JP2005283759A - 窓材料と波長変換素子材料とが最適化された波長変換装置 - Google Patents

窓材料と波長変換素子材料とが最適化された波長変換装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 多品種少量生産に適し、かつ、低コストの波長変換装置を提供すること。
【解決手段】 光の波長を短波長化または長波長化する波長変換装置は、光が入射する第1の窓と、光の波長を短波長化または長波長化するように位相整合された非線形光学単結晶と、短波長化または長波長化された光を出射する第2の窓とを含む。短波長化または長波長化された光は、第1の窓と第2の窓との間で共振し、第1の窓の材料と非線形光学単結晶と第2の窓の材料とは、同一である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、非線形光学単結晶を用いた波長変換装置に関する。詳細には、本発明は、共振器に用いられる窓材料および非線形光学単結晶が最適化された波長変換装置に関する。
近年、優れた非線形光学定数および電気光学定数を有する非線形光学単結晶を用いた波長変換素子の研究が盛んに行われている。なかでも、良質な強誘電体単結晶の製造技術および分極反転形成技術の向上により、擬似位相整合方式を採用した波長変換素子の発展は目覚しい。
図5は、従来技術によるパラメトリック(OPO)発振器を示す模式図である。
OPO発振器5000は、第1の窓5100と、波長変換素子5200と、第2の窓5300とを含む。
第1の窓5100は、例えば、サファイア(Al2O3)、フッ化カルシウム(CaF2
)、硫化亜鉛(ZnS)およびセレン化亜鉛(ZnSe)からなる群から選択された材料から製造され得る(例えば、非特許文献1を参照。)。これらの材料は、ポンプ光(OPO発振器5000に入射する光)と、波長変換素子5200にて波長変換された光とを透過する。
第1の窓5100は、第1の反射防止膜5400と第1の高反射率膜5500とを有する。第1の反射防止膜5400は、ポンプ光が第1の窓5100で反射することなく透過するために設けられる。第1の高反射率膜5500は、ポンプ光を透過させ、かつ、波長変換素子5200で波長変換された光を反射させるために設けられる。
波長変換素子5200は、例えば、実質的に定比組成のタンタル酸リチウム単結晶であり得る。波長変換素子5200は、ポンプ光に対して位相整合するように所定の周期を有する周期分極構造を有している。
波長変換素子5200は、第1の窓5100側に第2の反射防止膜5600、および、第2の窓5300側に第3の反射防止膜5700を有する。第2の反射防止膜5600および第3の反射防止膜5700は、ポンプ光および波長変換素子5200で波長変換された光を透過させる。
第2の窓5300は、第1の窓5100と同様の材料群から選択された材料から製造され得るが、第1の窓5100の材料と第2の窓5300の材料とは異なっていてもよい。第2の窓5300は、第2の高反射率膜5800と第4の反射防止膜5900とを有する。第2の高反射率膜5900は、ポンプ光を反射させる、および、波長変換素子5200で波長変換された光の一部を反射させるために設けられる。第4の反射防止膜5900は、少なくとも波長変換素子5100で波長変換された光を透過させるために設けられる。
第1の反射防止膜5400と第2の反射防止膜5600と第3の反射防止膜5700と第4の反射防止膜5900とは、同一の誘電体多層膜であってもよいし、異なる誘電体多層膜であってもよい。
次に、このようなOPO発振器5000の動作を説明する。
YAGレーザ等の光源(図示せず)が発する波長1.064μmのポンプ光が、OPO発振器5000に入射される。ポンプ光は、第1の反射防止膜5400を介して第1の窓5100へ入射する。次いで、ポンプ光は、第1の高反射率膜5500を透過した後、第
2の反射防止膜5600を介して波長変換素子5200に入射する。波長変換素子5200は、波長変換素子5200の分極反転周期に応じて、入射されたポンプ光を波長1.58μm〜1.7μmのシグナル光と波長2.8μm〜3.3μmのアイドラ光とに変換する。変換されたシグナル光およびアイドラ光は、第3の反射防止膜5700を介して第2の窓5300へ入射する。
