JP2005268778A - 新規な電界変調式双安定分子メカニカルデバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】
化学的な酸化及び/又は還元を回避し、第1の状態から第2の状態へと適度な速度で切り替わることができる揮発性スイッチをもたらす、分子システムを提供する。
【解決手段】
固定化された固定子ユニットに接続されている回転子ユニットの回転を介して起こる電界誘導バンドギャップ変化を呈する、ナノメートルスケールの可逆的な電気的及び光学的スイッチ、特に、電界駆動式の分子スイッチのための分子システムが提供される。当該分子システムは、不動の接合ユニットの一方の側に2つの枝を有し且つ反対側に1つ又は2つの枝を有し、それによって、それぞれ「Y」及び「X」配列をもたらす。接合ユニットとは反対側の枝の端部は、他の分子システムあるいは電極などの基材に接続されている。各回転子ユニットは、外部適用電界に応じて、2つの状態間で回転する。多重安定な分子メカニカルデバイス及び電界駆動式光スイッチの両方がもたらされる。
【選択図】なし

Description

本発明は、概して、その機能長スケールがナノメートル単位である電子デバイス及び光デバイスに関し、より詳細には、電子スイッチング及び光スイッチングをもたらす種類の分子に関する。マイクロメートル及びナノメートルの両スケールの電子デバイス及び光デバイスを本明細書の教示に従って構成することができる。
関連出願の相互参照
本発明は、2003年12月16日発行の米国特許第6,663,797号である2000年12月14付け第09/738,793号の一部継続出願である、2003年1月28日発行の米国特許第6,512,199号である2001年1月12日付け第09/759,438号の一部継続出願である、2001年3月29日付けの特許出願第09/823,195号の一部継続出願である、2001年4月27日付けの特許出願第09/844,862号の一部継続出願である、2001年7月3日付けの特許出願第09/898,799号の一部継続出願である、2001年11月13日付けの特許出願第10/013,643号の一部継続出願である。
本願は、特定の分子システムを対象としており、それは、大きな双極子モーメントを有し且つ当該分子の2つの他の固定化部分(固定子)にそれぞれ連結されているところの少なくとも2つの回転可能な部分(回転子)を含んで成る。本明細書に開示する分子システムは、分子の電子的特性及び/又は光学的特性の変化によって特徴付けられる、或る状態から異なる状態への切替え(スイッチング)をもたらす。
分子エレクトロニクス分野は初期の段階にある。現在までに、電子スイッチのような分子に関して技術文献で公開されたものとしては、2つの説得力ある論証がある。C.P.CollierらによるScience、Vol.285、pp.391−394(1999年7月16日)及びC.P.CollierらによるScience、Vol.289、pp.1172−1175(2000年8月18日)を参照されたい。しかし、本話題をとりまく科学的コミュニティ内では、多数の思い入れと関心が存在する。公表された研究においては、ロタキサン又はカテナンと呼ばれる分子を2つの金属電極間にトラップし、その分子の両端に正のバイアスをかけることによってON状態からOFF状態へ切り替えさせていた。ロタキサン及びカテナンに関しては、そのON状態及びOFF状態では、抵抗率が、それぞれ、約100倍及び約5倍異なっていた。
ロタキサンに関する主な問題は、それが不可逆的なスイッチであるということであった。それは一度だけ切り替えることができるものである。従って、プログラマブル読み出し専用メモリ(PROM)には利用できるが、RAM(ランダムアクセスメモリ)類似デバイスにおいて、又はフォールトトレラント通信及び論理ネットワークのような再構成可能システムにおいては用いることができない。さらに、ロタキサンは、スイッチを切り換える前に、酸化及び/又は還元反応を起こす必要がある。このことは、スイッチを切り換えるのに、相当な量のエネルギーの消耗を要する。加えて、ロタキサン分子及び同族化合物の大きく且つ複雑な特性は、分子のスイッチング時間を遅くする可能性がある。カテナンに関する主要な問題は、ON−OFF比が小さいこと、及びスイッチング時間が遅いということである。
従って、化学的な酸化及び/又は還元を回避し、第1の状態から第2の状態へと適度な速度で切り替わることができ、ROMのようなデバイスを製造できるようにするために可逆的であり、且つ種々の電子及び/又は光デバイスにおいて用いることができる分子システムが必要とされる。
本発明の教示によれば、少なくとも3つの枝を有する分子システムが提供され、各枝の一端は不動の接合ユニットに接続されている。また、前記枝のうちの2つは接合ユニットの一方の側にあり、少なくとも1つの他の枝は接合ユニットの反対側にある。本発明の分子システムは:
3つの枝を含む分子システムであって、2つの枝の各々がその主鎖内に不動の固定子ユニットを含み、且つ2つの枝の各々が、固定子ユニットと接合ユニットとの間のその主鎖内に少なくとも1つの回転可能な回転子ユニットをさらに含む分子システム;又は
4つの枝を含む分子システムであって、枝のうちの2つが接合ユニットの一方の側にあり、2つの他の枝が接合ユニットの反対側にあり、且つ各枝がその主鎖内に不動の固定子ユニットを含み、各枝が、固定子ユニットと接合ユニットとの間のその主鎖内に少なくとも1つの回転可能な回転子ユニットをさらに含む分子システム、のいずれかであり、各回転子ユニットは、外部から適用される電界に応じて2つの状態間で回転する。
さらに、本発明の教示によれば、一対の電極によって生成される電界内で構成され且つその電極に電気的に接続されている分子システムを含んで成る多重安定な分子メカニカルデバイスが提供される。当該分子システムは、先述のものと同様であり、電界の適用時に、各回転子部が、関連する固定子部に対して少なくとも2つの異なる状態間で回転し、それによって分子システムのバンドギャップ変化が引き起こされる。この場合、第1の状態では、当該分子システムの少なくとも大部分にわたって拡張共役が存在し、その結果バンドギャップが相対的に小さくなり、第2の状態では、拡張共役が変化し、その結果バンドギャップが相対的に大きくなる。また、その中間の状態では、共役の程度は、第1の状態の共役と第2の状態の共役との中間である。
さらに本明細書の教示によれば、一対の電極によって生成される電界内で構成される分子システムを含んで成る、電界駆動式の光スイッチが提供される。当該分子システムは、先述のものと同様であり、電界の適用時に、各回転子部が、関連する固定子部に対して少なくとも2つの異なる状態間で回転し、それによって分子システム内にバンドギャップ変化が引き起こされる。この場合、第1の状態では、当該分子システムの少なくとも大部分にわたって拡張共役が存在し、その結果バンドギャップが相対的に小さくなり、第2の状態では、拡張共役が変化し、その結果バンドギャップが相対的に大きくなる。また、その中間の状態では、共役の程度は、第1の状態の共役と第2の状態の共役との中間である。
本発明によれば、化学的な酸化及び/又は還元を回避し、第1の状態から第2の状態へと適度な速度で切り替わることができる揮発性スイッチをもたらす、分子システムを提供することができる。
定義
本明細書において用いられる用語「自己組織化」は、システム構成要素の特性によって、ある種の幾何学的パターンを自然に選択するシステムを意味する。該システムは、その構成を選択することで、そのエネルギーが少なくとも極小となる。
用語「一度だけ構成可能な」とは、スイッチが、酸化あるいは還元反応のような不可逆過程を介して一度だけその状態を変えることができることを意味する。そのようなスイッチは、例えば、プログラマブル読出し専用メモリ(PROM)の基礎をなすことができる。
用語「再構成可能な」とは、スイッチが、酸化又は還元のような可逆過程を介して多数回その状態を変化させ得ることを意味する。換言すれば、該スイッチは、ランダムアクセスメモリ(RAM)のメモリビット、あるいはディスプレイのカラーピクセルのように、何度も開閉できるものである。
分子に適用される際の用語「双安定(性)」とは、エネルギー(又は活性化)障壁によって隔てられている比較的低い2つのエネルギー状態(極小)を有する分子を意味する。該分子は、ある状態から他の状態へ不可逆的に切り替えられるか(一回だけ構成可能)、又はある状態から他の状態に可逆的に切り替えられる(再構成可能)。用語「多重安定な」とは、3つ以上の低いエネルギー状態、即ち極小値を有する分子を意味する。
ミクロンスケールの大きさとは、寸法が1μmから数μmに及ぶ大きさを意味する。
サブミクロンスケールの大きさとは、0.05μmから1μmまでの範囲にある大きさを意味する。
ナノメートルスケールの大きさとは、0.1nmから50nm(0.05μm)までの範囲にある大きさを意味する。
ミクロンスケール及びサブミクロンスケールのワイヤとは、幅又は直径が0.05μmから10μmの大きさであり、高さが数10nmから1μmまでの範囲にあり、長さが数μm以上であるロッド状又はリボン状の導体あるいは半導体を意味する。
「HOMO」は「最高被占分子軌道」を表すための一般的な化学的略称であり、「LUMO」は「最低空分子軌道」を表すための一般的な化学的略称である。HOMO及びLUMOは、分子内の電子伝導を招き、HOMO及びLUMOと、他のエネルギー的に近い分子軌道との間のエネルギー差は分子の色の原因となる。
光スイッチは、本発明の文脈においては、人間の可視領域内外の、例えば遠赤外線(IR)から深紫外線(UV)までの範囲の、分子の電磁特性の変化を伴う。光スイッチングには、電磁放射の吸収、反射、屈折、回折及び拡散散乱のような特性変化が含まれる。
用語「透明」とは、着色剤によってスペクトル成分が吸収される領域以外の、可視スペクトルにおいて定義され、着色剤内を通過する光が光学的に妨害あるいは変更されないことを意味する。例えば、分子着色剤が可視スペクトルにおいて光を吸収しない場合には、その着色剤は無色透明の透明度を有するように見えるであろう。
用語「全環境照明視認性」とは、本明細書においては、眼が敏感に反応する任意の環境照明条件下での視認性と定義される。
従来技術のクロスワイヤスイッチに関する基本情報
本質的なデバイスの造作が図1a−1bに示されており、また上記関連特許出願及び特許においてより詳しく議論されている。クロスワイヤスイッチ10は、それぞれが0°ではないある角度で交差している金属ワイヤあるいは半導体ワイヤのいずれかである2本のワイヤ12、14からなる。それらのワイヤの間には、図1a及び1bにおいてRで示されている分子あるいは分子化合物16の層がある。2本のワイヤ12、14の交差位置で挟まれている特定の分子18(Rsで表示)は、スイッチ分子として取り扱われ、また、本明細書ではその代替用語として接合部とも呼んでいる。そのワイヤの両端に適切な電圧が印加されると、スイッチ分子は、酸化されるかもしくは還元される。分子が酸化(還元)されると、電荷の均衡を保つために、第2の化学種が還元(酸化)される。従って、これらの2つの化学種は、レドックス対と呼ばれる。このデバイスの一例では、1つの分子が還元され、次に第二の分子(レドックス対のもう片方)が酸化される。別の例では、ある分子が還元され、ワイヤの1本が酸化される。第3の例では、ある分子が酸化され、ワイヤの1本が還元される。第4の例では、1つのワイヤが酸化され、もう一方のワイヤと関連付けられている酸化物が還元される。全ての場合において、酸化と還元は、2本のワイヤ間のトンネル距離又はトンネル障壁高さに影響を及ぼし、それによって、ワイヤ接合部を横切る電荷搬送率を指数関数的に変化させ、スイッチの基礎として役立っている。
