JP2005275104A - 光学補償フィルム及び液晶表示装置 - Google Patents
光学補償フィルム及び液晶表示装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005275104A JP2005275104A JP2004089770A JP2004089770A JP2005275104A JP 2005275104 A JP2005275104 A JP 2005275104A JP 2004089770 A JP2004089770 A JP 2004089770A JP 2004089770 A JP2004089770 A JP 2004089770A JP 2005275104 A JP2005275104 A JP 2005275104A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liquid crystal
- film
- optical compensation
- display device
- compensation film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】 液晶表示装置の視野角の改善に寄与する光学補償フィルム、及び、簡易な構成で、表示品位のみならず、視野角が著しく改善されたIPS型液晶表示装置を提供する。
【解決手段】 液晶性化合物を含む塗布液を支持体上に塗布して、該液晶性化合物の配向状態を固定化して形成された光学異方性層を含む光学補償フィルムであって、面積400cm2から任意に選んで測定した10箇所の面内レターデーションReの平均値が50〜200nmであり、該10箇所のReのばらつきが±4nm以内である光学補償フィルムである。
【選択図】 なし
【解決手段】 液晶性化合物を含む塗布液を支持体上に塗布して、該液晶性化合物の配向状態を固定化して形成された光学異方性層を含む光学補償フィルムであって、面積400cm2から任意に選んで測定した10箇所の面内レターデーションReの平均値が50〜200nmであり、該10箇所のReのばらつきが±4nm以内である光学補償フィルムである。
【選択図】 なし
Description
本発明は、液晶表示装置に関し、特に水平方向に配向した液晶分子に横方向の電界を印加することにより表示を行う、インプレーンスイッチングモードの液晶表示装置に関する。また、本発明は、液晶表示装置、特にインプレーンスイッチングモードの液晶表示装置の表示特性の改善に寄与する光学補償フィルムに関する。
液晶表示装置としては、二枚の直交した偏光板の間に、ネマチック液晶をツイスト配列させた液晶層を挟み、電界を基板に対して垂直な方向にかける方式、いわゆるTNモードが広く用いられている。この方式では、黒表示時に液晶が基板に対して立ち上がるために、斜めから見ると液晶分子による複屈折が発生し、光漏れが起こる。この問題に対して、液晶性分子がハイブリッド配向したフィルムを用いることで、液晶セルを光学的に補償し、この光漏れを防止する方式が実用化されている。しかし、液晶性分子を用いても液晶セルを問題なく完全に光学的に補償することは非常に難しく、画面下方向での諧調反転が抑えきれないという問題を生じていた。
かかる問題を解決するため、横電界を液晶に対して印加する、いわゆるインプレーンスイッチング(IPS)モードによる液晶表示装置や、誘電率異方性が負の液晶を垂直配向してパネル内に形成した突起やスリット電極によって配向分割した垂直配向(VA)モードが提案され、実用化されている。近年、これらのパネルはモニター用途に留まらず、TV用途として開発が進められており、それに伴って画面の輝度が大きく向上してきている。このため、これらの動作モードで従来問題とされていなっかった、黒表示時の対角位斜め入射方向での僅かな光漏れが表示品質の低下の原因として顕在化してきた。
この色調や黒表示の視野角を改善する手段の一つとして、液晶層と偏光板の間に複屈折特性を有する光学補償材料を配置することがIPSモードにおいても検討されている。例えば、傾斜時の液晶層のレターデーションの増減を補償する作用を有する光軸を互いに直交した複屈折媒体を基板と偏光板との間に配置することで、白表示又は中間調表示を斜め方向から直視した場合の色付きが改善できることが開示されている(特許文献1参照)。また、負の固有複屈折を有するスチレン系ポリマーやディスコティック液晶性化合物からなる光学補償フィルムを使用した方法(特許文献2、3、4参照)や光学補償フィルムとして複屈折が正で光学軸がフィルムの面内にある膜と複屈折が正で光学軸がフィルムの法線方向にある膜とを組み合わせる方法(特許文献5参照)、レターデーションが二分の一波長の二軸性の光学補償シートを使用する方法(特許文献6参照)、偏光板の保護膜として負のレターデーションを有する膜を使い、この表面に正のレターデーションを有する光学補償層を設ける方式(特許文献7参照)が提案されている。
しかし、提案された方式の多くは、液晶セル中の液晶の複屈折の異方性を打ち消して視野角を改善する方式であるために、直交偏光板を斜めから見た場合の偏光軸交差角度の直交からのズレに基づく光漏れを十分に解決できないという問題がある。また、この光漏れを補償できるとされる方式でも、液晶セルを問題なく完全に光学的に補償することは非常に難しい。さらに、延伸複屈折ポリマーフィルムで光学補償を行うIPSモード液晶セル用光学補償シートでは、複数のフィルムを用いる必要があり、その結果、光学補償シートの厚さが増し、表示装置の薄形化に不利である。また、延伸フィルムの積層には粘着層を用いるため、温湿度変化により粘着層が収縮してフィルム間の剥離や反りといった不良が発生することがあった。
本発明は前記諸問題に鑑みなされたものであって、液晶表示装置の視野角の改善に寄与する光学補償フィルム、及び、簡易な構成で、表示品位のみならず、視野角が著しく改善された液晶表示装置、特にIPSモード液晶表示装置を提供することを目的とする。また、本発明は、表示ムラなどを生じさせることなく、液晶セルを補償可能な、液晶性分子から形成された光学異方性層を有する光学補償フィルムを提供することを課題とする。
本願発明の目的は、下記の(1)〜(5)の光学補償フィルム、及び(6)〜(10)の液晶表示装置により達成された。
(1) 液晶性化合物を含む塗布液を支持体上に塗布して、該液晶性化合物の配向状態を固定化して形成された光学異方性層を含む光学補償フィルムであって、面内のレターデーションの値(Re)を下記式で定義したとき、面積400cm2から任意に選んで測定した10箇所のReの平均値が50〜200nmであり、該10箇所のReのばらつきが±4nm以内である光学補償フィルム。
Re=(nx−ny)×d
(ここで、nx、nyは面内の屈折率(nx≧ny)、nzは厚さ方向の屈折率、dは光学異方性層の厚さ(nm)を示す。)
(2) 前記液晶性化合物が、ディスコティック液晶性化合物である(1)の光学補償フィルム。
(3) 前記ディスコティック液晶性化合物の円盤面が、該支持体平面に対して実質的に垂直になるように配向状態が固定化されていることを特徴とする(2)の光学補償フィルム。
(4) 前記塗布液の25℃における粘度が、2.8〜20mPa・sであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかの光学補償フィルム。
(5) 前記支持体の下記式で定義される面内のレターデーション(Re)が0〜20nmで、厚さ方向のレターデーション(Rth)が20nm〜120nmであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかの光学補償フィルム。
Re=(nx−ny)×d
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d
ここで、nx、nyは面内の屈折率(nx≧ny)、nzは厚さ方向の屈折率、dは支持体の厚さ(nm)を示す。
(6) 第1偏光膜と、(1)〜(5)のいずれかの光学補償フィルムと、第1基板と、液晶層と、第2基板とがこの順序で配置され、黒表示時に該液晶層の液晶分子が前記一対の基板の表面に対して平行に配向する液晶表示装置であって、前記光学異方性層の遅相軸が第1偏光膜の透過軸及び黒表示時の液晶分子の遅相軸方向に平行である液晶表示装置。
(7) 前記第2基板のより外側に、第2偏光膜を有する(6)の液晶表示装置。
(8) 前記第2偏光膜を挟んで配置された一対の保護膜を有し、該一対の保護膜のうち液晶層に近い側の保護膜の厚み方向のレターデーション(Rth)が0〜40nmである(7)の液晶表示装置。
(9) 前記第2偏光膜を挟んで配置された一対の保護膜を有し、該一対の保護膜のうち液晶層に近い側の保護膜の厚みが10〜60μmである(7)又は(8)の液晶表示装置。
(10) 前記第2偏光膜を挟んで配置された一対の保護膜のうち、液晶層に近い側の保護膜がセルロースアセテートフィルム又はノルボルネン系フィルムである(7)〜(9)のいずれかの液晶表示装置。
(1) 液晶性化合物を含む塗布液を支持体上に塗布して、該液晶性化合物の配向状態を固定化して形成された光学異方性層を含む光学補償フィルムであって、面内のレターデーションの値(Re)を下記式で定義したとき、面積400cm2から任意に選んで測定した10箇所のReの平均値が50〜200nmであり、該10箇所のReのばらつきが±4nm以内である光学補償フィルム。
Re=(nx−ny)×d
(ここで、nx、nyは面内の屈折率(nx≧ny)、nzは厚さ方向の屈折率、dは光学異方性層の厚さ(nm)を示す。)
(2) 前記液晶性化合物が、ディスコティック液晶性化合物である(1)の光学補償フィルム。
(3) 前記ディスコティック液晶性化合物の円盤面が、該支持体平面に対して実質的に垂直になるように配向状態が固定化されていることを特徴とする(2)の光学補償フィルム。
(4) 前記塗布液の25℃における粘度が、2.8〜20mPa・sであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかの光学補償フィルム。
(5) 前記支持体の下記式で定義される面内のレターデーション(Re)が0〜20nmで、厚さ方向のレターデーション(Rth)が20nm〜120nmであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかの光学補償フィルム。
