JP2005264889A - 水中回転機械およびそのケーブル保持構造 - Google Patents

Abstract

【課題】水中回転機械のケーブルを安定的に取り付けることができ、ケーブルの損傷を防止することができるケーブル保持構造を提供する。
【解決手段】ケーブル保持構造は、ケーブル保持部２１と、水中エアレータ１のケーブル１０を収容保持する孔２２０が形成された成形ホルダ２２と、成形ホルダ２２をケーブル保持部２１に固定するホルダ固定具２３とを備える。成形ホルダ２２には、長手方向の全長にわたって孔２２と連通するスリット２２２を形成する。
【選択図】 図４

Description

本発明は、水中回転機械およびそのケーブル保持構造に係り、特に水中エアレータなどの水中回転機械から延びるケーブルの取付構造に関するものである。

図１は従来の水中回転機械のケーブル保持構造を示す水平断面図、図２は図１の正面図である。図１に示すように、従来のケーブル保持構造においては、ケーブル本体５００とケーブル本体５００の周囲を被覆する保護ホース５０２とからなるケーブル５０４の周りにゴム板５０６が巻かれ、保護ホース５０２に巻き付けられたゴム板５０６は固定具５１２とバンド５０８により固定される。これらの保護ホース５０２およびゴム板５０６は、Ｕボルト５１０の締結によりケーブル保持部５１４に固定される。

しかしながら、従来の水中回転機械のケーブル保持構造においては、ゴム板５０６の巻き付け具合によって、取付時のＵボルト５１０の締め付け力に差が生じる。この締め付け力は事前に想定することもできない。このため、ケーブル５０４に対する締め付け力が弱い場合には、ゴム板５０６が取付部から外れてしまう。ゴム板５０６が外れると、保護ホース５０２が抜けて、ケーブル本体５００の表面が外に出てきてしまいケーブル５００が傷つけられてしまう。

本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、水中回転機械のケーブルを安定的に取り付けることができ、ケーブルの損傷を防止することができるケーブル保持構造およびかかるケーブル保持構造を備えた水中回転機械を提供することを目的とする。

上記目的を達成するため、本発明の第１の態様によれば、水中回転機械のケーブル保持構造が提供される。このケーブル保持構造は、ケーブル保持部と、水中回転機械のケーブルを収容保持する孔が形成された成形ホルダと、上記成形ホルダを上記ケーブル保持部に固定するホルダ固定具とを備えている。

このように、成形されたホルダにより水中回転機械のケーブルを取り付けるので、ケーブルに対する締め付け力を管理することができ、ケーブルがケーブル保持部から抜け出すことを防止することができる。すなわち、寸法管理された成形ホルダにより水中回転機械のケーブルを取り付けるので、ケーブルに対する締め付け力の調整が容易となる。

上記成形ホルダの断面形状は、偶数角数を有する多角形、特に四角形であることが好ましい。また、上記成形ホルダをショア硬さが４０から７０の弾性体から成形することが好ましい。

上記成形ホルダの孔の断面形状は円形であることが好ましい。この場合において、上記成形ホルダの孔の径を上記ケーブルの外径よりも小さくすることが好ましい。このように、成形ホルダの孔の径をケーブルの外径よりも小さくすることにより、成形ホルダの孔にケーブルを挿通させたときに、ケーブルをしっかりと成形ホルダに保持することが可能となる。

上記成形ホルダに、長手方向の全長にわたって上記孔と連通するスリットを形成してもよい。このようなスリットを成形ホルダに形成することにより、成形ホルダの孔にケーブルを挿入しやすくなり、また、ケーブルに対する固定時の締め付け力を増すことができる。

また、上記成形ホルダの長手方向の長さを、上記ホルダ固定具の長手方向の長さよりも長くすることが好ましい。この場合において、上記成形ホルダの長手方向の両端部に、上記ホルダ固定具の長手方向の端面に係合可能なつばを設けることが好ましい。このようなつばを設けることにより、成形ホルダがホルダ固定具から抜けてしまうことが防止される。

本発明の好ましい一態様によれば、上記ホルダ固定具を上記ケーブル保持部に締結したときに上記ホルダ固定具と上記ケーブル保持部とにより形成される空間を、締結前の上記成形ホルダの占める空間よりも小さくする。このような構成により、ホルダ固定具をケーブル保持部に締結したときに、成形ホルダがホルダ固定具により押圧され、成形ホルダの弾力性により、隣接する成形ホルダ同士および成形ホルダとホルダ固定具とが密着する。このため、ケーブルをケーブル保持構造内にしっかりと固定することができる。

