JP2005285384A - ナトリウム−硫黄電池及びその製法 - Google Patents

ナトリウム−硫黄電池及びその製法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005285384A
JP2005285384A JP2004093898A JP2004093898A JP2005285384A JP 2005285384 A JP2005285384 A JP 2005285384A JP 2004093898 A JP2004093898 A JP 2004093898A JP 2004093898 A JP2004093898 A JP 2004093898A JP 2005285384 A JP2005285384 A JP 2005285384A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sodium
negative electrode
safety
electrode chamber
pipe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP2004093898A
Other languages
English (en)
Inventor
Rikiya Abe
力也 阿部
Tadashi Shirakata
正 白方
Sakae Washida
栄 鷲田
Hirosuke Ohata
博資 大畑
Koichi Kanie
孝一 蟹江
Yasushi Mori
康 森
Kyoji Hiramatsu
恭二 平松
Toshiro Nishi
敏郎 西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Electric Power Development Co Ltd
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Electric Power Development Co Ltd
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Electric Power Development Co Ltd, Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Electric Power Development Co Ltd
Priority to JP2004093898A priority Critical patent/JP2005285384A/ja
Publication of JP2005285384A publication Critical patent/JP2005285384A/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

【課題】カートリッジの製造費用、加工費用、及びカートリッジに封入するガス発生材の費用がかからないため省コスト性に優れると共に、負極室内の圧力の調整が高精度で且つ容易にでき、ナトリウムが固体電解質管の表面を確実に覆い反応面積を確保することができ、製造工数が少なく自動化が容易であるナトリウム−硫黄電池の製造方法及びナトリウム−硫黄電池を提供する。
【解決手段】ナトリウム−硫黄電池の製造方法は、絶縁体11接合工程と、固定部12接合工程と、安全管5接合工程と、負極室3の内部を所定の真空度となるように脱気する負極室脱気工程と、負極室の内部を所定の真空度に保持した状態で融点以上の温度に加熱し液化した負極活物質であるナトリウム6を注入するナトリウム注入工程と、を備えた構成を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、電力貯蔵用、電気自動車の駆動電源用等に用いられる2次電池であるナトリウム−硫黄電池及びその製法に関するものである。
従来、電力貯蔵用、電気動力の駆動電源用等に用いられる2次電池として、ナトリウム−硫黄電池が用いられている。ナトリウム−硫黄電池は、有底円筒状の固体電解質管の内側に負極室を形成し外側に正極室を形成し、負極室に負極活物質としてナトリウムを収容し、正極室に正極活物質として硫黄を収容したものである。290℃から350℃の作動温度に加熱された状態で負極室のナトリウムがナトリウムイオンとなって固体電解質管を透過して正極室の硫黄と反応し、多硫化ナトリウムを生成し放電が行われると共に、充電時には正極室内の多硫化ナトリウムから可逆的にナトリウムイオンと硫黄が生成され、ナトリウムイオンは固体電解質管を透過して負極室に戻る。
このようなナトリウム−硫黄電池として、内部にナトリウムを収納し、その下部や底部に設けられた孔部から固体電解質管の内側の表面にナトリウムを供給するナトリウム容器やカートリッジを負極室の内部に備えたものがある。
ナトリウム容器やカートリッジを備えたナトリウム−硫黄電池としては、特許文献1に、「負極室を構成する負極容器と、正極室を構成する正極容器と、前記負極室,正極室間を分離した固体電解質袋管と、前記負極室内にあって、その内部にナトリウムと共に窒素ガス,不活性ガス又は/及び水素ガスからなる第一のガスが収納され、開口部をその下部または底部に設けたナトリウム容器と、からなる高温ナトリウム二次電池であって、前記ナトリウム容器の上部が前記負極容器と一体化、又は前記負極容器と接続されており、前記負極室内の前記ナトリウム容器の外側の空間にナトリウムと共に窒素ガス,不活性ガス又は/及び水素ガスからなる第二のガスが収納され、前記外側の空間に直結した封止口が前記負極容器に設けられたことを特徴とする高温ナトリウム二次電池」が開示されている。
また、特許文献2には、「陰極室内に配設され、陰極活物質としてのナトリウムが収容されたカートリッジを備え、このカートリッジの底部に小孔が設けられ、この小孔を通してカートリッジ内のナトリウムがカートリッジと固体電解質管との間のクリアランス部に供給されると共に、カートリッジの上部空間には窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスが所定の圧力で封入され、この不活性ガスによりカートリッジ内のナトリウムが小孔から流出する方向へ加圧されているナトリウム−硫黄電池」が開示されている。
また、従来のナトリウム−硫黄電池として、ナトリウムと共にその上部にアジ化ナトリウム等のガス発生材を収容したカートリッジを備えたものがある。このようなナトリウム−硫黄電池は、電池が作動温度まで昇温するとカートリッジ内のアジ化ナトリウムが熱分解して窒素ガスが発生し、発生した窒素ガスによりカートリッジ内の圧力を所定の圧力に上昇させるものである。カートリッジ内の圧力を所定の圧力に制御することにより、負極内部においてナトリウムが固体電解質管の表面を覆い、反応面積を確保することができる。
特開2000−260465号公報 特開平6−208854号公報
しかしながら上記従来技術では、以下のような課題を有していた。
(1)特許文献1の高温ナトリウム二次電池では、ナトリウム容器内に収容された第一のガスと、負極室内のナトリウム容器の外側の空間に収容された第二のガスと、により固体電解質袋管の内壁とナトリウム容器の外壁との間のナトリウムの液面レベルを調整しているので、第一のガスと第二のガスの注入量や注入時の圧力を共に制御する必要がありガスの注入操作が煩雑で、ナトリウムの液面レベルの調整精度に欠けるという課題を有していた。
(2)特許文献2のナトリウム−硫黄電池では、陰極室内にナトリウムを収容したカートリッジを配設しているので、カートリッジの製造費用や加工費用、及び内部に封入した窒素ガスや不活性ガスの費用がかかるため生産性に欠けるという課題を有していた。
(3)従来のナトリウムと共にその上部にアジ化ナトリウムを収容したカートリッジを備えたナトリウム−硫黄電池では、カートリッジの製造費用や加工費用、及び内部に収容したアジ化ナトリウム等のガス発生材の費用がかかるため生産性に欠けると共に、窒素ガス圧力の調整を固体アジ化ナトリウムの投入量により行うため、精度よく秤量することが難しくガス圧制御の調整精度に欠けるという課題を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、カートリッジの製造費用、加工費用、及びカートリッジに封入するガス発生材の費用がかからないため省コスト性に優れると共に、負極室内の圧力の調整が高精度で且つ容易にでき、ナトリウムが固体電解質管の表面を確実に覆い反応面積を確保することができ、製造工数が少なく自動化が容易であるナトリウム−硫黄電池の製法を提供することを目的とする。
また、本発明は上記従来の課題を解決するもので、カートリッジの製造費用、加工費用、及びカートリッジに封入するガス発生材の費用がかからないため省コスト性に優れると共に、負極室内の圧力の調整が高精度で且つ容易にでき、ナトリウムが固体電解質管の内部表面を確実に覆い反応面積を確保することができるナトリウム−硫黄電池を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために本発明は以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載のナトリウム−硫黄電池の製法は、有底円筒状の固体電解質管の内側に負極室を形成し外側に正極室を形成し、負極室に負極活物質としてナトリウムを収容し正極室に正極活物質として硫黄を収容したナトリウム−硫黄電池の製法であって、固体電解質管の上端部にリング状の絶縁体を接合する絶縁体接合工程と、上端部に開口部を有し底部に孔部を有する有底円筒状に形成された安全管の上端側の外周部に、フランジ部を有する安全管固定部を環装し接合する固定部接合工程と、安全管を固体電解質管の内部に挿入し、安全管の外壁と固体電解質管の内壁との間にクリアランス部が形成されるようにフランジ部を前記絶縁体に接合する安全管接合工程と、安全管の前記開口部に嵌合した負極接続部を介して安全管の内部及び前記クリアランス部からなる負極室の内部を所定の真空度となるように脱気する負極室脱気工程と、負極室の内部を所定の真空度に保持した状態で、負極室接続部を介して負極室の内部に融点以上の温度に加熱し液化した負極活物質であるナトリウムを注入するナトリウム注入工程と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)絶縁体接合工程において固体電解質管の上端部にリング状の絶縁体を接合し、固定部接合工程において安全管の上端側の外周部に安全管固定部を接合し、安全管接合工程において安全管を固体電解質管に挿入し安全管固定部のフランジ部の下面と絶縁体の上面とを接合することにより、安全管の外壁と固体電解質管の内壁との間に所定幅のクリアランス部が形成されるように安全管と固体電解質管と一体的に固定することができる。
