JP2005298904A - 超臨界水環境での金属防食方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 超臨界水とは水の第四の相であり、有害有機物の酸化分解や、有機合成、微粒子製造、水素製造など、様々な化学プロセスの反応場として注目を集めているが、一方で超界水環境は非常に腐食性の強い条件である。該超界水環境での化学プロセスの開発など超臨界水利用技術の成立の為には、反応容器構造材料の腐食や応力腐食割れの制御が、最重要課題である。
【解決手段】 高温且つ高圧の水の条件下に金属イオンを添加した水含有液中で金属材を処理し、該高温且つ高圧水条件下処理により金属材の表面に該金属イオンから形成された該金属化合物皮膜を被覆せしめることにより、金属の防食性能を高めることが可能である。
【選択図】 なし
【解決手段】 高温且つ高圧の水の条件下に金属イオンを添加した水含有液中で金属材を処理し、該高温且つ高圧水条件下処理により金属材の表面に該金属イオンから形成された該金属化合物皮膜を被覆せしめることにより、金属の防食性能を高めることが可能である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、超臨界水環境下での金属の防食技術に関する。
超臨界とは気体と液体が共存できる限界の温度・圧力(臨界点)を超え、気体と液体の密度が同じになり2相が区別できなくなった状態のことで、超臨界状態で生じる特殊な流体を超臨界流体という。この時の温度・圧力をそれぞれ臨界温度・臨界圧力と呼び、水の場合、圧力22.1メガパスカル(MPa,約221kg/m2)、374度Cの時に、氷でも液体の水でも水蒸気でもない状態で存在する超臨界水となる。超臨界水は気体の拡散性と液体の物質溶解性を合わせ持っているため、反応溶媒としてさまざまな効果を持ち、環境汚染物質の分解・有用物質の抽出や難分解性物質の処理・リサイクルへの応用などが期待されている。また、超臨界水は温度/圧力操作により、自身の溶媒特性(例えば、誘電率など)を使用目的に応じて適切な値に変更可能であることから、反応場として広範な用途が期待されている。
このように超臨界水とは水の第四の相であり、有害有機物の酸化分解や、有機合成、微粒子製造、水素製造など、様々な化学プロセスの反応場としての利用が考えられている。こうして超臨界水環境下での化学プロセスの開発が盛んに行なわれている一方で、超臨界水利用技術の成立の為には、反応容器構造材料の腐食や応力腐食割れの制御が、最重要課題であると認識されている。つまり、超臨界水プロセスは装置材料にとって非常に過酷な腐食性環境を提供するので、超臨界水利用技術実用化の成否を担っているのは、超臨界水用反応装置の装置材料の劣化制御(例えば、腐食や応力腐食割れなど)であるといっても過言でない。
ところで実用合金の耐食性は形成される皮膜に依存する。Fe基合金やNi基合金では一般的に、合金元素のCrあるいはAl、Siなどの酸化物Cr2O3、Al2O3、SiO2等の酸化物の緻密な連続皮膜が形成される。これら酸化物中では、酸素イオンおよび金属イオンの拡散速度が遅い。そのため、物質移動障壁として有効に働き、優れた耐食性が発揮される。これまで超臨界水酸化プロセスを中心に、様々な研究者によって反応容器材料の探索や開発が行なわれてきた。これらの研究により、Fe基およびNi基合金中のCrが耐食性に最も大きく寄与している合金元素であることが明らかにされてきた。本発明者である渡辺らの報告〔非特許文献1〕においても、Crを約44%含んだNi基合金MCalloyは硫酸を含んだ酸化性超臨界水に対して非常に優れた耐食性を発揮した。しかしながら、使用材料の防食技術としてはアルミナライニングといった複雑な構造のものしか報告が無い。
このように超臨界水とは水の第四の相であり、有害有機物の酸化分解や、有機合成、微粒子製造、水素製造など、様々な化学プロセスの反応場としての利用が考えられている。こうして超臨界水環境下での化学プロセスの開発が盛んに行なわれている一方で、超臨界水利用技術の成立の為には、反応容器構造材料の腐食や応力腐食割れの制御が、最重要課題であると認識されている。つまり、超臨界水プロセスは装置材料にとって非常に過酷な腐食性環境を提供するので、超臨界水利用技術実用化の成否を担っているのは、超臨界水用反応装置の装置材料の劣化制御(例えば、腐食や応力腐食割れなど)であるといっても過言でない。
ところで実用合金の耐食性は形成される皮膜に依存する。Fe基合金やNi基合金では一般的に、合金元素のCrあるいはAl、Siなどの酸化物Cr2O3、Al2O3、SiO2等の酸化物の緻密な連続皮膜が形成される。これら酸化物中では、酸素イオンおよび金属イオンの拡散速度が遅い。そのため、物質移動障壁として有効に働き、優れた耐食性が発揮される。これまで超臨界水酸化プロセスを中心に、様々な研究者によって反応容器材料の探索や開発が行なわれてきた。これらの研究により、Fe基およびNi基合金中のCrが耐食性に最も大きく寄与している合金元素であることが明らかにされてきた。本発明者である渡辺らの報告〔非特許文献1〕においても、Crを約44%含んだNi基合金MCalloyは硫酸を含んだ酸化性超臨界水に対して非常に優れた耐食性を発揮した。しかしながら、使用材料の防食技術としてはアルミナライニングといった複雑な構造のものしか報告が無い。
Yuzo Daigo, Yutaka Watanabe, Kiwamu Sue, Proc. JSCE Materials and Environments 2004, Paper No.A-303, JSCE (2004)
超臨界水などの超臨界流体を利用する技術は、独特の利点・効果などを期待できるものとして、その開発が求められているが、例えば、超臨界水条件の下では高温高圧の条件というのみでなく、非常に腐食性の強い環境を提供しているといえる。したがって、超臨界水などの超臨界用装置の健全性確保および経済性確保の視点からは、反応容器構造材料は高温での長時間使用後も充分な耐食性と許容し得る範囲の機械的性質を保持することが必要である。
一般的に、腐食性環境下では材料の耐食性を向上させるためにコーティング技術(塗装、めっき等)が用いられている。これらは、コーティングの拡散障壁としての作用や、犠牲電極としての作用を利用し材料の耐食性を向上させるものである。酸化性超臨界水環境下では、これまでアルミナライニング等を用い装置の劣化を抑える方法は提案されてきているものの、ライニングの破壊を防ぐため構造上複雑なものにならざるを得ない。また、塗装やめっき等のコーティング技術を用いて、耐食性を向上させるという試みはなされて来なかった(その理由は、熱ひずみによりコーティングが剥落する為や、熱力学的に安定なコーティングの選定が難しい為であろう)。
一般的に、腐食性環境下では材料の耐食性を向上させるためにコーティング技術(塗装、めっき等)が用いられている。これらは、コーティングの拡散障壁としての作用や、犠牲電極としての作用を利用し材料の耐食性を向上させるものである。酸化性超臨界水環境下では、これまでアルミナライニング等を用い装置の劣化を抑える方法は提案されてきているものの、ライニングの破壊を防ぐため構造上複雑なものにならざるを得ない。また、塗装やめっき等のコーティング技術を用いて、耐食性を向上させるという試みはなされて来なかった(その理由は、熱ひずみによりコーティングが剥落する為や、熱力学的に安定なコーティングの選定が難しい為であろう)。
本発明者等は超臨界水環境下でオートクレーブの腐食を抑制するため、構造材料としてMCアロイ(Ni-44Cr-1Mo)を用い腐食試験を実施していた。試験条件としては、過去に実施したTi製オートクレーブを用いた腐食試験から、試験片の重量が著しく減少する事が予想される条件を選択していた。しかし、MCアロイ製オートクレーブを使用した場合、試験片の重量変化がほぼゼロもしくは僅かな増量を示し、また、その傾向は試験を重ねるにつれ顕著となることを見出した。この知見を詳細に分析したところ、装置材料であるMCアロイからCrイオンが溶出し、溶液中のCrイオン濃度が顕著に上昇していること、そして該試験装置から溶出したCrイオンが試験片表面にCr酸化物として析出し耐食性を向上させるという現象を見出すことに成功した。これを基に鋭意研究を進めた結果、本発明の溶液に六価もしくは三価のCrイオンを添加し、いわゆる“Cr酸化物めっき”を使用温度圧力条件下で施すという、防食法に到達したものである。
すなわち、本発明は、当該Crイオンが、試験片表面にCr酸化物などのCr化合物として析出し、耐食性を極端に向上させているとの発見を利用する技術である。
すなわち、本発明は、当該Crイオンが、試験片表面にCr酸化物などのCr化合物として析出し、耐食性を極端に向上させているとの発見を利用する技術である。
かくして、本発明は以下を提供するものである。
〔1〕 高温且つ高圧の水の条件下に金属イオンを添加した水含有液中で処理された金属材であって、該高温且つ高圧の水の条件下に金属イオンを添加した水含有液中での処理により該金属材の表面が該金属イオンから形成された該金属化合物皮膜で被覆されていることを特徴とする防食化処理金属材。
〔2〕 高温且つ高圧の水の条件が、亜臨界水又は超臨界水条件であることを特徴とする上記〔1〕記載の防食化処理金属材。
〔3〕 高温且つ高圧の水の条件が、超臨界水条件であることを特徴とする上記〔1〕記載の防食化処理金属材。
〔4〕 当該条件が、約300〜700℃の温度で且つ約20〜200MPaの圧力であることを特徴とする上記〔1〕〜〔3〕のいずれか一記載の防食化処理金属材。
〔5〕 当該条件が、約350〜600℃の温度で且つ約23〜150MPaの圧力であることを特徴とする上記〔1〕〜〔3〕のいずれか一記載の防食化処理金属材。
〔6〕 当該条件が、約370〜500℃の温度で且つ約25〜80MPaの圧力であることを特徴とする上記〔1〕〜〔3〕のいずれか一記載の防食化処理金属材。
〔7〕 当該条件が、約380〜450℃の温度で且つ約27〜40MPaの圧力であることを特徴とする上記〔1〕〜〔3〕のいずれか一記載の防食化処理金属材。
〔8〕 金属材が、鋼材であることを特徴とする上記〔1〕〜〔7〕のいずれか一記載の防食化処理金属材。
〔9〕 鋼材が、ステンレス鋼、高耐食合金鋼及びFe基合金又はNi基合金からなる群から選択されたものであることを特徴とする上記〔8〕記載の防食化処理金属材。
〔10〕 添加される金属イオンの金属が、クロム、ニッケル、鉄、アルミニウム、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、ジルコニウム、コバルト、ニオブ、イットリウム、ケイ素、バナジウム、セリウム、マンガン、ジルコニウム及び銅からなる群から選択されたものであることを特徴とする上記〔1〕〜〔9〕のいずれか一記載の防食化処理金属材。
〔11〕 添加される金属イオンの金属が、クロム、ニッケル、鉄、アルミニウム、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン及びジルコニウムからなる群から選択されたものであることを特徴とする上記〔1〕〜〔9〕のいずれか一記載の防食化処理金属材。
〔12〕 添加される金属イオンの金属が、クロムであることを特徴とする上記〔1〕〜〔9〕のいずれか一記載の防食化処理金属材。
〔13〕 高温且つ高圧の水の条件下に金属イオンを添加した水含有液中で金属材を処理し、該処理により金属材の表面に該金属イオンから形成された該金属化合物皮膜を被覆せしめることを特徴とする金属の防食法。
〔14〕 高温且つ高圧の水の条件が、亜臨界水又は超臨界水条件であることを特徴とする上記〔13〕記載の防食法。
〔15〕 高温且つ高圧の水の条件が、超臨界水条件であることを特徴とする上記〔13〕記載の防食法。
