JP2005257207A - 飲料商品保管庫及び飲料商品販売システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 飲料商品を安定的に過冷却状態に設定することができ、消費者に過冷却状態の飲料商品を販売することができる飲料商品保管庫及び飲料商品販売システムを提供する。
【解決手段】 静電場雰囲気生成手段30を設けて飲料商品20の凝固点よりも低い温度で冷却することにより、飲料商品20を安定して過冷却状態にできる。また、販売者5と消費者4とが対面販売することで、消費者4に販売するまで消費者4が飲料商品20に触れることがないので、過冷却状態の飲料商品20を確実に販売することができる。よって、消費者4は、これまでに体験したことのない食感の飲料を食することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 静電場雰囲気生成手段30を設けて飲料商品20の凝固点よりも低い温度で冷却することにより、飲料商品20を安定して過冷却状態にできる。また、販売者5と消費者4とが対面販売することで、消費者4に販売するまで消費者4が飲料商品20に触れることがないので、過冷却状態の飲料商品20を確実に販売することができる。よって、消費者4は、これまでに体験したことのない食感の飲料を食することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、飲料商品を過冷却状態で保管しておくことができる飲料商品保管庫及び過冷却状態の飲料を販売する飲料商品販売システムに関する。
コンビニエンスストアなどの店舗では、様々な種類の飲料商品を所定の保管庫に保管した状態で販売している。冷たい飲料商品は、その種類に応じて、扉が設けられた大型の冷蔵庫や、扉の無い冷蔵庫などに保管して販売している。消費者が飲料商品を購入する際には冷蔵庫から目的の飲料商品を取り出し、取り出した飲料商品をレジカウンターまで運び、商品の代金を精算する。
また、特許文献1及び特許文献2には、過冷却状態とした飲料商品及びこの飲料商品を保管する保管庫が開示されている。
特開2001−46029号公報
特開2003−214753号公報
しかし、前記特許文献1及び特許文献2に示すものでは、飲料商品を安定して過冷却状態に設定することが困難であるため、商品としての確実性が損なわれ、飲料商品として店舗で販売することができない問題があった。
また、過冷却状態は非常に不安定な状態であるため、飲料容器を揺らすなどの衝撃により過冷却状態が解消される。このため、従来の冷蔵庫のように消費者自身が取り出すものでは、消費者が飲料商品に勝手に触れてしまった結果過冷却状態が解消されてしまい、商品としての価値を損ない、消費者に飲料商品を過冷却の状態で確実に提供することができなくなる問題がある。
本発明は前記従来の課題を解決するものであり、飲料商品を安定的に過冷却状態に設定でき、しかも飲料商品を消費者に確実に過冷却状態で販売することができる飲料商品保管庫を提供することを課題とする。
また本発明は、飲料商品保管庫を用いて過冷却状態の飲料商品を販売する飲料商品販売システムを提供することを課題とする。
また本発明は、飲料商品保管庫を用いて過冷却状態の飲料商品を販売する飲料商品販売システムを提供することを課題とする。
本発明の飲料商品保管庫は、販売者が消費者と対面した状態で販売を行う飲料商品を、当該飲料商品の凝固点よりも温度が低い過冷却の状態で保管する飲料商品保管庫であって、
前記飲料商品を保管する保管部と、
前記保管部に保管されている前記飲料商品を取り出す取出部と、
前記保管部内を静電場雰囲気にする静電場雰囲気生成手段と、
前記保管部内を前記凝固点よりも低い温度に維持する冷却手段とを備えたことを特徴とするものである。
前記飲料商品を保管する保管部と、
前記保管部に保管されている前記飲料商品を取り出す取出部と、
前記保管部内を静電場雰囲気にする静電場雰囲気生成手段と、
前記保管部内を前記凝固点よりも低い温度に維持する冷却手段とを備えたことを特徴とするものである。
前記本発明の構成によれば、飲料商品を静電場雰囲気において冷却することにより、飲料商品を過冷却状態に安定して設定することができる。しかも、消費者が販売者と対面して飲料商品を販売して、消費者が飲料商品に勝手に触れられないようにすることにより、飲料商品を過冷却状態が解消された状態で販売するといった不都合が防止される。したがって、過冷却状態の飲料商品を店舗で販売することができるようになり、消費者は今まで経験したことのない低温度の食感(のどごし)の液体を気軽に食することができるようになる。
