JP2005243836A - 電子回路基板の製造方法、及び電子回路基板用cad/camシステム - Google Patents

電子回路基板の製造方法、及び電子回路基板用cad/camシステム Download PDF

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Abstract

【課題】 エッチング代の確保と、エッチング代確保に伴いメッキレジスト層の面積が減少したときの導体分離不良による短絡の防止との双方を考慮した電子回路基板の製造方法を提供する。
【解決手段】 エッチング工程におけるエッチング代を反映した補正量により面積拡張方向に補正しつつメッキウィンドウを作成するとともに、該補正に際して同一導体層内にて隣接する2つの導体要素間の距離が基準値以上に確保されている場合には、予め定められた標準補正量を使用する一方、その距離が基準値を下回る前記導体要素に対しては、それら導体要素に対応したメッキウィンドウ間に位置する前記メッキレジスト層の過度の狭幅化を抑制するために、標準補正量よりも小さいメッキレジスト層保護補正量を使用することを特徴とする製造方法として提供可能である。
【選択図】 図23




Description

本発明は、電子回路基板の製造方法、電子回路基板用CAD/CAMシステムに関するものである。
特開2000−276505号公報
ICやマイクロプロセッサ等の半導体チップは、近年高集積化が急速に進んでいることから、チップの入出力部の端子数も大幅に増大しつつある。これを受けて、そのようなチップを接続するための電子回路基板も線路導体の数が急増しており、高分子材料やセラミック等の誘電体層を介して多層の線路導体を作り込んだ積層型のパッケージ基板が増えてきている。最近では、このような電子回路基板の設計を効率よく行なうために、コンピュータ作図処理を用いた設計システム、いわゆるCAD(Computer Aided Design)システムが使用されている(特許文献1参照)。これは、表示装置上に作図画面を開き、線路導体、接地用あるいは電源用の面導体、異なる配線層同士を接続するビア、あるいは配線端子部をなすパッドやランドなどの基板要素を、CADデータとして、マウス等の入力装置を用いて作図レイヤ上に描くことにより基板設計図を得るものである。
ところで、従来のCADシステムにおいては、基板設計図上に入力された基板要素の位置や形状あるいは寸法は、あくまで完成基板での情報として入力されるので、電子回路基板の製造工程において直接利用できない場合がある。例えば、線路導体、ランド、パッド、グランド用ないし電源用の面導体などは、セラミック基板の場合は、セラミックグリーンシート上に導体ペーストを用いて導体パターンを印刷形成し、焼成することにより形成され、オーガニック基板の場合は、フォトリソグラフィーを用いた金属薄層のエッチングにより導体パターンが形成される。さらに、ビアに関しては、レーザーによる穿孔加工又はビルドアップ層をなす光硬化性樹脂へのフォトビアプロセスにより形成される。
ところで、設計図に盛り込まれた各基板要素のCADデータ(寸法、形状あるいは基板内の形成位置など)は、あくまで製品基板をイメージしつつ入力される設計情報である。これに対し、該設計図を用いて実際に基板を製造する際に必要となるのは各基板要素に対応した製造用図形情報であり、製品基板の設計情報であるCADデータからの乖離が大きい場合は、基板要素のCADデータを基板製造に直接使用することができない。
例えば、フォトリソグラフィーによる導体パターンやビアの形成に際しては、個々の回路基板要素の形成状態に応じてエッチング条件が相違するなどの理由により、個別の変換条件を考慮する必要がある。具体的には、導体層中の線路導体や面導体などの基板要素は、パターンメッキと称される手法により形成されることが多い。この手法においては、導体層を形成すべき誘電体層上に無電解Cuメッキ等により薄いメッキ用下地導電層を形成し、その上に基板要素形状のメッキウィンドウを有したメッキレジスト層を、露光マスクを用いたフォトリソグラフィー工程により形成する。そして、メッキ用下地導電層を電流供給路として、メッキレジスト層のメッキウィンドウ内に、基板要素となるべきパターンメッキ層を電解メッキにより選択的に形成する。その後、メッキレジスト層を除去し、さらに、パターンメッキ層の外側に残留している不要なメッキ用下地導電層をエッチングにより除去して、個々の基板要素をなすパターンメッキ層を電気的に分離する。