(2)負極室脱気工程において、負極室の内部を所定の真空度となるように脱気することにより、ナトリウム注入工程において、ナトリウムを安全管の底部の孔部を介してクリアランス部に配置することができ、ナトリウムを固体電解質管の内表面を覆うように配置でき、反応面積を確保することができる。
(3)安全管の開口部に負極室接続部を嵌合し、負極室接続部を介して脱気やナトリウムの注入、及びその後の液面調整ガスの注入等を行うことができるので、各工程における接続部の取り付け取り外しが不要で製造工数が低減でき、自動化が容易で生産性に優れる。
(4)安全管固定部がフランジ部を有しているので、クリアランス部のナトリウムの液面が上昇した場合にそれを確実に封止でき、ナトリウム漏れを防止できる。
ここで、固体電解質管は有底円筒状に形成され、その材質としてはβ″−アルミナ等のナトリウムイオン透過性の材質が用いられる。また、絶縁体はリング状に形成され、ガラス半田を用いたガラス接合等により固体電解質管の上端部に接合される。絶縁体としては、α−アルミナ等の絶縁性に優れた材質が用いられる。
安全管の材質としては、耐食性を有するSUSや炭素鋼等が用いられる。安全管を融点の高いSUSや炭素鋼により形成することで、固体電解質管破損時に負極のナトリウムと正極の硫黄の反応熱で高温になっても融解し難いため、カートリッジを備える必要がなく、カートリッジの製造費用、加工費用、及びカートリッジに封入するガス発生材の費用がかからず省コスト性に優れる。
安全管接合工程において、安全管固定部のフランジ部を絶縁体に接合する接合手段としては、真空又は不活性ガス等の雰囲気下で接合する材料の融点以下の温度に加熱すると共に加圧して接合する熱圧接合や、拡散接合等が用いられる。また、安全管接合工程において、安全管の外壁と固体電解質管の内壁との間のクリアランス部の幅が予め設定された所定の幅となるように、且つ、安全管が固体電解質管に対して偏心しないように、安全管を固体電解質管と軸心を合わせて挿入するための挿入用治具を用いることもできる。
負極室接続部としては安全管の開口部を覆うように嵌合するカップ状に形成され、Oリング等で気密に嵌合するものが用いられる。また、負極室には負極室接続部を介して真空ポンプ、ナトリウムタンク、後述の液面調整ガス注入工程で使用するアルゴンガスタンクが各々接続される。これにより、製造作業時における負極室の内部の圧力の制御やナトリウム、アルゴンガスの取り扱いが容易にでき、製造作業性に優れる。
ナトリウム注入工程においては、ナトリウムタンクの開閉弁を開いて、真空ポンプで脱気された負極室の内部にナトリウムが吸引され注入される。また、ナトリウム注入工程においては加熱し液化したナトリウムが注入されるため、安全管が接合された固体電解質管をナトリウムの融点以上の温度、例えば150℃に加熱した状態でナトリウムが注入される。
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のナトリウム−硫黄電池の製法であって、ナトリウム注入工程の後に、ナトリウムが注入された負極室の内部に、負極室接続部を介して前記クリアランス部のナトリウムの液面の位置を調整する所定圧力の液面調整ガスを注入する液面調整ガス注入工程を備えた構成を有している。
この構成によって、請求項1の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)ナトリウムが注入された負極室に液面調整ガスを注入することにより、安全管の内部のナトリウムの液面を押し下げ、クリアランス部のナトリウムの液面を押し上げることができる。この状態で冷却し封止することで、ナトリウムを固体電解質管の反応部の内表面を全体に渡って覆うように配置でき、反応面積を大きく確保することができる。
(2)安全管の内部のナトリウムの上部に配置された液面調整ガスの圧力のみで、クリアランス部のナトリウムの液面を安全管固定部のフランジ部の下面若しくはその近くまで押し上げ、且つその液面の高さを維持させることができ、複数回ガスを使用することなくガスやガス発生材等の費用を低減できると共に、高精度に液面の高さを調整することができる。
ここで、液面調整ガスとしては、アルゴンガスや窒素ガス等の不活性ガスが用いられる。なお、液面調整ガスは、負極室接続部を介して負極室に接続されたボンベ等から真空ポンプで脱気された負極室の内部に吸引され注入される。
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のナトリウム−硫黄電池の製法であって、負極室に注入されたナトリウムを冷却し固化する冷却工程と、冷却工程の後に、負極室接続部を取り外し、所定圧力の封止ガス雰囲気下で安全管の開口部を封止する封止工程と、を備えた構成を有している。
この構成によって、請求項1又は2の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)冷却工程においてナトリウムを冷却し固化させた後、封止ガス雰囲気下で安全管の開口部を封止するので、安全管の開口部に負極蓋部を溶接等により接合するだけで、安全管の内部のナトリウムの上部に所定圧力の封止ガスを封入することができ、封止ガスを注入する作業を行う必要がなく製造工数を低減でき生産性に優れる。
(2)安全管の内部のナトリウムの上部に所定圧力の封止ガスを封入することで、電池駆動時にナトリウムが融解しても、封止ガスの圧力によりクリアランス部のナトリウムの液面の高さを維持することができ、ナトリウムを固体電解質管の内表面を全体に渡って覆うように配置でき、反応面積を大きく確保することができる。
ここで、封止ガスとしては、アルゴンガスや窒素ガス等の不活性ガスが用いられる。
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のナトリウム−硫黄電池の製法であって、前記封止ガス雰囲気の圧力が、ナトリウム−硫黄電池の作動温度において、クリアランス部のナトリウムの液面と放電末期における安全管の内部のナトリウムの液面とのヘッド差に相当する圧力以上の圧力である構成を有している。
この構成によって、請求項3の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)安全管の内部のナトリウムの上部に、クリアランス部のナトリウムの液面と放電末期における安全管の内部のナトリウムの液面とのヘッド差に相当する圧力以上の圧力の封止ガスを封入することで、電池の放電末期に安全管の内部のナトリウムの液面が最も低くなった場合であっても、クリアランス部のナトリウムの液面の高さを維持することができ、ナトリウムを固体電解質管の反応部の内表面を全体に渡って覆うように配置でき、反応面積を大きく確保することができる。
ここで、ナトリウム−硫黄電池は290℃から350℃の作動温度で作動するため、封止ガス雰囲気の圧力は、電池の作動温度においてヘッド差に相当する圧力が用いられる。封止工程を例えば常温において行う場合は、封止ガス雰囲気の圧力として、電池の作動温度におけるヘッド差に相当する圧力を常温における圧力に換算した圧力が用いられる。例えば、クリアランス部のナトリウムの液面と放電末期における安全管の内部のナトリウムの液面とのヘッド差、すなわち液面の高さの差がh(cm)である場合、ナトリウムの密度をρNa(g/cm)とすると、ヘッド差に相当する圧力は電池の作動温度でρNa×h(g/cm)となる。封止ガス雰囲気の圧力としては、この電池の作動温度での圧力を封止ガス雰囲気の温度での圧力に換算した圧力を用い、さらにこれに安全率をかけたものを用いることが安全面から好ましい。
本発明の請求項5に記載のナトリウム−硫黄電池の製法は、請求項3又は4に記載のナトリウム−硫黄電池の製法であって、前記封止ガス雰囲気中に漏れ検出器により検出可能な漏れ検出用ガスを含む構成を有している。
この構成により、請求項3又は4の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)封止ガス雰囲気中にヘリウムリークディテクター等の漏れ検出器により検出可能なヘリウムガス等の漏れ検出用ガスを含むことにより、封止工程の後、開口部の封止部分の漏れ試験を容易に行うことができる。
ここで、漏れ検出用ガスとしては、ヘリウム、ハロゲン等が用いられる。また、封止ガス雰囲気中の漏れ検出用ガスの量は、漏れ検出器により検出可能な量であればよく、ヘリウムガスであれば体積比で5%程度であればよい。
