以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機などの他の遊技機に適用することもできる。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが識別情報としての図柄を可変表示する複数の可変表示部を含む可変表示装置(特別図柄表示装置)9が設けられている。可変表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。また、可変表示装置9には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つの特別図柄始動記憶表示エリア(始動記憶表示エリア)18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、表示色が変化する(例えば青色表示から赤色表示に変化)始動記憶表示エリアを1増やす。そして、可変表示装置9の可変表示が開始される毎に、表示色が変化している始動記憶数表示エリアを1減らす(すなわち表示色をもとに戻す)。この例では、図柄表示エリアと始動記憶表示エリアとが区分けされて設けられているので、可変表示中も始動記憶数が表示された状態にすることができる。なお、始動記憶表示エリアを図柄表示エリアの一部に設けるようにしてもよい。また、可変表示中は始動記憶数の表示を中断するようにしてもよい。また、この例では、始動記憶表示エリアが可変表示装置9に設けられているが、始動記憶数を表示する表示器(特別図柄始動記憶表示器)を可変表示装置9とは別個に設けてもよい。
可変表示装置9の下方には、始動入賞口14としての可変入賞球装置15が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は大入賞口(可変入賞球装置)を開閉する手段である。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球はVカウントスイッチ22で検出され、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aも設けられている。
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に右側のランプが点灯すれば当たりとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32に入った入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口14や大入賞口も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。上記のように、この実施の形態のパチンコ遊技機1には、発光体としてのランプやLEDが各所に設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
カードユニットには、例えば、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ、カードユニットがいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器、カードユニット内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口、およびカード挿入口の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニットを解放するためのカードユニット錠が設けられている。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、可変表示装置9において特別図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動記憶数を1増やす。
可変表示装置9における特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄の組み合わせが大当り図柄(特定表示結果)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に遊技球がV入賞領域に入賞しVカウントスイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
停止時の可変表示装置9における特別図柄の組み合わせが確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)の組み合わせである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。
遊技球がゲート32に入賞すると、普通図柄表示器10において普通図柄が可変表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図2を参照して説明する。図2は、遊技機を裏面から見た背面図である。
図2に示すように、遊技機裏面側では、可変表示装置9を制御する演出制御手段が搭載された演出制御基板80を含む可変表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31が設置されている。また、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37が設置されている。なお、演出制御手段は、遊技盤6に設けられている可変表示装置9、各種装飾LED、普通図柄始動記憶表示器41、装飾ランプ25、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cを点灯制御するとともに、スピーカ27からの音発生を制御する。
演出制御手段は、演出制御基板80に搭載されている1つの演出制御用マイクロコンピュータで実現されるが、遊技盤6に設けられている各種装飾LED、普通図柄始動記憶表示器41、装飾ランプ25、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cを駆動するための駆動回路は、演出制御基板80と電気的に接続されているランプドライバ基板に搭載されている。また、スピーカ27を駆動する駆動回路等は、演出制御基板80と電気的に接続されている音声制御基板に搭載されている。
さらに、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5Vを作成する電源回路が搭載された電源基板910やタッチセンサ基板91が設けられている。電源基板910は、大部分が主基板31と重なっているが、主基板31に重なることなく外部から視認可能に露出した露出部分がある。この露出部分には、遊技機1における主基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)や遊技機に設けられている各電気部品への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチと、主基板31および払出制御基板37に含まれる記憶内容保持手段(例えば、電力供給停止時にもその内容を保持可能なバックアップRAM)に記憶されたバックアップデータをクリアするための操作手段としてのクリアスイッチとが設けられている。さらに、露出部分における電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
なお、電気部品制御基板には、電気部品制御用マイクロコンピュータを含む電気部品制御手段が搭載されている。電気部品制御手段は、遊技制御手段からの指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、可変表示装置9、ランプやLEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を電気部品制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、電気部品制御基板に搭載される電気部品制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段からの指令信号に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。
遊技機裏面において、上方には、各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、少なくとも、球切れ検出スイッチ167の出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)を外部出力するための賞球用端子および球貸し情報(球貸し個数信号)を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えた情報端子基板(情報出力基板)34が設置されている。
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レール39を通り、カーブ樋を経て払出ケース40Aで覆われた球払出装置に至る。球払出装置の上部には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ187が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置の払出動作が停止する。球切れスイッチ187は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レール39における上流部分(貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構から遊技機に対して遊技球の補給が行われる。
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払い出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払い出されると、感知レバー(図示せず)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ(図示せず)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
なお、本例では、電源基板910や払出制御基板37などが遊技枠に設置され、主基板31などが遊技盤6に設置される(図52参照)。
図3は、払出ケース40Aで覆われた球払出装置97を示す正面図(図3(A))および断面図(図3(B))である。球払出装置97は、球切れスイッチ187と球払出装置97との間に設置されている通路体の下部に固定されている。通路体は、カーブ樋によって流下方向が左右方向に変換された2列の遊技球を流下させる球通路を有する。球通路の上流側には、球切れスイッチ187が設置されている。なお、実際には、それぞれの球通路に球切れスイッチが設置されている。球切れスイッチ187は、球通路内の遊技球の有無を検出するものであって、球切れスイッチ187が遊技球を検出しなくなると球払出装置97における払出モータ(図3において図示せず)の回転を停止して遊技球の払出が不動化される。
また、球切れスイッチ187は、球通路に27〜28個の遊技球が存在することを検出できるような位置に係止片によって係止されている。
球払出装置97において、ステッピングモータによる払出モータ(図示せず)が例えばカムを回転させることによって、賞球または球貸し要求にもとづく遊技球を1個ずつ払い出す。また、球払出装置97の下方には、例えば近接スイッチによる払出個数カウントスイッチ301が設けられている。球払出装置97から1個の遊技球が落下する毎に、払出個数カウントスイッチ301がオンする。すなわち、払出個数カウントスイッチ301は、球払出装置97から実際に払い出された遊技球を検出する。従って、払出制御手段は、払出個数カウントスイッチ301の検出信号によって、実際に払い出された遊技球の数を計数することができる。この例では、払出個数カウントスイッチ301は、払い出された賞球および貸し球の両方を検出する。すなわち、賞球の払い出しと貸し球の払い出しが同一の検出手段によって検出される。よって、部品点数を減らすことができ、遊技機のコストを低減させることができる。ただし、賞球の払い出しと貸し球の払い出しとが別個の検出手段によって検出される構成としてもよい。
この実施の形態では、球払出装置97は、賞球払出と球貸しとを共に行うように構成されている。しかし、賞球払出を行う球払出装置と球貸しを行う球払出装置が別個に設けられていてもよい。別個に設けられている場合には、賞球払出を行う球払出装置と球貸しを行う球払出装置とで払出手段が構成される。さらに、例えば、カムまたはスプロケットの回転方向を変えて賞球払出と球貸しとを分けるように構成されていてもよいし、本実施の形態において例示する球払出装置97(モータによってカムを回転させる構成)以外のどのような構造の球払出装置を用いても、本発明を適用することができる。
図4は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図4には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御用マイクロコンピュータに相当:遊技制御手段)53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの信号を基本回路53に与える入力ドライバ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20を開閉するソレノイド21および大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。
なお、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。入賞検出を行う始動口スイッチ14a、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの各スイッチは、入賞検出手段でもある。なお、入賞検出手段は、複数の入賞口に別個に入賞したそれぞれの遊技球をまとめて検出するものであってもよい。また、ゲートスイッチ32aのような通過ゲートであっても、賞球の払い出しが行われるものであれば、通過ゲートへ遊技球が進入することが入賞になり、通過ゲートに設けられているスイッチ(例えばゲートスイッチ32a)が入賞検出手段になる。さらに、この実施の形態では、V入賞領域に入賞した遊技球はVカウントスイッチ22のみで検出されるので、大入賞口に入賞した遊技球数は、Vカウントスイッチ22による検出数とカウントスイッチ23による検出数との和になる。しかし、V入賞領域に入賞した遊技球が、Vカウントスイッチ22で検出されるとともにカウントスイッチ23でも検出されるようにしてもよい。その場合には、大入賞口に入賞した遊技球数は、カウントスイッチ23による検出数に相当する。
また、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの各スイッチには、スイッチコモン電圧(例えば+12V)が供給されているが、主基板31には、スイッチコモン電圧を監視するスイッチコモン監視回路71が搭載されている。スイッチコモン監視回路71が、スイッチコモン電圧が所定値まで低下したことを検出すると、基本回路53に入力されるスイッチコモン監視信号をオフ状態にする。
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示装置9における図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
遊技制御用マイクロコンピュータで実現される基本回路53は、ゲーム制御(遊技制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。また、遊技制御手段は、遊技制御用マイクロコンピュータで実現される基本回路53で実現されているが、主として、遊技制御用マイクロコンピュータにおけるプログラムに従って制御を実行するCPU56で実現される。
また、RAM55は、その一部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部の内容は保存される。この例では、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、この例では、未払出賞球数を示すデータは、非バックアップRAM(RAM55における電源バックアップされていない領域)に保存される。なお、未払出賞球数を示すデータがバックアップRAMに保存されるようにしてもよい。
また、払出制御基板37から出力されるリセット確認信号と、電源断確認信号と、クリア信号と、接続確認信号とが、基本回路53(具体的には入力ポート)に入力される。この例では、CPU56のリセット端子は使用されない。なお、本例では、接続確認信号として、第1接続確認信号と第2接続確認信号の2つが用いられる。
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は払出制御基板37上の回路によって制御される発射モータ94を含み、発射モータ94が回転することによって遊技球を遊技領域7に向けて発射する。発射モータ94を駆動するための駆動信号は、タッチセンサ基板91を介して発射モータ94に伝達される。そして、遊技者が操作ノブ(打球ハンドル)5に触れていることはタッチセンサで検出され、タッチセンサからの信号がタッチセンサ基板91に搭載されているタッチセンサ回路(遊技者が操作ノブ5に触れているか否かを検出するための検出回路等を含む回路)を介して払出制御基板37に伝達される。払出制御基板37上の回路は、タッチセンサ回路からの信号がオフ状態を示している場合には、発射モータ94の駆動を停止する。なお、操作ノブ5には、弾発力を調節するものであり、遊技者が接触する部分であるタッチリングが組み付けられている。タッチセンサ基板91は、遊技機において、タッチリングと払出制御基板37との間に配置され、かつ、タッチリングの近傍に配置されている。具体的には、タッチリングとタッチセンサ基板91との間の配線長は、タッチセンサ基板91と払出制御基板37との間の配線長よりも短い。
なお、この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、遊技盤6に設けられている普通図柄始動記憶表示器41および装飾ランプ25の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cの表示制御を行う。また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段は、特別図柄を可変表示する可変表示装置9および普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御も行う。
また、この実施の形態で用いられているCPU56は、ソフトウェアで割込禁止に設定できないマスク不能割込(NMI)を発生させるために使用されるマスク不能割込端子(NMI端子)と、CPU56の外部から割込(外部割込;ソフトウェアで割込禁止にできるマスク可能割込)を発生させるために使用される割込端子(INT端子)とを有する。しかし、この実施の形態では、マスク不能割込および外部割込を使用しない。そこで、NMI端子およびINT端子を、抵抗を介してVcc(+5V)にプルアップしておく。従って、NMI端子およびINT端子の入力レベルは常にハイレベルになり、端子オープン状態に場合に比べて、ノイズ等によってNMI端子およびINT端子の入力レベルが立ち下がって割込発生状態になる可能性が低減する。
また、この例では、CPU56によって点灯/消灯制御がなされるエラー表示用ランプ44aが備えられている。エラー表示用ランプ44aは、例えば、遊技機前面側の遊技者や遊技店員から目視可能な位置に設置される。エラー表示用ランプ44aは、払出制御基板37からの第1接続確認信号または第2接続確認信号の何れかがオフ状態になったときに点灯状態とされ、第1接続確認信号および第2接続確認信号がともにオン状態であるときは消灯状態とされる。すなわち、エラー表示用ランプ44aは、遊技制御手段と払出制御手段との間の信号の通信に関する異常が検出されたことを遊技店員等に報知するための通信異常報知手段の一例である。なお、通信異常報知手段は、LEDなどの他の発光体であっても、音声により異常を報知する音声出力装置であっても、異常を報知するための文字や図形などを表示するための表示装置であってもよい。
さらに、この例では、CPU56によって点灯/消灯制御がなされるクリア報知用ランプ44bが備えられている。クリア報知用ランプ44bは、例えば、遊技機前面側の遊技者や遊技店員から目視可能な位置に設置される。クリア報知用ランプ44bは、接続確認信号がオン状態であるとき(第1接続確認信号と第2接続確認信号が共にオン状態であるとき)にクリア信号が入力したことと、接続確認信号がオフ状態であるとき(第1接続確認信号または第2接続確認信号の何れかがオフ状態であるとき)にクリア信号が入力したこととを識別可能に報知するための報知手段である。すなわち、クリア報知用ランプ44bは、初期化処理が行われていることを報知するための初期化報知手段と、不正な初期化指示があったことを示す不正指示報知手段とを実現するための報知手段である。なお、初期化報知手段と不正指示報知手段とが別個の報知手段によって構成されていてもよい。また、初期化報知手段と不正指示報知手段とは、LEDなどの他の発光体、音声により異常を報知する音声出力装置、異常を報知するための文字や図形などを表示するための表示装置などによって構成されていてもよい。
図5は、払出制御基板37および球払出装置97などの払出に関連する構成要素を示すブロック図である。図5に示すように、払出制御基板37には、払出制御用CPU371を含む払出制御用マイクロコンピュータ(電気部品制御用マイクロコンピュータの一例)が搭載されている。この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータは、1チップマイクロコンピュータであり、少なくともRAMが内蔵されている。また、RAMは、主基板31におけるRAM55と同様に、電源バックアップされている。払出制御用CPU371、RAM、払出制御用プログラムを格納したROM(図示せず)およびI/Oポート等は、払出制御手段を構成する。従って、払出制御手段は、払出制御用CPU371、RAM、ROMおよびI/Oポートを含む払出制御用マイクロコンピュータで実現されるが、主として、プログラムに従って制御を実行する払出制御用CPU371で実現される。
満タンスイッチ48および払出個数カウントスイッチ301からの検出信号は、中継基板72を介して払出制御基板37のI/Oポート372fに入力される。また、球切れスイッチ187および払出モータ位置センサ295からの検出信号は、中継基板72を介して払出制御基板37のI/Oポート372eに入力される。払出モータ位置センサ295は、払出モータ289の回転位置を検出するための発光素子(LED)と受光素子とによるセンサであり、遊技球が詰まったこと、すなわちいわゆる球噛みを検出するために用いられる。払出制御基板37の払出制御用CPU371は、球切れスイッチ187からの検出信号が球切れ状態を示していたり、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していると、球払出処理を停止する。さらに、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していると、打球発射装置からの球発射を停止させる。
入賞によって払い出すべき賞球が発生すると、主基板31の出力回路67から、払出制御信号として、賞球の払出要求を行うための賞球REQ信号(賞球リクエスト信号)および払い出すべき賞球個数を示す賞球個数信号が出力される(オン状態になる)。賞球個数信号は、4ビットのデータ(2進4桁のデータ)によって構成され、4本の信号線によって出力される。なお、信号のオン状態すなわち出力状態は、信号が有意である状態であり、オン状態になることは、信号を受ける側に対してその信号にもとづく何らかの処理を開始することを指令することを意味する。例えば、賞球REQ信号がオン状態になるということは、払出制御手段に対して、賞球個数信号が示す払出数を認識するように指令することを意味する。賞球REQ信号および賞球個数信号は、入力回路373Aを介してI/Oポート372eに入力される。払出制御用CPU371は、I/Oポート372eを介して賞球REQ信号および賞球個数信号が入力されると、賞球個数信号が示す個数の遊技球を払い出すために球払出装置97を駆動する制御を行う。
払出制御手段は、電源基板910からの電源断信号の入力に応じて、主基板31に対して電源断確認信号を出力する。また、払出制御手段は、電源基板910に搭載されているクリアスイッチ921からのクリアスイッチ信号の入力に応じて、主基板31に対してクリア信号の出力を開始し、クリア信号をオン状態とする。電源断確認信号とクリア信号とは、払出制御基板37の出力ポート372bおよび出力回路373Bを介して主基板31に出力される。そして、主基板31において、入力回路68およびI/Oポート57を介してCPU56に入力される。
