JP2005266600A - 熱現像感光材料及びその画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明の課題は、画像保存性に優れた熱現像感光材料の提供、及びその画像形成方法の提供である。
【解決手段】 支持体の少なくとも一方の面側に画像形成層を設けてなり、該画像形成層が、感光性ハロゲン化銀、非感光性有機酸銀塩、還元剤、及びバインダーを含有する熱現像感光材料であって、X線増感スクリーンを用いて露光される熱現像感光材料であり、支持体に対し前記画像形成層を有する面側であって、支持体より最も遠い最外層と前記画像形成層との間に、バインダーを含有する非感光性中間層Aが設けられ、前記非感光中間層Aのバインダーが、疎水性ポリマーを50質量%以上含有することを特徴とする熱現像感光材料、及び該熱現像感光材料の画像形成方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 支持体の少なくとも一方の面側に画像形成層を設けてなり、該画像形成層が、感光性ハロゲン化銀、非感光性有機酸銀塩、還元剤、及びバインダーを含有する熱現像感光材料であって、X線増感スクリーンを用いて露光される熱現像感光材料であり、支持体に対し前記画像形成層を有する面側であって、支持体より最も遠い最外層と前記画像形成層との間に、バインダーを含有する非感光性中間層Aが設けられ、前記非感光中間層Aのバインダーが、疎水性ポリマーを50質量%以上含有することを特徴とする熱現像感光材料、及び該熱現像感光材料の画像形成方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は熱現像感光材料及びその画像形成方法に関するものである。
近年、医療分野において環境保全、省スペースの観点から処理廃液の減量が強く望まれている。そこで、レーザー・イメージセッター又はレーザー・イメージャーにより効率的に露光させることができ、高解像度及び鮮鋭さを有する鮮明な黒色画像を形成することができる医療診断用及び写真技術用途の感光性熱現像写真材料に関する技術が必要とされている。これら光感光性熱現像写真材料では、溶液系処理化学薬品の使用をなくし、より簡単で環境を損なわない熱現像処理システムを顧客に対して供給することができる。
一般画像形成材料の分野でも同様の要求はあるが、医療用画像は微細な描写が要求されるため鮮鋭性、粒状性に優れる高画質が必要であるうえ、診断のし易さの観点から冷黒調の画像が好まれる特徴がある。現在、インクジェットプリンター、電子写真など顔料、染料を利用した各種ハードコピーシステムが一般画像形成システムとして流通しているが、医療用画像の出力システムとしては満足できるものがない。
一方、有機銀塩を利用した熱画像形成システムが、多くの文献に記載されている。特に、熱現像感光材料は、一般に、触媒活性量の光触媒(例、ハロゲン化銀)、還元剤、還元可能な銀塩(例、有機銀塩)、必要により銀の色調を制御する色調剤を、バインダーのマトリックス中に分散した画像形成層を有している。熱現像感光材料は、画像露光後、高温(例えば80℃以上)に加熱し、ハロゲン化銀あるいは還元可能な銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応により、黒色の銀画像を形成する。酸化還元反応は、露光で発生したハロゲン化銀の潜像の触媒作用により促進される。そのため、黒色の銀画像は、露光領域に形成される。そして熱現像感光材料による医療用画像形成システムとして富士メディカルドライイメージャーFM−DP Lが発売された。
熱現像感光材料中には上記の成分を含有し、かつ現像後もこれらすべての成分が残存するため、保存安定性については、多くの課題を抱えている。当該課題の解決のために従来から頻繁に研究されている手法としては、画像形成層に含まれる組成物の変更、及び新たな化合物の添加である。例えば、ハロゲン化銀について高ヨウ化銀含有のものに変更することでプリントアウト性を改善したり(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)、ポリハロゲン化合物を添加してカブリの発生を抑制したり(例えば、特許文献3参照。)、非感光性有機銀塩中のベヘン酸銀含有率を高めたり(例えば、特許文献4参照。)等、様々な方法が検討され、成果を上げつつある。
画像形成層は、画像を形成する直接的部分であるため、保存安定性の改善方法として、画像形成層中の組成物を検討することは、極めて重要である。しかしながら、画像形成層には、これら組成物が混合して存在することから、保存安定性を良化しようとすると感度が低くなり、カブリの発生を抑制しようとすると画像濃度が低くなるという傾向にある。保存安定性と高感度化、カブリの抑制と画像濃度、という相反する性能を同時に達成しようとすることは極めて困難である。
このように、熱現像感光材料は、それぞれの組成物の利点を最大限に活かすようバランス良く調製されたものであり、単に一つの組成物を変更又は添加しただけでは、保存安定性を改善することは難しい。個々の組成物の特徴を相殺せず、保存安定性を改善する手法が,日常的に熱望されている。
画像形成層は、画像を形成する直接的部分であるため、保存安定性の改善方法として、画像形成層中の組成物を検討することは、極めて重要である。しかしながら、画像形成層には、これら組成物が混合して存在することから、保存安定性を良化しようとすると感度が低くなり、カブリの発生を抑制しようとすると画像濃度が低くなるという傾向にある。保存安定性と高感度化、カブリの抑制と画像濃度、という相反する性能を同時に達成しようとすることは極めて困難である。
このように、熱現像感光材料は、それぞれの組成物の利点を最大限に活かすようバランス良く調製されたものであり、単に一つの組成物を変更又は添加しただけでは、保存安定性を改善することは難しい。個々の組成物の特徴を相殺せず、保存安定性を改善する手法が,日常的に熱望されている。
一方、上述の熱現像感光材料を撮影用感光材料に応用する試みが提案されている。ここで言う撮影用感光材料とは、レーザー光などで走査露光により画像情報を書き込むものではなく、画像を面露光により記録するものである。従来、湿式現像感光材料分野では、一般に用いられ、医療用途では直接あるいは間接X線フィルム、マンモグラフフィルムなど、印刷用各種製版フィルム、工業用記録フィルム、あるいは一般カメラによる撮影用フィルムなどが知られている。例えば、青色の蛍光増感紙を利用した両面塗布型X線用熱現像感光材料(例えば、特許文献5参照。)、ヨウ臭化銀の平板粒子を用いた熱現像感光材料(例えば、特許文献6参照。)、あるいは(100)主平面を有する塩化銀含有率の高い平板粒子を支持体の両面に塗設した医療用感光材料も特許文献に開示されている(例えば、特許文献7参照。)。また、両面塗布熱現像感光材料は、その他の特許文献にも開示されている(例えば、特許文献8〜11参照。)。しかしながら、これらの公知例では、0.1μm以下の微粒子ハロゲン化銀を用いるとヘイズの悪化を伴わないが低感度であり、撮影用には実用に耐えないものであり、一方、0.3μm以上のハロゲン化銀粒子を用いた場合は残存するハロゲン化銀によるヘイズの悪化、及びプリントアウトの悪化による画像品質の劣化が激しく、実用に耐えるものではなかった。
また、医療診断では、大量の感材を自動搬送で露光・現像するのではなく、感材は1枚ずつ取り扱われることが多い。従来の熱現像感光材料とは全く異なる取扱いを余儀なくされ、新たな問題が発生した。例えば、感材を直接手で触る事が多くなり、加えて感材が外気に曝されることが多く、外環境からの影響を受けやすい状況となっている。このような状況は画像の保存には好ましくなく、画像保存性の改善が熱望されている。撮影用感光材料として用いるためには、更に高い感度、画像のヘイズの改善、優れた画像保存性など、更に一段と高いレベルが要求されている。
特開平8−297345号公報
特許第2785129号明細書
特開2001−312027号公報
特開2000−7683号公報
特許第3229344号公報
特開昭59−142539号公報
特開平10−282602号公報
特開2000−227642号公報
特開2001−22027号公報
特開2001−109101号公報
特開2002−90941号公報
また、医療診断では、大量の感材を自動搬送で露光・現像するのではなく、感材は1枚ずつ取り扱われることが多い。従来の熱現像感光材料とは全く異なる取扱いを余儀なくされ、新たな問題が発生した。例えば、感材を直接手で触る事が多くなり、加えて感材が外気に曝されることが多く、外環境からの影響を受けやすい状況となっている。このような状況は画像の保存には好ましくなく、画像保存性の改善が熱望されている。撮影用感光材料として用いるためには、更に高い感度、画像のヘイズの改善、優れた画像保存性など、更に一段と高いレベルが要求されている。
従って本発明の目的は、露光後の画像保存性に優れた熱現像感光材料の提供、及びその画像形成方法の提供にある。
本発明の目的は、以下の熱現像感光材料及び画像形成方法によって達成された。
<1> 支持体の少なくとも一方の面側に画像形成層を設けてなり、該画像形成層が、感光性ハロゲン化銀、非感光性有機酸銀塩、還元剤、及びバインダーを含有する熱現像感光材料であって、X線増感スクリーンを用いて露光される熱現像感光材料であり、支持体に対し前記画像形成層を有する面側であって、支持体より最も遠い最外層と前記画像形成層との間に、バインダーを含有する非感光性中間層Aが設けられ、前記非感光中間層Aのバインダーが、疎水性ポリマーを50質量%以上含有することを特徴とする熱現像感光材料。
<2> 前記非感光性中間層Aが、前記画像形成層に隣接して設けられてなることを特徴とする前記<1>に記載の熱現像感光材料。
<3> 前記非感光性中間層Aと前記最外層との間に、バインダーを含有する非感光性中間層Bが設けられてなり、前記最外層及び前記非感光中間層Bの少なくとも1層は、バインダーが動物性蛋白質由来の親水性ポリマーを50質量%以上含有することを特徴とする前記<1>又は<2>に記載の熱現像感光材料。
<4> 前記非感光性中間層Aのバインダーが、前記一般式(M)で表されるモノマーを10質量%以上70質量%以下で共重合したポリマーを含有することを特徴とする前記<1>〜<3>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
一般式(M)
CH2=CR01−CR02=CH2
式中、R01およびR02は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、又はシアノ基より選ばれる基である。
<5> 前記X線増感スクリーンが、蛍光体を含有することを特徴とする前記<1>〜<4>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
<6> 前記非感光性中間層Bのバインダーが、動物性蛋白質由来の親水性ポリマーを50質量%以上含有し、最外層のバインダーが、疎水性ポリマーを含有することを特徴とする前記<1>〜<5>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
<7> 前記非感光性中間層Bが2層以上からなり、前記非感光性中間層Aに近い側の非感光性中間層Bが、動物性蛋白質由来ではない親水性ポリマーを50質量%以上含有するバインダーを含み、前記最外層に近い側の非感光性中間層Bが、動物性蛋白質由来の親水性ポリマーを50質量%以上含有するバインダーを含むことを特徴とする前記<1>〜<5>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
<8> 前記最外層のバインダーが、動物性蛋白質由来の親水性ポリマーを含有することを特徴とする前記<7>に記載の熱現像感光材料。
<9> 前記最外層のバインダーが、疎水性ポリマーを含有することを特徴とする前記<7>に記載の熱現像感光材料。
<10> 前記最外層のバインダーが、動物性蛋白質由来の親水性ポリマと、疎水性ポリマーと、を含有することを特徴とする前記<7>に記載の熱現像感光材料。
<1> 支持体の少なくとも一方の面側に画像形成層を設けてなり、該画像形成層が、感光性ハロゲン化銀、非感光性有機酸銀塩、還元剤、及びバインダーを含有する熱現像感光材料であって、X線増感スクリーンを用いて露光される熱現像感光材料であり、支持体に対し前記画像形成層を有する面側であって、支持体より最も遠い最外層と前記画像形成層との間に、バインダーを含有する非感光性中間層Aが設けられ、前記非感光中間層Aのバインダーが、疎水性ポリマーを50質量%以上含有することを特徴とする熱現像感光材料。
<2> 前記非感光性中間層Aが、前記画像形成層に隣接して設けられてなることを特徴とする前記<1>に記載の熱現像感光材料。
<3> 前記非感光性中間層Aと前記最外層との間に、バインダーを含有する非感光性中間層Bが設けられてなり、前記最外層及び前記非感光中間層Bの少なくとも1層は、バインダーが動物性蛋白質由来の親水性ポリマーを50質量%以上含有することを特徴とする前記<1>又は<2>に記載の熱現像感光材料。
<4> 前記非感光性中間層Aのバインダーが、前記一般式(M)で表されるモノマーを10質量%以上70質量%以下で共重合したポリマーを含有することを特徴とする前記<1>〜<3>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
一般式(M)
CH2=CR01−CR02=CH2
式中、R01およびR02は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、又はシアノ基より選ばれる基である。
<5> 前記X線増感スクリーンが、蛍光体を含有することを特徴とする前記<1>〜<4>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
<6> 前記非感光性中間層Bのバインダーが、動物性蛋白質由来の親水性ポリマーを50質量%以上含有し、最外層のバインダーが、疎水性ポリマーを含有することを特徴とする前記<1>〜<5>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
<7> 前記非感光性中間層Bが2層以上からなり、前記非感光性中間層Aに近い側の非感光性中間層Bが、動物性蛋白質由来ではない親水性ポリマーを50質量%以上含有するバインダーを含み、前記最外層に近い側の非感光性中間層Bが、動物性蛋白質由来の親水性ポリマーを50質量%以上含有するバインダーを含むことを特徴とする前記<1>〜<5>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
<8> 前記最外層のバインダーが、動物性蛋白質由来の親水性ポリマーを含有することを特徴とする前記<7>に記載の熱現像感光材料。
<9> 前記最外層のバインダーが、疎水性ポリマーを含有することを特徴とする前記<7>に記載の熱現像感光材料。
<10> 前記最外層のバインダーが、動物性蛋白質由来の親水性ポリマと、疎水性ポリマーと、を含有することを特徴とする前記<7>に記載の熱現像感光材料。
<11> 前記画像形成層が、支持体に対し両面に設けられてなることを特徴とする前記<1>〜<10>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
<12> 前記感光性ハロゲン化銀が、ヨウ化銀を40モル%以上100モル%以下含有することを特徴とする前記<1>〜<11>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
<13> 前記感光性ハロゲン化銀が、ヨウ化銀を80モル%以上100モル%以下含有することを特徴とする前記<1>〜<11>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
<14> 前記還元剤が、下記一般式(R1)で表される化合物であることを特徴とする前記<1>〜<13>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
一般式(R1)
(式中、R11及びR11’は、各々独立に炭素数1〜15の2級又は3級のアルキル基を表す。R12及びR12’は、各々独立に水素原子又はベンゼン環に置換可能な置換基を表す。Lは、−S−基、又は−CHR13−基を表す。R13は、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。X1及びX1’は、各々独立に水素原子又はベンゼン環に置換可能な基を表す。)
<15> 前記画像形成層が、さらに現像促進剤を含有することを特徴とする前記<1>〜<14>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
<16> 前記画像形成層が、さらに下記一般式(D)で表される化合物を含有することを特徴とする前記<14>又は<15>に記載の熱現像感光材料。
である。
一般式(D)
(式中、R21ないしR23は、各々独立にアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基又はヘテロ環基を表す。)
<12> 前記感光性ハロゲン化銀が、ヨウ化銀を40モル%以上100モル%以下含有することを特徴とする前記<1>〜<11>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
<13> 前記感光性ハロゲン化銀が、ヨウ化銀を80モル%以上100モル%以下含有することを特徴とする前記<1>〜<11>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
<14> 前記還元剤が、下記一般式(R1)で表される化合物であることを特徴とする前記<1>〜<13>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
一般式(R1)
<15> 前記画像形成層が、さらに現像促進剤を含有することを特徴とする前記<1>〜<14>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
<16> 前記画像形成層が、さらに下記一般式(D)で表される化合物を含有することを特徴とする前記<14>又は<15>に記載の熱現像感光材料。
である。
一般式(D)
<17> 前記画像形成層が、さらに下記一般式(H)で表される化合物を含有することを特徴とする前記<1>〜<16>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
一般式(H)
Q−(Y)n−C(Z1)(Z2)X
式中、Qはアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。Yは2価の連結基を表す。nは0〜1を表す。Z1及びZ2は各々独立にハロゲン原子を表す。Xは水素原子又は電子求引性基を表す。
<18> 前記画像形成層が、前記一般式(H)で表される化合物を2種以上含有することを特徴とする前記<17>に記載の熱現像感光材料。
<19> 前記画像形成層が、さらに下記一般式(I)で表される化合物を含有することを特徴とする前記<1>〜<18>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
一般式(I)
式(I)において、Rは置換基を表す。mは1〜6の整数を表す。
<20> 前記画像形成層が、さらに色調調整剤を含有することを特徴とする前記<19>に記載の熱現像感光材料。
<21> 前記非感光性有機酸銀塩が、ベヘン酸銀を90モル%以上含有することを特徴とする前記<1>〜<20>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
<22> 塗布銀量が、1.8g/m2以下であることを特徴とする前記<1>〜<21>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
<23> 支持体に対し、前記画像形成層の設けられた面側のいずれかの層が、架橋剤を含有することを特徴とする前記<1>〜<22>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
<24> 露光工程及び熱現像工程を有する熱現像感光材料の画像形成方法であって、少なくとも下記(1)〜(5)の工程を含むことを特徴とする熱現像感光材料の画像形成方法。
(1)前記<1>〜<23>のいずれかに記載の熱現像感光材料を1対のX線増感スクリーンの間に設置することにより像形成用組立体を得る工程、
(2)前記像形成組立体とX線源との間に被検体を配置する工程、
(3)前記被検体にエネルギーレベルが25kVp以上125kVp以下のX線を照射する工程、
(4)前記熱現像感光材料を前記像形成組立体から取り出す工程、
(5)取り出した熱現像感光材料を90℃以上180℃以下の範囲の温度で加熱する工程。
一般式(H)
Q−(Y)n−C(Z1)(Z2)X
式中、Qはアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。Yは2価の連結基を表す。nは0〜1を表す。Z1及びZ2は各々独立にハロゲン原子を表す。Xは水素原子又は電子求引性基を表す。
<18> 前記画像形成層が、前記一般式(H)で表される化合物を2種以上含有することを特徴とする前記<17>に記載の熱現像感光材料。
<19> 前記画像形成層が、さらに下記一般式(I)で表される化合物を含有することを特徴とする前記<1>〜<18>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
一般式(I)
<20> 前記画像形成層が、さらに色調調整剤を含有することを特徴とする前記<19>に記載の熱現像感光材料。
<21> 前記非感光性有機酸銀塩が、ベヘン酸銀を90モル%以上含有することを特徴とする前記<1>〜<20>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
<22> 塗布銀量が、1.8g/m2以下であることを特徴とする前記<1>〜<21>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
<23> 支持体に対し、前記画像形成層の設けられた面側のいずれかの層が、架橋剤を含有することを特徴とする前記<1>〜<22>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
<24> 露光工程及び熱現像工程を有する熱現像感光材料の画像形成方法であって、少なくとも下記(1)〜(5)の工程を含むことを特徴とする熱現像感光材料の画像形成方法。
(1)前記<1>〜<23>のいずれかに記載の熱現像感光材料を1対のX線増感スクリーンの間に設置することにより像形成用組立体を得る工程、
(2)前記像形成組立体とX線源との間に被検体を配置する工程、
(3)前記被検体にエネルギーレベルが25kVp以上125kVp以下のX線を照射する工程、
(4)前記熱現像感光材料を前記像形成組立体から取り出す工程、
(5)取り出した熱現像感光材料を90℃以上180℃以下の範囲の温度で加熱する工程。
通常、画像保存性を改善するには、画像形成層の組成物の変更が検討される。しかしながら、画像形成層の組成を変更すると、その他の組成物との調整が極めて煩雑であり、開発された新たな組成物を画像形成層に適用する度に、すべての組成物について再検討しなければならない。
一方、最外層は、現像時、搬送時、及び保存時等において、外部と直接接触する部分であり、画質以外の問題について検討しなければならない。例えば、耐傷性、搬送性(すべり性)等を改善するため、最外層(又は最外層に隣接する層)には、マット剤やすべり剤などが添加されている。よって、最外層の組成を変更すると、これらの物理的性質が変わってしまう恐れがあり、大幅な組成の変更は困難である。
一方、最外層は、現像時、搬送時、及び保存時等において、外部と直接接触する部分であり、画質以外の問題について検討しなければならない。例えば、耐傷性、搬送性(すべり性)等を改善するため、最外層(又は最外層に隣接する層)には、マット剤やすべり剤などが添加されている。よって、最外層の組成を変更すると、これらの物理的性質が変わってしまう恐れがあり、大幅な組成の変更は困難である。
また医療診断では、感材は1枚ずつ取り扱われることが多く、更に外環境からの影響を受けやすい環境となっているため、多くの問題を抱えている。その中でも、画像が白抜けするという状況は深刻で、誤診を引き起こす恐れがある。画像の白抜けに対して、感材の改善が急務であるとの認識が、本発明の開発過程で始めて明らかとなった。
画像の白抜けについて研究を重ねた結果、指跡等による汗・油が付着した感材箇所で、画像が白抜けしやすいことが判明した。医療感材は、直接手で取り扱われるため、指跡が付着しやすい。
画像の白抜けについて研究を重ねた結果、指跡等による汗・油が付着した感材箇所で、画像が白抜けしやすいことが判明した。医療感材は、直接手で取り扱われるため、指跡が付着しやすい。
更なる研究開発の過程で、本発明者らは、画像形成層と最外層との間の非感光性中間層に着目した。その結果、画像形成層よりも外側のいずれかの層を疎水性層とすることが重要であることを見出し、本発明に至った。
保存性をより改善するためには、画像形成層に「隣接する」非感光性中間層に極めて疎水性の強いバインダーを適用ことが有効であることも判明した。ここで、疎水性の強いバインダーを検討したところ、一般式(M)で表されるモノマーを共重合させたポリマー(のラテックス)を80質量%以上含有するバインダーである場合に、画像保存性に極めて優れた結果となった。
保存性をより改善するためには、画像形成層に「隣接する」非感光性中間層に極めて疎水性の強いバインダーを適用ことが有効であることも判明した。ここで、疎水性の強いバインダーを検討したところ、一般式(M)で表されるモノマーを共重合させたポリマー(のラテックス)を80質量%以上含有するバインダーである場合に、画像保存性に極めて優れた結果となった。
このメカニズムは解明されていないが、本発明者らは、指跡付着時の汗の浸入が、変色を誘引しているのではないかと推測する。汗中の塩素イオンが、非感光性有機銀塩の銀イオンと反応し、徐々にハロゲン化銀が形成され得る。ハロゲン化銀は感光性であるため、生成したハロゲン化銀が変色を引き起こしているものと思われる。本発明のように、画像形成層よりも外層を疎水性の強い層とすることで、外部から画像形成層への汗、塩分、水分等の浸入を効率良く阻止でき、ハロゲン化銀の生成を未然に防いでいるものと思われる。特に、疎水性ポリマーのなかでも、一般式(M)で表されるモノマーを共重合させたポリマーを用いた場合、画像保存性が格段に改善されることも判明した。
一方、疎水性バインダーは、セット性を有さず塗布性に問題があった。セット性とは、温度が低下することで塗布液がゲル化し、流動性を失うことをいう。この性質を利用すると、加温した塗布溶液を支持体上に塗布した後冷却することで、流動性を止めることができる。したがって、セット性を有する塗布液を用いた場合、乾燥時の風でムラが発生し難く、塗布面状が均一となる。本発明では、塗布面状及び塗布作業効率を改善するため、疎水性のバインダーを含有する非感光性中間層Aよりも支持体から遠い側の何れかの層に、動物性蛋白質由来の水溶性ポリマー(ゼラチン等)含有層を設けた。このような層構成とすることで、画像形成層面の流動性が失われ、塗布面状も均一となる。熱現像感光材料においては、現像液処理による膨潤がないため、製造時の塗布面のわずかな不均一性が、、濃度ムラや、ヘイズとなって発現し、画像診断の妨げになりかねない。熱現像感光材料において、塗布膜の均一性は、極めて重要な性能の一つである。
さらに、熱現像を迅速に処理できるような組成とした熱現像感光材料では、より外部環境から影響を受けやすくなっている。迅速処理用の感材組成としては、(1)還元剤を高活性のものとする、(2)現像促進剤が添加されている、(3)特定のカブリ防止剤を用いる、(4)特定の色調剤が添加されている、等が特徴である。このような迅速処理用熱現像感光材料においても、上記層構成を有する熱現像感光材料では、画像保存性に優れたものとなっている。
本発明により、露光後の画像保存性に優れた熱現像感光材料、及びその画像形成方法が提供される。
本発明の熱現像感光材料は、支持体の少なくとも一方の面側に、感光性ハロゲン化銀、非感光性有機酸銀塩、還元剤、及びバインダーを含有する画像形成層を設けてなる熱現像感光材料であって、支持体に対し前記画像形成層を有する面側であって、支持体より最も遠い最外層と前記画像形成層との間に、バインダーを含有する非感光性中間層Aが設けられ、前記非感光中間層Aのバインダーが、疎水性ポリマーを50質量%以上含有することを特徴とする。このような構成を有する感材を、X線増感スクリーンを用いた医療感材として使用する場合、このような構成を有する感材が、画像の白抜け抑制に極めて有効である。
以下では、まず本発明の熱現像感光材料の層構成を説明し、次に各層の構成成分について説明する。
以下では、まず本発明の熱現像感光材料の層構成を説明し、次に各層の構成成分について説明する。
1.層構成
本発明の熱現像感光材料は、少なくとも1層の画像形成層を有し、最外層と画像形成層との間に、非感光性中間層Aを有する。非感光性中間層Aのバインダーは、疎水性ポリマーを50質量%以上含有する。
本発明の熱現像感光材料は、少なくとも1層の画像形成層を有し、最外層と画像形成層との間に、非感光性中間層Aを有する。非感光性中間層Aのバインダーは、疎水性ポリマーを50質量%以上含有する。
すなわち、層構成として必須の層は、支持体側から(1)画像形成層、(2)非感光性中間層A、(3)最外層、である。(2)非感光性中間層A、と(3)最外層、との間に非感光性中間層Bを設けることもできる。最外層および非感光中間層Bの少なくとも1層において、バインダーは、動物性蛋白質由来の親水性ポリマーを50質量%以上含有することが好ましい。また、画像形成層と非感光性中間層Aとが隣接して設けられることも好ましい態様である。
通常、最外層の役割は、搬送性や耐傷性を良好にし、画像形成層の付着を防止することである。したがって、最外層には、バインダーのほか、マット剤やすべり剤、界面活性剤などの添加剤が添加されることが多い。最外層のほかに表面保護層を単層又は複数層設けても良い。表面保護層については、特開平11−65021号段落番号0119〜0120、特開2000−171936号に記載されている。
また、中間層は、画像形成層と最外層との境界層として設けられることが多く、通常、層の大部分がバインダーで占められている。その他、中間層には各種添加剤を添加することも可能である。
また、中間層は、画像形成層と最外層との境界層として設けられることが多く、通常、層の大部分がバインダーで占められている。その他、中間層には各種添加剤を添加することも可能である。
非感光性中間層及び最外層について、好ましい層構成(好ましいバインダー種)を以下に示すが、これらに限定されない。
以下、一般式(M)で表されるモノマーを共重合させたポリマーを「一般式(M)のポリマー」と称し、一般式(M)で表されるモノマーを共重合させたポリマーを「一般式(M)のポリマー」と称す。更に疎水性ポリマー(一般式(M)で表されるモノマーを共重合させたポリマーに限定されない)を「疎水性ポリマー」と称し、動物性蛋白質由来の親水性ポリマー(例えば、ゼラチン等)を「親水性ポリマー1」と称し、動物性蛋白質由来ではない親水性ポリマー(例えば、ポリビニルアルコール(PVA))を50質量%以上含有するものを「親水性ポリマー2」と称す。
本発明では、非感光性中間層Aよりも支持体から遠い側に、親水性ポリマー1を50質量%以上含有するバインダーを含有する層を設けることが好ましい。
最外層について塗布性能を考慮した場合、バインダーはゼラチン等の親水性ポリマー1を50質量%以上含有することが好ましく、べたつきや指跡による画像保存性を考慮すると疎水性ポリマーを含有することが好ましい。
層構成例3、4、6のいずれかの構成において、最外層の親水性ポリマー1に代えて、親水性ポリマー2を使用することも可能である。特に、非感光性中間層Bがゼラチン含有層、かつ最外層に疎水性ポリマーを含有する場合には、最外層中の疎水性ポリマーとの接触による凝集を抑えるために、使用することが好ましい。
最外層について塗布性能を考慮した場合、バインダーはゼラチン等の親水性ポリマー1を50質量%以上含有することが好ましく、べたつきや指跡による画像保存性を考慮すると疎水性ポリマーを含有することが好ましい。
層構成例3、4、6のいずれかの構成において、最外層の親水性ポリマー1に代えて、親水性ポリマー2を使用することも可能である。特に、非感光性中間層Bがゼラチン含有層、かつ最外層に疎水性ポリマーを含有する場合には、最外層中の疎水性ポリマーとの接触による凝集を抑えるために、使用することが好ましい。
非感光性中間層Bは、塗布性能を考慮すると、バインダーは親水性ポリマー1を50質量%以上含有することが好ましく、ゼラチン含有層と疎水性ポリマー含有層との接触による凝集を抑えることを考慮すれば、PVA等の親水性ポリマー2を50質量%以上含有する層との2層化が好ましい。
(i)最外層のバインダーが親水性ポリマー1を50質量%以上含有しない場合
最外層のバインダーが親水性ポリマー1を50質量%以上含有しない場合、非感光性中間層Bのバインダーは、親水性ポリマー1を50質量%以上含有することが好ましい。この場合、最外層のバインダーは、親水性ポリマーであっても疎水性ポリマーであってもよい。最外層のバインダーが親水性ポリマーを含有する場合、親水性ポリマーは、親水性ポリマー1であっても、親水性ポリマー2であってもよい。セット性を考慮すると、最外層のバインダーも親水性ポリマー1を50質量%以上含有する、又は親水性ポリマー2にゲル化剤を添加することが好ましい。最外層に疎水性ポリマーを用いた場合、指跡付着やべたつきを抑えることができるため、このような層構成も好ましい。これらのポリマーは親水性ポリマー又は疎水性ポリマーの如何を問わず、併用することができる。
最外層のバインダーが親水性ポリマー1を50質量%以上含有しない場合、非感光性中間層Bのバインダーは、親水性ポリマー1を50質量%以上含有することが好ましい。この場合、最外層のバインダーは、親水性ポリマーであっても疎水性ポリマーであってもよい。最外層のバインダーが親水性ポリマーを含有する場合、親水性ポリマーは、親水性ポリマー1であっても、親水性ポリマー2であってもよい。セット性を考慮すると、最外層のバインダーも親水性ポリマー1を50質量%以上含有する、又は親水性ポリマー2にゲル化剤を添加することが好ましい。最外層に疎水性ポリマーを用いた場合、指跡付着やべたつきを抑えることができるため、このような層構成も好ましい。これらのポリマーは親水性ポリマー又は疎水性ポリマーの如何を問わず、併用することができる。
(ii)最外層のバインダーが親水性ポリマー1を50質量%以上含有する場合
最外層のバインダーが親水性ポリマー1を50質量%以上含有する場合、非感光性中間層Bのバインダーは特に制限されないが、親水性ポリマー1を50質量%以上含有するバインダー、又は、親水性ポリマー2を50質量%以上含有するバインダーであることが好ましい。最外層には、搬送性、耐傷性を考慮して、マット剤や、界面活性剤等の添加剤が添加されていることが多く、バインダーの含有量が制限されていることが多い。よって、最外層に親水性ポリマー1を50質量%以上含有するバインダーを用いた場合に、さらに非感光性中間層Bに親水性ポリマー1を50質量%以上含有するバインダーを用いて、塗布性能を向上させることも好ましい態様である。より好ましくは、非感光性中間層Bを2層以上設け、非感光性中間層Aに近い側の非感光性中間層Bのバインダーは、親水性ポリマー2を50質量%以上含有し、最外層に近い側の非感光性中間層Bのバインダーは、親水性ポリマー1を50質量%以上含有する場合である。親水性ポリマー2を50質量%以上含有する非感光性中間層Bを設けることで、ゼラチン層と疎水性層との接触による凝集を抑えることができる。
最外層のバインダーが親水性ポリマー1を50質量%以上含有する場合、非感光性中間層Bのバインダーは特に制限されないが、親水性ポリマー1を50質量%以上含有するバインダー、又は、親水性ポリマー2を50質量%以上含有するバインダーであることが好ましい。最外層には、搬送性、耐傷性を考慮して、マット剤や、界面活性剤等の添加剤が添加されていることが多く、バインダーの含有量が制限されていることが多い。よって、最外層に親水性ポリマー1を50質量%以上含有するバインダーを用いた場合に、さらに非感光性中間層Bに親水性ポリマー1を50質量%以上含有するバインダーを用いて、塗布性能を向上させることも好ましい態様である。より好ましくは、非感光性中間層Bを2層以上設け、非感光性中間層Aに近い側の非感光性中間層Bのバインダーは、親水性ポリマー2を50質量%以上含有し、最外層に近い側の非感光性中間層Bのバインダーは、親水性ポリマー1を50質量%以上含有する場合である。親水性ポリマー2を50質量%以上含有する非感光性中間層Bを設けることで、ゼラチン層と疎水性層との接触による凝集を抑えることができる。
通常、熱現像感光材料は、その他非感光性層として、画像形成層と支持体との間に設けられる下塗り層、画像形成層の反対側に設けられるバック層、支持体からバック層よりも遠い側にバック面保護層を更に設ける。これらの層は、各々独立に単層であっても複数層であってもよい。
また、光学フィルターとして作用する層を設けることができ、通常は、最外層又は中間層として設けられる。アンチハレーション層は、下塗り層又はバック層として感光材料に設けられる。
また、光学フィルターとして作用する層を設けることができ、通常は、最外層又は中間層として設けられる。アンチハレーション層は、下塗り層又はバック層として感光材料に設けられる。
本発明の熱現像感光材料は、支持体の一方の面のみに画像形成層を有する片面タイプであっても、支持体の両面に画像形成層を有する両面タイプであっても良い。両面タイプの場合には、少なくとも一方の面が上記層構成となっていれば、他方の面は特に限定されない。
多色感光性熱現像写真材料の構成は、各色についてこれらの二層の組合せを含んでよく、また、米国特許第4,708,928号に記載されているように単一層内に全ての成分を含んでいてもよい。多染料多色感光性熱現像写真材料の場合、各乳剤層は、一般に、米国特許第4,460,681号に記載されているように、各感光性層の間に官能性もしくは非官能性のバリアー層を使用することにより、互いに区別されて保持される。
2.各層の構成成分
以下において、疎水性ポリマーをバインダー中50質量%以上含有する非感光性中間層Aについて詳細に説明する。次いで、非感光性中間層B及び最外層に用いることのできる親水性ポリマー1を50質量%以上含有する層(以下、「親水性ポリマー1含有層」と称する。)、及び親水性ポリマー2を含有する層(以下、「親水性ポリマー2含有層」と称する。)について説明する。
以下において、疎水性ポリマーをバインダー中50質量%以上含有する非感光性中間層Aについて詳細に説明する。次いで、非感光性中間層B及び最外層に用いることのできる親水性ポリマー1を50質量%以上含有する層(以下、「親水性ポリマー1含有層」と称する。)、及び親水性ポリマー2を含有する層(以下、「親水性ポリマー2含有層」と称する。)について説明する。
(1)非感光性中間層A
1)バインダー
本発明において、非感光性中間層Aのバインダーは、疎水性ポリマーを50質量%以上含有する。好ましくは、80質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは、90質量%以上100質量%以下である。50質量%より少ない場合、画像保存性の改良効果が小さくなり好ましくない。
本発明において、疎水性ポリマーは、水分散物として塗布溶液に含有させることが好ましい。水分散物は、水系溶媒に水不溶な疎水性ポリマーの微粒子が分散しているラテックスや、ポリマー分子が分子状態又はミセルを形成して分散しているものなどいずれでもよいが、ラテックス分散した粒子がより好ましい。分散粒子の平均粒径は1nm以上50000nm以下、好ましくは5nm以上1000nm以下の範囲で、より好ましくは10nm以上500nm以下の範囲、さらに好ましくは50nm以上200nm以下の範囲である。分散粒子の粒径分布に関しては特に制限は無く、広い粒径分布を持つものでも単分散の粒径分布を持つものでもよい。単分散の粒径分布を持つものを2種以上混合して使用することも塗布液の物性を制御する上で好ましい使用法である。
1)バインダー
本発明において、非感光性中間層Aのバインダーは、疎水性ポリマーを50質量%以上含有する。好ましくは、80質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは、90質量%以上100質量%以下である。50質量%より少ない場合、画像保存性の改良効果が小さくなり好ましくない。
本発明において、疎水性ポリマーは、水分散物として塗布溶液に含有させることが好ましい。水分散物は、水系溶媒に水不溶な疎水性ポリマーの微粒子が分散しているラテックスや、ポリマー分子が分子状態又はミセルを形成して分散しているものなどいずれでもよいが、ラテックス分散した粒子がより好ましい。分散粒子の平均粒径は1nm以上50000nm以下、好ましくは5nm以上1000nm以下の範囲で、より好ましくは10nm以上500nm以下の範囲、さらに好ましくは50nm以上200nm以下の範囲である。分散粒子の粒径分布に関しては特に制限は無く、広い粒径分布を持つものでも単分散の粒径分布を持つものでもよい。単分散の粒径分布を持つものを2種以上混合して使用することも塗布液の物性を制御する上で好ましい使用法である。
本発明において疎水性ポリマーとしては、特に制限はないが、アクリル系ポリマー、ポリ(エステル)類、ゴム類(例えばSBR樹脂)、ポリ(ウレタン)類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(塩化ビニリデン)類、ポリ(オレフィン)類等の疎水性ポリマーを好ましく用いることができる。これらポリマーとしては直鎖のポリマーでも枝分かれしたポリマーでもまた架橋されたポリマーでもよいし、単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーでもよいし、2種類以上のモノマーが重合したコポリマーでもよい。コポリマーの場合はランダムコポリマーでも、ブロックコポリマーでもよい。これらポリマーの分子量は数平均分子量で5000以上1000000以下、好ましくは10000以上200000以下がよい。分子量が小さすぎるものは画像形成層の力学強度が不十分であり、大きすぎるものは成膜性が悪く好ましくない。また、架橋性のポリマーラッテクスは特に好ましく使用される。
本発明の疎水性ポリマーのTgは−30℃以上70℃以下の範囲にあるものが好ましい。さらに好ましくは−20℃以上35℃以下であり、最も好ましくは−10℃以上35℃以下である。Tgが−30℃より低い場合、成膜性に優れてはいるが、耐熱強度の弱い膜となり、70℃よりも高い場合には、ポリマーの耐熱強度は優れているが、成膜性が不十分な膜となるため好ましくない。ただし、このようなTgとするために、2種以上のポリマーを用いて調製することも可能である。すなわち、上記範囲外のTgを有するポリマーであっても、その重量平均Tgが上記の範囲に入ることが好ましい。
疎水性ポリマーは、I/O値が、0.025以上0.5以下であることが好ましい。より好ましくは、0.05以上0.3以下である。I/O値とは、有機概念図に基づく無機性基を有機性基で割った値である。I/O値が、0.025より低い場合は、水系の溶媒に対する親和性に乏しく、水系の塗布液で塗布することが困難となり、0.5より高い場合には、出来上がった膜が親水的な膜となり湿度に対する写真性に影響を及ぼし、写真性能が著しく悪化するため好ましくない。I/O値は、「有機概念図−基礎と応用−」(1984年 甲田善生著、三共出版発行)に記載の方法によって求めることができる。
本発明の疎水性ポリマーのTgは−30℃以上70℃以下の範囲にあるものが好ましい。さらに好ましくは−20℃以上35℃以下であり、最も好ましくは−10℃以上35℃以下である。Tgが−30℃より低い場合、成膜性に優れてはいるが、耐熱強度の弱い膜となり、70℃よりも高い場合には、ポリマーの耐熱強度は優れているが、成膜性が不十分な膜となるため好ましくない。ただし、このようなTgとするために、2種以上のポリマーを用いて調製することも可能である。すなわち、上記範囲外のTgを有するポリマーであっても、その重量平均Tgが上記の範囲に入ることが好ましい。
疎水性ポリマーは、I/O値が、0.025以上0.5以下であることが好ましい。より好ましくは、0.05以上0.3以下である。I/O値とは、有機概念図に基づく無機性基を有機性基で割った値である。I/O値が、0.025より低い場合は、水系の溶媒に対する親和性に乏しく、水系の塗布液で塗布することが困難となり、0.5より高い場合には、出来上がった膜が親水的な膜となり湿度に対する写真性に影響を及ぼし、写真性能が著しく悪化するため好ましくない。I/O値は、「有機概念図−基礎と応用−」(1984年 甲田善生著、三共出版発行)に記載の方法によって求めることができる。
ここで、有機概念図とは、化合物の性質を共有結合性を表わす有機性基と、イオン結合性を表わす無機性基に分け、すべての有機化合物を有機軸と無機軸と名付けた直行座標上の1点ずつに位置づけて示すものであり、これに基づく無機性値とは無機性、すなわち種々の置換基の沸点への影響力の大小を、水酸基を基準に定め、直鎖アルコールの沸点曲線と直鎖パラフィンの沸点曲線との距離を炭素数5の付近で取ると約100℃となるので、水酸基1個の影響力を数値で100と定めた値である。一方有機性値とは、有機性の数値の大小は分子内のメチレン基を単位とし、そのメチレン基を代表する炭素原子の数で測ることができるとし、基本になる炭素数1個の数値は、直鎖化合物の炭素数5〜10付近での炭素1個加わることによる沸点上昇の平均値20℃を取り、これを基準に20と定めた値である。この無機性値と有機性値は、グラフ上で1対1に対応する様に定めてある。I/O値はこれらの値から算出したものである。
本発明における非感光性中間層Aのバインダーとしてより好ましいものは、一般式(M)
で表されるモノマーを共重合させたポリマーである。
非感光性中間層におけるバインダー中、一般式(M)で表されるモノマーを共重合したポリマーの含有率は、80質量%以上が好ましく、より好ましくは、85質量%以上100質量%以下であり、さらに好ましくは90質量%以上100質量%以下である。
で表されるモノマーを共重合させたポリマーである。
非感光性中間層におけるバインダー中、一般式(M)で表されるモノマーを共重合したポリマーの含有率は、80質量%以上が好ましく、より好ましくは、85質量%以上100質量%以下であり、さらに好ましくは90質量%以上100質量%以下である。
一般式(M)
CH2=CR01−CR02=CH2
式中、R01およびR02は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、又はシアノ基より選ばれる基である。
CH2=CR01−CR02=CH2
式中、R01およびR02は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、又はシアノ基より選ばれる基である。
R01およびR02の好ましいアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜2のアルキル基である。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子が好ましく、塩素原子がさらに好ましい。
R01およびR02として、特に好ましくは、両方が水素原子か、または、一方が水素原子で他方がメチル基、又は塩素原子である。
R01およびR02として、特に好ましくは、両方が水素原子か、または、一方が水素原子で他方がメチル基、又は塩素原子である。
本発明における一般式(M)で表されるモノマーの具体例としては、1、3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2‐n‐プロピル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2‐クロル‐1,3−ブタジエン、1−ブロム−1,3−ブタジエン、2‐フルオロ‐1,3−ブタジエン、2,3−ジクロル−1,3−ブタジエン及び2‐シアノ−1,3−ブタジエンがあげられる。
本発明において、一般式(M)で表されるモノマーと共重合され得る他のモノマーとしては、特に制限はなく、通常のラジカル重合又はイオン重合法で重合可能なものであれば、好適に用いることができる。
好ましく用いることができるモノマーとして、下記に示すモノマー群(a)〜(j)から独立かつ自由に組み合わせて選択することができる。
好ましく用いることができるモノマーとして、下記に示すモノマー群(a)〜(j)から独立かつ自由に組み合わせて選択することができる。
−モノマー群(a)〜(j)−
(a)共役ジエン類:1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1−α−ナフチル−1,3−ブタジエン、1−β−ナフチル−1,3−ブタジエン、1−ブロム−1,3−ブタジエン、1−クロル−1,3−ブタジエン、1,1,2−トリクロル−1,3−ブタジエン、シクロペンタジエン等。
(b) オレフィン類:エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、6−ヒドロキシ−1−ヘキセン、4−ペンテン酸、8−ノネン酸メチル、ビニルスルホン酸、トリメチルビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,2,5−トリビニルシクロヘキサン等
(c)α,β−不飽和カルボン酸及びその塩類:アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸アンモニウム、イタコン酸カリウム等。
(a)共役ジエン類:1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1−α−ナフチル−1,3−ブタジエン、1−β−ナフチル−1,3−ブタジエン、1−ブロム−1,3−ブタジエン、1−クロル−1,3−ブタジエン、1,1,2−トリクロル−1,3−ブタジエン、シクロペンタジエン等。
(b) オレフィン類:エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、6−ヒドロキシ−1−ヘキセン、4−ペンテン酸、8−ノネン酸メチル、ビニルスルホン酸、トリメチルビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,2,5−トリビニルシクロヘキサン等
(c)α,β−不飽和カルボン酸及びその塩類:アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸アンモニウム、イタコン酸カリウム等。
(d)α,β−不飽和カルボン酸エステル類:アルキルアクリレ−ト(例えば、メチルアクリレ−ト、エチルアクリレ−ト、ブチルアクリレ−ト、シクロヘキシルアクリレ−ト、2−エチルヘキシルアクリレ−ト、ドデシルアクリレ−ト等)、置換アルキルアクリレ−ト(例えば、2−クロロエチルアクリレ−ト、ベンジルアクリレ−ト、2−シアノエチルアクリレ−ト等)、アルキルメタクリレ−ト(例えば、メチルメタクリレ−ト、ブチルメタクリ−レ−ト、2−エチルヘキシルメタクリレ−ト、ドデシルメタクリレ−ト等)、置換アルキルメタクリレ−ト(例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト、グリシジルメタクリレ−ト、グリセリンモノメタクリレ−ト、2−アセトキシエチルメタクリレ−ト、テトラヒドロフルフリルメタクリレ−ト、2−メトキシエチルメタクリレ−ト、ポリプロピレングリコ−ルモノメタクリレ−ト(ポリオキシプロピレンの付加モル数=2ないし100のもの)、3−N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレ−ト、クロロ−3−N,N,N−トリメチルアンモニオプロピルメタクリレ−ト、2−カルボキシエチルメタクリレ−ト、3−スルホプロピルメタクリレ−ト、4−オキシスルホブチルメタクリレ−ト、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレ−ト、アリールメタクリレ−ト、2−イソシアナトエチルメタクリレ−ト等)、不飽和ジカルボン酸の誘導体(例えば、マレイン酸モノブチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジブチル等)、多官能エステル類(例えばエチレングリコ−ルジアクリレ−ト、エチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、1,4−シクロヘキサンジアクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルテトラメタクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルトリアクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパントリアクリレ−ト、トリメチロ−ルエタントリアクリレ−ト、ジペンタエリスリト−ルペンタメタクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルヘキサアクリレ−ト、1,2,4−シクロヘキサンテトラメタクリレ−ト等)。
(e)β−不飽和カルボン酸のアミド類:例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチル−N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−tertブチルアクリルアミド、N−tertオクチルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)アクリルアミド、N−アクリロイルモルフォリン、ジアセトンアクリルアミド、イタコン酸ジアミド、N−メチルマレイミド、2−アクリルアミド−メチルプロパンスルホン酸、メチレンビスアクリルアミド、ジメタクリロイルピペラジン等
(f)不飽和ニトリル類:アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(g)スチレン及びその誘導体:スチレン、ビニルトルエン、p−tertブチルスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、ビニルナフタレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、p−スチレンスルホン酸ナトリウム塩、p−スチレンスルフィン酸カリウム塩、p−アミノメチルスチレン、1,4−ジビニルベンゼン等。
(h)ビニルエ−テル類:メチルビニルエ−テル、ブチルビニルエ−テル、メトキシエチルビニルエ−テル等。
(i)ビニルエステル類:酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニルクロロ酢酸ビニル等。
(j)その他の重合性単量体:N−ビニルイミダゾール、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、2−ビニルオキサゾリン、2−イソプロペニルオキサゾリン、ジビニルスルホン等。
(f)不飽和ニトリル類:アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(g)スチレン及びその誘導体:スチレン、ビニルトルエン、p−tertブチルスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、ビニルナフタレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、p−スチレンスルホン酸ナトリウム塩、p−スチレンスルフィン酸カリウム塩、p−アミノメチルスチレン、1,4−ジビニルベンゼン等。
(h)ビニルエ−テル類:メチルビニルエ−テル、ブチルビニルエ−テル、メトキシエチルビニルエ−テル等。
(i)ビニルエステル類:酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニルクロロ酢酸ビニル等。
(j)その他の重合性単量体:N−ビニルイミダゾール、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、2−ビニルオキサゾリン、2−イソプロペニルオキサゾリン、ジビニルスルホン等。
好ましくは、スチレン、アクリル酸、及び/又はアクリル酸エステルとの共重合である。さらに、出来上がった疎水性ポリマーを分散安定性の良い水分散物として使用できる点から、スチレン及びアクリル酸をモノマー単位として有する共重合体であることが好ましい。
一般式(M)で表されるモノマーと他のモノマーとの共重合比率は特に制限は無いが、好ましくは、一般式(M)で表されるモノマーを10質量%以上70質量%以下、より好ましくは15質量%以上65質量%以下、さらに好ましくは20質量%以上60質量%以下で共重合する場合である。
一般式(M)で表されるモノマーと他のモノマーとの共重合比率は特に制限は無いが、好ましくは、一般式(M)で表されるモノマーを10質量%以上70質量%以下、より好ましくは15質量%以上65質量%以下、さらに好ましくは20質量%以上60質量%以下で共重合する場合である。
好ましい疎水性ポリマーの具体例としては以下のものを挙げることができる。以下では原料モノマーを用いて表し、括弧内の数値は質量%、分子量は数平均分子量である。多官能モノマーを使用した場合は架橋構造を作るため分子量の概念が適用できないので架橋性と記載し、分子量の記載を省略した。Tgはガラス転移温度を表す。
LPA−1;−MMA(55)−EA(42)−MAA(3)−のラテックス(Tg39℃、I/O値0.636)
LPA−2;−MMA(47)−EA(50)−MAA(3)−のラテックス(Tg29℃、I/O値0.636)
LPA−3;−MMA(17)−EA(80)−MAA(3)−のラテックス(Tg−4℃、I/O値0.636)
LPA−4;−EA(97)−MAA(3)−のラテックス(Tg−20℃、I/O値0.636)
LPA−5;−EA(97)−AA(3)−のラテックス(Tg−21℃、I/O値0.648)
LPA−6;−EA(90)−AA(10)−のラテックス(Tg−15℃、I/O値0.761)
LPA−7;−MMA(50)−2EHA(35)−St(10)−AA(5)−のラテックス(Tg34℃、I/O値0.461)
LPA−8;−MMA(30)−2EHA(55)−St(10)−AA(5)−のラテックス(Tg3℃、I/O値0.398)
LPA−9;−MMA(10)−2EHA(75)−St(10)−AA(5)−のラテックス(Tg−23℃、I/O値0.339)
LPA−10;−MMA(60)−BA(36)−AA(4)−のラテックス(Tg29℃、I/O値0.581)
LPA−11;−MMA(40)−BA(56)−AA(4)−のラテックス(Tg−2℃、I/O値0.545)
LPA−12;−MMA(25)−BA(71)−AA(4)−のラテックス(Tg−22℃、I/O値0.519)
LPA−13;−MMA(42)−BA(56)−AA(2)−(分子量540000、Tg−4℃、I/O値0.530)
LPA−14;−St(40)−BA(55)−AA(5)−のラテックス(Tg−2℃、I/O値0.319)
LPA−15;−St(25)−BA(70)−AA(5)−のラテックス(Tg−21℃、I/O値0.377)
LPA−16;−MMA(58)−St(8)−BA(32)−AA(2)−のラテックス(Tg34℃、I/O値0.515)
LPA−17;−MMA(50)−St(8)−BA(35)−HEMA(5)−AA(2)−のラテックス(Tg27℃、I/O値0.542)
LPA−18;−MMA(42)−St(8)−BA(43)−HEMA(5)−AA(2)−のラテックス(Tg14℃、I/O値0.528)
LPA−19;−MMA(24)−St(8)−BA(61)−HEMA(5)−AA(2)−のラテックス(Tg−12℃、I/O値0.498)
LPA
−20;−MMA(48)−St(8)−BA(27)−HEMA(15)−AA(2)−のラテックス(Tg39℃、I/O値0.619)
LPA−21;−EA(96)−AA(4)−のラテックス(Tg−21℃、I/O値0.664)
LPA−22;−EA(46)−MA(50)−AA(4)−のラテックス(Tg−4℃、I/O値0.739)
LPA−23;−EA(80)−HEMA(16)−AA(4)−のラテックス(Tg−9℃、I/O値0.775)
LPA−24;−EA(86)−HEMA(10)−AA(4)−のラテックス(Tg−13℃、I/O値0.733)
LPA−25;−St(45)−Bu(52)−MAA(3)−のラテックス(Tg−26℃、I/O値0.990)
LPA−26;−St(55)−Bu(42)−MAA(3)−のラテックス(Tg−9℃、I/O値0.105)
LPA−27;−St(60)−Bu(37)−MAA(3)−のラテックス(Tg1℃、I/O値0.109)
LPA−28;−St(68)−Bu(29)−MAA(3)−のラテックス(Tg17℃、I/O値0.114)
LPA−29;−St(75)−Bu(22)−MAA(3)−のラテックス(Tg34℃、I/O値0.119)
LPA−30;−St(40)−BA(58)−AA(2)−のラテックス(Tg−8.1℃、I/O値0.293)
LPA−31;−St(40)−BA(58)−MAA(2)−のラテックス(Tg−7.1℃、I/O値0.287)
LPA−32;−St(57.2)−BA(27.7)−MMA(8.7)−HEMA(4.8)−AA(1.6)のラテックス(Tg37.8℃、I/O値0.269)
LPA−33;−St(49.6)−BA(40)−MMA(4)−HEMA(4.8)−AA(1.6)のラテックス(Tg16.7℃、I/O値0.289)
LPA−34;−St(80)−2EHA(18)−AA(2)−のラテックス(Tg59.7℃、I/O値0.148)
LPA−35;−St(70)−2EHA(28)−AA(2)−のラテックス(Tg40.9℃、I/O値0.164)
LPA−36;−St(10)−2EHA(38)−MMA(50)−AA(2)−のラテックス(Tg25.6℃、I/O値0.427)
LPA−37;−St(10)−2EHA(58)−MMA(30)−AA(2)−のラテックス(Tg−3.9℃、I/O値0.365)
LPA−38;−St(10)−2EHA(78)−MMA(10)−AA(2)−のラテックス(Tg−28.1℃、I/O値0.308)
LPA−39;−St(20)−2EHA(68)−MMA(10)−AA(2)−のラテックス(Tg−16.8℃、I/O値0.285)
LPA−40;−St(30)−2EHA(58)−MMA(10)−AA(2)−のラテックス(Tg−4.4℃、I/O値0.263)
LPA−41;−MMA(45)−BA(52)−イタコン酸(3)−のラテックス(Tg4℃、I/O値0.560)
LPA−2;−MMA(47)−EA(50)−MAA(3)−のラテックス(Tg29℃、I/O値0.636)
LPA−3;−MMA(17)−EA(80)−MAA(3)−のラテックス(Tg−4℃、I/O値0.636)
LPA−4;−EA(97)−MAA(3)−のラテックス(Tg−20℃、I/O値0.636)
LPA−5;−EA(97)−AA(3)−のラテックス(Tg−21℃、I/O値0.648)
LPA−6;−EA(90)−AA(10)−のラテックス(Tg−15℃、I/O値0.761)
LPA−7;−MMA(50)−2EHA(35)−St(10)−AA(5)−のラテックス(Tg34℃、I/O値0.461)
LPA−8;−MMA(30)−2EHA(55)−St(10)−AA(5)−のラテックス(Tg3℃、I/O値0.398)
LPA−9;−MMA(10)−2EHA(75)−St(10)−AA(5)−のラテックス(Tg−23℃、I/O値0.339)
LPA−10;−MMA(60)−BA(36)−AA(4)−のラテックス(Tg29℃、I/O値0.581)
LPA−11;−MMA(40)−BA(56)−AA(4)−のラテックス(Tg−2℃、I/O値0.545)
LPA−12;−MMA(25)−BA(71)−AA(4)−のラテックス(Tg−22℃、I/O値0.519)
LPA−13;−MMA(42)−BA(56)−AA(2)−(分子量540000、Tg−4℃、I/O値0.530)
LPA−14;−St(40)−BA(55)−AA(5)−のラテックス(Tg−2℃、I/O値0.319)
LPA−15;−St(25)−BA(70)−AA(5)−のラテックス(Tg−21℃、I/O値0.377)