これらのデバイスによって実行される電気的タスクは、使用されるワイヤ(電極)の種類とワイヤ間物質によって概ね決まる。表1は、図1a−1bにおけるワイヤ12、14の種々の組合せから作ることができる種々の種類のデバイスを表している。
Figure 2005268778
ワイヤ(電極)間に使用される分子又は物質に応じて、接合部の各々がワイヤの接点において、すぐ後に述べる種類の電気的機能を発揮するか、又は接合部は2本のワイヤを電気的に接続あるいは遮断すべく作用するスイッチ機能を有することができる。該スイッチは、一回だけ構成可能なもの又は再構成可能なもののどちらにもすることができる。第一のケースでは、前記スイッチの初期状態は、開いているか、あるいは閉じている。第二のケースでは、前記スイッチにかけている電圧の極性と振幅を、適切なしきい値を越えて反復させることにより、適切に選択された物質あるいは分子を可逆的に酸化あるいは還元して、そのスイッチを多数回開閉させることが可能である。いずれのケースにおいても、閉じている場合、ワイヤ間で形成される電気的な接続の種類は、ワイヤ(即ち電極)を構成する材料、並びにワイヤ間の分子あるいは物質の特性に左右される。
前記表1は、電極材料及び接合部に使用される物質あるいは分子の様々な組合せから得ることのできる種々の機能のマトリクス表を示している。抵抗体は、線形の電流−電圧特性を有しており、本質的にワイヤ間で短絡を形成すべく様々な種類のワイヤ間の接合部を意図的に過剰還元することによって作られる。これとは反対の過程は、接合部を過剰酸化することであり、これは局部的な領域でそのワイヤを消費し、接合位置でそのワイヤを効果的に破断する(オープン回路を形成する)。トンネル抵抗体は、ワイヤ間に薄い、約2nm厚の絶縁障壁を保ち、幾何級数的な電流−電圧特性を有する。接合分子又は物質が、接合部に電気的にバイアスをかけることでアクセスできる鋭く範囲の限定されたエネルギー状態を電気絶縁障壁のバンドギャップ内に有する場合、ワイヤ間の接続部は、共鳴トンネル過程によって支配される電流の流れを呈することがある。共鳴トンネル効果は、さもなくば幾何級数的であるトンネル抵抗体の電流−電圧特性に1つ以上の変曲点を作り出すことができる。ダイオードは、他の方向よりも容易にある方向に電流を流し、従って、正及び負の電圧に関して電流−電圧特性が非対称な接合部である。トンネルダイオードは、ダイオードの正−負電圧の非対称性とトンネル抵抗体の幾何級数的な電流−電圧特性の両方を有する。共鳴トンネルダイオードは、正−負電圧の非対称性を有すると共に、その電流−電圧特性にピークを有しており、それによって、電圧の大きさを増大させていくと、ある限定された範囲において、電流の大きさが実際に減少する、微分負性抵抗として知られている現象を示す。一般に、上述の過程で形成されるワイヤ間の現実の接合部はどれも、有効な回路要素が直列に接続されている状態で、2つ以上の上述の電気的機能を実際に有することになろう。
このように、本発明は、組み立て済の回路が要求するデバイス特性に応じて、多数の金属あるいは半導体ワイヤ/分子の組合せによって実施することができる。
従来技術のワイヤ電極製造に関する基本的情報
プロセス限定ワイヤ
(従来の電子回路処理技術によって形成されるワイヤとして定義される。ワイヤは、典型的に回路の一部として基材上に形成される。)
直径が1μmから数μmの範囲(ミクロンスケールとして定義される)、又は直径が40nmから1μmの範囲(サブミクロンスケールとして定義される)の金属ワイヤ及び半導体ワイヤは、リソグラフィー(光学的、紫外線、又は電子ビーム)技術をはじめとする、よく確立された技術を用いて調製することができる。これらのワイヤは、円形断面を排除するものではないが、通常は帯状又は長方形の断面を有しており、ワイヤの幅は、該ワイヤを画定するのに利用されるリソグラフィープロセスによって決定され、その高さは、リソグラフィーによって画定される領域に付着した材料の量によって定まる。
化学的に形成されたワイヤ
(これらのワイヤは、従来の電子的処理技術以外の技術によって形成される。ワイヤは、典型的には、回路板の一部としてよりも、むしろバルク材料として形成される。)
金属及び半導体のナノワイヤは、直径が50nm未満(典型的には2〜20nm)で、且つ長さが0.1μm〜50μm(典型的には5〜10μm)のワイヤとして定義される。これらは、後述の参考文献に記載された多数の技術のうちの任意の1つを使って化学的に製造することができる。
半導体元素ゲルマニウムの半導体ナノワイヤを生産する公表済技術の一例は、ゲルマニウムテトラクロリド及びフェニルゲルマニウム(IV)クロリドを、不活性環境下において、密閉容器中300℃付近の温度で、数日間、トルエン溶媒中に分散させたナトリウム金属と反応させるものである。本調製によって、直径が3〜30nm、且つ長さが0.5〜10μmの単結晶ゲルマニウムナノワイヤが製造される。
半導体元素シリコンの半導体ナノワイヤを生産する公表済技術の第二の例は、シリコン元素及び鉄元素を含有しているターゲットをレーザ蒸発させるものである。ターゲットを1300℃の真空オーブンに入れて、蒸発処理の間、オーブン中に不活性ガスを流すものである。この技術によって、直径が20〜30nmの範囲にあり、長さが1〜20μmの範囲のシリコンワイヤが製造される。
金属金元素の金属ナノワイヤを生産する公表済技術の一例は、陽極腐食された酸化アルミニウム薄膜の細孔内部で金のワイヤを電気化学的に成長させるものである。酸化アルミニウムを酸性溶液中で溶かし、金のナノワイヤを解放し、次いで、それを集めるものである。この方法で成長させた金のナノワイヤは、直径が20〜30nmの範囲にあり、長さが0.5〜5μmの範囲にある。
種々の金属及び半導体物質のナノワイヤを、様々な方法で製造することができる。これらのデバイスの幾つかは、ドープドSiのようなドープド半導体ワイヤを必要とするであろう。
Siワイヤの場合に関しては、ワイヤを物理的に製造する際に、ワイヤをドープすることができる。この場合、ワイヤが形成される時に、反応容器中にドーパントを添加することが必要である。例えば、上述のレーザアブレーション/真空オーブンによる製造技術では、例えば三水素化リン(PH)あるいは三水素化ヒ素(AsH)のような少量のドーパントガスを、レーザアブレーション/ワイヤ形成処理中に、真空オーブン中を流れる不活性ガス(例えば、アルゴン)中に加える。
逆に、これらのワイヤは、適切な分子によって、即ち電子求引基(例えば三フッ化ホウ素(BF)のようなルイス酸)又は電子供与基(例えばアルキルアミンのようなルイス塩基)のどちらかで、それらの表面を被覆することによって変調ドープして、それらを、それぞれ、p型又はn型の導体にすることができる。下記のワイヤ作製手順を参照されたい。図1bは、ワイヤ12上の被覆物20及びワイヤ14上の被覆物22を示す。被覆物20、22には、変調ドーピング被覆物、トンネル障壁(例えば、酸化物)、又はその他のナノスケールの機能的に適切な物質を用いることができる。あるいは又、ワイヤ12、14自体を、1つ以上のR化学種16で被覆することができ、ワイヤが交差する位置にR18が形成される。あるいは又、例えば、後述するように、一方あるいは両方のワイヤを懸濁させコロイド懸濁液を生成することができる分子種20、22で、ワイヤ12、14を、それぞれ、被覆することができる。
変調ドーピングによってワイヤをドープするためには、ワイヤ表面においてSi−O−H基に共有結合する有機あるいは無機分子を用いて、ワイヤ表面を化学的に官能化する必要がある。シリコンナノワイヤは、空気に曝されるとSiOの薄い表面層(1nm)が自然に生じ、SiO/空気の界面では、SiO表面はSi−O−H基で終端している。Si−O−H基に結合するか又はそれを置換する基として、限定はしないが、R−Si(CH(OCH3−x)、R−Si(CH(OCHCH3−x)、R−Si(CHCl3−x、等が挙げられる。この場合、Rは、電子求引基(ルイス酸)あるいは電子供与基(ルイス塩基)を含有することができる有機あるいは無機部分を表している。SiO不動態化シリコン表面へ分子を結合させるというこの化学作用は十分確立されているものである。SiO不動態化シリコン表面へ分子を結合させるための公表されている1つの例示反応は、下式である。
Si‐O‐H(表面)+R‐Si(CHCl→Si‐O‐Si(CHR+HCl
その他の半導体ワイヤは、有機アミン、有機チオール、有機リン酸塩等で官能化することができる。
半導体ナノワイヤを変調ドープ(即ち、化合物がシリコンナノワイヤ上に吸着する際、当該ワイヤは導電率の変化を呈する)することは既に行われている。Yi Cuiらによる、「Doping and Electrical Transport in Silicon Nanowires」(The Journal of Physical Chemistry B,Vol.104,No.22,pp.5213−5216 (2000年6月8日)、及びYi Cuiらによる、「Functional Nanoscale Electronic Devices Assembled Using Silicon Nanowire Building Blocks」(Science,Vol.291,pp.851−853 (2001年2月2日)、及びYi Cuiらによる、「Nanowire Nanosensors for Highly Sensitive and Selective Detection of Biological and Chemical Species」(Science,Vol.293,pp.1289−1292 (2001年8月17日)を参照されたい。
例えば金属ナノワイヤのような他のナノワイヤの場合に関しては、ワイヤは、(金ワイヤあるいは銀ワイヤに関しては)R−SHによって、又は(白金ワイヤ及びパラジウムワイヤに関しては)R−NHによって、又は(例えばAl被覆アルミニウムワイヤあるいはチタンワイヤのような他の金属に関しては)R−COHによって、化学的に官能化することができ、ここでR基は、例えば当業者が、コロイドのように、溶媒中にワイヤを分散させることができる性質などの、ある化学的性質をワイヤに付与することのできるある有機部分を表している。一実施例において、金ワイヤは、ドデカンチオール(C1225SH)で官能化することができる。ドデカンチオールは、ワイヤに薄い表面トンネル障壁を設けるのみならず、例えばヘキサンあるいはクロロホルムのような単純な有機溶媒にワイヤを分散させることを可能にする。
従来技術のワイヤ作製手順に関する基本情報
下記物質は、列挙された参考文献に従ってナノワイヤとして形成することができる。
シリコン:A.M.Moralesらによる“A laser ablation method for the synthesis of crystalline semiconductor nanowires”、Science、Vol.279、pp.208−211(1998年1月9日)
ゲルマニウム:J.R.Heathらによる“A liquid solution synthesis of single crystal gerumanium quantum wires”、Chemical Physics Letters、Vol.208、pp.263−268(1993年6月11日)
金属ナノワイヤ:V.P.Menonらによる“Fabrication and Evaluation of Nano−electrode Ensembles”、Analytical Chemistry、Vol.67、pp.1920−1928(1995年7月1日)
シリコンの官能化:T.Vossmeyerらによる“Combinatorial approaches toward patterning nanocrystals”、Journal of Applied Physics、Vol.84、pp.3664−3670(1998年10月1日)(多数の文献の中の1つ)
