JP2005294532A - 電磁波シールド塗料 - Google Patents

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雅弘 西川
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Abstract

【目的】電磁波シールド層を形成する金属粉末にニッケル粉を用いて、高導電性を有した電磁波シールド層を、多様な形状に形成できる電磁波シールド塗料を開発することである。
【構成】本発明に係る電磁波シールド塗料は、ニッケル粉2と、このニッケル粉2を構成するニッケル粒子を含む金属粒子の表面に対し非濡れ性を発現するバインダー溶液4を少なくとも含有していることを特徴とする。ニッケル粒子を含む金属粒子の表面に対し非濡れ性を発現するバインダー溶液は、ニッケル粒子表面に対し非親和性を発現するから、ニッケル粉2間から逃散する性質を示し、その結果、ニッケル粉2同士を集合させようとする傾向性を示す。このニッケル粉同士を集合させようとする力を制御することによって、ニッケル粉同士を相互接触させて電気導通性を確保し、電磁波ノイズを有効に遮蔽することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電磁波シールド塗料に関し、更に詳細には、ニッケル粉を導電体とし、このニッケル粉に非濡れ性を有するバインダー溶液又は導電性添加剤を添加して高導電性を付与した電磁波シールド塗料に関する。
現在、携帯電話やカーナビなどの電子機器の普及は目覚しいものがある。これらの電子機器は、無線LANによりコンピュータネットワークと連携し、各種の情報を瞬時に提供している。従って、我々は戸外でも室内でも多量の電磁波を常時浴びているので電磁波の影響を無視できない。特に、人体への悪影響が心配され、例えば、脳腫瘍、ガン、白血病、遺伝子傷害等の現代病との因果関係が問題となっている。また、電子機器等の電磁波による誤作動などが懸念され、実際、心臓ペースメーカーなどの医療機器の誤作動による、患者への悪影響が問題になっている。
また、現代社会はコンピュータに代表される情報化社会であり、情報が生活のあらゆる場面で活用されている。これらの情報はコンピュータにより管理され、コンピュータネットワークを通じて利用され、無線LANにより情報交換が行われている。従って、電磁波による情報交換では、放射電磁波の漏洩による情報の流出や放射電磁波による妨害などの電波障害など新たな問題が発生している。
このように、現代社会において、情報の伝達手段として電磁波は不可欠であるが、それと同時に様々な問題を提起している。即ち、人体への悪影響や情報漏れやコンピュータ機器の誤作動等を発生させる恐れがあり、これらの問題を解決するための技術が求められている。例えば、外部からの電磁波の侵入を遮断するための電磁波シールド材や外部への電磁波の放出を防止するための電磁波シールド材などが開発されている。
これらの電磁波シールド材等には、電磁波シールド層として金属粉末が使用されている。例えば、鱗片状金属粉末を高分子樹脂中に分散させたシート状電磁波シールド材(特開2003−258490号公報、特許文献1)や、電磁波シールド層として金属粉末が添加され、弾性変形可能な基材に塗装できる導電性塗料(特開平10−316901号公報、特許文献2)が公知技術として公表されている。これらの公知技術は、高分子樹脂中に分散させた金属粉末を電磁波シールド層として利用し、不要に輻射された電磁波ノイズを遮蔽するものである。
特開2003−258490号公報 特開平10−316901号公報