Re=(nx−ny)×d
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d
ここで、nx、nyは面内の屈折率(nx≧ny)、nzは厚さ方向の屈折率、dは支持体の厚さ(nm)を示す。
(6) 第1偏光膜と、(1)〜(5)のいずれかの光学補償フィルムと、第1基板と、液晶層と、第2基板とがこの順序で配置され、黒表示時に該液晶層の液晶分子が前記一対の基板の表面に対して平行に配向する液晶表示装置であって、前記光学異方性層の遅相軸が第1偏光膜の透過軸及び黒表示時の液晶分子の遅相軸方向に平行である液晶表示装置。
(7) 前記第2基板のより外側に、第2偏光膜を有する(6)の液晶表示装置。
(8) 前記第2偏光膜を挟んで配置された一対の保護膜を有し、該一対の保護膜のうち液晶層に近い側の保護膜の厚み方向のレターデーション(Rth)が0〜40nmである(7)の液晶表示装置。
(9) 前記第2偏光膜を挟んで配置された一対の保護膜を有し、該一対の保護膜のうち液晶層に近い側の保護膜の厚みが10〜60μmである(7)又は(8)の液晶表示装置。
(10) 前記第2偏光膜を挟んで配置された一対の保護膜のうち、液晶層に近い側の保護膜がセルロースアセテートフィルム又はノルボルネン系フィルムである(7)〜(9)のいずれかの液晶表示装置。
本発明によれば、液晶表示装置の視野角の改善に寄与する光学補償フィルム、及び、簡易な構成で、表示品位のみならず、視野角が著しく改善された液晶表示装置、特にIPSモード液晶表示装置を提供することができる。また、本発明によれば、表示ムラなどを生じさせることなく、液晶セルを補償可能な、液晶性分子から形成された光学異方性層を有する光学補償フィルムを提供することができる。
以下において、本発明の光学補償フィルム及び液晶表示装置の実施形態について順次説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。図1は、本発明の液晶表示装置の画素領域例を示す模式図である。図2は、本発明の液晶表示装置の一実施形態の模式図である。
本明細書において、「平行」、「直交」とは、厳密な角度±10゜未満の範囲内であることを意味する。この範囲は厳密な角度との誤差は、±5゜未満であることが好ましく、±2゜未満であることがより好ましい。また、「実質的に垂直」とは、厳密な垂直の角度よりも±20゜未満の範囲内であることを意味する。この範囲は厳密な角度との誤差は、±15゜未満であることが好ましく、±10゜未満であることがより好ましい。また、「遅相軸」は、屈折率が最大となる方向を意味する。さらに屈折率の測定波長は特別な記述がない限り、可視光域のλ=550nmでの値である。
本明細書において「偏光板」とは、特に断らない限り、長尺の偏光板及び液晶装置に組み込まれる大きさに裁断された(本明細書において、「裁断」には「打ち抜き」及び「切り出し」等も含むものとする)偏光板の両者を含む意味で用いられる。また、本明細書では、「偏光膜」及び「偏光板」を区別して用いるが、「偏光板」は「偏光膜」の少なくとも片面に該偏光膜を保護する透明保護膜を有する積層体を意味するものとする。
[光学補償フィルム]
本発明の光学補償フィルムは、液晶性化合物を含む塗布液を支持体上に塗布して、該液晶性化合物の配向状態を固定化して形成された光学異方性層を含み、400cm2から任意に選んで測定した10箇所の面内のレターデーション(Re)の平均値が50〜200nmであり、その10箇所のReのばらつきが±4nm以内であることを特徴とする。なお、光学補償フィルムの面積が400cm2に満たない場合は、同一の製造方法により製造された光学補償フィルムを400cm2以上となるよう複数枚集めて、そこから任意に10箇所選んでReを測定することで、その平均値とばらつきを求めることができる。前記Reの平均値は、70〜180nmであるのが好ましく、80〜160nmであるのがより好ましい。また、前記ばらつきは±3nm以内であることがより好ましく、±2nm以内であることがさらに好ましい。前記条件で測定したレターデーションの平均値が前記範囲で、且つそのばらつきが前記範囲内であれば、液晶表示装置、特にIPSモードの液晶表示装置を、表示ムラなどを生じることなく、光学補償することができる。
本発明の光学補償フィルムは、液晶性化合物を含む塗布液を支持体上に塗布して、該液晶性化合物の配向状態を固定化して形成された光学異方性層を含み、400cm2から任意に選んで測定した10箇所の面内のレターデーション(Re)の平均値が50〜200nmであり、その10箇所のReのばらつきが±4nm以内であることを特徴とする。なお、光学補償フィルムの面積が400cm2に満たない場合は、同一の製造方法により製造された光学補償フィルムを400cm2以上となるよう複数枚集めて、そこから任意に10箇所選んでReを測定することで、その平均値とばらつきを求めることができる。前記Reの平均値は、70〜180nmであるのが好ましく、80〜160nmであるのがより好ましい。また、前記ばらつきは±3nm以内であることがより好ましく、±2nm以内であることがさらに好ましい。前記条件で測定したレターデーションの平均値が前記範囲で、且つそのばらつきが前記範囲内であれば、液晶表示装置、特にIPSモードの液晶表示装置を、表示ムラなどを生じることなく、光学補償することができる。
上記光学的特性を満たす限り、液晶性化合物の種類については特に制限されず、ディスコティック液晶でもよいし、棒状液晶でもよい。また、低分子液晶性化合物だけでなく、高分子液晶性化合物も用いることができる。例えば、低分子液晶性化合物を液晶状態において配向させ、光架橋や熱架橋によって配向を固定化して得られる光学異方性層や、高分子液晶性化合物を液晶状態において配向させ、冷却することによって当該配向を固定化して得られる光学異方性層を用いることができる。なお本発明では、光学異方性層に液晶性化合物が用いられる場合であっても、光学異方性層は、該化合物が重合等によって固定されて形成された層であり、層となった後はもはや液晶性を示す必要はない。前記光学異方性層の形成に用いられる液晶性化合物は、重合性液晶化合物であることが好ましい。該重合性液晶は多官能性でもよいし、単官能性でもよい。本発明の光学補償フィルムをIPSモード液晶表示装置に適用する場合には、重合性液晶化合物はディスコティック液晶化合物であることが好ましく、ディスコティック液晶化合物の円盤面がフィルム平面に対して実質的に垂直であることがさらに好ましい。
また、本発明の光学補償フィルムを製造する際に用いる塗布液の25℃における粘度は2.8〜20mPa・sであることが好ましく、3.0〜15mPa・sであることがさらに好ましい。塗布液の粘度が前記範囲であると、塗布面の性状をより均一化できる。その結果、大面積の光学補償フィルムを作製する場合も、光学特性の均一性を損なわない。
本発明の光学補償フィルムは、重合性液晶化合物を支持体上に塗布することにより光学異方性層が形成されるが、重合性液晶化合物の配向固定化後は、該支持体を任意に剥離してもよい。すなわち、本発明の光学補償フィルムは、前記光学異方性層一層のみからなっていてもよいし、二層以上の積層体(前記光学異方性層と支持体の積層体、及び、それら二層とその他の層の積層体)であってもよい。
[液晶性化合物を含む光学異方性層]
液晶性化合物を含む光学異方性層は、棒状液晶性化合物又はディスコティック液晶性化合物と、下記の重合開始剤や空気界面配向剤や他の添加剤を含む塗布液を、支持体の上に塗布することで形成する。該塗布液の25℃における粘度は、上記した様に、2.8〜20mPa・sであることが好ましく、3.0〜15mPa・sであることがさらに好ましい。塗布液の粘度を上記範囲にすることで、塗布液を支持体上に塗布後、乾燥させる工程において生じる膜厚のムラ(乾燥風に応じた塗布層の膜厚の不均一さ)が軽減された均一な光学異方性層が形成できる。粘度が上記範囲より小さい場合には、乾燥風が塗布層に衝突することによって引き起こされる膜厚ムラが発生し、また、粘度が上記範囲より大きい場合には、塗布層の表面に凹凸やスジ(ワイヤーバーなどのような塗布に使用する器具で起こるスジ)が発生する。
液晶性化合物を含む光学異方性層は、棒状液晶性化合物又はディスコティック液晶性化合物と、下記の重合開始剤や空気界面配向剤や他の添加剤を含む塗布液を、支持体の上に塗布することで形成する。該塗布液の25℃における粘度は、上記した様に、2.8〜20mPa・sであることが好ましく、3.0〜15mPa・sであることがさらに好ましい。塗布液の粘度を上記範囲にすることで、塗布液を支持体上に塗布後、乾燥させる工程において生じる膜厚のムラ(乾燥風に応じた塗布層の膜厚の不均一さ)が軽減された均一な光学異方性層が形成できる。粘度が上記範囲より小さい場合には、乾燥風が塗布層に衝突することによって引き起こされる膜厚ムラが発生し、また、粘度が上記範囲より大きい場合には、塗布層の表面に凹凸やスジ(ワイヤーバーなどのような塗布に使用する器具で起こるスジ)が発生する。
前記液晶性化合物を含む塗布液の粘度は、塗布液の固形分濃度(液晶性化合物と下記の重合開始剤や空気界面配向剤や他の添加剤などを合わせた固形分の濃度)を調節することで、前記範囲内にしてもよい。また、塗布液の調製に用いる溶媒を選ぶことによって、塗布液の粘度を調節して前記範囲内にしてもよい。
塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライド及びケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。塗布液の塗布は、公知の方法(例、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
配向させた液晶性化合物は、配向状態を維持して固定するのが好ましい。固定化は、液晶性化合物に導入した重合性基(P)の重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがさらに好ましい。ディスコティック液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2であることが好ましく、100〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。位相差層の厚さは、0.1〜10μmであることが好ましく、0.5〜5μmであることがさらに好ましく、1〜5μmであることが最も好ましい。
