JP2005246108A - 有機廃棄物の処理方法及びその処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 極めて簡単な工程又は構成で、比較的短期間に、メタンガスを発生せずに、水素を主成分とするガスを有機廃棄物から分離する。
【解決手段】 硫酸鉄系水溶液に有機廃棄物が分散した分散液11が貯留槽12に貯留され、イオン交換能を有する粘土層24により被覆された正極板13が貯留槽12の内底部に敷設される。貯留槽12に収容された負極板14が分散液11に浮いて設けられ、正極板13及び負極板14間に5〜20Vの直流電圧が直流電源16により印加される。また貯留槽12の内底壁17bが電気絶縁性を有する多孔質板により形成され、正極板13が網状に形成される。更に負極板14が網状に形成され、負極板14にフロート26が取付けられる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、畜産廃棄物や厨房系廃棄物等の有機廃棄物を処理する方法及び装置に関するものである。
従来、ニッケル、コバルト又は鉄を担持する炭化水素類分解触媒を収納した反応容器に、メタン等の炭化水素類を導入して加熱し、炭化水素類を分解して水素を発生させる水素製造ステップと、この水素製造ステップで生成した水素を含むガスを、金属酸化物を収納したカセットに導入して加熱する還元ステップとからなる炭化水素類の分解方法(例えば、特許文献1参照。)が開示されている。この炭化水素類の分解方法では、還元ステップから排出したガスをクローズ状態で水素製造ステップへ還流して、水素製造ステップと還元ステップとを繰返すように構成される。
このように構成された炭化水素類の分解方法では、水素製造ステップにおいてメタン等の炭化水素類を分解することにより、発生した水素を用いて、還元ステップにおいて金属酸化物を還元する。この還元された金属酸化物は水又は水蒸気により酸化することにより純粋な水素を供給するので、水素を必要とする装置への水素の供給源として使用できるようになっている。
国際公開番号WO2001/096233号(請求項1、第8頁)
しかし、上記従来の特許文献1に示された炭化水素類の分解方法では、有機廃棄物を発酵させてメタンガス等の炭化水素類を生成する必要があり、このメタン発酵に25日程度と極めて長期間を要する問題点があった。
本発明の第1の目的は、極めて簡単な工程又は構成で、比較的短期間に、メタンガスを発生せずに、水素を主成分とするガスを有機廃棄物から分離できる、有機廃棄物の処理方法及びその処理装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、貯留槽内の分散液が減少しても、分散液中の有機廃棄物の分解効率を低下させない、有機廃棄物の処理方法及びその処理装置を提供することにある。
本発明の第3の目的は、水素ガスを主成分とするガスが分離して分散液中に残った水を主成分とする液体を速やかに排出でき、また分散液から分離した水素ガスを主成分とするガスを負極板を通って分散液の上方に速やかに分離できる、有機廃棄物の処理方法及びその処理装置を提供することにある。
請求項1に係る発明は、図1に示すように、硫酸鉄系水溶液に有機廃棄物が分散した分散液11を調製する工程と、この分散液11に浸漬されかつイオン交換能を有する粘土層24にて被覆された正極板13と上記分散液11に浸漬されかつ正極板13に対向する負極板14との間に5〜20Vの直流電圧を印加することにより分散液11から水素ガスを主成分とするガスを発生させる工程とを含む有機廃棄物の処理方法である。
この請求項1に記載された有機廃棄物の処理方法では、正極板13及び負極板14間に5〜20Vの直流電圧を印加すると、硫酸鉄系水溶液中の鉄イオンを含む金属イオンが分散液11中の有機廃棄物の電解を促進するとともに、粘土層24が分散液11中の有機廃棄物の分解を促進するので、メタンガスが発生することなく、水素を主成分とするガスを分散液11中の有機廃棄物から直接分離できる。また水素ガスを主成分とするガスが分離して分散液11中に残った有機物は粘土層24に吸着される。