前記公知技術には、電磁波シールド材の導電性主成分として、鉄、アルミニウム、銅等の卑金属粉や金、銀等の貴金属粉が用いられるが、これら金属粉の利用にはそれぞれ問題がある。例えば、鉄、アルミニウムは酸化されて電気絶縁体になり、電磁波シールド層としての導電性膜を形成できない。銅も酸化して電磁波シールド層としての高導電性膜を形成できない上に、毒性の強い緑青に変化するため安全上問題がある。金、銀等の貴金属は化学的に安定した金属であるが、価格的に高価なため利用上問題がある。
また、前記金属粉から構成される電磁波シールド層の遮蔽効果を高めるために、特許文献1では高圧処理により金属粉の配向を一定方向に揃えている。従って、この方法では製造において高圧処理工程が必要になり、そのためコスト高が生じ、形成された電磁波シールド層の導電性能も、高圧処理だけでは十分な効果が期待できない。
特許文献2では、弾性変形可能な基材に電磁波シールド層を形成するために、樹脂からなるバインダー材に電磁波シールド層を構成する金属フィラーと、この金属フィラー同士を連結するために金属ファイバーが添加されている。この添加された金属ファイバーにより金属フィラー同士が連結し導電性を形成して電磁波シールド層となる。しかし、この公知技術においても特許文献1と同様の問題が提起される。それは、添加された金属フィラーと金属ファイバーとの接触不良の問題である。即ち、金属フィラーと金属ファイバーが電磁波シールド層の乾燥過程で自然に接触導通する保証は何ら存在しない。
本発明は、上記課題に対して鋭意研究した結果、化学的性質において安定しているニッケル粉を電磁波シールド層の主成分として使用し、このニッケル粉の表面に対する非濡れ性に着目して上記課題の解決を図った。また、上記課題の解決に対して導電性添加剤を用いることも考慮して本発明を完成させたものである。従って、本発明は上記課題を解決するために、電磁波シールド層を形成する金属粉としてニッケル粉を用いて、高導電性を有した電磁波シールド層を形成できる電磁波シールド塗料を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の第1の形態は、ニッケル粉と、このニッケル粉を構成するニッケル粒子の表面に対し非濡れ性を発現するバインダー溶液を少なくとも含有する電磁波シールド塗料である。
本発明の第2の形態は、前記バインダー溶液が前記ニッケル粒子間に介在したときに、その非濡れ性によりニッケル粒子同士の相互接触を誘発する電磁波シールド塗料である。
本発明の第3の形態は、前記バインダー溶液の非濡れ性を促進する非濡れ性促進剤が添加される電磁波シールド塗料である。
本発明の第4の形態は、ニッケル粉と導電性添加剤を少なくとも含有する電磁波シールド塗料である。
本発明の第5の形態は、前記導電性添加剤が、導電性有機添加剤、導電性無機添加剤又はそれらの混合物である電磁波シールド塗料である。
本発明の第6の形態は、前記導電性添加剤と共に、必要に応じてバインダー剤が添加される電磁波シールド塗料である。
本発明の第7の形態は、前記導電性添加剤又は/及び前記バインダー剤の溶液がニッケル粉を構成するニッケル粒子を含む金属粒子の表面に対し非濡れ性を発現する請求項6に記載の電磁波シールド塗料である。
本発明の第8の形態は、前記ニッケル粉が鱗片状ニッケル粉又は樹状ニッケル粉である電磁波シールド塗料である。
本発明の第9の形態は、ニッケル粉以外の金属粉又は金属化合物粉が添加された電磁波シールド塗料である。
本発明の第10の形態は、溶媒として有機溶媒が用いられる電磁波シールド塗料である。
本発明の第1の形態によれば、ニッケル粒子の表面に対し非濡れ性を発現するバインダー溶液を用いることにより、ニッケル粉間の電気導通性を実現することができる。ニッケルは、卑金属の中で化学的に安定した金属であり、電気的性質において強磁性体である。このニッケル粒子の表面に対し非濡れ性を有しているバインダー溶液は、大きな表面張力を有しており、ニッケル粒子表面に対し非親和性を発現するから、ニッケル粒子間から逃散する性質を示し、その結果、ニッケル粉同士を集合させようとする傾向性を示す。このニッケル粉同士を集合させようとする力を制御することによって、ニッケル粉同士を相互接触させて電気導通性を確保し、電磁波を有効にシールドする導電膜を形成することができる。換言すれば、ニッケル粒子の表面に対するバインダー溶液の非濡れ性(非親和性)により、ニッケル粉相互間に接触を誘発することができ、この結果、ニッケル粉同士が相互に連続的に接触したニッケル導電膜を形成できる。この金属膜は電気導通性が高く、電磁波ノイズをほぼ完全に遮蔽することができる。