払出制御用CPU371は、出力ポート372bを介して、賞球払出数を示す賞球情報信号および貸し球数を示す球貸し個数信号をターミナル基板(枠用外部端子基板と盤用外部端子基板とを含む)160に出力する。なお、出力ポート372bの外側に、ドライバ回路が設置されているが、図5では記載省略されている。また、ターミナル基板160(枠用外部端子基板)には、ドア開放情報スイッチ161A,161Bが接続されている。
また、払出制御用CPU371は、出力ポート372cを介して、7セグメントLEDによるエラー表示用LED374にエラー信号を出力する。さらに、出力ポート372bを介して、点灯/消灯を指示するための信号を賞球LED51および球切れLED52に出力する。なお、払出制御基板37の入力ポート372fには、エラー状態を解除するためのエラー解除スイッチ375からの検出信号が入力される。エラー解除スイッチ375は、ソフトウェアリセットによってエラー状態を解除するために用いられる。
さらに、払出制御基板37からの払出モータ289への駆動信号は、出力ポート372aおよび中継基板72を介して球払出装置97の払出機構部分における払出モータ289に伝えられる。なお、出力ポート372aの外側に、ドライバ回路(モータ駆動回路)が設置されているが、図5では記載省略されている。また、払出制御基板37からの発射モータ94への駆動信号は、出力ポート372aおよびタッチセンサ基板91を介して発射モータ94に伝えられる。
遊技機に隣接して設置されているカードユニット50には、カードユニット制御用マイクロコンピュータが搭載されている。また、カードユニット50には、使用可表示ランプ151、連結台方向表示器153、カード投入表示ランプ154およびカード挿入口155が設けられている。インタフェース基板(中継基板)66には、打球供給皿3の近傍に設けられている度数表示LED60、球貸し可LED61、球貸しスイッチ62および返却スイッチ63が接続される。
インタフェース基板66からカードユニット50には、遊技者の操作に応じて、球貸しスイッチ62が操作されたことを示す球貸しスイッチ信号および返却スイッチ63が操作されたことを示す返却スイッチ信号が与えられる。また、カードユニット50からインタフェース基板66には、プリペイドカードの残高を示すカード残高表示信号および球貸し可表示信号が与えられる。カードユニット50と払出制御基板37の間では、接続信号(VL信号)、ユニット操作信号(BRDY信号)、球貸し要求信号(BRQ信号)、球貸し完了信号(EXS信号)およびパチンコ機動作信号(PRDY信号)が入力ポート372fおよび出力ポート372dを介して送受信される。カードユニット50と払出制御基板37の間には、インタフェース基板66が介在している。よって、接続信号(VL信号)等の信号は、図5に示すように、インタフェース基板66を介してカードユニット50と払出制御基板37の間で送受信されることになる。
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、払出制御基板37の払出制御用CPU371は、カードユニット50にPRDY信号を出力する。また、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、電源が投入されると、VL信号を出力する。払出制御用CPU371は、VL信号の入力状態によってカードユニット50の接続状態/未接続状態を判定する。カードユニット50においてカードが受け付けられ、球貸しスイッチが操作され球貸しスイッチ信号が入力されると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37にBRDY信号を出力する。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37にBRQ信号を出力する。
そして、払出制御基板37の払出制御用CPU371は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち上げ、カードユニット50からのBRQ信号の立ち下がりを検出すると、払出モータ289を駆動し、所定個の貸し球を遊技者に払い出す。そして、払出が完了したら、払出制御用CPU371は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち下げる。その後、カードユニット50からのBRDY信号がオン状態でないことを条件に、遊技制御手段から払出制御信号を受けると賞球払出制御を実行する。なお、カードユニット50で用いられる電源電圧AC24Vは払出制御基板37から供給される。
カードユニット50に対する電源基板910からの電力供給は、払出制御基板37およびインタフェース基板66を介して行われる。この例では、インタフェース基板66内に配されているカードユニット50に対するAC24Vの電源供給ラインに、カードユニット50を保護するためのヒューズが設けられ、カードユニット50に所定電圧以上の電圧が供給されることが防止される。
なお、この実施の形態で用いられている払出制御用CPU371は、マスク不能割込(NMI)を発生させるために使用されるマスク不能割込端子(NMI端子)と、マスク可能割込を発生させるために使用される割込端子(INT端子)とを有する。しかし、この実施の形態では、マスク不能割込および外部割込を使用しない。そこで、NMI端子およびINT端子を、抵抗を介してVcc(+5V)にプルアップしておく。
また、この実施の形態では、カードユニット50が遊技機とは別体として遊技機に隣接して設置されている場合を例にするが、カードユニット50は遊技機と一体化されていてもよい。また、コイン投入に応じてその金額に応じた遊技球が貸し出されるような場合でも本発明を適用できる。
図6は、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声制御基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、ランプドライバ基板35および音声制御基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていない。演出制御基板80において、演出制御用マイクロコンピュータ(電気部品制御用マイクロコンピュータの一例)における演出制御用CPU101は、ROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、主基板31からのストローブ信号(図柄制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して図柄制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、図柄制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、LCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行わせる。VDP109は、GCL(グラフィックコントローラLSI)と呼ばれることもある。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート104および出力ドライバ110を介して音声制御基板70に対して音番号データを出力する。また、演出制御用CPU101に入出力するバス(アドレスバス、データバス、および書込/読出信号等の制御信号ラインを含む)はバスドライバ105を介してランプドライバ基板35まで延長されている。
ランプドライバ基板35において、演出制御用CPU101に入出力するバスは、バスレシーバ351を介して出力ポート352および拡張ポート353に接続される。出力ポート352から出力される各ランプを駆動する信号は、ランプドライバ354で増幅され各ランプに供給される。また、出力ポート352から出力される各LEDを駆動する信号は、LED駆動回路355で増幅され各LEDに供給される。
この実施の形態では、遊技機に設けられているランプ・LEDおよび演出用駆動手段は、演出制御基板80に搭載されている演出用CPU101を含む演出制御手段によって制御される。また、可変表示装置9、普通図柄表示器10およびランプ・LED等を制御するためのデータがROMに格納されている。演出用CPU101は、ROMに格納されているデータにもとづいて可変表示装置9、普通図柄表示器10およびランプ・LED等を制御する。そして、ランプドライバ基板35に搭載されている出力ポート352および各駆動回路を介して、ランプ・LEDおよび演出用駆動手段が駆動される。従って、機種変更を行う際に、ランプドライバ基板35についてポート数を変更する等の設計変更を行う必要はあるが、演出制御基板80については、プログラムを格納するROMを交換するだけでよく回路の設計変更を行う必要はない。
音声制御基板70において、演出制御基板80からの音番号データは、入力ドライバ702を介して、例えばデジタルシグナルプロセッサによる音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じたデータを音声データ基板70Aに搭載されている音声データROM704から読み出し、読み出したデータに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
音声データROM704に格納されている音番号データに応じたデータは、所定期間(例えば特別図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。音声合成用IC703は、音番号データを入力すると、音声データROM704内の対応するデータに従って音出力制御を行う。対応するデータに従った音出力制御は、次の音番号データを入力するまで継続される。そして、音声合成用IC703は、次の音番号データを入力すると、新た入力した音番号データに対応した音声データROM704内のデータに従って音出力制御を行う。
この実施の形態では、スピーカ27から出力される音声や効果音は演出制御用CPU101を含む演出制御手段によって制御されるのであるが、演出制御手段は、音声制御基板70に音番号データを出力する。音声制御基板70において、音声データROM704には、遊技の進行に伴って出現しうる音声や効果音を実現するための多数のデータが格納され、それらのデータは音番号データに対応付けられている。従って、演出制御手段は、音番号データを出力するだけで音出力制御を実現することができる。なお、音番号データは例えば1バイトデータであり、シリアル信号線またはパラレル信号線によって音声制御基板70に転送される。
次に、電源基板910の構成を図7のブロック図を参照して説明する。電源基板910には、遊技機内の各電気部品制御基板や機構部品への電力供給を実行または遮断するための電源スイッチ914が設けられている。なお、電源スイッチ914は、遊技機において、電源基板910の外に設けられていてもよい。電源スイッチ914が閉状態(オン状態)では、交流電源(AC24V)がトランス911の入力側(一次側)に印加される。トランス911は、交流電源(AC24V)と電源基板910の内部とを電気的に絶縁するためのものであるが、その出力電圧もAC24Vである。また、トランス911の入力側には、過電圧保護回路としてのバリスタ918が設置されている。
電源基板910は、電気部品制御基板(主基板31、払出制御基板37および演出制御基板80)と独立して設置され、遊技機内の各基板および機構部品が使用する電圧を生成する。この例では、AC24V、VSL(DC+30V)、VLP(DC+24V)、VDD(DC+12V)およびVCC(DC+5V)を生成する。また、バックアップ電源(VBB)すなわちバックアップRAMに記憶内容を保持させるための記憶保持手段となるコンデンサ916は、DC+5V(VCC)すなわち各基板上のIC等を駆動する電源のラインから充電される。また、+5Vラインとバックアップ+5V(VBB)ラインとの間に、逆流防止用のダイオード917が挿入される。なお、VSLは、整流平滑回路915において、整流素子でAC24Vを整流昇圧することによって生成される。VSLは、ソレノイド駆動電源となる。また、VLPは、ランプ点灯用の電圧であって、整流回路912において、整流素子でAC24Vを整流することによって生成される。
電源電圧生成手段としてのDC−DCコンバータ913は、1つまたは複数のレギュレータIC(図7では2つのレギュレータIC924A,924Bを示す。)を有し、VSLにもとづいてVDDおよびVCCを生成する。レギュレータIC(スイッチングレギュレータ)924A,924Bの入力側には、比較的大容量のコンデンサ923A,923Bが接続されている。従って、外部からの遊技機に対する電力供給が停止したときに、VSL、VDD、VCC等の直流電圧は、比較的緩やかに低下する。
図7に示すように、トランス911から出力されたAC24Vは、そのままコネクタ922Bに供給される。また、VLPは、コネクタ922Cに供給される。VCC、VDDおよびVSLは、コネクタ922A,922B,922Cに供給される。
コネクタ922Aに接続されるケーブルは、主基板31に接続される。また、コネクタ922Bに接続されるケーブルは、払出制御基板37に接続される。従って、コネクタ922A,922Bには、VBBも供給されている。そして、コネクタ922Cに接続されるケーブルは、ランプドライバ基板35に接続される。なお、演出制御基板80には、ランプドライバ基板35を経由して各電圧が供給される。
また、電源基板910には、押しボタン構造のクリアスイッチ921が搭載されている。クリアスイッチ921が押下されるとローレベル(オン状態)のクリアスイッチ信号が出力され、コネクタ922Bを介して払出制御基板37に送信される。また、クリアスイッチ921が押下されていなければハイレベル(オフ状態)の信号が出力される。なお、クリアスイッチ921は、押しボタン構造以外の他の構成であってもよい。また、クリアスイッチ921は、遊技機において、例えば払出制御基板37などの電源基板910以外の基板やその他の場所に設けられていてもよい。
さらに、電源基板910には、払出制御基板37などのサブ基板に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータなどのマイクロコンピュータに対するリセット信号を作成するとともに、電源断信号を出力する電源監視回路920と、電源監視回路920からのリセット信号を増幅してコネクタ922B,922Cに出力するとともに、電源断信号を増幅してコネクタ922Bに出力する出力ドライバ回路925が搭載されている。なお、演出制御用マイクロコンピュータに対するリセット信号は、ランプドライバ基板35を経由して演出制御基板80に伝達される。
電源監視回路920は電源断信号を出力する電源監視手段とリセット信号を生成するリセット信号生成手段とを実現する回路であるが、電源監視回路920として、市販の停電監視リセットモジュールICを使用することができる。電源監視回路920は、遊技機において用いられる所定電圧(例えば+24V)が所定値(例えば+17V)以下になった期間が、あらかじめ決められている時間(例えば56ms)以上継続すると電源断信号を出力する。具体的には、電源断信号をオン状態(ローレベル)にする。また、電源監視回路920は、例えば、VCCが+4.5V以下になると、リセット信号をローレベルにすることが可能な状態になる。
電源監視回路920は、遊技機に対する電力供給が停止する際には、電源断信号を出力(ローレベルにする)してから所定期間が経過したときに、リセット信号をローレベルにすることになる。この所定期間は、主基板31および払出制御基板37に搭載されているマイクロコンピュータが、後述する電源断処理を実行するのに十分な時間である。また、遊技機に対する電力供給が開始され、VCCが例えば+4.5Vを越えるとリセット信号をハイレベルにするのであるが、その場合に、電源断信号が出力されなくなってから(ハイレベルにしてから)所定期間が経過したことを条件にリセット信号をハイレベルにする。従って、リセット信号がハイレベルになったことに応じて各電気部品制御基板(主基板31を含む)に搭載されているマイクロコンピュータがプログラムに従って制御操作を開始するときに、電源断信号は必ずオフ状態になっている。
電源監視回路920からのリセット信号は、払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPU371のリセット端子に入力される(図5参照)。従って、払出制御用CPU371は、リセット端子の入力状態を監視することによって、払出制御動作の実行状態とするタイミングおよび払出制御動作の停止状態とするタイミングを確認することができる。
なお、電源監視回路920からのリセット信号の入力に応じて払出制御基板37から出力されるリセット確認信号は、主基板31において、入力ポート57を介してCPU56に入力される。従って、CPU56は、入力ポート57の入力信号を監視することによって、遊技制御動作の実行状態とするタイミングおよび遊技制御動作の停止状態とするタイミングを確認することができる。
電源監視回路920からの電源断信号は、払出制御基板37において、入力ポート372gを介して払出制御用CPU371に入力される(図5参照)。従って、払出制御用CPU371は、入力ポート372gの入力信号を監視することによって遊技機への電力供給の停止の発生を確認することができる。
なお、電源監視回路920からの電源断信号の入力に応じて払出制御基板37から出力される電源断確認信号は、主基板31において、入力ポート57を介してCPU56に入力される。従って、CPU56は、入力ポート57の入力信号を監視することによって遊技機への電力供給の停止の発生を確認することができる。
なお、この実施の形態では、電源監視手段が所定電位の電源の出力を監視し、外部から遊技機に供給される電力の供給停止に関わる検出条件として、遊技機の外部からの電圧(この実施の形態ではAC24V)から作成された所定の直流電圧が所定値以下になったことを用いたが、検出条件は、それに限られず、外部からの電力が途絶えたことを検出できるのであれば、他の条件を用いてもよい。例えば、交流波そのものを監視して交流波が途絶えたことを検出条件としてもよいし、交流波をディジタル化した信号を監視して、ディジタル信号が平坦になったことをもって交流波が途絶えたことを検出条件としてもよい。
図8および図9は、遊技制御手段における出力ポートの割り当ての例を示す説明図である。なお、図8および図9において、「論理」が「1」で「状態」が「オン」は、信号がハイレベルのときにオン状態であることを意味し、「論理」が「0」で「状態」が「オン」は、信号がローレベルのときにオン状態であることを意味する。図8に示すように、出力ポート0は払出制御基板37に送信される払出制御信号の出力ポートである。また、演出制御基板80に送信される図柄制御コマンドの8ビットのデータは出力ポート1から出力される。
また、出力ポート2から、大入賞口の開閉板2を開閉するためのソレノイド(大入賞口扉ソレノイド)21、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド(大入賞口内誘導板ソレノイド)21Aおよび可変入賞球装置15を開閉するためのソレノイド(普通電動役物ソレノイド)16に対する駆動信号が出力される。さらに、演出制御基板80に送信される図柄制御コマンドについての図柄制御INT信号(ストローブ信号)も出力される。図柄制御INT信号は、図柄制御コマンドの8ビットのデータを取り込むことを演出制御手段に指令するための信号である。
そして、出力ポート3,4から、情報出力回路64を介して情報端子板34やターミナル基板160に至る各種情報出力用信号すなわち制御に関わる情報の出力データが出力される。
図10は、遊技制御手段におけるにおける入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図10に示すように、入力ポート0のビット0〜7には、それぞれ、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、ゲートスイッチ32a、入賞口スイッチ33a、39a,29a,30a、始動口スイッチ14aの検出信号が入力される。また、入力ポート1のビット0〜2,5,6には、それぞれ、払出制御基板37からの電源断確認信号、クリア信号、リセット確認信号、第1接続確認信号、第2接続確認信号が入力され、入力ポート1のビット4には、払出制御基板37からのクリア信号と第1接続確認信号と第2接続確認信号とから作成されるクリア実行信号が入力され、入力ポート1のビット3には、スイッチコモン監視信号が入力される。なお、各スイッチからの検出信号は、入力ドライバ回路58において論理反転されている。
次に遊技機の動作について説明する。図11および図12は、主基板31における遊技制御手段が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。
次いで、CPU56は、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAM55をアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。
この実施の形態で用いられるCPU56は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)も内蔵している。また、CTCは、2本の外部クロック/タイマトリガ入力CLK/TRG2,3と2本のタイマ出力ZC/TO0,1を備えている。
この実施の形態で用いられているCPU56には、マスク可能な割込のモードとして以下の3種類のモードが用意されている。なお、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
割込モード0:割込要求を行った内蔵デバイスがRST命令(1バイト)またはCALL命令(3バイト)をCPUの内部データバス上に送出する。よって、CPU56は、RST命令に対応したアドレスまたはCALL命令で指定されるアドレスの命令を実行する。リセット時に、CPU56は自動的に割込モード0になる。よって、割込モード1または割込モード2に設定したい場合には、初期設定処理において、割込モード1または割込モード2に設定するための処理を行う必要がある。
割込モード1:割込が受け付けられると、常に0038(h)番地に飛ぶモードである。
割込モード2:CPU56の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。すなわち、割込番地は、上位アドレスが特定レジスタの値とされ下位アドレスが割込ベクタとされた2バイトで示されるアドレスである。従って、任意の(飛び飛びではあるが)偶数番地に割込処理を設置することができる。各内蔵デバイスは割込要求を行うときに割込ベクタを送出する機能を有している。
よって、割込モード2に設定されると、各内蔵デバイスからの割込要求を容易に処理することが可能になり、また、プログラムにおける任意の位置に割込処理を設置することが可能になる。さらに、割込モード1とは異なり、割込発生要因毎のそれぞれの割込処理を用意しておくことも容易である。上述したように、この実施の形態では、初期設定処理のステップS2において、CPU56は割込モード2に設定される。
次いで、CPU56は、入力ポート1を介して入力されるクリア信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7a)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、入力ポート1を介して入力されるクリア実行信号の入力状態を確認する(ステップS7b)。クリアスイッチ921からのクリアスイッチ信号がオン状態である場合(クリアスイッチ921が押下されている場合)および、オン状態からオフ状態となったあと(クリアスイッチ921の押下を終えたあと)の所定期間は、払出制御基板37からローレベルのクリア信号が出力されている。なお、入力ポート1では、クリアスイッチ信号のオン状態はハイレベルである。
クリア実行信号がオンであれば(ステップS7bのY)、CPU56は、初期化処理の実行を報知するためのクリア報知を行うとともに(ステップS7c)、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜ステップS15)。本例では、ステップS7cにて、クリア報知用ランプ44bを例えば青色に所定期間点灯することでクリア報知を行う。ここでのクリア報知用ランプ44bの点灯期間は、例えば3秒、10秒など、遊技店員などが初期化処理の実行を認識できる程度の期間であればどのような期間であってもよい。なお、クリア報知は、上記のように初期化処理を開始する前に報知するようにしても、初期化処理が終了した後に報知するようにしてもよく、また初期化処理の開始前と終了後の両方で報知するようにしてもよい。
