JP2005266664A - 電磁波発生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 発生させる電磁波の周波数を連続的に可変できる電磁波発生装置を提供する。
【解決手段】 電磁波発生装置は、所定の周波数範囲にわたる連続的な帯域を有する光源と、前記光源からの光のうち、前記帯域の間の少なくとも2つの異なる第1周波数及び第2周波数の光を選択する光フィルタと、入力された前記第1周波数の光と前記第2周波数の光との周波数差の絶対値の周波数を有する電磁波を発生させる光−電磁波変換器とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 電磁波発生装置は、所定の周波数範囲にわたる連続的な帯域を有する光源と、前記光源からの光のうち、前記帯域の間の少なくとも2つの異なる第1周波数及び第2周波数の光を選択する光フィルタと、入力された前記第1周波数の光と前記第2周波数の光との周波数差の絶対値の周波数を有する電磁波を発生させる光−電磁波変換器とを備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、異なる2つの周波数の光を用いて電磁波を発生させる電磁波発生装置に関する。
光ファイバ無線システムにおいて、ミリ波・マイクロ波帯などにおける光変調はキーとなる技術であるが、電極損や位相不整合の影響で高周波帯域での変調効率は低く、変調器をドライブするには大振幅のRF信号が必要となっている。これを解決する手段として、2台のレーザ光源の出力光を光合波器により合波し、その2つの光の周波数差のビート信号を発生させ、これと同じ周波数の強度変調を光に付加する方法を用いた装置がある(例えば、特許文献1参照。)。この方法では、レーザ光を電磁波信号で変調しないため変調器やドライブ回路が不要である。したがって、発生できる信号帯域幅は、変調器やドライブ回路の帯域幅で制限されることがない。
しかし、上記の方法ではレーザ光源に周波数ゆらぎが発生すると、発生する電磁波周波数が変化してしまう。例えば、レーザ光源の周波数が193.5484THz(1550.0nm)、レーザ光源1bの周波数が193.4860THz(1550.5nm)とする。それぞれのレーザ光源に±1.25GHz(±0.01nm)の周波数ゆらぎがあるとすると、発生する電磁波周波数は59.92GHz〜64.91GHzと大きく変動してしまう。そこで、このような伝送装置においては、ビート信号の信号純度を高めるため、光位相同期ループなどの位相比較機構を備える場合が多い。しかしこの位相比較機構は複雑な構成であり、光強度検出器や基準電磁波信号源といった高額な装置も必要で、低コスト化が図れないといった問題があった。
上記の問題点を解決する手段を持った装置として、ある一定周波数の周期の離散的なスペクトルを有するコヒーレント白色光源と、アレイ導波路回折格子型フィルタ(AWG)などの光フィルタを用いた装置がある(例えば、特許文献2参照。)。このコヒーレント白色光源からのコヒーレント光を、光フィルタに入力する。光フィルタは、コヒーレント白色光源の離散的なスペクトルのうち、2本のスペクトルだけを出力する。このような構成により、コヒーレント白色光源と光フィルタによって2つの異なった周波数のコヒーレント光を選択し、2つの周波数の差の電磁波信号を発生させる事ができる。
しかし、この装置では、コヒーレント白色光源のスペクトル間隔の整数倍の周波数しか発生させる事ができない。また、実際の通信システムで使用する際には伝送する信号でベースバンド変調をする必要がある。しかし、この装置では振幅変調をする事は容易であるが、発生できる周波数が決まっており、発生させる電磁波の周波数を連続的に変化させることはできない。
また、従来の電磁波発生装置においては、外部に光強度変調器を接続して、データ信号によって振幅変調を施すことが多い。また、光電磁波変換器のDCバイアス調整器を制御する事で振幅変調を施す装置もある。
上記に示したように、電磁波信号をレーザ光を用いて伝送し発生させる従来の装置においては、2台のレーザ光の周波数を安定させるために、高度な位相比較機構が必要であるという問題があった。また、上述のように離散的なスペクトルを持つコヒーレント光源から周波数の異なった2つの光を生成し、その周波数差に対応する周波数の電磁波を得るという手段がある。しかし、光源のスペクトルが離散的であるため、生成できる周波数が限定され微調整できず、周波数変調が難しいという問題があった。
また、実際の移動体通信においては、電磁波の受信位置によって受信強度が変動するため、受信した信号をリミッタなどによって振幅を一定にする処理を行っている。その際、振幅変調でデータを伝送していると、受信位置によってリミッタの増幅度が変動し、ノイズレベルが大きく変化してしまい、データを正確に伝送する事が困難である。そこで、移動体通信には周波数変調を用いる事が多い。しかし、前述のように、従来の電磁波発生装置では、振幅変調でのデータ伝送は容易であるが周波数変調によってデータ伝送を行うのは非常に困難であった。
そこで、本発明の目的は、発生させる電磁波の周波数を連続的に可変できる電磁波発生装置を提供することである。
本発明に係る電磁波発生装置は、所定の周波数範囲にわたる連続的な帯域を有する光源と、
前記光源からの光のうち、前記帯域の間の少なくとも2つの異なる第1周波数及び第2周波数の光を選択する光フィルタと、
入力された前記第1周波数の光と前記第2周波数の光との周波数差の絶対値の周波数を有する電磁波を発生させる光−電磁波変換器と
を備えたことを特徴とする。
前記光源からの光のうち、前記帯域の間の少なくとも2つの異なる第1周波数及び第2周波数の光を選択する光フィルタと、
入力された前記第1周波数の光と前記第2周波数の光との周波数差の絶対値の周波数を有する電磁波を発生させる光−電磁波変換器と
を備えたことを特徴とする。
本発明に係る電磁波発生装置によれば、所定の周波数範囲にわたる連続的な帯域を有する光源と、その帯域の間の少なくとも2つの異なる第1周波数及び第2周波数の光を選択する光フィルタと、入力された2つの光の周波数差の絶対値の周波数を有する電磁波を発生させる光−電磁波変換器とを備える。発生する電磁波の周波数は、光フィルタで選択した光の周波数差だけに依存するため、極めて周波数安定性の高い電磁波が得られる。また、所定のフィルタを用いることで、光源の連続的な帯域の範囲で発生させる電磁波の周波数を任意に変化させることができる。
また、光フィルタで選択する2つの光のうち少なくとも一方の光の周波数を制御する光フィルタ制御部を設けることで、発生させる電磁波の周波数を制御することができる。さらに、信号源を設けることで、該信号源から光フィルタ制御部へ信号を伝達し、それに応じて発生させる電磁波の周波数を変化させて、周波数変調により信号を伝送することができる。これにより、従来では難しかった周波数変調が容易に行うことができ、非常に安価な電磁波発生装置が構成できる。
さらに、単一光源からの光を光分波器によって分波し、それぞれのコヒーレント光を光フィルタに通して各光路で異なる周波数の光を選択させ、2つの光を光合波器によって合波し、光−電磁波変換器に導いて、2つの光の周波数差に対応する周波数を有する電磁波を発生させる構成としてもよい。これにより、光を分岐してそれぞれの光フィルタでコヒーレント光を発生させることで、様々な周波数に対応でき、製造時のバラツキを調整できる。
本発明の実施の形態に係る電磁波発生装置について、添付図面を用いて説明する。なお、図面において、実質的に同一の部材には同一の符号を付している。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係る電磁波発生装置について説明する。図1は、この電磁波発生装置10の構成を示すブロック図である。この電磁波発生装置10は、図2に示すように周波数スペクトルの広いコヒーレント光を発する光源1と、広い周波数スペクトルを持つコヒーレント光から、図3に示すように異なる2つの周波数の光を選択する光フィルタ2と、選択した異なる2つの光の周波数差による強度変調を有する光ビート信号を、図4に示すように2つの光の周波数差に対応する周波数を有する電磁波に変換する光−電磁波変換器3とを備える。また、伝送させるデータ信号を発生する信号源4と、信号源4からのデータ信号に応じて光フィルタ2で選択する光の周波数を制御する制御部5とを備えてもよい。以下に、この電磁波発生装置10を構成する各部について説明する。
