JP2005298358A - 糖尿病抑制組成物、糖尿病抑制食品、糖尿病抑制皮膚外用および糖尿病抑制薬 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】糖尿病抑制組成物は、エルカンプーレを含有する。糖尿病抑制組成物は、2型糖尿病抑制作用、血清脂質改善作用、肝臓脂質改善作用、血清グルコース低下作用、遊離脂肪酸改善作用、インスリン抵抗性改善作用およびコレステロール減少作用を有する。糖尿病抑制組成物を含有する機能性食品、皮膚外用あるいは医薬として用いることもできる。
【選択図】図1
Description
実験の対象とする試料であるエルカンプーレエキス末としては、エルカンプーレの乾燥全草(根・茎・葉)に5倍量の含水アルコールである70%アルコールを加えてから浸漬抽出した溶液にデキストリンを加えた後、この溶液を噴霧乾燥させたエキスパウダとしてのエキス粉末(トワ商事株式会社製)を用いた。そして、このエキス末中に含まれるエキス含量は、質量比で約60%であった。
実験の対象とする群を、対照食群としてコントロール(control)群と、エルカンプーレを与えて食させるエルカンプーレ(Hercampure)群と、アカルボース(Acarbose)を与えて食させるアカルボース群とした。そして、「リーブス P.G(Reeves P.G)、外2名「齧歯類目飼育のためのAIN−93精製食」,(米国),ジャーナルオブニュートリション(J.Nutr.),1993年,第123巻,p.1923−1931」に記載のAIN−93組成に準拠した対照食とした。この対照食は、カゼインを蛋白質源とする純化飼料である。また、2%エルカンプーレエキス末を対照食に添加し調製した飼料をエルカンプーレ群のエルカンプーレ食とした。さらに、0.2%アカルボース(バイエル薬品株式会社製)を対照食に添加し調製した飼料をアカルボース群のアカルボース食とした。これらいずれの実験食も、試料の添加量をコーンスターチの量によって調整した。また、これら対照食と実験食のそれぞれは、表1に示す飼料組成であった。
まず、実験動物として雄性のOLETFラットおよびLETOラット(大塚製薬株式会社生物研究所より納入)を用いた。これらOLETFラット、およびLETOラットのそれぞれは、2002年6月10日〜13日生まれであった。さらに、これらOLETFラットおよびLETOラットのそれぞれは、実験での使用開始まで、温度22.0±2.0℃、湿度55.0±5.0%、12時間の明暗(明期はAM7:00〜PM7:00、暗期はPM7:00〜AM7:00)切り替えの動物室にて飼育し、飲水(水道水)、飼料(CE−2:日本クレア株式会社製)を自由摂取させた。
そして、実験開始6週間後、絶食させずにペントバルピタールナトリウム(大日本製薬株式会社製)を50mg/kgほど腹腔内投与麻酔した後、腹部大動脈より注射筒にて全血採血した。この採血を午前10時から12時の間にして、得られた血液を室温にて1時間放置してから4℃で1〜2時間放置した後、2500rpm、4℃、10minの条件で遠心して血清を分離した。
さらに、全血採血の時に得られた血清からの各リポ蛋白質分画を分離する。ここで、これら各リポ蛋白質分画としては、超低比重リポ蛋白質分画(very-low-density lipoprotein(VLDL;d<1.006))と、低比重リポ蛋白質分画(low-density lipoprotein(LDL;d:1.006〜1.063))と、高比重リポ蛋白質分画(high-density lipoprotein(HDL;d:1.063〜1210))と、非リポ蛋白質分画(lipo-free(Free;d>1.210))のそれぞれである。
そして、血清ならびに各リポ蛋白質分画中のコレステロール、リン脂質およびトリグリセライド含量は、市販の酵素法によるキット(コレステロール E−テストワコー、リン脂質 C−テストワコー、トリグリセライド E−テストワコー:和光純薬工業株式会社製)を用いて測定した。
さらに、血清中のインスリン含量は、レビス インスリン−ラット ELISA キット(株式会社シバヤギ製)を用いて、Sandwich ELISA(Enzyme-linked immunosorbent assay)法にて測定した。したがって、このインスリン含量は、Immuno-reactive insulin(IRI,pg/mL)にて示した。
また、各種アポ蛋白質(apoA−I,apoB,apoE)含量ならびにLDLおよびHDLそれぞれの分画中に含まれるapoE含量は、「小川博、外4名,「脳卒中易発症性高血圧自然発症ラットの血清アポ蛋白質A−I,E,そしてA−IVの加齢による変化」,(英国),ジャーナルオブハイパーテンション(J.Hypertens),1986年,第4巻,p.429−443」の一部を改良した「ロウレル CB(Laurell CB),「抗体含有アガロースゲルでの電気泳動による蛋白質の定量評価」,(米国),アナリティカルバイオケミストリ(Anal.Biochem),1966年,第15巻,p.45−52」に記載のロウレル法に準拠したロケット免疫電気泳動法にて測定した。このとき、抗体としては、ラット血清より分離して精製した各種アポ蛋白質を抗原とし、ウサギにて作成した特異抗体を使用した。また、apoA−IとapoBとのそれぞれの測定結果からapoB/apoA−Iを求めた。