例えば、遊技店員は、クリアスイッチ921をオン状態にしながら遊技機に対する電力供給を開始する(例えば電源スイッチ914をオンする)ことによって、クリアスイッチ信号およびクリア信号をオン状態とすることができ、容易に初期化処理を実行させることができる。すなわち、RAMクリア等を行うことができる。
クリア実行信号がオフであれば(ステップS7bのN)、CPU56は、不正な初期化指示がなされている可能性があることを報知するための不正クリア指示報知を行う(ステップS7d)。そして、ステップS8に移行する。なお、本例では、ステップS7dにて、クリア報知用ランプ44bを例えば赤色に所定期間点灯することで不正クリア指示報知を行う。ここでのクリア報知用ランプ44bの点灯期間は、例えば3秒、10秒など、遊技店員などが不正な初期化指示がなされている可能性があることを認識できる程度の期間であればどのような期間であってもよい。
ステップS7aにてクリア信号がオンの状態でないと判定された場合、あるいはステップS7dにて不正クリア指示報知が実行された場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような保護処理が行われていたことを確認した場合には、CPU56はバックアップありと判定する。そのような保護処理が行われていないことを確認した場合には、CPU56は初期化処理を実行する。
保護処理が行われていたか否かは、後述する電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、バックアップRAM領域のデータ保護処理を実行したことに応じた値(例えば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域にデータ保護処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS8において、そのフラグがセットされていることを確認したらバックアップありと判定してもよい。
バックアップありと判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象となるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムとする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10〜S15の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と表示制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)が設定されている部分である。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS93)、その内容に従ってサブ基板(払出制御基板37および演出制御基板80)に、電力供給が復旧した旨を示す制御コマンド(復旧コマンド)が送信されるように制御する(ステップS94)。そして、ステップS15に移行する。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。例えば、大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータをそのままにした場合には、不正な手段によって初期化処理が実行される状態になったとしても、大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値が大当り判定値に一致するタイミングを狙うことは困難である。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。CPU56は、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする(ステップS19)。なお、表示用乱数とは、可変表示装置9に表示される図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り決定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に設けられている可変表示装置9、可変入賞球装置15、球払出装置97等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り決定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17,S18の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数や初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17,S18の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
図13は、遊技機に対して電力供給が開始されたとき、および電力供給が停止したときのマイクロコンピュータの動作の様子を示すタイミング図である。遊技機に対して電力供給が開始されDC+24V電源の電圧が所定値を越えると、電源断信号がオフ状態になる。また、VCCの値が所定値を越えるとリセット信号がハイレベルになる。なお、上述したように、電源監視回路920は、電源断信号をオフ状態にしてからリセット信号をハイレベルのオフ状態にする。リセット信号は、払出制御基板37に入力され、ランプドライバ基板35を介して演出制御基板80に入力する。そして、払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPU371および演出制御基板80に搭載されている演出制御用CPU101のリセット端子に入力される。払出制御用CPU371および演出制御用CPU101は、リセット信号がハイレベルになると動作可能状態になる。払出制御用CPU371は、動作可能状態になると、まず、初期化処理を実行し、その後、演出制御処理や払出制御処理を開始する。払出制御用CPU371は、動作可能状態になると、まず、初期化処理を実行したあと、リセット確認信号をハイレベルのオフ状態とし、その後、払出制御処理を開始する。また、演出制御用CPU101は、まず、初期化処理を実行し、その後、演出制御処理を開始する。
払出制御用CPU371からのリセット確認信号は、主基板31に入力される。主基板31は、リセット確認信号がハイレベルのオフ状態になったことに応じて動作可能状態になる。従って、CPU56が動作可能状態になる時点は、サブ基板のCPUが動作可能になる時点よりも遅い。また、CPU56は、動作可能状態になるとセキュリティチェックプログラムにもとづいてセキュリティチェック処理を実行する。そして、セキュリティチェック処理を終了すると、初期化処理および遊技制御処理を開始する。
上述したように、CPU56は、初期化処理においてサブ基板のCPUに対してコマンド(指令信号)を送信する処理を行う。リセット信号がオフ状態となってからリセット確認信号がオフ状態となるまでの時間差によって、CPU56が初期化処理を開始する時点では、サブ基板のCPUが初期化処理を完了する時点よりも遅くなっている。すなわち、払出制御用CPU371が、初期化処理を終了したあとにリセット確認信号をオフ状態とし、CPU56が初期化処理を開始する時点ではサブ基板のCPUは初期化処理を完了している。
また、この実施の形態では、CPU56が初期化処理を開始する前に、セキュリティチェックプログラムにもとづくセキュリティチェック処理が実行される。従って、CPU56が初期化処理を開始する時点が、サブ基板のCPUが全て初期化処理を完了する時点よりも遅くなることがより確実になる。従って、遊技機の電力供給が開始されたときに、サブ基板のCPUが、CPU56からの制御コマンドをより確実に受信することができるようになる。
遊技機に対する電力供給が停止すると、DC+24V電源の電圧も徐々に低下するのであるが、電源監視回路920は、DC+24V電源の電圧が所定値を下回ると、電源断信号を出力する(ローレベルにする)。電源断信号は、払出制御基板37に入力されている。払出制御基板37に搭載されている払出制御手段は、電源断信号が入力したことに応じて電源断確認信号を出力し、その後所定期間が経過するまで賞球払出指定の払出制御信号(賞球REQ信号と賞球個数信号)の入力状態を監視したあと、電力供給停止時処理(電源断時制御処理ともいう。)を実行する。
払出制御基板37からの電源断確認信号は、主基板31に入力されている。主基板31に搭載されている遊技制御手段は、電源断確認信号が出力されたことに応じて、電力供給停止時処理(電源断時制御処理ともいう。)を実行する。
そして、電源監視回路920は、VCCが所定値を下回ると、リセット信号をローレベルにする。払出制御基板37に搭載されている払出制御手段は、リセット信号がローレベルになったことに応じて、リセット確認信号をローレベルにし、その後にシステムリセットされる。すなわち、払出制御用CPU371は、動作しない状態になる。なお、電源監視回路920は、電源電圧が低下していくときに、電源断信号を出力した時点から、所定時間が経過すると、リセット信号をローレベルにする。
また、主基板31に搭載されている遊技制御手段は、リセット確認信号がローレベルになったことに応じてシステムリセットされる。すなわち、CPU56は、動作しない状態になる。
次に、遊技制御処理について説明する。図14は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理に実行中に、具体的には、ステップS16〜S19のループ処理の実行中に、タイマ割込が発生すると、CPU56は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理において遊技制御処理を実行する。タイマ割込処理において、CPU56は、まず、電源断確認信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS20)。
次いで、CPU56は、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
この実施の形態では、スイッチ処理(ステップS21)にて入賞検出またはゲート通過に関わる各スイッチの検出信号のオン状態が確認された継続時間(具体的には4ms毎の確認回数)が設定され、所定時間継続すると、確かにスイッチがオンしたと判定されスイッチオンに対応した処理が開始される。
また、スイッチコモン監視信号にもとづいて所定の報知処理を行う短絡報知処理を実行する(ステップS22)。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23)。CPU56は、さらに、表示用乱数および初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、特別図柄に関する図柄制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して図柄制御コマンドを送出する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理:ステップS28)。また、普通図柄に関する図柄制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して図柄制御コマンドを送出する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等がオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す賞球個数信号等の払出制御信号を出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPU371は、賞球個数を示す賞球個数信号等の払出制御信号に応じて球払出装置97を駆動する。
そして、CPU56は、始動入賞記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS32)。また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS33)。また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポート3のRAM領域におけるソレノイドに関する内容(図8参照)を出力ポートに出力する(ステップS34:ソレノイド出力処理)。その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は定期的(例えば4ms毎)に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。また、ステップS21〜S34の処理(ステップS30およびS33を除く)が、遊技の進行を制御する遊技制御処理に相当する。
図15および図16は、ステップS20の電源断処理の一例を示すフローチャートである。電源断処理において、CPU56は、まず、電源断確認信号が出力されているか否か(オン状態になっているか否か)確認する(ステップS450)。オン状態でなければ、RAM55に形成されるバックアップ監視タイマの値を0クリアする(ステップS451)。オン状態であれば、RAM55に形成されるバックアップ監視タイマの値を1増やす(ステップS452)。そして、バックアップ監視タイマの値が判定値(例えば2)と一致すれば(ステップS453)、ステップS454以降の電力供給停止時処理すなわち電力の供給停止のための準備処理を実行する。つまり、遊技の進行を制御する状態から遊技状態を保存させるための電力供給停止時処理(電源断時制御処理)を実行する状態に移行する。
この例では、図示はしないが、電力供給停止時処理にて、例えば、スタックポインタの値をRAMの電源バックアップ領域におけるスタックポインタ退避バッファに退避する処理など、遊技制御状態を復旧させるために必要なデータをRAM55の電源バックアップ領域に保存させるためのデータ退避処理が実行される。
バックアップ監視タイマと判定値とを用いることによって、判定値に相当する時間だけ電源断確認信号のオン状態が継続したら、電力供給停止時処理が開始される。すなわち、ノイズ等で一瞬電源断確認信号のオン状態が発生しても、誤って電力供給停止時処理が開始されるようなことはない。なお、RAM55に形成されるバックアップ監視タイマの値は、遊技機への電力供給が停止しても、所定期間はバックアップ電源によって保存される。従って、メイン処理におけるステップS8では、バックアップ監視タイマの値が判定値と同じ値になっていることによって、電力供給停止時処理の処理結果が保存されていることを確認できる。
電力供給停止時処理において、CPU56は、パリティデータを作成する(ステップS454〜S463)。すなわち、まず、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし(ステップS454)、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の先頭アドレスに相当するチェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする(ステップS455)。また、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の最終アドレスに相当するチェックサム算出回数をセットする(ステップS456)。
次いで、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する(ステップS457)。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに(ステップS458)、ポインタの値を1増やし(ステップS459)、チェックサム算出回数の値を1減算する(ステップS460)。そして、ステップS457〜S460の処理を、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返す(ステップS461)。
チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転する(ステップS462)。そして、反転後のデータをチェックサムデータエリアにストアする(ステップS463)。このデータが、電源投入時にチェックされるパリティデータとなる。次いで、RAMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定する(ステップS471)。以後、内蔵RAM55のアクセスができなくなる。
さらに、CPU56は、ROM54に格納されているポートクリア設定テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS472)。ポートクリア設定テーブルにおいて、先頭アドレスには処理数(クリアすべき出力ポートの数)が設定され、次いで、出力ポートのアドレスおよび出力値データ(クリアデータ:出力ポートの各ビットのオフ状態の値)が、処理数分の出力ポートについて順次設定されている。
CPU56は、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち処理数)をロードする(ステップS473)。また、ポインタの値を1増やし(ステップS474)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力ポートのアドレス)をロードする(ステップS475)。さらに、ポインタの値を1増やし(ステップS476)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力値データ)をロードする(ステップS477)。そして、出力値データを出力ポートに出力する(ステップS478)。その後、処理数を1減らし(ステップS479)、処理数が0でなければ(ステップS480のN)、ステップS474に戻る。処理数が0であれば(ステップS480のY)、すなわち、クリアすべき出力ポートを全てクリアしたら、タイマ割込を停止し(ステップS481)、ループ処理に入る。
ループ処理では、電源断確認信号がオフ状態になったか否かを監視する(ステップS482)。電源断確認信号がオフ状態になった場合には復帰アドレスとして、電源投入時実行アドレス(ステップS1のアドレス)を設定してリターン命令を実行する(ステップS483)。すなわち、メイン処理に戻る。具体的には、遊技機に設けられている遊技用の装置を制御(自身で制御することと、他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信することの双方を含む概念)する状態に戻る。
また、ループ処理では、リセット確認信号がローレベルのオン状態となったか否かを監視する(ステップS484)。リセット確認信号がオン状態になった場合には、払出制御用CPU371がシステムリセット状態となる(システムリセットされる)。すなわち、払出制御用CPU371は、始動の状態である動作停止状態に戻される(ステップS485)。この例では、払出制御用CPU371が、その駆動電圧(例えば4V)よりも高い電圧が未だ供給されているときに積極的に動作停止状態となるように、リセット信号をオン状態とするための検出電圧の電圧レベルが設定される。
以上の処理によって、電力供給が停止する場合には、ステップS454〜S481の電力供給停止時処理が実行され、電力供給停止時処理が実行されたことを示すデータ(バックアップあり指定値およびチェックサム)がバックアップRAMへストアされ、RAMアクセスが禁止状態にされ、出力ポートがクリアされ、かつ、遊技制御処理を実行するためのタイマ割込が禁止状態に設定される。
この実施の形態では、RAM55の一部の領域がバックアップ電源によって電源バックアップ(遊技機への電力供給が停止しても所定期間はRAM55の内容が保存されこと)されている。この例では、ステップS452〜S480の処理によって、バックアップ監視タイマの値とともに、電源断確認信号が出力されたときのRAM55の内容にもとづくチェックサムもRAM55のバックアップ領域に保存される。遊技機への電力供給が停止した後、所定期間内に電力供給が復旧したら、遊技制御手段は、上述したステップS91〜S94の処理によって、RAM55に保存されているデータ(電力供給が停止した直前の遊技制御手段による制御状態である遊技状態を示すデータ(例えば、プロセスフラグの状態、大当り中フラグの状態、確変フラグの状態、出力ポートの出力状態等)を含む)に従って、遊技状態を、電力供給が停止した直前の状態に戻すことができる。なお、電力供給停止の期間が所定期間を越えたらバックアップ監視タイマの値とチェックサムとが正規の値とは異なるはずであるから、その場合には、ステップS10〜S14の初期化処理が実行される。
以上のように、電力供給停止時処理(電力の供給停止のための準備処理)によって、遊技状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すためのデータが確実に変動データ記憶手段(この例ではRAM55の一部の領域)に保存される。よって、停電等による電源断が生じても、所定期間内に電源が復旧すれば、遊技状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すことができる。
また、電源断確認信号がオフ状態になった場合には、ステップS1に戻る。その場合、電力供給停止時処理が実行されたことを示すデータが設定されているので、ステップS91〜S94の遊技状態復旧処理が実行される。よって、電力供給停止時処理を実行した後に払出制御基板37からの電源断確認信号がオフ状態になったときには、遊技の進行を制御する状態に戻る。従って、電源瞬断等が生じても、遊技制御処理が停止してしまうようなことはなく、自動的に、遊技制御処理が続行される。
次に、主基板31と払出制御基板37との間で送受信される払出制御信号について説明する。図17は、遊技制御手段から払出制御手段に対して出力される制御信号、遊技制御手段に払出制御手段から入力される払出制御信号、および払出制御信号にもとづいて作成され遊技制御手段に入力される制御信号の内容の一例を示す説明図である。この実施の形態では、払出制御等に関する各種の制御を行うために、主基板31と払出制御基板37との間で複数種類の制御信号が送受信される。図17に示すように、第1接続確認信号および第2接続確認信号は、払出制御基板37の立ち上がり時(払出制御手段が払出制御処理を開始したとき)に出力され、主基板31に対して払出制御基板37が立ち上がったことを通知するための信号である。また、第1接続確認信号および第2接続確認信号は、詳細は後述するが、主基板31からの払出制御信号を正常に受信し得る状態であることを示す信号でもある。
賞球REQ信号は、賞球の払出要求時に出力状態(=オン状態)になる信号(すなわち賞球払出要求のトリガ信号)である。また、賞球REQ信号は、所定期間が経過すると、停止状態(オフ状態)になる。賞球個数信号は、払出要求を行う遊技球の個数(0〜15個)を指定するために出力される信号(賞球個数コマンド)である。
電源断確認信号は、払出制御手段が電源監視回路920からの電源断信号のオン状態を確認するとオン状態とされ、電源断信号のオフ状態を確認するとオフ状態にされる信号である。すなわち、電源断信号の受信状態を主基板31に通知するための信号として用いられる。
クリア信号は、払出制御手段がクリアスイッチ921からのクリアスイッチ信号のオン状態を確認するとオン状態とされ、クリアスイッチ信号がオフ状態となってから所定期間(クリア信号出力延長期間:図36(B)参照)が経過したことを確認するとオフ状態にされる信号である。すなわち、クリアスイッチ信号の受信状態(ここでは受信の有無ではなく、受信中または受信終了から所定期間内であるか否かの状態を意味する)を主基板31に通知するための信号として用いられる。
リセット確認信号は、払出制御手段が、電源監視回路920からのリセット信号がオフ状態からオン状態となったことにもとづいて、オフ状態からオン状態として遊技制御手段の遊技制御動作の停止を指示するための信号である。また、リセット確認信号は、払出制御手段が、電源監視回路920からのリセット信号がオン状態からオフ状態となったことにもとづいて、オン状態からオフ状態として遊技制御手段の遊技制御動作の開始を指示するための信号である。すなわち、制御動作の停止/開始指示を主基板31に通知するための信号として用いられる。
クリア実行信号は、払出制御手段からの第1接続確認信号と第2接続確認信号とクリア信号とから作成される信号であって、第1接続確認信号と第2接続確認信号とクリア信号の3つの信号が全てオン状態であるときにオン状態となり、その3つの信号のうち何れか1つがオフ状態であるときにオフ状態となる信号である。クリア実行信号は、クリア信号にもとづく初期化指示が正当な指示であるか不正な指示であるかを判定するために用いられる。
