JP2005275648A - 品質情報を用いた動植物の競売システム及びその競売プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】 競売対象物の内部の品質に係る精細な情報及びDNA等の遺伝情報をを提供し、かつ市場参加者及び通信ネットワークを介して参加する参加者の双方が、同時に競売に参加することが可能な品質情報を用いた動植物の競売システムを提供することを課題とする。
【解決手段】 競売システム1は、生体の牛100を競売によって取引するための市場102を開催する市場開催機関103によって設置され、インターネット101に接続された管理サーバ2と、管理サーバ2に対して牛100の落札を希望する旨を示す落札希望情報5を送出し、競売にインターネット101を通じて参加する参加者104によって利用される参加者端末3と、管理サーバ2と直に接続され、市場102において従来と同じ方式で競売に参加する市場参加者105によって操作される市場参加装置4とを具備する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、品質情報を用いた動植物の競売システム及びその競売プログラムに関するものであり、特に、家畜、水産物、青果物、及び草木などの競売対象物を、非破壊的測定手段によって内部の品質を測定し、得られた内部品質データを参考にして参加者等が通信ネットワーク上で競売を行うことが可能な品質情報を用いた動植物の競売システム及びその競売プログラムに関するものである。
従来から、牛、豚、鶏などの畜産農家によって飼育される家畜、魚や貝類などの魚介類からなる水産物、野菜や果物などの青果物、観葉植物等の園芸用植物、及び伐採された木材など、主に動植物を市場において取引する場合、その売買価格を決定するために競売による方式が主として採用されている。ここで、競売は、一般に競売に参加する複数の参加者が、競売対象となる家畜等に対して入札価格を提示し、最も高い入札価格を提示した参加者が家畜等を競り落とす(落札する)ことができるものである。なお、競売によって取扱われる動植物は、収穫時期、生育環境、市場流通量、及び生産(漁獲)地域などの種々の要因によって品質及び落札の際の価格が大幅に変動する。また、いわゆる生鮮食料品であることが多いため、特に、野菜や魚介類などは、速やかに市場に流通させる必要があり、収穫(捕獲)から時間が経過していると、その落札価格も低下する。そのため、競売の参加者は、競売対象となる家畜等の品質を精細に見極めるとともに、他の参加者よりも僅かに高い入札価格を提示して競り落とすことが求められている。
ここで、牛などの家畜の取引の場合、生体の状態では内部の肉質に関する情報を直接得ることができない。そのため、牛の外観、サイズ、重量、触診感、生産地、交配履歴の間接的な情報に基づいて、品質を外部から総合的に判断し、推察している。そのため、これらの品質を判断することができるようになるには、長年の経験及び勘が競売の参加者に対して求められている。なお、これらの熟達した経験は、家畜等に限らず、マグロなどの魚介類或いは木材等の品質を見極める上でも必要となり、それぞれの分野で精通したベテランの入札参加者が存在している。
すなわち、競売対象物の最終的な評価は、実際に競り落とした牛やマグロを解体した後で、肉眼によって確認する方法しかなかった。このため、上述の経験に乏しい参加者は、上述の外部からの情報に対して的確な判断及び推察を下すことができず、例えば、不当に高い入札価格を提示して競り落としてしまったり、或いは逆に低い入札価格を提示したことによって落札に失敗することがある。
一方、これらの動植物等の品質を含む内部の情報を、生体のままで非破壊的に測定及び診断することが可能な技術が既に多く開発されている。例えば、人間の腹部等を診断する際の医療機器として現在では一般に利用されている超音波診断装置(いわゆる「エコー」と呼ばれることもある)の原理を応用し、対象となる家畜などに超音波を照射し、これによる超音波の反射及び吸収の状態を画像化することによって超音波診断画像を取得することができるものがある。これにより、牛の肉質の状態を生体のままで視覚情報として捉えることができ、いわゆる「サシ」の分布などを把握することができる。その結果、牛の肉質を生体のままの状態で、推察ではなく、正しい情報を取得することができる。
また、超音波測定技術に限らず、その他の非破壊的測定手段によって内部の品質を把握することができるものがある。例えば、赤外線を利用した赤外線分光分析技術、サーモグラフィー、MRI装置を利用した磁気共鳴画像測定技術、及びX線CTスキャナを利用したX線断層撮影技術などがある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。さらに、遺伝子関連技術及び統計的手法による能力予測技術の発達に伴って、動植物の遺伝情報を取得することも知られている。
一方、近年において、通信ネットワーク環境の発達に伴い、インターネット上で種々の物品の販売を行ったり、或いはオークションを行うことがなされている。そして、これらのインターネットオークションに係る技術を利用し、家畜や水産物などの取引をするものが開示されている(例えば、特許文献3乃至特許文献6参照)。
特開2001−264249号公報 特開平9−89808号公報 特開2002−163495号公報 特開2002−132888号公報 特開2003−296601号公報 特開2002−223426号公報
しかしながら、上述の競売による方式では、以下に掲げるような不具合を生じることがあった。すなわち、一般に競売が開催される市場は、牛や豚などを飼育する畜産農家のある生産地、或いは水産物が水揚げされた漁港の近く、さらに青果物を育成する農家の近隣に設けられていた。そのため、市場から離れた遠隔地にいる場合、時間的及び地理的な制限によって市場の開催日に競売に参加することができない、或いは参加のために多大な労力を要することがあった。