ポンプ光と、シグナル光および/またはアイドラ光の一部とは、第2の窓5300の第2の高反射率膜5800で反射される。反射されたポンプ光と、シグナル光および/またはアイドラ光とは、再度、第2の反射防止膜5600および第3の反射防止膜5700を介して波長変換素子5200を透過する。反射されたポンプ光は、第1の高反射率膜5500を透過し、OPO発振器5000から出射する。シグナル光および/またはアイドラ光は、第1の高反射率膜5700で反射され、再度、波長変換素子5200を透過する。このようにして、シグナル光および/またはアイドラ光は、第1の窓5100と第2の窓5300との間で共振し、シグナル光および/またはアイドラ光の強度が増幅される。
最終的に、変換されたシグナル光および/またはアイドラ光の大部分が、第2の窓5300を透過し、第4の反射防止膜5900を介してOPO発振器5000から出射する。
久野治義著「赤外線工学」電子情報通信学会出版第88頁表4.1
上述したように第1、第2、第3および第4の反射防止膜5400、5600、5700および5900は、誘電体多層膜であり得、これら反射防止膜はスパッタリング等の物理的気相成長法または化学的気相成長法によって堆積される。これら反射防止膜の堆積条件(温度、雰囲気、ターゲット間距離、圧力等)は、たとえ第1〜第4の反射防止膜5400、5600、5700および5900が同一の誘電体多層膜であっても、基板材料によって異なる。したがって、図5に示されるOPO発振器5000において第1の窓5100の材料と第2の窓5300の材料とが同一の場合、反射防止膜の堆積には、少なくとも3バッチ(第1の反射防止膜5400および第4の反射防止膜5900を堆積する第1のバッチ、第2の反射防止膜5600を堆積する第2のバッチおよび第3の反射防止膜5700を堆積する第3のバッチ)を要する。
このバッチ数は、製品コストに大きく影響する。すなわち、バッチ数が増えるほど、製品は高コストになる。少品種大量生産においては、このようなバッチ数を無視しても安価な製品を提供することができる。しかしながら、多品種少量生産においては、バッチ数が製品コストに及ぼす影響は大きく、ユーザは、高価格の製品を購入することを余儀なくされている。
また、図5に示されるOPO発振器5000に用いられる第1の窓5100および第2の窓5300の材料は、いくつかの問題を有する。例えば、Al2O3は、硬度が高いため、加工が困難である。CaF2は、潮解性があるため水に対する耐性が低く、取り扱いに不便である。ZnSおよびZnSeは、高価であるため、装置全体のコストが高くなる。したがって、これら問題を解決する窓材料があれば望ましい。
したがって、本発明の目的は、多品種少量生産に適し、かつ、安価な波長変換装置を提供することである。
本発明のさらなる目的は、多品種少量生産に適し、加工および取り扱いの容易・安価な窓材料を提供し、安価な波長変換装置を提供することである。
本発明による光の波長を短波長化または長波長化する波長変換装置は、前記光が入射する第1の窓と、前記光の波長を短波長化または長波長化するように位相整合された非線形光学単結晶と、前記短波長化または長波長化された光を出射する第2の窓とを含み、前記短波長化または長波長化された光は、前記第1の窓と前記第2の窓との間で共振し、前記第1の窓の材料と前記非線形光学単結晶と前記第2の窓の材料とは、同一であり、これにより上記目的を達成する。
前記材料は、実質的に定比組成のニオブ酸リチウム、実質的に定比組成のタンタル酸リチウム、Mg、Zn、ScおよびInからなる群から選択される少なくとも1以上の元素を含む実質的に定比組成のニオブ酸リチウム、および、Mg、Zn、ScおよびInからなる群から選択される少なくとも1以上の元素を含む実質的に定比組成のニオブ酸リチウムからなる群から選択されてもよい。
前記第1の窓は、前記光が入射する側に第1の反射防止膜を有し、前記非線形光学単結晶は、前記第1の窓側に第2の反射防止膜および前記第2の窓側に第3の反射防止膜を有し、前記第2の窓は、前記短波長化または長波長化された光が出射する側に第4の反射防止膜を有し、前記第1の反射防止膜と、前記第2の反射防止膜または前記第3の反射防止膜と、前記第4の反射防止膜とは実質的に同一の反射防止膜であってもよい。
前記波長変換装置は、第1の波長λ1を有する第1の光を第2の波長λ2を有する第2の光および第3の波長λ3を有する第3の光に変換し、ここで、前記第1の波長λ1と前記第2の波長λ2と前記第3の波長λ3とは、関係1/λ1=1/λ2+1/λ3を満たし、前記
