かけの移動度をμa1とし、物質2の見かけの移動度をμa2とする。)。
Rs={(μa2−μa1)/(μa2+μa1)}×100
Rs={(μa2−μa1)/(μa2+μa1)}×100
上記の分離挙動定数Tを用いることにより、構造類縁物質のそれぞれについて実効移動度と分離度の予測が可能である。このようにして実効移動度が求められた各物質について、エレクトロフェログラム上でのピークの分離度を計算することもできる。このようにして求めた分離度は、日本薬局方14改正、2001、一般試験法「HPLC法」に記載された方法に準じて算出した分離度と良い相関性を有する。
本明細書の実施例には、上記の工程に従って一群の構造類似物質の代表物質について分離挙動定数を求める方法、およびその定数を用いて他の物質について実効移動度と分離度を算出する方法が具体的かつ詳細に説明されているので、当業者は本実施例の説明を参照しつつ、必要に応じて適宜の修飾や改変を加えながら、分離挙動定数を求めて各物質についての実効移動度の算出を行うことが可能である。
本発明の方法は、構造類似物質を含む混合物の分離に先立って、分離条件を効率的に定めるために用いることができる。該混合物に含まれる構造類似物質の量については、すべての構造類似物質の含有量がほぼ等量であるか、あるいは特定の1または2以上の構造類似物質の含有量が特に多いかまたは少ない場合にも本発明の方法を適用できる。構造類似物質を含む混合物としては、例えば、有機合成のプロセスで得られた反応混合物、医薬品や農薬の最終製品、天然物抽出物、コンビナトリアルケミストリーを適用した反応混合物、光学活性体混合物、ラセミ体などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。また、本発明の方法は、構造類似物質とともに構造非類似物質を含む混合物に対しても適用可能であるという特徴がある。
医薬品に含まれる有効成分以外の不純物測定のためには、錠剤やカプセル剤から抽出した混合物を用いることができる。エナンチオマーの分離のためにはシクロデキストリンやクラウンエーテルなどの光学活性な添加剤を用いると良好な分離を達成できる場合があり、エナンチオマーやジアステレオマーの分離のために適宜の添加剤を適宜選択して用いることが可能である。また、本発明の方法における工程(A)および(B)、または工程(A)ないし(C)を自動化した装置を用いることにより、キャピラリー電気泳動を用いた構造類似物質の一斉分離のための好適な分離条件を迅速かつ簡便に設定することができる。
なお、特願2003-52424号の明細書の開示の全てを参照として本明細書の開示に含める。
なお、特願2003-52424号の明細書の開示の全てを参照として本明細書の開示に含める。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
例1
試料溶液はキノロン系抗菌剤5mgに、3%のアセトンを添加した1mmol/L水酸化ナトリウム水溶液に加えて溶かし、不溶物をメンブランフィルター(0.2μm)でろ過して約0.5mg/mlの溶液として使用した。アセトンを電気浸透流マーカーとして用いた。キャピラリー電気泳動溶液は、リン酸、酢酸、ホウ酸にアルカリを添加し、緩衝液間での影響を可能な限り無くし、緩衝能を大きくするために、イオン強度0.05となるように調製した。泳動溶液のpHはCE測定前に測定した。CE測定には、内面未処理フューズドシリカキャピラリー内径50μm、全長33cm(有効長24.5 cm)を用い、キャピラリー温度は25℃に設定した。印加電圧は10kVとし、検出には254または295nmを用いた。試料の注入は、試料溶液を50mbarで2秒間注入し、続いて泳動溶液を50mbarで2秒間注入する加圧法により実施した。キャピラリーは、分析開始前に水酸化ナトリウム試液(0.1mol/L)を3分間加圧(1bar)導入した後、泳動溶液を3分間加圧(1bar)導入して安定化させた。
例1
試料溶液はキノロン系抗菌剤5mgに、3%のアセトンを添加した1mmol/L水酸化ナトリウム水溶液に加えて溶かし、不溶物をメンブランフィルター(0.2μm)でろ過して約0.5mg/mlの溶液として使用した。アセトンを電気浸透流マーカーとして用いた。キャピラリー電気泳動溶液は、リン酸、酢酸、ホウ酸にアルカリを添加し、緩衝液間での影響を可能な限り無くし、緩衝能を大きくするために、イオン強度0.05となるように調製した。泳動溶液のpHはCE測定前に測定した。CE測定には、内面未処理フューズドシリカキャピラリー内径50μm、全長33cm(有効長24.5 cm)を用い、キャピラリー温度は25℃に設定した。印加電圧は10kVとし、検出には254または295nmを用いた。試料の注入は、試料溶液を50mbarで2秒間注入し、続いて泳動溶液を50mbarで2秒間注入する加圧法により実施した。キャピラリーは、分析開始前に水酸化ナトリウム試液(0.1mol/L)を3分間加圧(1bar)導入した後、泳動溶液を3分間加圧(1bar)導入して安定化させた。