[ディスコティック液晶性化合物]
本発明では、ディスコティック液晶性化合物を用いて光学異方性層を形成するのが好ましく、トリフェニレン液晶を用いるのがより好ましい。ディスコティック液晶性化合物は、様々な文献(C.Destrade et al.,Mol.Crysr.Liq.Cryst.,vol.71,page 111(1981);日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B.Kohne et al.,Angew.Chem.Soc.Chem.Comm.,page 1794(1985);J.Zhang et al.,J.Am.Chem.Soc.,vol.116,page 2655(1994))に記載されている。ディスコティック液晶性化合物の重合については、特開平8−27284号公報に記載がある。
本発明では、ディスコティック液晶性化合物を用いて光学異方性層を形成するのが好ましく、トリフェニレン液晶を用いるのがより好ましい。ディスコティック液晶性化合物は、様々な文献(C.Destrade et al.,Mol.Crysr.Liq.Cryst.,vol.71,page 111(1981);日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B.Kohne et al.,Angew.Chem.Soc.Chem.Comm.,page 1794(1985);J.Zhang et al.,J.Am.Chem.Soc.,vol.116,page 2655(1994))に記載されている。ディスコティック液晶性化合物の重合については、特開平8−27284号公報に記載がある。
ディスコティック液晶性化合物は、重合により固定可能なように、重合性基を有するのが好ましい。例えば、ディスコティック液晶性化合物の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させた構造が考えられるが、但し、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に連結基を有する構造が好ましい。即ち、重合性基を有するディスコティック液晶性化合物は、下記式で表わされる化合物であることが好ましい。
D(−L−P)n
式中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Pは重合性基であり、nは4〜12の整数である。前記式中の円盤状コア(D)、二価の連結基(L)及び重合性基(P)の好ましい具体例は、それぞれ、特開2001−4837号公報に記載の(D1)〜(D15)、(L1)〜(L25)、(P1)〜(P18)であり、同公報に記載の内容を好ましく用いることができる。なお、液晶性化合物のディスコティックネマティック液晶相−固相転移温度は、70〜300℃が好ましく、70〜170℃がさらに好ましい。
D(−L−P)n
式中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Pは重合性基であり、nは4〜12の整数である。前記式中の円盤状コア(D)、二価の連結基(L)及び重合性基(P)の好ましい具体例は、それぞれ、特開2001−4837号公報に記載の(D1)〜(D15)、(L1)〜(L25)、(P1)〜(P18)であり、同公報に記載の内容を好ましく用いることができる。なお、液晶性化合物のディスコティックネマティック液晶相−固相転移温度は、70〜300℃が好ましく、70〜170℃がさらに好ましい。
[垂直配向膜]
液晶性化合物を配向膜側で垂直に配向させるためには、配向膜の表面エネルギーを低下させることが重要である。具体的には、ポリマーの官能基により配向膜の表面エネルギーを低下させ、これにより液晶性化合物を立てた状態にする。配向膜の表面エネルギーを低下させる官能基としては、フッ素原子及び炭素原子数が10以上の炭化水素基が有効である。フッ素原子又は炭化水素基を配向膜の表面に存在させるために、ポリマーの主鎖よりも側鎖にフッ素原子又は炭化水素基を導入することが好ましい。含フッ素ポリマーは、フッ素原子を0.05〜80質量%の割合で含むことが好ましく、0.1〜70質量%の割合で含むことがより好ましく、0.5〜65質量%の割合で含むことがさらに好ましく、1〜60質量%の割合で含むことが最も好ましい。炭化水素基は、脂肪族基、芳香族基又はそれらの組み合わせである。脂肪族基は、環状、分岐状あるいは直鎖状のいずれでもよい。脂肪族基は、アルキル基(シクロアルキル基であってもよい)又はアルケニル基(シクロアルケニル基であってもよい)であることが好ましい。炭化水素基は、ハロゲン原子のような強い親水性を示さない置換基を有していてもよい。炭化水素基の炭素原子数は、10〜100であることが好ましく、10〜60であることがさらに好ましく、10〜40であることが最も好ましい。ポリマーの主鎖は、ポリイミド構造又はポリビニルアルコール構造を有することが好ましい。
液晶性化合物を配向膜側で垂直に配向させるためには、配向膜の表面エネルギーを低下させることが重要である。具体的には、ポリマーの官能基により配向膜の表面エネルギーを低下させ、これにより液晶性化合物を立てた状態にする。配向膜の表面エネルギーを低下させる官能基としては、フッ素原子及び炭素原子数が10以上の炭化水素基が有効である。フッ素原子又は炭化水素基を配向膜の表面に存在させるために、ポリマーの主鎖よりも側鎖にフッ素原子又は炭化水素基を導入することが好ましい。含フッ素ポリマーは、フッ素原子を0.05〜80質量%の割合で含むことが好ましく、0.1〜70質量%の割合で含むことがより好ましく、0.5〜65質量%の割合で含むことがさらに好ましく、1〜60質量%の割合で含むことが最も好ましい。炭化水素基は、脂肪族基、芳香族基又はそれらの組み合わせである。脂肪族基は、環状、分岐状あるいは直鎖状のいずれでもよい。脂肪族基は、アルキル基(シクロアルキル基であってもよい)又はアルケニル基(シクロアルケニル基であってもよい)であることが好ましい。炭化水素基は、ハロゲン原子のような強い親水性を示さない置換基を有していてもよい。炭化水素基の炭素原子数は、10〜100であることが好ましく、10〜60であることがさらに好ましく、10〜40であることが最も好ましい。ポリマーの主鎖は、ポリイミド構造又はポリビニルアルコール構造を有することが好ましい。
ポリイミドは、一般にテトラカルボン酸とジアミンとの縮合反応により合成する。二種類以上のテトラカルボン酸あるいは二種類以上のジアミンを用いて、コポリマーに相当するポリイミドを合成してもよい。フッ素原子又は炭化水素基は、テトラカルボン酸起源の繰り返し単位に存在していても、ジアミン起源の繰り返し単位に存在していても、両方の繰り返し単位に存在していてもよい。ポリイミドに炭化水素基を導入する場合、ポリイミドの主鎖又は側鎖にステロイド構造を形成することが特に好ましい。側鎖に存在するステロイド構造は、炭素原子数が10以上の炭化水素基に相当し、液晶性化合物を垂直に配向させる機能を有する。本明細書においてステロイド構造とは、シクロペンタノヒドロフェナントレン環構造又はその環の結合の一部が脂肪族環の範囲(芳香族環を形成しない範囲)で二重結合となっている環構造を意味する。
さらに液晶性化合物を垂直に配向させる手段として、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、又はポリイミドの高分子に有機酸やオニウム塩を混合する方法を好適に用いることができる。使用可能な酸としては、カルボン酸、スルホン酸及びアミノ酸が含まる。オニウム塩としては、アンモニウム塩(ただし、NH4 +は除く)、ホスホニウム塩等の4級オニウム塩が含まれる。具体的には、特願2004−3805号明細書の段落[0020]〜[0044]に記載のものなどが挙げられる。その混合量は高分子に対して、0.1質量%〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜10質量%であることがさらに好ましい。
上記ポリビニルアルコールの鹸化度は、70〜100%が好ましく、80〜100%がさらに好ましい。ポリビニルアルコールの重合度は100〜5000であることが好ましい。
ディスコティック液晶性化合物を配向させる場合、配向膜は、側鎖に疎水性基を官能基として有するポリマーからなるのが好ましい。具体的な官能基の種類は、液晶性分子の種類及び必要とする配向状態に応じて決定する。例えば、変性ポリビニルアルコールの変性基は、共重合変性、連鎖移動変性又はブロック重合変性により導入できる。変性基の例には、親水性基(カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、アミノ基、アンモニウム基、アミド基、チオール基等)、炭素数10〜100個の炭化水素基、フッ素原子置換の炭化水素基、チオエーテル基、重合性基(不飽和重合性基、エポキシ基、アジリニジル基等)、アルコキシシリル基(トリアルコキシ、ジアルコキシ、モノアルコキシ)等が挙げられる。これらの変性ポリビニルアルコール化合物の具体例として、例えば、特開2000−155216号公報明細書中の段落番号[0022]〜[0145]、同2002−62426号公報明細書中の段落番号[0018]〜[0022]に記載のもの等が挙げられる。
配向膜を、主鎖に結合した架橋性官能基を有する側鎖を有するポリマー又は液晶性分子を配向させる機能を有する側鎖に架橋性官能基を有するポリマーを用いて形成し、その上に光学異方性層を、多官能モノマーを含む組成物を用いて形成すると、配向膜中のポリマーと、その上に形成される光学異方性層中の多官能モノマーとを共重合させることができる。その結果、多官能モノマー間だけではなく、配向膜ポリマー間及び多官能モノマーと配向膜ポリマーとの間にも共有結合が形成され、配向膜と光学異方性層とが強固に結合される。従って、架橋性官能基を有するポリマーを用いて配向膜を形成することで、光学補償シートの強度を著しく改善することができる。配向膜ポリマーの架橋性官能基は、多官能モノマーと同様に、重合性基を含むことが好ましい。具体的には、例えば特開2000−155216号公報明細書中段落番号[0080]〜[0100]記載のもの等が挙げられる。
