現在のGBSワクチンは、ポリサッカリド抗原に基づくが、これらは弱い免疫原性しか与えない。抗イデオタイプ手法もまた使用されている(例えば、WO99/54457)。しかし、S.agalactiae感染に対する有効な成体用のワクチンに対する必要性が残っている。S.pyogenes感染に対するワクチンの必要性もまた、残っている。
このようなワクチンの開発に使用され得るタンパク質を提供することが、本発明の目的である。これらのタンパク質はまた、診断目的のため、そして抗生物質に対する標的として有用であり得る。
1つの局面において、本発明は、以下の配列番号
からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むタンパク質を提供する。
別の局面において、本発明のタンパク質は上記タンパク質と50%以上の配列同一性を有する。
1つの局面において、本発明は、以下の配列番号
からなる群より選択されるアミノ酸配列由来の7個以上の連続したアミノ酸配列のフラグメントを含むタンパク質を提供する。
1つの局面において、本発明は、上記のタンパク質に結合する抗体を提供する。
別の局面において、上記抗体は、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、または完全ヒト抗体である。
1つの局面において、本発明は、上記のタンパク質をコードする核酸分子を提供する。
別の局面において、上記核酸分子は、以下の配列番号
からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む。
1つの局面において、本発明は、以下の配列番号
からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む核酸分子を提供する。
1つの局面において、本発明は、以下の配列番号
からなる群より選択されるヌクレオチド配列由来の10個以上の連続したヌクレオチドのフラグメントを含む核酸分子を提供する。
別の局面において、本発明の核酸分子は、上記の核酸分子に相補的なヌクレオチド配列を含む。
別の局面において、本発明の核酸分子は、上記の核酸分子に50%以上の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。
別の局面において、本発明の核酸分子は、高ストリンジェンシー条件下で、上記の核酸分子にハイブリダイズし得る。
1つの局面において、本発明は、上記タンパク質、核酸分子、または抗体を含む組成物を提供する。
別の局面において、本発明の組成物は、免疫原性組成物、ワクチン組成物、または診断組成物である。
別の局面において、本発明の組成物は、薬品として使用される。
別の局面において、本発明の組成物は、連鎖球菌細菌、特に、S.agalactiaeおよびS.pyogenesによって引き起こされる感染または疾患の処置または予防のための医薬の製造において使用される。
1つの局面において、本発明は、患者を処置するための方法を提供し、この方法は、該患者に、治療的有効量の本発明の組成物を投与する工程を包含する方法を提供する。
1つの局面において、本発明は、式NH2−A−[X−L−]n−B−COOHによって表されるハイブリッドタンパク質を提供し、ここで、Xが、上で規定されるアミノ酸配列であり、Lが、任意のリンカーアミノ酸配列であり、Aが、任意のN末端アミノ酸配列であり、Bが、任意のC末端アミノ酸配列であり、そしてnが1より大きい整数である。
1つの局面において、本発明は、Streptococcus核酸配列内に含まれるテンプレート配列を増幅するためのプライマーを含むキットを提供し、該キットは、第1プライマーおよび第2プライマーを含み、ここで、該第1プライマーが該テンプレート配列に対して実質的に相補的であり、そして該第2プライマーが、該テンプレート配列の相補体に対して実質的に相補的であり、ここで、実質的な相補性を有する該プライマーの部分が、増幅される該テンプレート配列の末端を規定する。
1つの局面において、本発明は、単鎖核酸または二重鎖核酸(またはこれらの混合物)に含まれるStreptococcusテンプレート核酸配列の増幅を可能にする第1単鎖オリゴヌクレオチドおよび第2単鎖オリゴヌクレオチドを含むキットを提供し、ここで、(a)該第1オリゴヌクレオチドが、該テンプレート核酸配列に実質的に相補的であるプライマー配列を含み;(b)該第2オリゴヌクレオチドが、該テンプレート核酸配列の相補体に実質的に相補的であるプライマー配列を含み;(c)該第1オリゴヌクレオチドおよび/または該第2オリゴヌクレオチドが、該テンプレート核酸に相補的でない配列を含み、そして(d)該プライマー配列が、増幅される該テンプレート配列の末端を規定する。
別の局面において、本発明は上記のキットを提供し、ここで、前記(c)の非相補的配列が、制限部位および/またはプロモーター配列を含む。
1つの局面において、本発明は、配列番号1〜12024のうちの1つ以上を含む、コンピューター読み取り可能な媒体を提供する。
1つの局面において、本発明は、生物学的サンプルにおいて、Streptococcusを検出するための方法を提供し、該方法が、上記の核酸を、ハイブリダイゼーション条件下で、生物学的サンプルに接触させる工程を包含する。
別の局面において、該方法が、核酸増幅を含む。
1つの局面において、本発明は、化合物が上記のタンパク質に結合するか否かを決定する方法を提供し、該方法が、試験化合物を、上記のタンパク質に接触させる工程、および該試験化合物が該タンパク質に結合するか否かを決定する工程を包含する。
別の局面において、本発明は、上記の方法によって同定された化合物を提供する。
1つの局面において、本発明は、組成物を提供し、この組成物は、上記のタンパク質および以下の抗原:
Helicobacter pylori由来のタンパク質抗原;
N.meningitidis血清型B由来のタンパク質抗原;
N.meningitidis血清型B由来の外膜小胞(OMV)調製物;
N.meningitidis血清型A、C、W135および/またはY由来のサッカリド抗原;
Streptococcus pneumoniae由来のサッカリド抗原;
A型肝炎ウイルス由来の抗原;
B型肝炎ウイルス由来の抗原;
C型肝炎ウイルス由来の抗原;
Bordetella pertussis由来の抗原;
ジフテリア抗原;
破傷風抗原;
Haemophilus influenzae B.由来のサッカリド抗原;
N.gonorrhoeae由来の抗原;
Chlamydia pneumoniae由来の抗原;
Chlamydia trachomatis由来の抗原;
Porphyromonas gingivalis由来の抗原;
ポリオ抗原;
狂犬病抗原;
麻疹、おたふくかぜおよび/または風疹抗原;
インフルエンザ抗原;
Moraxella catarrhalis由来の抗原;ならびに/あるいは
Staphylococcus aureus由来の抗原、
のうちの1つ以上を含む。
1つの局面において、本発明は、2つ以上のタンパク質を含む組成物を提供し、ここで、各タンパク質が、上記のタンパク質である。
(発明の開示)
本発明は、実施例に開示されるS.agalactiaeアミノ酸配列を含むタンパク質、および実施例に開示されるS.pyogenesアミノ酸配列を含むタンパク質を提供する。これらのアミノ酸配列は、配列番号1と10960との間の偶数である。
実施例に開示されるS.agalactiaeアミノ酸配列に対して配列同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質、および実施例に開示されるS.pyogenesアミノ酸配列に対して配列同一性を有するアミノ酸配列を含むタンパク質もまた、提供される。特定の配列に依存して、配列同一性の程度は、好ましくは、50%よりも高い(例えば、60%、70%、80%、90%、95%、99%またはそれよりも上)。これらのタンパク質は、ホモログ、オルソログ(ortholog)、対立遺伝子改変体および機能的変異体を含む。代表的に、2つのタンパク質間の50%以上の同一性が、機能的等価物の指標であるとみなされる。タンパク質間の同一性は、好ましくは、ギャップオープンペナルティ=12およびギャップエクステンションペナルティ=1を用いたアフィンギャップ検索を使用して、MPSRCHプログラム(Oxford Molecular)において実行されるように、Smith−Watermanホモロジー検索アルゴリズムによって決定される。
本発明の好ましいタンパク質は、GBS1〜GBS689である(表IVを参照のこと)。
本発明はさらに、実施例に開示されるS.agalactiaeアミノ酸配列のフラグメントを含むタンパク質、および実施例に開示されるS.pyogenesアミノ酸配列のフラグメントを含むタンパク質を提供する。これらのフラグメントは、特定の配列に依存して、これらの配列から少なくともn個連続するアミノ酸配列を含むべきである(nは7以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、30、40、50、60、70、80、90、100またはそれよりも上)である)。好ましくは、これらのフラグメントは、これらの配列の1つ以上のエピトープを含む。他の好ましいフラグメントは、(a)実施例に開示されるタンパク質のN末端シグナルペプチド、(b)実施例に開示されるが、それらのN末端シグナルペプチドを有さないタンパク質、(c)実施例に開示される関連するGASタンパク質およびGBSタンパク質に共通するフラグメント、ならびに(d)実施例に開示されるが、N末端アミノ酸残基を有さない、タンパク質である。
本発明のタンパク質は、当然、種々の手段(例えば、組換え発現、GASまたはGBSからの精製、化学合成など)によって、そして種々の形態で(例えば、ネイティブ、融合、グリコシル化、非グリコシル化など)調製され得る。これらは好ましくは、実質的に純粋な形態で調製されるか(すなわち、実質的に他のstreptococcalタンパク質または宿主細胞タンパク質を含まない)、または実質的に単離された形態である。本発明のタンパク質は、好ましくは、streptococcalタンパク質である。
さらなる局面に従って、本発明は、これらのタンパク質に結合する抗体を提供する。これらは、ポリクローナル抗体もしくはモノクローナル抗体であり得、そして任意の適切な手段(例えば、組換え発現)によって産生され得る。ヒト免疫系との適合性を増大するために、抗体はキメラであり得るか、もしくはヒト化され得るか(例えば、Breedveld(2000)Lancet 355(9205):735−740;Gorman & Clark(1990)Semin.Immunol.2:457−466)、または完全なヒト抗体が使用され得る。抗体は、検出可能な標識(例えば、診断アッセイのために)を含み得る。
さらなる局面に従って、本発明は、実施例に開示されるS.agalactiaeヌクレオチド配列を含む核酸、および実施例に開示されるS.pyogenesヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。これらの核酸配列は、配列番号1と10966との間の奇数である。
さらに、本発明は、実施例に開示されるS.agalactiaeヌクレオチド配列に配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸、および実施例に開示されるS.pyogenesヌクレオチド配列に配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。配列間の同一性は、好ましくは、上記のようなSmith−Watermanホモロジー検索アルゴリズムによって決定される。
さらに、本発明は、好ましくは「高いストリンジェンシー」の条件下(例えば、0.1×SSC、0.5% SDS溶液中で65℃)で、実施例に開示されるS.agalactiae核酸にハイブリダイズし得る核酸、および実施例に開示されるS.pyogenes核酸にハイブリダイズし得る核酸を提供する。
これらの配列のフラグメントを含む核酸もまた提供される。これらは、特定の配列に依存して、S.agalactiae配列またはS.pyogenes配列から少なくともn個連続するヌクレオチドを含むべきである(nは10以上(例えば、12、14、15、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200またはそれよりも上)である)。このフラグメントは、実施例に開示されるGAS配列およびGBS配列に共通する配列を含み得る。
さらなる局面に従って、本発明は、本発明のタンパク質およびタンパク質フラグメントをコードする核酸を提供する。
本発明はまた、以下を提供する:配列番号10967のヌクレオチド配列を含む核酸;配列番号10967に配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸;配列番号10967にハイブリダイズし得る(好ましくは「高いストリンジェンシー」の条件下で)核酸;配列番号10967からの少なくともn個連続するヌクレオチドのフラグメントを含む核酸(ここでnは10以上(例えば、12、14、15、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、3000、4000、5000、10000、100000、1000000またはそれよりも上)である)。
本発明の核酸は、ハイブリダイゼーション反応(例えば、ノーザンブロットもしくはサザンブロット、または核酸マイクロアレイもしくは「遺伝子チップ」)、および増幅反応(例えば、PCR、SDA、SSSR、LCR、TMA、NASBAなど)、および他の核酸技術に使用され得る。
本発明が上に記載される配列に相補的な配列を含む核酸を提供することもまた、理解されるべきである(例えば、アンチセンスもしくはプローブ(probing)のために、またはプライマーとしての使用のために)。
本発明に従う核酸は、当然、多くの方法(例えば、化学合成によって、ゲノムライブラリーからもしくはcDNAライブラリーから、生物自体から、など)で調製され得、そして種々の形態をとり得る(例えば、一本鎖、二本鎖、ベクター、プライマー、プローブ、標識化など)。核酸は、好ましくは実質的に単離された形態である。
本発明に従う核酸は、例えば、放射性標識または蛍光標識を用いて標識され得る。これは特に、核酸が核酸検出技術に使用されるべき場合(例えば、核酸が、PCR、LCR、TMA、NASBAなどのような技術における使用ための、プライマーまたはプローブである場合)に有用である。
さらに、用語「核酸」は、DNAおよびRNAを含み、そしてまた、これらのアナログ(例えば、改変骨格を含むDNAおよびRNA)およびまたペプチド核酸(PNA)なども含む。
さらなる局面に従って、本発明は、本発明のヌクレオチド配列を含むベクター(例えば、クローニングベクターまたは発現ベクター)、およびこのようなベクターで形質転換された宿主細胞を提供する。
さらなる局面に従って、本発明は、本発明に従うタンパク質、抗体、および/または核酸を含む組成物を提供する。これらの組成物は、例えば、免疫原性組成物として(例えば、診断試薬としてまたはワクチンとして)適切であり得る。
本発明はまた、医薬(例えば、免疫原性組成物としてまたはワクチンとして)または診断試薬としての使用のための、本発明に従う核酸、タンパク質、または抗体を提供する。(i)streptococcusによって引き起こされる疾患および/または感染を処置または予防するための医薬;(ii)streptococcusまたはstreptococcusに対して惹起される抗体の存在を検出するために診断試薬;および/あるいは(iii)streptococcusに対する抗体を惹起し得る試薬の製造における、本発明に従う核酸、タンパク質、または抗体の使用もまた、提供される。上記のstreptococcusは、任意の種、群、または系統であり得るが、好ましくはS.agalactiae(特に血清型IIIまたはV)、またはS.pyogenesである。この疾患は、菌血症、髄膜炎、産褥熱、猩紅熱、丹毒、咽頭炎、膿痂疹、壊死性筋膜炎、筋炎、およびトキシックショック症候群であり得る。
本発明はまた、患者を処置する方法を提供し、この方法は、本発明の核酸、タンパク質および/または抗体の治療有効量をこの患者に投与する工程を包含する。この患者は、それ自体が疾患の危険性があり得るか、または妊娠女性のいずれかであり得る(「母体免疫」、例えば、Glezen & Alpers(1999)Clin.Infect.Dis.28.219−224)。
タンパク質抗原の投与は、免疫を誘導するための好ましい処置方法である。
本発明の抗体の投与は、別の好ましい処置方法である。この受動免疫方法は、特に、新生児または妊娠女性に対して有用である。この方法は、代表的に、ヒト化されるかまたは完全なヒトのものであるモノクローナル抗体を使用する。
本発明はまた、Streptococcus(例えば、S.pyogenesまたはS.agalactiae)核酸配列内に含まれる鋳型配列を増幅するためのプライマー(例えば、PCRプライマー)を含むキットを提供し、このキットは、第1のプライマーおよび第2のプライマーを含み、ここで、この第1のプライマーは、この鋳型配列に実質的に相補的であり、そして第2のプライマーは、この鋳型配列の相補体に実質的に相補的であり、ここで、実質的な相補性を有するこれらのプライマーの対が、増幅される鋳型配列の末端を規定する。第1のプライマーおよび/または第2のプライマーは、検出可能な標識(例えば、蛍光標識)を含み得る。
本発明はまた、一本鎖核酸または二本鎖核酸(またはこれらの混合物)に含まれるStreptococcus鋳型核酸配列の増幅を可能にする、第1の一本鎖オリゴヌクレオチドヌおよび第2の一本鎖オリゴヌクレオチドヌを含むキットを提供し、ここで、:(a)この第1のオリゴヌクレオチドは、この鋳型核酸配列に実質的に相補的であるプライマー配列を含み;(b)この第2のオリゴヌクレオチドは、この鋳型核酸配列の相補体に実質的に相補的であるプライマー配列を含み;(c)この第1のオリゴヌクレオチドおよび/または第2のオリゴヌクレオチドは、この鋳型核酸に相補的ではない配列を含み;そして(d)これらのプライマー配列は、増幅される鋳型配列の末端を規定する。特徴(c)の非相補的配列は、好ましくは、これらのプライマー配列の上流(すなわち、5’側)である。これらの(c)配列のうちの一方または両方が、制限部位(例えば、EP−B−0509612)またはプロモーター配列(例えば、EP−B−0505012)を含み得る。第1のオリゴヌクレオチドおよび/または第2のオリゴヌクレオチドは、検出可能な標識(例えば、蛍光標識)を含み得る。
鋳型配列は、ゲノム配列の任意の部分であり得る(例えば、配列番号10967)。例えば、鋳型配列は、rRNA遺伝子(例えば、Turenneら(2000)J.Clin.Microbiol.38:513−520;本明細書中の配列番号12018−12024)、またはタンパク質コード遺伝子であり得る。鋳型配列は、好ましくはGBSに特異的である。
本発明はまた、コンピューターで読み取り可能な媒体(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、CD−ROM、DVDなど)および/または配列表中の1つ以上の配列を含むコンピューターデータベースを提供する。この媒体は、好ましくは配列番号10967を含む。
本発明はまた、式NH2−A−[−X−L−]n−B−COOHによって表されるハイブリッドタンパク質を提供し、ここで、Xは、本発明のタンパク質であり、Lは、任意のリンカーアミノ酸配列であり、Aは、任意のN末端アミノ酸配列であり、Bは、任意のC末端アミノ酸配列であり、そしてnは、1より大きい整数である。nの値は、2とxとの間であり、そしてxの値は、代表的に3、4、5、6、7、8、9または10である。好ましくは、nは、2、3または4であり;より好ましくは2または3であり;最も好ましくはnは2である。各nの例について、−X−は、同じであっても異なってもよい。[−X−L−]の各nの例について、リンカーアミノ酸配列−L−は、存在しても存在しなくてもよい。例えば、nが2の場合、このハイブリッドは、NH2−X1−L1−X2−L2−COOH、NH2−X1−X2−COOH、NH2−X1−L1−X2−COOH、NH2−X1−X2−L2−COOHなどであり得る。リンカーアミノ酸配列−L−は、代表的に短い(例えば、20以下のアミノ酸、すなわち、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1アミノ酸)。例としては、クローニングを容易にする短いペプチド配列、ポリ−グリシンリンカー(すなわち、Glyn(ここで、nは、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれより大きい))、およびヒスチジンタグ(すなわち、Hisn(ここで、nは、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれより大きい))が挙げられる。他の適切なリンカーアミノ酸配列は、当業者に明らかである。−A−および−B−は、任意の配列であり、この配列は、代表的に短い(例えば、40以下のアミノ酸、すなわち39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1アミノ酸)。例としては、タンパク質輸送を指向するためのリーダー配列、またはクローニングもしくは精製を用意にする短いペプチド配列(例えば、ヒスチジンタグ、すなわちHisn(ここで、nは、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれより大きい))が挙げられる。他の適切なN末端アミノ酸配列およびC末端アミノ酸配列は、当業者に明らかである。いくつかの実施形態において、各Xは、GBS配列であり、他方、GASおよびGBSの混合物も使用される。
さらなる局面に従って、本発明は種々のプロセスを提供する。
タンパク質発現を誘導する条件下で本発明の宿主細胞を培養する工程を包含する、本発明のタンパク質を産生するためのプロセスが提供される。
本発明のタンパク質または核酸を産生するためのプロセスが提供され、このタンパク質または核酸は、化学的手段を用いて一部または全体が合成される。
本発明のポリヌクレオチドを検出するためのプロセスが提供され、このプロセスは、(a)二重鎖を形成するハイブリダイゼーション条件下で、本発明に従う核酸プローブを生物学的サンプルと接触させる工程;および(b)その二重鎖を検出する工程、を包含する。
生物学的サンプル(例えば、血液)中のStreptococcusを検出するためのプロセスもまた提供され、このプロセスは、ハイブリダイゼーション条件下で、本発明に従う核酸を生物学的サンプルと接触させる工程を包含する。このプロセスは、核酸増幅(例えば、PCR、SDA、SSSR、LCR、TMA、NASBAなど)または核酸ハイブリダイゼーション(例えば、マイクロアレイ、ブロット、溶液中でのプローブとのハイブリダイゼーションなど)を含み得る。臨床サンプル中のStreptococcus(特に、S.pyogenes)のPCR検出が報告されている(例えば、Louieら(2000)CMAJ 163:301−309;Louieら(1998)J.Clin.Microbiol.36:1769−1771を参照のこと)。核酸に基づく臨床アッセイは、一般的に、Tangら(1997)Clin.Chem.43:2021−2038に記載される。
本発明のタンパク質を検出するためのプロセスが提供され、このプロセスは、(a)抗体−抗原複合体の形成に適切な条件下で、本発明の抗体と生物学的サンプルとを接触させる工程;および(b)その複合体を検出する工程、を包含する。
アミノ酸配列を同定するためのプロセスが提供され、このプロセスは、S.agalactiaeのゲノム配列内の推定オープンリーディングフレームまたはタンパク質コード領域を検索する工程を包含する。これは代表的に、開始コドンおよびその下流配列中のインフレームの終止コドンについてインシリコで配列を検索する工程を包含する。これら開始コドンと終止コドンとの間の領域が、推定タンパク質コード配列である。代表的に、全ての6個の可能性のあるリーディングフレームが検索される。このような分析のための適切なソフトウェアとしては、ORFFINDER(NCBI)、GENEMARK[Borodovsky
& McIninch(1993)Computers Chem.17:122−133)、GLIMMER[Salzbergら(1998)Nucleic Acids Res.26:544−548;Salzbergら(1999)Genomics 59:24−31;Delcherら(1999)Nucleic Acids Res.27:4636−4641]、またはMarkovモデルを使用する他のソフトウェア[例えば、Shmatkovら(1999)Bioinformatics 15:874−876]が挙げられる。本発明はまた、同定されたアミノ酸配列を含むタンパク質を提供する。次いで、これらのタンパク質は、従来の技術を用いて発現され得る。
本発明はまた、試験化合物が本発明のタンパク質に結合するか否かを決定するためのプロセスを提供する。試験化合物が本発明のタンパク質に結合し、そしてその結合がGBS細菌の生活環を阻害する場合、その試験化合物を抗生物質としてか、または抗生物質の設計のためのリード化合物として使用し得る。このプロセスは、代表的に、試験化合物を本発明のタンパク質と接触させる工程、および試験化合物がそのタンパク質に結合するか否かを決定する工程を包含する。このプロセスにおける使用に対して好ましい本発明のタンパク質は、酵素(例えば、tRNAシンテターゼ)、膜トランスポーター、およびリボソームタンパク質である。適切な試験化合物としては、タンパク質、ポリペプチド、炭水化物、脂質、核酸(例えば、DNA、RNA、およびこれらの改変形態)、ならびに低分子有機化合物(例えば、200Daと2000Daとの間のMW)である。試験化合物は、個々に提供され得るが、代表的に、ライブラリー(例えば、コンビナトリアルライブラリー)の一部であり得る。結合相互作用を検出するための方法としては、NMR、フィルター結合アッセイ、ゲルリターデイションアッセイ(gel retardation assay)、置換アッセイ、表面プラズモン共鳴、逆ツーハイブリッドなどが挙げられる。本発明のタンパク質に結合する化合物は、その化合物をGBS細菌と接触させ、次いで増殖阻害についてモニタリングすることによって、抗生物質活性について試験され得る。本発明はまた、これらの方法を用いて同定された化合物を提供する。
本発明はまた、本発明のタンパク質および以下の抗原のうちの1つ以上を含む組成物を提供する:
−Helicobacter pylori由来のタンパク質抗原(例えば、VacA、CagA、NAP、HopX、HopY[例えば、WO98/04702]および/またはウレアーゼ)。
−N.meningitidis血清群B由来のタンパク質抗原(例えば、WO99/24578、WO99/36544、WO99/57280、WO00/22430、Tettelinら(2000)Science 287:1809−1815、Pizzaら(2000)Science 287:1816−1820およびWO96/29412中のタンパク質抗原であって、タンパク質‘287’および誘導体が特に好ましい)。
−N.meningitidis血清群B由来の外膜小胞(OMV)調製物(例えば、WO01/52885;Bjuneら(1991)Lancet 338(8775):1093−1096;Fukasawaら(1999)Vaccine 17:2951−2958;Rosenqvistら(1998)Dev.Biol.Stand.92:323−333などに開示される調製物)。−N.meningitidis血清群A、C、W135および/またはY由来のサッカリド抗原(例えば、血清群C由来の、Costantinoら(1992)Vaccine 10:691−698に開示されるオリゴ糖(Costantinoら(1999)Vaccine 17:1251−1263もまた参照のこと)。
−Streptococcus pneumoniae由来のサッカリド抗原(例えば、Watson(2000)Pediatr Infect Dis J
19:331−332;Rubin(2000)Pediatr Clin North Am 47:269−285,v;Jedrzejas(2001)Microbiol Mol Biol Rev 65:187−207)。−A型肝炎ウイルス(例えば、不活性化ウイルス)由来の抗原(例えば、Bell(2000)Pediatr Infect Dis J 19:1187−1188;Iwarson(1995)APMIS 103:321−326)。
−B型肝炎ウイルス由来の抗原(例えば、表面抗原および/またはコア抗原)(例えば、Gerlichら(1990)Vaccine 8 補遺:S63−68および79−80)。
−C型肝炎ウイルス由来の抗原(例えば、Hsuら(1999)Clin Liver Dis 3:901−915)。
−Bordetella pertussis由来の抗原、例えば、必要に応じてペルタクチン(pertactin)ならびに/または凝集原2および凝集原3とも組み合わせる、B.pertussis由来の百日咳ホロトキシン(PT)および糸状赤血球凝集素(FHA)(例えば、Gustafssonら(1996)N.Engl.J.Med.334:349−355;Rappuoliら(1991)TIBTECH 9:232−238)。
−ジフテリア抗原、例えば、ジフテリア毒素(例えば、Vaccines(1988)編、Plotkin & Mortimer.ISBN 0−7216−1946−0の第3章)、例えば、CRM197変異体(例えば、Del Guidiceら(1998)Molecular Aspects of Medicine 19:1−70)。
−破傷風抗原、例えば、破傷風トキソイド(例えば、Plotkin & Mortimerの第4章)。
−Haemophilus influenzae B由来のサッカリド抗原。−N.gonorrhoeae由来の抗原[例えば、WO99/24578、WO99/36544、WO99/57280)。
−Chlamydia pneumoniae由来の抗原(例えば、PCT/IB01/01445;Kalmanら(1999)Nature Genetics 21:385−389;Readら(2000)Nucleic Acids Res 28:1397−406;Shiraiら(2000)J.Infect.Dis.181(補遺3):S524−S527;WO99/27105;WO00/27994;WO00/37494)。
−Chlamydia trachomatis由来の抗原(例えば、WO99/28475)。
−Porphyromonas gingivalis由来の抗原(例えば、Rossら(2001)Vaccine 19:4135−4142)。
−ポリオ抗原、例えば、IPVまたはOPV(例えば、Sutterら(2000)Pediatr Clin North Am 47:287−308;Zimmerman & Spann(1999)Am Fam Physician 59:113−118、125−126)。
−狂犬病抗原(例えば、Dreesen(1997)Vaccine 15 補遺:S2−6)、例えば、凍結乾燥不活性化ウイルス(例えば、MMWR Morb Mortal Wkly Rep 1998 Jan 16;47(1):12,19;RabAvertTM)。
−麻疹、おたふくかぜおよび/または風疹抗原(例えば、Plotkin & Mortimerの第9章、第10章、および第11章)。
−インフルエンザ抗原(例えば、Plotkin & Mortimerの第19章)、例えば、赤血球凝集素および/またはノイラミニダーゼ表面タンパク質。
−Moraxella catarrhalis由来の抗原(例えば、McMichael(2000)Vaccine 19 補遺1:S101−107)。−Staphylococcus aureus由来の抗原(例えば、Kurodaら(2001)Lancet 357(9264):1225−1240;1218−1219頁もまた参照のこと)。
サッカリド抗原または炭水化物抗原が含まれる場合、免疫原性を高めるためにキャリアタンパク質に結合体化させることが好ましい(例えば、Ramsayら(2001)Lancet 357(9251):195−196;Lindberg(1999)Vaccine 17 補遺2:S28−36;Conjugate Vaccines(Cruseら編)ISBN 3805549326、特に、vol.10:48−114など)。好ましいキャリアタンパク質は、細菌毒素またはトキソイド(例えば、ジフテリアまたは破傷風トキソイド)である。CRM197ジフテリアトキソイドが、特に好ましい。他の適切なキャリアタンパク質としては、N.meningitidis外膜タンパク質(例えば、EP−0372501)、合成ペプチド(例えば、EP−0378881、EP−0427347]、熱ショックタンパク質(例えば、WO93/17712]、百日咳タンパク質(例えば、WO98/58668;EP−0471177]、H.influenzae由来のプロテインD(例えば、WO00/56360)、C.difficile由来のトキシンAまたはトキシンB(例えば、WO00/61761)などが挙げられる。任意の適切な結合体化反応が、必要である場合、任意の適切なリンカーと共に、使用され得る。
毒性タンパク質抗原は、必要である場合、無毒化され得る(例えば、化学手段および/または遺伝子手段による百日咳毒素の無毒化)。
ジフテリア抗原が組成物中に含まれる場合、破傷風抗原および百日咳抗原を含めることもまた、好ましい。同様に、破傷風抗原が含まれる場合、ジフテリア抗原および百日咳抗原を含めることもまた、好ましい。同様に、百日咳抗原が含まれる場合、ジフテリア抗原および破傷風抗原を含めることもまた、好ましい。
抗原は、好ましくはアルミニウム塩に吸着される。
組成物中の抗原は、代表的に、各々少なくとも1μg/mlの濃度で存在する。一般的に、任意の所定の抗原の濃度が、抗原に対して免疫応答を誘発するのに十分である。
本発明はまた、本発明の2つ以上のタンパク質を含む組成物を提供する。この2つ以上のタンパク質は、GBS配列を含み得るか、またはGAS配列およびGBS配列を含み得る。
本発明を実施するために(例えば、ワクチン接種目的または診断目的のために開示される配列を利用するために)使用され得る標準的な技術および手順の要約は、以下に続く。この要約は、本発明に対する限定ではなく、むしろ、使用され得る例(しかし、必要とはされない)を提供する。
(一般)
本発明の実施には、他に示されない限り、当該分野の範囲内の、分子生物学、微生物学、組換えDNA、および免疫学の従来の技術を使用する。このような技術は、例えば、以下の文献に十分に説明される:Sambrook Molecular Cloning;A Laboratory Manual,第2版(1989);DNA Cloning,Volumes I and II(D.N Glover編、1985);Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait編、1984);Nucleic Acid
Hybridization(B.D.HamesおよびS.J.Higgins編、1984);Transcription and Translation(B.D.HamesおよびS.J.Higgins編、1984);Animal Cell Culture(R.I.Freshney編、1986);Immobilized Cells and Enzymes(IRL
Press,1986);B.Perbal,A Practical Guide to Molecular Cloning (1984);Methods in Enzymologyシリーズ(Academic Press,Inc.)、特に第154巻および第155巻;Gene Transfer
Vectors for Mammalian Cells(J.H.MillerおよびM.P.Calos編、1987,Cold Spring Harbor Laboratory);MayerおよびWalker編(1987)Immunochemical Methods in Cell and
Molecular Biology(Academic Press,London);Scopes(1987)Protein Purification:Principles and Practice,第2版(Springer−Verlag,N.Y.)、ならびにHandbook of Experimental Immunology,第I巻−第IV巻(D.M.WeirおよびC.C.Blackwell編、1986)。
ヌクレオチドおよびアミノ酸の標準的な略語を、本明細書中で使用する。
(定義)
Xを含む組成物は、組成物中の全X+Yの少なくとも85重量%がXであるとき、Yを「実質的に含まない」。好ましくは、Xは、組成物中の全X+Yの少なくとも90重量%を、さらに好ましくは少なくとも約95重量%または99重量%さえを含む。
用語「含む(comprising)」は「含む(including)」および「からなる」を意味する。例えば、Xを「含む」組成物は、もっぱらXからなり得るか、またはX+Yのようなさらなるものも含み得る。
