JP2004076634A - 水素を燃料としたガスタービン発電機 - Google Patents

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Mitsuo Konno
今野 満男
Masahiro Mori
森 正弘
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Abstract

【課題】水素と酸素の化学反応で生じる水を排出するだけの完全にクリーンなものにし、かつ、燃焼器において高圧のガスタービン用作動流体ガスを効率よく発生させるとともに、圧縮空気を無用にすることによりコンプレッサの使用を排して、発電効率を向上させる。
【解決手段】バーナーに燃料を供給して燃焼させることによりその燃焼室内にガスタービン用作動流体ガスを発生させる燃焼器と、この燃焼器からの作動流体ガスで運転される小型ガスタービン発電機とから成るマイクロガスタービン発電機において、圧縮水素ガスと圧縮酸素ガスとを化学当量比で前者が2、後者が1の割合で導入しかつ混合して上記バーナーに供給するガスミキサを設け、上記燃焼器の燃焼室内に冷却スチームを送り込む冷却スチーム供給手段を講じた。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素を燃料としたガスタービン発電機、特に、圧縮水素ガスを燃料として用いたマイクロガスタービン発電機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、マイクロガスタービン発電機と称される従来のガスタービン発電機では、燃焼器においてガス又は油を燃焼させてタービンへ供給する作動流体ガスを発生させているが、この場合、その燃焼効率を確保するために発電機の出力軸にコンプレッサを取り付け、このコンプレッサにより圧縮空気を発生させて燃焼器に供給する構成が採られている。
【0003】
しかし、この従来の構成によると、ガスタービンの軸出力の約1/2が圧縮空気を発生させるために消費され、この圧縮機は大気を取り込んで圧縮空気を発生させるものであるから、燃焼反応には寄与しない窒素ガスが約8割も含まれることとなり、結局、ガスタービン軸出力の60%〜70%が燃焼反応の促進に関係のない窒素ガスの圧縮のために消費されてしまい、発電効率が低いという問題点を有していた。また、コンプレッサで圧縮された酸素とともにそれ以上の量の窒素が燃焼器に送り込まれてしまう結果、ガスタービン効率を高めるために燃焼温度を上げると、排ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)の量が増加することとなり、環境規制を受けることになるという問題点も有していた。
【0004】
これらの問題点を解決するため、本出願人は、先に、ブラウンガス(水素と酸素を体積比で2対1の割合で混合した非爆発性の水素/酸素ガス混合体であり、その燃焼温度が理論値として3400℃となる公知のガスである。)と水/油混合燃料とを高温状態で混焼させるようにしたものを開発した(特開平10−246125号公報)。この場合、ブラウンガス炎により作られた高温反応場で水/油混合燃料に含まれる水を活性ガス化させることで水素と酸素に分解させることができるので、これにより発生した酸素によって油を燃焼させることができ、殆ど空気の供給なしに水/油混合燃料を完全燃焼させることができて、圧縮空気の必要がなくなり、したがって、コンプレッサも不要になって、それらの問題点を解決することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、そうしたガスタービン発電機の開発の一環として、更に改良発展させたものであり、燃焼器に燃料としての圧縮水素ガスと酸化剤としての圧縮酸素ガスを供給し、油等の他の燃料も圧縮空気も一切用いずにその圧縮水素ガスだけを激しく完全燃焼させることにより、油等の燃焼に伴う排ガスすらも全く無い、水素と酸素の化学反応で生じる水を排出するだけの完全にクリーンなものにし、併せて、圧縮空気を無用にし、コンプレッサを不要にして、上述の従来の問題点、すなわち、ガスタービン軸出力の60%〜70%が燃焼反応の促進に関係のない窒素ガスの圧縮に消費されて発電効率が低いという問題点及び排ガス中に高濃度の窒素酸化物(NOx)が含まれて環境規制を受けるという問題点をも十分に解決しようとするものである。