本発明の第2の形態によれば、前記バインダー溶液がニッケル粉間に介在したときに、その非濡れ性によりニッケル粉同士の相互接触を誘発することができる。ニッケル粉間に介在しているバインダー溶液は、ニッケル粒子の表面に対し非濡れ性を有しているのでニッケル粒子間に介在すると、バインダー溶液がその大きな表面張力によって球状化し、バインダー溶液がニッケル粒子間から逃散する傾向を示す。この逃散により形成された空間にニッケル粉が侵入して、ニッケル粉同士が相互に接触し電気導通性が確保される。即ち、バインダー溶液の大きな表面張力によりニッケル粉同士の接触を自発的に誘導し、平面的に連続したニッケル膜を形成することができる。このニッケル膜は導電性が高いので、電磁波ノイズをほぼ完全に遮蔽することが可能となる。
本発明の第3の形態によれば、前記バインダー溶液の非濡れ性を促進するために非濡れ性促進剤を添加することができる。前述の通り、ニッケル粉間に介在しているバインダー溶液はニッケル粉に対し非濡れ性を有している。この非濡れ性を促進するために非濡れ性促進剤を添加すれば、バインダー溶液中のニッケル粉同士をより一層相互に接触させることができ、ニッケル粉同士の接触確率を増加させることができる利点がある。この非濡れ性促進剤としては表面張力強化剤などが使用できる。
本発明の第4の形態によれば、電磁波シールド層の主成分として、化学的に安定しているニッケル粉を使用し、バインダー剤として導電性添加剤を用いて、ニッケル粉間の電気導通性を形成できる。導電性添加剤は化学的に導電体を形成するので、ニッケル粉に導電性添加剤を混合させて電磁波シールド層を形成すれば、高電気導通性を有する均一な導電性膜を形成できる。従って、導電性添加剤の混合量を適宜調整することにより、電磁波シールド層の電気導通性を自在に制御することができ、高性能の電磁波シールド層を形成することができる。導電性添加剤がニッケル粒子間に介在すると、ニッケル粒子同士が導電性添加剤を介して電気的に導通する。導電性添加剤が密に充填されれば連続導通し、またスポット的に介在してもホッピング電導が形成され、電気導通性が確保される。
本発明の第5の形態によれば、導電性添加剤として、導電性有機添加剤、導電性無機添加剤又はそれらの混合物を利用できる。導電性有機添加剤には導電性高分子剤、有機固体電解質、導電性樹脂組成物等があり、導電性無機添加剤には無機固体電解質、無機電解質溶液等があり、それ以外に、上記2以上の導電性添加剤の混合物がある。以下の記述において、導電性添加剤として導電性高分子剤について説明する。導電性ポリマー又は導電性樹脂組成物が利用できる。導電性ポリマーは化学構造上導電性を形成することができ、導電性樹脂組成物は電解質や金属粉を混入させて導電性を形成している。導電性添加剤として、導電性ポリマーを用いて電磁波シールド層を形成すれば、ニッケル粉間を化学的に結合させて電子電導性を付与することができる。この電子電導性により極めて高い電気導通性が形成される。従って、導電性ポリマーの配合比を高めることによりニッケル粉間に連続的な電子電導性を形成でき、高導電性を有する電磁波シールド層を形成できる。また、導電性添加剤として導電性樹脂組成物を用いて電磁波シールド層を形成すれば、導電性樹脂組成物が含有している電解質や金属粉とニッケル粉との間にホッピング電導により導電性が確保される。従って、この電解質や金属粉等の含有率を高めることにより導電性を高めることができる。