上記工程において不要なメッキ用下地導電層をエッチングする際には、該メッキ用下地導電層上に形成したパターンメッキ層をエッチングレジスト層で選択的に覆い、パターンメッキ層の損耗を防止しつつ、不要なメッキ用下地導電層をエッチング除去する方法が考えられる。しかし、この方法は、エッチングレジスト層を形成するために余分なフォトリソグラフィー工程が必要となるばかりでなく、パターンメッキ層のみをエッチングレジスト層で精密に覆うこと自体が困難であり、パターンメッキ層の寸法精度を確保することが困難な場合が多い。
そこで、簡便な方法として、パターンメッキ層がメッキ用下地導電層と比較してはるかに厚いことを利用し、パターンメッキ層をエッチングレジスト層で敢えて覆わずにエッチングを行なう方法が慣用されている。この場合、パターンメッキ層はメッキ用下地導電層とともにエッチングされるので、最終的に得るべき線路導体や面導体の設計寸法に対しエッチング代だけ面積拡張した形で形成する必要がある。しかし、このエッチング代が一定しないため、線路導体や面導体のCADデータの、パターンメッキ用の露光マスクに形成するメッキウィンドウへの変換は、経験に頼った手作業により行なわれることが多く、製造能率の低下や納期長期化が避けがたかった。
エッチング代だけ面積拡張補正した形で線路導体や面導体、ひいてはこれらに対応したメッキウィンドウを形成する方法では、その分だけメッキレジスト層の面積が縮小することになる。例えば、互いに近接する2つの導体を分離する形で設けられているメッキレジスト層は、ただでさえ幅が狭い上に、上記補正によりメッキウィンドウが拡大すると、その狭幅化の傾向は益々著しくなる。このように過度に狭幅化したメッキレジスト層においては、パターンメッキ工程でメッキ用下地導電層とメッキレジスト層の境界にメッキ液が浸透すると、その浸透圧力によってメッキレジスト層が簡単に剥離し易くなる。すると、本来メッキレジスト層が形成されるべき場所にパターンメッキ層が形成され、隣接するパターンメッキ層同士がそのパターンメッキ層を介して短絡する可能性がある。
また、メッキレジスト層が仮に剥離に至らなくとも、浸透したメッキ液とともにメッキ電流が回り込み、エッチングレジスト層で覆われたメッキ用下地導電層上に不要なメッキ成長が生じ、エッチング工程での除去が不十分となって同様に短絡につながる場合がある。
本発明の課題は、エッチング代の確保と、エッチング代確保に伴いメッキレジスト層の面積が減少したときの導体分離不良による短絡の防止との双方を考慮した電子回路基板の製造方法、およびそれに用いるための電子回路基板用CAD/CAMシステムを提供することにある。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記課題を解決するために、本発明の電子回路基板の製造方法は、
誘電体層と、導体線路又は面導体からなる導体要素を含む導体層とが交互に積層された構造を有し、メッキウィンドウをフォトリソグラフィー工程により形成したメッキレジスト層を、メッキ用下地導電層で覆った誘電体層上に形成するメッキレジスト形成工程と、メッキウィンドウ内の領域に前記導体要素を構成するパターンメッキ層を成長するパターンメッキ工程と、メッキレジスト層を除去し、その後、パターンメッキ層以外の領域に残留する不要なメッキ用下地導電層を、パターンメッキ層をエッチングレジスト層で覆わずにエッチング除去するエッチング工程とを順次実施することにより導体要素を形成するメッキウィンドウを作成する電子回路基板の製造方法であって、