本発明の請求項6に記載のナトリウム−硫黄電池の製法は、有底円筒状の固体電解質管の内側に負極室を形成し外側に正極室を形成し、負極室に負極活物質としてナトリウムを収容し正極室に正極活物質として硫黄を収容したナトリウム−硫黄電池の製法であって、固体電解質管の上端部にリング状の絶縁体を接合する絶縁体接合工程と、上端部に管状の連通管を有する蓋部が接合され底部に孔部を有する有底円筒状に形成された安全管の上端側の外周部に、フランジ部を有する安全管固定部を環装し接合する固定部接合工程と、安全管を固体電解質管の内部に挿入し、安全管の外壁と固体電解質管の内壁との間にクリアランス部が形成されるようにフランジ部を絶縁体に接合する安全管接合工程と、安全管の前記連通管に装着された管継手を介して安全管の内部及び前記クリアランス部からなる負極室の内部を所定の真空度となるように脱気する負極室脱気工程と、負極室の内部を所定の真空度に保持した状態で、管継手を介して負極室の内部に融点以上の温度に加熱し液化した負極活物質であるナトリウムを注入するナトリウム注入工程と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)絶縁体接合工程において固体電解質管の上端部にリング状の絶縁体を接合し、固定部接合工程において安全管の上端側の外周部に安全管固定部を接合し、安全管接合工程において安全管を固体電解質管に挿入し安全管固定部のフランジ部の下面と絶縁体の上面とを接合することにより、安全管の外壁と固体電解質管の内壁との間に所定幅のクリアランス部が形成されるように安全管と固体電解質管と一体的に固定することができる。
(2)負極室脱気工程において、負極室の内部を所定の真空度となるように脱気することにより、ナトリウム注入工程において、ナトリウムを安全管の底部の孔部を介してクリアランス部に配置することができ、ナトリウムを固体電解質管の内表面を覆うように配置でき、反応面積を確保することができる。
(3)安全管の上端部の管状の連通管に管継手を装着し、管継手を介して脱気やナトリウムの注入、及びその後の封止ガスの注入等を行うことができるので、各工程における管継手の取り付け取り外しが不要で製造工数が低減でき、自動化が容易で生産性に優れる。
ここで、安全管としては、上端の開口部に溶接等により蓋部が接合され、該蓋部の略中央部等に管状の連通管が貫通して溶接等により接合されたものが用いられる。連通管に装着される管継手としては、高い気密性を有し高圧であっても使用できるスウェジロック(登録商標)等が用いられる。また、負極室には管継手を介して真空ポンプ、ナトリウムタンク等が各々接続される。
本発明の請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のナトリウム−硫黄電池の製法であって、ナトリウム注入工程の後に、負極室に前記管継手を介して所定圧力の封止ガスを注入する封止ガス注入工程と、封止ガス注入工程の後に、負極室に注入されたナトリウムを冷却し固化する冷却工程と、冷却工程の後に、安全管の前記連通管を封止する封止工程と、を備えた構成を有している。
この構成によって、請求項6の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)封止ガス注入工程において、安全管の内部のナトリウムの上部に所定圧力の封止ガスを注入することにより、安全管の内部のナトリウムの液面を押し下げ、クリアランス部のナトリウムの液面を押し上げることができる。この状態で冷却工程においてナトリウムを冷却し固化させ、封止工程において封止することで、電池駆動時にナトリウムが融解しても、封止ガスの圧力によりクリアランス部のナトリウムの液面の高さを維持することができ、ナトリウムを固体電解質管の内表面を全体に渡って覆うように配置でき、反応面積を大きく確保することができる。
(2)安全管の内部のナトリウムの上部に配置された封止ガスの圧力のみで、クリアランス部のナトリウムの液面をその上端部まで押し上げ、且つその液面の高さを維持させることができ、複数回ガスを使用することなくガスやガス発生材等の費用を低減できると共に、高精度にクリアランス部の液面の高さを調整することができる。
ここで、封止ガスとしては、アルゴンガスや窒素ガス等の不活性ガスが用いられる。
また、封止工程においては、安全管の管状の連通管を圧接して閉鎖した後、溶接して完全に封止する。封止した連通管は負極端子としてもよい。
本発明の請求項8に記載の発明は、請求項6に記載のナトリウム−硫黄電池の製法であって、ナトリウム注入工程の後に、負極室に注入されたナトリウムを冷却し固化する冷却工程と、冷却工程の後に、負極室に管継手を介して所定圧力の封止ガスを注入する封止ガス注入工程と、封止ガス注入工程の後に、安全管の前記連通管を封止する封止工程と、を備えた構成を有している。
この構成によって、請求項6又は7の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)冷却工程においてナトリウムを冷却し固化させた後、封止ガス注入工程において、安全管の内部のナトリウムの上部に所定圧力の封止ガスを注入し、封止工程において封止することで、電池駆動時にナトリウムが融解すると、封止ガスの圧力により安全管の内部のナトリウムの液面を押し下げ、クリアランス部のナトリウムの液面を押し上げることができ、クリアランス部のナトリウムの液面の高さを調整することができ、ナトリウムを固体電解質管の内表面を全体に渡って覆うように配置でき、反応面積を大きく確保することができる。
(2)安全管の内部のナトリウムの上部に配置された封止ガスの圧力のみで、クリアランス部のナトリウムの液面をその上端部まで押し上げ、且つその液面の高さを維持させることができ、複数回ガスを使用することなくガスやガス発生材等の費用を低減できると共に、高精度にクリアランス部の液面の高さを調整することができる。
封止ガスの圧力は、ナトリウム−硫黄電池の作動温度においてクリアランスのナトリウムの液面と放電末期における安全管の内部のナトリウムの液面とのヘッド差に相当する圧力以上の圧力に調整される。これによって請求項4の作用と同一の作用が得られる。
なお、封止ガス注入工程を冷却工程の前に行う場合は、雰囲気温度がナトリウム注入時の温度、例えば150℃で封止ガスが注入されるため、この場合の封止ガスの圧力としては、電池の作動温度におけるヘッド差に相当する圧力を150℃における圧力に換算した圧力が用いられる。なお、封止ガス注入工程を冷却工程の後に行う場合は、電池の作動温度におけるヘッド差に相当する圧力を、冷却後の温度、例えば常温における圧力に換算した圧力が用いられる。
封止ガスは、漏れ検出器により検出可能な漏れ検出用ガスを含めるとよい。これにより、封止工程の後、開口部の封止部分の漏れ試験を容易に行うことができる。漏れ検出用ガスとしては、請求項5に記載したものが用いられる。
本発明の請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8の内いずれか1項に記載のナトリウム−硫黄電池の製法であって、前記安全管固定部のフランジ部の下面及び前記リング状の絶縁体の上面に、前記安全管を前記固体電解質管に同軸に接合するための凹凸状の嵌合部が形成されている、或いは、前記リング状の絶縁体の上面の外縁部側に前記フランジ部の外周を嵌合する突条又は突部が形成された構成を有している。
この構成によって、請求項1乃至8の内いずれか1項の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)安全管接合工程において、安全管固定部とリング状の絶縁体との各々の嵌合部を嵌め合わせることにより安全管を固体電解質管と同軸に挿設して接合できるので、安全管の外壁と固体電解質管の内壁との間に均一な幅のクリアランス部が形成され、クリアランス部内においてナトリウムが均一に行き渡るので電流密度を均一にして電池性能を向上させることができる。
本発明の請求項10に記載のナトリウム−硫黄電池の製法は、請求項1乃至9の内いずれか1項に記載のナトリウム−硫黄電池の製法であって、前記リング状の絶縁体の内周壁に、テーパ面と前記固体電解質管の上端部が当接する当接面とが形成された構成を有している。
この構成により、請求項1乃至9の内いずれか1項の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)絶縁体接合工程において、固体電解質管の先端部をテーパ面に沿って滑らせながら当接面に近づけて当接させることにより、固体電解質管とリング状の絶縁体を簡単に同軸に接合することができ、これにより、安全管接合工程において、安全管の外壁と固体電解質管の内壁との間に均一な幅のクリアランス部を形成することができ、クリアランス部内においてナトリウムが均一に行き渡るので電流密度を均一にして電池性能を向上させることができる。
本発明の請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10の内いずれか1項に記載のナトリウム−硫黄電池の製法により製造された構成を有している。
この構成によって、以下のような作用を有する。
(1)負極室脱気工程において、負極室の内部を所定の真空度となるように脱気しているので、ナトリウム注入工程において、ナトリウムを安全管の底部の孔部を介してクリアランス部に配置することができ、ナトリウムを固体電解質管の内表面を覆うように配置でき、反応面積を確保することができる。
(2)安全管が上端部に開口部を有する場合は、ナトリウムが注入された負極室に液面調整ガスを注入することにより、安全管の内部のナトリウムの液面を押し下げ、クリアランス部のナトリウムの液面を押し上げることができる。この状態で冷却し封止することで、ナトリウムを固体電解質管の内表面を全体に渡って覆うように配置でき、反応面積を大きく確保することができる。
(3)また、安全管が上端部に開口部を有する場合は、冷却工程においてナトリウムを冷却し固化させた後、封止ガス雰囲気下で安全管の開口部を封止するので、安全管の開口部に負極蓋部を溶接等により接合するだけで、安全管の内部のナトリウムの上部に所定圧力の封止ガスを封入することができ、封止ガスを注入する作業を行う必要がなく製造工数を低減でき生産性に優れる。