さらに、これらの競売は、家畜等の品質を従来からの外部からの外観や重量などの基本的な情報等によって推察し、入札価格を決定していた。そのため、熟練した経験や勘に乏しい新人などの参加者は、正確な評価を競売対象物に対して下すことができず、競りに失敗することが多かった。そのため、これらの新人の参加者であっても、競売対象物の評価を正確に下すことができる情報が提供されることが求められていた。特に、前述した超音波測定技術等の非破壊的測定手段によって得られた情報を活用したものがなく、係る情報を参考にすることが可能なシステムの開発が期待されている。
加えて、これまでのインターネット等を利用して、魚介類等の競売を行うものは、単に既存のネットオークションによる方式を、これらの生鮮食料品に対して適用したものに過ぎず、さらに取引の際に提供される情報も従来の市場において提供されていたものものと基本的に同じであった。そのため、上述の経験に乏しい新人の参加者などは、インターネットを利用した競売であっても従来と同じように品質の判断に誤認を生じ、競りに失敗することがあった。さらに、インターネットを利用した競売と、既存の競売とはそれぞれ独立して開催されており、同一の競売対象を、インターネットの利用者及び市場の競売参加者の双方が同時に競売に参加して競り落とすことができるようなシステムが構築されていなかった。
そこで、本発明は、上記実情に鑑み、通信ネットワークを介して競売対象物の内部の品質に係る精細な情報を提供して、競売を行うことが可能であり、さらに市場からの市場参加者及び通信ネットワークを介して参加する参加者の双方が、同時に競売に参加することが可能な品質情報を用いた動植物の競売システム及びその競売プログラムの提供を課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明の品質情報を用いた動植物の競売システムは、「通信ネットワークに接続された管理サーバを利用し、家畜、水産物、青果物、及び草木を含む動植物を競売対象物として競売によって落札し、取引を行う品質情報を用いた動植物の競売システムであって、前記管理サーバは、前記競売対象物の品質を推察可能な外観、サイズ、重量、触診感、交配履歴、及び生育環境の少なくともいずれか一つを含む前記競売対象物の外部品質データを記憶する外部情報記憶手段と、非破壊的測定手段を利用して前記競売対象物を測定し、得られた測定結果に基づいて前記競売対象物の内部の品質を評価可能な内部品質データを、前記競売対象物に対応させて記憶する内部情報記憶手段と、前記競売対象物の基礎データ、前記外部品質データ、及び前記内部品質データを含む競売情報を、前記通信ネットワークを介して公開する競売情報公開手段と、公開された前記競売情報に応じ、競売に参加する参加者の利用する参加者端末から送出される落札を希望する旨を示す落札希望情報を、前記通信ネットワークを介して受付ける落札情報受付手段と、複数の前記参加者端末から受付けた前記落札希望情報の中から前記競売対象物の落札者を決定する競売手段と」を具備して主に構成されている。
ここで、競売対象物とは、主に牛や豚などの家畜、海及び川で捕獲される魚及び貝類、野菜及び果物などの青果物、園芸用の草木、及び材木加工用の木材などの動植物を対象とするものである。また、これらの家畜等の中には、食肉用として加工されるもの、或いは乳牛として飼育されるものなどが含まれ、さらに成体のほかに、子牛も含まれている。さらに、これらの競売対象物は、主として生体を対象とするものであるが、例えば、牛や豚などの屠体、或いは水産物を冷凍したものなど、及び牛や豚などの精子または卵子などの市場において流通する可能性の高い生殖細胞、或いは微細物などを含んでいる。なお、外部品質データとは、従来から市場において利用され、参加者の経験や勘に基づいて品質を推察可能な情報であり、上述したものの他に、牛などの鼻紋なども挙げられる。係る鼻紋は、人間の指紋と同様に各々の個体毎に異なっているため、個体を識別する上で有用な情報として知られているものであり、交配履歴を確認する上で重要なものである。これらの情報は、いずれも従来の競売において提供または取得された情報である。
一方、内部品質データとは、従来の競売における取引では参考にされることのなかった情報であり、新しい測定技術を利用して肉質等の品質の評価を客観的なデータとして示したものである。すなわち、前述の外部品質データと異なり、内部品質を推察ではなく、確証的及び確率的なデータとして得られ、かつ競売対象物を非破壊の状態で得ることができるものである。
したがって、本発明の品質情報を用いた動植物の競売システムによれば、通信ネットワークを介して接続した競売に参加する参加者の利用する参加者端末に対し、従来から提供されていた主として外観等に基づく外部品質データとともに、競売対象物の品質を精度良く把握することができる内部品質データが公開される。これにより、係る情報に基づいて参加者は、競売の際に提示する価格及びタイミングを徹底し、競売に参加することができる。その結果、経験の乏しい参加者であっても肉質等に関する精細な情報に基づいて正しい判断を下すことができる。したがって、不当に高い落札価格で競り落としたり、或いは落札価格よりも提示した入札価格が大きく下回り、希望する競売対象物を競り落とすことができない事態に遭遇する可能性が回避される。加えて、牛等の競売対象物を生体の状態で、非破壊的測定手法によって肉質を評価することが可能となり、軽減傾向にある生体による競売取引を増加させること期待される。
