JP2005291853A - 核融合中性子源 - Google Patents

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Hideyoshi Hotta
栄喜 堀田
Kunihito Yamauchi
邦仁 山内
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    • Y02E30/10Nuclear fusion reactors

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Abstract

【課題】一様性の高い中性子束を得ることができる核融合中性子源を提供する。
【解決手段】外部陽極1及び内部陽極3は、共に所定の電位に保持され、グリッド陰極2には、負電圧が印加される。また、外部陽極1によって包囲されるグリッド陰極2が、外部陽極1に包囲された空間の中央又はその付近に配置され、グリッド陰極2によって包囲された内部陽極3が、グリッド陰極2に包囲された空間の中央又はその付近に配置され、外部陽極1と内部陽極3との間の空間を真空状態にする。これによって、静電閉じ込めによるイオンの運動中心が、核融合中性子源の中心軸からグリッド陰極2上に移動する。その結果、核融合反応による中性子生成の分布も円筒状になり、核融合中性子源の中心の領域で一様性の高い中性子束を得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、火薬探知、非破壊検査、核変換、アイソトープ生成、地雷探知等において中性子束を生成する核融合中性子源に関する。
従来、核融合中性子源として、球状収束型のビーム核融合中性子源(例えば、非特許文献1参照)、軸方向収束型の点状核融合中性子源(例えば、非特許文献2参照)及び同軸型慣性−静電閉じ込め核融合中性子源(例えば、非特許文献3参照)が提案されている。
これら核融合中性子源のうち、球状収束型のビーム核融合中性子源及び軸方向収束型の点状核融合中性子源で生成される中性子束は、中性子源からの距離の2乗に反比例して減少する。それに対して、同軸型慣性−静電閉じ込め核融合中性子源で生成される中性子束は、中性子源の側面近傍において、中性子源からの距離に反比例し、かつ、軸方向のずれに対して、一様性を有する。また、軸方向においては、大きな中性子源を得ることができる。したがって、同軸型慣性−静電閉じ込め核融合中性子源は、球状収束型のビーム核融合中性子源及び軸方向収束型の点状核融合中性子源に比べて、径方向では一様性を有し、また、軸方向では、大きな中性子束を得ることができる。
また、中性子束を大きくするために、装置の外部又は内部に独立したイオン源を配置し、これらを組み合わせて使用する方法もある。
Kunihito Yamauchi, Kazuki Ogasawara, Masato Watanabe, Akitoshi Okino, Yoshitaka Sunaga and Eiki Hotta, "Neutron Production Characteristics and Emission Properties of Spherically Convergent Beam Fusion", Fusion Technology, vol.39, No.3, pp.1182-1187 (2001) Yasushi Yamamoto, Ryousaku Kusaba, Takayuki Shirouzu and Nobuyuki Inoue, "Effects of Electrode Shape on Performance Characteristics of a Cylindrical Inertial Electrostatic Confinement Fusion Device", Fusion Technology, vol.39, No.3, pp.1188-1192 (2001) Eiki Hotta, Kunihito Yamauchi, Kazuki Ogasawara, Masato Watanabe, Akitoshi Okino and Yoshitaka Sunaga, "Spectroscopic Measurement of Core Plasma in Spherically Convergent Beam Fusion Device", US-Japan Inertial Electrostatic Confinement Workshop, Marshall Space Flight Center, March 22-23, 2001