また、消費者は所定の方法によって過冷却状態を解消することにより、前記液体に替えて凍結状態または半凍結状態に変化させることができる。半凍結状態とは、シャーベット状のものまたはそれに近い状態のものを意味している。
また、消費者は所定の方法によって過冷却状態を解消することにより、前記液体に替えて凍結状態または半凍結状態に変化させることができる。半凍結状態とは、シャーベット状のものまたはそれに近い状態のものを意味している。
前記保管部は前記販売者に向く第1の面を有し、この第1の面には、前記取出部が設けられていることが好ましい。
このように、取出部を販売者側に向けて設けることで、販売者のみが過冷却状態の飲料商品を取り扱うことができるようになる。したがって、過冷却状態の飲料商品を消費者が勝手に触って過冷却状態を破ってしまうことがなくなる。よって、過冷却状態が破られて商品性がなくなることが防止され、また飲料商品として再起不能になって販売に供することができなくなるといった不都合を防止できる。なお、前記第1の面は、平面であってもよく、曲面であってもよい。
前記保管部は前記消費者に向く第2の面を有し、この第2の面には、前記保管部内に保管された飲料商品の商品案内表示手段が設けられていることが好ましい。
例えば、前記商品案内表示手段は、前記第2の面の全部または一部が透明であることが好ましい。または、前記商品案内表示手段は、シート材、商品見本、薄型表示装置の少なくともひとつを用いて前記消費者側に向けて示すものであってもよい。または、両者を組合せたものであってもよい。なお、前記第2の面は、平面であっても、曲面であってもよい。
また、前記保管部内は、前記飲料商品を上下方向に複数段に分けて保持できるように仕切られていることが好ましい。複数段に仕切ることで、保管部内のスペースを有効に利用することができる。
この場合、前記取出部が、1段毎または複数段毎に設けられていることが好ましい。これにより、飲料商品を取り出したときの温度変化を最小限に抑えることができる。
前記飲料商品が、前記保管部内において前記取出部側となる手前側とその逆の奥側の位置との間で回転自在に保持されている構成にしてもよい。これにより、保管部に先に供給された飲料商品を先に取り出すことが容易になるので、先入れ先出しを実践できる。したがって、過冷却状態でない飲料商品を消費者に間違って販売するといったミスを低減できる。
また、前記飲料商品は、前記保管部内において、その飲み口が横向きとなるように保持されていることが好ましい。横向きにして置くことにより、静電場雰囲気に設定された導電面との接触面積が増加するので、飲料商品を過冷却状態により安定して行うことができる。ただし、前記飲料商品は、前記ケース本体において、その飲み口が上を向くようにして保管されるものであってもよい。
また、前記保管部には、前記飲料商品とは別の冷たい飲食商品を提供する提供手段が一体に設けられているものであってもよい。別の冷たい飲食商品としては、例えばシャーベット状のもの、ソフトクリーム、ドリンク類などである。この場合、飲料商品を冷却する冷却手段と、別の飲食商品を冷却する冷却手段とを共通にすることで、低コストで複数種類の商品を提供できるようになる。
また本発明の飲料商品販売システムは、前記飲料商品保管庫を用いて、店舗内の販売カウンタで前記飲料商品の対面販売を行う飲料商品販売システムであって、
この飲料商品販売システムは、
前記販売カウンタ上に設置した前記飲料商品の商品見本または商品案内表示手段と、
前記販売カウンタの下、販売員の背面、販売員の側面のいずれかに設置した前記飲料商品保管部とを備え、
消費者が、前記商品見本又は商品案内表示手段により購入する飲料商品を決定し、
販売者が、前記消費者が決定した飲料商品を、前記飲料商品保管庫の取出部から取り出して前記消費者に販売できるように構成したこと、
を特徴とするものである。
この飲料商品販売システムは、
前記販売カウンタ上に設置した前記飲料商品の商品見本または商品案内表示手段と、
前記販売カウンタの下、販売員の背面、販売員の側面のいずれかに設置した前記飲料商品保管部とを備え、
消費者が、前記商品見本又は商品案内表示手段により購入する飲料商品を決定し、
販売者が、前記消費者が決定した飲料商品を、前記飲料商品保管庫の取出部から取り出して前記消費者に販売できるように構成したこと、
を特徴とするものである。
