JP2005279496A - 膜分離装置の洗浄方法、膜分離方法および膜分離装置 - Google Patents
膜分離装置の洗浄方法、膜分離方法および膜分離装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】
原水性状が変動した場合においても、生産水であるろ過水の回収率を一定に保ちつつ、膜面に付着、堆積した有機系汚濁物質を効率的に洗浄除去する膜分離装置の洗浄方法および膜分離装置を提供する。
【解決手段】
原水の膜ろ過を行いつつ、間欠的に、原水の濁度と逆洗水中に含まれる酸化剤の濃度の逆数との積が所定範囲内となるように逆洗水中の酸化剤濃度を制御しながら膜を逆洗する。
【選択図】図2
原水性状が変動した場合においても、生産水であるろ過水の回収率を一定に保ちつつ、膜面に付着、堆積した有機系汚濁物質を効率的に洗浄除去する膜分離装置の洗浄方法および膜分離装置を提供する。
【解決手段】
原水の膜ろ過を行いつつ、間欠的に、原水の濁度と逆洗水中に含まれる酸化剤の濃度の逆数との積が所定範囲内となるように逆洗水中の酸化剤濃度を制御しながら膜を逆洗する。
【選択図】図2
Description
本発明は、膜ろ過を行う膜分離装置の洗浄方法、膜分離方法および膜分離装置の洗浄方法に関する。
精密濾過膜(MF膜)および限外濾過膜(UF膜)は、粒子除去性能が高く、原水中の粒子をほぼ完全に除去することができ、また、MF膜分離装置、UF膜分離装置は簡易な操作で運転できることから、原水の除濁、除菌手段として、工業的に広く利用されている。例えば、逆浸透膜分離装置の前処理として、あるいは超純水中の微粒子除去などに、MF膜またはUF膜の高度な粒子除去性能が有効に利用されている。また、河川水、湖沼水、井水などの天然水を除濁、除菌して飲料水を得る浄水処理分野などにも、その高い信頼性、操作性が認められている。
ところで、膜分離装置では装置の小型化が求められており、この点からは中空糸膜モジュールが有効である。中空糸膜モジュールは、一般に耐圧性のケーシング内に中空糸膜を充填し、原水を中空糸膜の内側または外側に導いてろ過する構成とされている。ろ過の方向により、中空糸の内側から外側へろ過する内圧式中空糸膜モジュールと、中空糸の外側から内側へろ過する外圧式中空糸膜モジュールとの2つの型式に分類されるが、断面円形で耐圧強度が高い中空糸膜は、内圧型、外圧型の方式の違いを問わず逆洗操作を行うことが可能である。一般に、逆洗は、膜のろ過方向とは逆の方向にろ過水を流入させ、膜に堆積した汚濁物をろ過水の逆流による物理洗浄作用で剥離除去することにより行われる。このような逆洗操作を運転工程に組み込んで、所定の時間ろ過を継続した後、定期的に逆洗を行うようにすることにより、膜の汚染の進行を防止し、薬品洗浄に至る期間を大幅に延長、すなわち、膜の薬品洗浄頻度を大幅に低減することが可能となる。
しかしながら、膜分離処理により浄水を得る場合、膜に付着、堆積した汚濁物は、従来の逆洗方法では容易に除去することができない場合がある。すなわち、原水には無機成分のみならず、有機物質、あるいは水中微生物や藻類の代謝物、死骸などに起因する高分子状有機物質も含まれている。そして、これらの有機成分に基づく膜面の汚濁物質は、ろ過水を逆流させる従来の物理的な逆洗方法では除去できない場合がある。
そこで、膜に堆積した有機系汚濁物質を、ろ過水による物理洗浄作用によって除去するだけでなく、ろ過水に酸化剤を添加させて逆流させ、酸化剤による化学的洗浄作用とで除去する方法もある。
しかしながら、この方法で膜面に付着、堆積した有機系汚濁物質を除去する場合でも、原水の濁度変動が激しい河川水、海水などを原水とする場合には、季節変動に加えて、風雨の影響により濁度が激しく変動し、有機系汚濁物質が多量に膜に堆積し、膜の目詰まりを生じさせるといった問題があった。