本発明の第6の形態によれば、導電性添加剤に必要に応じてバインダー剤を添加できる。バインダー剤を添加することによって電磁波シールド層を強固に保持することができる。従って、このバインダー剤の添加量を適宜調整することにより、使用用途に応じた強度を有する電磁波シールド層を形成できる利点がある。
本発明の第7の形態によれば、導電性添加剤又は/及びバインダー剤の溶液にニッケル粒子を含む金属粒子の表面に対し非濡れ性を付与できるので、より一層高い電気導通性を形成できる。導電性添加剤は化学的に電気導通性を形成でき、これにニッケル粉の表面に対する非濡れ性が付与されると、前述の通りニッケル粉の相互接触を誘導し、より一層高い電気導通性が形成される。従って、この非濡れ性を付与された導電性添加剤又は/及びバインダー剤の溶液は、電気導通性をより一層高めることができ、必要に応じてバインダー剤を添加することにより電気導通性を高めることができる。
本発明の第8の形態によれば、電磁波シールド層を形成するニッケル粉に鱗片状ニッケル粉又は樹状ニッケル粉を利用できる。鱗片状ニッケル粉は扁平な形状を有しているので、前述の通り、非濡れ性による大きな表面張力によりニッケル粒子間に面接触を容易に形成することができる。また、樹状ニッケル粉は、植物の松葉のような形状を有しているので、ニッケル粉同士を多点接触させ、一旦ニッケル粉同士が相互接触すると容易に分離することができない。従って、電磁波シールド層を形成するニッケル粉に鱗片状ニッケル粉又は樹状ニッケル粉を利用すれば、電気導通性の高い、高導電性の電磁波シールド層を形成でき、また、弾性変形に対しても強固な電磁波シールド層を形成できる利点がある。
本発明の第9の形態によれば、ニッケル粉にニッケル粉以外の金属粉又は金属化合物粉を添加して電磁波シールド層の成分とすることができる。ニッケル粉以外の金属粉又は金属化合物粉には、鉄粉、コバルト粉、アルミニウム粉、銅粉等及びそれらの化合物粉があり、それぞれの金属粉又は金属化合物粉を添加すれば、形成される電磁波シールド層にそれぞれの特性を付与することができる。例えば、ニッケルは強磁性体であるから、磁気を帯びた金属粉又は金属化合物粉を添加すれば、この金属粉又は金属化合物粉はニッケル粉と磁気力により強力に相互接触してニッケル粉同士を連結する。この結果、高電気導通性を形成することができる。また、ニッケル粉よりも電気比抵抗が小さい金属粉又は金属化合物粉をニッケル粉に添加すれば、全体として電気比抵抗を小さくできる。その結果、電気導通性を高めることができる。従って、ニッケル粉にニッケル粉以外の金属粉又は金属化合物粉を添加して、電磁波シールド層の主成分とすると、電気導通性を高めることができ、高導電性を有する電磁波シールド層を形成することができる。
本発明の第10の形態によれば、電磁波シールド塗料の溶媒として有機溶媒を用いることができる。有機溶媒を添加することによって、電磁波シールド層を形成するニッケル粉やバインダー溶液等を溶媒中に均一に分散することができるので、導電性の高い電磁波シールド層を容易に形成できる利点がある。また、溶媒の粘度を適度に調整することにより、ニッケル粉間の相互接触を容易に形成することができる。有機溶媒量が少ないと粘性が高くなり、有機溶媒量が多いとサラサラの溶液状になる。
以下に、本発明に係る電磁波シールド塗料の実施形態について図面を参照しながら説明する。
本発明に係る電磁波シールド塗料は、電磁波シールド層を形成する金属粉末としてニッケル粉を使用する。金属はその金属の特徴に応じて、種々の方法により作製されるが、大別して機械的方法による場合と物理化学的方法による場合とに分けられる。機械的方法には機械粉砕法、溶湯粉化法、噴霧法、衝撃法があり、物理化学的方法としては還元法、電解法があるが、ニッケルの精製には主に電解法が用いられる。
