JP2005252566A - 周波数選択板 - Google Patents

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Abstract

【課題】周波数選択板の特性(周波数選択性)を能動的に変化させること。
【解決手段】特定の周波数の電波を反射又は透過させる例えばクロスダイポール型の素子パターンが設けられた周波数選択板主体1と、この周波数選択板主体1に積層された電波透過性を有する誘電体層と、この誘電体層の厚さを可変させる誘電体可変機構3とを備えること。例えば、誘電体層として電波透過性を有する積層板2を設け、誘電体可変機構3に、その積層板2を周波数選択板主体1から離間させる機構と、この離間させた積層板2を周波数選択板主体1に近づける又は密着させる機構とを設ける。
【選択図】 図2

Description

本発明は、特定の周波数の電波を反射又は透過する周波数選択板(FSS:Frequency Selective Surface)に係り、特に、その周波数選択板の特性(電波透過性や反射特性等の周波数選択性)を能動的に変化させ得る周波数選択板に関する。
近年、例えば防衛関連技術において戦闘機や戦艦等の存在を他から確認されないようにする「ステルス化技術」の必要性が叫ばれており、かかるステルス化技術の一つとして周波数選択板が用いられている。
ここで、この周波数選択板は、ある一定の導体(導体パッチ又は導体スロット)の素子パターンを一定の周期で複数配列したN×M(N,M=1,2,3,…)のセルからなる周期構造膜であり、特定の周波数の電波のみを反射又は透過させる特性(周波数選択性)を備えている。
例えば、導体パッチで構成したパッチ型構造の周波数選択板は、特定の周波数の電波のみを反射するバンドストップフィルタとして作用し、導体スロットで構成したスロット型構造の周波数選択板は特定の周波数の電波のみを透過するバンドパスフィルタとして作用する。
これが為、所望の周波数選択性を備えた周波数選択板が組み込まれることによって、例えば、レドームやレーダ断面積(RCS:Radar Cross Section)低減用電磁窓等の物体(周波数選択板組込物体)のステルス化を有効に達成し得る。
ここで、一般に、周波数選択板は、ダイポール型,クロスダイポール型,トリポール型,円形リング型又は正方形ループ型等のある一定の単純形状からなる導体パッチ又は導体スロットの素子パターンが複数配列された導電パターンを備えている。
特開2000−68675号公報 特開2000−68677号公報 特開2001−53484号公報 特開2003−298308号公報
ここで、周波数選択板の特性(周波数選択性)を適宜変化させることができれば、使用される環境や要求に応じた周波数選択性を一枚の周波数選択板で実現し得る。
しかしながら、上記従来の周波数選択板は、設計、製造時に設定された特性(周波数選択性)を能動的に変化させることができず、複数の周波数に対応させる為には特性の異なる複数枚の周波数選択板を用意したり、一枚の周波数選択板に複数の特性を持たせたりしなければならなかった。また、かかる従来の対応を採ったとしても、何れにせよ予め固定された特性であるが為に、臨機応変に様々な使用環境等に対応することはできない。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、周波数選択板の特性(周波数選択性)を能動的に変化させ得る周波数選択板を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、請求項1記載の発明では、特定の周波数の電波を反射又は透過させる素子パターンが設けられた周波数選択板主体と、この周波数選択板主体に積層された電波透過性を有する誘電体層と、この誘電体層の厚さを可変させる誘電体可変機構とを備えている。
また、上記目的を達成する為、請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の周波数選択板において、前記誘電体層として電波透過性を有する積層板を設け、前記誘電体可変機構に、その積層板を周波数選択板主体から離間させる機構と、その離間させた積層板を周波数選択板主体に近づける又は密着させる機構とを設けている。