この問題点を解決するために、特許文献1には、原水性状の変動に応じて膜モジュールの逆洗頻度を制御したり、逆洗時における次亜塩素酸塩の注入時間を制御する方法が提案されている。しかし、膜モジュールの運転中に逆洗頻度を変更すると、この膜モジュールの後段に逆浸透膜(RO膜)やナノフィルトレーション膜(NF膜)を設置して、上述の膜モジュールでろ過したろ過水を連続的にRO膜分離、ナノろ過分離するような場合に次のような問題を生じてしまう。すなわち上述の膜モジュールの運転中に逆洗頻度を変更すると、膜モジュールの稼働率が変化することから、得られるろ過水量が変動する。これは後段のRO膜、NF膜への供給水量が変動してしまうことになり、場合によっては後段のRO装置、NF装置が連続的に運転できない状況になる。また、膜モジュールのろ過水が貯まるまでRO装置、NF装置の運転を停止させた場合、RO装置を断続的に運転させることになるので、RO膜、NF膜の機械的な劣化を促進させてしまうといった問題がある。
また、特許文献2には、例えば酸化剤として次亜塩素酸ナトリウムを10ppm程度含んだ逆洗水を、ろ過膜のケーキ層に接する膜面まで浸透させた後、ろ過膜に浸透させた状態で1〜10分の範囲で保持し、その後、酸化剤を含まない逆洗水で洗浄することで、大量の逆洗水を必要とせず、すなわち生産されるろ過水の回収率を低下させず、酸化剤を添加した逆洗水に膜を十分さらすことができ、洗浄を効果的に行える旨が記載されている。しかしながら、この方法においても、逆洗時間が長くなってしまうので、場合によっては後段のRO装置、NF装置が連続的に運転できない状況になり、RO膜、NF膜の機械的な劣化を促進させてしまうといった問題がある。
特開2001−232160号公報(請求項1、0008段落など)
特開2002−52321号公報(請求項1、0011段落など)
本発明は、上記従来の問題点を解決し、高濁度時においても、生産水の回収率を一定に保ちつつ、膜面に付着、堆積した有機系汚濁物質を、効率的に洗浄除去する膜分離装置の洗浄方法および膜分離装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、次の(1)〜(5)の構成を特徴とするものである。
(1)原水の濁度と逆洗水中に含まれる酸化剤の濃度の逆数との積が所定範囲内となるように逆洗水中の酸化剤濃度を制御しながら膜を逆洗することを特徴とする膜分離装置の洗浄方法。
(2)前記原水の濁度と逆洗水中に含まれる酸化剤の濃度の逆数との積が0.001〜100NTU/(mg/L)の範囲である、上記(1)に記載の膜分離装置の洗浄方法。
(3)原水の膜ろ過を行う工程と、上記(1)または(2)に記載の洗浄方法を実施する工程とを含む膜分離方法。
(4)原水の膜ろ過を行う膜と、該膜に逆洗水を供給する逆洗水供給手段と、原水の濁度検出手段と、逆洗水中に含まれる酸化剤の濃度を制御する制御手段とを有し、該制御手段は、原水の濁度と逆洗水中に含まれる酸化剤の濃度の逆数との積が所定範囲内となるように逆洗水中の酸化剤濃度を制御するものであることを特徴とする膜分離装置。
(5)前記制御手段は、原水の濁度と逆洗水中に含まれる酸化剤の濃度の逆数との積が0.001〜100NTU/(mg/L)の範囲となるように逆洗水中の酸化剤濃度を制御するものである、上記(4)に記載の膜分離装置。
(1)原水の濁度と逆洗水中に含まれる酸化剤の濃度の逆数との積が所定範囲内となるように逆洗水中の酸化剤濃度を制御しながら膜を逆洗することを特徴とする膜分離装置の洗浄方法。
(2)前記原水の濁度と逆洗水中に含まれる酸化剤の濃度の逆数との積が0.001〜100NTU/(mg/L)の範囲である、上記(1)に記載の膜分離装置の洗浄方法。
(3)原水の膜ろ過を行う工程と、上記(1)または(2)に記載の洗浄方法を実施する工程とを含む膜分離方法。
(4)原水の膜ろ過を行う膜と、該膜に逆洗水を供給する逆洗水供給手段と、原水の濁度検出手段と、逆洗水中に含まれる酸化剤の濃度を制御する制御手段とを有し、該制御手段は、原水の濁度と逆洗水中に含まれる酸化剤の濃度の逆数との積が所定範囲内となるように逆洗水中の酸化剤濃度を制御するものであることを特徴とする膜分離装置。
(5)前記制御手段は、原水の濁度と逆洗水中に含まれる酸化剤の濃度の逆数との積が0.001〜100NTU/(mg/L)の範囲となるように逆洗水中の酸化剤濃度を制御するものである、上記(4)に記載の膜分離装置。