LPA−16;−MMA(58)−St(8)−BA(32)−AA(2)−のラテックス(Tg34℃、I/O値0.515)
LPA−17;−MMA(50)−St(8)−BA(35)−HEMA(5)−AA(2)−のラテックス(Tg27℃、I/O値0.542)
LPA−18;−MMA(42)−St(8)−BA(43)−HEMA(5)−AA(2)−のラテックス(Tg14℃、I/O値0.528)
LPA−19;−MMA(24)−St(8)−BA(61)−HEMA(5)−AA(2)−のラテックス(Tg−12℃、I/O値0.498)
LPA
−20;−MMA(48)−St(8)−BA(27)−HEMA(15)−AA(2)−のラテックス(Tg39℃、I/O値0.619)
LPA−21;−EA(96)−AA(4)−のラテックス(Tg−21℃、I/O値0.664)
LPA−22;−EA(46)−MA(50)−AA(4)−のラテックス(Tg−4℃、I/O値0.739)
LPA−23;−EA(80)−HEMA(16)−AA(4)−のラテックス(Tg−9℃、I/O値0.775)
LPA−24;−EA(86)−HEMA(10)−AA(4)−のラテックス(Tg−13℃、I/O値0.733)
LPA−25;−St(45)−Bu(52)−MAA(3)−のラテックス(Tg−26℃、I/O値0.990)
LPA−26;−St(55)−Bu(42)−MAA(3)−のラテックス(Tg−9℃、I/O値0.105)
LPA−27;−St(60)−Bu(37)−MAA(3)−のラテックス(Tg1℃、I/O値0.109)
LPA−28;−St(68)−Bu(29)−MAA(3)−のラテックス(Tg17℃、I/O値0.114)
LPA−29;−St(75)−Bu(22)−MAA(3)−のラテックス(Tg34℃、I/O値0.119)
LPA−30;−St(40)−BA(58)−AA(2)−のラテックス(Tg−8.1℃、I/O値0.293)
LPA−31;−St(40)−BA(58)−MAA(2)−のラテックス(Tg−7.1℃、I/O値0.287)
LPA−32;−St(57.2)−BA(27.7)−MMA(8.7)−HEMA(4.8)−AA(1.6)のラテックス(Tg37.8℃、I/O値0.269)
LPA−33;−St(49.6)−BA(40)−MMA(4)−HEMA(4.8)−AA(1.6)のラテックス(Tg16.7℃、I/O値0.289)
LPA−34;−St(80)−2EHA(18)−AA(2)−のラテックス(Tg59.7℃、I/O値0.148)
LPA−35;−St(70)−2EHA(28)−AA(2)−のラテックス(Tg40.9℃、I/O値0.164)
LPA−36;−St(10)−2EHA(38)−MMA(50)−AA(2)−のラテックス(Tg25.6℃、I/O値0.427)
LPA−37;−St(10)−2EHA(58)−MMA(30)−AA(2)−のラテックス(Tg−3.9℃、I/O値0.365)
LPA−38;−St(10)−2EHA(78)−MMA(10)−AA(2)−のラテックス(Tg−28.1℃、I/O値0.308)
LPA−39;−St(20)−2EHA(68)−MMA(10)−AA(2)−のラテックス(Tg−16.8℃、I/O値0.285)
LPA−40;−St(30)−2EHA(58)−MMA(10)−AA(2)−のラテックス(Tg−4.4℃、I/O値0.263)
LPA−41;−MMA(45)−BA(52)−イタコン酸(3)−のラテックス(Tg4℃、I/O値0.560)
LPA−42;−St(62)−Bu(35)−MAA(3)−のラテックス(架橋性、Tg5℃)
LPA−43;−St(68)−Bu(29)−AA(3)−のラテックス(架橋性、Tg17℃)
LPA−44;−St(71)−Bu(26)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg24℃)
LPA−45;−St(70)−Bu(27)−IA(3)−のラテックス(架橋性、Tg23℃)
LPA−46;−St(75)−Bu(24)−AA(1)−のラテックス(架橋性、Tg29℃)
LPA−47;−St(60)−Bu(35)−DVB(3)−MAA(2)−のラテックス(架橋性、Tg6℃)
LPA−48;−St(70)−Bu(25)−DVB(2)−AA(3)−のラテックス(架橋性、Tg26℃)
LPA−49;−St(70.5)−Bu(26.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg23℃)
LPA−50;−St(69.5)−Bu(27.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg20.5℃)
LPA−51;−St(61.3)−イソプレン(35.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg17℃)
LPA−52;−St(67)−イソプレン(28)−Bu(2)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg27℃)
LPA−43;−St(68)−Bu(29)−AA(3)−のラテックス(架橋性、Tg17℃)
LPA−44;−St(71)−Bu(26)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg24℃)
LPA−45;−St(70)−Bu(27)−IA(3)−のラテックス(架橋性、Tg23℃)
LPA−46;−St(75)−Bu(24)−AA(1)−のラテックス(架橋性、Tg29℃)
LPA−47;−St(60)−Bu(35)−DVB(3)−MAA(2)−のラテックス(架橋性、Tg6℃)
LPA−48;−St(70)−Bu(25)−DVB(2)−AA(3)−のラテックス(架橋性、Tg26℃)
LPA−49;−St(70.5)−Bu(26.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg23℃)
LPA−50;−St(69.5)−Bu(27.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg20.5℃)
LPA−51;−St(61.3)−イソプレン(35.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg17℃)
LPA−52;−St(67)−イソプレン(28)−Bu(2)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg27℃)
上記構造の略号は以下のモノマーを表す。MMA;メチルメタクリレート,EA;エチルアクリレート、MA;メチルアクリレート、MAA;メタクリル酸,2EHA;2−エチルヘキシルアクリレート,HEMA;ヒドロキシエチルメタクリレート、St;スチレン,Bu;ブタジエン,AA;アクリル酸,DVB;ジビニルベンゼン,IA;イタコン酸。
上記の疎水性ポリマーの水分散物は市販されていて、以下のようなポリマーが利用できる。アクリル系ポリマーの例としては、セビアンA−4635,4718,4601(以上、ダイセル化学工業(株)製)、Nipol Lx811、814、821、820、857(以上、日本ゼオン(株)製)など、ポリ(エステル)類の例としては、FINETEX ES650、611、675、850(以上、大日本インキ化学(株)製)、WD−size、WMS(以上、イーストマンケミカル製)など、ポリ(ウレタン)類の例としては、HYDRAN AP10、20、30、40(以上、大日本インキ化学(株)製)など、ゴム類の例としては、LACSTAR 7310K、3307B、4700H、7132C(以上、大日本インキ化学(株)製)、Nipol Lx416、410、438C、2507(以上、日本ゼオン(株)製)など、ポリ(塩化ビニル)類の例としては、G351、G576(以上、日本ゼオン(株)製)など、ポリ(塩化ビニリデン)類の例としては、L502、L513(以上、旭化成工業(株)製)など、ポリ(オレフィン)類の例としては、ケミパールS120、SA100(以上、三井化学(株)製)などを挙げることができる。
本発明に用いることが好ましいスチレン−ブタジエン共重合体のラテックスとしては、前記のLP−42〜LP−50、市販品であるLACSTAR−3307B、7132C(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、Nipol Lx416(日本ゼオン(株)製)等が挙げられる。
スチレン−イソプレン共重合体のラテックスとしては、前記のLP−51、LP−52等が挙げられる。
スチレン−イソプレン共重合体のラテックスとしては、前記のLP−51、LP−52等が挙げられる。
これらの疎水性ポリマーの水分散物は単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上ブレンドしてもよい。
また、本発明の非感光性中間層Aには、必要に応じてゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの親水性ポリマーを添加してもよい。
また、本発明の非感光性中間層Aには、必要に応じてゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの親水性ポリマーを添加してもよい。
疎水性ポリマーの含有量は、非感光性中間層A塗布液全体に対して、好ましくは5質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは、10質量%以上40質量%以下である。
非感光性中間層Aの疎水性ポリマーのの塗布量は、好ましくは、0.1g/m2以上10g/m2以下であり、より好ましくは、0.3g/m2以上7g/m2以下、もっとも好ましくは0.5g/m2以上5g/m2以下である。
2)造膜助剤
疎水性ポリマーの水分散物の最低造膜温度をコントロールするために、造膜助剤を添加しても良い。造膜助剤は一時可塑剤とも呼ばれ、ポリマーラテックスの最低造膜温度を低下させる有機化合物(通常有機溶剤)で、例えば前述の「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970))に記載されている。好ましい造膜助剤は以下の化合物であるが、本発明で用い得る化合物は、以下の具体例に限定されるものではない。
・Z−1:ベンジルアルコール
・Z−2:2,2,2,4−トリメチルペンタンジオール−1,3−モノイソブチレート
・Z−3:2−ジメチルアミノエタノール
・Z−4:ジエチレングリコール
疎水性ポリマーの水分散物の最低造膜温度をコントロールするために、造膜助剤を添加しても良い。造膜助剤は一時可塑剤とも呼ばれ、ポリマーラテックスの最低造膜温度を低下させる有機化合物(通常有機溶剤)で、例えば前述の「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970))に記載されている。好ましい造膜助剤は以下の化合物であるが、本発明で用い得る化合物は、以下の具体例に限定されるものではない。
・Z−1:ベンジルアルコール
・Z−2:2,2,2,4−トリメチルペンタンジオール−1,3−モノイソブチレート
・Z−3:2−ジメチルアミノエタノール
・Z−4:ジエチレングリコール
3)増粘剤
非感光性中間層Aを形成するための塗布液には、増粘剤を添加することが好ましい。増粘剤を添加すると、均一な厚みの疎水性層を形成することができるため好ましい。増粘剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩が用いられるが、取扱いやすさを考慮してチクソトロピー性のものが好ましく、このためヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルカルボン酸ナトリウム、カルボキシメチル−ヒドロキシエチルセルロースが用いられる。
また、増粘剤を添加した非感光性中間層A塗布液の粘度は、40℃において、1mPa・s以上200mPa・s以下であることが好ましく、10mPa・s以上100mPa・s以下であることがより好ましく、更に好ましくは、15mPa・s以上60mPa・s以下である。
非感光性中間層Aを形成するための塗布液には、増粘剤を添加することが好ましい。増粘剤を添加すると、均一な厚みの疎水性層を形成することができるため好ましい。増粘剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩が用いられるが、取扱いやすさを考慮してチクソトロピー性のものが好ましく、このためヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルカルボン酸ナトリウム、カルボキシメチル−ヒドロキシエチルセルロースが用いられる。
また、増粘剤を添加した非感光性中間層A塗布液の粘度は、40℃において、1mPa・s以上200mPa・s以下であることが好ましく、10mPa・s以上100mPa・s以下であることがより好ましく、更に好ましくは、15mPa・s以上60mPa・s以下である。
4)その他の添加剤
非感光性中間層Aには、バインダーのほか各種添加剤を加えることができる。例えば添加剤として、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤等が挙げられる。
非感光性中間層Aには、バインダーのほか各種添加剤を加えることができる。例えば添加剤として、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤等が挙げられる。
5)配設位置
非感光性層Aは、画像形成層面側であって、支持体から画像形成層よりも遠い側であれば、特に制限無く設けることができる。好ましくは、支持体から画像形成層よりも遠い側であって画像形成層に隣接して設ける場合である。
非感光性層Aは、画像形成層面側であって、支持体から画像形成層よりも遠い側であれば、特に制限無く設けることができる。好ましくは、支持体から画像形成層よりも遠い側であって画像形成層に隣接して設ける場合である。
(2)親水性ポリマー1含有層
1)バインダー
本発明において、親水性ポリマー1含有層とは、親水性ポリマー1を50質量%以上含有する層をいう。親水性ポリマー1含有層が最外層の場合でも非感光性中間層Bの場合でも、親水性ポリマー1の好ましい含有率は、50質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは、60質量%以上100質量%以下である。動物性蛋白質由来でない親水性ポリマーの含有率が50質量%より少ない場合には、塗布・乾燥時のセット性が損なわれ、出来上がった面状にムラが発生しやすくなるために好ましくない。
1)バインダー
本発明において、親水性ポリマー1含有層とは、親水性ポリマー1を50質量%以上含有する層をいう。親水性ポリマー1含有層が最外層の場合でも非感光性中間層Bの場合でも、親水性ポリマー1の好ましい含有率は、50質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは、60質量%以上100質量%以下である。動物性蛋白質由来でない親水性ポリマーの含有率が50質量%より少ない場合には、塗布・乾燥時のセット性が損なわれ、出来上がった面状にムラが発生しやすくなるために好ましくない。
本発明において、親水性ポリマー1(動物性蛋白質由来の親水性ポリマー)とは、にかわ、カゼイン、ゼラチン、卵白などの天然あるいは化学的に修飾された水溶性ポリマーをいう。
好ましくはゼラチンであり、その合成方法によって酸処理ゼラチンおよびアルカリ処理ゼラチン(石灰処理など)があり、いずれも好ましく用いることができる。分子量は、10,000〜1,000,000のゼラチンを使用することが好ましい。また、ゼラチンのアミノ基やカルボキシル基を利用して変性処理した変性ゼラチンも用いることができる(例えば、フタル化ゼラチンなど)。ゼラチンとしてはイナートゼラチン(例えば新田ゼラチン750)、フタル化ゼラチン(例えば新田ゼラチン801)など使用することができる。
ゼラチン水溶液では、30℃以上の温度に温めるとゾル化し、それ以下の温度に下げるとゲル化し流動性を失う。このようなゾルーゲル変化が温度で可逆的に起こるため、塗布溶液であるゼラチン水溶液は、30℃より低い温度に冷やされると流動性を失うというセット性を有する。
好ましくはゼラチンであり、その合成方法によって酸処理ゼラチンおよびアルカリ処理ゼラチン(石灰処理など)があり、いずれも好ましく用いることができる。分子量は、10,000〜1,000,000のゼラチンを使用することが好ましい。また、ゼラチンのアミノ基やカルボキシル基を利用して変性処理した変性ゼラチンも用いることができる(例えば、フタル化ゼラチンなど)。ゼラチンとしてはイナートゼラチン(例えば新田ゼラチン750)、フタル化ゼラチン(例えば新田ゼラチン801)など使用することができる。
ゼラチン水溶液では、30℃以上の温度に温めるとゾル化し、それ以下の温度に下げるとゲル化し流動性を失う。このようなゾルーゲル変化が温度で可逆的に起こるため、塗布溶液であるゼラチン水溶液は、30℃より低い温度に冷やされると流動性を失うというセット性を有する。
また、親水性ポリマー1は、下記の親水性ポリマー2(動物蛋白質由来でない親水性ポリマー)及び/又は疎水性ポリマーと併用することができる。親水性ポリマー1含有層が最外層の場合、バインダーとしては、疎水性ポリマーを併用することが好ましい。この場合の好ましい併用比率は、親水性ポリマー1:疎水性ポリマーは、50:50〜99:1、より好ましくは、50:50〜80:20である。
塗布液中の親水性ポリマー1の含有量は、最外層であっても非感光性中間層Bであっても、塗布液全体に対して、1質量%以上20質量%以下であり、好ましくは、2質量%以上12質量%以下である。
塗布液中の親水性ポリマー1の含有量は、最外層であっても非感光性中間層Bであっても、塗布液全体に対して、1質量%以上20質量%以下であり、好ましくは、2質量%以上12質量%以下である。
2)架橋剤
親水性ポリマー1含有層には、架橋剤を添加することが好ましい。架橋剤を添加することで、非感光性中間層Aの疎水性、耐水性が高まり、優れた熱現像感光材料となる。
架橋剤としては、アミノ基やカルボキシル基と反応する基を分子内に複数含有すればよく、架橋剤の種類については特に限定されない。架橋剤の例としては、T.H.James著「THE THEORY OF THE PHOTOGRAPHIC PROCESS FOURTH EDITION」(Macmillan Publishing Co., Inc.刊、1977年刊)77〜87頁に記載されており、無機化合物の架橋剤(例えば、クロムみょうばん)および有機化合物の架橋剤のいずれも好ましいが、有機化合物の架橋剤がより好ましい。
親水性ポリマー1含有層には、架橋剤を添加することが好ましい。架橋剤を添加することで、非感光性中間層Aの疎水性、耐水性が高まり、優れた熱現像感光材料となる。
架橋剤としては、アミノ基やカルボキシル基と反応する基を分子内に複数含有すればよく、架橋剤の種類については特に限定されない。架橋剤の例としては、T.H.James著「THE THEORY OF THE PHOTOGRAPHIC PROCESS FOURTH EDITION」(Macmillan Publishing Co., Inc.刊、1977年刊)77〜87頁に記載されており、無機化合物の架橋剤(例えば、クロムみょうばん)および有機化合物の架橋剤のいずれも好ましいが、有機化合物の架橋剤がより好ましい。
また、本発明の非感光性中間層Aなど疎水性ポリマー含有層のための架橋剤としては、カルボキシル基と反応する基を分子内に複数含有すればよく、架橋剤の種類については特に限定されない。
有機化合物の架橋剤として好ましい化合物は、カルボン酸誘導体、カルバミン酸誘導体、スルホン酸エステル化合物、スルホニル化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、イソシアネート化合物、カルボジイミド化合物、およびオキサゾリン化合物を挙げることができる。より好ましくは、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、カルボジイミド化合物およびオキサゾリン化合物である。これらの架橋剤を1種類単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
有機化合物の架橋剤として好ましい化合物は、カルボン酸誘導体、カルバミン酸誘導体、スルホン酸エステル化合物、スルホニル化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、イソシアネート化合物、カルボジイミド化合物、およびオキサゾリン化合物を挙げることができる。より好ましくは、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、カルボジイミド化合物およびオキサゾリン化合物である。これらの架橋剤を1種類単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
具体的には、以下の化合物を挙げることができるが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
(カルボジイミド化合物)
水溶性または水分散性のカルボジイミド化合物が好ましく、例として、特開昭59−187029号公報および特公平5−27450号公報に記載のイソホロンジイソシアネート由来のポリカルボジイミド、特開平7−330849号公報記載のテトラメチルキシリレンジイソシアネート由来のカルボジイミド化合物、特開平10−30024号公報記載の他分岐型カルボジイミド化合物、および特開2000−7642号公報記載のジシクロヘキシルメタンジイソシアネート由来のカルボジイミド化合物を挙げることができる。
水溶性または水分散性のカルボジイミド化合物が好ましく、例として、特開昭59−187029号公報および特公平5−27450号公報に記載のイソホロンジイソシアネート由来のポリカルボジイミド、特開平7−330849号公報記載のテトラメチルキシリレンジイソシアネート由来のカルボジイミド化合物、特開平10−30024号公報記載の他分岐型カルボジイミド化合物、および特開2000−7642号公報記載のジシクロヘキシルメタンジイソシアネート由来のカルボジイミド化合物を挙げることができる。
(オキサゾリン化合物)
水溶性または水分散性のオキサゾリン化合物が好ましく、例として、特開2001−215653号公報記載のオキサゾリン化合物を挙げることができる。。
水溶性または水分散性のオキサゾリン化合物が好ましく、例として、特開2001−215653号公報記載のオキサゾリン化合物を挙げることができる。。
(イソシアネート化合物)
水と反応し得る化合物であるので、ポットライフの点で水分散性のイソシアネート化合物が好ましく、特に自己乳化性を有するものが好ましい。例として、特開平7−304841号公報、特開平8−277315号公報、特開平10−45866号公報、特開平9−71720号公報、特開平9−328654号公報、特開平9−104814号公報、特開2000−194045号公報、特開2000−194237号公報、および特開2003−64149号公報記載の水分散性イソシアネート化合物を挙げることができる。
水と反応し得る化合物であるので、ポットライフの点で水分散性のイソシアネート化合物が好ましく、特に自己乳化性を有するものが好ましい。例として、特開平7−304841号公報、特開平8−277315号公報、特開平10−45866号公報、特開平9−71720号公報、特開平9−328654号公報、特開平9−104814号公報、特開2000−194045号公報、特開2000−194237号公報、および特開2003−64149号公報記載の水分散性イソシアネート化合物を挙げることができる。
(エポキシ化合物)
水溶性または水分散性のエポキシ化合物が好ましく、例として、特開平6−329877号公報、および特開平7−309954号公報記載の水分散性エポキシ化合物を挙げることができる。
水溶性または水分散性のエポキシ化合物が好ましく、例として、特開平6−329877号公報、および特開平7−309954号公報記載の水分散性エポキシ化合物を挙げることができる。
本発明に用いることのできる架橋剤のより具体的な例を以下に示すが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
(エポキシ化合物)
商品名:ディックファイン EM−60(大日本インキ化学工業(株))
商品名:ディックファイン EM−60(大日本インキ化学工業(株))
(イソシアネート化合物)
商品名:デュラネート WB40−100(旭化成(株))
デュラネート WB40−80D(旭化成(株))
デュラネート WT20−100(旭化成(株))
デュラネート WT30−100(旭化成(株))
CR−60N (大日本インキ化学工業)
商品名:デュラネート WB40−100(旭化成(株))
デュラネート WB40−80D(旭化成(株))
デュラネート WT20−100(旭化成(株))
デュラネート WT30−100(旭化成(株))
CR−60N (大日本インキ化学工業)
(カルボジイミド化合物)
商品名:カルボジライト V−02(日清紡(株))
カルボジライト V−02−L2(日清紡(株))
カルボジライト V−04(日清紡(株))
カルボジライト V−06(日清紡(株))
カルボジライト E−01(日清紡(株))
カルボジライト E−02(日清紡(株))
商品名:カルボジライト V−02(日清紡(株))
カルボジライト V−02−L2(日清紡(株))
カルボジライト V−04(日清紡(株))
カルボジライト V−06(日清紡(株))
カルボジライト E−01(日清紡(株))
カルボジライト E−02(日清紡(株))
(オキサゾリン化合物)
商品名:エポクロス K−1010E(日本触媒(株))
エポクロス K−1020E(日本触媒(株))
エポクロス K−1030E(日本触媒(株))
エポクロス K−2010E(日本触媒(株))
エポクロス K−2020E(日本触媒(株))
エポクロス K−2030E(日本触媒(株))
エポクロス WS−500(日本触媒(株))
エポクロス WS−700(日本触媒(株))
商品名:エポクロス K−1010E(日本触媒(株))
エポクロス K−1020E(日本触媒(株))
エポクロス K−1030E(日本触媒(株))
エポクロス K−2010E(日本触媒(株))
エポクロス K−2020E(日本触媒(株))
エポクロス K−2030E(日本触媒(株))
エポクロス WS−500(日本触媒(株))
エポクロス WS−700(日本触媒(株))
本発明に用いられる架橋剤は、バインダー溶液にあらかじめ混合した状態で添加してもよく、また塗布液の調製過程の最後に添加されてもよく、あるいは塗布する直前に添加することもできる。
本発明に用いられる架橋剤の使用量としては、含まれる構成層のバインダー100質量部に対して0.5〜200質量部であることが好ましく、2〜100質量部であることがより好ましく、さらには3〜50質量部であることがより好ましい。
3)その他の添加剤
さらに、親水性ポリマー1含有層には、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、染料、顔料、色調調整剤などを添加することもできる。
さらに、親水性ポリマー1含有層には、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、染料、顔料、色調調整剤などを添加することもできる。
4)配設位置
親水性ポリマー1含有層は、いずれの位置にも設けることができるが、好ましくは、画像形成層面側であって、支持体から画像形成層よりも遠い側のいずれかであり、より好ましくは、非感光性層Aよりも遠い側のいずれかである。セット性を考慮すれば、親水性ポリマー1含有層は最外層として設けることが好ましく、耐水性や指跡付着防止を考慮すれば、最外層と非感光性層Aとの間に設けることが好ましい。
親水性ポリマー1含有層は、いずれの位置にも設けることができるが、好ましくは、画像形成層面側であって、支持体から画像形成層よりも遠い側のいずれかであり、より好ましくは、非感光性層Aよりも遠い側のいずれかである。セット性を考慮すれば、親水性ポリマー1含有層は最外層として設けることが好ましく、耐水性や指跡付着防止を考慮すれば、最外層と非感光性層Aとの間に設けることが好ましい。
(3)親水性ポリマー2含有層
1)バインダー
本発明において、親水性ポリマー2含有層とは、親水性ポリマー2を50質量%以上含有する層をいう。親水性ポリマー2含有層が最外層の場合でも非感光性中間層Bの場合でも、親水性ポリマー2の好ましい含有率は、親水性ポリマー2含有層の全バインダー中、50質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは、60質量%以上100質量%以下である。親水性ポリマー2含有層をゼラチン含有層と非感光性中間層Aとの間に設けた場合、動物性蛋白質由来でない親水性ポリマーの含有率が50質量%より少ないと、凝集を防ぐ効果が小さくなる。
1)バインダー
本発明において、親水性ポリマー2含有層とは、親水性ポリマー2を50質量%以上含有する層をいう。親水性ポリマー2含有層が最外層の場合でも非感光性中間層Bの場合でも、親水性ポリマー2の好ましい含有率は、親水性ポリマー2含有層の全バインダー中、50質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは、60質量%以上100質量%以下である。親水性ポリマー2含有層をゼラチン含有層と非感光性中間層Aとの間に設けた場合、動物性蛋白質由来でない親水性ポリマーの含有率が50質量%より少ないと、凝集を防ぐ効果が小さくなる。
本発明における動物性蛋白質由来でない親水性ポリマーとは、ゼラチンなどの動物系蛋白質以外の天然高分子(多糖類系、微生物系、動物系)、半合成高分子(セルロース系、デンプン系、アルギン酸系)および合成高分子(ビニル系、その他)であり、以下に述べるポリビニルアルコールを始めとする合成ポリマーや、植物由来のセルロース等を原料とする天然あるいは半合成ポリマーが該当する。好ましくは、ポリビニルアルコール類、およびアクリル酸―ビニルアルコール共重合ポリマー類である。
動物性蛋白質由来でない親水性ポリマーはセット性を有しないが、ゲル化剤とともに使用するとセット性を有し、塗布性能が良好となる。
動物性蛋白質由来でない親水性ポリマーはセット性を有しないが、ゲル化剤とともに使用するとセット性を有し、塗布性能が良好となる。
本発明における動物性蛋白質由来でない親水性ポリマーとして、ポリビニルアルコール類が好ましい。本発明に好ましく用いられるポリビニルアルコール(PVA)として、以下に列挙するように種々の鹸化度、重合度、中和度、変性体、および種々のモノマーとの共重合体がある。
完全鹸化物としては、PVA−105[ポリビニルアルコール(PVA)含有率94.0質量%以上、けん化度98.5±0.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.5質量%以下、揮発分5.0質量%以下、粘度(4質量%、20℃)5.6±0.4CPS]、PVA−110[PVA含有率94.0質量%、けん化度98.5±0.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.5質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)11.0±0.8CPS]、PVA−117[PVA含有率94.0質量%、けん化度98.5±0.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)28.0±3.0CPS]、PVA−117H[PVA含有率93.5質量%、けん化度99.6±0.3モル%、酢酸ナトリウム含有率1.85質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)29.0±3.0CPS]、PVA−120[PVA含有率94.0質量%、けん化度98.5±0.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)39.5±4.5CPS]、PVA−124[PVA含有率94.0質量%、けん化度98.5±0.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)60.0±6.0CPS]、PVA−124H[PVA含有率93.5質量%、けん化度99.6±0.3モル%、酢酸ナトリウム含有率1.85質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)61.0±6.0CPS]、PVA−CS[PVA含有率94.0質量%、けん化度97.5±0.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)27.5±3.0CPS]、PVA−CST[PVA含有率94.0質量%、けん化度96.0±0.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)27.0±3.0CPS]、PVA−HC[PVA含有率90.0質量%、けん化度99.85モル%以上、酢酸ナトリウム含有率2.5質量%、揮発分8.5質量%、粘度(4質量%、20℃)25.0±3.5CPS](以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)などより選ぶことができる。
部分けん化物としては、PVA−203[PVA含有率94.0質量%、けん化度88.0±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)3.4±0.2CPS]、PVA−204[PVA含有率94.0質量%、けん化度88.0±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)3.9±0.3CPS]、PVA−205[PVA含有率94.0質量%、けん化度88.0±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)5.0±0.4CPS]、PVA−210[PVA含有率94.0質量%、けん化度88.0±1.0モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)9.0±1.0CPS]、PVA−217[PVA含有率94.0質量%、けん化度88.0±1.0モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)22.5±2.0CPS]、PVA−220[PVA含有率94.0質量%、けん化度88.0±1.0モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)30.0±3.0CPS]、PVA−224[PVA含有率94.0質量%、けん化度88.0±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)44.0±4.0CPS]、PVA−228[PVA含有率94.0質量%、けん化度88.0±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)65.0±5.0CPS]、PVA−235[PVA含有率94.0質量%、けん化度88.0±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)95.0±15.0CPS]、PVA−217EE[PVA含有率94.0質量%、けん化度88.0±1.0モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)23.0±3.0CPS]、PVA−217E[PVA含有率94.0質量%、けん化度88.0±1.0モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)23.0±3.0CPS]、PVA−220E[PVA含有率94.0質量%、けん化度88.0±1.0モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)31.0±4.0CPS]、PVA−224E[PVA含有率94.0質量%、けん化度88.0±1.0モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)45.0±5.0CPS]、PVA−403[PVA含有率94.0質量%、けん化度80.0±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)3.1±0.3CPS]、PVA−405[PVA含有率94.0質量%、けん化度81.5±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)4.8±0.4CPS]、PVA−420[PVA含有率94.0質量%、けん化度79.5±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%]、PVA−613[PVA含有率94.0質量%、けん化度93.5±1.0モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)16.5±2.0CPS]、L−8[PVA含有率96.0質量%、けん化度71.0±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%(灰分)、揮発分3.0質量%、粘度(4質量%、20℃)5.4±0.4CPS](以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)などより選ぶことができる。
なお、上記の測定値はJISK−6726−1977に準じて求めたものである。
変性ポリビニルアルコールについては、カチオン変性、アニオン変性、−SH化合物による変性、アルキルチオ化合物による変性、シラノールによる変性体より選ぶことができる。その他、「ポバール」長野浩一ら共著 高分子刊行会発行に記載の変性ポリビニルアルコールを用いることができる。
このような変性ポリビニルアルコール(変性PVA)としては、CポリマーとしてC−118、C−318、C−318−2A、C−506(以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)、HLポリマーとしてHL−12E、HL−1203(以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)、HMポリマーとしてHM−03、HM−N−03(以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)、KポリマーとしてKL−118、KL−318、KL−506、KM−118T、KM−618(以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)、MポリマーとしてM−115(クラレ(株)製の商品名)、MPポリマーとしてMP−102、MP−202、MP−203(以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)、MPKポリマーとして、MPK−1、MPK−2、MPK−3、MPK−4、MPK−5、MPK−6(以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)、RポリマーとしてR−1130、R−2105、R−2130(以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)、VポリマーとしてV−2250(クラレ(株)製の商品名)などがある。
ポリビニルアルコールは、その水溶液に添加する微量の溶剤あるいは無機塩類によって粘度調整をしたり粘度安定化させたりすることが可能であって、詳しくは上記文献「ポバール」長野浩一ら共著、高分子刊行会発行144頁から154頁記載のものを使用することができる。その代表例としてホウ酸を含有させることで塗布面質を向上させることができ、好ましい。ホウ酸の添加量は、ポリビニルアルコールに対し0.01質量%以上40質量%以下であることが好ましい。
また、ポリビニルアルコールは加熱処理によって結晶化度が向上し、耐水性が向上することが上述の文献「ポバール」に記載されているが、塗布乾燥の際に加熱されるか、もしくは乾燥後に追加過熱処理することにより耐水性が向上するので、水溶性ポリマーの中でも本発明に特に好ましい。
さらに耐水性を高めるには、同書256頁〜261頁に記載されているような耐水化剤を添加するのが好ましい。例えば、アルデヒド類、メチロール化合物類(N−メチロール尿素、N−メチロールメラミンなど)、活性化ビニル化合物類(ジビニルスルホンやその誘導体など)、ビス(β−ヒドロキシエチルスルホン)、エポキシ化合物類(エピクロルヒドリンやその誘導体など)、多価カルボン酸類(ジカルボン酸、ポリカルボン酸としてポリアクリル酸、メチルビニルエーテル−マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体など)、ジイソシアネート類、無機系架橋剤(Cu、B、Al、Ti、Zr、Sn、V、Crなどの化合物)が挙げられる。
本発明により好ましい耐水化剤としては、無機系架橋剤を挙げることができ、その中でもホウ酸やその誘導体が好ましく、特に好ましいのはホウ酸である。以下、ホウ酸誘導体の具体例を挙げる。
さらに耐水性を高めるには、同書256頁〜261頁に記載されているような耐水化剤を添加するのが好ましい。例えば、アルデヒド類、メチロール化合物類(N−メチロール尿素、N−メチロールメラミンなど)、活性化ビニル化合物類(ジビニルスルホンやその誘導体など)、ビス(β−ヒドロキシエチルスルホン)、エポキシ化合物類(エピクロルヒドリンやその誘導体など)、多価カルボン酸類(ジカルボン酸、ポリカルボン酸としてポリアクリル酸、メチルビニルエーテル−マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体など)、ジイソシアネート類、無機系架橋剤(Cu、B、Al、Ti、Zr、Sn、V、Crなどの化合物)が挙げられる。
本発明により好ましい耐水化剤としては、無機系架橋剤を挙げることができ、その中でもホウ酸やその誘導体が好ましく、特に好ましいのはホウ酸である。以下、ホウ酸誘導体の具体例を挙げる。
これら、耐水化剤の添加量は、ポリビニルアルコールに対し0.01〜40質量%の範囲で調節して使用することが好ましい。
本発明における親水性ポリマー2としては、上記ポリビニルアルコール以外に以下のようなものを挙げることができる。
具体的には、植物系多糖類が挙げられ、アラビアガム、κ−カラギーナン、ι−カラギーナン、λ−カラギーナン、グアガム(Squalon製 Supercolなど)、ローカストビーンガム、ペクチン、トラガント、トウモロコシデンプン(National Starch & Chemical Co.製Purity−21など)、リン酸化デンプン(National Starch & Chemical Co.製National 78−1898など)などがある。
また、微生物系多糖類として、キサンタンガム(Kelco製 Keltrol Tなど)、デキストリン(National Starch & Chemical Co.製Nadex360など)など、動物系多糖類として、コンドロイチン硫酸ナトリウム(Croda製 Cromoist CSなど)などがあげられる。
あるいは、セルロース系ポリマーとして、エチルセルロース(I.C.I.製Cellofas WLDなど)、カルボキシメチルセルロース(ダイセル製CMCなど)、ヒドロキシエチルセルロース(ダイセル製HECなど)、ヒドロキシプロピルセルロース(Aqualon製 Klucelなど)、メチルセルロース(Henkel製Viscontranなど)、ニトロセルロース(Hercules製 Isopropyl Wetなど)、カチオン化セルロース(Croda製 Crodacel QMなど)などがあげられる。アルギン酸系としては、アルギン酸ナトリウム(Kelco製Keltone)など)、アルギン酸プロピレングリコールなど、その他の分類として、カチオン化グアガム(Alcolac製Hi−care1000など)、ヒアルロン酸ナトリウム(Lifecare Biomedial製Hyalureなど)があげられる。
その他にに、カンテン、ファーセルラン、グァーガム、カラヤガム、ラーチガム、グアシードガム、サイリュウムシードガム、キンスシードガム、タマリンドガム、ジェランガム、タラガムなどを挙げることができる。これらの中でも水溶性が高いものが好ましく、5℃以上95℃以下の温度範囲における温度変化によって24時間以内にゾル−ゲル変性する水溶液になるものが好ましく用いられる。
また、微生物系多糖類として、キサンタンガム(Kelco製 Keltrol Tなど)、デキストリン(National Starch & Chemical Co.製Nadex360など)など、動物系多糖類として、コンドロイチン硫酸ナトリウム(Croda製 Cromoist CSなど)などがあげられる。
あるいは、セルロース系ポリマーとして、エチルセルロース(I.C.I.製Cellofas WLDなど)、カルボキシメチルセルロース(ダイセル製CMCなど)、ヒドロキシエチルセルロース(ダイセル製HECなど)、ヒドロキシプロピルセルロース(Aqualon製 Klucelなど)、メチルセルロース(Henkel製Viscontranなど)、ニトロセルロース(Hercules製 Isopropyl Wetなど)、カチオン化セルロース(Croda製 Crodacel QMなど)などがあげられる。アルギン酸系としては、アルギン酸ナトリウム(Kelco製Keltone)など)、アルギン酸プロピレングリコールなど、その他の分類として、カチオン化グアガム(Alcolac製Hi−care1000など)、ヒアルロン酸ナトリウム(Lifecare Biomedial製Hyalureなど)があげられる。
その他にに、カンテン、ファーセルラン、グァーガム、カラヤガム、ラーチガム、グアシードガム、サイリュウムシードガム、キンスシードガム、タマリンドガム、ジェランガム、タラガムなどを挙げることができる。これらの中でも水溶性が高いものが好ましく、5℃以上95℃以下の温度範囲における温度変化によって24時間以内にゾル−ゲル変性する水溶液になるものが好ましく用いられる。
合成ポリマーでは、アクリル系としてはポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸共重合体、ポリアクリルアミド、ポリアクリルアミド共重合体など、ビニル系としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン共重合体など、その他としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルエーテル、ポリエチレンイミン、ポリスチレンスルフォン酸又はその共重合体、ポリビニルスルファン酸又はその共重合体、ポリアクリル酸又はその共重合体、アクリル酸又はその共重合体等、マレイン酸共重合体、マレイン酸モノエステル共重合体、アクリロイルメチルプロパンスルホン酸又はその共重合体、など)などを挙げることができる。
また、米国特許第4,960,681号明細書、特開昭62−245,260号公報等に記載の高吸水性ポリマー、すなわち−COOMまたは−SO3M(Mは水素原子またはアルカリ金属)を有するビニルモノマーの単独重合体またはこのビニルモノマー同士もしくは他のビニルモノマーの共重合体(例えばメタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸アンモニウム、住友化学(株)製のスミカゲルL−5H)も使用することができる。
これらの中でも好ましく用いられる水溶性ポリマーは、住友化学(株)製のスミカゲルL−5Hである。
親水性ポリマー2は、塗布量(支持体1m2当たり)としては、0.1g/m2以上10g/m2以下が好ましく、0.3g/m2以上3g/m2以下がより好ましい。
なお、塗布液中での濃度は、添加した時に粘度が同時重層塗布に適した値になるように調整することが好ましいが、特に限定されない。一般には液中の濃度が5質量%以上20質量%以下である、より好ましくは7質量%以上15質量%以下であり、特に好ましくは8質量%以上13質量%以下である。
なお、塗布液中での濃度は、添加した時に粘度が同時重層塗布に適した値になるように調整することが好ましいが、特に限定されない。一般には液中の濃度が5質量%以上20質量%以下である、より好ましくは7質量%以上15質量%以下であり、特に好ましくは8質量%以上13質量%以下である。
本発明における親水性ポリマー2とともに、水系溶媒に分散可能なポリマーを併用しても良い。
好適な水系溶媒に分散可能なポリマーは、合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、セルロースアセテート類、セルロースアセテートブチレート類、ポリ(メチルメタクリル酸)類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(メタクリル酸)類、スチレン−無水マレイン酸共重合体類、スチレン−アクリロニトリル共重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体類、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)類、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(オレフィン)類、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類を挙げることができる。
併用できる好ましいラテックスは、本発明の非感光性中間層Aに使用できるラテックスや、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリメタクリレートまたはこれらを含む共重合体のラテックスなどである。
好適な水系溶媒に分散可能なポリマーは、合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、セルロースアセテート類、セルロースアセテートブチレート類、ポリ(メチルメタクリル酸)類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(メタクリル酸)類、スチレン−無水マレイン酸共重合体類、スチレン−アクリロニトリル共重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体類、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)類、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(オレフィン)類、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類を挙げることができる。
併用できる好ましいラテックスは、本発明の非感光性中間層Aに使用できるラテックスや、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリメタクリレートまたはこれらを含む共重合体のラテックスなどである。
親水性ポリマー2に併用できる好ましいラテックスの具体例を挙げる。
・LP−1;−MMA(70)−EA(27)−MAA(3)−のラテックス(分子量37000、Tg61℃)
・LP−2;−MMA(70)−2EHA(20)−St(5)−AA(5)−のラテックス(分子量40000、Tg59℃)
・LP−3;−VC(50)−MMA(20)−EA(20)−AN(5)−AA(5)−のラテックス(分子量80000)
・LP−4;−VDC(85)−MMA(5)−EA(5)−MAA(5)−のラテックス(分子量67000)
・LP−5;−Et(90)−MAA(10)−のラテックス(分子量12000)
・LP−6;−MMA(42)−BA(56)−AA(2)−のラテックス(分子量540000、Tg−4℃)
・LP−7;−MMA(63)−EA(35)−AA(2)−のラテックス(分子量33000、Tg47℃)
・LP−8;−St(70.5)−Bu(26.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg23℃)・LP−9;−St(69.5)−Bu(27.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg20.5℃)
・LP−10;−St(70)−2EHA(27)−AA(3)−のラテックス(分子量130000、Tg43℃)
・LP−1;−MMA(70)−EA(27)−MAA(3)−のラテックス(分子量37000、Tg61℃)
・LP−2;−MMA(70)−2EHA(20)−St(5)−AA(5)−のラテックス(分子量40000、Tg59℃)
・LP−3;−VC(50)−MMA(20)−EA(20)−AN(5)−AA(5)−のラテックス(分子量80000)
・LP−4;−VDC(85)−MMA(5)−EA(5)−MAA(5)−のラテックス(分子量67000)
・LP−5;−Et(90)−MAA(10)−のラテックス(分子量12000)
・LP−6;−MMA(42)−BA(56)−AA(2)−のラテックス(分子量540000、Tg−4℃)
・LP−7;−MMA(63)−EA(35)−AA(2)−のラテックス(分子量33000、Tg47℃)
・LP−8;−St(70.5)−Bu(26.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg23℃)・LP−9;−St(69.5)−Bu(27.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg20.5℃)
・LP−10;−St(70)−2EHA(27)−AA(3)−のラテックス(分子量130000、Tg43℃)
上記構造の略号は以下のモノマーを表す。MMA;メチルメタクリレート,EA;エチルアクリレート、MAA;メタクリル酸,2EHA;2−エチルヘキシルアクリレート,St;スチレン,Bu;ブタジエン,AA;アクリル酸,DVB;ジビニルベンゼン,VC;塩化ビニル,AN;アクリロニトリル,VDC;塩化ビニリデン,Et;エチレン,IA;イタコン酸。
このほか、本発明において使用できる好ましい水溶性ポリマーまたはポリマーラテックスの例として、種々の市販品の水性樹脂を用いることができる。市販品の水性樹脂としては、具体的には、例えば、「アクリセット」(商品名;株式会社日本触媒製)、「アロロン」(商品名;株式会社日本触媒製)等の水分散性あるいは水溶性のアクリル樹脂;「ハイドラン」(商品名;大日本インキ化学工業株式会社製)、「ボンディック」(商品名;大日本インキ化学工業株式会社製)、「ポイズ」(商品名;花王株式会社製)、「スーパーフレックス」(商品名;第一工業製薬株式会社製)、「ネオレッツ」(商品名;ゼネカ株式会社製)等の水性ポリウレタン;「バイロナール」(商品名;東洋紡績株式会社製)、「ファインテックス」(商品名;大日本インキ化学工業株式会社製)等の水性ポリエステル;「ホルス」(商品名;関西ペイント株式会社製)等の水分散性、水希釈もしくは水溶性のアルキド樹脂;「イソバン」(商品名;クラレイソプレンケミカル社製)、商品名「プリマコール」(ダウケミカル社製)、「ハイテック」(商品名;東邦化学工業株式会社製)等の水分散、水希釈もしくは水溶性のポリオレフィン系樹脂;「エピクロン」(商品名;大日本インキ化学工業株式会社製)等の水分散エポキシ樹脂;塩化ビニルエマルジョン;「ジュリマー」、「ジュンロン」、「レオジック」、「アロンビス」(商品名;日本純薬株式会社製)等の水分散性あるいは水溶性のアクリル樹脂等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
具体例として、アクリセット19E、アクリセット210E、アクリセット260E、アクリセット288E、アロロン453(いずれも株式会社日本触媒製)、セビアンA−4635,4718,4601(以上ダイセル化学工業(株)製)、Nipol Lx811、814、821、820、857(以上日本ゼオン(株)製)等の水分散性あるいは水溶性アクリル樹脂;ソフラネートAE−10、ソフラネートAE−40(いずれも日本ソフラン加工株式会社製)、ハイドランAP−10、20、30、40、HW−110、ハイドランHW−131、ハイドランHW−135、ハイドランHW−320、ECOS−3000、ボンディック2250、72070(いずれも大日本インキ化学工業株式会社製)、ポイズ710、ポイズ720(いずれも花王株式会社製)、メルシー525、メルシー585、メルシー414、メルシー455(いずれも東洋ポリマー株式会社製)等の水分散性ポリウレタン樹脂;バイロナールMD−1200、バイロナールMD−1400、バイロナールMD−1930(いずれも東洋紡績株式会社製)、WD−size、WMS、WD3652、WJL6342(いずれもイーストマンケミカル社製)、FINETEX ES650、611、675、850(以上大日本インキ化学(株)製)等の水分散性ポリエステル樹脂;イソバン−10、イソバン−06、イソバン−04(いずれもクラレイソプレンケミカル株式会社製)、プリマコール5981、プリマコール5983、プリマコール5990、プリマコール5991(いずれもダウ・ケミカル社製)、ケミパールS120、SA100(以上三井石油化学(株)製)等の水溶性、水希釈性もしくは水分散性のポリオレフィン系樹脂、ジュリマーAC−103、10S、AT−510、ET−410、SEK−301、FC−60、SP−50TF、SPO−602、AC−70N(いずれも日本純薬製)等の水分散性あるいは水溶性アクリル樹脂、LACSTAR 7310K、3307B、4700H、7132C(以上大日本インキ化学(株)製)、Nipol Lx416、410、438C、2507(以上日本ゼオン(株)製)等の水分散性のゴム類、G351、G576(以上日本ゼオン(株)製)等の水分散性のポリ(塩化ビニル)類、L502、L513(以上旭化成工業(株)製)等のポリ(塩化ビニリデン)類等を挙げることができる。
2)塗布液
塗布性の観点から、親水性ポリマー2含有層は、温度低下によりゲル化することが好ましい。ゲル化することで、塗布により形成された層の流動性が失われることから、画像形成層の表面は、塗布工程後の乾燥工程で、乾燥のための風に対して影響を受け難くなり、塗布面状が均一な熱現像感光材料を得ることができる。温度低下によりゲル化する塗布液とするために、親水性ポリマー2含有層塗布液には、ゲル化剤を添加することが好ましい。
塗布性の観点から、親水性ポリマー2含有層は、温度低下によりゲル化することが好ましい。ゲル化することで、塗布により形成された層の流動性が失われることから、画像形成層の表面は、塗布工程後の乾燥工程で、乾燥のための風に対して影響を受け難くなり、塗布面状が均一な熱現像感光材料を得ることができる。温度低下によりゲル化する塗布液とするために、親水性ポリマー2含有層塗布液には、ゲル化剤を添加することが好ましい。
ここで、塗布時には、塗布液はゲル化していないことが重要である。作業のし易さを考慮し、塗布時には塗布液は流動性を有し、塗布後乾燥工程に入る前の時点でゲル化し流動性を失う。塗布時の親水性ポリマー2含有層塗布液の粘度は、好ましくは5mPa・s以上200mPa・s以下であり、より好ましくは、10mPa・s以上100mPa・s以下である。
本発明において、塗布液の溶媒は水系溶媒である。水系溶媒とは、水または水に70質量%以下の水混和性の有機溶媒を混合したものである。水混和性の有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系、酢酸エチル、ジメチルホルミアミドなどを挙げることができる。
塗布後乾燥工程に入る前の時点(この時点でゲル化している)での形成層の粘度を測定することは困難であるが、概ね200mPa・s以上5000mPa・s以下であり、好ましくは、500mPa・s以上5000mPa・s以下程度であると推測される。
ゲル化する温度については特に制限されることはないが、塗布の作業効率を配慮して、ゲル化する温度は室温近辺であることが好ましい。なぜなら、塗布し易いように塗布液の流動性を上げることが簡易にできる温度であり、かつその流動性を保つことができる温度であり(すなわち、昇温した温度を容易に保っていることができる程度の温度である)、塗布後、形成層の流動性を失わせるための冷却が容易な温度であるからである。具体的に、好ましいゲル化の温度は、0℃以上40℃以下であり、より好ましくは、0℃以上35℃以下である。
塗布時の塗布液の温度は、ゲル化温度より高く設定しておけば、特に制限は無く、また、塗布後乾燥工程前の冷却温度は、ゲル化温度より低く設定しておけば特に制限は無い。しかしながら、塗布液の温度と冷却温度との差を小さく設定しておくと、塗布途中でゲル化が始まってしまい、均一に塗れないなどの問題が生じる。また、これらの温度差を大きくするために、塗布液の温度を高く設定し過ぎると、塗布液の溶媒が蒸発し、粘度が変化するなどの問題が発生する。したがって、該温度差は、好ましくは5℃以上50℃以下、より好ましくは、10℃以上40℃以下に設定しておくと良い。
3)ゲル化剤
本発明におけるゲル化剤は、本発明における動物性蛋白質由来でない親水性ポリマー水溶液または疎水性ポリマーのラテックス水溶液に添加して、冷却すると溶液がゲル化を起こす物質、もしくは、さらにゲル化促進物質と併用することによってゲル化を起こす物質である。ゲル化を起こすことにより、流動性が著しく低下する。
本発明におけるゲル化剤は、本発明における動物性蛋白質由来でない親水性ポリマー水溶液または疎水性ポリマーのラテックス水溶液に添加して、冷却すると溶液がゲル化を起こす物質、もしくは、さらにゲル化促進物質と併用することによってゲル化を起こす物質である。ゲル化を起こすことにより、流動性が著しく低下する。
ゲル化剤としては具体的には以下の水溶性多糖類を上げることができる。すなわち、寒天、κ−カラギナン,ι−カラギナン、アルギン酸,アルギン酸塩,アガロース、ファーセレラン、ジェランガム,グルコノデルタラクトン,アゾトバクタービネランジガム,キサンタンガム,ペクチン,グアーガム,ローカストビーンガム,タラガム,カシアガム,グルコマンナン,トラガントガム,カラヤガム,プルラン,アラビアガム,アラビノガラクタン,デキストラン,カルボキシメチルセルロースナトリウム塩,メチルセルロース,サイリュームシートガム,デンプン,キチン,キトサン及びカードランから選ばれる少なくとも一種である。
加熱して溶解後、冷却によりゲル化する物質としては、寒天、カラギナン、ジュランガム等の物質が上げられる。
これらのゲル化剤の中で、より好ましい化合物としてはκ−カラギナン(例:台糖(株)製:K−9F、新田ゼラチン(株)製:K−15:K−21〜24、I−3)、ι−カラギナン、寒天が挙げられ、特に好ましいのはκ−カラギナンである。
ゲル化剤は、バインダーポリマーに対して、0.01質量%以上10.0質量%以下、好ましくは0.02質量%以上5.0質量%以下、より好ましくは0.05質量%以上2.0質量%以下用いるのが好ましい。
4)ゲル化促進剤
ゲル化剤は、ゲル化促進剤とともに用いることが好ましい。本発明におけるゲル化促進剤は、ゲル化剤との接触によりゲル化が促進する化合物であり、ゲル化剤との特異的な組合せによってその機能が発揮される。本発明においては、ゲル化剤とゲル化促進剤の組み合わせとしては、以下のような組み合わせを利用することができる。
ゲル化剤は、ゲル化促進剤とともに用いることが好ましい。本発明におけるゲル化促進剤は、ゲル化剤との接触によりゲル化が促進する化合物であり、ゲル化剤との特異的な組合せによってその機能が発揮される。本発明においては、ゲル化剤とゲル化促進剤の組み合わせとしては、以下のような組み合わせを利用することができる。
(1)ゲル化促進剤としてカリウム等のアルカリ金属イオン、又はカルシウム,マグネシウム等のアルカリ土類金属イオンと、ゲル化剤としてカラギナン,アルギン酸塩,ジェランガム,アゾトバクタービネランジガム,ペクチン,カルボキシメチルセルロースナトリウム塩等の組み合わせ。
(2)ゲル化促進剤として硼酸その他の硼素化合物と、ゲル化剤としてグアーガム,ローカストビーンガム,タラガム,カシアガム等の組み合わせ。
(3)ゲル化促進剤として酸又はアルカリと、ゲル化剤としてアルギン酸塩,グルコマンナン,ペクチン,キチン,キトサン,カードラン等の組み合わせ。