第2の窓は、前記第2の光および/または前記第3の光を出射してもよい。
前記波長変換装置は、前記第1の波長λ1を有する第1の光を第2の波長λ2を有する第2の光に変換し、ここで、前記第1の波長λ1と前記第2の波長λ2とは、関係λ1=2×
λ2を満たしてもよい。
本発明による波長変換装置は、光が入射する第1の窓と、光の波長を短波長化または長波長化するように位相整合された非線形光学単結晶と、短波長化または長波長化された光を出射する第2の窓とを含む。第1の窓の材料と非線形光学単結晶と第2の窓の材料とは同一であるため、反射防止膜等の同一の誘電体多層膜を第1の窓材料と第2の窓材料と非線形光学単結晶とに、同時に同条件で堆積することができる。この結果、堆積バッチ数は、従来の堆積バッチ数に比べて少なくとも1回減るので、安価な波長変換装置を提供することができる。また、単結晶育成後の同一のロッドから第1の窓と、波長変換素子と、第2の窓とを加工すればよいので、安価である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1によるパラメトリック発振を利用した波長変換装置を示す模式図である。
波長変換装置100は、第1の窓101と、波長変換素子102と、第2の窓103とを含む。
第1の窓101は、実質的に定比組成のタンタル酸リチウム単結晶(以降ではSLTと称する)、実質的に定比組成のニオブ酸リチウム(以降ではSLNと称する)、および、Mg、Zn、ScおよびInからなる群から選択される少なくとも1つの元素をドーピングしたSLTまたはSLNからなる群から選択される材料から作製され得る。
本明細書中において、実質的に「定比組成である」とは、Li2O/(Ta2O5+Li2
O)またはLi2O/(Nb2O5+Li2O)のモル分率が完全に0.50ではないものの、コングルエント組成よりも化学量論比に近い組成Li2O/(Ta2O5+Li2O)または(Li2O/(Nb2O5+Li2O)のモル分率=0.490〜0.5)を有しており、そのことに起因するデバイスの特性の低下が通常のデバイスの設計において問題にならない程度であることをいう。このようなSLTまたはSLNは、例えば、特開2000−344595に記載される二重るつぼを使用したチョクラルスキー法により作製され得る。
図2は、本発明による窓材料の透過率特性を示す図である。
図2は、本発明による窓材料のうちSLTの透過率特性を示す。0.3μm〜5μmの範囲において良好な透過率特性を示している。上記波長領域における透過率特性は、従来の窓材料の1つZnSeと比較しても、何ら差はない。このことは、上記波長領域において、波長変換素子と同一の材料のSLTを窓材料として用いることができることを示している。なお、図2では、SLTの透過率特性を示すが、SLN、不純物を添加したSLTまたはSLNにおいても同様の結果が得られることを理解されたい。
再度図1を参照する。第1の窓101は、第1の反射防止膜104と第1の高反射率膜105とを有する。第1の反射防止膜104は、ポンプ光(波長変換装置100に入射する光;第1の光)が第1の窓101で反射することなく所定の透過率で透過するために、第1の窓101のポンプ光が入射する側に設けられる。第1の高反射率膜105は、ポンプ光を所定の透過率で透過させ、かつ、波長変換素子102で波長変換された光を所定の反射率で反射させるために、第1の窓101の波長変換素子102側に設けられる。
第1の反射防止膜104および第1の高反射率膜105は、好ましくは、上述の窓材料のX面に形成され得る。これは、X面は、Z面およびY面に比べて、表面粗さが小さいため良質な膜を形成することができるためである。
波長変換素子102は、非線形光学効果を有する、擬似位相整合された非線形光学単結晶である。詳細には、波長変換素子102は、SLT、SLN、および、Mg、Zn、ScおよびInからなる群から選択される少なくとも1つの元素をドーピングしたSLTまたはSLNからなる材料群から選択された材料から作製され得る。ただし、第1の窓101の材料と波長変換素子102の材料とは同一である。波長変換素子102は、ポンプ光に対して位相整合するように所定の分極反転周期を有する周期分極反転構造を有している。波長変換素子102の素子長は35mmであり、素子厚1〜2mmであるが、このようなサイズに限定されない。