本発明によれば、高濁度時においても、生産水である濾過水の回収率を一定に保ちつつ、膜面に付着、堆積した有機系汚濁物質を、効率的に洗浄除去し、膜の差圧上昇を低く抑えることができ、長期間安定した運転を継続することが可能となる。そのため、後段に配置されるRO膜、NF膜を用いた装置へ影響を与えずに洗浄を行うことができ、トータルシステムとしての安定運転が可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1、2は、本発明の一実施形態を示す膜分離装置の概略フロー図であり、図1は最終的な生産水(ろ過水)を得るためのろ過工程、図2は膜モジュールの逆洗工程を示す。図1、2において、1は原水タンク、2は濁度計、3は膜モジュール、4はろ過水タンク、5は制御器、6は次亜塩素酸塩(酸化剤)のタンクである。また、図1、2においては、説明の便宜上、水が流れている配管を実線で示し、水の流れが停止している配管を破線で示してある。
本実施形態において、膜モジュール3は、たとえば複数本の中空糸膜が筒状ケースに収納されてなるが、その中空糸膜としては多孔質であれば特に限定されるものではなく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテル−エーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルフィドスルホン(PPSS)、ポリフェニレンスルホン(PPSO)、ポリビニルアルコール、セルロースアセテート、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリイミドなどの有機物、セラミック、金属などの無機物その他の材質を選定することができる。特に、耐薬品性に優れているポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜が好ましい。
このような膜のうち、その平均孔径が0.001〜10μmの膜が好ましく、平均孔径0.05〜1μmの膜がさらに好ましい。平均孔径が0.001μm未満では、目詰まりが早くなり、10μmを超えると汚濁物質を除去しにくくなる。
濁度計2は、透過光方式、散乱光方式、表面散乱光方式などの方式で濁度[NTU]を測定するものであればよい。また、懸濁物質計(SS計:Suspended Solid計)を用い、これで得られるSS値を濁度[NTU]に換算してもよい。なお、SS計としても、透過光方式、散乱光方式、表面散乱光方式などの方式のものを用いればよい。
制御器5としては、濁度計2により検出される膜モジュール3への流入水(原水)の濁度と、逆洗水中に含まれる次亜塩素酸塩(酸化剤)の濃度の逆数との積が所定範囲内となるように、逆洗水への次亜塩素酸塩の添加量を制御するものであればよい。たとえば、濁度計2の検出信号を制御器5に入力し、この制御器5でポンプP3の電流を制御するなどして、次亜塩素酸塩の添加量を制御する。所定の範囲内とは、酸化剤のコストと洗浄効果との観点から、0.001〜100NTU/(mg/L)の範囲内、より好ましくは0.01〜5NTU/(mg/L)の範囲内、さらに好ましくは0.05〜0.5NTU/(mg/L)の範囲内である。
この膜分離装置において、生産水(ろ過水)を得るための原水のろ過は、たとえば図1に示すように、ポンプP1を作動させ、原水タンク内の原水を膜モジュール3に導入して行う。膜を透過したろ過水は、ろ過水タンク4を経て生産水として取り出される。
ろ過方式としては、全量ろ過方式でもクロスフローろ過方式でもよい。また、加圧ろ過方式でも陰圧ろ過方式でもよいが、加圧ろ過方式がより高いろ過流束が得られるため好ましい。また、内圧ろ過、外圧ろ過のどちらでもよいが、外圧ろ過のほうが、エアスクラビングの効果が大きいので好ましい。
ろ過流束は、特に制限するものではないが、0.1〜5m/dとするのが好ましい。このろ過流束が0.1m/d未満では、生産水の回収率が低下し、5m/dを超えると膜モジュールの差圧上昇が高くなるおそれがある。
また、ろ過時間は、特に制限するものではないが、5〜60分とし、その後、後述の逆洗を行うことが好ましい。このろ過時間が5分未満では、生産水の回収率が低下し、60分を超えると膜モジュールの差圧上昇が高くなる。
このようなろ過工程を継続していると膜面に有機系汚濁物質などが付着し、膜モジュール3による圧力損失が高くなり、また得られるろ過水量が低下する。そこで、間欠的に、ろ過水などに酸化剤を添加して膜モジュール3に逆流させ、物理的作用に加えて酸化剤による化学的洗浄作用で膜面を洗浄(逆洗)する。