(4)さらに、安全管が上端部に開口部を有する場合は、安全管の内部のナトリウムの上部に所定圧力の封止ガスを封入することで、電池駆動時にナトリウムが融解しても、封止ガスの圧力によりクリアランス部のナトリウムの液面の高さを維持することができ、ナトリウムを固体電解質管の内表面を全体に渡って覆うように配置でき、反応面積を大きく確保することができる。
(5)安全管が上端部に管状の連通管を有する場合は、封止ガス注入工程において、安全管の内部のナトリウムの上部に所定圧力の封止ガスを注入することにより、安全管の内部のナトリウムの液面を押し下げ、クリアランス部のナトリウムの液面を押し上げることができる。この状態で冷却工程においてナトリウムを冷却し固化させ、封止工程において封止することで、電池駆動時にナトリウムが融解しても、封止ガスの圧力によりクリアランス部のナトリウムの液面の高さを維持することができ、ナトリウムを固体電解質管の内表面を全体に渡って覆うように配置でき、反応面積を大きく確保することができる。
(6)また、安全管が上端部に管状の連通管を有する場合は、冷却工程においてナトリウムを冷却し固化させた後、封止ガス注入工程において、安全管の内部のナトリウムの上部に所定圧力の封止ガスを注入し、封止工程において封止することで、電池駆動時にナトリウムが融解すると、封止ガスの圧力により安全管の内部のナトリウムの液面を押し下げ、クリアランス部のナトリウムの液面を押し上げることができ、クリアランス部のナトリウムの液面の高さを調整することができ、ナトリウムを固体電解質管の内表面を全体に渡って覆うように配置でき、反応面積を大きく確保することができる。
(7)安全管の内部のナトリウムの上部に、クリアランス部のナトリウムの液面と放電末期における安全管の内部のナトリウムの液面とのヘッド差に相当する圧力以上の圧力の封止ガスを封入することで、電池の放電末期に安全管の内部のナトリウムの液面が最も低くなった場合であっても、クリアランス部のナトリウムの液面の高さを維持することができ、ナトリウムを固体電解質管の内表面を全体に渡って覆うように配置でき、反応面積を大きく確保することができる。
(8)安全管の内部のナトリウムの上部に配置された液面調整ガス又は封止ガスの圧力のみで、クリアランス部のナトリウムの液面をその上端部まで押し上げ、且つその液面の高さを維持させることができ、複数回ガスを使用することなくガスやガス発生材等の費用を低減できると共に、高精度に液面の高さを調整することができる。
以上のように、本発明によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)負極室の内部を所定の真空度となるように脱気することにより、ナトリウムを安全管の底部の孔部を介してクリアランス部に配置することができ、ナトリウムを固体電解質管の内表面を覆うように配置でき、反応面積を確保することができる電池性能に優れたナトリウム−硫黄電池の製法を提供することができる。
(2)安全管の開口部に負極室接続部を嵌合し、負極室接続部を介して脱気やナトリウムの注入、及びその後の液面調整ガスや封止ガスの注入等を行うことができるので、各工程における接続部の取り付け取り外しが不要で製造工数が低減でき、自動化が容易で生産性に優れたナトリウム−硫黄電池の製法を提供することができる。
(3)安全管固定部がフランジ部を有しているので、クリアランス部のナトリウムの液面が上昇した場合にそれを確実に封止でき、ナトリウム漏れを防止できる安全性に優れたナトリウム−硫黄電池の製法を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、
(1)ナトリウムが注入された負極室に液面調整ガスを注入することにより、ナトリウムを固体電解質管の反応部の内表面を全体に渡って覆うように配置でき、反応面積を大きく確保することができるナトリウム−硫黄電池の製法を提供することができる。
(2)安全管の内部のナトリウムの上部に配置された液面調整ガスの圧力のみで、クリアランス部のナトリウムの液面を押し上げ、且つその液面の高さを維持させることができ、複数回ガスを使用することなくガスやガス発生材等の費用を低減できると共に、高精度に液面の高さを調整することができ、省コスト性及び液面の調整精度に優れたナトリウム−硫黄電池の製法を提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)封止ガス雰囲気下で安全管の開口部を封止するので、封止ガスを注入する作業を行う必要がなく製造工数を低減でき生産性に優れたナトリウム−硫黄電池の製法を提供することができる。
(2)電池駆動時にナトリウムが融解しても、封止ガスの圧力によりクリアランス部のナトリウムの液面の高さを維持することができ、ナトリウムを固体電解質管の内表面を全体に渡って覆うように配置でき、反応面積を大きく確保することができるナトリウム−硫黄電池の製法を提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3の効果に加え、
(1)電池の放電末期に安全管の内部のナトリウムの液面が最も低くなった場合であっても、クリアランス部のナトリウムの液面の高さを維持することができ、ナトリウムを固体電解質管の反応部の内表面を全体に渡って覆うように配置でき、反応面積を大きく確保することができるナトリウム−硫黄電池の製法を提供することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項3又は4の効果に加え、
(1)封止ガス雰囲気中にヘリウムリークディテクター等の漏れ検出器により検出可能なヘリウムガス等の漏れ検出用ガスを含むことにより、封止工程の後、開口部の封止部分の漏れ試験を容易に行うことができ、省力性に優れ且つ安全性と信頼性に優れたナトリウム−硫黄電池の製法を提供することができる。
請求項6に記載の発明によれば、
(1)負極室の内部を所定の真空度となるように脱気することにより、ナトリウムを安全管の底部の孔部を介してクリアランス部に配置することができ、ナトリウムを固体電解質管の内表面を覆うように配置でき、反応面積を確保することができる電池性能に優れたナトリウム−硫黄電池の製法を提供することができる。
(2)安全管の上端部の管状の連通管に管継手を装着し、管継手を介して脱気やナトリウムの注入、及びその後の封止ガスの注入等を行うことができるので、各工程における管継手の取り付け取り外しが不要で製造工数が低減でき、自動化が容易で生産性に優れたナトリウム−硫黄電池の製法を提供することができる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項6の効果に加え、
(1)安全管の内部のナトリウムの上部に所定圧力の封止ガスを注入することにより、電池駆動時にナトリウムが融解しても、封止ガスの圧力によりクリアランス部のナトリウムの液面の高さを維持することができ、ナトリウムを固体電解質管の内表面を全体に渡って覆うように配置でき、反応面積を大きく確保することができるナトリウム−硫黄電池の製法を提供することができる。
(2)安全管の内部のナトリウムの上部に配置された封止ガスの圧力のみで、クリアランス部のナトリウムの液面をその上端部まで押し上げ、且つその液面の高さを維持させることができ、複数回ガスを使用することなくガスやガス発生材等の費用を低減できると共に、高精度にクリアランス部の液面の高さを調整することができ、省コスト性及び液面の調整精度に優れたナトリウム−硫黄電池の製法を提供することができる。
請求項8に記載の発明によれば、請求項6又は7の効果に加え、
(1)冷却工程においてナトリウムを冷却し固化させた後、封止ガス注入工程において、安全管の内部のナトリウムの上部に所定圧力の封止ガスを注入し、封止工程において封止することで、電池駆動時にナトリウムが融解すると、封止ガスの圧力により安全管の内部のナトリウムの液面を押し下げ、クリアランス部のナトリウムの液面を押し上げることができ、クリアランス部のナトリウムの液面の高さを調整することができ、ナトリウムを固体電解質管の内表面を全体に渡って覆うように配置でき、反応面積を大きく確保することができるナトリウム−硫黄電池の製法を提供することができる。
(2)安全管の内部のナトリウムの上部に配置された封止ガスの圧力のみで、クリアランス部のナトリウムの液面をその上端部まで押し上げ、且つその液面の高さを維持させることができ、複数回ガスを使用することなくガスやガス発生材等の費用を低減できると共に、高精度にクリアランス部の液面の高さを調整することができ、省コスト性及び液面の調整精度に優れたナトリウム−硫黄電池の製法を提供することができる。
請求項9に記載の発明によれば、請求項1乃至8の内いずれか1項の効果に加え、
(1)安全管接合工程において、安全管固定部とリング状の絶縁体との各々の嵌合部を嵌め合わせることにより安全管を固体電解質管と同軸に挿設して接合できるので、均一な幅のクリアランス部が形成され、電流密度を均一にでき電池性能を高めることができるナトリウム−硫黄電池の製法を提供することができる。
請求項10に記載の発明によれば、請求項1乃至9の内いずれか1項の効果に加え、
(1)絶縁体接合工程において、固体電解質管の先端部をテーパ面に沿って滑らせながら当接面に近づけて当接させることにより、固体電解質管とリング状の絶縁体を簡単に同軸に接合することができ、均一な幅のクリアランス部を形成することができ、電流密度を均一にでき電池性能を高めることができるナトリウム−硫黄電池の製法を提供することができる。
請求項11に記載の発明によれば、
(1)負極室脱気工程において、負極室の内部を所定の真空度となるように脱気しているので、ナトリウム注入工程において、ナトリウムを安全管の底部の孔部を介してクリアランス部に配置することができ、ナトリウムを固体電解質管の内表面を覆うように配置でき、反応面積を確保することができるナトリウム−硫黄電池を提供することができる。