表1に記載したオフロキサシン(OFLX)、レボフロキサシン(LVFX)、トラネキサム酸(TS)につき、上記CE条件により実効移動度の理論値μe、m、およびzを求め、式(I)よりTを算出した。その結果、表1の4実験より得られた各化合物の分離挙動定数Tの平均±SDは33.0±2.4であった。
表1に示した分離挙動定数Tの平均値(33.0)を用いて、表2の物性値をもつ化合物A構造類似物質につき、式(I)より実効移動度を予測した。さらに、上記CE条件により化合物Aの構造類似物質の実効移動度を測定した。化合物DおよびEは未知化合物であるが、化合物A構造類似物質であると推定されている化合物である。
化合物A構造類似物質の各pHにおける実効移動度につき、予測値と実測値を表3および図1に示す(表中の数値の単位は×10-4cm2/V/sである。)。また、化合物A構造類似物質の直線性に関する統計結果(実効移動度)を表4に示す。予測値と実測値との相関性を調べたところ、各化合物の実効移動度の回帰直線は、傾き1.01〜1.12、y切片-0.04〜0.03であり、ほぼ原点を通過する傾き1の直線であることが確認され、いずれの化合物も相関係数0.99以上であった(図2)。
化合物A構造類似物質同士の分離度Rsを算出した。表5に化合物A構造類似物質同士の分離度Rsの予測値および実測値を示す。表6に化合物A構造類似物質の直線性に関する統計量(分離度)を示す。予測値と実測値との相関性を調べたところ、化合物同士の分離度の各回帰直線は、傾き0.66〜1.42、y切片-0.85〜1.96の直線であり、良好な相関関係が認められ、いずれの化合物も相関係数0.86以上であった(図3)。
図1および表5の予測結果から、化合物A構造類似物質同士は泳動溶液pH9で分離可能と判断し、混合溶液を調製して分離を試みた。その結果、図4に示すように、化合物A構造類似物質同士が相互分離可能であることが確認できた。
例2
多様な化合物について、各化合物の実効移動度の理論値μe、m、およびzを用いて式(I)からTを算出し、全ての化合物についてのTの平均値を算出した。その結果、Tの平均±SD(n=35)は32.6±2.7であった。各化合物のTはTの平均値に対して86〜115%であることから、この分離挙動定数Tの平均値を用いた式(I)は極めて多様な化学構造を有する化合物を含む混合物の分離に一般的に用いることができることが示された。
多様な化合物について、各化合物の実効移動度の理論値μe、m、およびzを用いて式(I)からTを算出し、全ての化合物についてのTの平均値を算出した。その結果、Tの平均±SD(n=35)は32.6±2.7であった。各化合物のTはTの平均値に対して86〜115%であることから、この分離挙動定数Tの平均値を用いた式(I)は極めて多様な化学構造を有する化合物を含む混合物の分離に一般的に用いることができることが示された。
Claims (6)
- 化学構造が類似した複数の物質および/または構造不明物質を含む混合物の分離をキャピラリー電気泳動法で行うにあたり、含有される各物質相互の分離度を予測する方法であって、下記の工程:
(A)混合物中の物質のうちの少なくとも1つの物質についてキャピラリー電気泳動における実効移動度μeを求め、上記μeとこの物質のpKaとから下記の式(I):
T=μe×[(m)1/2/z] (I)
(式中、zはイオン電荷を示し、mは分子量を示す。)
により分離挙動定数Tを算出する工程;および
(B)上記工程(A)で求めた分離挙動定数Tと上記の式(I)を用いて、他の物質について、そのpKaおよび分子量から実効移動度を算出する工程;
を含む方法。 - さらに以下の工程:
(C)(構造類似)混合物に含有される物質相互の分離度を算出する工程
を含む請求項1に記載の方法。 - 該混合物に含有される物質のうちの少なくとも1つの物質についてpKa値から実効移動度の理論値μeを算出して工程(A)を行う請求項1または2に記載の方法。
- 該混合物に含有される物質が解離基を有する化合物である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
- 解離基がカルボキシル基および/またはアミノ基である請求項4に記載の方法。
- 該構造類似物質とともに1または2以上の構造非類似物質および/または構造不明物質を含む混合物を用いて、構造類似物質相互の分離度とともに各物質と該構造非類似物質との分離度の予測も行う請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
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