JP2005256606A - マグナス型風力発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 回転円筒翼の定格回転数、定格風速における発電時の平均トルク値を目標にして、風速の増減に応じて該平均トルク値を示す回転数で回転円筒翼を回転する駆動モーターを制御して効率よく発電できるマグナス型風力発電装置を提供すること。
【解決手段】 発電機構部2の水平回転軸3に一体の回転体4に、各個に独立して回転する回転円筒翼5を所要数放射状に軸支し、各回転円筒翼5の基部に駆動モーター12を接合して成るマグナス型風力発電装置において、
前記駆動モーター12に回転制御部23を連接し、前記水平回転軸3にはトルク検出部22を連接し、両者を電気制御部で電気的に接続して成る。
このほか、回転円筒翼5が軸心方向に伸縮自在に回転体4に接合されるものも提供される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、回転円筒翼の回転を制御して効率よく風力エネルギーを確保できるマグナス型風力発電装置に関する。
本出願人は先に強風対策に優れたマグナス型の風力発電装置を提案したが、その一連の開発研究途上で、回転円筒翼の定格回転数と風速の関係において、発電機構部の水平回転軸のトルク値の上下変動が確認された。すなわち、風速2m/Sなどの低速域で回転円筒翼の回転数を定格回転数で回転させ、この回転数の状態で風速が増大するとトルク値はあるピーク値に到達するが、それから低下してある底値から徐々にピーク値に達する脈動を繰り返すことが判明した。そこで、風速の増大状態で回転円筒翼を回転する駆動モーターの回転数を定格回転数より低い回転数に制御したところ、トルク値がほぼ平均化する状態が見受けられた。このことから、水平回転軸の回転時のトルク値を検出してトルク値の低下傾向のときに駆動モーターの回転速度を制御し、該トルク値の平均値を目標にして駆動モーターを制御すれば、無用な動力を消費することのない効率的なマグナス型の風力発電装置に帰結することを知見したものである。
本発明は上記知見に鑑み、回転円筒翼の定格回転数、定格風速における発電時の平均トルク値を目標にして、風速の増減に応じて該平均トルク値を示す回転数で回転円筒翼を回転する駆動モーターを制御して効率よく発電できるマグナス型風力発電装置を提供するものである。
本発明の請求項1に記載したマグナス型風力発電装置は、発電機構部の水平回転軸に一体の回転体に、各個に独立して回転する回転円筒翼を所要数放射状に軸支し、各回転円筒翼の基部に駆動モーターを接合して成るマグナス型風力発電装置において、
前記駆動モーターに回転制御部を連接し、前記水平回転軸にはトルク検出部を連接し、両者を電気制御部で電気的に接続して成る。
請求項2に記載したマグナス型風力発電装置は、請求項1に記載したマグナス型風力発電装置おいて、
回転円筒翼が軸心方向に伸縮自在に回転体に接合されて成る。
本発明によれば、風速に応じて一定トルク値を確保できるように回転円筒翼の駆動モーターを制御できるから、投入電力を最小限にして定格出力を確保できる効率のよいマグナス型の風力発電装置を提供できる。また、回転円筒翼を伸縮自在としたものにも利用されるから、強風対策による安全性の確保の上で効率のよい電力確保ができる。
回転円筒翼は接手を介して直接駆動モーターで駆動されるものから、動力伝達手段を介して間接的に駆動されるものもある。したがって、回転制御部は直接駆動モーターに回転制御指令を入力するものから、間接的に前記動力伝達手段に回転制御指令を入力するなどであり、トルク検出部は水平回転軸(構造上から垂直軸を発電機構部の回転軸とすることもあり得る。)に直接配設されるものから、間接的に発電機構部の動力伝達部に配設されるものもある。
本発明のマグナス型風力発電装置Aを実施例により説明すると、地上に立設された支台1の上部に旋回自在に軸支された発電機構部2は、その前方で回転自在に軸支されかつ水平回転軸3を一体に嵌着した回転体4に放射状に6本の回転円筒翼5が軸支されている。各回転円筒翼5は回転駆動される雄嵌合筒6と、雄嵌合筒6に対して矢印方向に伸縮自在に嵌合する雌嵌合筒7とから成る。雄嵌合筒6は図2に示すように、その基部が回転体4の周壁8に固着された軸受ボス9の上下に内嵌された軸受10に軸支され、その下端には大歯車11を嵌着し、大歯車11には駆動モーター12のモーター軸に嵌着されたピニオン13が噛合される。