図18は、図17に示す各制御信号の送受信に用いられる信号線等を示すブロック図である。図18に示すように、賞球REQ信号および賞球個数信号は、CPU56によって出力回路67を介して出力され、入力回路373Aを介して払出制御用CPU371に入力される。また、電源断確認信号、クリア信号、リセット確認信号、第1接続確認信号、および第2接続確認信号は、払出制御用CPU371によって出力回路373Bを介して出力され、入力回路68を介してCPU56に入力される。賞球REQ信号、電源断確認信号、クリア信号、リセット確認信号、第1接続確認信号、および第2接続確認信号は、それぞれ1ビットのデータであり、1本の信号線によって送信される。賞球個数信号は、0個〜15個を指定するので、4ビットのデータで構成され4本の信号線によって送信される。
図19(A)は、主基板31から払出制御基板37に対して送信される払出制御信号(賞球REQ信号、賞球個数信号)と、払出制御基板37から主基板31に対して送信される第1接続確認信号、第2接続確認信号、およびクリア信号を伝送する信号線の接続状態の例を示す説明図である。
図19(A)に示すように、CPU56によって出力回路67を介して出力された払出制御信号は、主基板31に搭載されているコネクタ69Bと、コネクタ69Bに接続されるコネクタ69Aとを介して払出制御基板37側に伝送される。払出制御基板37側に伝送された払出制御信号は、コネクタ376Aと、コネクタ376Aに接続される払出制御基板37に搭載されたコネクタ376Bとを介して入力回路373Aに入力される。そして、払出制御信号が入力回路373Aを介して払出制御用CPU371に入力される。
また、図19(A)に示すように、払出制御用CPU371によって出力回路373Bを介して出力された第1接続確認信号、第2接続確認信号、およびクリア信号は、払出制御基板37に搭載されているコネクタ376Bと、コネクタ376Bに接続されるコネクタ376Aとを介して主基板31側に伝送される。主基板31側に伝送された第1接続確認信号、第2接続確認信号、およびクリア信号は、コネクタ69Aと、コネクタ69Aに接続される主基板31に搭載されたコネクタ69Bとを介して入力回路68に入力される。そして、第1接続確認信号、第2接続確認信号、およびクリア信号が入力回路68を介してCPU56に入力される。
すなわち、払出制御信号、第1接続確認信号、第2接続確認信号、およびクリア信号は、主基板31に接続されるコネクタ69Aと、払出制御基板37に接続されるコネクタ376Aと、コネクタ69Aとコネクタ376Aとの間で信号を伝送する信号線とを備えたケーブル(信号線接続手段)によって伝送される。本例では、このケーブルが備える複数本の信号線によって各払出制御信号と、第1接続確認信号と、第2接続確認信号と、クリア信号とが伝達される。
コネクタ69Aおよびコネクタ376Aは、ぞれそれ、主基板31からの払出制御信号を払出制御基板37に伝送するための複数のピンと、払出制御基板37からの第1接続確認信号、第2接続確認信号、およびクリア信号を主基板31に伝送するための複数のピンとを備えている。この例では、コネクタ69Aおよびコネクタ376Aは、それぞれ、少なくとも、第1接続確認信号、クリア信号、賞球REQ信号、および第2接続確認信号用のピンをそれぞれ1個、賞球個数信号用のピンを4個有している。すなわち、コネクタ69Aおよびコネクタ376Aは、それぞれ、払出制御信号と、第1接続確認信号と、第2接続確認信号と、クリア信号とが割り当てられる8個のピンを少なくとも有している。
また、この例では、コネクタ69Aとコネクタ376Aそれぞれが備える複数のピンには、第1接続確認信号の伝送に用いられるピンと第2接続確認信号の伝送に用いられるピンとの間に、賞球REQ信号と賞球個数信号の伝送に用いられる5個のピンと、クリア信号の伝送に用いられる1個のピンが位置するように、払出制御信号が割り当てられる。
すなわち、コネクタ69Aとコネクタ376Aそれぞれが備える複数のピンの配列は、複数段に配列されているもの等どのような配列とされているものであってもよいが、少なくとも、第1接続確認信号用のピン第2接続確認信号用のピンとの間に、他の払出制御信号用のピンとクリア信号用のピンが位置するように各信号がピンに割り当てられた配列とされる。
上記のように、第1接続確認信号用のピンと第2接続確認信号用のピンとの間に、賞球REQ信号用のピンと賞球個数信号用のピンとが配されるように、コネクタ69A,376Aが備えるピンに信号を割り当てる構成としたので、賞球REQ信号用のピンや賞球個数信号用のピンの接続状態に異常が発生しているときは、第1接続確認信号用のピンまたは第2接続確認信号用のピンのうちの少なくとも何れか一方の接続状態に異常が発生することとなるので、通信に関する異常を正確に検出することができる。従って、第1接続確認信号および第2接続確認信号の状態を監視するだけで、賞球REQ信号や賞球個数信号が正常に伝達され得る状態であるか否かを正確に把握することができ、賞球REQ信号や賞球個数信号の取りこぼしを防止することができるため、遊技制御手段での未払出の賞球数の管理をより確実に行うことができる。
また、上記のように、第1接続確認信号用のピンと第2接続確認信号用のピンとの間に、クリア信号用のピンが配されるように、コネクタ69A,376Aが備えるピンに信号を割り当てる構成としたので、クリア信号用のピンの接続状態に異常が発生しているときは、第1接続確認信号用のピンまたは第2接続確認信号用のピンのうちの少なくとも何れか一方の接続状態に異常が発生することとなるので、通信に関する異常を正確に検出することができる。従って、第1接続確認信号および第2接続確認信号の状態を監視するだけで、クリア信号が正常に伝達され得る状態であるか否かを正確に把握することができ、クリア信号の取りこぼしを防止することができる。
図19(B)は、入力回路68におけるクリア実行信号を作成するための回路構成の例を示す説明図である。入力回路68は、AND回路681,682を備えている。
図19(B)に示すように、AND回路682の一方の入力には、払出制御手段からの第1接続確認信号が分岐されて導入され、AND回路682の他方の入力には、払出制御手段からの第2接続確認信号が分岐されて導入される。また、AND回路681の一方の入力には、AND回路682からの出力信号が導入され、AND回路681の他方の入力には、払出制御手段からのクリア信号が分岐されて導入される。そして、AND回路681からの出力信号が、クリア実行信号としてCPU56に入力される。
なお、この実施の形態では、電力供給が開始されたときに、クリア信号の状態を確認したあと(ステップS7a)、クリア実行信号の状態を確認する(ステップS7b)ようにしているが、第1接続確認信号と第2接続確認信号とクリア信号の3つの信号の状態をそれぞれ個別に確認するようにしてもよい。すなわち、ステップS7bにて、第1接続確認信号と第2接続確認信号の信号状態を確認するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、入力回路68でAND回路681を用いてクリア信号を含む複数の信号からクリア実行信号を生成しているので、クリア信号の状態を確認する処理(ステップS7a)を行うことなく、クリア実行信号の状態だけを確認する(ステップS7b)構成としてもよい、
図20は、払出制御信号の出力の仕方の一例を示すタイミング図であり、図21は、図20における一部を拡大して示すタイミング図である。図20に示すように、入賞検出スイッチが遊技球の入賞を検出すると、遊技制御手段は、賞球個数信号の出力状態を入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にするとともに、賞球REQ信号をオン状態にする。なお、この実施の形態では、始動口スイッチ14aで遊技球が検出されると4個の賞球払出を行い、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30aのいずれかで遊技球が検出されると7個の賞球払出を行い、Vカウントスイッチ22またはカウントスイッチ23で遊技球が検出されると15個の賞球払出を行う。また、上述したように、賞球個数信号は4ビットで構成されているので、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)の賞球個数コマンドのうち、下位の4ビットが賞球個数信号によって主基板31から払出制御基板37に伝達される。以下、「00(H)〜0F(H)の賞球個数信号」のように表現することがあるが、実際には、賞球個数信号は、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)のうちの下位の4ビットに相当する。
払出制御手段は、賞球REQ信号の受信を確認すると、賞球個数信号の受信状態を確認し、賞球個数信号が示す賞球数を賞球未払出個数カウンタに加算する。
遊技制御手段は、賞球REQ信号をオン状態としたときから賞球REQ信号オフ待ち時間が経過すると、賞球REQ信号をオフ状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態をクリアしてオフ状態にする。すなわち、賞球個数信号が0個を示す状態(無効コマンドを出力する状態)にする。従って、賞球個数信号は、賞球REQ信号がオン状態であるときには無効コマンド出力状態になっているので、払出制御手段において、ノイズ等によって賞球REQ信号のオン状態が検出されたような場合でも、誤って賞球払出を実行してしまうようなことはない。なお、賞球REQ信号出力時間は、払出制御基板37側で賞球REQ信号の受信を確実に認識できる時間としてあらかじめ定められた賞球REQ信号のオン状態を継続する時間である。また、賞球REQ信号オフ待ち時間は、CPU56および払出制御用CPU371に供給されるクロック信号の周波数が変わると異なる値になる。つまり、CPU56および払出制御用CPU371に供給されるクロック信号の周波数が変わると異なる値になる。
図20に示すように、賞球REQ信号がオン状態であるときに新たな入賞が検出されると、その入賞にもとづく賞球REQ信号のオンおよび賞球個数信号の出力は待たされる。具体的には、賞球REQ信号がオン状態であるときに新たな入賞が検出されると、その入賞にもとづいて払い出されるべき賞球数が、RAM55に形成される総賞球数バッファの内容に加算される。そして、遊技制御手段は、賞球REQ信号をオフ状態にしたときに、総賞球数バッファの内容が0でなければ、15を上限として、総賞球数バッファの内容が示す賞球数の賞球払出を指示するために、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号を出力する。
図22は、払出制御信号の出力の仕方の一例を示すタイミング図である。第1接続確認信号または第2接続確認信号の何れか一方がオフ状態となっているときは、遊技制御手段は、賞球REQ信号および賞球個数信号を送信しない賞球制御信号送信禁止状態となる。賞球制御信号送信禁止状態では、遊技制御手段は、図22に示すように、入賞が発生したとしても、賞球REQ信号の出力は行わない。よって、払出制御手段が賞球個数信号を取り込む処理は実行されない。その後に第1接続確認信号と第2接続確認信号とがともにオン状態となると、賞球制御信号送信禁止状態が解除され、遊技制御手段は、賞球個数信号を出力するとともに、賞球REQ信号をオン状態にする。
上記のように、第1接続確認信号または第2接続確認信号の何れか一方がオフ状態となっているときは、賞球制御信号の伝送状態に異常が発生しているとして、遊技制御手段が賞球REQ信号を送信しない構成としているので、賞球制御信号が正常に伝送されないおそれがあるときの払出制御手段による賞球個数信号の取り込みを禁止することができ、賞球個数信号により特定される賞球数を払出制御手段が誤認識してしまうことを防止することができ、遊技者に不利益を及ぼしてしまうことを回避することができる。
図23は、ステップS31の賞球処理の一例を示すフローチャートである。賞球処理において、CPU56は、賞球個数加算処理(ステップS201)を実行したあと、払出信号停止フラグの状態を確認する(ステップS204)。払出信号停止フラグがオフ状態であれば、すなわち賞球制御信号送信禁止状態でなければ、ステップS202に移行する。
払出信号停止フラグがオン状態であれば、すなわち賞球制御信号送信禁止状態であれば、CPU56は、第1接続確認信号および第2接続確認信号の入力状態を確認する(ステップS205)。
第1接続確認信号および第2接続確認信号が共にオン状態であれば(ステップS205のN)、CPU56は、払出信号停止フラグをオフ状態とし(ステップS206)、エラー表示用ランプ44を消灯状態としたあと(ステップS207)、ステップS202に移行する。すなわち、第1接続確認信号および第2接続確認信号が共にオンの状態に復帰していたら、賞球制御信号送信禁止状態を解除するための処理を行う。
第1接続確認信号と第2接続確認信号とのうち何れかがオフ状態であれば(ステップS205のY)、ステップS202に移行することなく、処理を終了する。すなわち、第1接続確認信号および第2接続確認信号が共にオンの状態に復帰していなければ、賞球制御信号送信禁止状態を維持したまま処理を終了する。
次いで、CPU56は、ステップS202にて、賞球制御処理を実行する。そして、RAM55に形成されるポート0バッファの内容をポート0に出力する(ステップS203)。なお、ポート0バッファの内容は、賞球制御処理において更新される。
賞球個数加算処理では、CPU56は、検査対象の入賞検出スイッチの検出信号がオン状態であれば、そのスイッチに対応した賞球個数を賞球加算値に設定し、賞球加算値を、RAM55に形成されている16ビットの総賞球数格納バッファの内容に加算する。なお、総賞球数格納バッファは、バックアップRAMに形成されている。なお、「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
図24は、ステップS201の賞球制御処理を示すフローチャートである。賞球制御処理では、CPU56は、賞球プロセスコードの値に応じて、ステップS231〜S233のいずれかの処理を実行する。
図25は、賞球プロセスコードの値が0の場合に実行される賞球待ち処理1(ステップS231)を示すフローチャートである。CPU56は、賞球待ち処理1において、賞球待機中出力値(20(H))をポート0バッファにセットする(ステップS241)。なお、賞球待機中出力値がポート0バッファにセットされると、ステップS203においてポート0バッファの内容がポート0に出力されることによって、賞球REQ信号がオフ状態にる(図8参照)。また、賞球個数信号が無効コマンド(00(H))を出力する状態になる。
次いで、CPU56は、賞球タイマが0であるか否か確認する(ステップS242)。賞球タイマが0でなければ、賞球タイマの値を1減らして(ステップS243)、処理を終了する。賞球タイマは賞球処理において必要となる時間を計測するためのタイマであるが、この段階で賞球タイマの値が0でないということは、前回の払出処理が完了した後、次に賞球REQ信号をオン状態にするまでの待ち時間(連続して賞球払出が実行される場合に複数の賞球REQ信号のオン期間の間に間隔を設けるための時間、図20に示す00(H)の賞球個数信号が出力されている期間(例えばMAX49.391ms))が終了していないことを意味する。なお、賞球タイマは、後述する賞球待ち処理2のステップS263でセットされる。また、ステップS241〜S243の処理は、ステップS234の賞球待ち処理2の実行が完了して前回の賞球制御処理が完了した後に、賞球REQ信号をオフ状態にするとともに、賞球個数信号として無効コマンド(00(H))を出力するための処理である。
賞球タイマの値が0であれば、次いで、CPU56は、総賞球数格納バッファの内容を確認する(ステップS244)。その値が0であれば処理を終了し、0でなければ、賞球プロセスコードの値を1にした後(ステップS245)、処理を終了する。
図26は、賞球プロセスコードの値が1の場合に実行される賞球送信処理(ステップS232)を示すフローチャートである。CPU56は、賞球送信処理において、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値(この例では「15」)よりも小さいか否か確認する(ステップS251)。総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値以上であれば、賞球コマンド最大値を賞球個数バッファに設定する(ステップS252)。また、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値よりも小さい場合には、総賞球数格納バッファの内容を賞球個数バッファに設定する(ステップS253)。
賞球個数バッファの設定を行うと、CPU56は、第1接続確認信号および第2接続確認信号の入力状態を確認する(ステップS254)。
第1接続確認信号および第2接続確認信号が共にオン状態であれば(ステップS254のN)、賞球REQ中出力値(81(H))を出力ポート0バッファにセットする(ステップS255)。なお、賞球REQ中出力値が出力ポート0バッファにセットされると、ステップS203において出力ポート0バッファの内容がポート0に出力されることによって、賞球REQ信号がオン状態になる(図8参照)。また、賞球個数バッファの内容を出力ポート0バッファのビット1〜4にセットする(ステップS256)。
この実施の形態では、賞球コマンド最大値は「15」である。従って、最大で「15」の払出数を指定する賞球制御信号が払出制御基板37に送信される。
第1接続確認信号と第2接続確認信号とのうち何れかがオフ状態であれば(ステップS254のY)、ステップS255に移行することなく、エラー表示用ランプ44を点灯状態としたあと(ステップS271)、払出信号停止フラグをオン状態とする(ステップS274)。すなわち、賞球制御信号送信禁止状態となる。この例では、払出信号停止フラグをオン状態となっている賞球制御信号送信禁止状態では、賞球制御処理(ステップS202)とその後のポート0バッファの内容の出力処理(ステップS203)の実行が禁止され、賞球制御信号の送信が行われない状態となる。なお、遊技制御処理(図14参照)における賞球処理における賞球個数加算処理(ステップS201)とその他の処理は禁止されることなく処理が継続される。
賞球制御信号を送信すると、CPU56は、総賞球数格納バッファの内容から、賞球個数バッファの内容(払出制御手段に指令した賞球払出個数)を減算する(ステップS257)。そして、賞球タイマにREQ終了判定時間値(例えば3)をセットする(ステップS258)。REQ終了判定時間値は、図21に示す賞球REQ信号オフ待ち時間を作成するための値である。その後、賞球プロセスコードの値を2にして(ステップS259)、処理を終了する。
なお、この例では、賞球制御信号を送信したあとにステップS257の減算処理を行うが、具体的には、ステップS255およびステップS256で賞球REQ中出力値と賞球個数バッファの内容とが出力ポート0バッファにセットされたあと、ステップS203にて出力ポート0バッファの内容がポート0に出力される前に行われる。ただし、ステップS255およびステップS256で賞球REQ中出力値と賞球個数バッファの内容とが出力ポート0バッファにセットされ、その後にステップS203において出力ポート0バッファの内容がポート0に出力されて、賞球REQ信号が実際にオン状態となったあとに、総賞球数格納バッファの内容から賞球個数バッファの内容を減算する減算処理を行うようにしてもよい。
図27は、賞球プロセスコードの値が2の場合に実行される賞球待ち処理2(ステップS233)を示すフローチャートである。CPU56は、賞球待ち処理2において、賞球タイマの値を確認し(ステップS261)、その値が0でなければ賞球タイマの値を1減らして(ステップS262)、処理を終了する。賞球タイマの値が0になったら、すなわち図21に示す賞球REQ信号オフ待ち時間が経過したら、賞球REQ待ち時間を賞球タイマにセットする(ステップS263)。そして、賞球プロセスコードの値を0にして(ステップS264)、処理を終了する。上述したように、賞球REQ待ち時間は、次に賞球REQ信号をオン状態にするまでの待ち時間(連続して賞球払出が実行される場合に、複数の賞球REQ信号のオン期間の間に間隔を設けるための時間)である。
以上の処理によって、遊技制御手段は、払出条件の成立にもとづいて払い出される賞球としての遊技球の総数を特定可能に総賞球数格納バッファに記憶する。また、遊技制御手段は、総賞球数格納バッファに記憶されている賞球数にもとづいて払出制御手段に対して所定数の賞球の払出数を指定する払出指令信号を送信する。ここで、所定数は、総賞球数格納バッファに記憶されている賞球数が15個以上であれば15であり、15個未満であれば、総賞球数格納バッファに記憶されている賞球数である。そして、賞球払出を指定する賞球制御信号を送信したときに、総賞球数格納バッファに記憶されている賞球数から払出指令信号で指定した払出数を減算する減算処理を行う。
上記のように、第1接続確認信号および第2接続確認信号の入力状態を確認することにより、正常に伝送される状態であるときに限って賞球制御信号を送信し、賞球制御信号を送信したことに応じて総賞球数格納バッファに記憶されている賞球数から払出指令信号で指定した払出数を減算する構成とされているので、遊技制御手段での未払出の賞球数の管理を確実に行うことができる。すなわち、通信に関する異常が生じているときは賞球制御信号が送信されないので、遊技制御手段での未払出の賞球数の管理が確実なものとなる。
なお、この実施の形態では、払出条件の成立にもとづいて払い出される景品遊技媒体の総数を特定可能に記憶する景品遊技媒体数記憶手段として、総数そのものを記憶する総賞球数格納バッファが例示されたが、景品遊技媒体の総数を特定可能に記憶する景品遊技媒体数記憶手段は、各入賞領域への入賞数を記憶したり、賞球数が同じである入賞領域毎の入賞数(例えば6個の賞球数に対応した入賞口14、10個の賞球数に対応した入賞口33,39,29,30、15個の賞球数に対応した大入賞口への入賞数であって、未だ賞球払出が終了していない入賞数)を記憶するものであってもよい。
次に、払出制御手段(払出制御用CPU371およびROM,RAM等の周辺回路)の動作を説明する。図28は、払出制御手段における出力ポートの割り当ての例を示す説明図である。図28に示すように、出力ポート0は、ステッピングモータによる発射モータ94に供給される各相の信号と、ステッピングモータによる払出モータ289に供給される各相の信号とを出力するための出力ポートである。また、出力ポート1は、球切れLED52、賞球LED51、電源断確認信号、第1接続確認信号、第2接続確認信号、リセット確認信号、およびクリア信号を出力するための出力ポートである。出力ポート2は、7セグメントLEDによるエラー表示LED374の各セグメント出力の出力ポートである。出力ポート3は、遊技機外部に出力される賞球中信号、賞球情報、球貸し情報および遊技機エラー状態信号を出力するための出力ポートである。
なお、払出制御基板37には、図28には示されていないが、カードユニット50へのEXS信号およびPRDY信号を出力するための出力ポート4も設けられている。
図29は、払出制御手段における入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図29に示すように、入力ポート0のビット1〜3には主基板31からの4ビットの賞球個数信号が入力され、ビット5には主基板31からの賞球REQ信号が入力される。また、入力ポート1のビット0〜3には、それぞれ、タッチセンサからのタッチセンサ信号(発射制御信号)、払出個数カウントスイッチ301の検出信号、エラー解除スイッチ375からの操作信号、満タンスイッチ48の検出信号が入力される。入力ポート1のビット4〜6には、それぞれ、カードユニット50からのVL信号、BRDY信号、BRQ信号が入力される。入力ポート2には、電源基板910からのクリアスイッチ921の出力信号(クリアスイッチ信号)、および電源断信号、球切れスイッチ187の検出信号、払出モータ位置センサ295の検出信号が入力される。
図30は、遊技機の払出制御手段とカードユニット50との間の通信を説明するためのタイミング図である。払出制御手段は、遊技機への電力供給が開始され、払出動作が可能なときにはPRDY信号をオン状態にする。カードユニット50は、電力供給が開始されると、接続信号としてのVL信号をオン状態にする。カードユニット50においてカードが受け付けられ、球貸しスイッチが操作され球貸しスイッチ信号が入力されると、カードユニット50は、払出制御手段にBRDY信号を出力する。すなわち、BRDY信号をオン状態にする。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット50は、払出制御手段にBRQ信号を出力する。すなわち、BRQ信号をオン状態にする。