本実施の形態では、例えば、波長変換素子102としてSLTを用いた場合、波長1.064μmのポンプ光を、波長1.4μm〜2.1μmのシグナル光(第2の光)および波長2.1μm〜4μmのアイドラ光(第3の光)に波長変換するように、所定の分極反転周期は15μm〜35μmの範囲であり得る。波長変換素子102の分極反転周期は、上記所定の分極反転周期に限定されず、ポンプ光の波長(第1の波長)λ1と、シグナル
光の波長(第2の波長)λ2と、アイドラ光の波長(第3の波長)λ3とが、関係1/λ1
=1/λ2+1/λ3を満たすように、擬似位相整合された分極反転周期である限り任意である。
波長変換素子102は、第1の窓101側に第2の反射防止膜106および第2の窓103側に第3の反射防止膜107を有する。第2の反射防止膜106および第3の反射防止膜107は、ポンプ光、シグナル光およびアイドラ光を所定の透過率で透過させる。
第2の窓103は、第1の窓101と同様に、SLN、SLN、および、Mg、Zn、ScおよびInからなる群から選択される少なくとも1つの元素をドーピングしたSLTまたはSLNからなる群から選択された材料から作製され得る。ただし、第2の窓103
の材料は、第1の窓101の材料と波長変換素子102の材料と同一である。
第2の窓103は、第2の高反射率膜108と第4の反射防止膜109とを有する。第4の反射防止膜109は、シグナル光および/またはアイドラ光(波長変換装置100から出射する光)が第2の窓103で反射することなく所定の透過率で透過するために、第2の窓103の光が出射する側に設けられる。第2の高反射率膜108は、ポンプ光を完全に反射させ、かつ、シグナル光および/またはアイドラ光の一部または全部を所定の反射率で反射させるために、第2の窓103の波長変換素子102側に設けられる。
このようなシグナル光および/またはアイドラ光の一部または全部を反射するか否か(単一共振または二重共振)は、ユーザの用途に応じて第2の高反射率膜108を設計すればよい。第1の窓101と同様に、第2の高反射率膜108および第4の反射防止膜109は、好ましくは、上述の窓材料のX面に形成され得る。これは、X面は、Z面およびY面に比べて、表面粗さが小さいため良好な膜を形成することができるためである。
なお、第1の窓101の材料と、波長変換素子102の材料と、第2の窓103の材料とは、同一の材料が選択されることに留意されたい。
図3は、反射防止膜が堆積された本発明の窓材料の反射率特性を示す図である。
図3から、反射防止膜とSLTとは、1.064μmのポンプ光と、1.54〜1.8μmのシグナル光と、2.7〜3.4μmのアイドラ光とに対して0.5%以下の反射率を有することが分かる。このことは、波長変換素子102と同一の材料を窓材料として用いることができることを示している。反射防止膜は、誘電体多層膜であり得、例えば、TiO2、SiO2等から構成され得るが、反射防止膜を構成する誘電体多層膜の種類および膜厚等の選択によって、透過させる波長範囲を変更することができることを理解されたい。
本実施の形態では、第1の反射防止膜104と第2の反射防止膜106と第3の反射防止膜107と第4の反射防止膜109とは、図3に示される特性(すなわち、少なくともポンプ光、シグナル光およびアイドラ光を透過させる)を有する実質的に同一の誘電体多層膜であり得る。このような誘電体多層膜は、スパッタリング、CVD、PLD、MBE等を含む、任意の物理的気相成長法または化学的気相成長法によって作製され得る。
本発明によれば、第1の窓101の材料と波長変換素子102の材料と第2の窓103の材料とが同一であるため、第1の反射防止膜104と、第2の反射防止膜106または第3の反射防止膜107と、第4の反射防止膜109とを同一および同条件のバッチ工程で堆積することができる。その結果、1つの波長変換装置100の製造コストを下げることができる。
本明細書において、第1の反射防止膜104と、第2の反射防止膜106または第3の反射防止膜107と、第4の反射防止膜109とが「実質的に同一」であるとは、同一および同条件のバッチ工程で反射防止膜を堆積した場合であっても、作製された反射防止膜に多少の特性の違いは生じるものも、それがデバイスに及ぼす影響は実用上問題がない程度のことを言う。
また、第1の窓101の材料と波長変換素子102の材料と第2の窓103の材料とが同一であるため、単結晶育成後の同一のロッドから第1の窓101と波長変換素子102と第2の窓103とを加工すればよいので、低価格である。