【0006】
ところで、従来のマイクロガスタービン発電機では、その燃料ガスの圧力が約6kg/cmと低いために発電効率も26%〜28%等と低いものであった。この効率を向上させる従来の考え方は、タービンに供給する作動流体ガスの温度を上げてタービン効率を上昇させることが最大のポイントであり、例えば水素を燃料とする方式で1700℃程度にすることなどが考えられてきた。しかし、このような高温ではタービンの羽根に過酷にすぎる。したがって、従来の考え方においてはその温度に耐える羽根の開発が効率上昇の最重要ポイントでもあった。そこで、本発明は、この点に関して、ガスタービンの中ではマイクロガスタービン発電機のガスタービンの羽根のみが単翼であって水力発電機におけるフランシス水車のランナ羽根に類似することに着目し、フランシス水車での水圧(単位水量)関係を作動流体ガスの圧力関係に流用することにより、作動流体ガスの温度を上げるのではなく圧力を上げて、タービンの羽根に過酷とならない温度範囲内でその発電効率を向上させようとするものでもある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる観点から、本発明は、バーナーに燃料を供給して燃焼させることによりその燃焼室内にガスタービン用作動流体ガスを発生させる燃焼器と、この燃焼器からの作動流体ガスで運転される小型ガスタービン発電機とから成るマイクロガスタービン発電機において、圧縮水素ガスと圧縮酸素ガスとを化学当量比で前者が2、後者が1の割合で導入しかつ混合して上記バーナーに供給するガスミキサを設け、上記燃焼器の燃焼室内に冷却スチームを送り込む冷却スチーム供給手段を講じた。
【0008】
加えて、上記高圧水素ガスと上記高圧酸素ガスとをそれぞれ50kg/cm(50気圧)程度の圧力を有する圧縮ガスとして上記バーナーに供給するよう構成するとともに、上記冷却スチームを200℃程度として上記燃焼室内の下流部に圧入させるよう構成し、また、上記圧縮水素ガスと上記圧縮酸素ガスとをそれぞれ350kg/cmで充填した圧縮水素ボンベと圧縮酸素ボンベとから減圧弁を介して供給するよう構成し、更に、上記冷却スチーム供給手段おける水の加熱には前記小型ガスタービン発電機から排出される使用済み作動流体ガスを用いるよう構成した。
【0009】
そして、異なる単位水量で最大効率となる複数の水車発電機を備え、それらの水車発電機を各単位水量に対応してその自流水量で最大発電電力となるようそれぞれ単独運転させる自流式水力発電手段と、その発生電力を水の電気分解に使用して圧縮水素ガスと圧縮酸素ガスを生産する手段と、それらの圧縮水素ガスと圧縮酸素ガスを各々高圧ボンベに充填して運搬する手段とを設け、この運搬手段で運搬された各高圧ボンベから前記ガスミキサへと圧縮水素ガスと圧縮酸素ガスとを供給するよう構成した。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づき詳細に説明する。
【0011】
図1は、請求項1乃至請求項4の発明に係る実施の形態を示しており、図において、1は、燃焼器2と小型ガスタービン発電機3とから成るマイクロガスタービン発電機、4は、圧縮水素ボンベ、5は、圧縮酸素ボンベ、7は、圧縮水素ボンベ4からの圧縮水素ガスと圧縮酸素ボンベ5からの圧縮酸素ガスを受けて混合し、これを燃焼器2へと供給するガスミキサ、8は、燃焼器2の燃焼室9内に冷却スチーム10を送り込む冷却スチーム供給手段である。Cは、それらのボンベ4,5を運搬する水素ハイウェー(図2参照)、Daは、図1のガスタービン発電機の全体を示している。