(2)安全管が上端部に開口部を有する場合は、ナトリウムが注入された負極室に液面調整ガスを注入することにより、安全管の内部のナトリウムの液面を押し下げ、クリアランス部のナトリウムの液面を押し上げることができる。この状態で冷却し封止することで、ナトリウムを固体電解質管の内表面を全体に渡って覆うように配置でき、反応面積を大きく確保することができるナトリウム−硫黄電池を提供することができる。
(3)また、安全管が上端部に開口部を有する場合は、冷却工程においてナトリウムを冷却し固化させた後、封止ガス雰囲気下で安全管の開口部を封止するので、安全管の開口部に負極蓋部を溶接等により接合するだけで、安全管の内部のナトリウムの上部に所定圧力の封止ガスを封入することができ、封止ガスを注入する作業を行う必要がなく製造工数を低減でき生産性に優れたナトリウム−硫黄電池を提供することができる。
(4)さらに、安全管が上端部に開口部を有する場合は、安全管の内部のナトリウムの上部に所定圧力の封止ガスを封入することで、電池駆動時にナトリウムが融解しても、封止ガスの圧力によりクリアランス部のナトリウムの液面の高さを維持することができ、ナトリウムを固体電解質管の内表面を全体に渡って覆うように配置でき、反応面積を大きく確保することができるナトリウム−硫黄電池を提供することができる。
(5)安全管が上端部に管状の連通管を有する場合は、封止ガス注入工程において、安全管の内部のナトリウムの上部に所定圧力の封止ガスを注入することにより、安全管の内部のナトリウムの液面を押し下げ、クリアランス部のナトリウムの液面を押し上げることができる。この状態で冷却工程においてナトリウムを冷却し固化させ、封止工程において封止することで、電池駆動時にナトリウムが融解しても、封止ガスの圧力によりクリアランス部のナトリウムの液面の高さを維持することができ、ナトリウムを固体電解質管の内表面を全体に渡って覆うように配置でき、反応面積を大きく確保することができるナトリウム−硫黄電池を提供することができる。
(6)また、安全管が上端部に管状の連通管を有する場合は、冷却工程においてナトリウムを冷却し固化させた後、封止ガス注入工程において、安全管の内部のナトリウムの上部に所定圧力の封止ガスを注入し、封止工程において封止することで、電池駆動時にナトリウムが融解すると、封止ガスの圧力により安全管の内部のナトリウムの液面を押し下げ、クリアランス部のナトリウムの液面を押し上げることができ、クリアランス部のナトリウムの液面の高さを調整することができ、ナトリウムを固体電解質管の内表面を全体に渡って覆うように配置でき、反応面積を大きく確保することができるナトリウム−硫黄電池を提供することができる。
(7)安全管の内部のナトリウムの上部に、クリアランス部のナトリウムの液面と放電末期における安全管の内部のナトリウムの液面とのヘッド差に相当する圧力以上の圧力の封止ガスを封入することで、電池の放電末期に安全管の内部のナトリウムの液面が最も低くなった場合であっても、クリアランス部のナトリウムの液面の高さを維持することができ、ナトリウムを固体電解質管の内表面を全体に渡って覆うように配置でき、反応面積を大きく確保することができるナトリウム−硫黄電池を提供することができる。
(8)安全管の内部のナトリウムの上部に配置された液面調整ガス又は封止ガスの圧力のみで、クリアランス部のナトリウムの液面をその上端部まで押し上げ、且つその液面の高さを維持させることができ、複数回ガスを使用することなくガスやガス発生材等の費用を低減できると共に、高精度に液面の高さを調整することができ、省コスト性及び液面の調整精度に優れたナトリウム−硫黄電池を提供することができる。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本実施の形態1におけるナトリウム−硫黄電池の製法により製造されたナトリウム−硫黄電池の構成図である。
図1において、1はナトリウム−硫黄電池、2は有底円筒状の固体電解質管、2aは固体電解質管2が挿入された有底円筒状の正極容器、3は固体電解質管2の内側に形成された負極室、4は固体電解質管2の外側の正極容器2aの内部に形成された正極室、5は負極室3の内部に挿入された安全管、5aは安全管5の底部に形成された孔部、6は負極室3に挿入された安全管5の内部及び孔部5aを通って固体電解質管2と安全管5との間の空間に充填された負極活物質としてのナトリウム、7は正極室4の内部に正極容器2aの内側壁面に沿って配設された側部正極成形体、8は正極室4の内部に正極容器2aの内側底面に敷設された底部正極成形体である。側部正極成形体7及び底部正極成形体8は、グラファイト繊維やカーボン繊維等をフェルト状に形成した後述の正極導電材に正極活物質としての後述の硫黄を含浸して形成したものである。
10は下端部に内側に突出した支持部10aを有する円筒状に形成され正極容器2aに挿入され正極容器2aの内側壁面の上部に固設された負極固定部、11は固体電解質管2の上端部にガラス接合等により接合され負極固定部10の支持部10a上に固定されたα−アルミナ等からなるリング状の絶縁体、12は安全管5の上端部の周壁に環装固定されリング状の絶縁体11上に固定された安全管固定部、13は安全管5の上端部の開口部を封止して安全管固定部12に溶接等により固定された負極蓋部、14は負極蓋部13に接続された負極端子、15は正極容器2aに接続された正極端子である。
以上のように構成されたナトリウム−硫黄電池1について、以下負極の製造方法について説明する。
図2(a)及び図2(b)は本実施の形態1におけるナトリウム−硫黄電池の製法の絶縁体接合工程を説明する説明図であり、図3(a)及び図3(b)は本実施の形態1におけるナトリウム−硫黄電池の製法の固定部接合工程を説明する説明図であり、図4(a)及び図4(b)は本実施の形態1におけるナトリウム−硫黄電池の製法の安全管接合工程を説明する説明図であり、図4(c)及び図4(d)は安全管接合工程の他の例を説明する説明図であり、図5(a)は本実施の形態1におけるナトリウム−硫黄電池の製法の負極室脱気工程を説明する説明図であり、図5(b)は本実施の形態1におけるナトリウム−硫黄電池の製法のナトリウム注入工程を説明する説明図であり、図5(c)は本実施の形態1におけるナトリウム−硫黄電池の製法の液面調整ガス注入工程を説明する説明図であり、図6(a)及び図6(b)は本実施の形態1におけるナトリウム−硫黄電池の製法の封止工程を説明する説明図である。
図2において、21は固体電解質管2の上端部にα−アルミナ等からなるリング状の絶縁体11をガラス接合するためのガラス半田等の接合材である。
図3において、22は円筒状の安全管固定部12の下端部に形成されたフランジ部、23は安全管5に環装した安全管固定部12を安全管5に各々の上端部で溶接して接合固定する溶接部である。
図4において、Xは固体電解質管2の内壁と安全管5の外壁と間に形成されたクリアランス部、11c,11dは安全管固定部12のフランジ部22の下面及びリング状の絶縁体11の上面に形成された凹凸状の嵌合部、11eはリング状の絶縁体11の上面の外縁部側に形成されフランジ部22の外周を嵌合する突条である。
図5において、24は安全管5の開口部の周囲の安全管固定部12に嵌合されOリング24aにより気密に固定されるカップ状の負極室接続部、24bは負極室接続部24から真空ポンプ25,ナトリウムタンク29,アルゴンガスタンク31に接続された接続管、25は真空ポンプ、26は真空ポンプ25用の開閉弁、27は真空度を計測する圧力計、29は負極活物質であるナトリウムが液状(溶融状態)で収容されたナトリウムタンク、30はナトリウムタンク29用の開閉弁、31は液面調整ガスであるアルゴンガスが収容されたアルゴンガスタンク、32はアルゴンガスタンク31用の開閉弁である。
図6において、33は負極端子14の一端部を負極蓋部13の上面に溶接し固定する溶接部、34は負極蓋部13をその外周部で安全管固定部12に溶接し固定する溶接部である。
まず、図2(a)に示すように、α−アルミナにより形成されたリング状の絶縁体11と、β″−アルミナ等の固体電解質により形成された固体電解質管2を準備する。リング状の絶縁体11は、その内周の下端部に下方に広がったテーパ面11aと当接面11bとを有する切り欠きが形成されている。次に、図2(b)に示すように、該切り欠きに固体電解質管2の上端部を挿入し、テーパ面11aに沿って滑らせながら、その上端部を当接面11bに当接させ、ガラス接合する(絶縁体接合工程)。ここで、絶縁体接合工程におけるガラス接合時は、接合部分を900℃に加熱して行われる。また、リング状の絶縁体11のテーパ面11aと固体電解質管2との間隙にはガラス半田等の接合材21が注入され、固体電解質管2をリング状の絶縁体11に接合する。なお、絶縁体接合工程の後、リング状の絶縁体11を接合した固体電解質管2を真空中で450℃程度の温度でアニーリングする。
次に、図3(a)に示すように、下端部にフランジ部22が形成された円筒状の安全管固定部12と、SUSや炭素鋼等により形成された有底円筒状の安全管5を準備する。次に、図3(b)に示すように、安全管5の上端側の外周部に安全管固定部12を環装し、各々の上端部を面一にして上端部で溶接部23において溶接して接合する。
次に、図4(a)に示すように、円筒状に形成され下端部に内側に突出した支持部10aを有する負極固定部10を準備する。次に、図4(b)に示すように、負極固定部10に固体電解質管2を上方から挿通させ、支持部10aの上面にリング状の絶縁体11の下端部を熱圧接合すると共に、リング状の絶縁体11の中央に安全管5を上方から挿通し、固体電解質管2の内壁と安全管5の外壁と間に所定幅のクリアランス部Xを形成して、リング状の絶縁体11の上面に安全管固定部12のフランジ部22の下面を熱圧接合する(安全管接合工程)。ここで、本実施の形態1においては、負極固定部10及び安全管固定部12の材質として表面にニッケル又はアルミニウムのめっきを施したSUSを用い、安全管接合工程は真空雰囲気下で行い、接合部の温度が接合材であるアルミニウム合金の融点以下である630℃となるようにヒータ等を用いて加熱し、加圧力は1MPaとし、保持時間は10分で行った。
