JP2005309368A - 加工方法、その装置ならびに微細構造体の製造方法およびその方法により製造された微細構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 微細で精密な任意の3次元形状を得ることができる加工技術を提供する。さらに、かかる加工技術を利用して、微細構造体を提供する。
【解決手段】 本発明の加工方法は、ある局面によれば、レジスト塗布基板にビームを照射し、リソグラフィによりレジスト塗布基板に3次元形状を形成する加工方法であって、マスクと基板との距離を変更することにより、基板上でのビームの広がりを変更しながら、ビームの照射時間を調整する工程を備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明の加工方法は、ある局面によれば、レジスト塗布基板にビームを照射し、リソグラフィによりレジスト塗布基板に3次元形状を形成する加工方法であって、マスクと基板との距離を変更することにより、基板上でのビームの広がりを変更しながら、ビームの照射時間を調整する工程を備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ビームを照射することにより、微細な3次元構造体を製造するための加工方法およびその装置に関する。特に、紫外線または紫外線より波長の短いビームを照射することにより、材料の性質を変化させ、または材料を除去し、任意の形状の微細構造体を製造する方法およびその方法により製造された微細構造体に関する。
エレクトロニクスの発達に伴い、情報通信機器あるいはマイクロマシンなどの機械部品を製造するために、微小で精密な3次元形状が得られる加工技術が求められている。たとえば、インクジェットプリンタのインクノズルは、図2に示すように、インクノズルの一方の孔径Dが数百ミクロン、他方の口径がdが数十ミクロン、深さLが数百ミクロンの微細構造体である。かかるインクノズルの製造にあたっては、深さ方向に数十ミクロンから数百ミクロンの加工が必要であり、さらに加工深さが部分的に異なる3次元形状の加工と、加工する部分間での形状のバラツキが小さくなるような加工が必要である。
加工深さが異なり、微細な3次元形状の加工を目的として、いろいろな試みが提案がされている。たとえば、基板上にレジストを形成し、マスクを介して紫外線または紫外線よりも波長の短いビームをレジストに照射し、所望の3次元形状になるようにマスクを移動させる方法がある(特許文献1参照)。この方法では、マスクは、被照射体であるレジストに対して水平方向に移動する。
インクジェットプリンタのインクノズルを製造する場合であれば、図3に示すように、マスクの透光部33の中心32から距離d1だけ離れた点31を中心にして、直径Dの円内で矢印の方向に、マスクの透光部33を回転移動し、ビームを走査する。この結果、直径dの範囲内にある領域は常にビームにより露光され、直径Dの円内にある他の領域については、透光部33の位置により、露光されるときと、露光されないときとが生じ、露光量を調整することができる。このため、現像により、変化したレジストを除去すると、図2に示すような加工深さが部分的に異なる3次元形状が得られるとある。
同様に、マスクを、被照射体であるレジストに対して水平方向に移動することにより、微細3次元形状を形成する方法が提案されている(特許文献2参照)。この方法は、図7(a)に示すように、直径Dの円内を、マスクの透光部73が矢印のように移動し、マスクの透光部73を徐々に中心71に移動する。マスクの移動を調整することによりビームを走査し、ビームの照射量を多くした領域は深くまでレジストが変化し、照射量を少なくした領域では変化するレジストが浅い。したがって、変化したレジストを除去すると、図2に示すような所望の3次元形状が得られるとある。
特開2001−215720号公報
特開2001−212795号公報
マスクの透光部を、被照射体であるレジストに対して水平方向に回転しながらビームを走査すると、図7(a)に示すように、透光部73の中心を通る部分73bと、中心を通らない部分73aとでは、ビームの照射時間が異なる。このため、ビームを走査した後、露光したレジストを除去すると、図7(b)に示すように、断面がU字状となり、径方向に凹凸が生じる。