そして、払出制御手段は、カードユニット50に対するEXS信号をオン状態にし、カードユニット50からのBRQ信号の立ち下がり(オフ)を検出すると、払出モータ289を駆動し、所定個(例えば25個)の貸し球を遊技者に払い出す。そして、払出が完了したら、払出制御手段は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち下げる。すなわちEXS信号をオフ状態にする。
次に、払出制御手段の動作について説明する。図31は、払出制御手段が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、払出制御用CPU371は、まず、必要な初期設定を行う。すなわち、払出制御用CPU371は、まず、割込禁止に設定する(ステップS701)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS702)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS703)。また、払出制御用CPU371は、内蔵デバイスレジスタの初期化を行い(ステップS704)、CTCおよびPIOの初期化を行う(ステップS705)を行った後に、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS706)。また、賞球未払出個数カウンタ初期値として0000(H)をセットする(ステップS707)。
この実施の形態では、内蔵CTCのうちの一つのチャネルがタイマモードで使用される。従って、ステップS704の内蔵デバイスレジスタの設定処理およびステップS705の処理において、使用するチャネルをタイマモードに設定するためのレジスタ設定、割込発生を許可するためのレジスタ設定および割込ベクタを設定するためのレジスタ設定が行われる。そして、そのチャネルによる割込がタイマ割込として用いられる。タイマ割込を例えば0.7ms毎に発生させたい場合は、初期値として0.7msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
なお、タイマモードに設定されたチャネル(この実施の形態ではチャネル3)に設定される割込ベクタは、タイマ割込処理の先頭アドレスに相当するものである。具体的は、Iレジスタに設定された値と割込ベクタとでタイマ割込処理の先頭アドレスが特定される。タイマ割込処理では、払出手段を制御する払出制御処理(少なくとも主基板からの賞球払出に関する指令信号に応じて球払出装置97を駆動する処理を含み、球貸し要求に応じて球払出装置97を駆動する処理が含まれていてもよい。)が実行される。
この実施の形態では、払出制御用CPU371でも割込モード2が設定される。従って、内蔵CTCのカウントアップにもとづく割込処理を使用することができる。また、CTCが送出した割込ベクタに応じた割込処理開始アドレスを設定することができる。
CTCのチャネル3(CH3)のカウントアップにもとづく割込は、CPUの内部クロック(システムクロック)をカウントダウンしてレジスタ値が「0」になったら発生する割込であり、タイマ割込として用いられる。具体的には、CPU371の動作クロックを分周したクロックがCTCに与えられ、クロックの入力によってレジスタの値が減算され、レジスタの値が0になるとタイマ割込が発生する。例えば、CH3のレジスタ値はシステムクロックの1/256周期で減算される。分周したクロックにもとづいて減算が行われるので、レジスタの初期値は大きくならない。
次いで、入力ポート2を介して入力されるクリアスイッチ921からのクリアスイッチ信号の状態を1回だけ確認する(ステップS708)。その確認においてオンを検出した場合には(ステップS708のY)、払出制御用CPU371は、クリア信号を出力ポート1にセットして主基板31に対してクリア信号を出力する(ステップS712)。すなわち、クリア信号をオン状態とする。そして、初期化処理を実行する(ステップS713〜ステップS716)。すなわち、クリアスイッチ921のオンが検出されると、クリア信号がオン状態とされるとともに、処理化処理が実行される。なお、ステップS712でクリア信号がオン状態とされた場合には、その後にクリアスイッチ921からのクリアスイッチ信号がオフ状態となったあと所定期間(クリア信号出力延長期間:図36(B)参照)が経過するまで、クリア信号のオン状態が継続される。
クリアスイッチ921からのクリアスイッチ信号がオン状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS709)。保護処理が行われていたか否かは、後述する電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、バックアップRAM領域のデータ保護処理を実行したことに応じた値(例えば10)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域にデータ保護処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS709において、そのフラグがセットされていることを確認したらバックアップありと判定してもよい。
バックアップありと判定したら、払出制御用CPU371は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS710)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象となるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムとする。
後述する電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理(図34に示す処理)によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS710では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、払出制御状態復旧処理を実行せず、クリア信号をオン状態とするとともに(ステップS712)、初期化処理(ステップS713〜S716の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、払出制御用CPU371は、払出制御状態復旧処理を行う。具体的には、賞球未払出個数カウンタ初期値として、バックアップRAMに形成されている賞球未払出個数カウンタの値をセットする(ステップS711)。そして、ステップS714以降の処理を実行する。
初期化処理では、払出制御用CPU371は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS713)。また、RAM領域のフラグやカウンタなどに初期値を設定する(ステップS714)。ステップS714の処理には、賞球未払出個数カウンタ初期値を賞球未払出個数カウンタにセットする処理が含まれる。従って、払出制御状態復旧処理(ステップS711)が実行された場合には、バックアップRAMに保存されていた賞球未払出個数カウンタの値が、あらためて賞球未払出個数カウンタにセットされる。換言すれば、バックアップRAMに保存されていた賞球未払出個数カウンタの値がそのまま使用される。
そして、定期的にタイマ割込がかかるように払出制御用CPU371に設けられているCTCのレジスタの設定を行う(ステップS715)。すなわち、初期値としてタイマ割込発生間隔に相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。そして、初期設定処理のステップS701において割込禁止とされているので、初期化処理を終える前に割込が許可される(ステップS716)。
さらに、初期化処理を終了すると、払出制御用CPU371は、リセット確認信号をオン状態からオフ状態に切り替え、主基板31に遊技制御動作の開始指示を行う(ステップS717)。その後、タイマ割込の発生を監視するループ処理に入る。
上記のように、この実施の形態では、払出制御用CPU371の内蔵CTCが繰り返しタイマ割込を発生するように設定される。そして、タイマ割込が発生すると、払出制御用CPU371は、タイマ割込処理を実行する。
図32は、払出制御手段が実行するタイマ割込処理の例を示すフローチャートである。タイマ割込処理にて、払出制御用CPU371は、電源断信号が出力された否かを監視する電源断処理を実行する(ステップS749)。その後、ステップS750以降の払出制御処理を実行する。払出制御処理では、払出制御用CPU371は、まず、発射モータ94に対する励磁パターンの出力処理(発射モータφ1〜φ4のパターンの出力ポート0への出力)を行う(ステップS750)。なお、ステップS752の発射モータ制御処理において、励磁パターンがRAM領域である励磁パターンバッファに格納され、ステップS750では、払出制御用CPU371は、励磁パターンバッファの内容を出力ポート0の下位4ビットに出力する処理を行う。
次に、払出制御用CPU371は、入力判定処理を行う(ステップS751)。入力判定処理は、入力ポート0のビット0,4,7、入力ポート1のビット3〜6、および入力ポート2のビット2(図29参照)の状態を検出して検出結果をRAMの所定の1バイト(入力状態フラグと呼ぶ。)に反映する処理である。なお、払出制御処理において、各入力ポートにおける上記の各ビットの状態にもとづいて制御を行う場合には、直接入力ポートの状態をチェックするのではなく、入力状態フラグの状態をチェックする。
次に、払出制御用CPU371は、発射モータ制御処理を実行する(ステップS752)。発射モータ制御処理では、発射モータφ1〜φ4のパターンを励磁パターンバッファに格納する。また、発射モータ94を不能動化すべきときには、発射モータ94を回転させない発射モータφ1〜φ4のパターンを励磁パターンバッファに格納する。また、払出制御用CPU371は、払出モータ制御処理を実行する(ステップS753)。払出モータ制御処理では、払出モータ289を駆動すべきときには、払出モータφ1〜φ4のパターンを出力ポート0に出力するための処理を行う。
また、払出制御用CPU371は、カードユニット50と通信を行うプリペイドカードユニット制御処理を実行する(ステップS754)。次いで、払出制御用CPU371は、主基板31の遊技制御手段と通信を行う主制御通信処理を実行する(ステップS755)。さらに、カードユニット50からの球貸し要求に応じて貸し球を払い出す制御を行い、また、主基板からの賞球個数信号が示す個数の賞球を払い出す制御を行う賞球球貸し制御処理を実行する(ステップS756)。
そして、払出制御用CPU371は、各種のエラーを検出するエラー処理を実行する(ステップS757)。また、遊技機外部に出力される賞球情報や球貸し情報を出力するための情報出力処理を実行する(ステップS758)。また、エラー処理の結果に応じてエラー表示LED374に所定の表示を行うとともに、賞球LED51および球切れLED52を点灯するための表示制御処理を実行する(ステップS759)。なお、払出制御用CPU371は、表示制御処理において、賞球REQ信号がオン状態であるときに、賞球LED51を点灯するための制御を行う。また、賞球REQ信号がオフ状態になったら、賞球LED51を消灯するための制御を行う。
また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポート0バッファ〜出力ポート3バッファ)が設けられているのであるが、払出制御用CPU371は、出力ポート0バッファ〜出力ポート3バッファの内容を出力ポートに出力する(ステップS760:出力処理)。ただし、出力ポート0の下位4ビット(発射モータφ1〜φ4)については、ステップS750で実行されているので、出力処理においては、出力ポート0の下位4ビットについての出力を行わない。出力ポート0バッファ〜出力ポート3バッファは、払出モータ制御処理(ステップS753)、プリペイドカード制御処理(ステップS754)、主制御通信処理(ステップS755)、情報出力処理(ステップS758)および表示制御処理(ステップS759)で更新される。
図33〜図35は、ステップS749の電源断処理の一例を示すフローチャートである。電源断処理において、払出制御用CPU371は、まず、電源断信号が出力されているか否か(オン状態になっているか否か)確認する(ステップS901)。オン状態でなければ、払出制御基板37が備えるRAMに形成されるバックアップ監視タイマの値を0クリアする(ステップS902)。オン状態であれば、払出制御基板37が備えるRAMに形成されるバックアップ監視タイマの値を1増やす(ステップS903)。そして、バックアップ監視タイマの値が判定値(例えば2)と一致すれば(ステップS904)、ステップS905以降の電力供給停止時処理すなわち電力の供給停止のための準備処理を実行する。つまり、払出制御を実行する状態から払出制御の制御状態を保存させるための電力供給停止時処理(電源断時制御処理)を実行する状態に移行する。
バックアップ監視タイマと判定値とを用いることによって、判定値に相当する時間だけ電源断信号のオン状態が継続したら、電力供給停止時処理が開始される。すなわち、ノイズ等で一瞬電源断信号のオン状態が発生しても、誤って電力供給停止時処理が開始されるようなことはない。なお、払出制御基板37が備えるRAMに形成されるバックアップ監視タイマの値は、遊技機への電力供給が停止しても、所定期間はバックアップ電源によって保存される。従って、メイン処理におけるステップS709では、バックアップ監視タイマの値が判定値と同じ値になっていることによって、電力供給停止時処理の処理結果が保存されていることを確認できる。
この例では、図示はしないが、電力供給停止時処理にて、例えば、スタックポインタの値を払出制御基板37が備えるRAMの電源バックアップ領域におけるスタックポインタ退避バッファに退避する処理など、払出制御状態を復旧させるために必要なデータをRAMの電源バックアップ領域に保存させるためのデータ退避処理が実行される。
電力供給停止時処理において、払出制御用CPU371は、電源断確認信号を出力する(オン状態とする)とともに(ステップS905)、電力供給停止時処理待機時間を待機時間タイマに設定し(ステップS906)、遊技制御手段からの賞球制御信号を所定期間(電力供給停止時処理待機時間)受付ける待機時間中賞球受付処理を行う(ステップS907〜S910)。なお、待機時間タイマは、払出制御基板37が備えるRAMに格納されている。
電力供給停止時処理待機時間は、電源断確認信号を出力してから、電源断確認信号の入力に応じた主基板31での電力供給停止時処理が開始されるまでの期間としてあらかじめ定められた時間である。なお、電力供給停止時処理待機時間は、少なくとも、待機時間中賞球受付処理が終了する前に主基板31での電力供給停止時処理が開始されるような時間が定められる。この時間は、例えば、払出制御手段が電源断確認信号を出力してから、遊技制御手段にて電力供給停止時処理が開始されるまでの期間を実際に計測することで定めるようにすればよい。
待機時間中賞球受付処理にて、払出制御用CPU371は、賞球REQ信号がオン状態であれば(ステップS907)、賞球個数信号が示す個数を賞球未払出個数カウンタに加算する(ステップS908)。次いで、払出制御用CPU371は、待機時間タイマを1減算し(ステップS909)、待機時間タイマが0でなければステップS907の処理に戻る(ステップS910)。すなわち、電力供給停止時処理待機時間が経過するまで、待機時間中賞球受付処理を実行し、賞球REQ信号の受信状態の監視および未払出個数カウンタの更新を行う。
そして、待機時間タイマが0であれば(ステップS910のY)、待機時間中賞球受付処理を終了し、ステップS911の処理に移行する。
なお、待機時間中賞球受付処理では、例えばステップS910にてNと判定したあとに所定の遅延期間を設けるなどして、待機時間中賞球受付処理のループ期間(周期)が、賞球REQ信号のオン期間(賞球REQ信号出力時間)よりも確実に長くなるように設定される。すなわち、待機時間中賞球受付処理では、処理内で同一の賞球制御コマンドが重複して受信されないように処理される。
上記のように、待機時間中賞球受付処理にて遅延期間を設けた場合には、待機時間タイマに設定される時間は、遅延期間を加味した電力供給停止時処理待機時間となる。すなわち、待機時間タイマに設定される時間と電力供給停止時処理待機時間とは一致せず、待機時間中賞球受付処理におけるループ処理の予定回数と1回あたりの遅延期間との積を、待機時間タイマに設定される時間に加算した時間が電力供給停止時処理待機時間となる。
待機時間中賞球受付処理を終了すると、払出制御用CPU371は、パリティデータを作成する(ステップS911〜S920)。すなわち、まず、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし(ステップS911)、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の先頭アドレスに相当するチェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする(ステップS912)。また、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の最終アドレスに相当するチェックサム算出回数をセットする(ステップS913)。
次いで、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する(ステップS914)。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに(ステップS915)、ポインタの値を1増やし(ステップS916)、チェックサム算出回数の値を1減算する(ステップS917)。そして、ステップS914〜S917の処理を、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返す(ステップS918)。
チェックサム算出回数の値が0になったら、払出制御用CPU371は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転する(ステップS919)。そして、反転後のデータをチェックサムデータエリアにストアする(ステップS920)。このデータが、電源投入時にチェックされるパリティデータとなる。次いで、RAMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定する(ステップS921)。以後、内蔵RAM55のアクセスができなくなる。
さらに、払出制御用CPU371は、ROM54に格納されているポートクリア設定テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS922)。ポートクリア設定テーブルにおいて、先頭アドレスには処理数(クリアすべき出力ポートの数)が設定され、次いで、出力ポートのアドレスおよび出力値データ(クリアデータ:出力ポートの各ビットのオフ状態の値)が、処理数分の出力ポートについて順次設定されている。
払出制御用CPU371は、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち処理数)をロードする(ステップS923)。また、ポインタの値を1増やし(ステップS924)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力ポートのアドレス)をロードする(ステップS925)。さらに、ポインタの値を1増やし(ステップS926)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力値データ)をロードする(ステップS927)。そして、出力値データを出力ポートに出力する(ステップS928)。その後、処理数を1減らし(ステップS929)、処理数が0でなければステップS924に戻る(ステップS930)。処理数が0であれば(ステップS930のY)、すなわち、クリアすべき出力ポートを全てクリアしたら、タイマ割込を停止し(ステップS931)、ループ処理に入る。
ループ処理では、電源断信号がオフ状態になったか否かを監視する(ステップS932)。電源断信号がオフ状態になった場合には、電源断確認信号の出力を停止する(オフ状態とする)とともに(ステップS933)、復帰アドレスとして、電源投入時実行アドレス(ステップS701のアドレス)を設定してリターン命令を実行する(ステップS934)。すなわち、メイン処理に戻る。具体的には、遊技機に設けられている遊技用の装置(球払出装置97など)を制御する状態に戻る。
また、ループ処理では、リセット信号がローレベルのオン状態となったか否かを監視する(ステップS935)。リセット信号がオン状態になった場合には、リセット確認信号をオフ状態からオン状態に切り替える(ステップS936)。そして、払出制御用CPU371がシステムリセット状態となる(システムリセットされる)。すなわち、払出制御用CPU371は、始動の状態である動作停止状態に戻される(ステップS937)。この例では、払出制御用CPU371が、その駆動電圧(例えば4V)よりも高い電圧が未だ供給されているときに積極的に動作停止状態となるように、リセット信号をオン状態とするための検出電圧の電圧レベルが設定される。
以上の処理によって、電力供給が停止する場合には、電源断確認信号を出力する処理と、待機時間中賞球受付処理と、ステップS911〜S931の電力供給停止時処理とが実行され、電力供給停止時処理が実行されたことを示すデータ(バックアップあり指定値およびチェックサム)がバックアップRAMへストアされ、RAMアクセスが禁止状態にされ、出力ポートがクリアされ、かつ、払出制御処理を実行するためのタイマ割込が禁止状態に設定される。
この実施の形態では、払出制御基板37が備えるRAMの全領域がバックアップ電源によって電源バックアップ(遊技機への電力供給が停止しても所定期間はRAMの内容が保存されること)されている。従って、ステップS905〜S931の処理によって、バックアップ監視タイマの値とともに、電源断信号が出力されたときのRAMの内容にもとづくチェックサムもRAMに保存される。遊技機への電力供給が停止した後、所定期間内に電力供給が復旧したら、払出制御手段は、上述したステップS711の処理によって、RAMに保存されているデータ(電力供給が停止した直前の払出制御手段による制御状態である払出状態を示すデータ(例えば、賞球未払出個数カウンタの値等)を含む)に従って、払出状態を、電力供給が停止した直前の状態に戻すことができる。なお、電力供給停止の期間が所定期間を越えたらバックアップ監視タイマの値とチェックサムとが正規の値とは異なるはずであるから、その場合には、ステップS712〜S714の初期化処理が実行される。
以上のように、電力供給停止時処理(電力の供給停止のための準備処理)によって、払出制御状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すためのデータが確実に変動データ記憶手段(この例では払出制御基板37が備えるRAMの全領域)に保存される。よって、停電等による電源断が生じても、所定期間内に電源が復旧すれば、払出制御状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すことができる。なお、払出制御基板37が備えるRAMの全領域が電源バックアップされるのではなく、払出制御状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すためのデータを記憶する領域のみが電源バックアップされるようにしてもよい。
また、上述したように、電源断信号がオフ状態になった場合には、電源断確認信号をオフ状態とする。よって、主基板31に対して遊技状態復旧処理の実行を指示することができる。
また、電源断信号がオフ状態になった場合には、ステップS701に戻る。その場合、電力供給停止時処理が実行されたことを示すデータが設定されているので、ステップS711の払出制御状態復旧処理が実行される。よって、電力供給停止時処理を実行した後に電源監視手段からの検出信号がオフ状態になったときには、払出制御処理(少なくとも主基板31からの賞球払出に関する指令信号に応じて球払出装置97を駆動する処理を含み、球貸し要求に応じて球払出装置97を駆動する処理が含まれていてもよい。)を実行する状態に戻る。従って、電源瞬断等が生じても、払出制御処理が停止してしまうようなことはなく、自動的に、払出制御処理が続行される。
さらに、上述したように、リセット信号がオン状態になった場合には、リセット確認信号をオン状態とする。よって、主基板31に対して遊技制御動作の停止を指示することができる。
