JP2005264800A - 燃焼装置、ガスタービン発電装置、燃焼方法、ガスタービン発電方法及びガスタービン装置の改造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の燃焼装置は、水を電気分解することによって水素ガス及び酸素ガスを発生させる水素酸素ガス発生装置1と燃焼器2とを有し、水素酸素ガス発生装置1で発生した水素ガス及び酸素ガスを燃焼器2に供給するものである。また、本発明のガスタービン発電装置は、上述した燃焼装置に加え、同軸に連結された、タービン6、圧縮機7及び発電機8を備え、燃焼ガスによりプロセス蒸気を発生させるボイラ9と、発電機8により得られた電気を水素酸素ガス発生装置1に供給する電気供給ライン10とを有する。
【選択図】 図2
Description
(1)燃料コストの課題:従来の技術と燃焼方法では、まずガスタービンを駆動させるための燃焼源となる燃料の化石燃料(灯油、軽油、重油など)やアセチレン、LPGガスなどのコストが高く、ガスタービン発電を行う上で、代替的発電装置としてのコスト的な課題がある。
(2)環境汚染への課題:従来からの化石燃料主体の燃焼方式では、清潔な燃焼は期待できず、対策を施してもどうしても環境汚染を伴ってしまう。
(3)安全性の課題:化石燃料やガスの取り扱いの場合も同様であるが、特に、水素ガスを燃焼源とする場合、水素ガス貯蔵タンクなどへの引火や取り扱いの危険性を伴う。
(4)汎用性の課題:既存のガスタービン燃焼装置で燃料として使用されている化石燃料やLPGガスなどの燃焼源設備を容易に水素酸素ガス燃焼方式に置き換えられるか否かの互換性の課題がある。
(5)操作性と機動性の課題:ガスタービン駆動燃焼のための燃焼源としての燃焼装置の操作性は、既存の燃焼源の操作性を保持しているか否かという課題がある。
(1)水を電気分解することによって水素ガス及び酸素ガスを発生させる水素酸素ガス発生装置を利用したことにより、燃料源として「水」を使用することができる。そして、水素ガス及び酸素ガスは完全燃焼するために、排気口は殆ど不要である。つまり、原料が軟水又は蒸留水と一般電源のため、燃料費用が安価であり入手も容易であり、経済的である。このため、灯油、重油、軽油などの化石燃料、アセチレンやLPGガスなどに比べ運用コストが大幅に軽減できる。
(2)水素ガス及び酸素ガスは、燃焼後に水に変化するので、無公害、無汚染、無毒性で環境を汚染しないクリーン燃焼が実現できる。
(3)燃焼に必要な水素ガスを逐次製造できるため、ガスを燃料源として貯蔵する必要がない。つまり、ガスは、必要量のみ製造すればよいので、ガス製造中に貯留させる必要がないので安全である。
(4)水素酸素ガス発生装置は、各種のガスタービンに接続できるため、必要に応じてガス発生能力や最高火炎温度を選択できる。
(5)水素酸素ガス発生装置は移動が可能であるため、陸上、海上、航空などの分野における移動性を確保した安全な設置運用を可能とする。
(1)燃料コストの課題:水素酸素ガス発生装置を燃焼源とする場合、燃料となる原料は、軟水や蒸留水に加え、一般電源であり、燃料コストは安価である。また、燃料となる水素酸素の確保も容易であり、且つ安全である。
(2)環境汚染への課題:従来からの化石燃料主体の燃焼方式からの水素酸素ガス燃焼という代替的燃焼方式を採用することにより、クリーンな燃焼環境が確保できる。特に、水素ガス及び酸素ガスは燃焼すると「水」となるために無公害、無汚染、無毒性である。また、一酸化炭素や黒煙の発生が全くないばかりでなく、ダイオキシンの発生も皆無である。
(3)安全性の課題:燃焼時に必要な分だけの燃焼源としての水素ガスを適宜製造するのでガスの貯蔵や使用後の残留がなく、保管や爆発の心配がない。また、二重の自動安全装置の装備で、高温、過熱、断水などへの対応も備えている。
(4)汎用性の課題:既存の燃焼源設備からの水素酸素ガス燃焼源への転換にも容易に対応できるとともに、互換性に優れている。水素酸素ガス発生装置によって発生する水素ガス及び酸素ガスは、ガス状態で直接ガスタービンの燃焼器へ取り入れて燃焼させる場合と、水素酸素ガス発生装置によって発生させた火炎そのものを誘導パイプなどによって火炎放射状態で燃焼器に取り入れることもできる。したがって、既存のガスタービン装置の構造を大幅に変更せずに、既存構造のまま燃焼源を置換することができる。
(5)操作性と機動性の課題:水素酸素ガス発生装置は、電源スイッチを投入後、約30秒でガスが発生し、即座に使用できる。本装置の操作性は極めて容易で、運用についても長時間の連続使用が可能であり、長期の燃焼源としての運用に耐えることができる。本装置は、固定型としてだけでなく、移動型として装置設計が考慮されているので、使用場所を特定せずに設置ができる。また、運用時においても、ガスタービンの燃焼に必要とするガス圧や火炎温度の調整も常時容易にできるので燃焼エネルギーの効率的な運転を可能とする。