なお、現在市場で採用されているオークションの方式には、種々のものがあるが、例えば、予め落札開始価格が設定され、その価格での競り落としを希望するものがある場合、市場にいる複数の参加者(市場参加者)に予め手渡され、操作されるスイッチを押すことによってその旨を示すものがある。そして、同じ価格でスイッチを操作した人数が複数ある場合には、徐々に落札開始価格から入札(落札)価格をアップさせ、再び、参加者によってスイッチが操作されるのを待つ。これにより、徐々に競売に参加し、落札を希望する参加者の数が絞り込まれ、最終的に一人の参加者のみが競り落としを希望した価格に到達するまで競売が継続されるものがある。そこで、本発明の品質情報を用いた動植物の競売システムにおいても上記の方式を採用し、スイッチを操作する代替として、参加者端末から落札希望データを送出することにより、管理サーバがこれを受付け、最後まで残った入札の参加者を落札者として決定することが好適である。これにより、家畜等の競売対象物の競売による取引が通信ネットワークを介して成立する。
さらに、本発明の品質情報を用いた動植物の競売システムは、上記構成に加え、「前記参加者端末は、前記通信ネットワークを介して前記管理サーバから公開される前記競売情報を閲覧可能に表示する閲覧手段と、閲覧した前記競売情報に応じ、前記管理サーバに対して前記落札希望情報を送出する落札情報送出手段と」を具備するものであっても構わない。
したがって、本発明の品質情報を用いた動植物の競売システムによれば、通信ネットワークに接続した参加者端末は、管理サーバから競売対象物についての外部品質データ及び内部品質データを含む競売情報を受付け、これを閲覧するとともに管理サーバに対して当該競売対象物の落札を希望する旨を示す落札希望情報を送出する。これにより、管理サーバに対して参加者が当該競売対象物を競り落としたいとする意志を伝えることができる。そして、落札価格がアップするにしたがって、落札希望情報の送出を継続することにより、最終的に参加者は競売対象物を落札することができる。
さらに、本発明の品質情報を用いた動植物の競売システムは、上記構成に加え、「前記競売対象物を取引する市場に設置され、前記市場から競売に参加する市場参加者が利用し、前記管理サーバに対して前記落札希望情報を送出可能な市場参加装置をさらに具備し、前記管理サーバは、前記市場参加装置を利用する前記市場参加者に対し、前記競売情報を提供する市場情報提供手段と、提供された前記競売情報に応じ、前記市場参加者の利用する前記市場参加装置から送出される前記落札希望情報を受付ける第二落札情報受付手段と、前記参加者端末及び前記市場参加装置からそれぞれ受付けた前記競売希望情報を同期させ、前記参加者及び前記市場参加者の中から前記競売対象物の前記落札者を決定する第二競売手段と」をさらに具備するものであっても構わない。
したがって、本発明の品質情報を用いた動植物の競売システムによれば、管理サーバは、通信ネットワークを介して送出される落札希望情報と、市場に設置された市場参加装置から送出される落札希望情報とを同時に受付ける第二競売手段を有して構成されている。すなわち、従来は市場及び通信ネットワーク上の競売取引を互いにリンクさせるものはなく、それぞれ独立して開催されていた。しかしながら、本発明の品質情報を用いた動植物の競売システムによれば、通信ネットワークを利用する取引、及び市場での直接の取引の同期させ、同一の競売対象物をリアルタイムで双方が競り落とすことが可能である。なお、市場参加者の利用する市場参加装置は、従来から市場において利用されている前述したスイッチ方式のものを適用することが可能である。これにより、双方の参加者及び市場参加者がともに参加することのできる品質情報を用いた動植物の競売システムを構築することができる。なお、市場参加者に対しては、参加者端末を利用して参加する参加者に対して不利とならないように、外部品質データ及び内部品質データが市場内にモニタディスプレイなどに表示されている。加えて、市場参加者は、競売対象物を直接肉眼で確認し、牛などの歩行状態を判断することができる。そのため、これらを通信ネットワークを介して接続した参加者に対して提示しないことは、同様に不利となる。そのため、市場の情報を動画などによって各参加者端末に対して提供するものであってもよい。これにより、参加者及び市場参加者の間の情報の入手についての不公平性が是正され、ともに同一条件下で競売に参加することができる。
さらに本発明の品質情報を用いた動植物の競売システムは、上記構成に加え、「前記内部品質データは、前記競売対象物に対して実施され、超音波測定技術によって得られた超音波情報、X線断層撮影技術によって得られたX線断層情報、磁気共鳴画像測定技術によって得られた磁気共鳴画像情報、赤外線測定技術によって得られた赤外線情報の少なくともいずれか一つを含む」ものであっても構わない。
したがって、本発明の品質情報を用いた動植物の競売システムによれば、内部品質データは、超音波、X線、赤外線、磁気共鳴を利用した測定技術によって得られたものが用いられている。ここで、超音波、X線、赤外線、及び磁気共鳴に係る技術は、既に医療用の機器等に応用されているものであり、これにより、動植物の内部の状態を視覚を通して認識することができる。その結果、肉質の脂分の分布の状態などを、実際に牛等を解体し、肉片にカットする前であっても認識することができる。そのため、競売において予め品質を評価する上で非常に有益な情報が提供されることになる。
さらに本発明の品質情報を用いた動植物の競売システムは、上記構成に加え、「前記内部品質データは、前記競売対象物に対して実施されたDNA診断技術、統計的手法、及びこれらを組合わせた手法の少なくともいずれか一つによって得られ、前記競売対象物の将来の生育状況を予測可能な遺伝情報を含んで構成されている」ものであっても構わない。
したがって、本発明の品質情報を用いた動植物の競売システムによれば、内部品質データとしてDNA診断技術、統計的手法、及びこれらを組み合わせた手法によって得られた遺伝情報や予測情報を含んでいる。この遺伝情報等の中には、例えば、牛などが、どの病気に罹患する可能性が高いか、或いは子牛などの場合、どの程度の大きさにまで成長するのかなど、競売対象物の有用な経済的形質を予測可能な因子(予め想定可能な因子)が含まれていることがある。そのため、これらの遺伝情報を競売前に予め入手することにより、競売対象物の特に将来的な品質の評価をより精細に行うことができるようになる。