さらに、各群それぞれのラットの全血採血をした後、速やかに肝臓を摘出し、これら肝臓の湿重量を測定した。そして、これら肝臓の肝臓比質量は、処分時の単位体重(100g)あたりの肝臓質量の割合にて示した。またこのとき、フォルチ J(Folch J)、外2名,「動物組織よりの全脂質の簡単な単離と精製法」,(米国),ジャーナルオブバイオロジカルケミストリ(J.Biol.Chem.),1957年,第226巻,p.497−509」に記載の方法に準拠して肝臓中の脂質を抽出した。そして、これら脂質における抽出液の下層(クロロホルム層)の一部を取り、窒素気流下でクロロホルムを蒸発させて、肝臓脂質含量測定用の試料とした。
そして、肝臓中のコレステロール、リン脂質およびトリグリセライド含量は、市販の酵素法によるキット(コレステロール E−テストワコー、リン脂質 C−テストワコー、トリグリセライド E−テストワコー:和光純薬工業株式会社製)を用いて測定した。
また、常法により肝臓ミクロソーム画分を精製し、このミクロソーム画分中に存在するコレステロールを基質とした。さらに、「荻島正、外1名,「コレステロール7α−水酸化酵素活性の定量方法」,(米国),アナリティカルバイオケミストリ(Anal.Biochem),1986年,第158巻,p.228−232」に記載の方法に準拠し、HPLCにてコレステロール7αヒドロキシラーゼ(cholesterol 7α-hydroxylase(7αヒドロキシラーゼ:7α-hydroxylase))活性を測定した。ここで、この7αヒドロキシラーゼ活性は、ミクロソーム画分の蛋白質含量1mgあたり1分間に生じるHCO:7α-hydroxy-4-cholesten-3-on(7α-ヒドロキシ-4-コレステン-3-オン)量(pmol/min/mgミクロソーム蛋白質)にて示した。
実験値は、すべて平均値±標準誤差(The mean±standard error of the mean,M±SEM)示した。また、有意差検定は、StatView(Ver.5,SAS Institute Inc.USA)を用いて分散および分析した後、多重比較検定(Tukey’s multiple comparison test)をした。さらに危険率5%以下を有意とした。
実験期間中の対照食群2群(LETOラット群、OLETFラット群)、エルカンプーレ群およびアカルボース群それぞれにおける体重の動態と飼料摂取量とを図2および図3に示した。そして、これら図2および図3に示すように、各群の体重は、すでに実験開始期よりOLETFラット群がLETOラット群に比較して有意に高値であり、この有意な高値は実験終了時まで継続した。また、エルカンプーレ群もOLETFラット群とほぼ同様な体重の動向を示したが、アカルボース群では、投与6日目よりOLETFラット群と比較し有意な低値を示し、投与終了時まで有意な低値が継続した。
実験終了時の最終体重および平均飼料摂取量と、実験終了時に得られた血清コレステロール、リン脂質およびトリグリセライド含量それぞれの動態を表2に示す。
血清グルコース、遊離脂肪酸およびインスリン含量それぞれの動態を表3に示す。
実験終了時に得られた血清中の各種アポ蛋白質(apoA−I,apoB,apoE)含量と、apoB/apoA−Iの動態とを表4に示す。
血清各リポ蛋白質分画におけるコレステロール、リン脂質およびトリグリセライド含量の分布を図4ないし図6に示す。
肝臓比質量、肝臓中のコレステロール、リン脂質およびトリグリセライド含量の動態を表5に示す。
肝臓ミクロソーム画分における7αヒドロキシラーゼ活性の動態を表5に示す。
糖尿病とは、一般に空腹時の血糖値が7.0mmol/L(126mg/dL)以上、あるいは75g経口糖負荷試験(OGTT:Oral Glucose Tolerance Test)後の2時間後の血糖値が11.1mmol/L(200mg/dL)以上の場合をいう(日本糖尿病学会)。そして、最近では、ヘモグロビンAlc(HbAlc)値も診断に用いられる。このHbAlcは、グリコヘモグロビンと言われ、ヘモグロビンにグルコースが結合したものである。したがって、このグリコヘモグロビンは、食事の影響を受けにくく、過去約4ケ月間の血糖値を良く反映する。なお、一般にHbAlcが6.5%以上で糖尿病と判定される。
Claims (10)
- 少なくともエルカンプーレを含有し、糖尿病抑制作用を有する
ことを特徴とした糖尿病抑制組成物。 - 2型糖尿病抑制作用を有する
ことを特徴とした請求項1記載の糖尿病抑制組成物。 - 血清脂質改善作用および肝臓脂質改善作用を有する
ことを特徴とした請求項1または2記載の糖尿病抑制組成物。 - 血清グルコース低下作用を有する
ことを特徴とした請求項1ないし3いずれか記載の糖尿病抑制組成物。 - 遊離脂肪酸改善作用を有する
ことを特徴とした請求項1ないし4いずれか記載の糖尿病抑制組成物。 - インスリン抵抗性改善作用を有する
ことを特徴とした請求項1ないし5いずれか記載の糖尿病抑制組成物。 - コレステロール減少作用を有する
ことを特徴とした請求項1ないし6いずれか記載の糖尿病抑制組成物。 - 請求項1ないし7いずれか記載の糖尿病抑制組成物を含む
ことを特徴とした糖尿病抑制食品。 - 請求項1ないし7いずれか記載の糖尿病抑制組成物を含む
ことを特徴とした糖尿病抑制皮膚外用。 - 請求項1ないし7いずれか記載の糖尿病抑制組成物を含む
ことを特徴とした糖尿病抑制薬。
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