金ナノ構造体の表面の官能化:D.V.Leffらによる“Thermodynamic Size Control of Au Nanocrystals:Experiment and Theory”、The Journal of Physical Chemistry、Vol.99、p.7036−7041(1995年5月4日)
重ねて、分子スイッチング構成部分は、デバイスの所望の特性に応じて、多数の様々な種類の分子から作ることができる。その分子に必要な主要な条件は、それらが2つのワイヤ間に挟まれるとき、ワイヤの両端に電圧を印加することにより、それらを電気化学的に変性(即ち、酸化あるいは還元)できるということである。分子構成部分がそのように変性された場合、本質的な効果として、2つのワイヤ間のトンネル障壁が変化し、電流の流れる比率が変化する。これは、次には、記憶装置、論理演算、及び通信及び信号ルーティングネットワークに利用できるスイッチの基礎をなす。分子スイッチは、分子のレドックス対を含むことができ、この場合、電圧の印加によって、分子の1つが還元され、他が酸化される。そのような分子のレドックス対の例として、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロリン酸塩(BuNPF)に対するニッケロセン(ジシクロペンタジエニル ニッケル)、即ちCpNiが挙げられる。その場合には、その反応は下式のようになる。
(還元)CpNi+BuNPF→CpNi+BuNPF (−1.7V)
又は、
(酸化)CpNi+BuNPF→CpNi+BuNPF (−0.1V)
ニッケロセン系は、溶液相サイクリックボルタンメトリーによって測定されるように、その還元が極めて非対称であるという点において特に興味深い。そのような非対称性は、安定で且つ書き換え可能な磁気記憶装置の基礎をなす磁化履歴曲線に相似している。しかし、酸素の存在下では、ニッケロセンの還元は、溶液相サイクリックボルタンメトリーで測定されるように、不可逆である。いずれの場合でも、この系の還元あるいは酸化は、分子がその間に挟まれる2本のワイヤ間のトンネル障壁を変化させる。従って、この系は、再構成可能なもの、又は一回だけ構成可能なもののどちらかのタイプの分子スイッチとして機能することができる。メタロセン系に関しては、例えば、J.D.L.Hollowayらによる“Electron−transfer reactions of metallocenes:Influence of metal oxidation state on structure and reactivity”、Journal of the American Chemical Society、 Vol.101、pp.2038−2044(1979年4月11日)を参照されたい。
コネクタ種16は、溶液の電気化学作用もしくは固体状態の接合部における電流−電圧特性のいずれかから得られた、電流−電圧曲線において顕著な、即ち測定可能なヒステリシスを示す物質からなる。そのような種の例として、メタロセン、ロタキサン、疑似ロタキサン、及びカテナンが挙げられ、それらは分子内水素結合に依存している。しかしながら、そのような分子は開示された目的にとって有用であるが、単純な分子内水素結合力は、上述のように、ある条件下では、比較的容易に越えられる。
図2に示すように、スイッチ10を二次元アレイ状にいくつも形成することによって、複数のスイッチ、即ちスイッチアレイ60を形成することができ、結果、クロスバースイッチを形成することができる。図2には6×6のアレイ60を示しているが、本発明は、アレイを構成する要素、即ちスイッチを特定の数に限定するものではない。1つのポイント、例えば2bへのアクセスは、上述のように、ワイヤ及びに電圧を適用し、その接合部にある分子種18の状態を変化させることにより行われる。こうして、本明細書の教示に従って、予め選択された接合部のみを構成するために、各接合部に容易にアクセスすることができる。クロスバースイッチアレイ60の作動の詳細については、先に引用した米国特許第6,128,214号においてさらに詳しく説明されている。
光スイッチ
光スイッチは、2001年10月16日付けの同時係属中の米国特許出願第09/981、166号にさらに詳細に記載されている。その特許出願から得られる一般的な実施例を本明細書の図3に示しており、少なくとも1つの着色剤層301を組み入れているディスプレイ画面300が示されている。着色剤層301は、以下にさらに詳細に記載され、概して「分子着色剤」と呼ばれる、本発明による、電界によって切替え可能であり、再構成可能な染料あるいは顔料分子を用いるピクセルアレイからなる。各染料あるいは顔料分子は、電界によって、像を成す色(例えば黒色)と透明状態との間で、又は2つの異なる色(例えば赤色と緑色)間で、切り替わることができる。
簡単に図3aを参照すると、着色剤層301は、選択された1組の分子が1つのピクセルと相互的に関連するように並べられている双安定分子から形成されたアドレス指定可能なピクセルアレイである。着色剤層301は、ディスプレイの意図された背景色(例えば白色)を有する背景基材303上にコーティングされている薄層である。基材303は、例えば、その層による電圧降下を最小限に抑えるとともに、良好な白色と不透明度とをもたらす高誘電性顔料(例えばチタニア)含有ポリマー結合剤から構成することができる。従って、着色剤層301及び基材303の組合せから成る層状配列は、紙上のインク層と完全に類似している。ブランク状態、即ち消去された状態では、各分子はその透明な向きに切り替えられており、「インク層」は目に見えない。背景(例えば白色ピクセル)が、着色剤層301分子が透明な向きに切り替えられているピクセル領域越しに見える。適切な保護を与えるために、例えば透明なプラスチックあるいはガラスからなる透明な透き通しの層が、着色剤−背景サンドイッチ構造上に設けられる。該透き通しの層305は、それに取り付けられ着色剤層301の上側に配置される、ピクセル列あるいは行を駆動するための透明電極アレイ307を有する。背景基材303は、それに取り付けられピクセル列あるいは行を駆動するための相補的な電極アレイ309を有する(個々のピクセルのマトリックスアドレス指定及び電界による書込みのための電極アレイ307、309の層状配列の特定の実施態様が、従来の電気工学の慣行に従って変更される場合があることは当業者であれば理解されよう)。任意選択的に、ピクセルは、当分野において知られているような薄膜トランジスタ(TFT)ドライバ技術を採用することにより挟持される。
本ディスプレイ300によって、ハードコピー印刷物と同じコントラスト及び色が可能となる。分子着色剤は、大きさ及び質量が極めて小さく、解像度及び着色剤のスイッチング時間が、電界書込み電極及び回路によってのみ制限されるようになるので理想的である。インクと同様に、着色剤層301は、サブミクロンないしミクロンレベルの薄層において十分な密度を有することができ、論理状態間で着色剤を切り替えるために必要とされる電界電圧を低減できる可能性があり、それにより低コストの駆動回路を利用できるようになる。
そのようなディスプレイに用いるのに適した再構成可能な双安定分子を以下に開示し、本明細書において特許請求する。概して、これらの分子は、π軌道電子の共役の程度によって決まる光学的特性(例えば色)を有する。色あるいは透明度を含む分子の当該光学的特性は、分子に印加される電界の極性によって変化し、電界が印加されない場合にも彩色的に安定した状態を保持する。ある分子にわたる共役の連続性を破壊することにより、その分子を、ある光学状態から別の光学状態に、例えば有色から透明に、変化させることができる。外部電界を印加するか、あるいは変化させるときに、染料あるいは顔料分子のある特定部位を他の部位に対して回転させるか、あるいは別の方法で歪ませることによって、この破壊を物理的に引き起こすことができる電気双極子を着色剤内に組み込むことができる。
着色剤層301は、好ましくは、共役の強い向きにおいて着色し(例えば、黒、シアン、マゼンタあるいは黄)、共役の弱い向きにおいて透明となる分子からなる均質層である。隣接する背景基材303を白色にすることにより、着色剤層301は、高コントラストの白黒、及びカラー画像を生成することができる。着色剤層301は、単一の電界切替え可能の染料あるいは顔料から構成することができるし、集団で合成色(例えば、黒色)を生成する種々の切替え可能な染料あるいは顔料の混合物から構成することができる。分子着色剤を用いることにより、生成される画像の解像度は、電極アレイ307、309によって生成される電界の分解能によってのみ制限される。分子着色剤はさらにほとんど瞬間的なスイッチング速度を有し、高速な走査の要求に対して有用である(後に図5に関して記載するように)。ある特定の場合には、分子着色剤はポリマー層内に含有させることができる。そのようなコーティングを生成するためのポリマーは周知であり、例えば、アクリレート、ウレタン等が含まれる。あるいは又、着色剤層301は自己組織化させることができる。
一実施形態では、着色剤層301は、マトリックスアドレス指定式の液晶フラットパネルディスプレイの代替物としてもたらされる。そのようなディスプレイの場合によく知られているように、各ピクセルは、位置決めされている電極アレイのマトリックス、例えば307、309の行及び列、によってアドレス指定される。位置決めされている電極アレイ307、309は、着色剤層301を狭持し、重なり合うピクセルの格子(マトリックス)を形成する従来のクロスバー電極311、313から構成されており、各ピクセルは電極が重なり合う位置においてアドレス指定される。クロスバー電極311、313は、電極行及び電極列に配列され平行に隔置されている電極ラインからなり、行電極と列電極は着色剤層301の相対する側に分けられている。好ましくは、第1組の透明なクロスバー電極307(後に詳細に記載する図4においては401及び403)は、インジウムスズ酸化物(ITO)を透明基材(例えばガラス)上に薄膜付着させることによって形成される。これらの行アドレス指定可能なピクセルクロスバー電極307は、従来の薄膜パターニング及びエッチング技術を用いてITO層内に形成される。着色剤層301及び背景基材303は、従来の薄膜技術(例えば蒸着)あるいは厚膜技術(例えばシルクスクリーン、スピンコーティング等)を用いて、透明電極層上に順にコーティングされるか、あるいは配置される。さらに別のコーティング技術には、ラングミュア−ブロジェット付着及び自己組織化単層が含まれる。列アドレス指定可能なピクセルクロスバー電極309(図4では402、404)は、行電極307と同様の方法で構成することが好ましい。列アドレス指定可能なピクセルクロスバー電極309は、任意選択的に、個別の基材上に構成することができ、後に該基材を、従来の技術を用いて前記白色コーティングに付着させる。
本ディスプレイ300、400は、既知の液晶着色剤の場合に必要とされる偏光層をなくすことにより、紙上の印刷物のようなコントラスト、色、視野角、及び全環境照明視認性をもたらす。また、上記ディスプレイを用いることにより、電力の消耗を著しく低減できるようになる。液晶は静止画像の場合でも保持電界を必要とするのに対して、本発明の着色剤層301の分子では、双安定分子が用いられるときには、電界が存在しない場合でもある状態にしておくことができる。従って、本発明の双安定着色剤層301は、あるピクセルが変更されるときに、そのピクセルのためにのみ電界を必要とするだけである。電力及び画像の品質の改善は、装置(例えば、腕時計、計算機、携帯電話あるいは他の携帯型電子機器)、テレビモニタ及びコンピュータディスプレイに関して、より広範な視認及び照明条件下において、バッテリ寿命及びディスプレイ可読性に著しい利益をもたらすであろう。さらに、解像度が低いカラーディスプレイに関しては、着色剤層を、種々の色の双安定着色分子アレイを用いたモザイク風の有色ピクセルから構成することができる。