本発明の実施の形態1に係る電磁波発生装置について説明する。図1は、この電磁波発生装置10の構成を示すブロック図である。この電磁波発生装置10は、図2に示すように周波数スペクトルの広いコヒーレント光を発する光源1と、広い周波数スペクトルを持つコヒーレント光から、図3に示すように異なる2つの周波数の光を選択する光フィルタ2と、選択した異なる2つの光の周波数差による強度変調を有する光ビート信号を、図4に示すように2つの光の周波数差に対応する周波数を有する電磁波に変換する光−電磁波変換器3とを備える。また、伝送させるデータ信号を発生する信号源4と、信号源4からのデータ信号に応じて光フィルタ2で選択する光の周波数を制御する制御部5とを備えてもよい。以下に、この電磁波発生装置10を構成する各部について説明する。
まず、周波数スペクトルの広いコヒーレント光を発する光源1について説明する。図2は、光源1の周波数ν1からν2にわたって連続的なスペクトル特性を示す概略図である。光源1は、発生させる電磁波の周波数以上の帯域幅を有する広い帯域幅の光源であればよい。さらに、この光源1は、位相コヒーレントな光源であることが好ましい。また、光フィルタ2で異なる2つの周波数の光を帯域幅の中で任意に選択できるようにするために、帯域にわたって連続である。この光源1としては、例えば、スーパールミネッセントダイオードのような広い帯域幅をもった光源を用いることが好ましい。図2のスペクトル特性を参照すると、周波数ν1から周波数ν2までの帯域を有する光源の場合には、例えば、60GHzの電磁波を発生させるためには帯域幅(ν2−ν1)が60GHz以上(0.64nm以上)であればよい。このような光源の例として、Fermionics Lasertech社製のスーパールミネッセントダイオードSLD−1550−DIPなどを用いることができる。このスーパールミネッセントダイオードの帯域幅は、3.67THz〜6.05THz(30〜50nm)であり、十分広い帯域幅を有している。
次に、光源1の出力光が入力される光フィルタ2について説明する。図3は、異なる2つの周波数で急峻な透過率ピークを有する透過型フィルタの透過特性を示す概略図である。光フィルタ2は、光源1からの広いスペクトルから少なくとも異なる2つの周波数ν3、ν4の光を選択する。この光フィルタ2としては、例えば、2つの周波数の光を透過させる透過型フィルタであってもよく、あるいは、2つの周波数の光を反射させる反射型フィルタであってもよい。透過型フィルタの場合には、例えば、光源1から光−電磁波変換器3への光路中に光フィルタ2を挿入する。一方、反射型フィルタの場合には、例えば、光源1から光−電磁波変換器3への光路からサーキュレータで反射型フィルタに導き、反射型フィルタで反射させた2つの周波数の光を再びサーキュレータを介して光路に戻す構成をとればよい。この実施の形態1では、2つの周波数の光を透過させる透過型フィルタについて述べる。なお、反射型フィルタの例については実施の形態4及び5で後述する。
この光フィルタ2には、図3に示すように、異なる2つの周波数ν3、ν4について急峻な透過率ピークが形成されている。この透過率ピークの半値幅は、なるべく狭い方がよりコヒーレントな光を作り出せる。例えば、半値幅を10GHzにして作成したファイバグレーティングフィルタを用いたところ、電磁波は発生したものの雑音成分が多く、光−電磁波変換器が飽和状態になり、S/N比が非常に悪い電磁波しか発生できなかった。次に、半値幅を2GHz〜5GHzにして作成したファイバグレーティングフィルタを用いたところ、近距離の伝送ならば使用できる程度の電磁波が発生できた。また半値幅を1GHzとして作成したファイバグレーティングフィルタを用いると十分な特性の電磁波を得る事ができた。この結果から、光フィルタ2には、半値幅が1GHz以下の急峻な透過率ピークを形成することが最適である。
また、光フィルタ2には、ファイバグレーティングフィルタや薄膜多層膜フィルタ、導波路グレーティングフィルタなど、急峻な透過率ピークが形成できるものであれば用いることができる。なお、光フィルタ2としては、ファイバグレーティングフィルタを用いたものが最も急峻な透過率ピークを形成することができるので最適である。
本実施の形態1では、光フィルタ2に特定の波長を透過する狭帯域通過フィルタを用いる。図5は、グレーティングの例を示す概略図である。また、図6は、図5のグレーティングの2箇所でグレーティングの位相を90°ずらせた光フィルタ2の一例である。図3に示すような急峻な透過率ピークを得るためには、屈折率変調を図6に示すように、グレーティングの途中で屈折率変調の位相を約90°(π/2)ずらして作製する。言い換えれば、グレーティングの途中でグレーティングピッチを1/4ピッチ(グレーティングピッチ535nmの場合、約134nm)ずらしている。なお、位相ずれの角度は90°(=π/2)であっても270°(=−90°=3π/2)であってもよい。一般的に記述すれば、グレーティングの位相を±π/2±π/6(すなわち、±90°±30°)の範囲内の位相差で長手方向の少なくとも2箇所において不連続的に変化させることが好ましい。また、±90°丁度の不連続な位相ずれが理想であるが、実質的には90°±30°、又は、−90°±30°(又は、270°±30°)程度であれば十分である。その位相ずれの範囲は、60°〜120°の範囲、又は、−120°〜−60°の範囲であればよい。さらに、この位相ずれは、各点での不連続な位相ずれが上記範囲であればよく、グレーティング全体にわたって一つの基準となる部分から見て各部の位相ずれがπ/2又は3π/2の関係である必要はない。したがって、例えば、3箇所で不連続な位相ずれを設ける場合、長手方向に沿って全体の1/4の部分で不連続な位相ずれがπ/2、1/2の部分でさらにπ/2、3/4の部分でさらにπ/2だけ位相がずれていてもよい。
この光フィルタ2では、グレーティングの不連続な位相ずれを長手方向に沿って2箇所以上設けることで、2つ以上の周波数について急峻な透過率ピークを持つ。この光フィルタ2の製造方法について説明する。このようなファイバグレーティングは、位相マスクのピッチが丁度グレーティングの中心でずれた位相マスクを用いて作製することができるが、通常のファイバグレーティング作製に用いられる位相ずれがない位相マスクを用いても作製することができる。
図7から図9は、位相ずれのない位相マスク11を用いて全長の1/3ごとに90°±30°の位相ずれを有するグレーティングを形成する各工程を示す概略図である。
(a)まず、図7に示すように、位相マスク11を光ファイバ13に近接させて設置する。
(b)次いで、紫外レーザ光を光ファイバ13の光軸方向に沿って照射範囲の全長の1/3まで照射して、1/3までグレーティングを形成する。
(c)その後、図8に示すように、位相マスク11を光軸方向に沿って少しずらす。このとき丁度位相ずれが90°となるように位相マスク11をずらすことは、僅か100nmのずれを制御する必要があるので困難である。そのため実質的には適当にずらせばよい。
(d)その後、図9に示すように、照射範囲の1/3から2/3の範囲にわたって紫外レーザ光を照射して全長の1/3から2/3の範囲にわたってグレーティングを形成する。位相マスクを適当にずらすことによって、作製される位相ずれの角度は確率によって決まる。位相ずれの許容範囲を90°±30°とすると、1/3の確率で製造することができる。
(e)さらに、位相マスク11を再び最初の位置に戻すようにずらせる。なお、光軸方向に沿って位相ずれがさらに90°増すようにずらせてもよい。