しかしながら、これら球状収束型のビーム核融合中性子源、軸方向収束型の点状核融合中性子源及び同軸型慣性−静電閉じ込め核融合中性子源のいずれもが、中心からの距離の2乗又は1乗に反比例して中性子束が減少する性質があるため、一様性の高い中性子束を得るのが困難である。また、大きな中性子束を簡単な構成で得ることも所望されている。
本発明の目的は、一様性の高い中性子束を得ることができる核融合中性子源を提供することである。
本発明の他の目的は、一様性の高くて大きな中性子束を簡単な構成で得ることができる核融合中性子源を提供することである。
本発明による核融合中性子源は、
所定の電位に保持された第1の陽極と、
その第1の陽極によって包囲され、前記第1の陽極に包囲された空間の中央又はその付近に配置され、負電圧が印加される陰極と、
その陰極によって包囲され、前記陰極に包囲された空間の中央又はその付近に配置され、前記所定の電位に保持された第2の陽極とを具え、
少なくとも前記第1の陽極と前記第2の陽極との間の空間を真空状態にしたことを特徴とする。
本発明による他の核融合中性子源は、
所定の電位に保持された陽極と、
その陽極によって包囲され、負電圧が印加される陰極とを具え、
少なくとも前記陽極によって包囲された空間を真空状態にしたことを特徴とする。
本発明による核融合中性子源によれば、静電閉じ込めによるイオンの運動中心が、核融合中性子源の中心軸上から陰極上に移動する。その結果、核融合反応による中性子生成の分布も円筒状になり、核融合中性子源の中心の領域で一様性の高い中性子束を得ることができる。
前記第1の陽極によって包囲され、前記陰極を包囲するように配置された、前記負電圧よりも絶対値が小さい第2の負電圧が印加される第3の陽極と、前記第1の陽極を包囲するように配置され、カスプ磁界を発生させる磁石とを更に具えることによって、イオンビームの生成が促進され、イオンビーム同士の核融合反応によって大きな中性子束が得られる。その結果、簡単な構成で一様性の高い、大きな中性子束を得ることができる。
本発明による他の核融合中性子源によれば、静電閉じ込めによるイオンの運動中心が、核融合中性子源の中心軸上から陰極の中心軸上に移動する。その結果、核融合反応による中性子生成の分布も環状になり、核融合中性子源の中心の領域で一様性の高い中性子束を得ることができる。
前記陽極によって包囲され、前記陰極を包囲するように配置された、前記負電圧よりも絶対値が小さい第2の負電圧が印加される第2の陽極と、前記陽極を包囲するように配置され、カスプ磁界を発生させる磁石とを更に具えることによって、イオンビームの生成が促進され、イオンビーム同士の核融合反応によって大きな中性子束が得られる。その結果、簡単な構成で一様性の高い、大きな中性子束を得ることができる。
本発明による核融合中性子源の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面中、同一部材には同一符号を付すものとする。
図1は、本発明による核融合中性子源の第1の実施の形態の上面図及びその断面図を示す図である。この核融合中性子源は、円筒形状の外部陽極1と、外部陽極1によって包囲され、外部陽極1によって包囲された空間の中央又はその付近に配置されたグリッド陰極2と、グリッド陰極2によって包囲され、グリッド陰極2によって包囲された空間の中央又はその付近に配置された内部陽極3とを具える。
外部陽極1及び内部陽極3は、共に所定の電位(例えば、接地電位)に保持され、グリッド陰極2には、負電圧(好適には、絶対値が数十kVの負高電圧)が印加される。また、所定の形状(例えば、円筒形状)の真空容器(図示せず)によって、外部陽極1と内部陽極3との間の空間が真空状態に保持される。本実施の形態では、グリッド陰極2の半径をRとし、外部陽極1、グリッド陰極2及び内部陽極3の高さを全て2Lとし、R/L=1の関係があるものとする。
図2は、本発明による核融合中性子源の第1の実施の形態の特性を示す図である。この場合、x=r/R(rを、核融合中性子源の中心Oから外部陽極1、グリッド陰極2及び内部陽極3の半径方向の距離とする。)及びy=z/L(zを、核融合中性子源の中心Oから外部陽極1、グリッド陰極2及び内部陽極3の長手方向(核融合中性子源の中心軸方向)の距離とする。)とする。また、実線は、x軸(y=0)上の中性子束φを表し、破線は、y軸(核融合中性子源の中心軸)上の中性子束φを表す。