次に、実施の形態1による波長変換装置100の動作を説明する。
YAGレーザ等の光源(図示せず)が発する波長1.064μmのポンプ光が、波長変換装置100に入射される。ポンプ光は、第1の反射防止膜104を介して第1の窓10
1へ入射する。次いで、ポンプ光は、第1の高反射率膜105を透過した後、第2の反射防止膜106を介して波長変換素子102に入射する。波長変換素子102は、15μm〜35μmの分極反転周期に応じて、入射されたポンプ光を波長1.4μm〜2.1μmのシグナル光と、波長2.1μm〜4μmのアイドラ光とに変換する。変換されたシグナル光およびアイドラ光は、第3の反射防止膜107を介して第2の窓103へ入射する。
ポンプ光と、シグナル光および/またはアイドラ光の一部または全部とは、第2の窓103の第2の高反射率膜108で所定の反射率で反射される。反射されたポンプ光と、シグナル光および/またはアイドラ光の一部または全部とは、再度、第2の反射防止膜106および第3の反射防止膜107を介して波長変換素子102を透過する。反射されたポンプ光は、第1の高反射率膜105を透過して、波長変換装置100から出射する。
シグナル光および/またはアイドラ光の一部または全部は、第1の高反射率膜105で反射され、再度、波長変換素子102を透過する。このようにして、シグナル光および/またはアイドラ光は、第1の窓101と第2の窓103との間で共振し、シグナル光および/またはアイドラ光の強度が増幅される。最終的に、増幅されたシグナル光および/またはアイドラ光が、第2の高反射率膜108および第4の反射防止膜109を介して第2の窓103から出射する。
このようにして、パラメトリック発振を利用した波長変換装置100は、入射光を長波長化する。なお、実施の形態において、第1〜第4の反射防止膜104、106、107、109、および、第1〜第2の高反射率膜105、108の各波長に対する透過率または反射率、ならびに、共振条件について詳述していないが、これらは設計に応じて適宜変更され得るものであり、当業者であれば容易に類推可能である。
(実施の形態2)
次に、第2高調波発生を利用した波長変換装置を説明する。
図4は、実施の形態2による第2高調波発生を利用した波長変換装置を示す模式図である。
波長変換装置400は、第1の窓401と、波長変換素子402と、第2の窓403とを含む。
第1の窓401は、実施の形態1と同様に、SLT、SLN、および、Mg、Zn、ScおよびInからなる群から選択される少なくとも1つの元素をドーピングしたSLTまたはSLNからなる材料群から選択された材料から作製され得る。
第1の窓401は、第1の反射防止膜404と第1の高反射率膜405とを有する。第1の反射防止膜404は、基本波(波長変換装置400に入射する光;第1の光)が第1の窓401で反射することなく所定の透過率で透過するために、第1の窓401の基本波が入射する側に設けられる。第1の高反射率膜405は、基本波を所定の透過率で透過させ、かつ、波長変換素子402で波長変換された光を所定の反射率で反射させるために、第1の窓401の波長変換素子402側に設けられる。第1の反射防止膜404および第1の高反射率膜405は、好ましくは、上述の窓材料のX面に形成され得る。これは、X面は、Z面およびY面に比べて、表面粗さが小さいため良好な膜を形成することができるためである。
波長変換素子402は、実施の形態1と同様に、SLT、SLN、および、Mg、Zn、ScおよびInからなる群から選択される少なくとも1つの元素をドーピングしたSLTまたはSLNからなる材料群から選択された材料から作製され得る。第1の窓401の材料と波長変換素子402の材料とは同一である。波長変換素子402は、基本波に対して位相整合するように所定の周期を有する周期分極反転構造を有している。波長変換素子
402の素子長は35mmであり、素子厚1〜2mmであるが、このようなサイズに限定されない。
本実施の形態では、例えば、波長変換素子402としてSLTを用いた場合、波長780nmの基本波(第1の光)を波長390nmの第2高調波(第2の光)に波長変換するように、所定の分極反転周期は2.7μm〜2.9μmの範囲であり得る。波長変換素子402の分極反転周期は、上記所定の分極反転周期に限定されず、基本波の波長(第1の波長)λ1と第2高調波の波長(第2の波長)λ2とが、関係λ1=2×λ2を満たすように、擬似位相整合された分極反転周期である限り任意である。