(4)ゲル化剤と反応してゲルを形成する水溶性多糖類をゲル化促進剤として用いる。具体的には、ゲル化剤にキサンタンガムを用い、ゲル化促進剤にカシアガムを用いる組合せ、ゲル化剤にカラギナンを用い、ゲル化促進剤にローカストビーンガムを用いる組合せ等を例示することができる。
(2)ゲル化促進剤として硼酸その他の硼素化合物と、ゲル化剤としてグアーガム,ローカストビーンガム,タラガム,カシアガム等の組み合わせ。
(3)ゲル化促進剤として酸又はアルカリと、ゲル化剤としてアルギン酸塩,グルコマンナン,ペクチン,キチン,キトサン,カードラン等の組み合わせ。
(4)ゲル化剤と反応してゲルを形成する水溶性多糖類をゲル化促進剤として用いる。具体的には、ゲル化剤にキサンタンガムを用い、ゲル化促進剤にカシアガムを用いる組合せ、ゲル化剤にカラギナンを用い、ゲル化促進剤にローカストビーンガムを用いる組合せ等を例示することができる。
これらのゲル化剤とゲル化促進剤との組み合わせの具体例として以下のa)〜g)を例示することができる。
a)κ−カラギナンとカリウムの組み合わせ
b)ι−カラギナンとカルシウムの組み合わせ
c)ロ−メトキシルペクチンとカルシウムの組み合わせ
d)アルギン酸ナトリウムとカルシウムの組み合わせ
e)ジェランガムとカルシウムの組み合わせ
f)ジェランガムと酸の組み合わせ
g)ロ−カストビンガムとキサンタンガムの組み合せ
このような組み合わせは、複数の組み合わせを同時に使用しても良い。
a)κ−カラギナンとカリウムの組み合わせ
b)ι−カラギナンとカルシウムの組み合わせ
c)ロ−メトキシルペクチンとカルシウムの組み合わせ
d)アルギン酸ナトリウムとカルシウムの組み合わせ
e)ジェランガムとカルシウムの組み合わせ
f)ジェランガムと酸の組み合わせ
g)ロ−カストビンガムとキサンタンガムの組み合せ
このような組み合わせは、複数の組み合わせを同時に使用しても良い。
これらのゲル化促進剤は、ゲル化剤を添加する同一層に添加してもかまわないが、異なる層に添加して作用させることが好ましい。より好ましくは、ゲル化剤を添加する層と直接隣接層しない層に添加することが好ましい。即ち、ゲル化剤を含有する層とゲル化促進剤を含有する層との間にゲル化剤もゲル化促進剤のいずれも含有しない層を有することがより好ましい。
ゲル化促進剤は、ゲル化剤に対して0.1質量%以上200質量%以下、好ましくは1.0質量%以上100質量%以下用いるのが好ましい。
5)その他の添加剤
親水性ポリマー2含有層には、そのほか適宜添加剤を添加することができる。このような添加剤としては、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、染料、顔料、色調調整剤などが挙げられる。
親水性ポリマー2含有層には、そのほか適宜添加剤を添加することができる。このような添加剤としては、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、染料、顔料、色調調整剤などが挙げられる。
6)配設位置
親水性ポリマー2含有層は、最外層、中間層いずれとしてでも配置可能である。好ましくは、疎水性ポリマーを含有する非感光性層Aと親水性ポリマー1含有層との間に設ける場合である。これらの層の間に配設することで、ポリマーの凝集を抑えることができる。
親水性ポリマー2含有層は、最外層、中間層いずれとしてでも配置可能である。好ましくは、疎水性ポリマーを含有する非感光性層Aと親水性ポリマー1含有層との間に設ける場合である。これらの層の間に配設することで、ポリマーの凝集を抑えることができる。
(4)最外層
本発明の最外層は、上記の親水性ポリマー1含有層、親水性ポリマー2含有層、及び疎水性ポリマー含有層のいずれを用いてもよい。ここで、最外層は、搬送時、保存時、又は現像時に、外部環境からの影響を直接受ける部分であるため、添加剤として、以下のものを加えることが好ましい。これらの添加剤は、最外層以外の層、例えば、最外層ではない表面保護層、中間層、バック層、バック面保護層に添加することもできる。
本発明の最外層は、上記の親水性ポリマー1含有層、親水性ポリマー2含有層、及び疎水性ポリマー含有層のいずれを用いてもよい。ここで、最外層は、搬送時、保存時、又は現像時に、外部環境からの影響を直接受ける部分であるため、添加剤として、以下のものを加えることが好ましい。これらの添加剤は、最外層以外の層、例えば、最外層ではない表面保護層、中間層、バック層、バック面保護層に添加することもできる。
1)マット剤
本発明において、搬送性改良のためにマット剤を添加することが好ましく、マット剤については、特開平11−65021号段落番号0126〜0127に記載されている。マット剤は感光材料1m2当たりの塗布量で示した場合、好ましくは1mg/m2以上400mg/m2以下、より好ましくは5mg/m2以上300mg/m2以下である。
本発明においてマット剤の形状は定型、不定形のいずれでもよいが好ましくは定型で、球形が好ましく用いられる。
乳剤面に用いるマット剤の球相当直径の体積加重平均は、0.3μm以上15μm以下であることが好ましく、0.5μm以上9μm以下である事が更に好ましい。また、マット剤のサイズ分布の変動係数としては5%以上80%以下であることが好ましく、20%以上80%以下である事が更に好ましい。ここで変動係数とは(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100で表される値である。更に、乳剤面のマット剤は平均粒子サイズの異なる2種以上のマット剤を用いることができる。その場合、平均粒子サイズのもっとも大きいマット剤と、もっとも小さいマット剤の粒子サイズの差は、2μm以上8μm以下であることが好ましく、2μm以上6μm以下であることが更に好ましい。
バック面に用いるマット剤の球相当直径の体積加重平均は、1μm以上15μm以下であることが好ましく、3μm以上10μm以下である事が更に好ましい。また、マット剤のサイズ分布の変動係数としては3%以上50%以下であることが好ましく、5%以上30%以下である事が更に好ましい。更に、バック面のマット剤は平均粒子サイズの異なる2種以上のマット剤を用いることができる。その場合、平均粒子サイズのもっとも大きいマット剤と、もっとも小さいマット剤の粒子サイズの差は、2μm以上14μm以下であることが好ましく、2μm以上9μm以下であることが更に好ましい。
本発明において、搬送性改良のためにマット剤を添加することが好ましく、マット剤については、特開平11−65021号段落番号0126〜0127に記載されている。マット剤は感光材料1m2当たりの塗布量で示した場合、好ましくは1mg/m2以上400mg/m2以下、より好ましくは5mg/m2以上300mg/m2以下である。
本発明においてマット剤の形状は定型、不定形のいずれでもよいが好ましくは定型で、球形が好ましく用いられる。
乳剤面に用いるマット剤の球相当直径の体積加重平均は、0.3μm以上15μm以下であることが好ましく、0.5μm以上9μm以下である事が更に好ましい。また、マット剤のサイズ分布の変動係数としては5%以上80%以下であることが好ましく、20%以上80%以下である事が更に好ましい。ここで変動係数とは(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100で表される値である。更に、乳剤面のマット剤は平均粒子サイズの異なる2種以上のマット剤を用いることができる。その場合、平均粒子サイズのもっとも大きいマット剤と、もっとも小さいマット剤の粒子サイズの差は、2μm以上8μm以下であることが好ましく、2μm以上6μm以下であることが更に好ましい。
バック面に用いるマット剤の球相当直径の体積加重平均は、1μm以上15μm以下であることが好ましく、3μm以上10μm以下である事が更に好ましい。また、マット剤のサイズ分布の変動係数としては3%以上50%以下であることが好ましく、5%以上30%以下である事が更に好ましい。更に、バック面のマット剤は平均粒子サイズの異なる2種以上のマット剤を用いることができる。その場合、平均粒子サイズのもっとも大きいマット剤と、もっとも小さいマット剤の粒子サイズの差は、2μm以上14μm以下であることが好ましく、2μm以上9μm以下であることが更に好ましい。
また、乳剤面のマット度は星屑故障が生じなければいかようでも良いが、ベック平滑度が30秒以上2000秒以下が好ましく、特に40秒以上1500秒以下が好ましい。ベック平滑度は、日本工業規格(JIS)P8119「紙及び板紙のベック試験器による平滑度試験方法」及びTAPPI標準法T479により容易に求めることができる。
本発明においてバック層のマット度としてはベック平滑度が1200秒以下10秒以上が好ましく、800秒以下20秒以上が好ましく、さらに好ましくは500秒以下40秒以上である。
本発明において、マット剤は感光材料の最外層若しくは表面保護層として機能する層、あるいは最外層に近い層に含有されるのが好ましい。
2)すべり剤
製造時のハンドリング性や熱現像時の耐傷性を改良するために流動パラフィン、長鎖脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル類等のすべり剤を使用することが好ましい。特に低沸点成分を除去した流動パラフィンや分岐構造を有する分子量1000以上の脂肪酸エステル類が好ましい。
製造時のハンドリング性や熱現像時の耐傷性を改良するために流動パラフィン、長鎖脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル類等のすべり剤を使用することが好ましい。特に低沸点成分を除去した流動パラフィンや分岐構造を有する分子量1000以上の脂肪酸エステル類が好ましい。
すべり剤については特開平11−65021号段落番号0117、特開2000−5137号、特願2003−8015号、特願2003−8071号、特願2003−132815号に記載されている化合物が好ましい。
すべり剤の使用量は1mg/m2以上200mg/m2以下の範囲で、好ましくは10mg/m2以上150mg/m2以下、より好ましくは20mg/m2以上100mg/m2以下の範囲である。
すべり剤の使用量は1mg/m2以上200mg/m2以下の範囲で、好ましくは10mg/m2以上150mg/m2以下、より好ましくは20mg/m2以上100mg/m2以下の範囲である。
すべり剤を添加する層は、画像形成層、非感光性層いずれの層であってもよいが、搬送性や耐傷性を改善する目的から、最外層に添加することが好ましい。
3)界面活性剤
本発明に適用できる界面活性剤については特開平11−65021号段落番号0132、溶剤については同号段落番号0133、支持体については同号段落番号0134、帯電防止又は導電層については同号段落番号0135、カラー画像を得る方法については同号段落番号0136に、滑り剤については特開平11−84573号段落番号0061〜0064や特開2001−83679号段落番号0049〜0062記載されている。
本発明においてはフッ素系の界面活性剤を使用することが好ましい。フッ素系界面活性剤の具体例は特開平10−197985号、特開2000−19680号、特開2000−214554号等に記載された化合物があげられる。また、特開平9−281636号記載の高分子フッ素系界面活性剤も好ましく用いられる。本発明の熱現像感光材料においては特開2002−82411号、特開2003−057780号及び特願2001−264110号記載のフッ素系界面活性剤の使用が好ましい。特に特開2003−057780号及び特願2001−264110号記載のフッ素系界面活性剤は水系の塗布液で塗布製造を行う場合、帯電調整能力、塗布面状の安定性、スベリ性の点で好ましく、特願2002−074564号記載のフッ素系界面活性剤は帯電調整能力が高く使用量が少なくてすむという点で最も好ましい。
本発明に適用できる界面活性剤については特開平11−65021号段落番号0132、溶剤については同号段落番号0133、支持体については同号段落番号0134、帯電防止又は導電層については同号段落番号0135、カラー画像を得る方法については同号段落番号0136に、滑り剤については特開平11−84573号段落番号0061〜0064や特開2001−83679号段落番号0049〜0062記載されている。
本発明においてはフッ素系の界面活性剤を使用することが好ましい。フッ素系界面活性剤の具体例は特開平10−197985号、特開2000−19680号、特開2000−214554号等に記載された化合物があげられる。また、特開平9−281636号記載の高分子フッ素系界面活性剤も好ましく用いられる。本発明の熱現像感光材料においては特開2002−82411号、特開2003−057780号及び特願2001−264110号記載のフッ素系界面活性剤の使用が好ましい。特に特開2003−057780号及び特願2001−264110号記載のフッ素系界面活性剤は水系の塗布液で塗布製造を行う場合、帯電調整能力、塗布面状の安定性、スベリ性の点で好ましく、特願2002−074564号記載のフッ素系界面活性剤は帯電調整能力が高く使用量が少なくてすむという点で最も好ましい。
本発明の熱現像感光材料は、炭素原子数が2以上でフッ素原子数が13以下のフッ化アルキル基(以下、フッ素原子で置換されたアルキル基を「Rf」という)を有するフッ素化合物を界面活性剤として用いることが好ましい。該フッ素化合物はRfを2つ以上有していてもよい。
Rfの具体例としては、以下の基が挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
−C2F5基、−C3F7基、−C4F9基、−C5F11基、−CH2−C4F9基、−C4F8−H基、−C2H4−C4F9基、−C4H8−C4F9基、−C6H12−C4F9基、−C8H16−C4F9基、−C4H8−C2F5基、−C4H8−C3F7基、−C4H8−C5F11基、−C8H16−C2F5基、−C2H4−C4F8−H基、−C4H8−C4F8−H基、−C6H12−C4F8−H基−C6H12−C2F4−H基、−C8H16−C2F4−H基、−C6H12−C4F8−CH3基、−C2H4−C3F7基、−C2H4−C5F11基、−C4H8−CF(CF3)2基、−CH2CF3基、−C4H8−CH(C2F5)2基、−C4H8−CH(CF3)2基、−C4H8−C(CF3)3基、−CH2−C4F8−H基、−CH2−C6F12−H基、−CH2−C6F13基、−C2H4−C6F13基、−C4H8−C6F13基、−C6H12−C6F13基、−C8H16−C6F13基。
−C2F5基、−C3F7基、−C4F9基、−C5F11基、−CH2−C4F9基、−C4F8−H基、−C2H4−C4F9基、−C4H8−C4F9基、−C6H12−C4F9基、−C8H16−C4F9基、−C4H8−C2F5基、−C4H8−C3F7基、−C4H8−C5F11基、−C8H16−C2F5基、−C2H4−C4F8−H基、−C4H8−C4F8−H基、−C6H12−C4F8−H基−C6H12−C2F4−H基、−C8H16−C2F4−H基、−C6H12−C4F8−CH3基、−C2H4−C3F7基、−C2H4−C5F11基、−C4H8−CF(CF3)2基、−CH2CF3基、−C4H8−CH(C2F5)2基、−C4H8−CH(CF3)2基、−C4H8−C(CF3)3基、−CH2−C4F8−H基、−CH2−C6F12−H基、−CH2−C6F13基、−C2H4−C6F13基、−C4H8−C6F13基、−C6H12−C6F13基、−C8H16−C6F13基。
Rfは、フッ素原子数が13以下であるが、好ましくは12以下であり、より好ましくは3〜11の範囲で、更に好ましくは5〜9の範囲である。また、炭素原子数は2以上であるが、好ましくは4〜16、より好ましくは5〜12の範囲である。
Rfは、炭素原子数が2以上でフッ素原子数が13以下であれば、とくに構造は限定されないが、好ましくは下記一般式(A)で表される基である。
一般式(A)
−Rc−Re−W
−Rc−Re−W
本発明にかかるフッ素化合物は、一般式(A)で表されるフッ化アルキル基を2つ以上有することがより好ましい。
一般式(A)においてRcは、炭素数1から4のアルキレン基を表すが、好ましくは炭素数1〜3の範囲で、より好ましくは1〜2の範囲である。Rcで表されるアルキレン基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
Reは炭素数2〜6パーフルオロアルキレン基を表し、好ましくは炭素数2〜4のパーフルオロアルキレン基である。ここでパーフルオロアルキレン基とはアルキレン基のすべての水素原子がフッ素原子で置き換えられたアルキレン基をいう。前記パーフルオロアルキレン基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよく、また環状構造を有していてもよい。
Wは水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表し、好ましくは水素原子又はフッ素原子である。特に好ましいのは、フッ素原子である。
一般式(A)においてRcは、炭素数1から4のアルキレン基を表すが、好ましくは炭素数1〜3の範囲で、より好ましくは1〜2の範囲である。Rcで表されるアルキレン基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
Reは炭素数2〜6パーフルオロアルキレン基を表し、好ましくは炭素数2〜4のパーフルオロアルキレン基である。ここでパーフルオロアルキレン基とはアルキレン基のすべての水素原子がフッ素原子で置き換えられたアルキレン基をいう。前記パーフルオロアルキレン基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよく、また環状構造を有していてもよい。
Wは水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表し、好ましくは水素原子又はフッ素原子である。特に好ましいのは、フッ素原子である。
本発明にかかるフッ素化合物は、カチオン性の親水基を有することもできる。
カチオン性の親水性基とは、水に溶解したときに、陽イオンとなるものをいう。具体的には、第四級アンモニウム、アルキルピリジウム、アルキルイミダゾリニウム、第一級〜第三級脂肪族アミンなどが挙げられる。
カチオンとして好ましくは、有機のカチオン性置換基であり、より好ましくは窒素又は燐原子を含む有機カチオン性基である。さらに好ましくはピリジニウムカチオン又はアンモニウムカチオンである。
塩類を形成するアニオン種は、無機アニオンでも有機アニオンでもかまわない。無機アニオンとして好ましくは、ヨードイオン、臭素イオン、塩素イオン等が挙げられ、有機アニオンとして好ましくは、p−トルエンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等が挙げられる。
カチオン性の親水性基とは、水に溶解したときに、陽イオンとなるものをいう。具体的には、第四級アンモニウム、アルキルピリジウム、アルキルイミダゾリニウム、第一級〜第三級脂肪族アミンなどが挙げられる。
カチオンとして好ましくは、有機のカチオン性置換基であり、より好ましくは窒素又は燐原子を含む有機カチオン性基である。さらに好ましくはピリジニウムカチオン又はアンモニウムカチオンである。
塩類を形成するアニオン種は、無機アニオンでも有機アニオンでもかまわない。無機アニオンとして好ましくは、ヨードイオン、臭素イオン、塩素イオン等が挙げられ、有機アニオンとして好ましくは、p−トルエンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等が挙げられる。
本発明において好ましいカチオン性フッ素化合物は下記一般式(1)で表される。
一般式(1)
一般式(1)
式中、R1及びR2は各々独立に置換又は無置換のアルキル基を表すが、R1
及びR2の少なくとも1つは前述のフッ化アルキル基(Rf)である。好ましいのは、R1及びR2の双方がRfの場合である。R3、R4及びR5は、各々独立に水素原子又は置換基を表し、X1、X2及びZは、各々独立に2価の連結基又は単結合を表し、M+はカチオン性の置換基を表す。Y-は対アニオンを表すが、分子内で荷電が0になる場合にはY-はなくてもよい。mは0又は1である。
及びR2の少なくとも1つは前述のフッ化アルキル基(Rf)である。好ましいのは、R1及びR2の双方がRfの場合である。R3、R4及びR5は、各々独立に水素原子又は置換基を表し、X1、X2及びZは、各々独立に2価の連結基又は単結合を表し、M+はカチオン性の置換基を表す。Y-は対アニオンを表すが、分子内で荷電が0になる場合にはY-はなくてもよい。mは0又は1である。
前記一般式(1)中、R1及びR2は、各々独立にRf以外の置換又は無置換のアルキル基を表す場合、前記アルキル基は、炭素数1以上であって、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれであってもよい。前記置換基としては、ハロゲン原子、アルケニル基、アリール基、アルコキシル基、フッ素以外のハロゲン原子、カルボン酸エステル基、カルボンアミド基、カルバモイル基、オキシカルボニル基、燐酸エステル基等が挙げられる。
R1又はR2がRf以外のアルキル基、即ち、フッ素原子で置換されていないアルキル基を表す場合、該アルキル基としては、炭素数1〜24の置換又は無置換のアルキル基、より好ましくは炭素数6〜24の置換又は無置換のアルキル基である。炭素数6〜24の無置換アルキル基の好ましい例としては、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、セチル基、ヘキサデシル基、2−ヘキシルデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、2−オクチルドデシル基、ドコシル基、テトラコシル基、2−デシルテトラデシル基、トリコシル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。また、置換基を有する総炭素数が6〜24のアルキル基の好ましい例としては、2−ヘキセニル基、オレイル基、リノレイル基、リノレニル基、ベンジル基、β−フェネチル基、2−メトキシエチル基、4−フェニルブチル基、4−アセトキシエチル基、6−フェノキシヘキシル基、12−フェニルドデシル基、18−フェニルオクタデシル基、12−(p−クロロフェニル)ドデシル基、2−(燐酸ジフェニル)エチル基等を挙げることができる。
R1及びR2で各々独立に表されるRf以外のアルキル基としては、更に好ましくは炭素数6〜18の置換又は無置換のアルキル基である。炭素数6〜18の無置換のアルキル基の好ましい例としては、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、セチル基、ヘキサデシル基、2−ヘキシルデシル基、オクタデシル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基等が挙げられる。また、置換基を有する総炭素数が6〜18の置換アルキル基の好ましい例としては、フェネチル基、6−フェノキシヘキシル基、12−フェニルドデシル基、オレイル基、リノレイル基、リノレニル基等が挙げられる。
R1及びR2でそれぞれ表されるRf以外のアルキル基としては、特に好ましくは、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、セチル基、ヘキサデシル基、2−ヘキシルデシル基、オクタデシル基、オレイル基、リノレイル基、リノレニル基であり、最も好ましくは炭素数8〜16の直鎖状、環状又は分岐状の無置換アルキル基である。
前記一般式(1)中、R3、R4及びR5は、各々独立に水素原子又は置換基を表す。該置換基としては、例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルキニル基であり、例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、置換若しくは無置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6のアミノ基であり、例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基などが挙げられる)、
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールオキシ基であり、例えば、フェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが挙げられる)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12アシル基であり、例えば、アセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基などが挙げられる)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10のアリールオキシカルボニル基であり、例えば、フェニルオキシカルボニル基などが挙げられる)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルオキシ基であり、例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる)、
アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルアミノ基であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニルアミノ基であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニルアミノ基であり、例えば、フェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニルアミノ基であり、例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12のスルファモイル基であり、例えば、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のカルバモイル基であり、例えば、無置換のカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキルチオ基であり、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールチオ基であり、例えば、フェニルチオ基などが挙げられる)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニル基であり、例えば、メシル基、トシル基などが挙げられる)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルフィニル基であり、例えば、メタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のウレイド基であり、例えば、無置換のウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のリン酸アミド基であり、例えば、ジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12のヘテロ環基であり、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を有するヘテロ環基であり、例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24のシリル基であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されていてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに結合して環を形成していてもよい。
R3、R4及びR5としては、好ましくはアルキル基又は水素原子であり、更に好ましくは水素原子である。
前記式中、X1及びX2は、各々独立に2価の連結基又は単結合を表す。前記2価の連結基については特に制約はないが、好ましくはアリーレン基、−O−、−S−、又は−NR31−(R31は水素原子又は置換基を表し、置換基としてはR3、R4及びR5が、それぞれ表す置換基の例と同様であり、R31として好ましくは、アルキル基、前述のRf、又は水素原子であり、更に好ましくは水素原子である)を単独又はそれらを組合せて得られる基であり、より好ましくは−O−、−S−又は−NR31−である。X1及びX2としてより好ましくは、−O−又は−NR31−であり、更に好ましくは−O−又は−NH−であり、特に好ましくは−O−である。
前記式中Zは2価の連結基又は単結合を表す。前記2価の連結基については特に制約はないが、好ましくはアルキレン基、アリーレン基、−C(=O)−、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−又は−NR32−(R32は水素原子又は置換基を表し、置換基としてはR3、R4及びR5が表す置換基の例と同様であり、R32として好ましくはアルキル基又は水素原子であり、更に好ましくは水素原子である)を単独又はそれらを組合せて得られる基であり、より好ましくは炭素数1〜12のアルキレン基、炭素数6〜12のアリーレン基、−C(=O)−、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−、又は−NR32−を単独又はそれらを組合せて得られる基である。Zとして更に好ましくは、炭素数1〜8のアルキレン基、−C(=O)−、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−又は−NR32−を単独又はそれらを組合せて得られる基であり、例えば、
前記式中、M+はカチオン性の置換基を表し、M+として好ましくは、有機のカチオン性置換基であり、より好ましくは窒素又は燐原子を含む有機カチオン性基である。さらに好ましくはピリジニウムカチオン又はアンモニウムカチオンであり、より好ましくは下記一般式(2)で表されるトリアルキルアンモニウムカチオンである。
前記式中、R13、R14及びR15は、各々独立に置換又は無置換のアルキル基を表す。該置換基としては前記R3、R4及びR5の置換基として挙げたものが適用できる。また、R13、R14及びR15は可能な場合にはお互いが結合して環を形成してもよい。R13、R14及びR15として好ましくは、炭素数1〜12のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、又はメチルカルボキシル基であり、特に好ましくはメチル基である。
前記式中、Y-は対アニオンを表し、無機アニオンでも有機アニオンでもよい。また、分子内で荷電が0になる場合にはY-はなくてもよい。無機アニオンとして好ましくは、ヨードイオン、臭素イオン、塩素イオン等が挙げらる。有機アニオンとして好ましくは、p−トルエンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等が挙げられる。Y-としてより好ましくは、ヨードイオン、p−トルエンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオンであり、更に好ましくはp−トルエンスルホン酸である。
前記式中、mは0又は1であり、好ましくは0である。
上記一般式(1)で表される化合物の中でも、下記一般式(1−a)で表される化合物が好ましい。
式中、R11及びR21は、各々独立に置換又は無置換のアルキル基を表すが、R1及びR2の少なくとも1つは前述のRfを表し、R11とR21の炭素数の総計は19以下である。R13、R14及びR15は、各々独立に置換又は無置換のアルキル基を表し、互いに結合して環を形成していてもよい。X11及びX21は、各々独立に−O−、−S−又は−NR31−を表し、R31は水素原子又は置換基を表し、Zは2価の連結基又は単結合を表す。Y-は対アニオンを表すが、分子内で荷電が0になる場合にはY-はなくてもよい。
mは0又は1である。式中、Z及びY-は、各々独立に上記一般式(1)におけるそれらと同義であり、好ましい範囲も同様である。R13、R14、R15及びmについては、それぞれ上記一般式(1)におけるそれらと同義であり、好ましい範囲も同様である。
mは0又は1である。式中、Z及びY-は、各々独立に上記一般式(1)におけるそれらと同義であり、好ましい範囲も同様である。R13、R14、R15及びmについては、それぞれ上記一般式(1)におけるそれらと同義であり、好ましい範囲も同様である。
式中、X11及びX12は、各々独立に−O−、−S−又は−NR31−(R31は水素原子又は置換基を表し、該置換基としては前記R3、R4及びR5の置換基として挙げたものが適用できる。R31として好ましくは、アルキル基、前述のRf、又は水素原子であり、更に好ましくは水素原子である。X11及びX21としてより好ましくは−O−、−NH−であり、更に好ましくは−O−である。
前記式中、R11及びR21は、各々独立に一般式(1)におけるR1及びR2と同義であり、好ましい範囲も同様である。ただし、R11及びR21の炭素数の総計は19以下である。mは0又は1である。
上記一般式(1)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明は、以下の具体例によってなんら制限されるものではない。なお、下記例示化合物の構造表記の中で特に断りのない限り、アルキル基、パーフルアロアルキル基は直鎖の構造を意味する。また、表記中の略号の内、2EHは、2−ethylhexylを意味する。
次に、本発明の上記一般式(1)、(1−a)で表される化合物の一般的な合成法の一例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
これらの化合物は、フマル酸誘導体、マレイン酸誘導体、イタコン酸誘導体、グルタミン酸誘導体、アスパラギン酸誘導体等を原料にして合成できる。例えば、フマル酸誘導体、マレイン酸誘導体、イタコン酸誘導体を原料とした場合は、それらの2重結合に、求核種によるマイケル付加反応を行った後、アルキル化剤によるカチオン化を行うことにより合成できる。
本発明に係るフッ素化合物はアニオン性の親水基を有することもできる。
アニオン性の親水基とは、pKaが7以下の酸性基及びそのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩をいう。具体的には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホン酸基、カルバモイルスルファモイル基、スルファモイルスルファモイル基、アシルスルファモイル基及びこれらの塩類などが挙げられる。このうち、好ましくはスルホ基、カルボキシル基、ホスホン酸基及びその塩類で、より好ましくはスルホ基及びその塩類である。塩類を形成するカチオン種としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、メチルピリジニウムなどが挙げられるが、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウムである。
アニオン性の親水基とは、pKaが7以下の酸性基及びそのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩をいう。具体的には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホン酸基、カルバモイルスルファモイル基、スルファモイルスルファモイル基、アシルスルファモイル基及びこれらの塩類などが挙げられる。このうち、好ましくはスルホ基、カルボキシル基、ホスホン酸基及びその塩類で、より好ましくはスルホ基及びその塩類である。塩類を形成するカチオン種としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、メチルピリジニウムなどが挙げられるが、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウムである。
本発明においてアニオン性の親水基を有するフッ素化合物で好ましいものは、下記一般式(3)で表される。
一般式(3)
一般式(3)
式中、R1及びR2は、各々独立にアルキル基を表すが、少なくとも一方はRfを表す。R1及びR2がフッ化アルキル基でないアルキル基を表すとき炭素数は2〜18のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数4〜12のアルキル基である。R3及びR4は、各々独立に水素原子又は置換又は無置換のアルキル基を表す。
R1及びR2で表されるフッ化アルキル基の具体例は前述のフッ化アルキル基があげられ、好ましい構造も同様に前述の一般式(A)で表される構造である。また、その中での好ましい構造も前述のフッ化アルキル基の記載と同様である。R1及びR2で表されるアルキル基はいずれも前述のフッ化アルキル基であることが好ましい。
R3及びR4で表される置換又は無置換のアルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であっても、また環状構造を有していてもよい。前記置換基としては、特に制限はないが、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子(好ましくはCl)、カルボン酸エステル基、カルボンアミド基、カルバモイル基、オキシカルボニル基、燐酸エステル基等が好ましい。
Aは−Lb−SO3Mを表し、Mはカチオンを表す。ここで、Mで表されるカチオンとしては、例えばアルカリ金属イオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)、アルカリ土類金属イオン(バリウムイオン、カルシウムイオン等)、アンモニウムイオン等が好ましく例示される。これらのうち、より好ましくはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン又はアンモニウムイオンであり、さらに好ましくはリチウムイオン、ナトリウムイオン又はカリウムイオンであり、一般式(3)の化合物の総炭素数や置換基、アルキル基の分岐の程度等により適切に選択することができる。R1、R2、R3及びR4の炭素数の合計が16以上の場合に、Mをリチウムイオンとすると溶解性(特に水に対して)と帯電防止能又は塗布均一性の両立の観点で優れている。
Lbは、単結合又は置換若しくは無置換のアルキレン基を表す。置換基はR3で挙げたものが好ましい。Lbがアルキレン基である場合、炭素数は2以下であるのが好ましい。Lbは、単結合又は−CH2−基であることが好ましく、−CH2−基であることが最も好ましい。
上記一般式(3)は、上記のそれぞれの好ましい態様を組み合わせることが、より好ましい。
R1及びR2で表されるフッ化アルキル基の具体例は前述のフッ化アルキル基があげられ、好ましい構造も同様に前述の一般式(A)で表される構造である。また、その中での好ましい構造も前述のフッ化アルキル基の記載と同様である。R1及びR2で表されるアルキル基はいずれも前述のフッ化アルキル基であることが好ましい。
R3及びR4で表される置換又は無置換のアルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であっても、また環状構造を有していてもよい。前記置換基としては、特に制限はないが、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子(好ましくはCl)、カルボン酸エステル基、カルボンアミド基、カルバモイル基、オキシカルボニル基、燐酸エステル基等が好ましい。
Aは−Lb−SO3Mを表し、Mはカチオンを表す。ここで、Mで表されるカチオンとしては、例えばアルカリ金属イオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)、アルカリ土類金属イオン(バリウムイオン、カルシウムイオン等)、アンモニウムイオン等が好ましく例示される。これらのうち、より好ましくはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン又はアンモニウムイオンであり、さらに好ましくはリチウムイオン、ナトリウムイオン又はカリウムイオンであり、一般式(3)の化合物の総炭素数や置換基、アルキル基の分岐の程度等により適切に選択することができる。R1、R2、R3及びR4の炭素数の合計が16以上の場合に、Mをリチウムイオンとすると溶解性(特に水に対して)と帯電防止能又は塗布均一性の両立の観点で優れている。
Lbは、単結合又は置換若しくは無置換のアルキレン基を表す。置換基はR3で挙げたものが好ましい。Lbがアルキレン基である場合、炭素数は2以下であるのが好ましい。Lbは、単結合又は−CH2−基であることが好ましく、−CH2−基であることが最も好ましい。
上記一般式(3)は、上記のそれぞれの好ましい態様を組み合わせることが、より好ましい。
本発明にかかるアニオン性の親水基を有するフッ素化合物の具体例を以下に例示するが、本発明は以下の具体例によってなんら制限されるものではない。
下記例示化合物の構造表記の中で特に断りのない限りアルキル基、パーフルオロアルキル基は直鎖の構造を意味する。
下記例示化合物の構造表記の中で特に断りのない限りアルキル基、パーフルオロアルキル基は直鎖の構造を意味する。
本発明に係るフッ素化合物は、ノニオン性の親水基を有することもできる。
ノニオン性の親水性基とは、イオンに解離することなく水に溶解する基をいう。具体的には、ポリ(オキシエチレン)アルキルエーテルや多価アルコールなどが挙げられるが、これらに限定されない。
ノニオン性の親水性基とは、イオンに解離することなく水に溶解する基をいう。具体的には、ポリ(オキシエチレン)アルキルエーテルや多価アルコールなどが挙げられるが、これらに限定されない。
一般式(4)で、Rfは前述のフッ化アルキル基であり、Rfの具体例は前述の基があげられ、好ましい構造も同様に前述の一般式(A)で表される構造である。また、その中での好ましい構造も前述のRfの記載と同様である。
一般式(4)において、nは2又は3であり、mは1〜30の整数を表す。Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、Rf、又はRfを1つ以上置換基として有する基である。
本発明で用いるノニオン性フッ素化合物具体例を以下に例示するが、本発明は以下の具体例によって何ら制限されるものではない。
上記本発明で用いることのできる特定のフッ化アルキル基を有する化合物は、界面活性剤として、感光材料を構成している層(特に、保護層や下塗り層、バック層など)を形成するための塗布組成物に好ましく用いられる。なかでも、感光材料の最外層の形成に用いると、効果的な帯電防止能と塗布の均一性を得ることができるので特に好ましい。さらに、本発明の構造にすることで本発明の目的とする保存安定性、使用環境依存性を改良するために有効であることが見い出された。この効果を得るためには本発明のフッ素化合物を画像形成層面あるいはバック面の最外層に使用することが好ましい。また、支持体下塗り層に使用しても同様の効果が得られる。
本発明における上記特定のフッ素化合物の使用量については特に制約はなく、用いるフッ素化合物の構造や用いる場所、組成物中に含まれる他の素材の種類や量等に応じて、その使用量を任意に決定することができる。例えば、熱現像感光材料の最外層用塗布液として用いる場合、フッ素化合物の塗布組成物中の塗布量としては、0.1mg/m2以上100mg/m2以下であることが好ましく、0.5mg/m2以上20mg/m2以下であることがより好ましい。
本発明においては、上記特定のフッ素化合物の1種類を単独で用いてもよいし、また2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明においてフッ素系界面活性剤は、下記の金属酸化物を含む導電層と組み合わせて使用することが特に好ましい。この場合には導電層を有する面のフッ素系界面活性剤の使用量を低減若しくは除去しても十分な性能が得られる。
(5)画像形成層
(有機銀塩の説明)
1)組成
本発明に用いることのできる有機銀塩は、光に対して比較的安定であるが、露光された感光性ハロゲン化銀及び還元剤の存在下で、80℃或いはそれ以上に加熱された場合に銀イオン供給体として機能し、銀画像を形成せしめる銀塩である。有機銀塩は還元剤により還元されうる銀イオンを供給できる任意の有機物質であってよい。このような非感光性の有機銀塩については、特開平10−62899号の段落番号0048〜0049、欧州特許公開第0803764A1号の第18ページ第24行〜第19ページ第37行、欧州特許公開第0962812A1号、特開平11−349591号、特開2000−7683号、同2000−72711号等に記載されている。有機酸の銀塩、特に(炭素数が10〜30、好ましくは15〜28の)長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩が好ましい。脂肪酸銀塩の好ましい例としては、リグノセリン酸銀、ベヘン酸銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、エルカ酸銀及びこれらの混合物などを含む。本発明においては、これら脂肪酸銀の中でも、ベヘン酸銀含有率が好ましくは50モル%以上100モル%以下、より好ましくは85モル%以上100モル%以下、さらに好ましくは90モル%以上100モル%以下の脂肪酸銀を用いることが好ましい。
更に、エルカ酸銀含有率が2モル%以下、より好ましくは1モル%以下、更に好ましくは0.1モル%以下の脂肪酸銀を用いることが好ましい。
(有機銀塩の説明)
1)組成
本発明に用いることのできる有機銀塩は、光に対して比較的安定であるが、露光された感光性ハロゲン化銀及び還元剤の存在下で、80℃或いはそれ以上に加熱された場合に銀イオン供給体として機能し、銀画像を形成せしめる銀塩である。有機銀塩は還元剤により還元されうる銀イオンを供給できる任意の有機物質であってよい。このような非感光性の有機銀塩については、特開平10−62899号の段落番号0048〜0049、欧州特許公開第0803764A1号の第18ページ第24行〜第19ページ第37行、欧州特許公開第0962812A1号、特開平11−349591号、特開2000−7683号、同2000−72711号等に記載されている。有機酸の銀塩、特に(炭素数が10〜30、好ましくは15〜28の)長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩が好ましい。脂肪酸銀塩の好ましい例としては、リグノセリン酸銀、ベヘン酸銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、エルカ酸銀及びこれらの混合物などを含む。本発明においては、これら脂肪酸銀の中でも、ベヘン酸銀含有率が好ましくは50モル%以上100モル%以下、より好ましくは85モル%以上100モル%以下、さらに好ましくは90モル%以上100モル%以下の脂肪酸銀を用いることが好ましい。
更に、エルカ酸銀含有率が2モル%以下、より好ましくは1モル%以下、更に好ましくは0.1モル%以下の脂肪酸銀を用いることが好ましい。
また、ステアリン酸銀含有率が1モル%以下であることが好ましい。前記ステアリン酸含有率を1モル%以下とすることにより、Dminが低く、高感度で画像保存性に優れた有機酸の銀塩が得られる。前記ステアリン酸含有率としては、0.5モル%以下が好ましく、実質的に含まないことが特に好ましい。
さらに、有機酸の銀塩としてアラキジン酸銀を含む場合は、アラキジン酸銀含有率が6モル%以下であることが、低いDminを得ること及び画像保存性の優れた有機酸の銀塩を得る点で好ましく、3モル%以下であることが更に好ましい。
2)形状
本発明に用いることができる有機銀塩の形状としては特に制限はなく、針状、棒状、平板状、りん片状いずれでもよい。
本発明においてはりん片状の有機銀塩が好ましい。また、長軸と単軸の長さの比が5未満の短針状、直方体、立方体又はジャガイモ状の不定形粒子も好ましく用いられる。これらの有機銀粒子は長軸と単軸の長さの比が5以上の長針状粒子に比べて熱現像時のカブリが少ないという特徴を有している。特に、長軸と単軸の比が3以下の粒子は塗布膜の機械的安定性が向上し好ましい。本明細書において、りん片状の有機銀塩とは、次のようにして定義する。有機酸銀塩を電子顕微鏡で観察し、有機酸銀塩粒子の形状を直方体と近似し、この直方体の辺を一番短かい方からa、b、cとした(cはbと同じであってもよい。)とき、短い方の数値a、bで計算し、次のようにしてxを求める。
x=b/a
本発明に用いることができる有機銀塩の形状としては特に制限はなく、針状、棒状、平板状、りん片状いずれでもよい。
本発明においてはりん片状の有機銀塩が好ましい。また、長軸と単軸の長さの比が5未満の短針状、直方体、立方体又はジャガイモ状の不定形粒子も好ましく用いられる。これらの有機銀粒子は長軸と単軸の長さの比が5以上の長針状粒子に比べて熱現像時のカブリが少ないという特徴を有している。特に、長軸と単軸の比が3以下の粒子は塗布膜の機械的安定性が向上し好ましい。本明細書において、りん片状の有機銀塩とは、次のようにして定義する。有機酸銀塩を電子顕微鏡で観察し、有機酸銀塩粒子の形状を直方体と近似し、この直方体の辺を一番短かい方からa、b、cとした(cはbと同じであってもよい。)とき、短い方の数値a、bで計算し、次のようにしてxを求める。
x=b/a
このようにして200個程度の粒子についてxを求め、その平均値x(平均)としたとき、x(平均)≧1.5の関係を満たすものをりん片状とする。好ましくは30≧x(平均)≧1.5、より好ましくは15≧x(平均)≧1.5である。因みに針状とは1≦x(平均)<1.5である。
りん片状粒子において、aはbとcを辺とする面を主平面とした平板状粒子の厚さとみることができる。aの平均は0.01μm以上0.3μm以下が好ましく0.1μm以上0.23μm以下がより好ましい。c/bの平均は1以上9以下であることが好ましく、より好ましくは1以上6以下、さらに好ましくは1以上4以下、最も好ましくは1以上3以下である。
前記球相当直径を0.05μm以上1μm以下とすることにより、感光材料中で凝集を起こしにくく、画像保存性が良好となる。前記球相当直径としては、0.1μm以上1μm以下が好ましい。本発明において、球相当直径の測定方法は、電子顕微鏡を用いて直接サンプルを撮影し、その後、ネガを画像処理することによって求められる。
前記リン片状粒子において、粒子の球相当直径/aをアスペクト比と定義する。リン片状粒子のアスペクト比としては、感光材料中で凝集を起こしにくく、画像保存性が良好となる観点から、1.1以上30以下であることが好ましく、1.1以上15以下がより好ましい。
前記リン片状粒子において、粒子の球相当直径/aをアスペクト比と定義する。リン片状粒子のアスペクト比としては、感光材料中で凝集を起こしにくく、画像保存性が良好となる観点から、1.1以上30以下であることが好ましく、1.1以上15以下がより好ましい。
有機銀塩の粒子サイズ分布は単分散であることが好ましい。単分散とは短軸、長軸それぞれの長さの標準偏差を短軸、長軸それぞれで割った値の100分率が好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは50%以下である。有機銀塩の形状の測定方法としては有機銀塩分散物の透過型電子顕微鏡像より求めることができる。単分散性を測定する別の方法として、有機銀塩の体積加重平均直径の標準偏差を求める方法があり、体積加重平均直径で割った値の百分率(変動係数)が好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは50%以下である。測定方法としては例えば液中に分散した有機銀塩にレーザー光を照射し、その散乱光のゆらぎの時間変化に対する自己相関関数を求めることにより得られた粒子サイズ(体積加重平均直径)から求めることができる。
3)調製
本発明に用いられる有機酸銀の製造及びその分散法は、公知の方法等を適用することができる。例えば上記の特開平10−62899号、欧州特許公開第0803763A1、欧州特許公開第0962812A1号、特開平11−349591号、特開2000−7683号、同2000−72711号、同2001−163889号、同2001−163890号、同2001−163827号、同2001−33907号、同2001−188313号、同2001−83652号、同2002−6442、同2002−49117号、同2002−31870号、同2002−107868号等を参考にすることができる。
本発明に用いられる有機酸銀の製造及びその分散法は、公知の方法等を適用することができる。例えば上記の特開平10−62899号、欧州特許公開第0803763A1、欧州特許公開第0962812A1号、特開平11−349591号、特開2000−7683号、同2000−72711号、同2001−163889号、同2001−163890号、同2001−163827号、同2001−33907号、同2001−188313号、同2001−83652号、同2002−6442、同2002−49117号、同2002−31870号、同2002−107868号等を参考にすることができる。
なお、有機銀塩の分散時に、感光性銀塩を共存させると、カブリが上昇し、感度が著しく低下するため、分散時には感光性銀塩を実質的に含まないことがより好ましい。本発明では、分散される水分散液中での感光性銀塩量は、その液中の有機酸銀塩1molに対し1mol%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1mol%以下であり、さらに好ましいのは積極的な感光性銀塩の添加を行わないものである。
本発明において有機銀塩水分散液と感光性銀塩水分散液を混合して感光材料を製造することが可能であるが、有機銀塩と感光性銀塩の混合比率は目的に応じて選べるが、有機銀塩に対する感光性銀塩の割合は1モル%以上30モル%以下の範囲が好ましく、更に2モル%以上20モル%以下、特に3モル%以上15モル%以下の範囲が好ましい。混合する際に2種以上の有機銀塩水分散液と2種以上の感光性銀塩水分散液を混合することは、写真特性の調節のために好ましく用いられる方法である。
4)添加量
本発明における有機銀塩は所望の量で使用できるが、ハロゲン化銀も含めた全塗布銀量として0.1g/m2以上5.0g/m2以下が好ましく、より好ましくは0.3g/m2以上3.0g/m2以下、さらに好ましくは0.5g/m2以上2.5g/m2以下である。特に、画像保存性を向上させるためには、全塗布銀量が2.2g/m2以下、より好ましくは2.0g/m2以下、更に好ましくは1.8g/m2以下であることが好ましい。本発明における好ましい還元剤を使用すれば、このような低銀量においても十分な画像濃度を得ることが可能である。
本発明における有機銀塩は所望の量で使用できるが、ハロゲン化銀も含めた全塗布銀量として0.1g/m2以上5.0g/m2以下が好ましく、より好ましくは0.3g/m2以上3.0g/m2以下、さらに好ましくは0.5g/m2以上2.5g/m2以下である。特に、画像保存性を向上させるためには、全塗布銀量が2.2g/m2以下、より好ましくは2.0g/m2以下、更に好ましくは1.8g/m2以下であることが好ましい。本発明における好ましい還元剤を使用すれば、このような低銀量においても十分な画像濃度を得ることが可能である。
(かぶり防止剤の説明)
本発明に用いることのできるカブリ防止剤、安定剤及び安定剤前駆体は特開平10−62899号の段落番号0070、欧州特許公開第0803764A1号の第20頁第57行〜第21頁第7行に記載の特許のもの、特開平9−281637号、同9−329864号記載の化合物、米国特許6,083,681号、欧州特許1048975号に記載の化合物が挙げられる。
本発明に用いることのできるカブリ防止剤、安定剤及び安定剤前駆体は特開平10−62899号の段落番号0070、欧州特許公開第0803764A1号の第20頁第57行〜第21頁第7行に記載の特許のもの、特開平9−281637号、同9−329864号記載の化合物、米国特許6,083,681号、欧州特許1048975号に記載の化合物が挙げられる。
(1)ポリハロゲン化合物の説明
以下、本発明で用いることができる好ましいカブリ防止剤である有機ポリハロゲン化合物について具体的に説明する。特に、本発明では、下記一般式(H)で表される有機ポリハロゲン化合物であることが、未露光感光材料の画像保存性(生保存性)、特に暗所での高温条件下での保存によるカブリの上昇を改良できる点から好ましい。
一般式(H)
Q−(Y)n−C(Z1)(Z2)X
一般式(H)において、Qはアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、Yは2価の連結基を表し、nは0〜1を表し、Z1及びZ2はハロゲン原子を表し、Xは水素原子又は電子求引性基を表す。
以下、本発明で用いることができる好ましいカブリ防止剤である有機ポリハロゲン化合物について具体的に説明する。特に、本発明では、下記一般式(H)で表される有機ポリハロゲン化合物であることが、未露光感光材料の画像保存性(生保存性)、特に暗所での高温条件下での保存によるカブリの上昇を改良できる点から好ましい。
一般式(H)
Q−(Y)n−C(Z1)(Z2)X
一般式(H)において、Qはアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、Yは2価の連結基を表し、nは0〜1を表し、Z1及びZ2はハロゲン原子を表し、Xは水素原子又は電子求引性基を表す。
一般式(H)においてQは好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基又は窒素原子を少なくとも一つ含むヘテロ環基(ピリジン、キノリン基等)である。
一般式(H)において、Qがアリール基である場合、Qは好ましくはハメットの置換基定数σpが正の値をとる電子求引性基で置換されたフェニル基を表す。ハメットの置換基定数に関しては、Journal of Medicinal Chemistry,1973,Vol.16,No.11,1207−1216 等を参考にすることができる。このような電子求引性基としては、例えばハロゲン原子、電子求引性基で置換されたアルキル基、電子求引性基で置換されたアリール基、ヘテロ環基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基等があげられる。電子求引性基として特に好ましいのは、ハロゲン原子、カルバモイル基、アリールスルホニル基であり、特にカルバモイル基が好ましい。
Xは好ましくは電子求引性基である。好ましい電子求引性基は、ハロゲン原子、脂肪族・アリール若しくは複素環スルホニル基、脂肪族・アリール若しくは複素環アシル基、脂肪族・アリール若しくは複素環オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基であり、さらに好ましくはハロゲン原子、カルバモイル基であり、特に好ましくは臭素原子である。
Z1及びZ2は好ましくは臭素原子、ヨウ素原子であり、更に好ましくは臭素原子である。
Yは好ましくは−C(=O)−、−SO−、−SO2−、−C(=O)N(R)−、−SO2N(R)−を表し、より好ましくは−C(=O)−、−SO2−、−C(=O)N(R)−であり、特に好ましくは−SO2−、−C(=O)N(R)−である。ここでいうRとは水素原子、アリール基又はアルキル基を表し、より好ましくは水素原子又はアルキル基であり、特に好ましくは水素原子である。
nは、0又は1を表し、好ましくは1である。
一般式(H)において、Qがアルキル基の場合、好ましいYは−C(=O)N(R)−であり、Qがアリール基又はヘテロ環基の場合、好ましいYは−SO2−である。
一般式(H)において、該化合物から水素原子を取り去った残基が互いに結合した形態(一般にビス型、トリス型、テトラキス型と呼ぶ)も好ましく用いることができる。
一般式(H)において、解離性基(例えばCOOH基又はその塩、SO3H基又はその塩、PO3H基又はその塩等)、4級窒素カチオンを含む基(例えばアンモニウム基、ピリジニウム基等)、ポリエチレンオキシ基、水酸基等を置換基に有するものも好ましい形態である。
一般式(H)において、Qがアリール基である場合、Qは好ましくはハメットの置換基定数σpが正の値をとる電子求引性基で置換されたフェニル基を表す。ハメットの置換基定数に関しては、Journal of Medicinal Chemistry,1973,Vol.16,No.11,1207−1216 等を参考にすることができる。このような電子求引性基としては、例えばハロゲン原子、電子求引性基で置換されたアルキル基、電子求引性基で置換されたアリール基、ヘテロ環基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基等があげられる。電子求引性基として特に好ましいのは、ハロゲン原子、カルバモイル基、アリールスルホニル基であり、特にカルバモイル基が好ましい。
Xは好ましくは電子求引性基である。好ましい電子求引性基は、ハロゲン原子、脂肪族・アリール若しくは複素環スルホニル基、脂肪族・アリール若しくは複素環アシル基、脂肪族・アリール若しくは複素環オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基であり、さらに好ましくはハロゲン原子、カルバモイル基であり、特に好ましくは臭素原子である。
Z1及びZ2は好ましくは臭素原子、ヨウ素原子であり、更に好ましくは臭素原子である。
Yは好ましくは−C(=O)−、−SO−、−SO2−、−C(=O)N(R)−、−SO2N(R)−を表し、より好ましくは−C(=O)−、−SO2−、−C(=O)N(R)−であり、特に好ましくは−SO2−、−C(=O)N(R)−である。ここでいうRとは水素原子、アリール基又はアルキル基を表し、より好ましくは水素原子又はアルキル基であり、特に好ましくは水素原子である。
nは、0又は1を表し、好ましくは1である。
一般式(H)において、Qがアルキル基の場合、好ましいYは−C(=O)N(R)−であり、Qがアリール基又はヘテロ環基の場合、好ましいYは−SO2−である。
一般式(H)において、該化合物から水素原子を取り去った残基が互いに結合した形態(一般にビス型、トリス型、テトラキス型と呼ぶ)も好ましく用いることができる。
一般式(H)において、解離性基(例えばCOOH基又はその塩、SO3H基又はその塩、PO3H基又はその塩等)、4級窒素カチオンを含む基(例えばアンモニウム基、ピリジニウム基等)、ポリエチレンオキシ基、水酸基等を置換基に有するものも好ましい形態である。
以下に本発明における一般式(H)の化合物の具体例を示す。
また、一般式(H)で表される化合物を2種以上併用すると、前述した未露光感光材料の生保存性、露光、熱現像後の画像保存性、特に生保存による自然経時でのカブリ上昇を更に改良できるために好ましい。併用する場合の組み合せは、それらの含有量の割合で含む混合物の融解温度が、熱現像温度に対して−10℃以上50℃以下になることが好ましい。熱現像温度が120℃の場合に具体的な一般式(H)で表される化合物の好ましい組み合せは、(H−5)と(H−1)(129℃、差は9℃)、(H−2)と(H−5)(154℃、差は34℃)、(H−1)と(H−4)(122℃、差は2℃)、(H−2)と(H−4)(132℃、差は12℃)、(H−4)と(H−5)(129℃、差は9℃)などであるが、これらに限定されるものではない。
一般式(H)で表される化合物を2種以上併用する場合、2種以上の化合物の合計は、熱現像画像記録材料1m2当たりの塗布量として、1×10-6〜1×10-2mol/m2が好ましく、より好ましくは1×10-5〜5×10-3mol/m2であり、さらに好ましくは2×10-5〜2×10-3mol/m2である。一般式(H)で表される化合物の組み合わせの割合(モル比率)は特に限定されないが、例えば2種の一般式(H)で表される化合物を用いる場合には、例えば0.5:99.5〜99.5:0.5の範囲で任意の割合とすることができる。3種以上の一般式(H)で表される化合物を用いる場合は、最もモル比率の高い化合物を除いた残りの一般式(H)で表される化合物の合計モル比率を0.5%以上とすることができる。
一般式(H)で表される化合物を2種以上併用する場合、2種以上の化合物の合計は、熱現像画像記録材料1m2当たりの塗布量として、1×10-6〜1×10-2mol/m2が好ましく、より好ましくは1×10-5〜5×10-3mol/m2であり、さらに好ましくは2×10-5〜2×10-3mol/m2である。一般式(H)で表される化合物の組み合わせの割合(モル比率)は特に限定されないが、例えば2種の一般式(H)で表される化合物を用いる場合には、例えば0.5:99.5〜99.5:0.5の範囲で任意の割合とすることができる。3種以上の一般式(H)で表される化合物を用いる場合は、最もモル比率の高い化合物を除いた残りの一般式(H)で表される化合物の合計モル比率を0.5%以上とすることができる。