用語「異種」とは、天然では共に見られない2つの生物学的成分をいう。この成分は、宿主細胞、遺伝子、または調節領域(例えば、プロモーター)であり得る。異種成分は天然では共に見られないが、遺伝子に対して異種のプロモーターがその遺伝子に作動可能に連結されるとき、それらは共に機能し得る。別の例は、ストレプトコッカス配列がマウス宿主細胞に対して異種である場合である。さらなる例は、天然においてみられない配置で単一タンパク質に組み立てられる同じタンパク質または異なるタンパク質由来の2つのエピトープである。
「複製起点」とは、発現ベクターのようなポリヌクレオチドの複製を開始または調節するポリヌクレオチド配列である。複製起点は、細胞内でポリヌクレオチド複製の自律性ユニットとして振る舞い、それ自体の制御下で複製し得る。複製起点は、ベクターが特定の宿主細胞において複製するために必要であり得る。特定の複製起点を有せば、発現ベクターは、細胞内の適切なタンパク質の存在下で高いコピー数で再生され得る。起点の例は、酵母において有効な自律性複製配列;およびCOS−7細胞で有効であるウイルスT抗原である。
「変異体」配列は、ネイティブ配列または開示された配列とは異なるが配列同一性を有するDNA配列、RNA配列またはアミノ酸配列として規定される。特定の配列に依存して、ネイティブ配列または開示された配列と変異体配列との間の配列同一性の程度は、好ましくは50%より大きく(例えば、60%、70%、80%、90%、95%、99%またはそれ以上)、これは、上記のようにSmith−Watermanアルゴリズムを使用して算出される。本明細書中で使用される場合、本明細書でその核酸配列が提供される核酸分子または領域の「対立遺伝子改変体」は、別の単離体もしくは第2の単離体のゲノム中に本質的に同じ遺伝子座で存在する核酸分子または領域、および、例えば、変異または組換えにより生ずる天然の変化に起因して、類似するが、しかし同一でない核酸配列を有する。コード領域の対立遺伝子改変体は、代表的には、それが比較される遺伝子によってコードされるタンパク質の活性と類似した活性を有するタンパク質をコードする。対立遺伝子改変体はまた、遺伝子の5’または3’非翻訳領域(例えば、調節制御領域)での変化を含み得る(例えば、米国特許第5,753,235号を参照のこと)。
(発現系)
ストレプトコッカスヌクレオチド配列は、種々の異なる発現系;例えば、哺乳動物細胞、バキュロウイルス、植物、細菌、および酵母と共に使用される発現系において発現され得る。
(i.哺乳動物系)
哺乳動物発現系は当該分野において公知である。哺乳動物プロモーターは、哺乳動物RNAポリメラーゼを結合し、mRNAへのコード配列(例えば、構造遺伝子)の下流(3’)転写を開始し得る任意のDNA配列である。プロモーターは、転写開始領域(これはコード配列の5’末端の近位に通常位置する)およびTATAボックス(転写開始部位の25〜30塩基対(bp)上流に通常位置する)を有する。TATAボックスは、その正しい部位においてRNAポリメラーゼIIにRNA合成を開始させるよう指示すると考えられている。哺乳動物プロモーターはまた、TATAボックスの100〜200bp上流以内に通常位置する上流プロモーターエレメントを含む。上流プロモーターエレメントは、転写が開始され、そしていずれかの方向において作用し得る速度を決定する(Sambrookら(1989)「Expression of Cloned Genes in Mammalian Cells」 Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版)。
哺乳動物ウイルス遺伝子は、しばしば高度に発現され、そして広い宿主範囲を有する;従って、哺乳動物ウイルス遺伝子をコードする配列は、特に有用なプロモーター配列を提供する。例としては、SV40初期プロモーター、マウス乳腺癌ウイルスLTRプロモーター、アデノウイルス主要後期プロモーター(Ad MLP)、および単純疱疹ウイルスプロモーターが挙げられる。さらに、マウスのメタロチオネイン遺伝子のような非ウイルス性遺伝子に由来する配列もまた、有用なプロモーター配列を提供する。発現は、ホルモン応答性細胞においてグルココルチコイドで誘導され得るプロモーターに依存して、構成的であるかまたは調節される(誘導性)かのいずれかであり得る。
上記に記載されるプロモーターエレメントと組み合わされるエンハンサーエレメント(エンハンサー)の存在は、通常、発現レベルを増大させる。エンハンサーは、相同性プロモーターまたは異種プロモーターに連結される場合、転写を1000倍まで刺激し得る調節DNA配列であり、合成は、通常のRNA開始部位で開始する。エンハンサーはまた、それらが、通常方向もしくは反転(flipped)方向のいずれかで転写開始部位より上流もしくは下流に、またはプロモーターから1000ヌクレオチドを超える距離で位置する場合、活性である(Maniatisら(1987)Science 236:1237;Albertsら(1989)Molecular Biology of the Cell,第2版)。ウイルス由来のエンハンサーエレメントは、通常、より広い宿主範囲を有するので、特に有用であり得る。例としては、SV40初期遺伝子エンハンサー(Dijkemaら(1985)EMBO J.4:761)およびラウス肉腫ウイルスの長末端反復(LTR)に由来するエンハンサー/プロモーター(Gormanら(1982b)Proc.Natl.Acad.Sci.79:6777)およびヒトサイトメガウイルスに由来するエンハンサー/プロモーター(Boshartら(1985)Cell 41:521)が挙げられる。さらに、いくつかのエンハンサーは調節可能であり、そしてホルモンまたは金属イオンのような誘導因子の存在下でのみ活性になる(Sassone−CorsiおよびBorelli(1986)Trends Genet.2:215;Maniatisら(1987)Science 236:1237)。
DNA分子は、哺乳動物細胞において細胞内で発現され得る。プロモーター配列は、組換えタンパク質のN末端における最初のアミノ酸が常に、ATG開始コドンによりコードされるメチオニンである場合、DNA分子と直接連結され得る。所望される場合、N末端は、臭化シアンとのインビトロでのインキュベーションによりタンパク質から切断され得る。
あるいは、外来タンパク質もまた、哺乳動物細胞において外来タンパク質の分泌を提供するリーダー配列フラグメントで構成される融合タンパク質をコードするキメラDNA分子を作製することにより、細胞から増殖培地へ分泌され得る。好ましくは、インビボまたはインビトロのいずれかにおいて切断され得る、リーダーフラグメントと外来遺伝子との間にコードされるプロセシング部位が存在する。リーダー配列フラグメントは通常、細胞からのタンパク質の分泌を指示する、疎水性アミノ酸で構成される単一のペプチドをコードする。アデノウイルスの三部からなる(triparite)リーダーは、哺乳動物細胞における外来タンパク質の分泌を提供するリーダー配列の例である。
通常、哺乳動物細胞によって認識される転写終結配列およびポリアデニル化配列は、翻訳終止コドンの3’側に存在する調節領域であり、従って、プロモーターエレメントと共に、コード配列に隣接する。成熟mRNAの3’末端は、部位特異的転写後切断およびポリアデニル化により形成される(Birnstielら(1985)Cell 41:349;ProudfootおよびWhitelaw(1988)「Termination and 3’end processing of eukaryotic RNA.」Transcription and splicing(B.D.HamesおよびD.M.Glover編);Proudfoot(1989)Trends Biochem.Sci.14:105)。これらの配列は、mRNAの転写を方向づけ、そのmRNAは、そのDNAにコードされるポリペプチドに翻訳され得る。転写ターミネーター/ポリアデニル化シグナルの例としては、SV40由来のシグナルが挙げられる(Sambrookら(1989)「Expression of cloned genes in cultured mammalian cells.」Molecular Cloning:A Laboratory Manual)。
通常、プロモーター、ポリアデニル化シグナル、および転写終結配列を含む上記の構成要素は、発現構築物内に共に導入される。エンハンサー、機能的なスプライスドナー部位およびアクセプター部位を有するイントロン、ならびにリーダー配列もまた、所望される場合、発現構築物内に含まれ得る。発現構築物はしばしば、哺乳動物細胞または細菌のような宿主内で安定的に維持し得る染色体外エレメント(例えば、プラスミド)のような、レプリコン内で維持される。哺乳動物の複製系としては、複製にトランス作用性の因子を必要とする、動物ウイルス由来の複製系が挙げられる。例えば、SV40(Gluzmam(1981)Cell 23:175)、あるいはポリオーマウイルスのようなパポバウイルスの複製系を含むプラスミドは、適切なウイルスのT抗原の存在下で極めて高いコピー数で複製する。哺乳動物レプリコンのさらなる例としては、ウシパピローマウイルスおよびエプスタイン−バーウイルス由来のレプリコンが挙げられる。さらに、このレプリコンは、二つの複製系を有し得、従って、例えば、発現用の哺乳動物細胞内で、ならびにクローニングおよび増幅用の原核生物の宿主内で、そのレプリコンは維持することが可能である。このような哺乳動物−細菌シャトルベクターの例としては、pMT2(Kaufmanら(1989)Mol.Cell.Biol.9:946)およびpHEBO(Shimizuら(1986)Mol.Cell.Biol.6:1074)が挙げられる。
使用される形質転換の手順は、形質転換される宿主に依存する。異種のポリヌクレオチドの哺乳動物細胞への導入方法は、当該分野で公知であり、その方法としては、デキストラン媒介トランスフェクション、リン酸カルシウム沈殿、ポリブレン媒介トランスフェクション、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、リポソーム内でのポリヌクレオチドの封入、および核内へのDNAの直接微量注入が挙げられる。
発現用宿主として利用可能な哺乳動物細胞株は、当該分野で公知であり、このような細胞株としては、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞、乳仔ハムスター腎臓(BHK)細胞、サル腎臓細胞(COS)、ヒト肝細胞癌腫細胞(例えば、Hep G2)および多くの他の細胞株を含むが、これらに限定されない、American Type Culture Collection(ATCC)から入手可能な多くの不死化細胞株が挙げられる。
(ii.バキュロウイルス系)
タンパク質をコードしているポリヌクレオチドはまた、適切な昆虫の発現ベクター内に挿入され得、そしてそのベクター内で、制御エレメントに作動可能に連結される。ベクターの構築には、当該分野で公知の技術を使用する。一般に、その発現系の構成要素として、以下のものが挙げられる:バキュロウイルスゲノムのフラグメント、および発現させる異種遺伝子の挿入用の簡便な制限部位の両方を有する転移ベクター(通常は細菌プラスミド);転移ベクター内のバキュロウイルスに特異的なフラグメントに相同性のある配列を有する野生型バキュロウイルス(これは、バキュロウイルスゲノム内への異種遺伝子の相同組換えを可能にする);ならびに適切な昆虫宿主細胞および増殖培地。
転移ベクターにタンパク質をコードするDNA配列を挿入した後、そのベクターおよび野生型ウイルスゲノムを、昆虫宿主細胞にトランスフェクトし、そこでベクターとウイルスゲノムを組換えさせる。パッケージングされた組換えウイルスは発現され、そして組換えプラークが同定されそして精製される。バキュロウイルス/昆虫細胞発現系のための材料および方法は、特に、Invitrogen、San Diego CAからキット形態(「MaxBac」キット)で市販される。これらの技術は、一般に当業者に公知であり、そしてSummersおよびSmith,Texas Agricultural Experiment Station Bulletin No.1555(1987)(以下、「Summers and Smith」)に十分に記載されている。
タンパク質をコードするDNA配列をバキュロウイルスゲノムに挿入するのに先立って、プロモーター配列、リーダー配列(所望される場合)、コード配列、および転写終結配列を含む上記の構成要素を、通常、中間転移構築物(転移ベクター)に構築する。この構築物は、単一の遺伝子および作動可能に連結された調節エレメント;作動可能に連結された調節エレメントのセットを各々が所有する複数の遺伝子;あるいは調節エレメントの同じセットにより調節される複数の遺伝子を含み得る。中間転移構築物は、しばしば、細菌のような宿主内で安定的に維持し得る染色体外エレメント(例えば、プラスミド)のような、レプリコン内で維持される。レプリコンは、複製系を有しており、従って、それはクローニングおよび増幅用の適切な宿主内で維持されることが可能である。
現在、外来遺伝子のAcNPVへの導入のために最も一般に使用される転移ベクターは、pAc373である。当業者に公知の多くの他のベクターもまた設計される。これらとしては、例えば、pVL985(これは、ポリへドリンの開始コドンをATGからATTに変化させ、そしてそのATTから32塩基対下流に、BamHIクローニング部位を導入する;LuckowおよびSummers,Virology(1989)17:31を参照のこと)が挙げられる。
このプラスミドも通常、ポリへドリンポリアデニル化シグナル(Millerら、(1988)Ann.Rev.Microbiol.,42:177)、ならびに選択および増殖のための原核生物のアンピシリン耐性(amp)遺伝子およびE.coliにおける複製起点を含む。
バキュロウイルス転移ベクターは通常、バキュロウイルスプロモーターを有する。バキュロウイルスプロモーターは、バキュロウイルスRNAポリメラーゼに結合し、そしてmRNAへのコード配列(例えば、構造遺伝子)の下流(5’から3’)方向の転写を開始し得る任意のDNA配列である。プロモーターは、通常、コード配列の5’末端に近接して存在する転写開始領域を有している。この転写開始領域は通常、RNAポリメラーゼ結合部位および転写開始点を含む。バキュロウイルス転移ベクターはまた、エンハンサーと呼ばれる第二のドメインを有し得、通常これは、存在する場合は、構造遺伝子に対し遠位にある。発現は調節され得るか、あるいは構成的であり得る。
ウイルスの感染周期の後期で大量に転写される構造遺伝子は、特に有用なプロモーター配列を提供する。例としては、ウイルス多面体タンパク質をコードする遺伝子(Friesenら、(1986)「The Regulation of Baculovirus Gene Expression」:The Molecular Biology of Baculoviruses(Walter Doerfler編);EPO公開番号127 839および155
476;ならびにp10タンパク質をコードする遺伝子(Vlakら,(1988),J.Gen.Virol.69:765)由来の配列が挙げられる。
適切なシグナル配列をコードするDNAは、分泌昆虫タンパク質、あるいはバキュロウイルスポリへドリン遺伝子(Carbonellら,(1998)Gene,73:409)のような、分泌バキュロウイルスタンパク質の遺伝子に由来し得る。あるいは、哺乳動物細胞の翻訳後修飾(シグナルペプチド切断、タンパク質分解性切断、およびリン酸化のような)のシグナルは、昆虫細胞に認識されると思われ、そして分泌および核蓄積に必要なシグナルはまた、無脊椎動物細胞と脊椎動物細胞間との間で保存されると思われるので、ヒトインターフェロンα(Maedaら,(1985),Nature 315:592);ヒトガストリン放出ペプチド(Lebacq−Verheydenら,(1988),Molec.Cell.Biol.8:3129);ヒトIL−2(Smithら,(1985)Proc.Nat’l Acad.Sci.USA、82:8404);マウスIL−3(Miyajimaら,(1987)Gene 58:273);およびヒトグルコセレブロシダーゼ(Martinら,(1988)DNA、7:99)をコードする遺伝子由来のような、非昆虫起源のリーダーも、昆虫での分泌を与えるために使用され得る。
組換えポリペプチドあるいは組換えポリタンパク質は、細胞内に発現され得、あるいは適切な調節配列と共に発現される場合、分泌され得る。非融合の外来タンパク質の優れた細胞内発現には通常、ATG開始シグナルに先行する適切な翻訳開始シグナルを含む短いリーダー配列を理想的には有する異種遺伝子が必要である。所望であれば、N末端のメチオニンは、臭化シアンとのインビトロインキュベーションにより、成熟タンパク質から切断され得る。
あるいは、自然に分泌されない組換えポリタンパク質あるいは組換えタンパク質は、昆虫において外来タンパク質の分泌を提供するリーダー配列フラグメントを含む融合タンパク質をコードするキメラDNA分子を作製することにより、昆虫細胞から分泌され得る。リーダー配列フラグメントは通常、タンパク質の小胞体内への輸送を指示する、疎水性アミノ酸からなるシグナルペプチドをコードしている。
タンパク質の前駆体である発現産物をコードするDNA配列および/または遺伝子の挿入後、昆虫細胞宿主に、転移ベクターの異種DNAおよび野生型バキュロウイルスのゲノムDNAを同時形質転換(通常は、同時トランスフェクションによって)する。構築物のプロモーターおよび転写終結配列は、通常バキュロウイルスゲノムの2〜5kbの区域を含む。バキュロウイルスウイルスの望ましい部位に異種DNAを導入する方法は、当該分野で公知である(SummersおよびSmith、上記;Juら(1987);Smithら,Mol.Cell.Biol.(1983)3:2156;ならびにLuckowおよびSummers(1989)を参照のこと)。例えば、その挿入物は、相同二重交差組換え(homologous double crossover recombination)により、ポリへドリン遺伝子のような遺伝子内にあり得る;挿入物はまた、所望のバキュロウイルス遺伝子中に操作された制限酵素部位内にあり得る。Millerら、(1989)、Bioessays 4;91。発現ベクター内のポリへドリン遺伝子の代わりにクローン化される場合、このDNA配列は、ポリへドリン特異的配列により5’および3’の両側で隣接され、そしてポリへドリンプロモーターの下流に位置される。
新規に形成されたバキュロウイルス発現ベクターは続いて、感染性の組換えバキュロウイルス内にパッケージされる。相同組換えは、低い頻度で起こる(約1%〜約5%の間);それゆえ、同時トランスフェクション後に産生されたウイルスの大半は、依然野生型ウイルスである。従って、この方法には、組換えウイルスの同定が必要となる。その発現系の利点は、組換えウイルスを区別させ得る可視的スクリーニングである。天然のウイルスにより産生されるポリへドリンタンパク質は、ウイルス感染後の後期で、その感染細胞の核内で非常に高いレベルで産生される。蓄積されたポリへドリンタンパク質は、閉塞体を形成し、またそれは包理された粒子を含む。これらの閉塞体は、最大15μmの大きさで、高度に屈折し、明るく輝く外見を与え、光学顕微鏡下で容易に可視化される。組換えウイルスに感染された細胞は、閉塞体を欠く。組換えウイルスと野生型ウイルスとを区別するために、トランスフェクションの上清を、当業者に公知の技術により昆虫細胞の単層にプラーク形成させる。すなわち、プラークを、光学顕微鏡下で閉塞体の存在(野性型ウイルスを示す)または非存在(組換えウイルスを示す)によりスクリーニングする。「Current Protocols in Microbiology」2巻(Ausubelら編)16.8(増補10、1990);SummersおよびSmith、上記;Millerら(1989)。
組換えバキュロウイルス発現ベクターは、いくつかの昆虫細胞への感染用に開発された。例えば、組換えバキュロウイルスは、特に以下に示すもののために開発された:Aedes aegypti、Autographa californica、Bombyx mori、Drosophila melanogaster、Spodoptera frugiperda、およびTrichoplusia ni(WO89/046699;Carbonellら,(1985)J.Virol.56:153;Wright(1986)Nature 321:718;Smithら,(1983)Mol.Cell.Biol.3:2156;およびFraserら,(1989)In Vitro Cell.Dev.Biol.25:225を一般に参照のこと)。
細胞および細胞培養培地は、バキュロウイルス/発現系における異種ポリペプチドの直接発現および融合発現の両方のために市販される;細胞培養技術は、一般に当業者に公知である。例えば、上記SummersおよびSmithを参照のこと。
次いで、改変した昆虫細胞を、適切な栄養培地で増殖させ得、その改変した昆虫宿主内に存在するプラスミドの安定的維持を可能にする。発現産物の遺伝子が、誘導性の制御下にある場合、宿主は高密度まで増殖され得、そして発現は誘導され得る。あるいは、発現が構成的である場合、その産物は、培地中に連続的に発現され、そして目的産物を取り出し、そして枯渇した栄養を補給しながら、栄養培地を連続的に循環させる必要がある。その産物は、クロマトグラフィー(例えば、HPLC、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーなど);電気泳動;密度勾配遠心;溶媒抽出などのような技術により精製され得る。適切な場合、必要ならば、その産物をさらに精製し、その結果、これもまた培地中に存在する実質的に全ての昆虫タンパク質を除去し、宿主細片(例えば、タンパク質、脂質および多糖)を少なくとも実質的に含まない産物を提供し得る。
タンパク質の発現を得るために、形質転換体に由来する組換え宿主細胞は、組換えタンパク質をコードする配列の発現を可能にする条件下でインキュベートされる。これらの条件は、選択された宿主細胞に依存して変動する。しかし、その条件は、当該分野で公知のことに基づいて、当業者に容易に確かめられ得る。
(iii.植物系)
当該分野で公知の多くの植物細胞培養および植物全体での遺伝子発現系が存在する。例示的な植物細胞遺伝子発現系としては、米国特許第5,693,506号;米国特許第5,659,122号;および米国特許第5,608,143号のような特許に記載されるものが挙げられる。植物細胞培養における遺伝子発現のさらなる例は、Zenk,Phytochemistry 30:3861−3863(1991)に記載された。植物タンパク質のシグナルペプチドの記載は、上記の参考文献に加え、以下に示すものの中においても見出され得る;Vaulcombeら,Mol.Gen.Genet.209:33−40(1987);Chandlerら,Plant Molecular Biology
3:407−418(1984);Rogers,J.Biol.Chem.260:3731−3738(1985);Rothsteinら,Gene 55:353−356(1987);Whittierら,Nucleic Acids Research 15:2515−2535(1987);Wirselら,Molecular Microbiology 3:3−14(1989);Yuら,Gene 122:247−253(1992)。植物ホルモン(ジベレリン酸およびジベレリン酸により誘導される分泌酵素)による植物遺伝子発現の調節の記載は、R.L.JonesおよびJ.MacMillin,Gibberellins:Advanced Plant Physiology,Malcolm B.Wilkins編、1984 Pitman Publishing Limited,London,21−52頁の中に見出され得る。他の代謝調節性遺伝子が記載される参考文献は、以下である:Sheen,Plant Cell,2:1027−1038(1990);Maasら,EMBO J.9:3447−3452(1990);BenkelおよびHickey、Proc.Natl.Acad.Sci.84:1337−1339(1987)。
代表的に、当該分野で公知の技術を使用して、所望のポリヌクレオチド配列は、植物内で作動させるために設計された遺伝子調節エレメントを含む発現カセットの中に挿入される。その発現カセットは、植物宿主内での発現に適切な発現カセットの上流および下流にコンパニオン配列を有する望ましい発現ベクターの中に挿入される。そのコンパニオン配列は、プラスミドまたはウイルス起源のものであり、そしてそのベクターが、細菌のようなもともとのクローニング宿主から、所望の植物宿主へ、ベクターがDNAを移動させることを可能にするために必要とされる特徴を、ベクターに提供する。基本的な細菌/植物ベクター構築物は、好ましくは、広い宿主範囲の原核生物の複製起点;原核生物の選択マーカー;および、アグロバクテリウムの形質転換については、アグロバクテリウム媒介移入のためのT DNA配列を植物染色体に提供する。異種遺伝子が容易に検出できない場合は、好ましくは、この構築物はまた、植物細胞が形質転換されたかどうかを決定するために適した選択マーカー遺伝子を有する。適切なマーカーの一般的な総説は、例えば、イネ科のメンバーについては、WilminkおよびDons,1993,Plant Mol.Biol.Reptr,11(2):165−185に見られる。
植物ゲノムへの異種配列の組み込みを可能にするために適した配列もまた、推奨される。これらは、相同組換えのためのトランスポゾン配列など、および植物ゲノム内へ異種発現カセットのランダム挿入を可能にするTi配列を含み得る。適切な原核生物選択マーカーとしては、アンピシリンまたはテトラサイクリンのような抗生物質に対する耐性が挙げられる。さらなる機能をコードしている他のDNA配列はまた、当該分野で公知であるように、そのベクターの中に存在し得る。
本発明の核酸分子が、目的のタンパク質の発現用の発現カセットに含まれ得る。2つ以上も可能であるが、通常はただ一つの発現カセットが存在する。組換え発現カセットは、異種タンパク質のコード配列に加え、以下のエレメントを含む;プロモーター領域、植物5’非翻訳配列、構造遺伝子が開始コドンを備えているかどうかに依存して開始コドン、ならびに転写および翻訳終結配列。そのカセットの5’末端および3’末端の独特な制限酵素部位は、既存のベクター内への容易な挿入を可能にする。
異種のコード配列は、本発明に関係する任意のタンパク質のための配列であり得る。目的のタンパク質をコードする配列は、適切な場合、そのタンパク質のプロセシングおよびトランスロケーションを可能にするシグナルペプチドをコードし、そして通常、本発明の所望のタンパク質の膜への結合を生じ得る任意の配列を欠いている。翻訳開始領域は、大部分は、発芽中に発現およびトランスロケーションされる遺伝子のためのものであるから、トランスロケーションを提供するシグナルペプチドを使用することにより、それはまた、目的のタンパク質のトランスロケーションを提供し得る。この方法で、目的のタンパク質は、それらが発現される細胞からトランスロケーションされ得、そして効率的に回収され得る。代表的には、種子における分泌は、種子の胚乳内へ、アリューロン層あるいは胚盤上皮層を通過する。タンパク質を産生する細胞からタンパク質が分泌される必要がない場合、このことは組換えタンパク質の単離および精製を容易にする。
所望の遺伝子産物の最終的な発現が、真核生物細胞におけるものであるために、クローン化された遺伝子の任意の部分が、イントロンのように、宿主のスプライセオソーム(splicosome)機構によって、プロセシングで除去される配列を含むかどうかを決定することが望ましい。このような場合、「イントロン」領域の部位特異的変異誘発は、偽イントロンコードとして遺伝的情報の一部を欠失することを防ぐために実施され得る。ReedおよびManiatis、Cell 41:95−105(1985)。
ベクターは、組換えDNAを機械的に移入するためにマイクロピペットを用いて植物細胞内に直接的に微量注入され得る(Crossway、Mol.Gen.Genet,202:179−185、1985)。遺伝物質はまた、ポリエチレングリコールを用いて植物細胞内に移入され得る(Krensら、Nature,296、72−74、1982)。核酸セグメントの導入の別の方法は、小さいビーズまたは粒子のマトリックスの内部に、あるいはその表面のいずれかに核酸を有する小さな粒子による高速バリスティック(ballistic)穿通法である(Kleinら,Nature,327,70−73,1987ならびにKnudsenおよびMuller,1991,Planta,185:330−336は、大麦胚乳の粒子ボンバードメント(bombardment)によりトランスジェニック大麦を作製することを教示している)。さらに別の導入方法は、他の実体(ミニ細胞、細胞、リソソームあるいは他の融合可能な脂質表面体のいずれか)とのプロトプラストの融合である(Fraleyら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,79,1859−1863,1982)。
ベクターはまた、エレクトロポレーションにより植物細胞内に導入され得る(Frommら、Proc.Nati Acad.Sci.USA 82:5824,1985)。この技術において、植物プロトプラストは、遺伝子構築物を含むプラスミドの存在下でエレクトロポレーションされる。高い場の強度の電気衝撃により、生体膜を可逆的に通過できるようにし、プラスミドの導入を可能にする。エレクトロポレーションされた植物プロトプラストは細胞壁を再形成し、分裂し、そして植物カルスを形成する。
プロトプラストが単離され得、そして培養されて完全な再生植物を与え得る全ての植物は、本発明により形質転換され得、その結果、移入された遺伝子を含む完全な植物が再生される。実質的に全ての植物が、サトウキビ、テンサイ、ワタ、果実および他の樹木、マメ科植物および野菜の全ての主要な種を含むがそれらに限定されない培養細胞あるいは組織から再生され得ることが公知である。いくつかの適切な植物としては、例えば、以下の属由来の種が挙げられる:Fragaria、Lotus、Medicago、Onobrychis、Trifolium、Trigonella、Vigna、Citrus、Linum、Geranium、Manihot、Daucus、Arabidopsis、Brassica、Raphanus、Sinapis、Atropa、Capsicum、Datura、Hyoscyamus、Lycopersion、Nicotiana、Solanum、Petunia、Digitalis、Majorana、Cichorium、Helianthus、Lactuca、Bromus、Asparagus、Antirrhinum、Hererocallis、Nemesia、Pelargonium、Panicum、Pennisetum、Ranunculus、Senecio、Salpiglossis、Cucumis、Browaalia、Glycine、Lolium、Zea、Triticum、SorghumおよびDatura。
再生のための手法は、植物の種によって変化するが、しかし一般に異種遺伝子のコピーを含む形質転換されたプロトプラストの懸濁液が最初に提供される。カルス組織は形成され、そしてシュートがカルスから誘導され得、続いて発根させ得る。あるいは、胚形成がプロトプラスト懸濁液から誘導され得る。これらの胚は、天然の胚として発芽し、植物を形成する。培養培地は、一般に、種々のアミノ酸、ならびにオーキシンおよびサイトカイニンのようなホルモンを含有する。またグルタミン酸およびプロリンを培地に添加することは、特にトウモロコシおよびアルファルファのような種にとって有用である。シュートおよび根は通常、同時に発生する。効率的な再生は、培地、遺伝子型、および培養歴に依存する。これらの3つの変数が制御される場合は、再生は十分に再現性がありそして繰り返し可能である。
いくつかの植物細胞培養系において、本発明の所望のタンパク質は排出され得るか、あるいはこのタンパク質は植物全体から抽出され得る。本発明の所望のタンパク質が培地内に分泌される場合、これは回収され得る。あるいは、胚および胚のない半分の種子または他の植物組織は、機械的に破壊されて、細胞間および組織間の任意の分泌されたタンパク質を放出し得る。その混合物は緩衝溶液に懸濁されて、可溶性タンパク質が回収され得る。次いで、従来のタンパク質単離方法および精製方法は組換えタンパク質を精製するために使用される。時間、温度、pH、酸素、および容量のパラメーターは、異種タンパク質の発現および回収を最適化するための慣用的な方法により調整される。
(iv.細菌系)
細菌の発現技術は、当該分野で公知である。細菌のプロモーターは、細菌のRNAポリメラーゼに結合し得、そしてmRNAへのコード配列(例えば、構造遺伝子)の下流方向(3’方向)の転写を開始し得る任意のDNA配列である。プロモーターは、通常、コード配列の5’末端に近接して配置される転写開始領域を有する。この転写開始領域は、通常、RNAポリメラーゼ結合部位および転写開始部位を含む。細菌のプロモーターはまた、オペレーターと呼ばれる第二のドメインを有し得、このドメインは、RNA合成が始まる近接したRNAポリメラーゼ結合部位と重複し得る。オペレーターは、遺伝子リプレッサータンパク質が、オペレーターに結合し、それによって特定の遺伝子の転写を阻害し得るような、負の調節された(誘導性の)転写を可能にする。構成的発現は、オペレーターのような負の調節エレメントの非存在下で起こり得る。さらに、正の調節は、遺伝子アクチベータータンパク質結合配列により達成され得、その配列が存在する場合は通常、RNAポリメラーゼ結合配列に(5’側で)近接している。遺伝子アクチベータータンパク質の例は、カタボライトアクチベータータンパク質(CAP)であり、それはEscherichia coli(E.coli)におけるlacオペロンの転写の開始を助ける(Raibaudら(1984)Annu.Rev.Genet.18:173)。調節される発現は、それゆえ正または負のいずれかであり得、従って転写を増強するかまたは低下させるかのいずれかである。
代謝経路の酵素をコードする配列は、特に有用なプロモーター配列を提供する。例としては、ガラクトース、ラクトース(lac)(Changら(1977)Nature 198:1056)、およびマルトースのような糖代謝の酵素由来のプロモーター配列が挙げられる。さらなる例としては、トリプトファン(trp)(Goeddelら(1980)Nuc.Acids Res.8:4057;Yelvertonら(1981)Nucl.Acids Res.9:731;米国特許第4,738,921号;EP−A−0036776号およびEP−A−0121775号)のような生合成酵素由来のプロモーター配列が挙げられる。g−ラクタマーゼ(g−laotamase)(bla)プロモーター系(Weissmann(1981)「The cloning of interferon and other mistakes.」Interferon 3(I.Gresser編))、バクテリオファージλPL(Shimatakeら(1981)Nature 292:128)およびT5(米国特許第4,689,406号)プロモーター系もまた、有用なプロモーター配列を提供する。
さらに、天然に存在しない合成プロモーターもまた、細菌のプロモーターとして機能する。例えば、ある細菌またはバクテリオファージプロモーターの転写活性化配列は、別の細菌またはバクテリオファージプロモーターのオペロン配列と連結され得、合成ハイブリッドプロモーターを形成する(米国特許第4,551,433号)。例えば、tacプロモーターは、trpプロモーター配列およびlacリプレッサーにより調節されるlacオペロン配列の両方から構成される、ハイブリッドtrp−lacプロモーターである(Amannら(1983)Gene 25:167;de Boerら(1983)Proc.Natl.Acad.Sci.80:21)。さらに、ある細菌のプロモーターは、細菌のRNAポリメラーゼに結合し、そして転写を開始させる能力を有する、非細菌起源の天然に存在するプロモーターを含み得る。非細菌起源の天然に存在するプロモーターはまた、原核生物内でいくつかの遺伝子の高いレベルでの発現を生じるために、適合性のあるRNAポリメラーゼと結合され得る。バクテリオファージT7 RNAポリメラーゼ/プロモーター系は、結合されたプロモーター系の例である(Studierら(1986)J.Mol.Biol.189:113;Taborら(1985)Proc Natl.Acad.Sci.82:1074)。さらに、ハイブリッドプロモーターはまた、バクテリオファージプロモーターおよびE.coliオペレーター領域から構成され得る(EPO−A−0 267 851)。
機能性のプロモーター配列に加え、効率的なリボソーム結合部位はまた、原核生物における外来遺伝子の発現に有用である。E.coliにおいて、リボソーム結合部位は、シャイン−ダルガノ(SD)配列と呼ばれ、そして開始コドン(ATG)および開始コドンの3〜11ヌクレオチド上流に位置する長さ3〜9ヌクレオチドの配列を含む(Shineら(1975)Nature 254:34)。SD配列は、SD配列とE.coliの16S rRNAの3’側との間の塩基対合によりmRNAのリボソームへの結合を促進すると考えられている(Steitzら(1979)「Genetic signals and nucleotide sequences in messenger RNA.」Biological Regulation and Development:Gene Expression(R.F.Goldberger編))。弱いリボソーム結合部位を有する真核生物遺伝子および原核生物遺伝子の発現が記載されている(Sambrookら(1989)「Expression of cloned genes in Escherichia coli」Molecular Cloning:A Laboratory Manual)。
