JP2005247699A - 水産系廃棄物ヒトデの有効利用技術 - Google Patents

水産系廃棄物ヒトデの有効利用技術 Download PDF

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Abstract

【課題】 水産系廃棄物ヒトデの有効利用技術を確立し、特に植物生長促進作用ないし植物生長抑制作用に関与する活性成分を解明し、これを化学合成品に代わる生物資源由来の安全、かつ安心な肥料・農薬もしくはその素材として提供すること。
【解決手段】 ヒトデの温水抽出物を水と有機溶剤で2層分配して得た水溶性画分の濃縮・精製画分又はヒトデの有機溶剤抽出物を濃縮し、該濃縮物を水と有機溶剤で2層分配して得た有機層の濃縮・精製画分を含有する植物生育促進剤並びにヒトデの有機溶剤抽出物を濃縮し、該濃縮物を水と有機溶剤で2層分配して得た水層の濃縮・精製画分を含有する植物生育抑制剤、これらを含有する肥料・農薬もしくはその素材。
【選択図】 なし

Description

本発明は、難処理性水産系廃棄物の一つであるヒトデの有効利用技術に関し、詳しくはヒトデの温水抽出物並びに有機溶剤抽出物の利用技術に関する。
北海道においては、近年ヒトデが大量発生を繰り返し、漁業等の操業や水産資源に深刻な被害を及ぼすことから、ヒトデの駆除が行われている。
駆除され陸揚げされたヒトデは、資源として利用されることなく、廃棄物として処理されている。そのため、陸上回収されたヒトデの有効利用法の開発が望まれている。
ヒトデ(学名Asterias amurensis、別名キヒトデ)はヒトデ綱に属し、日本に生息するヒトデ綱のなかで最も生息度が高い一般的な種で、北海道から瀬戸内に広く分布し、多くの食物資源、特に貝類を好む広食性の水生動物である。
他方、ヒトデは、サポニン、ステロイド、アントラキノン、アルカロイドやリン脂質などの様々な二次代謝産物を含有することが知られている。
ヒトデの代表的な二次代謝産物にアステロ(ヒトデ)サポニンがある。サポニンは主に植物界に存在するが、動物界での存在はヒトデとナマコなどに限られている。ステロイドと複数の糖が結合した構造(ステロイド配糖体)を有しており、駆虫・防虫作用、発泡作用や魚毒作用(非特許文献1参照)のほかに、捕食動物に対する防御作用(非特許文献2参照)や種々の薬効作用(アカヒトデから単離したcertonardosideのHIVやHSVに対する抗ウィルス活性(非特許文献3参照)やガン細胞に対する抗腫瘍活性(非特許文献4参照)など)およびculcitosideやrathbuniosideによる赤血球溶血活性(非特許文献5参照)など多くの生物活性を示す。
また、ヒトデにはサポニンの他にも生物活性を有する様々な成分が知られている。例えば、ステロール類はウニ受精卵の卵割阻害活性(非特許文献6参照)や抗菌活性(非特許文献7参照)などを示す。また、アルカロイドのImbricatineはイソギンチャクの攻撃に対するヒトデの防御物質として知られている(非特許文献8参照)。さらに、イトマキヒトデやムラサキヒトデ由来のスフィンゴ糖脂質ガングリオシドには、ラット胎児の大脳皮質細胞の生存維持作用(非特許文献9参照)やマウス神経細胞の神経突起伸長作用(非特許文献10参照)がある。
また、最近の論文では、タコ、ヒトデからのキタムラサキウニ逃避行動誘起物質(硫酸化ポリヒドロキシステロイド)(非特許文献11参照)やニチリンヒトデから得られたイトマキヒトデ逃避行動誘起物質(核酸のイノシンとグアノシン)(非特許文献12参照)などのアレロケミカルスが報告されている。
ヒトデの利用については、ヒトデの植物生長作用、害虫防除作用に着目したものに、魚カス・米糠の発酵物に生薬アルコール抽出液やヒトデ酢酸エタノール抽出液を配合した農作物用活性剤(特許文献1参照)、ヒトデ粉末を原料とした昆虫類等の忌避剤(特許文献2参照)、ヒトデ・食品製造カスを発酵させた発酵肥料(特許文献3参照)がある。
しかしながら、植物成長促進や抑制に関与するヒトデ抽出物に含有される活性画分に関する研究は遅れており、本発明はヒトデ抽出物の該活性画分を明らかにすると共に、該活性画分の利用を図るものである。