ビームの走査を繰り返し、U字状の断面を重畳することにより、一定の3次元形状が得られるが、かかる形状は、マスク透光部の大きさ、形状、ビームとノズル中心との距離などにより、形成できる形状が制限されるため、設計の自由度が小さい。また、ノズルの径方向でビーム露光量に濃淡が生じるため、かかる露光部分をつないでいくと、図2に示すつなぎ部分Aに凹凸が生じやすく、所望の断面形状を有するノズルの製造は困難であり、またノズル間での形状のバラツキが大きい。
本発明の課題は、微細で精密な任意の3次元形状を得ることができる加工方法およびその装置を提供することにある。さらに、かかる加工技術を利用して、微細構造体およびその製造方法を提供することにある。
本発明の加工方法は、第1の局面によれば、レジスト塗布基板にビームを照射し、リソグラフィによりレジスト塗布基板に3次元形状を形成する加工方法であって、マスクと基板との距離を変更することにより、基板上でのビームの広がりを変更しながら、ビームの照射時間を調整する工程を備えることを特徴とする。
また、本発明の加工方法は、第2の局面によれば、基板にビームを照射し、アブレーションにより基板に3次元形状を形成する加工方法であって、マスクと基板との距離を変更することにより、基板上でのビームの広がりを変更しながら、ビームの照射時間を調整する工程を備えることを特徴とする。
ビームは、SRまたは紫外線レーザが好ましく、基板の移動により、マスクと基板との距離を変更する態様が好適である。また、目的とする3次元形状に応じて、ビームのマスクへの入射角を変更することにより基板上でのビームの広がりを変更する態様、または、マスクと基板を回転し、回転軸がビームの光軸と一致する態様、または、マスクと基板を回転し、回転軸がビームの光軸と傾斜する態様とすることができる。さらに、レジストとしてポジレジストを使用する態様が好ましい。本発明の装置は、かかる加工方法を実施する装置である。
本発明の微細構造体の製造方法は、第1の局面によれば、かかる加工方法により樹脂型を形成する工程と、樹脂型を用いて電鋳により金属部品を形成する工程を備えることを特徴とする。
また、本発明の微細構造体の製造方法は、第2の局面によれば、かかる加工方法により樹脂型を形成する工程と、樹脂型を用いて電鋳により金型を形成する工程と、金型を用いてモールドする工程を備えることを特徴とする。金型を用いたモールドにより第2の樹脂型を形成し、第2の樹脂型により他の材料からなる微細構造体を成形する態様が好ましい。
本発明の微細構造体の製造方法は、第3の局面によれば、かかる加工方法により樹脂型を形成する工程と、樹脂型を用いて電鋳により第1の金型を形成する工程と、第1の金型を用いて電鋳により第2の金型を形成する工程と、第2の金型を用いてモールドする工程を備えることを特徴とする。本発明の微細構造体は、以上の方法により製造されたことを特徴とする。
本発明によれば、精密で微細な3次元形状を容易に形成することができる。
(加工方法)
本発明の加工方法は、マスクと基板との距離を変更することにより、基板上でのビームの広がりを変更しながら、ビームの照射時間を調整する工程を備えることを特徴とする。たとえば、SR(シンクロトロン放射によるX線)は、発散角1mrad程度の広がりを有するため、図1(a)に示すように、マスク1の径3μmのマスクパターンを通過したSRは、30mm離れた所では、30μm程度の広がりを有する。したがって、レジスト3を形成した基板2とマスク1との距離を変更することにより、レジスト塗布基板上でのビームの広がりを変更できるから、ビームの広がりとビームの照射時間とを調整しながら露光することにより、図1(b)に示すように、レジスト3内における、露光されたレジストの集合3aを所望の3次元形状とすることができる。したがって、ポジレジストの場合、現像により露光されたレジストの集合3aを除くことにより、レジスト塗布基板に所望の3次元形状を形成することができる。