図2に示すように、x、y共に0から0.5の範囲で中性子束φが一様性を保っていることがわかる。したがって、本実施の形態により、核融合反応による中性子生成の分布が円筒状になることによって、核融合中性子源の中心の領域で一様性の高い中性子束を得ることができる。
図3は、本発明による核融合中性子源の第3の実施の形態の上面図及びその断面図を示す図である。この核融合中性子源は、環状陽極4と、環状陽極4によって包囲された環状グリッド陰極5とを具える。環状陽極4は所定の電位(例えば、接地電位)に保持され、環状グリッド陰極5には負電圧(好適には、絶対値が数十kVの負高電圧)が印加される。また、環状陽極5が真空容器を兼ねることにより、環状陽極5によって包囲された空間を真空状態にしている。
図4は、本発明による核融合中性子源の第2の実施の形態の特性を示す図である。この場合、x=r/R(rを、核融合中性子源の中心Oから、図4Bにおける横方向とする。)及びy=z/R(zを、核融合中性子源の中心Oから、図4Bにおける縦方向とする。)とする。また、実線は、x軸(y=0)上の中性子束φを表し、破線は、y軸(核融合中性子源の中心軸)上の中性子束φを表す。
図4に示すように、x、y共に0から0.5の範囲で中性子束φが一様性を保っていることがわかる。したがって、本実施の形態により、核融合反応による中性子生成の分布が環状になることによって、核融合中性子源の中心の領域で一様性の高い中性子束を得ることができる。また、環状陽極5が真空容器を兼ねる構造により、装置の製作が容易になるとともに標的の取り扱いが容易となる。
図5は、本発明による核融合中性子源の第3の実施の形態の上面図及びその断面図を示す図である。この核融合中性子源は、円筒形状の外部陽極11と、外部陽極11によって包囲され、外部陽極11によって包囲された空間の中央又はその付近に配置されたグリッド陽極14と、グリッド陽極14によって包囲され、グリッド陽極14によって包囲された空間の中央又はその付近に配置されたグリッド陰極12と、グリッド陰極12によって包囲され、グリッド陰極12によって包囲された空間の中央又はその付近に配置された内部陽極13と、外部陽極11を包囲するように等間隔に配置された8個の棒磁石15−1〜15−8とを具える。8個の棒磁石15−1〜15−8の各々の外部陽極11側の極性は、それに隣接する磁石の外部陽極11側の極性と異なる。
外部陽極11及び内部陽極13は、共に所定の電位(例えば、接地電位)に保持され、グリッド陰極12には第1の負電圧(好適には、絶対値が数十kVの負高電圧)が印加される。グリッド陽極14には、第1の負電圧よりも絶対値が小さい第2の負電圧が印加される。また、所定の形状(例えば、円筒形状)の真空容器(図示せず)によって、外部陽極11と内部陽極13の間の空間が真空状態に保持される。
本実施の形態によれば、イオンビームの生成が促進され、イオンビーム同士の核融合反応によって大きな中性子束が得られる。その結果、簡単な構成で一様性の高い、大きな中性子束を得ることができる。
図6は、本発明による核融合中性子源の第4の実施の形態の上面図及びその断面図を示す図である。この核融合中性子源は、環状陽極21と、環状陽極21によって包囲された環状グリッド陽極23と、環状グリッド陽極23によって包囲された環状グリッド陰極22と、環状陽極21を包囲するように等間隔に配置された8個の環状磁石24−1〜24−8とを具える。8個の環状磁石24−1〜24−8の各々の環状陽極21側の極性は、それに隣接する磁石の環状陽極21側の極性と異なる。
環状陽極21は所定の電位(例えば、接地電位)に保持され、環状グリッド陰極22には第1の負電圧(好適には、絶対値が数十kVの負高電圧)が印加される。環状グリッド陽極23には、第1の負電圧よりも絶対値が小さい第2の負電圧が印加される。また、環状陽極21が真空容器を兼ねることにより、環状陽極21によって包囲された空間が真空状態に保持される。
本実施の形態によれば、イオンビームの生成が促進され、イオンビーム同士の核融合反応によって大きな中性子束が得られる。その結果、簡単な構成で一様性の高い、大きな中性子束を得ることができる。また、環状陽極21が真空容器を兼ねる構造により、装置の製作が容易になるとともに標的の取り扱いが容易となる。
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