Toxicon, 27, 179-188 (1990) Comp. Bioche. Physiol., 26, 415-428 (1968) J. Nat. Prod., 65, 1649-1656 (2002) Chem. Pharm. Bull. 51, 435-439 (2003) Comp. Bioche. Physiol., 134, 695-701 (2003) Russ. Chem. Bull., Int. Ed., 51, 535-539 (2002) J. Nat. Prod., 66, 384-391 (2003) J. Am. Chem. Soc., 108, 8288-8289 (1986) Liebigs Ann. Chem., 1-10 (1991) Liebigs Ann. Chem., 359-366 (1993) Fisheries Sci., 66, 412-413 (2000) J. Tokyo Univ. Fisheries 88, 7-13, (2002) 特開平5−320018号公報 特開2003−183108号公報 特開平6―305871号公報
従って、本発明は一般廃棄物として年間1万トンが埋め立て処理されている混獲・駆除ヒトデについて、環境に配慮したヒトデの有効利用技術確立を目指し、ヒトデ由来の天然有用生物活性物質を解明し、具体的には植物生長促進作用ないし植物生長抑制作用に関与する活性成分を解明し、これを化学合成品に代わる生物資源由来の安全、かつ安心な肥料・農薬もしくはその素材を提供することを目的とする。
本発明者らは、ヒトデの有効利用に技術的な決め手を欠く中で、ヒトデを対象に、化学合成品に代わる新規な環境調和型の生物資源活用肥料・農薬を創出すべく研究開発に着手し、その活性物質の探索、機能性の解明について検討を重ねた。その過程で、ヒトデ水抽出物並びに有機溶剤抽出物から得られる数種の画分に、植物生長促進効果または植物生長抑制効果を見出し、本発明に到達した。
請求項1に記載の本発明は、ヒトデの温水抽出物を水と有機溶剤で2層分配して得た水溶性画分の濃縮・精製画分を含有する植物生育促進剤である。
請求項2に記載の本発明は、ヒトデの有機溶剤抽出物を濃縮し、該濃縮物を水と有機溶剤で2層分配して得た有機層の濃縮・精製画分を含有する植物生育促進剤である。
請求項3に記載の本発明は、ヒトデの有機溶剤抽出物を濃縮し、該濃縮物を水と有機溶剤で2層分配して得た水層の濃縮・精製画分を含有する植物生育抑制剤である。
請求項4に記載の本発明は、請求項1又は2記載の植物生長促進剤を含有する肥料・農薬もしくはその素材である。
請求項5に記載の本発明は、請求項3記載の植物生長抑制剤を含有する肥料・農薬もしくはその素材である。
本発明によれば、ヒトデの有効利用技術が確立され、ヒトデ由来の温水抽出物あるいは有機溶剤抽出物からの濃縮・精製される活性画分を含有する植物生長促進剤もしくは植物生長抑制剤が提供される。
本発明の活性画分は、水生動物であるヒトデに由来するものであり、取り扱いが平易である上に、安全性が高く環境への副作用の心配がない。
本発明の植物生長促進剤並びに植物生長抑制剤は、かかる天然生物資源に由来し、合成された肥料や農薬に代わる環境調和型の生物資源肥料・農薬等として、広く園芸・農業分野で利用できる。
したがって、安全、かつ安心な農産物生産に寄与するとともに、水産廃棄物ヒトデの有効利用として漁業振興に資することが期待できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
請求項1に記載する植物生長促進剤に用いられる成分は、ヒトデの温水抽出物を濃縮・精製して得た活性画分である。詳しくは、ヒトデの温水抽出物を水と有機溶剤で2層分配して得た水溶性画分の濃縮・精製画分を有効成分とする。
請求項2に記載する植物生長抑制剤に用いられる成分は、ヒトデの有機溶剤抽出物を濃縮・精製した活性画分である。詳しくは、ヒトデの有機溶剤抽出物を濃縮し、該濃縮物を水と有機溶剤で2層分配して得た有機層の濃縮・精製画分を有効成分とする。
請求項3に記載する植物生長抑制剤に用いられる成分は、ヒトデの有機溶剤抽出物を濃縮・精製した活性画分である。詳しくは、ヒトデの有機溶剤抽出物を濃縮し、該濃縮物を水と有機溶剤で2層分配して得た水層の濃縮・精製画分を有効成分とする。
本発明においては、当該活性画分のほか、使用目的などに応じて、当該成分を所望の純度とした濃縮液として用いられる他、凍結乾燥等により粉末化して使用できる。
ヒトデは、厳密にはヒトデ綱(学名Asteroidea)に属する棘皮動物の総称、またはその1種を指すが、一般には、「ヒトデ」はその生息数の多さからヒトデ(学名Asterias amurensis、別名キヒトデ)を指し、本発明でも同様とする。