また正極板13と負極板14との間に直流電圧を印加するときに、分散液11を20〜60℃に保持すると、有機廃棄物の分解がより一層促進され、好ましい。
請求項4に係る発明は、図1に示すように、硫酸鉄系水溶液に有機廃棄物が分散した分散液11を貯留する貯留槽12と、イオン交換能を有する粘土層24により被覆され貯留槽12の内底部に敷設された正極板13と、貯留槽12に収容され分散液11に浮いて設けられた負極板14と、正極板13及び負極板14間に5〜20Vの直流電圧を印加する直流電源16とを備えた有機廃棄物の処理装置である。
この請求項4に記載された有機廃棄物の処理装置では、正極板13及び負極板14間に5〜20Vの直流電圧を印加すると、硫酸鉄系水溶液中の鉄イオンを含む金属イオンが分散液11中の有機廃棄物の電解を促進するとともに、粘土層24が分散液11中の有機廃棄物の分解を促進するので、メタンガスが発生することなく、水素を主成分とするガスが分散液11の上方に分離される。また水素ガスを主成分とするガスが分離して分散液11中に残った有機物は粘土層24に吸着される。更に貯留槽12内の分散液11が減少しても、正極板13及び負極板14の分散液11への接触面積が変化しないため、有機廃棄物の分解効率は低下しない。
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明であって、更に図1に示すように、貯留槽12の内底壁17bが電気絶縁性を有する多孔質板により形成され、正極板13が網状に形成されたことを特徴とする。
この請求項5に記載された有機廃棄物の処理装置では、水素ガスを主成分とするガスが分離して分散液11中に残った水を主成分とする液体が粘土層24、正極板13、粘土層24及び内底壁17bを通って排出される。
請求項6に係る発明は、請求項4に係る発明であって、更に図1に示すように、負極板14が網状に形成されかつ負極板14にフロート26が取付けられたことを特徴とする。
この請求項6に記載された有機廃棄物の処理装置では、負極板14が網状に形成されているので、分散液11から分離した水素ガスを主成分とするガスが負極板14を通って分散液11の上方に速やかに分離する。
また貯留槽12内の分散液11が温度調節手段21により20〜60℃に保持されると、有機廃棄物の分解がより一層促進され、好ましい。
以上述べたように、本発明によれば、硫酸鉄系水溶液に有機廃棄物が分散した分散液を調製し、分散液に浸漬されかつイオン交換能を有する粘土層にて被覆された正極板と分散液に浸漬されかつ正極板に対向する負極板との間に5〜20Vの直流電圧を印加することにより分散液から水素ガスを主成分とするガスを発生させたので、極めて簡単な工程で比較的短期間に、メタンガスが発生することなく、水素を主成分とするガスを分散液中の有機廃棄物から直接分離できる。また水素ガスを主成分とするガスが分離して分散液中に残った有機物は粘土層に吸着されるので、この有機物を吸着した粘土は有機肥料として再利用できる。
また硫酸鉄系水溶液に有機廃棄物が分散した分散液を貯留槽に貯留し、イオン交換能を有する粘土層により被覆された正極板を貯留槽の内底部に敷設し、貯留槽に収容された負極板を分散液に浮いて設け、更に正極板及び負極板間に5〜20Vの直流電圧を直流電源により印加すれば、硫酸鉄系水溶液中の鉄イオンを含む金属イオンが分散液中の有機廃棄物の電解を促進するとともに、粘土層が分散液中の有機廃棄物の分解を促進するので、極めて簡単な構成で比較的短期間に、メタンガスが発生することなく、水素を主成分とするガスを分散液の上方に分離できる。また水素ガスを主成分とするガスが分離して分散液中に残った有機物は粘土層に吸着されるので、上記と同様に、この有機物を吸着した粘土は有機肥料として再利用できる。また貯留槽内の分散液が減少しても、正極板及び負極板の分散液への接触面積が変化しないため、有機廃棄物の分解効率は低下しない。