波長変換素子402は、第1の窓401側に第2の反射防止膜406および第2の窓403側に第3の反射防止膜407を有する。第2の反射防止膜406および第3の反射防止膜407は、基本波および第2高調波を所定の透過率で透過させる。
第2の窓403は、実施の形態1と同様に、SLT、SLN、および、Mg、Zn、ScおよびInからなる群から選択される少なくとも1つの元素をドーピングしたSLTまたはSLNからなる材料群から選択された材料から作製され得る。第2の窓403の材料は、第1の窓401の材料と波長変換素子402の材料と同一である。
第2の窓403は、第2の高反射率膜408と第4の反射防止膜409とを有する。第4の反射防止膜409は、第2高調波(波長変換装置400から出射する光)が第2の窓403で反射することなく所定の透過率で透過させるために、第2の窓403の光が出射する側に設けられる。第2の高反射率膜408は、基本波を完全に反射させ、かつ、第2高調波の一部を所定の反射率で反射させるために、第2の窓403の波長変換素子402側に設けられる。第1の窓401と同様に、第2の高反射率膜408および第4の反射防止膜409は、好ましくは、上述の窓材料のX面に形成され得る。これは、X面は、Z面およびY面に比べて、表面粗さが小さいため良好な膜を形成することができるためである。
なお、実施の形態1と同様に、第1の窓401の材料と第2の波長変換素子402と第2の窓403の材料とは、同一の材料が選択されることに留意されたい。また、第1の反射防止膜404と第2の反射防止膜406と第3の反射防止膜407と第4の反射防止膜409とは、任意の物理的気相成長法または化学的気相成長法によって作製され得る同一の誘電体多層膜であり得る。
実施の形態1と同様に、本発明によれば、第1の窓401の材料と波長変換素子402と第2の窓403の材料とが同一であるため、第1の反射防止膜404と、第2の反射防止膜406または第3の反射防止膜407と、第4の反射防止膜409とを同一および同条件のバッチ工程で堆積することができる。その結果、1つの波長変換装置400の製造コストを下げることができる。
また、第1の窓401の材料と波長変換素子402と第2の窓403の材料とが同一であるため、単結晶育成後の同一のロッドから第1の窓401と波長変換素子402と第2の窓403とを加工すればよいので、低価格である。
次に、実施の形態2による波長変換装置400の動作を説明する。
半導体レーザ等の光源(図示せず)が発する波長780nmの基本波が、波長変換装置400に入射される。基本波は、第1の反射防止膜401を介して第1の窓401へ入射する。次いで、基本波は、第1の高反射率膜405を透過した後、第2の反射防止膜406を介して波長変換素子402に入射する。波長変換素子402は、入射された基本波を波長380nmの第2高調波に変換する。変換された第2高調波は、第3の反射防止膜407を介して第2の窓403へ入射する。
基本波と第2高調波の一部とは、第2の窓403の第2の高反射率膜408で反射される。反射された基本波と第2高調波の一部とは、再度、第2の反射防止膜406および第3の反射防止膜407を介して波長変換素子402を透過する。反射された基本波は、第1の高反射率膜405を透過して、波長変換装置400から出射する。
第2高調波の一部は、第1の高反射率膜405で反射され、再度、波長変換素子402を透過する。このようにして第2高調波は、第1の窓401と第2の窓403との間で共振し、第2高調波の強度が増幅される。最終的に、増幅された第2高調波は、第2の高反射率膜408および第4の反射防止膜409を介して第2の窓403から出射する。
このようにして、第2高調波発生を利用した波長変換装置400は、入射光を短波長化する。なお、実施の形態において、第1〜第4の反射防止膜404、406、407、409、および、第1〜第2の高反射率膜405、408の各波長に対する透過率または反射率、ならびに、共振条件について詳述していないが、これらは設計に応じて適宜変更され得るものであり、当業者であれば容易に類推可能である。また、上述した基本波および第2高調波の波長は、一例に過ぎず、波長変換素子402の分極反転周期に応じて異なる波長の基本波を用いることができる。
なお、本発明による波長変換装置に和周波発生、差周波発生を適用してもよいことは言うまでもない。この場合、第1の窓、波長変換素子、および、第2の窓に適用される第1〜第4の反射防止膜および第1〜第2の高反射率膜の設計を変更するだけでよく、当業者であれば、上述した効果が得られることを理解する。