本発明には、ニッケル粉の中でも鱗片状又は樹状ニッケル粉が望ましく、大きさは150〜300メッシュのもので、より好適には200メッシュ前後のものが望ましい。厚さは0.1〜20μm、特に0.1〜5μmのものが好ましい。この鱗片状ニッケル粉は電解法などの一般的な製造方法で作製され、スタンピングミルやボールミルなどの機械装置により扁平な形状に精製される。樹状ニッケル粉は、一般的に電解法により精製される。
本発明は、この鱗片状及び樹状ニッケル粉をニッケル粒子の表面に対し非濡れ性を有するバインダー溶液中に分散して、この非濡れ性により鱗片状及び樹状ニッケル粉同士の接触を誘発し導電性の高い金属膜を形成するものである。
図1は非濡れ性によるニッケル粉間の相互接触を説明する概略説明図である。(1A)は本発明に係る電磁波シールド塗料を塗装した直後における電磁波シールド層の概略部分拡大断面図である。電磁波シールド層中に分散しているニッケル粉2、2はバインダー溶液4を介して電磁波シールド層を形成している。(1B)は本発明に係る電磁波シールド塗料を塗装後、一定時間経過後の電磁波シールド層の概略部分拡大断面図である。電磁波シールド層中に分散しているニッケル粉2、2には、ニッケル粉とニッケル粉との間に介在しているバインダー溶液4のニッケル粒子に対する非濡れ性による作用が形成される。即ち、バインダー溶液4がニッケル粒子間に介在すると、バインダー溶液がその大きな表面張力によって球状化し、矢印の方向に鉄粒子間から逃散する傾向を示す。この逃散により形成された空間に鉄粒子が侵入して鉄粒子が接触点Pにおいて相互に接触し、電気導通性が確保される。本発明はニッケル粒子対する非濡れ性における作用に着目し、導電性添加剤を用いることにより一層高い導電性を有する電磁波シールド層を形成できることを確認して本発明を完成させたものである。
非濡れ性を有するバインダー溶液としては主に樹脂が用いられる。例えば、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、オレフィン樹脂、塩素化オレフィン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、アルキッド樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、フェノール樹脂などがある。これらの樹脂の中でニッケル粉の表面に対し非濡れ性を有する樹脂が好ましいが、特にフッ素樹脂、シリコン樹脂が本発明にとって好適である。
ニッケル粉の表面に対する非濡れ性を促進する添加材としては低分子量ポリプロピレンを含んだ高分子樹脂が好ましい。添加量は使用するバインダー溶液とニッケル粉の配合量により適宜調製する。
本発明におけるバインダー溶液と鱗片状・樹状ニッケル粉の配合比は、重量比で1:20〜1.5:1が好ましいが、特に1:20〜1:4が好適である。
本発明に使用される導電性添加剤としては、導電性有機添加剤と導電性無機添加剤がある。導電性有機添加剤には導電性高分子剤、有機固体電解質、導電性樹脂組成物等があり、導電性無機添加剤には無機固体電解質、無機電解質溶液等があり、それ以外に、上記2以上の導電性添加剤の混合物がある。導電性高分子剤には、電子移動を可能とする化学構造を有する導電性ポリマーと電解質などの化合物や金属粉を配合して導電性が形成された導電性樹脂組成物がある。導電性ポリマーにはポリアセチレン系、ポリフェニレン系、ポリチオフェン系等があり、導電性樹脂組成物としてはポリアルキシレンオキシド系ポリマー電解質、アクリレート系ポリマー電解質、カーボネート系ポリマー電解質、金属化合物微粒子をフィラーとする導電性樹脂組成物等がある。有機固体電解質にはフッ素樹脂系ポリマー電解質等がある。他にも無機固体電解質、無機電解質溶液等があるが、以上の中から適宜選択できる。