なお、主基板31に対して送信される第1接続確認信号および第2接続確認信号は、出力ポートをクリアする処理によってオフ状態に設定される。また、ステップ714の作業領域の設定では、第1接続確認信号と第2接続確認信号に対応したそれぞれの出力ポートバッファの内容が、第1接続確認信号と第2接続確認信号それぞれのオン状態に対応した値に設定される。そして、ステップS755の主制御通信処理が実行されると、出力ポートバッファの内容が出力ポートに出力されるので、主基板31への第1接続確認信号および第2接続確認信号がオン状態になる。従って、第1接続確認信号および第2接続確認信号は、払出制御基板37の立ち上がり時に出力される(オン状態になる)ことになる。なお、電源瞬断等から復帰した場合も、第1接続確認信号および第2接続確認信号が出力される。
図36(A)は、電源断信号および電源断確認信号の出力タイミングの例を示すタイミング図である。この例では、図36(A)に示すように、電源電圧が低下し、監視電圧(VLP+24V)が所定電圧(例えば+17V)まで低下すると、電源監視回路920がローレベルの電源断信号を払出制御基板37に対して出力する。電源監視回路920からの電源断信号を受信すると、払出制御用CPU371は、ローレベルの電源断確認信号を主基板31に対して出力し、その後の待機時間(待機時間中賞球受付処理を実行する期間)が経過すると、電力供給停止時処理(ステップS911〜ステップS931)を実行する。
払出制御用CPU371からの電源断確認信号を受信すると、CPU56は、電力供給停止時処理(ステップS454〜ステップS481)を実行する。
なお、待機時間は、CPU56が電力供給停止時処理を開始したあとに経過するので、払出制御用CPU371は、CPU56が電力供給停止時処理を開始したあとに、電力供給停止時処理を開始する。従って、払出制御用CPU371が電力供給停止時処理を開始したあとに、CPU56によって賞球制御信号が出力されることがないため、賞球制御信号の取りこぼしを防止することができる。
さらに電源電圧が低下し、払出制御用CPU371およびCPU56での電力供給停止時処理が完了したあと、電源監視回路920によって監視されているVCCが+4.5V以下になると、リセット信号がローレベルにされ、払出制御用CPU371およびCPUにローレベルのリセット信号が入力されて動作停止状態となる。
図36(B)は、第1接続確認信号、第2接続確認信号、クリアスイッチ信号、クリア信号、およびクリア実行信号の出力タイミングの例を示すタイミング図である。この例では、図36(B)に示すように、例えば遊技店員等によってクリアスイッチ921が押下されながら電源が投入されると、電源供給開始後直ちに、第1接続確認信号、第2接続確認信号、およびクリアスイッチ信号がオン状態となる。次いで、クリアスイッチ信号がオン状態とされているときに、メイン処理(図31参照)でのクリアスイッチ信号の確認処理(ステップS708)の実行タイミングが到来すると、払出制御用CPU371は、クリアスイッチ信号がオン状態であることを確認し、主基板31へのローレベルのクリア信号の出力を開始し(ステップS712)、初期化処理を実行する(ステップS713〜ステップS716)。
払出制御用CPU371からのクリア信号がオン状態とされると、第1接続確認信号および第2接続確認信号がオン状態であれば、クリア実行信号がオン状態になる。クリア信号およびクリア実行信号がオン状態となっているときに、メイン処理(図12参照)でのクリア信号およびクリア実行信号の確認処理(ステップS7a,S7b)の実行タイミングが到来すると、CPU56は、クリア信号およびクリア実行信号がオン状態であることを確認し、初期化処理を実行する(ステップS10〜ステップS14)。
クリア信号およびクリア実行信号は、クリアスイッチ921の押下が終了されてクリアスイッチ信号がオフ状態とされたあとも所定期間(クリア信号出力延長期間)が経過するまではオン状態が維持される。クリア信号出力延長期間は、ステップS708の処理が実行されてからステップS7bの処理が実行されるまでの期間(例えば実測により測定すればよい)よりも長い期間に設定される。
従って、クリアスイッチ921を操作する遊技店員などは、少なくともクリアスイッチ信号の確認処理(ステップS708)の実行タイミングまでクリアスイッチ921の押下操作を継続していればよく、クリア信号の確認処理(ステップS7a)やクリア実行信号の確認処理(ステップS7b)の実行タイミングまで押下操作を継続する必要はない。クリアスイッチ信号の確認処理(ステップS708)の実行タイミング経過後すぐにクリアスイッチ信号がオフ状態となっても、クリア信号の確認処理(ステップS7a)およびクリア実行信号の確認処理(ステップS7b)の実行タイミングまではクリア信号およびクリア実行信号がオン状態となっているため、主基板31においても確実に初期化処理が実行されるからである。よって、簡単なハード構成で、クリアスイッチ921の長押し操作を必要とすることなく、主基板31と払出制御基板37とに初期化処理を実行させることができる。
この例では、コネクタ69A,69B,376A,376Bの接続不良が発生し、クリア信号を伝送することができない状態にあるときは、第1接続確認信号と第2接続確認信号との少なくとも何れかがオフ状態となっている。よって、第1接続確認信号または第2接続確認信号がオフ状態であるにもかかわらず、クリア信号がオン状態となったときは、不正にクリア信号が入力されたものと判断することができる。上記の例では、第1接続確認信号または第2接続確認信号がオフ状態であるときに、不正にクリア信号が入力されたとしても、クリア実行信号はオン状態にならない。従って、クリア実行信号を監視することによって、クリア信号を不正に入力させることで初期化処理の実行指示が不正になされている可能性があるか否かを判定することができる。
なお、従来のクリアスイッチから複数の基板に向けて操作信号を出力する遊技機において、操作信号を伝送する信号線の長さが異なる場合に、遅延回路を介在させることによって、信号の到達時期を一致させるようにすることが考えられるが、そのような構成とした場合には、最も到達が遅いものに合わせて遅延時間を設定することになるため、クリアスイッチの長押し操作が必要となってしまう。本例の遊技機では、上記の課題も解決されている。
図37は、ステップS755の主制御通信処理を示すフローチャートである。主制御通信処理では、払出制御用CPU371は、主制御通信制御コードの値に応じて、ステップS531〜S532のいずれかの処理を実行する。
図38は、主制御通信通常処理において賞球個数信号を入力ポートを介して入力するための条件を示す説明図である。図38に示すように、RAMに形成されている1バイトのエラーフラグにおける賞球REQ信号エラー(賞球REQ信号が不正なタイミングでオンまたはオフ)のエラービットがセット状態ではなく、かつ、カードユニット50からのBRDY信号がオン状態ではない場合に、賞球REQ信号がオン状態になると、払出制御手段は、賞球個数信号を入力ポートを介して入力する。なお、エラービットとは、各種のエラーが発生したことが検出されたときにセットされるエラーフラグにおけるビットである。
図39は、主制御通信制御コードの値が0の場合に実行される主制御通信通常処理(ステップS531)を示すフローチャートである。主制御通信通常処理において、払出制御用CPU371は、エラービット(賞球REQ信号エラービット)がオンしている場合には、以降の処理を実行せずに処理を終了する(ステップS541)。
また、払出制御用CPU371は、BRDY信号がオン状態であれば、以降の処理を実行せずに処理を終了する(ステップS542)。BRDY信号がオン状態であるということは、カードユニット50から球貸し要求が発生していることを意味する。すなわち、球貸し要求が発生しているときには、主基板31の遊技制御手段との通信(賞球払出に関する通信)が進行しない。
ステップS541〜S542の条件が成立していなければ、払出制御用CPU371は、賞球REQ信号がオン状態になっているか否か確認する(ステップS543)。
賞球REQ信号がオン状態になっている場合には、払出制御用CPU371は、賞球個数信号が示す賞球数を賞球未払出個数カウンタの内容に加算する(ステップS544)。次いで、主制御通信制御タイマに賞球REQ信号オフ監視時間(賞球REQ信号のオン状態が継続され得る最長の期間であってあらかじめ定められている期間:例えばここでは「24」)をセットする処理を行う(ステップS545)。主制御通信制御タイマは、主基板31の遊技制御手段との通信に関わる時間の監視等に使用されるタイマであるが、この段階では、賞球REQ信号がオフされるタイミングを監視するための賞球REQ信号オフ監視時間がセットされる。そして、主制御通信制御コードの値を1にして(ステップS546)、処理を終了する。なお、賞球未払出個数カウンタは、不揮発性(この例では電源バックアップされている)のRAM領域に形成されている。
図40は、主制御通信制御コードの値が1の場合に実行される主制御通信終了処理(ステップS532)を示すフローチャートである。主制御通信中処理において、払出制御用CPU371は、賞球REQ信号がオフ状態になったか否かを確認する(ステップS561)。オフ状態になったら、ステップS565に移行する。
賞球REQ信号がオフ状態になっていない場合には、主制御通信制御タイマの値を確認する(ステップS562)。主制御通信制御タイマの値が0になっていなければ主制御通信制御タイマの値を−1する(ステップS563)。主制御通信制御タイマの値が0になっていたら、監視時間内に賞球REQ信号がオフしなかったとして、エラーフラグのうち賞球REQ信号エラービットをセットし(ステップS564)、ステップS565に移行する。
ステップS565では、主制御通信制御コードの値を0にして、処理を終了する。
図41は、ステップS756の賞球球貸し制御処理を示すフローチャートである。賞球球貸し制御処理において、払出制御用CPU371は、払出個数カウントスイッチ301の検出信号がオン状態になったことを確認したら(ステップS601)、球貸し中であれば球貸し未払出個数カウンタの値を1減らし(ステップS602,S604)、球貸し中でなければ賞球未払出個数カウンタの値を1減らす(ステップS602,S603)。次に、RAMに形成されている払出制御状態フラグの払出球検知ビットをセットする(ステップS605)。払出球検知ビットは、払出通過待ち処理において、1回の賞球払出処理(最大15個)または1回の球貸し処理において(25個の払出)、払出モータ289を駆動したにもかかわらず遊技球が1個も払出個数カウントスイッチ301を通過しなかったことを検知するために用いられる。その後、払出制御コードの値に応じてステップS610〜S612のいずれかの処理を実行する。
賞球球貸し制御処理において、払出個数カウントスイッチ301の検出信号の確認や未払出個数カウンタの減算処理を行うときには、エラービットのチェックは実行されない。従って、遊技球の払い出しに関わるエラー状態であっても、払出個数カウントスイッチ301によって遊技球の払い出しが検出される毎に、払い出された遊技球が貸し球であれば球貸し未払出個数カウンタの値を1減算し、賞球であれば賞球未払出個数カウンタの値を1減算する処理を実行する。よって、払い出しに関わるエラーが発生しても、未払出の遊技球数を正確に管理することができる。
図42は、払出制御コードが0の場合に実行される払出開始待ち処理(ステップS610)を示すフローチャートである。払出開始待ち処理において、払出制御用CPU371は、エラービットがセットされていたら、以降の処理を実行しない(ステップS621)。
また、BRDY信号がオン状態でなければ、ステップS631以降の賞球払出のための処理を実行する。BRDY信号がオン状態であって、さらに、球貸し要求信号であるBRQ信号がオン状態になっていたら球貸し動作中フラグをセットする(ステップS623,S624)。そして、球貸し未払出個数カウンタに「25」をセットし(ステップS625)、払出モータ回転回数バッファに「25」をセットする(ステップS626)。
払出モータ回転回数バッファは、払出モータ制御処理(ステップS753)において参照される。すなわち、払出モータ制御処理では、払出モータ回転回数バッファにセットされた値に対応した回転数分だけ払出モータ289を回転させる制御が実行される。
その後、払出制御用CPU371は、払出モータ制御処理で実行される処理を選択するための払出モータ制御コードに、払出モータ起動準備処理(ステップS522)に応じた値(具体的は「1」)をセットし(ステップS627)、払出制御コードの値を1にして(ステップS628)、処理を終了する。
ステップS631では、払出制御用CPU371は、賞球未払出個数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS631)。0であれば処理を終了する。賞球未払出個数カウンタには、主制御通信通常処理におけるステップS546において、すなわち、主基板31の遊技制御手段から賞球REQ信号を受けたときに、0でない値(賞球個数信号が示す数)が加算されている。賞球未払出個数カウンタの値が0でない場合には、15以上であるか否か確認する(ステップS632)。15未満であれば、払出モータ回転回数バッファに賞球未払出個数カウンタの値をセットし(ステップS633)、15以上であれば、払出モータ回転回数バッファに「15」をセットする。そして、賞球動作中フラグをセットし(ステップS635)、ステップS627に移行する。
図43は、払出制御コードが1の場合に実行される払出モータ停止待ち処理(ステップS611)を示すフローチャートである。払出モータ停止待ち処理において、払出制御用CPU371は、払出動作が終了したか否か確認する(ステップS641)。払出制御用CPU371は、例えば、払出モータ制御処理における払出モータブレーキ処理(ステップS525)が終了するときにその旨のフラグをセットし、ステップS641においてそのフラグを確認することによって払出動作が終了したか否かを確認することができる。
払出動作が終了した場合には、払出制御用CPU371は、払出制御監視タイマに払出通過監視時間をセットする(ステップS642)。払出通過監視時間は、最後の払出球が払出モータ289によって払い出されてから払出個数カウントスイッチ301を通過するまでの時間に、余裕を持たせた時間である。そして、払出制御コードの値を2にして(ステップS643)、処理を終了する。
図44〜図46は、払出制御コードの値が2の場合に実行される払出通過待ち処理(ステップS612)を示すフローチャートである。払出通過待ち処理では、賞球払出が行われているときには、賞球未払出個数カウンタの値が0になっていれば正常に払出が完了したと判定される。賞球未払出個数カウンタの値が0になっていない場合には、エラー状態でなければ、1個の遊技球の再払出動作を、2回を上限として試みる。再払出動作において払出個数カウントスイッチ301によって遊技球が実際に払い出されたことが検出されたら正常に払出が完了したと判定される。なお、この実施の形態では、1回の賞球払出動作で払い出される遊技球数は最大15個であり、また、賞球払出中に賞球個数信号を受信したら賞球未払出個数カウンタの値が増加するので、正常に払出が完了した場合でも、賞球未払出個数カウンタの値が0になっていないことがある。
また、球貸し払出が行われているときには、球貸し未払出個数カウンタの値が0になっていれば正常に払出が完了したと判定される。球貸し未払出個数カウンタの値が0になっていない場合には、エラー状態でなければ、1個の遊技球または球貸し残数(球貸し未払出個数カウンタの値に相当)の再払出動作を試みる。なお、この実施の形態では、1回の球貸し払出動作で払い出される遊技球数は25個(固定値)であり、25個の遊技球が払い出されるように払出モータ289を回転させたのであるから、球貸し未払出個数カウンタの値が0になっていない場合には、正常に払出が完了していないことになる。
払出通過待ち処理において、払出制御用CPU371は、まず、払出制御タイマの値を確認し、その値が0になっていればステップS653に移行する(ステップS650)。払出制御タイマの値が0でなければ、払出制御タイマの値を−1する(ステップS651)。そして、払出制御タイマの値が0になっていなければ(ステップS652)、すなわち払出制御タイマがタイムアウトしていなければ処理を終了する。なお、ステップS650の処理は、後述する遊技球払出のリトライ動作が開始されたときのことを考慮した処理である。後述するステップS807の処理が実行された場合には、ステップS650からS653に移行するルートを経てリトライ動作が開始される。
払出制御タイマがタイムアウトしていれば(ステップS652)、球貸し払出処理(球貸し動作)を実行していたか否か確認する(ステップS653)。球貸し動作を実行していたか否かは、RAMに形成されている払出制御状態フラグにおける球貸し動作中ビットがセットされているか否かによって確認される。球貸し動作を実行していない場合、すなわち、賞球払出処理(賞球動作)を実行していた場合には、払出制御用CPU371は、賞球未払出個数カウンタの値を確認する(ステップS654)。賞球未払出個数カウンタの値が0になっている場合には、正常に賞球払出処理が完了したとして、払出制御状態フラグにおける払出球検知ビット、再払出動作中1ビット、再払出動作中2ビット、賞球動作中フラグおよび球貸し動作中ビットをリセットし(ステップS655)、払出制御コードを0にして(ステップS656)、処理を終了する、なお、払出球検知ビットは、払出個数カウントスイッチ301がオンしたときにセットされるビットであり、払出動作中に払出個数カウントスイッチ301が少なくとも1個の遊技球を検出したことを示すビットである。また、再払出動作中1ビットおよび再払出動作中2ビットは、2回の再払出動作からなる再払出処理を実行する際に用いられる制御ビットである。
払出制御用CPU371は、賞球未払出個数カウンタの値が0になっていない場合には、エラーフラグ(具体的には、払出スイッチ異常エラー1ビット、払出スイッチ異常エラー2ビットおよび払出ケースエラービットのうちのいずれか1ビットまたは複数ビット)がセットされていないことを条件として(ステップS658)、また、払出球検知ビットがセットされていないことを条件として(ステップS661)、再払出動作を実行する。なお、エラーフラグがセットされている場合には、再払出動作を実行しない。
上述したように、この実施の形態では、正常に払出が完了した場合でも、賞球未払出個数カウンタの値が0になっていないことがある。そこで、払出球検知ビットがセットされていれば、すなわち払出個数カウントスイッチ301が賞球払出処理中に少なくとも1個の遊技球の払出を検出していたら、正常に賞球払出処理が完了したとして、ステップS655に移行する。なお、例えば、1回の賞球払出処理で15個の遊技球を払い出すべきところ、実際には14個の遊技球しか払い出されなかった場合(払出個数カウントスイッチ301が14個の遊技球しか検出しなかった場合)にも、払出球検知ビットがセットされるので正常に賞球払出処理が完了したとみなされるが、その場合には、賞球未払出個数カウンタの値は14しか減算されていないはずであり、不足分は次回の賞球払出処理で払い出されるので、遊技者に不利益を与えることはない。
再払出処理を実行するために、払出制御用CPU371は、まず、再払出動作中2ビットがセットされているか否か確認する(ステップS662)。セットされていなければ、再払出動作中1ビットがセットされているか否か確認する(ステップS663)。再払出動作中1ビットもセットされていなければ、初回の再払出動作を実行するために、再払出動作個数として1をセットし(ステップS664)、再払出動作中1ビットをセットし(ステップS665)、払出モータ回転回数バッファに再払出動作個数または球貸し未払出数個数カウンタの値をセットする(ステップS666)。払出モータ回転回数バッファは、払出モータ制御処理(ステップS753)において参照される。すなわち、払出モータ制御処理では、払出モータ回転回数バッファにセットされた値に対応した回転数分だけ払出モータ289を回転させる制御が実行される。なお、ステップS666において、球貸し未払出数個数カウンタの値も取り扱われるのは、球貸し払出処理における再払出処理でもステップS666が用いられるからである。すなわち、払出制御用CPU371は、ステップS666において、賞球払出処理における再払出処理では再払出動作個数をセットし、球貸し払出処理における再払出処理では球貸し未払出数個数カウンタの値をセットする。その後、払出制御コードを1にして(ステップS667)、処理を終了する。
ステップS663において、再払出動作中1ビットがセットされていることを確認したら、払出制御用CPU371は、2回目の再払出を実行するために、再払出動作個数として1をセットし(ステップS668)、再払出動作中1ビットをリセットし(ステップS669)、再払出動作中2ビットをセットする(ステップS670)。そして、ステップS666に移行する。
ステップS662において、再払出動作中2ビットがセットされていることを確認したら、払出制御用CPU371は、2回の再払出処理を実行しても遊技球が払い出されなかった(払出個数カウントスイッチ301が遊技球を検出しなかった)として、エラーフラグにおける払出ケースエラービットをセットする(ステップS672)。その際に、再払出動作中2ビットをリセットしておく(ステップS671)。そして、処理を終了する。
以上のように、再払出処理(補正払出処理)において2回の再払出動作を行っても遊技球が1個も払い出されない場合には、遊技球の払出動作不良として、払出個数カウントスイッチ未通過エラービット(払出ケースエラービット)がセットされる。
従って、この実施の形態では、払出制御手段における景品遊技媒体払出制御手段は、払出検出手段としての払出個数カウントスイッチ301からの検出信号にもとづいて、景品遊技媒体の払い出しが行われなかったことを検出したときに、あらかじめ決められた所定回(この例では2回)を限度として、払出手段に1個の景品遊技媒体の払い出しを行わせるように制御を行う。なお、この実施の形態では、景品遊技媒体を払い出すためのリトライ動作を2回行っても景品遊技媒体の払い出しが行われなかった場合には、払出ケースエラービットをセットしてエラー発生中状態になるが(ステップS672)、景品遊技媒体の払い出しが行われなかったことを初めて検知したときに払出ケースエラービットをセットしてもよい。なお、「リトライ動作(あるいは「リトライ」、「リトライ動作処理」)」とは、所定数の遊技球の払い出しを行うための通常の払出処理を実行したのにもかかわらず、実際の払い出し数が少ない場合に実行させる動作であって、通常の払出処理とは別に、未払出の遊技球を払い出すために払出処理を再度実行させるための動作を意味する。
賞球球貸し制御処理において、払出動作(1回の賞球払出または1回の球貸し)を行うか否か判定するためにエラービットがチェックされるのは、図42に示された払出開始待ち処理においてのみである。図43に示された払出モータ停止待ち処理および図44等に示された払出通過待ち処理では、エラービットはチェックされない。なお、払出通過待ち処理におけるステップS658等でもエラービットがチェックされているが、そのチェックは再払出動作を行うか否かを判断するためであって、払出動作(1回の賞球払出または1回の球貸し)を開始するか否か判定するためではない。従って、ステップS626、S633またはステップS634の処理が行われて遊技球の払出処理が開始された後では、エラーが発生しても払出処理は中断されない。すなわち、エラーが発生すると、遊技球の払出処理は、切りのよい時点(1回の賞球払出または1回の球貸しが終了した時点)まで継続される。なお、ステップS621でチェックされるエラーフラグにおけるエラービットの中には、主基板31からの接続確認信号がオフ状態になったことを示すエラービットが含まれている。よって、接続確認信号がオフ状態になったときにも、遊技球の払出処理は、切りのよい時点で停止される。
ステップS653で球貸し払出処理(球貸し動作)を実行していたことを確認すると、払出制御用CPU371は、球貸し未払出個数カウンタの値が0になっているか否か確認する(ステップS657)。0になっていれば、正常に球貸し払出処理が完了したとしてステップS655に移行する。
球貸し未払出個数カウンタの値が0になっていなければ、エラーフラグ(具体的には、払出スイッチ異常エラー1ビット、払出スイッチ異常エラー2ビットおよび払出ケースエラービットのうちのいずれか1ビットまたは複数ビット)がセットされていないことを条件として(ステップS675)、再払出処理を実行する。なお、エラーフラグがセットされている場合には、再払出処理を実行しない。
再払出処理を実行するために、払出制御用CPU371は、まず、再払出動作中2ビットがセットされているか否か確認する(ステップS676)。セットされていなければ、再払出動作中1ビットがセットされているか否か確認する(ステップS677)。再払出動作中1ビットもセットされていなければ、初回の再払出動作を実行するために、再払出動作個数として1をセットし(ステップS678)、再払出動作中1ビットをセットし(ステップS679)、さらに払出球検知ビットをリセットした後(ステップS680)、ステップS666に移行する。