膜の逆洗にあたっては、ポンプP1を停止して、ポンプP2を作動させ、図2に示すようにろ過水タンク4に貯留されたろ過水を膜モジュール3のろ過側から逆流させる。このとき、次亜塩素酸塩タンク6に貯留された次亜塩素酸塩(酸化剤)をポンプP3を作動させることにより逆洗水に添加する。次亜塩素酸塩の注入量は、濁度計2の検出信号が制御器5に入力され、該制御器5がポンプP3のストローク長、ストローク数などを制御することで制御される。
制御は、濁度計2により検出される膜モジュール3への流入水(原水)の濁度と、逆洗水中に含まれる次亜塩素酸塩(酸化剤)の濃度の逆数との積が所定範囲内となるように行う。具体的には、濁度計2により検出される膜モジュール3への流入水の濁度と、逆洗水中に含まれる次亜塩素酸塩の濃度の逆数との積が、0.001〜100NTU/(mg/L)の範囲となるようにすることが好ましい。そして、より好ましくは、0.01〜5NTU/(mg/L)、さらには好ましくは0.05〜0.5NTU/(mg/L)の範囲となるようにする。0.001NTU/(mg/L)未満では、薬品コストがかかりすぎ、100NTU/(mg/L)を超えると十分な洗浄効果が得られない場合がある。
逆洗水に添加される酸化剤は、次亜塩素酸塩に限らず、二酸化塩素、過酸化水素なども好ましい。
逆洗の時間は、特に制限するものではないが、1〜120秒の範囲内とするのが好ましい。1回の逆洗時間が1秒未満では、十分な洗浄効果が得られず、120秒を超えると膜モジュールの稼働効率が低くなる。
逆洗流束は、特に制限するものではないが、0.1〜10m/dの範囲内であることが好ましい。逆洗流束が0.1m/d未満では、膜面に付着、堆積した有機系汚濁物質を十分に除去することが難しくなり、10m/dを超えると、膜モジュールの機械的劣化をまねき易くなる。
さらにまた、逆洗工程の際に、膜モジュール3の原水側に気体を送り込み、膜面を振動させることにより膜の洗浄を行うことも好ましい。膜面に吸着した有機物が逆洗水に含まれる酸化剤により分解されて非吸着性物質となるため、膜の孔を閉塞する非吸着性物質が、気体の導入により有効にふるい落とされ、洗浄効果が高くなる。
このように、本発明においては、膜モジュール3を逆洗するにあたって、原水の濁度と逆洗水中に含まれる酸化剤の濃度の逆数との積が所定範囲内となるように逆洗水中の酸化剤濃度を制御する。これにより、原水性状が変動した場合においても、膜モジュールの逆洗頻度を変化させたり、次亜塩素酸塩などの酸化剤の注入時間を延長することなく、生産水であるろ過水の回収率を一定に保つことができ、かつ、膜面に付着、堆積した有機系汚濁物質を、効率的に洗浄除去し、膜の差圧上昇を低く抑えることができ、長期間安定した運転を継続することが可能となる。そのため、膜モジュール3の後段にRO膜やNF膜を用いた装置を設置しても、膜モジュール3でろ過したろ過水を、連続的にROやNFで膜分離できるようになる。現実のプラントを考慮した場合には、連続的に運転できることが要求されるため、本発明の手段が効果的に発揮されることとなる。
<実施例1>
図1、2に示す膜分離装置を用いて、ろ過工程、逆洗工程を繰り返して運転した。
図1、2に示す膜分離装置を用いて、ろ過工程、逆洗工程を繰り返して運転した。
原水としては、水温が10〜15℃の海水を用いた。また、膜モジュールとしては、逆洗可能なポリフッ化ビニリデン(PVDF)製精密ろ過中空糸膜(東レ株式会社製)モジュールを用いた。そして、原水の濁度と逆洗水中に含まれる酸化剤の濃度の逆数との積が0.05〜0.35NTU/(mg/L)の範囲に保たれるように、原水の濁度が3NTU未満のときには逆洗水中の次亜塩素酸塩の濃度を20mg/Lとし、原水の濁度が3NTU以上の場合には逆洗水の次亜塩素酸塩の濃度を40mg/Lとなるように制御した。ろ過工程は、ろ過流束1.5m/dで15分とし、逆洗工程は、逆洗流束3.0m/dで0.5分とし、72時間運転した。
その結果を図3に示す。原水の性状が風雨によって変動し、濁度が3以上となった場合には逆洗水中の次亜塩素酸塩の濃度が40mg/Lとなり、濁度が3NTU未満となるまでその濃度を維持した結果、原水濁度が12NTUに達した場合においても、膜ろ過差圧は30kPaから36kPaとやや上昇したものの、徐々に差圧は下降して33kPaを維持し続けた。
<比較例1>