図2は導電性添加剤をバインダー溶液として用いた電磁波シールド層の概略部分拡大図である。ニッケル粉2、2同士は導電性添加剤6を介して電気導通性を形成している。この電気導通性は導電性添加剤6の配合比を多くすれば、連続的な電気導通性が形成され、導電性添加剤6の配合比を少なくすれば、導電性添加剤中に混入された金属粉8によりホッピング電導が形成され電気導通性が確保される。この導電性添加剤6によりニッケル粉は電気的に連結して電磁波シールド層を形成することができる。
導電性添加剤中に鱗片状又は樹状ニッケル粉を配合して電磁波シールド層を形成すれば、導電性添加剤により導電性の高い電磁波シールド層を形成できる。この導電性添加剤又は/及びバインダー剤の溶液にニッケル粒子の表面に対し非濡れ性を有するバインダー溶液を配合すれば、より一層高い電気導通性が形成され、その結果、高導電性の電磁波シールド層を形成することができる。
導電性添加剤と鱗片状及び樹状ニッケル粉の配合比は、バインダー溶液と鱗片状及び樹状ニッケル粉との配合比と同様であるが、導電性添加剤の種類により適宜調製することができる。必要に応じてバインダー剤を添加して利用することができる。
ニッケル粉以外の金属粉又は金属化合物粉としては、磁気を帯びたフェライト微粒子、中でも、コバルトフェライト微粒子などが好適である。また、ニッケル粉以外の金属粉又は金属化合物粉として、金、銀、銅、鉄、アルミニウム、チタン、クロム、マンガン、コバルト、スズ、アンチモン等の貴金属粉や卑金属粉及びその金属化合物粉があるが、ニッケル粉よりも電気比抵抗が小さい金属粉又は金属化合物粉が好ましく、中でも本発明には高純度鉄及び超高純度鉄が好適である。
本発明に使用される有機溶媒としては、無水物であればよく、アルコール、アセトン、プロパノール、エーテル、石油エーテル、ベンゼン、酢酸エチル、その他の石油溶剤、ターピネオール、ジヒドロターピネオール、ブチルカルビトール、セロソルブ類、芳香族類、ジエチルフタレート等がある。
本発明の電磁波シールド塗料により形成される電磁波シールド層には、ニッケル粉の表面に対し非濡れ性を有するバインダー溶液による場合と導電性添加剤よる場合の2方法があり、この2方法によりニッケル粉は相互に連結して一体化し高い導電性を形成できる。この結果、本発明の電磁波シールド塗料により電磁波ノイズを効果的に遮蔽することが可能となる。
[電磁波シールド塗料の作製]
鱗片状ニッケル微粉末(200メッシュ)60容量%と高純度鉄微粉末等40容量%を混合して金属微粉末を作製する。これにフッ素樹脂80容量%を混合し、無水エタノール30容量%を添加して電磁波シールド塗料を作製した。
[電磁波シールド試験]
上記で作製された電磁波シールド塗料を30cm角のプラスチック板に、縦横方向それぞれ1回づつ塗装して試験膜を作成した。この試験膜を乾燥させた後、塗装面の膜厚を測定したところ、塗装面の膜厚は200〜500μmであった。この試験膜の電磁波シールド効果SE(dB)を導波管10によりアドバンテスト法(近接界)で測定した。
図3は本発明の電磁波シールド試験に使用された導波管10の概略装置図である。導波管10は金属製の箱型形状を有し、内面にアルミ箔が施されている。周波数が2〜3(GHz)のマイクロ波を、導波管10の側面に設けられた円形導入孔14から入射させ、入射部15において拡散したマイクロ波を上記試験膜16で遮蔽して、透過したマイクロ波を測定部17に設置されたマイクロ波測定センサー18により測定し、ケーブル20から測定信号を出力する。この測定信号をモニターにグラフ表示して電磁波シールド効果SEを調べた。
図4は本発明に係る電磁波シールド試験における周波数特性図である。実線は、導波管10の側面に設けられた円形導入孔14から入射させたマイクロ波を試験膜16で遮蔽して、この試験膜16を透過したマイクロ波の周波数特性図である。測定値は、試験膜16を空孔の状態で測定した値を基準としてノーマライズされた数値である。この結果、周波数2.5GHzにおける電磁波シールド効果SEは、電界測定値で−36dBであった。