上記以外の本発明に用いることができるポリハロゲン化合物としては、US3874946号、US4756999号、US5340712号、US5369000号、US5464737号、US6506548号、特開昭50−137126号、同50−89020号、同50−119624号、同59−57234号、特開平7−2781号、同7−5621号、同9−160164号、同9−244177号、同9−244178号、同9−160167号、同9−319022号、同9−258367号、同9−265150号、同9−319022号、同10−197988号、同10−197989号、同11−242304号、特開2000−2963、特開2000−112070、特開2000−284410、特開2000−284412、特開2001−33911、特開2001−31644、特開2001−312027号、特開2003−50441号明細書の中で当該発明の例示化合物として挙げられている化合物が好ましく用いられるが、特に特開平7−2781号、特開2001−33911、特開2001−312027号に具体的に例示されている化合物が好ましい。
本発明においては、ポリハロゲン化合物は、非感光性銀塩1モルあたり、10-4モル以上1モル以下の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは10-3モル以上0.5モル以下の範囲で、さらに好ましくは1×10-2モル以上0.2モル以下の範囲で使用することが好ましい。
本発明において、カブリ防止剤を感光材料に含有せしめる方法としては、前記還元剤の含有方法に記載の方法が挙げられ、有機ポリハロゲン化合物についても固体微粒子分散物で添加することが好ましい。
(2)その他のかぶり防止剤
その他のカブリ防止剤としては特開平11−65021号段落番号0113の水銀(II)塩、同号段落番号0114の安息香酸類、特開2000−206642号のサリチル酸誘導体、特開2000−221634号の式(S)で表されるホルマリンスカベンジャー化合物、特開平11−352624号の請求項9に係るトリアジン化合物、特開平6−11791号の一般式(III)で表される化合物、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン等が挙げられる。
その他のカブリ防止剤としては特開平11−65021号段落番号0113の水銀(II)塩、同号段落番号0114の安息香酸類、特開2000−206642号のサリチル酸誘導体、特開2000−221634号の式(S)で表されるホルマリンスカベンジャー化合物、特開平11−352624号の請求項9に係るトリアジン化合物、特開平6−11791号の一般式(III)で表される化合物、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン等が挙げられる。
本発明における熱現像感光材料はカブリ防止を目的としてアゾリウム塩を含有しても良い。アゾリウム塩としては、特開昭59−193447号記載の一般式(XI)で表される化合物、特公昭55−12581号記載の化合物、特開昭60−153039号記載の一般式(II)で表される化合物が挙げられる。アゾリウム塩は感光材料のいかなる部位に添加しても良いが、添加層としては画像形成層を有する面の層に添加することが好ましく、画像形成層に添加することがさらに好ましい。アゾリウム塩の添加時期としては塗布液調製のいかなる工程で行っても良く、画像形成層に添加する場合は有機銀塩調製時から塗布液調製時のいかなる工程でも良いが有機銀塩調製後から塗布直前が好ましい。アゾリウム塩の添加法としては粉末、溶液、微粒子分散物などいかなる方法で行っても良い。また、増感色素、還元剤、色調剤など他の添加物と混合した溶液として添加しても良い。本発明においてアゾリウム塩の添加量としてはいかなる量でも良いが、銀1モル当たり1×10-6モル以上2モル以下が好ましく、1×10-3モル以上0.5モル以下がさらに好ましい。
(還元剤の説明)
本発明の熱現像感光材料には有機銀塩のための還元剤を含むことが好ましい。有機銀塩のための還元剤は、銀イオンを金属銀に還元する任意の物質(好ましくは有機物質)であってよい。このような還元剤の例は、特開平11−65021号の段落番号0043〜0045や、欧州特許公開第0803764A1号の第7ページ第34行〜第18ページ第12行に記載されている。
本発明において、還元剤としてはフェノール性水酸基のオルト位に置換基を有するいわゆるヒンダードフェノール系還元剤あるいはビスフェノール系還元剤が好ましい。特に、本発明では、下記一般式(R)で表される化合物が好ましい。
一般式(R)
本発明の熱現像感光材料には有機銀塩のための還元剤を含むことが好ましい。有機銀塩のための還元剤は、銀イオンを金属銀に還元する任意の物質(好ましくは有機物質)であってよい。このような還元剤の例は、特開平11−65021号の段落番号0043〜0045や、欧州特許公開第0803764A1号の第7ページ第34行〜第18ページ第12行に記載されている。
本発明において、還元剤としてはフェノール性水酸基のオルト位に置換基を有するいわゆるヒンダードフェノール系還元剤あるいはビスフェノール系還元剤が好ましい。特に、本発明では、下記一般式(R)で表される化合物が好ましい。
一般式(R)
一般式(R)において、R11及びR11’は、各々独立に炭素数1〜20のアルキル基を表す。R12及びR12’は、各々独立に水素原子又はベンゼン環に置換可能な置換基を表す。Lは、−S−基、又は−CHR13−基を表す。R13は、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。X1及びX1’は、各々独立に水素原子又はベンゼン環に置換可能な基を表す。
一般式(R)について詳細に説明する。
以下でアルキル基と称するとき、特に明記していない場合はシクロアルキル基もこれに含まれる。
1)R11及びR11’
R11及びR11’は各々独立に置換又は無置換の炭素数1〜20のアルキル基であり。アルキル基の置換基は特に限定されることはないが、好ましくは、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、アシル基、カルバモイル基、エステル基、ウレイド基、ウレタン基、ハロゲン原子等があげられる。
以下でアルキル基と称するとき、特に明記していない場合はシクロアルキル基もこれに含まれる。
1)R11及びR11’
R11及びR11’は各々独立に置換又は無置換の炭素数1〜20のアルキル基であり。アルキル基の置換基は特に限定されることはないが、好ましくは、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、アシル基、カルバモイル基、エステル基、ウレイド基、ウレタン基、ハロゲン原子等があげられる。
2)R12及びR12’、X1及びX1’
R12及びR12’は各々独立に水素原子又はベンゼン環に置換可能な置換基であり、X1及びX1’も各々独立に水素原子又はベンゼン環に置換可能な基を表す。それぞれベンゼン環に置換可能な基としては、好ましくはアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルアミノ基があげられる。
R12及びR12’は各々独立に水素原子又はベンゼン環に置換可能な置換基であり、X1及びX1’も各々独立に水素原子又はベンゼン環に置換可能な基を表す。それぞれベンゼン環に置換可能な基としては、好ましくはアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルアミノ基があげられる。
3)L
Lは、−S−基又は−CHR13−基を表す。R13は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、アルキル基は置換基を有していてもよい。R13の無置換のアルキル基の具体例はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ウンデシル基、イソプロピル基、1−エチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、シクロヘキシル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基などがあげられる。アルキル基の置換基の例はR11の置換基と同様で、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基などがあげられる。
Lは、−S−基又は−CHR13−基を表す。R13は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、アルキル基は置換基を有していてもよい。R13の無置換のアルキル基の具体例はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ウンデシル基、イソプロピル基、1−エチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、シクロヘキシル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基などがあげられる。アルキル基の置換基の例はR11の置換基と同様で、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基などがあげられる。
4)好ましい置換基
R11及びR11’として好ましくは、炭素数1〜15の1級、2級又は3級のアルキル基であり、具体的にはメチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−メチルシクロプロピル基などがあげられる。R11及びR11’としてより好ましくは炭素数1〜4のアルキル基で、その中でもメチル基、t−ブチル基、t−アミル基、1−メチルシクロヘキシル基が更に好ましく、メチル基、t−ブチル基が最も好ましい。
R11及びR11’として好ましくは、炭素数1〜15の1級、2級又は3級のアルキル基であり、具体的にはメチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−メチルシクロプロピル基などがあげられる。R11及びR11’としてより好ましくは炭素数1〜4のアルキル基で、その中でもメチル基、t−ブチル基、t−アミル基、1−メチルシクロヘキシル基が更に好ましく、メチル基、t−ブチル基が最も好ましい。
R12及びR12’として好ましくは、炭素数1〜20のアルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基などがあげられる。より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基であり、特に好ましくはメチル基、エチル基である。
X1及びX1’は、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基で、より好ましくは水素原子である。
X1及びX1’は、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基で、より好ましくは水素原子である。
Lは好ましくは−CHR13−基である。
R13として好ましくは水素原子又は炭素数1〜15のアルキル基であり、該アルキル基としては鎖状のアルキル基の他、環状のアルキル基も好ましく用いられる。また、これらのアルキル基の中にC=C結合を有しているものも好ましく用いることができる。アルキル基としては例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、シクロヘキシル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基、3,5−ジメチル−3−シクロヘキセニル基等が好ましい。R13として特に好ましいのは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基である。
R13として好ましくは水素原子又は炭素数1〜15のアルキル基であり、該アルキル基としては鎖状のアルキル基の他、環状のアルキル基も好ましく用いられる。また、これらのアルキル基の中にC=C結合を有しているものも好ましく用いることができる。アルキル基としては例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、シクロヘキシル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基、3,5−ジメチル−3−シクロヘキセニル基等が好ましい。R13として特に好ましいのは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基である。
R11、R11’が3級のアルキル基でR12、R12’がメチル基の場合、R13は炭素数1〜8の1級又は2級のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基等)が好ましい。
R11、R11’が3級のアルキル基でR12、R12’がメチル基以外のアルキル基の場合、R13は水素原子が好ましい。
R11、R11’が3級のアルキル基でない場合、R13は水素原子又は2級のアルキル基であることが好ましく、2級のアルキル基であることが特に好ましい。R13の2級アルキル基として好ましい基はイソプロピル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基である。
上記還元剤はR11、R11’、R12、R12’及びR13の組み合わせにより、熱現像性、現像銀色調などが異なる。2種以上の還元剤を組み合わせることでこれらを調整することができるため、目的によっては2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。
R11、R11’が3級のアルキル基でR12、R12’がメチル基以外のアルキル基の場合、R13は水素原子が好ましい。
R11、R11’が3級のアルキル基でない場合、R13は水素原子又は2級のアルキル基であることが好ましく、2級のアルキル基であることが特に好ましい。R13の2級アルキル基として好ましい基はイソプロピル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基である。
上記還元剤はR11、R11’、R12、R12’及びR13の組み合わせにより、熱現像性、現像銀色調などが異なる。2種以上の還元剤を組み合わせることでこれらを調整することができるため、目的によっては2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。
本発明においては、一般式(R)で表される還元剤の中でも、下記一般式(R1)で表される還元剤であることが更に好ましい。
一般式(R1)
一般式(R1)において、一般式(R)と異なる部分は、R11及びR11’である。R11及びR11’は、各々独立に炭素数1〜15の2級又は3級のアルキル基を表す。R12、R12’、L、X1及びX1’は、それぞれ一般式(R)の場合と同様である。
一般式(R1)
以下に、一般式(R)で表される化合物をはじめとする本発明における還元剤の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
上記以外の本発明における好ましい還元剤の例は特開2001−188314号、同2001−209145号、同2001−350235号、同2002−156727号、EP1278101A2号に記載された化合物である。
本発明において還元剤の添加量は、感材全体として0.1g/m2以上3.0g/m2以下であることが好ましく、より好ましくは0.2g/m2以上2.0g/m2以下で、さらに好ましくは0.3g/m2以上1.0g/m2以下である。画像形成層を有する面の銀1モルに対しては5モル%以上50モル%以下含まれることが好ましく、より好ましくは8モル%以上30モル%以下であり、10モル%以上20モル%以下で含まれることがさらに好ましい。
還元剤は溶液形態、乳化分散形態、固体微粒子分散物形態など、いかなる方法で塗布液に含有せしめ、感光材料に含有させてもよい。
よく知られている乳化分散法としては、ジブチルフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルセバケートあるいはトリ(2−エチルヘキシル)ホスフェートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムやオレオイル−N−メチルタウリン酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム等の界面活性剤を添加して機械的に乳化分散物を作製する方法が挙げられる。このとき、油滴の粘度や屈折率の調整の目的でαメチルスチレンオリゴマーやポリ(t−ブチルアクリルアミド)等のポリマーを添加することも好ましい。
よく知られている乳化分散法としては、ジブチルフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルセバケートあるいはトリ(2−エチルヘキシル)ホスフェートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムやオレオイル−N−メチルタウリン酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム等の界面活性剤を添加して機械的に乳化分散物を作製する方法が挙げられる。このとき、油滴の粘度や屈折率の調整の目的でαメチルスチレンオリゴマーやポリ(t−ブチルアクリルアミド)等のポリマーを添加することも好ましい。
また、固体微粒子分散法としては、還元剤の粉末を水等の適当な溶媒中にボールミル、コロイドミル、振動ボールミル、サンドミル、ジェットミル、ローラーミルあるいは超音波によって分散し、固体分散物を作製する方法が挙げられる。尚、その際に保護コロイド(例えば、ポリビニルアルコール)、界面活性剤(例えばトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム(3つのイソプロピル基の置換位置が異なるものの混合物)などのアニオン性界面活性剤)を用いてもよい。上記ミル類では分散媒体としてジルコニア等のビーズが使われるのが普通であり、これらのビーズから溶出するZr等が分散物中に混入することがある。分散条件にもよるが通常は1ppm以上1000ppm以下の範囲である。感材中のZrの含有量が銀1g当たり0.5mg以下であれば実用上差し支えない。
水分散物には防腐剤(例えばベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩)を含有させることが好ましい。
特に好ましいのは、還元剤の固体粒子分散法であり、平均粒子サイズ0.01μm以上10μm以下、好ましくは0.05μm以上5μm以下、より好ましくは0.1μm以上2μm以下の微粒子して添加するのが好ましい。本願においては他の固体分散物もこの範囲の粒子サイズに分散して用いるのが好ましい。
水分散物には防腐剤(例えばベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩)を含有させることが好ましい。
特に好ましいのは、還元剤の固体粒子分散法であり、平均粒子サイズ0.01μm以上10μm以下、好ましくは0.05μm以上5μm以下、より好ましくは0.1μm以上2μm以下の微粒子して添加するのが好ましい。本願においては他の固体分散物もこの範囲の粒子サイズに分散して用いるのが好ましい。
(現像促進剤の説明)
本発明では、現像促進剤を添加することが好ましい。
本発明の熱現像感光材料では、現像促進剤として特開2000−267222号明細書や特開2000−330234号明細書等に記載の一般式(A)で表されるスルホンアミドフェノール系の化合物、特開平2001−92075記載の一般式(II)で表されるヒンダードフェノール系の化合物、特開平10−62895号明細書や特開平11−15116号明細書等に記載の一般式(I)、特開2002−156727号の一般式(D)や特開2002−278017号明細書に記載の一般式(1)で表されるヒドラジン系の化合物、特開2001−264929号明細書に記載されている一般式(2)で表されるフェノール系又はナフトール系の化合物が好ましく用いられる。また、特開2002−311533号、特開2002−341484号明細書に記載されたフェノール系の化合物も好ましい。特に特開2003−66558号明細書に記載のナフトール系の化合物が好ましい。
本発明では、現像促進剤を添加することが好ましい。
本発明の熱現像感光材料では、現像促進剤として特開2000−267222号明細書や特開2000−330234号明細書等に記載の一般式(A)で表されるスルホンアミドフェノール系の化合物、特開平2001−92075記載の一般式(II)で表されるヒンダードフェノール系の化合物、特開平10−62895号明細書や特開平11−15116号明細書等に記載の一般式(I)、特開2002−156727号の一般式(D)や特開2002−278017号明細書に記載の一般式(1)で表されるヒドラジン系の化合物、特開2001−264929号明細書に記載されている一般式(2)で表されるフェノール系又はナフトール系の化合物が好ましく用いられる。また、特開2002−311533号、特開2002−341484号明細書に記載されたフェノール系の化合物も好ましい。特に特開2003−66558号明細書に記載のナフトール系の化合物が好ましい。
本発明においては、現像促進剤は、還元剤に対して0.1モル%以上20モル%以下の範囲で使用され、好ましくは0.5モル%以上10モル%以下の範囲で、より好ましくは1モル%以上5モル%以下の範囲で使用される。
感材への導入方法は還元剤同様の方法があげられるが、特に固体分散物又は乳化分散物として添加することが好ましい。乳化分散物として添加する場合、常温で固体である高沸点溶剤と低沸点の補助溶剤を使用して分散した乳化分散物として添加するか、若しくは高沸点溶剤を使用しない所謂オイルレス乳化分散物として添加することが好ましい。
本発明においては上記現像促進剤の中でも、特開2002−156727号、特開2002−278017号明細書に記載ヒドラジン系の化合物及び特開2003−66558号明細書に記載されているナフトール系の化合物がより好ましい。
本発明においては上記現像促進剤の中でも、特開2002−156727号、特開2002−278017号明細書に記載ヒドラジン系の化合物及び特開2003−66558号明細書に記載されているナフトール系の化合物がより好ましい。
本発明における特に好ましい現像促進剤は、下記一般式(A−1)及び(A−2)で表される化合物である。
一般式(A−1); Q1−NHNH−Q2
式中、Q1は、炭素原子で−NHNH−Q2と結合する芳香族基、又はヘテロ環基を表す。Q2は、カルバモイル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホニル基、又はスルファモイル基を表す。
一般式(A−1); Q1−NHNH−Q2
式中、Q1は、炭素原子で−NHNH−Q2と結合する芳香族基、又はヘテロ環基を表す。Q2は、カルバモイル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホニル基、又はスルファモイル基を表す。
一般式(A−1)において、Q1で表される芳香族基又はヘテロ環基としては5〜7員の不飽和環が好ましい。好ましい例としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、1,2,4−トリアジン環、1,3,5−トリアジン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,2,5−チアジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール環、1,2,4−オキサジアゾール環、1,2,5−オキサジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、チオフェン環などが好ましく、さらにこれらの環が互いに縮合した縮合環も好ましい。
これらの環は置換基を有していてもよく、2個以上の置換基を有する場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、カルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、カルバモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、及びアシル基を挙げることができる。これらの置換基が置換可能な基である場合、さらに置換基を有してもよく、好ましい置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、カルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、及びアシルオキシ基を挙げることができる。
Q2で表されるカルバモイル基は、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数6〜40のカルバモイル基であり、例えば、無置換カルバモイル、メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−プロピルカルバモイル、N−sec−ブチルカルバモイル、N−オクチルカルバモイル、N−シクロヘキシルカルバモイル、N−tert−ブチルカルバモイル、N−ドデシルカルバモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)カルバモイル、N−オクタデシルカルバモイル、N−{3−(2,4−tert−ペンチルフェノキシ)プロピル}カルバモイル、N−(2−ヘキシルデシル)カルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N−(4−ドデシルオキシフェニル)カルバモイル、N−(2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルフェニル)カルバモイル、N−ナフチルカルバモイル、N−3−ピリジルカルバモイル、N−ベンジルカルバモイルが挙げられる。
Q2で表されるアシル基は、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数6〜40のアシル基であり、例えば、ホルミル、アセチル、2−メチルプロパノイル、シクロヘキシルカルボニル、オクタノイル、2−ヘキシルデカノイル、ドデカノイル、クロロアセチル、トリフルオロアセチル、ベンゾイル、4−ドデシルオキシベンゾイル、2−ヒドロキシメチルベンゾイルが挙げられる。Q2で表されるアルコキシカルボニル基は、好ましくは炭素数2〜50、より好ましくは炭素数6〜40のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルが挙げられる。
Q2で表されるアリールオキシカルボニル基は、好ましくは炭素数7〜50、より好ましくは炭素数7〜40のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル、4−オクチルオキシフェノキシカルボニル、2−ヒドロキシメチルフェノキシカルボニル、4−ドデシルオキシフェノキシカルボニルが挙げられる。Q2で表されるスルホニル基は、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数6〜40のスルホニル基で、例えば、メチルスルホニル、ブチルスルホニル、オクチルスルホニル、2−ヘキサデシルスルホニル、3−ドデシルオキシプロピルスルホニル、2−オクチルオキシ−5−tert−オクチルフェニルスルホニル、4−ドデシルオキシフェニルスルホニルが挙げられる。
Q2で表されるスルファモイル基は、好ましくは炭素数0〜50、より好ましくは炭素数6〜40のスルファモイル基で、例えば、無置換スルファモイル、N−エチルスルファモイル基、N−(2−エチルヘキシル)スルファモイル、N−デシルスルファモイル、N−ヘキサデシルスルファモイル、N−{3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル}スルファモイル、N−(2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルフェニル)スルファモイル、N−(2−テトラデシルオキシフェニル)スルファモイルが挙げられる。Q2で表される基は、さらに、置換可能な位置に前記のQ1で表される5〜7員の不飽和環の置換基の例として挙げた基を有していてもよく、2個以上の置換基を有する場合には、それ等の置換基は同一であっても異なっていてもよい。
次に、式(A−1)で表される化合物の好ましい範囲について述べる。Q1としては5〜6員の不飽和環が好ましく、ベンゼン環、ピリミジン環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール環、1,2,4−オキサジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、及びこれらの環がベンゼン環若しくは不飽和ヘテロ環と縮合した環が更に好ましい。また、Q2はカルバモイル基が好ましく、特に窒素原子上に水素原子を有するカルバモイル基が好ましい。
一般式(A−2)においてR1はアルキル基、アシル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基を表す。R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルオキシ基、炭酸エステル基を表す。R3、R4はそれぞれ一般式(A−1)の置換基例で挙げたベンゼン環に置換可能な基を表す。R3とR4は互いに連結して縮合環を形成してもよい。
R1は好ましくは炭素数1〜20のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−オクチル基、シクロヘキシル基など)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、メチルウレイド基、4−シアノフェニルウレイド基など)、カルバモイル基(n−ブチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基、2−クロロフェニルカルバモイル基、2,4−ジクロロフェニルカルバモイル基など)でアシルアミノ基(ウレイド基、ウレタン基を含む)がより好ましい。R2は好ましくはハロゲン原子(より好ましくは塩素原子、臭素原子)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−デシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ベンジルオキシ基など)、アリールオキシ基(フェノキシ基、ナフトキシ基など)である。
R3は好ましくは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基であり、ハロゲン原子がもっとも好ましい。R4は水素原子、アルキル基、アシルアミノ基が好ましく、アルキル基又はアシルアミノ基がより好ましい。これらの好ましい置換基の例はR1と同様である。R4がアシルアミノ基である場合R4はR3と連結してカルボスチリル環を形成することも好ましい。
R1は好ましくは炭素数1〜20のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−オクチル基、シクロヘキシル基など)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、メチルウレイド基、4−シアノフェニルウレイド基など)、カルバモイル基(n−ブチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基、2−クロロフェニルカルバモイル基、2,4−ジクロロフェニルカルバモイル基など)でアシルアミノ基(ウレイド基、ウレタン基を含む)がより好ましい。R2は好ましくはハロゲン原子(より好ましくは塩素原子、臭素原子)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−デシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ベンジルオキシ基など)、アリールオキシ基(フェノキシ基、ナフトキシ基など)である。
R3は好ましくは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基であり、ハロゲン原子がもっとも好ましい。R4は水素原子、アルキル基、アシルアミノ基が好ましく、アルキル基又はアシルアミノ基がより好ましい。これらの好ましい置換基の例はR1と同様である。R4がアシルアミノ基である場合R4はR3と連結してカルボスチリル環を形成することも好ましい。
一般式(A−2)においてR3とR4が互いに連結して縮合環を形成する場合、縮合環としてはナフタレン環が特に好ましい。ナフタレン環には一般式(A−1)で挙げた置換基例と同じ置換基が結合していてもよい。一般式(A−2)がナフトール系の化合物であるとき、R1はカルバモイル基であることが好ましい。その中でもベンゾイル基であることが特に好ましい。R2はアルコキシ基、アリールオキシ基であることが好ましく、アルコキシ基であることが特に好ましい。
以下、本発明における現像促進剤の好ましい具体例を挙げる。本発明はこれらに限定されるものではない。
(水素結合性化合物の説明)
本発明における還元剤が芳香族性の水酸基(−OH)又はアミノ基(−NHR、Rは水素原子又はアルキル基)を有する場合、特に前述のビスフェノール類の場合には、これらの基と水素結合を形成することが可能な基を有する非還元性の化合物を併用することが好ましい。
水酸基又はアミノ基と水素結合を形成する基としては、ホスホリル基、スルホキシド基、スルホニル基、カルボニル基、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレイド基、3級アミノ基、含窒素芳香族基などが挙げられる。その中でも好ましいのはホスホリル基、スルホキシド基、アミド基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)、ウレタン基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)、ウレイド基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)を有する化合物である。
本発明で、特に好ましい水素結合性の化合物は下記一般式(D)で表される化合物である。
一般式(D)
本発明における還元剤が芳香族性の水酸基(−OH)又はアミノ基(−NHR、Rは水素原子又はアルキル基)を有する場合、特に前述のビスフェノール類の場合には、これらの基と水素結合を形成することが可能な基を有する非還元性の化合物を併用することが好ましい。
水酸基又はアミノ基と水素結合を形成する基としては、ホスホリル基、スルホキシド基、スルホニル基、カルボニル基、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレイド基、3級アミノ基、含窒素芳香族基などが挙げられる。その中でも好ましいのはホスホリル基、スルホキシド基、アミド基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)、ウレタン基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)、ウレイド基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)を有する化合物である。
本発明で、特に好ましい水素結合性の化合物は下記一般式(D)で表される化合物である。
一般式(D)
一般式(D)においてR21ないしR23は各々独立にアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基又はヘテロ環基を表し、これらの基は無置換であっても置換基を有していてもよい。
R21ないしR23が置換基を有する場合の置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホンアミド基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、ホスホリル基などがあげられ、置換基として好ましいのはアルキル基又はアリール基でたとえばメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−オクチル基、フェニル基、4−アルコキシフェニル基、4−アシルオキシフェニル基などがあげられる。
R21ないしR23のアルキル基としては具体的にはメチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、2−フェノキシプロピル基などがあげられる。
アリール基としてはフェニル基、クレジル基、キシリル基、ナフチル基、4−t−ブチルフェニル基、4−t−オクチルフェニル基、4−アニシジル基、3,5−ジクロロフェニル基などが挙げられる。
アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、4−メチルシクロヘキシルオキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としてはフェノキシ基、クレジルオキシ基、イソプロピルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、ナフトキシ基、ビフェニルオキシ基等が挙げられる。
アミノ基としてはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、N−メチル−N−ヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基等が挙げられる。
R21ないしR23が置換基を有する場合の置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホンアミド基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、ホスホリル基などがあげられ、置換基として好ましいのはアルキル基又はアリール基でたとえばメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−オクチル基、フェニル基、4−アルコキシフェニル基、4−アシルオキシフェニル基などがあげられる。
R21ないしR23のアルキル基としては具体的にはメチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、2−フェノキシプロピル基などがあげられる。
アリール基としてはフェニル基、クレジル基、キシリル基、ナフチル基、4−t−ブチルフェニル基、4−t−オクチルフェニル基、4−アニシジル基、3,5−ジクロロフェニル基などが挙げられる。
アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、4−メチルシクロヘキシルオキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としてはフェノキシ基、クレジルオキシ基、イソプロピルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、ナフトキシ基、ビフェニルオキシ基等が挙げられる。
アミノ基としてはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、N−メチル−N−ヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基等が挙げられる。
R21ないしR23としてはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基が好ましい。本発明の効果の点ではR21ないしR23のうち少なくとも一つ以上がアルキル基又はアリール基であることが好ましく、二つ以上がアルキル基又はアリール基であることがより好ましい。また、安価に入手する事ができるという点ではR21ないしR23が同一の基である場合が好ましい。
以下に本発明における一般式(D)の化合物をはじめとする水素結合性化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下に本発明における一般式(D)の化合物をはじめとする水素結合性化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
水素結合性化合物の具体例は上述の他に欧州特許1096310号明細書、特開2002−156727号、特開2002−318431号に記載のものがあげられる。
本発明における一般式(D)の化合物は、還元剤と同様に溶液形態、乳化分散形態、固体分散微粒子分散物形態で塗布液に含有せしめ、感光材料中で使用することができるが、固体分散物として使用することが好ましい。これらの化合物は、溶液状態でフェノール性水酸基、アミノ基を有する化合物と水素結合性の錯体を形成しており、還元剤と本発明における一般式(D)の化合物との組み合わせによっては錯体として結晶状態で単離することができる。
このようにして単離した結晶粉体を固体分散微粒子分散物として使用することは安定した性能を得る上で特に好ましい。また、還元剤と本発明における一般式(D)の化合物を粉体で混合し、適当な分散剤を使って、サンドグラインダーミル等で分散時に錯形成させる方法も好ましく用いることができる。
本発明における一般式(D)の化合物は、還元剤に対して、1モル%以上200モル%以下の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは10モル%以上150モル%以下の範囲で、さらに好ましくは20モル%以上100モル%の範囲である。
本発明における一般式(D)の化合物は、還元剤と同様に溶液形態、乳化分散形態、固体分散微粒子分散物形態で塗布液に含有せしめ、感光材料中で使用することができるが、固体分散物として使用することが好ましい。これらの化合物は、溶液状態でフェノール性水酸基、アミノ基を有する化合物と水素結合性の錯体を形成しており、還元剤と本発明における一般式(D)の化合物との組み合わせによっては錯体として結晶状態で単離することができる。
このようにして単離した結晶粉体を固体分散微粒子分散物として使用することは安定した性能を得る上で特に好ましい。また、還元剤と本発明における一般式(D)の化合物を粉体で混合し、適当な分散剤を使って、サンドグラインダーミル等で分散時に錯形成させる方法も好ましく用いることができる。
本発明における一般式(D)の化合物は、還元剤に対して、1モル%以上200モル%以下の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは10モル%以上150モル%以下の範囲で、さらに好ましくは20モル%以上100モル%の範囲である。
(ハロゲン化銀の説明)
1)ハロゲン組成
本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀は、ハロゲン組成として特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀、ヨウ化銀を用いることができる。その中でも臭化銀、ヨウ臭化銀及びヨウ化銀が好ましい。粒子内におけるハロゲン組成の分布は均一であってもよく、ハロゲン組成がステップ状に変化したものでもよく、或いは連続的に変化したものでもよい。また、コア/シェル構造を有するハロゲン化銀粒子を好ましく用いることができる。構造として好ましいものは2〜5重構造であり、より好ましくは2〜4重構造のコア/シェル粒子を用いることができる。また塩化銀、臭化銀又は塩臭化銀粒子の表面に臭化銀やヨウ化銀を局在させる技術も好ましく用いることができる。
X線蛍光スクリーンを用いて露光される本発明の熱現像感光材料においては、処理後の光照射に対する画像保存性の観点から、高ヨウ化銀のハロゲン化銀を用いることが好ましい。ハロゲン化銀におけるヨウ化銀含有率は、40モル%以上100モル%以下が好ましく、ヨウ化銀含有率が70モル%以上100モル%以下であるとより好ましく、さらに好ましくは80モル%以上100モル%以下、特に好ましくは90モル%以上100モル%以下である。
1)ハロゲン組成
本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀は、ハロゲン組成として特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀、ヨウ化銀を用いることができる。その中でも臭化銀、ヨウ臭化銀及びヨウ化銀が好ましい。粒子内におけるハロゲン組成の分布は均一であってもよく、ハロゲン組成がステップ状に変化したものでもよく、或いは連続的に変化したものでもよい。また、コア/シェル構造を有するハロゲン化銀粒子を好ましく用いることができる。構造として好ましいものは2〜5重構造であり、より好ましくは2〜4重構造のコア/シェル粒子を用いることができる。また塩化銀、臭化銀又は塩臭化銀粒子の表面に臭化銀やヨウ化銀を局在させる技術も好ましく用いることができる。
X線蛍光スクリーンを用いて露光される本発明の熱現像感光材料においては、処理後の光照射に対する画像保存性の観点から、高ヨウ化銀のハロゲン化銀を用いることが好ましい。ハロゲン化銀におけるヨウ化銀含有率は、40モル%以上100モル%以下が好ましく、ヨウ化銀含有率が70モル%以上100モル%以下であるとより好ましく、さらに好ましくは80モル%以上100モル%以下、特に好ましくは90モル%以上100モル%以下である。
2)粒子形成方法
感光性ハロゲン化銀の形成方法は当業界ではよく知られており、例えば、リサーチディスクロージャー1978年6月の第17029号、及び米国特許第3,700,458号に記載されている方法を用いることができるが、具体的にはゼラチンあるいは他のポリマー溶液中に銀供給化合物及びハロゲン供給化合物を添加することにより感光性ハロゲン化銀を調製し、その後で有機銀塩と混合する方法を用いる。また、特開平11−119374号公報の段落番号0217〜0224に記載されている方法、特開平11−352627、特開2000−347335号記載の方法も好ましい。
感光性ハロゲン化銀の形成方法は当業界ではよく知られており、例えば、リサーチディスクロージャー1978年6月の第17029号、及び米国特許第3,700,458号に記載されている方法を用いることができるが、具体的にはゼラチンあるいは他のポリマー溶液中に銀供給化合物及びハロゲン供給化合物を添加することにより感光性ハロゲン化銀を調製し、その後で有機銀塩と混合する方法を用いる。また、特開平11−119374号公報の段落番号0217〜0224に記載されている方法、特開平11−352627、特開2000−347335号記載の方法も好ましい。
3)粒子サイズ
感光性ハロゲン化銀の粒子サイズは、X線蛍光スクリーンを用いて露光される本発明の熱現像感光材料においては、高感度を達成するのに必要な十分大きい粒子サイズを選ぶことができる。特に、両面に画像形成層を有する熱現像感光材料の場合、感度を高める必要がある。この場合、好ましいハロゲン化銀の平均球相当直径は0.3μm以上5.0μm以下であり、さらに好ましくは0.35μm以上3.0μm以下である。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子の投影面積(平板粒子の場合は主平面の投影面積)と同面積の円像に換算したときの直径をいう。
感光性ハロゲン化銀の粒子サイズは、X線蛍光スクリーンを用いて露光される本発明の熱現像感光材料においては、高感度を達成するのに必要な十分大きい粒子サイズを選ぶことができる。特に、両面に画像形成層を有する熱現像感光材料の場合、感度を高める必要がある。この場合、好ましいハロゲン化銀の平均球相当直径は0.3μm以上5.0μm以下であり、さらに好ましくは0.35μm以上3.0μm以下である。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子の投影面積(平板粒子の場合は主平面の投影面積)と同面積の円像に換算したときの直径をいう。
4)粒子形状
ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、八面体、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、ジャガイモ状粒子等を挙げることができ、X線蛍光スクリーンを用いて露光される本発明の熱現像感光材料に好ましく用られる高ヨウ化銀含有率のハロゲン化銀は、複雑な形態を取り得る。好ましい形態は例えば、R.L.JENKINS etal.J of Phot. Sci.Vol.28(1980)のp164−Fig1に示されているような接合粒子が挙げられる。同Fig.1に示されているような平板状粒子も好ましく用いられる。
ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、八面体、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、ジャガイモ状粒子等を挙げることができ、X線蛍光スクリーンを用いて露光される本発明の熱現像感光材料に好ましく用られる高ヨウ化銀含有率のハロゲン化銀は、複雑な形態を取り得る。好ましい形態は例えば、R.L.JENKINS etal.J of Phot. Sci.Vol.28(1980)のp164−Fig1に示されているような接合粒子が挙げられる。同Fig.1に示されているような平板状粒子も好ましく用いられる。
5)重金属
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、周期律表(第1〜18族までを示す)の第3族〜第13族の金属又は金属錯体を含有することができる。周期律表の第8族〜第10族の金属又は金属錯体の中心金属として好ましくは、ロジウム、ルテニウム、イリジウムである。これら金属錯体は1種類でもよいし、同種金属及び異種金属の錯体を2種以上併用してもよい。好ましい含有率は銀1モルに対し1×10-9モル以上1×10-3モル以下の範囲が好ましい。これらの重金属や金属錯体及びそれらの添加法については特開平7−225449号、特開平11−65021号段落番号0018〜0024、特開平11−119374号段落番号0227〜0240に記載されている。
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、周期律表(第1〜18族までを示す)の第3族〜第13族の金属又は金属錯体を含有することができる。周期律表の第8族〜第10族の金属又は金属錯体の中心金属として好ましくは、ロジウム、ルテニウム、イリジウムである。これら金属錯体は1種類でもよいし、同種金属及び異種金属の錯体を2種以上併用してもよい。好ましい含有率は銀1モルに対し1×10-9モル以上1×10-3モル以下の範囲が好ましい。これらの重金属や金属錯体及びそれらの添加法については特開平7−225449号、特開平11−65021号段落番号0018〜0024、特開平11−119374号段落番号0227〜0240に記載されている。
本発明においては、六シアノ金属錯体を粒子最表面に存在させたハロゲン化銀粒子が好ましい。六シアノ金属錯体としては、[Fe(CN)6]4-、[Fe(CN)6]3-、[Ru(CN)6]4-、[Os(CN)6]4-、[Co(CN)6]3-、[Rh(CN)6]3-、[Ir(CN)6]3-、[Cr(CN)6]3-、[Re(CN)6]3-などが挙げられる。本発明においては六シアノFe錯体が好ましい。
六シアノ金属錯体は、水溶液中でイオンの形で存在するので対陽イオンは重要ではないが、水と混和しやすく、ハロゲン化銀乳剤の沈澱操作に適合しているナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオン及びリチウムイオン等のアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン(例えばテトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン、テトラ(n−ブチル)アンモニウムイオン)を用いることが好ましい。
六シアノ金属錯体は、水の他に水と混和しうる適当な有機溶媒(例えば、アルコール類、エーテル類、グリコール類、ケトン類、エステル類、アミド類等)との混合溶媒やゼラチンと混和して添加することができる。
六シアノ金属錯体の添加量は、銀1モル当たり1×10-5モル以上1×10-2モル以下が好ましく、より好ましくは1×10-4モル以上1×10-3モル以下である。
六シアノ金属錯体をハロゲン化銀粒子最表面に存在させるには、六シアノ金属錯体を、粒子形成に使用する硝酸銀水溶液を添加終了した後、硫黄増感、セレン増感及びテルル増感のカルコゲン増感や金増感等の貴金属増感を行う化学増感工程の前までの仕込工程終了前、水洗工程中、分散工程中、又は化学増感工程前に直接添加する。ハロゲン化銀微粒子を成長させないためには、粒子形成後速やかに六シアノ金属錯体を添加することが好ましく、仕込工程終了前に添加することが好ましい。
尚、六シアノ金属錯体の添加は、粒子形成をするために添加する硝酸銀の総量の96質量%を添加した後から開始してもよく、98質量%添加した後から開始するのがより好ましく、99質量%添加した後が特に好ましい。
これら六シアノ金属錯体を粒子形成の完了する直前の硝酸銀水溶液を添加した後に添加すると、ハロゲン化銀粒子最表面に吸着することができ、そのほとんどが粒子表面の銀イオンと難溶性の塩を形成する。この六シアノ鉄(II)の銀塩は、AgIよりも難溶性の塩であるため、微粒子による再溶解を防ぐことができ、粒子サイズが小さいハロゲン化銀微粒子を製造することが可能となった。
さらに本発明に用いられるハロゲン化銀粒子に含有することのできる金属原子(例えば[Fe(CN)6]4-)、ハロゲン化銀乳剤の脱塩法や化学増感法については特開平11−84574号段落番号0046〜0050、特開平11−65021号段落番号0025〜0031、特開平11−119374号段落番号0242〜0250に記載されている。
6)ゼラチン
本発明に用いる感光性ハロゲン化銀乳剤に含有されるゼラチンとしては、種々のゼラチンが使用することができる。感光性ハロゲン化銀乳剤の有機銀塩含有塗布液中での分散状態を良好に維持することが必要であり、分子量が、10,000〜1,000,000のゼラチンを使用することが好ましい。また、ゼラチンの置換基をフタル化処理することも好ましい。これらのゼラチンは粒子形成時あるいは脱塩処理後の分散時に使用してもよいが、粒子形成時に使用することが好ましい。
本発明に用いる感光性ハロゲン化銀乳剤に含有されるゼラチンとしては、種々のゼラチンが使用することができる。感光性ハロゲン化銀乳剤の有機銀塩含有塗布液中での分散状態を良好に維持することが必要であり、分子量が、10,000〜1,000,000のゼラチンを使用することが好ましい。また、ゼラチンの置換基をフタル化処理することも好ましい。これらのゼラチンは粒子形成時あるいは脱塩処理後の分散時に使用してもよいが、粒子形成時に使用することが好ましい。
7)増感色素
本発明に適用できる増感色素としてはハロゲン化銀粒子に吸着した際、所望の波長領域でハロゲン化銀粒子を分光増感できるもので、露光光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択することができる。増感色素及び添加法については、特開平11−65021号の段落番号0103〜0109、特開平10−186572号一般式(II)で表される化合物、特開平11−119374号の一般式(I)で表される色素及び段落番号0106、米国特許第5,510,236号、同第3,871,887号実施例5に記載の色素、特開平2−96131号、特開昭59−48753号に開示されている色素、欧州特許公開第0803764A1号の第19ページ第38行〜第20ページ第35行、特開2001−272747号、特開2001−290238号、特開2002−23306号等に記載されている。これらの増感色素は単独で用いてもよく、2種以上組合せて用いてもよい。本発明において増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加する時期は、脱塩工程後、塗布までの時期が好ましく、より好ましくは脱塩後から化学熟成が終了する前までの時期である。
本発明における増感色素の添加量は、感度やカブリの性能に合わせて所望の量にすることができるが、画像形成層のハロゲン化銀1モル当たり10-6〜1モルが好ましく、さらに好ましくは10-4〜10-1モルである。
本発明に適用できる増感色素としてはハロゲン化銀粒子に吸着した際、所望の波長領域でハロゲン化銀粒子を分光増感できるもので、露光光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択することができる。増感色素及び添加法については、特開平11−65021号の段落番号0103〜0109、特開平10−186572号一般式(II)で表される化合物、特開平11−119374号の一般式(I)で表される色素及び段落番号0106、米国特許第5,510,236号、同第3,871,887号実施例5に記載の色素、特開平2−96131号、特開昭59−48753号に開示されている色素、欧州特許公開第0803764A1号の第19ページ第38行〜第20ページ第35行、特開2001−272747号、特開2001−290238号、特開2002−23306号等に記載されている。これらの増感色素は単独で用いてもよく、2種以上組合せて用いてもよい。本発明において増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加する時期は、脱塩工程後、塗布までの時期が好ましく、より好ましくは脱塩後から化学熟成が終了する前までの時期である。
本発明における増感色素の添加量は、感度やカブリの性能に合わせて所望の量にすることができるが、画像形成層のハロゲン化銀1モル当たり10-6〜1モルが好ましく、さらに好ましくは10-4〜10-1モルである。
本発明は分光増感効率を向上させるため、強色増感剤を用いることができる。本発明に用いる強色増感剤としては、欧州特許公開第587,338号、米国特許第3,877,943号、同第4,873,184号、特開平5−341432号、同11−109547号、同10−111543号等に記載の化合物が挙げられる。
8)化学増感
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、硫黄増感法、セレン増感法若しくはテルル増感法にて化学増感されていることが好ましい。硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法に好ましく用いられる化合物としては公知の化合物、例えば、特開平7−128768号等に記載の化合物等を使用することができる。特に本発明においてはテルル増感が好ましく、特開平11−65021号段落番号0030に記載の文献に記載の化合物、特開平5−313284号中の一般式(II),(III),(IV)で示される化合物がより好ましい。
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、硫黄増感法、セレン増感法若しくはテルル増感法にて化学増感されていることが好ましい。硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法に好ましく用いられる化合物としては公知の化合物、例えば、特開平7−128768号等に記載の化合物等を使用することができる。特に本発明においてはテルル増感が好ましく、特開平11−65021号段落番号0030に記載の文献に記載の化合物、特開平5−313284号中の一般式(II),(III),(IV)で示される化合物がより好ましい。
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、上記カルコゲン増感と組み合わせて、あるいは単独で金増感法にて化学増感されていることが好ましい。金増感剤としては、金の価数が+1価又は+3価が好ましく、金増感剤としては通常用いられる金化合物が好ましい。代表的な例としては塩化金酸、臭化金酸、カリウムクロロオーレート、カリウムブロロオーレート、オーリックトリクロライド、カリウムオーリックチオシアネート、カリウムヨードオーレート、テトラシアノオーリックアシド、アンモニウムオーロチオシアネート、ピリジルトリクロロゴールドなどが好ましい。また、米国特許第5858637号、特開2002−278016号に記載の金増感剤も好ましく用いられる。
本発明においては、化学増感は粒子形成後で塗布前であればいかなる時期でも可能であり、脱塩後、(1)分光増感前、(2)分光増感と同時、(3)分光増感後、(4)塗布直前等があり得る。
本発明で用いられる硫黄、セレン及びテルル増感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等によって変わるが、ハロゲン化銀1モル当たり10-8モル以上10-2モル以下、好ましくは10-7モル以上10-3モル以下程度を用いる。
金増感剤の添加量は種々の条件により異なるが、目安としてはハロゲン化銀1モル当たり10-7モル以上10-3モル以下、より好ましくは10-6モル以上5×10-4モル以下である。
本発明における化学増感の条件としては特に制限はないが、pHとしては5〜8、pAgとしては6〜11、温度としては40〜95℃程度である。
本発明で用いるハロゲン化銀乳剤には、欧州特許公開第293,917号公報に示される方法により、チオスルホン酸化合物を添加してもよい。
本発明で用いられる硫黄、セレン及びテルル増感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等によって変わるが、ハロゲン化銀1モル当たり10-8モル以上10-2モル以下、好ましくは10-7モル以上10-3モル以下程度を用いる。
金増感剤の添加量は種々の条件により異なるが、目安としてはハロゲン化銀1モル当たり10-7モル以上10-3モル以下、より好ましくは10-6モル以上5×10-4モル以下である。
本発明における化学増感の条件としては特に制限はないが、pHとしては5〜8、pAgとしては6〜11、温度としては40〜95℃程度である。
本発明で用いるハロゲン化銀乳剤には、欧州特許公開第293,917号公報に示される方法により、チオスルホン酸化合物を添加してもよい。
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、還元剤を用いることが好ましい。還元増感法の具体的な化合物としてはアスコルビン酸、アミノイミノメタンスルフィン酸が好ましく、その他に塩化第一スズ、ヒドラジン誘導体、ボラン化合物、シラン化合物、ポリアミン化合物等を用いることが好ましい。還元増感剤の添加は、結晶成長から塗布直前の調製工程までの感光乳剤製造工程のどの過程でも良い。また、乳剤のpHを7以上又はpAgを8.3以下に保持して熟成することにより還元増感することが好ましく、粒子形成中に銀イオンのシングルアディション部分を導入することにより還元増感することも好ましい。
9)1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物
本発明における熱現像感光材料は、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物を含有することが好ましい。該化合物は、単独、あるいは前記の種々の化学増感剤と併用して用いられ、ハロゲン化銀の感度増加をもたらすことができる。
本発明における熱現像感光材料は、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物を含有することが好ましい。該化合物は、単独、あるいは前記の種々の化学増感剤と併用して用いられ、ハロゲン化銀の感度増加をもたらすことができる。
本発明の感光材料に含有される1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物とは以下のタイプ1、2から選ばれる化合物である。
(タイプ1)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらに1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物。
