JP2005291921A - におい識別装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
におい識別装置を用いた測定において、ガスの成分が流路へ吸着することが、他の測定結果に影響を及ぼす。ヒータを備えることで解決することは期待できるが、対費用効果が低い。
【解決手段】加熱機構を有さない流路部分に、装置全体の温度調整に用いられる熱を利用する。試料導入の流路を熱伝導度の高い材料で覆い、流路に伝熱することで、流路を加熱・保温する。これにより流路への成分の吸着を抑制し、においの識別精度を高めたにおい識別装置を提供する。
【選択図】 図1
におい識別装置を用いた測定において、ガスの成分が流路へ吸着することが、他の測定結果に影響を及ぼす。ヒータを備えることで解決することは期待できるが、対費用効果が低い。
【解決手段】加熱機構を有さない流路部分に、装置全体の温度調整に用いられる熱を利用する。試料導入の流路を熱伝導度の高い材料で覆い、流路に伝熱することで、流路を加熱・保温する。これにより流路への成分の吸着を抑制し、においの識別精度を高めたにおい識別装置を提供する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ガスを測定しにおいの質や強さという指標を示すことに用いられるにおい識別装置に関する。
一般に、飲食品や香料などの製造工場や研究開発部門などでは、出来上がった製品や試作品の品質をにおいによって判定するような検査が行われている。従来より品質検査や品質評価は、実際に人間の嗅覚を用いて行われている。しかし、実際ににおいを嗅ぐ人(パネル)の個人差やその日の体調によって嗅覚は変動する。客観的な結果を精度良く得るためには、パネルを一定人数以上確保し、試験場所の環境等にも十分に配慮することが必要となり、手間と時間が膨大なものとなる。また、このような配慮を行っても、人間の嗅覚がにおいに順応してしまうため、常に一定基準で確定的に判断することは困難である。
一方、においガス(混合ガスあるいは単一ガス)をGC/MS(ガスクロマトグラフ/質量分析法)で測定する評価方法がある。しかし、GC/MSを用いた成分分析では分析した試料に対する出力情報が非常に多く複雑で、測定や解析には熟練を要するという難点がある。
近年、特許文献1や2などに記載されているように、においセンサを利用したにおい識別装置が開発されている。このようなにおい識別装置では、複数のにおいセンサにより取得された検出信号を基に、クラスタ分析、主成分分析等の各種多変量解析処理、或いはニューラルネットワークを用いた非線形解析処理により、多次元空間上に測定したにおいを表現している。非線形解析処理によってにおいをベクトル化し、多次元座標上に視覚的に表現し、複数の試料のにおいの離間距離(近い範疇のにおいであるかどうか)を求めることができる。例えば2種類のガスについて離間距離を求める。その2種類のガスのにおいとしての性質は、この離間距離が大きくなるほど異なり、小さくなるほど類似(究極には同一)するということである。
特開平11−352088号公報
特開2003−315298号公報
しかしながら前述の如く、におい識別装置は装置内に導入されたガスを成分毎に分離してガスセンサ部に導入するものではなく、複数の成分を同時にガスセンサ部に導入するものである。GC/MSのように、導入されたガスが成分毎に分離され、その後にセンサに達する方式であれば、センサの応答は他の成分の影響を受けない。
人間の嗅覚について述べれば、極微量でにおいを認識できるような物質もあれば、多量に存在して初めてにおいを認識できるような物質もある。好いにおい、不快なにおいの違いでも、感度は異なる。さらに、低濃度であるか高濃度であるかの違いで、好いにおい/悪いにおいの判断が逆転してしまう物質もある。悪臭物質として知られるスカトール(C9H9N)は極めて低濃度では化粧品調合香料として使用される。これらのことは、測定対象とするガスが特定の成分を含有するか否かがにおいの好悪を区別する決定的要因ではないことを示している。