請求項1に記載する植物生長促進剤の活性画分含有量は、通常ヒトデ重量の約3〜5%である。また、請求項2に記載する活性画分は2種類あり、それぞれのヒトデにおける含有量は、ヒトデ重量の約3.00×10-4%〜5.00×10-4%と約1.00×10-3%〜3.00×10-3%である。さらに、請求項3に記載する活性画分の含有量は、ヒトデ重量の約0.50×10-2%〜2.00×10-2%であり、何れもそれぞれ比較的多量に含有されているので、工業的利用に適している。
ヒトデ温水抽出物の製造の1例を示すと、例えばヒトデ湿重2kgを粗粉砕した後に,適当な磨破機でスラリー化し、これに常温の水を1.5〜3.0kg、好ましくは試料と同量の2kg程度を加水した後、抽出(例えば、旋回噴流攪拌装置で50〜80℃、好ましくは50〜70℃で加温しながら攪拌処理抽出)する。抽出時間については、目的とする成分が効率よく回収できるまでであり、通常は15分〜2時間、好ましくは20分〜1時間である。
次いで、得られた抽出物に1〜2kg、好ましくは約1.6〜1.7kgの水を加水し、固−液分離装置、例えば遠心分離機で10〜30分間、好ましくは15分間処理したのち、例えば吸引濾過機で吸引濾過して残さを分離して、目的の活性画分を含有する濃縮液を得ることができる。
この濃縮液を、必要に応じて凍結乾燥機などを用いてで凍結乾燥させることにより、粗抽出物を得る。この抽出物の収量は、約160〜180g(収率約8〜9%)である。
次に、上述の粗抽出物を水と有機溶媒(例えば酢酸エチルなど)に分配し、さらに水溶性画分を水と1−ブタノール等の有機溶媒で2層分配することにより、請求項1記載の濃縮・精製水溶性画分(H-W)を、ヒトデ試料2kgに対して収量約60〜100g(収率約3〜5%)で製造することができる。
請求項2及び3に記載のヒトデ有機溶剤抽出物の製造は、洗浄・細裁断したヒトデ0.9〜1.1kgを0.8〜2.0Lの含水有機溶剤(例えばメタノール溶液)と共にホモジナイズしたものを遠心分離処理するが、必要に応じて、ホモジナイズした後に、2〜4Lの含水有機溶剤(例えばメタノール溶液)に室温で24〜48時間浸漬、抽出してもよい。
得られた抽出液を遠心分離機などの固−液分離装置で10分間処理し、回収した上澄み液を吸引ろ過し、残さを分離し、ロータリーエバポレーターで濃縮乾固して、濃縮液を得ることができる。
次いで、上述の濃縮液について、有機溶媒(例えば酢酸エチル)と水で分配して脂溶性の有機層(Me-EA)と水溶性の水層(Me-H)に分配する。
有機層(Me-EA)を溶離液にクロロホルム−メタノール−水系(例えばクロロホルム80:メタノール20:水1)を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し、溶出した画分(Me-EA-E)を収量65〜85mg(収率6.5×10-3%〜8.5×10-3%)で得ることができる。
上述の溶出画分について、展開溶媒に有機溶媒(例えばトルエン3:エタノール1)を用いた薄層クロマトグラフィーに供し、請求項2記載の濃縮・精製脂溶性画分(Me-EA-E-b)を収量3.0〜5.0mg(収率3×10-4%〜5×10-4%)で、また濃縮・精製画分(Me-EA-E-c)を収量10〜30mg(収率1.0×10-3%〜3.0×10-3%)で、それぞれ製造することができる。
なお、得られる溶出画分を所望により、さらに濃縮することにより、純度の高い、高度に精製された抽出物を得ることができる。また、所望により、任意の純度のものを凍結乾燥などにより粉末化して用いることもできる。
一方、水層(Me-H)を溶離液に水−メタノール系(例えば75%メタノール)を用いたカラムクロマトグラフィーに供し、溶出した画分(Me-H-D)について、溶離液に水−メタノール系(例えば75%メタノール)を用いたODS カラムクロマトグラフィーで分離し、請求項3記載の濃縮・精製水溶性画分(Me-H-D-c)を収量80〜200mg(収率0.8×10-2%〜2.0×10-2%)で製造することができる。
本発明の植物生育促進剤及び植物生長抑制剤は、廃棄物ヒトデの有効利用技術として化学合成品に代わる生物資源由来の安全、かつ安心な肥料・農薬もしくはその素材の提供に寄与し、園芸・農業生産部門で広く利用することができる。例えば、後記のようにコマツナで代表されるアブラナ科植物で植物生育促進ないし抑制効果を得ており、このことから、例えばマメ類、葉菜類、花卉類、果物類などにおいても同様の効果が期待できる。