着色剤層301内の各着色剤分子は着色剤吸収帯の外側では透明であるので、多数の着色剤層を重ね合わせ、個別にアドレス指定して、現在市販されているものよりも高い解像度のカラーディスプレイを製造することができる。図4は、この第2の実施形態の概略図である。高解像度、フルカラーのマトリックスアドレス指定可能ディスプレイ画面400は、交互に層を形成する透明電極、即ち行電極401、403及び列電極402、404と、それぞれ異なる色の分子アレイを有する複数の着色剤層405、407、409とからなる。各着色剤層内の各ピクセルは有色あるいは透明にすることができるので、所与のピクセルの色を、ディスプレイの最大アドレス解像度にて、有色層(例えば、シアン、マゼンタ、黄、黒)の任意の層あるいはその組み合わせから作ることができる。あるピクセルに関して、全ての着色剤層405、407、409を透明にする場合には、該ピクセルは背景基材303(例えば白色)を示す。そのようなディスプレイは、同じピクセル密度を有しているが、単層のモザイク色による現在のマトリックスLCD装置よりも3倍以上の解像度を有するという利点をもたらす。該ディスプレイの製造の詳細は、先に記載した同時係属中の特許出願に記載している。
各ピクセルに設定されることになる色は、選択された有色層に直に隣接する電極間に電圧を印加することによりアドレス指定される。例えば、黄色が最も上側の着色剤層405であり、マゼンタが次の着色剤層407であり、シアンが第3の着色剤層409であるものと仮定すると、黄色層内のピクセルは行電極401及び列電極402を介してアドレス指定され、マゼンタは列電極402及び行電極403を介してアドレス指定され、シアンは行電極403及び列電極404を介してアドレス指定される。各着色剤分子は電界がかけられていない場合でも安定した色であるので、この簡単な共通電極アドレス指定方式が可能になる。
図5は、マトリックスアドレス指定ではなく、走査アドレス指定を用いる第3の実施形態を示す。マトリックスアドレス指定ディスプレイでは、比較的大きな2次元のディスプレイ表面上にパターニングされ且つ各々がピクセル行あるいは列をディスプレイ領域の外端に接続させているアドレスライン及び間隔の数に基づいて、現時点では解像度が制限される。この第3の実施形態では、双安定分子着色剤層301及び背景基材303層による構成物が、走査電極アレイプリントヘッドと組み合わされて、上記最初の2つの実施形態と同じ可読性に加えて、市販の出版物の解像度という利点を有する走査電極ディスプレイデバイス500が提供される。走査電極アレイ及び駆動電子回路は静電プリンタと共通であり、その構成及びインターフェースは周知である。基本的には、双安定分子スイッチが保持電界を必要としないことを思い起こすと、走査電極アレイディスプレイデバイス500は、一度に1つのピクセル行を印刷することにより、表示画像を変更する。従って、走査電極アレイディスプレイデバイス500は、該アレイの両側に沿って奇数及び偶数の電極アドレスラインを交互に配置することができ、通過アレイ接続を有する多数のアドレス層を含むことができ、一度の走査中に釣り合うように重なり合う多数のアレイを互い違いに配置することができる長所により、はるかに大きな解像度をもたらす。着色剤層301は、同様に色モザイクでパターニングされ、極めて高解像度の走査式カラーディスプレイを製造することができる。
より詳細には、図5に示す第3の実施形態は、ディスプレイ画面502、走査電極アレイ504、及び画面表面の端から端まで電極アレイを正確に移動させるためのアレイトランスレーション機構501から構成されている。ディスプレイ画面502は、同様に、背景基材303、透明な透き通し層305、及び少なくとも1つの双安定分子着色剤層301とから構成される。着色剤層301には、本明細書において先に記載したように、均質な単色着色剤(例えば黒色)あるいは色モザイクが含まれる。走査電極アレイ504は、背景基材303に接触しているか、あるいはほぼ接触している線形の電極アレイあるいは同等に互い違いに配置されている電極アレイからなる。互い違いに配置されている電極アレイは、例えば、さもなければ隣接電極間で生じる電界クロストークを最小限に抑えるために、且つディスプレイの解像度を高めるために用いることができる。
各電極は、寸法決めされ、配置され、さらに電気的にアドレス指定されており、動作時には、ピクセル列に沿った所与のピクセル位置において着色剤層301を横切って「E」と付された矢印によって表される適切な電界を与える。電界Eは、着色剤分子の色のスイッチング軸に応じて、着色剤層301面に垂直に、あるいはそれに平行に向けることができる。垂直な電界は、該電極アレイの反対側のコーティング面上に一般的な電極(例えばITO層)を配置することにより生成することができる。電極アレイは又、フリンジ電界を発するように構成することができる。平行なフリンジ電界は、該アレイに隣接して該アレイに平行に一般的な電極を配置することにより生成することができる。垂直なフリンジ電界は、電極アレイ(単数又は複数)の近傍に、対称且つ隔置された平行な一般的な電極を配置することにより生成することができる。電圧は、アレイ504の直下に形成される支配的な電界線が、アドレス指定される着色剤分子(単数又は複数)を切り替えるのに十分な強さを有し、分割された戻りの電界線がないように調節される。別の実施形態及び走査機構に関するさらに多くの情報は、先に記載した同時係属中の特許出願において論じている。
本発明の教示
本開示は、概して、その機能長スケールがナノメートル単位以上である電子デバイス及び光デバイスに関し、より詳細には、電子スイッチング及び光スイッチングをもたらす種類の分子に関する。本明細書の教示によれば、マイクロメートル及びナノメートルの両スケールの電子デバイス及び/又は光デバイスを構成することができる。
本願の原出願では、ナノメートルスケールの可逆的な電子スイッチ及び光スイッチ、具体的には、分子配座の変化又は互変異性化を介して起こる電界誘導バンドギャップ変化を呈する電界駆動式の分子スイッチ、のための分子システムが開示され、特許請求されている。化学結合の変化によって拡張共役を変化させバンドギャップを変化させることは、1つの回転部(回転子)と、2つ以上の固定部(固定子)とを有し且つ回転子が前記固定子間に結合している分子システムを提供することによって達成される。この場合、固定子のうちの1つには基材を用いることができ、当該基材には、例えば回転子とともに回転してもしなくてもよい線形結合子を介して、回転子が直に結合される。
図6を参照しながら以下に説明する本特許出願の分子システムは、3つの枝(第1、第2及び第3の枝)を有する。各枝の一端が1つの接合ユニットに接続されており、「Y」配列を形成している。第1及び第2の枝は、接合ユニットの一方の側にあり、第3の枝は、接合ユニットの反対側にある。第1の枝は、その主鎖内に第1の固定子ユニットを含み、接合ユニットは第2の固定子ユニットを含み、第1の枝はさらに、第1の固定子ユニットと第2の固定子ユニットとの間のその主鎖内に回転子ユニットを含む。当該回転子ユニットは、外部から適用される電界に応じて、2つの状態の間で回転する。第2の枝は、第1の枝と概ね等しい長さを第2の枝にもたらすべく、その主鎖内に絶縁性支持基を備えている。
原出願の場合と同様に、本明細書の実施形態では、分子を、外部電界によって切り替わり得る能動的な電子デバイスへと変える。原出願では、1つの枝上にある単一の回転可能な中央部(回転子)を利用しているが、一方、本願では、その全体的な概念は、大きな双極子モーメントを有し且つ分子の他の2つの固定化部(固定子)を結合するところの2つ以上の回転可能な中央部、即ち回転子を分子内に設計することである。適用電界の影響下で、各回転子のベクトル双極子モーメントは、外部電界の向きに平行に整列しようとするであろう。当該分子は、固定子に対して特定の向きに回転子を安定化させるところの、水素結合あるいは双極子−双極子相互作用並びに立体斥力のような分子間及び/又は分子内力が存在するように設計されている。その場合、適用電界の向きが回転子の双極子の向きと逆である場合には、回転子をその初期の方位から外して固定子に対して回転させるには大きな電界が必要となる。一旦、ある特定方位に切り替えられると、分子は、異なる方位に切り替えられるまで、その方位に留まるであろう。しかしながら、分子設計の重要な要素は、回転子が完全に180°反転するまで回転しないようにする分子内及び/又は分子間立体斥力が存在することである。代わりに、その回転は、固定子及び/又は回転子上の大きい基の立体相互作用によって、初期の方位から約10〜170°の角度で止められるであろう。さらに、この10〜170°という向きは、異なる組の分子間及び/又は分子内水素結合あるいは双極子相互作用によって安定化され、それゆえ、適用電界が解除された後であっても所定の位置に留まる。スイッチ分子に関しては、固定子から約10〜170°だけ離れた2つの状態間に回転子を留めるこの能力は非常に重要である。
回転子と固定子とが完全に同一平面上にある向きでは、分子は完全に共役している。したがって、分子のπ電子、あるいはπ電子及び非結合電子は、分子の大部分にわたって非局在化している。これは、該分子のオン状態(高導電率状態あるいは光学的状態I)である。回転子が固定子に対して10〜170°だけ回転している場合、分子の共役は破壊され、分子のπ電子、あるいはπ電子及び非結合電子はもはや分子の大部分にわたって非局在化しなくなる。これは、分子のオフ状態(低導電率状態あるいは光学的状態II)である。したがって、当該分子は、オン状態とオフ状態との間で可逆的に切り替わることができる。
下記要件が満たされなければならない。
・分子は、2つ以上の回転子部及び3つ以上の固定子部を有していなければならない。
・分子のある状態では、分子全体(回転子及び固定子)の大部分にわたって拡張する非局在化π電子が存在しなければならず、その他の状態では、π電子が回転子及び固定子上に局在化している。
・回転子と固定子との接続ユニットは、(1)非結合電子(単数又は複数)、あるいは(2)π電子、あるいは(3)π電子及び非結合電子(単数又は複数)を有する1つのσ結合あるいは少なくとも1つの原子とし得る。
・電界による駆動時に回転子が回転する間、回転子及び固定子の非結合電子、あるいはπ電子、あるいはπ電子及び非結合電子を、分子の配座に応じて局在化あるいは非局在化させることができる。
・分子の配座(単数又は複数)は、電界依存性あるいは双安定性とすることができる。
・双安定状態(複数も可)は、水素結合、クーロン力、ファンデルワールス力、金属イオン錯体相互安定化あるいは双極子相互安定化のような分子内あるいは分子間力によって達成することができる。
・分子のバンドギャップは、分子の非結合電子、あるいはπ電子、あるいはπ電子及び非結合電子の非局在化の程度に応じて変化する。これが、分子の導電率、及び光学的特性(例えば色及び/又は屈折率など)を制御することになる。
本明細書に開示する新規の2モード分子は、外部電界によって切り替え可能な電子デバイス及び/又は光デバイス内の能動素子である。その全般的な概念は、大きい双極子モーメントを有し(例1及び2参照)且つ固定化されている分子の他の2つの部分(固定子)を連結する回転可能な中間部分(回転子)を分子中に設計することである。印加電界の影響下、回転子のベクトル双極子モーメントは、外部電界の方向に平行に配列しようとするであろう。しかしながら、分子は、回転子を固定子に関して特定の方位で安定化させる、例えば水素結合、双極子−双極子相互作用並びに立体斥力のような分子間及び/又は分子内力が存在するように設計されている。従って、回転子をその初期の方位から外して固定子に関して回転させるには、大きい電界を必要とする。