例えば、陽極及び陰極の径などの寸法及び寸法比を任意の値に設定することができ、かつ、陽極及び陰極の形状を円筒形状及び環状以外の任意の形状にすることができる。また、陰極に印加される負電圧は、20kV以上の任意の絶対値に設定されればよい。
第1及び第3の実施の形態において、真空容器を用いる代わりに、外部陽極及び内部陽極によって真空空間を形成することもできる。第3及び第4の実施の形態で用いられる磁石として、電磁石と永久磁石のうちのいずれを使用してもよく、磁石の形状及び個数を任意に設定することができる。さらに、第3及び第4の実施の形態において、熱陰極を追加することもできる。
本発明の産業上の利用可能性としては、中性子線(束)を使用した核変換技術、アイソトープ生成等の応用を挙げることができる。特に、原子力発電所の放射性廃棄物に含まれる長寿命核種を短寿命核種又は安定核種に核変換する技術は、社会的要請が大きく、この技術が実用化されれば本発明の実施が促進される。
本発明による核融合中性子源の第1の実施の形態の上面図及びその断面図を示す図である。 本発明による核融合中性子源の第1の実施の形態の特性を示す図である。 本発明による核融合中性子源の第2の実施の形態の上面図及びその断面図を示す図である。 本発明による核融合中性子源の第2の実施の形態の特性を示す図である。 本発明による核融合中性子源の第3の実施の形態の上面図及びその断面図を示す図である。 本発明による核融合中性子源の第4の実施の形態の上面図及びその断面図を示す図である。
符号の説明
1,11 外部陽極
2,12 グリッド陰極
3,13 内部陽極
14 グリッド陽極
4,21 環状陽極
5,22 環状グリッド陰極
23 環状グリッド陽極
15−1,15−2,15−3,15−4,15−5,15−6,15−7,15−8 棒磁石
24−1,24−2,24−3,24−4,24−5,24−6,24−7,24−8 環状磁石

Claims (7)

  1. 所定の電位に保持された第1の陽極と、
    その第1の陽極によって包囲され、前記第1の陽極に包囲された空間の中央又はその付近に配置され、負電圧が印加される陰極と、
    その陰極によって包囲され、前記陰極に包囲された空間の中央又はその付近に配置され、前記所定の電位に保持された第2の陽極とを具え、
    少なくとも前記第1の陽極と前記第2の陽極との間の空間を真空状態にしたことを特徴とする核融合中性子源。
  2. 前記第1の陽極によって包囲され、前記陰極を包囲するように配置された、前記負電圧よりも絶対値が小さい第2の負電圧が印加される第3の陽極と、
    前記第1の陽極を包囲するように配置され、カスプ磁界を発生させる磁石とを更に具えることを特徴とする請求項1記載の核融合中性子源。
  3. 前記磁石を、前記第1の陽極を包囲するように等間隔で配置された複数の棒磁石とし、これら磁石の各々の前記第1の陽極側の極性が、それに隣接する磁石の前記第1の陽極側の極性とは異なることを特徴とする請求項2記載の核融合中性子源。
  4. 前記磁石を、前記第1の陽極を包囲するように等間隔で配置された複数の環状磁石とし、これら磁石の各々の前記第1の陽極側の極性が、それに隣接する磁石の前記第1の陽極側の極性とは異なることを特徴とする請求項2記載の核融合中性子源。
  5. 所定の電位に保持された陽極と、
    その陽極によって包囲され、負電圧が印加される陰極とを具え、
    少なくとも前記陽極によって包囲された空間を真空状態にしたことを特徴とする核融合中性子源。
  6. 前記陽極によって包囲され、前記陰極を包囲するように配置された、前記負電圧よりも絶対値が小さい第2の負電圧が印加される第2の陽極と、
    前記陽極を包囲するように配置され、カスプ磁界を発生させる磁石とを更に具えることを特徴とする請求項5記載の核融合中性子源。
  7. 前記磁石を、前記陽極を包囲するように等間隔で配置された複数の環状磁石とし、これら磁石の各々の前記陽極側の極性が、それに隣接する磁石の前記陽極側の極性と異なることを特徴とする請求項6記載の核融合中性子源。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021193646A (ja) * 2020-06-08 2021-12-23 株式会社センリョウ プラズマ加熱装置
JP7005069B1 (ja) * 2021-08-19 2022-02-14 株式会社センリョウ プラズマ加熱装置

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