上記ケーブル保持構造は複数の成形ホルダを備えていてもよい。このように複数の成形ホルダを備えることにより、ホルダ固定具などの部品を共有化することができ、製造コストを抑えることができる。

本発明の第２の態様によれば、水中モータと、上記水中モータから延びるケーブルと、上述したケーブル保持構造とを備えたことを特徴とする水中回転機械が提供される。

上述したように、本発明に係る水中回転機械およびそのケーブル保持構造によれば、ケーブルを安定的に取り付けることができ、ケーブルの損傷を防止することができる。

以下、本発明に係る水中回転機械およびそのケーブル保持構造の実施形態について図３から図７を参照して詳細に説明する。なお、図３から図７において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。

図３は、本発明の一実施形態における水中回転機械１を示す縦断面図である。本実施形態では、水中回転機械１が水中エアレータ（回転式水中曝気装置）である場合を例に説明するが、水中ポンプなど水中に設置されるいずれの水中回転機械にも本発明を適用することができる。

水中エアレータ１は、曝気槽などの水中に設置されるものであり、図３に示すように、上部に取り付けられた乾式水中モータ２と、水中モータ２の下部に配置された遊星減速機３と、吸込口４ａを有する上ケーシング４と、吐出口５ａを有する下ケーシング５と、上ケーシング４の内部に配置されたインペラ６とを備えている。インペラ６の下方には空気室ケーシング７が配置されており、空気室ケーシング７の内部には空気室７ａが形成されている。この空気室７ａには給気管８が接続されており、この給気管８は下方でＵ字状に屈曲して、外部に設置されたブロワ（図示せず）に接続される。

ブロアからの空気は給気管８を通って、空気室ケーシング７内の空気室７ａに送り込まれる。水中モータ２の駆動によりインペラ６が回転し、吸込口４ａから吐出口５ａに向かう水流が形成される。空気室７ａに送り込まれた空気の泡は、インペラ６から吐出された水流によって微細化され、この水流とともに吐出口５ａから水中に効率よく拡散される。

水中モータ２からは、水中モータ２に電力を供給するための配線や水中エアレータ１内の温度検知器や浸水検知器などの検知器に接続される配線などを収容した複数のケーブル１０が延びている。これらのケーブル１０は、水中モータ２の上方に設置された第１のケーブル保持ユニットと、水面近くに設けられたフックに掛けられた第２のケーブル保持ユニットとにより所定の位置に位置決めされており、これらのケーブル保持ユニットを介して図示しない電源や制御装置に接続される。

図４は図３の第１のケーブル保持ユニットを示す水平断面図、図５は図４の正面図である。図４に示すように、第１のケーブル保持ユニットは、水中エアレータ１に対して固定的に設けられたケーブル保持部２１と、水中モータ２からのケーブル１０を収容保持する成形ホルダ２２と、成形ホルダ２２をケーブル保持部２１に固定するホルダ固定具２３とを備えている。なお、本実施形態における各ケーブル１０は、ケーブル本体１００と、ケーブル本体１００を被覆する保護ホース１０２とから構成されており、保護ホース１０２によりケーブル本体１００の損傷を防止するようになっている。

図４および図５に示すように、本実施形態では、２本のケーブル１０が２つの成形ホルダ２２に収容保持されている。本実施形態における成形ホルダ２２は、ゴムを略直方体状に成形したものである。この成形ホルダ２２の材質は特に限定されないが、ゴムなどの弾性体、特にショア硬さＨＳが４０から７０の弾性体であることが好ましい。

図４に示すように、各成形ホルダ２２には、ケーブル１０を挿通させるための円形断面の孔２２０が形成されている。この孔２２０の断面形状は、ケーブル１０の外形に対応する形状であればよく、円形に限られるものではない。この孔２２０の径は、挿入されるケーブル１０の外径よりも小さく設計されており、この孔２２０にケーブル１０を挿通させたときに、ケーブル１０が成形ホルダ２２にしっかりと保持されるようになっている。

また、各成形ホルダ２２には、長手方向の全長にわたって延び、孔２２０と連通するスリット２２２が形成されている。このようなスリット２２２を形成することにより、成形ホルダ２２の孔２２０にケーブル１０を挿入しやすくなり、また、ケーブル１０に対する固定時の締め付け力を増すことができる。

ケーブル取付時は、まず、各成形ホルダ２２内の孔２２０にケーブル１０を挿通させる。そして、ケーブル１０を挿通させた成形ホルダ２２を互いに接した状態でケーブル保持部２１上に配置する。これらの成形ホルダ２２を覆うようにホルダ固定具２３を配置し、ボルト２３０およびナット２３２によりホルダ固定具２３をケーブル保持部２１に締結する。