電磁波シールド効果SEは入射電界(E)と透過電界(E)との間に、SE=−20log(E/E)が成立する。
[電磁波シールド塗料の作製]
鱗片状ニッケル微粉末(200メッシュ)60容量%と高純度鉄微粉末等40容量%を混合して金属微粉末を作製する。これにポリチオフェン系の導電性ポリマー70容量%とバインダー剤としてフッ素樹脂10容量%を混合し、無水エタノール30容量%を添加して電磁波シールド塗料を作製した。
[電磁波シールド試験]
上記で作製された電磁波シールド塗料を使用して実施例1と同様の方法で試験膜16を作成して電磁波シールド効果SE(dB)を測定した。塗装面の膜厚は200〜600μmであった。その結果、周波数2.5GHzにおける電磁波シールド効果SEは、電界測定値で−35dBであった。
実施例1及び2から、本発明に係る電磁波シールド塗料は、極めて高い導電性を有する電磁波シールド層を形成することができ、その結果、電磁波ノイズをほぼ完全に遮蔽できることが証明された。
本発明は上記実施例に限定されることはなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々の変形例及び設計変更を、その技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
本発明に係る電磁波シールド塗料は、高導電性と高耐久性を有する電磁波シールド層を多様な形状に応じて形成でき、弾性変形にも対応できるので、各種の用途に利用することができる。特に、電磁波ノイズを遮蔽しなければならない施設や空間等に大いに活用することができる。
非濡れ性によるニッケル粉間の相互接触を説明する概略説明図である。 導電性添加剤をバインダー溶液として用いた電磁波シールド層の概略部分拡大図である。 本発明の電磁波シールド試験に使用された導波管10の概略装置図である。 本発明に係る電磁波シールド試験における周波数特性図である。
符号の説明
2 ニッケル粉
4 バインダー溶液
6 導電性添加剤
8 金属粉等
10 導波管
12 マイクロ波
14 円形導入孔
15 入射部
16 試験膜
17 測定部
18 マイクロ波測定センサー
20 ケーブル
P 接触点

Claims (10)

  1. ニッケル粉と、このニッケル粉を構成するニッケル粒子の表面に対し非濡れ性を発現するバインダー溶液を少なくとも含有することを特徴とする電磁波シールド塗料。
  2. 前記バインダー溶液が前記ニッケル粒子間に介在したときに、その非濡れ性によりニッケル粒子同士の相互接触を誘発する請求項1に記載の電磁波シールド塗料。
  3. 前記バインダー溶液の非濡れ性を促進する非濡れ性促進剤が添加される請求項1又は2に記載の電磁波シールド塗料。
  4. ニッケル粉と導電性添加剤を少なくとも含有することを特徴とする電磁波シールド塗料。
  5. 前記導電性添加剤が、導電性有機添加剤、導電性無機添加剤又はそれらの混合物である請求項4に記載の電磁波シールド塗料。
  6. 前記導電性添加剤と共に、必要に応じてバインダー剤が添加される請求項4又は5に記載の電磁波シールド塗料。
  7. 前記導電性添加剤又は/及び前記バインダー剤の溶液がニッケル粉を構成するニッケル粒子の表面に対し非濡れ性を発現する請求項6に記載の電磁波シールド塗料。
  8. 前記ニッケル粉は鱗片状ニッケル粉又は樹状ニッケル粉である請求項1〜7のいずれかに記載の電磁波シールド塗料。
  9. ニッケル粉以外の金属粉又は金属化合物粉が添加された請求項1〜8のいずれかに記載の電磁波シールド塗料。
  10. 溶媒として有機溶媒が用いられる請求項1〜9のいずれかに記載の電磁波シールド塗料。
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