においを識別することを目的とした装置では、複数種(濃度のみ異なるものも含めて)の試料を測定する。従来よりガス導入部から装置内部へ試料を導く配管は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)など耐薬品性に優れた合成樹脂製のものが使用される。これはガスと配管内壁表面との相互作用を少なくすることを目的としたものであるが、配管内を通過するガスは少なからず配管内壁に吸着する。ガス成分の流路への吸着機構は物理吸着である。物理吸着である場合は、吸着物質を脱離するためには加熱することが有効な手段である。
しかし流路へのガスが吸着することを抑制するだけのために、試料導入部からの配管を加熱するヒータやその制御機構を備えることは部品点数の増加に繋がり、コスト高やメンテナンス性の悪化を招くことになる。
本発明は斯かる実情に鑑み、測定する試料由来以外の物質の影響を抑制し、高精度のにおい識別能力を有するにおい識別装置を提供しようとするものである。
すなわち、本願発明に係るにおい識別装置は、複数個のガスセンサを設けた検出部と、ガス中のにおい成分を吸着する捕集剤が充填された捕集部と、ガスを捕集部に導入するための試料導入部と、装置内部を温度調節する温度調節部とを有するにおい識別装置において、該試料導入部下流側直後の配管を加熱する加熱手段を具備することを特徴とする。
さらに、試料導入部直後の下流側の配管部を加熱する加熱手段は、
(a)アルミニウムや銅などの高熱伝導率を有する材料で伝熱ブロックを形成し、
(b)該試料導入部からの配管が該伝熱ブロックを貫通し、
(c)該伝熱ブロックは該装置内温度調節手段の熱を受け、
(d)熱伝導により試料導入部及び試料導入部下流側直後の配管を加熱するものであることを特徴とする。
さらに、試料導入部直後の下流側の配管部を加熱する加熱手段は、
(a)アルミニウムや銅などの高熱伝導率を有する材料で伝熱ブロックを形成し、
(b)該試料導入部からの配管が該伝熱ブロックを貫通し、
(c)該伝熱ブロックは該装置内温度調節手段の熱を受け、
(d)熱伝導により試料導入部及び試料導入部下流側直後の配管を加熱するものであることを特徴とする。
本発明の請求項1〜2に記載のにおい識別装置によれば、多種多様な成分・濃度のガスを測定した場合においても、他の試料の測定の影響を受けない測定が可能になるという優れた効果を奏し得る。導入部を加熱する専用のヒータを備えることもなく、コスト高やメンテナンス性の悪化を招くこともない。
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
図1は、におい識別装置の概略図である。におい識別装置10は、試料導入部13と前処理部20と検出部30と温度調節部14を具備する。本例では前処理部20は三方弁21、22と捕集部23からなり、検出部30はセンサ部31からなり、各部は配管で接続されている。センサ部31には複数種のにおいを特徴的に検知するガスセンサが備わっている。におい識別装置10の装置内部を温度調節部14により加熱/保温し、筐体外部への熱の拡散を遮断するために筐体内壁には断熱材12が施されている。温度調節部14は例えばファンとオーブンで構成される。図示しないが三方弁22には、必要に応じて乾燥窒素を導入する配管と検出部30側に伸びる排気用配管が接続されている。
本発明のにおい識別装置10の電源(図示しない)を投入すると、装置内部の温度調節部14が作動する。温度調節部14のオーブンとファンにより加熱された空気が装置内部を循環する(空気の流れによる対流伝熱51)。におい識別装置10の筐体内壁には断熱材12が施されており、しばらくすると前処理部20や検出部30など装置各部は熱的平衡に到達し、装置内部は一定温度(例えば70℃)で温度調節される。試料導入部13から試料ガスが導入される方向の下流側に一部、断熱材が施されていない部分があり、その部分に伝熱ブロック11の一部が面するように設置される。このことにより温度調節された装置内部の空間に面した伝熱ブロック11にもその熱伝導度に応じて伝熱が起こる(伝熱ブロックによる伝導伝熱52)。伝熱ブロック11を貫通する配管15を含め、やがて伝熱ブロック11も熱的平衡に達する。結果としては装置内部の熱の一部を利用して加熱されていることになる。
測定対象となる試料(ガス)が試料導入部13から導入され、装置内の熱を十分に得た伝熱ブロック11を貫通する配管15を通過する。先ず三方弁21は捕集部23側配管部に接続し、三方弁22は排気管側に接続されている。導入された試料が試料導入部13から配管15を通過する間、配管内壁への吸着は抑制され(また脱離が促進され)導入された試料の成分が配管内壁に吸着という形で残留することなく、捕集部23に導かれる。次に三方弁21,22を切り換え、三方弁22側から捕集部23へ乾燥窒素を導入することにより捕集部23で捕集された試料中のにおい成分は三方弁21を経てセンサ部31に導かれ、センサ部31が試料のにおい成分の特性に応じた信号を発する。センサ部31からの信号はCPU(図示しない)にて処理が行われる。