ステップS677において、再払出動作中1ビットがセットされていることを確認したら、払出制御用CPU371は、再払出動作を再度実行するための処理を行う。具体的には、再払出動作中1ビットをリセットする(ステップS681)。そして、払出球検知ビットがセットされていたら、すなわち、最初の再払出動作で遊技球が払い出されていたら、ステップS683に移行する。払出球検知ビットがセットされていなかったら、2回目の再払出動作を実行するためにステップS684に移行する。
ステップS683では払出球検知ビットをリセットし、その後、ステップS666に移行する。従って、この場合には、再払出動作中1ビットがセットされたままになっているので、再度、初回(最初)の再払出動作が行われる。ステップS684では、再払出動作個数として1をセットし(ステップS684)、再払出動作中2ビットをセットし(ステップS685)、ステップS666に移行する。
ステップS676において、再払出動作中2ビットがセットされていることを確認したら、払出制御用CPU371は、再払出動作中2ビットをリセットし(ステップS686)、払出球検知ビットがセットされていたら、すなわち、再払出動作で遊技球が払い出されていたらステップS683に移行して残りの未払出を分を解消することを試みる。払出球検知ビットがセットされていなかったら、2回の再払出処理を実行しても遊技球が払い出されなかった(払出個数カウントスイッチ301が遊技球を検出しなかった)として、エラーフラグにおける払出ケースエラービットをセットする(ステップS688)。そして、処理を終了する。
以上のように、球貸し処理に係る再払出処理(補正払出処理)において連続して2回の再払出動作を行っても遊技球が1個も払い出されない場合には、遊技球の払出動作不良として、払出個数カウントスイッチ未通過エラービット(払出ケースエラービット)がセットされる。
次に、エラー処理について説明する。図47は、エラーの種類とエラー表示用LED374の表示との関係等を示す説明図である。図47に示すように、払出個数カウントスイッチ301の断線または払出個数カウントスイッチ301の部分において球詰まりが発生した場合には、払出スイッチ異常検知エラー1として、エラー表示用LED374に「2」を表示する制御を行う。なお、払出個数カウントスイッチ301の断線または払出個数カウントスイッチ301の部分において球詰まりが発生したことは、払出個数カウントスイッチ301の検出信号がオフ状態にならなかったことによって判定される。
遊技球の払出動作中でないにも関わらず払出個数カウントスイッチ301の検出信号がオン状態になった場合には、払出スイッチ異常検知エラー2として、エラー表示用LED374に「3」を表示する制御を行う。払出モータ289の回転異常または遊技球が払い出されたにも関わらず払出個数カウントスイッチ301の検出信号がオン状態にならない場合には、払出ケースエラーとして、エラー表示用LED374に「4」を表示する制御を行う。払出個数カウントスイッチ301の検出信号がオン状態にならないことの具体的な検出方法は既に説明したとおりである。不正なタイミングで賞球REQ信号がオン状態になった場合、または不正なタイミングで賞球REQ信号がオフ状態になった場合には、賞球REQ信号エラーとして、エラー表示用LED374に「5」を表示する制御を行う。不正なタイミングで賞球REQ信号がオン状態またはオフ状態になったことの具体的な検出方法は既に説明したとおりである。
また、下皿満タン状態すなわち満タンスイッチ48がオン状態になった場合には、満タンエラーとして、エラー表示用LED374に「6」を表示する制御を行う。補給球の不足状態すなわち球切れスイッチ187がオン状態になった場合には、球切れエラーとして、エラー表示用LED374に「7」を表示する制御を行う。
さらに、カードユニット50からのVL信号がオフ状態になった場合には、プリペイドカードユニット未接続エラーとして、エラー表示用LED374に「8」を表示する制御を行う。不正なタイミングでカードユニット50と通信がなされた場合には、プリペイドカードユニット通信エラーとして、エラー表示用LED374に「9」を表示する制御を行う。なお、プリペイドカードユニット通信エラーは、プリペイドカードユニット制御処理(ステップS754)において検出される。
以上のエラーのうち、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラーまたは賞球REQ信号エラーが発生した後、エラー解除スイッチ375が操作されエラー解除スイッチ375から操作信号が出力されたら(オン状態になったら)、払出制御手段は、エラーが発生する前の状態に復帰する。
図48は、ステップS757のエラー処理を示すフローチャートである。エラー処理において、払出制御用CPU371は、エラーフラグをチェックし、そのうちのセットされているビットが、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラーおよび賞球REQ信号エラーのみ(3つのうちのいずれかのビットのみ、もしくは3つのうちの2ビットのみ、またはそれら3ビットのみ)であるか否か確認する(ステップS801)。セットされているビットがそれらのみである場合には、エラー解除スイッチ375から操作信号がオン状態になったか否か確認する(ステップS802)。操作信号がオン状態になったら、エラー復帰時間をエラー復帰前タイマにセットする(ステップS803)。エラー復帰時間は、エラー解除スイッチ375が操作されてから、実際にエラー状態から通常状態に復帰するまでの時間である。
エラー解除スイッチ375から操作信号がオン状態でない場合には、エラー復帰前タイマの値を確認する(ステップS804)。エラー復帰前タイマの値が0であれば、すなわち、エラー復帰前タイマがセットされていなければ、ステップS808に移行する。エラー復帰前タイマがセットされていれば、エラー復帰前タイマの値を−1し(ステップS805)、エラー復帰前タイマの値が0になったら(ステップS806)、エラーフラグのうちの、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラーおよび賞球REQ信号エラーのビットをリセットし(ステップS807)、ステップS808に移行する。
なお、ステップS807の処理が実行されるときに、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラーおよび賞球REQ信号エラーのビットのうちには、セット状態ではないエラービットがある場合もあるが、セット状態にないエラービットをリセットしても何ら問題はない。以上のように、この実施の形態では、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラーまたは賞球REQ信号エラーのビットをセットする原因になったエラー(図47参照)が発生した場合には、エラー解除スイッチ375が押下されることによってエラー解除される。
ステップS807の処理が実行されて払出ケースエラービットがリセットされた場合には、払出制御コードが「2」(図44〜図46に示す払出通過待ち処理の実行に対応)であって、賞球未払出個数カウンタの値または球貸し未払出個数カウンタの値が0でないときには、遊技球払出のリトライ動作が開始される。つまり、次にステップS756の賞球球貸し制御処理が実行されるときにステップS612の払出通過待ち処理が実行されると、再び、再払出処理が行われる。例えば、賞球払出処理が行われていた場合には、賞球未払出個数カウンタの値が0でないときには、ステップS654からステップS659に移行し、ステップS659においてエラービットがリセット状態であることが確認されるので、ステップS662以降の再払出処理を開始するための処理が再度実行され、再払出処理が実行される。なお、エラー解除スイッチ375が押下されることによってリセットされた払出ケースエラービットに関して、そのビットがセットされたときには(ステップS672が実行されたとき)、払出制御タイマは既にタイムアップしている。従って、ステップS807の処理が実行されて払出ケースエラービットがリセットされた場合には、次に払出通過待ち処理が実行されるときには、ステップS652の判断において払出制御タイマ=0と判定される。また、払出ケースエラービットがセットされたときには払出球検知ビットは0である(ステップS661の判断で払出球検知ビットは0でないとステップS672が実行されないので)。従って、ステップS659においてエラービットがリセット状態であることが確認されると、必ずステップS662が実行される。つまり、必ず、再払出処理が実行される。
以上のように、払出制御手段は、球払出装置97が遊技球の払い出しを行ったにもかかわらず払出個数カウントスイッチ301が1個も遊技球を検出しなかったときには遊技球を払い出すためのリトライ動作をあらかじめ決められた所定回(例えば2回)を限度として球払出装置97に実行させる補正払出制御を行った後、払出個数カウントスイッチ301が1個も遊技球を検出しなかったことが検出されたときには(図45のステップS661以降を参照)、払い出しに関わる制御状態をエラー状態に移行させ、エラー状態においてエラー解除スイッチ375からエラー解除信号が出力されたことを条件に再度補正払出制御を行わせる補正払出制御再起動処理を実行する。
さらに、エラー状態における再払出処理の実行中(具体的には払出ケースエラーをセットする前の再払出処理中およびエラー解除スイッチ375押下後の再払出処理中)でも、図41に示すステップS601〜S604の処理は実行されている。すなわち、払い出しに関わるエラーが生じているときでも、遊技球が払出個数カウントスイッチ301を通過すれば、賞球未払出個数カウンタや球貸し未払出個数カウンタの値が減算される。従って、エラー状態から復帰したときの賞球未払出個数カウンタや球貸し未払出個数カウンタの値は、実際に払い出された遊技球数を反映した値になっている。すなわち、払い出しに関わるエラーが発生しても、実際に払い出した遊技球数を正確に管理することができる。
また、図44〜図46に示された払出通過待ち処理において、再払出処理が実行された結果、遊技球が払い出されたことが確認されたときでも、払出ケースエラーのビットはリセットされない。払出ケースエラーのビットがリセットされるのは、あくまでも、エラー解除スイッチ375が操作されたとき(具体的は、操作後エラー復帰時間が経過したとき)である(ステップS802,S807)。すなわち、遊技球が払出個数カウントスイッチ301を通過したこと等にもとづいて自動的に払出ケースエラー(払出不足エラー)の状態が解除されるということはなく、人為的な操作を経ないと払出ケースエラーは解除されない。従って、遊技店員等は、確実に払出不足が発生したことを認識することができる。
エラー解除スイッチ375が操作されたことによってハードウェア的にリセット(払出制御用CPU371に対するリセット)がかかるように構成されている場合には、エラー解除スイッチ375が操作されたことによって例えば賞球未払出個数カウンタの値もクリアされてしまう。しかし、この実施の形態では、払出制御手段が、エラー解除スイッチ375が操作されたことによって再払出動作を再び行うように構成されているので、確実に払出処理が実行され、遊技者に不利益を与えないようにすることができる。
ステップS808では、払出制御用CPU371は、満タンスイッチ48の検出信号を確認する。満タンスイッチ48の検出信号が出力されていれば(オン状態であれば)、エラーフラグのうちの満タンエラービットをセットする(ステップS809)。満タンスイッチ48の検出信号がオフ状態であれば、満タンエラービットをリセットする(ステップS810)。
また、払出制御用CPU371は、球切れスイッチ187の検出信号を確認する(ステップS811)。球切れスイッチ187の検出信号が出力されていれば(オン状態であれば)、エラーフラグのうちの球切れエラービットをセットする(ステップS812)。球切れスイッチ187の検出信号がオフ状態であれば、球切れエラービットをリセットする(ステップS813)。なお、球切れエラービットをセットされているときには、ステップS759の表示制御処理において、出力ポート1バッファにおける球切れLED52に対応したビットを点灯状態に対応した値にする。
また、図49に示すように、払出制御用CPU371は、各スイッチの検出信号の状態が設定される各スイッチタイマのうち払出個数カウントスイッチ301に対応したスイッチタイマの値を確認し、その値がスイッチオン最大時間(例えば「240」)を越えていたら(ステップS818)、エラーフラグのうち払出スイッチ異常検知エラー1のビットをセットする(ステップS819)。また、払出個数カウントスイッチ301に対応したスイッチタイマの値がスイッチオン最大時間以下であれば、払出スイッチ異常検知エラー1のビットをリセットする(ステップS820)。なお、各スイッチタイマの値は、ステップS751の入力判定処理において、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がスイッチオン状態であれば+1され、オフ状態であれば0クリアされる。従って、払出個数カウントスイッチ301に対応したスイッチタイマの値がスイッチオン最大時間を越えていたということは、スイッチオン最大時間を越えて払出個数カウントスイッチ301がオン状態になっていることを意味し、払出個数カウントスイッチ301の断線または払出個数カウントスイッチ301の部分で遊技球が詰まっていると判断される。
また、払出制御用CPU371は、払出個数カウントスイッチ301に対応したスイッチタイマの値がスイッチオン判定値(例えば「2」)になった場合に(ステップS821)、球貸し動作中フラグおよび賞球動作中フラグがともにリセット状態であれば、払出動作中でないのに払出個数カウントスイッチ301を遊技球が通過したとして、エラーフラグのうち払出スイッチ異常検知エラー2のビットをセットする(ステップS822,S823)。また、球貸し動作中フラグまたは賞球動作中フラグがセットされていれば、払出スイッチ異常検知エラー2のビットをリセットする(ステップS824)。
さらに、払出制御用CPU371は、カードユニット50からのVL信号の入力状態を確認し(ステップS825)、VL信号が入力されていなければ(オフ状態であれば)、エラーフラグのうちプリペイドカードユニット未接続エラービットをセットする(ステップS826)。また、VL信号が入力されていれば(オン状態であれば)、プリペイドカードユニット未接続エラービットをリセットする(ステップS827)。
なお、この実施の形態では、通信エラーが、カードユニット50との間の通信エラー(プリペイドカードユニット未接続エラーおよびプリペイドカードユニット通信エラー)やその他のエラーと区別可能に報知される(図47参照)。従って、遊技制御手段と払出制御手段との間の通信エラーが容易に特定される。
なお、この実施の形態では、払い出しに関わるエラーが発生したことを、遊技機裏面に設置されている払出制御基板37に搭載されているエラー表示LED374によって報知するようにしたが、遊技機裏面の他の箇所(例えば球払出装置97等が集中配置された払出ユニット)に報知手段を搭載してもよい。さらに、遊技機の表側に設置されている表示器(例えば賞球LED51)によって報知するようにしてもよい。払出制御用CPU371は、表示制御処理において、賞球REQ信号がオン状態であるときに、賞球LED51を点灯するための制御を行い、賞球REQ信号がオフ状態になったら、賞球LED51を消灯するための制御を行うのであるが、払い出しに関わるエラーが発生した場合には、例えば、賞球LED51を点滅させることによって、払い出しに関わるエラーが発生したことを報知する。遊技機の表側に設置されている表示器によってエラー報知すれば、遊技店員等がより容易にエラーの発生を認識できる。また、エラー表示LED374による報知と遊技機の表側に設置されている表示器による報知とを併用してもよい。
以上に説明したように、接続確認信号とクリア信号とをコネクタ69A,376Aを備えた同一のケーブルで伝送し、遊技制御手段が、払出制御手段からの接続確認信号がオン状態であるときに払出制御手段からのクリア信号が出力されていることを確認すると、あらかじめ定められた初期化条件が成立したとして初期化処理を実行する構成としたので、バックアップ情報のクリア機能を簡素なハード構成で実現することができ、複数の基板のバックアップ情報を簡単な操作で確実にクリアすることができる。また、コネクタ69A,376Aの接続不良によりクリア信号が伝送不能となっている可能性があることを容易に検出することができ、不正なクリア処理が行われることを防止することができる。
例えば、クリア信号の受信状態の変化にもとづいてバックアップ情報のクリア処理を行うとすると、クリア信号の伝送に用いられるコネクタの抜き差しによってクリア信号の受信状態を変化させることができてしまうため、不正目的を持った者が故意にクリア処理を行うことができてしまう。しかし、上述した実施の形態では、同一コネクタによって伝送される接続確認信号とクリア信号との論理和信号であるクリア実行信号がオン状態であるときにバックアップ情報のクリア処理を行う構成としているため、不正目的を持った者がクリア信号の伝送に用いられるコネクタを抜いて、クリア信号の入力端子に不正な信号を入力したとしても、クリア実行信号の受信状態を変化させることはできなくなる。このため、不正なクリア処理が行われることを防止することができるのである。
なお、上述した実施の形態では、主基板31の入力回路68内で接続確認信号とクリア信号との論理和信号であるクリア実行信号を生成する構成としているが、主基板31内の他の部分でクリア実行信号を生成するようにしてもよい。また、ソフトウェア的に接続確認信号とクリア信号とが共にオン状態であるかを判断することで、クリア実行信号に相当する信号が入力しているか否かを判断する構成としてもよい。
また、上述した実施の形態では、賞球制御信号を送信したことに応じて未払出の賞球個数の減算処理を行う遊技制御手段が、第1接続確認信号または第2接続確認信号がオフ状態となったことを通信に関する異常として検出し、第1接続確認信号または第2接続確認信号がオフ状態となったときは、賞球制御信号の送信を禁止する賞球制御信号送信禁止状態とする構成としたので、入賞が発生したときに賞球の払い出しを迅速に行うことができるとともに、遊技制御手段での未払出の賞球個数の管理を確実に行うことができる。また、通信に関する異常が生じていないときに限って賞球制御信号を送信する構成としているので、賞球制御信号により特定される賞球個数を払出制御手段が誤認識してしまうことを防止することができ、遊技者に不利益を及ぼしてしまうことを回避することができる。
また、上述した実施の形態では、遊技制御手段が、第1接続確認信号または第2接続確認信号がオフ状態となったことを通信に関する異常として検出し、第1接続確認信号または第2接続確認信号がオフ状態となったときは、第1接続確認信号および第2接続確認信号の入力状態を監視する監視処理(ステップS272を繰り返し行うループ処理)を実行し、監視処理にて第1接続確認信号および第2接続確認信号がともにオン状態となったことを確認したことに応じて、賞球制御信号を送信する処理の禁止を解除し、賞球制御信号を送信する処理を再開する構成とされているので、通信に関する異常が解消したときに、制御状態を自動的に復帰させることができる。
なお、上述した実施の形態では、第1接続確認信号または第2接続確認信号がオフ状態となったことを通信に関する異常として検出する構成としていたが、1つの接続確認信号を使用する構成とし、その接続確認信号がオフ状態となったことを通信に関する異常として検出するようにしてもよい。また、接続確認信号を3つ以上使用する構成としてもよい。この場合、払出制御信号伝達用のケーブルが備えるコネクタ(例えば図19参照)における各接続確認信号用のピンが、コネクタの外周に配されるようにすればよい。
また、上述した実施の形態では、通信異常検出手段が異常を検出したとき、その旨を報知(例えばランプを点灯状態とすることで報知する)する通信異常報知手段(例えばエラー表示用ランプ44a)を備えているので、賞球制御信号の送信処理が禁止されている状態であることを遊技店員等に認識させることができる。
また、上述した実施の形態では、払出制御手段が、クリアスイッチ921からのクリアスイッチ信号(操作信号)の入力を確認したときに、電源バックアップされているRAMに保持されていた記憶内容を初期化する初期化処理を実行するとともに、クリアスイッチ信号の入力を確認したことを示すクリア信号を遊技制御手段に出力し、払出制御手段が、払出制御手段からのクリア信号の入力を確認したときに、RAM55のバックアップ領域に保持されていた記憶内容を初期化する初期化処理を実行するように構成したので、記憶媒体のバックアップ領域に保持されている情報(バックアップ情報)のクリア機能(初期化処理を実行する機能)を簡素なハード構成で実現することができ、複数の基板のバックアップ情報を簡単な操作で確実にクリアすることができる。
また、上記の実施の形態では、払出制御手段が、遊技機への電力供給が復旧した場合に、RAMに保存されていたチェックデータによってRAMの記憶内容が正当であるか否かを判定する処理を実行し、当該記憶内容が正当でないと判定したときは、クリア信号を遊技制御手段に出力するとともに、初期化処理を実行するように構成されているので、払出制御基板37が備えるRAMに保存されていた記憶内容が正当でない場合に、遊技制御手段と払出制御手段の双方に初期化処理とを実行させることができ、払出制御基板37が備えるRAMだけでなく主基板31が備えるRAM55の記憶内容も容易にクリアすることができる。
また、上記の実施の形態では、払出制御手段が、遊技機への電力供給が復旧した場合に、RAMに実行確認情報(保護処理が行われていたことを示すバックアップ監視タイマの値)が保存されているか否かを判定する処理を実行し、実行確認情報が保存されていないと判定したときは、クリア信号を遊技制御手段に出力するとともに、初期化処理を実行するように構成されているので、払出制御基板37が備えるRAMに実行確認情報が保存されていない場合に、遊技制御手段と払出制御手段の双方に初期化処理とを実行させることができ、払出制御基板37が備えるRAMだけでなく主基板31が備えるRAM55の記憶内容も容易にクリアすることができる。
また、上記の実施の形態では、クリアスイッチ921が、操作に応じて遊技機に対する電力供給を行うための電源スイッチ924が搭載された電源基板910に搭載されているので、クリアスイッチ921の操作にもとづいて出力される信号(クリアスイッチ信号、クリア信号)の配線構成を簡略化することができ、信号線の配線を短くすることができる。このため、ノイズの影響を受けにくくすることができるとともに、コストを削減することができる。さらに、クリアスイッチ921と電源スイッチ924が同じ基板に搭載され、クリアスイッチ921と電源スイッチ924とを近くに配置することができるので、初期化処理を実行させるための操作が容易となる。
また、上記の実施の形態では、払出制御手段が、電源監視手段からの電源断信号(電圧低下検出信号)を受信したときに、遊技制御手段に電源断確認信号(電圧低下検出確認信号)を送信するとともに、払出制御を実行する状態(払出制御処理を実行している状態)から払出制御の実行状態を保存するための払出制御側電力供給停止時処理(ステップS906〜ステップS931)を実行する状態に移行し、遊技制御手段が、払出制御手段からの電源断確認信号を受信したときに、遊技の進行を制御する状態(遊技制御処理を実行している状態)から遊技の進行状態を保存するための遊技制御側電力供給停止時処理(ステップS454〜ステップS481)を実行する状態に移行し、払出制御手段が、払出制御側電力供給停止時処理の実行中であっても、賞球制御信号によって指定された賞球の払出数を賞球未払出個数カウンタに加算する(ステップS906〜ステップS910)ように構成したので、バックアップ機能を簡素なハード構成で実現することができるとともに、払出数データの取りこぼしによる遊技者の不利益を防止することができる。
また、上記の実施の形態では、電源監視回路920からの電源断信号は払出制御基板37のみに入力されている。従って、電源監視回路920からの電源断信号を主基板31と払出制御基板37との双方に供給する場合に比べて、主基板31と払出制御基板37とにバックアップ機能を持たせるための回路構成が簡略化されコストを低減することができる。
また、上記の実施の形態では、電源監視回路920が、払出制御基板37や主基板31とは別個の電源基板910に搭載されているので、電源電圧の電力の低下にもとづく検出信号の配線構成を簡略化することができるとともに、配線を短くすることができるので、ノイズの影響を受けにくくすることができる。