(タイプ2)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合形成反応を経た後に、さらに1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物。
(タイプ1)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらに1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物。
(タイプ2)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合形成反応を経た後に、さらに1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物。
まずタイプ1の化合物について説明する。
タイプ1の化合物で、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらに1電子を放出し得る化合物としては、特開平9−211769号(具体例:28〜32頁の表E及び表Fに記載の化合物PMT−1〜S−37)、特開平9−211774号、特開平11−95355号(具体例:化合物INV1〜36)、特表2001−500996号(具体例:化合物1〜74、80〜87、92〜122)、米国特許5,747,235号、米国特許5,747,236号、欧州特許786692A1号(具体例:化合物INV1〜35)、欧州特許893732A1号、米国特許6,054,260号、米国特許5,994,051号などの特許に記載の「1光子2電子増感剤」又は「脱プロトン化電子供与増感剤」と称される化合物が挙げられる。これらの化合物の好ましい範囲は、引用されている特許明細書に記載の好ましい範囲と同じである。
タイプ1の化合物で、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらに1電子を放出し得る化合物としては、特開平9−211769号(具体例:28〜32頁の表E及び表Fに記載の化合物PMT−1〜S−37)、特開平9−211774号、特開平11−95355号(具体例:化合物INV1〜36)、特表2001−500996号(具体例:化合物1〜74、80〜87、92〜122)、米国特許5,747,235号、米国特許5,747,236号、欧州特許786692A1号(具体例:化合物INV1〜35)、欧州特許893732A1号、米国特許6,054,260号、米国特許5,994,051号などの特許に記載の「1光子2電子増感剤」又は「脱プロトン化電子供与増感剤」と称される化合物が挙げられる。これらの化合物の好ましい範囲は、引用されている特許明細書に記載の好ましい範囲と同じである。
またタイプ1の化合物で、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらに1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物としては、一般式(1)(特開平2003−114487号に記載の一般式(1)と同義)、一般式(2)(特開平2003−114487号に記載の一般式(2)と同義)、一般式(3)(特開平2003−114488号に記載の一般式(1)と同義)、一般式(4)(特開平2003−114488号に記載の一般式(2)と同義)、一般式(5)(特開平2003−114488号に記載の一般式(3)と同義)、一般式(6)(特開平2003−75950号に記載の一般式(1)と同義)、一般式(7)(特開平2003−75950号に記載の一般式(2)と同義)、一般式(8)(特願平2003−25886号に記載の一般式(1)と同義)、又は化学反応式(1)(特願平2003−33446号に記載の化学反応式(1)と同義)で表される反応を起こしうる化合物のうち一般式(9)(特願平2003−33446号に記載の一般式(3)と同義)で表される化合物が挙げられる。またこれらの化合物の好ましい範囲は、引用されている特許明細書に記載の好ましい範囲と同じである。
式中RED1、RED2は還元性基を表す。R1は炭素原子(C)とRED1とともに5員若しくは6員の芳香族環(芳香族複素環を含む)のテトラヒドロ体、若しくはオクタヒドロ体に相当する環状構造を形成しうる非金属原子団を表す。R2は水素原子又は置換基を表す。同一分子内に複数のR2が存在する場合にはこれらは同じであっても異なっていても良い。L1は脱離基をあらわす。EDは電子供与性基をあらわす。Z1は窒素原子とベンゼン環の2つの炭素原子とともに6員環を形成しうる原子団を表す。X1は置換基を表し、m1は0〜3の整数を表す。Z2は、−CR11R12−、−NR13−、又は−O−を表す。R11、R12はそれぞれ独立して水素原子又は置換基を表す。R13は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。X1はアルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、又はヘテロ環アミノ基を表す。L2はカルボキシ基若しくはその塩又は水素原子を表す。X2はC=Cとともに5員のヘテロ環を形成する基を表す。Y2はC=Cとともに5員又は6員のアリール基又はヘテロ環基を形成する基を表す。Mはラジカル、ラジカルカチオン、又はカチオンを表す。
次にタイプ2の化合物について説明する。
タイプ2の化合物で1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合形成反応を伴って、さらに1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物としては、一般式(10)(特開平2003−140287号に記載の一般式(1)と同義)、化学反応式(1)(特願平2003−33446号に記載の化学反応式(1)と同義)で表される反応を起こしうる化合物であって一般式(11)(特願平2003−33446号に記載の一般式(2)と同義)で表される化合物が挙げられる。これらの化合物の好ましい範囲は、引用されている特許明細書に記載の好ましい範囲と同じである。
タイプ2の化合物で1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合形成反応を伴って、さらに1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物としては、一般式(10)(特開平2003−140287号に記載の一般式(1)と同義)、化学反応式(1)(特願平2003−33446号に記載の化学反応式(1)と同義)で表される反応を起こしうる化合物であって一般式(11)(特願平2003−33446号に記載の一般式(2)と同義)で表される化合物が挙げられる。これらの化合物の好ましい範囲は、引用されている特許明細書に記載の好ましい範囲と同じである。
式中、Xは1電子酸化される還元性基をあらわす。YはXが1電子酸化されて生成する1電子酸化体と反応して、新たな結合を形成しうる炭素−炭素2重結合部位、炭素−炭素3重結合部位、芳香族基部位、又はベンゾ縮環の非芳香族ヘテロ環部位を含む反応性基を表す。L2はXとYを連結する連結基を表す。R2は水素原子又は置換基を表す。同一分子内に複数のR2が存在する場合にはこれらは同じであっても異なっていても良い。X2はC=Cとともに5員のヘテロ環を形成する基を表す。Y2はC=Cとともに5員又は6員のアリール基又はヘテロ環基を形成する基を表す。Mはラジカル、ラジカルカチオン、又はカチオンを表す。
タイプ1、2の化合物のうち好ましくは「分子内にハロゲン化銀への吸着性基を有する化合物」であるか、又は「分子内に、分光増感色素の部分構造を有する化合物」である。ハロゲン化銀への吸着性基とは特開平2003−156823号明細書の16頁右1行目〜17頁右12行目に記載の基が代表的なものである。分光増感色素の部分構造とは同明細書の17頁右34行目〜18頁左6行目に記載の構造である。
タイプ1、2の化合物として、より好ましくは「分子内にハロゲン化銀への吸着性基を少なくとも1つ有する化合物」である。さらに好ましくは「同じ分子内にハロゲン化銀への吸着性基を2つ以上有する化合物」である。吸着性基が単一分子内に2個以上存在する場合には、それらの吸着性基は同一であっても異なっても良い。
吸着性基として好ましくは、メルカプト置換含窒素ヘテロ環基(例えば2−メルカプトチアジアゾール基、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、5−メルカプトテトラゾール基、2−メルカプト−1,3,4−オキサジアゾール基、2−メルカプトベンズオキサゾール基、2−メルカプトベンズチアゾール基、1,5−ジメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート基など)、又はイミノ銀(>NAg)を形成しうる−NH−基をヘテロ環の部分構造として有する含窒素ヘテロ環基(例えば、ベンゾトリアゾール基、ベンズイミダゾール基、インダゾール基など)である。特に好ましくは、5−メルカプトテトラゾール基、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、及びベンゾトリアゾール基であり、最も好ましいのは、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、及び5−メルカプトテトラゾール基である。
吸着性基として、分子内に2つ以上のメルカプト基を部分構造として有する場合もまた特に好ましい。ここにメルカプト基(−SH)は、互変異性化できる場合にはチオン基となっていてもよい。2つ以上のメルカプト基を部分構造として有する吸着性基(ジメルカプト置換含窒素ヘテロ環基など)の好ましい例としては、2,4−ジメルカプトピリミジン基、2,4−ジメルカプトトリアジン基、3,5−ジメルカプト−1,2,4−トリアゾール基が挙げられる。
また窒素又はリンの4級塩構造も吸着性基として好ましく用いられる。窒素の4級塩構造としては具体的にはアンモニオ基(トリアルキルアンモニオ基、ジアルキルアリール(又はヘテロアリール)アンモニオ基、アルキルジアリール(又はヘテロアリール)アンモニオ基など)又は4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基を含む基である。リンの4級塩構造としては、フォスフォニオ基(トリアルキルフォスフォニオ基、ジアルキルアリール(又はヘテロアリール)フォスフォニオ基、アルキルジアリール(又はヘテロアリール)フォスフォニオ基、トリアリール(又はヘテロアリール)フォスフォニオ基など)が挙げられる。より好ましくは窒素の4級塩構造が用いられ、さらに好ましくは4級化された窒素原子を含む5員環あるいは6員環の含窒素芳香族ヘテロ環基が用いられる。特に好ましくはピリジニオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基が用いられる。これら4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基は任意の置換基を有していてもよい。
4級塩の対アニオンの例としては、ハロゲンイオン、カルボキシレートイオン、スルホネートイオン、硫酸イオン、過塩素酸イオン、炭酸イオン、硝酸イオン、BF4 -、PF6 -、Ph4B-等が挙げられる。分子内にカルボキシレート基等に負電荷を有する基が存在する場合には、それとともに分子内塩を形成していても良い。分子内にない対アニオンとしては、塩素イオン、ブロモイオン又はメタンスルホネートイオンが特に好ましい。
吸着性基として窒素又はリンの4級塩構造有するタイプ1、2で表される化合物の好ましい構造は一般式(X)で表される。
一般式(X) (P−Q1−)i−R(−Q2−S)j
一般式(X)においてP、Rは、各々独立して増感色素の部分構造ではない窒素又はリンの4級塩構造を表す。Q1、Q2は、各々独立して連結基を表し、具体的には単結合、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロ環基、−O−、−S−、−NRN−、−C(=O)−、−SO2−、−SO−、−P(=O)−の各基の単独、又はこれらの基の組み合わせからなる基を表す。ここにRNは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。Sはタイプ(1)又は(2)で表される化合物から原子を一つ取り除いた残基である。iとjは1以上の整数であり、i+jが2〜6になる範囲から選ばれるものである。好ましくはiが1〜3、jが1〜2の場合であり、より好ましくはiが1又は2、jが1の場合であり、特に好ましくはiが1、jが1の場合である。一般式(X)で表される化合物はその総炭素数が10〜100の範囲のものが好ましい。より好ましくは10〜70、さらに好ましくは11〜60であり、特に好ましくは12〜50である。
本発明におけるタイプ1、タイプ2の化合物は、感光性ハロゲン化銀乳剤調製時、熱現像感光材料製造工程中のいかなる場合にも使用しても良い。例えば感光性ハロゲン化銀粒子形成時、脱塩工程、化学増感時、塗布前などである。またこれらの工程中の複数回に分けて添加することもできる。添加位置として好ましくは、感光性ハロゲン化銀粒子形成終了時から脱塩工程の前、化学増感時(化学増感開始直前から終了直後)、塗布前であり、より好ましくは化学増感時から非感光性有機銀塩と混合される前までである。
本発明におけるタイプ1、タイプ2の化合物は、水、メタノール、エタノールなどの水可溶性溶媒又はこれらの混合溶媒に溶解して添加することが好ましい。水に溶解する場合、pHを高く又は低くした方が溶解度が上がる化合物については、pHを高く又は低くして溶解し、これを添加しても良い。
本発明におけるタイプ1、タイプ2の化合物は感光性ハロゲン化銀と非感光性有機銀塩を含有する画像形成層中に使用するのが好ましいが、感光性ハロゲン化銀と非感光性有機銀塩を含有する画像形成層と共に保護層や中間層に添加しておき、塗布時に拡散させてもよい。これらの化合物の添加時期は、増感色素の前後を問わず、それぞれ好ましくはハロゲン化銀1モル当り、1×10-9〜5×10-1モル、更に好ましくは1×10-8〜5×10-2モルの割合でハロゲン化銀乳剤層(画像形成層)に含有する。
10)吸着基と還元基を有する吸着性レドックス化合物
本発明においては、分子内にハロゲン化銀への吸着基と還元基を有する吸着性レドックス化合物を含有させることが好ましい。本吸着性レドックス化合物は下記式(I)で表される化合物であることが好ましい。
本発明においては、分子内にハロゲン化銀への吸着基と還元基を有する吸着性レドックス化合物を含有させることが好ましい。本吸着性レドックス化合物は下記式(I)で表される化合物であることが好ましい。
式(I): A−(W)n−B
式(I)中、Aはハロゲン化銀に吸着可能な基(以後、吸着基と呼ぶ)を表し、Wは2価の連結基を表し、nは0又は1を表し、Bは還元基を表す。
式(I)中、Aはハロゲン化銀に吸着可能な基(以後、吸着基と呼ぶ)を表し、Wは2価の連結基を表し、nは0又は1を表し、Bは還元基を表す。
式(I)中、Aで表される吸着基とはハロゲン化銀に直接吸着する基、又はハロゲン化銀への吸着を促進する基であり、具体的には、メルカプト基(又はその塩)、チオン基(−C(=S)−)、窒素原子、硫黄原子、セレン原子及びテルル原子から選ばれる少なくとも1つの原子を含むヘテロ環基、スルフィド基、ジスルフィド基、カチオン性基、又はエチニル基等が挙げられる。
吸着基としてメルカプト基(又はその塩)とは、メルカプト基(又はその塩)そのものを意味すると同時に、より好ましくは、少なくとも1つのメルカプト基(又はその塩)の置換したヘテロ環基又はアリール基又はアルキル基を表す。ここにヘテロ環基とは、少なくとも5員〜7員の、単環若しくは縮合環の、芳香族又は非芳香族のヘテロ環基、例えばイミダゾール環基、チアゾール環基、オキサゾール環基、ベンゾイミダゾール環基、ベンゾチアゾール環基、ベンゾオキサゾール環基、トリアゾール環基、チアジアゾール環基、オキサジアゾール環基、テトラゾール環基、プリン環基、ピリジン環基、キノリン環基、イソキノリン環基、ピリミジン環基、トリアジン環基等が挙げられる。また4級化された窒素原子を含むヘテロ環基でもよく、この場合、置換したメルカプト基が解離してメソイオンとなっていても良い。メルカプト基が塩を形成するとき、対イオンとしてはアルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属などのカチオン(Li+、Na+、K+、Mg2+、Ag+、Zn2+等)、アンモニウムイオン、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基、ホスホニウムイオンなどが挙げられる。
吸着基としてのメルカプト基はさらにまた、互変異性化してチオン基となっていても良い。
吸着基としてチオン基とは、鎖状若しくは環状のチオアミド基、チオウレイド基、チオウレタン基、又はジチオカルバミン酸エステル基も含まれる。
吸着基として窒素原子、硫黄原子、セレン原子及びテルル原子から選ばれる少なくとも1つの原子を含むヘテロ環基とは、イミノ銀(>NAg)を形成しうる−NH−基をヘテロ環の部分構造として有する含窒素ヘテロ環基、又は配位結合で銀イオンに配位し得る、−S−基、−Se−基、−Te−基、又は=N−基をヘテロ環の部分構造として有するヘテロ環基で、前者の例としてはベンゾトリアゾール基、トリアゾール基、インダゾール基、ピラゾール基、テトラゾール基、ベンゾイミダゾール基、イミダゾール基、プリン基などが、後者の例としてはチオフェン基、チアゾール基、オキサゾール基、ベンゾチオフェン基、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、チアジアゾール基、オキサジアゾール基、トリアジン基、セレノアゾール基、ベンゾセレノアゾール基、テルルアゾール基、ベンゾテルルアゾール基などが挙げられる。
吸着基としてスルフィド基又はジスルフィド基とは、−S−、又は−S−S−の部分構造を有する基すべてが挙げられる。
吸着基としてカチオン性基とは、4級化された窒素原子を含む基を意味し、具体的にはアンモニオ基又は4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基を含む基である。4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基とは、例えばピリジニオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基、イミダゾリオ基などが挙げられる。
吸着基としてエチニル基とは、−C≡CH基を意味し、該水素原子は置換されていてもよい。
上記の吸着基は任意の置換基を有していてもよい。
吸着基としてのメルカプト基はさらにまた、互変異性化してチオン基となっていても良い。
吸着基としてチオン基とは、鎖状若しくは環状のチオアミド基、チオウレイド基、チオウレタン基、又はジチオカルバミン酸エステル基も含まれる。
吸着基として窒素原子、硫黄原子、セレン原子及びテルル原子から選ばれる少なくとも1つの原子を含むヘテロ環基とは、イミノ銀(>NAg)を形成しうる−NH−基をヘテロ環の部分構造として有する含窒素ヘテロ環基、又は配位結合で銀イオンに配位し得る、−S−基、−Se−基、−Te−基、又は=N−基をヘテロ環の部分構造として有するヘテロ環基で、前者の例としてはベンゾトリアゾール基、トリアゾール基、インダゾール基、ピラゾール基、テトラゾール基、ベンゾイミダゾール基、イミダゾール基、プリン基などが、後者の例としてはチオフェン基、チアゾール基、オキサゾール基、ベンゾチオフェン基、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、チアジアゾール基、オキサジアゾール基、トリアジン基、セレノアゾール基、ベンゾセレノアゾール基、テルルアゾール基、ベンゾテルルアゾール基などが挙げられる。
吸着基としてスルフィド基又はジスルフィド基とは、−S−、又は−S−S−の部分構造を有する基すべてが挙げられる。
吸着基としてカチオン性基とは、4級化された窒素原子を含む基を意味し、具体的にはアンモニオ基又は4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基を含む基である。4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基とは、例えばピリジニオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基、イミダゾリオ基などが挙げられる。
吸着基としてエチニル基とは、−C≡CH基を意味し、該水素原子は置換されていてもよい。
上記の吸着基は任意の置換基を有していてもよい。
さらに吸着基の具体例としては、さらに特開平11−95355号の明細書p4〜p7に記載されているものが挙げられる。
式(I)中、Aで表される吸着基として好ましいものは、メルカプト置換ヘテロ環基(例えば2−メルカプトチアジアゾール基、2−メルカプト−5−アミノチアジアゾール基、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、5−メルカプトテトラゾール基、2−メルカプト−1,3,4−オキサジアゾール基、2−メルカプトベンズイミダゾール基、1,5−ジメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート基、2,4−ジメルカプトピリミジン基、2,4−ジメルカプトトリアジン基、3,5−ジメルカプト−1,2,4−トリアゾール基、2,5−ジメルカプト−1,3−チアゾール基など)、又はイミノ銀(>NAg)を形成しうる−NH−基をヘテロ環の部分構造として有する含窒素ヘテロ環基(例えばベンゾトリアゾール基、ベンズイミダゾール基、インダゾール基など)であり、さらに好ましい吸着基は2−メルカプトベンズイミダゾール基、3,5−ジメルカプト−1,2,4−トリアゾール基である。
式(I)中、Wは2価の連結基を表す。該連結基は写真性に悪影響を与えないものであればどのようなものでも構わない。例えば炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子から構成される2価の連結基が利用できる。具体的には炭素数1〜20のアルキレン基(例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基等)、炭素数2〜20のアルケニレン基、炭素数2〜20のアルキニレン基、炭素数6〜20のアリーレン基(例えばフェニレン基、ナフチレン基等)、−CO−、−SO2−、−O−、−S−、−NR1−、これらの連結基の組み合わせ等があげられる。ここでR1は水素原子、アルキル基、ヘテロ環基、アリール基を表わす。
Wで表される連結基は任意の置換基を有していてもよい。
Wで表される連結基は任意の置換基を有していてもよい。
式(I)中、Bで表される還元基とは銀イオンを還元可能な基を表し、例えばホルミル基、アミノ基、アセチレン基やプロパルギル基などの3重結合基、メルカプト基、ヒドロキシルアミン類、ヒドロキサム酸類、ヒドロキシウレア類、ヒドロキシウレタン類、ヒドロキシセミカルバジド類、レダクトン類(レダクトン誘導体を含む)、アニリン類、フェノール類(クロマン−6−オール類、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−オール類、アミノフェノール類、スルホンアミドフェノール類、及びハイドロキノン類、カテコール類、レゾルシノール類、ベンゼントリオール類、ビスフェノール類のようなポリフェノール類を含む)、アシルヒドラジン類、カルバモイルヒドラジン類、3−ピラゾリドン類等から水素原子を1つ除去した残基が挙げられる。もちろん、これらは任意の置換基を有していても良い。
式(I)中、Bで表される還元基はその酸化電位を、藤嶋昭著「電気化学測定法」(150−208頁、技報堂出版)や日本化学会編著「実験化学講座」第4版(9巻282−344頁、丸善)に記載の測定法を用いて測定することができる。例えば回転ディスクボルタンメトリーの技法で、具体的には試料をメタノール:pH6.5 ブリトン−ロビンソン緩衝液(Britton−Robinson buffer)=10%:90%(容量%)の溶液に溶解し、10分間窒素ガスを通気した後、グラッシーカーボン製の回転ディスク電極(RDE)を作用電極に用い、白金線を対極に用い、飽和カロメル電極を参照電極に用いて、25℃、1000回転/分、20mV/秒のスイープ速度で測定できる。得られたボルタモグラムから半波電位(E1/2)を求めることができる。
本発明におけるBで表される還元基は上記測定法で測定した場合、その酸化電位が約−0.3V〜約1.0Vの範囲にあることが好ましい。より好ましくは約−0.1V〜約0.8Vの範囲であり、特に好ましくは約0〜約0.7Vの範囲である。
本発明におけるBで表される還元基は上記測定法で測定した場合、その酸化電位が約−0.3V〜約1.0Vの範囲にあることが好ましい。より好ましくは約−0.1V〜約0.8Vの範囲であり、特に好ましくは約0〜約0.7Vの範囲である。
式(I)中、Bで表される還元基は好ましくはヒドロキシルアミン類、ヒドロキサム酸類、ヒドロキシウレア類、ヒドロキシセミカルバジド類、レダクトン類、フェノール類、アシルヒドラジン類、カルバモイルヒドラジン類、3−ピラゾリドン類から水素原子を1つ除去した残基である。
本発明における式(I)の化合物は、その中にカプラー等の不動性写真用添加剤において常用されているバラスト基又はポリマー鎖が組み込まれているものでもよい。またポリマーとしては、例えば特開平1−100530号に記載のものが挙げられる。
本発明における式(I)の化合物はビス体、トリス体であっても良い。本発明における式(I)の化合物の分子量は好ましくは100〜10000の間であり、より好ましくは120〜1000の間であり、特に好ましくは150〜500の間である。
以下に本発明における式(I)の化合物を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
さらに欧州特許1308776A2号明細書P73〜P87に記載の具体的化合物1〜30、1''−1〜1''−77も本発明における吸着基と還元性基を有する化合物の好ましい例として挙げられる。
これらの化合物は公知の方法にならって容易に合成することができる。本発明における式(I)の化合物は、一種類の化合物を単独で用いてもよいが、同時に2種以上の化合物を用いることも好ましい。2種類以上の化合物を用いる場合、それらは同一層に添加しても、別層に添加してもよく、またそれぞれ添加方法が異なっていてもよい。
本発明における式(I)の化合物は、ハロゲン化銀乳剤層に添加されることが好ましく、乳剤調製時に添加することがより好ましい。乳剤調製時に添加する場合、その工程中のいかなる場合に添加することも可能であり、その例を挙げると、ハロゲン化銀の粒子形成工程、脱塩工程の開始前、脱塩工程、化学熟成の開始前、化学熟成の工程、完成乳剤調製前の工程などを挙げることができる。またこれらの工程中の複数回にわけて添加することもできる。また画像形成層に使用するのが好ましいが、画像形成層とともに隣接する保護層や中間層に添加しておき、塗布時に拡散させてもよい。
好ましい添加量は、上述した添加法や添加する化合物種に大きく依存するが、一般には感光性ハロゲン化銀1モル当たり、1×10-6モル以上1モル以下、好ましくは1×10-5モル以上5×10-1モル以下、さらに好ましくは1×10-4モル以上1×10-1モル以下である。
好ましい添加量は、上述した添加法や添加する化合物種に大きく依存するが、一般には感光性ハロゲン化銀1モル当たり、1×10-6モル以上1モル以下、好ましくは1×10-5モル以上5×10-1モル以下、さらに好ましくは1×10-4モル以上1×10-1モル以下である。
本発明における式(I)の化合物は、水、メタノール、エタノールなどの水可溶性溶媒又はこれらの混合溶媒に溶解して添加することができる。この際、酸又は塩基によってpHを適当に調整してもよく、また界面活性剤を共存させてもよい。さらに乳化分散物として高沸点有機溶媒に溶解させて添加することもできる。また、固体分散物として添加することもできる。
11)ハロゲン化銀の複数併用
本発明に用いられる感光材料中の感光性ハロゲン化銀乳剤は、一種だけでもよいし、二種以上(例えば、平均粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異なるもの、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なるもの)併用してもよい。感度の異なる感光性ハロゲン化銀を複数種用いることで階調を調節することができる。これらに関する技術としては特開昭57−119341号、同53−106125号、同47−3929号、同48−55730号、同46−5187号、同50−73627号、同57−150841号などが挙げられる。感度差としてはそれぞれの乳剤で0.2logE以上の差を持たせることが好ましい。
本発明に用いられる感光材料中の感光性ハロゲン化銀乳剤は、一種だけでもよいし、二種以上(例えば、平均粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異なるもの、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なるもの)併用してもよい。感度の異なる感光性ハロゲン化銀を複数種用いることで階調を調節することができる。これらに関する技術としては特開昭57−119341号、同53−106125号、同47−3929号、同48−55730号、同46−5187号、同50−73627号、同57−150841号などが挙げられる。感度差としてはそれぞれの乳剤で0.2logE以上の差を持たせることが好ましい。
12)塗布量
感光性ハロゲン化銀の添加量は、感材1m2当たりの塗布銀量で示して、0.03g/m2以上0.6g/m2以下であることが好ましく、0.05g/m2以上0.4g/m2以下であることがさらに好ましく、0.07g/m2以上0.3g/m2以下であることが最も好ましく、有機銀塩1モルに対しては、感光性ハロゲン化銀は0.01モル以上0.5モル以下が好ましく、より好ましくは0.02モル以上0.3モル以下、さらに好ましくは0.03モル以上0.2モル以下である。
感光性ハロゲン化銀の添加量は、感材1m2当たりの塗布銀量で示して、0.03g/m2以上0.6g/m2以下であることが好ましく、0.05g/m2以上0.4g/m2以下であることがさらに好ましく、0.07g/m2以上0.3g/m2以下であることが最も好ましく、有機銀塩1モルに対しては、感光性ハロゲン化銀は0.01モル以上0.5モル以下が好ましく、より好ましくは0.02モル以上0.3モル以下、さらに好ましくは0.03モル以上0.2モル以下である。
13)感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の混合
別々に調製した感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の混合方法及び混合条件については、それぞれ調製終了したハロゲン化銀粒子と有機銀塩を高速撹拌機やボールミル、サンドミル、コロイドミル、振動ミル、ホモジナイザー等で混合する方法や、あるいは有機銀塩の調製中のいずれかのタイミングで調製終了した感光性ハロゲン化銀を混合して有機銀塩を調製する方法等があるが、本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。また、混合する際に2種以上の有機銀塩水分散液と2種以上の感光性銀塩水分散液を混合することは、写真特性の調節のために好ましい方法である。
別々に調製した感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の混合方法及び混合条件については、それぞれ調製終了したハロゲン化銀粒子と有機銀塩を高速撹拌機やボールミル、サンドミル、コロイドミル、振動ミル、ホモジナイザー等で混合する方法や、あるいは有機銀塩の調製中のいずれかのタイミングで調製終了した感光性ハロゲン化銀を混合して有機銀塩を調製する方法等があるが、本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。また、混合する際に2種以上の有機銀塩水分散液と2種以上の感光性銀塩水分散液を混合することは、写真特性の調節のために好ましい方法である。
14)ハロゲン化銀の塗布液への混合
ハロゲン化銀の画像形成層塗布液中への好ましい添加時期は、塗布する180分前から直前、好ましくは60分前から10秒前であるが、混合方法及び混合条件については本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。具体的な混合方法としては添加流量とコーターへの送液量から計算した平均滞留時間を所望の時間となるようにしたタンクでの混合する方法やN.Harnby、M.F.Edwards、A.W.Nienow著、高橋幸司訳「液体混合技術」(日刊工業新聞社刊、1989年)の第8章等に記載されているスタチックミキサーなどを使用する方法がある。
ハロゲン化銀の画像形成層塗布液中への好ましい添加時期は、塗布する180分前から直前、好ましくは60分前から10秒前であるが、混合方法及び混合条件については本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。具体的な混合方法としては添加流量とコーターへの送液量から計算した平均滞留時間を所望の時間となるようにしたタンクでの混合する方法やN.Harnby、M.F.Edwards、A.W.Nienow著、高橋幸司訳「液体混合技術」(日刊工業新聞社刊、1989年)の第8章等に記載されているスタチックミキサーなどを使用する方法がある。
(感光性ハロゲン化銀に由来する可視光吸収を熱現像後に実施的に減少させる化合物)
本発明において、両面に画像形成層を備えた熱現像感光材料の場合、上述のように高ヨウ化銀含有のハロゲン化銀を用いることが好ましいが、高ヨウ化銀含有のハロゲン化銀は、感光性ハロゲン化銀に由来する紫外可視域の分光吸収強度を熱現像処理により実質的に低下させることのできる化合物と併用することが好ましい。
本発明においては、感光性ハロゲン化銀に由来する可視光吸収を熱現像後に実施的に減少させる化合物として、ヨウ化銀錯形成剤を用いるのが特に好ましい。
本発明において、両面に画像形成層を備えた熱現像感光材料の場合、上述のように高ヨウ化銀含有のハロゲン化銀を用いることが好ましいが、高ヨウ化銀含有のハロゲン化銀は、感光性ハロゲン化銀に由来する紫外可視域の分光吸収強度を熱現像処理により実質的に低下させることのできる化合物と併用することが好ましい。
本発明においては、感光性ハロゲン化銀に由来する可視光吸収を熱現像後に実施的に減少させる化合物として、ヨウ化銀錯形成剤を用いるのが特に好ましい。
(ヨウ化銀錯形成剤の説明)
本発明におけるヨウ化銀錯形成剤は、化合物中の窒素原子または硫黄原子の少なくとも一つが配位原子(電子供与体:ルイス塩基)として銀イオンに電子供与するルイス酸塩基反応に寄与することが可能である。錯体の安定性は、逐次安定度定数または全安定度定数で定義されるが、銀イオン、ヨウドイオン、および該銀錯形成剤の3者の組合せに依存する。一般的な指針として、分子内キレート環形成によるキレート効果や、配位子の酸塩基解離定数の増大などの手段によって、大きな安定度定数を得ることが可能である。
本発明におけるヨウ化銀錯形成剤は、化合物中の窒素原子または硫黄原子の少なくとも一つが配位原子(電子供与体:ルイス塩基)として銀イオンに電子供与するルイス酸塩基反応に寄与することが可能である。錯体の安定性は、逐次安定度定数または全安定度定数で定義されるが、銀イオン、ヨウドイオン、および該銀錯形成剤の3者の組合せに依存する。一般的な指針として、分子内キレート環形成によるキレート効果や、配位子の酸塩基解離定数の増大などの手段によって、大きな安定度定数を得ることが可能である。
本発明におけるヨウ化銀錯形成剤の作用機構は明確に解明されたわけではないが、ヨウドイオンおよび銀イオンを含む少なくとも3元の成分よりなる安定な錯体を形成することによりヨウ化銀を可溶化するものと推定される。本発明におけるヨウ化銀錯形成剤は臭化銀や塩化銀を可溶化する能力は乏しいが、ヨウ化銀に対して特異的に作用する。
本発明におけるヨウ化銀錯形成剤によって画像保存性が改良される機構の詳細は明らかではないが、感光性ハロゲン化銀の少なくとも一部と本発明におけるヨウ化銀錯形成剤とが熱現像時に反応することにより錯体を形成し、感光性が低下または消失することによるものであって、特に、光照射下での画像保存性が大きく改良されるものと考えられる。また同時に、ハロゲン化銀による膜の濁りも減少する結果、クリアな高画質の画像が得られることも大きな特徴である。膜の濁りは、分光吸収スペクトルの紫外可視吸収の減少で確認することができる。
本発明において、感光性ハロゲン化銀の紫外可視吸収スペクトルは、透過法あるいは反射法により測定することができる。熱現像感光材料に添加された他の化合物に由来する吸収が感光性ハロゲン化銀の吸収と重なる場合には、差スペクトルあるいは溶媒による他の化合物の除去などの手段を単独で用いるか組み合わせることにより、感光性ハロゲン化銀の紫外可視吸収スペクトルを観察できる。
本発明におけるヨウ化銀錯形成剤が従来の銀イオン錯形成剤と明確に異なるのは、ヨウドイオンが安定な錯体を形成する上に必須であることである。従来の銀イオン錯形成剤は、臭化銀、塩化銀、あるいはベヘン酸銀などの有機銀塩など銀イオンを含む塩に対して溶解作用するのに対して、本発明におけるヨウ化銀錯形成剤は、ヨウ化銀が存在しないと作用しないところに大きな特徴がある。
本発明におけるヨウ化銀錯形成剤としては、少なくとも一つの窒素原子を含有する5〜7員の複素環化合物が好ましい。置換基としてメルカプト基、スルフィド基、チオン基を有さない化合物であるとき、該含窒素5−7員複素環は飽和であっても不飽和であってもよく、その他の置換基を有していてもよい。また、複素環上の置換基は、互いに結合して環を形成していてもよい。
好ましい5−7員複素環化合物の例としては、ピロール、ピリジン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドール、イソインドール、インドリジン、キノリン、イソキノリン、ベンゾイミダゾール、1H−イミダゾール、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、ナフチリジン、プリン、プテリジン、カルバゾール、アクリジン、フェナントリジン、フェナントロリン、フェナジン、フェノキサジン、フェノチアジン、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、インドリン、イソインドリンなどを挙げることができる。更に好ましくはピリジン、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドール、イソインドール、インドリジン、キノリン、イソキノリン、ベンゾイミダゾール、1H−イミダゾール、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、1,8−ナフチリジン、1,10−フェナントロリン、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジンなどを挙げることができる。特に好ましくはピリジン、イミダゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、フタラジン、トリアジン、1,8−ナフチリジンまたは1,10−フェナントロリンなどを挙げることができる。
これらの環は置換基を有していてもよく、該置換基としては写真性に対して悪影響を及ぼさないものであれば、どのような置換基でも良い。好ましい例として、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子)、アルキル基(直鎖、分岐、環状のアルキル基で、ビシクロアルキル基、活性メチン基を含む)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル基、N−スルファモイルカルバモイル基、カルバゾイル基、カルボキシ基またはその塩、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基(Carbonimidoyl基)、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキル,アリール,またはヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、N−(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、ニトロ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ基、イミノ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル基、スルホ基またはその塩、スルファモイル基、N−アシルスルファモイル基、N−スルホニルスルファモイル基またはその塩、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。
なおここで活性メチン基とは2つの電子求引性基で置換されたメチン基を意味し、ここに電子求引性基とはアシル基、アルコシキカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、カルボンイミドイル基(Carbonimidoyl基)を意味する。ここで2つの電子求引性基は互いに結合して環状構造をとっていてもよい。また塩とは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属などの陽イオンや、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンなどの有機の陽イオンを意味する。これら置換基は、これら置換基でさらに置換されていてもよい。
これら複素環には他の環が更に縮合していても良い。また、置換基がアニオン基(例えば、−CO2 -、−SO3 -、−S-など)の場合、本発明の含窒素複素環は陽イオン(例えば、ピリジニウム、1,2,4−トリアゾリウムなど)となって分子内塩を形成していても良い。
複素環化合物がピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、フタラジン、トリアジン、ナフチリジンまたはフェナントロリン誘導体であるとき、該化合物の酸解離平衡における含窒素複素環部分の共役酸のテトラヒドロフラン/水(3/2)混合溶液中25℃での酸解離定数(pKa)は3ないし8であることが更に好ましい。より好ましくは、pKaが4ないし7である。
このような複素環化合物としては、ピリジン、ピリダジンまたはフタラジン誘導体であることが好ましく、ピリジンまたはフタラジン誘導体であることが特に好ましい。
このような複素環化合物としては、ピリジン、ピリダジンまたはフタラジン誘導体であることが好ましく、ピリジンまたはフタラジン誘導体であることが特に好ましい。
これらの複素環化合物が置換基としてメルカプト基、スルフィド基、チオン基を有する場合、ピリジン、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、トリアゾール、チアジアゾールまたはオキサジアゾール誘導体であることが好ましく、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、トリアゾール誘導体であることが特に好ましい。
例えば、該ヨウ化銀錯形成剤として、下記一般式(1)もしくは一般式(2)で表される化合物を利用することができる。
一般式(1)において、R11およびR12は水素原子または置換基を表す。一般式(2)において、R21およびR22は水素原子または置換基を表す。ただし、R11とR12とがともに水素原子であること、R21とR22とがともに水素原子であることはない。ここでいう置換基としては前述の含窒素5−7員複素環型のヨウ化銀錯形成剤の置換基として説明したものが挙げられる。
また、下記一般式(3)で表される化合物も好ましく利用できる。
一般式(3)において、R31−R35は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。 R31−R35で表される置換基としては前述の含窒素5−7員複素環型のヨウ化銀錯形成剤の置換基として説明したものが挙げられる。一般式(3)で表される化合物が置換基を有する場合、好ましい置換位置は、R32−R34である。R31−R35は互いに結合して、飽和または不飽和の環を形成していてもよい。好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、カルバモイル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルバモイルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基等である。
一般式(3)で表される化合物は、ピリジン環部分の共役酸のテトラヒドロフラン/水(3/2)混合溶液中での25℃での酸解離定数(pKa)が3ないし8であることが好ましく、4ないし7であることが特に好ましい。
さらに一般式(4)で表される化合物も好ましい。
一般式(4)において、R41−R44は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R41−R44は互いに結合して、飽和または不飽和の環を形成していてもよい。R41−R44で表される置換基としては前述の含窒素5−7員複素環型のヨウ化銀錯形成剤の置換基として説明したものが挙げられる。好ましい基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基ならびにベンゾ縮環によるフタラジン環の形成が挙げられる。一般式(4)で表される化合物の窒素原子の隣接炭素にヒドロキシル基が置換した場合には、ピリダジノンとの間に平衡が存在する。
一般式(4)で表される化合物は、下記一般式(5)で表されるフタラジン環を形成していることが更に好ましく、このフタラジン環は更に、少なくとも一つの置換基を有していていることが特に好ましい。一般式(5)におけるR51−R56の例としては、前述の含窒素5−7員複素環型のヨウ化銀錯形成剤の置換基として説明したものが挙げられる。更に好ましい置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基などが挙げられる。好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基であり、より好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基である。
また、下記一般式(6)で表される化合物も好ましい形態である。
一般式(6)において、R61−R63は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R62で表される置換基の例としては、前述の含窒素5−7員複素環型のヨウ化銀錯形成剤の置換基として説明したものが挙げられる。
好ましく用いられる化合物として下記一般式(7)で表される化合物が挙げられる。
一般式(7)において、R71−R72は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。Lは2価の連結基を表す。nは0または1を表す。R71−R72で表される置換基としては、アルキル基(シクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基ならびにこれらを含有する複合置換基などが例として挙げられる。Lで表される2価の連結基は、好ましくは1ないし6原子分、さらに好ましくは1ないし3原子分の長さの連結基であり、更に置換基を有していてもよい。
好ましく用いられる化合物のさらに一つは一般式(8)で表される化合物であ
る。
る。
一般式(8)において、R81−R84は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R81−R84で表される置換基としては、アルキル基(シクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基などが例として挙げられる。
上記ヨウ化銀錯形成剤の中で更に好ましいものは、一般式(3)、(4)、(5)、(6)、(7)で表される化合物であり、一般式(3)、(5)で表される化合物が特に好ましい。
以下に、本発明におけるヨウ化銀錯形成剤の好ましい例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
本発明におけるヨウ化銀錯形成剤は、従来知られている色調剤の機能を果たす場合は、色調剤と共通の化合物であることもできる。本発明におけるヨウ化銀錯形成剤は、色調剤とともに併用して用いることができる。また、2種以上のヨウ化銀錯形成剤を併用しても良い。
本発明におけるヨウ化銀錯形成剤は、固体状態で膜中に存在させるなど、感光性ハ
ロゲン化銀とは分離した状態で膜中に存在せしめることが好ましい。隣接層に添加することも好ましい。本発明におけるヨウ化銀錯形成剤は、熱現像温度に加熱された時に融解するように化合物の融点を適切な範囲に調整することが好ましい。
ロゲン化銀とは分離した状態で膜中に存在せしめることが好ましい。隣接層に添加することも好ましい。本発明におけるヨウ化銀錯形成剤は、熱現像温度に加熱された時に融解するように化合物の融点を適切な範囲に調整することが好ましい。
本発明において、熱現像後の感光性ハロゲン化銀の紫外可視吸収スペクトルの吸収強度が熱現像前と比較して80%以下となることが好ましく、40%以下となることが更に好ましく、10%以下となることが特に好ましい。
本発明におけるヨウ化銀錯形成剤は、溶液形態、乳化分散形態、固体微粒子分散物形態など、いかなる方法で塗布液に含有せしめ、感光材料に含有させてもよい。
よく知られている乳化分散法としては、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製する方法が挙げられる。
よく知られている乳化分散法としては、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製する方法が挙げられる。
また、固体微粒子分散法としては、本発明におけるヨウ化銀錯形成剤の粉末を水等の適当な溶媒中にボールミル、コロイドミル、振動ボールミル、サンドミル、ジェットミル、ローラーミルあるいは超音波によって分散し、固体分散物を作製する方法が挙げられる。尚、その際に保護コロイド(例えば、ポリビニルアルコール)、界面活性剤(例えばトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム(3つのイソプロピル基の置換位置が異なるものの混合物)などのアニオン性界面活性剤)を用いてもよい。上記ミル類では分散媒体としてジルコニア等のビーズが使われるのが普通であり、これらのビーズから溶出するZr等が分散物中に混入することがある。分散条件にもよるが通常は1ppm以上1000ppm以下の範囲である。感材中のZrの含有量が銀1g当たり0.5mg以下であれば実用上差し支えない。
水分散物には防腐剤(例えばベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩)を含有させることが好ましい。
本発明におけるヨウ化銀錯形成剤は固体分散物として使用することが好ましい。
水分散物には防腐剤(例えばベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩)を含有させることが好ましい。
本発明におけるヨウ化銀錯形成剤は固体分散物として使用することが好ましい。
本発明におけるヨウ化銀錯形成剤は、感光性ハロゲン化銀に対して、1モル%以上5000モル%以下の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは10モル%以上1000モル%以下の範囲で、更に好ましくは50モル%以上300モル%以下の範囲である。
(バインダーの説明)
本発明における画像形成層のバインダーは、いかなるポリマーを使用してもよく、好適なバインダーは透明又は半透明で、一般に無色であり、天然樹脂やポリマー及びコポリマー、合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、ゼラチン類、ゴム類、ポリ(ビニルアルコール)類、ヒドロキシエチルセルロース類、セルロースアセテート類、セルロースアセテートブチレート類、ポリ(ビニルピロリドン)類、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)類、ポリ(メチルメタクリル酸)類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(メタクリル酸)類、スチレン−無水マレイン酸共重合体類、スチレン−アクリロニトリル共重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体類、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)類、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(オレフィン)類、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。バインダーは水又は有機溶媒又はエマルションから被覆形成してもよい。
本発明における画像形成層のバインダーは、いかなるポリマーを使用してもよく、好適なバインダーは透明又は半透明で、一般に無色であり、天然樹脂やポリマー及びコポリマー、合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、ゼラチン類、ゴム類、ポリ(ビニルアルコール)類、ヒドロキシエチルセルロース類、セルロースアセテート類、セルロースアセテートブチレート類、ポリ(ビニルピロリドン)類、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)類、ポリ(メチルメタクリル酸)類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(メタクリル酸)類、スチレン−無水マレイン酸共重合体類、スチレン−アクリロニトリル共重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体類、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)類、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(オレフィン)類、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。バインダーは水又は有機溶媒又はエマルションから被覆形成してもよい。
本発明では、有機銀塩を含有する層に併用できるバインダーのガラス転移温度は0℃以上80℃以下である(以下、高Tgバインダーということあり)ことが好ましく、10℃〜70℃であることがより好ましく、15℃以上60℃以下であることが更に好ましい。
なお、本明細書においてTgは下記の式で計算した。
1/Tg=Σ(Xi/Tgi)
ここでは、ポリマーはi=1からnまでのn個のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの重量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただしΣはi=1からnまでの和をとる。尚、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)はPolymer Handbook(3rd Edition)(J.Brandrup, E.H.Immergut著(Wiley−Interscience、1989))の値を採用した。
1/Tg=Σ(Xi/Tgi)
ここでは、ポリマーはi=1からnまでのn個のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの重量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただしΣはi=1からnまでの和をとる。尚、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)はPolymer Handbook(3rd Edition)(J.Brandrup, E.H.Immergut著(Wiley−Interscience、1989))の値を採用した。
バインダーは必要に応じて2種以上を併用しても良い。また、ガラス転移温度が20℃以上のものとガラス転移温度が20℃未満のものを組み合わせて用いてもよい。Tgの異なるポリマーを2種以上ブレンドして使用する場合には、その重量平均Tgが上記の範囲にはいることが好ましい。
本発明においては、画像形成層が溶媒の30質量%以上が水である塗布液を用いて塗布、乾燥して被膜を形成させることが好ましい。
本発明においては、画像形成層が溶媒の30質量%以上が水である塗布液を用いて塗布し、乾燥して形成される場合に、さらに画像形成層のバインダーが水系溶媒(水溶媒)に可溶又は分散可能である場合に、特に25℃60%RHでの平衡含水率が2質量%以下のポリマーのラテックスからなる場合に性能が向上する。最も好ましい形態は、イオン伝導度が2.5mS/cm以下になるように調製されたものであり、このような調製法としてポリマー合成後分離機能膜を用いて精製処理する方法が挙げられる。
本発明においては、画像形成層が溶媒の30質量%以上が水である塗布液を用いて塗布し、乾燥して形成される場合に、さらに画像形成層のバインダーが水系溶媒(水溶媒)に可溶又は分散可能である場合に、特に25℃60%RHでの平衡含水率が2質量%以下のポリマーのラテックスからなる場合に性能が向上する。最も好ましい形態は、イオン伝導度が2.5mS/cm以下になるように調製されたものであり、このような調製法としてポリマー合成後分離機能膜を用いて精製処理する方法が挙げられる。
ここでいう前記ポリマーが可溶又は分散可能である水系溶媒とは、水又は水に70質量%以下の水混和性の有機溶媒を混合したものである。水混和性の有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系、酢酸エチル、ジメチルホルムアミドなどを挙げることができる。
なお、ポリマーが熱力学的に溶解しておらず、いわゆる分散状態で存在している系の場合にも、ここでは水系溶媒という言葉を使用する。
また「25℃60%RHにおける平衡含水率」とは、25℃60%RHの雰囲気下で調湿平衡にあるポリマーの重量W1と25℃で絶乾状態にあるポリマーの重量W0を用いて以下のように表すことができる。
25℃60%RHにおける平衡含水率={(W1−W0)/W0}×100(質量%)
25℃60%RHにおける平衡含水率={(W1−W0)/W0}×100(質量%)
含水率の定義と測定法については、例えば高分子工学講座14、高分子材料試験法(高分子学会編、地人書館)を参考にすることができる。
本発明におけるバインダーポリマーの25℃60%RHにおける平衡含水率は、2質量%以下であることが好ましいが、より好ましくは0.01質量%以上1.5質量%以下、さらに好ましくは0.02質量%以上1質量%以下が望ましい。
本発明においては水系溶媒に分散可能なポリマーが特に好ましい。分散状態の例としては、水不溶な疎水性ポリマーの微粒子が分散しているラテックスやポリマー分子が分子状態又はミセルを形成して分散しているものなどいずれでもよいが、ラテックス分散した粒子がより好ましい。分散粒子の平均粒径は1nm以上50000nm以下、好ましくは5nm以上1000nm以下の範囲で、より好ましくは10nm以上500nm以下の範囲、さらに好ましくは50nm以上200nm以下の範囲である。分散粒子の粒径分布に関しては特に制限は無く、広い粒径分布を持つものでも単分散の粒径分布を持つものでもよい。単分散の粒径分布を持つものを2種以上混合して使用することも塗布液の物性を制御する上で好ましい使用法である。
本発明において水系溶媒に分散可能なポリマーの好ましい態様としては、アクリル系ポリマー、ポリ(エステル)類、ゴム類(例えばSBR樹脂)、ポリ(ウレタン)類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(塩化ビニリデン)類、ポリ(オレフィン)類等の疎水性ポリマーを好ましく用いることができる。これらポリマーとしては直鎖のポリマーでも枝分かれしたポリマーでもまた架橋されたポリマーでもよいし、単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーでもよいし、2種類以上のモノマーが重合したコポリマーでもよい。コポリマーの場合はランダムコポリマーでも、ブロックコポリマーでもよい。これらポリマーの分子量は数平均分子量で5000以上1000000以下、好ましくは10000以上200000以下がよい。分子量が小さすぎるものは画像形成層の力学強度が不十分であり、大きすぎるものは成膜性が悪く好ましくない。また、架橋性のポリマーラッテクスは特に好ましく使用される。
(ラテックスの具体例)
好ましいポリマーラテックスの具体例としては以下のものを挙げることができる。以下では原料モノマーを用いて表し、括弧内の数値は質量%、分子量は数平均分子量である。多官能モノマーを使用した場合は架橋構造を作るため分子量の概念が適用できないので架橋性と記載し、分子量の記載を省略した。Tgはガラス転移温度を表す。
好ましいポリマーラテックスの具体例としては以下のものを挙げることができる。以下では原料モノマーを用いて表し、括弧内の数値は質量%、分子量は数平均分子量である。多官能モノマーを使用した場合は架橋構造を作るため分子量の概念が適用できないので架橋性と記載し、分子量の記載を省略した。Tgはガラス転移温度を表す。
・P−1;−MMA(70)−EA(27)−MAA(3)−のラテックス(分子量37000、Tg61℃)
・P−2;−MMA(70)−2EHA(20)−St(5)−AA(5)−のラテックス(分子量40000、Tg59℃)
・P−3;−St(50)−Bu(47)−MAA(3)−のラテックス(架橋性、Tg−17℃)
・P−4;−St(68)−Bu(29)−AA(3)−のラテックス(架橋性、Tg17℃)
・P−5;−St(71)−Bu(26)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg24℃)
・P−6;−St(70)−Bu(27)−IA(3)−のラテックス(架橋性)
・P−7;−St(75)−Bu(24)−AA(1)−のラテックス(架橋性、Tg29℃)
・P−8;−St(60)−Bu(35)−DVB(3)−MAA(2)−のラテックス(架橋性)
・P−9;−St(70)−Bu(25)−DVB(2)−AA(3)−のラテックス(架橋性)
・P−10;−VC(50)−MMA(20)−EA(20)−AN(5)−AA(5)−のラテックス(分子量80000)
・P−11;−VDC(85)−MMA(5)−EA(5)−MAA(5)−のラテックス(分子量67000)
・P−12;−Et(90)−MAA(10)−のラテックス(分子量12000)
・P−13;−St(70)−2EHA(27)−AA(3)のラテックス(分子量130000、Tg43℃)
・P−14;−MMA(63)−EA(35)−AA(2)のラテックス(分子量33000、Tg47℃)
・P−15;−St(70.5)−Bu(26.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg23℃)
・P−16;−St(69.5)−Bu(27.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg20.5℃)
・P−17;−St(61.3)−イソプレン(35.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg17℃)
・P−18;−St(67)−イソプレン(28)−Bu(2)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg27℃)
・P−2;−MMA(70)−2EHA(20)−St(5)−AA(5)−のラテックス(分子量40000、Tg59℃)
