JP2005281035A - 複合構造体および衝撃吸収部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 軽量かつ割れにくく衝撃吸収性に優れた複合構造体および衝撃吸収部材を提供する。
【解決手段】 長尺状の芯材2と、芯材2の外周を被覆して芯材2とは異なる組成からなる被覆層3とで構成された複合繊維体4を集束した繊維集束層5と、単一セラミック層6とを積層した複合構造体1である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複合構造体および衝撃吸収部材に関し、特に軽量、高硬度、高強度なセラミックスを具備し、かつ衝撃吸収性に優れた複合構造体からなる衝撃吸収部材に関する。
拳銃と違って、ライフルや小銃は弾丸の貫通力が格段に高いため、従来の様な高強度繊維を補強材としたFRPでは、通常の構成では耐弾できない。そのためFRPの表面に金属を積層したり、金属単体としたり、あるいは金属に代えて板状セラミックスをFRPの表面に貼り合わせた構造の耐弾板が用いられてきた。
しかしながら、金属では比重が大きくライフル弾を耐弾させるための性能を得ようとすると重量の面で重くなり、例えば個人装具となる防弾チョッキに応用する場合には着用者にとって極めて負荷の大きいものであった。そこで、例えば、特許文献1では、より軽量で耐弾効率のよい超高強度繊維を補強材としたFRPの着弾側に小さなセラミックスタイルを隙間なく敷き詰めた防弾部材が提案され、また同文献では割れやすいタイルの接合部分、すなわちタイルの角部の厚みを厚くして補強することが提案されている。
一方、特許文献2には第1のセラミックスからなる長尺状の芯材の外周に第2のセラミックスからなる被覆層を配した複合繊維体を複数本集束してロッド状とした複合構造体が記載され、セラミックスの突発的な破壊を防止できることが記載されている。
特開2002−326861号公報 米国特許第5645781号明細書
しかしながら、特許文献1のセラミックタイルを並べた防弾部材では接合部分が強化されているものの、全体としてセラミックタイル自体の極めて割れやすい性質は改善されず、一度着弾した部分は壊れてしまうので防弾性が不完全であったり、または、着弾する以前の取り扱いによって割れてしまったりする恐れがあり、しかも部分的に厚みが異なるために構造部材として性能や取り扱いに不具合をきたす場合があった。また、この割れやすいという問題は防弾部材に限らず、ヘルメットや装甲板等の他の衝撃吸収部材にも言えることであった。
さらに、特許文献2に記載された複合構造体の形状はロッド状のみであり、衝撃吸収部材へ応用する際の具体的な構造については一切示唆されていなかった。
本発明は、上記課題に対し、軽量、高硬度、高強度なセラミックスを具備し、かつ、その破壊靭性を大幅に改善して防弾性等の衝撃吸収性に優れた衝撃吸収部材等に使用できる複合構造体を提供することを目的とするものである。
本発明は、長尺状の芯材と、該芯材の外周を被覆して芯材とは異なる組成からなる被覆層とで構成された複合繊維体を集束した繊維集束層と単一セラミック層とを積層したことを特徴とする複合構造体であって、この構成により、軽量で割れにくく衝撃吸収性に優れるとともに、機械的信頼性に優れた複合構造体となる。
ここで、前記複合繊維体の前記芯材が窒化ケイ素質セラミックスからなり、前記被覆層が窒化ホウ素質セラミックスからなること、および、前記単一セラミック層がアルミナ質セラミックスおよび/または窒化珪素質セラミックスからなることが、軽量で強度の高い構造体、すなわち比強度(重量に対する強度)の高い構造体とする点で望ましい。
また、衝撃吸収および強度保持の観点から、前記複合構造体中に前記繊維集束層が20〜70体積%の割合で存在していることが望ましい。
また、前記繊維集束層中の前記複合繊維体が複数本ランダムな方向に配置された構成であってもよいが、前記複合繊維体を規則的な方向に配置した方が、クラックの偏向が発生しやすくなることで破壊靱性が向上し、耐衝撃性が増すため望ましい。