また、上記目的を達成する為、請求項3記載の発明では、上記請求項1記載の周波数選択板において、前記誘電体層は、電波透過性を有する伸縮可能な容器で構成し、前記誘電体可変機構に、その容器内に液状若しくはゲル状の又は気体の誘電体を出し入れし得る機構を設けている。
また、上記目的を達成する為、請求項4記載の発明では、上記請求項1,2又は3に記載の周波数選択板において、前記誘電体層が所望の周波数選択性に応じた厚さとなるように誘電体可変機構の動作を制御する制御装置を設けている。
本発明に係る周波数選択板によれば、周波数選択板の特性(周波数選択性)を適宜使用環境等に応じて能動的に変化させることができる。
以下に、本発明に係る周波数選択板の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
本発明に係る周波数選択板の実施例1を図1〜図6に基づいて説明する。
図1の符号10は本実施例1の周波数選択板を示す。この周波数選択板10は、図1及び図2に示す如く、例えば銅線等の金属線からなる複数のクロスダイポール型の素子パターンが格子状に配置された周波数選択板主体1と、この周波数選択板主体1の一方の面に積層された少なくとも一枚の電波透過性を有する積層板2とを備えている。
この積層板2は、例えばプラスチック等の高分子材料、GFRP等の繊維強化複合材料やガラス等の無機質材料等からなる誘電体であり、周波数選択板主体1と略同等の大きさに成形されている。以下、この積層板2を「誘電体2」という。
また、本実施例1の周波数選択板10には、上記誘電体2を周波数選択板主体1から離間させる、又は離間している誘電体2を周波数選択板主体1に近づける積層板可変機構(以下、「誘電体可変機構」という。)3が設けられている。
この誘電体可変機構3は、例えば電動モータを駆動源とし、その駆動力が歯車や回転軸、カム等の駆動力伝達機構を介して伝達されることにより誘電体2を移動させるものである。尚、この誘電体可変機構3の駆動源は上記の電動モータに限定するものではなく、また、その駆動力の伝達機構についても何れの態様のものを用いてもよい。
例えば、本実施例1の誘電体可変機構3は、図3に示す如く、周波数選択板主体1との平行状態を保ちつつ誘電体2を垂直移動させる。
このように誘電体2が周波数選択板主体1との密着状態から垂直移動することによって、周波数選択板主体1との間に空気層(誘電率εair=1)が介在することとなり、誘電体2と空気層とからなる誘電体層が形成される。
この誘電体層においては、誘電体2の移動量に応じて空気層の厚さtairが変化するので見かけの誘電率が変わる。これが為、本実施例1の周波数選択板10は、誘電体2の移動量に応じて特性(周波数選択性)を変化させることができる。
即ち、本実施例1の周波数選択板10は、誘電体可変機構3により、誘電体2と周波数選択板主体1との密着位置から最大離間位置までの間において誘電体層の見かけの誘電率を任意に変化させることができ、その変化に応じて特性(周波数選択性)を変化させ得るものである。
そこで、本実施例1にあっては、所望の特性(周波数選択性)となる上記見かけの誘電率を適宜得る為に、上記誘電体可変機構3の動作を制御する図1及び図2に示す制御装置4が設けられている。
この制御装置4は、誘電体可変機構3に対して駆動のON/OFF制御や移動方向の正逆転制御等を行うことで、誘電体可変機構3による誘電体2の移動量(周波数選択板主体1との離間位置)を制御し、周波数選択板10の特性(周波数選択性)を所望のものに能動的に変化させることができる。
ここで、上述した本実施例1の周波数選択板10を製作し、その特性(周波数選択性)について検証した。
先ず、セル寸法15.1mm×15.1mmの上記クロスダイポール型の素子パターンが格子状に配置された周波数選択板主体1(10GHzで共振となるよう設定)と、この周波数選択板主体1と誘電体2(誘電率ε=10、厚さt=1mm)との間における図4に示す空気層の厚さtairを変えた複数のタイプの周波数選択板10(タイプA〜タイプD)とを比較して、夫々についての共振周波数を見てみた。