配向膜ポリマーは、上記の架橋性官能基とは別に、架橋剤を用いて架橋させることもできる。架橋剤としては、アルデヒド、N−メチロール化合物、ジオキサン誘導体、カルボキシル基を活性化することにより作用する化合物、活性ビニル化合物、活性ハロゲン化合物、イソオキサゾール及びジアルデヒド澱粉が含まれる。二種類以上の架橋剤を併用してもよい。具体的には、例えば特開2002−62426号公報明細書中の段落番号[0023]〜[024]記載の化合物等が挙げられる。反応活性の高いアルデヒド、特にグルタルアルデヒドが好ましい。
架橋剤の添加量は、ポリマーに対して0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がさらに好ましい。配向膜に残存する未反応の架橋剤の量は、1.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましい。このように調節することで、配向膜を液晶表示装置に長期使用、又は高温高湿の雰囲気下に長期間放置しても、レチキュレーション発生のない充分な耐久性が得られる。
配向膜は、基本的に、配向膜形成材料である上記ポリマー及び架橋剤を含む組成物を透明支持体上に塗布した後、加熱乾燥(架橋させ)し、ラビング処理することにより形成することができる。架橋反応は、前記のように、透明支持体上に塗布した後、任意の時期に行ってよい。ポリビニルアルコールのような水溶性ポリマーを配向膜形成材料として用いる場合には、塗布液は消泡作用のある有機溶媒(例、メタノール)と水の混合溶媒とすることが好ましい。その比率は質量比で水:メタノールが0:100〜99:1が好ましく、0:100〜91:9であることがさらに好ましい。これにより、泡の発生が抑えられ、配向膜、更には光学異方性層表面の欠陥が著しく減少する。
配向膜の塗布方法は、スピンコーティング法、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、ロッドコーティング法又はロールコーティング法が好ましい。特にロッドコーティング法が好ましい。また、乾燥後の膜厚は0.1〜10μmが好ましい。加熱乾燥は、20℃〜110℃で行うことができる。充分な架橋を形成するためには60℃〜100℃が好ましく、特に80℃〜100℃が好ましい。乾燥時間は1分〜36時間で行うことができるが、好ましくは1分〜30分である。pHも、使用する架橋剤に最適な値に設定することが好ましく、グルタルアルデヒドを使用した場合は、pH4.5〜5.5で、特に5が好ましい。
配向膜は、透明支持体上に設けられることが好ましい。配向膜は、上記のようにポリマー層を架橋した後、表面をラビング処理することにより得ることができる。
前記ラビング処理は、LCDの液晶配向処理工程として広く採用されている処理方法を適用することができる。即ち、配向膜の表面を、紙やガーゼ、フェルト、ゴムあるいはナイロン、ポリエステル繊維などを用いて一定方向に擦ることにより、配向を得る方法を用いることができる。一般的には、長さ及び太さが均一な繊維を平均的に植毛した布などを用いて数回程度ラビングを行うことにより実施される。
ディスコティック液晶性化合物を均一配向させるには、ラビング処理された垂直配向膜により配向方向を制御するのが好ましいが、一方、棒状液晶性化合物の垂直配向にはラビング処理は行わないことが好ましい。なお、配向膜を用いて液晶性化合物を配向させてから、その配向状態のまま液晶性化合物を固定して光学異方性層を形成し、光学異方性層のみをポリマーフィルム(又は透明支持体)上に転写してもよい。
[空気界面配向剤]
通常、液晶性化合物は、空気界面側では傾斜して配向する性質を有するので、均一に垂直配向した状態を得るために、空気界面側において液晶性化合物を垂直に配向制御することが必要である。この目的のために、空気界面側に偏在して、その排除体積効果や静電気的な効果によって液晶性化合物を垂直に配向させる作用を及ぼす化合物を液晶塗布液に含有させて、光学異方性層を形成するのが好ましい。液晶性化合物を垂直に配向させる作用は、ディスコチック液晶性化合物においてはそのダイレクターの傾斜角度、すなわちダイレクターと塗布液晶空気側表面とがなす角度を減少させる作用に相当する。
空気界面側垂直配向剤としては、フッ素含有化合物(高分子及び低分子化合物の双方を含む)が好ましく、中でもフルオロ脂肪族基の少なくとも1種と親水性基の少なくとも一種とを有する化合物が好ましい。具体的には、特願2004−3805号明細書の段落[0060]〜[0127]の化合物などが挙げられる。また、空気界面側垂直配向剤としてマレイミド基のような排除体積効果を有する剛直性の構造単位を含有するポリマーも好適に用いられる。具体的には、特願2004−33047の段落[0050]〜[0092]の化合物などが挙げられる。また、これらの化合物を配合することによって塗布性が改善され、ムラ又はハジキの発生が抑制される。なお、空気界面側垂直配向剤として添加される化合物(高分子及び低分子化合物を含む)は、重合性基を有していてもよく、かかる場合は、併用されるディスコティック液晶性化合物の固定化にも寄与する。
通常、液晶性化合物は、空気界面側では傾斜して配向する性質を有するので、均一に垂直配向した状態を得るために、空気界面側において液晶性化合物を垂直に配向制御することが必要である。この目的のために、空気界面側に偏在して、その排除体積効果や静電気的な効果によって液晶性化合物を垂直に配向させる作用を及ぼす化合物を液晶塗布液に含有させて、光学異方性層を形成するのが好ましい。液晶性化合物を垂直に配向させる作用は、ディスコチック液晶性化合物においてはそのダイレクターの傾斜角度、すなわちダイレクターと塗布液晶空気側表面とがなす角度を減少させる作用に相当する。
空気界面側垂直配向剤としては、フッ素含有化合物(高分子及び低分子化合物の双方を含む)が好ましく、中でもフルオロ脂肪族基の少なくとも1種と親水性基の少なくとも一種とを有する化合物が好ましい。具体的には、特願2004−3805号明細書の段落[0060]〜[0127]の化合物などが挙げられる。また、空気界面側垂直配向剤としてマレイミド基のような排除体積効果を有する剛直性の構造単位を含有するポリマーも好適に用いられる。具体的には、特願2004−33047の段落[0050]〜[0092]の化合物などが挙げられる。また、これらの化合物を配合することによって塗布性が改善され、ムラ又はハジキの発生が抑制される。なお、空気界面側垂直配向剤として添加される化合物(高分子及び低分子化合物を含む)は、重合性基を有していてもよく、かかる場合は、併用されるディスコティック液晶性化合物の固定化にも寄与する。
[光学異方性層の他の組成物]
上記の液晶性化合物と共に、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー等を併用して、塗工膜の均一性、膜の強度、液晶性化合物の配向性等を向上させることが出来る。これらの素材は液晶性化合物と相溶性を有し、配向を阻害しないことが好ましい。
上記の液晶性化合物と共に、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー等を併用して、塗工膜の均一性、膜の強度、液晶性化合物の配向性等を向上させることが出来る。これらの素材は液晶性化合物と相溶性を有し、配向を阻害しないことが好ましい。
重合性モノマーとしては、ラジカル重合性もしくはカチオン重合性の化合物が挙げられる。好ましくは、多官能性ラジカル重合性モノマーであり、上記の重合性基含有の液晶化合物と共重合性のものが好ましい。例えば、特開2002−296423号公報明細書中の段落番号[0018]〜[0020]記載のものが挙げられる。上記化合物の添加量は、円盤状液晶性分子に対して一般に1〜50質量%の範囲にあり、5〜30質量%の範囲にあることが好ましい。
界面活性剤としては、従来公知の化合物が挙げられるが、特にフッ素系化合物が好ましい。具体的には、例えば特開2001−330725号公報明細書中の段落番号[0028]〜[0056]記載の化合物、特願2003−295212号公報明細書中の段落番号[0069]〜[0126]記載の化合物が挙げられる。
液晶性化合物とともに使用するポリマーは、塗布液を増粘できることが好ましい。ポリマーの例としては、セルロースエステルを挙げることができる。セルロースエステルの好ましい例としては、特開2000−155216号公報明細書中の段落番号[0178]記載のものが挙げられる。液晶性化合物の配向を阻害しないように、上記ポリマーの添加量は、液晶性分子に対して0.1〜10質量%の範囲にあることが好ましく、0.1〜8質量%の範囲にあることがより好ましい。液晶性化合物のディスコティックネマティック液晶相−固相転移温度は、70〜300℃が好ましく、70〜170℃がさらに好ましい。
[支持体]
本発明では透明支持体を用いてもよい。透明支持体としては、波長分散が小さいポリマーフィルムを用いることが好ましい。透明支持体は、光学異方性が小さいことも好ましい。支持体が透明であるとは、光透過率が80%以上であることを意味する。波長分散が小さいとは、具体的には、Re400/Re700の比が1.2未満であることが好ましい。光学異方性が小さいとは、具体的には、面内レターデーション(Re)が20nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがさらに好ましい。ポリマーの例には、セルロースエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート及びポリメタクリレートが含まれる。セルロースエステルが好ましく、アセチルセルロースがさらに好ましく、トリアセチルセルロースが最も好ましい。ポリマーフィルムは、ソルベントキャスト法により形成することが好ましい。透明支持体の厚さは、20〜500μmであることが好ましく、50〜200μmであることがさらに好ましい。透明支持体とその上に設けられる層(接着層、垂直配向膜あるいは位相差層)との接着を改善するため、透明支持体に表面処理(例、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理)を実施してもよい。透明支持体の上に、接着層(下塗り層)を設けてもよい。また、透明支持体や長尺の透明支持体には、搬送工程でのすべり性を付与したり、巻き取った後の裏面と表面の貼り付きを防止するために、平均粒径が10〜100nm程度の無機粒子を固形分重量比で5%〜40%混合したポリマー層を支持体の片側に塗布や支持体との共流延によって形成したものを用いることが好ましい。