さらに、前記繊維集束層と前記単一セラミック層とが焼結によって一体化していること、さらには、前記繊維集束層と前記単一セラミック層との間が元素の拡散により傾斜組成となっていること、さらにまた、前記繊維集束層と前記単一セラミック層との境界がジグザグ状となっていることが、前記繊維集束層と前記単一セラミック層との密着性を高めて取り扱いを容易にでき、かつ複合構造体の機械的信頼性を高めることができる点で望ましい。
さらに、上記複合構造体は、特に付加装甲等に用いられる衝撃吸収部材として使用した場合、優れた性能が発揮できるものである。
本発明の複合構造体は、長尺状の芯材と、該芯材の外周を被覆して芯材とは異なる組成からなる被覆層とで構成された複合繊維体を集束した繊維集束層と、単一セラミック層とを積層した構成であることから、軽量で割れにくく衝撃吸収性に優れるとともに機械的信頼性に優れた複合構造体となる。
本発明の複合構造体の一例について、その概略斜視図である図1、図1の複合構造体に含まれる複合繊維体の構成を説明するための模式図である図2、および図1の複合構造体の応用例である図3を基に説明する。
図1によれば、複合構造体1は、長尺状の芯材2と、芯材2の外周を被覆し芯材2とは異なる組成のセラミックからなる被覆層3とで構成された複合繊維体4を集束した繊維集束層5と、単一セラミック層7とを積層した構成からなる。この構成により、軽量で割れにくく、かつ衝撃によって発生したクラックの進行方向が複合繊維体4と接触して偏向されることにより高い衝撃吸収効果を発揮できるとともにクラックの進展を抑制することができて破壊靭性値を向上させることができることから、衝撃吸収性に優れるとともに機械的信頼性に優れた複合構造体となる。
なお、図1によれば、繊維集束層5と単一セラミック層7は1枚ずつ貼り合わされた構成からなるが、本発明はこれに限定されるものではなく、繊維集束層5および/または単一セラミック層7が2枚以上の複数層であってもよく、また、それらが交互に積層されたものであってもよい。図1では、主面の片方が繊維集束層5で他方の主面が単一セラミック層7からなる構成であるが、例えば取り扱い時の損傷を防止して保形性を高めるために両主面が単一セラミック層7からなる構成であってもよく、逆に、場合によっては両主面が複合繊維束層5であってもよい。
図2(a)(b)は、本発明において用いられている複合繊維体4(4a、4b)の概略斜視図である。(a)の複合繊維体4aは、芯材2とこの芯材2の外周を被覆し芯材2とは異なる組成の材料からなる被覆層3とからなるシングルタイプの繊維体である。また、(b)の複合繊維体4bは、(a)のシングルタイプの繊維体4aの集合体を伸延したものでマルチタイプの繊維体である。本発明によれば、複合構造体1はこのような(a)または(b)の複合繊維体4(4a、4b)を集束した構造体によって形成されている。望ましくは、(b)のマルチタイプの複合繊維体4bを用いることが衝撃吸収性に優れる。
芯材2をなす焼結体の結晶粒子の平均粒径は、複合繊維体4(4a、4b)の硬度および強度向上の点、および芯材2と被覆層3中の結合材(結合金属、焼結助剤)の含有量を適正化する点で0.05〜10μm、特に0.1〜3μmであることが望ましく、他方、被覆層3をなす結晶粒子の平均粒径は、複合繊維体4の靭性向上の点で、0.01〜5μm、特に0.01〜2μmであることが望ましい。
また、単一セラミック層7をなす焼結体の結晶粒子の平均粒径は、硬度および強度向上の点で0.05〜10μm、特に0.1〜3μmであることが望ましい。
なお、複合構造体6の寸法は要求される重量、衝撃吸収力等で変わるものであるが、芯材2の直径が5〜400μm、被覆層3を含めた複合繊維体4の1本の直径が6〜500μm、複合繊維体層の厚みが0.05〜2.5mm、複合構造体1の厚みが0.5mm〜5mmであることが望ましい。