測定を終え次の試料を測定する際、先の測定において試料導入部13より導入したガスの成分が配管15の内壁に残留していることはなく、試料導入部13から導入したガスが成分の種類・濃度に関して、先の測定に導入した試料の残留分の影響を受けることがない。したがって、導入した試料についての高精度な測定を行うことができる。
本発明に係る伝熱ブロックを採用することによる効果を図2を用いて説明する。
図2は、においの性質を成分毎に多次元座標軸で表す方式を採用した表示方法である。測定された試料について、座標軸に表される成分濃度が原点に近いほど低く(無臭)、原点から離れるほど高い。また各座標軸に近いほど各座標軸が示す成分としての性質が強い。低濃度試料を測定した場合、測定結果が複数の座標軸が密集する原点付近に示され、センサ部からの信号の微小な差異が測定結果に大きな影響を与える。センサ部からの信号の小さな差異は、センサ部に導かれる試料に含まれるにおい成分の濃度により生じる。
図2は、においの性質を成分毎に多次元座標軸で表す方式を採用した表示方法である。測定された試料について、座標軸に表される成分濃度が原点に近いほど低く(無臭)、原点から離れるほど高い。また各座標軸に近いほど各座標軸が示す成分としての性質が強い。低濃度試料を測定した場合、測定結果が複数の座標軸が密集する原点付近に示され、センサ部からの信号の微小な差異が測定結果に大きな影響を与える。センサ部からの信号の小さな差異は、センサ部に導かれる試料に含まれるにおい成分の濃度により生じる。
本発明にかかる伝熱ブロックを採用することで、配管に吸着されていたものが脱離し試料と共に測定部に導かれた成分など目的成分以外の成分を除外し、目的成分のみを検出部に導くことができ、目的成分のみの信号を検出することができる。特に低濃度域での測定精度が向上し、においの識別能力が上昇する。
発明を実施する形態の一例であって、本図示例の特徴とするところは、図1に示す如く、試料導入部13から前処理部20までの配管15が高い熱伝導率の材料でできた伝熱ブロック11を貫通するようにした点にある。本発明のにおい識別装置は、上述の図示例のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
伝熱ブロックを形成する材料は、熱伝導率の高い材料であれば、銅やアルミニウムに限定されるものではない。伝熱ブロックの形態も高い熱伝導率を有する流体を包含する袋状のものでも良い。
装置内で断熱材が施されない部分全てを伝熱ブロックで占有しなくともよい。このような場合には、装置内で加熱され循環する空気を空隙部へ送り込むファンを設置するのもよい。
導入されたガスを捕集部に導く配管の材料としては、伝熱ブロックの装置使用時における平衡温度において熱的に安定で表面活性が十分に低い材料であれば良く、PTFEに限定されるものではない。
伝熱ブロックを貫通する穴をあけ、穴の内壁を表面活性の低い材料で被覆し、上流側や下流側に必要部品を接続することができるように加工してもよい。
伝熱ブロックと伝熱ブロックを貫く配管との間に、伝熱効率を高める加工を施すのが有効である。伝熱の式を考慮すると、(a)接触面積を増す、(b)熱伝導率の高い材料を用いる、という加工を施すことが有効であることは明らかである。
本発明のにおい識別装置は、飲食品や香料などの試料から発する香気や臭気を利用して、その試料の品質検査や品質評価を行うことに使用できる。また、連続的にガスを採取・測定することで悪臭など環境を監視すること利用することができる。
10 ・・・ におい識別装置
11 ・・・ 伝熱ブロック
12 ・・・ 断熱材
13 ・・・ 試料導入部
14 ・・・ 温度調節部
15 ・・・ 配管
20 ・・・ 前処理部
21 ・・・ 三方弁
22 ・・・ 三方弁
23 ・・・ 捕集部
30 ・・・ 検出部
31 ・・・ センサ部
51 ・・・ 空気の流れによる対流伝熱
52 ・・・ 伝熱ブロックの伝導伝熱
11 ・・・ 伝熱ブロック
12 ・・・ 断熱材
13 ・・・ 試料導入部