飲料商品は、過冷却状態にあるという特性上、販売するまでは、消費者に触らせたくないという技術的な課題がある。前記飲料商品販売システムによれば、消費者に商品を触らせることなく販売することができるようになり、過冷却状態の飲料商品を確実に消費者に販売することができるようになる。
本発明は、飲料商品を安定して過冷却状態で保管することができ、しかも消費者に飲料商品を過冷却状態で確実に販売することができる。
以下、本発明の飲料商品保管庫について図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態の飲料商品保管庫の店舗への設置態様を示す概略図、図2は、第1の実施形態の飲料商品保管庫の外観を第1の面側から見たときの斜視図、図3は、第1の実施形態の飲料商品保管庫の内部構造図、図4は、図3のX−X線の切断断面図、図5は、飲料商品保管庫を示すブロック図である。
この飲料商品保管庫1は、例えば、コンビニエンスストアを始め、スポーツクラブ、温泉、ゴルフ場などに併設された店舗に設置して、消費者が販売者と対面した状態で販売が行われるものである。
〔第1の実施形態〕
図1に示すように、この飲料商品保管庫1は、店舗内に設置された販売カウンタ2上に設置されている。販売カウンタ2上には、前記飲料商品保管庫1と間隔を開けた状態でキャッシュレジスタ3が設置されており、前記飲料商品保管庫1とキャッシュレジスタ3との間において、消費者4は販売者5と販売カウンタ2を挟んだ状態で飲料商品20の精算が行われる。消費者4は、販売カウンタ2を越えて販売者5が位置する側には立ち入ることができないようになっている。なお、飲料商品保管庫1は、図示した販売カウンタ2上となる販売者5の側面に限らず、販売者の背面に設置されるものであってもよく、販売カウンタ2の下に設置されるものであってもよい。またこの飲料商品保管庫1は、特に夏季販売用として好適なものであるため、冬季には冬もの用に置き換えて設置することができ、専用の設置スペースを確保する必要がない。
図1に示すように、この飲料商品保管庫1は、店舗内に設置された販売カウンタ2上に設置されている。販売カウンタ2上には、前記飲料商品保管庫1と間隔を開けた状態でキャッシュレジスタ3が設置されており、前記飲料商品保管庫1とキャッシュレジスタ3との間において、消費者4は販売者5と販売カウンタ2を挟んだ状態で飲料商品20の精算が行われる。消費者4は、販売カウンタ2を越えて販売者5が位置する側には立ち入ることができないようになっている。なお、飲料商品保管庫1は、図示した販売カウンタ2上となる販売者5の側面に限らず、販売者の背面に設置されるものであってもよく、販売カウンタ2の下に設置されるものであってもよい。またこの飲料商品保管庫1は、特に夏季販売用として好適なものであるため、冬季には冬もの用に置き換えて設置することができ、専用の設置スペースを確保する必要がない。
前記飲料商品保管庫1は、ステンレススチール製で四角箱型に形成された保管部10を有している。図1に示すように、販売者5側を向く面を第1の面とし、消費者4側に向く面を第2の面としたときに、前記保管部10の第1の面に取出部12が設けられ、前記第2の面に商品案内表示手段として機能する透明板11が設けられている。また、保管部10内には、庫内を静電場雰囲気に設定するための静電場雰囲気生成手段30と、飲料商品20を飲料の凝固点よりも低い温度に維持する冷却手段40が設けられている。
前記透明板11は、ガラス板などで形成され、消費者4は、前記透明板11を介して保管部10内に保管されている飲料商品20の内容を確認できるようになっている。
前記飲料商品20としては、例えば紙製、合成樹脂製、金属製、ガラス製の容器に内容物が設けられたものである。内容物としては、例えば、ミネラルウォータ、緑茶、紅茶、コーヒー、炭酸飲料、果実飲料、野菜ジュース、スポーツドリンク、ヨーグルト、乳酸飲料、乳酸菌飲料、その他の清涼飲料水などの液体状態または半液体状態のものから選択することができる。本実施形態の説明での飲料商品20は、いわゆるペットボトルと称される容器本体20aの上部に剛性樹脂製のスクリュー式のキャップ20bが設けられたものである。このペットボトルは、透明で中身を確認できることと、たとえ中身の飲料が容器内で完全に凍結した場合でも、容器が破損することがないことにより、本用途に好適に使用することができる。ちなみに、容器本体20aの口形状は、広口であることが好ましい。容器内で飲料をシャーベット状にした場合でも、取り出しやすいからである。例えば、最近出回ってきた加温飲料用の広口のペットボトルなどを、本用途に好適に使用することができる。