(f)その後、照射範囲の2/3から残りの範囲にわたって紫外レーザ光を照射して全長の2/3から残りの範囲にわたってグレーティングを形成する。
以上の手順によって、グレーティングの2箇所にわたって90°±30°の位相ずれを有するグレーティングフィルタからなる光フィルタ2が得られる。この光フィルタ2によれば、2つの急峻な透過率ピークを有する透過特性を示す。
(a)まず、図7に示すように、位相マスク11を光ファイバ13に近接させて設置する。
(b)次いで、紫外レーザ光を光ファイバ13の光軸方向に沿って照射範囲の全長の1/3まで照射して、1/3までグレーティングを形成する。
(c)その後、図8に示すように、位相マスク11を光軸方向に沿って少しずらす。このとき丁度位相ずれが90°となるように位相マスク11をずらすことは、僅か100nmのずれを制御する必要があるので困難である。そのため実質的には適当にずらせばよい。
(d)その後、図9に示すように、照射範囲の1/3から2/3の範囲にわたって紫外レーザ光を照射して全長の1/3から2/3の範囲にわたってグレーティングを形成する。位相マスクを適当にずらすことによって、作製される位相ずれの角度は確率によって決まる。位相ずれの許容範囲を90°±30°とすると、1/3の確率で製造することができる。
(e)さらに、位相マスク11を再び最初の位置に戻すようにずらせる。なお、光軸方向に沿って位相ずれがさらに90°増すようにずらせてもよい。
(f)その後、照射範囲の2/3から残りの範囲にわたって紫外レーザ光を照射して全長の2/3から残りの範囲にわたってグレーティングを形成する。
以上の手順によって、グレーティングの2箇所にわたって90°±30°の位相ずれを有するグレーティングフィルタからなる光フィルタ2が得られる。この光フィルタ2によれば、2つの急峻な透過率ピークを有する透過特性を示す。
図10は、グレーティング長が15mmのチャープファイバグレーティングの5〜10mmの範囲が、0〜5mm及び10〜15mmの部分とは位相が90°ずれている場合のチャープグレーティングフィルタからなる光フィルタの特性をシミュレーションにより計算した図である。図11は、図10の2本の透過率ピーク付近の拡大図である。この
このような2箇所の位相ずれを有するファイバグレーティングは、チャープ位相マスクを用いて、まず0〜5mmおよび10〜15mmの範囲に第1グレーティング部を作製し、その後、チャープ位相マスクを適当にずらして、5〜10mmの範囲に第1グレーティング部とは位相ずれを有する第2グレーティング部を作製することで実現できる。またチャープ率を制御することによって、2本の透過率ピークの波長間隔を任意に設計することができる。なお、グレーティングピッチが一定のユニフォームグレーティングとしても、透過率ピークを2つ以上得ることができるが、グレーティングの周期が長手方向に沿った位置に応じて変化しているチャープグレーティングとしたほうが2つの透過率ピークの波長間隔をより広くすることができる。そこで、光フィルタとしては、チャープグレーティングフィルタが好ましい。なお、光フィルタ2の透過率ピークの中心周波数ν3、ν4は、光源1の帯域内(ν1〜ν2)である。また、透過率ピークの中心周波数ν3のピークでの透過率とν4のピークでの透過率とは異なってもよいが、同じであるほうが望ましい。2つの透過率ピークでの透過率がほぼ同じ場合には、選択される2つの光の強度をほぼ同じにすることができる。
このような2箇所の位相ずれを有するファイバグレーティングは、チャープ位相マスクを用いて、まず0〜5mmおよび10〜15mmの範囲に第1グレーティング部を作製し、その後、チャープ位相マスクを適当にずらして、5〜10mmの範囲に第1グレーティング部とは位相ずれを有する第2グレーティング部を作製することで実現できる。またチャープ率を制御することによって、2本の透過率ピークの波長間隔を任意に設計することができる。なお、グレーティングピッチが一定のユニフォームグレーティングとしても、透過率ピークを2つ以上得ることができるが、グレーティングの周期が長手方向に沿った位置に応じて変化しているチャープグレーティングとしたほうが2つの透過率ピークの波長間隔をより広くすることができる。そこで、光フィルタとしては、チャープグレーティングフィルタが好ましい。なお、光フィルタ2の透過率ピークの中心周波数ν3、ν4は、光源1の帯域内(ν1〜ν2)である。また、透過率ピークの中心周波数ν3のピークでの透過率とν4のピークでの透過率とは異なってもよいが、同じであるほうが望ましい。2つの透過率ピークでの透過率がほぼ同じ場合には、選択される2つの光の強度をほぼ同じにすることができる。
また、光源1と光フィルタ2との接続方法に関しては、光通信で一般的に使用されるコネクタを使用してもよいが、光フィルタ2にファイバグレーティングフィルタを用いる場合は、光源1から出力されているファイバに直接グレーティングを書き込んでも良い。この方法ではコネクタの損失がないという利点がある。しかし、光フィルタ2にファイバグレーティングフィルタを用いる場合、グレーティング部分が露出していると、曲がりや大気温によって特性が変化しやすい。そこで、例えば、文献3(Kiichi Yoshiara, Junichiro Hoshizaki, Sadayuki Matsumoto, Ryosuke Namiki, Tetsuya Kawanishi, and Masayuki Izutsu, "New Fiber Bragg Grating Filter Assembly for Reciprocating Optical Modulators", MOC'03 Technical Digest, H25, pp.222-225)に示されているように、ファイバグレーティングフィルタをV溝付き石英基板で固定することで、特性を安定させる事ができる。なお、光源1と光フィルタ2との接続方法は上記方法に限られない。その他の接続方法を用いる場合には、発生させる電磁波信号を安定させるために光フィルタ2の特性を安定させることが必要である。
次に、光フィルタ2で選択された2つの周波数(ν3、ν4)を有する光において、周波数差(ν4−ν3)に対応する強度変調を伴うビート信号が発生する。このビート信号の発生原理に関しては一般的に知られているが、ここで改めて示す。異なる2つの周波数f1、f2の光のそれぞれの光の電界成分をE1、E2とすると、これらは
E1=A1cos(2πf1t) (1)
E2=A2cos(2πf2t) (2)
と表すことができる。この2つの光を重ね合わせると、検出される光強度Iは電界成分の2乗に等しくなるため、
I=|E1+E2|2 (3)
で表され、これを展開すると、
I=(A1 2+A2 2)/2+2A1A2cos(2π(f2−f1)) (4)
となり、2つの光の周波数差に対応する周波数で変化する強度変化が検出される。
E1=A1cos(2πf1t) (1)
E2=A2cos(2πf2t) (2)
と表すことができる。この2つの光を重ね合わせると、検出される光強度Iは電界成分の2乗に等しくなるため、
I=|E1+E2|2 (3)
で表され、これを展開すると、
I=(A1 2+A2 2)/2+2A1A2cos(2π(f2−f1)) (4)
となり、2つの光の周波数差に対応する周波数で変化する強度変化が検出される。
本発明においても同様であって、光源1と光フィルタ2によって選択された2つのコヒーレント光(中心周波数ν3とν4)により、ビート信号(周波数ν4−ν3)が発生し、そのビート信号の周波数と同じ周波数の強度変化がコヒーレント光に付加される。この場合の光強度Iは、下記式(5)で表される。
I=(A1 2+A2 2)/2+2A1A2cos(2π(ν4−ν3)) (5)
I=(A1 2+A2 2)/2+2A1A2cos(2π(ν4−ν3)) (5)