また貯留槽の内底壁を電気絶縁性の多孔質板により形成し、正極板を網状に形成すれば、水素ガスを主成分とするガスが分離して分散液中に残った水を主成分とする液体が粘土層、正極板、粘土層及び内底壁を通って排出される。この水を主成分とする液体は生物化学的酸素要求量(BOD)が少ないので、比較的簡単な処理を行うだけで河川に排水でき、環境汚染を防止できる。更に負極板を網状に形成しかつ負極板にフロートを取付ければ、分散液から分離した水素ガスを主成分とするガスが負極板を通って分散液の上方に速やかに分離できる。
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、有機廃棄物の処理装置10は、硫酸鉄系水溶液に有機廃棄物が分散した分散液11を貯留する貯留槽12と、貯留槽12の内底部に敷設された正極板13と、貯留槽12に収容された負極板14と、正極板13及び負極板14間に所定の直流電圧を印加する直流電源16とを備える。有機廃棄物としては、農産廃棄物、畜産廃棄物、水産廃棄物、木質系廃棄物、食品加工廃棄物、製紙業廃棄物、厨房系廃棄物が挙げられる。ここで、農産廃棄物とは、農業や農産物の収穫、集荷、加工などから排出される、わら類、籾殻、ぬか、とうもろこし屑、種子殻、澱粉粕、植物油粕、余剰根菜類等である。畜産廃棄物とは、畜産業や畜産業の加工などから排出される、牛、豚、馬、鶏等の家畜や家禽の糞尿、内臓、解体残渣等である。水産廃棄物とは、水産業、水産物の加工、鮮魚店などから排出される、魚類内蔵やひれなどのあら、魚介類加工屑、海草屑等である。木質系廃棄物とは、林業、木材加工業、木造家屋の解体などから排出される、おが屑、樹皮、のこ屑、かんな屑、廃木材等である。食品加工廃棄物とは、食品加工、食品製造、食品流通などから排出される、おから、廃食用油、賞味期限切れ食品、醸造粕、発酵粕等である。製紙業廃棄物とは、製紙、パルプ業などから排出される、黒液(チップ蒸解工程より排出される脱リグニン用アルカリ液)、パルプ廃液、セルロース排液等である。厨房系廃棄物とは、家庭の台所やレストランの厨房などから排出される、種々の食品の混合した生ゴミである。また硫酸鉄系水溶液としては、硫酸第一鉄(FeSO4)、硫酸第二鉄(Fe2(SO43)、硫酸第二鉄を主とする鉄錯体に対して硫酸第一鉄と硫酸マグネシウムを配合した水溶液(以下、鉄錯体系水溶液という)等を用いることが好ましい。なお、上記有機廃棄物が固形である場合には、平均粒径0.5〜1mm程度に細かく粉砕した後に、硫酸鉄系水溶液に分散される。
一方、貯留槽12は、底壁17a、内底壁17b及び側壁17cからなる槽本体17と、槽本体17の上面開口部17dを開放可能に閉止する蓋体18とを有する。底壁17a及び側壁17cは液密を保つように形成され、貯留槽12の側壁17c及び内底壁17bは電気絶縁性を有し、内底壁17bはアルミナ、ムライト、炭化ケイ素、窒化ケイ素等のセラミック等の多孔質板により形成される。この内底壁17bは、気孔率が15〜25%であって、表面から裏面に連通する連続的多孔質に形成される。内底壁17bの気孔率を15〜25%の範囲に限定したには、15%未満では分散液の透過率が少な過ぎ、25%を越えると濾過材としての強度が低下するとともに、分散液の保水性が低下するからである。蓋体18は気密を保つように槽本体17の上面開口部17dを閉止するように構成される。また底壁17aは一方から他方に向って次第に低くなる傾斜壁であり、底壁17aの他方に接続される側壁17c下部には排液パイプ19の一端が接続される。排液パイプ19の他端は排液処理装置(図示せず)に接続される。また側壁17cの壁内には、貯留槽12に貯留された分散液11を20〜60℃、好ましくは30〜55℃に保持するヒータ21aが設けられ、このヒータ21aは上記分散液11の温度を検出する温度センサ(図示せず)の検出出力に基づいてコントローラ(図示せず)によりオンオフ制御される。