導体要素の設計寸法を、エッチング工程におけるエッチング代を反映した補正量により面積拡張方向に補正しつつメッキウィンドウを作成するとともに、該補正に際して同一導体層内にて隣接する2つの導体要素間の距離が基準値以上に確保されている場合には、予め定められた標準補正量を使用する一方、その距離が基準値を下回る前記導体要素に対しては、それら導体要素に対応したメッキウィンドウ間に位置する前記メッキレジスト層の過度の狭幅化を抑制するために、標準補正量よりも小さいメッキレジスト層保護補正量を使用することを特徴とする。
本発明により、メッキレジスト層の狭幅化を防止することができるため、パターンメッキ工程でメッキ用下地導電層とメッキレジスト層の境界にメッキ液が浸透しても、その浸透圧力によってメッキレジスト層が簡単に剥離して、本来メッキレジスト層が形成されるべき場所にパターンメッキ層が形成されるということがなく、隣接するパターンメッキ層同士がそのパターンメッキ層を介して短絡することを防止できる。また、メッキレジスト層が仮に剥離に至らなくとも、浸透したメッキ液とともにメッキ電流が回り込み、エッチングレジスト層で覆われたメッキ用下地導電層上に不要なメッキ成長が生じ、エッチング工程での除去が不十分となって同様に短絡につながるということも防止できる。これらのことは、電子回路基板の製造能率と歩留まり向上に大いに寄与する。
また、本発明の電子回路基板の製造方法においては、上記同一導体層において第一導体部,空隙部および第二導体部がこの順序で配列した導体パターン構造が形成されている場合、その配列方向において、空隙部の幅が基準値以下である場合、当該空隙部の幅と第一導体部または第二導体部のうち狭幅となるものの幅との大小関係に基づいて、該導体部に対し標準補正量とメッキレジスト層保護補正量とのいずれを優先させるかを決定することができる。これにより、導体パターン構造において、標準補正量とメッキレジスト層保護補正量とのうちの、より適切な補正を優先して実施することが可能となり、電子回路基板の製造能率と歩留まり向上に大いに寄与する。
また、本発明の電子回路基板の製造方法においては、導体層が面導体を含み、その面導体に互いに隣接する2つのビア開口が形成され、それらビア開口の内側にそれぞれ該ビア開口の内縁とその間にドーナツ状のメッキレジスト層を形成する形でビア導体が配置されている場合、ビア開口の一方のものの内側に配置されたビア導体が第一導体部となし、そのビア開口内のドーナツ状のメッキレジスト層を空隙部とし、両ビア開口の間に形成されるくびれ形状の導体部を第二導体部とし、該空隙部の幅と第二導体部の幅のうち狭幅となるものの幅との大小関係に基づいて、該導体部に対し標準補正量と前記メッキレジスト層保護補正量とのいずれを優先させるかを決定することができる。これにより、面導体に互いに隣接して形成される内部にビア導体が配置される2つのビア開口においても、標準補正量とメッキレジスト層保護補正量とのうちの、より適切な補正を優先して実施することが可能となり、電子回路基板の製造能率と歩留まり向上に大いに寄与する。
さらに、本発明の電子回路基板の製造方法においては、空隙部の幅をD2とし第二導体部の幅のうち狭幅となるものの幅をD1としたときに、D1<D2の場合は標準補正量を適用し、D1>D2の場合はメッキレジスト層保護補正量を適用することができる。これによって、空隙部の幅と第二導体部の幅のうち狭幅となるもののうち、その形成がより容易でないと思われるものの補正を優先して実施することが可能となり、電子回路基板の製造能率と歩留まり向上に大いに寄与する。
また、本発明のCAD/CAMシステムは、
誘電体層と、導体線路又は面導体からなる導体要素を含む導体層とが交互に積層された構造を有した電子回路基板を設計かつ製造するためのCAD/CAMシステムであって、
電子回路基板に形成すべき導体層及び誘電体層に対応する複数の作図レイヤを設定する作図レイヤ設定手段と、
電子回路基板を構成する基板要素のうち、作図対象として予め定められたものを作図対象要素として、それら作図対象要素の設計上の寸法、形状及び配置位置を特定するためのCADデータを、作図レイヤ上に入力するCADデータ入力手段と、
作図対象要素又は該作図対象要素と関連付けた形で電子回路基板に形成される付加要素を製造対象要素として、該製造対象要素自体又は該製造対象要素の製造用治具の対応部分の、製造工程上の寸法、形状及び配置位置を特定するCAMデータを、CADデータからの変換により作成するCAMデータ変換手段と、