〔16〕 当該条件が、約300〜700℃の温度で且つ約20〜200MPaの圧力であることを特徴とする上記〔13〕〜〔15〕のいずれか一記載の防食法。
〔17〕 当該条件が、約350〜600℃の温度で且つ約23〜150MPaの圧力であることを特徴とする上記〔13〕〜〔15〕のいずれか一記載の防食法。
〔18〕 当該条件が、約370〜500℃の温度で且つ約25〜80MPaの圧力であることを特徴とする上記〔13〕〜〔15〕のいずれか一記載の防食法。
〔19〕 当該条件が、約380〜450℃の温度で且つ約27〜40MPaの圧力であることを特徴とする上記〔13〕〜〔15〕のいずれか一記載の防食法。
〔20〕 金属材が、鋼材であることを特徴とする上記〔13〕〜〔19〕のいずれか一記載の防食法。
〔21〕 鋼材が、ステンレス鋼、高耐食合金鋼及びFe基合金又はNi基合金からなる群から選択されたものであることを特徴とする上記〔20〕記載の防食法。
〔22〕 添加される金属イオンの金属が、クロム、ニッケル、鉄、アルミニウム、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、ジルコニウム、コバルト、ニオブ、イットリウム、ケイ素、バナジウム、セリウム、マンガン、ジルコニウム及び銅からなる群から選択されたものであることを特徴とする上記〔13〕〜〔21〕のいずれか一記載の防食法。
〔23〕 添加される金属イオンの金属が、クロム、ニッケル、鉄、アルミニウム、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン及びジルコニウムからなる群から選択されたものであることを特徴とする上記〔13〕〜〔21〕のいずれか一記載の防食法。
〔24〕 添加される金属イオンの金属が、クロムであることを特徴とする上記〔13〕〜〔21〕のいずれか一記載の防食法。
〔25〕 超臨界反応装置において超臨界環境を保持する反応容器を構成する材料の防食法であり、高温且つ高圧の水の条件下に金属イオンを添加した水含有液で当該反応容器構成材を処理し、該処理により当該反応容器構成材の超臨界環境側表面に該金属イオンから形成された該金属化合物皮膜を被覆せしめることを特徴とする超臨界反応装置の防食法。
〔26〕 超臨界反応装置が超臨界水反応装置であり、超臨界環境が超臨界水環境であることを特徴とする上記〔25〕記載の超臨界反応装置の防食法。
〔27〕 超臨界反応装置であって、該反応装置は少なくとも超臨界水環境を保持する反応容器を有しており、該超臨界環境保持反応容器を構成する材料は、高温且つ高圧の水の条件下に金属イオンを添加した液体で処理されており、該処理により当該反応容器構成材の超臨界環境側表面に該金属イオンから形成された該金属化合物皮膜が被覆せしめてあることを特徴とする超臨界反応装置。
〔28〕 超臨界反応装置が超臨界水反応装置であり、超臨界環境が超臨界水環境であり、該反応装置は超臨界水環境を保持する反応容器を有しており、該超臨界水環境保持反応容器を構成する材料は、高温且つ高圧の水の条件下に金属イオンを添加した水含有液で処理されており、該処理により当該反応容器構成材の超臨界水環境側表面に該金属イオンから形成された該金属化合物皮膜が被覆せしめてあることを特徴とする上記〔27〕記載の超臨界反応装置。
〔1〕 高温且つ高圧の水の条件下に金属イオンを添加した水含有液中で処理された金属材であって、該高温且つ高圧の水の条件下に金属イオンを添加した水含有液中での処理により該金属材の表面が該金属イオンから形成された該金属化合物皮膜で被覆されていることを特徴とする防食化処理金属材。
〔2〕 高温且つ高圧の水の条件が、亜臨界水又は超臨界水条件であることを特徴とする上記〔1〕記載の防食化処理金属材。
〔3〕 高温且つ高圧の水の条件が、超臨界水条件であることを特徴とする上記〔1〕記載の防食化処理金属材。
〔4〕 当該条件が、約300〜700℃の温度で且つ約20〜200MPaの圧力であることを特徴とする上記〔1〕〜〔3〕のいずれか一記載の防食化処理金属材。
〔5〕 当該条件が、約350〜600℃の温度で且つ約23〜150MPaの圧力であることを特徴とする上記〔1〕〜〔3〕のいずれか一記載の防食化処理金属材。
〔6〕 当該条件が、約370〜500℃の温度で且つ約25〜80MPaの圧力であることを特徴とする上記〔1〕〜〔3〕のいずれか一記載の防食化処理金属材。
〔7〕 当該条件が、約380〜450℃の温度で且つ約27〜40MPaの圧力であることを特徴とする上記〔1〕〜〔3〕のいずれか一記載の防食化処理金属材。
〔8〕 金属材が、鋼材であることを特徴とする上記〔1〕〜〔7〕のいずれか一記載の防食化処理金属材。
〔9〕 鋼材が、ステンレス鋼、高耐食合金鋼及びFe基合金又はNi基合金からなる群から選択されたものであることを特徴とする上記〔8〕記載の防食化処理金属材。
〔10〕 添加される金属イオンの金属が、クロム、ニッケル、鉄、アルミニウム、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、ジルコニウム、コバルト、ニオブ、イットリウム、ケイ素、バナジウム、セリウム、マンガン、ジルコニウム及び銅からなる群から選択されたものであることを特徴とする上記〔1〕〜〔9〕のいずれか一記載の防食化処理金属材。
〔11〕 添加される金属イオンの金属が、クロム、ニッケル、鉄、アルミニウム、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン及びジルコニウムからなる群から選択されたものであることを特徴とする上記〔1〕〜〔9〕のいずれか一記載の防食化処理金属材。
〔12〕 添加される金属イオンの金属が、クロムであることを特徴とする上記〔1〕〜〔9〕のいずれか一記載の防食化処理金属材。
〔13〕 高温且つ高圧の水の条件下に金属イオンを添加した水含有液中で金属材を処理し、該処理により金属材の表面に該金属イオンから形成された該金属化合物皮膜を被覆せしめることを特徴とする金属の防食法。
〔14〕 高温且つ高圧の水の条件が、亜臨界水又は超臨界水条件であることを特徴とする上記〔13〕記載の防食法。
〔15〕 高温且つ高圧の水の条件が、超臨界水条件であることを特徴とする上記〔13〕記載の防食法。
〔16〕 当該条件が、約300〜700℃の温度で且つ約20〜200MPaの圧力であることを特徴とする上記〔13〕〜〔15〕のいずれか一記載の防食法。
〔17〕 当該条件が、約350〜600℃の温度で且つ約23〜150MPaの圧力であることを特徴とする上記〔13〕〜〔15〕のいずれか一記載の防食法。
〔18〕 当該条件が、約370〜500℃の温度で且つ約25〜80MPaの圧力であることを特徴とする上記〔13〕〜〔15〕のいずれか一記載の防食法。
〔19〕 当該条件が、約380〜450℃の温度で且つ約27〜40MPaの圧力であることを特徴とする上記〔13〕〜〔15〕のいずれか一記載の防食法。
〔20〕 金属材が、鋼材であることを特徴とする上記〔13〕〜〔19〕のいずれか一記載の防食法。
〔21〕 鋼材が、ステンレス鋼、高耐食合金鋼及びFe基合金又はNi基合金からなる群から選択されたものであることを特徴とする上記〔20〕記載の防食法。
〔22〕 添加される金属イオンの金属が、クロム、ニッケル、鉄、アルミニウム、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、ジルコニウム、コバルト、ニオブ、イットリウム、ケイ素、バナジウム、セリウム、マンガン、ジルコニウム及び銅からなる群から選択されたものであることを特徴とする上記〔13〕〜〔21〕のいずれか一記載の防食法。
〔23〕 添加される金属イオンの金属が、クロム、ニッケル、鉄、アルミニウム、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン及びジルコニウムからなる群から選択されたものであることを特徴とする上記〔13〕〜〔21〕のいずれか一記載の防食法。
〔24〕 添加される金属イオンの金属が、クロムであることを特徴とする上記〔13〕〜〔21〕のいずれか一記載の防食法。
〔25〕 超臨界反応装置において超臨界環境を保持する反応容器を構成する材料の防食法であり、高温且つ高圧の水の条件下に金属イオンを添加した水含有液で当該反応容器構成材を処理し、該処理により当該反応容器構成材の超臨界環境側表面に該金属イオンから形成された該金属化合物皮膜を被覆せしめることを特徴とする超臨界反応装置の防食法。
〔26〕 超臨界反応装置が超臨界水反応装置であり、超臨界環境が超臨界水環境であることを特徴とする上記〔25〕記載の超臨界反応装置の防食法。
〔27〕 超臨界反応装置であって、該反応装置は少なくとも超臨界水環境を保持する反応容器を有しており、該超臨界環境保持反応容器を構成する材料は、高温且つ高圧の水の条件下に金属イオンを添加した液体で処理されており、該処理により当該反応容器構成材の超臨界環境側表面に該金属イオンから形成された該金属化合物皮膜が被覆せしめてあることを特徴とする超臨界反応装置。
〔28〕 超臨界反応装置が超臨界水反応装置であり、超臨界環境が超臨界水環境であり、該反応装置は超臨界水環境を保持する反応容器を有しており、該超臨界水環境保持反応容器を構成する材料は、高温且つ高圧の水の条件下に金属イオンを添加した水含有液で処理されており、該処理により当該反応容器構成材の超臨界水環境側表面に該金属イオンから形成された該金属化合物皮膜が被覆せしめてあることを特徴とする上記〔27〕記載の超臨界反応装置。
本発明によれば、酸化性超臨界水条件といった高温・高圧の条件下に皮膜形成能を有する金属イオンを添加した流体(例えば、水など)で処理するといった簡単な手法で、強靭で耐食性に優れた添加金属イオンから形成された被覆を金属に施して当該金属を防食することができる。
本発明の防食技術によれば、使用環境あるいはそれと大差のない環境で耐食性の皮膜による被覆を行うことができるので、熱ひずみによる耐食性皮膜の剥離の可能性の少ないという利点があり、その手法からみて、たとえ耐食性皮膜の劣化が生起したとしても、再度その耐食性被覆の形成を行うことができて、金属材料の耐食性を回復することもできる。
本発明のその他の目的、特徴、優秀性及びその有する観点は、以下の記載より当業者にとっては明白であろう。しかしながら、以下の記載及び具体的な実施例等の記載を含めた本件明細書の記載は本発明の好ましい態様を示すものであり、説明のためにのみ示されているものであることを理解されたい。本明細書に開示した本発明の意図及び範囲内で、種々の変化及び/又は改変(あるいは修飾)をなすことは、以下の記載及び本明細書のその他の部分からの知識により、当業者には容易に明らかであろう。本明細書で引用されている全ての特許文献及び参考文献は、説明の目的で引用されているもので、それらは本明細書の一部としてその内容はここに含めて解釈されるべきものである。
本発明の防食技術によれば、使用環境あるいはそれと大差のない環境で耐食性の皮膜による被覆を行うことができるので、熱ひずみによる耐食性皮膜の剥離の可能性の少ないという利点があり、その手法からみて、たとえ耐食性皮膜の劣化が生起したとしても、再度その耐食性被覆の形成を行うことができて、金属材料の耐食性を回復することもできる。
本発明のその他の目的、特徴、優秀性及びその有する観点は、以下の記載より当業者にとっては明白であろう。しかしながら、以下の記載及び具体的な実施例等の記載を含めた本件明細書の記載は本発明の好ましい態様を示すものであり、説明のためにのみ示されているものであることを理解されたい。本明細書に開示した本発明の意図及び範囲内で、種々の変化及び/又は改変(あるいは修飾)をなすことは、以下の記載及び本明細書のその他の部分からの知識により、当業者には容易に明らかであろう。本明細書で引用されている全ての特許文献及び参考文献は、説明の目的で引用されているもので、それらは本明細書の一部としてその内容はここに含めて解釈されるべきものである。
