JP2005274330A - 土砂沈殿堆積速度推定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フォールアウト・セシウムの半減期を考慮して精度よく堆積速度を推定することが可能な土砂沈殿堆積速度推定方法を提供する。
【解決手段】大気圏核実験で放出されたフォールアウト・セシウムである135Csと137Csの地中濃度を測定し、135Csの濃度と、135Csと137Csの濃度比に基づいて土壌流出量を評価する。135Csと137Csとはその半減期が大きく異なることから、フォールアウト・セシウムの濃度比である137C/135Csは明確な変曲点を有することとなり、この変曲点を測定することによって、降下からの経過時間を正確に測定することができる。また、135Csは半減期が極めて長いため、135Csの濃度を測定して1963年の降下ピーク位置を掴むことで、今後数万年先まで降下からの経過時間を測定することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、放射性核種をトレーサーとして用いた土砂沈殿堆積速度推定方法に関する。
図1に示すように、1954年〜1961年までに、大気圏核実験で放出された、135Cs、137Cs等のフォールアウト・セシウムは表面土壌に強く吸着されており、フォールアウト・セシウムのうち地表面下10cmまでにその90%が蓄積している。また、図2に示すように、降下したフォールアウト・セシウムは土壌に蓄積した後、表面土壌が流出することによって、河川や湖沼の底質として堆積する。そのために、これらのフォールアウト・セシウムは、土壌粒子のトレーサーとして活用されており、フォールアウト濃度を測定することによって、河川、湖沼、砂防ダムへの土壌流出量を推定することが行われている。
大気圏核実験では、大量の放射性核種が環境中に放出された。この放射性核種の中でも、137Csは半減期が30.8年と放射性核種の中では比較的長く、核分裂収率も6.183%と高いため、γ線核種としての測定の容易さから、環境に存在するフォールアウト核種の代表として扱われてきた。一方137Csの同位体である135Csは、137Csより半減期が極めて長く230万年であり、核分裂収率も6.536%と高いが、弱いβ線しか放出しないので、トレーサーとしては利用されていなかった。
図3に、137Csの1954年から1990年までの137Csの降下履歴と、土壌及び河川等の底質での深度に対する137Csの濃度を示す。
現状での土壌流出量の測定法は、農耕地の表面流出量の評価として、主に北米で137Cs濃度を測定し、流出量を推定してきた事例がある。また、貯水池や湖沼で底質の堆積速度の測定に、核実験時の137Csの降下ピークが1963年に現れることから、鉛直方向の濃度プロファイルを求め、濃度のピーク位置を求めて、その地点を1963年と仮定して、堆積速度を推定してきた。
図4に、その一例を示す。
1963年の濃度ピークより深度Dの位置を決め、Dの位置までの全底質量Wを(mg/cm2)で表す。この全底質量Wを、1963年から現在(例えば2004年の時点)までの経過年数、すなわち、y=(2004-1963)年で割って、1年あたりの底質量であるW/yを求めて土砂の堆積速度を求めている。しかし、1963年の降下ピークから40年以上が経過した現時点においては、137Csは半減期が30.8年であるため濃度が1/2以下となっており、137Csの濃度が低い土砂が多く堆積している場合には、1963年のピークを掴むことが困難であり、正確に土砂の堆積速度を求めことが困難な状況となっている。
この分野における先行文献として、例えば、非特許文献1があり、これには、137Cを用いた貯水池での底質の堆積速度の測定方法とその測定結果について記載されている。
馬原保典(Y.Mahara)、ジャーナル オヴ エンヴァイロメンタル クオリティ(Journal of Environmental Quality),22(1993),722-730
このように、137Cs濃度測定だけに基づいて堆積速度を推定すると、ピークの位置が明らかでないような場合には、堆積速度の測定ができない。また、現在では、137Cs濃度が1963年当時の1/2.5以下の濃度に低下しているので、測定も厳しくなってきており、1963年の基準が不明確であるため、これまで用いられてきた手法そのものが適用できなくなっている。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、フォールアウト・セシウムの半減期を考慮して精度よく堆積速度を推定することが可能な土砂沈殿堆積速度推定方法を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するために、本発明は、大気圏核実験で放出されたフォールアウト・セシウムである135Csと137Csの地中濃度を測定し、135Csの濃度と、135Csと137Csの濃度比に基づいて土壌流出量を評価することを特徴とする土砂沈殿堆積速度推定方法である。
135Csは半減期が極めて長いため、長期間に亘って地中濃度が高いレベルに保たれている。この135Csの地中濃度を測定し、137Csの地中濃度との比に基づいて土壌流出量を評価するため、135Csの濃度ピーク、ならびに135Csと137Csの地中濃度の比の変曲点を発見しやすく、これに基づいて土壌流出量の評価を精度よく行うことができる。そのため、高精度の土砂沈殿堆積速度推定方法を実現することができる。
本発明によると、半減期が極めて長い135Csの地中濃度に基づいて土壌流出量の評価を行うため、高精度の土砂沈殿堆積速度推定方法を実現することができる。
以下に、本発明をその実施の形態に基づいて説明する。
本発明は、135Csの半減期が極めて長いことに着目して、135Csと137Csの地中濃度を測定し、その比に基づいて土壌流出量を評価するものである。