また、実施の形態では、内部共振型波長変換装置について詳述したが、本発明を外部共振型波長変換装置に適用してもよい。この場合も同様の効果が得られることを理解されたい。
また、実施の形態では、周期分極構造によって擬似位相整合された非線形光学単結晶を用いた波長変換装置について詳述してきたが、本発明を、特定の波長領域(例えば、近紫外から赤外)において良好な透過率特性を有する限り、複屈折整合によって位相整合された非線形光学単結晶にも適用してもよい。
以上、実施の形態を参照して詳述してきたように、本発明によれば、入射光を長波長化または短波長化する波長変換装置において、第1の窓と波長変換素子と第2の窓とに同一の材料を適用する。これにより、第1の窓の第1の反射防止膜と、波長変換素子の第2の反射防止膜または第3の反射防止膜と、第2の窓の第4の反射防止膜とは、同一および同条件のバッチ工程で堆積され得る。この結果、一波長変換装置の製造コストを低下することができる。また、第1の窓と波長変換素子と第2の窓とは、単結晶育成後の同一ロッドから加工され得るので、一波長変換装置に要する材料コストを低下することができる。したがって、本発明の波長変換装置は、多品種少量生産に適しており、かつ、安価である。
実施の形態1によるパラメトリック発振を利用した波長変換装置を示す模式図 本発明による窓材料の透過率特性を示す図 反射防止膜が堆積された本発明の窓材料の反射率特性を示す図 実施の形態2による第2高調波発生を利用した波長変換装置を示す模式図 従来技術によるパラメトリック(OPO)発振器を示す模式図
符号の説明
100、400 波長変換装置
101、401 第1の窓
102、402 波長変換素子
103、403 第2の窓
104、404 第1の反射防止膜
105、405 第1の高反射率膜
106、406 第2の反射防止膜
107、407 第3の反射防止膜
108、408 第2の高反射率膜
109、409 第4の反射防止膜

Claims (5)

  1. 光の波長を短波長化または長波長化する波長変換装置であって、
    前記光が入射する第1の窓と、
    前記光の波長を短波長化または長波長化するように位相整合された非線形光学単結晶と、
    前記短波長化または長波長化された光を出射する第2の窓と
    を含み、
    前記短波長化または長波長化された光は、前記第1の窓と前記第2の窓との間で共振し、
    前記第1の窓の材料と前記非線形光学単結晶と前記第2の窓の材料とは、同一である、波長変換装置。
  2. 前記材料は、実質的に定比組成のニオブ酸リチウム、実質的に定比組成のタンタル酸リチウム、Mg、Zn、ScおよびInからなる群から選択される少なくとも1以上の元素を含む実質的に定比組成のニオブ酸リチウム、および、Mg、Zn、ScおよびInからなる群から選択される少なくとも1以上の元素を含む実質的に定比組成のニオブ酸リチウムからなる群から選択される、請求項1に記載の波長変換装置。
  3. 前記第1の窓は、前記光が入射する側に第1の反射防止膜を有し、
    前記非線形光学単結晶は、前記第1の窓側に第2の反射防止膜および前記第2の窓側に第3の反射防止膜を有し、
    前記第2の窓は、前記短波長化または長波長化された光が出射する側に第4の反射防止膜を有し、
    前記第1の反射防止膜と、前記第2の反射防止膜または前記第3の反射防止膜と、前記第4の反射防止膜とは実質的に同一の反射防止膜である、請求項1に記載の波長変換装置。
  4. 前記波長変換装置は、第1の波長λ1を有する第1の光を第2の波長λ2を有する第2の光および第3の波長λ3を有する第3の光に変換し、ここで、前記第1の波長λ1と前記第2の波長λ2と前記第3の波長λ3とは、関係1/λ1=1/λ2+1/λ3を満たし、
    前記第2の窓は、前記第2の光および/または前記第3の光を出射する、請求項1に記載の波長変換装置。
  5. 前記波長変換装置は、前記第1の波長λ1を有する第1の光を第2の波長λ2を有する第2の光に変換し、ここで、前記第1の波長λ1と前記第2の波長λ2とは、関係λ1=2×
    λ2を満たす、請求項1に記載の波長変換装置。
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