次に、光−電磁波変換器3について説明する。図4は、光−電磁波変換器3で発生する電磁波8の周波数と電磁波強度との関係を示す概略図である。図4に示すように、2つのコヒーレント光の周波数差(ν4−ν3)に基づく強度変化が付加されたコヒーレント光は、光ファイバによって伝送され、光−電磁波変換器3で電磁波に変換される。光−電磁波変換器5は、光の強度変化を検出する機能を有したものであれば用いることができる。光通信で一般的に用いられているフォトダイオードも光−電磁波変換器3として用いることができる。フォトダイオードに光が入射すると、その光強度に比例した電圧が出力される。このため、コヒーレント光に付加された強度変化は、電圧の振幅変化となるため、これをアンテナに入力することで周波数差に対応する周波数を有する電磁波がアンテナから出射される。
なお、光−電磁波変換器3としては、フォトダイオードに限られず、2つの光の周波数差に応じた電磁波を発生させるものであればよい。光を電圧に変換できるものであれば用いることができる。この場合、発生させる電磁波の周波数を含んだ帯域を有したものでなければならない。現在市販されている一般的なフォトダイオードは、周波数差が40GHz程度までしか動作しないため、それ以上の周波数の電磁波を発生させる場合には他の光電磁波変換器を用いる必要がある。例えば、200GHz以下の電磁波を発生させる場合には、単一走行キャリア型フォトダイオード(UTC−PD)を使用できる。また、1THz以下の電磁波を発生させる場合には、低温成長GaAs光伝導スイッチを使用できる。
なお、光ファイバの距離は任意でよく、強度が低い場合はエルビウムドープトファイバ光アンプ(EDFA)などの光アンプで増幅してもよい。また、光フィルタ2と光電磁波変換器3の間だけでなく、レーザ光源1と光フィルタ2の間を長くしてもよい。
次に、この電磁波発生装置10を用いて、発生させる電磁波でデータ信号を周波数変調によって伝送する方法について説明する。この電磁波発生装置10は、図1に示すように、伝送させるデータ信号を発生する信号源4と、信号源4からのデータ信号に応じて光フィルタ2で選択する光の周波数を制御する制御部5(光フィルタ制御部)とを備える。この電磁波発生装置10で信号源4からのデータ信号を周波数変調によって伝送する方法は、以下の手順による。
(a)信号源4から制御部5にデータ信号が伝達される。
(b)制御部5では、伝達されたデータ信号に応じて、光フィルタ2で選択する2つの周波数の光のうち、少なくとも一方の周波数を制御する。
(c)光源1からの光のうち、光フィルタでは、データ信号に応じて制御された周波数の光を含む2つの光を選択する。
(d)光−電磁波変換器3で、データ信号に応じて制御された2つの光の周波数差に対応する周波数の電磁波を発生させ、その結果、データ信号を周波数変調により伝送することができる。
(a)信号源4から制御部5にデータ信号が伝達される。
(b)制御部5では、伝達されたデータ信号に応じて、光フィルタ2で選択する2つの周波数の光のうち、少なくとも一方の周波数を制御する。
(c)光源1からの光のうち、光フィルタでは、データ信号に応じて制御された周波数の光を含む2つの光を選択する。
(d)光−電磁波変換器3で、データ信号に応じて制御された2つの光の周波数差に対応する周波数の電磁波を発生させ、その結果、データ信号を周波数変調により伝送することができる。
このデータ信号を周波数変調によって伝送する方法について以下に詳述する。この電磁波発生装置10では、光フィルタ2として、図12に示すように、光ファイバ13上にグレーティング14が形成されており、その2箇所でグレーティングの位相がほぼ90°不連続にずれているチャープファイバグレーティングを用いる。また、制御部5として、図13に示すように、石英基板17上に設けられた電極15a、15bと、光フィルタ2のグレーティング14を加熱する複数の薄膜ヒータ16とを有する。この複数の薄膜ヒータ16のそれぞれに長手方向に沿って変化する電流を流すことによって光フィルタ2に温度勾配を形成できる。温度勾配を形成する方法としては、例えば、Sadayuki Matsumoto, Takuya Ohira, Masakazu Takabayashi, Kiichi Yoshiara, and Takashi Sugihara, "Tunable Dispersion Equalizer with a Divided Thin-Film Heater for 40-Gb/s RZ Transmissions", IEEE Photonics Technology Letter, Vol.13, No.8, August 2001, pp.827-829に記載されている。なお、薄膜ヒータに限られず、ペルティエ素子等を用いてもよい。
光フィルタ2に温度勾配を付与して、透過率ピークの幅を制御する方法について以下に説明する。例えば、図16に示すような温度勾配を光フィルタに付与した場合、光フィルタ2の透過特性は図17に示すように、2つの透過率ピークの幅が広がるように変化する。この場合、図16の温度勾配は、光フィルタ2であるチャープファイバグレーティングのチャープを増す方向の温度勾配である。一方、図18に示すような温度勾配を光フィルタに付与した場合、光フィルタの透過特性は図19に示すように、2つの透過率ピークの幅が狭くなるように変化する。この場合、図18の温度勾配は、光フィルタ2であるチャープファイバグレーティングのチャープを減じる方向の温度勾配である。2つの急峻な透過率ピークの周波数差の変化量は、狭い範囲では温度勾配にほぼ比例するため、温度勾配をデータ信号に応じて制御することによって、発生する電磁波の周波数を制御することができ、周波数変調を行うことができる。なお、上記の方法以外でも、ファイバグレーティングに温度勾配を形成できるものであれば用いることができる。
図20は、光フィルタ2として、図10、図11で示したチャープグレーティングフィルタを用い、該光フィルタに−20℃〜+20℃の温度勾配を印加した場合の透過特性の変化を示したものである。なお、ここでいうマイナスの温度勾配とは、チャープファイバグレーティングのチャープ率を小さくする向きの温度勾配を言い、プラスの温度勾配はチャープ率を大きくする向きの温度勾配を言う。図20から分かるように温度勾配を制御することにより、2つの透過波長間隔、即ち、周波数幅を制御できる。
なお、制御部5として、薄膜ヒータ16等の温度制御以外の手段であってもよい。例えば、チャープファイバグレーティングに応力分布を持たせる応力分布付与手段であってもよい。この応力分布付与手段としては、例えば、図14に示すように、複数のピエゾ素子18を含んでいてもよい。チャープファイバグレーティングの長手方向に応力が加わると、屈折率nとグレーティング周期Λが変化する。この場合、屈折率の変化のほうがグレーティング周期の変化より大きい。チャープファイバグレーティングに応力分布を付与することによって、上述の温度勾配を付与する場合と同様に、その応力分布がチャープを増す方向であれば2つの透過率ピークの幅は広がり、一方、チャープを減じる方向であれば2つの透過率ピークの幅は狭くなる。その結果、圧力勾配をデータ信号に応じて制御することによって、発生する電磁波の周波数を制御することができ、周波数変調を行うことができる。なお、上記の方法以外でも、ファイバグレーティングに応力分布を形成できるものであれば用いることができる。