一旦、ある特定方位に切り替えられると、分子は、異なる向きに切り替えられるまで、あるいは構成変更されるまで、その方位に留まるであろう。しかしながら、分子設計の重要な要素は、回転子が完全に180°反転するまで回転するのを妨げる立体斥力あるいはクーロン斥力が存在することである。代わりに、その回転は、回転子及び/又は固定子上の大きい基の立体相互作用によって、初期の方位から典型的には10°〜170°の光学的及び/又は電気的に有効な角度で止められる。例示のため、この角度は、本応用形態では90°として示されている。さらに、この切替えの方位は、異なった組の分子間及び/又は分子内水素結合あるいは双極子相互作用によって安定化され、従って、印加電界が解除された後でも所定の位置に留まる。双安定あるいは多重安定着色剤分子に関しては、固定子から光学的に及び/又は電気的に有効な角度だけ隔てられた2つの状態の間に回転子を留めるこの能力は極めて重要である。
さらに、当該分子は、高速ではあるが揮発性のスイッチングのために、活性化障壁がないか、あるいは低い場合を含むように設計することができる。この最後の状況では、双安定性は必要ではなく、分子は電界によってある状態に切り替えられ、電界を除去する際に緩和されてその元の状態に戻る(「2モード性」)。実際には、2モード分子のこれらの形態は「自己消去型」である。対照的に、双安定分子の場合、当該分子は電界が除去された場合でもその状態に保持されたままであり(不揮発性スイッチ)、その場合においては活性化障壁が存在するため、分子を切り替えてその以前の状態に戻すために逆の電界を印加する必要がある。
回転子及び固定子が全て同一平面上にあるとき、その分子は「より強く共役している」と呼ばれる。したがって、その分子の非結合電子、あるいはπ電子、あるいはπ電子及び非結合電子は、分子の大部分にわたって非局在化している。これは、当該分子の「オン」状態、あるいは「赤方偏移状態」(「光学的状態I」)及び/又は「高導電率状態」)と呼ばれる。回転子のうちの少なくとも1つが共役から外れて、固定子に対して回転する場合には、分子の共役は破壊され、π電子、あるいはπ電子及び非結合電子は、分子のより小部分にわたって局在化し、これを「より弱く共役している」と呼ぶ。これは、分子の「オフ」状態、あるいは「青方偏移状態」(「光学的状態II」)及び/又は「低導電率状態」)である。したがって、当該着色剤分子は、少なくとも2つの異なる光学状態間で可逆的に切り替わることができる。多くの場合、回転子が90°回転するように図示するが、実際には、回転は、先述のように、共役を部分的にあるいは全面的に変化させるところの任意の角度とし得ることは理解されよう。
理想的な場合には、回転子及び固定子が完全に同一平面上にあるときには、分子は完全に共役しており、また、回転子が固定子に対して例えば90°の角度に回転しているときには、分子は共役していないことが、当業者には理解されよう。しかしながら、熱による揺らぎに起因して、これらの理想的な状態は完全には実現されず、それゆえ分子は、前者の場合には「より強く共役している」(あるいは「導電率が高い」)と呼ばれ、後者の場合には「より弱く共役している」(あるいは「導電率が低い」)と呼ばれる。さらに、用語「赤方偏移」あるいは「青方偏移」は、色相に対する関係を表す意はなく、HOMO状態とLUMO状態間のギャップのエネルギーシフトの電磁エネルギースペクトル方向を表す意がある。
図6は、原出願記載の分子システムの概略モデル(回転子/固定子タイプモデル)であり、それは分子配座の変化を介する電界誘導バンドギャップ変化を呈する。分子システム30は、3つの枝32、34、36(第1、第2及び第3の枝)を有しており、各枝の一端が接合ユニット38に接続されて「Y」配列を形成している。第1及び第2の枝32、34は、接合ユニット38の一方の側にあり、第3の枝36は、接合ユニットの反対側にある。第1の枝32は、その主鎖内に第1の固定子ユニット40を含み、接合ユニット38は第2の固定子ユニットからなり、第1の枝はさらに、第1の固定子ユニットと第2の固定子ユニットとの間のその主鎖内に回転子ユニット42を含んでいる。回転子ユニット42は、電極44、46によって適用される外部電界に応答して、2つの固定子ユニット38、40に対して2つの状態間で回転する。当該分子ユニット30は、接続ユニット(図6には示されない)を介して電極44、46に直に接続することも、又は2つの電極間において懸濁させることもできる。第2の枝34は、第1の枝32と概ね同じ長さを第2の枝34にもたらすべく、その主鎖内に絶縁性支持基を含んでいる。
図7は、本教示の分子システムの一実施形態の概略モデル(回転子/固定子タイプモデル)であり、それは分子配座の変化を介する電界誘導バンドギャップ変化を呈する。分子システム130は、3つの枝132、134、136(第1、第2及び第3の枝)を有しており、各枝の一端が接合ユニット、即ちコネクタ138に接続されて「Y」配列を形成している。第1及び第2の枝132、134は、接合ユニット138の一方の側にあり、第3の枝136は、接合ユニットの反対側にある。第1の枝132は、その主鎖内に第1の固定子ユニット140を含み、接合ユニット138は第2の固定子ユニットからなり、第1の枝はさらに、第1の固定子ユニットと第2の固定子ユニットとの間のその主鎖内に回転子ユニット142を含んでいる。同様に、第2の枝134は、その主鎖内に第3の固定子ユニット144を含み、接合ユニット138は第2の固定子ユニットからなり、第2の枝はさらに、第3の固定子ユニットと第2の固定子ユニットとの間のその主鎖内に第2の回転子ユニット146を含んでいる。所与の枝内に2つ以上の回転子ユニットを存在させ得ることは理解されよう。回転子ユニット142、146はいずれも、電極44、46によって適用される外部電界に応答して、関連する2つの固定子ユニット(第1の回転子ユニット142の場合には固定子ユニット138、140、第2の回転子ユニット146の場合には固定子ユニット138、144)に対して2つの状態間で回転する。当該分子ユニット130は、接続ユニット(図7には図示しないが、例1bを参照しながら以下に説明する)によって電極44、46に直に接続することも、又は2つの電極間において懸濁させることもできる。2つの回転子ユニット142、146は、同じものとすることも異なるものとすることもできる。それらの回転子ユニットが同じである場合には、分子システム130は、回転子ユニット142、146が、より強く共役している状態からより弱く共役している状態へと、又はその逆へと回転することによって生じる2つのエネルギー状態を有する。回転子ユニット142、146が異なる場合には、分子システム130は3つのエネルギー状態(両方の回転子がより強く共役している状態、一方の回転子がより弱く共役している状態、及び両方の回転子がより弱く共役している状態)を有する。
2つの回転子142、146は、同じスイッチ閾値を有する(同じ電界で切り替わる)全く同じ回転子とすることも、又は異なる回転子とすることもできる。スイッチ閾値は、回転子双極子モーメント及び回転抵抗(脱共役エネルギー、回転に対する立体斥力及びクーロン斥力)を含む要因の組み合わせによって決まる。
2回転子を有する「Y」配列分子のスイッチ状態の数は、それらの回転子が電気的に並列に接続されるか又は直列に接続されるか、及びそれらの回転子が異なる回転閾値を有するか否か、並びに第3の(受動的な)枝136が導電性であるか否かによって決まる。受動的な枝136が導電性であり、回転子が異なるスイッチ閾値を有する場合は、回転子の並列/直列状態に関係なく、常に3つのスイッチ状態(オフ、導電性、高い導電性)が存在するであろう。2つの回転子が同じスイッチ閾値を有し、受動的な枝136が導電性である場合には、常に2つのスイッチ状態、即ちオン及びオフが存在するであろう。受動的な枝136が非導電性である場合には、回転子がいずれのスイッチ状態で存在するにしても、回転子は直列に電気的に接続されなければならず、2つのスイッチ状態、即ちオン及びオフのみが存在する。
例1aは、本教示の概略的な分子の一例である。当該分子では、図6に示す構成に類似の「Y」配列が用いられている。しかしながら、絶縁性の枝34の代わりに、第2の回転子が第2の枝上に存在し、それは、接合ユニットと他の固定子ユニットとの間に接続されている。
Figure 2005268778
式中、Aは、(a)水素、(b)カルボン酸及びその誘導体、(c)硫酸及びその誘導体、(d)リン酸及びその誘導体、(e)ニトロ、(f)シアノ、(g)N、O、S、P、F、Cl及びBrから成る群から選択されるヘテロ原子、(h)前記ヘテロ原子のうちの少なくとも1つを有する官能基、(i)飽和あるいは不飽和炭化水素、並びに(j)置換炭化水素、から成る群から選択される電子求引基を含む受容基である。
Dは、(a)水素、(b)アミン、(c)OH、(d)SH、(e)エーテル、(f)飽和あるいは不飽和炭化水素、(g)置換炭化水素、並びに(h)B、Si、I、N、O、S及びPから成る群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有する官能基、から成る群から選択される電子供与基を含む供与基であって、受容基よりも電気的に陽性である供与基である。
回転子及び回転子は、個々独立して、種々の幾何学的構造を有する回転可能なシステムであり、同じスイッチ閾値を有する(同じ電界強度で切り替わる)全く同じ回転子とすることも、又は異なる回転子とすることもでき、それらは、単環式の置換芳香族炭化水素又は多環式の置換芳香族炭化水素、あるいは共役の発達したヘテロ環系から選択される共役システムである。この場合、(1)前記芳香族炭化水素あるいは置換芳香族炭化水素には、単環式の芳香族(即ち、ベンゼン又は置換ベンゼン)又は多環式の芳香族(即ち、ナフタレン又はその誘導体、アセナフタレン又はその誘導体、アントラセン又はその誘導体、フェナントレン又はその誘導体、ベンズアントラセン又はその誘導体、ジベンズアントラセン又はその誘導体、フルオレン又はその誘導体、ベンゾフルオレン又はその誘導体、フルオランテン又はその誘導体、ピレン又はその誘導体、ベンゾピレン又はその誘導体、ナフトピレン又はその誘導体、クリセン又はその誘導体、ペリレン又はその誘導体、ベンゾペリレン又はその誘導体、ペンタセン又はその誘導体、コロネン又はその誘導体、テトラフェニレン又はその誘導体、トリフェニレン又はその誘導体、デカシクレン又はその誘導体)のいずれかを用いることができ、(2)前記共役の発達したヘテロ環系には、単環式のヘテロ環(その環内に1つあるいは複数のヘテロ原子を有する5員環、6員環のいずれかを用いることができ、ただし芳香族ヘテロ環内のへテロ原子には、酸素、硫黄、セレン、窒素あるいは燐原子を用いることができ、単環式の5員ヘテロ環には、フラン及びその誘導体、ピロール及びその誘導体、チオフェン及びその誘導体、ポルフィン及びその誘導体、ピラゾール及びその誘導体、イミダゾール及びその誘導体、トリアゾール及びその誘導体、イソキサゾール及びその誘導体、オキサジアゾール及びその誘導体、チアゾール及びその誘導体、イソチアゾール及びその誘導体、チアジアゾール及びその誘導体のうちの1つを用いることができ、単環式の6員ヘテロ環には、ピリジン及びその誘導体、ピリダジン及びその誘導体、ピリミジン及びその誘導体、ウラシル及びその誘導体、アザウラシル及びその誘導体、ピラジン及びその誘導体、トリアジン及びその誘導体のうちの1つを用いることができる)あるいは縮合環式のヘテロ環(縮合環式の5員芳香族ヘテロ環、縮合環式の6員芳香族ヘテロ環のいずれかを用いることができ、ここで、縮合環式の5員芳香族ヘテロ環のグループには、インドール及びその誘導体、カルバゾール及びその誘導体、ベンゾフラン及びその誘導体、ジベンゾフラン及びその誘導体、チアナフテン及びその誘導体、ジベンゾチオフェン及びその誘導体、インダゾール及びその誘導体、アザインドール及びその誘導体、イミノスチルベン及びその誘導体、ノルハルマン及びその誘導体、ベンズイミダゾール及びその誘導体、ベンゾトリアゾール及びその誘導体、ベンゾイソキサゾール及びその誘導体、アントラニル及びその誘導体、ベンズオキサゾール及びその誘導体、ベンゾチアゾール及びその誘導体、トリアゾロピリミジン及びその誘導体、トリアゾロピリジン及びその誘導体、ベンズセレナゾール及びその誘導体、プリン及びその誘導体などのうちの1つを用いることができ、縮合環式の6員芳香族ヘテロ環には、キノリン及びその誘導体、ベンゾキノリン及びその誘導体、アクリジン及びその誘導体、イソキノリン及びその誘導体、ベンズアクリジン及びその誘導体、フェナトリジン及びその誘導体、フェナントロリン及びその誘導体、フェナジン及びその誘導体、キノキサリン及びその誘導体などのうちの1つを用いることができる)のいずれかを用いることができる。