図2に示すように、前記取出部12は、四角形状の枠体12aに透明なガラス板12bが保持されて形成されたものである。この取出部12は、前記取出部12に向かって左端に取手12cが設けられ、右端が保管部10に回動自在に支持されて、図2の2点鎖線で示すように動作可能となっている。なお、取出部12は、庫内を視認できない素材で形成されていてもよい。
なお、前記飲料商品保管庫1の形状は、四角箱型に限られるものではなく、円柱形状であってもよく、あるいは第1の面10aと第2の面10bが曲面で他の側面が平面であってもよい。また、本実施形態では、第1の面10aと第2の面10bをそれぞれ透明に形成したものを図示しているが、飲料商品保管庫1の側面全体が透明であってもよい。
図3に示すように、前記静電場雰囲気生成手段30は、前記冷却手段40と組み合わせることにより、保管部10内に供給された飲料商品20を過冷却状態に設定できるようになっている。過冷却状態とは、飲料商品20の内容物が液体(半液体)から固体に変化する温度すなわち凝固点でも凍らずに、マイナス温度帯「氷点下」(マイナス5℃、10℃など)で液状を維持している状態のことをいう。例えば、水を例に挙げると、通常であれば0℃以下になると凍るが、マイナス10℃程度まで凍らずに液体のままの状態をいう。
前記静電場雰囲気生成手段30は、主として高電圧トランスを含む一般的な高電圧発生回路で構成されている。この静電場雰囲気生成手段30で発生させられた高電圧は、図3に示すように、高電圧ケーブル35を介して、保管部10内に設けられた棚部31に接続されている。
前記棚部31は、アルミ板やステンレス板などの導電性部材で形成されており、前記保管部10内において、前記第1の面と前記第2の面とを除く面に沿って延びる所定幅寸法の四角形状の枠体32と、前記枠材32の内側を上下方向に複数段に仕切る仕切板33で構成されている。また前記枠体32と仕切板33は、いずれもメッシュ形状などであり、これにより保管部10の庫内を均一に冷却できるようになっている。なお、第1の実施形態では庫内が4段に設定されているが、この段数に限定されるものではない。
図3に示すように、前記枠体32の上部と下部にはそれぞれ絶縁碍子34が設けられている。また図4に示すように、絶縁碍子34は、枠体32の下面の四隅に設けられ、また図示していないが枠体32の上面も同様にしてその四隅に4つの絶縁碍子34が設けられている。これにより、静電場雰囲気生成手段30で生成された高電圧が保管部10の外側のケースに漏電することが防止されている。
前記静電場雰囲気生成手段30によって、前記棚部31に高電圧が印加されることにより、棚部31の内側全体が静電場雰囲気に設定されるようになっている。なお、図4に示すように、保管部10の内壁全体は、ABS樹脂などの絶縁性部材16で被覆されて、前記電場が外部に漏れ出ないようになっている。
前記冷却手段40は、冷媒を圧縮機で圧縮して冷却する一般的に業務用などに使用されているものを適用することができる。この冷却手段40を保管部10内に設けることにより、保管部10内を飲料商品20の凝固点よりも低い温度で維持できるようになっている。なお、飲料商品保管庫1には、庫内の温度を表示する温度表示手段が設けられていてもよい。この温度表示手段は、保管部10の第1の面10aや第2の面10bに設けることができる。
図5に示すように、前記飲料商品保管庫1には制御部36が設けられており、この制御部36が電圧調整部41を介して前記静電場雰囲気生成手段30と接続されている。前記電圧調整部41では、静電場雰囲気生成手段30から棚部31に印加する電圧をコントロールすることができ、保管部10の外面に設けられた図示しないダイアル式スイッチなどを操作することで調整できるようになっている。また保管部10の外面には、現在の電圧値を表示する電圧表示手段が設けられていてもよい。
また、前記飲料商品保管庫1には、表示灯43やスピーカ44が設けられており、これらが制御部36と接続されている。表示灯43は、LED(発光ダイオード)やランプなどで形成され、例えば、飲料商品保管庫1が高電圧出力状態であることを販売者などに知らせたり、静電場雰囲気生成手段30などに異常があった場合に警告として知らせるものである。スピーカ44は、飲料商品保管庫1に何らかの異常が発生したと制御部36が判断したときに、警告音で知らせるものである。また、飲料商品保管庫1の電源45は、店舗内に設けられたAC100ボルトの電源コンセントから供給される。