本発明では透明支持体を用いてもよい。透明支持体としては、波長分散が小さいポリマーフィルムを用いることが好ましい。透明支持体は、光学異方性が小さいことも好ましい。支持体が透明であるとは、光透過率が80%以上であることを意味する。波長分散が小さいとは、具体的には、Re400/Re700の比が1.2未満であることが好ましい。光学異方性が小さいとは、具体的には、面内レターデーション(Re)が20nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがさらに好ましい。ポリマーの例には、セルロースエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート及びポリメタクリレートが含まれる。セルロースエステルが好ましく、アセチルセルロースがさらに好ましく、トリアセチルセルロースが最も好ましい。ポリマーフィルムは、ソルベントキャスト法により形成することが好ましい。透明支持体の厚さは、20〜500μmであることが好ましく、50〜200μmであることがさらに好ましい。透明支持体とその上に設けられる層(接着層、垂直配向膜あるいは位相差層)との接着を改善するため、透明支持体に表面処理(例、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理)を実施してもよい。透明支持体の上に、接着層(下塗り層)を設けてもよい。また、透明支持体や長尺の透明支持体には、搬送工程でのすべり性を付与したり、巻き取った後の裏面と表面の貼り付きを防止するために、平均粒径が10〜100nm程度の無機粒子を固形分重量比で5%〜40%混合したポリマー層を支持体の片側に塗布や支持体との共流延によって形成したものを用いることが好ましい。
次に、本発明の光学補償フィルムを有するIPS型液晶表示装置の実施の形態について説明する。図1は、本発明の液晶表示装置の画素領域例を示す模式図である。図2は、本発明の液晶表示装置の一実施形態の模式図である。
[液晶表示装置]
図2に示す液晶表示装置は、第1偏光膜8と、光学補償フィルム10と、第1基板14と、液晶層16と、第2基板18と、第2偏光膜21とを有する。第1偏光膜8及び第2偏光膜21は、それぞれ保護膜7aと7b及び20aと20bによって挟持されている。光学補償フィルム10は、第1偏光膜8に接する保護膜7bを含む第1位相差領域11と、第1位相差領域11に接する第2位相差領域12とから構成されている。光学補償フィルム10は、本発明の光学補償フィルムであって、液晶性化合物を含有する組成物から形成された光学異方性層が弟2位相差領域12に相当し、光学異方性層を支持する支持体が弟1位相差領域に相当する。
[液晶表示装置]
図2に示す液晶表示装置は、第1偏光膜8と、光学補償フィルム10と、第1基板14と、液晶層16と、第2基板18と、第2偏光膜21とを有する。第1偏光膜8及び第2偏光膜21は、それぞれ保護膜7aと7b及び20aと20bによって挟持されている。光学補償フィルム10は、第1偏光膜8に接する保護膜7bを含む第1位相差領域11と、第1位相差領域11に接する第2位相差領域12とから構成されている。光学補償フィルム10は、本発明の光学補償フィルムであって、液晶性化合物を含有する組成物から形成された光学異方性層が弟2位相差領域12に相当し、光学異方性層を支持する支持体が弟1位相差領域に相当する。
図2の液晶表示装置では、液晶セルは、第1基板14及び第2基板17と、これらに挟持される液晶層16からなる。液晶層の厚さd(μm)と屈折率異方性Δnとの積Δn・dは透過モードにおいて、ねじれ構造を持たないIPS型では0.2〜0.4μmの範囲が最適値となる。この範囲では白表示輝度が高く、黒表示輝度が小さいことから、明るくコントラストの高い表示装置が得られる。基板14及び18の液晶層16に接触する表面には、配向膜(不図示)が形成されていて、液晶分子を基板の表面に対して略平行に配向させるとともに配向膜上に施されたラビング処理方向15及び19等により、電圧無印加状態もしくは低印加状態における液晶分子配向方向が制御されている。また、基板14若しくは17の内面には、液晶分子に電圧印加可能な電極(図2中不図示)が形成されている。
図1に、液晶層16の1画素領域中の液晶分子の配向を模式的に示す。図1は、液晶層16の1画素に相当する程度の極めて小さい面積の領域中の液晶分子の配向を、基板14及び18の内面に形成された配向膜のラビング方向4、及び基板14及び18の内面に形成された液晶分子に電圧印加可能な電極2及び3とともに示した模式図である。電界効果型液晶として正の誘電異方性を有するネマチック液晶を用いてアクティブ駆動を行った場合の、電圧無印加状態若しくは低印加状態での液晶分子配向方向は5a及び5bであり、この時に黒表示が得られる。電極2及び3間に印加されると、電圧に応じて液晶分子は6a及び6b方向へとその配向方向を変える。通常、この状態で明表示を行う。
再び図2において、第1偏光膜8の透過軸9と、第2偏光膜21の透過軸22は直交して配置されている。光学補償フィルム10は、第1位相差領域11と第2位相差領域12の2つの領域から構成されている。また、第2位相差領域12の遅相軸13は、第1偏光膜8の透過軸9及び黒表示時の液晶層16中の液晶分子の遅相軸方向17に平行であり、且つ第2位相差領域12は、第1位相差領域11よりも液晶層16に近い側に配置されている。光学補償フィルムを構成している2つの領域の光学特性については後述する。
図2に示す液晶表示装置では、第1偏光膜8が二枚の保護膜7a及び7bに挟持された構成を示しているが、保護膜7bはなくてもよい。保護膜7bを配置する場合は、本発明では保護膜7bは第1位相差領域11を構成する層の1つとなる。図2に示す液晶表示装置では、第2偏光膜21も二枚の保護膜20a及び20bに挟持されている。液晶層16に近い側の保護膜20aの厚み方向の位相差Rthは0〜40nm(より好ましくは0〜20nm)であるか、又は厚みが10〜60μm(より好ましくは20〜45μm)であることが好ましい。
なお、図2には、上側偏光板及び下側偏光板を備えた透過モードの表示装置の態様を示したが、本発明は一の偏光板のみを備える反射モードの態様であってもよく、かかる場合は、液晶セル内の光路が2倍になることから、最適Δn・dの値は上記の1/2程度の値になる。
本発明の液晶表示装置は、図1、図2に示す構成に限定されず、他の部材を含んでいてもよい。例えば、液晶層と偏光膜との間にカラーフィルターを配置してもよい。また、偏光膜の保護膜の表面に反射防止処理やハードコートを施しても良い。また、構成部材に導電性を付与したものを使用してもよい。また、透過型として使用する場合は、冷陰極あるいは熱陰極蛍光管、あるいは発光ダイオード、フィールドエミッション素子、エレクトロルミネッセント素子を光源とするバックライトを背面に配置することができる。また、液晶層とバックライトとの間に、反射型偏光板や拡散板、プリズムシートや導光板を配置することもできる。また、本発明の液晶表示装置は、反射型であってもよく、かかる場合は、偏光板は観察側に1枚配置したのみでよく、液晶セル背面あるいは液晶セルの下側基板の内面に反射膜を配置する。もちろん前記光源を用いたフロントライトを液晶セル観察側に設けることも可能である。
本発明の液晶表示装置には、画像直視型、画像投影型や光変調型が含まれる。本発明は、TFTやMIMのような3端子又は2端子半導体素子を用いたアクティブマトリックス液晶表示装置に適用した態様が特に有効である。勿論、時分割駆動と呼ばれるパッシブマトリックス液晶表示装置に適用した態様も有効である。
本発明の光学補償フィルムは、上記した性質を有するとともに、IPSモードの液晶表示装置の光学補償に用いられる場合は、さらに、以下の性質を有しているのが好ましい。
[光学補償フィルムの第1位相差領域]
第1位相差領域の光学特性は、面内の屈折率nxとny(nx≧ny)、厚さ方向の屈折率nz、及びフィルムの厚さdを用いてRe=(nx−ny)×dで定義される面内のレターデーション(Re)が20nm以下であり、10nm以下であることがより好ましく、5nm以下であることが最も好ましい。またRth=((nx+ny)/2−nz)×dで定義される厚み方向のレターデーション(Rth)が20nm〜120nmであり、40nm〜100nmの範囲であることがより好ましい。なお、第1偏光膜8を保護する保護膜7bに光学的な異方性がある場合、保護膜7bは第1位相差領域11を構成する層であることから、当該保護膜のRthと他の層のRthの合計が40nm〜100nmであることが必要とされる。
[光学補償フィルムの第1位相差領域]
第1位相差領域の光学特性は、面内の屈折率nxとny(nx≧ny)、厚さ方向の屈折率nz、及びフィルムの厚さdを用いてRe=(nx−ny)×dで定義される面内のレターデーション(Re)が20nm以下であり、10nm以下であることがより好ましく、5nm以下であることが最も好ましい。またRth=((nx+ny)/2−nz)×dで定義される厚み方向のレターデーション(Rth)が20nm〜120nmであり、40nm〜100nmの範囲であることがより好ましい。なお、第1偏光膜8を保護する保護膜7bに光学的な異方性がある場合、保護膜7bは第1位相差領域11を構成する層であることから、当該保護膜のRthと他の層のRthの合計が40nm〜100nmであることが必要とされる。
この光学特性を有する位相差膜としては、複屈折ポリマーフィルムからなる位相差膜、及び透明支持体上に低分子あるいは高分子液晶性化合物を塗布もしくは転写することによって形成された光学異方性層を有する位相差膜などがあるが、本発明ではいずれも使用することができる。
上記光学特性を有する複屈折ポリマーフィルムからなる位相差膜は、高分子フィルムを二軸延伸することでも容易に形成できる。また、延伸することなしに流延するだけでこの光学特性を発現するセルロースアシレート類を好適に用いることができる。かかるセルロースアシレートとして、特開2002−90541号公報に記載されているものを用いることができる。高分子フィルムの材料は、一般に合成ポリマー(例、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ノルボルネン樹脂、セルロースアセテート)が用いられる。