【0012】
燃焼器2は、筒状の燃焼室9の一端にガスバーナー11と点火器12を備え、他端に小口の作動流体ガス噴出口13を有し、この作動流体ガス噴出口13に小型ガスタービン発電機3のガスタービン14へと作動流体ガスを供給する作動流体ガス供給管15を連ねている。
【0013】
小型ガスタービン発電機3は、ガスタービン14と三相交流電力を出力する発電機本体16とが共通の回転軸17で機械的に連なっており、ガスタービン14の回転に伴い発電機本体16から三相交流電力を出力するよう構成している。なお、燃焼器2において燃料の燃焼に圧縮空気を必要としないので、コンプレッサを設ける必要はない。ただし、既存の小型ガスタービン発電機3をそのまま利用することもでき、その場合には、軸バランスの関係上、コンプレッサ18を取り付けたままにして埋め殺す、すなわち無負荷状態に放置するとよい。
【0014】
圧縮水素ボンベ4と圧縮酸素ボンベ5は、それぞれ複数個(n個)を使用するが、これらのボンベには、350kg/cm(350気圧)の圧縮水素ガス又は圧縮酸素ガスを充填している。また、ガスミキサ7は、内部に邪魔螺旋金属片19を内装しており、各n個の圧縮水素ボンベ4と圧縮酸素ボンベ5から供給される圧縮水素ガスと圧縮酸素ガスをそれぞれ減圧弁20,21により50kg/cm(50気圧)に減圧するとともに、化学当量比で前者が2、後者が1の割合で導入し、邪魔螺旋金属片19により両者の流れを撹乱させて双方を混合し、この混合ガスを燃焼器2のガスバーナー11に供給して、燃焼させるようにしている。なお、圧縮水素ボンベ4内の圧縮水素ガスと圧縮酸素ボンベ5内の圧縮酸素ガスが50kg/cm以下にまで少なくなると、それらのボンベは水素ハイウェーCを通じて再充填に戻す。
【0015】
冷却スチーム供給手段8は、タンクに収容されたボイラ水を給水ポンプ22により下記の廃熱回収ボイラ23に送ってスチーム化し、スチーム制御弁24を有するスチーム配管25を介して燃焼器2の燃焼室9内下流部に200℃程度の冷却スチーム10として送り込むよう構成し、その廃熱回収ボイラ23は、前記ガスタービン14からの使用済み作動流体ガス(廃スチーム)を上記ボイラ水の加熱手段に利用するものであり、その使用済み作動流体ガスを、制御ダンパ26を有する導管27を介して導入して、その使用済み作動流体ガスの潜熱(廃熱)を回収するようにし、作動流体ガスが冷えてできたドレン水は排水管28を通じて外部へと排水するようにしている。なお、冷却スチーム供給手段8では、水がスチーム化されずに水のままで燃焼器2に供給されると、ガスタービン14が損傷する可能性があることから、始動時から燃焼器2に冷却スチーム10を供給する必要がある。そのためには、廃熱回収ボイラ23内に始動用の他の加熱手段を講じるか又は廃熱回収ボイラ23の外に別個の始動用ボイラを付設する。
【0016】
如上の構成であり、この図1に示す実施の形態に係るガスタービン発電機の動作、作用は次の通りである。
【0017】
n個の圧縮水素ボンベ4とn個の圧縮酸素ボンベ5から供給される50kg/cm(50気圧)乃至350kg/cm(350気圧)の圧縮水素ガスと圧縮酸素ガスは、それぞれ減圧弁20,21により50kg/cm(50気圧)に減圧されるとともに、化学当量比で前者が2、後者が1の割合でガスミキサ7に送られて、ガスミキサ7内にて邪魔螺旋金属片19により撹乱混合され、この混合ガスが燃焼器2のガスバーナー11に送られ、点火器12により点火されて、その燃焼器2の燃焼室9内において圧縮水素ガスが圧縮酸素ガスと化学反応して激しく完全に燃焼し、ガスタービン用の作動流体ガス(作動スチーム)となる。なお、圧縮水素ボンベ4内の圧縮水素ガスと圧縮酸素ボンベ5内の圧縮酸素ガスが50kg/cm以下にまで下がると、他のボンベに交換され、外されたボンベは水素ハイウェーCを通じて再充填に戻される。
【0018】