本発明は、高温且つ高圧の流体(例えば、水など)の条件下(例えば、超臨界水環境下など)で、オートクレーブ内の流体に六価もしくは三価のCrイオンといった金属イオンを添加しておいて、該金属イオンを添加した液体でもって金属(例えば、鋼材などの金属材料)を同高温且つ高圧の状態で処理し、溶液中のCrイオンなどの金属イオンを当該防食加工すべき金属の表面にCr酸化物などの耐食性の該金属イオン由来金属化合物として析出せしめて、金属の耐食性を向上せしめることを特徴としている金属の防食法、当該防食法を適用して得られた防食化処理されている金属材(金属材料)、さらにはその防食化処理されている金属材を少なくとも反応器(反応容器)に使用している超臨界反応装置及び該超臨界反応装置の防食法を提供している。特には、本発明は、Crイオンなどの金属イオンであって、金属材料の表面に耐食性Cr化合物などの耐食性の金属化合物として析出可能なものを使用して、高温高圧といった当該材の使用環境と大差の無い環境で当該金属材料の表面に耐食性皮膜を形成する技術並びに応用利用技術で、超臨界水環境などの高温高圧環境で使用する金属の耐食性を向上させる技術である。
本発明の金属防食法では、高温且つ高圧の水の条件下(代表的には、亜臨界水あるいは超臨界水状態などの流体が臨界状態にある条件化)に金属イオンを添加した液(例えば、金属イオンを含有する水溶液など)中で金属材を処理し、該高温且つ高圧水条件下処理により金属材の表面に該金属イオンから形成された金属化合物皮膜を被覆せしめることを特徴とする。該高温且つ高圧の水の条件としては、代表的には、亜臨界水又は超臨界水条件が挙げられるが、好ましくは、超臨界水条件である。当該高温且つ高圧の条件とは、例えば、約300〜700℃の温度で且つ約20〜200MPaの圧力であることができ、さらには、約350〜600℃の温度で且つ約23〜150MPaの圧力であったり、約370〜500℃の温度で且つ約25〜80MPaの圧力であってよく、さらに、約380〜450℃の温度で且つ約27〜40MPaの圧力であることもできる。当該条件は、使用金属材の種類、サイズなど、金属材料の金属組成などその物性を含めた因子を考慮して選択できる。同様に被覆に使用する金属イオン、その濃度などの因子を考慮して選択できる。本発明の方法では、例えば、金属イオンを添加した液(例えば、金属イオンを含有する水溶液など)を超臨界水反応器(反応容器)に循環して流すことで、超臨界水環境側の反応器構成材の表面を処理できる。本金属防食法は、酸化性環境で金属化合物皮膜を形成させることができる。酸化性環境は、酸素を含有する気体(例えば、空気など)を系内(例えば、超臨界水環境系など)に導入したり、過酸化水素を含有する液体(例えば、過酸化水素水など)を系内の流体に添加するなどして達成することができる。酸化性環境は、酸化剤又は酸化性物質として知られたものから選択されたものを使用して達成することもできる。本方法において、系内の酸素の濃度は適宜好ましい値を実験により決定できる。また、防食対象の金属の種類、さらには金属イオンの種類などに応じて適宜選択することも可能である。
本発明では、超臨界反応装置において超臨界環境を保持する反応容器を構成する材料の防食法も提供しており、該防食法においては、高温且つ高圧の水の条件下に金属イオンを添加した水含有液で当該反応容器構成材を処理し、該高温・高圧水条件下の処理により当該反応容器構成材の超臨界環境側表面に該金属イオンから形成された金属化合物皮膜を被覆せしめることを特徴とし、かくして優れた利点を有する超臨界水反応装置の防食法が提供される。言い換えれば、本発明は、超臨界反応装置であって、該反応装置は少なくとも超臨界水環境を保持する反応容器を有しており、該超臨界環境保持反応容器を構成する材料は、高温且つ高圧の水の条件下に金属イオンを添加した液体で処理されており、該処理により当該反応容器構成材の超臨界環境側表面に該金属イオンから形成された金属化合物皮膜が被覆せしめてあることを特徴とする超臨界反応装置、並びに超臨界反応装置が超臨界水反応装置であり、超臨界環境が超臨界水環境であり、該反応装置は超臨界水環境を保持する反応容器を有しており、該超臨界水環境保持反応容器を構成する材料は、高温且つ高圧の水の条件下に金属イオンを添加した水含有液で処理されており、該処理により当該反応容器構成材の超臨界水環境側表面に該金属イオンから形成された金属化合物皮膜が被覆せしめてあることを特徴とする超臨界反応装置を提供している。本発明にしたがえば、高温且つ高圧の水の条件下に金属イオンを添加した水含有液中で処理された金属材であって、該高温且つ高圧の水の条件下に金属イオンを添加した水含有液中での処理により該金属材の表面が該金属イオンから形成された金属化合物皮膜で被覆されていることを特徴とする防食化処理金属材も提供されるのである。
本発明は、超臨界水条件などの高温高圧状態の下で、当該Crイオンが、試験片表面にCr酸化物などのCr化合物として析出し、耐食性を極端に向上させるとの作用と実質的に軌を一にした、例えば、ある種の金属イオンより当該高温高圧状態の下で耐食性皮膜を金属の表面上に形成せしめて、該金属の表面を該皮膜でコーティングせしめることを利用するものであり、そうした本防食技術であるかぎりそれはすべて包含されるのである。
本発明は、超臨界水条件などの高温高圧状態の下で、当該Crイオンが、試験片表面にCr酸化物などのCr化合物として析出し、耐食性を極端に向上させるとの作用と実質的に軌を一にした、例えば、ある種の金属イオンより当該高温高圧状態の下で耐食性皮膜を金属の表面上に形成せしめて、該金属の表面を該皮膜でコーティングせしめることを利用するものであり、そうした本防食技術であるかぎりそれはすべて包含されるのである。
本発明の防食法において使用される金属イオン液としては、水の亜臨界又は超臨界条件下で且つ酸化性の条件下に金属化合物皮膜、好ましくは不動態皮膜(代表的な場合では金属酸化物皮膜)などを形成することのできる金属イオンを含有する溶液が挙げられる。該金属イオンとしては、当該分野で耐食性の酸化物などの金属化合物を形成することが知られているものの中から適宜選択して使用でき、該金属としては、クロム族金属、鉄族金属、ホウ素族元素、チタン族金属、バナジウム族金属、希土類金属、ランタノイド、アクチノイド、銅族金属などが挙げられ、例えば、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、コバルト(Co)、ニオブ(Nb)、イットリウム(Y)、ケイ素(Si)、バナジウム(V)、セリウム(Ce)、マンガン(Mn)、銅などを挙げることができる。該金属としては、好ましくはCr,Ni,Fe, Al, Ti, Ta, W, Mo, Zr等から選択することができる。液に含まれる金属イオンは、単独あるいは複数の種類の金属イオンを含有するものであってもよい。該金属イオン液は、上記金属を含有する化合物を溶剤、例えば、水に溶解せしめることで調製できる。代表的な態様では、クロムイオン含有する水溶液は、水に3価のクロムイオンを含有する化合物、6価のクロムイオンを含有する化合物などを溶解せしめて得られる。6価のクロムイオンを含有する化合物としては、例えば、クロム酸ナトリウム(Na2CrO4)、クロム酸カリウム(K2CrO4)、クロム酸アンモニウム((NH4)2CrO4)、二クロム酸カリウム(K2Cr2O7)、二クロム酸ナトリウム(Na2Cr2O7)、二クロム酸アンモニウム((NH4)2Cr2O7)、クロム酸バリウム、クロム酸カルシウム、クロム酸ストロンチウム、クロム酸鉛、クロム酸亜鉛などが挙げられる。3価のクロムイオンを含有する化合物としては、例えば、クロム(III)酢酸・1水和物、塩基性硫酸クロム、塩化第二クロム、硫酸第二クロム、硝酸クロム(III)、硝酸クロム(III)・9水和物、クロム(III)酢酸・1水和物、リン酸クロム(III)などが挙げられる。また、3価のクロムイオンを含有する水溶液としては、例えば、二クロム酸カリウム水溶液を亜硫酸水素ナトリウムなどの還元剤にて還元処理して得られた液などであってもよい。液中の金属イオンの量は、その使用条件並びに目的などを考慮して適宜選択できるが、例えば、図17及び18の析出モデル並びに析出機構を参照して決定できる。なお、図17及び18ではCr酸化物についての言及であるが、他の金属化合物についても同様に理解できることは明らかである。要は析出する金属化合物が、不動態体などとして知られるような耐食性において優れたものであればよいのである(耐久性において優れていればさらに好ましい)。本明細書で金属イオンとは液中に添加して加えたものを指していてよく、その添加量は防食を施す対象金属の材質、その量あるいは表面積、使用する水含有液の量、如何なる高温・高圧の条件とするか、防食処理の時間、添加する金属イオンの種別及び場合によってはその組合せなどに応じて、適宜適切な値あるいは最適な値を選択することができ、例えば、本明細書で開示の手法と実質的に同様な方法で実験などを行って適宜その値を選択したり決定してよい。代表的には、Crイオンの場合、水含有液中の当該イオンの濃度としては、例えば、約400℃で約30MPaの条件で防食処理する場合は約1ppm以上であってよく、ある場合には約4〜5ppm以上であってよく、水含有液中の当該イオン濃度の上限としては添加する金属又は金属塩などが沈着するなどして防食処理に悪影響を及ばさない限り特に限定されないし、また所要の耐食性の皮膜を形成できる限り、上記の値には特に限定しなくともよい。
本発明の防食技術を適用することのできる構造材料としては、金属材料が挙げられるが、一般的には当該分野で鋼材と称されるものであってよく、例えば、ステンレス鋼、高耐食合金鋼、Fe基合金、Ni基合金、Co基合金、Zr基合金、Ti基合金などを含んでいてよい。ステンレス鋼とは、一般的には11%以上のCrを加えたFe基合金を指しており、化学成分上Fe-Cr系とFe-Cr-Ni系に分類され、金属組織の違いからマルテンサイト系、フェライト系、オーステナイト系、オーステナイト・フェライト系、析出硬化型のものに分類され、該析出硬化型のものにはマルテンサイト系、オーステナイト系、セミオーステナイト系、オーステナイト・フェライト系などが含まれている。高耐食ステンレス鋼には、例えばMo及びCuを複合添加してあるオーステナイトステンレス鋼、Cr,Mo及びNの含有量が高められているもの、高Ni,高Cr, 高Moを含有するものなどが含まれていてよい。高耐食合金としては、純チタン及びチタン合金、Ni基合金などが含まれていてよい。高耐食性Ni基合金としては、当該分野で様々なものが知られており、代表的なものとしてはNi-Cr系のものであり、ハステロイC系合金(「ハステロイ」は、ヘインズ社の商標である)、Cr,Mo及びTaの含有量が高められているものなどが挙げられ、例えば、ハステロイ(ヘインズ社)、MAT(三菱マテリアル社)、INCONEL(Special Metals Corporation, Ltd.)などの商品名で入手できるし、それらと類似した成分組成を有するものなどが挙げられる。
本発明の防食法において、金属材料を処理する時間は、使用金属イオンの種別や量、さらに防食対象の金属材料の種類、処理を適用する金属材の量など様々な因子を考慮してそれを決定できる。要は、十分に耐食性を有する皮膜が形成されることのできる時間であればよい。本発明の防食法は、それを繰り返して行うことも可能である。したがって、たとえ耐食性皮膜の劣化が生起したとしても、再度その耐食性被覆の形成を行うことができて、金属材料の耐食性を回復することができる。