上記タイプAの周波数選択板10は、周波数選択板主体1と誘電体2とを密着させたものであり、空気層が介在しない(tair=0mm)ものである。また、上記タイプBの周波数選択板10は、空気層の厚さがtair=0.5mmとなるように誘電体2を垂直移動させたものである。また、上記タイプCの周波数選択板10は空気層の厚さがtair=1mmとなるように誘電体2を垂直移動させ、上記タイプDの周波数選択板10は空気層の厚さがtair=5mmとなるように誘電体2を垂直移動させたものである。
これらの検証結果を図5に示す。この検証結果によれば、タイプAの周波数選択板10は、周波数選択板主体1のみの場合と比して共振周波数を5GHzまで低減させることができる。尚、理論的には、誘電体層の厚さによって最大ε-1/2まで共振周波数を低減させる、例えばこのタイプAの場合は約1/3程度まで低減させることが可能である。
また、タイプBの周波数選択板10は、周波数選択板主体1のみの場合と比して共振周波数を8.3GHzまで低減させることができ、タイプCの周波数選択板10は、周波数選択板主体1のみの場合と比して共振周波数を9GHzまで低減させることができる。
ここで、タイプDの周波数選択板10は、周波数選択板主体1のみの場合と同様の共振周波数(10GHz)になる。
以上の結果から、誘電率ε=10、厚さt=1mmの誘電体2を垂直移動させることにより、この周波数選択板10の共振周波数を5〜10GHzの範囲内で任意に変化させ得ることが判る。
尚、理論的には、周波数選択板主体1の共振周波数の設定値をfoとすると、「fo/ε-1/2〜fo」の範囲内で周波数選択板10の共振周波数を変化させることができる。
次に、10GHzで共振となるよう設定された上記周波数選択板主体1と、この周波数選択板主体1と誘電率ε=4.5、厚さt=1mmの誘電体2との間における空気層の厚さtairを変えた複数のタイプの周波数選択板10(タイプA〜タイプD)とを比較して、夫々についての共振周波数を見てみた。
上記タイプAの周波数選択板10は、周波数選択板主体1と誘電体2とを密着させたものであり、空気層が介在しない(tair=0mm)ものである。また、上記タイプBの周波数選択板10は、空気層の厚さがtair=0.5mmとなるように誘電体2を垂直移動させたものである。また、上記タイプCの周波数選択板10は空気層の厚さがtair=1mmとなるように誘電体2を垂直移動させ、上記タイプDの周波数選択板10は空気層の厚さがtair=2mmとなるように誘電体2を垂直移動させたものである。
これらの検証結果を図6に示す。この検証結果によれば、タイプAの周波数選択板10は、周波数選択板主体1のみの場合と比して共振周波数を6.6GHzまで低減させることができる。
また、タイプBの周波数選択板10は周波数選択板主体1のみの場合と比して共振周波数を9GHzまで低減させることができ、タイプCの周波数選択板10は共振周波数を9.5GHzまで、タイプDの周波数選択板10は共振周波数を9.9GHzまで低減させることができる。
以上の結果から、誘電率ε=4.5、厚さt=1mmの誘電体2を垂直移動させることにより、この周波数選択板10の共振周波数を6.6〜9.9GHzの範囲内で任意に変化させ得ることが判る。
ここで、これら図5及び図6の結果からも明らかなように、同等の厚さの誘電体2で共振周波数に幅を持たせたいのであれば、誘電率の大きい誘電体2を使用すればよい。
以上示した如く、本実施例1によれば、誘電体2を垂直移動させることによって周波数選択板10の共振周波数を能動的に変化させることができるので、その特性(周波数選択性)の帯域幅を能動的に変化させることが可能となる。また、偏波特性や入射角特性に異方性が出ないので実用上好適である。
このようなことから、本実施例1の周波数選択板10は、ステルス用途におけるステルス性能の向上や通信/放送空中線のマルチバンド化が可能になる。