DNA分子は、細胞内で発現され得る。プロモーター配列は、直接的にそのDNA分子と連結され得、この場合、N末端の最初のアミノ酸は、常に、ATG開始コドンによりコードされるメチオニンである。所望される場合、N末端のメチオニンは、臭化シアンとのインビトロインキュベーション、あるいは細菌のメチオニンN末端ペプチダーゼとのインビボまたはインビトロでのインキュベーションのいずれかによりタンパク質から切断され得る(EP−A−0219237)。
融合タンパク質は、直接的発現に代わるものを提供する。通常、内因性の細菌タンパク質、あるいは他の安定なタンパク質のN末端部分をコードするDNA配列は、異種のコード配列の5’末端と融合される。発現の際に、この構築物は、2つのアミノ酸配列の融合を提供する。例えば、バクテリオファージλ細胞遺伝子は、外来遺伝子の5’末端で連結され得、そして細菌において発現され得る。得られた融合タンパク質は、好ましくは、外来遺伝子からバクテリオファージタンパク質を切断するためのプロセシング酵素(第Xa因子)用の部位を保持する(Nagaiら(1984)Nature 309:810)。融合タンパク質はまた、lacZ(Jiaら(1987)Gene 60:197)、trpE(Allenら(1987)J.Biotechnol.5:93;Makoffら(1989)J.Gen.Microbiol.135:11)、およびChey(EP−A−0324647)遺伝子由来の配列を用いて作製され得る。2つのアミノ酸配列の接合部でのDNA配列は、切断可能部位をコードしてもよいし、あるいはコードしなくてもよい。別の例は、ユビキチン融合タンパク質である。このような融合タンパク質は、好ましくは、外来タンパク質からユビキチンを切断するためのプロセシング酵素(例えば、ユビキチン特異的プロセシングプロテアーゼ)用の部位を保持するユビキチン領域と共に作製される。この方法を通して、ネイティブの外来タンパク質は分離され得る(Millerら(1989)Bio/Technology 7:698)。
あるいは、外来タンパク質はまた、細菌における外来タンパク質の分泌を提供するシグナルペプチド配列フラグメントから構成される、融合タンパク質をコードするキメラDNA分子を作製することによって、細胞から分泌され得る(米国特許第4,336,336号)。シグナル配列フラグメントは、通常、細胞からのタンパク質の分泌を指向する、疎水性アミノ酸から構成されるシグナルペプチドをコードする。このタンパク質は、増殖培地(グラム陽性細菌)、または細胞の内膜と外膜との間に位置する細胞周辺腔(グラム陰性細菌)のいずれかへ分泌される。好ましくは、インビボまたはインビトロのいずれかで切断され得る、このシグナルペプチドフラグメントと外来遺伝子との間にコードされる、プロセシング部位が存在する。
適切なシグナル配列をコードするDNAは、E.coli外膜タンパク質遺伝子(ompA)(Masuiら(1983)、Experimetal Manipulation of Gene Expression;Ghrayebら、(1984)EMBO J.3:2437)およびE.coliアルカリホスファターゼシグナル配列(phoA)(Okaら(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.82:7212)のような、分泌性細菌タンパク質に関する遺伝子由来であり得る。さらなる例として、種々のBacillus株由来のα−アミラーゼ遺伝子のシグナル配列は、B.subtilis由来の異種タンパク質を分泌するために使用され得る(Palvaら(1982)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79:5582;EP−A−0244042)。
通常、細菌によって認識される転写終結配列は、翻訳終止コドンの3’側に位置する調節領域であり、そして従って、プロモーターとともに、コード配列に隣接する。これらの配列は、そのDNAによってコードされるポリペプチドへと翻訳され得るmRNAの転写を指向する。転写終結配列は、しばしば、転写の終結を補助するステムループ構造を形成し得る、約50ヌクレオチドのDNA配列を含む。例としては、強力なプロモーターを有する遺伝子(例えば、E.coliのtrp遺伝子および他の生合成遺伝子)由来の転写終結配列を含む。
通常、上記の成分(プロモーター、シグナル配列(もし所望ならば)、目的のコード配列、および転写終結配列を含む)は、組み立てられて発現構築物となる。発現構築物は、しばしば、宿主(例えば細菌)における安定な保持が可能である染色体外エレメント(例えばプラスミド)のような、レプリコンに保持される。このレプリコンは複製系を有し、従って、このことが、発現またはクローニングおよび増幅のいずれかのために、レプリコンが原核生物宿主において保持されることを可能にする。さらに、レプリコンは、高コピー数プラスミドまたは低コピー数プラスミドのいずれかであり得る。高コピー数プラスミドは、一般に約5〜約200、そして通常約10〜約150の範囲のコピー数を有する。高コピー数プラスミドを含む宿主は、好ましくは少なくとも約10個、そしてより好ましくは少なくとも約20個のプラスミドを含む。高コピー数ベクターまたは低コピー数ベクターのいずれかが選択され得、それは、宿主に対するベクターおよび外来タンパク質の効果に依存する。
あるいは、発現構築物は、組み込みベクターを用いて、細菌のゲノムへ組み込まれ得る。組み込みベクターは、通常、ベクターが組み込むのを可能にする、細菌の染色体と相同な少なくとも1つの配列を含む。組み込みは、ベクターにおける相同なDNAと細菌の染色体との間の組換えから生じるようである。例えば、種々のBacillus株からのDNAによって構築される組み込みベクターは、Bacillus染色体に組み込まれる(EP−A−0 127 328)。組み込みベクターはまた、バクテリオファージまたはトランスポゾン配列から構成され得る。
通常、染色体外発現構築物および組み込み発現構築物は、選択マーカーを含んで、形質転換された細菌株の選択を可能にし得る。選択マーカーは、細菌宿主において発現され得、そして細菌が薬物(例えば、アンピシリン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、カナマイシン(ネオマイシン)、およびテトラサイクリン)に耐性になるようにする遺伝子を含み得る(Daviesら(1978)Annu.Rev.Microbiol.32:469)。選択マーカーはまた、ヒスチジン、トリプトファン、およびロイシンの生合成経路における生合成遺伝子のような、生合成遺伝子を含み得る。
あるいは、上記の成分のいくつかは、形質転換ベクターにおいて一緒に組み立てられ得る。形質転換ベクターは、通常、上記のように、レプリコンにおいて保持されるか、または組み込みベクターへと開発されるかのいずれかの選択マーカー(market)から構成される。
発現ベクターまたは形質転換ベクターは、染色体外レプリコンまたは組み込みベクターのいずれも、多くの細菌への形質転換のために開発されてきた。例えば、発現ベクターは、とりわけ、以下の細菌のために開発されてきた:Bacillus subtilis(Palvaら(1982)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79:5582;EP−A−0 036 259およびEP−A−0 063 953;WO 84/04541)、Escherichia coli(Shimatakeら(1981)Nature 292:128;Amannら(1985)Gene 40:183;Studierら(1986)J.Mol.Biol.189:113;EP−A−0 036
776、EP−A−0 136 829およびEP−A−0 136 907)、Streptococcus cremoris(Powellら(1988)Appl.Environ.Microbiol.54:655);Streptococcus lividans(Powellら(1988)Appl.Environ.Microbiol.54:655)、Streptomyces lividans(米国特許第4,745,056号)。
外来DNAを細菌宿主へ導入する方法は、当該分野において周知であり、そして通常、CaCl2または他の薬剤(例えば、2価の陽イオンおよびDMSO)のいずれかで処理された細菌の形質転換を含む。DNAはまた、エレクトロポレーションによって、細菌細胞へ導入され得る。形質転換の手順は、通常、形質転換される細菌の種によって変化する。例えば以下を参照のこと:(Massonら(1989)FEMS Microbiol.Lett.60:273;Palvaら(1982)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79:5582;EP−A−0 036 259およびEP−A−0 063 953;WO 84/04541、Bacillus)、(Millerら(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.85:856;Wangら(1990)J.Bacteriol.172:949、Campylobacter)、(Cohenら(1973)Proc.Natl.Acad.Sci.69:2110;Dowerら(1988)Nucleic Acids Res.16:6127;Kushner(1978)「ColE1由来のプラスミドによるEscherichia coliの形質転換のための改良された方法」Genetic Engineering:Proceedings of the
International Symposium on Genetic Engineering(H.W.BoyerおよびS.Nicosia編);Mandelら(1970)J.Mol.Biol.53:159;Taketo(1988)Biochim.Biophys.Acta 949:318;Escherichia)、(Chassyら(1987)FEMS Microbiol.Lett.44:173 Lactobacillus);(Fiedlerら(1988)Anal.Biochem 170:38、Pseudomonas);(Augustinら(1990)FEMS Microbiol.Lett.66:203、Staphylococcus)、(Baranyら(1980)J.Bacteriol.144:698;Harlander(1987)「エレクトロポレーションによるStreptococcus lactisの形質転換」Streptococcal Genetics(J.FerrettiおよびR.Curtiss III編);Perryら(1981)Infect.Immun.32:1295;Powellら(1988)Appl.Environ.Microbiol.54:655;Somkutiら(1987)Proc.4th Evr.Cong.Biotechnology 1:412、Streptococcus)。
(v.酵母発現)
酵母発現系もまた、当業者に公知である。酵母プロモーターは、酵母RNAポリメラーゼに結合可能であり、そしてコード配列(例えば、構造遺伝子)からmRNAへの下流の(3’側の)転写を開始し得る、任意のDNA配列である。プロモーターは、通常、コード配列の5’末端の近接して位置する転写開始領域を有する。この転写開始領域は、通常、RNAポリメラーゼ結合部位(「TATAボックス」)および転写開始部位を含む。酵母プロモーターはまた、上流アクチベーター配列(UAS)と呼ばれる第2のドメインを有し得、これは、もし存在するならば、通常、構造遺伝子に対して遠位である。このUASは、調節される(誘導性の)発現を可能にする。構成的発現は、UASの非存在下で生じる。調節される発現は、正または負のいずれかであり得、それによって転写を増加させるかまたは減少させるかのいずれかである。
酵母は、活性な代謝経路を有する発酵性生物であり、従って、代謝経路における酵素をコードする配列は、特に有用なプロモーター配列を提供する。例としては、以下が挙げられる:アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)(EP−A−0
284 044)、エノラーゼ、グルコキナーゼ、グルコース−6−リン酸イソメラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPまたはGAPDH)、ヘキソキナーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、3−ホスホグリセリン酸ムターゼ、およびピルビン酸キナーゼ(PyK)(EPO−A−0 329
203)。酸性ホスファターゼをコードする酵母PHO5遺伝子もまた、有用なプロモーター配列を提供する(Myanoharaら(1983)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:1)。
さらに、天然には存在しない合成プロモーターもまた、酵母のプロモーターとして機能する。例えば、ある1つの酵母プロモーターのUAS配列は、別の酵母プロモーターの転写活性化領域と連結され得、合成ハイブリッドプロモーターを生成し得る。このようなハイブリッドプロモーターの例としては、GAP転写活性化領域と連結されるADH調節配列(米国特許第4,876,197号および同第4,880,734号)が挙げられる。ハイブリッドプロモーターの他の例としては、ADH2、GAL4、GAL10、またはPHO5遺伝子のいずれかの調節配列からなり、GAPまたはPyK(EP−A−0 164 556)のような解糖酵素遺伝子の転写活性化領域に結合されているプロモーターが挙げられる。さらに、酵母プロモーターは、酵母RNAポリメラーゼと結合し、そして転写を開始する能力を有する、天然に存在する非酵母起源のプロモーターを含み得る。このようなプロモーターの例としては、とりわけ、以下が挙げられる:(Cohenら、(1980)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:1078;Henikoffら(1981)Nature 283:835;Hollenbergら(1981)Curr.Topics Microbiol.Immunol.96:119;Hollenbergら(1979)「The Expression of Bacterial Antibiotic Resistance Genes in the Yeast Saccharomyces cerevisiae」、Plasmids of
Medical,Environmental and Commercial Importance(K.N.TimmisおよびA.Puhler編);Mercerau−Puigalonら(1980)Gene 11:163;Panthierら(1980)Curr.Genet.2:109;)。
DNA分子は、酵母において、細胞内で発現され得る。プロモーター配列は、このDNA分子と直接連結され得、その場合、組換えタンパク質のN末端にある最初のアミノ酸は常に、ATG開始コドンによってコードされているメチオニンである。もし所望ならば、N末端のメチオニンは、臭化シアンとのインビトロインキュベーションによって、タンパク質から切断され得る。
融合タンパク質は、酵母発現系について、ならびに哺乳動物、バキュロウイルス、および細菌の発現系において、代替物を提供する。通常、内因性酵母タンパク質、または他の安定なタンパク質のN末端部分をコードするDNA配列は、異種コード配列の5’末端に融合される。発現において、この構築物は、2つのアミノ酸配列の融合物を提供する。例えば、酵母またはヒトのスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)遺伝子は、外来遺伝子の5’末端に連結され得、そして酵母において発現され得る。2つのアミノ酸配列の連結部にあるDNA配列は、切断可能部位をコードしてもよいし、コードしなくてもよい。例えば、EP−A−0 196 056を参照のこと。別の例はユビキチン融合タンパク質である。このような融合タンパク質は、外来タンパク質からユビキチンを切断するプロセシング酵素(例えば、ユビキチン特異的プロセシングプロテアーゼ)のための部位を好ましくは保持する、ユビキチン領域を用いて作製される。従って、この方法によって、ネイティブな融合タンパク質は、単離され得る(例えば、WO88/024066)。
あるいは、外来タンパク質はまた、酵母における外来タンパク質の分泌を提供する、リーダー配列フラグメントから構成される融合タンパク質をコードする、キメラDNA分子を作製することによって、細胞から増殖培地へ分泌され得る。好ましくは、インビボまたはインビトロのいずれかで切断され得る、リーダーフラグメントと外来遺伝子との間にコードされるプロセシング部位が存在する。リーダー配列フラグメントは、通常、細胞からのタンパク質の分泌を指向する、疎水性アミノ酸から構成されるシグナルペプチドを、コードする。
適切なシグナル配列をコードするDNAは、分泌性酵母タンパク質に関する遺伝子由来であり得、その遺伝子は例えば、酵母インベルターゼ遺伝子(EP−A−0 012 873;JPO.62,096,086)およびA因子遺伝子(米国特許第4,588,684号)である。あるいは、インターフェロンリーダーのような、酵母における分泌もまた提供する、非酵母起源のリーダーが存在する(EP−A−0 060 057)。
好ましいクラスの分泌リーダーは、酵母α因子遺伝子のフラグメントを使用するリーダーであり、これは「プレ」シグナル配列、および「プロ」領域の両方を含む。用いられ得る型のα因子フラグメントは、全長のプレ−プロα因子リーダー(約83アミノ酸残基)および短縮されたα因子リーダー(通常約25〜約50アミノ酸残基)を含む(米国特許第4,546,083号および同第4,870,008号;EP−A−0 324 274)。分泌を提供するα因子リーダーフラグメントを使用するさらなるリーダーとしては、第1の酵母のプレ配列を有するが、第2の酵母α因子からのプロ領域を有しないで作製される、ハイブリッドα因子リーダーが挙げられる(例えば、WO89/02463を参照のこと)。
通常、酵母によって認識される転写終結配列は、翻訳終止コドンの3’側に位置する調節領域であり、そして従って、プロモーターと共にコード配列に隣接する。これらの配列は、そのDNAにコードされるポリペプチドへと翻訳され得る、mRNAの転写を指向する。転写終結配列および他の酵母に認識される終結配列の例は、例えば、解糖酵素をコードする転写終結配列である。
通常、上記の成分(プロモーター、リーダー(もし所望ならば)、目的のコード配列、および転写終結配列を含む)は、組み立てられて発現構築物になる。発現構築物は、宿主(例えば、酵母または細菌)において安定に保持され得る染色体外エレメント(例えば、プラスミド)のようなレプリコンにおいて、しばしば保持される。このレプリコンは、2つの複製系を有し得、従って、レプリコンが、例えば、発現のために酵母において、ならびにクローニングおよび増幅のために原核生物宿主において保持されることを可能にする。このような酵母−細菌シャトルベクターの例としては、以下が挙げられる:YEp24(Botsteinら(1979)Gene 8:17〜24)、pCl/1(Brakeら(1984)Proc.Natl.Acad.Sci USA 81:4642〜4646)、およびYRp17(Stinchcombら(1982)J.Mol.Biol.158:157)。さらに、レプリコンは、高コピー数プラスミドまたは低コピー数プラスミドのいずれかであり得る。高コピー数プラスミドは、一般に約5〜約200、そして通常約10〜約150の範囲のコピー数を有し得る。高コピー数プラスミドを含む宿主は、好ましくは少なくとも約10個、そしてより好ましくは少なくとも約20個を有する。高コピー数ベクターまたは低コピー数ベクターのいずれかが選択され得、それは、宿主に対するベクターおよび外来タンパク質の効果に依存する。例えば、Brakeら、前出を参照のこと。
あるいは、発現構築物は、組み込みベクターを用いて、酵母のゲノムへ組み込まれ得る。組み込みベクターは、通常、ベクターが組み込むのを可能にする、酵母の染色体と相同な少なくとも1つの配列を含み、そして好ましくは、発現構築物に隣接する2つの相同配列を含む。組み込みは、ベクターにおける相同なDNAと酵母の染色体との間の組換えから生じるようである(Orr−Weaverら(1983)Methods in Enzymol.101:228〜245)。組み込みベクターは、そのベクター中に含有するために適切な相同配列を選択することによって、酵母における特定の遺伝子座に指向され得る。Orr−Weaverら、前出を参照のこと。1つ以上の発現構築物が組み込まれ得、おそらく産生される組換えタンパク質のレベルに影響を与え得る(Rineら(1983)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:6750)。ベクターに含まれる染色体配列は、ベクターにおける単一セグメント(ベクター全体の組み込みを生じる)、または染色体における隣接セグメントに相同でかつベクターにおける発現構築物に隣接する2つのセグメント(発現構築物のみの安定した組み込みを生じ得る)のいずれかとして生じ得る。
通常、染色体外発現構築物および組み込み発現構築物は、選択マーカーを含み、形質転換された酵母株の選択を可能にし得る。選択マーカーは、酵母宿主において発現され得る生合成遺伝子を含み得、それは例えば、ADE2、HIS4、LEU2、TRP1、およびALG7、ならびにG418耐性遺伝子であり、それぞれ、酵母細胞にツニカマイシンおよびG418に対する耐性を付与する。さらに、適切な選択マーカーはまた、金属のような毒性化合物の存在下において増殖する能力を有する酵母を提供し得る。例えば、CUP1の存在は、酵母が、銅イオンの存在下において増殖することを可能にする(Buttら(1987)Microbiol.Rev.51:351)
あるいは、上記の成分のうちのいくつかは、組み立てられて形質転換ベクターになり得る。形質転換ベクターは、通常、上記のように、レプリコンのままで保持されるか、または組み込みベクターに開発されるかのいずれかである、選択マーカーを含む。
発現ベクターおよび形質転換ベクターは、染色体外レプリコンまたは組み込みベクターのいずれかであり、多くの酵母への形質転換のために開発されてきた。例えば、発現ベクターは、とりわけ、以下の酵母のために開発されてきた:Candida albicans(Kurtzら(1986)Mol.Cell.Biol.6:142)、Candida maltosa(Kunzeら(1985)J.Basic Microbiol.25:141)。Hansenula polymorpha(Gleesonら(1986)J.Gen.Microbiol.132:3459;Roggenkampら(1986)Mol.Gen.Genet.202:302)、Kluyveromyces fragilis(Dasら(1984)J.Bacteriol.158:1165)、Kluyveromyces lactis(De Louvencourtら(1983)J.Bacteriol.154:737;Van den Bergら(1990)Bio/Technology 8:135)、Pichia guillerimondii(Kunzeら(1985)J.Basic Microbiol.25:141)、Pichia pastoris(Creggら(1985)Mol.Cell.Biol.5:3376;米国特許第4,837,148号および同第4,929,555号)、Saccharomyces cerevisiae(Hinnenら(1978)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75:1929;Itoら(1983)J.Bacteriol.153:163)、Schizosaccharomyces pombe(BeachおよびNurse(1981)Nature 300:706)、およびYarrowia lipolytica(Davidowら(1985)Curr.Genet.10:380471;Gaillardinら(1985)Curr.Genet.10:49)。
外因性DNAを酵母宿主へ導入する方法は、当該分野において周知であり、そして通常、スフェロプラストの、またはアルカリ陽イオンで処置されたインタクトな酵母細胞のいずれかの形質転換を含む。形質転換の手順は、通常、形質転換される酵母の種によって変化する。例えば以下を参照のこと:(Kurtzら(1986)Mol.Cell.Biol.6:142;Kunzeら(1985)J.Basic Microbiol.25:141;Candida);(Gleesonら(1986)J.Gen.Microbiol.132:3459;Roggenkampら(1986)Mol.Gen.Genet.202:302;Hansenula);(Dasら(1984)J.Bacteriol.158:1165;De Louvencourtら(1983)J.Bacteriol.154:1165;Van den Bergら(1990)Bio/Technology 8:135;Kluyveromyces);(Creggら(1985)Mol.Cell.Biol.5:3376;Kunzeら(1985)J.Basic Microbiol.25:141;米国特許第4,837,148号および同第4,929,555号;Pichia);(Hinnenら(1978)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75:1929;Itoら(1983)J.Bacteriol.153:163 Saccharomyces);(BeachおよびNurse(1981)Nature 300:706;Schizosaccharomyces);(Davidowら(1985)Curr.Genet.10:39;Gaillardinら(1985)Curr.Genet.10:49;Yarrowia)。
(抗体)
本明細書中で使用される場合、用語「抗体」とは、少なくとも1つの抗体結合部位から構成されるポリペプチドまたはポリペプチド群をいう。「抗体結合部位」は、内部表面形状および抗原のエピトープの特徴に相補的な電荷分布を有する、3次元結合空間であり、これが、抗体と抗原の結合を可能にする。「抗体」としては、例えば、脊椎動物抗体、ハイブリッド抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、改変された抗体、単価抗体、Fabタンパク質、および単一ドメイン抗体が挙げられる。
本発明のタンパク質に対する抗体は、親和性クロマトグラフィー、免疫アッセイ、およびストレプトコッカスタンパク質の識別/同定に有用である。
本発明のタンパク質に対する抗体(ポリクローナルおよびモノクローナルの両方)は、従来の方法によって調製され得る。一般に、タンパク質は、最初に、適切な動物、好ましくはマウス、ラット、ウサギ、またはヤギを免疫するために使用される。ウサギおよびヤギは、得られ得る血清の容量、および標識された抗ウサギ抗体および抗ヤギ抗体の入手可能性に起因して、ポリクローナル血清の調製のために好ましい。免疫は、一般的に、タンパク質を生理的食塩水(好ましくはフロイント完全アジュバントのようなアジュバント)に混合または乳化し、そして混合物または乳化物を非経口的に(一般的に皮下、または筋肉内に)注射することによって、行われる。50〜200μg/注射の用量が、代表的に十分である。免疫は、一般的に、2〜6週後に生理的食塩水(好ましくはフロイント不完全アジュバントを用いて)中のタンパク質の1回以上の注射でブーストされる。あるいは、当該分野において公知の方法を使用するインビトロ免疫によって抗体を産生し得、これは、本発明の目的にとっては、インビボ免疫に等しいとみなされる。ポリクローナル抗血清は、免疫された動物からガラスまたはプラスチック製の容器へ採血し、その血液を25℃で1時間インキュベートし、その後4℃で2〜18時間インキュベートすることによって得られる。この血清は、遠心分離(例えば1,000g、10分間)によって回収される。ウサギから、採血1回につき約20〜50mlが得られ得る。
モノクローナル抗体は、KohlerおよびMilstein(Nature(1975)256:495〜96)の標準的方法、またはその改変版を使用して調製される。代表的には、マウスまたはラットが、上記のように免疫される。しかし、血清を抽出するために動物から採血するよりも、脾臓(および必要に応じていくつかの大きなリンパ節)が取り出され、そして単一の細胞へ解離される。所望の場合、脾臓細胞は、(非特異的付着細胞の除去後)細胞懸濁液をタンパク質抗原でコーティングされたプレートまたはウェルへ適用することによって、スクリーニングされ得る。この抗原に特異的な膜結合免疫グロブリンを発現するB細胞は、このプレートに結合し、そして残りの懸濁液によって、洗い落とされない。得られたB細胞、または全ての解離された脾臓細胞は、次に骨髄腫細胞と融合するように誘導されてハイブリドーマを形成し、そして選択培地(例えばヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン培地、「HAT」)において培養される。得られたハイブリドーマは、限界希釈によってプレーティングされ、そして免疫する抗原に対して特異的に結合する(かつ関連しない抗原に結合しない)抗体の産生についてアッセイされる。選択されたMAb分泌ハイブリドーマは、次にインビトロ(例えば、組織培養瓶または中空線維リアクター中で)、またはインビボ(マウスにおける腹水として)のいずれかで培養される。
所望の場合、抗体は(ポリクローナルまたはモノクローナルいずれであっても)、従来技術を使用して標識され得る。適切な標識としては、以下が挙げられる:発蛍光団、発色団、放射性原子(特に32Pおよび125I)、電子密度試薬、酵素、および特異的結合パートナーを有するリガンド。酵素は、代表的に、その活性によって検出される。例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼは、通常、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)を青い色素(分光光度計を用いて定量可能)へ変換するその能力によって、検出される。「特異的結合パートナー」とは、高い特異性でリガンド分子に結合し得るタンパク質をいい、例えば、抗原およびそれに特異的なモノクローナル抗体の場合である。他の特異的結合パートナーは、ビオチンおよびアビジンまたはストレプトアビジン、IgGおよびプロテインA、ならびに当該分野において公知の多くのレセプター−リガンド対を含む。同じ標識がいくつかの異なる様式で働き得るので、上記が、種々の標識を別個のクラスへ分類することを意味しないことは、理解されるべきである。例えば、125Iは、放射性標識として、または電子密度試薬として働き得る。HRPは、酵素として、またはMAbについての抗原として働き得る。さらに、所望の効果のために、種々の標識を組合せ得る。例えば、MAbおよびアビジンはまた、本発明の実施において、標識を必要とする。従って、MAbをビオチンで標識して、そして125Iで標識したアビジン、またはHRPで標識した抗ビオチンMAbで、その存在を検出し得る。他の置換および可能性は、当業者に容易に明らかであり、そして本発明の範囲内に等しいとみなされる。
(薬学的組成物)
薬学的組成物は、本発明のポリペプチド、抗体または核酸のいずれかを含み得る。この薬学的組成物は、治療上有効な量の、本願発明のポリペプチド、抗体、またはポリヌクレオチドのいずれかを含む。
本明細書において使用される場合、用語「治療上有効な量」とは、所望の疾患または状態を処置、改善、または予防するための治療剤の量、または、検出可能な治療効果または予防効果を示すための治療剤の量をいう。この効果は、例えば、化学マーカーまたは抗原レベルによって検出され得る。治療効果はまた、体温低下のような、身体の症状における減少を含む。被験体に関する正確な有効量は、被験体の大きさおよび健康、状態の性質および程度、および投与のために選択される治療または治療の組合せに依存する。従って、あらかじめ正確な有効量を特定することは有用ではない。しかし、所定の情況のための有効量は、慣用的な実験によって決定され得、そして臨床医の判断内である。
本発明の目的のために、有効な用量は、投与される個体において、本発明の分子の約0.01mg/kg〜50mg/kgまたは0.05mg/kg〜約10mg/kgである。
薬学的組成物はまた、薬学的に受容可能なキャリアを含み得る。用語「薬学的に受容可能なキャリア」とは、抗体またはポリペプチド、遺伝子、および他の治療剤のような治療剤の投与のためのキャリアをいう。この用語は、この組成物を受け取る個体に有害な抗体の産生をそれ自体誘導せず、そして、過度の毒性を伴わずに投与され得る任意の薬学的キャリアをいう。適切なキャリアは、タンパク質、多糖、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、重合アミノ酸、アミノ酸コポリマー、および不活性ウイルス粒子のように、大きく、ゆっくり代謝される高分子であり得る。このようなキャリアは、当業者に周知である。
薬学的に受容可能な塩が、その中で使用され得る。例えば、塩酸塩、臭化水素塩、リン酸塩、硫酸塩などのような鉱酸塩;および酢酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩、安息香酸塩などのような有機酸の塩である。薬学的に受容可能な賦形剤の徹底的な議論は、Remington’s Pharmaceutical
Sciences(Mack Pub.Co.、N.J.1991)にて利用可能である。
治療組成物における薬学的に受容可能なキャリアは、水、生理的食塩水、グリセロールおよびエタノールのような液体を含み得る。さらに、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝物質などのような補助物質が、このようなビヒクル中に存在し得る。代表的には、治療組成物は、液体溶液または懸濁液のいずれかの、注射可能物質として調製される;注射前に液体ビヒクル中の溶液または懸濁液として適切な固体形態もまた、調製され得る。リポソームは、薬学的に受容可能なキャリアの定義中に含まれる。
(送達方法)
一旦処方されると、本発明の組成物は、被験体へ直接投与され得る。処置される被験体は、動物であり得;特に、ヒト被験体が処置され得る。
その組成物の直接送達は、一般的に、皮下的に、腹腔内に、静脈内に、または筋肉内のいずれかでの注入によって達成されるか、あるいは、組織の間質空間へ送達される。この組成物はまた、病巣へ投与され得る。他の投与様式には、経口投与、および肺投与、坐剤、および経皮(transdermal)適用または経皮(transcutaneous)適用(例えば、WO98/20734を参照のこと)、針、および遺伝子銃またはハイポスプレー(hypospray)が含まれる。投薬処置は、単回用量スケジュール、または多数回用量スケジュールであり得る。
(ワクチン)
本発明に従うワクチンは、予防的(すなわち、感染を予防するため)または治療(すなわち、感染後の疾患を処置するため)のいずれかであり得る。
このようなワクチンは、免疫抗原、免疫原、ポリペプチド、タンパク質または核酸を、通常「薬学的に受容可能なキャリア」とともに含み、このキャリアとしては、それ自体が、その組成物を受ける個体に有害である抗体の産生を誘発しない任意のキャリアが挙げられる。適切なキャリアは、代表的に、大きく、ゆっくり代謝される高分子(例えば、タンパク質、多糖、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、重合アミノ酸、アミノ酸コポリマー、脂質凝集物(例えば、油小滴またはリポソーム)、および不活性ウイルス粒子)である。このようなキャリアは、当業者に周知である。さらに、これらのキャリアは免疫刺激薬剤(「アジュバント」)として機能し得る。さらに、この抗原または免疫原は、細菌毒素(例えば、ジフテリア、破傷風、コレラ、H.pyloriなどの病原体由来の毒素)と結合体化され得る。