該CAMデータを出力するCAMデータ出力手段と、を備え、
電子回路基板は、メッキウィンドウをフォトリソグラフィー工程により形成したメッキレジスト層を、メッキ用下地導電層で覆った誘電体層上に形成するメッキレジスト形成工程と、メッキウィンドウ内の領域に導体要素を構成するパターンメッキ層を成長するパターンメッキ工程と、メッキレジスト層を除去し、その後、パターンメッキ層以外の領域に残留する不要なメッキ用下地導電層を、パターンメッキ層をエッチングレジスト層で覆わずにエッチング除去するエッチング工程とを順次実施することにより導体要素を形成したものであり、
前記CADデータ入力手段は、製造対象要素を電子回路基板の導体要素として、設計寸法を反映した導体要素の図形情報からなるCADデータを導体層の作図レイヤに入力するものであり、
CAMデータ変換手段は、フォトリソグラフィー工程の露光マスクに形成するメッキウィンドウの図形情報を、作成すべきCAMデータとして、設計寸法を反映した導体要素の図形情報からなる予め作成されたCADデータを、エッチング工程におけるエッチング代を反映した標準補正量により面積拡張方向に補正するとともに、該補正に際して同一導体層内にて隣接する2つの導体要素間の距離が基準値以上に確保されている場合には、標準補正量を使用する一方、その距離が基準値を下回る導体要素に対しては、それら導体要素に対応したメッキウィンドウ間に位置する前記メッキレジスト層の過度の狭幅化を抑制するために、標準補正量よりも小さいメッキレジスト層保護補正量を使用して、該導体要素の図形情報を前記メッキウィンドウの図形情報に変換する際の補正量を調整することを特徴とする。
上記本発明のCAD/CAMシステムにおいては、線路導体や面導体などの導体要素を、メッキウィンドウをパターン形成したメッキレジスト層を用いてパターンメッキするとともに、メッキ後に電解メッキの導通路となるメッキ用下地導電層を、工程簡略化のため、パターンメッキ層をエッチングレジスト層で覆わずにエッチング除去することを前提とする。本発明においては、設計寸法を反映した導体要素の図形情報からなるCADデータを、上記エッチング代を反映した標準補正量により面積拡張方向に補正するとともに、該補正に際して同一導体層内にて隣接する2つの前記導体要素間の距離が基準値以上に確保されている場合には、予め定められた標準補正量を使用する一方、その距離が基準値を下回る導体要素に対しては、それら導体要素に対応したメッキウィンドウ間に位置する前記メッキレジスト層の過度の狭幅化を抑制するために、標準補正量よりも小さいメッキレジスト層保護補正量を使用してメッキウィンドウの図形情報に変換する(以下、この変換を単に、導体要素の図形情報を「CAD/CAM変換する」などともいう)。本発明のCAD/CAMシステムを用いることによって、上記2つの補正量のいずれを使用するかを導体要素に応じて自動的に選択ことが可能となり、ひいては線路導体や面導体のCADデータを、パターンメッキ用露光マスクのメッキウィンドウからなるCAMデータに適正かつ効率的に変換することができる。
具体的には、CAMデータ変換手段を、メッキウィンドウの図形情報に変換する際の、補正による導体要素からの面積拡張比率が、該導体要素が線路導体である場合において面導体である場合よりも大きくなるように、標準補正量を定めるものとすることができる。細線状の線路導体は、面導体と比較して導体体積に対するエッチング表面積の比率が大きく、同じ条件でエッチングを施した場合に、エッチングによる面積縮小率が高くなる。換言すれば、線路幅に対するエッチング量の相対的な比率が大きくなるため、オーバーエッチングにより設計値よりも線幅が不足する不具合を招きやすくなる。そこで、設計上の導体要素面積からの拡張比率がより高くなるように、露光マスクのメッキウィンドウの図形情報に変換すれば、幅の狭い線路導体の場合もエッチングが過剰となる不具合を効果的に防止できる。また、エッチング代が相違する面導体と線路導体とが複雑に混在している場合でも、適正な補正量をCAMデータ変換手段により的確に設定でき、ひいては電子回路基板の製造能率と歩留まり向上に大いに寄与する。