(1)産業用としては、自動車製造工場、重工業、電機機器製造工場、焼却炉、ボイラを要する燃焼施設、工場の熱源などがある。
(2)業務用としては、ホテル、病院、公共施設などの熱源と発電装置、ビル冷暖房コジェネレーションなどがある。
(3)農業用としては、ビニールハウスなどのボイラ用熱源、各種農業施設の熱源及び自家発電などがある。
(4)基幹分野としては、原子力発電所の原子力利用や火力発電所の化石燃料からの代替燃料エネルギー源としての電力供給などがある。
(5)輸送エネルギーとしては、大型、中型、小型の各船舶用の低コスト燃料として、ディーゼル・エンジンなどの動力からの代替エネルギー源などがある。
(6)航空・宇宙産業としては、航空機、宇宙ロケットなどの代替エンジンなどの利用分野が考えられる。
2…燃焼器
3…移送管
4…貯水タンク
5…電源
6…タービン
7…圧縮機
8…発電機
9…ボイラ
10…電気供給ライン
11…充電池
12…電源
Claims (14)
- 燃料ガスと圧縮空気とを燃焼器に供給して燃料ガスを燃焼させる燃焼装置において、水を電気分解することによって水素ガス及び酸素ガスを発生させる水素酸素ガス発生装置を前記燃焼器に接続し、その発生ガスを前記燃料ガスとしたことを特徴とする燃焼装置。
- 前記水素酸素ガス発生装置を前記燃焼器に直接接続したことを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置。
- 前記燃焼器の外部に前記水素酸素ガス発生装置を設置し、これらを移送管によって接続したことを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置。
- 前記水素酸素ガス発生装置により発生したガスを利用して自ら火炎を発生させ、その火炎を前記燃焼器に供給したことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の燃焼装置。
- タービン、圧縮機、発電機及び燃焼器を有し、燃料ガスと圧縮機から送り込まれる圧縮空気とを燃焼器に供給して燃料ガスを燃焼させ、その燃焼ガスによってタービンを駆動し、その駆動力を発電機に伝達して出力を得るガスタービン発電装置において、水を電気分解することによって水素ガス及び酸素ガスを発生させる水素酸素ガス発生装置を前記燃焼器に接続し、その発生ガスを燃料ガスとして前記燃焼器に供給することを特徴とするガスタービン発電装置。
- 前記水素酸素ガス発生装置を前記燃焼器に直接接続したことを特徴とする請求項5に記載のガスタービン発電装置。
- 前記燃焼器の外部に前記水素酸素ガス発生装置を設置し、これらを移送管によって接続したことを特徴とする請求項5に記載のガスタービン発電装置。
- 前記水素酸素ガス発生装置により発生したガスを利用して自ら火炎を発生させ、その火炎を前記燃焼器に供給したことを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれかに記載のガスタービン発電装置。
- 水を電気分解することによって水素ガス及び酸素ガスを発生させ、その発生ガスを圧縮空気と混合させて燃焼させることを特徴とする燃焼方法。
- 前記発生ガスの一部により火炎を発生させ、その火炎を残りの発生ガスとともに圧縮空気と混合させて燃焼させることを特徴とする請求項9に記載の燃焼方法。
- 水を電気分解することによって水素ガス及び酸素ガスを発生させ、その発生ガスを圧縮空気と混合させて燃焼させ、その燃焼ガスによりタービンを駆動し、その駆動力によって発電させることを特徴とするガスタービン発電方法。
- 前記発生ガスの一部により火炎を発生させ、その火炎を残りの発生ガスとともに圧縮空気と混合させて燃焼させることを特徴とする請求項11に記載のガスタービン発電方法。
- 化石燃料や天然ガスを利用した燃焼方式を採用するガスタービン装置の改造方法であって、燃焼器に燃料を供給するラインを、水を電気分解することによって発生するガスを供給するラインに変更して水素酸素ガス燃焼方式とすることを特徴とするガスタービン装置の改造方法。
- 水を電気分解することによって発生するガスの一部により火炎を発生させ、その火炎を前記燃焼器に供給するラインを追加したことを特徴とする請求項13に記載のガスタービン装置の改造方法。
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