本発明に用いた水生動物ヒトデの組成は、100gあたり水分73.0g、粗蛋白質9.6g、粗脂肪1.3g、粗灰分15.1gなどで、無機質として微量の亜鉛、銅などを含む。ヒトデの抽出物から精製・濃縮される植物生育促進剤或いは植物生長抑制剤は、前記した活性画分とヒトデ由来組成物を主要成分とする生物資源濃縮物として提供され、使用にあたっては、用途に応じて、1,000〜10,000倍に希釈して用いることができる。また、他の肥料・農薬と併用してもよい。
以下、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
製造例1[ヒトデ温水抽出物の濃縮・精製画分の製造]
ヒトデ湿重2.0kgをミートチョッパーで粗粉砕し、次に磨破機でスラリー化し、これに常温の水を2.0kg加える。
次に、この加水したスラリー状物を旋回噴流攪拌装置内で60℃に加温し、高速で攪拌処理し、さらに攪拌槽に常温の水1.624kgを加えて60℃に加温し、高速で撹拌しながら固−液分離し、抽出物5.624kgを得た。
この抽出物を遠心分離機で10,000rpm、15分間、温度5℃の条件で遠心分離した後、吸引濾過機で吸引濾過し、抽出物4.676kgと含水残渣634.0gを得た。
この抽出物4.676kgを凍結乾燥機で凍結乾燥させ、茶色の乾燥物171.7g(収率8.59%)を製造した。
得られた温水抽出物を、水と酢酸エチルで2層に分配した。さらに、水溶性画分を水と1−ブタノールで2層分配し、目的の水溶性画分(H-W)75.8g(収率3.79%)を得た。
製造例2[ヒトデ有機溶剤抽出物の濃縮・精製画分の製造(1)]
ヒトデ湿重950gの表面についた付着物を水道水で洗い流した後、ハサミで細かくカットした。その後、1Lのメタノール(特級 関東化学株式会社製)と共にホモジナイズ(「エースホモジナイザー AM-10」、日本精機製)した。
ホモジナイズしたヒトデを3Lのメタノール(特級 関東化学株式会社製)に浸漬して抽出(48時間、室温)を行った。
得られた抽出液を遠心分離機(マルチパーパス高速冷却遠心機、「KUBOTA6700」、久保田製作所製)で8000rpm、10分間、5℃の条件で遠心分離にかけた後、回収した上澄み液を吸引ろ過(ろ紙:[Whatman 42 Ashless]、110mm、あるいは[ADVANTEC TOYO 1]、110mm)した。
得られた抽出液をロータリーエバポレーター(「BUCHI RE111 Rotavapor」、柴田科学株式会社製)で濃縮乾固して、メタノール抽出物(31.0g、収率:3.26%)を得た。
次に、得られた抽出物を酢酸エチルと水で分配してと有機層(Me-EA)と水層(Me-H)を得た。
製造例3[ヒトデ有機溶剤抽出物の濃縮・精製画分の製造(2)]
製造例2で得た有機層(Me-EA)は、溶離液としてクロロホルム−メタノール−水系を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離し、溶剤混合比により6つの画分(Me-EA-A〜F)に分画した。
次いで、上記6画分のうちクロロホルム:メタノール:水(80:20:1)で溶出した画分(Me-EA-E)の70.0mg(収率7.37×10-3%)について、さらに展開溶媒にトルエン:エタノール(3:1)を使用して薄層クロマトグラフィーで分取を行い、5つの画分(Me-EA-E-a〜e)を得た。
上記5画分のうち、画分Me-EA-E-b(収量3.7mg、収率3.89×10-4%)及び画分Me-EA-E-c(収量17.0mg、収率1.79×10-3%)の2画分を取得した。これらの画分を、後述の植物成長・抑制効果試験に供した。
製造例4[ヒトデ有機溶剤抽出物の濃縮・精製画分の製造(3)]
製造例2で得た水層(Me-H)は、溶離液として水−メタノール系を用いてAmberlite XAD-2 カラムクロマトグラフィーで分離し、溶剤濃度比による5つの画分(Me-H-A〜E)に分画した。
次いで、上記5画分のうち75%メタノールで溶出した画分Me-H-D(収量230.0mg、収率2.42×10-2%)を、溶離液に水−メタノール系を用いてODS カラムクロマトグラフィーで分離し、溶剤濃度比により4つの画分(Me-H-D-a〜d)を得た。