固定子、固定子、固定子及び接続子は、(a)飽和あるいは不飽和炭化水素、及び(b)置換炭化水素から成る群から選択される、種々の幾何学的構造を有する固定された共役システムであり、その炭化水素ユニットは、平坦な状態(赤方偏移状態)にある場合に分子システムの拡張共役に寄与するところの共役環を含む。当該固定子は、任意に、少なくとも1つのブリッジング基、少なくとも1つのスペーシング基、あるいはその両方を含む。少なくとも1つのブリッジング基は、(a)アセチレン、エチレン、アミド、イミド、イミン及びアゾから成る群から選択され、固定子を回転子に接続するか、又は2つ以上の共役環を接続して、所望の光学的特性、電気的特性あるいはその両方を達成するために用いられるか、又は(b)回転子と固定子との間の単原子架橋及び直接σ結合から成る群から選択されるか、のいずれかである。少なくとも1つのスペーシング基は、フェニル、イソプロピル及びt−ブチルから成る群から選択され、各回転子のための回転の空間を設けながら、分子システムが互いに密集できるようにするための適切な3次元の枠組みを設けるために用いられる。
上記の「接続子」と付された要素は、3つの枝を有する固定子と見なすこともできることは理解されよう。さらに、固定子、固定子、固定子は、具体的用途に応じて、接続基CGを含むことも、含まないこともできることは理解されよう。
本明細書の例の中の部分A−Dは、回転子の回転に関して先述したように、外部電界に応答して、或るエネルギー状態から別のエネルギー状態に回転するところの、双極子モーメントを有する双極子を形成する。
以下の例1bは、本実施形態の実際の分子の例である。
Figure 2005268778
式中、Aは受容基である。
Dは供与基である。
CGは、ある分子と別の分子との間の、あるいはある分子と固体基材との間の、任意選択の接続ユニットである。それらには、単一の接続ユニットあるいは複数の接続ユニットを用いることができる。それらの接続ユニットには、水素(水素結合を利用)、多価へテロ原子(即ち、C、N、O、S、Pなど)、前記ヘテロ原子を含む官能基(例えば、NH、PHなど)、炭化水素(飽和、不飽和のいずれか)、又は置換炭化水素のうちの任意のものを用いることができる。
上記の例1bにおいて、水平方向の破線は、当該分子が任意に結合されるところの、他の分子あるいは固体基材(用途に応じて、電極あるいは電極以外のものを用いることができる)を表す。切替え電界の向きは、前記水平方向の破線に対して垂直である。あるいはまた、結合部(CG)はなくすことができ、分子を単に2つの電極間に配置することができる。上記の分子(例1b)は、内部回転子が分子全体の方位軸に対して30〜70°の角度にあるように設計されている。この場合、外部電界は、図示するように、分子の方位軸に沿って適用され、電極(水平方向の破線)は紙面に対して垂直に、且つ分子の方位軸に対して30〜70°の角度に向けられる。図面の上側から下側に向かって電界を適用することにより、回転子は、或る位置において、分子の残りの部分に対してより同一平面上にあるように、又は他の位置において、分子の残りの部分に対してさほど同一平面上にないように回転するであろう。後者の場合、即ち回転子が分子の残りの部分と同一平面上にない場合、これは当該分子の「オフ」状態である。一方、回転子が分子の残りの部分と同一平面上にある場合、これは当該分子の「オン」状態である。
上記説明では、両方の回転子が同じものであると仮定している。そのようなオン/オフスイッチは、メモリあるいは論理デバイスにおいて用いられるような電気的スイッチのために、あるいは2つの有色状態間(あるいは透明とある有色状態との間)の切り替えのために特に有用である。
例1bに示す分子は、より弱く共役している状態(あるいは「オフ」状態)にある場合、当該分子は導電性が低く、その色は色彩的に透明であり、即ちそのπシステムが「局在化している」状態へと青方偏移している。より強く共役している状態(「オン状態」)では、当該分子は明らかに高い導電率を示し、当該分子の色は赤方偏移している。
回転子が同じでない場合には、中間的なエネルギー状態を取ることができるようになる。3つ以上のエネルギー状態が存在する場合、各状態に異なる色を関連付けることができ、それによってカラーディスプレイを作製することができる。
例1bの分子の場合、例えばラングミュア−ブロジェット法あるいは自己組織化単分子膜を用いて、単一の単層分子膜を成長させて、それによって、分子の方位軸が、分子を切り替えるのに用いられる電極面に垂直になるようにする。電極は、上記のCollierらによって示された方法で、又は前述の特許出願に記載された方法で、付着させることができる。別のより厚い膜の付着技術には、気相成長法、コンタクト法又はインクジェットプリンティング法、あるいはシルクスクリーン法が含まれる。
図8は、本教示の分子システムの他の実施形態の概略モデル(回転子/固定子タイプモデル)であり、それは、分子配座の変化を介する電界誘導バンドギャップ変化を呈する。分子システム230は、4つの枝232、234、236、237(第1、第2、第3及び第4の枝)を有しており、各枝の一端が接合ユニット238に接続されて「X」配列を形成している。第1及び第2の枝232、234は、接合ユニット238の一方の側にあり、第3及び第4の枝236、237は、接合ユニットの反対側にある。各枝はその主鎖内に1つの固定子ユニットを含み、接合ユニット238は第2の固定子ユニットからなり、各枝は、固定子ユニットと接合ユニットとの間のその主鎖内に1つの回転子ユニットを含んでいる。枝232に関しては、回転子242は固定子ユニット238と240との間にあり、枝234に関しては、回転子246は固定子ユニット238と244との間にあり、枝236に関しては、回転子254は固定子ユニット238と252との間にあり、枝237に関しては、回転子250は固定子ユニット238と248との間にある。所与の枝内に2つ以上の回転子ユニットを存在させ得ることは理解されよう。各回転子ユニットは、電極44、46によって外部から適用される電界に応答して、その2つの固定子ユニットに対して2つの状態間で回転する。分子ユニット230は、接続ユニット(図8には図示しないが、例2bを参照しながら以下に説明する)を介して電極44、46に直に接続することも、又は2つの電極間において懸濁させることもできる。4つの回転子ユニット242、246、250、254には、同じユニットを用いることも、異なるユニットを用いることもできる。それらのユニットが同じである場合には、分子システム230は、回転子ユニット242、246、250、254が、より十分に共役が発達した状態に又はさほど共役が発達していない状態に回転することによって生じるところの2つのエネルギー状態を有する。回転子ユニット242、246、250、254が異なる場合には、分子システム230は、少なくとも4つの取り得るエネルギー状態を有する。電気的な切替えの場合には、4つのエネルギー状態(オフ−全ての回転子がオフ;導電性−接合ユニット238のそれぞれ反対側にある2つの回転子がオン;より高い導電性−3つの回転子がオン;さらに高い導電性−4つの回転子がオン)があり、光学的な切替えの場合には、5つのエネルギー状態(最大カラー−全ての回転子がオン;各回転子が異なる切替えエネルギーを有するものと仮定して、適用電界によって順に回転して、4つの回転子がオフに切り替えられる毎に異なる色)がある。
例2aは、本教示の別の一般的な分子の例である。当該分子では、X配列が用いられている。ここでは、4つの枝毎に1つの回転子が配置されており、それは、各枝の端部の接合ユニットと固定子ユニットとの間に接続されている。
Figure 2005268778
式中、Aは、(a)水素、(b)カルボン酸及びその誘導体、(c)硫酸及びその誘導体、(d)リン酸及びその誘導体、(e)ニトロ、(f)シアノ、(g)N、O、S、P、F、Cl及びBrから成る群から選択されるヘテロ原子、(h)前記ヘテロ原子のうちの少なくとも1つを有する官能基、(i)飽和あるいは不飽和炭化水素、並びに(j)置換炭化水素、から成る群から選択される電子求引基を含む受容基である。
Dは、(a)水素、(b)アミン、(c)OH、(d)SH、(e)エーテル、(f)飽和あるいは不飽和炭化水素、(g)置換炭化水素、並びに(h)B、Si、I、N、O、S及びPから成る群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有する官能基、から成る群から選択される電子供与基を含む供与基であって、受容基よりも電気的に陽性の供与基である。
回転子及び回転子は、個々独立して、種々の幾何学的構造を有する回転可能なシステムであり、それらは、同じスイッチ閾値を有する(同じ電界で切り替わる)全く同じ回転子とすることも、又は異なる回転子とすることもでき、単環式の置換芳香族炭化水素又は多環式の置換芳香族炭化水素、あるいは共役の発達したヘテロ環系から選択される共役システムである。この場合、(1)前記芳香族炭化水素あるいは置換芳香族炭化水素には、単環芳香族(即ちベンゼン又は置換ベンゼン)あるいは多環芳香族(即ち、ナフタレン又はその誘導体、アセナフタレン又はその誘導体、アントラセン又はその誘導体、フェナントレン又はその誘導体、ベンズアントラセン又はその誘導体、ジベンズアントラセン又はその誘導体、フルオレン又はその誘導体、ベンゾフルオレン又はその誘導体、フルオランテン又はその誘導体、ピレン又はその誘導体、ベンゾピレン又はその誘導体、ナフトピレン又はその誘導体、クリセン又はその誘導体、ペリレン又はその誘導体、ベンゾペリレン又はその誘導体、ペンタセン又はその誘導体、コロネン又はその誘導体、テトラフェニレン又はその誘導体、トリフェニレン又はその誘導体、デカシクレン又はその誘導体)のいずれかを用いることができ、(2)前記共役の発達したヘテロ環系には、単環式のヘテロ環(その環内に1つあるいは複数のヘテロ原子を有する5員環、6員環のいずれかを用いることができ、ただし芳香族ヘテロ環内のへテロ原子には、酸素、硫黄、セレン、窒素あるいは燐原子を用いることができ、単環式の5員ヘテロ環には、フラン及びその誘導体、ピロール及びその誘導体、チオフェン及びその誘導体、ポルフィン及びその誘導体、ピラゾール及びその誘導体、イミダゾール及びその誘導体、トリアゾール及びその誘導体、イソキサゾール及びその誘導体、オキサジアゾール及びその誘導体、チアゾール及びその誘導体、イソチアゾール及びその誘導体、チアジアゾール及びその誘導体のうちの1つを用いることができ、単環式の6員ヘテロ環には、ピリジン及びその誘導体、ピリダジン及びその誘導体、ピリミジン及びその誘導体、ウラシル及びその誘導体、アザウラシル及びその誘導体、ピラジン及びその誘導体、トリアジン及びその誘導体のうちの1つを用いることができる)あるいは縮合環式のヘテロ環(縮合環式の5員芳香族ヘテロ環、縮合環式の6員芳香族ヘテロ環のいずれかを用いることができ、ここで、縮合環式の5員芳香族ヘテロ環のグループには、インドール及びその誘導体、カルバゾール及びその誘導体、ベンゾフラン及びその誘導体、ジベンゾフラン及びその誘導体、チアナフテン及びその誘導体、ジベンゾチオフェン及びその誘導体、インダゾール及びその誘導体、アザインドール及びその誘導体、イミノスチルベン及びその誘導体、ノルハルマン及びその誘導体、ベンズイミダゾール及びその誘導体、ベンゾトリアゾール及びその誘導体、ベンゾイソキサゾール及びその誘導体、アントラニル及びその誘導体、ベンズオキサゾール及びその誘導体、ベンゾチアゾール及びその誘導体、トリアゾロピリミジン及びその誘導体、トリアゾロピリジン及びその誘導体、ベンズセレナゾール及びその誘導体、プリン及びその誘導体などのうちの1つを用いることができ、縮合環式の6員芳香族ヘテロ環には、キノリン及びその誘導体、ベンゾキノリン及びその誘導体、アクリジン及びその誘導体、イソキノリン及びその誘導体、ベンズアクリジン及びその誘導体、フェナトリジン及びその誘導体、フェナントロリン及びその誘導体、フェナジン及びその誘導体、キノキサリン及びその誘導体などのうちの1つを用いることができる)のいずれかを用いることができる。。