・P−3;−St(50)−Bu(47)−MAA(3)−のラテックス(架橋性、Tg−17℃)
・P−4;−St(68)−Bu(29)−AA(3)−のラテックス(架橋性、Tg17℃)
・P−5;−St(71)−Bu(26)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg24℃)
・P−6;−St(70)−Bu(27)−IA(3)−のラテックス(架橋性)
・P−7;−St(75)−Bu(24)−AA(1)−のラテックス(架橋性、Tg29℃)
・P−8;−St(60)−Bu(35)−DVB(3)−MAA(2)−のラテックス(架橋性)
・P−9;−St(70)−Bu(25)−DVB(2)−AA(3)−のラテックス(架橋性)
・P−10;−VC(50)−MMA(20)−EA(20)−AN(5)−AA(5)−のラテックス(分子量80000)
・P−11;−VDC(85)−MMA(5)−EA(5)−MAA(5)−のラテックス(分子量67000)
・P−12;−Et(90)−MAA(10)−のラテックス(分子量12000)
・P−13;−St(70)−2EHA(27)−AA(3)のラテックス(分子量130000、Tg43℃)
・P−14;−MMA(63)−EA(35)−AA(2)のラテックス(分子量33000、Tg47℃)
・P−15;−St(70.5)−Bu(26.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg23℃)
・P−16;−St(69.5)−Bu(27.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg20.5℃)
・P−17;−St(61.3)−イソプレン(35.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg17℃)
・P−18;−St(67)−イソプレン(28)−Bu(2)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg27℃)
上記構造の略号は以下のモノマーを表す。MMA;メチルメタクリレート,EA;エチルアクリレート、MAA;メタクリル酸,2EHA;2−エチルヘキシルアクリレート,St;スチレン,Bu;ブタジエン,AA;アクリル酸,DVB;ジビニルベンゼン,VC;塩化ビニル,AN;アクリロニトリル,VDC;塩化ビニリデン,Et;エチレン,IA;イタコン酸。
以上に記載したポリマーラテックスは市販もされていて、以下のようなポリマーが利用できる。アクリル系ポリマーの例としては、セビアンA−4635,4718,4601(以上、ダイセル化学工業(株)製)、Nipol Lx811、814、821、820、857(以上、日本ゼオン(株)製)など、ポリ(エステル)類の例としては、FINETEX ES650、611、675、850(以上、大日本インキ化学(株)製)、WD−size、WMS(以上、イーストマンケミカル製)など、ポリ(ウレタン)類の例としては、HYDRAN AP10、20、30、40(以上、大日本インキ化学(株)製)など、ゴム類の例としては、LACSTAR 7310K、3307B、4700H、7132C(以上、大日本インキ化学(株)製)、Nipol Lx416、410、438C、2507(以上、日本ゼオン(株)製)など、ポリ(塩化ビニル)類の例としては、G351、G576(以上、日本ゼオン(株)製)など、ポリ(塩化ビニリデン)類の例としては、L502、L513(以上、旭化成工業(株)製)など、ポリ(オレフィン)類の例としては、ケミパールS120、SA100(以上三井石油化学(株)製)などを挙げることができる。
これらのポリマーラテックスは単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上ブレンドしてもよい。
(好ましいラテックス)
本発明に用いられるポリマーラテックスとしては、特に、スチレン−ブタジエン共重合体もしくはスチレン−イソプレン共重合体ラテックスが好ましい。スチレン−ブタジエン共重合体におけるスチレンのモノマー単位とブタジエンのモノマー単位との重量比は40:60〜95:5であることが好ましい。また、スチレンのモノマー単位とブタジエンのモノマー単位との共重合体に占める割合は60〜99質量%であることが好ましい。また、本発明におけるポリマーラッテクスは、アクリル酸又はメタクリル酸をスチレンとブタジエンの和に対して1〜6質量%含有することが好ましく、より好ましくは2〜5質量%含有する。本発明におけるポリマーラテックスは、アクリル酸を含有することが好ましい。好ましいモノマー含量の範囲は前記と同様である。また、スチレン−イソプレン共重合体における好ましい共重合体比、アクリル酸含量などはスチレン−ブタジエン共重合体の場合と同じである。
本発明に用いられるポリマーラテックスとしては、特に、スチレン−ブタジエン共重合体もしくはスチレン−イソプレン共重合体ラテックスが好ましい。スチレン−ブタジエン共重合体におけるスチレンのモノマー単位とブタジエンのモノマー単位との重量比は40:60〜95:5であることが好ましい。また、スチレンのモノマー単位とブタジエンのモノマー単位との共重合体に占める割合は60〜99質量%であることが好ましい。また、本発明におけるポリマーラッテクスは、アクリル酸又はメタクリル酸をスチレンとブタジエンの和に対して1〜6質量%含有することが好ましく、より好ましくは2〜5質量%含有する。本発明におけるポリマーラテックスは、アクリル酸を含有することが好ましい。好ましいモノマー含量の範囲は前記と同様である。また、スチレン−イソプレン共重合体における好ましい共重合体比、アクリル酸含量などはスチレン−ブタジエン共重合体の場合と同じである。
本発明に用いることが好ましいスチレン−ブタジエン酸共重合体のラテックスとしては、前記のP−3〜P−9,15、市販品であるLACSTAR−3307B、7132C、Nipol Lx416等が挙げられる。また、スチレン−イソプレン共重合体の例としては前記のP−16、17が挙げられる。
本発明の感光材料の画像形成層には必要に応じてゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの親水性ポリマーを添加してもよい。これらの親水性ポリマーの添加量は画像形成層の全バインダーの30質量%以下、より好ましくは20質量%以下が好ましい。
本発明における有機銀塩含有層(即ち、画像形成層)は、ポリマーラテックスを用いて形成されたものが好ましい。画像形成層のバインダーの量は、全バインダー/有機銀塩の重量比が1/10〜10/1、より好ましくは1/3〜5/1の範囲、さらに好ましくは1/1〜3/1の範囲である。
また、このような有機銀塩含有層は、通常、感光性銀塩である感光性ハロゲン化銀が含有された感光性層(画像形成層)でもあり、このような場合の、全バインダー/ハロゲン化銀の重量比は400〜5、より好ましくは200〜10の範囲である。
本発明における画像形成層の全バインダー量は、好ましくは0.2g/m2以上30g/m2以下、より好ましくは1g/m2以上15g/m2以下、さらに好ましくは2g/m2以上10g/m2以下の範囲である。本発明における画像形成層には、架橋のための架橋剤、塗布性改良のための界面活性剤などを添加してもよい。
(好ましい塗布液の溶媒)
本発明において感光材料の画像形成層塗布液の溶媒(ここでは簡単のため、溶媒と分散媒をあわせて溶媒と表す。)は、水を30質量%以上含む水系溶媒が好ましい。水以外の成分としてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、酢酸エチルなど任意の水混和性有機溶媒を用いてよい。塗布液の溶媒の水含有率は50質量%以上、より好ましくは70質量%以上が好ましい。好ましい溶媒組成の例を挙げると、水の他、水/メチルアルコール=90/10、水/メチルアルコール=70/30、水/メチルアルコール/ジメチルホルムアミド=80/15/5、水/メチルアルコール/エチルセロソルブ=85/10/5、水/メチルアルコール/イソプロピルアルコール=85/10/5などがある(数値は質量%)。
本発明において感光材料の画像形成層塗布液の溶媒(ここでは簡単のため、溶媒と分散媒をあわせて溶媒と表す。)は、水を30質量%以上含む水系溶媒が好ましい。水以外の成分としてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、酢酸エチルなど任意の水混和性有機溶媒を用いてよい。塗布液の溶媒の水含有率は50質量%以上、より好ましくは70質量%以上が好ましい。好ましい溶媒組成の例を挙げると、水の他、水/メチルアルコール=90/10、水/メチルアルコール=70/30、水/メチルアルコール/ジメチルホルムアミド=80/15/5、水/メチルアルコール/エチルセロソルブ=85/10/5、水/メチルアルコール/イソプロピルアルコール=85/10/5などがある(数値は質量%)。
(熱溶剤の説明)
本発明では、熱現像感光材料に熱溶剤を含有させることも可能である。ここで、熱溶剤とは、熱溶剤含有熱現像感光材料に対して、熱溶剤を含まない熱現像感光材料に比べて熱現像温度を1℃以上低くすることができる素材と定義する。さらに好ましくは、2℃以上熱現像温度を低くできる素材であり、特に好ましくは3℃以上低くできる素材である。例えば、熱溶剤を含む熱現像感光材料Aに対して、熱現像感光材料Aから熱溶剤を含まない熱現像感光材料をBとした時に、熱現像感光材料Bを露光し熱現像温度120℃、熱現像時間20秒で処理して得られる濃度を、熱現像感光材料Aで同一露光量、熱現像時間で得るための熱現像温度が119℃以下になる場合を熱溶剤とする。
本発明では、熱現像感光材料に熱溶剤を含有させることも可能である。ここで、熱溶剤とは、熱溶剤含有熱現像感光材料に対して、熱溶剤を含まない熱現像感光材料に比べて熱現像温度を1℃以上低くすることができる素材と定義する。さらに好ましくは、2℃以上熱現像温度を低くできる素材であり、特に好ましくは3℃以上低くできる素材である。例えば、熱溶剤を含む熱現像感光材料Aに対して、熱現像感光材料Aから熱溶剤を含まない熱現像感光材料をBとした時に、熱現像感光材料Bを露光し熱現像温度120℃、熱現像時間20秒で処理して得られる濃度を、熱現像感光材料Aで同一露光量、熱現像時間で得るための熱現像温度が119℃以下になる場合を熱溶剤とする。
熱溶剤を添加することで、現像速度が向上するため見かけ上の感度を良化することができるが、外部環境(保存状態等)に影響されやすくなる。しかし、本発明の層構成とすることで、外部環境に影響され難くなる。
本発明の熱溶剤は極性基を置換基として有しており、式(1)で表されるのが好ましいが、これらに限定されるものではない。
式(1)
(Y)nZ
(Y)nZ
式(1)において、Yはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基を表す。Zはヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、アミド基、スルホンアミド基、リン酸アミド基、シアノ基、イミド、ウレイド、スルホキシド、スルホン、ホスフィン、ホスフィンオキシドまたは含窒素複素環基から選ばれる基を表す。nは1ないし3の整数を表し、Zが1価の基である場合には1、Zが2価以上の基である場合にはZの価数と同一である。nが2以上の場合、複数のYは同一であっても異なっていても良い。
Yは更に置換基を有していても良く、置換基としてZで表される基を有していても良い。
Yは更に置換基を有していても良く、置換基としてZで表される基を有していても良い。
Yについてさらに詳しく説明する。式(1)において、Yは直鎖、分岐または環状のアルキル基(好ましくは炭素数1〜40、より好ましくは1〜30、特に好ましくは1〜25であり、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、sec−ブチル、t−ブチル、t−オクチル、n−アミル、tーアミル、n−ドデシル、n−トリデシル、オクタデシル、イコシル、ドコシル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜40、より好ましくは2〜30、特に好ましくは2〜25であり、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜40、より好ましくは6〜30、特に好ましくは6〜25であり、例えば、フェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる。)、複素環基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えば、ピリジル、ピラジル、イミダゾイル、ピロリジルなどが挙げられる。)を表す。これらの置換基はさらに他の置換基で置換されていても良い。また、これらの置換基は互いに結合して、環を形成していても良い。
Yは更に置換基を有していても良く、置換基の例としては、ハロゲン原子(フッ素原子、クロル原子、臭素原子、またはヨウ素原子)、アルキル基(直鎖、分岐、環状のアルキル基で、ビシクロアルキル基、活性メチン基を含む)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル基、チオカルバモイル基、N−スルファモイルカルバモイル基、カルバゾイル基、カルボキシ基またはその塩、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基(Carbonimidoyl基)、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキル,アリール,またはヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、N−(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、ニトロ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ基、イミノ基、メルカプト基、(アルキル,アリール,またはヘテロ環)チオ基、(アルキル,アリール,またはヘテロ環)ジチオ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル基、スルホ基またはその塩、スルファモイル基、N−アシルスルファモイル基、N−スルホニルスルファモイル基またはその塩、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。なおここで活性メチン基とは2つの電子求引性基で置換されたメチン基を意味し、ここに電子求引性基とはアシル基、アルコシキカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、カルボンイミドイル基を意味する。ここで2つの電子求引性基は互いに結合して環状構造をとっていてもよい。また塩とは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属などの陽イオンや、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンなどの有機の陽イオンを意味する。これら置換基は、これら置換基でさらに置換されていてもよい。Yは置換基としてZで表される基をさらに有していても良い。
Yは更に置換基を有していても良く、置換基の例としては、ハロゲン原子(フッ素原子、クロル原子、臭素原子、またはヨウ素原子)、アルキル基(直鎖、分岐、環状のアルキル基で、ビシクロアルキル基、活性メチン基を含む)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル基、チオカルバモイル基、N−スルファモイルカルバモイル基、カルバゾイル基、カルボキシ基またはその塩、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基(Carbonimidoyl基)、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキル,アリール,またはヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、N−(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、ニトロ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ基、イミノ基、メルカプト基、(アルキル,アリール,またはヘテロ環)チオ基、(アルキル,アリール,またはヘテロ環)ジチオ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル基、スルホ基またはその塩、スルファモイル基、N−アシルスルファモイル基、N−スルホニルスルファモイル基またはその塩、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。なおここで活性メチン基とは2つの電子求引性基で置換されたメチン基を意味し、ここに電子求引性基とはアシル基、アルコシキカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、カルボンイミドイル基を意味する。ここで2つの電子求引性基は互いに結合して環状構造をとっていてもよい。また塩とは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属などの陽イオンや、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンなどの有機の陽イオンを意味する。これら置換基は、これら置換基でさらに置換されていてもよい。Yは置換基としてZで表される基をさらに有していても良い。
熱溶剤が本発明の効果を発現する理由としては、熱溶剤が現像温度付近で溶融することにより現像に関与する物質と相溶し、熱溶剤を添加しないときよりも低い温度での反応を可能としているためと考えられる。熱現像は、比較的極性の高いカルボン酸や銀イオン輸送体が関与している還元反応であるため、極性基を有している熱溶剤により適度の極性を有する反応場を形成することが好ましい。
本発明の熱溶剤の融点は50℃以上200℃以下であるが、好ましくは60℃以上150℃以下である。特に、本発明の目的であるような、画像保存性などの外的環境に対しての安定性を重視した熱現像感光材料では、融点が100℃以上150℃以下の熱溶剤が好ましい。
本発明の熱溶剤の融点は50℃以上200℃以下であるが、好ましくは60℃以上150℃以下である。特に、本発明の目的であるような、画像保存性などの外的環境に対しての安定性を重視した熱現像感光材料では、融点が100℃以上150℃以下の熱溶剤が好ましい。
以下に、本発明の熱溶剤の具体例を示すが、本発明の内容はこれにより限定されるものではない。なお括弧内は融点を示している。
N−メチル−N−ニトロソ−p−トルエンスルホンアミド(61℃)、1,8−オクタンジオール(62℃)、安息香酸フェニル(67〜71℃)、ヒドロキノンジエチルエーテル(67〜73℃)、ε−カプロラクタム(68〜70℃)、りん酸ジフェニル(68〜70℃)、(±)−2−ヒドロキシオクタン酸(68〜71℃)、(±)−3−ヒドロキシドデカン酸(68〜71℃)、5−クロロ−2−メチルベンゾチアゾール(68〜71℃)、酢酸β−ナフチル(68〜71℃)、バチルアルコール(68〜73℃)、(±)−2−ヒドロキシデカン酸(69〜72℃)、2,2,2−トリフルオロアセトアミド(69〜72℃)、ピラゾール(69℃)、(±)−2−ヒドロキシウンデカン酸(70〜73℃)、N,N−ジフェニルホルムアミド(71〜72℃)、ジベンジルジスルフィド(71〜72℃)、(±)−3−ヒドロキシウンデカン酸(71〜74℃)、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(71℃)、2,4−ジニトロトルエン(71℃)、2,4−ジメトキシベンズアルデヒド(71℃)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(71℃)、2,6−ジクロロベンズアルデヒド(71℃)、ジフェニルスルホキシド(71℃)、ステアリン酸(71℃)、2,5−ジメトキシニトロベンゼン(72〜73℃)、1,10−デカンジオール(72〜74℃)、(R)−(−)−3−ヒドロキシテトラデカン酸(72〜75℃)、2−テトラデシルヘキサデカン酸(72〜75℃)、2−メトキシナフタレン(72〜75℃)、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル(72〜76℃)、トリステアリン(73.5℃)、ドトリアコンタン(74〜75℃)、フラバノン(74〜78℃)、2,5−ジフェニルオキサゾール(74℃)、8−キノリノール(74℃)、o−クロロベンジルアルコール(74℃)、オレイン酸アミド(75〜76℃)、(±)−2−ヒドロキシドデカン酸(75〜78℃)、n−ヘキサトリアコンタン(75〜79℃)、イミノジアセトニトリル(75〜79℃)、p−クロロベンジルアルコール(75℃)、フタル酸ジフェニル(75℃)、N−メチルベンズアミド(76〜78℃)、(±)−2−ヒドロキシトリデカン酸(76〜79℃)、1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン(76〜79℃)、N−メチル−p−トルエンスルホンアミド(76〜79℃)、3’−ニトロアセトフェノン(76〜80℃)、4−フェニルシクロヘキサノン(76〜80℃)、エイコサン酸(76℃)、4−クロロベンゾフェノン(77〜78℃)、(±)−3−ヒドロキシテトラデカン酸(77〜80℃)、2−ヘキサデシルオクタデカン酸(77〜80℃)、酢酸p−ニトロフェニル(77〜80℃)、4’−ニトロアセトフェノン(77〜81℃)、12−ヒドロキシステアリン酸(77℃)、α,α’−ジブロモ−m−キシレン(77℃)、9−メチルアントラセン(78〜81℃)、1,4−シクロヘキサンジオン(78℃)、m−ジエチルアミノフェノール(78℃)、m−ニトロ安息香酸メチル(78℃)、(±)−2−ヒドロキシテトラデカン酸(79〜82℃)、1−(フェニルスルホニル)インドール(79℃)、ジ−p−トリルメタン(79℃)、プロピオンアミド(79℃)、(±)−3−ヒドロキシトリデカン酸(80〜83℃)、グアヤコールグリセリンエーテル(80〜85℃)、オクタノイル−N−メチルグルカミド(80〜90℃)、o−フルオロアセトアニリド(80℃)、アセトアセトアニリド(80℃)、ドコサン酸(81〜82℃)、p−ブロモベンゾフェノン(81℃)、トリフェニルホスフィン(81℃)、ジベンゾフラン(82.8℃)、(±)−2−ヒドロキシペンタデカン酸(82〜85℃)、2−オクタデシルエイコサン酸(82〜85℃)、1,12−ドデカンジオール(82℃)、3,4,5−トリメトキシ安息香酸メチル(83℃)、p−クロロニトロベンゼン(83℃)、(±)−3−ヒドロキシヘキサデカン酸(84〜85℃)、o−ヒドロキシベンジルアルコール(84〜86℃)、1−トリアコンタノール(84〜88℃)、o−アミノベンジルアルコール(84℃)、酢酸4−メトキシベンジル(84℃)、(±)−2−ヒドロキシヘキサデカン酸(85〜88℃)、m−ジメチルアミノフェノール(85℃)、p−ジブロモベンゼン(86〜87℃)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸メチル(86〜88℃)、(±)−3−ヒドロキシペンタデカン酸(86〜89℃)、4−ベンジルビフェニル(86℃)、p−フルオロフェニル酢酸(86℃)、1,14−テトラデカンジオール(87〜89℃)、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール(87〜90℃)、p−ペンチル安息香酸(87〜91℃)、酢酸α−(トリクロロメチル)ベンジル(88〜89℃)、4,4’−ジメチルベンゾイン(88℃)、炭酸ジフェニル(88℃)、m−ジニトロベンゼン(89.57℃)、(3R,5R)−(+)−2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオール(90〜93℃)、(3S,5S)−(−)−2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオール(90〜93℃)、シクロヘキサノンオキシム(90℃)、p−ブロモヨードベンゼン(91〜92℃)、4,4’−ジメチルベンゾフェノン(92〜95℃)、トリフェニルメタン(92〜95℃)、ステアリン酸アニリド(92〜96℃)、p−ヒドロキシフェニルエタノール(92℃)、モノエチル尿素,(92℃)、アセナフチレン(93.5〜94.5℃)、m−ヒドロキシアセトフェノン(93〜97℃)、キシリトール(93〜97℃)、p−ヨードフェノール(93℃)、p−ニトロ安息香酸メチル(94〜98℃)、p−ニトロベンジルアルコール(94℃)、1,2,4−トリアセトキシベンゼン(95〜100℃)、3−アセチルベンゾニトリル(95〜103℃)、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エチル(95〜97℃)、16−ヒドロキシヘキサデカン酸(95〜99℃)、D(−)−リボース(95℃)、o−ベンゾイル安息香酸(95℃)、α,α’−ジブロモ−o−キシレン(95℃)、ベンジル(95℃)、ヨードアセトアミド(95℃)、p−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル(96〜97℃)、p−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル(96〜97℃)、フラボン(96〜97℃)、2−デオキシ−D−リボース(96〜98℃)、没食子酸ラウリル(96〜99℃)、1−ナフトール(96℃)、2,7−ジメチルナフタレン(96℃)、2−クロロフェニル酢酸(96℃)、アセナフテン(96℃)、テレフタル酸ジベンジル(96℃)、フマロニトリル(96℃)、4’−アミノ−2’,5’−ジエトキシベンズアニリド(97〜100℃)、フェノキシ酢酸(97〜100℃)、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール(97℃)、D−ソルビトール(97℃)、m−アミノベンジルアルコール(97℃)、アセトアミドマロン酸ジエチル(97℃)、1,10−フェナントロリン一水和物(98〜100℃)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン(98〜100℃)、2−ブロモ−4’−クロロアセトフェノン(98℃)、メチル尿素(98℃)、4−フェノキシフタロニトリル(99〜100℃)、o−メトキシ安息香酸(99〜100℃)、p−ブチル安息香酸(99〜100℃)、キサンテン(99〜100℃)、ペンタフルオロ安息香酸(99〜101℃)、フェナントレン(99℃)、p−t−ブチルフェノール(100.4℃)、9−フルオレニルメタノール(100〜101℃)、1,3−ジメチル尿素(100〜102℃)、4−アセトキシインドール(100〜102℃)、1,3−シクロヘキサンジオン(100℃)、ステアリン酸アミド(100℃)、トリ−m−トリルホスフィン(100℃)、4−ビフェニルメタノール(101〜102℃)、1,4−シクロヘキサンジオール (cis−, trans−混合物)(101℃)、α,α’−ジクロロ−p−キシレン(101℃)、2−t−ブチルアントラキノン(102℃)、フマル酸ジメチル(102℃)、3,3−ジメチルグルタル酸(103〜104℃)、2−ヒドロキシ−3−メチル−2−シクロペンテン−1−オン(103℃)、4−クロロ−3−ニトロアニリン(103℃)、N,N−ジフェニルアセトアミド(103℃)、3(2)−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール(104〜105℃)、4,4’−ジメチルベンジル(104〜105℃)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−2,2’,2’’−ニトリロトリエタノール(104℃)、m−トリフルオロメチル安息香酸(104℃)、3−ペンタノール(105〜108℃)、2−メチル−1,4−ナフトキノン(105℃)、α,α,α’,α’−テトラブロモ−m−キシレン(105℃)、4−クロロフェニル酢酸(106℃)、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン(107.5〜108.5℃)、2,4−ジクロロ−1−ナフトール(107〜108℃)、L−アスコルビン酸パルミチン酸エステル(107〜117℃)、2,4−ジメトキシ安息香酸(108〜109℃)、o−トリフルオロメチル安息香酸(108〜109℃)、p−ヒドロキシアセトフェノン(109℃)、ジメチルスルホン(109℃)、2,6−ジメチルナフタレン(110〜111℃)、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ベンゾキノン(110℃)、トリデカン二酸(110℃)、トリフェニルクロロメタン(110℃)、フルオランテン(110℃)、ラウリンアミド(110℃)、1,4−ベンゾキノン(111℃)、3−ベンジルインドール(111℃)、レゾルシノール(111℃)、1ーブロモブタン(112.3℃)、2,2− ビス(ブロモメチル)−1,3−プロパンジオール(112〜114℃)、p−エチル安息香酸(113.5℃)、1,4−ジアセトキシ−2−メチルナフタレン(113℃)、1−エチル−2,3−ピペラジンジオン(113℃)、4−メチル−2−ニトロアニリン(113℃)、L−アスコルビン酸二パルミチン酸エステル(113℃)、o−フェノキシ安息香酸(113℃)、p−ニトロフェノール(113℃)、メチル(ジフェニル)ホスフィン=オキシド(113℃)、酢酸コレステロール(114〜115℃)、2,6−ジメチル安息香酸(114〜116℃)、3−ニトロベンゾニトリル(114℃)、m−ニトロアニリン(114℃)、エチルα−D−グルコシド(114℃)、アセトアニリド(115〜116℃)、(±)−2−フェノキシプロピオン酸(115℃)、4−クロロ−1−ナフトール(116〜117℃)、p−ニトロフェニルアセトニトリル(116〜117℃)、p−ヒドロキシ安息香酸エチル(116℃)、p−イソプロピル安息香酸(117〜118℃)、D(+)−ガラクトース(118〜120℃)、o−ジニトロベンゼン(118℃)、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル(118℃)、1,3,5−トリブロモベンゼン(119℃)、2,3−ジメトキシ安息香酸(120〜122℃)、4−クロロ−2−メチルフェノキシ酢酸(120℃)、meso−エリトリトール(121.5℃)、9,10−ジメチル−1,2−ベンズアントラセン(122〜123℃)、2−ナフトール(122℃)、N−フェニルグリシン(122℃)、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド(122℃)、p−ヒドロキシベンジルアルコール(124.5〜125.5℃)、2’,4’−ジヒドロキシ−3’−プロピルアセトフェノン(124〜127℃)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(124℃)、m−フルオロ安息香酸(124℃)、ジフェニルスルホン(124℃)、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオン酸(125℃)、3,4,5−トリメトキシけい皮酸(125℃)、o−フルオロ安息香酸(126.5℃)、イソニトロソアセトフェノン(126〜128℃)、5−メチル−1,3−シクロヘキサンジオン(126℃)、4−ベンゾイル酪酸(127℃)、p−ヒドロキシ安息香酸メチル(127℃)、p−ブロモニトロベンゼン(127℃)、3,4−
ジヒドロキシフェニル酢酸(128〜130℃)、5α−コレスタン−3−オン(128〜130℃)、6−ブロモ−2−ナフトール(128℃)、イソブチルアミド(128℃)、1−ナフチル酢酸(129℃)、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(129℃)、p−ジヨードベンゼン(129℃)、ドデカン二酸(129℃)、4,4’−ジメトキシベンジル(131〜133℃)、ジメチロール尿素(132.5℃)、o−エトキシベンズアミド(132〜134℃)、セバシン酸(132℃)、p−トルエンスルホンアミド(134℃)、サリチルアニリド(135℃)、β−シトステロール(136〜137℃)、1,2,4,5−テトラクロロベンゼン(136℃)、1,3−ビス(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ベンゼン(137℃)、フタロニトリル(138℃)、4−n−プロピル安息香酸(139℃)、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(140.5℃)、2−ナフチル酢酸(140℃)、テレフタル酸メチル(140℃)、2,2−ジメチルこはく酸(141℃)、2,6−ジクロロベンゾニトリル(142.5〜143.5℃)、o−クロロ安息香酸(142℃)、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン(143〜144℃)、α,α,α−トリブロモメチルフェニルスルホン(143℃)、D(+)−キシロース(144〜145℃)、フェニル尿素(146℃)、没食子酸n−プロピル(146℃)、4,4’−ジクロロベンゾフェノン(147〜148℃)、2’,4’−ジヒドロキシアセトフェノン(147℃)、コレステロール(148.5℃)、2−メチル−1−ペンタノール(148℃)、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン(148℃)、ジグリコール酸(148℃)、アジピン酸(149〜150℃)、2−デオキシ−D−グルコース(149℃)、ジフェニル酢酸(149℃)、o−ブロモ安息香酸(150℃)。
N−メチル−N−ニトロソ−p−トルエンスルホンアミド(61℃)、1,8−オクタンジオール(62℃)、安息香酸フェニル(67〜71℃)、ヒドロキノンジエチルエーテル(67〜73℃)、ε−カプロラクタム(68〜70℃)、りん酸ジフェニル(68〜70℃)、(±)−2−ヒドロキシオクタン酸(68〜71℃)、(±)−3−ヒドロキシドデカン酸(68〜71℃)、5−クロロ−2−メチルベンゾチアゾール(68〜71℃)、酢酸β−ナフチル(68〜71℃)、バチルアルコール(68〜73℃)、(±)−2−ヒドロキシデカン酸(69〜72℃)、2,2,2−トリフルオロアセトアミド(69〜72℃)、ピラゾール(69℃)、(±)−2−ヒドロキシウンデカン酸(70〜73℃)、N,N−ジフェニルホルムアミド(71〜72℃)、ジベンジルジスルフィド(71〜72℃)、(±)−3−ヒドロキシウンデカン酸(71〜74℃)、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(71℃)、2,4−ジニトロトルエン(71℃)、2,4−ジメトキシベンズアルデヒド(71℃)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(71℃)、2,6−ジクロロベンズアルデヒド(71℃)、ジフェニルスルホキシド(71℃)、ステアリン酸(71℃)、2,5−ジメトキシニトロベンゼン(72〜73℃)、1,10−デカンジオール(72〜74℃)、(R)−(−)−3−ヒドロキシテトラデカン酸(72〜75℃)、2−テトラデシルヘキサデカン酸(72〜75℃)、2−メトキシナフタレン(72〜75℃)、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル(72〜76℃)、トリステアリン(73.5℃)、ドトリアコンタン(74〜75℃)、フラバノン(74〜78℃)、2,5−ジフェニルオキサゾール(74℃)、8−キノリノール(74℃)、o−クロロベンジルアルコール(74℃)、オレイン酸アミド(75〜76℃)、(±)−2−ヒドロキシドデカン酸(75〜78℃)、n−ヘキサトリアコンタン(75〜79℃)、イミノジアセトニトリル(75〜79℃)、p−クロロベンジルアルコール(75℃)、フタル酸ジフェニル(75℃)、N−メチルベンズアミド(76〜78℃)、(±)−2−ヒドロキシトリデカン酸(76〜79℃)、1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン(76〜79℃)、N−メチル−p−トルエンスルホンアミド(76〜79℃)、3’−ニトロアセトフェノン(76〜80℃)、4−フェニルシクロヘキサノン(76〜80℃)、エイコサン酸(76℃)、4−クロロベンゾフェノン(77〜78℃)、(±)−3−ヒドロキシテトラデカン酸(77〜80℃)、2−ヘキサデシルオクタデカン酸(77〜80℃)、酢酸p−ニトロフェニル(77〜80℃)、4’−ニトロアセトフェノン(77〜81℃)、12−ヒドロキシステアリン酸(77℃)、α,α’−ジブロモ−m−キシレン(77℃)、9−メチルアントラセン(78〜81℃)、1,4−シクロヘキサンジオン(78℃)、m−ジエチルアミノフェノール(78℃)、m−ニトロ安息香酸メチル(78℃)、(±)−2−ヒドロキシテトラデカン酸(79〜82℃)、1−(フェニルスルホニル)インドール(79℃)、ジ−p−トリルメタン(79℃)、プロピオンアミド(79℃)、(±)−3−ヒドロキシトリデカン酸(80〜83℃)、グアヤコールグリセリンエーテル(80〜85℃)、オクタノイル−N−メチルグルカミド(80〜90℃)、o−フルオロアセトアニリド(80℃)、アセトアセトアニリド(80℃)、ドコサン酸(81〜82℃)、p−ブロモベンゾフェノン(81℃)、トリフェニルホスフィン(81℃)、ジベンゾフラン(82.8℃)、(±)−2−ヒドロキシペンタデカン酸(82〜85℃)、2−オクタデシルエイコサン酸(82〜85℃)、1,12−ドデカンジオール(82℃)、3,4,5−トリメトキシ安息香酸メチル(83℃)、p−クロロニトロベンゼン(83℃)、(±)−3−ヒドロキシヘキサデカン酸(84〜85℃)、o−ヒドロキシベンジルアルコール(84〜86℃)、1−トリアコンタノール(84〜88℃)、o−アミノベンジルアルコール(84℃)、酢酸4−メトキシベンジル(84℃)、(±)−2−ヒドロキシヘキサデカン酸(85〜88℃)、m−ジメチルアミノフェノール(85℃)、p−ジブロモベンゼン(86〜87℃)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸メチル(86〜88℃)、(±)−3−ヒドロキシペンタデカン酸(86〜89℃)、4−ベンジルビフェニル(86℃)、p−フルオロフェニル酢酸(86℃)、1,14−テトラデカンジオール(87〜89℃)、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール(87〜90℃)、p−ペンチル安息香酸(87〜91℃)、酢酸α−(トリクロロメチル)ベンジル(88〜89℃)、4,4’−ジメチルベンゾイン(88℃)、炭酸ジフェニル(88℃)、m−ジニトロベンゼン(89.57℃)、(3R,5R)−(+)−2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオール(90〜93℃)、(3S,5S)−(−)−2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオール(90〜93℃)、シクロヘキサノンオキシム(90℃)、p−ブロモヨードベンゼン(91〜92℃)、4,4’−ジメチルベンゾフェノン(92〜95℃)、トリフェニルメタン(92〜95℃)、ステアリン酸アニリド(92〜96℃)、p−ヒドロキシフェニルエタノール(92℃)、モノエチル尿素,(92℃)、アセナフチレン(93.5〜94.5℃)、m−ヒドロキシアセトフェノン(93〜97℃)、キシリトール(93〜97℃)、p−ヨードフェノール(93℃)、p−ニトロ安息香酸メチル(94〜98℃)、p−ニトロベンジルアルコール(94℃)、1,2,4−トリアセトキシベンゼン(95〜100℃)、3−アセチルベンゾニトリル(95〜103℃)、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エチル(95〜97℃)、16−ヒドロキシヘキサデカン酸(95〜99℃)、D(−)−リボース(95℃)、o−ベンゾイル安息香酸(95℃)、α,α’−ジブロモ−o−キシレン(95℃)、ベンジル(95℃)、ヨードアセトアミド(95℃)、p−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル(96〜97℃)、p−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル(96〜97℃)、フラボン(96〜97℃)、2−デオキシ−D−リボース(96〜98℃)、没食子酸ラウリル(96〜99℃)、1−ナフトール(96℃)、2,7−ジメチルナフタレン(96℃)、2−クロロフェニル酢酸(96℃)、アセナフテン(96℃)、テレフタル酸ジベンジル(96℃)、フマロニトリル(96℃)、4’−アミノ−2’,5’−ジエトキシベンズアニリド(97〜100℃)、フェノキシ酢酸(97〜100℃)、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール(97℃)、D−ソルビトール(97℃)、m−アミノベンジルアルコール(97℃)、アセトアミドマロン酸ジエチル(97℃)、1,10−フェナントロリン一水和物(98〜100℃)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン(98〜100℃)、2−ブロモ−4’−クロロアセトフェノン(98℃)、メチル尿素(98℃)、4−フェノキシフタロニトリル(99〜100℃)、o−メトキシ安息香酸(99〜100℃)、p−ブチル安息香酸(99〜100℃)、キサンテン(99〜100℃)、ペンタフルオロ安息香酸(99〜101℃)、フェナントレン(99℃)、p−t−ブチルフェノール(100.4℃)、9−フルオレニルメタノール(100〜101℃)、1,3−ジメチル尿素(100〜102℃)、4−アセトキシインドール(100〜102℃)、1,3−シクロヘキサンジオン(100℃)、ステアリン酸アミド(100℃)、トリ−m−トリルホスフィン(100℃)、4−ビフェニルメタノール(101〜102℃)、1,4−シクロヘキサンジオール (cis−, trans−混合物)(101℃)、α,α’−ジクロロ−p−キシレン(101℃)、2−t−ブチルアントラキノン(102℃)、フマル酸ジメチル(102℃)、3,3−ジメチルグルタル酸(103〜104℃)、2−ヒドロキシ−3−メチル−2−シクロペンテン−1−オン(103℃)、4−クロロ−3−ニトロアニリン(103℃)、N,N−ジフェニルアセトアミド(103℃)、3(2)−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール(104〜105℃)、4,4’−ジメチルベンジル(104〜105℃)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−2,2’,2’’−ニトリロトリエタノール(104℃)、m−トリフルオロメチル安息香酸(104℃)、3−ペンタノール(105〜108℃)、2−メチル−1,4−ナフトキノン(105℃)、α,α,α’,α’−テトラブロモ−m−キシレン(105℃)、4−クロロフェニル酢酸(106℃)、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン(107.5〜108.5℃)、2,4−ジクロロ−1−ナフトール(107〜108℃)、L−アスコルビン酸パルミチン酸エステル(107〜117℃)、2,4−ジメトキシ安息香酸(108〜109℃)、o−トリフルオロメチル安息香酸(108〜109℃)、p−ヒドロキシアセトフェノン(109℃)、ジメチルスルホン(109℃)、2,6−ジメチルナフタレン(110〜111℃)、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ベンゾキノン(110℃)、トリデカン二酸(110℃)、トリフェニルクロロメタン(110℃)、フルオランテン(110℃)、ラウリンアミド(110℃)、1,4−ベンゾキノン(111℃)、3−ベンジルインドール(111℃)、レゾルシノール(111℃)、1ーブロモブタン(112.3℃)、2,2− ビス(ブロモメチル)−1,3−プロパンジオール(112〜114℃)、p−エチル安息香酸(113.5℃)、1,4−ジアセトキシ−2−メチルナフタレン(113℃)、1−エチル−2,3−ピペラジンジオン(113℃)、4−メチル−2−ニトロアニリン(113℃)、L−アスコルビン酸二パルミチン酸エステル(113℃)、o−フェノキシ安息香酸(113℃)、p−ニトロフェノール(113℃)、メチル(ジフェニル)ホスフィン=オキシド(113℃)、酢酸コレステロール(114〜115℃)、2,6−ジメチル安息香酸(114〜116℃)、3−ニトロベンゾニトリル(114℃)、m−ニトロアニリン(114℃)、エチルα−D−グルコシド(114℃)、アセトアニリド(115〜116℃)、(±)−2−フェノキシプロピオン酸(115℃)、4−クロロ−1−ナフトール(116〜117℃)、p−ニトロフェニルアセトニトリル(116〜117℃)、p−ヒドロキシ安息香酸エチル(116℃)、p−イソプロピル安息香酸(117〜118℃)、D(+)−ガラクトース(118〜120℃)、o−ジニトロベンゼン(118℃)、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル(118℃)、1,3,5−トリブロモベンゼン(119℃)、2,3−ジメトキシ安息香酸(120〜122℃)、4−クロロ−2−メチルフェノキシ酢酸(120℃)、meso−エリトリトール(121.5℃)、9,10−ジメチル−1,2−ベンズアントラセン(122〜123℃)、2−ナフトール(122℃)、N−フェニルグリシン(122℃)、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド(122℃)、p−ヒドロキシベンジルアルコール(124.5〜125.5℃)、2’,4’−ジヒドロキシ−3’−プロピルアセトフェノン(124〜127℃)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(124℃)、m−フルオロ安息香酸(124℃)、ジフェニルスルホン(124℃)、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオン酸(125℃)、3,4,5−トリメトキシけい皮酸(125℃)、o−フルオロ安息香酸(126.5℃)、イソニトロソアセトフェノン(126〜128℃)、5−メチル−1,3−シクロヘキサンジオン(126℃)、4−ベンゾイル酪酸(127℃)、p−ヒドロキシ安息香酸メチル(127℃)、p−ブロモニトロベンゼン(127℃)、3,4−
ジヒドロキシフェニル酢酸(128〜130℃)、5α−コレスタン−3−オン(128〜130℃)、6−ブロモ−2−ナフトール(128℃)、イソブチルアミド(128℃)、1−ナフチル酢酸(129℃)、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(129℃)、p−ジヨードベンゼン(129℃)、ドデカン二酸(129℃)、4,4’−ジメトキシベンジル(131〜133℃)、ジメチロール尿素(132.5℃)、o−エトキシベンズアミド(132〜134℃)、セバシン酸(132℃)、p−トルエンスルホンアミド(134℃)、サリチルアニリド(135℃)、β−シトステロール(136〜137℃)、1,2,4,5−テトラクロロベンゼン(136℃)、1,3−ビス(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ベンゼン(137℃)、フタロニトリル(138℃)、4−n−プロピル安息香酸(139℃)、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(140.5℃)、2−ナフチル酢酸(140℃)、テレフタル酸メチル(140℃)、2,2−ジメチルこはく酸(141℃)、2,6−ジクロロベンゾニトリル(142.5〜143.5℃)、o−クロロ安息香酸(142℃)、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン(143〜144℃)、α,α,α−トリブロモメチルフェニルスルホン(143℃)、D(+)−キシロース(144〜145℃)、フェニル尿素(146℃)、没食子酸n−プロピル(146℃)、4,4’−ジクロロベンゾフェノン(147〜148℃)、2’,4’−ジヒドロキシアセトフェノン(147℃)、コレステロール(148.5℃)、2−メチル−1−ペンタノール(148℃)、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン(148℃)、ジグリコール酸(148℃)、アジピン酸(149〜150℃)、2−デオキシ−D−グルコース(149℃)、ジフェニル酢酸(149℃)、o−ブロモ安息香酸(150℃)。
本発明において熱溶剤の添加量は0.01g/m2以上5.0g/m2以下であることが好ましく、より好ましくは0.05g/m2以上2.5g/m2以下で、さらに好ましくは0.1g/m2以上1.5g/m2以下である。熱溶剤は画像形成層に含有させることが好ましい。
また、上記熱溶剤は単独で用いてもよいが、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記熱溶剤は単独で用いてもよいが、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において熱溶剤は溶液形態、乳化分散形態、固体微粒子分散物形態など、いかなる方法で塗布液に含有せしめ、感光材料に含有させてもよい。
よく知られている乳化分散法としては、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製する方法が挙げられる。
よく知られている乳化分散法としては、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製する方法が挙げられる。
また、固体微粒子分散法としては、熱溶剤の粉末を水等の適当な溶媒中にボールミル、コロイドミル、振動ボールミル、サンドミル、ジェットミル、ローラーミルあるいは超音波によって分散し、固体分散物を作成する方法が挙げられる。尚、その際に保護コロイド(例えば、ポリビニルアルコール)、界面活性剤(例えばトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム(3つのイソプロピル基の置換位置が異なるものの混合物)などのアニオン性界面活性剤)を用いてもよい。上記ミル類では分散媒体としてジルコニア等のビーズが使われるのが普通であり、これらのビーズから溶出するZr等が分散物中に混入することがある。分散条件にもよるが通常は1ppm〜1000ppmの範囲である。感材中のZrの含有量が銀1g当たり0.5mg以下であれば実用上差し支えない。
水分散物には防腐剤(例えばベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩)を含有させることが好ましい。また、本発明においては熱溶剤は固体分散物として使用することが好ましい。
水分散物には防腐剤(例えばベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩)を含有させることが好ましい。また、本発明においては熱溶剤は固体分散物として使用することが好ましい。
(その他の添加剤)
1)メルカプト、ジスルフィド、及びチオン類
本発明には現像を抑制あるいは促進させ現像を制御するため、分光増感効率を向上させるため、現像前後の保存性を向上させるためなどにメルカプト化合物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を含有させることができ、特開平10−62899号の段落番号0067〜0069、特開平10−186572号の一般式(I)で表される化合物及びその具体例として段落番号0033〜0052、欧州特許公開第0803764A1号の第20ページ第36〜56行に記載されている。その中でも特開平9−297367号、特開平9−304875号、特開2001−100358号、特開2002−303954号、特開2002−303951号等に記載されているメルカプト置換複素芳香族化合物が好ましい。
1)メルカプト、ジスルフィド、及びチオン類
本発明には現像を抑制あるいは促進させ現像を制御するため、分光増感効率を向上させるため、現像前後の保存性を向上させるためなどにメルカプト化合物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を含有させることができ、特開平10−62899号の段落番号0067〜0069、特開平10−186572号の一般式(I)で表される化合物及びその具体例として段落番号0033〜0052、欧州特許公開第0803764A1号の第20ページ第36〜56行に記載されている。その中でも特開平9−297367号、特開平9−304875号、特開2001−100358号、特開2002−303954号、特開2002−303951号等に記載されているメルカプト置換複素芳香族化合物が好ましい。
2)色調剤
本発明の熱現像感光材料では色調剤の添加が好ましい。本発明で用いる色調剤としては、これまで有機銀塩を利用した熱現像感光材料において使われている色調剤であれば特に制限なく使用することができる。また、色調剤は現像時のみ有効に機能を持つように誘導化されたいわゆるプレカーサーであってもよい。例えば、特開昭46−6077号公報、同47−10282号公報、同49−5019号公報、同49−5020号公報、同49−91215号公報、同49−91215号公報、同50−2524号公報、同50−32927号公報、同50−67132号公報、同50−67641号公報、同50−114217号公報、同51−3223号公報、同51−27923号公報、同52−14788号公報、同52−99813号公報、同53−1020号公報、同53−76020号公報、同54−156524号公報、同54−156525号公報、同61−183642号公報、特開平4−56848号公報、特公昭49−10727号公報、同54−20333号公報、米国特許第3,080,254号明細書、同第3,446,648号明細書、同第3,782,941号明細書、同第4,123,282号明細書、同第4,510,236号明細書、英国特許第1,380,795号明細書、ベルギー特許第841,910号明細書などに開示されているものを適宜使用することができる。
本発明の熱現像感光材料では色調剤の添加が好ましい。本発明で用いる色調剤としては、これまで有機銀塩を利用した熱現像感光材料において使われている色調剤であれば特に制限なく使用することができる。また、色調剤は現像時のみ有効に機能を持つように誘導化されたいわゆるプレカーサーであってもよい。例えば、特開昭46−6077号公報、同47−10282号公報、同49−5019号公報、同49−5020号公報、同49−91215号公報、同49−91215号公報、同50−2524号公報、同50−32927号公報、同50−67132号公報、同50−67641号公報、同50−114217号公報、同51−3223号公報、同51−27923号公報、同52−14788号公報、同52−99813号公報、同53−1020号公報、同53−76020号公報、同54−156524号公報、同54−156525号公報、同61−183642号公報、特開平4−56848号公報、特公昭49−10727号公報、同54−20333号公報、米国特許第3,080,254号明細書、同第3,446,648号明細書、同第3,782,941号明細書、同第4,123,282号明細書、同第4,510,236号明細書、英国特許第1,380,795号明細書、ベルギー特許第841,910号明細書などに開示されているものを適宜使用することができる。
色調剤の具体例としては、フタルイミドおよびN−ヒドロキシフタルイミド;スクシンイミド、ピラゾリン−5−オン、ならびにキナゾリノン、3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−フェニルウラゾール、キナゾリンおよび2,4−チアゾリジンジオンのような環状イミド;ナフタルイミド(例えば、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタルイミド);コバルト錯体(例えば、コバルトヘキサミントリフルオロアセテート);3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2,4−ジメルカプトピリミジン、3−メルカプト−4,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾールおよび2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールに例示されるメルカプタン;N−(アミノメチル)アリールジカルボキシイミド、(例えば、(N,N−ジメチルアミノメチル)フタルイミドおよびN,N−(ジメチルアミノメチル)−ナフタレン−2,3−ジカルボキシイミド);ならびにブロック化ピラゾール、イソチウロニウム誘導体およびある種の光退色剤(例えば、N,N'−ヘキサメチレンビス(1−カルバモイル−3,5−ジメチルピラゾール)、1,8−(3,6−ジアザオクタン)ビス(イソチウロニウムトリフルオロアセテート)および2−トリブロモメチルスルホニル)−(ベンゾチアゾール));ならびに3−エチル−5−[(3−エチル−2−ベンゾチアゾリニリデン)−1−メチルエチリデン]−2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン;フタラジノン、フタラジノン誘導体もしくは金属塩、または4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメトキシフタラジノンおよび2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオンなどの誘導体;フタラジノンとフタル酸誘導体(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸およびテトラクロロ無水フタル酸など)との組合せ;フタラジン、フタラジン誘導体(たとえば、4−(1−ナフチル)フタラジン、6−クロロフタラジン、5,7−ジメトキシフタラジン、6−イソブチルフタラジン、6−tert−ブチルフタラジン、5,7−ジメチルフタラジン、および2,3−ジヒドロフタラジンなどの誘導体)もしくは金属塩、;フタラジンおよびその誘導体とフタル酸誘導体(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸およびテトラクロロ無水フタル酸など)との組合せ;キナゾリンジオン、ベンズオキサジンまたはナフトオキサジン誘導体;色調調節剤としてだけでなくその場でハロゲン化銀生成のためのハライドイオンの源としても機能するロジウム錯体、例えばヘキサクロロロジウム(III)酸アンモニウム、臭化ロジウム、硝酸ロジウムおよびヘキサクロロロジウム(III)酸カリウムなど;無機過酸化物および過硫酸塩、例えば、過酸化二硫化アンモニウムおよび過酸化水素;1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジオン、8−メチル−1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジオンおよび6−ニトロ−1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジオンなどのベンズオキサジン−2,4−ジオン;ピリミジンおよび不斉−トリアジン(例えば、2,4−ジヒドロキシピリミジン、2−ヒドロキシ−4−アミノピリミジンなど)、アザウラシル、およびテトラアザペンタレン誘導体(例えば、3,6−ジメルカプト−1,4−ジフェニル−1H,4H−2,3a,5,6a−テトラアザペンタレン、および1,4−ジ(o−クロロフェニル)−3,6−ジメルカプト−1H,4H−2,3a,5,6a−テトラアザペンタレン)などを挙げることができる。
本発明では色調剤として、上記式(I)で表されるフタラジン誘導体を使用することが特に好ましい。式(I)において、Rは置換基を表し、mは1〜6の整数を表す。m≧2の場合、複数のRはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
Rで表わされる置換基としては、写真性へ悪影響のないものであればどのような置換基を用いても良い。例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、直鎖、分岐または環状のアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、tert−オクチル、tert−アミル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは6〜20、特に好ましくは6〜12であり、例えば、フェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは6〜20、特に好ましくは6〜12であり、例えば、フェニルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えば、アセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは12であり、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基などが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えば、メタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えば、ウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、カルバメート基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ、フェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、カルボキシル基、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えば、カルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えば、アセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、スルホ基、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えば、メシル、トシルなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは0〜16、特に好ましくは0〜12であり、例えば、スルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えば、メチルチオ、ブチルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えば、ピリジル、イミダゾリル、ピロリジルなどが挙げられる。)等が挙げられる。
Rで表わされる置換基としては、好ましくはハロゲン原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アルキルチオ基であり、さらに好ましくは直鎖、分岐または環状のアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基であり、特に好ましくは、直鎖または分岐のアルキル基である。
mが2以上の時には、Rで表わされる置換基は互いに同じでも異なっていても良く、これらの置換基は、更に別の置換基で置換されていても良い。また、互いに結合して環状構造を形成しても良い。
式(I)で表される化合物としては、更に融点が130℃以下の化合物が好ましく、この化合物には常温(15℃程度の温度)で液状のものも含まれる。