塗布もしくは転写で透明支持体上に形成した位相差膜として、キラル構造単位を含んだ棒状コレステリック液晶性組成物を、その螺旋軸を基板に略垂直に配向させたのち、固定化したものや、固有複屈折が負のディスコティック液晶性化合物を水平配向(ダイレクターは基板に垂直)させたもの、ポリイミド高分子を基板上に流延固定したものなどを例示することができる。
第1位相差領域は、前述した本発明の光学補償フィルムを構成する支持体であってもよいし、該支持体と、その他の層からなるものであってもよい。
[光学補償フィルムの第2位相差領域]
第2位相差領域は実質的に垂直配向したディスコティック液晶性化合物を含み、その遅相軸が、第1偏光膜の透過軸及び黒表示時の液晶分子の遅相軸方向に平行に配置される。第2位相差領域のReは、50nm〜200nmであるものが好ましく、80nm〜160nmがさらに好ましい。このReの調整は塗布形成するディスコティック液晶層の厚みを制御することによって行なわれる。さらに、ディスコティック液晶性化合物は、フィルム面に対して実質的に垂直(70〜90度の範囲の平均傾斜角)に配向させることが必要である。平均傾斜角がこれよりも小さくなると光漏れの分布が非対称になる。実質的に垂直とは、円盤面と光学異方性層の面との平均角度(平均傾斜角)が70°〜90°の範囲内であることを意味する。これらのディスコティック液晶性化合物は斜め配向させても良いし、傾斜角が徐々に変化するように(ハイブリッド配向)させてもよい。斜め配向又はハイブリッド配向の場合でも、平均傾斜角は70°〜90°であることが好ましく、75°〜90°がより好ましく、80°〜90°が最も好ましい。
第2位相差領域は実質的に垂直配向したディスコティック液晶性化合物を含み、その遅相軸が、第1偏光膜の透過軸及び黒表示時の液晶分子の遅相軸方向に平行に配置される。第2位相差領域のReは、50nm〜200nmであるものが好ましく、80nm〜160nmがさらに好ましい。このReの調整は塗布形成するディスコティック液晶層の厚みを制御することによって行なわれる。さらに、ディスコティック液晶性化合物は、フィルム面に対して実質的に垂直(70〜90度の範囲の平均傾斜角)に配向させることが必要である。平均傾斜角がこれよりも小さくなると光漏れの分布が非対称になる。実質的に垂直とは、円盤面と光学異方性層の面との平均角度(平均傾斜角)が70°〜90°の範囲内であることを意味する。これらのディスコティック液晶性化合物は斜め配向させても良いし、傾斜角が徐々に変化するように(ハイブリッド配向)させてもよい。斜め配向又はハイブリッド配向の場合でも、平均傾斜角は70°〜90°であることが好ましく、75°〜90°がより好ましく、80°〜90°が最も好ましい。
本発明の液晶表示装置は、前述した本発明の光学補償フィルムの液晶性化合物を含む光学異方性層を第2位相差領域として利用したものである。なお、第2位相差領域は該液晶性化合物を含む光学異方性層のみからなるものであってもよいし、該光学異方性層とその他の層からなるものであってもよい。
[第2偏光板用保護膜]
第2偏光板用保護膜としては、可視光領域に吸収が無く、光透過率が80%以上であり、複屈折性に基づくレターデーションが小さいものが好ましい。具体的には、面内のReが0〜20nmが好ましく、0〜10nmがより好ましく、0〜5nmが最も好ましい。さらに、厚み方向のレターデーションRthは0〜40nmであることが好ましく、0〜20nmがより好ましく、0〜10nmであることが最も好ましい。この特性を有するフィルムであれば好適に用いることができるが、偏光膜の耐久性の観点からはセルロースアセテートやノルボルネン系のフィルムがより好ましい。セルロースアセテートフィルムのRthを小さくする方法として、特開平11−246704号公報、特開2001−247717号公報、特願2003−379975号公報に記載の方法などが挙げられる。また、セルロースアセテートフィルムの厚みを小さくすることによっても、Rthを小さくすることができる。第2偏光板用保護膜としてのセルロースアセテートフィルムの厚みは10〜60μmであることが好ましく、20〜45μmであることがさらに好ましい。
第2偏光板用保護膜としては、可視光領域に吸収が無く、光透過率が80%以上であり、複屈折性に基づくレターデーションが小さいものが好ましい。具体的には、面内のReが0〜20nmが好ましく、0〜10nmがより好ましく、0〜5nmが最も好ましい。さらに、厚み方向のレターデーションRthは0〜40nmであることが好ましく、0〜20nmがより好ましく、0〜10nmであることが最も好ましい。この特性を有するフィルムであれば好適に用いることができるが、偏光膜の耐久性の観点からはセルロースアセテートやノルボルネン系のフィルムがより好ましい。セルロースアセテートフィルムのRthを小さくする方法として、特開平11−246704号公報、特開2001−247717号公報、特願2003−379975号公報に記載の方法などが挙げられる。また、セルロースアセテートフィルムの厚みを小さくすることによっても、Rthを小さくすることができる。第2偏光板用保護膜としてのセルロースアセテートフィルムの厚みは10〜60μmであることが好ましく、20〜45μmであることがさらに好ましい。
[棒状液晶性化合物]
本発明の液晶表示装置は、棒状液晶性化合物を含む組成物から形成された位相差層を有していてもよい。第2偏光膜の保護膜が、ポリマーフィルム、好ましくはセルロースアシレートのポリマーフィルムと棒状液晶性化合物を含む組成物から形成された位相差層とからなっているのが好ましい。前記棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。以上のような低分子液晶性分子だけではなく、高分子液晶性分子も用いることができる。
本発明の液晶表示装置は、棒状液晶性化合物を含む組成物から形成された位相差層を有していてもよい。第2偏光膜の保護膜が、ポリマーフィルム、好ましくはセルロースアシレートのポリマーフィルムと棒状液晶性化合物を含む組成物から形成された位相差層とからなっているのが好ましい。前記棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。以上のような低分子液晶性分子だけではなく、高分子液晶性分子も用いることができる。
第2偏光膜の保護膜で使用される棒状液晶性化合物は、実質的に垂直配向させることが好ましい。実質的に垂直とは、棒状液晶性化合物の場合は、フィルム面と棒状液晶性化合物のダイレクターとのなす角度が70°〜90°の範囲内であることを意味する。棒状液晶性化合物は斜め配向させてもよいし、傾斜角が徐々に変化するように(ハイブリッド配向)させても良い。斜め配向又はハイブリッド配向の場合でも、平均傾斜角は70°〜90°であることが好ましく、75°〜90°がより好ましく、80°〜90°が最も好ましい。
前記実質的に垂直配向した棒状液晶性化合物は、その配向状態を維持して固定するのが好ましい。固定化は、液晶性化合物に導入した重合性基の重合反応により実施することが好ましい。棒状液晶の固定化の方法は前述したディスコティック液晶を配向固定化する場合と同様に実施できる。
棒状液晶を実質的に垂直配向させるためには、垂直配向膜を用いるのが好ましい。棒状液晶を垂直配向させる配向膜としては、前述したディスコティック液晶を垂直配向させる配向膜が使用できる。
通常の棒状液晶性化合物は空気界面側では傾斜して配向する性質を有するので、均一に垂直配向した状態を得るために、空気界面側においても棒状液晶性化合物を垂直に配向制御することが必要である。棒状液晶性化合物の空気界面側垂直配向剤は、前記ディスコティック液晶性化合物の空気界面側垂直配向剤と同一の化合物を用いることができ、使用量の好ましい範囲も同一である。また、それ以外にも特開2002−20363号公報、特開2002−129162号公報に記載されている化合物を空気界面側垂直配向剤として用いることができる。また、特願2002−212100号明細書の段落番号[0072]〜[0075]、特願2002−243600号明細書の段落番号[0038]〜[0040]と[0048]〜[0049]、特願2002−262239号明細書の段落番号[0037]〜[0039]、特願2003−91752号明細書の段落番号[0071]〜[0078]に記載される事項も本発明に適宜適用することができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
<光学補償フィルム1の作製>
セルロースアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製、厚み80μm、Re=3nm、Rth=45nm)の表面をケン化後、下記の組成の配向膜塗布液をワイヤーバーコーターで20ml/m2塗布した。60℃の温風で60秒、さらに100℃の温風で120秒乾燥し、膜を形成した。次に、形成した膜にフィルムの遅相軸方向と平行の方向にラビング処理を施して配向膜を形成した。
配向膜塗布液の組成
下記の変性ポリビニルアルコール 10質量部
水 371質量部
メタノール 119質量部
グルタルアルデヒド 0.5質量部
下記の添加剤 0.2質量部
<光学補償フィルム1の作製>
セルロースアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製、厚み80μm、Re=3nm、Rth=45nm)の表面をケン化後、下記の組成の配向膜塗布液をワイヤーバーコーターで20ml/m2塗布した。60℃の温風で60秒、さらに100℃の温風で120秒乾燥し、膜を形成した。次に、形成した膜にフィルムの遅相軸方向と平行の方向にラビング処理を施して配向膜を形成した。
配向膜塗布液の組成
下記の変性ポリビニルアルコール 10質量部
水 371質量部
メタノール 119質量部
グルタルアルデヒド 0.5質量部
下記の添加剤 0.2質量部
下記のディスコティック液晶性化合物4.55g、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)0.45g、光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)0.15g、増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.05g、及び下記のフッ素系ポリマー0.03gを、6.39gのメチルエチルケトンに溶解した。この溶液の固形分濃度は45%で、比重は0.960であった。25℃におけるこの溶液の粘度を振動粘度計(CJV5000、エー・アンド・デイ(株)製)で測定したところ、5.2mPa・sであった。この溶液を上記配向膜に#3のワイヤーバーで塗布した。これを金属の枠に貼り付けて、塗布液の溶媒の乾燥及びディスコティック液晶化合物を配向熟成のために、125℃、1m/秒の熱風を吹き付けて3分間加熱した。次に、100℃で120W/cm高圧水銀灯を用いて、30秒間UV照射しディスコティック液晶化合物を架橋した。その後、室温まで放冷した。このようにして、光学補償フィルム1を作製した。