また、前記取出部12には開閉検知手段46が設けられており、前記開閉検知手段46では、取出部12の開閉動作に応じて異なる信号が制御部36に出力されるようになっている。よって、取出部12が開けられたと制御部36で判断したときには、電源45からの電流を遮断して、棚部31に高電圧が印加されないようになっている。前記開閉検知手段46としては、例えば、取出部12の開閉動作に応じて回路が遮断及び導通するスイッチ、あるいは開閉動作に応じて切り換えられる電磁スイッチなどである。
前記静電場雰囲気生成手段30及び前記冷却手段40によって、保管部10内を静電場雰囲気の状態で飲料商品20の凝固点よりも低い温度に設定できるようになっている。例えば、静電場雰囲気が適用される温度帯としては、飲料商品20を過冷却状態で保存可能な温度であり、具体的には、−20〜0℃、好ましくは−5〜−1℃である。また、印加する電圧値としては、100〜30000V(ボルト)、好ましくは1000〜7000V、より好ましくは3000〜5000Vの交流または直流電圧である。したがって、高電圧を与えずに氷点下まで冷却すれば通常は内容物の分子が持つ運動エネルギーが減少して凍結を開始するが、本実施形態のように高電圧を与えて静電場雰囲気の状態で冷却することにより分子の持つ運動エネルギーの減少を回避することができ、氷点下での凍結を回避することができる。また、飲料商品20を安定して過冷却状態に設定することができるようになる。
このように過冷却状態に設定された飲料商品20は、その内容物の凝固点よりも低い氷点下で液体(半液体)を維持することができ、消費者4は今までの飲料商品20では体験することができなかった非常に冷たい液体を食することができるようになる。また、この過冷却状態を解消することにより、液体状態の飲料商品を凍結状態または半凍結状態に変化させることができ、消費者4は別の冷たい食感を得ることもできる。なお、凍結状態とは、例えば、大きな塊の凍結物が存在している状態、また半凍結状態とは、細かい塊の凍結物が分散している状態をいう。
過冷却状態を解消する手段としては、氷の種となる氷核が必要となる。氷核を発生させるためには、エネルギーを必要とするが、例えば、ペットボトル内の液体上部の空間に形成された小さな氷核が過冷却を解消するきっかけを作り出すことになる。よって、ペットボトルをシェイキングすることによって、ペットボトル内に生成された小さな氷核を液体全体に伝えることで過冷却を解消できる。または、飲料によっては、ペットボトルのキャップを緩める際にわずかな衝撃を与えることでも過冷却を解消できる。または、飲料によっては、強い力によりシェイキングすることにより、過冷却を解消できる。
例えば、飲料商品保管庫1内の温度を−5℃、電圧を3500Vに設定し、常温の飲料商品20(500ミリリットルのペットボトルに封入されたミネラルウォータ)を約80分で過冷却状態に設定できる。
図6は、別の商品案内表示手段が設けられた飲料商品保管庫1を第2の面10bから見たときの平面図である。この商品案内表示手段60は、前記透明板11に替えて、紙や合成樹脂のシート材に、数字と文字を組み合わせて商品内容を示したものである。図6に示すものはその一例であり、飲料商品保管庫1内に、ミネラルウォータ、お茶、スポーツドリンク、オレンジジュースの4種類の飲料商品20が収納されているとしたときに、その4種類の内容を記載したものである。消費者4は、この商品案内表示手段60を目で見て内容を確認できる。
なお、この商品案内表示手段60としては、シート材に文字や数字を記載しものに限られず、シート材に、飲料商品を判別できる絵や写真を記載してもよい。または、紙面に替えて保管部10の第2の面に飲料商品20の商品見本を張り付けてもよく、あるいは前記商品見本を前記第2の面の販売カウンタ2上に設置してもよい。または、液晶パネルや有機EL(エレクトロルミネッセンス)などで形成された薄型表示装置を保管部10の第2の面に設置したり、販売カウンタ2上に設置してもよい。または、これらを組合せて商品案内表示手段としてもよい。
また、第1の実施形態では、飲料商品20の飲み口を横向きの状態で保管しているが、このように飲料商品20を寝かせた状態で保管することにより、導電材で形成された棚部31(仕切板33)との接触面積を大きくすることができるため、飲料商品20を安定して過冷却状態に設定できる。
〔第2の実施形態〕
図7は、第2の実施形態の飲料商品保管庫が店舗に設置された状態を示す概略図である。この飲料商品保管庫50は、第1の実施形態の飲料商品保管庫1のように販売カウンタ2上に設置されるものとは異なり、販売カウンタ2の脇の床面6に直接に設置されるものである。この飲料商品保管庫50についても、販売者5の背面に設置するものであってもよい。
