JP2005307134A - 部品仮固定用複合体 - Google Patents

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Kazutoshi Toki
一俊 土岐
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Abstract

【課題】電子部品等の仮固定用複合体に関し、10〜40℃で粘着性を有することにより小型モジュール部品等を仮固定し、はんだの融着工程であるリフロー炉内の高温処理を行い、10〜40℃に冷却した後に再び小型モジュール部品等を取り外し、及び仮固定するための、熱安定性が良好な紫外線硬化樹脂組成物およびそれを用いた部品仮固定用複合体を提供する。
【解決手段】 (A)1分子中に2つのアクリロイル基をもつウレタンアクリレート系光重合性オリゴマーを30〜70重量部、(B)1分子中に1つのアクリロイル基をもつウレタンアクリレート系光重合性オリゴマーを70〜30重量部、(C)1分子中にアクリレート基をもたないウレタンアクリレート系オリゴマーを5〜30重量部、(D)光重合開始剤0.5〜10重量部を含むことを特徴とする紫外線硬化樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、部品の仮固定用複合体に関する。更に詳しくは,電子部品等の仮固定用複合体に関し、10〜40℃で粘着性を有することにより小型モジュール部品等を仮固定し、はんだの融着工程であるリフロー炉内の高温処理を行い、10〜40℃に冷却し再び小型モジュール部品等を取り外し、及び仮固定するための熱安定性が良好な紫外線硬化樹脂組成物およびそれを用いた部品仮固定用複合体の提供に関する。
従来、プリント基板やフレキブル基板に電子部品を実装する際に、接着剤(例えば、特許文献1、特許文献2)等を用いて仮固定し、はんだリフロー炉中ではんだ接合して最終的に電子部品を固定する方法が行われている。ところが、最近の電子部品の小型化にともない、所定の電子部品を搭載した小型モジュール等の実装がおこなわれることが多い。この場合、従来のプリント基板やフレキシブル基板と異なり実装工程中の小型モジュール部品の固定が重要な技術課題となっている。小型モジュール部品等を搬送耐熱性基板上に耐熱粘着テープ、シリコーン系粘着剤(例えば、特許文献3)等で仮固定することが提案されているが、仮固定作業性、実装後の取り外し作業性、長時間の耐熱性等において十分な方法は見出されていない。
特開平06−120653 特開2003−218508 特開平07−019232
耐熱粘着テープによる小型モジュール等部品仮固定方法では、仮固定、取り外しが困難で時間がかかり、量産性、コスト面で不利となる。さらに、剥がした耐熱粘着テープは廃棄物となるため環境負荷がかかる。そのため作業性が良好な仮固定用材料がないのが実状である。また、シリコーン系粘着剤による小型モジュール等部品仮固定方法では、耐熱粘着テープの貼り付け、取り外し作業が無い分、作業が省力化されるが、リフロー炉中で高温(200℃〜300数十℃)に繰り返し加熱される場合には、シリコーン系組成物が熱により一部分解し、シロキサンガス等が発生して電子部品等に腐食等の影響を与える場合が考えられる。例として、鉛はんだリフロー炉では、230℃〜240℃、20秒〜30秒間加熱されると言われる。この為、部品仮固定用複合体は、長時間の熱安定性と粘着性が求められる。
本発明は、小型モジュール部品等の仮固定用複合体に関し、シリコーン系成分を含まない、ウレタンアクリレート系光重合性オリゴマーと光重合開始剤を含む紫外線硬化樹脂組成物を基板の上に塗工し、紫外線硬化したものが、10〜40℃で粘着性を有し、小型モジュール部品等を仮固定出来き、例えば200〜240℃、20秒〜240分加熱後、10〜40℃に冷却した後に小型モジュール部品等を取り外した後、紫外線硬化樹脂組成は粘着性を保持し、再び小型モジュール部品等を仮固定し、はんだ実装工程で用いることが出来ることを特徴とする部品仮固定用複合体を提供しようとするものである。
本発明における紫外線硬化樹脂組成物としては(A)1分子中に2つのアクリロイル基をもつウレタンアクリレート系光重合性オリゴマー、(B)1分子中に1つのアクリロイル基をもつウレタンアクリレート系光重合性オリゴマー、(C)1分子中にアクリロイル基をもたないウレタンアクリレート系オリゴマー、(D)光重合開始剤を含むことを特徴とする紫外線硬化樹脂組成物。
光重合開始剤としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニル−フォスフィンオキサイド、等が挙げられ、この1種類または2種類以上を組合せても良い。
前記紫外線硬化樹脂組成物の配合量としては、(A)1分子中に2つのアクリロイル基をもつウレタンアクリレート系光重合性オリゴマーを30〜70重量部、(B)1分子中に1つのアクリロイル基をもつウレタンアクリレート系光重合性オリゴマーを70〜30重量部、(C)1分子中にアクリロイル基をもたないウレタンアクリレート系オリゴマーを5〜30重量部、(D)光重合開始剤0.5〜10重量部が好ましい。(A)1分子中に2つのアクリロイル基をもつウレタンアクリレート系光重合性オリゴマーが30重量部未満の場合は、熱劣化により粘着性が低下し、70重量部以上では、例えば240℃、240分加熱後において耐熱性が良く、粘着性が維持されるが、基板上に紫外線硬化性樹脂組成物を塗工する時、樹脂の粘度が上昇し、塗布作業性が低下する。(B)1分子中に1つのアクリロイル基をもつウレタンアクリレート系光重合性オリゴマーが30重量部未満の場合は、粘着性が不足し、70重量部以上では、熱劣化により粘着性が低下する。(C)1分子中にアクリロイル基をもたないウレタンアクリレート系オリゴマーが5重量部未満の場合は、粘着性が不足し、30重量部以上では、例えば、240℃、240分加熱において熱劣化により、粘着物が仮固定した電子部品等に付着する。(D)光重合開始剤が0.5重量部より少ないと光重合性が不足する恐れがあり、10重量部以上の場合には、黄変が生じ易い欠点の他、不経済となる。