また、光フィルタ2として、ファイバグレーティングに代えて、図15に示すように、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)等の電気光学効果を有する物質に、導波路を形成し、該導波路にグレーティングを書き込んだ導波路グレーティングフィルタを用いてもよい。ここで、電気光学効果とは、物質に電界を加えるとその屈折率が変化する現象である。この導波路グレーティングフィルタは、例えば、一体のLINbO3に導波路が形成された場合に限られず、例えば、複数のLiNbO3を接続したものであってもよい。さらに、制御部5として、導波路グレーティングフィルタを構成するLiNbO3の部分ごとに電界を印加する複数の電極対を有していてもよい。各電極対でグレーティングに電界を独立に印加すると、電気光学効果によって印加する電界の大きさに応じてLiNbO3の各部の屈折率が変化する。そこで、印加する電界の大きさに分布を持たせることによって、上記温度勾配の場合と同様に、導波路グレーティングのチャープを増す方向の場合には、2つの透過率ピークの幅が広がり、チャープを減じる方向の場合には、2つの透過率ピークの幅が狭くなる。その結果、電界分布をデータ信号に応じて制御することによって、発生する電磁波の周波数を制御することができ、周波数変調を行うことができる。なお、上記の方法以外でも、LiNbO3からなる導波路グレーティングに電界分布を形成できるものであれば用いることができる。さらに、電気光学効果を有する物質として、LiNbO3に限られず、電気光学効果を有し、導波路を形成できる物質であれば用いることができる。なお、LiNbO3からなる導波路グレーティングフィルタも、温度によって屈折率が変化するため、個々のLiNbO3に温度制御を行い、温度勾配を形成することによって周波数変調を行うことができる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る電磁波発生装置について説明する。図21は、この電磁波発生装置10aの構成を示すブロック図である。この電磁波発生装置10aは、実施の形態1に係る電磁波発生装置と比較すると、2つに分けられた光から第1周波数ν3の光を選択する第1光フィルタ2aと、第2周波数ν4の光を選択する第2光フィルタ2bとを備える点で相違する。また、光源1からの光を2つに分ける光分波器6と、選択された2つの光を合波する光合波器7とを備える点で相違する。このように異なる2つの周波数の光を選択するのに2つの光フィルタ2a、2bを用いることによって、光フィルタの構成を簡単にすることができる。
本発明の実施の形態2に係る電磁波発生装置について説明する。図21は、この電磁波発生装置10aの構成を示すブロック図である。この電磁波発生装置10aは、実施の形態1に係る電磁波発生装置と比較すると、2つに分けられた光から第1周波数ν3の光を選択する第1光フィルタ2aと、第2周波数ν4の光を選択する第2光フィルタ2bとを備える点で相違する。また、光源1からの光を2つに分ける光分波器6と、選択された2つの光を合波する光合波器7とを備える点で相違する。このように異なる2つの周波数の光を選択するのに2つの光フィルタ2a、2bを用いることによって、光フィルタの構成を簡単にすることができる。
次に、この電磁波発生装置10aの動作について説明する。
(a)レーザ光源1には、実施の形態1で用いたものと同様に、スーパールミネッセントダイオードのような広い帯域幅をもった光源を用いることができる。
(b)光源1の出力光は、光分波器6によって2つに分岐され、それぞれのコヒーレント光は、第1光フィルタ2aと第2光フィルタ2bとに入力される。
(c)第1光フィルタ2aは、図22に示すように、中心周波数ν3の透過率ピークを有する透過特性を示す。第2フィルタ2bは、図23に示すように、中心周波数ν4の透過率ピークを有する透過特性を示す。ここで、第1光フィルタ2a及び第2光フィルタ2bの透過率ピークのそれぞれの中心周波数ν3、ν4は、レーザ光源1の帯域内(ν1〜ν2)である。また、透過率ピークの中心周波数ν3のピークの透過率とν4のピークの透過率とは異なってもよいが、同じであるほうが望ましい。
(d)第1光フィルタ2a及び第2フィルタ2bによってそれぞれ選択されたコヒーレント光は、光合波器7で合波され、2つの異なった中心周波数(ν3とν4)を持つコヒーレント光となる。2つのコヒーレント光の間には上述のように2つの光の周波数差に基づくビート信号が発生し、コヒーレント光に強度変化が付加される。
(e)光電磁波変換器3によって、図24に示すように、周波数差(ν4−ν3)に対応する周波数を有する電磁波が発生する。
(a)レーザ光源1には、実施の形態1で用いたものと同様に、スーパールミネッセントダイオードのような広い帯域幅をもった光源を用いることができる。
(b)光源1の出力光は、光分波器6によって2つに分岐され、それぞれのコヒーレント光は、第1光フィルタ2aと第2光フィルタ2bとに入力される。
(c)第1光フィルタ2aは、図22に示すように、中心周波数ν3の透過率ピークを有する透過特性を示す。第2フィルタ2bは、図23に示すように、中心周波数ν4の透過率ピークを有する透過特性を示す。ここで、第1光フィルタ2a及び第2光フィルタ2bの透過率ピークのそれぞれの中心周波数ν3、ν4は、レーザ光源1の帯域内(ν1〜ν2)である。また、透過率ピークの中心周波数ν3のピークの透過率とν4のピークの透過率とは異なってもよいが、同じであるほうが望ましい。
(d)第1光フィルタ2a及び第2フィルタ2bによってそれぞれ選択されたコヒーレント光は、光合波器7で合波され、2つの異なった中心周波数(ν3とν4)を持つコヒーレント光となる。2つのコヒーレント光の間には上述のように2つの光の周波数差に基づくビート信号が発生し、コヒーレント光に強度変化が付加される。
(e)光電磁波変換器3によって、図24に示すように、周波数差(ν4−ν3)に対応する周波数を有する電磁波が発生する。
次に、図22及び23に示すように、一つの透過率ピークを有する第1及び第2光フィルタ2a、2bについて説明する。この光フィルタは、特定の波長を透過する狭帯域通過フィルタである。図25は、グレーティングの例を示す概略図である。また、図26は、図25のグレーティングの1箇所でグレーティングの位相を90°ずらせた第1又は第2光フィルタ2a,2bの一例である。図22、図23に示すような急峻な透過率ピークを得るためには、屈折率変調を図26に示すように、グレーティングの途中で屈折率変調の位相を約90°(π/2)ずらして作製する。言い換えれば、グレーティングの途中でグレーティングピッチを1/4ピッチ(グレーティングピッチ535nmの場合、約134nm)ずらしている。一般的に記述すれば、長手方向の少なくとも2箇所においてグレーティングの位相を±π/2±π/6(すなわち、±90°±30°)の範囲内の位相差で不連続的に変化させることが好ましい。また、±90°丁度の不連続な位相ずれが理想であるが、実質的には90°±30°、又は、−90°±30°(又は、270°±30°)程度であれば十分である。その位相ずれの範囲は、60°〜120°の範囲、又は、−120°〜−60°の範囲であればよい。
この光フィルタ2では、グレーティングの不連続な位相ずれを長手方向に沿って2箇所以上設けることで、2つ以上の周波数について急峻な透過率ピークを持つ。この光フィルタ2の製造方法について説明する。このようなファイバグレーティングは、位相マスクのピッチが丁度グレーティングの中心でずれた位相マスクを用いて作製することができるが、通常のファイバグレーティング作製に用いられる位相ずれがない位相マスクを用いても作製することができる。
図27から図29は、位相ずれのない位相マスク11を用いて全長の半分で90°±30°の位相ずれを有するグレーティングを形成する各工程を示す概略図である。
(a)まず、図27に示すように、位相マスク11を光ファイバ13に近接させて設置する。
(b)次いで、紫外レーザ光を光ファイバ13の光軸方向に沿って照射範囲の全長の半分まで照射して、半分までグレーティングを形成する。
(c)その後、図28に示すように、位相マスク11を光軸方向に沿って少しずらす。このとき丁度位相ずれが90°となるように位相マスク11をずらすことは、僅か100nmのずれを制御する必要があるので困難である。そのため実質的には適当にずらせばよい。
(d)その後、図29に示すように、照射範囲の半分から残りの範囲にわたって紫外レーザ光を照射して全長の半分から残りの範囲にわたってグレーティングを形成する。位相マスクを適当にずらすことによって、作製される位相ずれの角度は確率によって決まる。位相ずれの許容範囲を90°±30°とすると、1/3の確率で製造することができる。
以上の手順によって、グレーティングの1箇所に90°±30°の位相ずれを有するグレーティングフィルタからなる光フィルタ2が得られる。この光フィルタ2によれば、1つの急峻な透過率ピークを有する透過特性を示す。