原水の濁度が3NTU以上になった場合でも逆洗水の次亜塩素酸塩の濃度を特に変化させず20mg/Lとした以外は実施例1と同様にして運転を行った。その結果、図4に示すように、膜ろ過差圧はわずか10時間で30kPaから56kPaと急激に上昇し、その後も膜ろ過差圧はわずかに下降しただけであった。
原水の濁度が3NTU以上になった場合でも逆洗水の次亜塩素酸塩の濃度を特に変化させず20mg/Lとした以外は実施例1と同様にして運転を行った。その結果、図4に示すように、膜ろ過差圧はわずか10時間で30kPaから56kPaと急激に上昇し、その後も膜ろ過差圧はわずかに下降しただけであった。
<比較例2>
濁度1NTU以上3NTU未満の原水を用い、逆洗水の次亜塩素酸塩の濃度を特に変化させず1mg/Lのままとした以外は実施例1と同様にして運転を行った。この結果、図5に示すように、原水の性状が風雨によって変動せず濁度が1〜3NTUの範囲内であったにもかかわらず、膜ろ過差圧は上昇傾向を示した。十分な洗浄効果が得られていないと考えられる。
濁度1NTU以上3NTU未満の原水を用い、逆洗水の次亜塩素酸塩の濃度を特に変化させず1mg/Lのままとした以外は実施例1と同様にして運転を行った。この結果、図5に示すように、原水の性状が風雨によって変動せず濁度が1〜3NTUの範囲内であったにもかかわらず、膜ろ過差圧は上昇傾向を示した。十分な洗浄効果が得られていないと考えられる。
<実施例2>
原水の濁度と逆洗水中に含まれる酸化剤の濃度の逆数との積が0.01NTU/(mg/L)以上0.05NTU/(mg/L)未満の範囲に保たれるように、原水の濁度が3NTU未満のときには逆洗水中の次亜塩素酸塩の濃度を100mg/Lとし、原水の濁度が3NTU以上の場合には逆洗水の次亜塩素酸塩の濃度を250mg/Lとなるように制御した以外は、実施例1と同様にして運転を行った。
原水の濁度と逆洗水中に含まれる酸化剤の濃度の逆数との積が0.01NTU/(mg/L)以上0.05NTU/(mg/L)未満の範囲に保たれるように、原水の濁度が3NTU未満のときには逆洗水中の次亜塩素酸塩の濃度を100mg/Lとし、原水の濁度が3NTU以上の場合には逆洗水の次亜塩素酸塩の濃度を250mg/Lとなるように制御した以外は、実施例1と同様にして運転を行った。
その結果、次亜塩素酸塩の消費量が実施例1の5〜6倍となったが、図6に示すように、膜ろ過差圧は全く上昇傾向を示さず安定した運転ができた。
本発明は、たとえば海水淡水化やかん水淡水化に用いられる逆浸透膜分離装置の前処理用途の膜や、超純水製造における前処理用途の膜、さらには、河川水、湖沼水、井水などの天然水を除濁、除菌して飲料水を得る浄水処理分野などに用いられる膜の洗浄に好適に利用される。
1:原水タンク
2:濁度計
3:膜モジュール
4:ろ過水タンク
5:制御器
6:次亜塩素酸塩タンク
P1:給水ポンプ
P2:逆洗ポンプ
P3:次亜塩素酸塩供給ポンプ
2:濁度計
3:膜モジュール
4:ろ過水タンク
5:制御器
6:次亜塩素酸塩タンク
P1:給水ポンプ
P2:逆洗ポンプ
P3:次亜塩素酸塩供給ポンプ
Claims (5)
- 原水の濁度と逆洗水中に含まれる酸化剤の濃度の逆数との積が所定範囲内となるように逆洗水中の酸化剤濃度を制御しながら膜を逆洗することを特徴とする膜分離装置の洗浄方法。
- 前記原水の濁度と逆洗水中に含まれる酸化剤の濃度の逆数との積が0.001〜100NTU/(mg/L)の範囲である、請求項1に記載の膜分離装置の洗浄方法。
- 原水の膜ろ過を行う工程と、請求項1または2に記載の洗浄方法を実施する工程とを含む膜分離方法。
- 原水の膜ろ過を行う膜と、該膜に逆洗水を供給する逆洗水供給手段と、原水の濁度検出手段と、逆洗水中に含まれる酸化剤の濃度を制御する制御手段とを有し、該制御手段は、原水の濁度と逆洗水中に含まれる酸化剤の濃度の逆数との積が所定範囲内となるように逆洗水中の酸化剤濃度を制御するものであることを特徴とする膜分離装置。
- 前記制御手段は、原水の濁度と逆洗水中に含まれる酸化剤の濃度の逆数との積が0.001〜100NTU/(mg/L)の範囲となるように逆洗水中の酸化剤濃度を制御するものである、請求項4に記載の膜分離装置。
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