ここで、取付時のホルダ固定具２３とケーブル保持部２１との間に形成される空間は、取付前の成形ホルダ２２の占める空間よりも小さくなっている。したがって、ボルト２３０およびナット２３２によりホルダ固定具２３をケーブル保持部２１に締結すると、成形ホルダ２２がホルダ固定具２３により押圧され、成形ホルダ２２の弾力性により、隣接する成形ホルダ２２同士および成形ホルダ２２とホルダ固定具２３とが密着する。このため、ケーブル１０を第１のケーブル保持ユニット内にしっかりと固定することができる。

また、各成形ホルダ２２の長手方向の長さは、ホルダ固定具２３の長手方向の長さよりも長くなっており、成形ホルダ２２の長手方向の両端部には、ホルダ固定具２３の長手方向の端面に係合可能なつば２２４が形成されている。このようなつば２２４を各成形ホルダ２２に形成することにより、成形ホルダ２２がホルダ固定具２３から抜けてしまうことを防止することができる。

図６はフック３００に掛けられた第２のケーブル保持ユニットを示す正面図、図７は図６の水平断面図である。図６および図７に示すように、第２のケーブル保持ユニットは、ケーブル保持板３１と、成形ホルダ３２と、ホルダ固定具３３と、フック３００に掛けるリング３４とを備えている。この第２のケーブル保持ユニットは、リング３４によりフック３００に掛けられる点を除いて、上述した第１のケーブル保持ユニットとほぼ同一の構成である。すなわち、この第２のケーブル保持ユニットにおけるケーブル保持板３１、成形ホルダ３２、ホルダ固定具３３は、それぞれ第１のケーブル保持ユニットにおけるケーブル保持部２１、成形ホルダ２２、ホルダ固定具２３に対応するので、これらの詳細については説明を省略する。

上述した実施形態では、ケーブル１０、第１のケーブル保持ユニットの成形ホルダ２２、第２のケーブル保持ユニットの成形ホルダ３２の数をそれぞれ２つとした例を説明したが、これらの数は図示したものに限られない。また、本実施形態における成形ホルダ２２、成形ホルダ３２の断面形状は図示した略四角形に限られるものではなく、例えば四角以上の多角形、特に偶数角数を有する多角形とすることができる。

これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。

従来の水中回転機械のケーブル保持構造を示す水平断面図である。 図１のケーブル保持構造の正面図である。 本発明の一実施形態における水中回転機械を示す縦断面図である。 図３の水中回転機械における第１のケーブル保持構造を示す水平断面図である。 図４のケーブル保持構造の正面図である。 図３の水中回転機械における第２のケーブル保持構造を示す正面図である。 図６のケーブル保持構造の水平断面図である。

符号の説明

１ 水中エアレータ
２ 水中モータ
３ 遊星減速機
４ 上ケーシング
４ａ 吸込口
５ 下ケーシング
５ａ 吐出口
６ インペラ
７ 空気室ケーシング
７ａ 空気室
８ 給気管
１０ ケーブル
２１ ケーブル保持部
２２，３２ 成形ホルダ
２３，３３ ホルダ固定具
３１ ケーブル保持板
３４ リング
１００ ケーブル本体
１０２ 保護ホース
２２０ 孔
２２２ スリット
２２４ つば
３００ フック

Claims (6)

1. ケーブル保持部と、
   水中回転機械のケーブルを収容保持する孔が形成された成形ホルダと、
   前記成形ホルダを前記ケーブル保持部に固定するホルダ固定具と、
   を備えたことを特徴とする水中回転機械のケーブル保持構造。
2. 前記成形ホルダの断面形状は、偶数角数を有する多角形であることを特徴とする請求項１に記載の水中回転機械のケーブル保持構造。
3. 前記成形ホルダの孔の径は、前記ケーブルの外径よりも小さいことを特徴とする請求項１または２に記載の水中回転機械のケーブル保持構造。
4. 前記成形ホルダの長手方向の長さは、前記ホルダ固定具の長手方向の長さよりも長いことを特徴とする請求項１から３のいずれか一項に記載の水中回転機械のケーブル保持構造。
5. 前記ホルダ固定具を前記ケーブル保持部に締結したときに前記ホルダ固定具と前記ケーブル保持部とにより形成される空間が、締結前の前記成形ホルダの占める空間よりも小さいことを特徴とする請求項１から４のいずれか一項に記載の水中回転機械のケーブル保持構造。
6. 水中モータと、
   前記水中モータから延びるケーブルと、
   請求項１から５のいずれか一項に記載のケーブル保持構造と、
   を備えたことを特徴とする水中回転機械。

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