さらに本発明の品質情報を用いた動植物の競売システムは、上記構成に加え、「前記管理サーバは、前記内部品質データを前記競売対象物の立体的形状に合わせ、三次元品質データを構築する三次元データ構築手段をさらに具備する」ものであっても構わない。
したがって、本発明の品質情報を用いた動植物の競売システムによれば、提供される内部品質データが三次元情報として構築されている。例えば、牛の場合、各部位によって肉質が大きくことなっていることは知られている。しかしながら、前述して提供される超音波診断技術を利用した超音波情報等は、一般に二次元的(平面的)なものである。そのため、参加者は、これによってある程度の肉質を評価することは可能であるものの、牛全体の品質の評価を総合的に判断することは困難である。そこで、取得された複数の二次元的な内部品質データを利用して、立体形状に沿った三次元情報を構築することにより、参加者に対して視覚を通じてより牛の内部品質を詳細に、かつ空間的(または立体的)に提示することができる。その結果、参加者による肉質等の評価がより容易に行える。
一方、本発明の競売プログラムは、「家畜、水産物、青果物、及び草木を含む動植物の競売対象物の品質を推察可能な外観、サイズ、重量、触診感、交配履歴、及び生育環境の少なくともいずれか一つを含む前記競売対象物の外部品質データを記憶する外部情報記憶手段、非破壊的測定手段を利用して前記競売対象物を測定し、得られた測定結果に基づいて前記競売対象物の内部の品質を評価可能な内部品質データを、前記競売対象物に対応させて記憶する内部情報記憶手段、前記競売対象物の基礎データ、前記外部品質データ、及び前記内部品質データを含む競売情報を、通信ネットワークを介して公開する競売情報公開手段、公開された前記競売情報に応じ、競売に参加する参加者の利用する参加者端末から送出される落札を希望する旨を示す落札希望情報を、前記通信ネットワークを介して受付ける落札情報受付手段、及び複数の前記参加者端末から受付けた前記落札希望情報の中から前記競売対象物の落札者を決定する競売手段として、前記通信ネットワークに接続された管理サーバを機能させる」ものから主に構成されている。
さらに、本発明の競売プログラムは、「前記競売対象物を取引する市場に設置され、前記管理サーバに対して前記落札希望情報を送出可能な市場参加装置を利用し、前記市場から競売に参加する市場参加者に対し、前記競売情報を提供する市場情報提供手段、提供された前記競売情報に応じ、前記市場参加者の利用する前記市場参加装置から送出される前記落札希望情報を受付ける第二落札情報受付手段、前記参加者端末及び前記市場参加装置からそれぞれ受付けた前記競売希望情報を同期させ、前記参加者及び前記市場参加者の中から前記競売対象物の前記落札者を決定する第二競売手段として、前記管理サーバをさらに機能させる」ものであっても構わない。
さらに、本発明の競売プログラムは、「前記内部品質データを前記競売対象物の立体的形状に合わせ、三次元品質データを構築する三次元データ構築手段として、前記管理サーバをさらに機能させる」ものであっても構わない。
したがって、本発明の競売プログラムによれば、プログラムを実行することにより、管理サーバに対して上述した品質情報を用いた動植物の競売システムによる作用を奏させることが可能となる。
本発明の効果として、市場から離れた遠隔地からであっても競売に参加し、取引を成立させることができる。さらに、従来と比べ、家畜等の競売対象物の品質を精細に評価するための内部品質データを、生体を非破壊の状態で得ることができ、経験に乏しい参加者であっても正しく品質を見極めることができる。また、非破壊で測定が可能であるため、家畜等の品質に影響を及ぼすことがない。さらに、本発明の品質情報を用いた動植物の競売システムによれば、通信ネットワークを利用して競売に参加する参加者と、直接市場に出向いて競売に参加する市場参加者とが、同時に、かつ同一の競売対象について互いに競り合うことができる。すなわち、従来の競売方式と通信ネットワークを介して行う品質情報を用いた動植物の競売システムを融合させ、参加者及び市場参加者の双方に、競売の機会を数多く提供することができる。さらに、本発明の競売プログラムを実行することにより、管理サーバに対して、上述の優れた効果を奏させることができる。
以下、本発明の一実施形態である品質情報を用いた動植物の競売システム1(以下、単に「競売システム1」と称す)について、図1乃至図5に基づいて説明する。ここで、図1は本実施形態の競売システム1の概略構成を模式的に示す説明図であり、図2は競売システム1の管理サーバ2の機能的構成を示すブロック図であり、図3は競売システム1の参加者端末3の機能的構成を示すブロック図であり、図4及び図5は競売システム1の管理サーバ2及び参加者端末3のそれぞれの処理の流れを示すフローチャートである。なお、本実施形態の競売システム1では、競売対象物として畜産農家で飼育された牛100の競売をインターネット101(通信ネットワークに相当)に接続された参加者端末3及び市場102に設置された市場参加装置4の双方を利用して行うものについて例示する。
本実施形態の競売システム1は、図1に模式的に示すように、生体の牛100を競売によって取引するための市場102を開催する市場開催機関103によって設置され、インターネット101に接続された管理サーバ2と、インターネット101に接続され、管理サーバ2に対して牛100の落札を希望する旨を示す落札希望情報5を送出し、競売にインターネット101を通じて参加する参加者104によって利用される参加者端末3と、管理サーバ2と直に接続され、市場102において従来と同じ方式で競売に参加する市場参加者105によって操作される市場参加装置4とを具備して主に構成されている。