CAMデータ変換手段は、導体要素が線路導体である場合、メッキウィンドウの図形情報に変換する際の補正による線路幅の拡張比率が、線路幅の小さい線路導体において線路幅の大きい線路導体よりも大きくなるように、標準補正量を定めるものとすることができる。線路導体同士で比較した場合、幅の狭い線路導体の方が、幅の広い線路導体よりも導体体積に対するエッチング表面積の比率が大きくなるので、該幅の狭い線路導体においてメッキウィンドウの図形情報に変換する際の補正による線路幅の拡張比率を大きくすれば、オーバーエッチングによる線幅不足不良を効果的に防止することができる。また、エッチング代が相違する種々の線幅の線路導体が複雑に混在している場合でも、適正な補正量をCAMデータ変換手段により的確に設定でき、ひいては電子回路基板の製造能率と歩留まり向上に大いに寄与する。
さらに、CAMデータ変換手段は、導体要素の設計寸法を、エッチング工程におけるエッチング代を反映した標準補正量により面積拡張方向に補正しつつメッキウィンドウを作成するとともに、該補正に際して同一導体層内にて隣接する2つの導体要素間の距離が基準値以上に確保されている場合には、標準補正量を使用する一方、その距離が基準値を下回る前記導体要素に対しては、それら導体要素に対応したメッキウィンドウ間に位置するメッキレジスト層の過度の狭幅化を抑制するために、標準補正量よりも小さいメッキレジスト層保護補正量を使用してメッキウィンドウを作成するものとすることができる。例えば、同一導体層において第一導体部,空隙部および第二導体部がこの順序で配列した導体パターン構造が形成され、その配列方向において、空隙部の幅が基準値以下である場合、当該空隙部の幅と第一導体部または第二導体部のうち狭幅となるものの幅との大小関係に基づいて、該導体部に対し標準補正量とメッキレジスト層保護補正量とのいずれを優先させるかを決定し、決定した補正量を以ってメッキウィンドウの図形情報に変換するものである。これにより、種々の線幅の線路導体および空隙部が複雑に混在している場合でも、適正な補正量をCAMデータ変換手段により的確に設定でき、ひいては電子回路基板の製造能率と歩留まり向上に大いに寄与する。
CADデータ入力手段は、導体要素をなす線路導体の図形情報を、線路導体の基準線の両端点と線路幅との組として入力するものとすることができる。この場合、CAMデータ変換手段は、該線路導体の図形情報に含まれる線路幅の情報を拡大方向あるいはメッキレジスト層の過度の狭幅化を抑制する方向に補正し、当該補正後の線路幅と基準線の両端点との組を、メッキウィンドウの図形情報として定めるものとすることができる。線路導体の図形は、厳密には有限の線幅を有した二次元的なものであるから、CAD上での表示には、その外形線を特定する必要がある。しかし、線路導体の性格上、マクロには幾何学的な線分として取り扱うことが、端点指定による図形特定が容易なため便利である。そこで、該端点の座標と線幅との組として線路導体の図形情報を与えると、設計入力作業が直感的で容易となり、また、外形線を直接規定するよりもデータ量が少なくて済む。さらに、このように記述された線路導体の図形情報を用いると、端点の情報をメッキウィンドウの図形情報として引き継ぐことができ、エッチング代の補正およびメッキレジスト層保護の補正も、CADデータに含まれる線路幅のデータにエッチング代を加算するか、あるいは一定の補正係数を乗ずる処理を行なうだけでよく、CAMデータへの変換処理を簡略化できる利点がある。
他方、CADデータ入力手段は、導体要素をなす面導体の図形情報を、該面導体の外形線を構成する線分データの集合として入力するものとすることができる。面導体は設計上の要請により、二次元形状がより多様なものとなるので、CADデータをなす図形情報を、外形線の線分データ(あるいはベクトルデータ)の集合として定義することが汎用性に富む。この場合、CAMデータ変換手段は、該面導体が面積拡大する方向あるいはメッキレジスト層の過度の狭幅化を抑制する方向に線分データを移動させる形で補正し、該補正後の線分データの集合をメッキウィンドウの図形情報として定めるものとすることができる。この方式は、面導体の形状によらず、線分データの端点(あるいは外形線の頂点でもある)の座標値を、図形面積が拡大する方向に変更することにより、メッキウィンドウの図形情報へ変換する補正を簡単に行なうことができる利点がある。