この組成物の効力を増強するために好ましいアジュバントとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:(1)水中油懸濁処方物(他の特定の免疫刺激薬剤(例えば、ムラミルペプチド(以下を参照のこと)または細菌細胞壁成分)を伴うか伴わない)、例えば、以下:(a)μ未満の粒子に微小流体化機械を用いて処方される、5%スクアレン、0.5% Tween 80、および0.5% Span85(必要に応じて、MTP−PEを含有する)を含む、MF59TM(WO90/14837;Vaccine Design−the subunit and adjuvant approach、Powell & Newman、編、1995の第10章);(b)μ未満のエマルジョンへと微小流体化されたか、またはボルテックスして、より大きな粒子径エマルジョンを生成したかのいずれかである、10%スクアレン、0.4%Tween80、5%プルロニックブロックポリマーL121、およびthr−MDPを含有するSAF、ならびに(c)2%スクアレン、0.2%Tween80、およびモノホスホリピドA(MPL)、トレハロースジミコレート(TDM)、および細胞壁骨格(CWS)(好ましくはMPLおよびCWS(DetoxTM))からなる群由来の1つ以上の細菌細胞壁成分を含むRibiTMアジュバント系(RAS)、(Ribi Immunochem、Hamilton、MT);(2)サポニンアジュバント(例えば、QS21またはStimulonTM)(Cambridge Bioscience、Worcester、MA)を使用し得るか、またはそれから粒子(例えば、ISCOM(免疫刺激性複合体)(このISCOMSは、さらなる界面活性剤を欠き得る)を生成し得る)、例えば、WO00/07621;(3)完全フロイントアジュバント(CFA)および不完全フロイントアジュバント(IFA);(4)サイトカイン(例えば、インターロイキン(例えば、IL−1、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−12(WO99/44636)など)、インターフェロン(例えば、γインターフェロン)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、腫瘍壊死因子(TNF)など;(5)モノホスホリルリピドA(MPL)または3−O−デアシル化MPL(3dMPL)、例えば、GB−2220221,EP−A−0689454;(6)3dMPLと、例えば、QS21および/または水中油エマルジョンとの組み合わせ、例えば、EP−A−0835318、EP−A−0735898、EP−A−0761231;(7)シトシンの代わりに必要に応じて使用される5−メチルシトシンを有する、CpGモチーフを含む(すなわち、少なくとも1つのCGジヌクレオチドを含む)オリゴヌクレオチド[Krieg Vaccine 2000,19,618−622;Krieg
Curr opin Mol Ther 2001 3:15−24;Romanら,Nat.Med.,1997,3,849−854;Weinerら,PNAS USA,1997,94,10833−10837;Davisら,J.Immunol.,1998,160,870−876;Chuら,J.Exp.Med.,1997,186,1623−1631;Lipfordら,Eur.J.Immunol.,1997,27,2340−2344;Moldoveanuら,Vaccine,1988,16,1216−1224,Kriegら,Nature,1995,374,546−549;Klinmanら,PNAS USA,1996,93,2879−2883;Ballasら,J.Immunol.,1996,157,1840−1845;Cowderyら,J.Immunol.,1996,156,4570−4575;Halpernら,Cell.Immunol.,1996,167,72−78;Yamamotoら,Jpn.J.Cancer Res.,1988,79,866−873;Staceyら,J.Immunol.,1996,157,2116−2122;Messinaら,J.Immunol.,1991,147,1759−1764;Yiら,J.Immunol.,1996,157,4918−4925;Yiら,J.Immunol.,1996,157,5394−5402;Yiら,J.Immunol.,1998,160,4755−4761;およびYiら,J.Immunol.,1998,160,5898−5906;国際特許出願WO96/02555,WO98/16247,WO98/18810,WO98/40100,WO98/55495,WO98/37919およびWO98/52581];(8)ポリオキシエチレンエーテルまたはポリオキシエチレンエステル、例えば、WO99/52549;(9)オクトキシノールと組み合わせた、ポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤(例えば、WO01/21207)または少なくとも1つのさらなる非イオン性界面活性剤(例えばオクトキシノール)と組み合わせた、ポリオキシエチレンアルキルエーテルまたはポリオキシエチレンアルキルエステルの界面活性剤(例えば、WO01/21152);(10)免疫刺激オリゴヌクレオチド(例えば、CpGオリゴヌクレオチド)およびサポニン、例えば、WO00/62800;(11)免疫刺激剤および金属塩の粒子、例えば、WO00/23105;(12)サポニンおよび水中油エマルジョン、例えば、WO99/11241;(13)サポニン(例えば、QS21)+3dMPL+IL−12(必要に応じて+ステロール))、例えば、WO98/57659;(14)アルミニウム塩(好ましくは、水酸化アルミニウムまたはリン酸アルミニウムであるが、任意の他の適切な塩もまた使用され得る(例えば、ヒドロキシリン酸塩、オキシヒドロキシド、オルトリン酸塩、硫酸塩など[例えば、Powell&Newmanの第8章および9章を参照のこと])。異なるアルミニウム塩の混合物もまた使用され得る。この塩は、任意の適切な形態を取り得る(例えば、ゲル、結晶、非晶質など);(15)免疫刺激剤として作用して、組成物の効力を増強するように作用する他の物質。アルミニウム塩および/またはMF59TMが好ましい。
上記で言及したように、ムラミルペプチドとしては、N−アセチル−ムラミル−L−スレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP)、N−アセチル−ノルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(ノル−MDP)、N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミン(MTP−PE)などが挙げられるが、それらに限定されない。
免疫原性組成物(例えば、免疫抗原/免疫原/ポリペプチド/タンパク質/核酸、薬学的に受容可能なキャリア、およびアジュバント)は、代表的に、希釈剤(例えば、水、生理食塩水、グリセロール、エタノールなど)を含有する。さらに、補助物質(例えば、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝物質など)は、このようなビヒクル中に存在し得る。
代表的に、免疫原性組成物は、液体溶液または懸濁物のいずれかとして、注射可能なように調製され;注射前に液体ビヒクルにおける溶液または懸濁物として適切な固体形態もまた調製され得る。この調製物はまた、薬学的に受容可能なキャリアの下で、上記に記載のように、アジュバント効果の強化のために乳化され得るかまたはリポソーム中にカプセル化され得る。
ワクチンとして使用される免疫原性組成物は、免疫学的有効量の抗原性または免疫原性のポリペプチド、および任意の他の上記の成分を必要に応じて含む。「免疫学的有効量」とは、個体へのその量の投与が、単回用量であれ、一連の(用量の)一部としてであれ、処置または予防に有効であることを意味する。この量は、処置される個体の健康および身体状態、処置される個体の分類学上の群(例えば、非ヒト霊長類、霊長類など)、個体の免疫系が抗体を合成する能力、所望される保護の程度、そのワクチンの処方、処置する医師の医療的状況の評価、および他の関連する因子に依存して変動する。その量は、比較的広い範囲であり、この量が慣用的な試行を通して決定され得ることが予想される。
免疫原性組成物は、従来のように、非経口的(例えば、皮下、筋肉内または経皮(transudermally)/経皮(transcutaneously)のいずれかでの注射による)に投与される(例えば、WO98/20734)。他の投与様式に適切なさらなる処方物としては、経口処方物および肺処方物、坐剤、ならびに経皮適用を含む。投薬処置は、単回用量スケジュールまたは多数回用量スケジュールであり得る。ワクチンは、他の免疫調節剤と組み合わせて投与され得る。
タンパク質ベースのワクチンの代替として、DNAワクチンが使用され得る(例えば、RobinsonおよびTorres(1997)Seminars in Immunol 9:271−283;Donnellyら(1997)Annu Rev Immunol 15:617−648;本明細書以下を参照のこと)。
(遺伝子送達ビヒクル)
本発明の治療剤のコード配列を含む、哺乳動物における発現のためにその哺乳動物へ送達される構築物の送達のための遺伝子治療ビヒクルは、局所的または全身的のいずれかで投与され得る。これらの構築物は、ウイルスベクターアプローチまたは非ウイルスベクターアプローチを、インビボまたはエキソビボの様式で利用し得る。このようなコード配列の発現は、内因性哺乳動物プロモーターまたは異種プロモーターを用いて誘導され得る。このコード配列のインビボでの発現は、構成的かまたは調節されるかのいずれかであり得る。
本発明は、意図された核酸配列を発現し得る遺伝子送達ビヒクルを含む。この遺伝子送達ビヒクルは、好ましくは、ウイルスベクター、およびより好ましくはレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、ヘルペスウイルスベクターまたはアルファウイルスベクターである。このウイルスベクターはまた、アストロウイルスベクター、コロナウイルスベクター、オルトミクソウイルスベクター、パポバウイルスベクター、パラミクソウイルスベクター、パルボウイルスベクター、ピコルナウイルスベクター、ポックスウイルスベクター、またはトガウイルスベクターであり得る。一般的には、Jolly(1994)Cancer Gene Therapy 1:51−64;Kimura(1994)Human Gene Therapy 5:845−852;Connelly(1995)Human Gene Therapy 6:185−193;およびKaplitt(1994)Nature Genetics 6:148−153を参照のこと。
レトロウイルスベクターは、当該分野で周知であり、そして本発明者らは、任意のレトロウイルス遺伝子治療ベクターが本発明において使用可能であることを意図する。これには、B型、C型およびD型のレトロウイルス、異種栄養性レトロウイルス(例えば、NZB−X1、NZB−X2およびNZB9−1(O’Neill(1985)J.Virol.53:160を参照のこと))、多栄養性レトロウイルス(例えば、MCFおよびMCF−MLV(Kelly(1983)J.Virol.45:291を参照のこと))、スプマウイルスおよびレンチウイルスが含まれる。RNA Tumor Viruses、第2版、Cold Spring Harobor Laboratory、1985を参照のこと。
レトロウイルス遺伝子治療ベクターの部分は、異なるレトロウイルスに由来し得る。例えば、レトロウイルスLTRは、マウス肉腫ウイルスに由来し得、tRNA結合部位はラウス肉腫ウイルスに由来し得、パッケージングシグナルはマウス白血病ウイルスに由来し得、そして第二鎖合成の起点はトリ白血病ウイルスに由来し得る。
これらの組換えレトロウイルスベクターを使用して、適切なパッケージング細胞株へそれらを導入することによって、形質導入適合性レトロウイルスベクター粒子を生成し得る(米国特許第5,591,624号を参照のこと)。レトロウイルスベクターは、レトロウイルス粒子へのキメラインテグラーゼ酵素の組込みによって、宿主細胞DNAへの部位特異的組込みのために構築され得る(WO96/37626号を参照のこと)。この組換えウイルスベクターは複製欠損組換えウイルスであることが好ましい。
上記に記載のレトロウイルスベクターを伴う使用について適切なパッケージング細胞株は、当該分野で周知であり、容易に調製され(WO95/30763号およびWO92/05266号を参照のこと)、そしてこれを使用して、組換えベクター粒子の生産のためのプロデューサー細胞株(これは、ベクター細胞株、すなわち「VCL」とも称される)を作製し得る。好ましくは、このパッケージング細胞株は、ヒトの親細胞(例えば、HT1080細胞)またはミンク親細胞株から作製され、これは、ヒト血清における不活化を除去する。
レトロウイルス遺伝子治療ベクターの構築のために好ましいレトロウイルスとしては、トリ白血病ウイルス、ウシ白血病ウイルス、マウス白血病ウイルス、ミンク細胞フォーカス形成ウイルス、マウス肉腫ウイルス、細網内皮症ウイルス、およびラウス肉腫ウイルスが挙げられる。特に好ましいマウス白血病ウイルスとしては、4070Aおよび1504A(HartleyおよびRowe(1976)J Virol 19:19−25)、Abelson(ATCC番号VR−999)、Friend(ATCC番号VR−245)、Graffi、Gross(ATCC番号VR−590)、Kirsten、Harvey肉腫ウイルスおよびRauscher(ATCC番号VR−998)およびモロニーマウス白血病ウイルス(ATCC番号VR−190)が挙げられる。このようなレトロウイルスベクターは、寄託機関または収集機関(例えば、Rockville、MarylandのAmerican Type Cultue Collection(「ATCC」))から入手し得るか、または一般に利用可能な技術を用いて公知の供給源から単離され得る。
本発明において使用可能な例示的な公知のレトロウイルス遺伝子治療ベクターとしては、特許出願GB2200651、EP0415731、EP0345242、EP0334301、WO89/02468;WO89/05349、WO89/09271、WO90/02806、WO90/07936、WO94/03622、WO93/25698、WO93/25234、WO93/11230、WO93/10218、WO91/02805、WO91/02825、WO95/07994、米国特許第5,219,740号、同第4,405,712号、同第4,861,719号、同第4,980,289号、同第4,777,127号、同第5,591,624号に記載されるベクターが挙げられる。Vile(1993)Cancer Res 53:3860−3864;Vile(1993)Cancer Res 53:962−967;Ram(1993)Cancer Res 53(1993)83−88;Takamiya(1992)J Neurosci Res 33:493−503;Baba(1993)J Neurosurg 79:729−735;Mann(1983)Cell 33:153;Cane(1984)Proc Natl Acad Sci 81;6349;およびMiller(1990)Human Gene Therapy 1もまた参照のこと。
ヒトアデノウイルス遺伝子治療ベクターもまた当該分野で公知であり、そして本発明において使用可能である。例えば、Berkner(1988)Biotechniques 6:616およびRosenfeld(1991)Science 252:431、ならびにWO93/07283、WO93/06223、およびWO93/07282を参照のこと。本発明において使用可能な例示的な公知のアデノウイルス遺伝子治療ベクターとしては、上記に参照される文書およびWO94/12649、WO93/03769、WO93/19191、WO94/28938、WO95/11984、WO95/00655、WO95/27071、WO95/29993、WO95/34671、WO96/05320、WO94/08026、WO94/11506、WO93/06223、WO94/24299、WO95/14102、WO95/24297、WO95/02697、WO94/28152、WO94/24299、WO95/09241,WO95/25807、WO95/05835、WO94/18922およびWO95/09654において記載されるベクターが挙げられる。あるいは、Curiel(1992)Hum.Gene Ther.3:147−154に記載されるような殺傷したアデノウイルスに連結したDNAの投与が使用され得る。本発明の遺伝子送達ビヒクルはまた、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む。本発明における使用のためのこのようなベクターの主要かつ好ましい例は、Srivastava WO93/09239に開示されるAAV−2ベースのベクターである。最も好ましいAAVベクターは、2つのAAV逆方向末端反復を含む。ここで、ネイティブのD配列は、ヌクレオチドの置換によって改変され、その結果、少なくとも5つのネイティブなヌクレオチドおよび18までのネイティブヌクレオチド、好ましくは少なくとも10のネイティブヌクレオチドから18までのネイティブヌクレオチド、最も好ましくは10のネイティブヌクレオチドが維持され、そしてD配列の残りのヌクレオチドは欠失しているか、またはネイティブでないヌクレオチドで置換されている。AAV逆方向末端反復のネイティブなD配列は、各AAV逆方向末端反復において(すなわち、各末端に1つの配列が存在する)20の連続するヌクレオチドの配列であって、これは、HP形成に関与しない。ネイティブでない置換ヌクレオチドは、同じ位置でのネイティブなD配列に見出されるヌクレオチド以外の任意のヌクレオチドであり得る。他の使用可能な例示的なAAVベクターは、pWP−19、pWN−1であり、これらは両方ともNahreini(1993)Gene 124:257−262に開示される。このようなAAVベクターの別の例は、psub201である(Samulski(1987)J.Virol.61:3096を参照のこと)。別の例示的なAAVベクターは、Double−D ITRベクターである。Double−D ITRベクターの構築は、米国特許第5,478,745号に開示される。なお他のベクターは、Carter 米国特許第4,797,368号およびMuzyczka 米国特許第5,139,941号、Chartejee 米国特許第5,474,935号ならびにKotin WO94/288157に開示されるベクターである。本発明において使用可能なAAVベクターのなおさらなる例は、SSV9AFABTKneoであり、これは、AFPエンハンサーおよびアルブミンプロモーターを含み、そして肝臓において優性に発現を指向する。その構造および構築は、Su(1996)Human Gene Therapy 7:463−470に開示される。さらなるAAV遺伝子治療ベクターは、米国特許第5,354,678号、同第5,173,414号、同第5,139,941号、および同第5,252,479号に開示される。
本発明の遺伝子治療ベクターはまた、ヘルペスウイルスベクターを含む。主要かつ好ましい例は、チミジンキナーゼポリペプチドをコードする配列を含む単純ヘルペスウイルスベクター(例えば、米国特許第5,288,641号、およびEP0176170(Roizman)に開示されるもの)である。さらなる例示的な単純ヘルペスウイルスベクターは、WO95/04139(Wistar
Institute)に開示されるHFEM/ICP6−lacZ、Geller(1988)Science 241:1667−1669ならびにWO90/09441およびWO92/07945に記載されるpHSVlac、Fink(1992)Human Gene Therapy 3:11−19に記載されるHSV Us3::pgC−lacZ、ならびにEP0453242(Breakefield)に記載されるHSV 7134、2RH 105およびGAL4、ならびにATCCに受託番号ATCC VR−977およびATCC VR−260として寄託されたものを含む。
意図されるのはまた、本発明において使用され得るアルファウイルス遺伝子治療ベクターである。好ましいアルファウイルスベクターは、シンドビスウイルスベクターである。トガウイルス、セムリキ森林ウイルス(ATCC VR−67;ATCC VR−1247)、Middlebergウイルス(ATCC VR−370)、ロスリバーウイルス(ATCC VR−373;ATCC VR−1246)、ベネズエラウマ脳脊髄炎ウイルス(ATCC VR−923;ATCC VR−1250;ATCC VR−1249;ATCC VR−532)ならびに米国特許第5,091,309号、同第5,217,879号、およびWO92/10578に記載されるもの。より詳細には、米国特許出願第08/405,627号(1995年3月15日出願)、WO94/21792号、WO92/10578号、WO95/07994号、米国特許第5,091,309号、および米国特許第5,217,879号に記載されるそれらのアルファウイルスベクターが使用可能である。このようなアルファウイルスは、Rockville、MarylandのATCCのような寄託機関または収集機関から入手し得るか、または一般的に利用可能な技術を用いて公知の供給源から単離され得る。好ましくは、細胞傷害性が減少したアルファウイルスベクターを使用する(米国特許出願番号08/679640号を参照のこと)。
DNAベクター系(例えば、真核細胞層状発現系)もまた、本発明の核酸の発現について有用である。真核生物層状発現系の詳細な説明についてはWO95/07994を参照のこと。好ましくは、本発明の真核細胞層状発現系はアルファウイルスベクターに由来し、そして最も好ましくはシンドビスウイルスベクターに由来する。
本発明における使用に適切な他のウイルスベクターとしては、ポリオウイルス(例えば、ATCC VR−58およびEvans、Nature 339(1989)385およびSabin(1973)J.Biol.Standardization 1:115に記載されるもの;リノウイルス、例えば、ATCC VR−1110およびArnold(1990)J Cell Biochem L401に記載されるもの;ポックスウイルス(例えば、カナリアポックスルウイルスまたはワクシニアウイルス(例えば、ATCC VR−111およびATCC VR−2010ならびにFisher−Hoch(1989)Proc Natl Acad Sci 86:317;Flexner(1989)Ann NY Acad Sci 569:86、Flexner(1990)Vaccine 8:17;米国特許第4,603,112号および同第4,769,330号ならびにWO89/01973号に記載されるもの));SV40ウイルス(例えば、ATCC VR−305およびMulligan(1979)Nature 277:108およびMadzak(1992)J Gen Virol 73:1533に記載されるもの);インフルエンザウイルス(例えば、ATCC VR−797ならびに米国特許第5,166,057号およびEnami(1990)Proc Natl Acad Sci 87:3802−3805;EnamiおよびPalese(1991)J Virol
65:2711−2713およびLuytjes(1989)Cell 59:110(McMichael(1983)NEJ Med 309:13ならびにYap(1978)Nature 273:238およびNature(1979)277:108もまた参照のこと)に記載されるような逆遺伝学技術を使用して作製した組換えインフルエンザウイルス);EP−0386882およびBuchschacher(1992)J.Virol.66:2731に記載されるようなヒト免疫不全ウイルス;麻疹ウイルス(例えば、ATCC VR−67およびVR−1247ならびにEP−0440219に記載されるもの);アウラウイルス(例えば、ATCC VR−368);ベバルウイルス(例えば、ATCC VR−600およびATCC VR−1240);カバス(Cabassou)ウイルス(例えば、ATCC VR−922);チクングンヤウイルス(例えば、ATCC VR−64およびATCC VR−1241);フォートモーガン(Fort Morgan)ウイルス(例えば、ATCC VR−924);ゲタウイルス(例えば、ATCC VR−369およびATCC VR−1243);キジラガハ(Kyzylagach)ウイルス(例えば、ATCC VR−927);マヤロウイルス(例えば、ATCC VR−66);ムカンボウイルス(例えば、ATCC VR−580およびATCC VR−1244);ヌヅムウイルス(例えば、ATCC VR−371);ピクスナウイルス(例えば、ATCC VR−372およびATCC VR−1245);トナテ(Tonate)ウイルス(例えば、ATCC VR−925);トリニティウイルス(例えば、ATCC VR−469);ユナウイルス(例えば、ATCC VR−374);ワタロアウイルス(例えば、ATCC VR−926);Y−62−33ウイルス(例えば、ATCC VR−375);オニョンニョンウイルス、東部ウマ脳脊髄炎ウイルス(例えば、ATCC VR−65およびATCC VR−1242);西部ウマ脳脊髄炎ウイルス(例えば、ATCC VR−70、ATCC VR−1251、ATCC VR−622およびATCC VR−1252);ならびにコロナウイルス(例えば、ATCC VR−740)およびHamre(1966)Proc Soc Exp Biol Med 121:190に記載のものが挙げられる。
本発明の組成物の細胞への送達は、上記に言及したウイルスベクターに限定されない。他の送達方法および媒体が使用され得る(例えば、核酸発現ベクター、殺傷したアデノウイルスに連結したかまたは連結してないポリカチオン性縮合DNA単独(例えば、米国特許出願番号08/366,787(1994年12月30日出願)およびCuriel(1992)Hum Gene Ther 3:147−154を参照のこと)、リガンド連結DNA(例えば、Wu(1989)J Biol Chem 264:16985−16987を参照のこと)、真核生物細胞送達ビヒクル細胞(例えば、米国特許出願番号08/240,030(1994年5月9日出願)および米国特許出願番号08/404,796を参照のこと)、光重合化ヒドロゲル物質の沈着、手動の遺伝子送達粒子銃(米国特許第5,149,655号に記載されるような)、米国特許第5,206,152号およびWO92/11033に記載されるような電離放射線、核酸電荷中和または細胞膜との融合)。さらなるアプローチは、Philip(1994)Mol Cell Biol 14:2411−2418およびWoffendin(1994)Proc Natl Acad Sci 91:1581−1585に記載される。
粒子媒介遺伝子送達が使用され得る(例えば、米国特許出願60/023,867号を参照のこと)。手短には、配列を、高レベル発現のための従来の制御配列を含む従来のベクターに挿入し得、次いで細胞標的化リガンド(例えば、WuおよびWu(1987)J.Biol.Chem.262:4429−4432に記載されるようなアシアロオロソムコイド、Hucked(1990)Biochem Pharmacol 40:253−263に記載されるようなインスリン、Plank(1992)Bioconjugate Chem 3:533−539に記載されるようなガラクトース、ラクトースまたはトランスフェリン)に連結された合成遺伝子送達分子(例えば、重合DNA結合カチオン様ポリリジン、プロタミンおよびアルブミン)とともにインキュベートされ得る。
裸のDNAもまた使用され得る。例示的な裸のDNA導入方法は、WO90/11092および米国特許第5,580,859号に記載される。取り込み効率は、生体分解性のラテックスビーズを用いて改良され得る。DNAコートラテックスビーズは、ビーズによるエンドサイトーシス開始の後に効率よく細胞へと輸送される。この方法は、ビーズを処理して疎水性を高め、それによってエンドソームの破壊および細胞質へのDNAの放出を容易にすることによってさらに改良され得る。
遺伝子送達ビヒクルとして作用し得るリポソームは、米国特許第5,422,120号、WO95/13796、WO94/23697、WO91/14445、およびEP−524,968に記載される。米国特許出願60/023,867に記載されるように、非ウイルス性送達において、ポリペプチドをコードする核酸配列は、高レベル発現のために従来の制御配列を含む従来のベクターへと挿入され得、次いで細胞標的化リガンド(例えば、アシアロオロソムコイド、インスリン、ガラクトース、ラクトースまたはトランスフェリン)に連結された、重合性DNA結合カチオン(例えば、ポリリジン、プロタミン、およびアルブミン)のような合成遺伝子伝達分子とともにインキュベートされ得る。他の送達系は、種々の組織特異的または普遍的に活性なプロモーターの制御下に遺伝子を含むDNAをカプセル化するためのリポソームの使用を含む。さらに、使用に適切な非ウイルス送達は、機械的送達システム(例えば、Woffendinら(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91(24):11581−11585に記載されるアプローチ)を含む。さらに、コード配列およびこのような配列の発現産物は、光重合化ヒドロゲル物質の沈着を介して送達され得る。コード配列の送達のために使用され得る、遺伝子送達のための他の従来の方法は、例えば、手動の遺伝子送達粒子銃の使用(米国特許第5,149,655号に記載されるような);移入された遺伝子を活性化するための電離放射線の使用(米国特許第5,206,152号およびWO92/11033に記載されるような)を含む。
例示的なリポソームおよびポリカチオン性遺伝子送達ビヒクルは、米国特許第5,422,120号および同4,762,915号;WO95/13796;WO94/23697;およびWO91/14445;EP−0524968;およびStryer、Biochemistry、236−240頁(1975)、W.H.Freeman、San Francisco;Szoka(1980)Biochem Biophys Acta 600:1;Bayer(1979) Biochem Biophys Acta 550:464;Rivnay(1987)Meth Enzymol 149:119;Wang(1987)Proc Natl Acad Sci 84:7851;Plant(1989)Anal Biochem 176:420に記載されるビヒクルである。
ポリヌクレオチド組成物は、治療有効量(この用語は上記に定義されるとおりである)の遺伝子治療ビヒクルを含み得る。本発明の目的のために、有効用量は、投与される個体において、約0.01mg/kg〜50mg/kgまたは0.05mg/kg〜約10mg/kgのDNA構築物である。
(送達方法)
一旦処方されると、本発明のポリヌクレオチド組成物は、(1)被験体に直接;(2)エキソビボで被験体由来の細胞に送達されて;または(3)組換えタンパク質の発現のためにインビトロで、投与され得る。処置される被験体は、哺乳動物または鳥類であり得る。ヒト被験体もまた処置され得る。
この組成物の直接送達は、皮下、腹腔内、静脈内、または筋肉内の注射によって、あるいは組織の間質空間への送達のいずれかによって一般的に達成される。この組成物はまた、病巣へ投与され得る。他の投与様式は、経口投与または肺投与、坐剤、および経皮(transdermal)または経皮(transcutaneous)適用(例えば、WO98/20734を参照のこと)、針、および遺伝子銃またはハイポスプレーを含む。投薬治療は、単回用量スケジュールまたは多数回用量スケジュールであり得る。
エキソビボ送達および被験体への形質転換細胞の再移植のための方法は、当該分野で公知であり、そして例えばWO93/14778に記載されている。エキソビボ適用に有用である細胞の例としては、例えば、幹細胞、特に、造血細胞、リンパ細胞、マクロファージ、樹状細胞または腫瘍細胞が挙げられる。
一般的に、エキソビボ適用およびインビトロ適用の両方のための核酸の送達は、以下の手順:例えば、デキストラン媒介トランスフェクション、リン酸カルシウム沈降、ポリブレン媒介トランスフェクション、原形質融合、エレクトロポレーション、リポソーム内へのポリヌクレオチドのカプセル化、および核へのDNAの直接微量注入(これらはすべて当該分野で周知である)で達成され得る。
(ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの薬学的組成物)
上記に記載の薬学的に受容可能なキャリアおよび塩に加えて、以下のさらなる薬剤がポリヌクレオチド組成物および/またはポリペプチド組成物とともに使用され得る。
(A.ポリペプチド)
1つの例は、限定することなく以下を包含するポリペプチドである:アシアロオロソムコイド(ASOR);トランスフェリン;アシアロ糖タンパク質;抗体;抗体フラグメント;フェリチン;インターロイキン;インターフェロン;顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、幹細胞因子およびエリスロポエチン。ウイルス抗原(例えば、エンベロープタンパク質)もまた、使用され得る。また、他の侵襲性生物由来のタンパク質(例えば、RIIとして知られるplasmodium falciparumの環境スポロゾイト(circumsporozoite)タンパク質由来の17アミノ酸ペプチド)。
(B.ホルモン、ビタミンなど)
包含され得る他の群は、例えば、ホルモン、ステロイド、アンドロゲン、エストロゲン、甲状腺ホルモン、またはビタミン、葉酸である。
(C.ポリアルキレン、ポリサッカリドなど)
また、ポリアルキレングリコールが、所望のポリヌクレオチド/ポリペプチドとともに含有され得る。好ましい実施態様において、ポリアルキレングリコールは、ポリエチレングリコールである。さらに、モノサッカリド、ジサッカリド、またはポリサッカリドが含有され得る。この局面の好ましい実施態様において、このポリサッカリドは、デキストランまたはDEAEデキストランである。また、キトサンおよびポリ(乳酸−コ−グリコリド)。
(D.脂質およびリポソーム)
所望のポリヌクレオチド/ポリペプチドはまた、被験体またはそれに由来する細胞への送達の前に、脂質中にカプセル化され得るか、またはリポソーム中にパッケージングされ得る。
脂質カプセル化は、一般的に、核酸に安定に結合し得るか、または核酸を捕捉および維持し得るリポソームを用いて達成される。縮合ポリヌクレオチドの脂質調製物に対する比は、変動し得るが、一般的に約1:1(mgDNA:マイクロモル脂質)であるか、またはより多くの脂質である。核酸の送達のためのキャリアとしてリポソーム使用の概説については、HugおよびSleight(1991)Biochim.Biophys.Acta.1097:1−17;Straubinger(1983)Meth.Enzymol.101:512−527を参照のこと。
本発明における使用のためのリポソーム調製物としては、カチオン性(正に荷電した)アニオン性(負に荷電した)および中性の調製物が挙げられる。カチオン性リポソームは、機能的な形態の、プラスミドDNA(Felgner(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:7413−7416);mRNA(Malone(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:6077−6081;および精製した転写因子(Debs(1990)J.Biol.Chem.265:10189−10192)の細胞内送達を媒介することが示されている。
カチオン性リポソームは容易に入手可能である。例えば、N[1−2,3−ジオレイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリエチルアンモニウム(DOTMA)リポソームは、GIBCO BRL、Grand Island、NYからの商標リポフェクチン(Lipofectin)の下で入手可能である(Felgner前出もまた参照のこと)。他の市販されているリポソームとしては、トランスフェクテース(transfectace)(DDAB/DOPE)およびDOTAP/DOPE(Boerhinger)が挙げられる。他のカチオン性リポソームは、当該分野で周知の技法を使用して、容易に利用可能な物質から調製され得る。例えば、DOTAP(1,2−ビス(オレイルオキシ)−3−(トリメチルアンモニオ)プロパン)リポソームの合成の記載について、Szoka(1978)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75:4194−4198;WO90/11092を参照のこと。
同様に、アニオン性および中性のリポソームは、例えば、Avanti Polar Lipids(Birmingham,AL)から容易に入手可能であるか、または容易に入手可能な物質を使用してたやすく調製され得る。このような物質には、とりわけ、ホスファチジルコリン、コレステロール、ホスファチジルエタノールアミン、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)などが挙げられる。これらの物質はまた、適切な比率でDOTMAおよびDOTAPの出発物質と混合され得る。これらの物質を使用してリポソームを作製する方法は、当該分野で周知である。