例えば、ステルス用途においては、周波数を自由に変えられるレーダと組み合わせて適用しているレーダ周波数に合わせて周波数選択板10を具備する窓の特性(周波数選択性)を変えることができる。かかる場合、本実施例1の制御装置4をレーダ等の送受信系と連動して動作するが如く構成する。
その一例として、制御装置4は、レーダ等の送受信系が相手方の電波の周波数シフトを検知し、その周波数のシフト量の情報を送受信系から受け取ると、そのシフト量に応じた第1〜第8の分割誘電体2a〜2hの可変動作を誘電体可変機構3に行わせる。このようにしてレーダとの連動を図ることにより、有効なステルス性能を得ることができる。
また他の例として、周波数選択板10を有する窓やレーダ等の送受信機が具備された航空機において自機の周波数変更に連動させることも可能である。即ち、その送受信機が周波数f1で動作しているものと仮定すると、窓は、周波数選択板10の第1〜第8の分割誘電体2a〜2hの状態によって周波数f1の電波を透過させる透過窓となっている。かかる状態において、自機の制御機能や操縦者の操作により送受信機の周波数がf2へと変更された場合、その送受信機から周波数のシフト量の情報を受け取った制御装置4は、そのシフト量に応じて第1〜第8の分割誘電体2a〜2hの可変動作を誘電体可変機構3に行わせる。これにより、周波数f2の電波を透過させる透過窓へと特性が変更される。
また、同じくステルス用途に用いられるエンクローズドマスト等は予め脅威となる周波数を想定した上で設計、製造を行うが、このエンクローズドマスト等に本発明に係る周波数選択板10を適用することによって、想定外の周波数にも対応することが可能になる。ここで、エンクローズドマストとは、周波数選択板等を使用した角錘台等の低RCS(Radar Cross Section、レーダ断面積)形状のレドームのことを云う。
また、通信/放送空中線においては、従来、周波数毎にフィールドを分け、且つ周波数選択板を有するサブリフレクタを経由して主フレクタを共有する手法が多く採用されているが、時間分割可能な場合には、サブリフレクタに本発明に係る周波数選択板10を適用することによって、広帯域フィールドを使用しながらマルチバンド化を図ることが可能となる。
尚、本実施例1の周波数選択板10においては誘電体2の移動により空気層が生成されるが、この周波数選択板10をアルゴンや窒素等の気体が封入された空間内に配設し、その空間内で誘電体2の移動を行って気体層を生成してもよい。ここで、空気や酸素,アルゴン等の気体の誘電率εgは一般にεg=1であるので、かかる周波数選択板10についても上述した空気層の場合と同様の特性(周波数選択性)を得ることができる。
次に、本発明に係る周波数選択板の実施例2を図7に基づいて説明する。
本実施例2の周波数選択板20は、前述した実施例1の周波数選択板10と同様に、複数のクロスダイポール型の素子パターンが格子状に配置された周波数選択板主体1と、この周波数選択板主体1に積層された誘電体2とで構成され、この誘電体2を周波数選択板主体1から離間させる、又は離間している誘電体2を周波数選択板主体1に近づける誘電体可変機構3(図示略)及び当該誘電体可変機構3の動作を制御する制御装置4(図示略)を備えている。
ここで、本実施例2は、誘電体可変機構3及び制御装置4が誘電体2を傾かせて垂直移動させる点において実施例1の周波数選択板10とは異なる。例えば、図7に示す如く、紙面左側の移動量を少なく、紙面右側の移動量を多く移動させる。
このような本実施例2にあっては、誘電体2の傾きにより周波数選択板主体1との間における誘電体層の厚さが部位毎に異なるので、各部位によって誘電体層の見かけの誘電率が異なることになる。これが為、この周波数選択板20においては、その特性(周波数選択性)の帯域幅を能動的に変化させつつ、部分的に所望の特性(周波数選択性)の帯域を作り出すことが可能になる。
また、実施例1の平行な垂直移動と組み合わせることによって、より広範囲な特性(周波数選択性)の周波数選択板を得ることができる。
次に、本発明に係る周波数選択板の実施例3を図8〜図13に基づいて説明する。