ここで、市場参加装置4は、管理サーバ2と電気配線によって電気的に直接接続されており、管理サーバ2に対して落札希望情報5を電気信号として送出することができる。さらに、競売の方式は、予め設定された落札開始価格に対し、入札を希望する市場参加者105が市場参加装置4から落札希望情報5を送出する。このとき、管理サーバ2に送出された落札希望情報5が複数ある場合、換言すれば、落札希望者が複数存在する場合には、落札開始価格よりも予め設定した金額を増額させた落札価格を設定し、再び、落札希望情報5の送出が行われるのを待機する。そして、係る処理を繰り返し、最終的に落札希望情報5の送出が一つの市場参加装置4から送出されなかった場合、当該落札希望情報5を送出した市場参加者105が落札者として決定されるものである。なお、詳細については、後述するが、本実施形態の競売システム1においては、インターネット101に接続した参加者端末3からも同様に落札希望情報5を送出することができる。
さらに、管理サーバ2は、図2に示すように、その機能的構成として、畜産農家から出品された競売対象の牛100についての外観、サイズ、重量、交配履歴、及び生育条件等を含み、牛100の肉質を主として外部からの情報に基づいて推察可能な外部品質データ8を取得し、牛100の基礎データ9と対応させて記憶する外部情報記憶手段10と、超音波測定装置106aによる超音波107等を利用し、得られた牛100に関する二次元データの内部品質データ12を、牛100の基礎データ9と対応させて記憶する内部情報記憶手段13と、得られた二次元のデータからなる内部品質データ12に基づいて牛100の外観の立体的形状に合わせ、三次元品質データ14を構築する三次元データ構築手段15と、基礎データ9、外部品質データ8、内部品質データ12、及び三次元品質データ14を含んで構成される競売情報16を、インターネット101を通じて参加者端末3に公開する競売情報公開手段17と、競売情報公開手段17によって公開されるものと同様の競売情報16を、市場参加装置4によって市場102から競売に参加する市場参加者105に対し、主として視覚及び聴覚を通じて認識可能に提供する市場情報提供手段18と、参加者端末3からインターネット101を介して送出される落札希望情報5を受付ける落札情報受付手段19及び市場参加装置4から管理サーバ2に対して直接送出される落札希望情報5を受付ける第二落札情報受付手段20を包括して構成される包括落札情報受付手段21と、受付けた複数の落札希望情報5の中から最も高値の入札価格を提示したものを落札者として決定する競売手段23とを具備して主に構成されている。なお、本発明における第二競売手段は、競売手段23に包含されている。
また、競売情報公開手段17及び市場情報提供手段18は、いずれも競売情報16の公開及び提供とともに、牛100の競売に応じて受付けた落札希望情報5の受付数及び落札開始価格から増えた現在の落札価格等の競売の進捗状況を示す競売進捗情報24をリアルタイムで公開及び提供している。これにより、参加者104及び市場参加者105は、競り落とそうとしている牛100の進捗状況を把握し、落札価格の増額に応じて、再び落札希望情報5を管理サーバ2に対して送出することができる。
さらに、管理サーバ2は、外部情報記憶手段10及び内部情報記憶手段13を併合するとともに、牛100についての基礎データ9を記憶する管理側記憶手段22と、インターネット101を利用して種々のデータの送受を行うための管理側送信制御手段25及び管理側受信制御手段26と接続した管理側通信手段27と、管理側記憶手段22に種々のデータ及び情報を記憶させるためのデータ入力手段28とを具備している。なお、データ入力手段28は、前述した超音波測定装置106aと直接接続され、照射された超音波107に対する結果を管理側記憶手段22にダイレクトに記憶するものであっても、或いは前述の管理側通信手段27を介するものであってもよい(図2参照)。なお、データ入力手段28には、前述の超音波測定装置106aの他に、X線CT(X線断層撮影装置)106b、IR装置(赤外線測定装置)106c、DNA診断装置(遺伝情報診断装置)106d、及び統計的手法による能力予測装置106eとがそれぞれ接続されている。なお、管理サーバ2は、汎用のサーバを利用することが可能であり、その他、一般的な構成として、管理サーバ2を操作するためのキーボード及びマウスなどの操作手段29と接続した管理側操作制御手段30とを有している。加えて、市場情報提供手段18は、市場102内にいる市場参加者105に対して競売情報16や競売進捗情報24を提供するために、大型スクリーン32及びスピーカ33と接続されている。
一方、参加者端末3は、図3に示すように、管理サーバ2からインターネット101を通じて公開された競売情報16、及び競売の途中の進捗を示す競売進捗情報24を閲覧する閲覧手段40と、閲覧した競売情報16等に基づいて、牛100の落札を希望する旨を示す落札希望情報5を管理サーバ2に対して送出する落札情報送出手段42とを主に具備して構成されている。さらに、その他の構成として、閲覧手段40と接続し、受付けた競売情報16を表示手段41に表示するための参加者側表示制御手段43と、キーボード等の操作手段44と接続し、参加者端末3の操作を行うための参加者側操作制御手段45と、種々のデータ及び情報の送受信を行うための参加者側送信制御手段46及び参加者側受信制御手段47に接続した参加者側通信手段48とを具備している。なお、参加者端末3は、特に限定されないが、インターネット101に接続可能な機能を有するものであればよく、例えば、市販のパーソナルコンピュータ、携帯電話、及び情報通信端末(PDAなど)を利用することが可能である。
ここで、市場参加装置4については、従来から市場102において使用されている周知のものを用いることが可能であるため、特に詳細な説明は省略するが、一般的な構成として、市場参加者105によって操作可能な押しボタン式の送出ボタン50を有している。そして、この送出ボタン50が押されると、電気的に接続された管理サーバ2に対し、落札希望情報5を電気信号として送出することができる。