(a)まず、図27に示すように、位相マスク11を光ファイバ13に近接させて設置する。
(b)次いで、紫外レーザ光を光ファイバ13の光軸方向に沿って照射範囲の全長の半分まで照射して、半分までグレーティングを形成する。
(c)その後、図28に示すように、位相マスク11を光軸方向に沿って少しずらす。このとき丁度位相ずれが90°となるように位相マスク11をずらすことは、僅か100nmのずれを制御する必要があるので困難である。そのため実質的には適当にずらせばよい。
(d)その後、図29に示すように、照射範囲の半分から残りの範囲にわたって紫外レーザ光を照射して全長の半分から残りの範囲にわたってグレーティングを形成する。位相マスクを適当にずらすことによって、作製される位相ずれの角度は確率によって決まる。位相ずれの許容範囲を90°±30°とすると、1/3の確率で製造することができる。
以上の手順によって、グレーティングの1箇所に90°±30°の位相ずれを有するグレーティングフィルタからなる光フィルタ2が得られる。この光フィルタ2によれば、1つの急峻な透過率ピークを有する透過特性を示す。
図30は、グレーティング長を5mmとして、2.5mmの位置でグレーティングピッチの位相ずれを作製したファイバグレーティングの特性を示したものであり、図31は、中心波長付近の拡大図を示したものである。図31から分かるように、グレーティングの中心で位相ずれを形成したファイバグレーティングでは、狭帯域の透過特性が得られる。作製したグレーティングでは半値全幅(FWHM)で2.5GHzの通過帯域幅が得られ、透過損失は1.9dBであった。また図30の反射特性から分かるように、反射率90%以上の帯域幅は0.527nmが得られ、反射帯域幅のほぼ中心で反射率が低下する特性が得られた。このように反射帯域幅のほぼ中心で反射率が低下していることから、位相ずれは90°に極めて近いことが分かる。位相ずれが90°以下の場合は、反射率が低下する位置が、反射帯域幅の短波長側にずれ、90°より大きい場合は長波長側にずれる。反射率が低下する波長が反射帯域幅の中心波長からずれても、その両側に反射率90%以上の波長範囲が十分存在すれば、第1光フィルタ2a又は第2光フィルタ2bとして使用できる。反射率90%以上の波長範囲は実用上0.15nm以上存在すればよく、0.15nm以上得られる位相ずれの範囲が90°±30°である。なお、グレーティングピッチが一定のユニフォームグレーティングとしても、透過率ピークを得ることができるが、グレーティングの周期が長手方向に沿った位置に応じて変化しているチャープグレーティングとしたほうが透過率ピークの周辺のほとんど透過させない反射帯域をより広くすることができる。そこで、第1及び第2光フィルタ2a、2bとしては、チャープグレーティングフィルタが好ましい。なお、第1光フィルタ2aの透過率ピークの中心周波数ν3と、第2光フィルタ2bの透過率ピークの中心周波数ν4は、光源1の帯域内(ν1〜ν2)である。また、透過率ピークの中心周波数ν3のピークでの透過率とν4のピークでの透過率とは異なってもよいが、同じであるほうが望ましい。2つの透過率ピークでの透過率がほぼ同じ場合には、選択される2つの光の強度をほぼ同じにすることができる。
次に、この電磁波発生装置10aによって、データ信号に基づいて周波数変調を行う方法について説明する。生成する電磁波の周波数を制御するにあたって、第1光フィルタ2a、第2光フィルタ2bの中心周波数を、制御回路5a、5bでそれぞれ制御してもよい。あるいは一方の光フィルタの透過率ピークを固定し、他方の光フィルタの透過率ピークのみを制御してもよい。ここで、制御回路5aと制御回路5bは両方あってもよいが、どちらか1つでもよい。その場合は光フィルタ2a、2bのうちどちらか1つの中心周波数を固定して、それ以外の1つに制御を行う。また、制御回路5a、5bどちらか1つで光フィルタ2a、2bを両方制御しても良い。なお、信号源4a、4bもどちらか1つで良い。
以下に、この電磁波発生装置10aによって、第1光フィルタ2aの透過率ピークの中心周波数ν3、又は、第2光フィルタ2bの透過率ピークの中心周波数ν4を制御して、発生させる電磁波の周波数変調を行う方法について説明する。まず、第1及び第2光フィルタ2a、2bとして、図26、図36に示すように、半分でグレーティングの不連続な位相ずれを有するチャープファイバグレーティングを用いた場合の制御方法を示す。例えば、制御部5は、図37に示すように、電極15a、15bと、光フィルタを構成するチャープファイバグレーティングを加熱するヒータ16とを備える。チャープファイバグレーティング14の温度を上昇させると、屈折率nが大きくなる。周期Λも大きくなるが、屈折率nの変化の大きさのほうが約100倍〜1000倍大きいので、周期Λの変化量は無視できる。この第1光フィルタ2aを、図32に示すように、ΔT1だけ均一に加熱すると、全体として屈折率nが大きくなり、図33の矢印に示すように、透過率ピークの中心周波数が小さくなる。一方、第2光フィルタを、図34に示すように、例えば、ペルティエ素子等でΔT2だけ均一に冷却すると、全体として屈折率が小さくなり、図35に示すように、透過率ピークの中心周波数は大きくなる。チャープファイバグレーティング14の温度を約1℃上昇させると、1.25GHz(0.01nm)中心周波数が小さくなる。実施の形態1で示したような薄膜ヒータ16を用いて制御しても良いし、ペルチェ素子などの温度制御可能なものであれば用いることができる。なお、温度変化の速度を速くするために、グレーティングフィルタに薄膜を付着させて薄膜ヒータ16を形成する方法が一番適している。
また、制御部5a、5bは、光フィルタ2a、2bを均一に加熱又は冷却する手段に限られない。制御部5は、例えば、チャープファイバグレーティング14の両端に荷重を与えて張力を付与する張力付与手段であってもよい。ファイバグレーティングを長手方向に引っ張ると、屈折率nが小さくなり周期Λが大きくなる。この場合には、屈折率nの変化より周期Λの変化の方が大きいため、中心周波数は小さくなる。例えば、実験では、長手方向に100gの荷重を加えた場合、透過率ピークの中心周波数が187.5GHz(1.5nm)小さくなった。このように、機械的にファイバグレーティングにかかる張力を制御することによって、光フィルタ2a、2bの透過率ピークの中心周波数を制御できる。
さらに、実施の形態1で示したように、制御部は、図38に示すように、光フィルタ2a、2bを構成するチャープファイバグレーティング14の全体にわたって均一に応力を付与する手段、例えば、ピエゾ素子18aを含んでもよい。ピエゾ素子18aに電極を接続し、外部から電圧を印加して張力を制御することができる。ピエゾ素子18aに電圧を加えると、ピエゾ薄膜素子が伸縮しファイバグレーティングの屈折率nと周期Λが変化する。この変化量はピエゾ薄膜素子に印加する電圧に比例するため、この印加電圧をデータ信号を発生する信号源で制御することにより周波数変調を制御できる。なお、ファイバグレーティングに応力を付与する方法は、E.Rochat, D.M.Costantini, C.A.P.Muller, K.Haroud, H.G.Limberger, R.Dandliker, and R.P.Salathe, "All-Fiber Phase-Modulated Master Oscillator Power Amplifier for Coherent Communication", IEEE Photonics Technology Letter, Vol.12, No.9, September 2000, pp.1162-1164に記載されている。