雌嵌合筒7は図3に示すように、その上端中央の内面にワイヤー14の一端が固着され、ワイヤー14の他端は雄嵌合筒6の基部及びスプリング案内座15の中心に貫通した孔16を経て巻取りモーター17で駆動される巻取りドラム18に固着され、巻取りモーター17によりワイヤー14を巻取りドラム18に巻き取れば、雌嵌合筒7はスプリング19を圧縮して雄嵌合筒6のスプライン20に案内されて降下し、回転円筒翼5はその背丈が短縮され、逆に巻取りモーター17を逆転させてワイヤー14の張力を解放すると、雌嵌合筒7はスプライン20に案内されて上昇し、回転円筒翼5はその背丈が伸長される。駆動モーター12及び巻取りモーター17はそれぞれ回転体4の座面21に適宜な部材を介して取着される。
このようにして成るマグナス型風力発電装置Aは、駆動モーター12を駆動することによって雄嵌合筒6が回転され、雄嵌合筒6のスプライン20を介して雌嵌合筒7も回転され、全体として回転円筒翼5は軸受ボス9の外端から全長に渡って回転し、各回転円筒翼5のマグナス効果によって回転体4は回転し、回転体4と一体の水平回転軸3も所要の回転数で回転し、発電機構部2の発電機(図外)によって風力エネルギーが電気エネルギーに変換される。この一連の動作で、各風速域において水平回転軸3に取着されたトルク検出部22から出力されるトルク値が電気制御部(図外)に入力され、平均トルク値を出力する回転数を駆動モーター12に接続されて回転制御部23に入力して駆動モーター12の回転速度を制御する。
上記により有効にマグナス効果が回転円筒翼5に作用して効率よく風力エネルギーが電気エネルギーに変換される。そして、強風時には回転円筒翼5の背丈が短縮されてその安全性が確保される。本実施例では回転円筒翼5を伸縮自在として示したが、回転円筒翼5が一本ものの場合には巻取りモーター17が不用となるので、回転円筒翼5の基部下端にはカップリング(図外)が接合され、該カップリングに接合される駆動モーター12で回転円筒翼5が回転駆動され、この場合も各風速域において、水平回転軸3のトルク検出部22から出力されるトルク値から電気制御部で平均トルク値を創出する回転数を見出し、該回転数を駆動モーター12に接続された回転制御部23に入力して駆動モーター12の回転速度を制御する。寒冷地仕様としては駆動モーター12の後端に放熱ファン(図外)を接合し、駆動モーター12の発熱を抑止するとともに、回転体4の内部を温めて回転機構部の凍結防止を図る工夫もなされ、このときの回転制御部23は駆動モーター12の胴部に接合される。
本発明のマグナス型風力発電装置は、各回転円筒翼5の回転数を制御して平均トルク値を目標に各風速域において、マグナス効果を最大限に利用できるものであるから、大型の風力発電装置として大電力確保に貢献できることは勿論のこと、小型の家庭用風力発電装置(設置条件としては風速域が区々で低風速域が対象となるから)として家庭内の小電力確保に貢献するほか、扇風機や送風機などの送風エネルギーの一部を発電エネルギーに変換して蓄電するなどの分野でも貢献できる。
本発明に係るマグナス型風力発電装置Aの概略正面図。 回転円筒翼の基部の回転体における部分説明図。 回転円筒翼の中間部を一部省略した部分縦断面図。
符号の説明
1:支台
2:発電機構部
3:水平回転軸
4:回転体
5:回転円筒翼
6:雄嵌合筒
7:雌嵌合筒
8:周壁
9:軸受ボス
10:軸受
11:大歯車
12:駆動モーター
13:ピニオン
14:ワイヤー
15:スプリング案内座
16:孔
17:巻取りモーター
18:巻取りドラム
19:スプリング
20:スプライン
21:座面
22:トルク検出部
23:回転制御部
A:マグナス型風力発電装置

Claims (2)

  1. 発電機構部の水平回転軸に一体の回転体に、各個に独立して回転する回転円筒翼を所要数放射状に軸支し、各回転円筒翼の基部に駆動モーターを接合して成るマグナス型風力発電装置において、
    前記駆動モーターに回転制御部を連接し、前記水平回転軸にはトルク検出部を連接し、両者を電気制御部で電気的に接続して成り、トルク検出部から出力されるトルク値を電気制御部に入力し、平均トルク値を出力する回転数を回転制御部に入力して駆動モーターの回転速度を制御することを特徴とするマグナス型風力発電装置。
  2. 回転円筒翼が、軸心方向に伸縮自在に回転体に接合されて成る請求項1記載のマグナス型風力発電装置。
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