一方、燃焼器2の燃焼室9内下流部には、冷却スチーム供給手段8から200℃程度の低温の冷却スチーム10が送られて、燃焼器2が適宜に冷却される。つまり、燃焼室9内のスチームは、最も高温となる燃焼炎先端近傍で2000℃程度、冷却スチーム10が流入する下流部で910℃程度となり、燃焼器2の過度の温度上昇を抑える。また、このように冷却に供された冷却スチーム10は、その燃焼室9内において体積が熱膨張により格段に増大して上記ガスタービン用作動流体ガスに加わり、結果として、燃焼器2からは温度が910℃程度の高圧で多量のガスタービン用作動流体ガス(作動スチーム)が噴出することとなる。そして、この高圧の作動流体ガスは、作動流体ガス供給管15を通じてガスタービン14に送られ、この際、その作動流体ガス供給管15において905℃程度にまで降下するが、燃焼室9内下流部における流速Vと作動流体ガス供給管15内における流速Vとの関係がV≪Vとなって、超高速・高圧でガスタービン14へと供給されることとなる。
【0019】
これにより、小型ガスタービン発電機3では、ガスタービン14が高速度で回転し、この回転が回転軸17を介して発電機本体16へと機械的に伝達されて、発電機本体16からは例えば2267Hz〜2667Hzの所要の三相交流電力を出力する。なお、既存の小型ガスタービン発電機3を用いて、上述のようにコンプレッサ18を埋め殺した場合、コンプレッサ18の機械的負荷がなくなるので、コンプレッサ18を使用した従来の場合に比べて効率を約40%向上させることができる。
【0020】
冷却スチーム供給手段8では、給水ポンプ22によりタンクに収容されたボイラ水が廃熱回収ボイラ23へと供給され、この廃熱回収ボイラ23でその水がガスタービン14からの使用済み作動流体ガス(廃スチーム)により加熱されてスチーム化され、これがスチーム配管25を通じて燃焼器2の燃焼室9内下流部に200℃程度の冷却スチーム10として送り込まれる。また、その廃熱回収ボイラ23には、ガスタービン14からの使用済み作動流体ガスが導管27を介して送り込まれ、この使用済み作動流体ガスが上述のようにボイラ水を加熱する。したがって、運転中はその使用済み作動流体ガスの潜熱(廃熱)を合理的に回収できて、ボイラ水を加熱するためのエネルギーを要しない。ただし、始動時に、スチームを発生させるための加熱手段を要することは、前述の通りである。廃熱回収ボイラ23においてボイラ水の加熱に利用された使用済み作動流体ガスは、その際の熱交換で冷やされてドレン水となり、排水管28を通じて外部へと排出される。ところで、燃焼器2の燃焼室9内下流部に送り込まれる冷却スチーム10は、燃焼器2の燃焼室9内が高圧化しているためにこれに打ち勝つ十分な圧力で圧入される必要があるが、この圧力を与えるのが上記給水ポンプ22である。この場合、給水ポンプ22は液体の状態にある水を圧送するので、動力は極めて少ない。
【0021】
次に、図2は、請求項5に係る実施の形態を示しており、図において、Aは、山側の自流式水力発電所、Bは、この自流式水力発電所Aの近傍に設けたオンサイト水電解工場、Cは、このオンサイト水電解工場Bから供給される圧縮水素ガスのボンベと圧縮酸素ガスのボンベを運搬する水素ハイウェー、Dは、この水素ハイウェーCを通じて搬入された圧縮水素ガスのボンベと圧縮酸素ガスのボンベから圧縮水素ガスと圧縮酸素ガスを受けてその圧縮水素ガスを燃料として発電する需要サイトの発電所である。
【0022】
山側の自流式水力発電所Aは、異なる単位水量Q,Q(有効落差h,h)で最大効率と成る複数の水車発電機31を備え、それらの水車発電機31を各単位水量に対応してその自流水量で異なる周波数F,F,……の最大交流電力となるようにかつそれぞれ単独運転させるように設定し、それらの最大交流電力をAC−DC変換器32で直流に変換して出力するよう構成している。
【0023】