上記ヒータ21a、温度センサ及びコントローラにより温度調節手段21が構成される。ここで、分散液11の温度を20〜60℃の範囲に限定したのは、本発明による有機廃棄物が化学反応であるため、20℃未満では分散液11中の有機廃棄物の分解効率が大きく低下し、60℃を越えるとタンパク質の変性が起こり有機廃棄物の分解効率が低下するからである。蓋体18には排気パイプ22の一端が接続され、この排気パイプ22の他端はガス処理装置(図示せず)に接続される。また蓋体18にはこの蓋体18上面に対して所定の角度で減速機付モータ23aが取付けられ、この減速機付モータ23aの出力軸には蓋体18を貫通して貯留槽12内の分散液11中に挿入される撹拌軸23bが連結され、撹拌軸23bの下端には分散液11を撹拌するための撹拌羽根23cが固着される。減速機付モータ23a、撹拌軸23b及び撹拌羽根23cにより撹拌装置23が構成される。
正極板13は、線径3〜5mmの鉄線を用いて目開き20〜50mmの網状に形成されることが好ましい。またイオン交換能を有する粘土層24としては、ベントナイト、バーミキュライト、ゼオライト等が挙げられ、粘土層24の厚さは10〜20mmであることが好ましい。負極板14も、正極板13と同様に、線径3〜5mmの鉄線を用いて目開き20〜50mmの網状に形成されることが好ましい。この負極板14の周囲にはフロート26が取付けられ、このフロート26の浮力により負極板14が分散液11に浮くように構成される。ここで、正極板13及び負極板14の鉄線の線径を3〜5mmの範囲に限定したのは、3mm未満では電極の消耗が激しく、5mmを越えると貯留槽12内の分散液11の対流が低下するからである。また正極板13及び負極板14の網の目開きを20〜50mmの範囲に限定したのは、20mm未満では貯留槽12内の分散液11の対流が低下し、50mmを越えると電流が低下するからである。更に粘土層24の厚さを10〜20mmの範囲に限定したのは、10mm未満では正極板13から剥がれかつ正極板63を露出させるおそれがあり、20mmを越えると分散液11が浸透し難くなりかつ水素を主成分とするガスが分離して分散液11中に残った有機物の吸着効率が低下するからである。正極板13及び負極板14間には、直流電源16により5〜20V、好ましくは5〜10Vの直流電圧が印加される。直流電源16は5〜20V、好ましくは5〜10Vの範囲で無段階に又は段階的に直流電圧を調整可能に構成される。ここで、正極板13及び負極板14間に印加される直流電圧を5〜20Vの範囲に限定したのは、5V未満では分散液11中の有機廃棄物の分解効率が低下し、20Vを越えると発熱作用による電力ロスが発生するからである。
このように構成された有機廃棄物の処理装置10の動作を説明する。
先ず硫酸鉄系水溶液に有機廃棄物が分散した分散液11を調製し、この分散液11を貯留槽12に貯留した後に、槽本体17の上面開口部17dを蓋体18により気密を保つように閉止する。この貯留槽12に貯留された分散液11は温度調節手段21により20〜60℃、好ましくは30〜55℃の範囲の所定の温度に調節されるとともに、撹拌装置23により撹拌される。次に正極板13と負極板14との間に5〜20V、好ましくは5〜10Vの直流電圧を印加する。これにより硫酸鉄系水溶液中の鉄イオンを含む金属イオンが分散液11中の有機廃棄物の電解を促進するとともに、粘土層24が分散液11中の有機廃棄物の分解を促進するので、比較的短期間に、メタンガスが発生することなく、水素を主成分とするガスが負極板14の網目を通って分散液11の上方に分離される。このガスは排気パイプ22を通ってガス処理装置に送られる。このガスには、70〜90体積%のH2と、2〜4体積%のCO2と、僅かなH2S、NH3等が含まれる。排ガス処理装置では、図示しないが、H2、CO2、H2S、NH3等を含むガスと消石灰水溶液又は消石灰分散液とを混合して反応させることにより、CaS、CaCO3又はNH4OHを主成分とする副生物を生成する。この結果、上記ガスは高純度(純度98%以上)のH2に精製されるので、燃料として再利用できる。