次に、本実施形態の競売システム1の流れの一例について、図4及び図5のフローチャートに基づいて詳細に説明する。ここで、図4及び図5におけるステップS1乃至ステップS15が本発明における競売プログラムに相当する。
始めに、管理サーバ2は、畜産農家から競売の対象として出品される牛100の基礎データ9及び外部品質データ8の入力を受付け、管理側記憶手段22に記憶する(ステップS1)。ここで、基礎データ9とは、牛100に対して付された管理番号、畜産農家または畜産者を特定する氏名、牛齢、性別、及び鼻紋に関する情報等の取引の際に競売の参加者104及び市場参加者105に対して提示される基本的な情報であり、牛100の品質の評価とは直接的に関係しないものである。一方、外部品質データ8とは、前述したように、牛100の外観、重量、サイズ、交配履歴、及び生産地などに関する情報を含み、基礎データ9と関連付けられている。それから、管理サーバ2は、当該牛100に関する内部品質データ12の入力をデータ入力手段28を介して受付け、これを記憶する(ステップS2)。ここで、内部品質データ12は、市場開催機関103から委託された試験研究機関によって実施されたものを利用するもの、或いは市場開催機関103に設置された超音波測定装置106a等を利用して取得するものであっても構わない。
その後、管理サーバ2は、記憶された内部品質データ12を利用して三次元品質データ14の構築を行う(ステップS3)。ここで、超音波測定装置106aやX線CT106b等によって取得される内部品質データ12は、一般に参加者104の視覚を通じて認識可能なように平面的(二次元的)な画像情報として提示されることが多い。特に、X線CT106b等は、牛100の体を輪切りにしたような断層影像を、連続的に複数が取得されることがある。しかしながら、これらの平面的な内部品質データ12から、牛100の品質を読みとることは、ある程度の経験を積む必要があり、かつ読解に際し、専門的な知識を要することがある。そこで、係る内部品質データ12を利用し、牛100の立体的形状に合わせた三次元品質データ14を構築する。これにより、参加者104は、牛100の品質の状態を視覚を通じて直感的に把握することができるようになる。
その後、管理サーバ2は、記憶した基礎データ9、外部品質データ8、内部品質データ12、及び三次元品質データ14を包括した競売情報16を作成し(ステップS4)、これをインターネット101を通じて参加者端末3に対して公開する(ステップS5)とともに、市場102に設置された大型スクリーン32及びスピーカ33を通じて市場参加装置4を操作する市場参加者105に提供する(ステップS6)。
そして、管理サーバ2は、牛100に対する落札開始価格を設定する(ステップS7)。なお、設定されたこの落札開始価格に関する情報も参加者104及び市場参加者105の双方に伝達されている。これにより、牛100に対する競売が開始される。
一方、参加者端末3は、インターネット101を通じて公開された競売情報16を受付け、参加者104に対して閲覧可能に提示する(ステップT1)。さらに、市場102では、市場開催機関103によって市場102内に設置された大型スクリーン32及びスピーカ33を通じて、参加者端末3に公開されている競売情報16と同一内容が市場参加者105に対して提供されている。すなわち、参加者104及び市場参加者105が互いに同一条件で、牛100に対する競売に関する情報を取得している。なお、市場102には実際に競売に出品される生体の牛100を観察できるようになっている。そして、これら牛100の現在の状態は、インターネット101を通じて動画として同様に参加者端末3に対して提供されている。この映像送信に係るシステムは、所謂「TV会議システム」として、現在多く利用されているものを適用することが可能であるため、ここでは詳細な説明は省略する。これにより、参加者104も市場102にいる牛100の様子を確認することができ、競売において肉質等の評価を判断する上での評価材料の一つとすることができ、係る点においても参加者104及び市場参加者105の双方で不公平を生じることがない。
そして、参加者104及び市場参加者105は、対象の牛100に対して、設定された落札開始価格での落札を希望する場合、参加者端末3の落札情報送出手段42及び市場参加装置4の送出ボタン50の操作によって落札希望情報5を管理サーバ2に対して送出する(ステップT2またはステップU2)。
ここで、参加者端末3及び市場参加装置4の少なくともいずれか一方から落札希望情報5の送出が有り、管理サーバ2はそれを検出した場合(ステップS8においてYES)、当該落札開始価格において受付けた落札希望情報5の受付数を判断する(ステップS9)。一方、落札希望情報5の送出が検出されない場合(ステップS8においてNO)、管理サーバ2は落札希望情報5の検出を継続する。
そして、管理サーバ2は、同一の落札開始価格において複数の落札希望情報5を受付けた場合(ステップS9においてYES)、落札価格の再設定を行う(ステップS10)。なお、一般に牛100等の競売においては、1kg当たりの金額を落札価格として設定しており、落札価格の再設定もこれに基づいて行っている。そして、落札開始価格に対し、予め定めておいた増額分(例えば、1kg当たり100円アップなど)。そして、再設定された落札価格と、落札希望情報5の受付数等を含む競売進捗情報24を再び、参加者104及び市場参加者105に対して公開及び提供する(ステップS11及びステップS12)。その後、管理サーバ2は、再びステップS8の処理に戻り、改めて再設定された落札価格に対して、参加者端末3及び市場参加装置4から落札希望情報5が送出されるのを検出し、後述する落札者が決定するまでステップS8乃至ステップS12の処理を繰返す。