このリポソームは、多重膜の小胞(MLV)、小さな単一膜小胞(SUV)、または大きな単一膜の小胞(LUV)を含み得る。種々のリポソーム−核酸複合体は、当該分野で公知の方法を使用して調製され得る。例えば、Straubinger(1983)Meth.Immunol.101:512−527;Szoka(1978)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75:4194−4198;Papahadjopoulos(1975)Biochim.Biophys.Acta 394:483;Wilson(1979)Cell 17:77);DeamerおよびBangham(1976)Biochim.Biophys.Acta 443:629;Ostro(1977)Biochem.Biophys.Res.Commun.76:836;Fraley(1979)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 76:3348);EnochおよびStrittmatter(1979)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 76:145;Fraley(1980)J.Biol.Chem.(1980)255:10431;SzokaおよびPapahadjopoulos(1978)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75:145;ならびにSchaefer−Ridder(1982)Science 215:166を参照のこと。
(E.リポタンパク質)
さらに、リポタンパク質が、送達されるポリヌクレオチド/ポリペプチドとともに含まれ得る。利用されるリポタンパク質の例としては、キロミクロン、HDL、IDL、LDL、およびVLDLが挙げられる。これらのタンパク質の変異体、フラグメント、または融合物もまた、使用され得る。また、天然に存在するリポタンパク質の改変体(例えば、アセチル化LDL)が使用され得る。これらのリポタンパク質は、リポタンパク質レセプターを発現する細胞へ、ポリヌクレオチドの送達を標的化し得る。好ましくは、リポタンパク質が、送達されるポリヌクレオチドとともに含まれる場合、他の標的化リガンドはその組成物中には含まれない。
天然に存在するリポタンパク質は、脂質部分およびタンパク質部分を含む。このタンパク質部分は、アポタンパク質として知られる。現在では、アポタンパク質A、B、C、D、およびEが単離および同定されている。少なくともこれらのうち2つは、いくつかのタンパク質を含み、ローマ数字、AI、AII、AIV;CI、CII、CIIIによって命名されている。
1つのリポタンパク質は、1を超えるアポタンパク質を含み得る。例えば、天然に存在するキロミクロンはA、B、C、およびEからなり、そして時間が経つとこれらのリポタンパク質はAを欠失し、そしてCおよびEアポタンパク質を獲得する。VLDLは、A、B、C、およびEアポタンパク質を含み、LDLはアポタンパク質Bを含み;そしてHDLはアポタンパク質A、C、およびEを含む。
これらのアポタンパク質のアミノ酸は公知であり、そして例えば、Breslow(1985)Annu Rev.Biochem 54:699;Law(1986)Adv.Exp.Med.Biol.151:162;Chen(1986)J Biol Chem 261:12918;Kane(1980)Proc Natl Acad Sci USA 77:2465;Utermann(1984)Hum Genet 65:232に記載されている。
リポタンパク質は、トリグリセリド、コレステロール(遊離およびエステル)、およびリン脂質を含む、種々の脂質を含む。この脂質の組成は、天然に存在するリポタンパク質において変化する。例えば、キロミクロンは主としてトリグリセリドを含む。天然に存在するリポタンパク質の脂質含有物のより詳細な記載は、例えば、Meth.Enzymol.128(1986)に見いだされ得る。この脂質の組成は、レセプター結合活性についてアポタンパク質の立体構造を補助するために選択される。脂質の組成はまた、ポリヌクレオチド結合分子との疎水性相互作用および会合を容易にするように選択され得る。
天然に存在するリポタンパク質は、例えば、血清から超遠心分離によって単離され得る。このような方法は、Meth.Enzymol.(前出);Pitas(1980)J.Biochem.255:5454−5460およびMahey(1979)J Clin.Invest 64:743−750に記載される。リポタンパク質はまた、インビトロまたは所望の宿主細胞中のアポタンパク質遺伝子の発現による組換え方法によって産生され得る。例えば、Atkinson(1986)Annu Rev Biophys Chem 15:403およびRadding(1958)Biochim Biophys Acta 30:443を参照のこと。リポタンパク質はまた、Biomedical
Techniologies,Inc.,Stoughton,MA,USAのような商業的な供給者から購入され得る。さらなるリポタンパク質の記載は、Zuckermannら、WO98/06437に見い出され得る。
(F.ポリカチオン性薬剤)
ポリカチオン性薬剤は、送達される所望のポリヌクレオチド/ポリペプチドを有する組成物中に、リポタンパク質を伴って、またはリポタンパク質を伴わずに含まれ得る。
ポリカチオン性薬剤は、代表的には、生理的に適切なpHにおいて正味の正電荷を示し、そして所望の位置への送達を容易にするために核酸の電荷を中和し得る。これらの薬剤は、インビトロ、エキソビボ、およびインビボ適用のいずれをも有する。ポリカチオン性薬剤は、生きている被験体に、筋肉内、皮下などのいずれかで核酸を送達するために使用され得る。
以下は、ポリカチオン性薬剤としての有用なポリペプチドの例である:ポリリジン、ポリアルギニン、ポリオルニチン、およびプロタミン。他の例としては、ヒストン、プロタミン、ヒト血清アルブミン、DNA結合タンパク質、非ヒストン染色体タンパク質、DNAウイルス由来のコートタンパク質(例えば、X174)が挙げられる。転写因子もまた、DNAに結合するドメインを含み、従って核酸縮合薬剤として有用であり得る。手短に言えば、転写因子(例えば、C/CEBP、c−jun、c−fos、AP−1、AP−2、AP−3、CPF、Prot−1、Sp−1、Oct−1、Oct−2、CREP、およびTFIID)は、DNA配列に結合する塩基性ドメインを含む。
有機ポリカチオン性薬剤は、スペルミン、スペルミジン、およびプトレシン(purtrescine)を含む。
ポリカチオン性薬剤の大きさおよびその物理的特性は、上記の表から外挿されて、他のポリカチオン性薬剤が構築され得るか、または合成ポリカチオン性薬剤が産生され得る。
有用な合成ポリカチオン性薬剤としては、例えば、DEAE−デキストラン、ポリブレンが挙げられる。LipofectinTM、およびlipofectAMINETMは、ポリヌクレオチド/ポリペプチドと組み合わせた場合にポリカチオン性複合体を形成するモノマーである。
(免疫診断アッセイ)
本発明のストレプトコッカス抗原は、抗体レベルを検出するためのイムノアッセイにおいて使用され得る(または、逆に抗ストレプトコッカス抗体は、抗原レベルを検出するために使用され得る)。充分に規定された組換え抗原に基づくイムノアッセイが、侵襲性の診断方法を置換するために開発され得る。生物学的サンプル(例えば、血液サンプルまたは血清サンプルを含む)内のストレプトコッカスタンパク質に対する抗体が検出され得る。このイムノアッセイの設計は、多くのバリエーションの対象であり、そして種々のこれらは当該分野で公知である。イムノアッセイのプロトコルは、例えば、競合アッセイ、または直接反応アッセイ、またはサンドイッチ型アッセイに基づき得る。プロトコルはまた、例えば、固体支持体を使用し得、または免疫沈降によってなされ得る。ほとんどのアッセイは、標識された抗体またはポリペプチドの使用を含み、その標識は、例えば、蛍光分子、化学発光分子、放射性分子、または色素分子であり得る。プローブからのシグナルを増幅するアッセイは公知である;これらの例は、ビオチンおよびアビジンを利用するアッセイ、ならびに酵素標識および酵素媒介イムノアッセイ(例えば、ELASAアッセイ)である。
免疫診断に適切でありそして適切な標識試薬を備えるキットは、適切な容器中に、アッセイの実行に必要とされる残りの試薬および物質(例えば、適切な緩衝液、塩溶液など)ならびに適切なセットのアッセイの説明書と共に本発明の組成物を含む適切な物質をパッケージすることによって構築される。
(核酸ハイブリダイゼーション)
「ハイブリダイゼーション」とは、水素結合による2つの核酸配列の互いの会合をいう。代表的には、1つの配列は、固体支持体に固定され、そして他方は溶液中で遊離している。次いで、2つの配列は水素結合に好ましい条件下で互いに接触される。この結合に影響を与える因子としては、以下が挙げられる:溶媒のタイプおよび容量;反応温度;ハイブリダイゼーションの時間;撹拌;液体相の配列の固体支持体への非特異的な付着をブロックする薬剤(Denhardt’s試薬またはBLOTTO);配列の濃度;配列の会合の速度を増大させる化合物(硫酸デキストランまたはポリエチレングリコール)の使用;およびハイブリダイゼーション後の洗浄条件のストリンジェンシー。Sambrookら(前出)第2巻、第9章、9.47〜9.57頁を参照のこと。
「ストリンジェンシー」とは、異なる配列よりも非常に類似する配列の会合に好ましいハイブリダイゼーション反応における条件をいう。例えば、研究中のハイブリッドの計算されたTmより約120〜200℃低い温度および塩濃度の組み合わせが選択されるべきである。温度および塩条件はしばしば、フィルター上に固定したゲノムDNAのサンプルが目的の配列にハイブリダイズし、次いで異なるストリンジェンシーの条件下で洗浄される、予備的な実験において経験的に決定され得る。Sambrookら、9.50頁を参照のこと。
例えば、サザンブロットを行う場合、考慮する変数は、(1)ブロットされるDNAの複雑さ、および(2)プローブおよび検出される配列の間の相同性、である。研究されるフラグメントの全量は、プラスミドまたはファージ消化物については0.1〜1μg、高度に複雑な真核生物ゲノム中の単一コピー遺伝子については10−9〜10−8gまで、10倍変化し得る。より低い複雑さのポリヌクレオチドについては、実質的により短いブロッティング、ハイブリダイゼーション、および露光の時間、より少量の出発ポリヌクレオチド、およびより低い特異的活性のプローブが使用され得る。例えば、単一コピーの酵母遺伝子は、1μgの酵母DNAで開始し、2時間ブロットし、そして4〜8時間108cpm/μgのプローブを用いてハイブリダイズして、わずか1時間の露光時間を用いて検出され得る。単一コピーの哺乳動物遺伝子について、保存的アプローチは、10μgのDNAで開始し、一晩ブロットし、そして108cpm/μgより多いプローブを用いて10%硫酸デキストランの存在下で一晩ハイブリダイズし、約24時間露光時間を生じる。
いくつかの因子が、プローブと目的のフラグメントとの間のDNA−DNAハイブリッドの融解温度(Tm)、ならびに、結果として、ハイブリダイゼーションおよび洗浄についての適切な条件に影響を与え得る。多くの場合において、そのプローブはフラグメントに対して100%相同なわけではない。他の共通して直面する変数には、長さ、ハイブリダイズする配列の全G+C含量、ならびにイオン強度およびハイブリダイゼーション緩衝液のホルムアミド含量が含まれる。これらのすべての因子の効果は、一つの式によって近似され得る:
Tm=81+16.6(log10Ci)+0.4[%(G+C)]−0.6(%ホルムアミド)−600/n−1.5(%ミスマッチ)。
ここでCiは塩濃度(一価イオン)であり、およびnは塩基対内のハイブリッドの長さである(MeinkothおよびWahl(1984)Anal.Biochem.138:267−284からわずかに改変した)。
ハイブリダイゼーション実験の設計において、核酸ハイブリダイゼーションに影響を与えるいくつかの因子が簡便に変更され得る。ハイブリダイゼーションおよび洗浄の温度ならびに洗浄時の塩濃度を調整するのが最も単純である。ハイブリダイゼーション温度(すなわち、ストリンジェンシー)が上昇するにつれて、非相同的な鎖の間で起こるハイブリダイゼーションは起こりにくくなるようであり、結果として、バックグラウンドが減少する。放射標識したプローブが固定化されたフラグメントと完全に相同ではない場合(遺伝子ファミリーおよび種間のハイブリダイゼーション実験における場合で頻繁であるように)、ハイブリダイゼーション温度は低下されなければならず、そしてバックグラウンドが増大する。洗浄の温度は、類似の様式で、ハイブリダイズするバンドの強度、およびバックグラウンドの程度に影響を与える。洗浄のストリンジェンシーはまた、塩濃度の減少とともに増大する。
一般的に、50%ホルミアミドの存在下で都合よいハイブリダイゼーション温度は、標的フラグメントに95%〜100%相同であるプローブについて42℃、90%〜95%相同では37℃、85%〜90%相同では32℃である。より低い相同性については、上記の式を用いて、適切にホルムアミド含量が低くされ、そして温度が調整されるべきである。プローブと標的フラグメントとの間の相同性が未知である場合、最も単純なアプローチは、ともにストリンジェントではないハイブリダイゼーション条件および洗浄条件で開始することである。オートラジオグラフィー後に非特異的バンドまたは高いバックグラウンドが観察される場合、フィルターは高ストリンジェンシーで洗浄され得、そして再び露光され得る。露光のために必要な時間がこのアプローチを非実用的にする場合、いくつかのハイブリダイゼーションおよび/または洗浄ストリンジェンシーが並行して試験されるべきである。
(核酸プローブアッセイ)
本発明に従う核酸プローブを利用する、PCR、分枝DNAプローブアッセイ、またはブロッティング技術のような方法は、cDNAまたはmRNAの存在を決定し得る。プローブは、検出されるに十分に安定な、二重鎖または二本鎖複合体を形成し得る場合に、本発明の配列に「ハイブリダイズする」といわれる。
核酸プローブは、本発明のストレプトコッカスヌクレオチド配列(センス鎖およびアンチセンス鎖の両方を含む)にハイブリダイズする。多くの異なるヌクレオチド配列がアミノ酸配列をコードするが、ネイティブなストレプトコッカス配列は、細胞に存在する実際の配列であるので、好ましい。mRNAは、コード配列を表し、従ってプローブはコード配列に相補的であるべきであり、一本鎖cDNAはmRNAに相補的であり、従ってcDNAプローブは非コード配列に相補的であるべきである。
プローブ配列は、ストレプトコッカス配列(またはその相補物)に同一である必要はない。核酸プローブが標的ヌクレオチドと、検出され得る二重鎖を形成し得る場合、配列および長さのいくらかの変動は、アッセイの感受性の増加をもたらし得る。また、核酸プローブは、形成された二重鎖を安定化するためにさらなるヌクレオチドを含み得る。さらなるストレプトコッカス配列もまた、形成された二重鎖を検出するための標識としての一助となり得る。例えば、非相補的ヌクレオチド配列が、そのプローブの5’末端に付着され得、ここでそのプローブ配列の残りはストレプトコッカス配列に相補的である。あるいは、非相補的塩基またはより長い配列は、プローブ中に分散され得るが、但し、プローブ配列は、ストレプトコッカス配列とハイブリダイズし、そしてそれによって検出され得る二重鎖を形成するために、ストレプトコッカス配列との十分な相補性を有する。
プローブの正確な長さおよび配列は、ハイブリダイゼーション条件(例えば、温度、塩条件など)に依存する。例えば、診断的適用については、分析物の配列の複雑さに依存して、核酸プローブは、代表的には、少なくとも10〜20ヌクレオチド、好ましくは15〜25、そしてより好ましくは少なくとも30ヌクレオチドを含むが、これよりも短くてもよい。短いプライマーは、一般的には、鋳型との十分に安定なハイブリッド複合体を形成するのにより低い温度を必要とする。
プローブは、合成的手順(例えば、Matteucciらのトリエステル法、(J.Am.Chem.Soc.(1981)103:3185))、またはUrdeaら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1983)80:7461)に従って、または市販の自動オリゴヌクレオチド合成機を使用して、産生され得る。
プローブの化学的性質は、優先度に従って選択され得る。特定の適用については、DNAまたはRNAが適切である。他の適用については、改変(例えば、ホスホロチオエートまたはメチルホスホネートのような骨格の改変)が組み込まれ得、インビボの半減期を増大させ、RNA親和性を変化させ、ヌクレアーゼ耐性を増大させるためなどに使用され得る(例えば、AgrawalおよびIyer(1995)Curr Opin Biotechnol 6:12−19;Agrawal(1996)TIBTECH 14:376−387を参照のこと);ペプチド核酸のようなアナログもまた使用され得る(例えば、Corey(1997)TIBTECH 15:224−229;Buchardtら(1993)TIBTECH 11:384−386を参照のこと)。
あるいは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、少量の標的核酸を検出する別の周知の手段である。このアッセイは、Mullisら、(Meth.Enzymol.(1987)155:335−350);米国特許第4,683,195号および同第4,683,202号に記載されている。2つの「プライマー」ヌクレオチドは、標的核酸とハイブリダイズし、そして反応を開始するために使用される。このプライマーは、増幅標的(またはその相補物)の配列にハイブリダイズしない配列を含み、二重鎖の安定性を補助するか、または、例えば、簡便な制限部位を組み込む。代表的には、このような配列は、所望のストレプトコッカス配列に隣接する。
熱安定性のポリメラーゼは、もともとの標的核酸を鋳型として使用して、プライマーから標的核酸のコピーを作製する。標的核酸の閾値量がポリメラーゼによって産生された後、それらはより従来的な方法(例えば、サザンブロット)によって検出され得る。サザンブロット法を使用する場合、標識されたプローブは、ストレプトコッカス配列(またはその相補物)にハイブリダイズする。
また、mRNAまたはcDNAは、Sambrookら(前出)に記載される、従来的なブロッティング技術によって検出され得る。mRNA、またはmRNAからポリメラーゼ酵素を使用して生成されたcDNAは、ゲル電気泳動を使用して精製および分離され得る。次いで、ゲル上のこの核酸は、ニトロセルロースのような固体支持体にブロットされる。この固体支持体は、標識されたプローブに曝露され、次いですべてのハイブリダイズしていないプローブを洗浄して除去する。次に、標識プローブを含む二重鎖を検出する。代表的には、そのプローブは、放射活性部分で標識される。
(発明を実施するための形態)
以下の実施例は、Streptococcusにおいて同定された核酸配列を、それらの推定翻訳産物と共に記載する。これらの実施例は、一般に、以下の形式:
・Streptococcusにおいて同定されたヌクレオチド配列
・この配列の推定翻訳産物
・抗原性を示す、翻訳産物のコンピューター分析(例えば、PSORT出力)、
である。
ほとんどの実施例は、S.agalactiae由来のヌクレオチド配列を記載する。配列決定された特定の株は、血清型V由来であり、これは、R抗原を発現する、イタリアで単離された臨床株である(ISS/Rome/Italyコレクション、株2603 V/R)。これらの実施例のいくつかについて、S.pyogenes由来の対応する配列もまた示す。GBSおよびGASが、この様式で相同性を示す場合、本質的機能を示唆する種と良好な異種間反応性を与える種との間に保存性が存在する。
対照的に、いくつかの実施例は、GBSにおいて相同性が同定されなかった、GAS由来のヌクレオチド配列を記載する。この相同性の欠如は、GASをGBSと区別するために、およびGAS特異的産物を作製するために有用である、分子を与える。同じことが、GASホモログを欠くGBS配列についても当てはまり、例えば、これらは、GBS特異的産物を作製するために有用である。
これらの実施例は、代表的に、公のデータベースにおける配列に対する相同性の詳細を含む。配列が類似するタンパク質は、一般に、構造および機能の両方が類似し、そしてその相同性は、しばしば、共通の進化起源を示す。既知機能のタンパク質の配列との比較は、新規配列に対して推定のタンパク質機能を割り当てるためのガイドとして広範に使用され、そしてゲノム全体の分析において特に有用であることが証明されている。
種々の試験を使用して、これらの実施例で同定されたタンパク質のインビボ免疫原性を評価し得る。例えば、これらのタンパク質を組換え発現させ、そしてこれらを使用して、イムノブロットによって患者血清をスクリーニングし得る。タンパク質と患者血清との間の陽性反応は、その患者が、その問題のタンパク質に対して既に免疫応答を備えている(すなわち、そのタンパク質が免疫原である)ことを示す。この方法はまた、免疫優性タンパク質を同定するために使用され得る。これらの実施例で使用されるマウスモデルもまた、使用され得る。
組換えタンパク質はまた、例えば、マウスにおいて、抗体を調製するために慣用的に使用され得る。これらは、タンパク質が細胞表面に位置する、直接のコンフォメーションについて使用され得る。標識した抗体(例えば、FACSのための蛍光標識)を、インタクトな細菌と共にインキュベートし得、そして細菌表面上の標識の存在は、そのタンパク質の位置を確認する。
多くのGBSタンパク質について、以下のデータが与えられる:
−GBSタンパク質発現についての全組換えE.coli細胞抽出物のSDS−PAGE分析
−タンパク質精製後のSDS−PAGE分析
−組換えタンパク質に対して惹起された抗血清を使用する、全GBS細胞抽出物のウエスタンブロット分析
−組換えタンパク質に対して惹起された抗血清を使用する、GBSに対するFACSおよびELISA分析
−インビボ受動保護アッセイの結果。
使用した実験技術の詳細を、以下に示す。
(配列分析)
ヌクレオチド配列内のオープンリーディングフレーム(ORF)を、GLIMMERプログラム[Salzbergら(1998)Nucleic Acids Res 26:544−8]を使用して推定した。必要な場合、開始コドンを、上流のDNA配列におけるリボソーム結合部位およびプロモーター領域の存在に基づいて、手動で修正および補正した。
次いで、ORFを、プログラムBLASTp[Altschulら(1990)J.Mol.Biol.215:403−410]およびPRAZE(Smith−Watermanアルゴリズムの改良型)[SmithおよびWaterman(1981)J Mol Biol 147:195−7;Fleischmannら(1995)Science 269:496−512を参照のこと]を使用して、非重複タンパク質データベースに対してスクリーニングした。
ORF内のリーダーペプチドを、以下の3つの異なるアプローチを使用して位置決めした:(i)PSORT[Nakai(1991)Bull.Inst.Chem.Res.,Kyoto Univ.69:269−291;HortonおよびNakai(1996)Intellig.Syst.Mol.Biol.4:109−115;HortonおよびNakai(1997)Intellig.Syst.Mol.Biol.5:147−152];(ii)SignalP[NielsenおよびKrogh(1998)Proceedings of the Sixth International Conference on Intelligent Systems for Molecular Biology(ISMB 6),AAAI Press,Menlo Park,California,122−130頁;Nielsenら(1999)Protein Engineering 12:3−9;Nielsenら(1997)Int.J.Neural Sys.8:581−599];および(iii)ORF配列の目視検査。シグナル配列を「予想部位(possible site)」値で示す場合、その値は、シグナルペプチドのC末端残基を表す(例えば、26の「予想部位」は、そのシグナル配列がアミノ酸1〜26からなることを意味する)。
リポタンパク質特異的シグナルペプチドを、以下の3つの異なるアプローチを使用して位置決めした:(i)PSORT[上記を参照のこと];(ii)「原核生物膜リポタンパク質脂質結合部位」PROSITEモチーフ[Hofmannら(1999)Nucleic Acids Res.27:215−219;BucherおよびBairoch(1994)Proceedings 2nd International Conference on Intelligent Systems for Molecular Biology(ISMB−94),AAAI Press,53−61頁];および(iii)パターン(M、L、V)x{9、35}LxxCxを使用する、GCG Wisconsin Packageにおいて利用可能なFINDPATTERNSプログラム。
膜貫通ドメインを、以下の2つのアプローチを使用して位置決めした:(i)PSORT[上記を参照のこと];および(ii)TopPred[von Heijne(1992)J.Mol.Biol.225:487−494]。
LPXTGモチーフ(グラム陽性細菌における細胞壁結合タンパク質に特徴的)[Fischettiら(1990)Mol Microbiol 4:1603−5]を、パターン(L、I、V、M、Y、F)Px(T、A、S、G)(G、N、S、T、A、L)を使用する、FINDPATTERNSで位置決めした。
RGDモチーフ(細胞接着分子に特徴的)[D’Souzaら(1991)Trends Biochem Sci 16:246−50]を、FINDPATTERNSを使用して位置決めした。
解糖系に属する酵素もまた、抗原として選択した。なぜなら、これらは、Streptococciの表面上に発現されることが実験的に見出されているからである[例えば、PancholiおよびFischetti(1992)J Exp Med 176:415−26;PancholiおよびFischetti(1998)J Biol Chem 273:14503−15]。
(タンパク質のクローニング、発現および精製)
GBS遺伝子を、以下の2つの異なる型の融合タンパク質としてE.coliにおける発現を容易にするようにクローニングした:
a)アミノ末端にヘキサヒスチジンタグを有するタンパク質(His−gbs)
b)アミノ末端にGST融合パートナーを有するタンパク質(Gst−gbs)。
クローニングを、GatewayTM技術(Life Technologies)を使用して行った。この技術は、E.coliゲノム内への、およびE.coliゲノムからの、λファージの組み込みおよび切り出しを媒介する、部位特異的組換え反応に基づく。1回のクローニング実験には、以下の工程が含まれる:
1−GBS染色体DNAを増幅して、attB組換え部位に隣接する単一のORFをコードするPCR産物を得る工程
2−このPCR産物をpDONRベクター(attP部位を含む)にBP反応(attB×attP部位)を介して挿入する工程。この反応は、いわゆる、「pEntry」ベクターを与え、これは、ここで、そのインサートに隣接するattL部位を含む。
3−このGBS遺伝子をE.coli発現ベクター(attR部位を含む、pDestinationベクター)に、pEntryプラスミドとpDestinationプラスミドとの間のLR反応(attL×attR部位)を介して挿入する工程。
(A)染色体DNA調製)
染色体DNA調製のために、GBS株2603 V/R(Istituto Superiore Sanita、Rome)を、2リットルのTH Broth(Difco)中37℃で、対数期まで増殖させ、遠心分離によって回収し、そして40mlのTES(50mM Tris(pH8)、5mM EDTA(pH8)、20%スクロース)中に溶解した。2.5mlのリゾチーム溶液(TES中25mg/ml)および0.5mlのムタノリシン(Sigma M−9901、H2O中25000U/ml)の添加後、懸濁液を、37℃で1時間インキュベートした。1mlのRNase(20mg/ml)および0.1mlのプロテイナーゼK(20mg/ml)を添加し、そしてインキュベーションを、37℃で30分間続けた。
細胞溶解物を、5mlサルコシル溶液(250mM EDTA(pH8.0)中10% N−ラウリルサルコシン)を添加して、そして37℃で1時間、頻繁に反転させながらインキュベートすることによって得た。フェノール、フェノール−クロロホルムおよびクロロホルムでの連続抽出後、DNAを、0.3M 酢酸ナトリウム(pH5.2)および2容量の無水エタノールで沈殿させた。DNAペレットを70%エタノールでリンスし、そしてTE緩衝液(10mM Tris−HCl、1mM EDTA(pH8))に溶解した。DNA濃度を、OD260によって評価した。
(B)オリゴヌクレオチド設計)
合成オリゴヌクレオチドプライマーを、各ORFのコード配列に基づいて設計した。この目的は、そのタンパク質の細胞外領域を発現させることであった。従って、推定シグナルペプチドを除去し(推定リーダー配列から直ぐ下流の5’末端増幅プライマー配列を推定することによって)、そしてC末端細胞壁結合領域を除去した(例えば、LPXTGモチーフおよび下流のアミノ酸)。さらなるヌクレオチドを欠失させた場合、これを、接尾語「d」によって示す(例えば、「GBS352d」−表Vを参照のこと)。逆に、接尾語「L」は、これらの欠失を伴わない発現をいう。C末端残基およびN末端残基の欠失もまた、時折作製し、接尾語「C」または「N」で示す。
発現されたGBSタンパク質のアミノ酸配列(「d」形態および「L」形態などを含む)を、表IIに示されるオリゴヌクレオチドプライマーの配列によって、明確に規定する。
順方向プライマーの5’テールおよび逆方向プライマーの3’テールは、それぞれ、attB1部位およびattB2部位を含んだ:
順方向プライマー:5’−GGGGACAAGTTTGTACAAAAAAGCAGGCTCT−ORFインフレーム−3’(このORFの最初のコードトリプレットがTで始まる場合、このORFに先行するTCT配列を除去した)。
逆方向プライマー:5’−GGGGACCACTTTGTACAAGAAAGCTGGGTT−ORF逆方向相補体−3’。
増幅される配列にハイブリダイズしたヌクレオチドの数は、プライマーの融解温度(Breslauerら[PNAS USA(1986)83:3746−50]によって記載されるように決定した)に依存した。選択されたオリゴの平均融解温度は、ハイブリダイズする領域について、50〜55℃であり、そしてオリゴ全体について、80〜85℃であった。
(C)増幅)
標準的なPCRプロトコルは、以下であった:50ngのゲノムDNAを、最終容量100μl中、0.5μMの各プライマー、200μMの各dNTP、1.5mM MgCl2、1×緩衝液(Mg++なし)(Gibco−BRL)および2ユニットのTaq DNAポリメラーゼ(Platinum Taq、Gibco−BRL)の存在下で、テンプレートとして使用した。各サンプルに対して、以下の二重工程の増幅を行った:ハイブリダイズ温度として、50℃を使用して行う5サイクル、その後の、68℃での25サイクル。
標準的なサイクルは、以下のとおりである:
変性:94℃、2分
5サイクル: 変性:94℃、30秒
ハイブリダイゼーション:50℃、50秒
伸長:72℃、1分または2分40秒
25サイクル: 変性:94℃、30秒
ハイブリダイゼーション:68℃、50秒
伸長:72℃、1分または2分40秒。
伸長時間は、2000bpより短いORFについては1分であり、そして200bpより長いORFについては、2分40秒であった。増幅を、Gene Amp PCRシステム9600(Perkin Elmer)を使用して行った。
増幅結果を確認するために、2μlの各PCR産物を、1〜1.5アガロースゲルにロードし、そして増幅フラグメントのサイズを、DNA分子量標準(DNAマーカーIX Roche、1kb DNAラダー Biolabs)と比較した。
単一バンドのPCR産物を、PEG沈殿によって精製した:300μlのTE緩衝液および200μlの30% PEG 8000/30mM MgCl2を、100μl PCR反応物に添加した。ボルテックス後、DNAを、10000gで20分間遠心分離し、1容量の70%エタノールで洗浄し、そしてペレットを、30μlのTE中に溶解した。350bpより小さいPCR産物を、PCR精製キット(Qiagen)を使用して精製し、そして30μlの提供される溶出緩衝液で溶出させた。
収率を評価するために、2μlの精製DNAを、アガロースゲル電気泳動に供し、そして滴定分子量標準に対して比較した。
(D)発現ベクターへのPCR産物のクローニング)
クローニングを、GatewayTM技術の「1チューブプロトコル」に従って行った。この技術は、PCR産物を発現ベクターに直接挿入するための2工程反応(BPおよびLR)からなる。
BP反応(attB×attP部位):この反応は、pDONRベクターへのPCR産物の挿入を可能にする。本発明者らが使用したpDONRTM201ベクターは、PCRインサートを欠くバックグラウンドコロニーを最小化するための、attP1部位とattP2部位との間のキラー毒素遺伝子ccdB、およびカナマイシン耐性のための、選択マーカー遺伝子を含む。この反応は、いわゆる、pEntryベクターを生じ、ここで、GBS遺伝子は、attL1部位とattL2部位との間に位置した。
60fmolのPCR産物および100ngのpDONRTM201ベクターを、12.5μlの最終容量中、2,5μlのBPクローナーゼ(clonase)TMと共に、25℃で4時間インキュベートした。
LR反応(attL×attR部位):この反応は、E.coli発現ベクター(attR部位を含む、pDestinationベクター)へのGBS遺伝子(ここでは、pEntryベクターに存在する)の挿入を可能にする。2つのpDestinationベクターを使用した(N末端GST融合物についてpDEST15(図86);およびN末端Hisタグ化融合物についてpDEST17−1(図87))。両方は、T7 RNAポリメラーゼプロモーター下でのORF融合コードmRNAの転写を可能にする[Studierら(1990)Meth.Enzymol 185:60ff]。
5μlのBP反応物に、0.25μlの0.75M NaCl、100ngのDestinationベクターおよび1.5μlのLRクローナーゼTMを添加した。この反応物を、25℃で2時間インキュベートし、そして1μlの1mg/mlプロテイナーゼK溶液を37℃、15分で用いて停止させた。
1μlの完了反応物を使用して、50μlのエレクトロコンピテントBL21−SITM細胞を形質転換した(0.1cm、200オーム、25μF)。BL21−SI細胞は、塩誘導性prUプロモーターの制御下に組み込まれたT7 RNAポリメラーゼ遺伝子を含む[Gowrishankar(1985)J.Bacteriol.164:434ff]。エレクトロポレーション後、細胞を、1mlのSOC培地(20g/lバクトトリプトン、5g/l酵母抽出物、0.58g/l NaCl、0.186g/l KCl、20mM グルコース、10mM MgCl2)中に希釈し、そして37℃で1時間インキュベートした。200μlの細胞を、100μg/mlのアンピシリンを含むLBONプレート(NaClを含まないLuria Broth培地)上にプレートした。次いで、プレートを、37℃で16時間インキュベートした。
Entryクローン:免疫学的アッセイ後に目的物と認められ得る遺伝子を含むGateway適合性pEntryプラスミドの将来の調製を可能にするために、2.5μlのBP反応物を、3μlの0.15mg/mlのプロテイナーゼK溶液の存在下で15分間インキュベートし、次いで、−20℃に維持した。この反応は、この様式で、他のDestinationベクター中の遺伝子の将来の導入のためのEntryクローンを産生するようにE.coliコンピテント細胞を形質転換するために利用可能であった。
(E)タンパク質発現)
LR反応の形質転換から誘導された単一コロニーを、3ml LBON(100μg/ml アンピシリン)中の小スケールの培養物として播種し、25℃で一晩増殖させた。50〜200μlの培養物を、3ml LBON/Amp中に0.1の開始OD600にまで播種した。培養物を、0.4〜0.6のOD600まで37℃で増殖させ、そして組換えタンパク質発現を、最終濃度0.3MのNaClの添加によって誘導した。2時間のインキュベーション後、最終ODをチェックして、培養物を氷上で冷却した。0.5のOD600の細胞を、遠心分離によって回収した。細胞ペレットを、50μlのタンパク質ローディングサンプル緩衝液(50mM TRIS−HCl(pH6.8)、0.5% w/v SDS、2.5% v/v グリセリン、0.05% w/v ブロモフェノールブルー、100mM DTT)中に懸濁し、そして100℃で5分間インキュベートした。10μlのサンプルを、SDS−PAGEおよびクーマシーブルー染色によって分析し、誘導されたタンパク質のバンドの存在を確認した。
(F)組換えタンパク質の精製)
単一コロニーを、25ml LBON(100μg/mlアンピシリン)中に播種し、そして25℃で一晩増殖させた。この一晩培養物を、500ml LBON/amp中に播種し、そして0.4〜0.6のOD600値まで25℃で振盪しながら増殖させた。次いで、タンパク質発現を、最終濃度0.3MのNaClの添加によって誘導した。25℃での3時間でのインキュベーション後、最終OD600をチェックして、培養物を氷上で冷却した。6000rpm(JA10ローター、Beckman)での20分間の遠心分離後、細胞ペレットを、精製のために処理したか、または−20℃で凍結させた。
タンパク質を、融合パートナーおよびタンパク質の可溶性に依存する3つの方法のうちの1つにおいて精製した。
(E.coliからの可溶性Hisタグ化タンパク質の精製)