またさらに、実施の形態1で示したのと同様に、光フィルタ2a、2bとして、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)等の電気光学効果を有する物質に、導波路を形成し、該導波路にグレーティングを書き込んだ導波路グレーティングフィルタを用いてもよい。電気光学効果を持った物質に電界を加えると、物質の屈折率nが変化する。この現象を利用し、物質に加える電界を制御することで光フィルタ2a、2bの透過率ピークの中心周波数を制御できる。なお、導波路グレーティングフィルタの材質は、電気光学効果を有し導波路グレーティングが形成できる物質なら任意でよいが、大きな電気光学効果を持ち、導波路が容易に作れるLiNbO3が一番適している。なお、これらの導波路グレーティングフィルタも、温度によって屈折率が変化するため、導波路グレーティングフィルタに温度制御を行ってもよい。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る電磁波発生装置について説明する。この電磁波発生装置は、実施の形態1に係る電磁波発生装置とほぼ同じ構成であるが、図40に示すように、光フィルタが透過率ピークを3本有する点で相違する。この場合の動作について説明する。
(a)光源1は、実施の形態1と同様に、図39に示すように、広い帯域にわたって連続なスペクトル特性を示す。
(b)光フィルタ2は、図40に示すように、3つの急峻な透過率ピークを有する透過特性を示す。そこで、光源1からの光が光フィルタ2に入力されると、光フィルタ2の透過特性に対応して、3つの異なった中心周波数ν3、ν4、ν5を持つコヒーレント光が発生する。この時の光フィルタ2の3つの急峻な透過率ピークの中心周波数ν3、ν4、ν5は全てν1〜ν2の範囲内である。この3つのコヒーレント光の間には、任意の2つの光の周波数差に応じたビート信号が発生する。この時、発生するビート信号の周波数は、それぞれの周波数の差になる。
(c)光−電磁波変換器3では、図41に示すように、3つのビート信号に基づいて、周波数差(ν5−ν4)、周波数差(ν4−ν3)、周波数差(ν5−ν3)の3つの周波数の電磁波が同時に発生する。この現象を用いる事で、複数の周波数の電磁波を、1つのレーザ光源から同時に作り出すことができる。
本発明の実施の形態3に係る電磁波発生装置について説明する。この電磁波発生装置は、実施の形態1に係る電磁波発生装置とほぼ同じ構成であるが、図40に示すように、光フィルタが透過率ピークを3本有する点で相違する。この場合の動作について説明する。
(a)光源1は、実施の形態1と同様に、図39に示すように、広い帯域にわたって連続なスペクトル特性を示す。
(b)光フィルタ2は、図40に示すように、3つの急峻な透過率ピークを有する透過特性を示す。そこで、光源1からの光が光フィルタ2に入力されると、光フィルタ2の透過特性に対応して、3つの異なった中心周波数ν3、ν4、ν5を持つコヒーレント光が発生する。この時の光フィルタ2の3つの急峻な透過率ピークの中心周波数ν3、ν4、ν5は全てν1〜ν2の範囲内である。この3つのコヒーレント光の間には、任意の2つの光の周波数差に応じたビート信号が発生する。この時、発生するビート信号の周波数は、それぞれの周波数の差になる。
(c)光−電磁波変換器3では、図41に示すように、3つのビート信号に基づいて、周波数差(ν5−ν4)、周波数差(ν4−ν3)、周波数差(ν5−ν3)の3つの周波数の電磁波が同時に発生する。この現象を用いる事で、複数の周波数の電磁波を、1つのレーザ光源から同時に作り出すことができる。
実施の形態4.
本発明の実施の形態4にかかる電磁波発生装置について説明する。図42は、この電磁波発生装置10bの構成を示すブロック図である。この電磁波発生装置10bは、実施の形態1に係る電磁波発生装置と比較すると、光フィルタとして反射型フィルタを用いる点で相違する。すなわち、実施の形態1では、光フィルタに特定の波長を透過する狭帯域通過フィルタを用いる場合について示したが、この電磁波発生装置10bでは、特定の波長の光を反射する帯域制限フィルタを用いた光フィルタ2cと、該光フィルタ2cに光を導くサーキュレータ22とを用いる。この反射型フィルタは、ユニフォームグレーティングフィルタを用いて構成できるので、光フィルタの構成を簡単にすることができる。
本発明の実施の形態4にかかる電磁波発生装置について説明する。図42は、この電磁波発生装置10bの構成を示すブロック図である。この電磁波発生装置10bは、実施の形態1に係る電磁波発生装置と比較すると、光フィルタとして反射型フィルタを用いる点で相違する。すなわち、実施の形態1では、光フィルタに特定の波長を透過する狭帯域通過フィルタを用いる場合について示したが、この電磁波発生装置10bでは、特定の波長の光を反射する帯域制限フィルタを用いた光フィルタ2cと、該光フィルタ2cに光を導くサーキュレータ22とを用いる。この反射型フィルタは、ユニフォームグレーティングフィルタを用いて構成できるので、光フィルタの構成を簡単にすることができる。
次に、この電磁波発生装置10bの動作について説明する。図43は、光源1のスペクトル特性を示す概略図である。図44は、光フィルタ2cの反射特性を示す概略図である。図45は、この電磁波発生装置で発生する電磁波の周波数と電磁波強度との関係を示す概略図である。
(a)レーザ光源1の出力光は、サーキュレータ22を通り、光フィルタ2cに入力される。この光フィルタ2は、図44に示すように、反射率が非常に高い急峻なピークを2つ以上有する反射特性を示す。
(b)光フィルタ2cでは、異なる2つの中心周波数(ν3とν4)を持つコヒーレント光が反射され、サーキュレータ22を介して、光−電磁波変換器3に導かれる。このとき、反射される光は、実施の形態1と同様に、2つのコヒーレント光の間にビート信号が発生し、2つの光の周波数差(ν4−ν3)によって強度変化する。
(c)光−電磁波変換器3では、2つの光の周波数差(ν4−ν3)で強度変化するコヒーレント光に基づいて、図45に示すように、その周波数差(ν4−ν3)の周波数を有する電磁波8が発生する。
(a)レーザ光源1の出力光は、サーキュレータ22を通り、光フィルタ2cに入力される。この光フィルタ2は、図44に示すように、反射率が非常に高い急峻なピークを2つ以上有する反射特性を示す。
(b)光フィルタ2cでは、異なる2つの中心周波数(ν3とν4)を持つコヒーレント光が反射され、サーキュレータ22を介して、光−電磁波変換器3に導かれる。このとき、反射される光は、実施の形態1と同様に、2つのコヒーレント光の間にビート信号が発生し、2つの光の周波数差(ν4−ν3)によって強度変化する。
(c)光−電磁波変換器3では、2つの光の周波数差(ν4−ν3)で強度変化するコヒーレント光に基づいて、図45に示すように、その周波数差(ν4−ν3)の周波数を有する電磁波8が発生する。
ここで、光フィルタ2cについて説明する。実施の形態1では特定の波長を透過する狭帯域通過フィルタの作成方法について示したが、この反射型の光フィルタ2cは、特定の波長を反射する帯域制限フィルタであって、グレーティングの全長に渡って屈折率変調の周期が一定であるユニフォームグレーティングである。ユニフォームグレーティングでは、屈折率が長手方向に沿って一定周期で規則正しく変化している。なお、反射率ピークの半値幅については、実施の形態1に示した透過率ピークに関する説明と同様である。このユニフォームグレーティングの反射率ピークの半値幅は、グレーティング長が長いほどより急峻な特性になる。グレーティング長100mm、屈折率変調度0.00001としてユニフォームグレーティングを作製した結果、反射率ピークの半値幅は、約1GHzとなり、十分な特性を得る事ができる。このようなユニフォームグレーティングを、反射中心波長を変えて作製し、2つのグレーティングフィルタを長手方向に組み合わせることで、反射中心周波数ν3のコヒーレント光と、反射中心周波数ν4のコヒーレント光とをそれぞれのユニフォームグレーティングフィルタで反射させて取り出す事ができる。
この電磁波発生装置10bによれば、周波数ν1からν2の所定の帯域にわたって連続的なスペクトル特性を有する単一光源1からの光から、上記反射型の光フィルタ2cによって異なる2つの周波数ν3,ν4の光を選択し、光−電磁波変換器3で2つの光の周波数差(ν4−ν3)に対応する周波数の電磁波を発生させることができる。
実施の形態5.