自動複屈折率計(KOBRA−21ADH、王子計測機器(株)社製)を用いて、光学補償フィルム1のReを測定した。面積400cm2の中から任意に選んだ10箇所のReの最小値は129nmで、最大値は131nmであり、平均値は130nmであり、10箇所のReのばらつきは、±1nmであった。さらに、光学補償フィルム1のReの光入射角度依存性を測定し、予め測定したセルロースアセテートフィルムの寄与分を差し引くことによって、ディスコティック液晶位相差層のみの光学特性を算出した。ディスコティック液晶位相差層のみのRthの平均値は−63.5nm、ディスコティック液晶性分子の円盤軸の層平面に対する平均傾斜角は89.9°であり、ディスコティック液晶がフィルム面に対して垂直に配向していることが確認できた。なお遅相軸の方向は配向膜のラビング方向と平行であった。
[実施例2]
<光学補償フィルム2の作製>
上記のディスコティック液晶性化合物4.55g、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)0.45g、光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)0.15g、増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.05g、上記のフッ素系ポリマー0.03gを7.84gのメチルエチルケトンに溶解した。この溶液の固形分濃度は40%で、比重は0.940であった。25℃におけるこの溶液の粘度を振動粘度計(CJV5000、エー・アンド・デイ(株)製)で測定したところ、3.4mPa・sであった。この溶液を、実施例1と同様に作製した配向膜に#3.4のワイヤーバーで塗布した。これを金属の枠に貼り付けて、塗布液の溶媒の乾燥及びディスコティック液晶化合物を配向熟成のために、125℃、1m/秒の熱風を吹き付けて3分間加熱した。次に、100℃で120W/cm高圧水銀灯を用いて、30秒間UV照射しディスコティック液晶化合物を架橋した。その後、室温まで放冷した。このようにして、光学補償フィルム2を作製した。
<光学補償フィルム2の作製>
上記のディスコティック液晶性化合物4.55g、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)0.45g、光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)0.15g、増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.05g、上記のフッ素系ポリマー0.03gを7.84gのメチルエチルケトンに溶解した。この溶液の固形分濃度は40%で、比重は0.940であった。25℃におけるこの溶液の粘度を振動粘度計(CJV5000、エー・アンド・デイ(株)製)で測定したところ、3.4mPa・sであった。この溶液を、実施例1と同様に作製した配向膜に#3.4のワイヤーバーで塗布した。これを金属の枠に貼り付けて、塗布液の溶媒の乾燥及びディスコティック液晶化合物を配向熟成のために、125℃、1m/秒の熱風を吹き付けて3分間加熱した。次に、100℃で120W/cm高圧水銀灯を用いて、30秒間UV照射しディスコティック液晶化合物を架橋した。その後、室温まで放冷した。このようにして、光学補償フィルム2を作製した。
実施例1と同様にして、光学補償フィルム2のReを測定した。面積400cm2の中から任意に選んだ10箇所のReの最小値は130nmで、最大値は132nmであり、平均値は131nmであり、10箇所のReのばらつきは、±1nmであった。実施例1と同様にして、ディスコティック液晶位相差層のみの光学特性を算出した。ディスコティック液晶位相差層のみのRthの平均値は−64.0nm、ディスコティック液晶性分子の円盤面の層平面に対する平均傾斜角は89.9°であり、ディスコティック液晶がフィルム面に対して垂直に配向していることが確認できた。なお遅相軸の方向は配向膜のラビング方向と平行であった。
[比較例]
<光学補償フィルム3の作製>
上記のディスコティック液晶性化合物4.55g、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)0.45g、光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)0.15g、増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.05g、上記のフッ素系ポリマー0.03gを9.70gのメチルエチルケトンに溶解した。この溶液の固形分濃度は35%で、比重は0.920であった。25℃におけるこの溶液の粘度を振動粘度計(CJV5000、エー・アンド・デイ(株)製)で測定したところ、2.3mPa・sであった。この溶液を、実施例1と同様に作製した配向膜に#3.8のワイヤーバーで塗布した。これを金属の枠に貼り付けて、塗布液の溶媒の乾燥及びディスコティック液晶化合物を配向熟成のために、125℃、1m/秒の熱風を吹き付けて3分間加熱した。次に、100℃で120W/cm高圧水銀灯を用いて、30秒間UV照射しディスコティック液晶化合物を架橋した。その後、室温まで放冷した。このようにして、光学補償フィルム3を作製した。
<光学補償フィルム3の作製>
上記のディスコティック液晶性化合物4.55g、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)0.45g、光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)0.15g、増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.05g、上記のフッ素系ポリマー0.03gを9.70gのメチルエチルケトンに溶解した。この溶液の固形分濃度は35%で、比重は0.920であった。25℃におけるこの溶液の粘度を振動粘度計(CJV5000、エー・アンド・デイ(株)製)で測定したところ、2.3mPa・sであった。この溶液を、実施例1と同様に作製した配向膜に#3.8のワイヤーバーで塗布した。これを金属の枠に貼り付けて、塗布液の溶媒の乾燥及びディスコティック液晶化合物を配向熟成のために、125℃、1m/秒の熱風を吹き付けて3分間加熱した。次に、100℃で120W/cm高圧水銀灯を用いて、30秒間UV照射しディスコティック液晶化合物を架橋した。その後、室温まで放冷した。このようにして、光学補償フィルム3を作製した。
実施例1と同様にして、光学補償フィルム3のReを測定した。面積400cm2の中から任意に選んだ10箇所のReの最小値は123nmで、最大値は133nmであり、平均値は128nmであり、10箇所のReのばらつきは、±5nmであった。実施例1と同様にして、ディスコティック液晶位相差層のみの光学特性を算出した。ディスコティック液晶位相差層のみのRthの平均値は−62.5nm、ディスコティック液晶性分子の円盤面に層平面に対する平均傾斜角は89.9°であり、ディスコティック液晶がフィルム面に対して垂直に配向していることが確認できた。なお遅相軸の方向は配向膜のラビング方向と平行であった。
[実施例3]
<光学補償フィルムのムラ評価>
クロスニコルに配置された偏光板の間に、実施例1、2及び比較例で得られた光学補償フィルム1〜3を、遅相軸が偏光板の偏光軸と45°になるようにはさみ、光学補償フィルムの塗布により形成された光学異方性層のムラを正面方向から観察した。結果を表1に示す。
<光学補償フィルムのムラ評価>
クロスニコルに配置された偏光板の間に、実施例1、2及び比較例で得られた光学補償フィルム1〜3を、遅相軸が偏光板の偏光軸と45°になるようにはさみ、光学補償フィルムの塗布により形成された光学異方性層のムラを正面方向から観察した。結果を表1に示す。
[実施例4]
<液晶表示装置の作製>
一枚のガラス基板上に、図1に示す様に、隣接する電極間の距離が20μmとなるように電極(図1中2及び3)を配設し、その上にポリイミド膜を配向膜として設け、ラビング処理を行った。図1中に示す方向4に、ラビング処理を行なった。別に用意した一枚のガラス基板の一方の表面にポリイミド膜を設け、ラビング処理を行なって配向膜とした。二枚のガラス基板を、配向膜同士を対向させて、基板の間隔(ギャップ;d)を3.9μmとし、二枚のガラス基板のラビング方向が平行となるようにして重ねて貼り合わせ、次いで屈折率異方性(Δn)が0.0769及び誘電率異方性(Δε)が正の4.5であるネマチック液晶組成物を封入し、IPSモード液晶セルを作製した。液晶層のd・Δnの値は300nmであった。
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製した。この偏光膜の両側に、表面にケン化処理を施した市販のセルロースアセテートフィルム(フジタックT40UZ、富士写真フイルム(株)製、厚み40μm、Re=1nm、Rth=35nm)をポリビニルアルコール系接着剤を用いて貼り合わせて偏光板1を作製した。
上記作製したIPSモード液晶セルの一方に、上記作製した光学補償シート1〜3をその遅相軸が液晶セルのラビング方向と平行になるように(黒表示時の液晶分子の遅相軸方向と平行になるように)、且つディスコティック液晶塗布面側が液晶セル側になるように貼り付けた。続いて、この光学補償シート上に透過軸が液晶セルのラビング方向と平行になるように市販の偏光板(HLC2−5618、(株)サンリッツ製)を貼り付けた。さらにIPSモード液晶セルのもう一方の側に上記作製した偏光板1を第2偏光板として、クロスニコルの配置で貼り付け、液晶表示装置を作製した。
<液晶表示装置の作製>