図7は、第2の実施形態の飲料商品保管庫が店舗に設置された状態を示す概略図である。この飲料商品保管庫50は、第1の実施形態の飲料商品保管庫1のように販売カウンタ2上に設置されるものとは異なり、販売カウンタ2の脇の床面6に直接に設置されるものである。この飲料商品保管庫50についても、販売者5の背面に設置するものであってもよい。
この飲料商品保管庫50は、縦長の保管部51を有し、保管部51の第1の面側に取出部52が設けられている。なお、図示していないが、保管部51の第2の面51bは、第1の実施形態で記載したようなガラス板(商品内容表示手段)が設けられて透明であってもよく、または前記商品内容表示手段60、またはその他の商品内容表示手段が設けられていてもよい。
この飲料商品保管庫50の保管部51の内部は、6段に仕切られており、各段には飲料商品20がその飲み口を上にした状態すなわち縦置きの状態で保管されている。前記保管部51には、6枚の取出部52が設けられており、各取出部52は各段毎に保管部51に開閉自在に支持されている。なお、図7に示す取出部52は透明で内部の状態を視認できるようになっているが、内部を視認できない素材で形成されていてもよい。また、保管部51の棚部の構成、静電場雰囲気生成手段30、冷却手段40の構成は、第1の実施形態と同様でありその説明を省略する。このように取出部52を1段毎に設けることにより、飲料商品20の取り出し時の庫内の温度変化を最小限に抑えることができる。
なお、前記取出部52は、必ずしも1段毎に設ける必要はなく、複数段で一つの取出部としてもよく、第1の実施形態のように1枚の取出部としてもよい。
また、第2の実施形態のように複数の取出部52が設けられているものでは、各段ごとに販売して、ひとつの段の飲料商品20を全て販売し終わって新たな飲料商品20を補給して取出部52を閉じたときに、飲料商品20が過冷却状態に設定されるまでその取出部52が開かないような機構を設けてもよい。
また、第2の実施形態では、飲料商品20の飲み口を上向きにした状態で保管しているが、このように飲料商品20を立てた状態で保管することにより、縦長の保管部51で形成されるものでは、各段に保管できる飲料商品20の本数を多くすることができる。
〔第3の実施形態〕
図8は、第3の実施形態の飲料商品保管庫70の庫内を示す断面図である。この第3の実施形態では、飲料商品20が、取出部12側の前部とその奥部との間で回転自在に支持されるものである。すなわち、保管部10の内部には、円形の導電性部材で形成された回転板71が設けられており、この回転板71が保管部10内の中心に設けられた回転軸73を中心に回動自在に支持されている。回転板71上の周縁部には、飲料商品20がその飲み口を上にした状態で、円周方向に沿って保持されている。なお、その他の商品案内表示手段、静電場雰囲気生成手段及び冷却手段の構成については、第1の実施形態と同様であるのでその説明を省略する。
図8は、第3の実施形態の飲料商品保管庫70の庫内を示す断面図である。この第3の実施形態では、飲料商品20が、取出部12側の前部とその奥部との間で回転自在に支持されるものである。すなわち、保管部10の内部には、円形の導電性部材で形成された回転板71が設けられており、この回転板71が保管部10内の中心に設けられた回転軸73を中心に回動自在に支持されている。回転板71上の周縁部には、飲料商品20がその飲み口を上にした状態で、円周方向に沿って保持されている。なお、その他の商品案内表示手段、静電場雰囲気生成手段及び冷却手段の構成については、第1の実施形態と同様であるのでその説明を省略する。
図8に示すように、回転板71を保管部10内で回転自在に支持することにより、飲料商品20を、前部(第1の面側)と奥部(第2の面側)との間で移動させることができるようになる。したがって、飲料商品保管庫70に先に入れた飲料商品20を先に取り出すという「先入れ先出し」を容易に行うことができるようになり、過冷却状態でない飲料商品20を誤って消費者4に販売するといったミスを低減することができる。
なお、前記飲料商品20は、回転板71上に飲み口を横向きにした状態で保持するようにしてもよい。また、第1の実施形態や第2の実施形態で示すように、庫内が複数段に仕切られているものでは、各段をそれぞれ回転自在に支持する構成にしてもよい。また、回転板71は、手動で回転させるものであってもよく、電動で回転させるものであってもよい。電動で回転するものでは、飲料商品20が過冷却状態に設定されたときにその飲料商品20が、前記前部に位置するように位置制御できるようにしてもよい。