以下に式(I)で表される化合物であって、融点が130℃以下である化合物の具体例を挙げるが、本発明で用いることができる化合物はこれらの具体例に限定されるものではない。
本発明の熱現像感光材料に使用する色調剤の量は、所望の程度に画像性能を向上させるのに十分な量で使用する。適量の色調剤を使用すれば、画像濃度を高め、黒色銀画像を形成させるうえでも有利になる。色調剤は画像形成層を有する側に銀1モルあたりの0.1モル%以上50モル%以下で含まれることが好ましく、0.5モル%以上20モル%以下で含まれることがさらに好ましい。
色調剤は、画像形成層を有する面側であれば、いずれの層に添加しても良いが、好ましくは、画像形成層に添加する場合である。
色調剤は、画像形成層を有する面側であれば、いずれの層に添加しても良いが、好ましくは、画像形成層に添加する場合である。
3)色調調整剤
本発明の熱現像記録材料においては、現像銀の色調を調製するための色調調整剤を含むことが好ましい。色調調整剤は、現像銀の色調を好みの色調に調整する添加剤であり、例えば、純黒調の画像が目的の場合、現像銀の色調が青色味の場合は黄色の酸化生成物を生成する還元性化合物を用いるのが好ましい。また、黄褐色の系統の色調の現像銀の場合はシアン系統の発色をする化合物を色調調整剤として用いるのが好ましい。その他、現像銀の生成する色調と目的とする画像色調とによって、色調調整剤の色を調整して用いるのが良い。
1)一般式(P)で表される色調調整剤
本発明に使用できる色調調整剤の一つとしては、一般式(P)で表される化合物を含むことが好ましい。
本発明の熱現像記録材料においては、現像銀の色調を調製するための色調調整剤を含むことが好ましい。色調調整剤は、現像銀の色調を好みの色調に調整する添加剤であり、例えば、純黒調の画像が目的の場合、現像銀の色調が青色味の場合は黄色の酸化生成物を生成する還元性化合物を用いるのが好ましい。また、黄褐色の系統の色調の現像銀の場合はシアン系統の発色をする化合物を色調調整剤として用いるのが好ましい。その他、現像銀の生成する色調と目的とする画像色調とによって、色調調整剤の色を調整して用いるのが良い。
1)一般式(P)で表される色調調整剤
本発明に使用できる色調調整剤の一つとしては、一般式(P)で表される化合物を含むことが好ましい。
式中、R21およびR22は、各々独立に、水素原子、アルキル基またはアシルアミノ基を表す。但し、R21およびR22は、それぞれ、2−ヒドロキシフェニルメチル基であることはなく、同時に水素原子であることもない。R23は水素原子またはアルキル基を表す。R24はベンゼン環に置換可能な置換基を表す。
R21が、アルキル基の時は、炭素数が1〜30のアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましい。
アルキル基は、置換基を有していてもよい。無置換のアルキル基としては具体的には、メチル、エチル、ブチル、オクチル、イソプロピル、t−ブチル、t−オクチル、t−アミル、sec−ブチル、シクロヘキシル、1−メチルーシクロヘキシル基などが好ましく、イソプロピル基よりも立体的に大きな基(例えば、イソプロピル基、イソノニル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、1−メチルーシクロヘキシル基、アダマンチル基など)であることがより好ましく、その中でも3級アルキル基であるt−ブチル、t−オクチル、t−アミル基などが特に好ましい。
また、上記アルキル基が、置換基を有する場合の置換基としてはハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホンアミド基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、ホスホリル基などがあげらる。
アルキル基は、置換基を有していてもよい。無置換のアルキル基としては具体的には、メチル、エチル、ブチル、オクチル、イソプロピル、t−ブチル、t−オクチル、t−アミル、sec−ブチル、シクロヘキシル、1−メチルーシクロヘキシル基などが好ましく、イソプロピル基よりも立体的に大きな基(例えば、イソプロピル基、イソノニル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、1−メチルーシクロヘキシル基、アダマンチル基など)であることがより好ましく、その中でも3級アルキル基であるt−ブチル、t−オクチル、t−アミル基などが特に好ましい。
また、上記アルキル基が、置換基を有する場合の置換基としてはハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホンアミド基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、ホスホリル基などがあげらる。
R22が、アルキル基の時は、炭素数が1〜30のアルキル基が好ましく、無置換の炭素数1〜24のアルキル基がより好ましい。
アルキル基は、置換基を有していてもよい。無置換のアルキル基として具体的には、メチル、エチル、ブチル、オクチル、イソプロピル、t−ブチル、t−オクチル、t−アミル、sec−ブチル、シクロヘキシル、1−メチルーシクロヘキシル基などが好ましい。
また置換基の例は、R21と同じである。
アルキル基は、置換基を有していてもよい。無置換のアルキル基として具体的には、メチル、エチル、ブチル、オクチル、イソプロピル、t−ブチル、t−オクチル、t−アミル、sec−ブチル、シクロヘキシル、1−メチルーシクロヘキシル基などが好ましい。
また置換基の例は、R21と同じである。
R21およびR22が、アシルアミノ基である場合は、炭素数が1〜30のアシルアミノ基が好ましく、炭素数1〜10のアシルアミノ基がより好ましい。
アシルアミノ基は無置換であっても置換基を有していてもよい。具体的には、アセチルアミノ基、アルコキシアセチルアミノ基、アリールオキシアセチルアミノ基などが挙げられる。
アシルアミノ基は無置換であっても置換基を有していてもよい。具体的には、アセチルアミノ基、アルコキシアセチルアミノ基、アリールオキシアセチルアミノ基などが挙げられる。
R21は、水素原子、アルキル基またはアシルアミノ基の中でも、アルキル基が好ましい。
一方、R22は、水素原子、アルキル基またはアシルアミノ基の中でも、水素原子または、無置換の炭素数1〜24のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、イソプロピル基、t−ブチル基が挙げられる
尚、R21、R22は2−ヒドロキシフェニルメチル基であることはなく、同時に水素原子であることもない。
一方、R22は、水素原子、アルキル基またはアシルアミノ基の中でも、水素原子または、無置換の炭素数1〜24のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、イソプロピル基、t−ブチル基が挙げられる
尚、R21、R22は2−ヒドロキシフェニルメチル基であることはなく、同時に水素原子であることもない。
R23は、水素原子またはアルキル基を表し、その中でも、水素原子または炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、水素原子または無置換の炭素数1〜24のアルキル基がより好ましい。該アルキル基の説明はR22と同様である。具体的にはメチル基、イソプロピル基、t−ブチル基が挙げられる。
R22、R23はいずれか一方は水素原子であることが好ましい。
R22、R23はいずれか一方は水素原子であることが好ましい。
R24はベンゼン環に置換可能な基を表し、一般式(R)の化合物のR12およびR12'で説明したのと同様の基である。R24として好ましいのは置換または無置換の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のオキシカルボニル基であり、炭素数1〜24のアルキル基がより好ましい。アルキル基の置換基としてはアリール基、アミノ基、アルコキシ基、オキシカルボニル基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、イミド基、ウレイド基などがあげられ、アリール基、アミノ基、オキシカルボニル基、アルコキシ基がより好ましい。
一般式(P)の化合物でさらに好ましい構造は、下記一般式(P−2)で表される。
式中、R31、R32、R33およびR34は各々独立に水素原子、置換または無置換の炭素数1〜20のアルキル基である。R31とR32、R33とR34が同時に水素原子であることはない。R31、R32、R33及びR34は、各々独立に炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。アルキル基の置換基は特に限定されることはないが、好ましくは、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、アシル基、カルバモイル基、エステル基、ハロゲン原子等があげられる。この中でもイソプロピル基よりも立体的に大きな基(例えば、イソプロピル基、イソノニル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、1−メチルーシクロヘキシル基、アダマンチル基など)が少なくともひとつあることが好ましく、さらに好ましくは2つ以上あることである。イソプロピル基よりも立体的に大きな3級アルキル基であるt−ブチル、t−オクチル、t−アミル基などが特に好ましい。
Lは好ましくは−CHR13−基である。
R13として好ましくは水素原子又は炭素数1〜15のアルキル基であり、該アルキル基としては鎖状のアルキル基の他、環状のアルキル基も好ましく用いられる。また、これらのアルキル基の中にC=C結合を有しているものも好ましく用いることができる。アルキル基としては例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、シクロヘキシル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基、3,5−ジメチル−3−シクロヘキセニル基等が好ましい。R13として特に好ましいのは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基である。
R13として好ましくは水素原子又は炭素数1〜15のアルキル基であり、該アルキル基としては鎖状のアルキル基の他、環状のアルキル基も好ましく用いられる。また、これらのアルキル基の中にC=C結合を有しているものも好ましく用いることができる。アルキル基としては例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、シクロヘキシル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基、3,5−ジメチル−3−シクロヘキセニル基等が好ましい。R13として特に好ましいのは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基である。
R11、R11’が3級のアルキル基でR12、R12’がメチル基の場合、R13は炭素数1〜8の1級又は2級のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基等)が好ましい。
R11、R11’が3級のアルキル基でR12、R12’がメチル基以外のアルキル基の場合、R13は水素原子が好ましい。
R11、R11’が3級のアルキル基でない場合、R13は水素原子又は2級のアルキル基であることが好ましく、2級のアルキル基であることが特に好ましい。R13の2級アルキル基として好ましい基はイソプロピル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基である。
R11、R11’が3級のアルキル基でR12、R12’がメチル基以外のアルキル基の場合、R13は水素原子が好ましい。
R11、R11’が3級のアルキル基でない場合、R13は水素原子又は2級のアルキル基であることが好ましく、2級のアルキル基であることが特に好ましい。R13の2級アルキル基として好ましい基はイソプロピル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基である。
以下に本発明における一般式(P)、および一般式(P−2)で表される化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
2)カプラ−類
もう一つの色調調整剤は、熱現像の還元剤の酸化生成物とカップリングして発色するカプラ−類である。これらのカプラ−類は、特開2002−311533号、同2002−328444号、同2002−318432号、同2002−221768、同2002−287296、同2002−296731に記載されている。還元剤とカプラ−の組合せによって所望の発色を得ることができる。
もう一つの色調調整剤は、熱現像の還元剤の酸化生成物とカップリングして発色するカプラ−類である。これらのカプラ−類は、特開2002−311533号、同2002−328444号、同2002−318432号、同2002−221768、同2002−287296、同2002−296731に記載されている。還元剤とカプラ−の組合せによって所望の発色を得ることができる。
色調調整剤は、溶液形態、乳化分散形態、固体微粒子分散物形態など、いかなる方法で塗布液に含有せしめ、感光材料に含有させてもよい。
乳化分散法としては、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製する方法が挙げられる。
固体微粒子分散法としては、化合物の粉末を水等の適当な溶媒中にボールミル、コロイドミル、振動ボールミル、サンドミル、ジェットミル、ローラーミルあるいは超音波によって分散し、固体分散物を作成する方法が挙げられる。尚、その際に保護コロイド(例えば、ポリビニルアルコール)、界面活性剤(例えばトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム(3つのイソプロピル基の置換位置が異なるものの混合物)などのアニオン性界面活性剤)を用いてもよい。水分散物には防腐剤(例えばベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩)を含有させることができる。
固体微粒子分散法としては、化合物の粉末を水等の適当な溶媒中にボールミル、コロイドミル、振動ボールミル、サンドミル、ジェットミル、ローラーミルあるいは超音波によって分散し、固体分散物を作成する方法が挙げられる。尚、その際に保護コロイド(例えば、ポリビニルアルコール)、界面活性剤(例えばトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム(3つのイソプロピル基の置換位置が異なるものの混合物)などのアニオン性界面活性剤)を用いてもよい。水分散物には防腐剤(例えばベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩)を含有させることができる。
色調調整剤は、有機銀塩を含有する画像形成層に含有させることが好ましいが、一方を画像形成層に他方をその隣接層する非画像形成層に含有させてもよく、両者を非画像形成層に含有させてもよい。また、画像形成層が複数層で構成されている場合にそれぞれ別層に含有させてもよい。
一般式(R)で表される還元剤に対すると色調調整剤の添加量比(モル比率)は、0.001〜0.2の範囲であることが好ましく、0.005〜0.1の範囲であることがより好ましく、0.008〜0.05の範囲であることがさらに好ましい。
4)可塑剤
本発明においては膜物理性を改良するために公知の可塑剤を使用することができる。画像形成層及び非感光層に用いることのできる可塑剤については特開平11−65021号段落番号0117、特開2000−5137号、特願2003−8015号、特願2003−8071号、特願2003−132815号に記載されている化合物が好ましい。
本発明においては膜物理性を改良するために公知の可塑剤を使用することができる。画像形成層及び非感光層に用いることのできる可塑剤については特開平11−65021号段落番号0117、特開2000−5137号、特願2003−8015号、特願2003−8071号、特願2003−132815号に記載されている化合物が好ましい。
5)染料、顔料
本発明における画像形成層には、色調改良、レーザー露光時の干渉縞発生防止、イラジエーション防止の観点から各種染料や顔料(例えばC.I.Pigment Blue 60、C.I.Pigment Blue 64、C.I.Pigment Blue 15:6)を用いることができる。これらについてはWO98/36322号、特開平10−268465号、同11−338098号等に詳細に記載されている。
本発明における画像形成層には、色調改良、レーザー露光時の干渉縞発生防止、イラジエーション防止の観点から各種染料や顔料(例えばC.I.Pigment Blue 60、C.I.Pigment Blue 64、C.I.Pigment Blue 15:6)を用いることができる。これらについてはWO98/36322号、特開平10−268465号、同11−338098号等に詳細に記載されている。
5)超硬調化剤
印刷製版用途に適した超硬調画像形成のためには、画像形成層に超硬調化剤を添加することが好ましい。超硬調化剤やその添加方法及び添加量については、特開11−65021号公報段落番号0118、特開平11−223898号公報段落番号0136〜0193、特開2000−284399号明細書の式(H)、式(1)〜(3)、式(A)、(B)の化合物、特願平11−91652号明細書記載の一般式(III)〜(V)の化合物(具体的化合物:化21〜化24)、硬調化促進剤については特開平11−65021号公報段落番号0102、特開平11−223898号公報段落番号0194〜0195に記載されている。
印刷製版用途に適した超硬調画像形成のためには、画像形成層に超硬調化剤を添加することが好ましい。超硬調化剤やその添加方法及び添加量については、特開11−65021号公報段落番号0118、特開平11−223898号公報段落番号0136〜0193、特開2000−284399号明細書の式(H)、式(1)〜(3)、式(A)、(B)の化合物、特願平11−91652号明細書記載の一般式(III)〜(V)の化合物(具体的化合物:化21〜化24)、硬調化促進剤については特開平11−65021号公報段落番号0102、特開平11−223898号公報段落番号0194〜0195に記載されている。
蟻酸や蟻酸塩を強いかぶらせ物質として用いるには、感光性ハロゲン化銀を含有する画像形成層を有する側に銀1モル当たり5ミリモル以下、さらには1ミリモル以下で含有することが好ましい。
本発明の熱現像感光材料で超硬調化剤を用いる場合には五酸化二リンが水和してできる酸又はその塩を併用して用いることが好ましい。五酸化二リンが水和してできる酸又はその塩としては、メタリン酸(塩)、ピロリン酸(塩)、オルトリン酸(塩)、三リン酸(塩)、四リン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)などを挙げることができる。特に好ましく用いられる五酸化二リンが水和してできる酸又はその塩としては、オルトリン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)を挙げることができる。具体的な塩としてはオルトリン酸ナトリウム、オルトリン酸二水素ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸アンモニウムなどがある。
五酸化二リンが水和してできる酸又はその塩の使用量(感光材料1m2あたりの塗布量)は感度やカブリなどの性能に合わせて所望の量でよいが、0.1mg/m2以上500mg/m2以下が好ましく、0.5mg/m2以上100mg/m2以下がより好ましい。
五酸化二リンが水和してできる酸又はその塩の使用量(感光材料1m2あたりの塗布量)は感度やカブリなどの性能に合わせて所望の量でよいが、0.1mg/m2以上500mg/m2以下が好ましく、0.5mg/m2以上100mg/m2以下がより好ましい。
(塗布液の調製及び塗布)
本発明における画像形成層塗布液の調製温度は、30℃以上65℃以下が好ましく、さらに好ましい温度は35℃以上60℃未満、より好ましい温度は35℃以上55℃以下である。また、ポリマーラテックス添加直後の画像形成層塗布液の温度が30℃以上65℃以下で維持されることが好ましい。
本発明における画像形成層塗布液の調製温度は、30℃以上65℃以下が好ましく、さらに好ましい温度は35℃以上60℃未満、より好ましい温度は35℃以上55℃以下である。また、ポリマーラテックス添加直後の画像形成層塗布液の温度が30℃以上65℃以下で維持されることが好ましい。
(6)その他の層構成及び構成成分
1)アンチハレーション層
本発明の熱現像感光材料においては、アンチハレーション層を画像形成層に対して光源から遠い側に設けることができる。
1)アンチハレーション層
本発明の熱現像感光材料においては、アンチハレーション層を画像形成層に対して光源から遠い側に設けることができる。
アンチハレーション層については特開平11−65021号段落番号0123〜0124、特開平11−223898号、同9−230531号、同10−36695号、同10−104779号、同11−231457号、同11−352625号、同11−352626号等に記載されている。
アンチハレーション層には、露光波長に吸収を有するアンチハレーション染料を含有する。露光波長が赤外域にある場合には赤外線吸収染料を用いればよく、その場合には可視域に吸収を有しない染料が好ましい。
可視域に吸収を有する染料を用いてハレーション防止を行う場合には、画像形成後には染料の色が実質的に残らないようにすることが好ましく、熱現像の熱により消色する手段を用いることが好ましく、特に非感光性層に熱消色染料と塩基プレカーサーとを添加してアンチハレーション層として機能させることが好ましい。これらの技術については特開平11−231457号等に記載されている。
アンチハレーション層には、露光波長に吸収を有するアンチハレーション染料を含有する。露光波長が赤外域にある場合には赤外線吸収染料を用いればよく、その場合には可視域に吸収を有しない染料が好ましい。
可視域に吸収を有する染料を用いてハレーション防止を行う場合には、画像形成後には染料の色が実質的に残らないようにすることが好ましく、熱現像の熱により消色する手段を用いることが好ましく、特に非感光性層に熱消色染料と塩基プレカーサーとを添加してアンチハレーション層として機能させることが好ましい。これらの技術については特開平11−231457号等に記載されている。
消色染料の添加量は、染料の用途により決定する。一般には、目的とする波長で測定したときの光学濃度(吸光度)が0.1を越える量で使用する。光学濃度は、0.15〜2であることが好ましく0.2〜1であることがより好ましい。このような光学濃度を得るための染料の使用量は、一般に0.001g/m2以上1g/m2以下程度である。
なお、このように染料を消色すると、熱現像後の光学濃度を0.1以下に低下させることができる。二種類以上の消色染料を、熱消色型記録材料や熱現像感光材料において併用してもよい。同様に、二種類以上の塩基プレカーサーを併用してもよい。
このような消色染料と塩基プレカーサーを用いる熱消色においては、特開平11−352626号に記載のような塩基プレカーサーと混合すると融点を3℃(deg)以上降下させる物質(例えば、ジフェニルスルホン、4−クロロフェニル(フェニル)スルホン)、2−ナフチルベンゾエート等を併用することが熱消色性等の点で好ましい。
このような消色染料と塩基プレカーサーを用いる熱消色においては、特開平11−352626号に記載のような塩基プレカーサーと混合すると融点を3℃(deg)以上降下させる物質(例えば、ジフェニルスルホン、4−クロロフェニル(フェニル)スルホン)、2−ナフチルベンゾエート等を併用することが熱消色性等の点で好ましい。
2)バック層
本発明に適用することのできるバック層については特開平11−65021号段落番号0128〜0130に記載されている。
本発明に適用することのできるバック層については特開平11−65021号段落番号0128〜0130に記載されている。
本発明においては、銀色調、画像の経時変化を改良する目的で300〜450nmに吸収極大を有する着色剤を添加することができる。このような着色剤は、特開昭62−210458号、同63−104046号、同63−103235号、同63−208846号、同63−306436号、同63−314535号、特開平01−61745号、特開平2001−100363などに記載されている。
本発明における熱現像感光材料は、支持体の一方の側に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤を含む画像形成層を有し、他方の側にバック層を有する、いわゆる片面感光材料であることが好ましい。
3)膜面pH
本発明の熱現像感光材料は、熱現像処理前の膜面pHが7.0以下であることが好ましく、さらに好ましくは6.6以下である。その下限には特に制限はないが、3程度である。最も好ましいpH範囲は4〜6.2の範囲である。膜面pHの調節はフタル酸誘導体などの有機酸や硫酸などの不揮発性の酸、アンモニアなどの揮発性の塩基を用いることが、膜面pHを低減させるという観点から好ましい。特にアンモニアは揮発しやすく、塗布する工程や熱現像される前に除去できることから低膜面pHを達成する上で好ましい。
また、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、水酸化リチウム等の不揮発性の塩基とアンモニアを併用することも好ましく用いられる。なお、膜面pHの測定方法は、特開2000−284399号明細書の段落番号0123に記載されている。
本発明の熱現像感光材料は、熱現像処理前の膜面pHが7.0以下であることが好ましく、さらに好ましくは6.6以下である。その下限には特に制限はないが、3程度である。最も好ましいpH範囲は4〜6.2の範囲である。膜面pHの調節はフタル酸誘導体などの有機酸や硫酸などの不揮発性の酸、アンモニアなどの揮発性の塩基を用いることが、膜面pHを低減させるという観点から好ましい。特にアンモニアは揮発しやすく、塗布する工程や熱現像される前に除去できることから低膜面pHを達成する上で好ましい。
また、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、水酸化リチウム等の不揮発性の塩基とアンモニアを併用することも好ましく用いられる。なお、膜面pHの測定方法は、特開2000−284399号明細書の段落番号0123に記載されている。
4)硬膜剤
本発明における画像形成層、保護層、バック層など各層には、硬膜剤を用いても良い。硬膜剤の例としてはT.H.James著「THE THEORY OF THE PHOTOGRAPHIC PROCESS FOURTH EDITION」(Macmillan Publishing Co., Inc.刊、1977年刊)77頁から87頁に記載の各方法があり、クロムみょうばん、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩、N,N−エチレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)、N,N−プロピレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)の他、同書78頁など記載の多価金属イオン、米国特許4,281,060号、特開平6−208193号などのポリイソシアネート類、米国特許4,791,042号などのエポキシ化合物類、特開昭62−89048号などのビニルスルホン系化合物類が好ましく用いられる。
本発明における画像形成層、保護層、バック層など各層には、硬膜剤を用いても良い。硬膜剤の例としてはT.H.James著「THE THEORY OF THE PHOTOGRAPHIC PROCESS FOURTH EDITION」(Macmillan Publishing Co., Inc.刊、1977年刊)77頁から87頁に記載の各方法があり、クロムみょうばん、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩、N,N−エチレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)、N,N−プロピレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)の他、同書78頁など記載の多価金属イオン、米国特許4,281,060号、特開平6−208193号などのポリイソシアネート類、米国特許4,791,042号などのエポキシ化合物類、特開昭62−89048号などのビニルスルホン系化合物類が好ましく用いられる。
硬膜剤は溶液として添加され、この溶液の保護層塗布液中への添加時期は、塗布する180分前から直前、好ましくは60分前から10秒前であるが、混合方法及び混合条件については本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。具体的な混合方法としては添加流量とコーターへの送液量から計算した平均滞留時間を所望の時間となるようにしたタンクでの混合する方法やN.Harnby、M.F.Edwards、A.W.Nienow著、高橋幸司訳「液体混合技術」(日刊工業新聞社刊、1989年)の第8章等に記載されているスタチックミキサーなどを使用する方法がある。
5)帯電防止剤
本発明においては金属酸化物あるいは導電性ポリマーを含む導電層を有することが好ましい。帯電防止層は下塗り層、バック層表面保護層などと兼ねてもよく、また別途設けてもよい。
導電性高分子化合物としては、例えばポリビニルベンゼンスルホン酸塩類、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、米国特許第4,108,802号、同4,118,231号、同4,126,467号、同4,137,217号に記載の4級塩ポリマー類、米国特許第4,070,189号、OLS2,830,767号、特開昭61−296352号、同61−62033号等に記載のポリマーラテックスを使用することができる。
しかしながら、本発明の導電性層としては、感光材料の側面抵抗値を十分に下げることができるという点において、導電性の金属酸化物を含有することが最も好ましい。
金属酸化物の例としてはZnO、TiO2、SnO2が好ましく、ZnOに対してはAl、Inの添加、SnO2に対してはSb、Nb、P、ハロゲン元素等の添加、TiO2に対してはNb、Ta等の添加が好ましい。特にSbを添加したSnO2が好ましい。異種原子の添加量は0.01〜30mol%の範囲が好ましく、0.1から10mol%の範囲がより好ましい。金属酸化物の形状は球状、針状、板状いずれでもよいが、導電性付与の効果の点で長軸/単軸比が2.0以上、好ましくは3.0〜50の針状粒子がよい。金属酸化物の使用量は好ましくは1mg/m2〜1000mg/m2の範囲で、より好ましくは10mg/m2〜500mg/m2の範囲、さらに好ましくは20mg/m2〜200mg/m2の範囲である。本発明における帯電防止層は、乳剤面側、バック面側のいずれに設置してもよいが、支持体とバック層との間に設置することが好ましい。帯電防止層の具体例は特開平11−65021号段落番号0135、特開昭56−143430号、同56−143431号、同58−62646号、同56−120519号、特開平11−84573号の段落番号0040〜0051、米国特許第5,575,957号、特開平11−223898号の段落番号0078〜0084に記載されている。
本発明においては金属酸化物あるいは導電性ポリマーを含む導電層を有することが好ましい。帯電防止層は下塗り層、バック層表面保護層などと兼ねてもよく、また別途設けてもよい。
導電性高分子化合物としては、例えばポリビニルベンゼンスルホン酸塩類、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、米国特許第4,108,802号、同4,118,231号、同4,126,467号、同4,137,217号に記載の4級塩ポリマー類、米国特許第4,070,189号、OLS2,830,767号、特開昭61−296352号、同61−62033号等に記載のポリマーラテックスを使用することができる。
しかしながら、本発明の導電性層としては、感光材料の側面抵抗値を十分に下げることができるという点において、導電性の金属酸化物を含有することが最も好ましい。
金属酸化物の例としてはZnO、TiO2、SnO2が好ましく、ZnOに対してはAl、Inの添加、SnO2に対してはSb、Nb、P、ハロゲン元素等の添加、TiO2に対してはNb、Ta等の添加が好ましい。特にSbを添加したSnO2が好ましい。異種原子の添加量は0.01〜30mol%の範囲が好ましく、0.1から10mol%の範囲がより好ましい。金属酸化物の形状は球状、針状、板状いずれでもよいが、導電性付与の効果の点で長軸/単軸比が2.0以上、好ましくは3.0〜50の針状粒子がよい。金属酸化物の使用量は好ましくは1mg/m2〜1000mg/m2の範囲で、より好ましくは10mg/m2〜500mg/m2の範囲、さらに好ましくは20mg/m2〜200mg/m2の範囲である。本発明における帯電防止層は、乳剤面側、バック面側のいずれに設置してもよいが、支持体とバック層との間に設置することが好ましい。帯電防止層の具体例は特開平11−65021号段落番号0135、特開昭56−143430号、同56−143431号、同58−62646号、同56−120519号、特開平11−84573号の段落番号0040〜0051、米国特許第5,575,957号、特開平11−223898号の段落番号0078〜0084に記載されている。
6)支持体
透明支持体は二軸延伸時にフィルム中に残存する内部歪みを緩和させ、熱現像処理中に発生する熱収縮歪みをなくすために、130〜185℃の温度範囲で熱処理を施したポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。医療用の熱現像感光材料の場合、透明支持体は青色染料(例えば、特開平8−240877号実施例記載の染料−1)で着色されていてもよいし、無着色でもよい。支持体には、特開平11−84574号の水溶性ポリエステル、同10−186565号のスチレンブタジエン共重合体、特開2000−39684号や特願平11−106881号段落番号0063〜0080の塩化ビニリデン共重合体などの下塗り技術を適用することが好ましい。支持体に画像形成層若しくはバック層を塗布するときの、支持体の含水率は0.5質量%以下であることが好ましい。
透明支持体は二軸延伸時にフィルム中に残存する内部歪みを緩和させ、熱現像処理中に発生する熱収縮歪みをなくすために、130〜185℃の温度範囲で熱処理を施したポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。医療用の熱現像感光材料の場合、透明支持体は青色染料(例えば、特開平8−240877号実施例記載の染料−1)で着色されていてもよいし、無着色でもよい。支持体には、特開平11−84574号の水溶性ポリエステル、同10−186565号のスチレンブタジエン共重合体、特開2000−39684号や特願平11−106881号段落番号0063〜0080の塩化ビニリデン共重合体などの下塗り技術を適用することが好ましい。支持体に画像形成層若しくはバック層を塗布するときの、支持体の含水率は0.5質量%以下であることが好ましい。
7)その他の添加剤
熱現像感光材料には、さらに、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤あるいは被覆助剤を添加してもよい。各種の添加剤は、画像形成層あるいは非感光性層のいずれかに添加する。それらについてWO98/36322号、EP803764A1号、特開平10−186567号、同10−18568号等を参考にすることができる。
熱現像感光材料には、さらに、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤あるいは被覆助剤を添加してもよい。各種の添加剤は、画像形成層あるいは非感光性層のいずれかに添加する。それらについてWO98/36322号、EP803764A1号、特開平10−186567号、同10−18568号等を参考にすることができる。
8)塗布方式
本発明における熱現像感光材料はいかなる方法で塗布されても良い。具体的には、エクストルージョンコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、浸漬コーティング、ナイフコーティング、フローコーティング、又は米国特許第2,681,294号に記載の種類のホッパーを用いる押出コーティングを含む種々のコーティング操作が用いられ、Stephen F. Kistler、Petert M. Schweizer著「LIQUID FILM COATING」(CHAPMAN & HALL社刊、1997年)399頁から536頁記載のエクストルージョンコーティング、又はスライドコーティングが好ましく用いられ、特に好ましくはスライドコーティングが用いられる。スライドコーティングに使用されるスライドコーターの形状の例は同書427頁のFigure 11b.1にある。また、所望により同書399頁から536頁記載の方法、米国特許第2,761,791号及び英国特許第837,095号に記載の方法により2層又はそれ以上の層を同時に被覆することができる。本発明において特に好ましい塗布方法は特開2001−194748号、同2002−153808号、同2002−153803号、同2002−182333号に記載された方法である。
本発明における熱現像感光材料はいかなる方法で塗布されても良い。具体的には、エクストルージョンコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、浸漬コーティング、ナイフコーティング、フローコーティング、又は米国特許第2,681,294号に記載の種類のホッパーを用いる押出コーティングを含む種々のコーティング操作が用いられ、Stephen F. Kistler、Petert M. Schweizer著「LIQUID FILM COATING」(CHAPMAN & HALL社刊、1997年)399頁から536頁記載のエクストルージョンコーティング、又はスライドコーティングが好ましく用いられ、特に好ましくはスライドコーティングが用いられる。スライドコーティングに使用されるスライドコーターの形状の例は同書427頁のFigure 11b.1にある。また、所望により同書399頁から536頁記載の方法、米国特許第2,761,791号及び英国特許第837,095号に記載の方法により2層又はそれ以上の層を同時に被覆することができる。本発明において特に好ましい塗布方法は特開2001−194748号、同2002−153808号、同2002−153803号、同2002−182333号に記載された方法である。
本発明における画像形成層塗布液は、いわゆるチキソトロピー流体であることが好ましい。この技術については特開平11−52509号を参考にすることができる。本発明における画像形成層塗布液は剪断速度0.1S-1における粘度は400mPa・s以上100,000mPa・s以下が好ましく、さらに好ましくは500mPa・s以上20,000mPa・s以下である。また、剪断速度1000S-1においては1mPa・s以上200mPa・s以下が好ましく、さらに好ましくは5mPa・s以上80mPa・s以下である。
塗布液を調合する場合において2種の液を混合する際は公知のインライン混合機、インプラント混合機が好ましく用いられる。本発明における好ましいインライン混合機は、特開2002−85948号に、インプラント混合機は特開2002−90940号に記載されている。
本発明における塗布液は塗布面状を良好に保つため脱泡処理をすることが好ましい。本発明における好ましい脱泡処理方法については特開2002−66431号に記載された方法である。
塗布液を塗布する際には支持体の耐電による塵、ほこり等の付着を防止するために除電を行うことが好ましい。本発明において好ましい除電方法の例は特開2002−143747に記載されている。
本発明においては非セット性の画像形成層塗布液を乾燥するため乾燥風、乾燥温度を精密にコントロールすることが重要である。本発明における好ましい乾燥方法は特開2001−194749号、同2002−139814号に詳しく記載されている。
本発明の熱現像感光材料は成膜性を向上させるために塗布、乾燥直後に加熱処理をすることが好ましい。加熱処理の温度は膜面温度で60℃〜100℃の範囲が好ましく、加熱時間は1秒〜60秒の範囲が好ましい。より好ましい範囲は膜面温度が70〜90℃、加熱時間が2〜10秒の範囲である。本発明における好ましい加熱処理の方法は特開2002−107872号に記載されている。
また、本発明の熱現像感光材料を安定して連続製造するためには特開2002−156728号、同2002−182333号に記載の製造方法が好ましく用いられる。
本発明における塗布液は塗布面状を良好に保つため脱泡処理をすることが好ましい。本発明における好ましい脱泡処理方法については特開2002−66431号に記載された方法である。
塗布液を塗布する際には支持体の耐電による塵、ほこり等の付着を防止するために除電を行うことが好ましい。本発明において好ましい除電方法の例は特開2002−143747に記載されている。
本発明においては非セット性の画像形成層塗布液を乾燥するため乾燥風、乾燥温度を精密にコントロールすることが重要である。本発明における好ましい乾燥方法は特開2001−194749号、同2002−139814号に詳しく記載されている。
本発明の熱現像感光材料は成膜性を向上させるために塗布、乾燥直後に加熱処理をすることが好ましい。加熱処理の温度は膜面温度で60℃〜100℃の範囲が好ましく、加熱時間は1秒〜60秒の範囲が好ましい。より好ましい範囲は膜面温度が70〜90℃、加熱時間が2〜10秒の範囲である。本発明における好ましい加熱処理の方法は特開2002−107872号に記載されている。
また、本発明の熱現像感光材料を安定して連続製造するためには特開2002−156728号、同2002−182333号に記載の製造方法が好ましく用いられる。
熱現像感光材料は、モノシート型(受像材料のような他のシートを使用せずに、熱現像感光材料上に画像を形成できる型)であることが好ましい。
9)包装材料
本発明の感光材料は生保存時の写真性能の変動を押えるため、若しくはカール、巻癖などを改良するために、酸素透過率及び/又は水分透過率の低い包装材料で包装することが好ましい。酸素透過率は25℃で50ml/atm・m2・day以下であることが好ましく、より好ましくは10ml/atm・m2・day以下、さらに好ましくは1.0ml/atm・m2・day以下である。水分透過率は10g/atm・m2・day以下であることが好ましく、より好ましくは5g/atm・m2・day以下、さらに好ましくは1g/atm・m2・day以下である。
該酸素透過率及び/又は水分透過率の低い包装材料の具体例としては、たとえば特開平8−254793号。特開2000−206653号明細書に記載されている包装材料である。
本発明の感光材料は生保存時の写真性能の変動を押えるため、若しくはカール、巻癖などを改良するために、酸素透過率及び/又は水分透過率の低い包装材料で包装することが好ましい。酸素透過率は25℃で50ml/atm・m2・day以下であることが好ましく、より好ましくは10ml/atm・m2・day以下、さらに好ましくは1.0ml/atm・m2・day以下である。水分透過率は10g/atm・m2・day以下であることが好ましく、より好ましくは5g/atm・m2・day以下、さらに好ましくは1g/atm・m2・day以下である。
該酸素透過率及び/又は水分透過率の低い包装材料の具体例としては、たとえば特開平8−254793号。特開2000−206653号明細書に記載されている包装材料である。
本発明では、シート状記録材料を所定のサイズに裁断する裁断工程、裁断したシート状記録材料を包装材料内に入れて包装する包装工程を、クリーン度が米国連邦基準209dクラス10,000以下の環境において行うことが好ましい。また、包装工程前に包装材料をクリーニングしておけば、より効果を発揮することができる。
裁断工程におけるクリーン度が米国連邦基準209dに準じた計測方法でクラス7,000以下であることが好ましく、4,000以下であることがより好ましく、1,000以下であることがさらにより好ましく、500以下であることが特に好ましい。包装工程におけるクリーン度は米国連邦基準209dに準じた計測方法でクラス7,000以下であることが好ましく、4,000以下であることがより好ましく、1,000以下であることがさらにより好ましく、500以下であることが特に好ましい。
本発明にしたがって、裁断工程および/または前記包装工程のクリーン度を米国連邦基準209dクラス10,000以下の環境において行うことによって、シート状記録材料に画像記録を行ったときに画像欠陥を生じる危険性を大幅に抑えることができる。具体的には、シート状記録材料に画像記録を行ったときに、白ヌケやスリキズの発生を極力抑えることができる。
本発明において、シート状記録材料を包装するために用いる包装材料は、粉塵を発生しにくいものの中から選択することが好ましい。特に、包装材料に由来する粉塵によってクリーン度が米国連邦基準209dクラス10,000以下の環境が維持できなくなる場合は、そのような包装材料を選択しないことが好ましい。
10)その他の利用できる技術
本発明の熱現像感光材料に用いることのできる技術としては、EP803764A1号、EP883022A1号、WO98/36322号、特開昭56−62648号、同58−62644号、特開平9−43766、同9−281637、同9−297367号、同9−304869号、同9−311405号、同9−329865号、同10−10669号、同10−62899号、同10−69023号、同10−186568号、同10−90823号、同10−171063号、同10−186565号、同10−186567号、同10−186569号〜同10−186572号、同10−197974号、同10−197982号、同10−197983号、同10−197985号〜同10−197987号、同10−207001号、同10−207004号、同10−221807号、同10−282601号、同10−288823号、同10−288824号、同10−307365号、同10−312038号、同10−339934号、同11−7100号、同11−15105号、同11−24200号、同11−24201号、同11−30832号、同11−84574号、同11−65021号、同11−109547号、同11−125880号、同11−129629号、同11−133536号〜同11−133539号、同11−133542号、同11−133543号、同11−223898号、同11−352627号、同11−305377号、同11−305378号、同11−305384号、同11−305380号、同11−316435号、同11−327076号、同11−338096号、同11−338098号、同11−338099号、同11−343420号、同2001−200414号、同2001−234635号、同2002−020699号、同2001−275471号、同2001−275461号、同2000−313204号、同2001−292844号、同2000−324888号、同2001−293864号、同2001−348546号同2000−187298号も挙げられる。
本発明の熱現像感光材料に用いることのできる技術としては、EP803764A1号、EP883022A1号、WO98/36322号、特開昭56−62648号、同58−62644号、特開平9−43766、同9−281637、同9−297367号、同9−304869号、同9−311405号、同9−329865号、同10−10669号、同10−62899号、同10−69023号、同10−186568号、同10−90823号、同10−171063号、同10−186565号、同10−186567号、同10−186569号〜同10−186572号、同10−197974号、同10−197982号、同10−197983号、同10−197985号〜同10−197987号、同10−207001号、同10−207004号、同10−221807号、同10−282601号、同10−288823号、同10−288824号、同10−307365号、同10−312038号、同10−339934号、同11−7100号、同11−15105号、同11−24200号、同11−24201号、同11−30832号、同11−84574号、同11−65021号、同11−109547号、同11−125880号、同11−129629号、同11−133536号〜同11−133539号、同11−133542号、同11−133543号、同11−223898号、同11−352627号、同11−305377号、同11−305378号、同11−305384号、同11−305380号、同11−316435号、同11−327076号、同11−338096号、同11−338098号、同11−338099号、同11−343420号、同2001−200414号、同2001−234635号、同2002−020699号、同2001−275471号、同2001−275461号、同2000−313204号、同2001−292844号、同2000−324888号、同2001−293864号、同2001−348546号同2000−187298号も挙げられる。
多色カラー熱現像感光材料の場合、各画像形成層は、一般に、米国特許第4,460,681号に記載されているように、各感光性層の間に官能性若しくは非官能性のバリアー層を使用することにより、互いに区別されて保持される。
多色カラー熱現像感光材料の場合の構成は、各色についてこれらの二層の組合せを含んでよく、また、米国特許第4,708,928号に記載されているように単一層内に全ての成分を含んでいてもよい。
多色カラー熱現像感光材料の場合の構成は、各色についてこれらの二層の組合せを含んでよく、また、米国特許第4,708,928号に記載されているように単一層内に全ての成分を含んでいてもよい。
3.画像形成方法
1)露光
本発明の熱現像感光材料は、X線により画像を形成する。X線により画像形成する方法は、以下の工程を含む。
(1)両面に画像形成層がある熱現像感光材料の場合は、1対のX線増感スクリーンの間、片面のみに画像形成層がある熱現像感光材料の場合は、画像形成層のある側と、1枚のX線増感スクリーンとコンタクトさせて設置することにより像形成用組立体を得る工程、
(2)像形成組立体とX線源との間に被検体を配置する工程、
(3)被検体にエネルギーレベルが25kVp〜125kVpの範囲にあるX線を照射する工程、
(4)熱現像感光材料を該組立体から取り出す工程、
(5)取り出した熱現像感光材料を90℃以上180℃以下の範囲の温度で加熱する工程。
1)露光
本発明の熱現像感光材料は、X線により画像を形成する。X線により画像形成する方法は、以下の工程を含む。
(1)両面に画像形成層がある熱現像感光材料の場合は、1対のX線増感スクリーンの間、片面のみに画像形成層がある熱現像感光材料の場合は、画像形成層のある側と、1枚のX線増感スクリーンとコンタクトさせて設置することにより像形成用組立体を得る工程、
(2)像形成組立体とX線源との間に被検体を配置する工程、
(3)被検体にエネルギーレベルが25kVp〜125kVpの範囲にあるX線を照射する工程、
(4)熱現像感光材料を該組立体から取り出す工程、
(5)取り出した熱現像感光材料を90℃以上180℃以下の範囲の温度で加熱する工程。
組立体において使用する熱現像感光材料は、X線によって階段露光し、熱現像して得られる画像が、光学濃度(D)及び露光量(logE)の座標軸単位長の等しい直交座標上の特性曲線において、最小濃度(Dmin)+濃度0.1の点と最小濃度(Dmin)+濃度0.5の点とで作る平均ガンマ(γ)が0.5〜0.9であり、そして最小濃度(Dmin)+濃度1.2の点と最小濃度(Dmin)+濃度1.6の点とで作る平均ガンマ(γ)が3.2〜4.0である特性曲線を有するように調製されていることが好ましい。X線撮影系において、このような特性曲線を有する熱現像感光材料を用いると、特性曲線の脚部が非常に延びていて、かつ中濃度部ではガンマの高いといった優れた写真特性のX線画像が得られる。この写真特性により、X線透過量の少ない縦隔部、心陰影等の低濃度域の描写性が良好になり、かつX線透過量の多い肺野部の画像においても視覚し易い濃度となり、またコントラストも良好になるとの利点がある。
上記のような好ましい特性曲線を有する熱現像感光材料は、たとえば、両側の画像形成層のそれぞれを、互いに異なった感度を持つ二層以上の感光性ハロゲン化銀乳剤層から構成するような方法で容易に製造することができる。特に、上層には高感度の乳剤を用い、下層には低感度で硬調な写真特性を有する乳剤を用いて、画像形成層を形成することが好ましい。このような二層からなる画像形成層を用いる場合における各層間の感光性ハロゲン化銀乳剤の感度差は1.5倍以上20倍以下、好ましくは2倍以上15倍以下である。なお、それぞれの層の形成に用いられる乳剤の量の比率は、用いられる乳剤の感度差及びカバリングパワーにより異なる。一般には、感度差が大きい程、高感度側の乳剤の使用比率を下げる。たとえば、感度差が2倍であるときの好ましい各乳剤の使用比率は、カバリングパワーがほぼ等しい場合には、銀量換算で、高感度乳剤対低感度乳剤として1:20以上1:50以下の範囲の値となるように調整される。
クロスオーバーカット(両面感光材料)とアンチハレーション(片面感光材料)の技術としては、特開平2−68539号公報、第13頁左下欄1行目から同第14頁左下欄9行目に記載の染料若しくは染料と媒染剤を用いることができる。
X線増感スクリーンは、基本構造として、支持体と、その片面に形成された蛍光体層とを有する。蛍光体層は、蛍光体が結合剤(バインダ)中に分散されてなる層である。なお、この蛍光体層の支持体とは反対側の表面(支持体に面していない側の表面)には一般に、透明な保護膜が設けられ、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から保護している。
本発明において、好ましい蛍光体としては、以下に示すものが挙げられる。タングステン酸塩系蛍光体(CaWO4、MgWO4、CaWO4:Pb等)、テルビウム賦活希土類酸硫化物系蛍光体〔Y2O2S:Tb、Gd2O2S:Tb、La2O2S:Tb、(Y,Gd)2O2S:Tb、(Y,Gd)O2S:Tb,Tm等〕、テルビウム賦活希土類燐酸塩系蛍光体(YPO4:Tb、GdPO4:Tb、LaPO4:Tb等)、テルビウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体(LaOBr:Tb、LaOBr:Tb,Tm、LaOCl:Tb、LaOCl:Tb,Tm、LaOBr:Tb、GdOBr:Tb、GdOCl:Tb等)、ツリウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体(LaOBr:Tm、LaOCl:Tm等)、硫酸バリウム系蛍光体〔BaSO4:Pb、BaSO4:Eu2+、(Ba,Sr)SO4:Eu2+等〕、2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属燐酸塩系蛍光体〔(Ba2PO4)2:Eu2+、(Ba2PO4)2:Eu2+等〕、2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体〔BaFCl:Eu2+、BaFBr:Eu2+、BaFCl:Eu2+,Tb、BaFBr:Eu2+,Tb、BaF2・BaCl・KCl:Eu2+、(Ba,Mg)F2・BaCl・KCl:Eu2+等〕、沃化物系蛍光体(CsI:Na、CsI:Tl、NaI、KI:Tl等)、硫化物系蛍光体〔ZnS:Ag(Zn,Cd)S:Ag、(Zn,Cd)S:Cu、(Zn,Cd)S:Cu,Al等〕、燐酸ハフニウム系蛍光体(HfP2O7:Cu等)、YTaO4及びそれに発光中心として各種付活剤を加えたもの。但し本発明に用いられる蛍光体はこれらに限定されるものではなく、放射線の照射によって可視又は近紫外領域の発光を示す蛍光体であれば使用できる。
X線増感スクリーンは、蛍光増感紙であることが好ましく、傾斜粒径構造で蛍光体を充填することがより好ましい。特に表面保護層側に大粒径の蛍光体粒子を塗布し、支持体側に小粒径の蛍光体粒子を塗布することが好ましく、小粒径のものは0.5μm以上2.0μm以下で、大粒径のものは10μm以上30μm以下の範囲が好ましい。
本発明の熱現像感光材料を用いた画像形成方法としては、好ましくは400nm以下に主ピークを持つ蛍光体との組み合わせで画像形成する方法を用いることができる。さらに好ましくは380nm以下に主ピークを持つ蛍光体と組み合わせて画像形成する方法が良い。両面感材、片面感材のいずれでも組立て体として用いることができる。400nm以下に主発光ピークであるスクリーンは特開平6−11804号、WO93/01521号に記載のスクリーンなどが使われるがこれに限られるものではない。紫外線のクロスオーバーカット(両面感光材料)とアンチハレーション(片面感光材料)の技術としては、特開平8−76307号公報に記載の技術を用いることができる。紫外線吸収染料としては、特開2001−144030号に記載の染料は特に好ましい。
2)熱現像
本発明の熱現像感光材料はいかなる方法で現像されても良いが、通常イメージワイズに露光した熱現像感光材料を昇温して現像される。好ましい現像温度としては80℃以上250℃以下であり、好ましくは100℃以上140℃い以下、さらに好ましくは110℃以上130℃以下である。現像時間としては1秒以上60秒以下が好ましく、より好ましくは3秒以上30秒以下、さらに好ましくは5秒以上25秒以下が特に好ましい。
本発明の熱現像感光材料では、熱現像時の搬送速度が23mm/sec以上と高速であっても現像可能である。このような迅速処理用感材の組成とした場合であっても、本発明にかかる層構成を有することで、保存性が良好となる。更に、27mm/sec以上であっても現像可能である。
本発明の熱現像感光材料はいかなる方法で現像されても良いが、通常イメージワイズに露光した熱現像感光材料を昇温して現像される。好ましい現像温度としては80℃以上250℃以下であり、好ましくは100℃以上140℃い以下、さらに好ましくは110℃以上130℃以下である。現像時間としては1秒以上60秒以下が好ましく、より好ましくは3秒以上30秒以下、さらに好ましくは5秒以上25秒以下が特に好ましい。
本発明の熱現像感光材料では、熱現像時の搬送速度が23mm/sec以上と高速であっても現像可能である。このような迅速処理用感材の組成とした場合であっても、本発明にかかる層構成を有することで、保存性が良好となる。更に、27mm/sec以上であっても現像可能である。
熱現像の方式としてはプレートヒーター方式が好ましい。プレートヒーター方式による熱現像方式とは特開平11−133572号に記載の方法が好ましく、潜像を形成した熱現像感光材料を熱現像部にて加熱手段に接触させることにより可視像を得る熱現像装置であって、前記加熱手段がプレートヒータからなり、かつ前記プレートヒータの一方の面に沿って複数個の押えローラが対向配設され、前記押えローラと前記プレートヒータとの間に前記熱現像感光材料を通過させて熱現像を行うことを特徴とする熱現像装置である。プレートヒータを2〜6段に分けて先端部については1〜10℃程度温度を下げることが好ましい。
熱現像装置の電源が一夜切られていた場合、熱現像部は室温と同一温度となっている。電源を入れた直後は、好ましい現像温度にまで達していない、または温度のハンチング幅が大きい等、安定した出力画像を得ることが難しい。したがって、上記の好ましい現像条件の状態にするには、熱現像部を昇温させ、さらに安定化させる時間をも要する。
本発明の熱現像感光材料は、外部環境の影響を受けにくく、画像出力が安定しているので、電源を入れてから短時間で現像を開始するという厳しい現像条件においても、安定した画像が得られる。
本発明の熱現像感光材料は、外部環境の影響を受けにくく、画像出力が安定しているので、電源を入れてから短時間で現像を開始するという厳しい現像条件においても、安定した画像が得られる。
例えば、熱現像装置の電源を入れてから熱現像感光材料の先端が熱現像部に到達するまでの時間が15分以内であっても、得られた画像の保存安定性は良好である。ここで、「熱現像感光材料の先端」とは、熱現像感光材料からなる感材が露光後搬送されて、熱現像機の加温部分に最も早く到達する感材の一部分をいう。「熱現像部」とは、熱現像機の当該加温部分をいう。
4.本発明の用途
本発明の熱現像感光材料は、銀画像による黒白画像を形成し、医療診断用の熱現像感光材料、工業写真用熱現像感光材料、印刷用熱現像感光材料、COM用の熱現像感光材料として使用されることが好ましい。
本発明の熱現像感光材料は、銀画像による黒白画像を形成し、医療診断用の熱現像感光材料、工業写真用熱現像感光材料、印刷用熱現像感光材料、COM用の熱現像感光材料として使用されることが好ましい。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.PET支持体の作製、及び下塗り
1−1.製膜
テレフタル酸とエチレングリコ−ルを用い、常法に従い固有粘度IV=0.66(フェノ−ル/テトラクロルエタン=6/4(重量比)中25℃で測定)のPETを得た。これをペレット化した後130℃で4時間乾燥した。青色染料(1,4−ビス(2,6−ジエチルアニリノアントラキンノン)で青色着色し、その後T型ダイから押し出して急冷し、未延伸フィルムを作製した。
1−1.製膜
テレフタル酸とエチレングリコ−ルを用い、常法に従い固有粘度IV=0.66(フェノ−ル/テトラクロルエタン=6/4(重量比)中25℃で測定)のPETを得た。これをペレット化した後130℃で4時間乾燥した。青色染料(1,4−ビス(2,6−ジエチルアニリノアントラキンノン)で青色着色し、その後T型ダイから押し出して急冷し、未延伸フィルムを作製した。
これを、周速の異なるロ−ルを用い3.3倍に縦延伸、ついでテンタ−で4.5倍に横延伸を実施した。この時の温度はそれぞれ、110℃、130℃であった。この後、240℃で20秒間熱固定後これと同じ温度で横方向に4%緩和した。この後テンタ−のチャック部をスリットした後、両端にナ−ル加工を行い、4kg/cm2で巻き取り、厚み175μmのロ−ルを得た。
1−2.表面コロナ放電処理
ピラー社製ソリッドステートコロナ放電処理機6KVAモデルを用い、支持体の両面を室温下において20m/分で処理した。この時の電流、電圧の読み取り値から、支持体には0.375kV・A・分/m2の処理がなされていることがわかった。この時の処理周波数は9.6kHz、電極と誘電体ロ−ルのギャップクリアランスは1.6mmであった。
ピラー社製ソリッドステートコロナ放電処理機6KVAモデルを用い、支持体の両面を室温下において20m/分で処理した。この時の電流、電圧の読み取り値から、支持体には0.375kV・A・分/m2の処理がなされていることがわかった。この時の処理周波数は9.6kHz、電極と誘電体ロ−ルのギャップクリアランスは1.6mmであった。
1−3.下塗り支持体の作製
(1)下塗層塗布液の作製
処方(1)(画像形成層側下塗り層用)
・高松油脂(株)製ペスレジンA−520(30質量%溶液) 46.8g
・東洋紡績(株)製バイロナールMD−1200 10.4g
・ポリエチレングリコールモノノニルフェニルエーテル(平均エチレンオキシド数=8.5) 1質量%溶液 11.0g
・綜研化学(株)製 MP−1000(PMMAポリマー微粒子、平均粒径0.4μm)
0.91g
・蒸留水 931ml
(1)下塗層塗布液の作製
処方(1)(画像形成層側下塗り層用)
・高松油脂(株)製ペスレジンA−520(30質量%溶液) 46.8g
・東洋紡績(株)製バイロナールMD−1200 10.4g
・ポリエチレングリコールモノノニルフェニルエーテル(平均エチレンオキシド数=8.5) 1質量%溶液 11.0g
・綜研化学(株)製 MP−1000(PMMAポリマー微粒子、平均粒径0.4μm)
0.91g
・蒸留水 931ml
上記厚さ175μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート支持体の両面それぞれに、上記コロナ放電処理を施した後、上記下塗り塗布液処方(1)をワイヤーバーでウエット塗布量が6.6ml/m2(片面当たり)になるように塗布して180℃で5分間乾燥し、これを両面に施して、下塗り支持体を作製した。