1961年以降に降下したフォールアウト・セシウムの濃度比である137Cs/135Csは、時間とともに変動するがその値は予測できる。1961年以降は大規模な核実験が行われていないため、底質内では浅い方向に向かってほぼ一定値となる。それ以前に大気中に放出されたフォールアウトの137Cs/135Cs比は、137Csの半減期が30.8年であり、135Csの半減期はこれより充分長い230万年であるため、1961年に比べると、古くなるほど137Cs/135Cs比が小さくなっている。このことから、フォールアウト・セシウムの濃度比である137C/135Csは明確な変曲点を有することとなり、135Csの濃度ピークと、この変曲点を測定することによって、降下からの経過時間を正確に測定することができる。
図5に、本発明の評価方法を示す。
135Csの濃度と、137Cs/135Csの比を底質の深度に対して3次元的にプロットすると、1961年以降は大規模な核実験が行われていないため、1961年を基準とすると、1961年のピーク以降は137Cs/135Csの比は基本的に変化しない。一方、それ以前の137Cs/135Csの比は小さくなるため、変曲点が生じる。137Cs/135Csの変曲点が1961年の降下ピークとなるため、その深度までの全底質量Wを(mg/cm2)で表し、1963年から現在(例えば2004年の時点)までの経過年数、すなわち、y=(2004-1963)年で割って、1年あたりの底質量であるW/yを求めて土砂の堆積速度を求める。
図6に、底質内の135Cs濃度、137Cs/135Csの比と、堆積深度の3次元プロットの一例を示す。135Cs濃度は、1963年にピークとなり、137Cs/135Csの比は、現在から1961年までは一定であり、1961年以前では減少するため、135Cs濃度と137Cs/135Csの比の平面上では、1961年において明確な変曲点を有することとなる。
土壌や底質試料中の137Cs/135Cs比を測定すると、その土壌粒子にフォールアウトが吸着された時期が測定できるが、135Csは半減期が非常に長いため、50年程度では濃度の減少がない。従って、放射能としての減衰がないのでフォールアウト降下履歴との対比が容易である。
このように、貯水池や砂防ダム等に堆積した土砂、底質の135Cs濃度と、137Cs/135Cs比を測定して堆積した時期を決め、堆積速度の測定や、河川などの流出域全体での土砂等の流出量の評価が可能となる。洪水と土砂の堆積量の関係を測定する事も可能である。
135Csと137Csとは同位体であるため化学的な挙動は同じで、フォールアウトとしての降下履歴も同じであることを考えると、核実験が頻繁に行われていた時期から50年が経過しようとしている現在、137Csだけでは、濃度の低下も大きくその補正も慎重に行わなければならないという事情があり、その点において、135Cs濃度測定では補正の必要がなく、放射能量としては変化が無いので、降下量の全量が把握できれば、流出土砂に占める表面土壌の割合が測定できる。
ここでの補正とは、放射能の減衰に伴う放射能濃度補正のことをいう。放射能Aは、
A=A0-λt
で減衰する。λ=0.693/T1/2であり、T1/2は半減期、tは経過時間である。
例えば、137Csでは、λ=0.0225、135Csでは、λ=3×10-7であるので、137Csでは50年経過すると初期放射能の1/3となる。一方、135Csでは、50年経過しても、放射能は初期濃度を1とすると、0.999985に変化しているだけであり、実質的には変化していないと考えられる。従って、135Csの場合には補正を必要としない。
このように、表面流出土壌量の測定において、137Cs濃度に変化が見られても、1961年時点での137Cs/135Cs濃度比を基準とすると、137Cs/135Cs濃度比には本来変化がない。なぜならば、最後に大きな核実験が大気中で行われたのは1961年であるので、その後に降下してくるフォールアウトについては基本的には1961年に生成された137Cs/135Cs比から時間の経過と共にこの比が減少し、測定時点での比の値を計算予測することができる。仮に、測定され補正された137Cs/135Cs比が基準値から大きく外れるような変化が見られるようであれば、測定流出域内での環境の変化が起こったからであり、環境変化を察知することができる。
以上説明したように、半減期の補正の必要がない135Csを測定に用いることで、堆積層内で正確な堆積時期を推定することができる。
本発明は、今後数万年先までも放射性核種をトレーサーとして用いた土砂沈殿堆積速度推定方法として利用することができる。
フォールアウト・セシウムが表面土壌に吸着される様子を示す図である。 フォールアウト・セシウムが底質として堆積する様子を示す図である。 フォールアウト・セシウムの降下履歴と、土壌及び底質での濃度を示す図である。 従来の土壌流出量の評価方法を示す図である。 本発明の土壌流出量の評価方法を示す図である。 底質内の135Cs濃度、137Cs/135Csの比と、堆積深度の3次元プロットの一例を示す図である。

Claims (1)

  1. 大気圏核実験で放出されたフォールアウト・セシウムである135Csと137Csの地中濃度を測定し、135Csの濃度と、135Csと137Csの濃度比に基づいて土壌流出量を評価することを特徴とする土砂沈殿堆積速度推定方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014025895A (ja) * 2012-07-30 2014-02-06 Japan Atomic Energy Agency 放射性セシウム簡易測定方法及び可搬式放射性セシウム簡易測定装置
CN117786281A (zh) * 2024-02-23 2024-03-29 中国海洋大学 一种沉积物柱状样沉积速率与误差的优化计算方法

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