本明細書において「超臨界水」とは、温度と圧力がそれぞれ臨界温度、臨界圧力にある水並びにその臨界温度、臨界圧力を上回る状態にある水を指しており、水の場合、その臨界点としては臨界温度で374℃、臨界圧力で22.1MPa(218気圧)のものである。なお、二酸化炭素の臨界点は、臨界温度31℃、臨界圧力73気圧で、メタノールの臨界点は、臨界温度239℃、臨界圧力79気圧といわれている。そして「亜臨界水」とは、温度が臨界温度を幾分か下回る状態にある水を指しており、同時に圧力についても臨界圧力を幾分か下回る状態にあるもの並びに臨界圧力の状態や臨界圧力を上回る状態にあるものが含められる。
水の臨界点(臨界温度:374℃、臨界圧力:22.1 MPa(218気圧))の近く並びに臨界点を超える領域では、わずかな圧力変化により密度が連続的に大きく変化する。例えば、溶媒として「ものを溶かす」能力(溶解力)は、水の密度と密接に相関することから同じ温度であっても、ほんの少し圧力を変えるだけで、溶解力を急激に変化させることができる。また、密度に相関する他の物性値(粘度、熱伝導率など)についても同様で、原理的には、圧力と温度だけを操作因子として、様々な水の物性を幅広くコントロールすることが可能になる。そして、気体と液体の中間である超臨界状態を化学反応の「場」とすることで、化学反応の速度を極めて大きくするなどのことが期待できる。更に、「超臨界水」は有機物を溶かすことができるため、工業的にも重要な有機合成を行う上で、従来の有機溶媒に代替する新しい溶媒としても期待される。水自体は自然界に豊富に存在する無毒で安価な溶媒であり、環境調和型技術への指向がより一層強まっていくことが予想される中で、「超臨界水」を溶媒などとして使用する化学反応は、低リスク・低環境負荷を実現するための基盤技術の一つとして注目される。
水の臨界点(臨界温度:374℃、臨界圧力:22.1 MPa(218気圧))の近く並びに臨界点を超える領域では、わずかな圧力変化により密度が連続的に大きく変化する。例えば、溶媒として「ものを溶かす」能力(溶解力)は、水の密度と密接に相関することから同じ温度であっても、ほんの少し圧力を変えるだけで、溶解力を急激に変化させることができる。また、密度に相関する他の物性値(粘度、熱伝導率など)についても同様で、原理的には、圧力と温度だけを操作因子として、様々な水の物性を幅広くコントロールすることが可能になる。そして、気体と液体の中間である超臨界状態を化学反応の「場」とすることで、化学反応の速度を極めて大きくするなどのことが期待できる。更に、「超臨界水」は有機物を溶かすことができるため、工業的にも重要な有機合成を行う上で、従来の有機溶媒に代替する新しい溶媒としても期待される。水自体は自然界に豊富に存在する無毒で安価な溶媒であり、環境調和型技術への指向がより一層強まっていくことが予想される中で、「超臨界水」を溶媒などとして使用する化学反応は、低リスク・低環境負荷を実現するための基盤技術の一つとして注目される。
超臨界状態の水は、温度が高いため分子が大きな運動エネルギーを持っている(分散力)という点では気体のようでもあり、また圧力が高いため分子同士が集まって安定化する力(凝集力)が働くという点では液体のようでもあると言える。臨界点から離れてはるかに高い温度になると、流体は気体とほぼ同じような振る舞いを示す。従って、超臨界水状態とは、「密度の高い水蒸気」、あるいは「気体と液体の両方の性質、あるいは中間的な性質を持った流体」として捉えることができるのである。言い換えれば、超臨界水の物性、例えば、密度や粘度、拡散係数などの物性についてみると、それらは超臨界水では気体と液体の中間的な値をとる。
臨界点近傍の温度では、上記したように微小な圧力変化により密度が連続的に大きく変化するが、溶媒として「ものを溶かす」能力(溶解力)などの様々な物性値は、水の密度と密接に相関することが知られ、例えば、同じ温度であっても、ほんの少し圧力を変えるだけで、溶解力を急激に変化させることができる。密度に相関する他の物性値についても同様で、圧力と温度だけを操作因子として、様々な水の物性を幅広くコントロールすることが可能になる。このような特徴は、超臨界水に限らず、超臨界流体全般に当てはまる特徴である。さらに興味深いことには、超臨界水の場合には、水のイオン積及び誘電率が温度依存性を示すことである。ここで、イオン積とは水が解離して生成するH+イオンの濃度とOH-イオンの濃度の積のことで、この値が大きいほど水中に存在するH+やOH-のイオン濃度が高いことを意味している。水の場合、イオン積は300℃くらいまで徐々に増加するが、臨界温度付近で急激に減少し、400℃では約10-23となる。例えば、常温の水では、H+の濃度によって酸性とかアルカリ性といった性質が発現するが、高温高圧の状態では、温度の変化に対応して、水の酸(あるいはアルカリ)としての性質も大きく影響を受ける。誘電率についても、高温高圧の水は、常温のそれと明らかに異なる。誘電率とは、溶媒の極性と関係する物性値で、誘電率の大きな状態では、極性の大きな物質(例えば食塩のような無機物)をよく溶かし、逆に極性の小さな物質(多くの有機物など)はほとんど溶解しない。つまり、温度の上昇とともに、誘電率は徐々に減少し、超臨界状態では2〜5と非常に小さい値となる。このような状態では、常温の水とは反対に「水と油(ほとんどの有機化合物)」はよく混じり合い、逆に無機塩は水にほとんど溶解しない。
臨界点近傍の温度では、上記したように微小な圧力変化により密度が連続的に大きく変化するが、溶媒として「ものを溶かす」能力(溶解力)などの様々な物性値は、水の密度と密接に相関することが知られ、例えば、同じ温度であっても、ほんの少し圧力を変えるだけで、溶解力を急激に変化させることができる。密度に相関する他の物性値についても同様で、圧力と温度だけを操作因子として、様々な水の物性を幅広くコントロールすることが可能になる。このような特徴は、超臨界水に限らず、超臨界流体全般に当てはまる特徴である。さらに興味深いことには、超臨界水の場合には、水のイオン積及び誘電率が温度依存性を示すことである。ここで、イオン積とは水が解離して生成するH+イオンの濃度とOH-イオンの濃度の積のことで、この値が大きいほど水中に存在するH+やOH-のイオン濃度が高いことを意味している。水の場合、イオン積は300℃くらいまで徐々に増加するが、臨界温度付近で急激に減少し、400℃では約10-23となる。例えば、常温の水では、H+の濃度によって酸性とかアルカリ性といった性質が発現するが、高温高圧の状態では、温度の変化に対応して、水の酸(あるいはアルカリ)としての性質も大きく影響を受ける。誘電率についても、高温高圧の水は、常温のそれと明らかに異なる。誘電率とは、溶媒の極性と関係する物性値で、誘電率の大きな状態では、極性の大きな物質(例えば食塩のような無機物)をよく溶かし、逆に極性の小さな物質(多くの有機物など)はほとんど溶解しない。つまり、温度の上昇とともに、誘電率は徐々に減少し、超臨界状態では2〜5と非常に小さい値となる。このような状態では、常温の水とは反対に「水と油(ほとんどの有機化合物)」はよく混じり合い、逆に無機塩は水にほとんど溶解しない。
ところで、水は分子量18であって、二酸化炭素に比べるとその分子量が小さく、凝集力はかなり小さいと思われるのに、実際は、臨界温度374℃、臨界圧力22.1MPaと、とても高い値になっているが、これは、水分子同士が水素結合で結ばれたクラスターを形成しているからとされている。つまり、安定な凝集相が水素結合の存在により、高温、高圧領域まで存在する。拡散力が大きな高温領域で安定な水素結合を形成するためには、分子の密度がある程度以上大きくなければならず、臨界圧力も他の多くの物質に比較して非常に大きな値を示すことになると考えられている。このように三次元の網目構造状に形成された水素結合が温度の上昇により壊れていく過程と密度変化による形態の変化が、水の特性を劇的に変化させる要因であると考えられるが、その定量的な考察はほとんどされていないのが実情である。超臨界水状態では、温度、圧力により水素結合を含めた凝集力を大幅に制御できるため、高温状態においてイオン的な反応の付与などの溶媒効果によって反応経路の選択性と制御性をもっているという特徴がある。
超臨界水の特徴としては、
1)反応溶媒としての効果が大きく、圧力・温度の変化させることで流体の諸物性を制御できる、
2)誘電率は極性溶媒から無極性溶媒に匹敵する2〜30程度の値を持つため、常温・常圧の水では溶解しないような有機物質を溶解することができる、
3)水素イオン濃度は常温・常圧の水と比較すると30倍の増加が見られ、酸触媒の効果がある、
4)加水分解を行っても、反応時間は数分〜30分と短く、添加物も不要、
5)分子運動が激しく、水素結合などによる分子会合の程度も低いので、常温の水よりも拡散速度は速く、また、粘性は低いことから、浸透性に優れ、多孔性物質中での高い物質移動速度が期待できる、
6)常温常圧の水は中性であるが、超臨界水はハステロイや白金−イリジウム合金、さらに金やタンタルのような金属ですら腐食するほどの超強酸性を示す
などが挙げられる。
1)反応溶媒としての効果が大きく、圧力・温度の変化させることで流体の諸物性を制御できる、
2)誘電率は極性溶媒から無極性溶媒に匹敵する2〜30程度の値を持つため、常温・常圧の水では溶解しないような有機物質を溶解することができる、
3)水素イオン濃度は常温・常圧の水と比較すると30倍の増加が見られ、酸触媒の効果がある、
4)加水分解を行っても、反応時間は数分〜30分と短く、添加物も不要、
5)分子運動が激しく、水素結合などによる分子会合の程度も低いので、常温の水よりも拡散速度は速く、また、粘性は低いことから、浸透性に優れ、多孔性物質中での高い物質移動速度が期待できる、
6)常温常圧の水は中性であるが、超臨界水はハステロイや白金−イリジウム合金、さらに金やタンタルのような金属ですら腐食するほどの超強酸性を示す
などが挙げられる。
超臨界流体は、温度や圧力による物性の連続的変化という特徴を持つことから、例えば、水という単一の物質でも、温度や圧力を操作することにより、溶媒としての物性値を、様々に変化させることができる。このことは、例えば、石油化学プロセスなどでの主要な反応となる有機化学反応などの場合、通常の水では油と親和性のある物質(有機物)を溶解することができないため、水を反応の溶媒に用いることは非常に難しいし、通常不可能であるが、有機物を溶かすことのできる「超臨界水」であれば、少なくとも溶媒中に反応する物質を溶解するといった条件はクリアすることが可能となる。かくして、超臨界状態では水の温度と圧力を変えるだけで、目的にかなった物性を持つ溶媒環境を実現できる。水自体は自然界に豊富に存在する無毒で安価な溶媒である。溶媒としての能力は高くても毒性の高い有機溶媒などは、使用に際して環境に悪影響を及ぼすリスクや、製品に残存して健康被害を及ぼすリスクなどがあり、決して好ましい溶媒とは評価されないが、超臨界水を溶媒とする化学反応は、低リスク・低環境負荷を実現することが可能として注目される。
超臨界水を化学反応の溶媒として利用する代表的な技術に超臨界水酸化反応技術が挙げられる。「超臨界水酸化反応」とは、超臨界条件にある水中で行う酸化反応のことであるが、その超臨界水酸化反応とは高温高圧の水中で有機物その他の物質を燃やす反応(完全に酸化することを含む)である。実際にほとんどの有機物は、超臨界水酸化反応によって、秒単位の極めて短い時間でほぼ100%完全に分解し、二酸化炭素を生成する。
こうした反応が高速で進行する超臨界水酸化反応は、それを廃棄物処理技術として利用できる。超臨界水酸化による有害な有機物などの無毒化は、例えば、分解したい物質(主に、有機化合物など)を溶解させた水に、空気中の酸素を溶解させて(過酸化水素などを添加することでもよい)、液体の水の中で酸化反応を進行させることで行うことができる。