また、上記の実施の形態では、払出制御用CPU371が、払出制御処理における所定箇所に配置された払出制御側電力供給確認処理(電源断処理におけるステップS901)によって入力ポートの入力状態を定期的に確認し、入力ポートに電源監視回路920からの電源断信号が入力されたことに応じて払出制御側電力供給停止時処理を実行し、払出制御側電力供給停止時処理を実行した後、入力ポートの入力状態を確認する処理(電源断処理におけるステップS932)を繰り返し実行し、入力ポートに入力される電源断信号が解除されたときには、払出制御処理を実行する状態に戻るように構成されているので、電源瞬断等が生じた場合に、電力供給が復旧すれば自動的に元の制御状態に復帰することができる。
また、上記の実施の形態では、CPU56が、遊技制御処理における所定箇所に配置された遊技制御側電力供給確認処理(電源断処理におけるステップS450)によって入力ポートの入力状態を定期的に確認し、入力ポートに払出制御手段からの電源断確認信号が入力されたことに応じて遊技制御側電力供給停止時処理を実行し、遊技制御側電力供給停止時処理を実行した後、入力ポートの入力状態を確認する処理(電源断処理におけるステップS482)を繰り返し実行し、入力ポートに入力される電源断確認信号が解除されたときには、遊技制御処理を実行する状態に戻るように構成されているので、電源瞬断等が生じた場合に、電力供給が復旧すれば自動的に元の制御状態に復帰することができる。
また、上記の実施の形態では、払出制御手段が、電源監視回路920(起動信号出力手段)からのリセット信号(起動信号)がハイレベルのオフ状態(この状態をオン状態とし、ローレベルをオフ状態としてもよい。以下同じ)となったことに応じて、払出制御準備処理(ステップS701〜ステップS715)を行ったあと、遊技制御手段にリセット確認信号(起動確認信号)を送信する(ステップS716)とともに、払出制御処理(図32に示すタイマ割込処理)を開始し、遊技制御手段が、払出制御手段からのリセット確認信号がハイレベルのオフ状態となったことにもとづいて遊技制御処理を実行するための設定を行う遊技制御準備処理(ステップS1〜ステップS14)を行ったあと、遊技制御処理(図14に示すタイマ割込処理)を開始するように構成したので、リセット信号の遅延手段を設けることなく、簡単な構成により、遊技機に電源が投入されたときに遊技制御手段よりも払出制御手段を先に制御可能状態とすることができ、遊技制御手段からの制御信号の取りこぼしによる遊技者の不利益を防止することができる。
また、上述したように、払出制御用マイクロコンピュータが、電源監視回路920(起動信号出力手段)からのリセット信号(起動信号)がハイレベルのオフ状態(オン状態)となったことに応じて払出制御準備処理(ステップS701〜ステップS715)を行い払出制御処理(図32に示すタイマ割込処理)を実行可能な状態にしたあと、当該払出制御処理を開始する直前に、遊技制御手段に送信するリセット確認信号(起動確認信号)を作成する(ステップS716)ように構成されているので、払出制御手段を遊技制御手段よりも確実に先に立ち上がらせることができる。
また、上述したように、電源監視回路920(起動信号出力手段)が、電源監視手段によって遊技機で用いられる電源電圧があらかじめ定められた遊技動作停止レベル(例えば4.5[V])まで低下したことを検出したときに、リセット信号(起動信号)をハイレベルのオフ状態(オン状態)からローレベルのオフ状態(オフ状態)に切り替え、その後に電源電圧が遊技動作停止レベル以上に復旧したことを検出したときに、リセット信号をローレベルからハイレベルに切り替える処理を行い、払出制御手段が、待機状態となっているときにリセット信号がオフ状態となったことに応じて払出制御手段の状態を待機状態から復帰させて払出制御処理の制御状態を復旧させ、遊技制御手段が、待機状態となっているときに払出制御手段からのリセット確認信号がオフ状態となったことに応じて遊技制御手段の状態を待機状態から復帰させて遊技制御処理の制御状態を復旧させるように構成されているので、ごく短時間で復旧する電源の瞬断等が生じても、遊技制御処理および払出制御処理の制御状態に復帰させることができ、制御に支障を来すことをなくすことができる。
また、上述したように、払出制御手段が、電源監視手段からの電源断信号(電圧低下検出信号)を受信したときに、遊技制御手段に電源断確認信号(電圧低下検出確認信号)を送信するとともに、払出制御を実行する状態(払出制御処理を実行している状態)から払出制御の実行状態を保存するための払出制御側電力供給停止時処理(ステップS906〜ステップS931)を実行する状態に移行し、遊技制御手段が、払出制御手段からの電源断確認信号を受信したときに、遊技の進行を制御する状態(遊技制御処理を実行している状態)から遊技の進行状態を保存するための遊技制御側電力供給停止時処理(ステップS454〜ステップS481)を実行する状態に移行し、払出制御手段が、払出制御側電力供給停止時処理の実行中であっても、賞球制御信号によって指定された賞球の払出数を賞球未払出個数カウンタに加算する(ステップS906〜ステップS910)ように構成したので、バックアップ機能を簡素なハード構成で実現することができるとともに、払出数データの取りこぼしによる遊技者の不利益を防止することができる。
なお、上記の実施の形態では特に言及していないが、払出制御手段が、賞球制御信号によって指定された賞球の払出数を賞球未払出個数カウンタに加算する処理を、電力供給停止時処理中であるときと電力供給停止時処理中でないときとで、共通の制御プログラムに従って実行するようにしてもよい。すなわち、ステップS907〜ステップS908の処理と、ステップS544〜ステップS545の処理とを共通のサブルーチンによって実行するようにしてもよい。この場合、電源断処理(図33参照)におけるステップS909の処理の前と、主制御通信通常処理(図39参照)におけるステップS543の処理の後とで、共通のサブルーチンが呼び出され、サブルーチン処理にて、賞球REQ信号の受信状態を確認する処理と、賞球REQ信号の受信に応じて賞球個数信号が示す個数を賞球未払出個数カウンタに加算する処理とが実行される。このように構成すれば、プログラム量を削減することができる。
また、上記の実施の形態では、遊技制御手段が、ステップS7cにてクリア報知用ランプを用いて初期化処理の実行中であることを報知するための制御を行う構成としているので、遊技制御手段と払出制御手段とで、初期化処理が実行されていることを容易に認識させることができる。すなわち、クリアスイッチ921の押下操作にもとづく信号の最も下流の基板で初期化処理が実行されていることを報知するため、上流の基板を含む電気部品制御手段で初期化処理が実行されていることを報知していることとなり、複数の電気部品制御手段で初期化処理が実行されていることを容易に認識させることができる。なお、報知部品は、最も下流の基板が制御可能な電気部品であればどのような部品であってもよく、表示器に限らず、スピーカやランプなどであってもよい。
なお、上述した実施の形態では、遊技制御手段が初期化処理の実行中であることを報知するための制御を行う構成としているが、払出制御手段が初期化処理の実行中であることを報知するための制御を行うように構成されていてもよい。また、遊技制御手段と払出制御手段の双方が、初期化処理の実行中であることを報知するための制御を行う構成としてもよい。この場合、例えば、払出制御手段(報知部品制御手段)が、ステップS712を実行したあと、例えばLED374や初期化報知専用の表示器などの報知部品を用いて、初期化処理の実行中であることを示す所定の表示を行うようにすればよい。このように構成すれば、払出制御基板37にて初期化処理が実行されていることを容易に認識させることができる。
また、上記の実施の形態では特に言及していないが、クリア信号が伝送される信号線の接続状態を監視する監視手段(信号線接続状態監視手段)を払出制御手段が備える構成とし、払出制御手段が、当該監視手段が接続状態の異常を検出(例えばステップS712の前に信号線の状態を確認して状態検出する)したときは、初期化処理の実行を禁止するように構成されていてもよい。このように構成すれば、遊技制御手段にクリア信号を伝送することができない状態であるときは、払出制御手段でも初期化処理を実行しないようにすることができ、初期化処理を実行すべき複数の電気部品制御手段の一部でのみ初期化処理が実行されてしまうことを防止することができる。
また、上述した実施の形態では、電源監視回路920を電源基板910に搭載する構成としていたが、払出制御基板37に搭載するようにしてもよい。図50は、電源監視手段を払出制御基板37に搭載した構成の例を示すブロック図である。この例では、図50に示すように、上述した電源監視回路920が実行する処理のうち電源断信号の出力に関わる処理を実行する電源監視回路920Aが、払出制御基板37に搭載され、監視電圧の電圧低下を検出すると、払出制御用CPU371に電源断信号を出力する。払出制御用CPU371は、電源断信号を受信すると、主基板31に搭載されているCPU56に電源断確認信号を出力する。上記のように構成すれば、配線構成を簡略化することができるとともに、電圧低下検出信号の送信線へのノイズ等の影響を抑制することができ、誤って電圧低下検出信号が入力されることを防止することができる。
また、上記の実施の形態では、電源スイッチ914とクリアスイッチ921とを電源基板910に搭載する構成としていたが、遊技機の外部から電源電圧を導入する電源のターミナル基板を設け、そのターミナル基板に電源スイッチとクリアスイッチとを搭載するようにしてもよい。この場合、例えば、図7に示す各構成のうち、各基板に電力や信号を供給するコネクタ922A,922B,922Cが電源基板910に搭載され、他の構成がターミナル基板に搭載される。
なお、上述した実施の形態では、クリアスイッチ信号を払出制御基板37に入力し、クリア信号を払出制御手段から遊技制御手段に送信する構成としていたが、クリアスイッチ信号を主基板31に入力し、クリア信号を遊技制御手段から払出制御手段に送信する構成としてもよい。この場合、クリア信号が伝送される信号線の接続状態を監視する監視手段(信号線接続状態監視手段)を遊技制御手段が備える構成とし、遊技制御手段が、当該監視手段が接続状態の異常を検出したときは、クリア信号を送信することなく、かつ、主基板31での初期化処理の実行を禁止するように構成してもよい。このように構成すれば、払出制御手段にクリア信号を伝送することができない状態であるときは、遊技制御手段でも初期化処理を実行しないようにすることができ、初期化処理を実行すべき複数の電気部品制御手段の一部でのみ初期化処理が実行されてしまうことを防止することができる。
また、上述した実施の形態ではクリアスイッチ信号が払出制御基板37に入力され、クリア信号が主基板に入力される構成としていたが、さらに主基板31から他の電気部品制御基板にクリア信号を出力し、他の電気部品制御基板に搭載されているRAMの記憶内容を初期化するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、リセット信号を払出制御基板37に入力し、リセット確認信号を払出制御手段から遊技制御手段に送信する構成としていたが、リセット信号を主基板31に入力し、リセット確認信号を遊技制御手段から払出制御手段に送信する構成としてもよい。
また、上述した実施の形態では、NMI端子をプルアップしておき、マスク不能割込による処理を行わない構成としているが、ノイズなどの原因によりNMI端子に信号が入力し、マスク不能割込が発生してしまう可能性がある。このため、本例では、マスク不能割込の発生によって呼ばれるプログラムアドレスに、マスク不能割込処理から復帰するためのリターン命令が設定されている。このように構成すれば、たとえマスク不能割込が発生したとしても、ソフトウェア的に、遊技制御用マイクロコンピュータや払出制御用マイクロコンピュータが暴走したりハングアップする可能性を低減させることができる。
また、上述した実施の形態では、電源監視回路920を電源基板910に搭載する構成としていたが、払出制御基板37に搭載するようにしてもよい。図51は、電源監視手段を払出制御基板37に搭載した構成の例を示すブロック図である。この例では、図51に示すように、上述した電源監視回路920が実行する処理のうち電源断信号およびリセット信号の出力に関わる処理を実行する電源監視回路920Bが、払出制御基板37に搭載され、監視電圧の電圧低下を検出すると、払出制御用CPU371に電源断信号を出力し、さらに電圧低下したことを検出すると、払出制御用CPU371にリセット信号する。払出制御用CPU371は、リセット信号を受信すると、主基板31に搭載されているCPU56にリセット確認信号を出力する。上記のように構成すれば、配線構成を簡略化することができるとともに、リセット信号およびリセット確認信号の送信線へのノイズ等の影響を抑制することができ、リセット信号およびリセット確認信号が誤って入力されることを防止することができる。
なお、この例では、図51に示すように、払出制御基板37に搭載された電源監視回路920Bが、監視電圧の電圧低下を検出すると、払出制御用CPU371とCPU56とに電源断信号を出力する。すなわち、電源断信号の出力は、分岐され、払出制御用CPU371とCPU56とに入力される。
上記のように、リセット信号を出力するリセット信号出力手段(起動信号出力手段)と電源断信号を出力する電源断信号出力手段(電源監視手段)とが、複数の電圧レベルを監視する電源監視回路920Bによって構成され、電源断信号が、分岐されて遊技制御手段が搭載された遊技制御基板(主基板31)と払出制御手段が搭載された払出制御基板37とに入力されるので、電源断信号が遅延されることがなく、複数の電気部品制御基板に電源断信号を入力させる構成を低コストで実現することができる。また、配線構成を簡略化することができる。
なお、上述した実施の形態では、図52に示すように、電源基板910および払出制御基板37が遊技枠に設置され、主基板31が遊技盤6に設置されている。そして、電源基板910から払出制御基板37に対して電源断信号が出力され、払出制御基板37から主基板31に対して電源断確認信号が出力される。図52では明示されていないが、払出制御基板37には、電源基板910から受けた電源電圧を主基板に供給するための回路などが搭載されている。上記のように構成されているので、電源電圧の電力の低下にもとづく検出信号の配線構成を簡略化することができる。また、配線を短くすることができるので、ノイズの影響を受けにくくすることができる。
上述した実施の形態では、電源電圧の電力の低下にもとづく検出信号やクリアスイッチ921の押下にもとづく検出信号が、払出制御基板37を経由して主基板31に伝達される構成(具体的にはリセット信号や電源断信号やクリアスイッチの受信にもとづき払出制御基板37がリセット確認信号や電源断確認信号やクリア信号を主基板31に対して出力する構成)としていたが、さらに、遊技機で用いられる各種の電源が、払出制御基板37を経由して主基板31に供給されるようにしてもよい。また、上記の各種信号や各種電源が、払出制御基板37を経由して演出制御基板80等の他のサブ基板にも伝達・供給されるようにしてもよい。
なお、上述した実施の形態では、未払出賞球数を示すデータ(総賞球数格納バッファ)が非バックアップRAM(RAM55における電源バックアップされていない領域)に保存される構成としていたが、未払出賞球数を示すデータをバックアップRAM(RAM55における電源バックアップされている領域)に保存されることが望ましい。上述した実施の形態では、賞球個数信号が常時出力され、払出制御手段がタイマ割込処理内で受信する構成とされているので、入賞の発生にもとづく賞球制御信号が送信され、その賞球制御信号の受信が確実に完了するまでに時間を要することが考えられる。このため、払出制御基板37側に伝達されることなく主基板31の総賞球数格納バッファに未払出賞球数が残っている可能性があり、主基板31側で未払出賞球数を示すデータをバックアップしておかないと、遊技者に不利益が及ぶ可能性がある。
また、上述した実施の形態では、払出制御用CPU371が、主基板31の遊技制御手段からの賞球制御信号の受信をタイマ割込処理内の主制御通信処理(ステップS755)により行う構成としていたが、賞球REQ信号を主基板31からのストローブ信号(払出制御INT信号)とし、外部割込にもとづく割込処理で払出個数信号を受信する構成としてもよい。このように構成すれば、入賞が発生したときに、その入賞にもとづく賞球制御信号の送信および受信の一連の処理が短期間で終了するため、上述した実施の形態のように未払出賞球数を示すデータが非バックアップRAMに保存される構成としても、遊技者に不利益が及ぶことが抑制される。
また、上記の実施の形態では、賞球制御信号送信禁止状態であるときは賞球制御処理(ステップS202)とそのあとのポート0バッファの内容の出力処理(ステップS203)の実行を禁止する構成としていたが、賞球制御信号送信禁止状態となったときに接続確認信号の監視処理を行う待機状態となるようにし、他の全ての処理を停止する構成としてもよい。
図53は、賞球制御信号送信禁止状態となったときに接続確認信号の監視処理を行う待機状態となる構成とする場合の賞球送信処理の例を示すフローチャートである。
図53に示す賞球送信処理では、CPU56は、第1接続確認信号および第2接続確認信号の入力状態を確認し(ステップS254)、第1接続確認信号と第2接続確認信号とのうち何れかがオフ状態であれば(ステップS254のY)、ステップS255に移行することなく、エラー表示用ランプ44を点灯状態としたあと(ステップS271)、第1接続確認信号および第2接続確認信号の入力状態を監視するループ処理に移行する(ステップS272)。すなわち、賞球制御信号送信禁止状態となる。そして、ループ処理にて、第1接続確認信号および第2接続確認信号が共にオン状態であることが確認されると、エラー表示用ランプ44を消灯状態としたあと(ステップS273)、ステップS255に移行する。
上記のように、遊技制御手段が、第1接続確認信号または第2接続確認信号がオフ状態となったことを通信に関する異常として検出し、第1接続確認信号または第2接続確認信号がオフ状態となったときは、第1接続確認信号および第2接続確認信号の入力状態を監視する監視処理(ステップS272を繰り返し行うループ処理)を実行し、監視処理にて第1接続確認信号および第2接続確認信号がともにオン状態となったことを確認したことに応じて、賞球制御信号を送信する処理の禁止を解除し、賞球制御信号を送信する処理を再開する構成とされているので、通信に関する異常が解消したときに、制御状態を自動的に復帰させることができる。
また、上記の実施の形態では、賞球REQ信号によって払出要求を行い、賞球個数信号によって払出数が指定されたが、賞球個数信号によって払出要求および払出数の指定を行うように構成してもよい。その場合、払出制御手段は、賞球個数信号が出力されているときは、同時に払出要求がなされていると判定すればよい。そのような構成によれば、賞球REQ信号を用いる必要はない。
また、上記の実施の形態では、払出制御手段は、払出モータ289が払出予定数分回転したことを検出したら賞球払出の終了と決定したが、払出モータ位置センサによる検出回数が払出予定数に達したら賞球払出の終了と決定してもよい。すなわち、払出制御手段は、払出手段の動作量(この例では、払出モータ289の回転量または払出モータ位置センサによる検出回数)を検出することによって払い出しが完了したか否かを判定するように構成されていてもよい。
さらに、上記の実施の形態では、払出制御手段は、払出個数カウントスイッチ301の検出信号にもとづいて遊技球が払い出されたことを確認したが、払出モータ位置センサの出力信号にもとづいて遊技球が払い出されたことを確認するようにしてもよい。
また、払出制御手段が、払出手段の駆動部(例えば払出モータ289、カム等)の動作量を検出し、その検出にもとづいて払い出しに関わる異常(払出ユニットエラー)が発生したか否かを判定するように構成されていてもよい。そのように構成すれば、払い出しに関わる異常を確実に検出することができる。
また、上記の実施の形態では、球払出装置97は球貸しも賞球払出も実行可能な構成であったが、球貸しを行う機構と賞球払出を行う機構とが独立していても本発明を適用することができる。
また、上述した実施の形態では、球切れ状態や下皿満タン状態である場合などに払出禁止状態にしたが、他の払い出しを行うことが好ましくない場合や払い出しを行うことができない場合にも払出禁止状態に設定してもよい。例えば、ガラス扉枠2が開状態となって、そのことを検出するためのドア開放スイッチから検出信号が出力されているときなどにも払出禁止状態に設定されるようにしてもよい。
また、上述した各実施の形態では、記録媒体処理装置(カードユニット50)で使用される記録媒体が磁気カード(プリペイドカード)であったが、磁気カードに限られず、非接触型あるいは接触型のICカードであってもよい。また、記録媒体処理装置が識別符号にもとづいて記録情報を特定できる構成とされている場合には、記録媒体は、記録情報を特定可能な識別符号などの情報を少なくとも記録媒体処理装置が読み取り可能に記録できるようなものであってもよい。さらに、記録媒体は、例えばバーコードなどの所定の情報記録シンボル等が読み取り可能にプリントされたものであってもよい。また、記録媒体の形状は、カード状のものに限られず、例えば円盤形状や球状、あるいはチップ形状など、どのような形状とされていてもよい。
上記の各実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示部9に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第1種パチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第2種パチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続する第3種パチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、遊技媒体が遊技球であるパチンコ遊技機に限られず、遊技媒体がコイン(メダル)等のスロット機等においても、遊技媒体の払い出しを行う電気部品が備えられている場合には本発明を適用することができる。
また、上述した実施の形態においては、各種の信号のやりとりに関し、送信/受信や出力/入力という異なる表現を用いているが、送信と出力あるいは受信と入力は、ほぼ同じ意味で用いており、これらの表現は相互に入替可能であることは言うまでもない。なお、制御コマンドなどの多くの意味を持つ信号のやりとりについて送信/受信とするとともに、オン/オフの切り換えによって情報を伝達するための信号のやりとりについて出力/入力として、送信/受信と出力/入力とを使い分けしている場合もある。この場合においても、それらの表現は相互に入替可能である。
また、上述した実施の形態において、信号のオン/オフ状態は、ハイレベル状態/ローレベル状態であってもよく、逆に、ローレベル状態/ハイレベル状態であってもよい。
なお、特許請求の範囲に記載されている「第1電気部品」は、例えば球払出装置97などが該当する。「第1電気部品制御手段」は、例えば払出制御用CPU371を含む払出制御手段が該当する。「第2電気部品」は、例えば可変入賞球装置15などが該当する。「第2電気部品制御手段」は、例えばCPU56を含む遊技制御手段が該当する。「電源監視手段」は、例えば電源監視回路920が該当する。「操作手段」は、例えばクリアスイッチ921が該当する。「信号線接続手段」は、例えばコネクタ69Aおよびコネクタ376Aと備えたケーブルが該当する。「第1電力供給停止時処理実行手段」は、例えば払出制御手段におけるステップS906〜ステップS931を実行する部分が該当する。「第1変動データ記憶手段」は、例えば払出制御基板37が備えるRAMが該当する。「第1初期化処理手段」は、例えば払出制御手段におけるステップS713〜ステップS716を実行する部分が該当する。「初期化指示信号出力手段」は、例えば払出制御手段におけるステップS712を実行する部分が該当する。「接続確認信号出力手段」は、例えば払出制御手段における電力供給開始時に出力ポートの状態を設定(例えばステップS714)したあとステップS755にて第1接続確認信号および第2接続確認信号をオン状態とする処理を実行する部分が該当する。「第2電力供給停止時処理実行手段」は、例えば遊技制御手段におけるステップS454〜ステップS481を実行する部分が該当する。「第2変動データ記憶手段」は、例えばRAM55の電源バックアップ領域が該当する。
また、「報知手段」は、例えばクリア報知ランプ44bが該当する。「初期化報知手段」は、例えば、遊技制御手段におけるステップS7cの処理を実行する部分、また、例えば、払出制御手段におけるステップS712の後に実行され初期化処理の実行がなされていることを認識させるための表示等を行うための処理を行う部分が該当する。
また、「遊技媒体」は、例えばパチンコ球などの遊技球が該当する。「払出手段」は、例えば球払出装置97が該当する。「払出制御手段」は、例えば払出制御用CPU371を含む払出制御手段が該当する。「遊技制御手段」は、例えばCPU56を含む遊技制御手段が該当する。「伝達手段」は、例えば、電源基板910から受けた電源電圧を主基板に供給するための回路等が該当する。