本発明の実施の形態5に係る電磁波発生装置について、図46を用いて説明する。この電磁波発生装置10cは、実施の形態4に係る電磁波発生装置と比較すると、レーザ光源1からの光を光分波器6で2つに分けて、サーキュレータ22a、22bを介して第1および第2光フィルタ2d、2eに導いている点で相違する。第1フィルタ2dで第1周波数ν3の光を反射させ、第2フィルタ2eで第2周波数ν4の光を反射させる。このように異なる2つの周波数の光を選択するのに2つのフィルタを用いることによって、光フィルタの構成を簡単にすることができる。
本発明の実施の形態5に係る電磁波発生装置について、図46を用いて説明する。この電磁波発生装置10cは、実施の形態4に係る電磁波発生装置と比較すると、レーザ光源1からの光を光分波器6で2つに分けて、サーキュレータ22a、22bを介して第1および第2光フィルタ2d、2eに導いている点で相違する。第1フィルタ2dで第1周波数ν3の光を反射させ、第2フィルタ2eで第2周波数ν4の光を反射させる。このように異なる2つの周波数の光を選択するのに2つのフィルタを用いることによって、光フィルタの構成を簡単にすることができる。
図47は、第1光フィルタ2dの反射特性を示す概略図である。図48は、第2光フィルタ2eの反射特性を示す概略図である。図49は、この電磁波発生装置で発生させる電磁波の周波数と電磁波強度との関係を示す概略図である。この電磁波発生装置10cでは、光フィルタとして反射型の第1光フィルタ2d、第2光フィルタ2eを用いている。
1 光源、2、2a、2b、2c、2d、2e 光フィルタ、3 光−電磁波変換器、4、4a、4b 信号源、5、5a、5b 制御回路、6 光分波器、7 光合波器、8 電磁波、10、10a、10b、10c 電磁波発生装置、11 位相マスク、12 光ファイバケーブル、13 光ファイバ、14 グレーティング、15a、15b 電極
16 薄膜ヒータ、17 石英基板、18、18a ピエゾ素子、19 導波路グレーティング、20 ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、22、22a、22b サーキュレータ
16 薄膜ヒータ、17 石英基板、18、18a ピエゾ素子、19 導波路グレーティング、20 ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、22、22a、22b サーキュレータ
Claims (15)
- 所定の周波数範囲にわたる連続的な帯域を有する光源と、
前記光源からの光のうち、前記帯域の間の少なくとも2つの異なる第1周波数及び第2周波数の光を選択する光フィルタと、
入力された前記第1周波数の光と前記第2周波数の光との周波数差の絶対値の周波数を有する電磁波を発生させる光−電磁波変換器と
を備えたことを特徴とする電磁波発生装置。 - 前記光フィルタは、少なくとも2つの異なる第1周波数及び第2周波数の光を透過させる透過型フィルタであることを特徴とする請求項1に記載の電磁波発生装置。
- 前記光フィルタは、少なくとも2つの異なる第1周波数及び第2周波数の光を反射させる反射型フィルタであることを特徴とする請求項1に記載の電磁波発生装置。
- 前記光源からの光を前記光フィルタに導き、前記光フィルタで反射された前記第1周波数及び第2周波数の光を前記光−電磁波変換器に導くサーキュレータをさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の電磁波発生装置。
- 前記光フィルタによって選択する異なる第1周波数の光及び第2周波数の光のうち少なくとも一方の光の周波数を変化させる光フィルタ制御部をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電磁波発生装置。
- 前記光フィルタ制御部に信号を出力する信号源をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の電磁波発生装置。
- 前記光フィルタは、前記第1周波数の光を選択する第1フィルタと、前記第2周波数の光を選択する第2フィルタとを備えることを特徴とする請求項1に記載の電磁波発生装置。
- 前記第1及び第2光フィルタは、透過型光フィルタであることを特徴とする請求項7に記載の電磁波発生装置。
- 前記光源の光を前記第1フィルタ及び前記第2フィルタにそれぞれ分岐させる第1光分岐結合器と、
前記第1フィルタで選択された前記第1周波数の光と、前記第2フィルタで選択された前記第2周波数の光とを合波し、前記光−電磁波変換器に導く第2光分岐結合器と
をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の電磁波発生装置。 - 前記第1及び第2光フィルタは、反射型光フィルタであることを特徴とする請求項7に記載の電磁波発生装置。
- 前記光源からの光を前記第1光フィルタに光を導いて、前記第1光フィルタから反射された前記第1周波数の光を前記光−電磁波変換器に導く第1サーキュレータと、
前記光源からの光を前記第2光フィルタに光を導いて、前記第2光フィルタから反射された前記第2周波数の光を前記光−電磁波変換器に導く第2サーキュレータと
をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載の電磁波発生装置。 - 前記第1周波数の光を選択する前記第1光フィルタ、又は、前記第2周波数の光を選択する前記第2光フィルタのうち、少なくとも一方の光フィルタで選択する光の周波数を制御する光フィルタ制御部をさらに備えることを特徴とする請求項7から11のいずれか一項に記載の電磁波発生装置。
- 前記光フィルタ制御部に信号を出力する信号源をさらに備えることを特徴とする請求項12に記載の電磁波発生装置。
- 前記光源は、スーパールミネッセントダイオードであることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の電磁波発生装置。
- 前記光−電磁波変換器は、フォトダイオードであることを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の電磁波発生装置。
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JP2004082423A JP2005266664A (ja) | 2004-03-22 | 2004-03-22 | 電磁波発生装置 |
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Cited By (2)
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JP2015115499A (ja) * | 2013-12-12 | 2015-06-22 | 国立研究開発法人理化学研究所 | 電磁波の透過率制御方法、電磁波の透過率制御デバイス |
JP2018508802A (ja) * | 2014-12-17 | 2018-03-29 | タレス | マイクロ波周波数信号を生成し放射するための光電子部品 |
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2004
- 2004-03-22 JP JP2004082423A patent/JP2005266664A/ja active Pending
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