JP2005292028A - 楕円偏光入射による複屈折板の測定法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
楕円偏光入射による複屈折板の方位角ψと絶対的相対位相差 ρtolの測定法を示す。
【解決手段】
従来の楕円偏光入射を使用する測定方法では、 絶対的相対位相差ρtolの測定は予め測定した校正表との測定強度の比較から決める。本発明は楕円偏光入射による複屈折板からの射出光を1/4波長板Q2と偏光子P2で構成される検光子系で数2の方法により測定する。これにより、任意の波長の入射光によるQ2の位相誤差を克服できる。それゆえ、楕円偏光の楕円率角εと方位角θが既知の場合、ψとρはそれぞれ数3と数4で得ることができ、それを位相結合することにより任意の方位角ψと絶対的相対位相差ρ tolを得ることができる。
【選択図】 図3
楕円偏光入射による複屈折板の方位角ψと絶対的相対位相差 ρtolの測定法を示す。
【解決手段】
従来の楕円偏光入射を使用する測定方法では、 絶対的相対位相差ρtolの測定は予め測定した校正表との測定強度の比較から決める。本発明は楕円偏光入射による複屈折板からの射出光を1/4波長板Q2と偏光子P2で構成される検光子系で数2の方法により測定する。これにより、任意の波長の入射光によるQ2の位相誤差を克服できる。それゆえ、楕円偏光の楕円率角εと方位角θが既知の場合、ψとρはそれぞれ数3と数4で得ることができ、それを位相結合することにより任意の方位角ψと絶対的相対位相差ρ tolを得ることができる。
【選択図】 図3
Description
本発明は、光技術を利用した複屈折板の複屈折および光弾性モデルの応力解析のための解析法を開発したものである。
複屈折板の方位角ψと相対位相差ρの測定は1/4波長板と偏光子で構成される検光子系により視覚的に測定でき、これは光弾性法としてよく知られている。この方法の自動測定は一点測定と全視野測定に分類できる。全視野測定はCCDカメラとコンピュータの使用により遂行され、さまざまな全視野測定法がある1-9。これらの方法の中で位相シフト法はデータ取得の自動化に対して広く利用されている1。
位相シフト法は光学素子を回転することによりモデルからの位相をシフトさせて記録する技術である。完全な自動測定では、絶対的相対位相差ρtolとρtol=2πN (N: 整数)6 あるいはπN5、7付近も含むモデル全域の方位角ψの測定が必要である。ψとρtolの測定は一般に入射光に直線偏光6か円偏光5,7 を使用する。 他方、楕円偏光を使用する測定方法はあまり存在しない2,10。今までの楕円偏光を利用する方法では、ρtolは予め測定した校正表から決める。
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複屈折板の完全な測定では、絶対的相対位相差ρtolとモデル全域の方位角ψの測定が必要である。ψの測定は単色入射光だけではρtol=2πN (N: 整数)あるいはπNでの位置の測定は不定である。そのため、一般にそれらの位置でのψの測定は数値計算により内挿で求めるか、多波長を利用して求める。また、ρtolはρを位相結合して得るか多波長の利用による一致法から求める。また、多波長を利用する場合は検光子系に使用する1/4波長板に位相誤差が生じる。さらに、入射光は直線偏光か円偏光を使用する方法が一般的である。今までの楕円偏光入射光を用いる方法では、ρtolは予め測定した校正表から決めている。
本発明では複屈折板の方位角ψと絶対的相対位相差ρtolの測定に任意の楕円偏光入射光を利用する方法を発明する。
楕円率角εで方位角θの楕円偏光S(ε,θ)が複屈折板M (ψ, ρ )に入射し、1/4波長板Q2と偏光子P2で構成される検光子系により記録される光強度I(ε,θ, β2, α2)は数1となる。
ここで、I(ε,θ, β2, α2)は、楕円率角εで方位角θの楕円偏光入射光が複屈折板から射出した光を位相誤差Δρiで方位角β2(°)の1/4波長板と方位角α2(°)の偏光子で測定したときの光強度である。I0 は入射光強度であり、IN は背景光強度である。
これより、光のストークスベクトルS' (S' 0, S' 1, S'2, S' 3)は数2で計算される9,11。
楕円率角εで方位角θの任意の楕円偏光入射光を用いて、測定されたストークスパラメータ{s'0, s'1, s'2, s'3}から、複屈折板の方位角ψと相対位相差ρは、それぞれ、数3と数4より得ることができる。
ρはストークスパラメータs'1,s'2,s'3とε,θおよびψから得られる。 ρの値もアークタンゼント関数で得られるのでそのアンラップは容易にできる。ρはcos22εsin22(ψ-θ)+sin22ε=0の位置では不定である。しかしながら、ρはε=0およびψ=θ以外の位置で得ることができる。ε≠0の場合(直線偏光でない場合)、ρはψの値に影響されない。