〔飲料商品販売システム〕
図9は、飲料商品販売システムを示すフローチャートである。なお、第1の実施形態の飲料商品保管庫1を例に挙げて、図1を適宜参照して説明する。ただし、飲料商品保管庫1には、複数種類の飲料商品が保管されているものとする。
図9は、飲料商品販売システムを示すフローチャートである。なお、第1の実施形態の飲料商品保管庫1を例に挙げて、図1を適宜参照して説明する。ただし、飲料商品保管庫1には、複数種類の飲料商品が保管されているものとする。
店舗内の販売カウンタ2に設置された飲料商品保管庫1に保管されている飲料商品20を購入する消費者4は、まず、図1において矢印(a)で示すように、飲料商品保管庫1の第2の面に形成された透明板(商品案内表示手段)11を通して庫内に保管されている飲料商品20の種類を確認して、目的の飲料商品20を選択する(S101)。目的の飲料商品20を選択した消費者4は、販売カウンタ2を挟んで飲料商品保管庫1の第1の面側に位置している販売者5に対して、図1の矢印(b)で示すように、飲料商品20を購入する旨と飲料商品20の種類を販売者に口頭で伝える(S102)。消費者4からの指示を受けた販売者5は、図1の矢印(c)で示すように、取出部12を開ける(S103)。このとき、取出部12を開けることにより、飲料商品保管庫1内の回路に流れる電流が遮断されて、庫内に印加されていた静電場状態が解消される。そして、販売者5は、図1の(d)で示すように飲料商品20を取り出し(S104)、図1の(e)で示すように、飲料商品20を消費者4に渡す(S105)。飲料商品20を受け取った消費者4は、飲料商品20の代金を精算する(S106)。
前記飲料商品販売システムによれば、飲料商品20を消費者4に販売するまで消費者4は飲料商品20に触れることがない。したがって、過冷却状態という不安定な状態の飲料商品20を商品性を損なうことなく、消費者4に販売することができるようになる。
また、飲料商品20を購入した消費者4は、飲料商品20のキャップ20bを開けることにより、氷点下(凝固点以下)の液体を飲食することが可能になり、消費者4はこれまで体験したことのない食感の飲料を飲食することができる。
以上説明した本発明は、前記した実施の形態に限定されることなく、その思想の及ぶ範囲でさまざまに変更実施することができる。他の冷たい飲食商品を提供する提供手段、例えば、シャーベットメーカ、ソフトクリームフリーザ等と、飲料商品保管庫1を同じ筐体に収めるなどして一体化してもよい。このように同じ筐体に収めて、共通の冷却手段を利用することにより、低コストで複数種類の冷たい飲食商品を提供できるようになる。
また、過冷却状態でない飲料商品20を消費者4に販売しないように、各飲料商品の温度を確認できる手段、例えば温度計測可能なシールなどを貼るようにしてもよい。また、仕切板を取出部の手前側が低くなるように傾斜させて、手前側の商品を取り出しときに、奥側の飲料商品が自重により手前側にスライドするようにしてもよい。また、仕切板を保管部の外側へ引き出し自在に支持するようにして保管部の奥側に位置する飲料商品を容易に取り出せるようにしてもよい。
1,50,70 飲料商品保管庫
4 消費者
5 販売者
10 保管部
10a 第1の面
10b 第2の面
11 透明板(商品案内表示手段)
12 取出部
20 飲料商品
30 静電場雰囲気生成手段
40 冷却手段
4 消費者
5 販売者
10 保管部
10a 第1の面
10b 第2の面
11 透明板(商品案内表示手段)
12 取出部
20 飲料商品
30 静電場雰囲気生成手段
40 冷却手段
Claims (12)
- 販売者が消費者と対面した状態で販売を行う飲料商品を、当該飲料商品の凝固点よりも温度が低い過冷却の状態で保管する飲料商品保管庫であって、
前記飲料商品を保管する保管部と、
前記保管部に保管されている前記飲料商品を取り出す取出部と、
前記保管部内を静電場雰囲気にする静電場雰囲気生成手段と、
前記保管部内を前記凝固点よりも低い温度に維持する冷却手段とを備えたことを特徴とする飲料商品保管庫。 - 前記保管部は前記販売者に向く第1の面を有し、この第1の面には、前記取出部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の飲料商品保管庫。