ここで、複合繊維体4の芯材2が窒化ケイ素質セラミックスからなり、被覆層3が窒化ホウ素質セラミックスからなることが、軽量で強度の高い、すなわち、比強度(重量に対する強度)の高い構造体とする点で望ましい。また、単一セラミック層7がアルミナ質セラミックスおよび/または窒化珪素質セラミックスからなることによって、高硬度、高強度という構造体の特性をほとんど損ねることなく複合構造体1の破壊靭性が向上できるため、構造材料としての機械的信頼性の高いものとなる。
また、衝撃吸収および強度保持の観点から、複合構造体1中に繊維集束層5が20〜70体積%の割合で存在していることが望ましい。
さらに、繊維集束層5中の複合繊維体4が複数本ランダムな方向に配置された構成であってもよいが、複合繊維体4を規則的な方向に配置した方が、繊維集束層5の充填率を高めて組織を緻密化できるとともに、衝撃エネルギーの分散効果が高く繊維集束層5の破壊靱性が向上し、複合構造体1の耐衝撃性が増すため望ましい。
また、図1中複合繊維体4,4同士は隙間無く配列されているように表示されているが、複合繊維体4、4間に隙間は空いていても問題は無い。ただし、用途によって高強度が必要な場合には、複合繊維体4、4間が隙間なく整列されていることが望ましい。
なお、複合繊維体層12中に存在する複合繊維体4はランダムな配列、織布状に編み込んだものであってもよい。かかる複合繊維体4内に隙間ができるような配列では、衝撃吸収力が増すというメリットがある。
また、繊維集束層5と単一セラミック層6とは単に接着等によって貼り合せた構成であってもよいが焼結によって一体化していることが、さらには、繊維集束層5と単一セラミック層7との間が多層構成とするかまたは焼成時の元素の拡散により傾斜組成となっていることが、さらにまた、繊維集束層5の単一セラミック層7と接触する側の終端面を凹凸形状とする等の方法により繊維集束層5と単一セラミック層7との境界がジグザグ状となっていることが、繊維集束層5と単一セラミック層7との密着性を高めて取り扱いを容易にでき、かつ複合構造体1の機械的信頼性を高めることができる点で望ましい。
なお、図1の複合構造体1(1a〜1c)は、複合繊維体4(4a、4b)を複数本シート状に集束したシート状集束体8を2枚積層した構成からなり、(a)上層と下層の複合繊維体同士のなす角度=0°(同じ向き)、(b)上層と下層の複合繊維体同士のなす角度=90°(直交する向き)、(c)上層と下層の複合繊維体同士のなす角度=45°の複合繊維層5(5a〜5c)と、単一セラミック層7とを積層した構造となっている。ここで、本発明によれば、図1(a)〜(c)のうち、(a)以外の(b)(c)に示すように、隣接する繊維集束体層5中の複合繊維体4同士のなす角が特に30°以上ずれた、異なる向きとなるように積層した構造とすることにより、構造体中に伝播する衝撃およびクラックの進展方向を変えることができて特に衝撃吸収性を高めることができる。
さらに、複合構造体1は、特に付加装甲等に用いられる衝撃吸収部材として使用した場合、優れた性能が発揮できるものである。
また、本発明によれば、複合構造体1は一枚ものであってもよいが、図3のように貼り合わされた構造(貼り合せ構造体6)であってもよい。貼り合せ構造体6中の繊維集束体層5の積層枚数は用途により形状や要求特性が異なることから一概には言えないが、例えば、20枚以上、特に30〜100枚であることが貼り合せ構造体6の軽さと衝撃吸収性を両立させる点で望ましい。
さらに、衝撃を受ける主面が複合繊維体4の断面方向(径方向)となるように配置されていてもよいが、図1のように衝撃を受ける主面が複合繊維体4の長手方向(繊維方向)となるように配置されていることが衝撃吸収効率を高める点で望ましい。