一枚のガラス基板上に、図1に示す様に、隣接する電極間の距離が20μmとなるように電極(図1中2及び3)を配設し、その上にポリイミド膜を配向膜として設け、ラビング処理を行った。図1中に示す方向4に、ラビング処理を行なった。別に用意した一枚のガラス基板の一方の表面にポリイミド膜を設け、ラビング処理を行なって配向膜とした。二枚のガラス基板を、配向膜同士を対向させて、基板の間隔(ギャップ;d)を3.9μmとし、二枚のガラス基板のラビング方向が平行となるようにして重ねて貼り合わせ、次いで屈折率異方性(Δn)が0.0769及び誘電率異方性(Δε)が正の4.5であるネマチック液晶組成物を封入し、IPSモード液晶セルを作製した。液晶層のd・Δnの値は300nmであった。
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製した。この偏光膜の両側に、表面にケン化処理を施した市販のセルロースアセテートフィルム(フジタックT40UZ、富士写真フイルム(株)製、厚み40μm、Re=1nm、Rth=35nm)をポリビニルアルコール系接着剤を用いて貼り合わせて偏光板1を作製した。
上記作製したIPSモード液晶セルの一方に、上記作製した光学補償シート1〜3をその遅相軸が液晶セルのラビング方向と平行になるように(黒表示時の液晶分子の遅相軸方向と平行になるように)、且つディスコティック液晶塗布面側が液晶セル側になるように貼り付けた。続いて、この光学補償シート上に透過軸が液晶セルのラビング方向と平行になるように市販の偏光板(HLC2−5618、(株)サンリッツ製)を貼り付けた。さらにIPSモード液晶セルのもう一方の側に上記作製した偏光板1を第2偏光板として、クロスニコルの配置で貼り付け、液晶表示装置を作製した。
上記作製した液晶表示装置で黒表示を行い、光学補償フィルムの塗布により形成された光学異方性層の不均一により観察される表示ムラを左斜め方向70°から評価した。結果を表1に示す。
1 液晶素子画素領域
2 画素電極
3 表示電極
4 ラビング方向
5a、5b 黒表示時の液晶化合物のダイレクター
6a、6b 白表示時の液晶化合物のダイレクター
7a,7b 第1偏光膜用保護膜
8 第1偏光膜
9 第1偏光膜の偏光透過軸
10 光学補償フィルム
11 第1位相差領域
12 第2位相差領域
13 第2位相差領域の遅相軸
14 第1基板
15 第1基板ラビング方向
16 液晶層
17 液晶分子の遅相軸方向
18 第2基板
19 第2基板ラビング方向
20a、20b 第2偏光膜用保護膜
21 第2偏光膜
22 第2偏光膜偏光透過軸
2 画素電極
3 表示電極
4 ラビング方向
5a、5b 黒表示時の液晶化合物のダイレクター
6a、6b 白表示時の液晶化合物のダイレクター
7a,7b 第1偏光膜用保護膜
8 第1偏光膜
9 第1偏光膜の偏光透過軸
10 光学補償フィルム
11 第1位相差領域
12 第2位相差領域
13 第2位相差領域の遅相軸
14 第1基板
15 第1基板ラビング方向
16 液晶層
17 液晶分子の遅相軸方向
18 第2基板
19 第2基板ラビング方向
20a、20b 第2偏光膜用保護膜
21 第2偏光膜
22 第2偏光膜偏光透過軸
Claims (10)
- 液晶性化合物を含む塗布液を支持体上に塗布して、該液晶性化合物の配向状態を固定化して形成された光学異方性層を含む光学補償フィルムであって、面内のレターデーションの値(Re)を下記式で定義したとき、面積400cm2から任意に選んで測定した10箇所のReの平均値が50〜200nmであり、該10箇所のReのばらつきが±4nm以内である光学補償フィルム。
Re=(nx−ny)×d
(ここで、nx、nyは面内の屈折率(nx≧ny)、nzは厚さ方向の屈折率、dは光学異方性層の厚さ(nm)を示す。) - 前記液晶性化合物が、ディスコティック液晶性化合物である請求項1に記載の光学補償フィルム。
- 前記ディスコティック液晶性化合物の円盤面が、該支持体平面に対して実質的に垂直になるように配向状態が固定化されている請求項2に記載の光学補償フィルム。
- 前記塗布液の25℃における粘度が、2.8〜20mPa・sである請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学補償フィルム。
- 前記支持体の下記式で定義される面内のレターデーション(Re)が0〜20nmで、且つ厚さ方向のレターデーション(Rth)が20nm〜120nmである請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学補償フィルム。
Re=(nx−ny)×d
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d
(ここで、nx、nyは面内の屈折率(nx≧ny)、nzは厚さ方向の屈折率、dは支持体の厚さ(nm)を示す。) - 第1偏光膜と、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学補償フィルムと、第1基板と、液晶層と、第2基板とがこの順序で配置され、黒表示時に該液晶層の液晶分子が前記一対の基板の表面に対して平行に配向する液晶表示装置であって、前記光学異方性層の遅相軸が第1偏光膜の透過軸及び黒表示時の液晶分子の遅相軸方向に平行である液晶表示装置。
- 前記第2基板のより外側に、第2偏光膜を有する請求項6に記載の液晶表示装置。
- 前記第2偏光膜を挟んで配置された一対の保護膜を有し、該一対の保護膜のうち液晶層に近い側の保護膜の厚み方向のレターデーション(Rth)が0〜40nmである請求項7に記載の液晶表示装置。
- 前記第2偏光膜を挟んで配置された一対の保護膜を有し、該一対の保護膜のうち液晶層に近い側の保護膜の厚みが10〜60μmである請求項7又は8に記載の液晶表示装置。
- 前記第2偏光膜を挟んで配置された一対の保護膜のうち、液晶層に近い側の保護膜がセルロースアセテートフィルム又はノルボルネン系フィルムである請求項7〜9のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004089770A JP2005275104A (ja) | 2004-03-25 | 2004-03-25 | 光学補償フィルム及び液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004089770A JP2005275104A (ja) | 2004-03-25 | 2004-03-25 | 光学補償フィルム及び液晶表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005275104A true JP2005275104A (ja) | 2005-10-06 |
Family
ID=35174834
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004089770A Pending JP2005275104A (ja) | 2004-03-25 | 2004-03-25 | 光学補償フィルム及び液晶表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005275104A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007225765A (ja) * | 2006-02-22 | 2007-09-06 | Dainippon Ink & Chem Inc | 光学異方体の製造方法 |
JP2008000955A (ja) * | 2006-06-21 | 2008-01-10 | Jsr Corp | 光学フィルムの製造方法および光学フィルム |
-
2004
- 2004-03-25 JP JP2004089770A patent/JP2005275104A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007225765A (ja) * | 2006-02-22 | 2007-09-06 | Dainippon Ink & Chem Inc | 光学異方体の製造方法 |
JP2008000955A (ja) * | 2006-06-21 | 2008-01-10 | Jsr Corp | 光学フィルムの製造方法および光学フィルム |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4328243B2 (ja) | 液晶表示装置 | |
JP4647315B2 (ja) | 液晶表示装置 | |
JP2866372B2 (ja) | 液晶表示装置および光学補償シート | |
JP5878905B2 (ja) | 液晶表示装置 | |
JP4284221B2 (ja) | 液晶表示装置 | |
JP2007047696A (ja) | 液晶表示装置 | |
JP4637599B2 (ja) | 光学異方性膜及び液晶表示装置 | |
JP2006276849A (ja) | 液晶セル及び液晶表示装置 | |
KR20060045885A (ko) | 액정 표시 장치 | |
JP2006251499A (ja) | 光学補償シート、楕円偏光板、及び液晶表示装置 | |
JP4378023B2 (ja) | 円偏光板および反射型液晶表示装置 | |
JP5701286B2 (ja) | 液晶表示装置 | |
JP2005331909A (ja) | 偏光板および液晶表示装置 | |
JP2006235578A (ja) | 液晶表示装置 | |
JP2006293315A (ja) | 光学異方性膜及び液晶表示装置 | |
JP2006124368A (ja) | 液晶性化合物、光学異方性膜及び液晶表示装置 | |
JP5036209B2 (ja) | 液晶表示装置 | |
JP2005283612A (ja) | 液晶表示装置 | |
JP2007047697A (ja) | 液晶表示装置 | |
JP2005275104A (ja) | 光学補償フィルム及び液晶表示装置 | |
JP2006235580A (ja) | 液晶表示装置及び楕円偏光板 | |
WO2013061965A1 (ja) | 液晶表示装置 | |
JP2005275083A (ja) | 配向膜、位相差膜及び液晶表示装置 | |
JP2005202212A (ja) | 液晶表示装置および楕円偏光板 | |
JP2006071966A (ja) | 偏光板一体型光学補償フイルム及び液晶表示装置 |