また貯留槽12内の分散液11が減少しても、正極板13及び負極板14の分散液11への接触面積が変化しないため、有機廃棄物の分解効率は低下せず、常に一定に保つことができる。また水素ガスを主成分とするガスが分離して分散液11中に残った水を主成分とする液体は、粘土層、正極板、粘土層及び内底壁を通って排出される。この水を主成分とする液体は生物化学的酸素要求量(BOD)が少ないので、比較的簡単な構成の排液処理装置で処理しただけで河川に流すことができ、環境汚染を防止できる。更に水素ガスを主成分とするガスが分離して分散液11中に残った有機物は粘土層24に吸着されるので、粘土層24に所定量以上の有機物が吸着されたときに、この有機物を粘土層24とともに正極板13から剥がして乾燥することにより、有機肥料として再利用できる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
図2に示すように、インナ貯留槽53とアウタ貯留槽54を有する2重構造の貯留槽52を用いて有機廃棄物の処理を行った。インナ貯留槽53は、液密を保つ内側壁53aと、多孔質のセラミック板により形成され内側壁53aの下面開口部を閉止する内底壁53bとを有する。この内底壁53bは気孔率23%の連通孔を有する。アウタ貯留槽54は、外底壁54b及び外側壁54cにより構成される外槽本体54aと、この外槽本体54aの上面開口部を開放可能に閉止する蓋体54dとを有する。外底壁54b及び外側壁54cは液密を保つように構成され、蓋体54dは気密を保つように外槽本体54aの上面開口部を閉止するように構成される。インナ貯留槽53の縦、横及び高さは内のり寸法で170mm、300mm及び230mmであり、アウタ貯留槽54の縦、横及び高さは内のり寸法で240mm、385mm及び265mmであった。また外底壁54bには排液パイプ55の一端を接続し、排液タイプ55の他端を排液貯留槽56に接続した。蓋体54dには排気パイプ57の一端を接続し、排気パイプ57の他端をガス充填袋58に接続した。更にインナ貯留槽53には、両面が厚さ20mmの粘土層74により被覆された正極板63を敷設した。なお、正極板63は、線径3mmの鉄線を用いて目開き25mmの網を縦及び横が280mm及び150mmである長方形状に形成した。また粘土層74はベントナイトからなるイオン交換能を有する粘土を正極板63に塗付けて形成した。更にインナ貯留槽53の内底壁53bをアウタ貯留槽54の底壁54bから離して内底壁53bを通過する水分の浸透性を良好にするために、底壁54b及び内底壁53b間に複数の角状部材59を介装した。
一方、有機廃棄物である生ゴミの粉砕物3kgと、水2.6リットルと、鉄錯体系水溶液(硫酸鉄系水溶液)0.003リットルとを混合して分散体61を調製し、この分散体61をインナ貯留槽53に貯留した。この分散体61に負極板64を浮かせた。負極板64は、線径3mmの鉄線を用いて目開き25mmの網を縦及び横が280mm及び150mmである長方形状に形成した。また負極板64の周囲にはフロート66を取付けた後に、外槽本体54aの上面開口部を蓋体54dにより閉止した。次に分散液61を撹拌装置(図示せず)により撹拌し、かつ分散液61の温度を温度調節手段(図示せず)にて55℃に保った状態で、直流電源76を用いて正極板63及び負極板64間に10Vの直流電圧を印加した。
<実施例2>
有機廃棄物として生ゴミの粉砕物1.6kgと、牛糞0.2kgと、牛尿1.2kgと、水0.5kgと、鉄錯体系水溶液(硫酸鉄系水溶液)0.003リットルとを混合して分散体を調製した。この分散体を実施例1と同一の装置のインナ貯留槽に貯留した状態で、直流電源を用いて正極板及び負極板間に10Vの直流電圧を印加した。
<比較例1>
有機廃棄物として生ゴミの粉砕物1.6kgと、牛糞0.2kgと、牛尿1.2kgと、水0.5kgとを混合して分散体を調製した。この分散体を実施例1と同一の装置のインナ貯留槽に貯留した。但し、正極板及び負極板間に直流電圧を印加しなかった。