また、複合構造体1(1a〜1c)は平板状であってもよいが、用途によっては曲率を持った湾曲形状のものが必要な場合もある。また、四角形や六角形等の所定形状に小さくカットした繊維集束体層5を複数枚横に並べることもでき、この場合には図3に示すように、1層目のつなぎ目と2層目のつなぎ目とがずれるようにして積層することが、つなぎ目からのクラックの進展を偏向させ易くする点で望ましい。なお、繊維集束体層5を横に隙間なく並べるには、六角形形状の繊維集束体層5を最密充填する方法、四角形形状の繊維集束体層5を格子状または千鳥状に配列する方法が、好ましく採用される。さらに、繊維集束体層5の1枚の大きさは、1cm〜400cm、特に9cm〜225cmであるのが、作業性および製造の容易性の点で望ましい。
さらに、上記複合構造体1または貼り合構造体6を用いて防弾板やヘルメット等を作製する際には、被衝撃吸収面側に貼り合せ構造体6を配置してその裏面に高強度繊維やプラスチックを密着配置することが衝撃吸収性能を向上させるとともに衝撃により破損したセラミックスが飛散して破片による2次災害を防止させるために望ましい。かかる構成の防弾板を作るためには、それら相互を接着させる必要があり、かかる接着剤としては、柔軟性のある弾性接着剤が好ましく用いられる。
かかる衝撃吸収部材1は、防弾板、防弾チョッキ、防刃チョッキ、防弾防刃チョッキ、楯、ヘルメット等のボディ用付加装甲、車両用の付加装甲、軍事用車両の付加装甲用などの付加装甲に好適に使用されるものである。またさらには特に耐衝撃性を要求される航空機、宇宙航空機のエンジン部品、耐衝撃部品としても好適に使用される。
(製造方法)
次に、本発明の複合構造体の製造方法について説明する。まず、本発明において用いられる複合繊維体4の製造方法の一例について説明する。また、図4は、図2の複合繊維体4(4a、4b)の製造方法を説明するための工程図である。
(工程(A))
<芯材用成形体の成形工程>
まず、繊維状の芯材用成形体12の周囲に、芯材用成形体12とは異なる組成からなる表皮材用成形体13が被覆された複合繊維成形体14を作製する工程(A)について、その好適な一例である図4の工程図を基に説明する。
初めに、芯材2を形成するための上述した所定の原料粉末、例えば、平均粒径が0.05〜3μmの前記セラミック粒子90〜99質量%、好ましくは95〜99質量%と、平均粒径が0.1〜5μm程度の焼結助剤粉末1〜10質量%、好ましくは1〜5質量%との割合からなる原料を調合し、必要に応じて、さらにこの混合物に焼結助剤成分粉末、有機バインダ、可塑剤、溶剤、分散剤、滑剤等を添加して混練した後、得られた混合物をプレス成形または鋳込み成形等の成形法により円柱形状に成形して芯材用成形体12を作製する(図4(a1)参照)。
<表皮材用成形体の成形工程>
また、表皮材用成形体13を、芯材用成形体12と同様に調合、混合し、必要に応じて、さらにこの混合物に上記した焼結助剤成分粉末、有機バインダ、可塑剤、溶剤等を添加し、得られた混合物をプレス成形または鋳込み成形等の成形法により半割円筒形状に成形して2つの表皮材用成形体13、13を作製する(図4(a2)参照)。
その後、上記のようにして得られた芯材用成形体12の外周面を表皮材用成形体13、13によって覆うように配置して複合成形体14を作製する(図4(a3)参照)。
(共押出成形工程)
ついで、図4(a4)に示すように、押出機100を用いて、上記複合成形体14を押出成形(芯材用成形体12と表皮材用成形体13、13を同時に押出す共押出成形)することによって、芯材用成形体12の周囲に表皮材用成形体13が被覆され、細い径に伸延された複合繊維成形体15(24)を作製する。このとき、複合繊維成形体15(24)の断面は、押出機100の出口形状を変えることによって、円形の他、三角形、四角形、五角形、六角形、楕円形等の任意形状に成形することもできる。
なお、上記共押出成形において、複合成形体14の最大径Dと共押出成形後の複合繊維成形体15の最大径Dとの比率D/Dは、0.01〜0.2が適当である。