本実施例3の周波数選択板30は、図8及び図9に示す如く、例えば銅線等の金属線からなる複数のクロスダイポール型の素子パターンが格子状に配置された周波数選択板主体1と、この周波数選択板主体1の一方の面に積層された誘電体層22と、この誘電体層22の厚さを図10に示す如く変化させる誘電体厚さ可変機構23とで構成される。
ここで、本実施例3の誘電体層22は、電波透過性を有する伸縮可能な図11に示す容器22aで構成され、この容器22a内に液状若しくはゲル状の又は気体の誘電体22bを出し入れする又はその流入量を調節することによって厚さが可変する。
例えば、本実施例3の容器22aとしては、誘電体22bの出し入れが可能な誘電体出入口22a1を有し、全体が伸縮し得るエラストマ製の袋状の密閉容器を例示する。
また、上記誘電体厚さ可変機構23は、その誘電体22bの出し入れを行うものであって、例えば図11に示す如く、容器22aの誘電体出入口22a1に連通する誘電体22bの貯留部23aと、誘電体22bを貯留部23aから容器22a内に送出する又は容器22a内から貯留部23aに回収する誘電体送出/回収部23bとを備えている。例えば、その誘電体送出/回収部23bは、電動ポンプや油圧ポンプ等を動力源とする。
本実施例1にあっては、この誘電体厚さ可変機構23が作動することによって、容器22a内に誘電体22bが存在しない状態(図12の上図)から容器22a内に誘電体22bが充満している状態(図12の下図)までの間において、誘電体層22の厚さが変化する。
この誘電体層22においてはその厚さの変化量に応じて見かけの誘電率が変わるので、本実施例1の周波数選択板30は、容器22a内における誘電体22bの注入量に応じて特性(周波数選択性)を変化させることができる。
そこで、本実施例3にあっては、所望の特性(周波数選択性)となる上記見かけの誘電率を適宜得る為に、上記誘電体厚さ可変機構23の動作を制御する図8及び図9に示す制御装置24が設けられている。
この制御装置24は、誘電体厚さ可変機構23の誘電体送出/回収部23bに対して駆動のON/OFF制御や誘電体22bの送出又は回収の切替制御等を行うことで、誘電体厚さ可変機構23による誘電体層22の厚さを制御し、周波数選択板30の特性(周波数選択性)を所望のものに能動的に変化させることができる。
ここで、上述した本実施例3の周波数選択板30を製作し、その特性(周波数選択性)について検証した。
ここでは、セル寸法15.1mm×15.1mmの上記クロスダイポール型の素子パターンが格子状に配置された周波数選択板主体1(10GHzで共振となるよう設定)と、この周波数選択板主体1上の誘電体層22の厚さを変えた複数のタイプの周波数選択板30(タイプA〜タイプD)とを比較して、夫々についての共振周波数を見てみた。
上記タイプA〜タイプDの周波数選択板30は、エラストマ製の容器22a(誘電率ε=2.2、厚さ0.25mm)に誘電体22bとしてのケロシン(誘電率ε=2.8)を注入し、この誘電体22bの厚さを夫々0.01mm,1mm,5mm,10mmに設定したものである。
これらの検証結果を図13に示す。この検証結果によれば、タイプAの周波数選択板30は、周波数選択板主体1のみの場合と比して共振周波数を8.8GHzまで低減させることができる。また、更に誘電体22bの厚さを増加させたタイプBの周波数選択板30においては共振周波数を7.8GHzまで、タイプCの周波数選択板30においては共振周波数を7.5GHzまで、タイプDの周波数選択板30においては共振周波数を7.4GHzまで低減させることができる。
以上の結果から、この周波数選択板30は、誘電体22bを容器22aの中に注入し、その厚さを変化させることによって、共振周波数を8.8〜7.8GHzの範囲内で任意に変化させ得ることが判る。
以上示した如く、本実施例3によれば、誘電体22bの出し入れにより誘電体層22の厚さを変化させて、誘電体層22における見かけの誘電率を変えることができる。そして、これにより周波数選択板30の共振周波数を能動的に変化させ、その特性(周波数選択性)の帯域幅の能動的な変化を可能にする。