- 前記保管部は前記消費者に向く第2の面を有し、この第2の面には、前記保管部内に保管された飲料商品の商品案内表示手段が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の飲料商品保管庫。
- 前記商品案内表示手段は、前記第2の面の全部又は一部が透明であることを特徴とする請求項3に記載の飲料商品保管庫。
- 前記商品案内表示手段は、シート材、商品見本、薄型表示装置の少なくともひとつを用いて前記消費者側に向けて示すものであることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の飲料商品保管庫。
- 前記保管部内は、前記飲料商品を上下方向に複数段に分けて保持できるように仕切られていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の飲料商品保管庫。
- 前記取出部が、1段毎または複数段毎に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の飲料商品保管庫。
- 前記飲料商品が、前記保管部内において前記取出部側となる手前側とその逆の奥側の位置との間で回転自在に保持されていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の飲料商品保管庫。
- 前記飲料商品は、前記保管部内において、その飲み口が横向きとなるように保持されていることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の飲料商品保管庫。
- 前記飲料商品は、前記保管部内において、その飲み口が上を向くようにして保持されていることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の飲料商品保管庫。
- 前記保管部には、前記飲料商品とは別の冷たい飲食商品を提供する提供手段が一体に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の飲料商品保管庫。
- 請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の飲料商品保管庫を用いて、店舗内の販売カウンタで前記飲料商品の対面販売を行う飲料商品販売システムであって、
この飲料商品販売システムは、
前記販売カウンタ上に設置した前記飲料商品の商品見本または商品案内表示手段と、
前記販売カウンタの下、販売員の背面、販売員の側面のいずれかに設置した前記飲料商品保管部とを備え、
消費者が、前記商品見本又は商品案内表示手段により購入する飲料商品を決定し、
販売者が、前記消費者が決定した飲料商品を、前記飲料商品保管庫の取出部から取り出して前記消費者に販売できるように構成したこと、
を特徴とする飲料商品販売システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004071440A JP2005257207A (ja) | 2004-03-12 | 2004-03-12 | 飲料商品保管庫及び飲料商品販売システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004071440A JP2005257207A (ja) | 2004-03-12 | 2004-03-12 | 飲料商品保管庫及び飲料商品販売システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005257207A true JP2005257207A (ja) | 2005-09-22 |
Family
ID=35083100
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004071440A Pending JP2005257207A (ja) | 2004-03-12 | 2004-03-12 | 飲料商品保管庫及び飲料商品販売システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005257207A (ja) |
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2004
- 2004-03-12 JP JP2004071440A patent/JP2005257207A/ja active Pending
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