14 ・・・ 温度調節部
15 ・・・ 配管
20 ・・・ 前処理部
21 ・・・ 三方弁
22 ・・・ 三方弁
23 ・・・ 捕集部
30 ・・・ 検出部
31 ・・・ センサ部
51 ・・・ 空気の流れによる対流伝熱
52 ・・・ 伝熱ブロックの伝導伝熱
Claims (2)
- 複数個のガスセンサを設けた検出部と、
ガス中のにおい成分を吸着する捕集剤が充填された捕集部と、
ガスを捕集部に導入するための試料導入部と、
装置内部を温度調節する温度調節部と、を有するにおい識別装置において、
該試料導入部直後の下流側の配管を加熱する加熱手段を具備する
ことを特徴とするにおい識別装置。 - 請求項1に記載のにおい識別装置において、
該試料導入部直後の下流側の配管を加熱する加熱手段が、
(a)アルミニウムや銅など高い熱伝導率を有する材料で伝熱ブロックを形成し、
(b)該試料導入部からの配管が該伝熱ブロックを貫通し、
(c)該伝熱ブロックは該装置内の温度調節手段の熱を受け、
(d)熱伝導により試料導入部及び試料導入部直後の下流側の配管を加熱・保温する
ものであることを特徴とする、におい識別装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2004107423A JP2005291921A (ja) | 2004-03-31 | 2004-03-31 | におい識別装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2004107423A JP2005291921A (ja) | 2004-03-31 | 2004-03-31 | におい識別装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2005291921A true JP2005291921A (ja) | 2005-10-20 |
Family
ID=35325009
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2004107423A Pending JP2005291921A (ja) | 2004-03-31 | 2004-03-31 | におい識別装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2005291921A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2017507316A (ja) * | 2014-12-31 | 2017-03-16 | 同方威視技術股▲フン▼有限公司 | 試料の採集、導入及び熱解析装置と方法並びに痕跡量検出設備 |
| WO2020022006A1 (ja) * | 2018-07-26 | 2020-01-30 | 株式会社島津製作所 | フロー型流動場分離装置 |
| JP2022550531A (ja) * | 2019-10-02 | 2022-12-02 | エックス デベロップメント エルエルシー | 嗅覚センサシステム及び方法 |
-
2004
- 2004-03-31 JP JP2004107423A patent/JP2005291921A/ja active Pending
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| WO2020022006A1 (ja) * | 2018-07-26 | 2020-01-30 | 株式会社島津製作所 | フロー型流動場分離装置 |
| JPWO2020022006A1 (ja) * | 2018-07-26 | 2021-08-02 | 株式会社島津製作所 | フロー型流動場分離装置 |
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| JP7276338B2 (ja) | 2018-07-26 | 2023-05-18 | 株式会社島津製作所 | フロー型流動場分離装置 |
| JP2022550531A (ja) * | 2019-10-02 | 2022-12-02 | エックス デベロップメント エルエルシー | 嗅覚センサシステム及び方法 |
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