一方、一つの落札希望情報5のみの送出が検出される場合(ステップS9においてNO)、当該落札価格において落札希望情報5を送出した参加者端末3を操作する参加者104または市場参加装置4を操作する市場参加者105のいずれか一人を落札者として決定する処理(ステップS13)を行い、これにより、牛100の競売に係る取引が成立する。なお、落札者が決定した場合には、参加者104または市場参加者105に対し、管理サーバ2からその旨の通知がなされ、参加者104等は係る通知を受付ける(ステップT3またはステップU2)。
その後、システムを終了する旨の指示の有無を検出し(ステップS14)、終了する指示が検出される場合(ステップS14においてYES)、システムの終了を行う(ステップS15)、一方、終了する指示が検出されない場合(ステップS14においてNO)、すなわち、続いて他の牛100についての競売を継続して行う場合には、再び、ステップS1の処理に戻る。なお、複数の牛100についての競売を同時に行う場合には、ステップS1乃至ステップS4についての処理を予め行っておき、対象となる牛100についての競売情報16を適宜公開するものであってももちろん構わない。
以上述べたように、本実施形態の競売システム1によれば、インターネット101等の通信ネットワークを利用して、牛100等の家畜を始めとする主として動植物の競売取引を容易に行うことができる。そのため、遠隔地に居住し、時間的及び地域的制限により、従来は競売に参加することができなかった参加者104に対して、競売に参加する機会を与えることができる。さらに、インターネット101を通じて提供される内部品質データ12または三次元品質データ14によって、従来の通信ネットワークを介する競売対象物の取引と比べ、品質に関する評価をより客観的に判断することができる。そのため、システムを利用する際に参加者104が感じる不安を払拭することができる。加えて、従来はこれらの品質の判断は、長年の経験及び勘に基づいて行われていたが、超音波測定装置106a等による測定技術によって、経験に乏しい新人の参加者104であっても肉質等の判断を的確に行うことができ、従来のように不当に高い落札価格で落札してしまうような失敗をする可能性が低くなる。
さらに、通常の競売に参加する市場参加者105と、インターネット101を通じて競売に参加する参加者104とを管理サーバ2に送出される落札希望情報5によって同等に取扱うことができる。さらに、これらの双方に提供され、品質の判断材料となる競売情報16も互いに不利となることがないように公平に公開及び提供されている。その結果、競売に参加する人数が相対的に増え、かつ健全な競売が安定して行われるようになる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、本実施形態の競売システム1において、取引の対象となるものとして牛100を例示して説明したが、もちろんこれに限定されるものではなく、その他の豚、鶏、マグロ等の水産物、青果物、木材の取引等に適用するものであってもよい。さらに、生体の牛100について説明したが、屠体となったものの取引、或いはマグロのように漁獲直後に冷凍処理されたものを対象とするものであっても構わない。これにより、上述の非破壊的測定手段によって競売対象物の品質に影響を与えることなく、品質を容易に把握することができる。また、木材などに適用することにより、内部の空隙の状態を確認することもできる。
さらに、本実施形態の競売システム1において、DNA診断装置による遺伝情報等を有効に活用するものであってもよい。すなわち、非破壊測定手段として示されたDNA診断装置106d及び能力予測装置106eを除く超音波測定装置106a等は、いずれも競売対象となる牛100等の現在の状態に基づいて内部の品質を認識するものであるのに対し、DNA診断装置106d及び統計的手法による能力予測装置106eは、遺伝因子によって将来的にどのような成長をするのかを予測することができる。そのため、生育途中における子牛や子馬などの取引の際に特に有効となる。さらに、MRI装置などの磁気共鳴画像測定装置を利用して内部品質データ12を得るものであっても構わない。
また、本実施形態の競売システム1において、市場参加者105及び参加者104の双方が同時に競売に参加するものについて例示したが、これに限定されるものではなく、インターネット101等の通信ネットワークを介する参加に限定するものであってももちろん構わない。
品質情報を用いた動植物の競売システムの概略構成を模式的に示す説明図である。 品質情報を用いた動植物の競売システムの管理サーバの機能的構成を示すブロック図である。 品質情報を用いた動植物の競売システムの参加者端末の機能的構成を示すブロック図である。 品質情報を用いた動植物の競売システムの管理サーバ及び参加者端末のそれぞれの処理の流れを示すフローチャートである。 品質情報を用いた動植物の競売システムの管理サーバ及び参加者端末のそれぞれの処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1 競売システム(品質情報を用いた動植物の競売システム)
2 管理サーバ
3 参加者端末
4 市場参加装置
5 落札希望情報
8 外部品質データ
9 基礎データ
10 外部情報記憶手段
12 内部品質データ
13 内部情報記憶手段
14 三次元品質データ
15 三次元データ構築手段
16 競売情報
17 競売情報公開手段
18 市場情報提供手段
19 落札情報受付手段
20 第二落札情報受付手段
21 包括落札情報受付手段
22 管理側記憶手段
23 競売手段
24 競売進捗情報
40 閲覧手段
42 落札情報送出手段
100 牛(競売対象物)
101 インターネット(通信ネットワーク)
102 市場
104 参加者
105 市場参加者
106a 超音波測定装置(非破壊的測定手段)
106b X線CT(非破壊的測定手段)
106c IR装置(非破壊的測定手段)
106d DNA診断装置(非破壊的測定手段)
106e 能力予測装置(非破壊的測定手段)

Claims (9)