請求項1および請求項2に記載の紫外線硬化樹脂組成物には必要に応じて、光重合促進剤、酸化防止剤、界面活性剤、シランカップリング剤、充填剤、着色剤などを適量配合しても良い。
本発明によれば、請求項1および請求項2に記載の部品仮固定用複合体により、紫外線硬化樹脂組成物が10〜40℃で粘着性を有し、小型モジュール部品等を仮固定出来き、例えば200〜240℃、20秒〜240分加熱後、10〜40℃に冷却した後に小型モジュール部品等を取り外した後、紫外線硬化樹脂組成は粘着性を保持し、再び小型モジュール部品等を仮固定出来ることを提供するものである。
以下、本発明をより具体的に示すための実例をあげる。
(実施例1)
アートレジンUN−9200A(根上工業株式会社製、ウレタンアクリレートオリゴマー、アクリロイル基数2、分子量約15,000、粘度10,000〜14,000(mPa・s/25℃)オリゴマー/テトラヒドロフラン=65/35の希釈粘度)を40重量部、アートレジンUN−2111A(根上工業株式会社製、ウレタンアクリレートオリゴマー、アクリロイル基数1、分子量約5,000、粘度300,000〜500,000(mPa・s/25℃)を40重量部、アートレジンUN−1200TPK(根上工業株式会社製、ウレタンアクリレートオリゴマー、アクリロイル基数0、分子量約30,000、粘度50,000〜100,000(mPa・s/25℃)を17重量部、イルガキュア184(チバ・スペシャリテイ・ケミカルズ株式会社製光重合開始剤、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)を3重量部混合し、紫外線硬化樹脂組成物を得た。この組成物を基板の上に厚さ約500μmに塗工し、紫外線ランプ、メタルハライドランプ120W/cmにて積算光量1500mJ/cm照射して小型モジュール部品等の部品仮固定用複合体を得た。
(実施例2)
(実施例1)に記載した紫外線硬化樹脂組成物の内、配合割合、アートレジンUN−9200Aを50重量部、アートレジンUN−2111Aを30重量部、アートレジンUN−1200TPKを17重量部、イルガキュア184を3重量部とした以外は実施例1に準じた。
(実施例3)
(実施例1)に記載した紫外線硬化樹脂組成物の内、配合割合をアートレジンUN−9200Aを60重量部、アートレジンUN−2111Aを20重量部、アートレジンUN−1200TPKを17重量部、イルガキュア184を3重量部とした以外は実施例1に準じた。
(比較例1)
ライトタックPSA−505(共栄社化学株式会社製、ポリエステルポリオールタイプのウレタンアクリレートオリゴマー、粘度5,000mPa・s/25℃)を97重量部、(実施例1)に記載したイルガキュア184を3重量部とした以外は実施例1に準じた。
(比較例2)
(比較例1)に記載したライトタックPSA−505を85重量部、NKエステルA−CHD−4E(新中村化学工業株式会社製、エトキシ化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、粘度60mPa・s/25℃)を12重量部、(実施例1)に記載したイルガキュア184を3重量部とした以外は実施例1に準じた。
(比較例3)
(実施例1)に記載したアートレジンUN−9200Aを30重量部、(比較例2)に記載したライトタックPSA−505を40重量部、NKエステルA−CHD−4E(新中村化学工業株式会社製、エトキシ化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、粘度60mPa・s/25℃)を27重量部、イルガキュア184を3重量部とした以外は実施例1に準じた。
(比較例4)
市販シリコーン系2液型粘着剤を用いた小型モジュール部品等の部品仮固定用複合体を得た。
実施例1〜3、並びに比較例1〜3で得られた組成物の粘度、実施例1〜3並びに比較例1〜4で得られた、小型モジュール部品等の部品仮固定用複合体について、23℃での粘着性及び加熱後の粘着性について以下の評価試験を行った。結果を表1に示す。
(1)粘度:紫外線硬化樹脂組成物の粘度を、E型粘度計(VCH−400、東京計器製)を用い、25℃または40℃で測定した。
(2)23℃での粘着性試験:23℃雰囲気中で厚み50μmのポリイミドフイルムを小型モジュール部品等の部品仮固定用シートに押付けたのち、ポリイミドフィルムを引き剥がした際の粘着性を以下の基準で評価した。
<評価基準>
○ : 粘着性有り
△ : 粘着性少し有り
× : 粘着性なし
(3)240℃、30分、240分加熱後の粘着性:240℃の雰囲気中に約30分、240分間放置後、23℃雰囲気中に取出して冷却したのち、厚み50ミクロンのポリイミドフイルムを小型モジュール部品等の部品仮固定用シートに押付けたのち、ポリイミドフィルムを引き剥がした際の粘着性を以下の基準で評価した。
<評価基準>
○ : 粘着性有り
△ : 粘着性少しあり
× : 粘着性なし
Figure 2005307134
基板の一例を示す側断面図
符号の説明
1.基板
2.紫外線硬化樹脂組成物
3.仮固定する部品