また、図4(c)や図4(d)に示すように、安全管固定部12とリング状の絶縁体11との各々の嵌合部11c,11dを嵌め合わせることにより、又は、フランジ部22を突条11eに嵌め合わせることにより、安全管5を固体電解質管2と同軸に挿設して接合できるので、均一な幅のクリアランス部Xが形成され、クリアランス部X内においてナトリウムが均一に行き渡るので電流密度を均一にして電池性能を向上させることができる。
次に、図5(a)に示すように、安全管5の上端部の開口部を覆うように負極室接続部24をOリング24aにより気密に嵌合する。なお、本実施の形態1においては、負極室接続部24を安全管5の上端の外周部に環装固定された安全管固定部12の外周部に嵌合しているが、これに限られるものではなく、安全管固定部12が安全管5の上端部より下部に環装固定されている場合は、安全管5に直接嵌合してもよい。なお、開閉弁26,30,32は閉じられている。嵌合終了後、開閉弁26を開き、真空ポンプ25を駆動して負極室3内を脱気する(負極室脱気工程)。負極室3内の真空度は圧力計27により計測されるので、この計測値が所定の真空度となるまで脱気を行う。ここで、本実施の形態1においては、真空度は絶対圧で0.01mmHg(1.33Pa)に設定した。所定の真空度まで脱気すると、図5(b)に示すように、開閉弁26を閉じ、開閉弁30を開いてナトリウムタンク29から負極室3内へ溶融状態のナトリウムを注入する(ナトリウム注入工程)。なお、このとき、負極室3内は真空度が絶対圧で0.01mmHgに減圧されているので、開閉弁30を開くだけで、ナトリウムタンク29内のナトリウムは負極室3内へ吸引され注入される。
次に、図5(c)に示すように、開閉弁30を閉じ、開閉弁32を開いてアルゴンガスタンク29から負極室3内へアルゴンガスを注入する(液面調整ガス注入工程)。これにより、安全管5の内部のナトリウムはアルゴンガスの圧力により押し下げられ、その液面は下降し、それに伴ってクリアランス部Xのナトリウムの液面は上昇して上端部に達する。なお、アルゴンガスはクリアランス部Xのナトリウムの液面が上端部(安全管固定部12のフランジ部22の下面)に達する程度に注入すればよい。また、アルゴンガスの代わりに窒素ガス等を注入してもよい。次に、負極室接続部24を取り付けたままで負極室3内を冷却し、注入したナトリウムを凝固点以下の温度に下げてナトリウムを固化させる(冷却工程)。ここで、冷却方法としては、放置して放冷してもよく、あるいは冷却用のファン等を用いて急冷してもよい。
次に、図6(a)に示すように、フレキシブル端子等からなる負極端子14の一端部を負極蓋部13の上面に溶接部33において溶接し固定する。さらに、図6(b)に示すように、所定圧力のアルゴンガス等の封止ガス雰囲気下で負極蓋部13を安全管固定部12の上端部に溶接部34において溶接し、気密に封止する(封止工程)。封止ガス雰囲気の圧力としては、ナトリウム−硫黄電池1の作動温度において、クリアランス部Xのナトリウムの液面と放電末期における安全管5の内部のナトリウムの液面とのヘッド差に相当する圧力以上の圧力が用いられる。ここで、ナトリウム−硫黄電池は290℃から350℃の作動温度で作動するため、ヘッド差に相当する圧力は、電池の作動温度における圧力となる。封止工程は冷却後の常温において行われるため、電池の作動温度におけるヘッド差に相当する圧力を常温における圧力に換算し、さらに安全率をかけたものを封止ガス雰囲気の圧力として用いる。
また、封止工程において、封止ガス雰囲気中にヘリウムリークディテクターにより検出可能なヘリウムガスを体積比で5%混合させることができる。これにより、封止工程の後、開口部の封止部分の漏れ試験を容易に行うことができる。なお、漏れ試験は、開口部を封止した負極構造体を試験用チャンバ内に装填してチャンバ内を真空引きし、ヘリウムリークディテクターでヘリウムを検出することにより行うことができる。
以上のようにして負極を形成し、正極容器2aの内部に正極成形体7,8を配置して形成した陽極の円筒状の正極成形体7の中空部に固体電解質管2を挿入し、正極容器2aの内壁の上部に負極固定部10を接合して、図1に示すナトリウム−硫黄電池1が製造される。
以上のように実施の形態1のナトリウム−硫黄電池の製法及びナトリウム−硫黄電池は構成されているので、以下のような作用を有する。
(1)絶縁体接合工程において、固体電解質管2の上端部にα−アルミナ等からなるリング状の絶縁体11を接合する。次に、固定部接合工程において、安全管5の上端部に下端部にフランジ部22が形成された円筒状の安全管固定部12を環装し、上端部で溶接部23において溶接して接合する。次に、安全管接合工程において、固体電解質管2の内部に安全管5を挿入して、リング状の絶縁体11の上面に安全管固定部12のフランジ部22を接合する。これにより、安全管5の外壁と固体電解質管2の内壁との間に所定幅のクリアランス部Xを形成して、安全管5と固体電解質管2とを一体的に接合することができ、且つ負極室3を安全管5の開口部を除いて気密に形成することができる。
(2)負極室脱気工程において、安全管固定部12の外周部に負極室接続部24を気密に嵌合し、負極室3内を脱気する。次に、ナトリウム注入工程においてナトリウムタンク28から負極室3内へ溶融状態のナトリウムを吸引させることにより注入する。負極室3内は所定の真空度となるように脱気されているので、負極室接続部24を介して安全管5の開口部から注入された液状のナトリウムは、安全管5の底部の孔部5aを介して、クリアランス部Xに注入され、クリアランス部Xの上端部まで確実にナトリウムを注入することができる。
(3)液面調整ガス注入工程において、液状のナトリウムが注入された負極室3にアルゴンガスタンク31からアルゴンガスを注入する。注入されたアルゴンガスが安全管5の内部のナトリウムの液面を押し下げ、クリアランス部Xのナトリウムの液面を押し上げることで、ナトリウムを固体電解質管2の内表面を全体に渡って覆うように注入でき、正極活物質である硫黄との反応面積を大きく確保することができる。
(4)負極室封止工程において、所定の圧力のアルゴンガス雰囲気下で安全管5の開口部に負極蓋部13を溶接することにより、安全管5の内部のナトリウムの上部に、クリアランス部Xのナトリウムの液面と放電末期における安全管5の内部のナトリウムの液面とのヘッド差に相当する圧力以上の圧力の封止ガスを封入するので、電池の放電末期に安全管5の内部のナトリウムの液面が最も低くなった場合であっても、クリアランス部Xのナトリウムの液面の高さを維持することができ、ナトリウムを固体電解質管2の内表面を全体に渡って覆うように配置でき、反応面積を大きく確保することができる。
(5)安全管5の内部のナトリウムの上部に配置された液面調整ガスの圧力のみで、クリアランス部Xのナトリウムの液面をその上端部まで押し上げ、且つその液面の高さを維持させることができ、複数回ガスを使用することなくガスやガス発生材等の費用を低減できると共に、高精度に液面の高さを調整することができる。
(実施の形態2)
図7(a)は本実施の形態2におけるナトリウム−硫黄電池の製法の負極室脱気工程を説明する説明図であり、図7(b)は本実施の形態2におけるナトリウム−硫黄電池の製法のナトリウム注入工程を説明する説明図であり、図7(c)は本実施の形態2におけるナトリウム−硫黄電池の製法の封止ガス注入工程を説明する説明図であり、図8は本実施の形態2におけるナトリウム−硫黄電池の製法の封止工程を説明する説明図である。なお、図7及び図8において、実施の形態1において説明したものは同一の符号を付けて説明を省略する。
図7において、41は安全管5の上端部に溶接等により接合された蓋部、42は蓋部41の略中央部に貫設された連通管、43は連通管42と接続管24bを気密に接続する管継手である。図8において、44は連通管42を封止するために形成された封止溶接部である。
以下、本実施の形態2におけるナトリウム−硫黄電池の製法を図7及び図8を用いて説明する。なお、絶縁体接合工程、固定部接合工程及び安全管接合工程については、安全管5として上端部に管状の連通管42を備えたものを用いた点以外は、実施の形態1において説明したものと同様である。
図7(a)に示すように、固体電解質管2に挿入され固定された安全管5の連通管42に管継手43を気密に装着する。これにより、開閉弁26,30,32及び管継手43を介して真空ポンプ25,ナトリウムタンク29,アルゴンガスタンク31′が安全管5の連通管42に接続される。なお、開閉弁26,30,32は閉じられている。次に、ポンプ側開閉弁26を開き、真空ポンプ25を駆動して負極室3内を脱気する(負極室脱気工程)。0.01mmHgの真空度まで脱気すると、図7(b)に示すように、開閉弁26を閉じ、開閉弁30を開いてナトリウムタンク29から負極室3内へ溶融状態のナトリウムを注入する(ナトリウム注入工程)。なお、このとき、負極室3内は真空度が絶対圧で0.01mmHgに減圧されているので、開閉弁30を開くだけで、ナトリウムタンク29内のナトリウムは負極室3内へ吸引され注入される。