超臨界水を化学反応の溶媒として利用する代表的な技術に超臨界水酸化反応技術が挙げられる。「超臨界水酸化反応」とは、超臨界条件にある水中で行う酸化反応のことであるが、その超臨界水酸化反応とは高温高圧の水中で有機物その他の物質を燃やす反応(完全に酸化することを含む)である。実際にほとんどの有機物は、超臨界水酸化反応によって、秒単位の極めて短い時間でほぼ100%完全に分解し、二酸化炭素を生成する。
こうした反応が高速で進行する超臨界水酸化反応は、それを廃棄物処理技術として利用できる。超臨界水酸化による有害な有機物などの無毒化は、例えば、分解したい物質(主に、有機化合物など)を溶解させた水に、空気中の酸素を溶解させて(過酸化水素などを添加することでもよい)、液体の水の中で酸化反応を進行させることで行うことができる。
超臨界水酸化反応による廃棄物処理プロセスの特徴としては、
i) 反応速度が非常に大きい
(超臨界水は、通常の水に比べて有機物をよく溶かすため、反応する物質の濃度を上げることができるし、また、酸素(空気)とも均一に良く混ざるため、従来技術の湿式酸化法において大きな課題であった酸素(空気)などの気相から液相への溶解を考慮しなくて良いし、反応温度が湿式酸化よりも高いので、反応速度が大きく、完全酸化生成物である二酸化炭素まで酸化が進行する。こうして、湿式酸化法よりも速く完全な無害化処理が可能となる。)、
ii) 自らの反応熱で温度を維持することができるため、省エネルギー化が期待できる
(ものは燃えると発熱する。超臨界水酸化反応では、反応の進行に伴って発生する熱(反応熱)だけで、反応温度を維持するために必要な熱エネルギーをまかなうことが可能である。つまり、水の臨界温度を上回るような高温プロセスであるにもかかわらず、外部からの加熱を必要とせず、反応熱だけで操作温度を維持することができる。)、
iii) 水中の燃焼なので、温度の暴走や爆発などの危険性が低い
(発熱量が大きな物質や爆発性の危険の高い物質では、通常の焼却炉のように空気中で燃焼させると、急激な温度上昇や爆発の危険がある。これに対し、超臨界水酸化反応は、基本的に比熱の大きな水が大量に存在する中での反応なので、もし燃焼に伴う発熱が起こったとしても、水によってエネルギーが「吸収」され、温度の暴走や爆発が起こる危険性は低いと期待される。)
iv) 排ガスの処理が不要となり、省スペース化が期待できる
(超臨界水酸化反応では、通常の燃焼プロセスで発生するNOxやSOxといった有害なガスがほとんど発生しない。従って、通常の焼却法では必要不可欠である排ガス処理工程を大幅に省略することができ、煙突を必要としないコンパクトな装置ですむことになる。特に都市部のように地価の高い地域では、省スペース化は処理コストの削減に直結する大きなメリットとなりうる。)
などが挙げられる。
かくして、ほとんどの有機物は、超臨界水酸化反応という高温高圧の水中で「ものを燃やす」反応によって、秒単位の極めて短い時間でほぼ100%完全に分解し、二酸化炭素を生成する。この反応は、反応速度が非常に大きく、自らの反応熱で温度を維持することができるため、省エネルギー化が期待できる、水中の燃焼なので、温度の暴走や爆発などの危険性が低い、排ガスの処理が不要となり、省スペース化が期待できるなどといった特徴を持っている。
i) 反応速度が非常に大きい
(超臨界水は、通常の水に比べて有機物をよく溶かすため、反応する物質の濃度を上げることができるし、また、酸素(空気)とも均一に良く混ざるため、従来技術の湿式酸化法において大きな課題であった酸素(空気)などの気相から液相への溶解を考慮しなくて良いし、反応温度が湿式酸化よりも高いので、反応速度が大きく、完全酸化生成物である二酸化炭素まで酸化が進行する。こうして、湿式酸化法よりも速く完全な無害化処理が可能となる。)、
ii) 自らの反応熱で温度を維持することができるため、省エネルギー化が期待できる
(ものは燃えると発熱する。超臨界水酸化反応では、反応の進行に伴って発生する熱(反応熱)だけで、反応温度を維持するために必要な熱エネルギーをまかなうことが可能である。つまり、水の臨界温度を上回るような高温プロセスであるにもかかわらず、外部からの加熱を必要とせず、反応熱だけで操作温度を維持することができる。)、
iii) 水中の燃焼なので、温度の暴走や爆発などの危険性が低い
(発熱量が大きな物質や爆発性の危険の高い物質では、通常の焼却炉のように空気中で燃焼させると、急激な温度上昇や爆発の危険がある。これに対し、超臨界水酸化反応は、基本的に比熱の大きな水が大量に存在する中での反応なので、もし燃焼に伴う発熱が起こったとしても、水によってエネルギーが「吸収」され、温度の暴走や爆発が起こる危険性は低いと期待される。)
iv) 排ガスの処理が不要となり、省スペース化が期待できる
(超臨界水酸化反応では、通常の燃焼プロセスで発生するNOxやSOxといった有害なガスがほとんど発生しない。従って、通常の焼却法では必要不可欠である排ガス処理工程を大幅に省略することができ、煙突を必要としないコンパクトな装置ですむことになる。特に都市部のように地価の高い地域では、省スペース化は処理コストの削減に直結する大きなメリットとなりうる。)
などが挙げられる。
かくして、ほとんどの有機物は、超臨界水酸化反応という高温高圧の水中で「ものを燃やす」反応によって、秒単位の極めて短い時間でほぼ100%完全に分解し、二酸化炭素を生成する。この反応は、反応速度が非常に大きく、自らの反応熱で温度を維持することができるため、省エネルギー化が期待できる、水中の燃焼なので、温度の暴走や爆発などの危険性が低い、排ガスの処理が不要となり、省スペース化が期待できるなどといった特徴を持っている。
本発明の超臨界反応装置には、MODAR型反応器(反応容器)を備えたものが含まれてよい。本発明の反応装置は、超臨界状態を達成する反応容器においてその上下方向に温度勾配がつけられているといったように同一容器内に性質が異なる二つの場(例えば、超臨界水の状態の場と亜臨界水の状態にある場)を形成することが可能なものであってもよい。
さらに、本発明の反応装置に使用される反応容器は、圧力バランス方式と呼ばれる二重管構造などのものであってよい。圧力バランス方式構造では、例えば、反応器全体(外側)に耐圧性の高い材料を、また腐食環境にさらされる内筒に耐食性の高い材料をそれぞれ用い、さらに内筒と外筒の間に反応圧力よりも少しだけ高い圧力の空気などを充填し、外筒が腐食性の環境に触れることを回避しつつ、また内筒には差圧分しか圧力がかからないため、高価な材料の使用量を抑えることができる。
本発明で得られる防食化処理鋼材、さらには防食法は、高温・高圧で操作される機器、例えば、圧縮機、ポンプ、熱交換器などにも応用可能である。
本発明の防食を施された超臨界反応装置は、上記した亜臨界水や超臨界水などの超臨界流体を含めた高温・高圧条件の流体の存在下での各種の用途において有効に使用できるという利点を有している。該超臨界反応装置は、良好な耐食性を有する反応容器を使用しているので、装置の保守・点検を簡素化できるし、高価な反応容器の寿命を長くすることができるので経済的にも利点が大きい。
以下に実施例を掲げ、本発明を具体的に説明するが、この実施例は単に本発明の説明のため、その具体的な態様の参考のために提供されているものである。これらの例示は本発明の特定の具体的な態様を説明するためのものであるが、本願で開示する発明の範囲を限定したり、あるいは制限することを表すものではない。本発明では、本明細書の思想に基づく様々な実施形態が可能であることは理解されるべきである。
全ての実施例は、他に詳細に記載するもの以外は、標準的な技術を用いて実施したもの、又は実施することのできるものであり、これは当業者にとり周知で慣用的なものである。
さらに、本発明の反応装置に使用される反応容器は、圧力バランス方式と呼ばれる二重管構造などのものであってよい。圧力バランス方式構造では、例えば、反応器全体(外側)に耐圧性の高い材料を、また腐食環境にさらされる内筒に耐食性の高い材料をそれぞれ用い、さらに内筒と外筒の間に反応圧力よりも少しだけ高い圧力の空気などを充填し、外筒が腐食性の環境に触れることを回避しつつ、また内筒には差圧分しか圧力がかからないため、高価な材料の使用量を抑えることができる。
本発明で得られる防食化処理鋼材、さらには防食法は、高温・高圧で操作される機器、例えば、圧縮機、ポンプ、熱交換器などにも応用可能である。
本発明の防食を施された超臨界反応装置は、上記した亜臨界水や超臨界水などの超臨界流体を含めた高温・高圧条件の流体の存在下での各種の用途において有効に使用できるという利点を有している。該超臨界反応装置は、良好な耐食性を有する反応容器を使用しているので、装置の保守・点検を簡素化できるし、高価な反応容器の寿命を長くすることができるので経済的にも利点が大きい。
以下に実施例を掲げ、本発明を具体的に説明するが、この実施例は単に本発明の説明のため、その具体的な態様の参考のために提供されているものである。これらの例示は本発明の特定の具体的な態様を説明するためのものであるが、本願で開示する発明の範囲を限定したり、あるいは制限することを表すものではない。本発明では、本明細書の思想に基づく様々な実施形態が可能であることは理解されるべきである。
全ての実施例は、他に詳細に記載するもの以外は、標準的な技術を用いて実施したもの、又は実施することのできるものであり、これは当業者にとり周知で慣用的なものである。
〔実験方法〕
腐食試験に用いた装置の概略図を図1に示す。装置構成材料はMC alloy, Alloy C-276, Type316L SSである。装置の腐食を防ぐ為に高温接液部にはMCalloyを用いた。オートクレーブの容積は450cm3である。2基の高圧ポンプと背圧弁により圧力を保持した。また、温度はコントローラにより±1.5℃の精度で制御される。
供試材は13種類のNi基耐食合金である。これらはCr含有量で言うと0.2〜44wt%の幅を持っていた(HB-2 〜 MC alloy)。代表的な試験片の組成を表1に示す。
腐食試験に用いた装置の概略図を図1に示す。装置構成材料はMC alloy, Alloy C-276, Type316L SSである。装置の腐食を防ぐ為に高温接液部にはMCalloyを用いた。オートクレーブの容積は450cm3である。2基の高圧ポンプと背圧弁により圧力を保持した。また、温度はコントローラにより±1.5℃の精度で制御される。
供試材は13種類のNi基耐食合金である。これらはCr含有量で言うと0.2〜44wt%の幅を持っていた(HB-2 〜 MC alloy)。代表的な試験片の組成を表1に示す。
これら供試材を4mm x 5mm x 6mmに加工した。また、湿式エメリー紙によって#1500まで研磨を施した。その後アセトン中で超音波洗浄により脱脂した後、真空乾燥を施した。寸法はノギスにより50μm精度で計測し表面積を算出した。また、重量は電子天秤により10μg精度で計測した。これら試験片は電気的な接触を防ぐ為、Ti製ホルダーに静置されたジルコニア製坩堝に設置した。
腐食試験の流量は常に10g/minに固定された。試験中は、適時廃液の流量及びpHを計測し試験環境が実現されていることを確認した。亜臨界環境での腐食を最小限にする為、腐食試験の昇温および降温過程は溶液を純水で置き換えて実施した。
試験後の試験片は純水中で超音波洗浄後、真空乾燥を施し、試験前後の重量変化を計測した。重量変化を計測後、試験片を二つに切断した。一方は光学顕微鏡及び走査型電子顕微鏡(FE-SEM)を用いて腐食形態の観察用に用いた。もう一方は樹脂埋め後、ダイアモンドペーストで1μmまで研磨を施し、FE-SEMとエネルギー分散型(EDX)を用いて断面方向からの酸化スケール形態観察と元素濃度分析を行なった。