本発明の加工方法は、マスクと基板との距離を変更することにより、基板上でのビームの広がりを変更しながら、ビームの照射時間を調整する工程を備えることを特徴とする。たとえば、SR(シンクロトロン放射によるX線)は、発散角1mrad程度の広がりを有するため、図1(a)に示すように、マスク1の径3μmのマスクパターンを通過したSRは、30mm離れた所では、30μm程度の広がりを有する。したがって、レジスト3を形成した基板2とマスク1との距離を変更することにより、レジスト塗布基板上でのビームの広がりを変更できるから、ビームの広がりとビームの照射時間とを調整しながら露光することにより、図1(b)に示すように、レジスト3内における、露光されたレジストの集合3aを所望の3次元形状とすることができる。したがって、ポジレジストの場合、現像により露光されたレジストの集合3aを除くことにより、レジスト塗布基板に所望の3次元形状を形成することができる。
基板とマスクの距離を連続的に変更し、ビームの照射時間を連続的に変更することにより、空孔部の壁面に凹凸がなく、滑らかな傾斜を有する3次元形状を任意に形成することができる。また、ロット間のバラツキも小さくすることができる。したがって、本発明の加工方法により形成したインクジェット用ノズルなどの微細流体デバイスでは、流体特性が良好で、均一である。また、マスクを水平方向に移動させることなく、1つの透光部により1つの空孔部を形成するため、空孔部の3次元形状の制御が容易であり、基板から斜め方向に広がるような空孔部も任意に形成することができる。
ビームは、SRのほか、光学系により、形状に応じて1〜10mrad程度の発散角を持たせた紫外線レーザなども同様に利用することができる。マスクと基板との距離の変更は、マスクの位置の変更によっても行なうことができるが、マスクの位置を固定し、基板の位置を変更することにより、ビームの広がりと照射強度が一定となり、加工が容易でバラツキを低減できる。一方、ビームのマスクへの入射角を変更し、基板上でのビームの広がりを変更することにより、SRの垂直方向の発散角より水平方向の発散角が大きいような場合であっても、均一に照射し再現性のよい3次元加工が可能となる。
また、たとえば図8に示すように、マスクホルダ81と基板ホルダ82の距離を変更することができるステージ83全体を回転し、マスクと基板の回転軸84がビームの光軸85と一致するような態様とすることにより、垂直方向と水平方向の発散角が異なるビームであっても、均一で再現性のよい円形の3次元加工が可能である。
マスクと基板の距離を大きくすると、形成されるパターンが大きくなり、パターンが大きくなるにつれて像がボケていく傾向がある。そこで、たとえば図9に示すように、マスク91と基板92の距離を変更することができるステージ全体を回転し、マスク91と基板92の回転軸94がビームの光軸95と傾斜するような態様とし、角度θを設けることにより、像がボケることなく、パターンを広げてビームを照射することができる。ステージを傾け過ぎると、マスクがパターンにかぶさり、パターンが細くなる場合もあるため、マスクと基板の距離を変更する上述の方法を適度に併用することにより、均一で任意の加工平面を形成することができる。
本発明の加工方法を実施する装置において、マスクと基板との距離およびその変更速度は、SRの発散角、レジストにおけるSR吸収エネルギの厚さ依存性、SR吸収エネルギおよび現像速度などにより適宜設計することができる。なお、レジストにおけるSR吸収エネルギの厚さ依存性は、SRエネルギ分布とレジストの吸収係数などにより求めることができる。
本発明の加工方法の他の態様は、基板にビームを照射し、アブレーションにより基板に3次元形状を形成し、マスクと基板との距離を変更することにより、基板上でのビームの広がりを変更しながら、ビームの照射時間を調整する工程を備えることを特徴とする。上述のリソグラフィによる加工方法と同様に、ビームの広がりを利用して、基板に微細で精密な3次元形状を容易に形成することができる。また、アブレーションによるため、基板上へのレジストの形成工程およびビーム照射後の現像工程が不要となる点で有利である。たとえば、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂製基板をSRでアブレーションし、または金属製基板を紫外線レーザなどの高強度レーザでアブレーションすることにより、微細な3次元形状を得ることができる。
(微細構造体の製造方法)
本発明の微細構造体の製造方法は、前述の加工方法により樹脂型を形成する工程と、樹脂型を用いて電鋳により金属部品を形成する工程を備えることを特徴とする。表面に凹凸がなく、任意の微細な3次元形状を有する樹脂型を使用して、精密微細金属製品を再現性よく、容易に製造することができる。