  1. 通信ネットワークに接続された管理サーバを利用し、家畜、水産物、青果物、及び草木を含む動植物を競売対象物として競売によって落札し、取引を行う品質情報を用いた動植物の競売システムであって、
    前記管理サーバは、
    前記競売対象物の品質を推察可能な外観、サイズ、重量、触診感、交配履歴、及び生育環境の少なくともいずれか一つを含む前記競売対象物の外部品質データを記憶する外部情報記憶手段と、
    非破壊的測定手段を利用して前記競売対象物を測定し、得られた測定結果に基づいて前記競売対象物の内部の品質を評価可能な内部品質データを、前記競売対象物に対応させて記憶する内部情報記憶手段と、
    前記競売対象物の基礎データ、前記外部品質データ、及び前記内部品質データを含む競売情報を、前記通信ネットワークを介して公開する競売情報公開手段と、
    公開された前記競売情報に応じ、競売に参加する参加者の利用する参加者端末から送出される落札を希望する旨を示す落札希望情報を、前記通信ネットワークを介して受付ける落札情報受付手段と、
    複数の前記参加者端末から受付けた前記落札希望情報の中から前記競売対象物の落札者を決定する競売手段と
    を具備することを特徴とする品質情報を用いた動植物の競売システム。
  2. 前記参加者端末は、
    前記通信ネットワークを介して前記管理サーバから公開される前記競売情報を閲覧可能に表示する閲覧手段と、
    閲覧した前記競売情報に応じ、前記管理サーバに対して前記落札希望情報を送出する落札情報送出手段と
    を具備することを特徴とする請求項1に記載の品質情報を用いた動植物の競売システム。
  3. 前記競売対象物を取引する市場に設置され、前記市場から競売に参加する市場参加者が利用し、前記管理サーバに対して前記落札希望情報を送出可能な市場参加装置をさらに具備し、
    前記管理サーバは、
    前記市場参加装置を利用する前記市場参加者に対し、前記競売情報を提供する市場情報提供手段と、
    提供された前記競売情報に応じ、前記市場参加者の利用する前記市場参加装置から送出される前記落札希望情報を受付ける第二落札情報受付手段と、
    前記参加者端末及び前記市場参加装置からそれぞれ受付けた前記競売希望情報を同期させ、前記参加者及び前記市場参加者の中から前記競売対象物の前記落札者を決定する第二競売手段と
    をさらに具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の品質情報を用いた動植物の競売システム。
  4. 前記内部品質データは、
    前記競売対象物に対して実施され、超音波測定技術によって得られた超音波情報、X線断層撮影技術によって得られたX線断層情報、磁気共鳴画像測定技術によって得られた磁気共鳴画像情報、赤外線測定技術によって得られた赤外線情報の少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の品質情報を用いた動植物の競売システム。
  5. 前記内部品質データは、
    前記競売対象物に対して実施されたDNA診断技術、統計的手法、及びこれらを組合わせた手法の少なくともいずれか一つによって得られ、前記競売対象物の将来の生育状況を予測可能な遺伝情報を含んで構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の品質情報を用いた動植物の競売システム。
  6. 前記管理サーバは、
    前記内部品質データを前記競売対象物の立体的形状に合わせ、三次元品質データを構築する三次元データ構築手段をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の品質情報を用いた動植物の競売システム。
  7. 家畜、水産物、青果物、及び草木を含む動植物の競売対象物の品質を推察可能な外観、サイズ、重量、触診感、交配履歴、及び生育環境の少なくともいずれか一つを含む前記競売対象物の外部品質データを記憶する外部情報記憶手段、非破壊的測定手段を利用して前記競売対象物を測定し、得られた測定結果に基づいて前記競売対象物の内部の品質を評価可能な内部品質データを、前記競売対象物に対応させて記憶する内部情報記憶手段、前記競売対象物の基礎データ、前記外部品質データ、及び前記内部品質データを含む競売情報を、通信ネットワークを介して公開する競売情報公開手段、公開された前記競売情報に応じ、競売に参加する参加者の利用する参加者端末から送出される落札を希望する旨を示す落札希望情報を、前記通信ネットワークを介して受付ける落札情報受付手段、及び複数の前記参加者端末から受付けた前記落札希望情報の中から前記競売対象物の落札者を決定する競売手段として、前記通信ネットワークに接続された管理サーバを機能させることを特徴とする競売プログラム。
  8. 前記競売対象物を取引する市場に設置され、前記管理サーバに対して前記落札希望情報を送出可能な市場参加装置を利用し、前記市場から競売に参加する市場参加者に対し、前記競売情報を提供する市場情報提供手段、提供された前記競売情報に応じ、前記市場参加者の利用する前記市場参加装置から送出される前記落札希望情報を受付ける第二落札情報受付手段、前記参加者端末及び前記市場参加装置からそれぞれ受付けた前記競売希望情報を同期させ、前記参加者及び前記市場参加者の中から前記競売対象物の前記落札者を決定する第二競売手段として、前記管理サーバをさらに機能させることを特徴とする請求項7に記載の競売プログラム。
  9. 前記内部品質データを前記競売対象物の立体的形状に合わせ、三次元品質データを構築する三次元データ構築手段として、前記管理サーバをさらに機能させることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の競売プログラム。
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