また、本発明によれば、前述のようにして作製した複合繊維成形体15(24)を束ねた集束繊維体:(図示せず。)、およびいわゆるマルチフィラメント構造を有するマルチフィラメント状の繊維成形体を形成することもできる。その場合、複合繊維成形体15(24)間に上記バインダなどの接着材を介在させて、さらに、この集束した収束繊維体16にCIPなどによって圧力を印加するものであってもよいが、必要に応じ、図4(a5)に示すように、複合繊維成形体15を複数本集束した収束繊維体16を細い径に伸延したマルチフィラメント繊維体4b形成用のマルチフィラメント繊維成形体26とすることもできる。この方法によれば、成形体中の複合成形体14同士のより強固な密着性を得ることもできる。
なお、図4においては芯材用成形体12と表皮材用成形体13とを共押出成形により複合成形体14を作製する方法について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、繊維状の芯材用成形体12を作製した後、塗布、引き上げ・浸漬、スプレー、蒸着または溶射等によりこの芯材用成形体12の外周面に表皮材となる物質を被着形成する方法であってもよい。また、上記共押出成形法により複合成形体14を作製すれば、簡便な工程、安価な装置で大量の複合焼結体を製造できるとともに、芯材用成形体12および表皮材用成形体13とも高密度でサイズ制御も容易にできるという優位性がある。
(工程(B))
次に、図5に示すように、シングルフィラメント状の複合繊維成形体15、またはマルチフィラメント状のマルチフィラメント繊維成形体17を平面方向に複数本配列して熱圧着機101にて熱圧着しシート状成形体18を作製する。この方法によれば、成形体中の有機物成分の含有量を増すことなく複合繊維成形体15、15同士の密着力を高め、取り扱いによっても複合繊維成形体15、15同士の配列状態がずれることなく、均一に整列した複合繊維成形体15からなるシート状成形体18を作製することができて複合構造体6の特性を均一にできるとともに、取り扱いが容易となるために配列工程にかかる時間を短縮できる。
また、前記(B)工程において、複合繊維成形体15の配列方法としては、ランダムな配列または織物のように編み込んだ配列であってもよいが、図5に示すように、複数本の複合繊維成形体15、15を隙間なく並列に配列することによって、より均一な複合繊維成形体15を集束したシート状成形体18を作製できる。
さらに、シート状成形体18を複数段積層する配置としては、図1に示すように、(a)1段目のシート状成形体18の複合繊維成形体15と2段目のシート状成形体18の複合繊維成形体15とが並行(並列)するように積層する方法、(b)1段目のシート状成形体18の複合繊維成形体15と2段目のシート状成形体18の複合繊維成形体15とが直交するように積層する方法、(c)1段目のシート状成形体18の複合繊維成形体15と2段目のシート状成形体18の複合繊維成形体15とが所定の角度α(例えば45°)またはランダムな角度をなすように積層する方法が挙げられる。
また、上記方法以外にも、2次元または3次元の織布状とした構成、または複合繊維成形体15をランダムに充填してシート状成形体18を作製することも可能である。
(工程(C))
一方、単一セラミック層7を形成するための上述した所定の原料粉末、例えば、平均粒径が0.05〜3μmの前記セラミック粒子と、平均粒径が0.1〜5μm程度の焼結助剤粉末との割合からなる原料を調合し、必要に応じて、さらにこの混合物に焼結助剤成分粉末、有機バインダ、可塑剤、溶剤、分散剤、滑剤等を添加した後、プレス成形または鋳込み成形等の成形法により板形状に成形して単一セラミック成形体層19を作製する。
(工程(D))
上記のようにして得られた工程Bのシート状成形体18、またはこれを積層したシート状積層成形体と工程Cの単一セラミック成形体層19とを、図6に示すように、金型107内に積層・充填してさらにプレス成形等により所定形状の積層成形体20とする。さらに、積層成形体20を積層して冷間静水圧プレス(CIP)成形により所定形状とすることも可能である。