オンサイト水電解工場Bは、自流式水力発電所Aからの直流電力を、DCフィーダ33を介して導入し、この直流電力により水を水素ガスと酸素ガスに電気分解する複数の水電解槽34と、これらの水電解槽34で発生した水素ガスと酸素ガスをそれぞれ圧縮して高圧ボンベに充填する複数のボンベ充填ライン35とから成る。更に詳細には、図3に示すように、各水電解槽34は、それぞれ水素ガスと酸素ガスを得る水電解装置36と、それらの水素ガスと酸素ガスについての除湿・精製装置37,38とを備え、また、各ボンベ充填ライン35は、それらの除湿・精製装置37,38からの水素ガスと酸素ガスをそれぞれ圧縮する圧縮機39,40と、これらの圧縮機39,40で圧縮された圧縮水素ガスと圧縮酸素ガスとを水素用高圧ボンベ41と酸素用高圧ボンベ42とにそれぞれ350kg/cmで充填する手段を備えている。
【0024】
水素ハイウェーCは、オンサイト水電解工場Bから供給されるそれぞれ350kg/cmの圧縮水素ガスを充填した多数の圧縮水素ボンベ4(図1参照)と圧縮酸素ガスを充填した多数の圧縮酸素ボンベ5(同図参照)とを需要サイトの発電所Dへと運搬するよう構成しているが、この発電所Dからの内圧が50kg/cm以下に下がった圧縮水素ボンベ4と圧縮酸素ボンベ5をオンサイト水電解工場Bへと返送するようにも構成している。
【0025】
需要サイトの発電所Dは、一箇所に限らず必要な各所に設けるが、いずれも図1に示す上述のガスタービン発電機Daを備えている。このガスタービン発電機Daも発電所Dごとに1台と限るものではなく、所要に応じて複数台(n台)設ける。図2中、1は、マイクロガスタービン発電機、2は、燃焼器、3は、小型ガスタービン発電機、7は、ガスミキサであり、これらの詳細は図1についての上述の説明の通りである。
【0026】
この図2に示す実施の形態に係る一連のシステムでは、山側の自流式水力発電所Aにおいて各水力発電機31から高効率に得られた交流電力がAC−DC変換器32で直流に変換されて、オンサイト水電解工場Bに供給され、このオンサイト水電解工場Bでは、複数の水電解槽34で水素ガスと酸素ガスが生産され、これらがそれぞれ複数のボンベ充填ライン35において350kg/cmに圧縮されて多数の高圧ボンベに圧縮水素ガスと圧縮酸素ガスとして充填され、それらの圧縮水素ボンベ4及び圧縮酸素ボンベ4が水素ハイウェーCにより需要サイトの発電所Dに輸送され、この発電所Dでは、それらのボンベから受ける圧縮水素ガスと圧縮酸素ガスにより上述の図1の説明通りの交流発電がなされ、交流電力を出力することとなる。つまり、一貫した合理的な電力供給システムを構成することができるのである。
【0027】
【発明の効果】
請求項1乃至請求項5の発明に係る水素を燃料としたガスタービン発電機によれば、マイクロガスタービン発電機において、圧縮水素ガスと圧縮酸素ガスとを化学当量比で前者が2、後者が1の割合で導入しかつ混合するガスミキサを設けて、その圧縮混合ガスをマイクロガスタービン発電機における燃焼器のバーナーに供給して激しく完全燃焼させ、油等の他の燃料も圧縮空気も一切用いないから、油等の燃焼に伴う排ガスが全く無く、したがって、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)等の有害物質による大気汚染も皆無であり、水素と酸素の化学反応で生じる水を排出するだけの完全にクリーンなものにすることができる。しかも、圧縮空気を必要としないので、コンプレッサを用いる必要はなく、従来のように、ガスタービン軸出力の60%〜70%が燃焼反応の促進に関係のない窒素ガスの圧縮に消費されて発電効率が低くなるということはない。窒素酸化物(NOx)の排出についての環境規制を受けることもない。
【0028】