本発明の微細構造体の製造方法は、前述の加工方法により樹脂型を形成する工程と、樹脂型を用いて電鋳により金属部品を形成する工程を備えることを特徴とする。表面に凹凸がなく、任意の微細な3次元形状を有する樹脂型を使用して、精密微細金属製品を再現性よく、容易に製造することができる。
まず、図4(a)に示すように、導電性基板41上にレジスト42を形成する。導電性基板として、たとえば、銅、ニッケル、ステンレス鋼などからなる金属製基板、チタン、クロムなどの金属材料をスパッタリングしたシリコン基板などを用いる。レジストには、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)などのポリメタクリル酸エステルを主成分とする樹脂材料、またはX線に感受性を有する化学増幅型樹脂材料などを用いる。レジストの厚さは、製造しようとする微細構造体の厚さに合せて設定し、たとえば50μm〜500mmとすることができる。
つぎに、レジスト42から所定の距離をおいて、マスク43を配置し、マスク43を介してビーム44を照射する。マスクとレジスト塗布基板との距離およびマスクの透光部の大きさは、製造しようとする金属製品の大きさおよび形状と、ビームの広がりに基づき設定する。たとえば、ビームとしてSRを用いる場合には、発散角が1mradとすると、マスクに形成された径3μmの透光部を通過したSRは、30mm離れたレジスト塗布基板上で約30μmの広がりを有する。マスク43は、窒化タングステンなどの吸収体43aと、透光性のある窒化シリコンなどのメンブレン43bとからなる。
X線44の照射開始後、たとえば基板を移動し、マスクと基板との距離を変更することにより、基板上でのX線の広がりを変更する。さらに、マスクまたは基板の移動速度を変更することにより、X線の照射時間を調整する。レジスト42のうち、レジスト42aは露光され変質するが、レジスト42bは露光していない。このため、現像により、X線44により変質した部分のみを除去すると、図4(b)に示すような所定の3次元形状を有する樹脂型42bが得られる。
つぎに、電鋳を行ない、図4(c)に示すように、樹脂型42bに金属材料45を堆積する。電鋳とは、金属イオン溶液を用いて導電性基板上に金属材料からなる層を形成することをいう。導電性基板41をめっき電極として電鋳を行なうことにより、樹脂型42bに金属材料45を堆積することができる。樹脂型の空孔部が埋まる程度に金属材料を堆積する場合、堆積した金属材料層から、最終的に本発明の微細構造体を得ることができる。
樹脂型の高さを超え、樹脂型上にも金属材料を堆積すると、樹脂型および基板を除去することにより、空孔部を有する金属微細構造体が得られ、得られた構造体を金型として、後述のとおり、モールドにより樹脂型などを形成することができる。金属材料には、ニッケル、銅、またはそれらの合金などを用いるが、耐摩耗性が必要な場合は、ニッケルまたはニッケルマンガンなどのニッケル合金が好ましい。
電鋳後、研磨または研削により所定の厚さに揃えた後(図4(d))、図4(e)に示すように、ウエットエッチングまたはプラズマエッチングにより樹脂型42bを除去する。つづいて、酸もしくはアルカリによりウエットエッチングし、または機械的に加工して導電性基板41を除去すると、図4(f)に示すような金属微細構造体が得られる。
本発明の微細構造体の製造方法の他の態様は、前述の加工方法により樹脂型を形成する工程と、樹脂型を用いて電鋳により金型を形成する工程と、金型を用いてモールドする工程を備えることを特徴とする。かかる方法によっても、任意の3次元形状を有する微細構造体を得ることができる。また、同一の金型を用いて、安価に量産することができる。
樹脂型を形成する工程と、樹脂型を用いて電鋳により金型を形成する工程は、前述の製造方法と同様である。金型を用いてモールドする工程では、たとえば、図6(a)に示すように、凸部を有する金型62を用いて、エンボス成形、反応性成形または射出成形などのモールドにより、図6(b)に示すような成形品63を得ることができる。つぎに、図6(c)に示すように、下部を研磨することにより、インクジェット用ノズルまたは医療用ノズルなどとして有用な成形品が得られる。金型62は、前述の加工方法と電鋳を組み合せた方法により製造することができる。