2.塗布用材料の準備
1)ハロゲン化銀乳剤
《ハロゲン化銀乳剤Aの調製》
蒸留水1421mlに1質量%ヨウ化カリウム溶液4.3mlを加え、さらに0.5モル/L硫酸を3.5ml、フタル化ゼラチン36.5g、2,2’−(エチレンジチオ)ジエタノールの5質量%メタノ−ル溶液160mlを添加した溶液を、ステンレス製反応壷中で撹拌しながら75℃に液温を保ち、硝酸銀22.22gに蒸留水を加え218mlに希釈した溶液Aとヨウ化カリウム36.6gを蒸留水にて366mlに希釈した溶液Bを、溶液Aは一定流量で16分かけて全量添加し、溶液BはpAgを10.2に維持しながらコントロールダブルジェット法で添加した。その後、3.5質量%の過酸化水素水溶液を10ml添加し、さらにベンゾイミダゾールの10質量%水溶液を10.8ml添加した。さらに、硝酸銀51.86gに蒸留水を加えて508.2mlに希釈した溶液Cとヨウ化カリウム63.9gを蒸留水にて639mlに希釈した溶液Dを、溶液Cは一定流量で80分かけて全量添加し、溶液DはpAgを10.2に維持しながらコントロールダブルジェット法で添加した。銀1モル当たり1×10-4モルになるよう六塩化イリジウム(III)酸カリウム塩を溶液C及び溶液Dを添加しはじめてから10分後に全量添加した。また、溶液Cの添加終了の5秒後に六シアン化鉄(II)カリウム水溶液を銀1モル当たり3×10-4モル全量添加した。0.5mol/L濃度の硫酸を用いてpHを3.8に調整し、攪拌を止め、沈降/脱塩/水洗工程をおこなった。1mol/L濃度の水酸化ナトリウムを用いてpH5.9に調整し、pAg11.0のハロゲン化銀分散物を作製した。
1)ハロゲン化銀乳剤
《ハロゲン化銀乳剤Aの調製》
蒸留水1421mlに1質量%ヨウ化カリウム溶液4.3mlを加え、さらに0.5モル/L硫酸を3.5ml、フタル化ゼラチン36.5g、2,2’−(エチレンジチオ)ジエタノールの5質量%メタノ−ル溶液160mlを添加した溶液を、ステンレス製反応壷中で撹拌しながら75℃に液温を保ち、硝酸銀22.22gに蒸留水を加え218mlに希釈した溶液Aとヨウ化カリウム36.6gを蒸留水にて366mlに希釈した溶液Bを、溶液Aは一定流量で16分かけて全量添加し、溶液BはpAgを10.2に維持しながらコントロールダブルジェット法で添加した。その後、3.5質量%の過酸化水素水溶液を10ml添加し、さらにベンゾイミダゾールの10質量%水溶液を10.8ml添加した。さらに、硝酸銀51.86gに蒸留水を加えて508.2mlに希釈した溶液Cとヨウ化カリウム63.9gを蒸留水にて639mlに希釈した溶液Dを、溶液Cは一定流量で80分かけて全量添加し、溶液DはpAgを10.2に維持しながらコントロールダブルジェット法で添加した。銀1モル当たり1×10-4モルになるよう六塩化イリジウム(III)酸カリウム塩を溶液C及び溶液Dを添加しはじめてから10分後に全量添加した。また、溶液Cの添加終了の5秒後に六シアン化鉄(II)カリウム水溶液を銀1モル当たり3×10-4モル全量添加した。0.5mol/L濃度の硫酸を用いてpHを3.8に調整し、攪拌を止め、沈降/脱塩/水洗工程をおこなった。1mol/L濃度の水酸化ナトリウムを用いてpH5.9に調整し、pAg11.0のハロゲン化銀分散物を作製した。
ハロゲン化銀乳剤Aは、純ヨウ化銀乳剤であり、平均投影面積直径0.93μm、平均投影面積直径の変動係数17.7%、平均厚み0.057μm、平均アスペクト比16.3の平板状粒子が全投影面積の80%以上を占めていた。球相当直径は0.42μmであった。X線粉末回折分析による解析の結果、ヨウ化銀の90%以上がγ相で存在していた。
《ハロゲン化銀乳剤Bの調製》
ハロゲン化銀乳剤Aで調製した平板状粒子AgI乳剤1モルを反応容器に入れた。pAgは38℃で測定して10.2であった。次いで、ダブルジェット添加により、0.5モル/リットルのKBr溶液及び0.5モル/リットルのAgNO3溶液を10ml/分で20分間にわたって添加し、実質的に10モル%臭化銀をAgIホスト乳剤上にエピタキシャル状に沈殿させた。操作中、pAgは10.2に維持した。さらに、0.5mol/L濃度の硫酸を用いてpHを3.8に調製し、撹拌を止め、沈降/脱塩/水洗工程をおこなった。1mol/L濃度の水酸化ナトリウムを用いてpH5.9に調整し、pAg11.0のハロゲン化銀分散物を作製した。
ハロゲン化銀乳剤Aで調製した平板状粒子AgI乳剤1モルを反応容器に入れた。pAgは38℃で測定して10.2であった。次いで、ダブルジェット添加により、0.5モル/リットルのKBr溶液及び0.5モル/リットルのAgNO3溶液を10ml/分で20分間にわたって添加し、実質的に10モル%臭化銀をAgIホスト乳剤上にエピタキシャル状に沈殿させた。操作中、pAgは10.2に維持した。さらに、0.5mol/L濃度の硫酸を用いてpHを3.8に調製し、撹拌を止め、沈降/脱塩/水洗工程をおこなった。1mol/L濃度の水酸化ナトリウムを用いてpH5.9に調整し、pAg11.0のハロゲン化銀分散物を作製した。
上記ハロゲン化銀分散物を攪拌しながら38℃に維持して、0.34質量%の1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンのメタノール溶液を5ml加え、40分後に47℃に昇温した。昇温の20分後にベンゼンチオスルホン酸ナトリウムをメタノール溶液で銀1モルに対して7.6×10-5モル加え、さらに5分後にテルル増感剤Cをメタノール溶液で銀1モル当たり2.9×10-5モル加えて91分間熟成した。その後、N,N’−ジヒドロキシ−N''−ジエチルメラミンの0.8質量%メタノール溶液1.3mlを加え、さらに4分後に、5−メチル−2−メルカプトベンゾイミダゾールをメタノール溶液で銀1モル当たり4.8×10-3モル、1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾールをメタノール溶液で銀1モルに対して5.4×10-3モル及び1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを水溶液で銀1モルに対して8.5×10-3モル添加して、ハロゲン化銀乳剤Bを作製した。
《ハロゲン化銀乳剤Cの調製》
ハロゲン化銀乳剤Aと同様にして2,2’−(エチレンジチオ)ジエタノールの5質量%メタノ−ル溶液の添加量、粒子形成時の温度、溶液Aの添加時間を適宜変更してハロゲン化銀乳剤Cを調製した。ハロゲン化銀乳剤Cは純ヨウ化銀乳剤であり、平均投影面積直径1.369μm、平均投影面積直径の変動係数19.7%、平均厚み0.130μm、平均アスペクト比11.1の平板状粒子が全投影面積の80%以上を占めていた。球相当直径は0.71μmであった。X線粉末回折分析による解析の結果、ヨウ化銀の90%以上がγ相で存在していた。
ハロゲン化銀乳剤Aと同様にして2,2’−(エチレンジチオ)ジエタノールの5質量%メタノ−ル溶液の添加量、粒子形成時の温度、溶液Aの添加時間を適宜変更してハロゲン化銀乳剤Cを調製した。ハロゲン化銀乳剤Cは純ヨウ化銀乳剤であり、平均投影面積直径1.369μm、平均投影面積直径の変動係数19.7%、平均厚み0.130μm、平均アスペクト比11.1の平板状粒子が全投影面積の80%以上を占めていた。球相当直径は0.71μmであった。X線粉末回折分析による解析の結果、ヨウ化銀の90%以上がγ相で存在していた。
《ハロゲン化銀乳剤Dの調製》
ハロゲン化銀乳剤Cを用いたこと以外は、ハロゲン化銀乳剤Bとまったく同様にして、臭化銀エピタキシャル10モル%を含有するハロゲン化銀乳剤Dを調製した。
ハロゲン化銀乳剤Cを用いたこと以外は、ハロゲン化銀乳剤Bとまったく同様にして、臭化銀エピタキシャル10モル%を含有するハロゲン化銀乳剤Dを調製した。
≪塗布液用混合乳剤の調製≫
ハロゲン化銀乳剤Bとハロゲン化銀乳剤Dを銀モル比として5:1になる量を溶解し、ベンゾチアゾリウムヨーダイドを1質量%水溶液にて銀1モル当たり7×10-3モル添加した。
さらに1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物化合物1と2と3をそれぞれハロゲン化銀の銀1モル当たり2×10-3モルになる量を添加した。
また吸着基と還元基を有する吸着性レドックス化合物1と2をそれぞれハロゲン化銀1モルあたり8×10-3モルになる量を添加した。
さらに塗布液用混合乳剤1リットルあたりハロゲン化銀の含有量が銀として15.6gとなるように加水した。
ハロゲン化銀乳剤Bとハロゲン化銀乳剤Dを銀モル比として5:1になる量を溶解し、ベンゾチアゾリウムヨーダイドを1質量%水溶液にて銀1モル当たり7×10-3モル添加した。
さらに1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物化合物1と2と3をそれぞれハロゲン化銀の銀1モル当たり2×10-3モルになる量を添加した。
また吸着基と還元基を有する吸着性レドックス化合物1と2をそれぞれハロゲン化銀1モルあたり8×10-3モルになる量を添加した。
さらに塗布液用混合乳剤1リットルあたりハロゲン化銀の含有量が銀として15.6gとなるように加水した。
2)脂肪酸銀分散物Aの調製
<再結晶ベヘン酸の調製>
コグニス社製ベヘン酸(製品名Edenor C22−85R)100kgを、1200kgのイソプロピルアルコールにまぜ、50℃で溶解し、10μmのフィルターで濾過した後、30℃まで、冷却し、再結晶を行った。再結晶をする際の、冷却スピードは、3℃/時間にコントロールした。得られた結晶を遠心濾過し、100kgのイソプルピルアルコールでかけ洗いを実施した後、乾燥を行った。得られた結晶をエステル化してGC−FID測定をしたところ、ベヘン酸含有率は96モル%、それ以外にリグノセリン酸が2モル%、アラキジン酸が2モル%、エルカ酸0.001モル%含まれていた。
<再結晶ベヘン酸の調製>
コグニス社製ベヘン酸(製品名Edenor C22−85R)100kgを、1200kgのイソプロピルアルコールにまぜ、50℃で溶解し、10μmのフィルターで濾過した後、30℃まで、冷却し、再結晶を行った。再結晶をする際の、冷却スピードは、3℃/時間にコントロールした。得られた結晶を遠心濾過し、100kgのイソプルピルアルコールでかけ洗いを実施した後、乾燥を行った。得られた結晶をエステル化してGC−FID測定をしたところ、ベヘン酸含有率は96モル%、それ以外にリグノセリン酸が2モル%、アラキジン酸が2モル%、エルカ酸0.001モル%含まれていた。
<脂肪酸銀分散物Aの調製>
再結晶ベヘン酸88kg、蒸留水422L、5mol/L濃度のNaOH水溶液49.2L、t−ブチルアルコール120Lを混合し、75℃にて1時間攪拌し反応させ、ベヘン酸ナトリウム溶液Bを得た。別に、硝酸銀40.4kgの水溶液206.2L(pH4.0)を用意し、10℃にて保温した。635Lの蒸留水と30Lのt−ブチルアルコールを入れた反応容器を30℃に保温し、十分に撹拌しながら先のベヘン酸ナトリウム溶液の全量と硝酸銀水溶液の全量を流量一定でそれぞれ93分15秒と90分かけて添加した。このとき、硝酸銀水溶液添加開始後11分間は硝酸銀水溶液のみが添加されるようにし、そのあとベヘン酸ナトリウム溶液を添加開始し、硝酸銀水溶液の添加終了後14分15秒間はベヘン酸ナトリウム溶液のみが添加されるようにした。このとき、反応容器内の温度は30℃とし、液温度が一定になるように外温コントロールした。また、ベヘン酸ナトリウム溶液の添加系の配管は、2重管の外側に温水を循環させることにより保温し、添加ノズル先端の出口の液温度が75℃になるよう調製した。また、硝酸銀水溶液の添加系の配管は、2重管の外側に冷水を循環させることにより保温した。ベヘン酸ナトリウム溶液の添加位置と硝酸銀水溶液の添加位置は撹拌軸を中心として対称的な配置とし、また反応液に接触しないような高さに調製した。
再結晶ベヘン酸88kg、蒸留水422L、5mol/L濃度のNaOH水溶液49.2L、t−ブチルアルコール120Lを混合し、75℃にて1時間攪拌し反応させ、ベヘン酸ナトリウム溶液Bを得た。別に、硝酸銀40.4kgの水溶液206.2L(pH4.0)を用意し、10℃にて保温した。635Lの蒸留水と30Lのt−ブチルアルコールを入れた反応容器を30℃に保温し、十分に撹拌しながら先のベヘン酸ナトリウム溶液の全量と硝酸銀水溶液の全量を流量一定でそれぞれ93分15秒と90分かけて添加した。このとき、硝酸銀水溶液添加開始後11分間は硝酸銀水溶液のみが添加されるようにし、そのあとベヘン酸ナトリウム溶液を添加開始し、硝酸銀水溶液の添加終了後14分15秒間はベヘン酸ナトリウム溶液のみが添加されるようにした。このとき、反応容器内の温度は30℃とし、液温度が一定になるように外温コントロールした。また、ベヘン酸ナトリウム溶液の添加系の配管は、2重管の外側に温水を循環させることにより保温し、添加ノズル先端の出口の液温度が75℃になるよう調製した。また、硝酸銀水溶液の添加系の配管は、2重管の外側に冷水を循環させることにより保温した。ベヘン酸ナトリウム溶液の添加位置と硝酸銀水溶液の添加位置は撹拌軸を中心として対称的な配置とし、また反応液に接触しないような高さに調製した。
ベヘン酸ナトリウム溶液を添加終了後、そのままの温度で20分間撹拌放置し、30分かけて35℃に昇温し、その後210分熟成を行った。熟成終了後直ちに、遠心濾過で固形分を濾別し、固形分を濾過水の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうして脂肪酸銀塩を得た。得られた固形分は、乾燥させないでウエットケーキとして保管した。
得られたベヘン酸銀粒子の形態を電子顕微鏡撮影により評価したところ、平均値でa=0.21μm、b=0.4μm、c=0.4μm、平均アスペクト比2.1、球相当径の変動係数11%の結晶であった。(a,b,cは本文の規定)
乾燥固形分260kg相当のウエットケーキに対し、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−217)19.3kg及び水を添加し、全体量を1000kgとしてからディゾルバー羽根でスラリー化し、更にパイプラインミキサー(みづほ工業製:PM−10型)で予備分散した。
次に予備分散済みの原液を分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−610、マイクロフルイデックス・インターナショナル・コーポレーション製、Z型インタラクションチャンバー使用)の圧力を1150kg/cm2に調節して、三回処理し、ベヘン酸銀分散物を得た。冷却操作は蛇管式熱交換器をインタラクションチャンバーの前後に各々装着し、冷媒の温度を調節することで18℃の分散温度に設定した。
3)還元剤分散物の調製
《還元剤−1分散物の調製》
還元剤−1(2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール))10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が25質量%になるように調製した。この分散液を60℃で5時間加熱処理し、還元剤−1分散物を得た。こうして得た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子はメジアン径0.40μm、最大粒子径1.4μm以下であった。得られた還元剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
《還元剤−2分散物の調製》
還元剤−2(6,6’−ジ−t−ブチル−4,4’−ジメチル−2,2’−ブチリデンジフェノール)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が25質量%になるように調製した。この分散液を40℃で1時間加熱した後、引き続いてさらに80℃で1時間加熱処理し、還元剤−2分散物を得た。こうして得た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子はメジアン径0.50μm、最大粒子径1.6μm以下であった。得られた還元剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
《還元剤−1分散物の調製》
還元剤−1(2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール))10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が25質量%になるように調製した。この分散液を60℃で5時間加熱処理し、還元剤−1分散物を得た。こうして得た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子はメジアン径0.40μm、最大粒子径1.4μm以下であった。得られた還元剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
《還元剤−2分散物の調製》
還元剤−2(6,6’−ジ−t−ブチル−4,4’−ジメチル−2,2’−ブチリデンジフェノール)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が25質量%になるように調製した。この分散液を40℃で1時間加熱した後、引き続いてさらに80℃で1時間加熱処理し、還元剤−2分散物を得た。こうして得た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子はメジアン径0.50μm、最大粒子径1.6μm以下であった。得られた還元剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
4)水素結合性化合物分散物の調製
《水素結合性化合物−1分散物の調製》
水素結合性化合物−1(トリ(4−t−ブチルフェニル)ホスフィンオキシド)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて4時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて水素結合性化合物の濃度が25質量%になるように調製した。この分散液を40℃で1時間加熱した後、引き続いてさらに80℃で1時間加温し、水素結合性化合物−1分散物を得た。こうして得た水素結合性化合物分散物に含まれる水素結合性化合物粒子はメジアン径0.45μm、最大粒子径1.3μm以下であった。得られた水素結合性化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
《水素結合性化合物−1分散物の調製》
水素結合性化合物−1(トリ(4−t−ブチルフェニル)ホスフィンオキシド)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて4時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて水素結合性化合物の濃度が25質量%になるように調製した。この分散液を40℃で1時間加熱した後、引き続いてさらに80℃で1時間加温し、水素結合性化合物−1分散物を得た。こうして得た水素結合性化合物分散物に含まれる水素結合性化合物粒子はメジアン径0.45μm、最大粒子径1.3μm以下であった。得られた水素結合性化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
5)現像促進剤分散物、色調調整剤分散物の調製
《現像促進剤−1分散物の調製》
現像促進剤−1を10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液20kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて現像促進剤の濃度が20質量%になるように調製し、現像促進剤−1分散物を得た。こうして得た現像促進剤分散物に含まれる現像促進剤粒子はメジアン径0.48μm、最大粒子径1.4μm以下であった。得られた現像促進剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
《現像促進剤−1分散物の調製》
現像促進剤−1を10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液20kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて現像促進剤の濃度が20質量%になるように調製し、現像促進剤−1分散物を得た。こうして得た現像促進剤分散物に含まれる現像促進剤粒子はメジアン径0.48μm、最大粒子径1.4μm以下であった。得られた現像促進剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
現像促進剤−2及び色調調整剤−1の固体分散物についても現像促進剤−1と同様の方法により分散し、それぞれ20質量%、15質量%の分散液を得た。
6)ポリハロゲン化合物分散物の調製
《有機ポリハロゲン化合物−1分散物の調製》
有機ポリハロゲン化合物−1(トリブロモメタンスルホニルベンゼン)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP203)の20質量%水溶液10kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4kgと、水14kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が30質量%になるように調製し、有機ポリハロゲン化合物−1分散物を得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.41μm、最大粒子径2.0μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径10.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
《有機ポリハロゲン化合物−1分散物の調製》
有機ポリハロゲン化合物−1(トリブロモメタンスルホニルベンゼン)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP203)の20質量%水溶液10kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4kgと、水14kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が30質量%になるように調製し、有機ポリハロゲン化合物−1分散物を得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.41μm、最大粒子径2.0μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径10.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
《有機ポリハロゲン化合物−2分散物の調製》
有機ポリハロゲン化合物−2(N−ブチル−3−トリブロモメタンスルホニルベンゾアミド)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP203)の10質量%水溶液20kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が30質量%になるように調製した。この分散液を40℃で5時間加温し、有機ポリハロゲン化合物−2分散物を得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.40μm、最大粒子径1.3μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
有機ポリハロゲン化合物−2(N−ブチル−3−トリブロモメタンスルホニルベンゾアミド)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP203)の10質量%水溶液20kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が30質量%になるように調製した。この分散液を40℃で5時間加温し、有機ポリハロゲン化合物−2分散物を得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.40μm、最大粒子径1.3μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
7)ヨウ化銀錯形成剤の調製
8kgの変性ポリビニルアルコールMP203を水174.57kgに溶解し、次いでトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液3.15kgと6−イソプロピルフタラジンの70質量%水溶液14.28kgを添加し、ヨウ化銀錯形成剤化合物の5質量%溶液を調製した。
8kgの変性ポリビニルアルコールMP203を水174.57kgに溶解し、次いでトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液3.15kgと6−イソプロピルフタラジンの70質量%水溶液14.28kgを添加し、ヨウ化銀錯形成剤化合物の5質量%溶液を調製した。
8)メルカプト化合物の調製
(メルカプト化合物の調製)
《メルカプト化合物−1水溶液の調製》
メルカプト化合物−1(1−(3−スルホフェニル)−5−メルカプトテトラゾールナトリウム塩)7gを水993gに溶解し、0.7質量%の水溶液とした。
(メルカプト化合物の調製)
《メルカプト化合物−1水溶液の調製》
メルカプト化合物−1(1−(3−スルホフェニル)−5−メルカプトテトラゾールナトリウム塩)7gを水993gに溶解し、0.7質量%の水溶液とした。
《メルカプト化合物−2水溶液の調製》
メルカプト化合物−2(1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール)20gを水980gに溶解し、2.0質量%の水溶液とした。
メルカプト化合物−2(1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール)20gを水980gに溶解し、2.0質量%の水溶液とした。
9)SBRラテックス液の調製
《SBRラテックス液の調製》
SBRラテックスは以下により調製した。
ガスモノマー反応装置(耐圧硝子工業(株)製TAS−2J型)の重合釜に、蒸留水287g、界面活性剤(パイオニンA−43−S(竹本油脂(株)製):固形分48.5質量%)7.73g、1mol/リットルNaOH14.06ml、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩0.15g、スチレン255g、アクリル酸11.25g、tert−ドデシルメルカプタン3.0gを入れ、反応容器を密閉し撹拌速度200rpmで撹拌した。真空ポンプで脱気し窒素ガス置換を数回繰返した後に、1,3−ブタジエン108.75gを圧入して内温60℃まで昇温した。ここに過硫酸アンモニウム1.875gを水50mlに溶解した液を添加し、そのまま5時間撹拌した。さらに90℃に昇温して3時間撹拌し、反応終了後内温が室温になるまで下げた後、1mol/リットルのNaOHとNH4OHを用いてNa+イオン:NH4 +イオン=1:5.3(モル比)になるように添加処理し、pH8.4に調整した。その後、孔径1.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納し、SBRラテックスを774.7g得た。イオンクロマトグラフィーによりハロゲンイオンを測定したところ、塩化物イオン濃度3ppmであった。高速液体クロマトグラフィーによりキレート剤の濃度を測定した結果、145ppmであった。
《SBRラテックス液の調製》
SBRラテックスは以下により調製した。
ガスモノマー反応装置(耐圧硝子工業(株)製TAS−2J型)の重合釜に、蒸留水287g、界面活性剤(パイオニンA−43−S(竹本油脂(株)製):固形分48.5質量%)7.73g、1mol/リットルNaOH14.06ml、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩0.15g、スチレン255g、アクリル酸11.25g、tert−ドデシルメルカプタン3.0gを入れ、反応容器を密閉し撹拌速度200rpmで撹拌した。真空ポンプで脱気し窒素ガス置換を数回繰返した後に、1,3−ブタジエン108.75gを圧入して内温60℃まで昇温した。ここに過硫酸アンモニウム1.875gを水50mlに溶解した液を添加し、そのまま5時間撹拌した。さらに90℃に昇温して3時間撹拌し、反応終了後内温が室温になるまで下げた後、1mol/リットルのNaOHとNH4OHを用いてNa+イオン:NH4 +イオン=1:5.3(モル比)になるように添加処理し、pH8.4に調整した。その後、孔径1.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納し、SBRラテックスを774.7g得た。イオンクロマトグラフィーによりハロゲンイオンを測定したところ、塩化物イオン濃度3ppmであった。高速液体クロマトグラフィーによりキレート剤の濃度を測定した結果、145ppmであった。
上記ラテックスは平均粒径90nm、Tg=17℃、固形分濃度44質量%、25℃60%RHにおける平衡含水率0.6質量%、イオン伝導度4.80mS/cm(イオン伝導度の測定は東亜電波工業(株)製伝導度計CM−30S使用し、ラテックス原液(44質量%)を25℃にて測定)、pH8.4、であった。
10)顔料−1分散物の調製
C.I.Pigment Blue 60を64gと花王(株)製デモールNを6.4gに水250gを添加し良く混合してスラリーとした。平均直径0.5mmのジルコニアビーズ800gを用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサンドグラインダーミル:アイメックス(株)製)にて25時間分散し、水を加えて顔料の濃度が5質量%になるように調製して顔料−1分散物を得た。こうして得た顔料分散物に含まれる顔料粒子は平均粒径0.21μmであった。
C.I.Pigment Blue 60を64gと花王(株)製デモールNを6.4gに水250gを添加し良く混合してスラリーとした。平均直径0.5mmのジルコニアビーズ800gを用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサンドグラインダーミル:アイメックス(株)製)にて25時間分散し、水を加えて顔料の濃度が5質量%になるように調製して顔料−1分散物を得た。こうして得た顔料分散物に含まれる顔料粒子は平均粒径0.21μmであった。
1−3−2.塗布液の調製
1)画像形成層(感光性層)塗布液−1の調製
上記で得た脂肪酸銀分散物A1000g、水276mlに、有機ポリハロゲン化合物−1分散物、有機ポリハロゲン化合物−2分散物、、SBRラテックス(Tg:17℃)液、還元剤−1分散物、還元剤−2分散物、水素結合性化合物−1分散物、現像促進剤−1分散物、現像促進剤−2分散物、色調調整剤−1分散物、メルカプト化合物−1水溶液、メルカプト化合物−2水溶液を順次添加し、ヨウ化銀錯形成剤を添加した後、塗布直前にハロゲン化銀の塗布液用混合乳剤を銀量で脂肪酸銀1モル当たり0.22モル添加し、よく混合して、そのままコーティングダイへ送液し、塗布した。
1)画像形成層(感光性層)塗布液−1の調製
上記で得た脂肪酸銀分散物A1000g、水276mlに、有機ポリハロゲン化合物−1分散物、有機ポリハロゲン化合物−2分散物、、SBRラテックス(Tg:17℃)液、還元剤−1分散物、還元剤−2分散物、水素結合性化合物−1分散物、現像促進剤−1分散物、現像促進剤−2分散物、色調調整剤−1分散物、メルカプト化合物−1水溶液、メルカプト化合物−2水溶液を順次添加し、ヨウ化銀錯形成剤を添加した後、塗布直前にハロゲン化銀の塗布液用混合乳剤を銀量で脂肪酸銀1モル当たり0.22モル添加し、よく混合して、そのままコーティングダイへ送液し、塗布した。
上記画像形成層塗布液の粘度は東京計器のB型粘度計で測定して、40℃(No.1ローター、60rpm)で25[mPa・s]であった。
レオメトリックスファーイースト株式会社製RFSフルードスペクトロメーターを使用した25℃での塗布液の粘度は剪断速度が0.1、1、10、100、1000[1/秒]においてそれぞれ242、65、48、26、20[mPa・s]であった。
塗布液中のジルコニウム量は銀1gあたり0.52mgであった。
レオメトリックスファーイースト株式会社製RFSフルードスペクトロメーターを使用した25℃での塗布液の粘度は剪断速度が0.1、1、10、100、1000[1/秒]においてそれぞれ242、65、48、26、20[mPa・s]であった。
塗布液中のジルコニウム量は銀1gあたり0.52mgであった。
2)中間層A塗布液の調製
《中間層A塗布液−1の調製》
ポリビニルアルコールPVA−205(クラレ(株)製)1000g、顔料−1分散物163g、、青色染料化合物−1(日本化薬(株)製:カヤフェクトターコイズRNリキッド150)18.5質量%水溶液33g、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩5質量%水溶液27ml、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比57/8/28/5/2)ラテックス19質量%液4200mlにエアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%水溶液を27ml、フタル酸二アンモニウム塩の20質量%水溶液を135ml、総量10000gになるように水を加え、pHが7.5になるようにNaOHで調整して中間層塗布液とし、8.9ml/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm)で58[mPa・s]であった。
《中間層A塗布液−1の調製》
ポリビニルアルコールPVA−205(クラレ(株)製)1000g、顔料−1分散物163g、、青色染料化合物−1(日本化薬(株)製:カヤフェクトターコイズRNリキッド150)18.5質量%水溶液33g、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩5質量%水溶液27ml、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比57/8/28/5/2)ラテックス19質量%液4200mlにエアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%水溶液を27ml、フタル酸二アンモニウム塩の20質量%水溶液を135ml、総量10000gになるように水を加え、pHが7.5になるようにNaOHで調整して中間層塗布液とし、8.9ml/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm)で58[mPa・s]であった。
《中間層A塗布液−2〜8の調製》
中間層塗布液−1の調製において、ポリビニルアルコールPVA−205、及びメチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体を用いたところを、表2に示すバインダーに変更して中間層A塗布液−2〜8を調製した。
中間層塗布液−1の調製において、ポリビニルアルコールPVA−205、及びメチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体を用いたところを、表2に示すバインダーに変更して中間層A塗布液−2〜8を調製した。
3)中間層B塗布液の調製
《中間層B塗布液−1の調製》
イナートゼラチン100g、ベンゾイソチアゾリノン10mgを水840mlに溶解し、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比57/8/28/5/2)ラテックス19質量%液180g、フタル酸の15質量%メタノール溶液を46ml、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩の5質量%水溶液を5.4mlを加えて混合し、塗布直前に4質量%のクロムみょうばん40mlをスタチックミキサーで混合したものを塗布液量が26.1ml/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm)で20[mPa・s]であった。
《中間層B塗布液−1の調製》
イナートゼラチン100g、ベンゾイソチアゾリノン10mgを水840mlに溶解し、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比57/8/28/5/2)ラテックス19質量%液180g、フタル酸の15質量%メタノール溶液を46ml、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩の5質量%水溶液を5.4mlを加えて混合し、塗布直前に4質量%のクロムみょうばん40mlをスタチックミキサーで混合したものを塗布液量が26.1ml/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm)で20[mPa・s]であった。
《中間層B塗布液−2の調製》
中間層塗布液−1の調製において、イナートゼラチン、及びメチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体を用いたところを、表2に示すバインダーに変更して中間層B塗布液−2を調製した。なお、中間層Bは、表2記載の通り、1層もしくは2層塗設した。表2では表の左側に記載した層が、最外層に隣接する層である。
中間層塗布液−1の調製において、イナートゼラチン、及びメチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体を用いたところを、表2に示すバインダーに変更して中間層B塗布液−2を調製した。なお、中間層Bは、表2記載の通り、1層もしくは2層塗設した。表2では表の左側に記載した層が、最外層に隣接する層である。
4)最外層塗布液の調製
《最外層塗布液−1の調製》
イナートゼラチン100g、ベンゾイソチアゾリノン10mgを水800mlに溶解し、流動パラフィンの10質量%乳化物を40g、ヘキサイソステアリン酸ジペンタエリスリチルの10質量%乳化物を40g、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比57/8/28/5/2)ラテックス19質量%液180g、フタル酸15質量%メタノール溶液40ml、フッ素系界面活性剤(FF−1)の1質量%溶液を5.5ml、フッ素系界面活性剤(FF−2)の1質量%水溶液を5.5ml、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩の5質量%水溶液を28ml、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径0.7μm、体積加重平均の分布30%)4g、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径3.6μm、体積加重平均の分布60%)21gを混合したものを表面保護層塗布液とし、8.3ml/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター,60rpm)で19[mPa・s]であった。
《最外層塗布液−1の調製》
イナートゼラチン100g、ベンゾイソチアゾリノン10mgを水800mlに溶解し、流動パラフィンの10質量%乳化物を40g、ヘキサイソステアリン酸ジペンタエリスリチルの10質量%乳化物を40g、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比57/8/28/5/2)ラテックス19質量%液180g、フタル酸15質量%メタノール溶液40ml、フッ素系界面活性剤(FF−1)の1質量%溶液を5.5ml、フッ素系界面活性剤(FF−2)の1質量%水溶液を5.5ml、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩の5質量%水溶液を28ml、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径0.7μm、体積加重平均の分布30%)4g、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径3.6μm、体積加重平均の分布60%)21gを混合したものを表面保護層塗布液とし、8.3ml/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター,60rpm)で19[mPa・s]であった。
《最外層塗布液−2〜4の調製》
最外層塗布液−1の調製において、イナートゼラチン、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比57/8/28/5/2)ラテックスを用いたところを、表2に示すバインダーに変更して最外層塗布液−2〜4を調製した。
最外層塗布液−1の調製において、イナートゼラチン、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比57/8/28/5/2)ラテックスを用いたところを、表2に示すバインダーに変更して最外層塗布液−2〜4を調製した。
3.熱現像感光材料の作製
1)熱現像感光材料−1の作製
下塗り面から画像形成層塗布液−1、中間層A塗布液−1、中間層B塗布液−1、最外層塗布液の順番でスライドビード塗布方式にて同時重層塗布し、熱現像感光材料の試料を作製した。このとき、画像形成層と中間層は31℃に、保護層第一層は36℃に、保護層第二層は37℃に温度調整した。画像形成層の塗布銀量は脂肪酸銀とハロゲン化銀の合計で片面あたり0.821g/m2であった。これを支持体の両面に塗布した。
1)熱現像感光材料−1の作製
下塗り面から画像形成層塗布液−1、中間層A塗布液−1、中間層B塗布液−1、最外層塗布液の順番でスライドビード塗布方式にて同時重層塗布し、熱現像感光材料の試料を作製した。このとき、画像形成層と中間層は31℃に、保護層第一層は36℃に、保護層第二層は37℃に温度調整した。画像形成層の塗布銀量は脂肪酸銀とハロゲン化銀の合計で片面あたり0.821g/m2であった。これを支持体の両面に塗布した。
画像形成層における各化合物の片面あたりの塗布量(g/m2)は以下の通りである。
脂肪酸銀 2.80
ポリハロゲン化合物−1 0.028
ポリハロゲン化合物−2 0.094
ヨウ化銀錯形成剤 0.46
SBRラテックス 5.20
還元剤−1 0.33
還元剤−2 0.13
水素結合性化合物−1 0.15
現像促進剤−1 0.005
現像促進剤−2 0.035
色調調整剤−1 0.002
メルカプト化合物−1 0.001
メルカプト化合物−2 0.003
ハロゲン化銀(Agとして) 0.146
ポリハロゲン化合物−1 0.028
ポリハロゲン化合物−2 0.094
ヨウ化銀錯形成剤 0.46
SBRラテックス 5.20
還元剤−1 0.33
還元剤−2 0.13
水素結合性化合物−1 0.15
現像促進剤−1 0.005
現像促進剤−2 0.035
色調調整剤−1 0.002
メルカプト化合物−1 0.001
メルカプト化合物−2 0.003
ハロゲン化銀(Agとして) 0.146
塗布乾燥条件は以下のとおりである。
塗布はスピード160m/minで行い、コーティングダイ先端と支持体との間隙を0.10〜0.30mmとし、減圧室の圧力を大気圧に対して196〜882Pa低く設定した。支持体は塗布前にイオン風にて除電した。
引き続くチリングゾーンにて、乾球温度10〜20℃の風にて塗布液を冷却した後、無接触型搬送して、つるまき式無接触型乾燥装置にて、乾球温度23〜45℃、湿球温度15〜21℃の乾燥風で乾燥させた。
乾燥後、25℃で湿度40〜60%RHで調湿した後、膜面を70〜90℃になるように加熱した。加熱後、膜面を25℃まで冷却した。
塗布はスピード160m/minで行い、コーティングダイ先端と支持体との間隙を0.10〜0.30mmとし、減圧室の圧力を大気圧に対して196〜882Pa低く設定した。支持体は塗布前にイオン風にて除電した。
引き続くチリングゾーンにて、乾球温度10〜20℃の風にて塗布液を冷却した後、無接触型搬送して、つるまき式無接触型乾燥装置にて、乾球温度23〜45℃、湿球温度15〜21℃の乾燥風で乾燥させた。
乾燥後、25℃で湿度40〜60%RHで調湿した後、膜面を70〜90℃になるように加熱した。加熱後、膜面を25℃まで冷却した。
作製された熱現像感光材料のマット度はベック平滑度が550秒であった。また、膜面のpHを測定したところ6.0であった。
2)熱現像感光材料−2〜15の作製
表2に示す組み合わせで、中間層A塗布液、中間層B塗布液及び最外層塗布液を塗布した以外は、熱現像感光材料−1の作製と同様の方法で熱現像感光材料−2〜15を作製した。このときの画像形成層の各化合物の塗布量(g/m2)は、熱現像感光材料−1と同様である。
表2に示す組み合わせで、中間層A塗布液、中間層B塗布液及び最外層塗布液を塗布した以外は、熱現像感光材料−1の作製と同様の方法で熱現像感光材料−2〜15を作製した。このときの画像形成層の各化合物の塗布量(g/m2)は、熱現像感光材料−1と同様である。
以下に本発明の実施例で用いた化合物の化学構造を示す。
4.写真性能の評価
1)準備
得られた試料は半切サイズ(43cm長×35cm幅)に切断し、25℃50%RHの環境下で以下の包装材料に包装し、2週間常温下で保管した後、以下の評価を行った。
2)包装材料
PET10μm/PE12μm/アルミ箔9μm/Ny15μm/カーボン3質量%を含むポリエチレン50μmからなる。
酸素透過率は、0.02ml/atm・m2・25℃・dayであり、水分透過率は、0.10g/atm・m2・25℃・dayであった。
1)準備
得られた試料は半切サイズ(43cm長×35cm幅)に切断し、25℃50%RHの環境下で以下の包装材料に包装し、2週間常温下で保管した後、以下の評価を行った。
2)包装材料
PET10μm/PE12μm/アルミ箔9μm/Ny15μm/カーボン3質量%を含むポリエチレン50μmからなる。
酸素透過率は、0.02ml/atm・m2・25℃・dayであり、水分透過率は、0.10g/atm・m2・25℃・dayであった。
3)露光及び現像
富士フイルム(株)社製のXレイレギュラースクリーンHI−SCREEN B3(蛍光体としてCaWO4を使用。発光ピーク波長425m)を2枚使用して、その間に試料を挟み、像形成用組立体を作製した。この組立体に、0.05秒のX線露光を与え、X線センシトメトリーを行った。使用したX線装置は、東芝(株)製の商品名DRX−3724HDであり、タングステンターゲットを用いた。三相にパルス発生器で80kVpの電圧をかけ、人体とほぼ等価な吸収を持つ水7cmのフィルタを通したX線を光源とした。距離法にてX線露光量を変化させ、logE=0.15の幅でステップ露光を行なった。露光後に、下記の熱現像処理条件で熱現像処理した。得られた画像の評価を濃度計により行った。
富士フイルム(株)社製のXレイレギュラースクリーンHI−SCREEN B3(蛍光体としてCaWO4を使用。発光ピーク波長425m)を2枚使用して、その間に試料を挟み、像形成用組立体を作製した。この組立体に、0.05秒のX線露光を与え、X線センシトメトリーを行った。使用したX線装置は、東芝(株)製の商品名DRX−3724HDであり、タングステンターゲットを用いた。三相にパルス発生器で80kVpの電圧をかけ、人体とほぼ等価な吸収を持つ水7cmのフィルタを通したX線を光源とした。距離法にてX線露光量を変化させ、logE=0.15の幅でステップ露光を行なった。露光後に、下記の熱現像処理条件で熱現像処理した。得られた画像の評価を濃度計により行った。
図1の熱現像機を作製し、ヒートローラーの設置温度を100℃に、2枚のパネルヒーターを118℃−120℃に設定した。さらに、現像温度が合計14秒になるように設定した。
一方、富士写真フイルム(株)社製の湿式現像方式のレギュラー感材RX−Uを同じ条件で露光し、富士写真フイルム(株)社製の自動現像処理機CEPROS−M2、処理液CE−D1で45秒処理した。
4.写真性能の評価
<指跡付着部の白抜けの評価>
指跡付着部の再現を行なうため、食塩水を用いた。食塩水は、NaClの7.5gを水に加えて溶解し、500mLに精秤した。各試料を、露光・熱現像した試料を用意し、暗所にて、食塩水を染み込ませたろ紙を画像の最低濃度部に重ねて、5秒間押し付けた。ろ紙を除去したのち、試料の1/2の部分を、50℃50%RHの条件下で、3日間保存し、試料の残りの1/2の部分と比較した。
また、画像の最高濃度部についても同様に、暗所にて、食塩水を染み込ませたろ紙と重ねて、5秒間押し付けた。ろ紙を除去したのち、試料の1/2の部分を50℃50%RHの条件下で、3日間保存し、試料の残りの1/2の部分と比較した。
得られた試料を照度10000LUXのシャーカステンで目視評価した。
<指跡付着部の白抜けの評価>
指跡付着部の再現を行なうため、食塩水を用いた。食塩水は、NaClの7.5gを水に加えて溶解し、500mLに精秤した。各試料を、露光・熱現像した試料を用意し、暗所にて、食塩水を染み込ませたろ紙を画像の最低濃度部に重ねて、5秒間押し付けた。ろ紙を除去したのち、試料の1/2の部分を、50℃50%RHの条件下で、3日間保存し、試料の残りの1/2の部分と比較した。
また、画像の最高濃度部についても同様に、暗所にて、食塩水を染み込ませたろ紙と重ねて、5秒間押し付けた。ろ紙を除去したのち、試料の1/2の部分を50℃50%RHの条件下で、3日間保存し、試料の残りの1/2の部分と比較した。
得られた試料を照度10000LUXのシャーカステンで目視評価した。
最低濃度部と最高濃度部のサンプルについて、食塩水付着部が他の部分と区別される場合、その観察される程度に対応して以下の様に評価した。
◎:最低濃度部、最高濃度部共に他の部分との違いが観察されない。
○:最低濃度部もしくは、最高濃度部あるいはその両方に他の部分との違いが観察されるが、透過光では観察されない。
△:最低濃度部もしくは、最高濃度部あるいはその両方に他の部分との違いが観察され、透過光でも観察されるが、読影上問題となる場合がある。
×:最低濃度部もしくは、最高濃度部あるいはその両方に他の部分との違いが観察され、透過光でも観察されるが、読影上も問題となる。
◎:最低濃度部、最高濃度部共に他の部分との違いが観察されない。
○:最低濃度部もしくは、最高濃度部あるいはその両方に他の部分との違いが観察されるが、透過光では観察されない。
△:最低濃度部もしくは、最高濃度部あるいはその両方に他の部分との違いが観察され、透過光でも観察されるが、読影上問題となる場合がある。
×:最低濃度部もしくは、最高濃度部あるいはその両方に他の部分との違いが観察され、透過光でも観察されるが、読影上も問題となる。
表2に示すように、画像形成層と前記最外層との間に、バインダーを含有する非感光性中間層Aが設けられ、非感光性中間層Aのバインダーが、疎水性ポリマーを50質量%以上含有するばあいであって、当該熱現像感光材料をX線増感スクリーンを用いて露光した場合に、画像の白抜けが少ない熱現像感光材料であった。
また、最外層及び非感光中間層Bの少なくとも1層のバインダーが、動物性蛋白質由来の親水性ポリマーを50質量%以上含有する場合には、塗布面状が極めて良好であった。
特に、最外層にラテックスを含有させた場合、べたつきや指跡による画質の変質が起こらず、保存安定性に優れた熱現像感光材料であった。
また、最外層及び非感光中間層Bの少なくとも1層のバインダーが、動物性蛋白質由来の親水性ポリマーを50質量%以上含有する場合には、塗布面状が極めて良好であった。
特に、最外層にラテックスを含有させた場合、べたつきや指跡による画質の変質が起こらず、保存安定性に優れた熱現像感光材料であった。
(脂肪酸塩分散物Bの調製)
<再結晶ステアリン酸の精製>
コグニス社製のステアリン酸100kgを1200kgのイソプロピルアルコールにまぜ、50℃で溶解し、10μmのフィルターで濾過した後、20℃まで、冷却し、再結晶を行った。再結晶をする際の、冷却スピードは、3℃/時間にコントロールした。得られた結晶を遠心濾過し、100kgのイソプルピルアルコールでかけ洗いを実施した後、更に繰り返し二度、前記再結晶を実施した。その後、再結晶初期の析出物を濾過してステアリン酸より鎖長の長いカルボン酸を除去し、乾燥を行った。得られた結晶をエステル化してGC−FID測定をしたところ、ステアリン酸含有率は99モル%であった。なお、不純物としてベヘン酸を1モル%含んでいた。
<再結晶ステアリン酸の精製>
コグニス社製のステアリン酸100kgを1200kgのイソプロピルアルコールにまぜ、50℃で溶解し、10μmのフィルターで濾過した後、20℃まで、冷却し、再結晶を行った。再結晶をする際の、冷却スピードは、3℃/時間にコントロールした。得られた結晶を遠心濾過し、100kgのイソプルピルアルコールでかけ洗いを実施した後、更に繰り返し二度、前記再結晶を実施した。その後、再結晶初期の析出物を濾過してステアリン酸より鎖長の長いカルボン酸を除去し、乾燥を行った。得られた結晶をエステル化してGC−FID測定をしたところ、ステアリン酸含有率は99モル%であった。なお、不純物としてベヘン酸を1モル%含んでいた。
(脂肪酸塩分散物Bの調製)
実施例1の再結晶ベヘン酸Aを88kg用いる代わりに、再結晶ベヘン酸75kg、再結晶ステアリン酸10.7kgを用いた以外は同じにして、脂肪酸銀分散物Bを調製した。
得られた結晶は、ベヘン酸銀含有率は82モル%、ステアリン酸銀が16モル%、アラキジン酸銀1モル%、リグノセリン酸銀1モル%含まれていた。
実施例1の再結晶ベヘン酸Aを88kg用いる代わりに、再結晶ベヘン酸75kg、再結晶ステアリン酸10.7kgを用いた以外は同じにして、脂肪酸銀分散物Bを調製した。
得られた結晶は、ベヘン酸銀含有率は82モル%、ステアリン酸銀が16モル%、アラキジン酸銀1モル%、リグノセリン酸銀1モル%含まれていた。
《還元剤−3分散物の調製》
10gの還元剤−3に対してヒドロキシプロピルセルロース4gと水86g添加して良く攪拌してスラリーとして10時間放置した。その後、平均直径0.5mmのジルコニア製ビーズを168g用意し、スラリーと一緒にベッセルに入れ、有機酸銀微結晶分散物の調製に用いたものと同じ分散機で10時間分散して固体微粒子分散液を得た。平均粒子径は70質量%が1.0μm以下であった。
(還元剤−3)
10gの還元剤−3に対してヒドロキシプロピルセルロース4gと水86g添加して良く攪拌してスラリーとして10時間放置した。その後、平均直径0.5mmのジルコニア製ビーズを168g用意し、スラリーと一緒にベッセルに入れ、有機酸銀微結晶分散物の調製に用いたものと同じ分散機で10時間分散して固体微粒子分散液を得た。平均粒子径は70質量%が1.0μm以下であった。
(還元剤−3)
《画像形成層塗布液−2〜5の調製》
実施例1の画像形成層塗布液−1の調製において、有機銀塩分散物、還元剤、有機ポリハロゲン化合物、水素結合性化合物、色調調整剤及び現像促進剤を、表3に示すように変更した以外は同様にして画像形成層塗布液−2〜5の調製を行なった。
実施例1の画像形成層塗布液−1の調製において、有機銀塩分散物、還元剤、有機ポリハロゲン化合物、水素結合性化合物、色調調整剤及び現像促進剤を、表3に示すように変更した以外は同様にして画像形成層塗布液−2〜5の調製を行なった。
(熱現像感光材料−201〜204の作製)
実施例1の熱現像感光材料−9の作製において画像形成層塗布液−1を画像形成層塗布液−2〜5のいずれかに変更した以外は同様にして、熱現像感光材料−201〜204を作製した。このときの画像形成層の各化合物の塗布量(g/m2)は、熱現像感光材料−1と同様である。
実施例1の熱現像感光材料−9の作製において画像形成層塗布液−1を画像形成層塗布液−2〜5のいずれかに変更した以外は同様にして、熱現像感光材料−201〜204を作製した。このときの画像形成層の各化合物の塗布量(g/m2)は、熱現像感光材料−1と同様である。
得られた熱現像感光材料−201〜203を実施例1と同様の方法で、露光・現像し、評価を行った。結果を表3に示す。
実施例2のような迅速処理に適した熱現像感光材料であっても、画像形成層と前記最外層との間に、バインダーを含有する非感光性中間層Aが設けられ、非感光性中間層Aのバインダーが、疎水性ポリマーを50質量%以上含有する場合には、当該熱現像感光材料をX線増感スクリーンを用いて露光した場合に、画像の白抜けが少ない熱現像感光材料であった。
実施例1の中間層B塗布液−2において、さらに架橋剤−1(エポクロスK−2020E(日本触媒(株))を120g添加して、中間層B塗布液−3を調製した。この中間層塗布液を用いた以外は、実施例1の熱現像感光材料−6と同様の方法で、熱現像感光材料−301を作製した。さらに、実施例1と同様の方法で評価を行なった。その結果を表4に示す。
架橋剤を添加することで、更に画像の白抜けが少ない熱現像感光材料であった。
37 フィルム保管ケース
39 フィルム保管ケースの蓋
41 フィルム枚葉部
43、65、67 搬送ローラ−
44 プレヒートローラー
45 フィルムガイド
49a 第1加熱手段
49b 第2加熱手段
51 プレート
53 押さえローラ
61 冷却ゾーン
100 熱現像装置
A 記録材料(感光性熱現像記録材料)
C 搬送路
δ 隙間
39 フィルム保管ケースの蓋
41 フィルム枚葉部
43、65、67 搬送ローラ−
44 プレヒートローラー
45 フィルムガイド
49a 第1加熱手段
49b 第2加熱手段
51 プレート
53 押さえローラ
61 冷却ゾーン
100 熱現像装置
A 記録材料(感光性熱現像記録材料)
C 搬送路
δ 隙間
Claims (24)
- 支持体の少なくとも一方の面側に画像形成層を設けてなり、該画像形成層が、感光性ハロゲン化銀、非感光性有機酸銀塩、還元剤、及びバインダーを含有する熱現像感光材料であって、X線増感スクリーンを用いて露光される熱現像感光材料であり、
支持体に対し前記画像形成層を有する面側であって、支持体より最も遠い最外層と前記画像形成層との間に、バインダーを含有する非感光性中間層Aが設けられ、
前記非感光中間層Aのバインダーが、疎水性ポリマーを50質量%以上含有することを特徴とする熱現像感光材料。 - 前記非感光性中間層Aが、前記画像形成層に隣接して設けられてなることを特徴とする請求項1に記載の熱現像感光材料。
- 前記非感光性中間層Aと前記最外層との間に、バインダーを含有する非感光性中間層Bが設けられてなり、前記最外層及び前記非感光中間層Bの少なくとも1層は、バインダーが動物性蛋白質由来の親水性ポリマーを50質量%以上含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱現像感光材料。
- 前記非感光性中間層Aのバインダーが、一般式(M)で表されるモノマーを10質量%以上70質量%以下で共重合したポリマーを含有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
一般式(M)
CH2=CR01−CR02=CH2
式中、R01およびR02は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、又はシアノ基より選ばれる基である。 - 前記X線増感スクリーンが、蛍光体を含有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
- 前記非感光性中間層Bのバインダーが、動物性蛋白質由来の親水性ポリマーを50質量%以上含有し、最外層のバインダーが、疎水性ポリマーを含有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
- 前記非感光性中間層Bが2層以上からなり、前記非感光性中間層Aに近い側の非感光性中間層Bが、動物性蛋白質由来ではない親水性ポリマーを50質量%以上含有するバインダーを含み、前記最外層に近い側の非感光性中間層Bが、動物性蛋白質由来の親水性ポリマーを50質量%以上含有するバインダーを含むことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
- 前記最外層のバインダーが、動物性蛋白質由来の親水性ポリマーを含有することを特徴とする請求項7に記載の熱現像感光材料。
- 前記最外層のバインダーが、疎水性ポリマーを含有することを特徴とする請求項7に記載の熱現像感光材料。
- 前記最外層のバインダーが、動物性蛋白質由来の親水性ポリマーと、疎水性ポリマーと、を含有することを特徴とする請求項7に記載の熱現像感光材料。
- 前記画像形成層が、支持体に対し両面に設けられてなることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
- 前記感光性ハロゲン化銀が、ヨウ化銀を40モル%以上100モル%以下含有することを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
- 前記感光性ハロゲン化銀が、ヨウ化銀を80モル%以上100モル%以下含有することを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
- 前記画像形成層が、さらに現像促進剤を含有することを特徴とする請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
- 前記画像形成層が、さらに下記一般式(H)で表される化合物を含有することを特徴とする請求項1〜請求項16のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
一般式(H)
Q−(Y)n−C(Z1)(Z2)X
式中、Qはアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。Yは2価の連結基を表す。nは0〜1を表す。Z1及びZ2は各々独立にハロゲン原子を表す。Xは水素原子又は電子求引性基を表す。 - 前記画像形成層が、前記一般式(H)で表される化合物を2種以上含有することを特徴とする請求項17に記載の熱現像感光材料。
- 前記画像形成層が、さらに色調調整剤を含有することを特徴とする請求項19に記載の熱現像感光材料。
- 前記非感光性有機酸銀塩が、ベヘン酸銀を90モル%以上含有することを特徴とする請求項1〜請求項20のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
- 塗布銀量が、1.8g/m2以下であることを特徴とする請求項1〜請求項21のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
- 支持体に対し、前記画像形成層の設けられた面側のいずれかの層が、架橋剤を含有することを特徴とする請求項1〜請求項22のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
- 露光工程及び熱現像工程を有する熱現像感光材料の画像形成方法であって、少なくとも下記(1)〜(5)の工程を含むことを特徴とする熱現像感光材料の画像形成方法。
(1)請求項1〜請求項23のいずれか1項に記載の熱現像感光材料を1対のX線増感スクリーンの間に設置することにより像形成用組立体を得る工程、
(2)前記像形成組立体とX線源との間に被検体を配置する工程、
(3)前記被検体にエネルギーレベルが25kVp以上125kVp以下のX線を照射する工程、
(4)前記熱現像感光材料を前記像形成組立体から取り出す工程、
(5)取り出した熱現像感光材料を90℃以上180℃以下の範囲の温度で加熱する工程。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004081600A JP2005266600A (ja) | 2004-03-19 | 2004-03-19 | 熱現像感光材料及びその画像形成方法 |
US11/080,781 US20050208441A1 (en) | 2004-03-19 | 2005-03-16 | Photothermographic material and image forming method utilizing the same |
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- 2004-03-19 JP JP2004081600A patent/JP2005266600A/ja active Pending
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