1.−20℃から氷浴にペレットを移し、そして各ペレットを10ml B−PERTM溶液(Bacterial−Protein Extraction Reagent、Pierce cat.78266)、10μlの100mM
MgCl2溶液、50μlのDNAseI(Sigma D−4263、PBS中100Kユニット)および100μlのPBS中100mg/mlのリゾチーム(Sigma L−7651、最終濃度1mg/ml)で再構成する。
2.再懸濁したペレットを50ml遠心管に移し、そして3〜4回ボルテックスしながら、30〜40分間室温で放置する。
3.約30〜40000×gで15〜20分間遠心分離する。
4.1mlのFast Flow Ni−activated Chelating Sepharose(Pharmacia)を含むPoly−Prep(Bio−Rad)カラムを調製する。50mM リン酸緩衝液、300mM NaCl(pH8.0)で平衡化する。
5.ペレットを−20℃で保存し、そしてカラムに上清をロードする。
6.フロースルーを廃棄する。
7.10mlの20mM イミダゾール緩衝液、50mM ホスフェート、300mM NaCl(pH8.0)で洗浄する。
8.4.5ml(1.5ml+1.5ml+1.5ml)の250mM イミダゾール緩衝液、50mM ホスフェート、300mM NaCl(pH8.0)で、カラムに結合したタンパク質を溶出し、そして各々約1.5mlの3つの画分を収集する。各チューブに15μlの200mM DTT(最終濃度2mM)を添加する。
9.Bradoford法で収集画分のタンパク質濃度を測定し、SDS−PAGEによってタンパク質を分析する。
10.SDS−PAGE分析の結果を待つ間、+4℃で収集画分を保存する。
11.免疫のために、40%グリセロール中0.5mlの各20〜100μgの4〜5個のアリコートを調製する。希釈緩衝液は、上記の溶出緩衝液+2mM DTTである。免疫までにアリコートを−20℃で保存する。
(封入体からのHisタグ化タンパク質の精製)
1.細菌を、遠心分離によって500ml培養物から収集する。必要な場合、細菌ペレットを−20℃で保存する。−20℃から室温にペレットを移し、そして各ペレットを10ml B−PERTM溶液、10μlの100mM MgCl2溶液(最終1mM)、50μlのDNAseI(PBS中100Kユニットに等価)および100μlのPBS中100mg/mlのリゾチーム(Sigma
L−7651)溶液(10mgに等価、最終濃度1mg/ml)で再構成する。
2.再懸濁したペレットを50ml遠心管に移し、そして3〜4回ボルテックスしながら、30〜40分間室温で放置する。
3.約30〜4000×gで15間遠心分離し、ペレットを収集する。
4.50mM TRIS−HCl、1mM TCEP{トリス(2−カルボキシエチル)−ホスフィン塩酸塩、Pierce}、6M グアニジン塩酸塩(pH8.5)でペレットを溶解、磁気棒を用いて10分間攪拌する。
5.上記のように遠心分離し、上清を収集する。
6.1mlのFast Flow Ni−activated Chelating Sepharose(Pharmacia)を含むPoly−Prep(Bio−Rad)カラムを調製する。5mlのH2Oでカラムを2回洗浄し、そして50mM TRIS−HCl、1mM TCEP、6M グアニジン塩酸塩(pH8.5)で平衡化する。
7.工程5由来の上清をカラムにロードし、5mlの50mM TRIS−HCl緩衝液、1mM TCEP、6M 尿素(pH8.5)で洗浄する。
8.10mlの20mM イミダゾール、50mM TRIS−HCl、6M 尿素、1mM TCEP(pH8.5)でカラムを洗浄する。可能性のあるさらなるコントロールのために最初の5mlを収集して取っておく。
9.250mM イミダゾール、50mM TRIS−HCl、6M 尿素、1mM TCEP(pH8.5)を含む4.5mlの緩衝液で、カラムに結合したタンパク質を溶出させる。溶出緩衝液を、3回の1.5mlアリコートで添加し、そして対応する3つの画分を収集する。15μl DTT(最終濃度2mM)を各画分に添加する。
10.Bradoford法でこれらの画分のタンパク質濃度を測定し、SDS−PAGEによってタンパク質を分析する。
11.選択した画分を、10% グリセロール、0.5M アルギニン、5mM
還元型グルタチオン、0.5mM 酸化型グルタチオン、2M 尿素を含む、50mM リン酸Na緩衝液(pH8.8)に対して一晩透析する。
12.10% グリセロール、0.5M アルギニン、5mM 還元型グルタチオン、0.5mM 酸化型グルタチオンを含む、50mM リン酸Na緩衝液(pH8.8)に対して透析する。
13.透析したタンパク質調製物を遠心分離によって清澄化し、そして不溶性物質を廃棄し、そしてBradford法でタンパク質濃度を測定する。
14.免疫する予定の各タンパク質について、グリセロール含量を40%にまで調製した後、0.5mlの各20〜100μgの4〜5個のアリコートを調製する。免疫までにアリコートを−20℃で保存する。
(E.coliからのGST融合タンパク質の精製)
1.細菌を、遠心分離によって500ml培養物から収集する。必要な場合、細菌ペレットを−20℃で保存する。ペレットを−20℃から室温に移し、そして各ペレットを10ml B−PERTM溶液、10μlの100mM MgCl2溶液(最終1mM)、50μlのDNAseI(PBS中100Kユニットに等価)および100μlのPBS中100mg/mlのリゾチーム(Sigma
L−7651)(10mgに等価、最終濃度1mg/ml)で再構成する。
2.再懸濁したペレットを50ml遠心管に移し、そして3〜4回ボルテックスしながら、30〜40分間室温で放置する。
3.約30〜40000×gで15〜20分間遠心分離する。
4.遠心分離ペレットを廃棄し、そして以下のように、上清をクロマトグラフィーカラムにロードする。
5.0.5mlのGlutathione−Sepharose 4B樹脂を含むPoly−Prep(Bio−Rad)カラムを調製する。カラムを1mlのH2Oで2回洗浄し、そして10mlのPBS(pH7.4)で平衡化する。
6.カラムに上清をロードし、そしてフロースルーを廃棄する。
7.カラムを10mlのPBS(pH7.4)で洗浄する。
8.カラムに結合したタンパク質を4.5mlの50mM TRIS緩衝液、10mM 還元型グルタチオン(pH8.0)で溶出する(1.5ml+1.5ml+1.5mlで添加し、各々約1.5mlの各3画分を収集する)。
9.Bradoford法でこれらの画分のタンパク質濃度を測定し、SDS−PAGEによってタンパク質を分析する。
10.SDS−PAGE分析の結果を待つ間、+4℃で収集画分を保存する。
11.免疫する予定の各タンパク質について、0.5mlの40%グリセロール中の各20〜100μgの4〜5個のアリコートを調製する。希釈緩衝液は、50mM TRIS−HCl、2mM DTT(pH8.0)である。免疫までにアリコートを−20℃で保存する。
(図167〜170および238〜239)
図167〜170、図238、および図239のレーン2〜6に示される実験について、GBSタンパク質を、N末端でチオレドキシンに融合し、そしてC末端でポリHisテールに融合した。クローニングのために使用したプラスミドは、pBAD−DEST49(Invitrogen GatewayTM技術)であり、発現は、L(+)−アラビノース依存性プロモーターの制御下にある。これらのGBS抗原の産生のために、細菌を、100μg/mlのアンピシリンを含有するRM培地(6g/l Na2HPO4、3g/l KH2PO4、0.5g/l NaCl、1g/l NH4Cl(pH7.4)、2% カザミノ酸、0.2% グルコース、1mM MgCl2)上で増殖させた。細胞がOD600=0.5に到達するまで37℃でインキュベートした後、タンパク質発現を、0.2%(v/v)L(+)アラビノースを添加して、3時間誘導する。
(GBSタンパク質での免疫)
精製したタンパク質を使用して、4匹のCD−1マウスの群に腹腔内免疫した。各20μgの精製タンパク質を、1日目、21日目および35日目にフロイントアジュバント中で注射した。免疫応答を、0日目および49日目に採取したサンプルを使用することによってモニターした。血清を、マウスの各群由来の血清のプールとして分析した。
(FACScan細菌結合アッセイ手順)
GBS血清型V2603 V/R株を、TSA血液寒天プレートにプレートし、37℃で一晩インキュベートした。細菌コロニーを、滅菌ドラコン(dracon)スワブを使用してプレートから収集し、そして100mlのTodd Hewitt Brothへ播種した。細菌増殖を、OD600を追跡することによって、30分毎にモニターした。OD600=0.7〜0.8になるまで、細菌を増殖させた。培養物を、5000rpmで20分間遠心分離した。上清を廃棄し、そして細菌を、PBSで1回洗浄し、0.05%パラホルムアルデヒドを含有する1/2培養物容量のPBS中に再懸濁し、そして37℃で1時間インキュベートし、次いで、4℃で一晩インキュベートした。
50μlの細菌細胞(OD600 0.1)を、PBSで1回洗浄し、20μlのブロッキング血清(Newborn Calf Serum、Sigma)中に再懸濁し、そして室温で20分間インキュベートした。次いで、細胞を、希釈緩衝液(PBS中の20% Newborn Calf Serum、0.1% BSA)中の100μlの希釈血清(1:200)と共に、4℃で1時間インキュベートした。細胞を5000rpmで遠心分離し、上清を吸引し、そして細胞を、200μlの洗浄緩衝液(PBS中の0.1% BSA)を添加することによって洗浄した。50μlのR−フィコエリトリン結合体化F(ab)2ヤギ抗マウス(希釈緩衝液中に1:100希釈した)を、各サンプルに添加し、そして4℃で1時間インキュベートした。細胞を、5000rpmでの遠心分離によってスピンダウンし、そして200μlの洗浄緩衝液を添加することによって洗浄した。上清を吸引し、細胞を200μlPBS中に再懸濁した。サンプルを、FACScanチューブに移し、そして読み取った。FACScan設定についての条件は、以下である:FL2オン;FSC−H閾値:54;FSC PMT Voltage:E 02;SSC PMT:516;Amp.Gains
2.63;FL−2 PMT:728。Compensation値:0。
サンプルが、50チャネル値より高いΔ平均値を有する場合に、そのサンプルを陽性とみなした。
(全抽出物調製)
GBS血清型IIICOH1株および血清型V2603 V/R株の細胞を、Todd Hewitt Broth中で一晩増殖させた。1mlの培養物を、100mlのTodd Hewitt Brothに播種した。細菌増殖を、OD600を追跡することによって、30分毎にモニターした。ODが0.7〜0.8になるまで、細菌を増殖させた。培養物を、5000rpmで20分間遠心分離した。上清を廃棄し、そして細菌を、PBSで1回洗浄し、400ユニットのムタノリシン(Sigma−Aldrich)を添加した2mlの50mM Tris−HCl(pH6.8)中に再懸濁し、そして37℃で3時間インキュベートした。3サイクルの凍結/融解後、細胞細片を、14000gで15分間の遠心分離によって除去し、上清のタンパク質濃度を、BSAを標準として使用して、Bio−Rad Proteinアッセイによって測定した。
(ウエスタンブロッティング)
GBS血清型IIICOH1株および血清型V2603V/R株由来の精製タンパク質(50ng)および全細胞抽出物(25μg)を、12%または15%のSDS−PAGEにロードし、そしてニトロセルロース膜に転写した。転写は、転写緩衝液(25mM Tris塩基、192mM グリシン、20% メタノール)中、4℃、100Vで、1時間行った。膜を、飽和緩衝液(PBS中5% スキムミルク、0.1% Tween 20)中4℃での一晩のインキュベーションによって飽和させた。膜を、飽和緩衝液中に1:1000希釈したマウス血清と共に、室温で1時間インキュベートした。膜を、洗浄緩衝液(PBS中3% スキムミルク、0.1% Tween 20)で2回洗浄し、1:5000希釈の西洋ワサビペルオキシダーゼ標識化抗マウスIg(Bio−Rad)と共に1時間インキュベートした。膜を、PBS中0.1% Tween 20で2回洗浄し、そしてOpti−4CN Substrate Kit(Bio−Rad)で発色させた。反応を、水を添加することによって停止させた。
他に示されない限り、図中のブロットのレーン1、2および3は、以下である:(1)精製タンパク質;(2)GBS−III抽出物;および(3)GBS−V抽出物。分子量マーカーもまた示す。
(新生児敗血症モデルにおけるインビボ受動保護アッセイ)
CD1免疫マウスから収集した免疫血清を、マウス新生児敗血症モデルにおいて試験し、GBS血清型IIIでチャレンジしたマウス中のそれらの保護効率を確認した。新生児Balb/C同腹仔を、出生から24時間以内に2つの群にランダムに分け、そして免疫したCD1成体マウス由来の25μlの希釈血清(1:15)を皮下注射した。1つの群に、免疫前血清を与え、他方の群に、免疫血清を与えた。4時間後、全ての仔マウスを、75%致死用量のGBS血清型III COH1株でチャレンジした。対数中期培養物を希釈して得られたチャレンジ用量を、25μlの生理食塩水中で皮下投与した。GBS感染を生存する仔マウスの数を、4日間、12時間毎に評価した。結果を、表IIIに示す。
(実施例1)
DNA配列(GBSx1402)を、アミノ酸配列<配列番号2>をコードする、S.agalactiae<配列番号1>において同定した。このタンパク質配列の分析は、以下:
を示す。
このタンパク質は、GENPEPTデータベース中の以下の配列と相同性を有する。
配列番号1984に対する相同性もまた存在する。
関連するGBSの遺伝子<配列番号8785>およびタンパク質<配列番号8786>をまた同定した。このタンパク質配列の分析は、以下:
を示す。
配列番号2(GBS4)を、GST融合産物としてE.coli中に発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図9(レーン3;MW 43.1kDa)および図63(レーン4;MW 50kDa)に示す。これをまたHis融合産物としてE.coli中で発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図12(レーン7;MW 30kDa)、図63(レーン3;MW 30kDa)および図178(レーン3;MW 30kDa)に示す。
GBS4−GSTを、図190(レーン6)および図209(レーン8)中に示すように精製した。
精製したGBS4−Hisを、図89A、図191(レーン10)、図209(レーン7)および図228(レーン9およびレーン10)に示す。
精製したGBS4−His融合産物を、マウスを免疫するために使用した(レーン2産物;20μg/マウス)。得られた抗血清を、ウエスタンブロット(図89B)、FACSのため、およびインビボでの受動的保護(passive protection)アッセイ(表III)において使用した。これらの試験は、タンパク質がGBS細菌に免疫学的に接近可能(immunoaccessible)であること、およびそれが有効な防御免疫原であることを確認する。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびこれらのエピトープは、ワクチンまたは診断のための有用な抗原であり得ることが予期された。
(実施例2)
DNA配列(GBSx1100)を、アミノ酸配列<配列番号4>をコードする、S.agalactiae<配列番号3>において同定した。このタンパク質は、凝集促進タンパク質であることが予期される。このタンパク質配列の分析は、以下:
を示す。
このタンパク質は、GENPEPTデータベース中の以下の配列と相同性を有する。
S.pyogenesにおいて、対応するDNA配列は、同定されなかった。
関連するGBSの遺伝子<配列番号8709>およびタンパク質<配列番号8710>をまた同定した。このタンパク質配列の分析は、以下:
を示す。
このタンパク質は、データベース中の以下の配列:
と相同性を有する。
関連するGBSの遺伝子<配列番号8711>およびタンパク質<配列番号8712>をまた同定した。このタンパク質配列の分析は、以下:
を示す。
このタンパク質は、データベース中の以下の配列:
と相同性を有する。
配列番号8712(GBS166)を、His融合産物としてE.coli中に発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図30(レーン2;MW 13.1kDa)に示す。
GBS166−His融合産物を精製し(図200、レーン10)、そしてマウスを免疫するために使用した。得られた抗血清を、FACS(図315)のために使用し、これは、このタンパク質がGBS細菌に免疫学的に接近可能であることを確認した。
配列番号4(GBS15)を、GST融合産物としてE.coli中に発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図9(レーン5;MW 44.8kDa)、図63(レーン5;MW 44.8kDa)および図66(レーン7;MW 45kDa)に示す。これをまた、His融合産物としてE.coli中に発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図10(レーン4;MW 22.3kDa)に示す。これをまた、図185(レーン1;MW 50kDa)に示す、総細胞抽出物のSDS−PAGEを用いて、GBS15Lとして発現させた。
精製したGBS15−GSTを、図91A、図190(レーン9)、図210(レーン4)および図245(レーン4およびレーン5)に示す。
精製したGBS15−GST融合産物を、マウスを免疫するために使用した(レーン1+2の産物;20μg/マウス)。得られた抗血清を、ウエスタンブロット(図91B)、FACS(図91C)のため、およびインビボでの受動的保護アッセイ(表III)において使用した。これらの試験は、タンパク質がGBS細菌に免疫学的に接近可能であること、およびそれが有効な防御免疫原であることを確認する。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびこれらのエピトープは、ワクチンまたは診断のための有用な抗原であり得ることが予期された。
(実施例37)
DNA配列(GBSx0035)を、アミノ酸配列<配列番号116>をコードする、S.agalactiae<配列番号115>において同定した。このタンパク質配列の分析は、以下:
を示す。
このタンパク質は、GENPEPTデータベース中の以下の配列:
と相同性を有する。
S.pyogenesにおいて、対応するDNA配列は、同定されなかった。
関連するGBSの遺伝子<配列番号8477>およびタンパク質<配列番号8478>をまた同定した。このタンパク質配列の分析は、以下:
を示す。
このタンパク質は、データベース中の以下の配列:
と相同性を有する。
配列番号8478(GBS176)を、His融合産物としてE.coli中に発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図36(レーン5およびレーン6;MW 30kDa)に示す。これをまた、GST融合産物としてE.coli中で発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図41(レーン7;MW 55.4kDa)に示す。
GBS176−GST融合産物を精製し(図117A;図202、レーン5もまた参照のこと)、そしてマウスを免疫するために使用した(レーン1+2の産物;13.5μg/マウス)。得られた抗血清を、ウエスタンブロット(図117B)、FACS(図117C)のため、そしてインビボでの受動的保護アッセイ(表III)において使用した。これらの試験は、タンパク質がGBS細菌に免疫学的に接近可能であること、およびそれが有効な防御免疫原であることを確認する。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびこれらのエピトープは、ワクチンまたは診断のための有用な抗原であり得ることが予期された。
(実施例65)
DNA配列(GBSx0065)を、アミノ酸配列<配列番号208>をコードする、S.agalactiae<配列番号207>において同定した。このタンパク質は、D−グルタミン酸付加(adding)酵素MurD(murD)であることが予測される。このタンパク質配列の分析は、以下:
を示す。
アミノ酸配列<配列番号9616>をコードする、関連するGBSの核酸配列<配列番号9615>をまた同定した。
このタンパク質は、GENPEPTデータベース中の以下の配列:
と相同性を有する。
関連するDNA配列を、アミノ酸配列<配列番号210>をコードする、S.pyogenes<配列番号209>において同定した。このタンパク質配列の分析は、以下:
を示す。
GASタンパク質およびGBSタンパク質のアライメントを、以下:
に示す。
配列番号208(GBS305)を、His融合産物としてE.coli中に発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図51(レーン11;MW 53.7kDa)に示す。これをまた、GST融合産物としてE.coli中で発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図56(レーン3;MW 79kDa)に示す。
GBS305−GST融合産物を精製し(図207、レーン8)、そしてマウスを免疫するために使用した。得られた抗血清を、FACS(図270)に使用し、これは、このタンパク質がGBS細菌に免疫学的に接近可能であることを確認した。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびこれらのエピトープは、ワクチンまたは診断のための有用な抗原であり得ることが予期された。
(実施例67)
DNA配列(GBSx0067)を、アミノ酸配列<配列番号216>をコードする、S.agalactiae<配列番号215>において同定した。このタンパク質は、細胞分裂タンパク質DivIBであることが予測される。このタンパク質配列の分析は、以下:
を示す。
このタンパク質は、GENPEPTデータベース中の以下の配列:
と相同性を有する。
関連するDNA配列を、アミノ酸配列<配列番号218>をコードする、S.pyogenes<配列番号217>において同定した。このタンパク質配列の分析は、以下:
を示す。
GASタンパク質およびGBSタンパク質のアライメントを、以下:
に示す。
配列番号216(GBS85)を、His融合産物としてE.coli中に発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図17(レーン10;MW
45.2kDa)に示す。
GBS85−His融合産物を精製し(図105A;図193、レーン5もまた参照のこと)、そしてマウスを免疫するために使用した(レーン1の産物;20μg/マウス)。得られた抗血清を、ウエスタンブロット(図105B)、FACS(図105C)のため、インビボでの受動的保護アッセイ(表III)において使用した。これらの試験は、このタンパク質がGBS細菌に免疫学的に接近可能であること、およびそれが有効な防御免疫原であることを確認する。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびこれらのエピトープは、ワクチンまたは診断のための有用な抗原であり得ることが予期された。
(実施例81)
DNA配列(GBSx0081)を、アミノ酸配列<配列番号272>をコードする、S.agalactiae<配列番号271>において同定した。このタンパク質配列の分析は、以下:
を示す。
アミノ酸配列<配列番号9624>をコードする、関連するGBS核酸配列<配列番号9623>をまた同定した。
このタンパク質は、GENPEPTデータベース中の以下の配列:
と相同性を有する。
S.pyogenesにおいて、対応するDNA配列は、同定されなかった。
配列番号272(GBS413)を、His融合産物としてE.coli中に発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図79(レーン2;MW
34.2kDa)に示す。これはまた、GST融合産物としてE.coli中で発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図171(レーン7;MW 59kDa)に示す。
GBS413−GSTを、図218、レーン12に示すように精製した。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびこれらのエピトープは、ワクチンまたは診断のための有用な抗原であり得ることが予期された。
(実施例116)
DNA配列(GBSx0121)を、アミノ酸配列<配列番号390>をコードする、S.agalactiae<配列番号389>において同定した。このタンパク質配列の分析は、以下:
を示す。
このタンパク質は、GENPEPTデータベース中の以下の配列:
と相同性を有する。
関連するDNA配列を、アミノ酸配列<配列番号392>をコードする、S.pyogenes<配列番号391>において同定した。このタンパク質配列の分析は、以下:
を示す。
GASタンパク質およびGBSタンパク質のアライメントを、以下:
に示す。
配列番号390(GBS63)を、His融合産物としてE.coli中に発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図5(レーン5;MW 39kDa)に示す。これはまた、GST融合産物としてE.coli中で発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図13(レーン2;MW 64kDa)に示す。
GBS63−GST融合産物を精製し(図101A;図191、レーン3もまた参照のこと)、そしてマウスを免疫するために使用した(レーン1の産物;20μg/マウス)。得られた抗血清を、ウエスタンブロット(図101B)、FACS(図101C)のため、そしてインビボでの受動的保護アッセイ(表III)において使用した。これらの試験は、タンパク質がGBS細菌に免疫学的に接近可能であること、およびそれが有効な防御免疫原であることを確認する。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびこれらのエピトープは、ワクチンまたは診断のための有用な抗原であり得ることが予期された。
(実施例118)
DNA配列(GBSx0123)を、アミノ酸配列<配列番号398>をコードする、S.agalactiae<配列番号397>において同定した。このタンパク質は、ComYDまたはComGDであることが予測される。このタンパク質配列の分析は、以下:
を示す。
このタンパク質は、GENPEPTデータベース中の以下の配列:
と相同性を有する。
関連するDNA配列を、アミノ酸配列<配列番号400>をコードする、S.pyogenes<配列番号399>において同定した。このタンパク質配列の分析は、以下:
を示す。
このタンパク質は、データベース中の以下の配列:
と相同性を有する。
GASタンパク質およびGBSタンパク質のアライメントを、以下:
に示す。
関連するGBSの遺伝子<配列番号8495>およびタンパク質<配列番号8496>をまた同定した。このタンパク質配列の分析は、以下:
を示す。
このタンパク質は、データベース中の以下の配列:
と相同性を有する。
配列番号398(GBS6)を、GST融合産物としてE.coli中に発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図1(レーン2;MW 40kDa)に示す。これはまた、His融合産物としてE.coli中で発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図2(レーン2;MW 15kDa)に示す。GBS6−GST融合産物を精製し(図189、レーン2)、そしてマウスを免疫するために使用した。得られた抗血清を、FACS(図260)のために使用し、これは、このタンパク質がGBS細菌に免疫学的に接近可能であることを確認した。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびこれらのエピトープは、ワクチンまたは診断のための有用な抗原であり得ることが予期された。
(実施例258)
DNA配列(GBSx0273)を、アミノ酸配列<配列番号820>をコードする、S.agalactiae<配列番号819>において同定した。このタンパク質配列の分析は、以下:
を示す。
アミノ酸配列<配列番号9582>をコードする、関連するGBS核酸配列<配列番号9581>をまた同定した。
配列番号822に対する相同性もまた存在する。
関連するGBSの遺伝子<配列番号8525>およびタンパク質<配列番号8526>をまた同定した。このタンパク質配列の分析は、以下:
を示す。
配列番号8526(GBS147)を、His融合産物としてE.coli中に発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図29(レーン4;MW 132kDa)に示す。
GBS147−His融合産物を精製し(図200、レーン5)、そしてマウスを免疫するために使用した。得られた抗血清を、FACS(図286)のために使用し、これは、このタンパク質がGBS細菌に免疫学的に接近可能であることを確認した。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびこれらのエピトープは、ワクチンまたは診断のための有用な抗原であり得ることが予期された。
(実施例278)
DNA配列(GBSx0304)を、アミノ酸配列<配列番号892>をコードする、S.agalactiae<配列番号891>において同定した。このタンパク質配列の分析は、以下:
を示す。
このタンパク質は、GENPEPTデータベース中の配列と有意な相同性を有さない。
関連するDNA配列を、アミノ酸配列<配列番号894>をコードする、S.pyogenes<配列番号893>において同定した。このタンパク質配列の分析は、以下:
を示す。
GASタンパク質およびGBSタンパク質のアライメントを、以下:
に示す。
配列番号892(GBS319)を、His融合産物としてE.coli中に発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図40(レーン4;MW
37kDa)に示す。これはまた、GST融合産物としてE.coli中で発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図46(レーン7;MW 62kDa)に示す。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびこれらのエピトープは、ワクチンまたは診断のための有用な抗原であり得ることが予期された。
(実施例325)
DNA配列(GBSx0355)を、アミノ酸配列<配列番号1054>をコードする、S.agalactiae<配列番号1053>において同定した。このタンパク質は、エンドリシン(endolysin)であると予想される。このタンパク質配列の分析は、以下:
を示す。
このタンパク質は、GENPEPTデータベース中の以下の配列:
と相同性を有する。
関連するDNA配列を、アミノ酸配列<配列番号1056>をコードする、S.pyogenes<配列番号1055>において同定した。このタンパク質配列の分析は、以下:
を示す。
GASタンパク質およびGBSタンパク質のアライメントを、以下:
に示す。
関連するGBSの遺伝子<配列番号8551>およびタンパク質<配列番号8552>をまた同定した。このタンパク質配列の分析は、以下:
を示す。
このタンパク質は、データベース中の以下の配列:
と相同性を有する。
配列番号8552(GBS206)を、His融合産物としてE.coli中に発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図51(レーン6;MW 31.7kDa)に示す。
GBS206−Hisを、図206、レーン6において示すように精製した。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびこれらのエピトープは、ワクチンまたは診断のための有用な抗原であり得ることが予期された。
(実施例340)
DNA配列(GBSx0371)を、アミノ酸配列<配列番号1102>をコードする、S.agalactiae<配列番号1101>において同定した。このタンパク質は、この遺伝子に由来するcDNA EST yk542c12.5であることが予測される。このタンパク質配列の分析は、以下:
を示す。
このタンパク質は、GENPEPTデータベース中の以下の配列:
と相同性を有する。
関連するDNA配列を、アミノ酸配列<配列番号1104>をコードする、S.pyogenes<配列番号1103>において同定した。このタンパク質配列の分析は、以下:
を示す。
関連する配列をまた、アミノ酸配列<配列番号9118>をコードする、GAS<配列番号9117>において同定した。このタンパク質配列の分析は、以下:
を示す。
GASタンパク質およびGBSタンパク質のアライメントを、以下:
に示す。
配列番号1102(GBS164)を、His融合産物としてE.coli中に発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図30(レーン4;MW 17.4kDa)に示す。
GBS164−His融合産物を精製し(図115A;図200、レーン4もまた参照のこと)、そしてマウスを免疫するために使用した(レーン1+2+3の産物;20μg/マウス)。得られた抗血清を、ウエスタンブロット、FACS(図115B)のため、そしてインビボでの受動的保護アッセイ(表III)において使用した。これらの試験は、タンパク質がGBS細菌に免疫学的に接近可能であること、およびそれが有効な防御免疫原であることを確認する。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびこれらのエピトープは、ワクチンまたは診断のための有用な抗原であり得ることが予期された。
(実施例395)
DNA配列(GBSx0429)を、アミノ酸配列<配列番号1286>をコードする、S.agalactiae<配列番号1285>において同定した。このタンパク質配列の分析は、以下:
を示す。
アミノ酸配列<配列番号8570>をコードする、関連するGBS核酸配列<配列番号8569>をまた同定した。
このタンパク質は、GENPEPTデータベース中の配列と有意な相同性を有さない。
S.pyogenesにおいて、対応するDNA配列は、同定されなかった。
配列番号8570(GBS271)を、His融合産物としてE.coli中に発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図51(レーン8;MW 31.3kDa)に示す。これはまた、GST融合産物としてE.coli中で発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図55(レーン6;MW 56.3kDa)および図62(レーン10;MW 56.3kDa)に示す。
GBS271−GSTを、図210、レーン8に示すように精製した。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびこれらのエピトープは、ワクチンまたは診断のための有用な抗原であり得ることが予期された。
(実施例430)
アミノ酸配列(配列番号1384)をコードするDNA配列(GBSx0466)を、S.agalactiaeにおいて同定した(配列番号1383)。このタンパク質配列の分析は、以下を示す:
アミノ酸配列(配列番号9664)をコードする関連のGBS核酸配列(配列番号9663)もまた同定した。
このタンパク質は、GENPEPTデータベースにおけるいずれの配列とも有意な相同性を有さない。
対応するDNA配列は、S.pyogenesにおいて同定されなかった。
関連のGBS遺伝子(配列番号8573)およびタンパク質(配列番号8574)もまた、同定した。このタンパク質配列の分析は、以下のことを示す:
配列番号8574(GBS366)を、E.coliにおいて、GST融合タンパク質として発現させた。この精製した融合タンパク質(図215、レーン5)を使用して、マウスを免疫した。得られた抗血清を、FACS(図281)のために使用し、これによりこのタンパク質がGBS細菌に対して免疫アクセス可能であることを確認した。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそのエピトープが、ワクチンまたは診断薬に有用な抗原であり得ることが予測される。
(実施例451)
アミノ酸配列(配列番号1452)をコードするDNA配列(GBSx0488)を、S.agalactiaeにおいて同定した(配列番号1451)。このタンパク質は、構造的タンパク質であることが予想される。このタンパク質配列の分析は、以下を示す:
このタンパク質は、GENPEPTデータベースにおける以下の配列に対して相同性を有する:
アミノ酸配列(配列番号1454)をコードする関連のDNA配列を、S.pyogenesにおいて同定した(配列番号1453)。このタンパク質配列の分析は、以下のことを示す:
GASタンパク質およびGBSタンパク質のアライメントを、以下に示す:
配列番号1452(GBS364)を、E.coliにおいて、His融合産物として発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図73に示す(レーン6;MW 50kDa)。これをまた、E.coliにおいて、GST融合産物として発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図81に示す(レーン11;MW 75kDa)。
GBS364−GSTを、図216、レーン10に示されるように精製した。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそのエピトープが、ワクチンまたは診断薬に対する有用な抗原であり得ることが予測される。
(実施例679)
アミノ酸配列(配列番号2092)をコードするDNA配列(GBSx0721)を、S.agalactiaeにおいて同定した(配列番号2091)。このタンパク質は、SatDであることが予測される。このタンパク質配列の分析は、以下のことを示す:
アミノ酸配列(配列番号9812)をコードする関連のGBS核酸配列(配列番号9811)もまた同定した。
このタンパク質は、GENPEPTデータベースにおける以下の配列に対して相同性を有する:
アミノ酸配列(配列番号2094)をコードする関連のDNA配列を、S.pyogenesにおいて同定した(配列番号2093)。このタンパク質配列の分析は、以下のことを示す:
GASタンパク質およびGBSタンパク質のアライメントを、以下に示す:
関連のGBS遺伝子(配列番号8637)およびタンパク質(配列番号8638)もまた同定した。このタンパク質配列の分析は、以下のことを示す:
配列番号8638(GBS338)を、E.coliにおいてHis融合タンパク質として発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図62に示す(レーン5;MW 30kDa)。これをまた、E.coliにおいてGST融合産物として発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図68に示す(レーン11;MW 55kDa)。
GBS338−GSTを、図215のレーン3に示されるようにして、精製した。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそのエピトープが、ワクチンまたは診断薬に対して有用な抗原であり得ることが予測された。
(実施例731)
アミノ酸配列(配列番号2244)をコードするDNA配列(GBSx0775)を、S.agalactiaeにおいて同定した(配列番号2234)。このタンパク質配列の分析は、以下のことを示す:
このタンパク質は、GENPEPTデータベースにおける以下の配列に対して相同性を有する:
対応するDNA配列は、S.pyogenesにおいて同定されなかった。
関連のGBS遺伝子(配列番号8653)およびタンパク質(配列番号8654)をまた、同定した。このタンパク質配列の分析は、以下のことを示す:
配列番号2244(GBS62)を、E.coliにおいてHis融合産物として発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図5に示す(レーン7;MW 80.5kDa)。これをまた、E.coliにおいてGST融合産物として発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図13に示す(レーン4;MW 105kDa)。
GBS62−GST融合産物を精製し(図100A;図193のレーン7もまた参照のこと)、そしてマウスを免疫するために使用した(レーン1の産物;20μg/マウス)。得られた抗血清を、ウエスタンブロット(図100B)のため、FACS(図100C)のため、およびインビボ受動的保護アッセイ(図III)において使用した。これらの試験により、このタンパク質がGBS細菌に対して免疫アクセス可能であること、およびこれらのタンパク質が有効な保護的免疫原であることが確認される。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそのエピトープが、ワクチンまたは診断薬に対して有用な抗原であり得ることが予測された。
(実施例832)
アミノ酸配列(配列番号2514)をコードするDNA配列(GBSx0884)を、S.agalactiaeにおいて同定した(配列番号2513)。このタンパク質は、N−アセチルムラモイル−L−アラニンアミダーゼであることが予測される。このタンパク質配列の分析は、以下のことを示す:
このタンパク質は、GENPEPTデータベースにおける以下の配列に対して相同性を有する:
対応するDNA配列は、S.pyogenesにおいて同定されなかった。
関連のGBS遺伝子(配列番号8669)およびタンパク質(配列番号8670)をまた、同定した。このタンパク質配列の分析は、以下のことを示す:
RGD motif 81−83
このタンパク質は、データベースにおける以下の配列に対して相同性を有する:
配列番号8670(GBS302)を、E.coliにおいて、His融合産物として発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図50に示す(レーン64;MW 55kDa)。
GBS302−His融合産物を、精製し(図205、レーン6)、そしてマウスを免疫するために使用した。得られた抗血清を、FACSのために使用し(図302)、これによりこのタンパク質がGBS細菌に対して免疫アクセス可能であることが確認された。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそのエピトープが、ワクチンまたは診断薬に対する有用な抗原であり得ることが予測された。
(実施例838)
アミノ酸配列(配列番号2532)をコードするDNA配列(GBSx0890)を、S.agalactiaeにおいて同定した(配列番号2531)。このタンパク質は、ATP結合カセットトランスポーター様タンパク質であることが予測される。このタンパク質配列の分析は、以下のことを示す:
アミノ酸配列(配列番号9966)をコードする関連のGBS核酸配列(配列番号9965)もまた、同定した。
このタンパク質は、GENPEPTデータベースにおける以下の配列に対して相同性を有する:
アミノ酸配列(配列番号2534)をコードする関連のDNA配列を、S.pyogenesにおいて同定した(配列番号2533)。このタンパク質配列の分析は、以下のことを示す:
このタンパク質は、データベースにおける以下の配列に対して相同性を有する:
GASタンパク質GBSタンパク質のアライメントを、以下に示す:
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそのエピトープが、ワクチンまたは診断薬に対する有用な抗原であり得ることが予測された。
(実施例957)
アミノ酸配列(配列番号2918)をコードするDNA配列(GBSx1015)を、S.agalactiaeにおいて同定した(配列番号2917)。このタンパク質は、不特定のタンパク質産物であることが予測される。このタンパク質配列の分析は、以下のことを示す:
配列番号2920に対する相同性もまた存在する。
関連のGBS遺伝子(配列番号8693)およびタンパク質(配列番号8694)もまた同定した。このタンパク質配列の分析は、以下のことを示す:
このタンパク質は、データベースにおける以下の配列に対して相同性を有する:
配列番号8694(GBS8)を、E.coliにおいてHis融合産物として発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図2(レーン5;MW
31kDa)、図63(レーン2;MW 31.1kDa)、図66(レーン2および3;MW 31kDa)、図178(レーン2;MW 31kDa)、図179(レーン3および4;MW 31kDa)および図180(レーン3;MW 31kDa)に示す。これをまた、E.coliにおいて、GST融合産物として発現させ、SDS−PAGEを、図66(レーン4および5;MW 56kDa)および図180(レーン4および5;MW 55kDa)に示す。
GBS8−Hisを、図189(レーン7)、図211(レーン3)、図228(レーン4〜5)および図230(レーン3〜6)に示されるように精製した。精製したGBS8−GSTを、図209のレーン6に示す。
GBS8−His融合産物を、精製し(図90A)、そしてマウスを免疫するために使用した(レーン2の産物;12.9μg/マウス)。得られた抗血清を、ウエスタンブロット(図90B)のため、FACS(図90C)のため、およびインビボ受動的保護アッセイ(表III)において使用した。これらの試験により、このタンパク質がGBS細菌に対して免疫アクセス可能であること、およびこのタンパク質が有効な保護的免疫原であることが確認される。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそのエピトープが、ワクチンまたは診断薬に対する有用な抗原であり得ることが予測された。
(実施例973)
アミノ酸配列(配列番号2978)をコードするDNA配列(GBSx1032)を、S.agalactiaeにおいて同定した(配列番号2977)。このタンパク質配列の分析は、以下のことを示す:
このタンパク質は、GENPEPTデータベースにおける以下の配列に対して相同性を有する:
アミノ酸配列(配列番号2980)をコードする関連のDNA配列を、S.pyogenesにおいて同定した(配列番号2979)。このタンパク質配列の分析は、以下のことを示す:
このタンパク質は、データベースにおける以下の配列に対して相同性を有する:
GASタンパク質およびGBSタンパク質のアライメントを、以下に示す:
配列番号2978(GBS86)を、E.coliにおいてHis融合産物として発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図7に示す(レーン6;MW 59kDa)。これをまた、E.coliにおいて、GST融合産物として発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図13に示す(レーン5;MW 84kDa)。GBS86−GSTを、図192のレーン3に示されるように精製した。
この結果に基づいて、これらのタンパク質およびそのエピトープが、ワクチンまたは診断薬に対する有用な抗原であり得ることが予測された。
(実施例1031)
アミノ酸配列(配列番号3184)をコードするDNA配列(GBSx1103)を、S.agalactiaeにおいて同定した(配列番号3183)。このタンパク質は、L−セリンデヒドラーゼ1(sdaA−2)であることが予測される。このタンパク質配列の分析は、以下のことを示す:
このタンパク質は、GENPEPTデータベースにおける以下の配列に対して相同性を有する:
アミノ酸配列(配列番号3186)をコードする関連のDNA配列を、S.pyogenesにおいて同定した(配列番号3185)。このタンパク質配列の分析は、以下のことを示す:
このタンパク質は、データベースにおける以下の配列に対して相同性を有する:
GASタンパク質およびGBSタンパク質のアライメントを、以下に示す:
配列番号3184(GBS358)を、E.coliにおいてHis融合産物として発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図176に示す(レーン6;MW 35kDa)。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそのエピトープがワクチンまたは診断薬に対する有用な抗原であり得ることが予測された。
(実施例1085)
アミノ酸配列(配列番号3348)をコードするDNA配列(GBSx1160)を、S.agalactiaeにおいて同定した(配列番号3347)。このタンパク質は、能力損傷誘導性タンパク質(cinA)(competence−damage inducible protein)であることが予測される。このタンパク質配列の分析は、以下のことを示す:
アミノ酸配列(配列番号10262)をコードする関連のGBS核酸配列(配列番号10261)もまた、同定した。
このタンパク質は、GENPEPTデータベースにおける以下の配列に対して相同性を有する:
アミノ酸配列(配列番号3350)をコードする関連のDNA配列を、S.pyogenesにおいて同定した(配列番号3349)。このタンパク質配列の分析は、以下のことを示す:
このタンパク質は、データベースにおける以下の配列に対して相同性を有する:
GASタンパク質およびGBSタンパク質のアライメントを、以下に示す:
配列番号3348(GBS646)を、E.coliにおいてGST融合産物として発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図131(レーン2〜4;MW 61.6kDa)、図134(レーン3;MW 57.5kDa)+レーン2および4;MW 27kDa)に示す。これをまた、E.coliにおいてHis融合産物として発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図131(レーン5〜7;MW 36.6KDa)および図178(レーン5;MW 37kDa)に示す。
GBS646−Hisを、図229のレーン5に示されるように精製した。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそのエピトープが、ワクチンまたは診断薬に対する有用な抗原であり得ることが予測された。
(実施例1113)
アミノ酸配列(配列番号3442)をコードするDNA配列(GBSx1188)を、S.agalactiaeにおいて同定した(配列番号3441)。このタンパク質配列の分析は、以下のことを示す:
このタンパク質は、GENPEPTデータベースにおける以下の配列に対して相同性を有する:
アミノ酸配列(配列番号2764)をコードする関連のDNA配列を、S.pyogenesにおいて同定した(配列番号2763)。このタンパク質配列の分析は、以下のことを示す:
GASタンパク質およびGBSタンパク質のアライメントを、以下に示す:
配列番号3442(GBS54)を、E.coliにおいてHis融合産物として発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図16に示す(レーン8;MW 48.4kDa)。
GBS54−His融合産物を精製し(図98A;図194のレーン6もまた参照のこと)、そしてマウスを免疫するために使用した(レーン1+2の産物;20マイクロg/マウス)。得られた抗血清を、ウエスタンブロットのため(図98B)、FACSのため(図98C)、およびインビボ受動的保護アッセイにおいて(表III)使用した。これらの試験により、このタンパク質がGBSに対して免疫アクセス可能であること、およびこれらのタンパク質が有効な保護的免疫原であることが確認される。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそのエピトープが、ワクチンまたは診断薬に対して有用な抗原であり得ることが予測された。
(実施例1137)
アミノ酸配列<配列番号3532>をコードするDNA配列(GBSx1213)を、S.agalactiaeにおいて同定した<配列番号3531>。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
このタンパク質は、GENPEPTデータベースにおける以下の配列と相同性を有する。
対応するDNA配列は、S.pyogenesにおいて同定されなかった。
関連GBS遺伝子<配列番号8735>およびタンパク質<配列番号8736>もまた同定した。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
このタンパク質は、データベースにおける以下の配列と相同性を有する:
配列番号3532(GBS1)を、E.coliにおいてGST融合産物として発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図1に示す(レーン3;MW 78kDa)。配列番号3532(GBS1)を、His融合産物としても、E.coliにおいて発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を図2に示す(レーン3;MW 53kDa)。
このHis融合タンパク質を、図189、レーン5に示すように精製した。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそれらのエピトープが、ワクチンおよび診断薬のために有用な抗原であり得ると推定された。
(実施例1143)
アミノ酸配列<配列番号3550>をコードするDNA配列(GBSx1219)を、S.agalactiaeにおいて同定した<配列番号3549>。このタンパク質は、輸送タンパク質であると推定される。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
アミノ酸配列<配列番号10114>をコードする関連GBS核酸配列<配列番号10113>もまた同定した。
このタンパク質は、GENPEPTデータベースにおける以下の配列と相同性を有する。
アミノ酸配列<配列番号716>をコードする関連DNA配列を、S.pyogenesにおいて同定した<配列番号715>。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
GASタンパク質とGBSタンパク質との整列を以下に示す。
配列番号3550(GBS257)を、E.coliにおいてHis融合産物として発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図44(レーン3;MW 35kDa)、図169(レーン9および10;MW 50kDa)および図239(レーン2;MW 50kDa)に示す。これをまた、GST融合産物として、E.coliにおいて発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図48に示す(レーン6;MW 60kDa)。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそれらのエピトープが、ワクチンまたは診断薬に有用な抗原であり得ることが推定された。
(実施例1186)
アミノ酸配列<配列番号3692>をコードするDNA配列(GBSx1262)を、S.agalactiaeにおいて同定した<配列番号3691>。このタンパク質は、フェリクロームABCトランスポーターであると推定される。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
このタンパク質は、GENPEPTデータベースにおける以下の配列と相同性を有する。
アミノ酸配列<配列番号3694>をコードする関連DNA配列を、S.pyogenesにおいて同定した<配列番号3693>。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
このタンパク質は、データベースにおける以下の配列と相同性を有する:
GASタンパク質とGBSタンパク質との整列を以下に示す。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそれらのエピトープが、ワクチンまたは診断薬に有用な抗原であり得ることが推定された。
(実施例1199)
アミノ酸配列<配列番号3736>をコードするDNA配列(GBSx1275)を、S.agalactiaeにおいて同定した<配列番号3735>。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
このタンパク質は、GENPEPTデータベースにおけるいずれの配列とも有意な相同性を有さない。
対応するDNA配列は、S.pyogenesにおいて同定されなかった。
配列番号3736(GBS150)を、E.coliにおいてHis融合産物として発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図23(レーン7;MW 29.7kDa)および図175(レーン4および5;MW 30kDa)に示す。
精製GBS150−Hisを、図110A、図199(レーン5)および図227(レーン6〜7)に示す。
精製GBS150−His融合産物を用いて、マウスを免疫した(レーン1および2の産物;20μg/マウス)。得られた抗血清を、ウエスタンブロット(図110B)、FACS(図110C)、およびインビボ受動防御アッセイ(表III)のために用いた。これらの試験により、このタンパク質が、GBS細菌に対して免疫的に利用しやすく、有用な防御免疫原であることが確認される。
この分析に基づいて、このタンパク質およびそのエピトープが、ワクチンまたは診断薬に有用な抗原であり得ることが推定された。
(実施例1203)
アミノ酸配列<配列番号3746>をコードするDNA配列(GBSx1279)を、S.agalactiaeにおいて同定した<配列番号3745>。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
このタンパク質は、GENPEPTデータベースにおける以下の配列と相同性を有する。
対応するDNA配列は、S.pyogenesにおいて同定されなかった。
配列番号3746(GBS67)を、E.coliにおいてHis融合産物として発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図7(レーン10;MW 140kDa)、図11(レーン10;MW 150kDa)および図12(レーン6;MW 95.3kDa)に示す。
GBS67−Hisを、図192、レーン10に示されるように精製した。
この分析に基づいて、このタンパク質およびそのエピトープが、ワクチンまたは診断薬に有用な抗原であり得ることが推定された。
(実施例1229)
アミノ酸配列<配列番号3816>をコードするDNA配列(GBSx1305)を、S.agalactiaeにおいて同定した<配列番号3815>。
このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
このタンパク質は、GENPEPTデータベースにおける以下の配列と相同性を有する。
配列番号3816(GBS363)を、E.coliにおいてHis融合産物として発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図74(レーン5;MW 28kDa)に示す。これをまた、GST融合産物として、E.coliにおいて発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図81(レーン10;MW 53kDa)に示す。
GBS363−GSTを、図216、レーン9に示すように精製した。
この分析に基づいて、このタンパク質およびそのエピトープが、ワクチンまたは診断薬に有用な抗原であり得ることが推定された。
(実施例1245)
アミノ酸配列<配列番号3850>をコードするDNA配列(GBSx1322)を、S.agalactiaeにおいて同定した<配列番号3849>。このタンパク質は、CylI(fabF)であると推定される。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
アミノ酸配列<配列番号9688>をコードする関連GBS核酸配列<配列番号9687>もまた同定した。
配列番号3852に対する相同性もまた存在する。
関連GBS遺伝子<配列番号8769>およびタンパク質<配列番号8770>もまた、同定した。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
配列番号8770(GBS361)を、E.coliにおいてHis融合産物として発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を図73(レーン4;MW 84kDa)に示す。
GBS361−Hisを、図213、レーン5に示すように精製した。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそれらのエピトープが、ワクチンまたは診断薬に有用な抗原であり得ることが推定された。
(実施例1274)
アミノ酸配列<配列番号3922>をコードするDNA配列(GBSx1351)を、S.agalactiaeにおいて同定した<配列番号3921>。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
アミノ酸配列<配列番号8780>をコードする関連GBS核酸配列<配列番号8779>もまた同定した。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
このタンパク質は、GENPEPTデータベースにおける以下の配列と相同性を有する。
対応するDNA配列は、S.pyogenesにおいて同定されなかった。
配列番号8780(GBS80)を、E.coliにおいてHis融合産物として発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図16(レーン6;MW 56.8kDa)に示す。
GBS80−His融合産物を精製し(図104A;図194、レーン5もまた参照のこと)、これを用いてマウスを免疫した(レーン1および2の産物;20μg/マウス)。得られた抗血清を、ウエスタンブロット(図104B)、FACS(図104C)、およびインビボ受動防御アッセイ(表III)において用いた。これらの試験により、このタンパク質が、GBSに対して免疫的に利用しやすく、有効な防御免疫原であることが確認される。
この分析に基づいて、このタンパク質およびそのエピトープが、ワクチンまたは診断薬に有用な抗原であり得ることが推定された。
(実施例1285)
アミノ酸配列<配列番号3952>をコードするDNA配列(GBSx1362)を、S.agalactiaeにおいて同定した<配列番号3951>。このタンパク質は、シキミ酸キナーゼ(aroK)であることが推定される。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
このタンパク質は、GENPEPTデータベースにおける以下の配列と相同性を有する。
アミノ酸配列<配列番号3954>をコードする関連DNA配列を、S.pyogenesにおいて同定した<配列番号3953>。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
このタンパク質は、データベースにおける以下の配列と相同性を有する:
GASタンパク質とGBSタンパク質との整列を以下に示す。
配列番号3952(GBS152)を、E.coliにおいてHis融合産物として発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図25(レーン2;MW 20kDa)に示す。これをまた、GST融合産物として、E.coliにおいて発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図37(レーン2;MW 45.5kDa)に示す。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそれらのエピトープが、ワクチンまたは診断薬に有用な抗原であり得ることが推定された。
(実施例1293)
アミノ酸配列<配列番号3976>をコードするDNA配列(GBSx1371)を、S.agalactiaeにおいて同定した<配列番号3975>。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
このタンパク質は、GENPEPTデータベースにおける以下の配列と相同性を有する。
配列番号3976(GBS426)を、E.coliにおいてHis融合産物として発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図80(レーン4;MW 58.8kDa)に示す。これをまた、GST融合産物として、E.coliにおいて発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図173(レーン3;MW 84kDa)に示す。
GBS426−GSTを、図220、レーン5に示すように、精製した。
この分析に基づいて、このタンパク質およびそのエピトープがワクチンまたは診断薬に有用な抗原であり得ることが推定された。
(実施例1321)
アミノ酸配列<配列番号4046>をコードするDNA配列(GBSx1403)を、S.agalactiaeにおいて同定した<配列番号4045>。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
アミノ酸配列<配列番号8788>をコードする関連GBS核酸配列<配列番号8787>もまた、同定した。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
このタンパク質は、GENPEPTデータベースにおける以下の配列と相同性を有する。
配列番号4048に対する相同性もまた存在する。
配列番号8788(GBS173)を、E.coliにおいてGST融合産物として発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図41(レーン5;MW 96.8kDa)に示す。
GBS173−GST融合産物を精製し(図116A;図201,レーン7もまた参照のこと)、そしてマウスを免疫するために使用した(レーン1+2の産物;15μg/マウス)。得られた抗血清を、ウエスタンブロットのため、FACSのため、およびインビボ受動保護アッセイにおいて使用した(表III)。これらの試験により、このタンパク質がGBS細菌に対して免疫的に利用しやすく、有効な防御免疫原であることが確認される。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそれらのエピトープが、ワクチンまたは診断薬に有用な抗原であり得ることが推定された。
(実施例1331)
アミノ酸配列<配列番号4082>をコードするDNA配列(GBSx1415)を、S.agalactiaeにおいて同定した<配列番号4081>。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
アミノ酸配列<配列番号9798>をコードする関連GBS核酸配列<配列番号9797>を同定した。
このタンパク質は、GENPEPTデータベースにおける以下の配列と相同性を有する。
アミノ酸配列<配列番号4084>をコードする関連DNA配列を、S.pyogenesにおいて同定した<配列番号4083>。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
GASタンパク質とGBSタンパク質との整列を以下に示す。
関連GBS遺伝子<配列番号8789>および関連GBSタンパク質<配列番号8790>もまた、同定した。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
このタンパク質は、データベースにおける以下の配列と相同性を有する:
配列番号8790(GBS7)を、E.coliにおいてGST融合産物として発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を図1に示す(レーン4;MW 46kDa)。この配列番号8790(GBS7)をまた、E.coliにおいてHis融合産物として発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図2に示す(レーン4;MW 21kDa)。GBS7−His融合産物を精製し(図189、レーン6)、これを用いてマウスを免疫した。得られた抗血清をFACSに使用し(図262)、これにより、このタンパク質がGBS細菌に対して免疫的に利用しやすいことが確認された。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそれらのエピトープが、ワクチンまたは診断薬に有用な抗原であり得ることが推定された。
(実施例1332)
アミノ酸配列<配列番号4086>をコードするDNA配列(GBSx1416)を、S.agalactiaeにおいて同定した<配列番号4085>。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
アミノ酸配列<配列番号9796>をコードする関連GBS核酸配列<配列番号9795>もまた同定した。
このタンパク質は、GENPEPTデータベースにおける以下の配列と相同性を有する:
アミノ酸配列<配列番号4088>をコードする関連DNA配列を、S.pyogenesにおいて同定した<配列番号4087>。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
このタンパク質は、データベースにおける以下の配列と相同性を有する:
GASタンパク質とGBSタンパク質との整列を以下に示す。
関連GBS遺伝子<配列番号8791>および関連GBSタンパク質<配列番号8792>もまた同定した。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
このタンパク質は、データベースにおける以下の配列と相同性を有する:
配列番号8792(GBS330)を、E.coliにおいてHis融合産物として発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図73に示す(レーン5;MW 59kDa)。
GBS330−Hisを、図213,レーン6に示すように精製した。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそれらのエピトープが、ワクチンまたは診断薬に有用な抗原であり得ることが推定された。
(実施例1400)
アミノ酸配列<配列番号4298>をコードするDNA配列(GBSx1485)を、S.agalactiaeにおいて同定した<配列番号4297>。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
アミノ酸配列<配列番号8800>をコードする関連GBS核酸配列<配列番号8799>もまた同定した。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
このタンパク質は、GENPEPTデータベースにおける以下の配列と相同性を有する。
アミノ酸配列<配列番号4300>をコードする関連DNA配列を、S.pyogenesにおいて同定した<配列番号4299>。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
このタンパク質は、データベースにおける以下の配列と相同性を有する:
GASタンパク質とGBSタンパク質との整列を以下に示す。
配列番号8800(GBS404)を、E.coliにおいてGST融合産物として発現させた。総細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図171に示す(レーン3;MW 62kDa)。
GBS404−GSTを、図218、レーン7において示すように精製した。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそれらのエピトープが、ワクチンまたは診断薬に有用な抗原であり得ることが推定された。
(実施例1442)
アミノ酸配列<配列番号4424>をコードするDNA配列(GBSx1528)<配列番号4423>を、S.agalactiaeにおいて同定した。このタンパク質配列の分析は、以下を明らかにする:
アミノ酸配列<配列番号8814>をコードする関連のGBS核酸配列<配列番号8813>もまた、同定した。このタンパク質配列の分析は、以下を明らかにする:
このタンパク質は、GENPEPTデータベースにおける以下の配列と相同性を有する。
対応するDNA配列は、S.pyogenesにおいて同定されなかった。
配列番号8814(GBS119)を、E.coli中でHis融合産物として発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図29(レーン2;MW84.3kDa)に示す。このGBS119をまた、E.coli中でGST融合産物として発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図35(レーン5;2バンド)に示す。