金型を用いたモールドにより第2の樹脂型を形成した後、第2の樹脂型を用いて他の材料からなる微細構造体を成形することができる。たとえば、図5(a)に示すように、凸部を有する金型52を用いて、エンボス成形、反応性成形または射出成型などのモールドにより、図5(b)に示すような凹状の第2の樹脂型53を形成する。樹脂材料としては、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオキシメチレンなどのポリアセタール樹脂などを用いる。
第2の樹脂型53を用いて、金属製またはセラミックス製の微細構造体を製造することができる。たとえば、樹脂型53の上下を反転した後、図5(c)に示すように、導電性基板51に貼り付ける。続いて、図5(d)に示すように、樹脂型53を研磨し、樹脂型53aを形成する。その後の工程は、前述と同様であり、電鋳により樹脂型53aに金属材料55を堆積し(図5(e))、厚さを調整し(図5(f))、樹脂型53aを除去し(図5(g))、導電性基板51を除去すると、図5(h)に示すような金属製微細構造体が得られる。
金型を除去した後、第2の樹脂型53に、セラミックススラリを充填し、固化した後、焼成することにより、セラミックス製微細構造体を得ることができる。セラミックスとして、チタン酸ジルコン酸鉛またはチタン酸ジルコン酸ランタン鉛などのチタン酸ジルコン酸塩を用いると、任意の3次元形状を有する圧電セラミックスを得ることもできる。スラリ中のセラミックスの含量は、25体積%〜57体積%とし、ポリビニルアルコールなどのバインダを3体積%〜30体積%配合する態様が好適である。
本発明の微細構造体の製造方法の他の態様は、前述の加工方法により樹脂型を形成する工程と、樹脂型を用いて電鋳により第1の金型を形成する工程と、第1の金型を用いて電鋳により第2の金型を形成する工程と、第2の金型によりモールドする工程を備えることを特徴とする。本発明の他の方法と同様に、任意の3次元形状を有する微細構造体を容易に製造することができる。また、同一の金型を用いて安価な大量生産が可能である。樹脂型の形成、電鋳およびモールドは、前述と同様にして行なうことができる。
以上の方法により、インクジェット用ノズルまたは医療用微細ノズルなどに使用する任意の3次元形状を有する精密微細構造体を製造することができる。このノズルは、内壁に凹凸などがないため、流体特性が優れている。さらに、本発明の方法によれば、均一な3次元形状を単位面積あたり高密度に形成することができる。また、これらノズルの転写体に該当する医療用針または化学センサなどの微細構造体を容易に製造することができる。
実施例1
まず、図1(a)に示すように、導電性基板2上にレジスト3を塗布した。導電性基板2としては、チタンをスパッタリングしたシリコン基板を用いた。レジスト3には、メタクリル酸メチルとメタクリル酸との共重合体を用い、レジスト3の厚さは150μmとした。
まず、図1(a)に示すように、導電性基板2上にレジスト3を塗布した。導電性基板2としては、チタンをスパッタリングしたシリコン基板を用いた。レジスト3には、メタクリル酸メチルとメタクリル酸との共重合体を用い、レジスト3の厚さは150μmとした。
つぎに、レジスト塗布基板2から30mm離して、マスク1を配置した。マスク1には、口径3μmのマスクパターンを、ピッチ40μmで多数形成した(図1(a)には、1つの孔のみを示す。)。このマスク1を介してX線を照射した。X線としては、SR装置によるSRを照射した。マスク1は、窒化タングステンを吸収体1aとし、窒化シリコンをメンブレン1bとした。
SRは1mradの広がりを有していたため、マスク1の透光部から30mm離れた基板上において、ビームは30μmの広がりを有していた。マスク1は固定し、SRの照射開始後、基板2をマスク1の方向に移動した。基板の移動は、マスクと基板との距離を変更することにより、基板上でのSRの広がりを変更し、SRの照射時間を調整しながら行なった。
図4(a)に、SRの照射終了前の状態を示す。基板41上にはレジスト42があり、マスク43のマスクパターンを通過したSRにより、レジスト42aが露光された。つぎに、メチルイソブチルケトンにより現像し、SRにより露光され、変質したレジスト42aを除去し、図4(b)に示すような樹脂型42bを得た。