腐食試験の流量は常に10g/minに固定された。試験中は、適時廃液の流量及びpHを計測し試験環境が実現されていることを確認した。亜臨界環境での腐食を最小限にする為、腐食試験の昇温および降温過程は溶液を純水で置き換えて実施した。
試験後の試験片は純水中で超音波洗浄後、真空乾燥を施し、試験前後の重量変化を計測した。重量変化を計測後、試験片を二つに切断した。一方は光学顕微鏡及び走査型電子顕微鏡(FE-SEM)を用いて腐食形態の観察用に用いた。もう一方は樹脂埋め後、ダイアモンドペーストで1μmまで研磨を施し、FE-SEMとエネルギー分散型(EDX)を用いて断面方向からの酸化スケール形態観察と元素濃度分析を行なった。
〔観察された現象の詳述〕
すべての腐食試験は硫酸溶液0.01mol/kg、酸素濃度800ppmで実施された。実施した試験の温度圧力条件と試験時間を表2に示す。
すべての腐食試験は硫酸溶液0.01mol/kg、酸素濃度800ppmで実施された。実施した試験の温度圧力条件と試験時間を表2に示す。
温度圧力条件は亜臨界条件から超臨界条件まで渡るものであった。試験時間は50時間もしくは100時間を予定していたが、試験中にポンプが送液できなくなった為、途中で中断された試験もあった。試験時間が100時間に満たない試験における試験片重量変化は、単純な比例計算により100時間の重量変化を算出した。HC276とMAT21の重量変化を図2に示す。実験番号は時系列にそってナンバリングしている。重量減少は時系列にそって小さくなり、試験後半ではむしろ重量増加を示した。HC276とMAT21はほぼすべての試験に供されていたので、観察はこの二つを中心に行なった。Ti製オートクレーブで腐食試験を行なったものとMCalloy製オートクレーブで腐食試験を行なった試験片の、試験片表面の観察像を図3〜8に示す。図3〜5はAlloy C-276を、そして図6〜8はMAT 21を示す。
Ti製オートクレーブで腐食試験を行なった試験片と比較すると、MC alloy製オートクレーブで試験を行なった試験片は針状多角形の皮膜に覆われていた。また皮膜は研磨痕の上にあることから、溶液側から試験片表面に析出したものであると推察される。SEM/EDXを用いた試験片断面方向からの分析により、酸化物は2層構造をしていることがわかる。特に、外側の層にはクロム以外の合金元素がほとんど検出されていないことから、試験片を被覆している皮膜はクロム酸化物であると推定される(図9〜13)。
このような被覆現象は、試験に供されていたほぼすべての試験片で観察された。一方で、同じく試験環境に存在していたTi製ホルダーやジルコニア製坩堝には被覆現象は観察されなかった。腐食試験後の試験片についてXRDおよびラマン分光法を用いて皮膜酸化物同定を試みた(表3)。
Ti製オートクレーブで腐食試験を行なった試験片と比較すると、MC alloy製オートクレーブで試験を行なった試験片は針状多角形の皮膜に覆われていた。また皮膜は研磨痕の上にあることから、溶液側から試験片表面に析出したものであると推察される。SEM/EDXを用いた試験片断面方向からの分析により、酸化物は2層構造をしていることがわかる。特に、外側の層にはクロム以外の合金元素がほとんど検出されていないことから、試験片を被覆している皮膜はクロム酸化物であると推定される(図9〜13)。
このような被覆現象は、試験に供されていたほぼすべての試験片で観察された。一方で、同じく試験環境に存在していたTi製ホルダーやジルコニア製坩堝には被覆現象は観察されなかった。腐食試験後の試験片についてXRDおよびラマン分光法を用いて皮膜酸化物同定を試みた(表3)。
Ti製オートクレーブで腐食試験を行なった試験片表面は、Feの酸化物で構成されている可能性が示された。一方、MCアロイ製オートクレーブで腐食試験を行なった試験片の表面はCr酸化物(Cr2O3あるいはCrOOH)で構成されていること推定された。
No.6には試験片としてHB-2を加えていた。試験後HB-2から剥離したスケール(図14)をEDXで分析したところ、Crを22at%程度含む酸化物であった(表4、単位:at%)。
No.6には試験片としてHB-2を加えていた。試験後HB-2から剥離したスケール(図14)をEDXで分析したところ、Crを22at%程度含む酸化物であった(表4、単位:at%)。
このスケールをラマン分光法で分析したところ、Cr2O3であった。また、比例計算により算出した重量変化は-15.9mg/cm2であった。この値はTi製オートクレーブで行なった腐食試験結果(-268.3mg/cm2)に比べ一桁以上小さいものであった。HB-2は自身に0.8%しかCrを含まないため、このスケールが自身から生成されたとは考えにくい。また、重量変化が極端に減少したのは、Cr酸化物被覆の為であろう。さらに腐食試験後のオートクレーブ中には多量の剥離片が存在していた。この剥離片はXRDによりCr2O3であることが判明した。
以上の事実から、Cr酸化物の被覆によって試験片の耐食性が飛躍的に向上し、重量変化が極端に小さくなったと推察される。また、試験片を覆っていたCr酸化物は、試験装置構成材料であったMCアロイに由来すると考えられる。Crは容器からいったん溶出して、試験片表面にCr酸化物として析出したと考えられる。この推論を証明するために、JIS K 0102.59、JIS K 0102.65.24、JIS K 0102.65.1.1および2.4に基づき、廃液中の金属濃度分析を行なった。分析結果を表5に示す。
以上の事実から、Cr酸化物の被覆によって試験片の耐食性が飛躍的に向上し、重量変化が極端に小さくなったと推察される。また、試験片を覆っていたCr酸化物は、試験装置構成材料であったMCアロイに由来すると考えられる。Crは容器からいったん溶出して、試験片表面にCr酸化物として析出したと考えられる。この推論を証明するために、JIS K 0102.59、JIS K 0102.65.24、JIS K 0102.65.1.1および2.4に基づき、廃液中の金属濃度分析を行なった。分析結果を表5に示す。
Ti製オートクレーブを用いた試験廃液濃度に比べて、MC alloy製オートクレーブを用いた試験の廃液のNiイオンおよびCrイオン濃度は非常に高かった。また、No.7の廃液分析から6価のCrも廃液中に存在したことが分かった。以上の事実から、試験装置から溶出したCrイオンの供給源がMCalloy製配管およびオートクレーブである事が示された。
〔観察された現象のモデル化〕
以上のように本実施例で経験された異常な腐食速度低下は、試験容器材料から供給されたCrイオンが試験片最外層にCr酸化物として析出し、試験片の耐食性を飛躍的に向上させた為であると結論付けられる。よって、溶解度の温度依存性に基づいて、本現象の解釈を試みた。
陶ら〔Kiwamu Sue, Tadafumi Adschiri and Kunio Arai, Industrial and Engineering Chemistry Research, 41,No 13, 3298-3306. (2002); R. A. Robinson, R. H. Stokes,Second revised edition, Dover Publications, Inc. Mineola, New York,(2002)〕によって推算された(化1)、0.01mol/kg硫酸、60MPa環境中でのCr2O3およびNiOの溶解度の温度依存性を図15に示す。
以上のように本実施例で経験された異常な腐食速度低下は、試験容器材料から供給されたCrイオンが試験片最外層にCr酸化物として析出し、試験片の耐食性を飛躍的に向上させた為であると結論付けられる。よって、溶解度の温度依存性に基づいて、本現象の解釈を試みた。
陶ら〔Kiwamu Sue, Tadafumi Adschiri and Kunio Arai, Industrial and Engineering Chemistry Research, 41,No 13, 3298-3306. (2002); R. A. Robinson, R. H. Stokes,Second revised edition, Dover Publications, Inc. Mineola, New York,(2002)〕によって推算された(化1)、0.01mol/kg硫酸、60MPa環境中でのCr2O3およびNiOの溶解度の温度依存性を図15に示す。
この結果によればCr2O3およびNiOの溶解度は、低温側ほど高く、温度上昇とともに顕著かつ単調に低下する。次に、Smithら〔R.L.Smith, Jr, P. Atamaji, Y. Hakuta, M. Kawaguchi, T. Adschiri, K. Arai, The Journal of Supercritical Fluids, vol.11, pp103, (1997)〕によって報告されている、高レベル放射能廃棄物模擬溶液からの金属酸化物の回収率の温度依存性データを示す(図16)。この実験結果から、CrイオンはNiイオンに比べ低温側(およそ250℃)で析出を開始することが判る。一方、Ni酸化物の析出開始温度は400℃以上である。
次に、Cr酸化物が析出した機構について定性的に説明する。まず、Cr2O3が付着したMCアロイ管内を、硫酸がある流速で流れている場合を考える。この管には流れに沿って温度勾配がつくように外部から加熱されている。そのため、温度上昇とともに溶液中のイオン濃度が上昇する。結果として、図17に示すように負の温度依存性を持つ溶解度曲線とイオン濃度曲線が交わる地点で析出が始まることになる。析出を開始した地点Aから下流にある地点Bまでの間、総量でDだけCr2O3が析出することになる。
これを本実施例で経験された現象に当てはめると、図18のようなモデルが考えられる。図中では、試験装置流路における位置を横軸にとり(左側が上流、右側が下流)、溶液の温度、Cr2O3の溶解度、Cr3+の濃度を表現したものである。Crイオン濃度は予熱開始地点から上昇し始め、溶解度曲線と交わった地点で析出を開始する。その後、溶液温度の上昇とともにCr3+イオン濃度は溶解度曲線に沿ってさらに低下し、最高温度部位である試験部で最低値となる。図中のDに相当する分量のCr2O3が試験装置内に析出したと推察される。ただし、以上の議論は、Crの酸化数を3価に固定してのものである。純水超臨界水中(390℃〜420℃/23.8MPa)でのCr2O3の溶解については、溶存酸素濃度が増加することにより、Cr2O3のHCrO4 −の形での溶解が促進されることが報告されている。この知見の基づき、酸化剤濃度を8ppmに下げ試験を実施したところ、試験廃液中のCrイオン濃度は0.02ppmとTi製オートクレーブを用いた腐食試験廃液中のイオン濃度と同等なものとなった(表5)。また重量変化も、同試験条件下でTi製オートクレーブを用いた試験結果と同程度のものであった(表6)。
次に、Cr酸化物が析出した機構について定性的に説明する。まず、Cr2O3が付着したMCアロイ管内を、硫酸がある流速で流れている場合を考える。この管には流れに沿って温度勾配がつくように外部から加熱されている。そのため、温度上昇とともに溶液中のイオン濃度が上昇する。結果として、図17に示すように負の温度依存性を持つ溶解度曲線とイオン濃度曲線が交わる地点で析出が始まることになる。析出を開始した地点Aから下流にある地点Bまでの間、総量でDだけCr2O3が析出することになる。