(工程(E))
ついで、上記工程Dの積層成形体20を300〜700℃で10〜200時間昇温または保持して脱バインダ処理した後、不活性雰囲気中において、使用する材質に応じた所定温度および所定時間で焼成することにより、図1に示すような複合構造体1(1a〜1c)を作製することができる。焼成は、N雰囲気中で1500〜2000℃で0.5〜2時間程度ホットプレスされることが望ましい。
実施例1
平均粒径0.4μmのSi粉末92質量%と、平均粒径0.5μmのYb粉末6質量%と、平均粒径0.2μmのAl粉末2質量%の割合で添加し、これに有機バインダと滑剤を添加して混合物を得た。この混合物を成形し厚さ0.2mmの窒化ケイ素単一セラミック成形体層19を得た。
平均粒径0.6μmのSi粉末88質量%と、平均粒径0.5μmのY粉末9質量%と、平均粒径0.5μmのAl粉末3質量%の割合で添加し、これに有機バインダと滑剤を添加して混合物を得た。この混合物を芯部材については直径が20mmの円柱形状に押出成形して図4(a1)に示すような芯材用成形体12を作製した。
一方、平均粒径5μmのBN粉末に、上記同様の有機バインダを加えて混練し、図4(a2)に示すような厚みが1mmの半割円筒形状の表皮部材用成形体13:2つを押出成形にて作製し、図4(a3)に示すように芯材用成形体12の外周を覆うように配置して複合成形体14を作製した。
ついで、この複合成形体14を共押出成形して、図4(a4)に示すような伸延された直径が0.3mmの複合繊維成形体15を作製した。
そして、この並列に配列した複合繊維成形体15をシートを2枚作製し、これら2枚のシートを複合繊維成形体15,15同士が互いに接触するように向き合うように、かつ1枚目のシートの複合繊維成形体15と2枚目の複合繊維成形体15とが直交する(繊維体同士の方向が90°ずれる)ように積層して、熱圧着した。そして、このシート状成形体18:25枚と前述の窒化ケイ素質セラミック成形体層を順に断面が10cm×10cmの空間部を有する金型107内に積層して直方体形状の積層成形体20(図示は?→しました。)を作製した(図6参照)。
その後、この積層成形体20をカーボン型に入れて、100〜700℃まで70時間で昇温することによって脱バインダ処理を行った後、昇温速度10℃/分で昇温し、N雰囲気中、1770℃で1時間ホットプレスにて焼成することによって、100mm×100mm×厚み5mmの板状の複合構造体6を作製した。
複合構造体6の断面を観察したところ、芯材2の直径は200μm、表皮材3の厚みは5μmであり、芯材2と表皮材3との間および繊維と窒化ケイ素の間に剥離等は見られなかった。またこのとき、窒化ケイ素質セラミック層の厚みは2.5mm、繊維集束層の厚みは2.5mmであった。さらに、単一セラミック層(窒化ケイ素質セラミック層)と繊維集束層との界面は焼結によって一体化しており、断面における組成分析により両者中に含有される元素の濃度勾配が見られた。
上記焼結体より、幅3mm×厚み2.5mm×長さ(スパン)10mmの試験片形状に窒化ケイ素層と繊維集束層の界面が厚みの中心に来るように切り出し、前記テストピースの形状以外はJISR1601に準じて窒化ケイ素層が引っ張り面となるよう3点曲げ強度を測定したところ700MPaであった。またさらに、上記強度測定の試験片の複合繊維体側中央部に幅0.1mm、深さ1mmの切り込み(スリット)をつけてスリット側が引っ張り面となるようにして3点曲げ試験を行い、この時の荷重−変位曲線で囲まれた面積を破断部の断面積1.5mm(厚み:2.5mm−切り込み:1mm)×幅3mmで除すことによって破壊エネルギー(Work of Fracture)を測定したところ1350J/mであった。