楕円偏光の使用を基にした複屈折板の方位角ψと相対位相差ρの測定方法を発明した。ψおよびρは位相のアンラップを容易に遂行できるアークタンゼント関数により得ることができる。この方法は異なる波長の入射光を利用することにより生じる1/4波長板の位相誤差を克服できる。それゆえ、多波長の楕円偏光入射光の使用による複屈折板モデルの動的測定に対して利用できることが期待される。
波長λiの楕円偏光S(ε,θ)が複屈折板M (ψ, ρ )に入射し、1/4波長板Q2と偏光子P2で構成される検光子系を通過しCCDカメラにより記録される光学系を図1に示す。 観測される光強度I(ε,θ, β2, α2)よりストークスパラメータは数2より得られ、それらのストークスパラメータからψおよびρが得られることを数値シミュレーションから検証する。
実施例での複屈折板モデルは対向圧縮荷重を受ける円板を使用し、楕円偏光入射と円偏光入射を利用して円板モデルの方位角ψと相対位相差ρを数値シミュレーションからそれぞれ得る。それらの比較から、楕円偏光入射によるψとρの測定が正確に得られることを証明する。
対向圧縮荷重Pを受ける円板の主応力方向ψと相対位相差ρの理論解は数5と数6で与えられる。
ここで、円板の応力成分は以下の数式で与えられる12。
入射偏光が右回り円偏光である場合、ψとρはε=π/4とθ=0を伴って数10と数11により計算できる。
シミュレーションでは、波長λi =0.6360 μmの直線偏光と波長0.5145 μm用の1/4波長板から作られた楕円偏光入射光を波長0.5145 μm用の1/4波長板で測定する場合を想定する。その場合、入射楕円偏光の楕円率角εと方位角θはε=36.4°およびθ=15°であり、Q2の位相誤差はΔρi=-17.2°である。数値シミュレーションのための円板モデルの実験条件を表1に示す。シミュレーションでの円板の直径(40.0 mm)はCCDカメラの画素で320 ピクセルとした。普通のCCDカメラは512×512 ピクセルで0-255諧調 (8 ビット)であるので、入射光強度I0と背景光強度INの値はCCDカメラから記録される値を考慮して、それぞれ160と40に決めた。実際の実験では、I0とINは強度変動が生じる、しかし、ここでは方法の有用性の証明のため、これらは考慮しない。
荷重P=196 Nを受ける円板モデルの主応力方向ψと相対位相差ρの理論値は数10と数11から計算した。図2はψとρの理論値であり、図 2(a)と2(b)はモデル全域のψと中心水平上のρを示す。そして、シミュレーションはこれらのψとρを得るように遂行した。
楕円率角ε=36.4°および方位角θ=15°の楕円偏光入射により得られた画像強度I(36.4, 15, β2,α2)は数1で得られる。これらの強度I(36.4, 15, β2, α2)から、ストークスパラメータは全域上のピクセルに対して数2から計算された。
入射楕円偏光の使用によるψとρの値は数3と数4式から計算される。ψはストークスパラメータs'1とs'2、 および楕円偏光のεとθ から得られる。シミュレートされたψは図3(a)に示す。ψはノイズによる強度変動を考慮しない数値解の結果として、不定の点を生じることなく、モデル全域上で得られた。ρ はs'1, s'2, s'3,ε,θ および得られたψを用いて計算された。ρは図 3(b)に示すように全域で得られた。入射光に円偏光を使用したときのψとρの値は、ε=45°, θ=15°およびΔρi=0として数10と数11からシミュレートされた。得られたψとρはそれぞれ図3(c)と3(d)に示す。
楕円偏光と円偏光入射で得られたψとρの画像は正確に同じであり、理論値と完全に一致する。ψとρ はアークタンゼント関数から得られるので、ψとρのアンラップは容易に遂行できる。その方法は位相ジャンプを消去することにより結合され、そしてある点での既知の値と比較して得た一定値を加えることで実行できる9。これらの事実から、楕円偏光入射光の使用により複屈折板のψとρの測定ができることが確認された。
Claims (1)
- 楕円偏光入射を利用して、複屈折板の方位角ψと絶対的相対位相差ρtolをアークタンゼント関数から解析する方法。この方法は多波長の入射光の使用による複屈折板の動的測定に利用できる。
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JP2004109921A JP2005292028A (ja) | 2004-04-02 | 2004-04-02 | 楕円偏光入射による複屈折板の測定法 |
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