ここで、本実施例3にあってはエラストマ製の袋状の容器22aを例示したが、その容器22aは、必ずしもその全体が伸縮する必要は無く、少なくとも側面が伸縮し得るものであってもよい。例えば、厚さ等の形状を保持し得る硬質の材料(プラスチック等の高分子材料、FRP等の炭素強化繊維材料やガラス等の無機質材料等からなる誘電体)で上面(電波入射面)及び下面(周波数選択板主体1との密着面)を成形し、これら上面と下面とを繋ぎ袋状にする側面を伸縮可能なエラストマ等の材料で成形してもよい。
また、その容器22aは、必ずしも袋状のものである必要は無く、下方側が開口されたもの(即ち、上面及び側面からなり、下面を有しない容器)であってもよい。
尚、上記各実施例1〜3においては素子パターンとしてクロスダイポール型の周波数選択板主体1を例示したが、その素子パターンとしては、図14に示す如きダイポール型,円形リング型,円形,矩形リング型,矩形やエルサレムクロス型等の他の形状のものであってもよく、また、パッチ型であってもスロット型であってもよい。
以上のように、本発明に係る周波数選択板は、その特性(周波数選択性)に幅を持たせるのに有用であり、特に、その特性(周波数選択性)の帯域幅を能動的に変化させるのに適している。
本発明に係る周波数選択板の実施例1の構成を上面から見た上面概念図である。 図1に示す周波数選択板を側面から見た側面概念図である。 実施例1の周波数選択板における誘電体の移動動作を例示した図である。 実施例1における共振周波数の測定実験に用いた周波数選択板を説明する図である。 実施例1における共振周波数の測定実験の結果を示す図であって、誘電率ε=10の誘電体を具備する周波数選択板についての検証結果を示す図である。 実施例1における共振周波数の測定実験の結果を示す図であって、誘電率ε=4.5の誘電体を具備する周波数選択板についての検証結果を示す図である。 本発明に係る周波数選択板の実施例2における誘電体の移動動作を例示した図である。 本発明に係る周波数選択板の実施例3の構成を上面から見た上面概念図である。 図8に示す周波数選択板を側面から見た側面概念図である。 実施例3の周波数選択板における誘電体層の動作を例示した図である。 実施例3の周波数選択板における具体的な構成を側面から見た断面図である。 実施例3の周波数選択板において、容器内が空の状態と当該容器内に誘電体を注入した状態とを示す図である。 実施例3における共振周波数の測定実験の結果を示す図である。 本発明に係る周波数選択板に適用し得る素子パターンの他の例を示す図である。
符号の説明
1 周波数選択板主体
2 積層板(誘電体)
3 誘電体可変機構
4 制御装置
10,20,30 周波数選択板
22 誘電体層
22a 容器
22b 誘電体
23 誘電体厚さ可変機構
23a 貯留部
23b 誘電体送出/回収部
24 制御装置

Claims (4)

  1. 特定の周波数の電波を反射又は透過させる素子パターンが設けられた周波数選択板主体と、該周波数選択板主体に積層された電波透過性を有する誘電体層と、該誘電体層の厚さを可変させる誘電体可変機構とを備えたことを特徴とする周波数選択板。
  2. 前記誘電体層として電波透過性を有する積層板を設け、前記誘電体可変機構に、前記積層板を前記周波数選択板主体から離間させる機構と、該離間させた積層板を前記周波数選択板主体に近づける又は密着させる機構とを設けたことを特徴とする請求項1記載の周波数選択板。
  3. 前記誘電体層は、電波透過性を有する伸縮可能な容器で構成し、
    前記誘電体可変機構に、前記容器内に液状若しくはゲル状の又は気体の誘電体を出し入れし得る機構を設けたことを特徴とする請求項1記載の周波数選択板。
  4. 前記誘電体層が所望の周波数選択性に応じた厚さとなるように前記誘電体可変機構の動作を制御する制御装置を設けたことを特徴とする請求項1,2又は3に記載の周波数選択板。
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