さらに、振り子式衝撃試験機を用いて振り子が当たる方を窒化ケイ素として衝撃値を測定した。試験片形状は幅3mm×厚み2.5mm、スパン10mmとし、持ち上げ角は150°、振り子容量は60kg−cmとした。持ち上げ角150°より振り子を振り下ろし振上げ角度x°より衝撃値を計算したところ、衝撃値は170kN/mであり、衝撃吸収体として有用であることがわかった。
実施例2
実施例1のセラミック層用原料を、平均粒径0.3μmのAl粉末90重量%、平均粒径1.5μmのMgO粉末0.1重量%、平均粒径0.5μmのZrO粉末9.9重量%の割合からなる混合粉末に換え、焼成温度を1700℃に換える以外は実施例1と同様にして複合構造体を作製した。
実施例1と同様に評価したところ複合構造体の3点曲げ強度を測定した結果、600MPa、破壊エネルギー(WOF)は1250J/m、衝撃値は145kN/mであった。
比較例1
実施例1単一セラミック層のみで焼結体を作製した後、実施例1と同様に評価したところ、部材の3点曲げ強度は750MPa、破壊エネルギー(WOF)は1000J/m、衝撃値≒0kN/mであり、衝撃吸収力が低いものであることがわかった。
比較例2
実施例1の繊維集束体のみで焼結体を作製した後、実施例1と同様に評価したところ、複合部材の3点曲げ強度は300MPa、破壊エネルギー(WOF)は1200 J/m、衝撃値≒140kN/mであり、衝撃吸収力は高いものの強度が低いものであることがわかった。
(a)〜(c)は、本発明の衝撃吸収部材をなす複合構造体の概略斜視図である。 (a)と(b)は、本発明の衝撃吸収部材中に含有される複合繊維体の構成を説明するための概略斜視図である。 本発明の衝撃吸収部材について、シート状積層体の積層方法の一例を説明するための分解斜視図である。 本発明の衝撃吸収部材について複合繊維体の製造工程を説明するための工程図(a1〜a5)である。 本発明の衝撃吸収部材についてシート状集束体の製造工程を説明するための図(b−1)斜視図、(b−2)断面図である。 本発明の衝撃吸収部材の製造方法について積層されたシート状集束体の製造工程を説明するための図である。
符号の説明
1 複合構造体
2 芯材
3 被覆層
4 複合繊維体
5 繊維集束層
6 貼り合せ構造体
7 単一セラミック層
12 芯材用成形体
13 表皮材用成形体
14 複合成形体
15 複合繊維体(シングルフィラメント状)
16 集束した繊維体
17 マルチフィラメント繊維体
18 シート状成形体
19 単一セラミック成形体層
20 積層成形体
100 押出機
101 熱圧着機
107 金型

Claims (9)

  1. 長尺状の芯材と該芯材の外周を被覆して前記芯材とは異なる組成からなる被覆層とで構成された複合繊維体を集束した繊維集束層と、単一セラミック層とを積層した複合構造体。
  2. 前記複合繊維体の前記芯材が窒化ケイ素質セラミックスからなり、前記被覆層が窒化ホウ素質セラミックスからなる請求項1記載の複合構造体。
  3. 前記単一セラミック層がアルミナ質セラミックスおよび/または窒化珪素質セラミックスからなる請求項1または2記載の複合構造体。
  4. 前記複合構造体中に前記繊維集束層が20〜70体積%の割合で存在している請求項1乃至3のいずれか記載の複合構造体。
  5. 前記繊維集束層中の前記複合繊維体を規則的な方向に配置した請求項1乃至4のいずれかに記載の複合構造体。
  6. 前記繊維集束層と前記単一セラミック層とが焼結によって一体化している請求項1乃至5のいずれか記載の複合構造体。
  7. 前記繊維集束層と前記単一セラミック層との間が元素の拡散により傾斜組成となっている請求項6記載の複合構造体。
  8. 前記繊維集束層と前記単一セラミック層との境界がジグザグ状となっている請求項6または7記載の複合構造体。
  9. 請求項1乃至8のいずれか記載の前記複合構造体を具備する衝撃吸収部材。
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