Claims (2)

  1. (A)1分子中に2つのアクリロイル基をもつウレタンアクリレート系光重合性オリゴマーを30〜70重量部、(B)1分子中に1つのアクリロイル基をもつウレタンアクリレート系光重合性オリゴマーを70〜30重量部、(C)1分子中にアクリロイル基をもたないウレタンアクリレート系オリゴマーを5〜30重量部、(D)光重合開始剤0.5〜10重量部を含むことを特徴とする紫外線硬化樹組成物。
  2. 請求項1記載の紫外線硬化樹脂組成物を基板に塗工し紫外線硬化させることにより、紫外線硬化樹脂組成物が10〜40℃で粘着性を有し、小型モジュール部品等を仮固定出来き、200〜240℃、20秒〜240分加熱後、10〜40℃に冷却した後に小型モジュール部品等を取り外した後、紫外線硬化樹脂組成は粘着性を保持し、再び小型モジュール部品等を仮固定出来る部品仮固定用複合体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010248353A (ja) * 2009-04-14 2010-11-04 Denki Kagaku Kogyo Kk (メタ)アクリル樹脂組成物及びこれを用いた解体方法
KR20160118239A (ko) 2014-02-05 2016-10-11 다이니폰 인사츠 가부시키가이샤 점착제 조성물 및 그것을 사용한 점착 필름

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