これを本実施例で経験された現象に当てはめると、図18のようなモデルが考えられる。図中では、試験装置流路における位置を横軸にとり(左側が上流、右側が下流)、溶液の温度、Cr2O3の溶解度、Cr3+の濃度を表現したものである。Crイオン濃度は予熱開始地点から上昇し始め、溶解度曲線と交わった地点で析出を開始する。その後、溶液温度の上昇とともにCr3+イオン濃度は溶解度曲線に沿ってさらに低下し、最高温度部位である試験部で最低値となる。図中のDに相当する分量のCr2O3が試験装置内に析出したと推察される。ただし、以上の議論は、Crの酸化数を3価に固定してのものである。純水超臨界水中(390℃〜420℃/23.8MPa)でのCr2O3の溶解については、溶存酸素濃度が増加することにより、Cr2O3のHCrO4 −の形での溶解が促進されることが報告されている。この知見の基づき、酸化剤濃度を8ppmに下げ試験を実施したところ、試験廃液中のCrイオン濃度は0.02ppmとTi製オートクレーブを用いた腐食試験廃液中のイオン濃度と同等なものとなった(表5)。また重量変化も、同試験条件下でTi製オートクレーブを用いた試験結果と同程度のものであった(表6)。
以上の事実から、実際には6価のイオン(例えばHCrO4 −)もCr酸化物の被覆現象に関与していると推察される。
〔実験方法〕
試験装置の概略を図19に示す。試験装置からのCrイオン溶出を防ぐ為、高温接液部はTiで作成した。しかし、Tiは高温強度に乏しい。その為、圧力隔壁であるINCONEL625(商品名)とTi管の間に純水を流して圧力のバランスを取り、Tiの高温での破壊を防ぐ設計とした。オートクレーブの容積は130cm3である。3基の高圧ポンプと背圧弁により圧力を保持した。また、温度はコントローラにより±0.5℃の精度で制御される。供試材はNi基耐食合金であるHC276とMAT21である。これらは、実施例1でもほぼすべての試験に供されていたため、選択した。化学組成を表7に示す。
試験装置の概略を図19に示す。試験装置からのCrイオン溶出を防ぐ為、高温接液部はTiで作成した。しかし、Tiは高温強度に乏しい。その為、圧力隔壁であるINCONEL625(商品名)とTi管の間に純水を流して圧力のバランスを取り、Tiの高温での破壊を防ぐ設計とした。オートクレーブの容積は130cm3である。3基の高圧ポンプと背圧弁により圧力を保持した。また、温度はコントローラにより±0.5℃の精度で制御される。供試材はNi基耐食合金であるHC276とMAT21である。これらは、実施例1でもほぼすべての試験に供されていたため、選択した。化学組成を表7に示す。
試験片のサイズは4mm x 5mm x 6mmの長方形、湿式エメリー紙で#600、#1000、#1500の順で研磨を施した。その後アセトン中で超音波洗浄により脱脂した後、真空乾燥を施した。寸法はノギスにより50μm精度で計測し表面積を算出した。また、重量は電子天秤により10μg精度で計測した。
本実施例では3種実験条件下で防食効果の評価試験を実施した(表8)。
本実施例では3種実験条件下で防食効果の評価試験を実施した(表8)。
試験時間は50時間とした。温度、圧力条件は400℃、30MPaに固定し、試験溶液はすべて0.01mol/kg- H2SO4を用いた。酸素濃度を800ppmにする際には過酸化水素水を用いた。添加した3価と6価のCrイオン濃度は、MCアロイ製オートクレーブを用いた試験(実施例1の実験No.7)における試験廃液中濃度の約10倍の濃度を添加した。6価のCrイオンは、二クロム酸カリウムを用いて添加した(Experimental No.1)。3価のCrを添加する際には6価のCrイオンから亜硫酸水素ナトリウムにて還元して用いた(Experimental No.2 and No.3)。試験前に還元が完了したことをクロムチェック紙及びイオンクロマトにより確認した。また3価のクロムは、過酸化水素水の存在により六価に酸化される可能性があった。3価クロムのみの影響を見極める為、8ppm-O2環境中での試験も行なった。
腐食試験中は各ポンプの流量を常に2.5g/minに固定した。試験溶液の送液は2基のポンプを用いて行い、試験溶液流量を5g/minに固定した。試験装置破壊防止用純水が冷却器後部で合流するため、試験廃液総量は7.5g/minとなる。試験中は、適時廃液の流量及びpHを計測し試験環境が実現されていることを確認した。亜臨界環境での腐食を最小限にする為、腐食試験の昇温および降温過程は溶液を純水で置き換えて実施した。
試験後の試験片は純水中で超音波洗浄後、真空乾燥を施し、試験前後の重量変化を計測した。重量変化を計測後、試験片を二つに切断した。一方については光学顕微鏡及び走査型電子顕微鏡(FE-SEM)による酸化スケールの観察と、X線回折(XRD)およびラマン分光法によるスケール構成酸化物の同定を行った。もう一方は樹脂埋め後、ダイアモンドペーストで1μmまで研磨を施した後、FE-SEMとエネルギー分散型X線分析(EDX)を用いて、断面方向からの酸化スケール形態観察と元素濃度分析を行なった。
腐食試験中は各ポンプの流量を常に2.5g/minに固定した。試験溶液の送液は2基のポンプを用いて行い、試験溶液流量を5g/minに固定した。試験装置破壊防止用純水が冷却器後部で合流するため、試験廃液総量は7.5g/minとなる。試験中は、適時廃液の流量及びpHを計測し試験環境が実現されていることを確認した。亜臨界環境での腐食を最小限にする為、腐食試験の昇温および降温過程は溶液を純水で置き換えて実施した。
試験後の試験片は純水中で超音波洗浄後、真空乾燥を施し、試験前後の重量変化を計測した。重量変化を計測後、試験片を二つに切断した。一方については光学顕微鏡及び走査型電子顕微鏡(FE-SEM)による酸化スケールの観察と、X線回折(XRD)およびラマン分光法によるスケール構成酸化物の同定を行った。もう一方は樹脂埋め後、ダイアモンドペーストで1μmまで研磨を施した後、FE-SEMとエネルギー分散型X線分析(EDX)を用いて、断面方向からの酸化スケール形態観察と元素濃度分析を行なった。
〔酸化スケールの形状観察と構成酸化物の同定〕
各試験片表面から見た皮膜の形態を図20〜25に示す。No.1のAlloy C 276とNo.3のMAT21を除くと、試験片表面は元の表面の上を針状多角形からなる粒で被覆されており、実施例1で観察された現象を再現していた。この被覆現象は、同じく試験環境に配置されていたTi製試験片ホルダー、ジルコニア製坩堝およびオートクレーブ本体では観察されなかった。SEM/EDXを用いた試験片断面方向からの分析を、図26〜33に示す。酸化スケールは2層構造になっており、外層はほぼCr酸化物のみで構成されていた。ただしその膜厚は0.5μm〜80μm程度と、環境と材料の組み合わせにより大きな差を見せた。各々の試験片についてXRDおよびラマン分光法を用い酸化スケール構成化学種の同定を試みた(表9、図34及び35)。
各試験片表面から見た皮膜の形態を図20〜25に示す。No.1のAlloy C 276とNo.3のMAT21を除くと、試験片表面は元の表面の上を針状多角形からなる粒で被覆されており、実施例1で観察された現象を再現していた。この被覆現象は、同じく試験環境に配置されていたTi製試験片ホルダー、ジルコニア製坩堝およびオートクレーブ本体では観察されなかった。SEM/EDXを用いた試験片断面方向からの分析を、図26〜33に示す。酸化スケールは2層構造になっており、外層はほぼCr酸化物のみで構成されていた。ただしその膜厚は0.5μm〜80μm程度と、環境と材料の組み合わせにより大きな差を見せた。各々の試験片についてXRDおよびラマン分光法を用い酸化スケール構成化学種の同定を試みた(表9、図34及び35)。
この二つの分析方法はスケール厚さ方向に関しての感度が大きく異なる。XRDはスケールの厚さ方向でおおよそ数十〜百μm程度の情報が得られるのに対し、ラマン分光法はスケール極表面の情報(厚さで1μm以下)が得られると考えられている。これら分析によりすべての試験片の酸化スケールはCrOOHもしくはCr2O3の3価のクロム酸化物により構成されていることが確認された。個々の試験毎に観察された特徴を列記する。
No.1の試験ではC-276の酸化スケールの主構成物はCr2O3であったのに対し、MAT21のそれはCrOOHであった。また、ラマン分光法による結果から、MAT21の酸化スケールの環境に曝されていた側(外から被覆させた領域)は、Cr2O3であったと推察される。No.2の試験に関してはalloy C-276のスケールの主たる構成酸化物はCrOOHであったと推定できる。MAT21の酸化スケールについてはEDXとXRDの結果から、著しい配向性を持ったCrOOHであったと推察される。この酸化スケールの内層と外層の厚さの比から考えると、配向性を強く持っていたのは、環境から析出した外層であると推測される。No.3の試験においては、C-276、MAT21とも酸化スケールの主たる構成物はCr2O3であった。次に各々の試験を比較してみる。No.1とNo.2の試験は添加したCrの価数および濃度は異なるものの、その他の試験条件については同等であった。しかし、C-276について注目すると、6価のCrを添加した場合はCr2O3、3価のCrを添加したNo.2ではCrOOHと酸化スケールの主構成物が異なっていた。同様にNo.2とNo.3の試験は酸素濃度以外ほぼ同等の試験であったにもかかわらず、C-276およびMAT21の酸化スケールの主たる構成物は酸素濃度により変化した。また、No.2とNo.3の試験では、オートクレーブ中に多量の白色粉末が観察された。粉末の量は特にNo.3の試験において多く見られた。この粉末はXRD分析によりCrOOHであることが確認された。
No.1の試験ではC-276の酸化スケールの主構成物はCr2O3であったのに対し、MAT21のそれはCrOOHであった。また、ラマン分光法による結果から、MAT21の酸化スケールの環境に曝されていた側(外から被覆させた領域)は、Cr2O3であったと推察される。No.2の試験に関してはalloy C-276のスケールの主たる構成酸化物はCrOOHであったと推定できる。MAT21の酸化スケールについてはEDXとXRDの結果から、著しい配向性を持ったCrOOHであったと推察される。この酸化スケールの内層と外層の厚さの比から考えると、配向性を強く持っていたのは、環境から析出した外層であると推測される。No.3の試験においては、C-276、MAT21とも酸化スケールの主たる構成物はCr2O3であった。次に各々の試験を比較してみる。No.1とNo.2の試験は添加したCrの価数および濃度は異なるものの、その他の試験条件については同等であった。しかし、C-276について注目すると、6価のCrを添加した場合はCr2O3、3価のCrを添加したNo.2ではCrOOHと酸化スケールの主構成物が異なっていた。同様にNo.2とNo.3の試験は酸素濃度以外ほぼ同等の試験であったにもかかわらず、C-276およびMAT21の酸化スケールの主たる構成物は酸素濃度により変化した。また、No.2とNo.3の試験では、オートクレーブ中に多量の白色粉末が観察された。粉末の量は特にNo.3の試験において多く見られた。この粉末はXRD分析によりCrOOHであることが確認された。
〔本実施例で提案した防食法の評価〕
No.1〜No.3の単位面積あたりの重量変化と、同試験環境下でCrイオンの意図的な添加を行なわなかった100時間の腐食試験No.A-1, A-2の単位面積あたりの重量変化を図36に示す。本実施例で実施した試験結果を100時間の腐食試験結果と比較する為、No.1〜No.3の重量変化を二倍し100時間の試験結果としている。Crイオンを添加した場合は、添加しなかったものと比較して腐食減量が小さくなった。特にNo.2のMAT21においては、20mg/cm2程度の重量増加を示した。この重量増加は腐食による重量減少に対し、環境からの析出物重量が多かった為である。このように防食法を適応した場合、環境から試験片に析出した重量だけ腐食による重量減少が小さく見積もられてしまう。そこで酸化スケールの発生過程を問わず、試験片にスケールとして付着している重量を、酸化スケールの主構成酸化物密度と皮膜厚さを用いて計算により取り除いた。XRDによりスケールの主構成酸化物が特定できた場合は、その酸化物の純物質の密度を用いた(CrOOH=4.1g/cm3、Cr2O3=5.21g/cm3)。XRDで特定できなかったNo.A-1のC-276については、Cr2O3であったと仮定した。またスケール重量の除去方法であるが、100時間の腐食試験の場合は、単純に試験前後の重量変化から算出されたスケール重量を除去した。防食法を適応した場合は、50時間の腐食試験前後の重量変化から酸化スケール重量を除去し、その値を二倍して100時間の試験結果とした(表10)。