つぎに、電鋳を行ない、図4(c)に示すように、樹脂型42bの空孔部に金属材料45を堆積した。金属材料はニッケルを用いた。電鋳後、図4(d)に示すように、研磨して表面の凹凸を除去してから、図4(e)に示すように、酸素プラズマにより樹脂型42bを除去し、続いてKOH水溶液によりウエットエッチングをし、導電性基板41を除去すると、図4(f)に示すような、金属微細構造体が得られた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
インクジェット用ノズルまたは医療用微細ノズルなどに使用する任意の3次元形状を有する精密微細構造体を製造することができる。このノズルは、内壁に凹凸などがないため、流体特性に優れている。さらに、本発明の方法によれば、均一な3次元形状を単位面積あたり高密度に同時に形成することができる。また、これらノズルの転写体に相当する医療用針または化学センサなどの微細構造体を容易に製造することができる。
1 マスク、1a,43a 吸収体、1b,43b メンブレン、2 基板、3,42 レジスト、41 導電性基板、43 マスク、44 ビーム、45 金属材料。
Claims (14)
- レジスト塗布基板にビームを照射し、リソグラフィによりレジスト塗布基板に3次元形状を形成する加工方法であって、マスクと基板との距離を変更することにより、基板上でのビームの広がりを変更しながら、ビームの照射時間を調整する工程を備えることを特徴とする加工方法。
- 基板にビームを照射し、アブレーションにより基板に3次元形状を形成する加工方法であって、マスクと基板との距離を変更することにより、基板上でのビームの広がりを変更しながら、ビームの照射時間を調整する工程を備えることを特徴とする加工方法。
- 前記ビームが、SRまたは紫外線レーザであることを特徴とする請求項1または2に記載の加工方法。
- 基板の移動により、マスクと基板との距離を変更することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の加工方法。
- ビームのマスクへの入射角の変更により、基板上でのビームの広がりを変更する請求項1〜4のいずれかに記載の加工方法。
- マスクと基板を回転し、回転軸がビームの光軸と一致することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の加工方法。
- マスクと基板を回転し、回転軸がビームの光軸と傾斜することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の加工方法。
- レジストがポジレジストである請求項1〜7のいずれかに記載の加工方法。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の加工方法を実施することを特徴とする装置。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の加工方法により樹脂型を形成する工程と、前記樹脂型を用いて電鋳により金属部品を形成する工程を備えることを特徴とする微細構造体の製造方法。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の加工方法により樹脂型を形成する工程と、前記樹脂型を用いて電鋳により金型を形成する工程と、前記金型を用いてモールドする工程を備えることを特徴とする微細構造体の製造方法。
- 前記金型を用いたモールドにより第2の樹脂型を形成し、該第2の樹脂型により微細構造体を成形することを特徴とする請求項11に記載の微細構造体の製造方法。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の加工方法により樹脂型を形成する工程と、前記樹脂型を用いて電鋳により第1の金型を形成する工程と、前記第1の金型を用いて電鋳により第2の金型を形成する工程と、前記第2の金型を用いてモールドする工程を備えることを特徴とする微細構造体の製造方法。
- 請求項10〜13のいずれかに記載の方法により製造された微細構造体。
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