次に、図7(c)に示すように、開閉弁30を閉じ、開閉弁32を開いてアルゴンガスタンク31′から負極室3内へアルゴンガスを注入する(封止ガス注入工程)。これにより、安全管5の内部のナトリウムはアルゴンガスの圧力により押し下げられ、その液面は下降し、それに伴ってクリアランス部Xのナトリウムの液面は上昇して上端部に達する。注入される封止ガスの圧力としては、前述のものが用いられる。本実施の形態2ではナトリウム注入時の温度である150℃で封止ガスが注入されるため、電池の作動温度におけるヘッド差に相当する圧力を150℃における圧力に換算し、さらに安全率をかけたものを封止ガスの圧力として用いる。また、アルゴンガスタンク31′内の封止ガスとしては、アルゴンガスにヘリウムリークディテクターにより検出可能なヘリウムガスを体積比で5%混合させたものを用いた。
次に、連通管42に管継手43を接続したまま封止ガスの圧力を保持した状態で負極室3内を冷却し、注入したナトリウムを凝固点以下の温度に下げてナトリウムを固化させる(冷却工程)。
なお、本実施の形態2においては、負極室3内に封止ガスを注入した後に冷却したが、これに限られるものではなく、冷却し注入したナトリウムを固化させた後に封止ガスを注入してもよい。このときの封止ガスの圧力としては、実施の形態1で説明した封止ガス雰囲気の圧力と同様の圧力が用いられる。
次に、図8に示すように、連通管42の上端部近傍を挟み込むように押圧して変形させ連通管42を閉鎖し、管継手43を取り外した後、連通管42の上端部を封止溶接部44で溶接して完全に封止する(封止工程)。封止した連通管42は負極端子としてもよい。
以上のようにして、負極を形成し、実施の形態1と同様に正極成形体の中空部に固体電解質管2を挿入し、正極容器の内壁の上部に負極固定部10を接合してナトリウム−硫黄電池が製造される。
以上のように、本実施の形態2におけるナトリウム−硫黄電池の製法及びナトリウム−硫黄電池は構成されているので、以下のような作用を有する。
(1)封止ガス注入工程において、安全管5の内部のナトリウムの液面を押し下げ、クリアランス部Xのナトリウムの液面を押し上げることができる。この状態で冷却工程においてナトリウムを冷却し固化させ、封止工程において封止することで、電池駆動時にナトリウムが融解しても、封止ガスの圧力によりクリアランス部Xのナトリウムの液面の高さを維持することができ、ナトリウムを固体電解質管2の内表面を全体に渡って覆うように配置でき、反応面積を大きく確保することができる。
(2)封止ガス注入工程において、安全管5の内部のナトリウムに、クリアランス部Xのナトリウムの液面と放電末期における安全管5の内部のナトリウムの液面とのヘッド差に相当する圧力以上の圧力の封止ガスを封入することで、電池の放電末期に安全管5の内部のナトリウムの液面が最も低くなった場合であっても、クリアランス部Xのナトリウムの液面の高さを維持することができ、ナトリウムを固体電解質管2の内表面を全体に渡って覆うように配置でき、反応面積を大きく確保することができる。
(3)安全管5の内部のナトリウムの上部に配置された封止ガスの圧力のみで、クリアランス部Xのナトリウムの液面をその上端部まで押し上げ、且つその液面の高さを維持させることができ、複数回ガスを使用することなくガスやガス発生材等の費用を低減できると共に、高精度にクリアランス部の液面の高さを調整することができる。
以上説明したように、本発明は電力貯蔵用、電気自動車の駆動電源用等に用いられる2次電池であるナトリウム−硫黄電池の製法に関する。特に、本発明によれば、カートリッジの製造費用、加工費用、及びカートリッジに封入するガス発生材の費用がかからないため省コスト性に優れると共に、負極室内の圧力の調整が高精度で且つ容易にでき、ナトリウムが固体電解質管の表面を確実に覆い反応面積を確保することができ、製造工数が少なく自動化が容易であるナトリウム−硫黄電池の製法を提供することができる。
また、以上説明したように、本発明は電力貯蔵用、電気自動車の駆動電源用等に用いられる2次電池であるナトリウム−硫黄電池に関する。特に、本発明によれば、カートリッジの製造費用、加工費用、及びカートリッジに封入するガス発生材の費用がかからないため省コスト性に優れると共に、負極室内の圧力の調整が高精度で且つ容易にでき、ナトリウムが固体電解質管の表面を確実に覆い反応面積を確保することができるナトリウム−硫黄電池を提供することができる。
実施の形態1におけるナトリウム−硫黄電池の製法により製造されたナトリウム−硫黄電池の構成図 (a)実施の形態1におけるナトリウム−硫黄電池の製法の絶縁体接合工程を説明する説明図(b)実施の形態1におけるナトリウム−硫黄電池の製法の絶縁体接合工程を説明する説明図 (a)実施の形態1におけるナトリウム−硫黄電池の製法の安全管固定部接合工程を説明する説明図(b)実施の形態1におけるナトリウム−硫黄電池の製法の安全管固定部接合工程を説明する説明図 (a)実施の形態1におけるナトリウム−硫黄電池の製法の安全管接合工程を説明する説明図(b)実施の形態1におけるナトリウム−硫黄電池の製法の安全管接合工程を説明する説明図(c)安全管接合工程の他の例を説明する説明図(d)安全管接合工程の他の例を説明する説明図 (a)実施の形態1におけるナトリウム−硫黄電池の製法の負極室脱気工程を説明する説明図(b)実施の形態1におけるナトリウム−硫黄電池の製法のナトリウム注入工程を説明する説明図(c)実施の形態1におけるナトリウム−硫黄電池の製法の液面調整ガス注入工程を説明する説明図 (a)実施の形態1におけるナトリウム−硫黄電池の製法の負極室封止工程を説明する説明図(b)実施の形態1におけるナトリウム−硫黄電池の製法の負極室封止工程を説明する説明図 (a)実施の形態2におけるナトリウム−硫黄電池の製法の負極室脱気工程を説明する説明図(b)実施の形態2におけるナトリウム−硫黄電池の製法のナトリウム注入工程を説明する説明図(c)実施の形態2におけるナトリウム−硫黄電池の製法の封止ガス注入工程を説明する説明図 実施の形態2におけるナトリウム−硫黄電池の製法の封止工程を説明する説明図
符号の説明
1 ナトリウム−硫黄電池
2 固体電解質管
2a 正極容器
3 負極室
4 正極室
5 安全管
5a 孔部
6 ナトリウム(負極活物質)
7 側部正極成形体
8 底部正極成形体
10 負極固定部
10a 支持部
11 リング状の絶縁体
11a テーパ面
11b 当接面
11c,11d 嵌合部
11e 突条
12 安全管固定部
13 負極蓋部
14 負極端子
15 正極端子
21 接合材
22 フランジ部
23,33,34 溶接部
24 負極室接続部
24a Oリング
24b 接続管
25 真空ポンプ
26,30,32 開閉弁
27 圧力計ポンプ
29 ナトリウムタンク
31,31′ アルゴンガスタンク
41 蓋部
42 連通管
43 管継手
44 封止溶接部
X クリアランス部

Claims (11)

  1. 有底円筒状の固体電解質管の内側に負極室を形成し外側に正極室を形成し、負極室に負極活物質としてナトリウムを収容し正極室に正極活物質として硫黄を収容したナトリウム−硫黄電池の製法であって、
    固体電解質管の上端部にリング状の絶縁体を接合する絶縁体接合工程と、
    上端部に開口部を有し底部に孔部を有する有底円筒状に形成された安全管の上端側の外周部に、フランジ部を有する安全管固定部を環装し接合する固定部接合工程と、
    安全管を固体電解質管の内部に挿入し、安全管の外壁と固体電解質管の内壁との間にクリアランス部が形成されるようにフランジ部を前記絶縁体に接合する安全管接合工程と、
    安全管の前記開口部に嵌合した負極接続部を介して安全管の内部及び前記クリアランス部からなる負極室の内部を所定の真空度となるように脱気する負極室脱気工程と、
    負極室の内部を所定の真空度に保持した状態で、負極室接続部を介して負極室の内部に融点以上の温度に加熱し液化した負極活物質であるナトリウムを注入するナトリウム注入工程と、
    を備えていることを特徴とするナトリウム−硫黄電池の製法。
  2. ナトリウム注入工程の後に、ナトリウムが注入された負極室の内部に、負極室接続部を介して前記クリアランス部のナトリウムの液面の位置を調整する所定圧力の液面調整ガスを注入する液面調整ガス注入工程を備えていることを特徴とする請求項1に記載のナトリウム−硫黄電池の製法。
  3. 負極室に注入されたナトリウムを冷却し固化する冷却工程と、冷却工程の後に、負極室接続部を取り外し、所定圧力の封止ガス雰囲気下で安全管の開口部を封止する封止工程と、を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のナトリウム−硫黄電池の製法。
  4. 前記封止ガス雰囲気の圧力が、ナトリウム−硫黄電池の作動温度において、クリアランス部のナトリウムの液面と放電末期における安全管の内部のナトリウムの液面とのヘッド差に相当する圧力以上の圧力であることを特徴とする請求項3に記載のナトリウム−硫黄電池の製法。
  5. 前記封止ガス雰囲気中に漏れ検出器により検出可能な漏れ検出用ガスを含むことを特徴とする請求項3又は4に記載のナトリウム−硫黄電池の製法。
  6. 有底円筒状の固体電解質管の内側に負極室を形成し外側に正極室を形成し、負極室に負極活物質としてナトリウムを収容し正極室に正極活物質として硫黄を収容したナトリウム−硫黄電池の製法であって、
    固体電解質管の上端部にリング状の絶縁体を接合する絶縁体接合工程と、
    上端部に管状の連通管を有する蓋部が接合され底部に孔部を有する有底円筒状に形成された安全管の上端側の外周部に、フランジ部を有する安全管固定部を環装し接合する固定部接合工程と、
    安全管を固体電解質管の内部に挿入し、安全管の外壁と固体電解質管の内壁との間にクリアランス部が形成されるようにフランジ部を絶縁体に接合する安全管接合工程と、
    安全管の前記連通管に装着された管継手を介して安全管の内部及び前記クリアランス部からなる負極室の内部を所定の真空度となるように脱気する負極室脱気工程と、