更に、燃焼器では、そのように圧縮水素ガスと圧縮酸素ガスとを化学当量比で前者が2、後者が1の割合で混合した圧縮混合ガスを燃焼させるから、その圧縮混合ガスは燃焼室内で激しく完全燃焼して、ガスタービン用の作動流体ガス(作動スチーム)となり、また、その燃焼室内には、冷却スチーム供給手段により冷却スチームを送り込むので、燃焼室内ではその冷却スチームの体積が熱膨張により格段に増大して、これがそのガスタービン用作動流体ガスに加わり、したがって、燃焼器からは高圧で多量のガスタービン用作動流体ガス(作動スチーム)を噴出させることができて、ガスタービンには超高速・高圧の作動流体ガスを供給でき、そのガスタービンの羽根が単翼でフランシス水車のランナ羽根に類似することと相俟って発電効率を格段に向上させることができ、その上、その冷却スチームにより作動流体ガスの温度を適度に下げることができて作動流体ガスの温度をタービンの羽根に過酷とならない範囲内に止めることができる。勿論、その冷却スチームにより燃焼器の過度の温度上昇を防止することができる。
【0029】
加えて、請求項2の発明によれば、圧縮水素ガスと圧縮酸素ガスとをそれぞれ50kg/cm程度の圧力を有する圧縮ガスとして燃焼器のバーナーに供給するようにし、冷却スチームを200℃程度として燃焼器の燃焼室内下流部に噴出させるようにしているので、従来のマイクロガスタービン発電機では燃料ガス圧力が約6kg/cmと低いために26%〜28%と低くならざるを得なかった発電効率を、60%程度まで引き上げることが可能になる。
【0030】
請求項3の発明によれば、圧縮水素ガスと圧縮酸素ガスをそれぞれ350kg/cmで充填した圧縮水素ボンベと圧縮酸素ボンベから減圧弁を介して供給するようにしているので、圧縮水素ガスと圧縮酸素ガスの供給にガスタービンの軸出力を消費することはなく、圧縮水素ガスと圧縮酸素ガスの供給に伴う発電効率の低下は生じない。
【0031】
請求項4の発明によれば、冷却スチーム供給手段おける水の加熱には小型ガスタービン発電機から排出される使用済み作動流体ガスを用いているので、運転中は廃熱を合理的に回収できて、水をスチーム化するためのエネルギーを要しないばかりでなく、この冷却スチームはチエンサイクルが過熱蒸気ではなく飽和蒸気であるから、そのエネルギーの回収メリットはガスタービン用作動流体ガス量の増大として現れ、エネルギーの入力増加をもたらすことができる。
【0032】
請求項5の発明によれば、異なる単位水量で最大効率となる複数の水車発電機をそれぞれ自流水量で最大発電電力となるよう単独運転させる自流式水力発電手段と、その発生電力で圧縮水素ガスと圧縮酸素ガスを生産する手段と、それらの圧縮水素ガスと圧縮酸素ガスを各々高圧ボンベに充填して運搬する手段とを設け、この運搬手段で運搬された各高圧ボンベから請求項1乃至請求項4の発明に係るガスタービン発電機のガスミキサへと圧縮水素ガスと圧縮酸素ガスを供給するので、山側の自流式水力発電手段から需要サイトの発電手段まで一貫した合理的な電力供給システムを構成することができ、また、水車の回転数フリー運転によって得た水素ガスと酸素ガスの精算単価は、商用電気を水の電気分解によって発生させる手段と異なりほぼ零に近い経済性を持っているから、フリー運転によって発生した増分の電力を特に利用すれば、電力供給量は従来と変わりなく、電力不足もない。ここにおいて、増分電力の単価は、高級燃料である水素ガスの生産コストを満足させるものとなり、地球環境のために化石燃料消費を世界中で鈍らせることができる。なお、水力発電の回転フリー運転によって得られる発電量は、風力、太陽光の発電に比較するとずっと大きく、現実的なコストのかからない方策であるということができる。
【0033】
そして、かかる請求項5の発明によれば、水車発電機の単独運転において、従来、電力系統に供給していた電力量を殆ど減少させることなく水素と酸素を生産することができる。つまり、複数台中の1〜2台のみ単独運転させて電力系統周波数と異なる周波数の電力を発生させることができ、その結果として、この新しい電力量はその水車発電機が部分負荷出力で運転される従来の発生電力の60%〜90%増にすることができるから、この60%〜90%の増分電力量のみを水素と酸素の生産に使用することができて、増分の無償の電力を活用することができる。しかも、水力発電所は殆どが減価償却されている。したがって、経済的なシステムを構築することができる。なお、従来の発生電力量の分は、インバータを介して適当な周波数(商用周波数等)に整えて系統に送り出せばよく、支障は生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1乃至請求項5の発明に係る実施の形態を示す構成要領説明図である。