<比較試験及び評価>
実施例1の分散体をインナ貯留槽に貯留した状態で正極板及び負極板間に10Vの直流電圧を91時間印加した後と、実施例2の分散体をインナ貯留槽に貯留した状態で正極板及び負極板間に10Vの直流電圧を182時間印加した後と、比較例1の水をインナ貯留槽に貯留した状態で20日間放置した後における、ガス充填袋に貯まったガスの発生割合と、そのガスの成分及び量を調べた。その結果を表1に示す。ガスの発生割合は、ガス充填袋に貯まったガスの処理物(生ゴミ、牛の糞尿、水)に対する体積割合である。
Figure 2005246108
表1から明らかなように、比較例1ではガス発生量が16倍と少なかったのに対し、実施例1及び2では23倍及び21倍と多かった。また比較例1ではCH4ガスが58.5体積%と比較的多く発生したけれども、H2ガスが全く発生しなかったのに対し、実施例1及び2ではCH4ガスが0.07体積%及び0.05体積%と極めて少なかったけれども、H2ガスが86.84体積%及び71.88体積%と極めて多く発生した。この結果、実施例ではCH4ガスを殆ど発生させずに、H2ガスを直接発生できることが判った。
本発明実施形態の有機廃棄物の処理装置を示す断面構成図である。 実施例1の有機廃棄物の処理装置を示す断面構成図である。
符号の説明
10 有機廃棄物の処理装置
11,61 分散液
12,52 貯留槽
13,63 正極板
14,64 負極板
16,76 直流電源
17b,53b 内底壁
21 温度調節手段
24,74 粘土層
26,66 フロート

Claims (8)

  1. 硫酸鉄系水溶液に有機廃棄物が分散した分散液(11,61)を調製する工程と、
    前記分散液(11,61)に浸漬されかつイオン交換能を有する粘土層(24,74)にて被覆された正極板(13,63)と前記分散液(11,61)に浸漬されかつ前記正極板(13,63)に対向する負極板(14,64)との間に5〜20Vの直流電圧を印加することにより前記分散液(11,61)から水素ガスを主成分とするガスを発生させる工程と
    を含む有機廃棄物の処理方法。
  2. 有機廃棄物が、農産廃棄物、畜産廃棄物、水産廃棄物、木質系廃棄物、食品加工廃棄物、製紙業廃棄物又は厨房系廃棄物である請求項1記載の有機廃棄物の処理方法。
  3. 正極板(13,63)と負極板(14,64)との間に直流電圧を印加するときに、分散液(11,61)を20〜60℃に保持する請求項1記載の有機廃棄物の処理方法。
  4. 硫酸鉄系水溶液に有機廃棄物が分散した分散液(11,61)を貯留する貯留槽(12,52)と、
    イオン交換能を有する粘土層(24,74)により被覆され前記貯留槽(12,52)の内底部に敷設された正極板(13,63)と、
    前記貯留槽(12,52)に収容され前記分散液(11,61)に浮いて設けられた負極板(14,64)と、
    前記正極板(13,63)及び前記負極板(14,64)間に5〜20Vの直流電圧を印加する直流電源(16,76)と
    を備えた有機廃棄物の処理装置。
  5. 貯留槽(12,52)の内底壁(17b,53b)が電気絶縁性を有する多孔質板により形成され、正極板(13,63)が網状に形成された請求項4記載の有機廃棄物の処理装置。
  6. 負極板(14,64)が網状に形成されかつ前記負極板(14,64)にフロート(26,66)が取付けられた請求項4記載の有機廃棄物の処理装置。
  7. 有機廃棄物が、農産廃棄物、畜産廃棄物、水産廃棄物、木質系廃棄物、食品加工廃棄物、製紙業廃棄物又は厨房系廃棄物である請求項4記載の有機廃棄物の処理装置。
  8. 貯留槽(12,52)内の分散液(11,61)を20〜60℃に保持する温度調節手段(21)を更に備えた請求項4記載の有機廃棄物の処理装置。
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