    負極室の内部を所定の真空度に保持した状態で、管継手を介して負極室の内部に融点以上の温度に加熱し液化した負極活物質であるナトリウムを注入するナトリウム注入工程と、
    を備えていることを特徴とするナトリウム−硫黄電池の製法。
  7. ナトリウム注入工程の後に、負極室に前記管継手を介して所定圧力の封止ガスを注入する封止ガス注入工程と、封止ガス注入工程の後に、負極室に注入されたナトリウムを冷却し固化する冷却工程と、冷却工程の後に、安全管の前記連通管を封止する封止工程と、を備えていることを特徴とする請求項6に記載のナトリウム−硫黄電池の製法。
  8. ナトリウム注入工程の後に、負極室に注入されたナトリウムを冷却し固化する冷却工程と、冷却工程の後に、負極室に管継手を介して所定圧力の封止ガスを注入する封止ガス注入工程と、封止ガス注入工程の後に、安全管の前記連通管を封止する封止工程と、を備えていることを特徴とする請求項6に記載のナトリウム−硫黄電池の製法。
  9. 前記安全管固定部のフランジ部の下面及び前記リング状の絶縁体の上面に、前記安全管を前記固体電解質管に同軸に接合するための凹凸状の嵌合部が形成されている、或いは、前記リング状の絶縁体の上面の外縁部側に前記フランジ部の外周を嵌合する突条又は突部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至8の内いずれか1項に記載のナトリウム−硫黄電池の製法。
  10. 前記リング状の絶縁体の内周壁に、テーパ面と前記固体電解質管の上端部が当接する当接面とが形成されていることを特徴とする請求項1乃至9の内いずれか1項に記載のナトリウム−硫黄電池の製法。
  11. 請求項1乃至10の内いずれか1項に記載のナトリウム−硫黄電池の製法により製造されたことを特徴とするナトリウム−硫黄電池。
JP2004093898A 2004-03-26 2004-03-26 ナトリウム−硫黄電池及びその製法 Ceased JP2005285384A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004093898A JP2005285384A (ja) 2004-03-26 2004-03-26 ナトリウム−硫黄電池及びその製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004093898A JP2005285384A (ja) 2004-03-26 2004-03-26 ナトリウム−硫黄電池及びその製法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005285384A true JP2005285384A (ja) 2005-10-13

Family

ID=35183558

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004093898A Ceased JP2005285384A (ja) 2004-03-26 2004-03-26 ナトリウム−硫黄電池及びその製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005285384A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103117416A (zh) * 2012-12-12 2013-05-22 上海电气钠硫储能技术有限公司 一种钠硫电池负极的注钠方法
KR101353341B1 (ko) * 2011-12-22 2014-01-22 재단법인 포항산업과학연구원 나트륨 유황 전지
KR101353340B1 (ko) * 2011-12-12 2014-01-22 재단법인 포항산업과학연구원 나트륨 유황 전지
KR101353598B1 (ko) 2011-12-27 2014-01-23 주식회사 포스코 나트륨 유황 전지 제조 방법
KR20140022687A (ko) * 2012-08-14 2014-02-25 재단법인 포항산업과학연구원 나트륨 유황 전지
KR101409427B1 (ko) * 2013-07-31 2014-06-19 재단법인 포항산업과학연구원 나트륨-유황 전지의 열압착 접합용 지그
KR101439080B1 (ko) 2013-03-04 2014-09-12 한국기계연구원 나트륨계 전지의 제조 방법
KR20160078736A (ko) * 2014-12-24 2016-07-05 재단법인 포항산업과학연구원 나트륨 유황 전지의 나트륨 주입 장치 및 나트륨 주입 방법

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101353340B1 (ko) * 2011-12-12 2014-01-22 재단법인 포항산업과학연구원 나트륨 유황 전지
KR101353341B1 (ko) * 2011-12-22 2014-01-22 재단법인 포항산업과학연구원 나트륨 유황 전지
KR101353598B1 (ko) 2011-12-27 2014-01-23 주식회사 포스코 나트륨 유황 전지 제조 방법
KR20140022687A (ko) * 2012-08-14 2014-02-25 재단법인 포항산업과학연구원 나트륨 유황 전지
CN103117416A (zh) * 2012-12-12 2013-05-22 上海电气钠硫储能技术有限公司 一种钠硫电池负极的注钠方法
KR101439080B1 (ko) 2013-03-04 2014-09-12 한국기계연구원 나트륨계 전지의 제조 방법
KR101409427B1 (ko) * 2013-07-31 2014-06-19 재단법인 포항산업과학연구원 나트륨-유황 전지의 열압착 접합용 지그
KR20160078736A (ko) * 2014-12-24 2016-07-05 재단법인 포항산업과학연구원 나트륨 유황 전지의 나트륨 주입 장치 및 나트륨 주입 방법
KR101694176B1 (ko) * 2014-12-24 2017-01-09 재단법인 포항산업과학연구원 나트륨 유황 전지의 나트륨 주입 장치 및 나트륨 주입 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101737644B1 (ko) 고출력 전기 화학 전지 내의 내부 부품들의 외부에서 인가된 레이저 용접을 위한 방법 및 디자인
US20060260713A1 (en) Method and apparatus for providing a sealed container containing a detectable gas
US4006281A (en) Electric cells
CN103137916B (zh) 一种电池的密封组件及其制作方法、以及一种锂离子电池
JP2001110400A (ja) 電解液注入装置および電解液注入方法
JP2005285384A (ja) ナトリウム−硫黄電池及びその製法
US20210351442A1 (en) Molten sodium battery and partition wall for molten sodium battery
WO2013132632A1 (ja) 密閉型電池、及びその製造方法
JP2015041526A (ja) 蓄電装置の蓋体とケース本体との溶接方法
JP3876058B2 (ja) アルミニウム製電池ケースの接合方法
KR20110114721A (ko) 밀폐형 전지 및 그 제조 방법, 그것을 탑재하는 차량, 기기
CN202423497U (zh) 钠容纳用盒子以及钠硫电池
US4695519A (en) Electrochemical cell construction and fill method
JP2002100329A (ja) 密閉型電池およびその製造方法
JP2000311702A (ja) 密閉形鉛蓄電池の電池構造
US4611395A (en) Filling system for hermetically sealed batteries
JP3936255B2 (ja) ナトリウム硫黄電池用ナトリウム負極およびその製造方法
JP3704241B2 (ja) ナトリウム−硫黄電池における絶縁リングと陽極筒状金具との接合構造
CN104576975A (zh) 用于电池的密封组件及其制造方法和具有它的电池
JP2000090966A (ja) ナトリウム−硫黄電池の製造方法と製造装置
JP2003257414A (ja) 密閉型電池およびその製造方法
KR20110001713U (ko) 유리/금속 밀봉부를 포함하는 캡 조립체 및 이의 제조 방법과 캡 조립체를 구비하는 전지
JP3575282B2 (ja) 蓄電池の極柱封口方法
JP5736915B2 (ja) 燃料電池
JPS61285655A (ja) 薄形密閉電池の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060801

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070510

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070709

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070910

A045 Written measure of dismissal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A045

Effective date: 20080121