上記画分のうち、75%メタノールで溶出した水溶性画分Me-H-D-c(収量131.4mg、収率1.38×10-2%)について、植物成長促進・抑制効果試験に供した。
試験例1
製造例1のヒトデ温水抽出物の濃縮・精製水溶性画分(H-W)並びに製造例3のヒトデ有機溶剤抽出物の濃縮・精製脂溶性画分(Me-EA-E-b)と濃縮・精製脂溶性画分(Me-EA-E-c)の2画分及び製造例4のヒトデ有機溶剤の濃縮・精製水溶性画分(Me-H-D-c)について、以下の植物生長促進・抑制効果試験を実施した。
植物生長促進・抑制効果試験はコマツナ発芽・初期生育試験として実施した。各画分溶液は2mL、コントロールは水道水2mLをそれぞれ含ませた濾紙上にコマツナ種子を播種後、25℃、12L/12Dの明暗サイクル条件下で72時間インキュベートし、コマツナの生育状況を観察した。
生育状況は、直接測定法を使用して、コマツナの茎長(TOP)と根長(ROOT)と全長(TOTAL)を測定し、各画分の活性の強弱を判断した。
製造例2で得られた画分(H-W)50個体を実験した結果について、平均値と標準偏差で表1に示す。
表に示したように、画分(H-W)は、平均値でコマツナの発芽および初期生育を顕著に促進させた。
この画分について1H-NMRを用いて分析を行ったところ、糖類などを含有することが推定された。
Figure 2005247699
製造例3で得られた画分(Me-EA-E-b)12個体を実験した結果について、平均値と標準偏差で表2に示す。
表2から明らかなように、画分(Me-H-D-b)は、コマツナ種子の発芽・初期生育を顕著に促進した。
この画分について1H-NMRを用いて分析を行ったところ、グリセロ糖脂質を含有することが推定された。
Figure 2005247699
製造例3で得られた画分(Me-EA-E-c)12個体を実験した結果について、平均値と標準偏差で表3に示す。
表3から、画分(Me-EA-E-c)は、コマツナの発芽・初期生育を顕著に促進したことが分かる。
この画分について1H-NMRを用いて分析を行ったところ、グリセロ糖脂質を含有することが推定された。
Figure 2005247699
製造例4で得られた画分(Me-H-D-c)12個体を実験した結果について、平均値と標準偏差で表4に示す。
この表から、画分(Me-H-D-c)は、コマツナ種子の発芽・初期生育を顕著に阻害したことが分かる。
この画分について1H-NMRを用いて分析を行ったところ、サポニンを含有することが推定された。
Figure 2005247699
以上の結果から、ヒトデ温水抽出物の濃縮・精製水溶性画分(H-W)並びにヒトデ有機溶剤抽出物の濃縮・精製脂溶性画分(Me-EA-E-b)と濃縮・精製脂溶性画分(Me-EA-E-c)は、植物生長について顕著に促進するこが明らかとなった。
また、ヒトデ有機溶剤の濃縮・精製水溶性画分(Me-H-D-c)は、植物生長について顕著に抑制することが明らかになった。
本発明により、ヒトデの有効利用技術が確立され、ヒトデ由来の温水抽出物あるいは有機溶剤抽出物から濃縮・精製される活性画分を含有する植物生長促進剤ないし植物生長抑制剤が提供される。
本発明に係る活性画分は、水生動物であるヒトデに由来するものであり、取り扱いが平易で、しかも安全性が高く、環境への副作用の心配がない。
本発明の植物生長促進剤並びに植物生長抑制剤は、かかる天然生物資源に由来し、合成された肥料や農薬に代わる環境調和型の生物資源肥料・農薬あるいはその素材として、広く園芸・農業分野で利用できる。
したがって、本発明は安全、かつ安心な農産物生産に寄与するとともに、水産廃棄物ヒトデの有効利用として漁業振興に資することが期待できる。

Claims (5)

  1. ヒトデの温水抽出物を水と有機溶剤で2層分配して得た水溶性画分の濃縮・精製画分を含有する植物生育促進剤。
  2. ヒトデの有機溶剤抽出物を濃縮し、該濃縮物を水と有機溶剤で2層分配して得た有機層の濃縮・精製画分を含有する植物生育促進剤。
  3. ヒトデの有機溶剤抽出物を濃縮し、該濃縮物を水と有機溶剤で2層分配して得た水層の濃縮・精製画分を含有する植物生育抑制剤。
  4. 請求項1又は2記載の植物生長促進剤を含有する肥料・農薬もしくはその素材。
  5. 請求項3記載の植物生長抑制剤を含有する肥料・農薬もしくはその素材。

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