No.1〜No.3の単位面積あたりの重量変化と、同試験環境下でCrイオンの意図的な添加を行なわなかった100時間の腐食試験No.A-1, A-2の単位面積あたりの重量変化を図36に示す。本実施例で実施した試験結果を100時間の腐食試験結果と比較する為、No.1〜No.3の重量変化を二倍し100時間の試験結果としている。Crイオンを添加した場合は、添加しなかったものと比較して腐食減量が小さくなった。特にNo.2のMAT21においては、20mg/cm2程度の重量増加を示した。この重量増加は腐食による重量減少に対し、環境からの析出物重量が多かった為である。このように防食法を適応した場合、環境から試験片に析出した重量だけ腐食による重量減少が小さく見積もられてしまう。そこで酸化スケールの発生過程を問わず、試験片にスケールとして付着している重量を、酸化スケールの主構成酸化物密度と皮膜厚さを用いて計算により取り除いた。XRDによりスケールの主構成酸化物が特定できた場合は、その酸化物の純物質の密度を用いた(CrOOH=4.1g/cm3、Cr2O3=5.21g/cm3)。XRDで特定できなかったNo.A-1のC-276については、Cr2O3であったと仮定した。またスケール重量の除去方法であるが、100時間の腐食試験の場合は、単純に試験前後の重量変化から算出されたスケール重量を除去した。防食法を適応した場合は、50時間の腐食試験前後の重量変化から酸化スケール重量を除去し、その値を二倍して100時間の試験結果とした(表10)。
皮膜重量除去後の試験片重量変化を図37に示す。これを見ると、材料や試験環境、クロムイオンの価数に依存性はあるものの、2〜7倍程度の耐食性向上が観察された。一般的に酸化スケールの成長則は放物線則であると考えられている。土屋ら〔Yumiko Tsuchiya, Nobuhisa Saito, Yoshie Akai, Kazuya Yamada and Takao Takada,Zairyo-to-Kankyo, 52, 599-605, (2003)〕により、硫酸を含んだ超臨界水環境での酸化スケール成長則は少なくとも直線則でないと報告されている。一方、本実施例では50時間の試験結果を直線則により外挿し示している。すなわち、判定手法としては、より厳しい判定を用いている。それでもなお、Crイオンを添加しなかった場合と比較して耐食性の向上を示した。このことから、本発明で提案した溶液へのクロムイオン添加による防食法は充分に効果を発揮したと考えられる。また本手法は、使用環境その場で耐食性皮膜の被覆を行える事から、熱ひずみによる耐食性皮膜の剥離を考慮する必要性がない。さらに、本手法を連続的に適応していれば耐食性皮膜の劣化があったとしても、その効能を再生できると期待される。
上記と同様にしてNi, Fe, Al, Ti, Ta, W, Mo, Zrなどから選択された金属のイオンを含有する溶液を使用して、該金属イオンから形成される金属化合物皮膜による防食効果を検討することが可能である。
上記と同様にしてNi, Fe, Al, Ti, Ta, W, Mo, Zrなどから選択された金属のイオンを含有する溶液を使用して、該金属イオンから形成される金属化合物皮膜による防食効果を検討することが可能である。
本発明の耐食性を付与された構造材は、腐食環境である高温・高圧条件で有効に使用できる一方で、装置の耐久性を高めているので、超臨界水条件などの今後有望視されている分野での技術開発並びに利用においてすぐれている。本発明の金属防食技術を利用すれば、気体の拡散性と液体の物質溶解性を合わせ持っている超臨界水を、反応溶媒として利用してさまざまな効果を得ることが可能になり、また、環境汚染物質の分解・有用物質の抽出や難分解性物質の処理・リサイクルへの応用などが前進すると期待される。また、超臨界水は温度/圧力操作により、自身の溶媒特性(例えば、誘電率など)を使用目的に応じて適切な値に変更可能であることから、反応場として広範な用途が期待されているが、その広範な利用を可能にする。
本発明は、前述の説明及び実施例に特に記載した以外も、実行できることは明らかである。上述の教示に鑑みて、本発明の多くの改変及び変形が可能であり、従ってそれらも本件添付の請求の範囲の範囲内のものである。
本発明は、前述の説明及び実施例に特に記載した以外も、実行できることは明らかである。上述の教示に鑑みて、本発明の多くの改変及び変形が可能であり、従ってそれらも本件添付の請求の範囲の範囲内のものである。
Claims (21)
- 高温且つ高圧の水の条件下に金属イオンを添加した水含有液中で処理された金属材であって、該高温且つ高圧の水の条件下に金属イオンを添加した水含有液中での処理により該金属材の表面が該金属イオンから形成された該金属化合物皮膜で被覆されていることを特徴とする防食化処理金属材。
- 高温且つ高圧の水の条件が、亜臨界水又は超臨界水条件であることを特徴とする請求項1記載の防食化処理金属材。
- 高温且つ高圧の水の条件が、超臨界水条件であることを特徴とする請求項1記載の防食化処理金属材。
- 当該条件が、約300〜700℃の温度で且つ約20〜200MPaの圧力であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一記載の防食化処理金属材。
- 当該条件が、約350〜600℃の温度で且つ約23〜150MPaの圧力であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一記載の防食化処理金属材。
- 金属材が、鋼材であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一記載の防食化処理金属材。
- 鋼材が、ステンレス鋼、高耐食合金鋼及びFe基合金又はNi基合金からなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項6記載の防食化処理金属材。
- 添加される金属イオンの金属が、クロム、ニッケル、鉄、アルミニウム、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、ジルコニウム、コバルト、ニオブ、イットリウム、ケイ素、バナジウム、セリウム、マンガン、ジルコニウム及び銅からなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一記載の防食化処理金属材。
- 添加される金属イオンの金属が、クロム、ニッケル、鉄、アルミニウム、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン及びジルコニウムからなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一記載の防食化処理金属材。
- 添加される金属イオンの金属が、クロムであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一記載の防食化処理金属材。
- 高温且つ高圧の水の条件下に金属イオンを添加した水含有液中で金属材を処理し、該処理により金属材の表面に該金属イオンから形成された該金属化合物皮膜を被覆せしめることを特徴とする金属の防食法。
- 高温且つ高圧の水の条件が、亜臨界水又は超臨界水条件であることを特徴とする請求項11記載の防食法。
- 高温且つ高圧の水の条件が、超臨界水条件であることを特徴とする請求項11記載の防食法。
- 当該条件が、約300〜700℃の温度で且つ約20〜200MPaの圧力であることを特徴とする請求項11〜13のいずれか一記載の防食法。
- 金属材が、鋼材であることを特徴とする請求項11〜14のいずれか一記載の防食法。
- 鋼材が、ステンレス鋼、高耐食合金鋼及びFe基合金又はNi基合金からなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項15記載の防食法。
- 添加される金属イオンの金属が、クロム、ニッケル、鉄、アルミニウム、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、ジルコニウム、コバルト、ニオブ、イットリウム、ケイ素、バナジウム、セリウム、マンガン、ジルコニウム及び銅からなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項11〜16のいずれか一記載の防食法。
- 添加される金属イオンの金属が、クロム、ニッケル、鉄、アルミニウム、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン及びジルコニウムからなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項11〜16のいずれか一記載の防食法。
- 添加される金属イオンの金属が、クロムであることを特徴とする請求項11〜16のいずれか一記載の防食法。
- 超臨界反応装置において超臨界環境を保持する反応容器を構成する材料の防食法であり、高温且つ高圧の水の条件下に金属イオンを添加した水含有液で当該反応容器構成材を処理し、該処理により当該反応容器構成材の超臨界環境側表面に該金属イオンから形成された該金属化合物皮膜を被覆せしめることを特徴とする超臨界反応装置の防食法。
- 超臨界反応装置であって、該反応装置は少なくとも超臨界水環境を保持する反応容器を有しており、該超臨界環境保持反応容器を構成する材料は、高温且つ高圧の水の条件下に金属イオンを添加した液体で処理されており、該処理により当該反応容器構成材の超臨界環境側表面に該金属イオンから形成された該金属化合物皮膜が被覆せしめてあることを特徴とする超臨界反応装置。
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|---|---|---|---|---|
| JP2014119415A (ja) * | 2012-12-19 | 2014-06-30 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 腐食速度測定方法 |
| CN112609175A (zh) * | 2020-11-30 | 2021-04-06 | 黑龙江工程学院 | 超临界co2镁合金化学转化膜制备方法 |
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Citations (1)
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|---|---|---|---|---|
| JP2002363731A (ja) * | 2001-06-06 | 2002-12-18 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | スケール付着防止膜付き部材とその製造方法 |
-
2004
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