固定子、固定子、固定子、固定子及び接続子は、(a)飽和あるいは不飽和炭化水素、及び(b)置換炭化水素から成る群から選択される、種々の幾何学的構造を有する固定された共役システムであり、その炭化水素ユニットは、平坦な状態(赤方偏移状態)にある場合に当該分子システムの拡張共役に寄与する共役環を含んでいる。固定子は、任意に、少なくとも1つのブリッジング基、少なくとも1つのスペーシング基、あるいはその両方を含む。少なくとも1つのブリッジング基は、(a)アセチレン、エチレン、アミド、イミド、イミン及びアゾから成る群から選択され、固定子を回転子に接続するか、あるいは2つ以上の共役環を接続して、所望の光学的特性、電気的特性あるいはその両方を達成するために用いられるか、又は(b)回転子と固定子との間の単原子架橋及び直接σ結合から成る群から選択されるか、のいずれかとし得る。少なくとも1つのスペーシング基は、フェニル、イソプロピル及びt−ブチルから成る群から選択され、且つ各回転子のための回転の空間を設けながら、分子システムが互いに密集できるようにするための適切な3次元の枠組みを設けるために用いられる。
上記の「接続子」と付された要素は、4つの枝を有する固定子と見なすこともできることは理解されよう。さらに、固定子、固定子、固定子、固定子は、具体的用途に応じて、接続基CGを含むことも、含まないこともあり得ることは理解されよう。
以下の例2bは、本実施形態の実際の分子の例である。
Figure 2005268778
式中、Aは受容基である。
Dは供与基である。
CGは、任意選択の接続基である。
例1bと同様に、CG基を介して直に接続することにより、あるいは2つの電極間に懸架することにより、当該分子が関連付けられるところの電極が示されている。
本開示の、電界により切替え可能な分子は、図1〜図5に示す電気的スイッチあるいは光学的スイッチの用途において、並びに先述したような他の電気的及び光学的な用途に用いることができる。
具体的には、本発明には、従来技術とは区別される新しいタイプの切り替え(スイッチング)メカニズムが採用されており、それは即ち、分子の回転可能部(回転子)の電界(「E」)誘導回転による分子のバンドギャップ変化である。当該分子は、従来技術の手法とは対照的に、スイッチを切り替える際に、全く酸化も還元もされない。また分子の可動部は極めて小さいため、切替え時間は非常に短いものと予想される。また、当該分子は、ロタキサン、カテナン及び関連する化合物よりもはるかに単純であり、それゆえ、製造がより容易で且つ低コストとなる。
本明細書に開示され且つ特許請求されるクロスワイヤ(マイクロメートルあるいはナノメートル)の形成技術を用いることで、種々の機能を実現することができ、且つマイクロスケール、さらにはナノスケール規模の、コンピュータ処理を実施するための種々の有用なデバイス及び回路を形成することができる。例えば、それらの用途には、分子ワイヤクロスバーメモリ(米国特許第6,128,214号)、信号ルーティング及び通信用の分子ワイヤクロスバー配線(MWCI)(米国特許第6,314,019号)、分子ワイヤクロスバーメモリ(米国特許第6,128,214号)、プログラマブルロジックアレイを用いる分子ワイヤクロスバーロジック(MWCL)、分子ワイヤクロスバーネットワークのためのデマルチプレクサ(米国特許第6,256,767号)、分子ワイヤトランジスタ(米国特許第6,559,468号)及びディスプレイ用のピクセルをアドレス指定するためのアドレス指定可能な電極マトリクス(米国特許第6,556,470号)が含まれる。例えば、図2に示すように、スイッチ10を2次元アレイ状にいくつも形成することで、複数のスイッチ、即ちスイッチアレイ60を形成して、クロスバースイッチ60を形成することができる。
さらに、本明細書に開示し且つ特許請求する光スイッチ(マイクロメートルあるいはナノメートル)の形成技術を用いることで、ディスプレイ、電子ブック、書換え可能媒体、電気的に調整可能な光学レンズ、窓及びミラーの電気制御による着色、数多くの入力チャネルのうちの1つから数多くの出力チャネルのうちの1つに信号を送るための光クロスバースイッチなどを製造することができる。
本教示は、それを組み合わせることで、容易にクロスバーあるいは他の回路を形成することができる、可逆的な分子電子及び/又は光スイッチを提供する。当該クロスバー回路は、先述の一連の特許出願及び発行済みの特許に記載されている。当該回路は、メモリ、ロジック及び通信機能を提供する。電子スイッチの一例は、いわゆるクロスワイヤデバイスであり、当該デバイスは、或るワイヤが別のワイヤと0°以外の角度で交差する接合部を形成する一対の交差したワイヤと、前記接合部において一対の交差するワイヤを接続する少なくとも1つのコネクタ種とから構成される。前記接合部は、ナノメートルスケールの機能寸法を有し、多層の場合にはそれよりも大きな機能寸法を有する。コネクタ種には、本明細書に開示し且つ特許請求する分子システムが含まれる。
本教示は、新たなタイプの切替えメカニズム、即ち分子の回転可能な中央部(回転子)の電界誘導回転を採用する。それゆえ、当該分子は、スイッチを切り替える際に酸化も還元もされないため、化学結合を破壊する必要性、不可逆的な反応が起こる可能性がなくなる。また、分子の可動部が極めて小さいため、切替え時間が非常に短いものと考えられる。当該分子はまた、ロタキサン及び関連する化合物よりもはるかに単純であり、それゆえ、製造するのがより容易且つ低コストである。
本明細書に開示するデバイスは、概して、電界デバイスと見なされ、電気化学デバイスを対象にした初期の実施形態(先述の関連特許出願及び特許に記載のもの)とは区別されるべきである。
本明細書に開示する分子システムは、限定はしないが、メモリ、論理デバイス、マルチプレクサ、デマルチプレクサ、集積回路用の構成可能な配線、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、クロスバースイッチ、及び携帯電話、モバイル機器、携帯情報端末(PDA)、ディスプレイ及び光スイッチのような通信デバイスをはじめとする、種々の応用形態において、用途を見出すものと期待される。
4つ以上の枝を含む他の構造も用いることができる。例えば、基材に平行な主鎖と、その主鎖に見かけ上直交するように配向し且つ基材に接続されている多数(5つ以上)の回転子を含む枝とを有する、両側ブラシあるいは両側櫛構造を構成することができる。その主鎖は、例えば、ポリフェニルタイプ構造のような、一連の共役した又は共役していない固定子から構成することができる。この場合、5つ以上の枝は、本明細書の教示の範囲内で、実現可能である。
これまで、多数の種々の回転子に関する複数のエネルギー状態の概念について説明してきた。一般的な場合には、n個の回転子を有するシステムは、最高n+1の取り得るデジタルスイッチ状態(全ての回転子がオフ状態の場合を含む)を有する。各回転子は、電界が回転子の双極子モーメントによって規定される閾値以上である場合は、常に切り替わるであろう。それゆえ、4個の回転子を有するシステムの例では、電界が0から線形に増加する場合、0000、1000、1100、1110、1111のスイッチ状態が存在する(回転子が、最小切替え電界に従って順に並べられている場合)。色あるいは電気的な機能の両方において、部分的に回転子が回転している中間的なスイッチ状態も取り得るであろう。
産業上の利用の可能性
本明細書に開示する、電界によって切替え可能な分子は、マイクロスケール及びナノスケールの電子デバイスにおいて、並びに種々の視認ディスプレイをはじめとする、マイクロスケール、さらにはナノスケールの構成要素から構成される光デバイスにおいて用途を見出すものと期待される。
2本のワイヤの交点に少なくとも1つの分子を有する2つの交差したワイヤの概略図 図1a記載のデバイスを示す斜視正面図 6×6クロスバースイッチを示す本発明のスイッチの二次元アレイを示す概略図 本発明に従って用いるための2色(例えば白黒)ディスプレイ画面の概略図(斜視透視図) 図3記載のディスプレイ画面の、着色剤層要素の詳細図 本発明に従って用いるためのフルカラーディスプレイ画面の概略図(斜視透視図) 本発明に従って用いるための2色ディスプレイ画面の、走査アドレス指定の実施形態の概略図 分子配座の変化を介する電界誘導バンドギャップ変化を示す概略モデル(回転子/固定子タイプモデル) 図6に類似であるが、2つの枝のそれぞれに1つの回転子ユニットを有する「Y」配列の概略モデル 図7に類似であるが、4つの枝のそれぞれに1つの回転子ユニットを有する「X」配列の概略モデル
符号の説明
44、46 基材(又は電極)
130、230 分子システム
132、134、136、232、234、236、237 枝
138、238 接合ユニット
140、144、240、244、248、252 固定子(ユニット)
142、146、242、246、250、254 回転子(ユニット)

Claims (17)

  1. 少なくとも3つの枝(132、134、136;232、234、236、237)を有する分子システム(130;230)であって、前記枝の各々の一端が不動の接合ユニット(138;238)に接続されており、且つ前記枝のうちの2つ(132、134;232、234)が前記接合ユニット(138;238)の一方の側にあり、少なくとも1つの他の枝(136;236、237)が前記接合ユニット(138;238)の反対側にある分子システムであって、
    前記分子システム(130)が3つの枝(132、134、136)を含み、前記2つの枝(132、134)の各々がその主鎖内に不動の固定子ユニット(140、144)を含み、前記2つの枝(132、134)の各々が前記固定子ユニット(140、144)と前記接合ユニット(138)との間のその主鎖内に少なくとも1つの回転可能な回転子ユニット(142、146)をさらに含んでいるか、又は、
    前記分子システム(230)が4つの枝(232、234、236、237)を含み、前記枝のうちの2つ(232、234)が前記接合ユニット(238)の一方の側にあり、2つの他の前記枝(236、237)がその反対側にあり、且つ各枝(232、234、236、237)がその主鎖内に1つの不動の固定子ユニット(240、244、252、248)を含み、各枝(232、234、236、237)が前記固定子ユニット(240、244、252、248)と前記接合ユニット(238)との間のその主鎖内に1つの回転可能な回転子ユニット(242、246、254、250)をさらに含んでいるか、の何れかであって、
    前記回転子ユニット(242、246、254、250)の各々が、外部から適用される電界によって2つの状態間で回転する、分子システム。
  2. 前記分子システム(130)が、3つの枝(132、134、136)を含み、それによって「Y」配列を形成する、請求項1に記載の分子システム。
  3. 第3の枝(136)が、その主鎖内に第3の不動の固定子ユニットを含む、請求項2に記載の分子システム(130)。
  4. 以下の一般構造