【図2】請求項5の発明に係る実施の形態のブロック図である。
【図3】図2の要部を更に詳細に示すブロック図である。
【符号の説明】
1…マイクロガスタービン発電機  2…燃焼器
3…小型ガスタービン発電機    4…圧縮水素ボンベ
5…圧縮酸素ボンベ
7…ガスミキサ          8…冷却スチーム供給手段
9…燃焼室            10…冷却スチーム
11…ガスバーナー        12…点火器
13…作動流体ガス噴出口     14…ガスタービン
15…作動流体ガス供給管     16…発電機本体
17…回転軸           18…コンプレッサ
19…邪魔螺旋金属片       20,21…減圧弁
22…給水ポンプ         23…廃熱回収ボイラ
24…スチーム制御弁       25…スチーム配管
26…制御ダンパ         27…導管
28…排水管
A…山側の自流式水力発電所    B…オンサイト水電解工場
C…水素ハイウェー        D…需要サイトの発電所
Da…ガスタービン発電機
31…水車発電機         32…AC−DC変換器
33…DCフィーダ        34…水電解槽
35…ボンベ充填ライン      36…水電解装置
37,38…除湿・精製装置    39,40…圧縮機
41…水素用高圧ボンベ      42…酸素用高圧ボンベ

Claims (5)

  1. バーナーに燃料を供給して燃焼させることによりその燃焼室内にガスタービン用作動流体ガスを発生させる燃焼器と、この燃焼器からの作動流体ガスで運転される小型ガスタービン発電機とから成るマイクロガスタービン発電機において、圧縮水素ガスと圧縮酸素ガスとを化学当量比で前者が2、後者が1の割合で導入しかつ混合して上記バーナーに供給するガスミキサを設け、上記燃焼器の燃焼室内に冷却スチームを送り込む冷却スチーム供給手段を講じたことを特徴とする水素を燃料としたガスタービン発電機。
  2. 上記圧縮水素ガスと上記圧縮酸素ガスをそれぞれ50kg/cm程度の圧力を有する圧縮ガスとして上記バーナーに供給するようにし、また、上記冷却スチームを200℃程度として上記燃焼室内の下流部に圧入するよう構成した請求項1に記載の水素を燃料としたガスタービン発電機。
  3. 上記圧縮水素ガスと上記圧縮酸素ガスをそれぞれ350kg/cmで充填した圧縮水素ボンベと圧縮酸素ボンベから減圧弁を介して供給するよう構成した請求項2に記載の水素を燃料としたガスタービン発電機。
  4. 上記冷却スチーム供給手段おける水の加熱には前記小型ガスタービン発電機から排出される使用済み作動流体ガスを用いるよう構成した請求項1、請求項2又は請求項3に記載の水素を燃料としたガスタービン発電機。
  5. 異なる単位水量で最大効率となる複数の水車発電機を備え、それらの水車発電機を各単位水量に対応してその自流水量で最大発電電力となるようそれぞれ単独運転させる自流式水力発電手段と、その発生電力を水の電気分解に使用して圧縮水素ガスと圧縮酸素ガスを生産する手段と、それらの圧縮水素ガスと圧縮酸素ガスを各々高圧ボンベに充填して運搬する手段とを設け、この運搬手段で運搬された各高圧ボンベから前記ガスミキサへと圧縮水素ガスと圧縮酸素ガスとを供給するよう構成した請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の水素を燃料としたガスタービン発電機。
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