このGBS119−GST融合産物を精製し(図109A;図201のレーン6もまた参照のこと)、そしてマウスを免疫するために使用した(レーン1+2+3の産物;20μm/マウス)。得られた抗血清を、ウエスタンブロット、FACS(図109B)、およびインビボでの受動保護アッセイ(passive
protection assay)(表III)において使用した。これらの試験により、このタンパク質が、GBS細菌上で免疫受容性(immunoaccessible)であり、そして効果的な保護免疫原であることを確認する。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそれらのエピトープが、ワクチンまたは診断薬のための有用な抗原であり得ることを予測した。
(実施例1448)
アミノ酸配列<配列番号4444>をコードするDNA配列(GBSx1534)<配列番号4443>を、S.agalactiaeおいて同定した。このタンパク質配列の分析は、以下を明らかにする:
このタンパク質は、GENPEPTデータベースの以下の配列と相同性を有する。
アミノ酸配列<配列番号4446>をコードする関連するDNA配列<配列番号4445>を、S.pyogenesおいて同定した。このタンパク質配列の分析は、以下を明らかにする:
GASタンパク質およびGBSタンパク質のアライメントを、以下に示す。
配列番号4444(GBS282)を、E.coliにおいてHis融合産物として発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図52(レーン9;MW19.8kDa)に示す。このGBS282をまた、E.coli中でGST融合産物として発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図60(レーン6;MW44.8kDa)および図63(レーン7;MW47kDa)に示す。
このGBS282−GST融合産物を精製し(図211、レーン4;図225、レーン6も参照のこと)、そしてマウスを免疫するために使用した。この得られた抗血清を、FACS(図269)のために使用し、タンパク質がGBS細菌上で免疫受容性であることを確認した。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそれらのエピトープが、ワクチンまたは診断薬のための有用な抗原であり得ることを予測した。
(実施例1480)
アミノ酸配列<配列番号4550>をコードするDNA配列(GBSx1566)<配列番号4549>を、S.agalactiaeおいて同定した。このタンパク質は、表面に位置する膜タンパク質1(lmp1)であると予測される。このタンパク質配列の分析は、以下を明らかにする:
このタンパク質は、GENPEPTデータベースの以下の配列と相同性を有する。
アミノ酸配列<配列番号4552>をコードする関連のDNA配列<配列番号4551>を、S.pyogenesおいて同定した。このタンパク質配列の分析は、以下を明らかにする:
GASタンパク質およびGBSタンパク質のアライメントを、以下に示す。
配列番号4550(GBS201)を、E.coli中でHis融合産物として発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図49(レーン5;MW49kDa)に示す。このGBS201をまた、E.coli中でGST融合産物として発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図54(レーン3;MW74.5kDa)および図62(レーン8および9;MW74.5kDa)に示す。このGBS201−GST融合産物を精製し(図209、レーン9)、そしてマウスを免疫するために使用した。得られた抗血清を、FACSのために使用し(図304)、このタンパク質が、GBS細菌上で免疫受容性(immunoaccessible)である。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそれらのエピトープが、ワクチンまたは診断薬のための有用な抗原であり得ることを予測した。
(実施例1534)
アミノ酸配列<配列番号4722>をコードするDNA配列(GBSx1625)<配列番号4721>を、S.agalactiaeおいて同定した。このタンパク質配列の分析は、以下を明らかにする:
このタンパク質は、GENPEPTデータベースにおいて以下の配列と相同性を有する。
アミノ酸配列<配列番号4724>をコードする関連のDNA配列<配列番号4723>を、S.pyogenesおいて同定した。このタンパク質配列の分析は、以下を明らかにする:
GASタンパク質およびGBSタンパク質のアライメントを、以下に示す。
配列番号4722(GBS233)を、E.coli中でGST融合産物として発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図58(レーン3;MW35.6kDa)に示す。
このGBS233−GST融合産物を精製し(図207;レーン10)、そしてマウスを免疫するために使用した。得られた抗血清を、FACS(図280)のために使用し、このタンパク質が、GBS細菌上で免疫受容性(immunoaccessible)であることを確認した。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそれらのエピトープが、ワクチンまたは診断薬のための有用な抗原であり得ることを予測した。
(実施例1558)
アミノ酸配列<配列番号4812>をコードするDNA配列(GBSx1650)<配列番号4811>を、S.agalactiaeおいて同定した。このタンパク質は、udp−n−アセチルムラメート−アラニンリガーゼ(murC/ddlA)であると予測される。このタンパク質配列の分析は、以下を明らかにする:
このタンパク質は、GENPEPTの以下の配列と相同性を有する。
アミノ酸配列<配列番号4814>をコードする関連のDNA配列<配列番号4813>を、S.pyogenesおいて同定した。このタンパク質配列の分析は、以下を明らかにする:
このタンパク質は、データベースの以下の配列と相同性を有する:
GASタンパク質およびGBSタンパク質のアライメントを、以下に示す。
配列番号4812(GBS157)を、E.coli中でHis融合産物として発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図24(レーン11;MW49kDa)に示す。このGBS157をまた、E.coli中でGST融合産物として発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図31(レーン8;MW74kDa)、図33(レーン8;MW74kDa)および図37(レーン3;MW74kDa)に示す。
このGBS157−GST融合産物を精製し(図112A;図200のレーン3もまた参照のこと)、そしてマウスを免疫するために使用した(レーン1+2の産物;19.5μm/マウス)。得られた抗血清を、ウエスタンブロット(図112B)、FACS、およびインビボでの受動保護アッセイ(表III)において使用した。これらの試験により、このタンパク質が、GBS細菌上で免疫受容性であり、そして効果的な保護免疫原であることを確認する。
配列番号4812(GBS157)を、E.coli中でGST融合産物として発現した。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図183に示す(レーン11−13;MW74kDa)。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそれらのエピトープが、ワクチンまたは診断薬のための有用な抗原であり得ることを予測した。
(実施例1590)
アミノ酸配列<配列番号4916>をコードするDNA配列(GBSx1684)<配列番号4915>を、S.agalactiaeおいて同定した。このタンパク質は、糖タンパク質エンドペプチダーゼであると予測される。このタンパク質配列の分析は、以下を明らかにする:
このタンパク質は、GENPEPTデータベースの以下の配列と相同性を有する。
アミノ酸配列<配列番号4918>をコードする関連のDNA配列<配列番号4917>を、S.pyogenesおいて同定した。このタンパク質配列の分析は、以下を明らかにする:
アミノ酸配列<配列番号9160>をコードする関連の配列<配列番号9159>をまた、GASにおいて同定した。このタンパク質配列の分析は、以下を明らかにする:
GASタンパク質およびGBSタンパク質のアライメントを、以下に示す。
配列番号4916(GBS69)を、E.coli中でHis融合産物として発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図17(レーン9;MW28.9kDa)に示す。このGBS69をまた、E.coli中でGST融合産物として発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図20(レーン4;MW53.9kDa)に示す。
このGBS69−GST融合産物を精製し(図197、レーン6)、そしてマウスを免疫するために使用した。得られた抗血清を、FACS(図285)のために使用し、このタンパク質が、GBS細菌上で免疫受容性であることを確認した。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそれらのエピトープが、ワクチンまたは診断薬のための有用な抗原であり得ることを予測した。
(実施例1603)
アミノ酸配列<配列番号4956>をコードするDNA配列(GBSx1698)<配列番号4955>を、S.agalactiaeおいて同定した。このタンパク質の分析は、以下を明らかにする:
このタンパク質は、GENPEPTデータベースの以下の配列と相同性を有する。
これらはまた、配列番号1712と相同性である。
配列番号4956(GBS372)を、E.coliにおいてGST融合タンパク質として発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図69(レーン8;MW55kDa)において示す。
GBS372−GSTを、図215、レーン8において示したように精製した。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそれらのエピトープが、ワクチンまたは診断薬のための有用な抗原であり得ることを予測した。
(実施例1660)
アミノ酸配列<配列番号5146>をコードするDNA配列(GBSx1755)<配列番号5145>を、S.agalactiaeおいて同定した。このタンパク質は、DivICホモログであると予測された。このタンパク質配列の分析は、以下を明らかにする:
このタンパク質は、GENPEPTデータベースの以下の配列と相同性を有する。
アミノ酸配列<配列番号5148>をコードする関連のDNA配列<配列番号5147>を、S.pyogenesおいて同定した。このタンパク質の分析は、以下を明らかにする:
このタンパク質は、データベースの以下の配列と相同性を有する:
GASタンパク質およびGBSタンパク質のアライメントを、以下に示す。
配列番号5146(GBS418)を、E.coliにおいてGST融合タンパク質として発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図172(レーン3;MW42kDa)において示す。
GBS418−GSTを、図219、レーン4〜5において示したように精製した。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそれらのエピトープが、ワクチンまたは診断薬のための有用な抗原であり得ることを予測した。
(実施例1729)
アミノ酸配列<配列番号5374>をコードするDNA配列(GBSx1834)<配列番号5373>を、S.agalactiaeおいて同定した。このタンパク質の分析は、以下を明らかにする:
このタンパク質は、GENPEPTデータベースのいずれの配列とも有意な相同性を有さない。
アミノ酸配列<配列番号5376>をコードする関連のDNA配列<配列番号5375>を、S.pyogenesおいて同定した。このタンパク質配列の分析は、以下を明らかにする:
このタンパク質は、GENPEPTデータベースのいずれの配列とも有意な相同性を有さない。
GASタンパク質およびGBSタンパク質のアライメントを、以下に示す。
配列番号5374(GBS288)を、E.coli中でGST融合産物として発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図59(レーン3;MW53.7kDa)に示す。
このGBS288dを、E.coli中でHis融合産物として発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図154(レーン8〜10;MW26kDa)および図183(レーン3;MW26kDa)に示す。このGBS288dをまた、E.coli中でGST融合産物として発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図187(レーン11;MW51kDa)に示す。精製したGBS288d−GTSを、図237のレーン8に示す。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそれらのエピトープが、ワクチンまたは診断薬のための有用な抗原であり得ることを予測した。
(実施例1741)
アミノ酸配列<配列番号5406>をコードするDNA配列(GBSx1848)<配列番号5405>を、S.agalacctiaeおいて同定した。このタンパク質は、6kDaタンパク質であると予測される。このタンパク質配列の分析は、以下を明らかにする:
このタンパク質は、GENPEPTデータベースの以下の配列と相同性を有する。
アミノ酸配列<配列番号5408>をコードする関連のDNA配列<配列番号5407>を、S.pyogenesにおいて同定した。このタンパク質配列の分析は、以下を明らかにする:
GASタンパク質およびGBSタンパク質のアライメントを、以下に示す。
関連のGBS遺伝子<配列番号8891>およびタンパク質<配列番号8892>もまた同定した。このタンパク質配列の分析は、以下を明らかにする:
このタンパク質は、データベースの以下の配列と相同性を有する:
配列番号5406(GBS14)を、E.coliにおいてGST融合産物として発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図9(レーン4;MW33.3kDa)に示す。このGBS14−GST融合産物を精製し(図190、レーン8)、そしてマウスを免疫するために使用した。この得られた抗血清を、FACS(図263)のために使用し、タンパク質がGBS細菌上で免疫受容性であることを確認した。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそれらのエピトープが、ワクチンまたは診断薬のための有用な抗原であり得ることを予測した。
(実施例1765)
アミノ酸配列<配列番号5486>をコードするDNA配列(GBSx1872)<配列番号5485>を、S.agalactiaeおいて同定した。このタンパク質配列の分析は、以下を明らかにする:
このタンパク質は、GENPEPTデータベースの以下の配列と相同性を有する。
対応するDNA配列は、S.pyogenesにおいて同定されなかった。
配列番号5486(GBS197)を、E.coliにおいてHis融合産物として発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図168(レーン17および18;MW89kDa)および図169(レーン2;MW89kDa)に示す。GBS197をまた、E.coliにおいてGST融合産物として発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図37(レーン6;MW99kDa)に示す。
精製したチオ−GBS197−Hisを、図244、レーン6に示す。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそれらのエピトープが、ワクチンまたは診断薬のための有用な抗原であり得ることを予測した。
(実施例1770)
アミノ酸配列<配列番号5504>をコードするDNA配列(GBSx1877)<配列番号5503>を、S.agalacctiaeおいて同定した。このタンパク質は、カルボキシメチレンブテノリダーゼ関連タンパク質であると予測される。このタンパク質配列の分析は、以下を明らかにする:
このタンパク質は、GENPEPTにおける以下の配列と相同性を有する。
対応するDNA配列は、S.pyogenesにおいて同定されなかった。
配列番号5504(GBS158)を、E.coliにおいてHis融合産物として発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図26(レーン4および18;MW27kDa)に示す。このGBS158をまた、E.coliにおいてGTS融合タンパク質として発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図37(レーン5;MW52kDa)に示す。
このGBS158−GTS融合産物を精製し(図113;図201のレーン4も参照のこと)、そしてマウスを免疫するために使用した(レーン1+2の産物;14.5μm/マウス)。得られた抗血清を、ウエスタンブロット、FACS(図109B)、およびインビボでの受動保護アッセイ(表III)において使用した。これらの試験により、このタンパク質が、GBS細菌上で免疫受容性であり、そして効果的な保護免疫原であることを確認する。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそれらのエピトープが、ワクチンまたは診断薬のための有用な抗原であり得ることを予測した。
(実施例1881)
DNA配列(GBSx1989)を、メチラーゼ遺伝子ホモログである、アミノ酸配列<配列番号5856>をコードするS.agalacctiae<配列番号5855>おいて同定した。このタンパク質配列の分析は、以下を明らかにする:
アミノ酸配列<配列番号9930>をコードする、関連するGBS核酸配列<配列番号9929>を同定した。
このタンパク質は、GENPEPTデータベースの以下の配列と相同性を有する。
配列番号5856(GBS327N)を、E.coliにおいてGST融合産物として発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図148(レーン8〜10;MW140kDa)に示す。このGBS327Nをまた、E.coliにおいてHis融合タンパク質として発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図148(レーン11〜13;MW115kDa)および図182(レーン8;MW115kDa)に示す。
精製したGBS327N−GSTを、図243のレーン5に示し;精製したGBS327N−Hisを、図235のレーン5に示す。
GBS327Cを、E.coliにおいてGST融合産物として発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図148(レーン14;MW73kDa)に示す。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそれらのエピトープが、ワクチンまたは診断薬のための有用な抗原であり得ることを予測した。
(実施例1940)
アミノ酸配列<配列番号6016>をコードするDNA配列(GBSx2049)<配列番号6015>を、S.agalactiaeにおいて同定した。このタンパク質は、5’−ヌクレオチダーゼファミリータンパク質であると予測される。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
このタンパク質は、GENPEPTデータベース中の以下の配列と相同性を有する。
アミノ酸配列<配列番号1608>をコードする関連DNA配列<配列番号1607>を、S.pyogenesにおいて同定した。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
GASタンパク質およびGBSタンパク質のアライメントを、以下に示す。
配列番号6016(GBS328)を、His融合産物としてE.coliにおいて発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図69(レーン4;分子量73kDa)に示す。そのGBS328−His融合産物を、精製し(図213、レーン9)、そしてマウスを免疫するために使用した。得られた抗血清を、FACSのために使用した(図268)。これにより、このタンパク質が、GBS細菌に対して免疫的に接近可能であることが確認された。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそのエピトープが、ワクチン用または診断薬用の有用な抗原であり得ることが、予測された。
(実施例2011)
アミノ酸配列<配列番号6220>をコードするDNA配列(GBSx2122)<配列番号6219>を、S.agalactiaeにおいて同定した。このタンパク質は、溶血素(patB)であると予測される。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
このタンパク質は、GENPEPTデータベース中の以下の配列と相同性を有する。
配列番号1006との相同性もまた、存在する。
配列番号6220(GBS392)を、His融合産物としてE.coliにおいて発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図75(レーン4;分子量46.4kDa)に示す。配列番号6220(GBS392)を、GST融合産物としても、E.coliにおいて発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図83(レーン5;分子量71kDa)に示す。
GBS392−GSTを、図217、レーン4に示されるように精製した。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそのエピトープが、ワクチン用または診断薬用の有用な抗原であり得ることが、予測された。
(実施例2024)
アミノ酸配列<配列番号6266>をコードするDNA配列(GBSx2135)<配列番号6265>を、S.agalactiaeにおいて同定した。このタンパク質は、M様タンパク質であると予測される。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
配列番号822との相同性もまた、存在する。
関連するGBS遺伝子<配列番号8957>およびGBSタンパク質<配列番号8958>もまた、同定した。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
このタンパク質は、このデータベース中の以下の配列と相同性を有する:
配列番号6266(GBS3)を、His融合産物としてE.coliにおいて発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図3(レーン5;分子量65kDa)に示す。このGBS3−His融合タンパク質を精製し(図189、レーン8)、そしてマウスを免疫するために使用した。得られた抗血清を、FACSのために使用した(図261)。これにより、このタンパク質が、GBS細菌に対して免疫的に接近可能であることが確認された。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそのエピトープが、ワクチン用または診断薬用の有用な抗原であり得ることが、予測された。
(実施例2046)
アミノ酸配列<配列番号6320>をコードするDNA配列(GBSx2157)<配列番号6319>を、S.agalactiaeにおいて同定した。このタンパク質は、アデニレートキナーゼ(adk)であると予測される。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
このタンパク質は、GENPEPTデータベース中の以下の配列と相同性を有する。
アミノ酸配列<配列番号6322>をコードする関連DNA配列<配列番号6321>を、S.pyogenesにおいて同定した。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
GASタンパク質およびGBSタンパク質のアライメントを、以下に示す。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそのエピトープが、ワクチン用または診断薬用の有用な抗原であり得ることが、予測された。
関連するGBS遺伝子<配列番号8967>およびGBSタンパク質<配列番号8968>もまた、同定した。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
このタンパク質は、このデータベース中の以下の配列と相同性を有する:
配列番号8968(GBS114)を、His融合産物としてE.coliにおいて発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図29(レーン9;分子量26.9kDa)に示す。
そのGBS114−His融合産物を、精製し(図108A;図200、レーン8もまた参照のこと)、そしてマウスを免疫するために使用した(レーン1+2+3産物;20μg/マウス)。得られた抗血清を、ウエスタンブロット(図108B)、FACS(図108C)、およびインビボでの受動防御アッセイ(表III)のために使用した。これらの試験により、このタンパク質が、GBS細菌に対して免疫的に接近可能であること、およびこのタンパク質が、有効な防御免疫原であることが、確認された。
(実施例2146)
アミノ酸配列<配列番号6632>をコードするDNA配列(GBSx2262)<配列番号6631>を、S.agalactiaeにおいて同定した。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
アミノ酸配列<配列番号9338>をコードする関連GBS核酸配列<配列番号9337>もまた、同定した。アミノ酸配列<配列番号10782>をコードするさらなる関連GBS核酸配列<配列番号10781>もまた、同定した。アミノ酸配列<配列番号10952>をコードするさらなる関連GBS核酸配列<配列番号10951>もまた、同定した。
このタンパク質は、GENPEPTデータベース中の以下の配列と相同性を有する。
アミノ酸配列<配列番号6634>をコードする関連DNA配列<配列番号6633>を、S.pyogenesにおいて同定した。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
このタンパク質は、このデータベース中の以下の配列と相同性を有する:
GASタンパク質およびGBSタンパク質のアライメントを、以下に示す。
配列番号10782(GBS657)を、GST融合産物としてE.coliにおいて発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図143(レーン8〜10;分子量62.8kDa)および図187(レーン3;分子量63kDa)に示す。精製GBS657−GSTを、図245、レーン2およびレーン3に示す。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそのエピトープが、ワクチン用または診断薬用の有用な抗原であり得ることが、予測された。
(実施例2160)
アミノ酸配列<配列番号6678>をコードするDNA配列(GBSx2277)<配列番号6677>を、S.agalactiaeにおいて同定した。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
このタンパク質は、GENPEPTデータベース中の以下の配列と相同性を有する。
アミノ酸配列<配列番号6680>をコードする関連DNA配列<配列番号6679>を、S.pyogenesにおいて同定した。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
このタンパク質は、このデータベース中の以下の配列と相同性を有する:
GASタンパク質およびGBSタンパク質のアライメントを、以下に示す。
配列番号6678(GBS409)を、His融合産物としてE.coliにおいて発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図76(レーン7;分子量45.4kDa)に示す。
GBS409−Hisを、図214、レーン6に示す。
GBS409dを、His融合産物としてE.coliにおいて発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図166(レーン3および4;分子量35kDa)および図188(レーン12;分子量35kDa)に示す。精製タンパク質を、図240、レーン9〜10に示す。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそのエピトープが、ワクチン用または診断薬用の有用な抗原であり得ることが、予測された。
(実施例2175)
アミノ酸配列<配列番号6720>をコードするDNA配列(GBSx2292)<配列番号6719>を、S.agalactiaeにおいて同定した。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
このタンパク質は、GENPEPTデータベース中の以下の配列と相同性を有する。
アミノ酸配列<配列番号6722>をコードする関連DNA配列<配列番号6721>を、S.pyogenesにおいて同定した。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
このタンパク質は、このデータベース中の以下の配列と相同性を有する:
GASタンパク質およびGBSタンパク質のアライメントを、以下に示す。
配列番号6720(GBS171)を、His融合産物としてE.coliにおいて発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図36(レーン2;分子量25kDa)に示す。配列番号6720(GBS171)を、GST融合産物としてもまた、E.coliにおいて発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図41(レーン3;分子量49.8kDa)に示す。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそのエピトープが、ワクチン用または診断薬用の有用な抗原であり得ることが、予測された。
(実施例2192)
アミノ酸配列<配列番号6772>をコードするDNA配列(GBSx2309)<配列番号6771>を、S.agalactiaeにおいて同定した。
アミノ酸配列<配列番号10014>をコードする関連GBS核酸配列<配列番号10013>もまた、同定した。
このタンパク質は、GENPEPTデータベース中の以下の配列と相同性を有する。
アミノ酸配列<配列番号9112>をコードする関連配列<配列番号9111>もまた、GASにおいて同定した。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
GASタンパク質およびGBSタンパク質のアライメントを、以下に示す。
関連するGBS遺伝子<配列番号8993>およびGBSタンパク質<配列番号8994>もまた、同定した。このタンパク質配列の分析により、残基1〜16にあるシグナルペプチドが明らかになる。
このタンパク質は、このデータベース中の以下の配列と相同性を有する:
アミノ酸配列<配列番号6774>をコードする関連DNA配列<配列番号6773>を、S.pyogenesにおいて同定した。 GASタンパク質およびGBSタンパク質のアライメントを、以下に示す。
配列番号8994(GBS245)を、His融合産物としてE.coliにおいて発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図61(レーン6;分子量23.7kDa)に示す。配列番号8994(GBS245)を、GST融合産物としてもE.coliにおいて発現させた。そして精製GBS245−GSTを、図211、レーン6に示す。
この精製GST融合タンパク質を、マウスを免疫するために使用した。得られた抗血清を、FACSのために使用した(図278)。これにより、このタンパク質が、GBS細菌に対して免疫的に接近可能であることが確認された。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそのエピトープが、ワクチン用または診断薬用の有用な抗原であり得ることが、予測された。
(実施例2213)
アミノ酸配列<配列番号6832>をコードするDNA配列(GBSx2332)<配列番号6831>を、S.agalactiaeにおいて同定した。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
このタンパク質は、GENPEPTデータベース中の以下の配列と相同性を有する。
アミノ酸配列<配列番号6834>をコードする関連DNA配列<配列番号6833>を、S.pyogenesにおいて同定した。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
GASタンパク質およびGBSタンパク質のアライメントを、以下に示す。
配列番号6832(GBS110)を、His融合産物としてE.coliにおいて発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図38(レーン8;分子量28.9kDa)に示す。配列番号6832(GBS110)もまた、GST融合産物としてE.coliにおいて発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図41(レーン10;分子量53.9kDa)に示す。
このGBS110−GST融合タンパク質を、精製し(図204、レーン5)、そしてマウスを免疫するために使用した。得られた抗血清を、ウエスタンブロット(図252A)、FACS(図252B)、およびインビボでの受動防御アッセイ(表III)のために使用した。これらの試験により、このタンパク質が、GBS細菌に対して免疫的に接近可能であること、およびこのタンパク質が、有効な防御免疫原であることが、確認された。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそのエピトープが、ワクチン用または診断薬用の有用な抗原であり得ることが、予測された。
(実施例2285)
アミノ酸配列<配列番号7048>をコードするDNA配列(GBSx2419)<配列番号7047>を、S.agalactiaeにおいて同定した。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
アミノ酸配列<配列番号9286>をコードする関連GBS核酸配列<配列番号9285>もまた、同定した。
このタンパク質は、GENPEPTデータベース中の以下の配列と相同性を有する。
アミノ酸配列<配列番号7050>をコードする関連DNA配列<配列番号7049>を、S.pyogenesにおいて同定した。このタンパク質配列の分析により、以下が明らかになる:
このタンパク質は、このデータベース中の以下の配列と相同性を有する。
GASタンパク質およびGBSタンパク質のアライメントを、以下に示す。
配列番号9286(GBS662)を、GST融合産物としてE.coliにおいて発現させた。全細胞抽出物のSDS−PAGE分析を、図136(レーン8〜10;分子量63kDa)および図187(レーン4;分子量63kDa)に示す。
GBS662−GSTを、図237、レーン7に示すように精製した。
この分析に基づいて、これらのタンパク質およびそのエピトープが、ワクチン用または診断薬用の有用な抗原であり得ることが、予測された。
本発明は、例のみのために記載されており、改変が、本発明の範囲および趣旨の範囲内にあるままでなされ得ることが、理解される。
(表I−GBSタンパク質の理論上の分子量)
(表II−GBSnnnタンパク質を増幅するために使用したプライマー)
準方向プライマーは、
で始まり、そして以下の表に示される配列が続く;逆方向プライマーは、
で始まり、そして表に示される配列が続く。従って、GBS1のプライマーは以下の通りである。
完全な順方向プライマー配列は、配列番号10968〜11492として配列表に与えられる。逆方向プライマー配列は、配列番号11493〜12017である。
(表III−インビボGBSチャレンジの結果)
(表IV−GBSnnn番号と配列番号との比較)
(表V−GBSnnnタンパク質の発現において欠失されたヌクレオチド)
(表VI−特定の配列番号についての推定機能)