    Figure 2005268778
    〔式中、Aは、(a)水素、(b)カルボン酸及びその誘導体、(c)硫酸及びその誘導体、(d)リン酸及びその誘導体、(e)ニトロ、(f)シアノ、(g)N、O、S、P、F、Cl及びBrから成る群から選択されるヘテロ原子、(h)前記ヘテロ原子のうちの少なくとも1つを有する官能基、(i)飽和あるいは不飽和炭化水素、並びに(j)置換炭化水素から成る群から選択される電子求引基を含む受容基であり、
    は、(a)水素、(b)アミン、(c)OH、(d)SH、(e)エーテル、(f)飽和あるいは不飽和炭化水素、(g)置換炭化水素、並びに(h)B、Si、I、N、O、S及びPから成る群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有する官能基、から成る群から選択される電子供与基を含む供与基であって、前記受容基よりも電気的に陽性の供与基であり、
    回転子及び回転子は、個々独立して、種々の幾何学的構造を有する回転可能なシステムであり、それらは、同じスイッチ閾値を有する(同じ電界で切り替わる)全く同じ回転子でも、又は異なる回転子でもよく、且つそれらは、単環式の置換芳香族炭化水素、多環式の置換芳香族炭化水素、又は共役の発達したヘテロ環系から選択される共役システムであり、ここで、(1)前記芳香族炭化水素あるいは前記置換芳香族炭化水素には、単環芳香族あるいは多環芳香族のいずれかを用いることができ、(2)前記共役の発達したヘテロ環系には、単環式のヘテロ環あるいは縮合環式のヘテロ環のいずれかを用いることができ、
    固定子、固定子、固定子及び接続子は、(a)飽和あるいは不飽和炭化水素、及び(b)置換炭化水素から成る群から選択される、種々の幾何学的構造を有する固定された共役システムであり、ここで、前記炭化水素ユニットは、平坦な状態(赤方偏移状態)の場合に前記分子システムの拡張共役に寄与する共役環を含み、前記固定子は任意に少なくとも1つのブリッジング基G、少なくとも1つのスペーシング基R、あるいはその両方を含み、ここで、前記少なくとも1つのブリッジング基は、(a)アセチレン、エチレン、アミド、イミド、イミン及びアゾから成る群から選択され、且つ前記固定子を前記回転子に接続するか、あるいは2つ以上の共役環を接続して、所望の光学的特性、電気的特性あるいはその両方を達成するために用いられるか、又は(b)前記回転子と前記固定子との間の単原子架橋及び直接σ結合から成る群から選択されるかのいずれかであり、前記少なくとも1つのスペーシング基は、フェニル、イソプロピル及びt−ブチルから成る群から選択され、且つ各回転子のための回転の空間を設けながら、分子システムが互いに密集できるようにするための適切な3次元の枠組みを設けるために用いられる〕を有する、請求項2に記載の分子システム(130)。
  5. 前記分子システム(230)が、4つの枝(232、234、236、237)を含み、それによって「X」配列を形成する、請求項1に記載の分子システム。
  6. 以下の一般構造
    Figure 2005268778
    〔式中、Aは、(a)水素、(b)カルボン酸及びその誘導体、(c)硫酸及びその誘導体、(d)リン酸及びその誘導体、(e)ニトロ、(f)シアノ、(g)N、O、S、P、F、Cl及びBrから成る群から選択されるヘテロ原子、(h)前記ヘテロ原子のうちの少なくとも1つを有する官能基、(i)飽和あるいは不飽和炭化水素、並びに(j)置換炭化水素、から成る群から選択される電子求引基を含む受容基であり、
    は、(a)水素、(b)アミン、(c)OH、(d)SH、(e)エーテル、(f)飽和あるいは不飽和炭化水素、(g)置換炭化水素、並びに(h)B、Si、I、N、O、S及びPから成る群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有する官能基、から成る群から選択される電子供与基を含む供与基であって、前記受容基よりも電気的に陽性の供与基であり、
    回転子及び回転子は、個々独立して、種々の幾何学的構造を有する回転可能なシステムであり、それらは、同じスイッチ閾値を有する(同じ電界で切り替わる)全く同じ回転子でも、又は異なる回転子でもよく、且つ単環式の置換芳香族炭化水素、多環式の置換芳香族炭化水素、又は共役の発達したヘテロ環系から選択される共役システムであり、ここで、(1)前記芳香族炭化水素あるいは置換芳香族炭化水素には、単環式の芳香族あるいは多環式の芳香族のいずれかを用いることができ、(2)共役の発達したヘテロ環系には、単環式のヘテロ環あるいは縮合環式のヘテロ環のいずれかを用いることができ、
    固定子、固定子、固定子、固定子及び接続子は、(a)飽和あるいは不飽和炭化水素、及び(b)置換炭化水素から成る群から選択される、種々の幾何学的構造を有する固定された共役システムであり、且つ前記炭化水素ユニットが平坦な状態(赤方偏移状態)である場合は、前記分子システムの拡張共役に寄与する共役環を含み、前記固定子は任意に少なくとも1つのブリッジング基G、少なくとも1つのスペーシング基R、あるいはその両方を含み、前記少なくとも1つのブリッジング基は、(a)アセチレン、エチレン、アミド、イミド、イミン及びアゾから成る群から選択され、且つ前記固定子を前記回転子に接続するか、あるいは2つ以上の共役環を接続して、所望の光学的特性、電気的特性あるいはその両方を達成するために用いられるか、又は(b)前記回転子と前記固定子との間の単原子架橋及び直接σ結合から成る群から選択されるかのいずれかであり、前記少なくとも1つのスペーシング基は、フェニル、イソプロピル及びt−ブチルから成る群から選択され、且つ各回転子のための回転の空間を設けながら、分子システムが互いに密集できるようにするための適切な3次元の枠組みを設けるために用いられる〕を有する、請求項5に記載の分子システム(230)。
  7. (1)前記回転子(142、146;242、246、254、250)のうちの少なくともいくつかが同じ双極子モーメントを有するか、又は
    (2)全ての前記回転子(142、146;242、246、254、250)が同じ双極子モーメントを有するか、又は
    (3)全ての前記回転子(142、146;242、246、254、250)が互いとは異なる双極子モーメントを有するか、
    のいずれかである、請求項1に記載の分子システム(130;230)。
  8. 前記枝(132、134、136;232、234、236、237)の各々が、さらに、その末端に少なくとも1つの接続ユニットを含み、前記接続ユニットが前記分子システム(130;230)を他の分子システム(130;230)又は基材に接続する、請求項1に記載の分子システム(130;230)。
  9. 前記枝(132、134、136;232、234、236、237)の各々が、さらに、少なくとも1つのブリッジング基及び少なくとも1つのスペーシング基から成る群から選択される少なくとも1つの成分を含み、この場合、前記少なくとも1つのブリッジング基は固定子(138、140、144;238、240、244、252、248)を回転子(142、146;242、246、254、250)に接続するか、又は少なくとも2つの共役環を接続して、電気的効果及び光学的効果から成る群から選択される所望の効果を達成し、且つ前記少なくとも1つのスペーシング基は、各回転子(142、146;242、246、254、250)のための回転の空間を設けながら、分子システム(130;230)が他の分子システム(130;230)と共に密集できるようにするための適切な3次元の枠組みを設けるために用いられる、請求項1に記載の分子システム(130;230)。
  10. 前記2つの枝(132、134:232、234)の各々が第1の電極(46)に接続され、前記少なくとも1つの他の枝(136;236、237)が第2の電極(44)に接続されている請求項1に記載の分子システム(130;230)であって、前記外部から適用される電界をそれに接続することによって電気的スイッチが形成され、各回転子部(142、146;242、246、254、250)が、前記電界の適用時に、関連する固定子部(138、140、144;238、240、244、252、248)に対して、少なくとも2つの異なる状態間で回転し、それによって前記分子システム(130;230)内にバンドギャップ変化を引き起こし、この場合、第1の状態では、分子システム(130;230)の少なくとも大部分にわたって拡張共役が存在し、その結果バンドギャップが相対的に小さくなり、第2の状態では、前記拡張共役が変化し、その結果バンドギャップが相対的に大きくなり、その中間の状態では、前記共役の程度が前記第1の状態の共役と前記第2の状態の共役との中間である、請求項1に記載の分子システム(130;230)。
  11. あるワイヤ(12)が別のワイヤ(14)と0°以外の角度で交差する接合部(18)を形成している一対の交差したワイヤ(12、14)と、前記接合部(18)において前記一対の交差したワイヤ(12、14)を接続する少なくとも1つのコネクタ種(16)とを含んで成るクロスワイヤデバイス(10)を含む請求項10に記載の電気的スイッチであって、前記接合部(18)がナノメートルスケールの機能寸法を有し、前記少なくとも1つのコネクタ種(16)が前記分子システム(130;230)を含む、電気的スイッチ。
  12. 前記2つの枝(132、134;232、234)の各々が第1の電極(46)に電気的に接続され且つ前記少なくとも1つの他の枝(136;236、237)が第2の電極(44)に電気的に接続されるように、前記分子システム(130;230)が2つの電極(44、46)間に懸架されている請求項1に記載の分子システム(130;230)であって、前記外部から適用される電界をそれに接続することによって、光スイッチが形成され、各回転子部(142、146;242、246、254、250)が、前記電界の適用時に、関連する固定子部(138、140、144;238、240、244、252、248)に対して、少なくとも2つの異なる状態間で回転し、それによって前記分子システム(130;230)のバンドギャップ変化を引き起こし、この場合、第1の状態では、分子システムの少なくとも大部分にわたって拡張共役が存在し、その結果バンドギャップが相対的に小さくなり、第2の状態では、前記拡張共役が変化し、その結果バンドギャップが相対的に大きくなり、その中間の状態では、前記共役の程度が前記第1の状態の共役と前記第2の状態の共役との中間である、請求項1に記載の分子システム。
  13. 前記分子システム(130;230)が双安定性であり、不揮発性の構成要素を提供する、請求項12に記載の光スイッチ。
  14. 前記分子システム(130;230)が、本質的に、異なる状態の間に低い活性化障壁を有し、それによって高速ではあるが、揮発性のスイッチを提供する、請求項12に記載の光スイッチ。
  15. 前記分子システム(130;230)が3つ以上の切替え可能な状態を有し、それによって、徐々に弱くなる又は強くなる電界を適用することによって前記分子システム(130;230)の光学的特性を連続して調整されるようにし揮発性スイッチを形成するか、又は少なくとも1つの活性化障壁を有するスイッチに電圧パルスを適用することによって色が瞬時に変更されるようにする、請求項12に記載の光スイッチ。
  16. 前記分子システム(130;230)が、(1)透明な状態と少なくとも1つの有色状態との間で、又は(2)或る有色状態と少なくとも1つの他の有色状態との間で、変化する、請求項12に記載の光スイッチ。
  17. 前記分子システム(130;230)が、或る屈折率と少なくとも1つの他の屈折率との間で変化する、請求項12に記載の光スイッチ。
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