電子回路基板の基板要素は、導体層あるいは誘電体層に作りこまれる、基板構造上の回路構成単位である。導体層には、線路導体のほか、接地導体、電源導体、特殊形状線路導体(例えば幅方向両縁が平行とならない異形の線路導体などである)あるいはコンデンサ電極などをなす面導体、パッドやランドなどの端子部が基板要素として形成される。また、誘電体層には、異なる導体層間を電気的に接続するビアが基板要素として形成される。また、基板最表面側に位置する導体層には、フリップチップ接合等に使用される半田バンプの下地として使用される半田ランドを基板要素として形成することができる。この場合、その半田ランド上に後から形成される半田バンプも基板要素の一つである。さらに、基板最表面に形成される誘電体層が、半田ランドの周囲を覆うソルダーレジスト層である場合、そのソルダーレジスト層に形成される開口、例えば半田ランドを露出させるための半田用開口も基板要素の一つである。
また、基板要素は、その全てがCADによる作図対象とならない場合がある。例えば、半田ランド(あるいは半田用開口)を作図対象要素とする一方、該半田ランド上に後工程で形成される半田バンプを特にCAD上で作図しないことがある。この場合、半田ランドや半田用開口が作図対象要素であり、半田バンプは、該作図対象要素と関連付けた形で電子回路基板に形成される付加要素をなす。基板製造工程上で製造対象となる基板要素、すなわち製造対象要素は上記作図対象要素であり、また、半田バンプなどが付加要素として取り扱われる場合は、作図対象要素と付加要素とを合わせたものが製造対象要素である。
次に、本発明のコンピュータプログラムは、コンピュータにインストールすることにより、上記本発明の電子回路基板用CAD/CAMシステムを構成する各手段として当該コンピュータを機能させることを特徴とする。これにより、上記本発明のCAD/CAMシステムをコンピュータ上にて簡単に実現することができる。該コンピュータプログラムは、光記録媒体(CD−ROM、DVDなど)や光磁気記録媒体(MOなど)などの、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録しておき、専用の読取装置にてこれを読み取りつつ、コンピュータ側に設けられた固定記憶装置(例えばハードディスクドライブなど)上にインストールすることもできるし、プログラムの全体又は一部を、インターネットなどの電気通信回線を通じて上位コンピュータからダウンロードすることによっても、同様にインストールが可能である。
エッチング代の確保と、エッチング代確保に伴いメッキレジスト層の面積が減少したときの導体分離不良による短絡の防止との双方を考慮した電子回路基板の製造方法、およびそれに用いるための電子回路基板用CAD/CAMシステム、および該CAD/CAMシステムの機能をコンピュータ上にて実現するためのコンピュータプログラムとを、新たな工程あるいは設備を追加することなくことなく実現した。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例を参照して説明する。
図2は本発明の電子回路基板用CAD/CAMシステム100(以下、単にCAD/CAMシステムともいう)の一実施例の全体構成を示すブロック図である。CAD/CAMシステム100は、CPU103と、ROM104、RAM105、入出力インターフェース102等からなるコンピュータ本体112を備え、これに周辺機器として、キーボード106あるいはマウス107等の入力手段、CD−ROMドライブ108あるいはフレキシブルディスクドライブ(FDD)109等の記録媒体読取手段、ハードディスクドライブ(以下、HDDと記す)110、モニタ制御部111を介して接続されるモニタ113、プリンタ114等が接続されたコンピュータシステムとして、全体が構築されている。
なお、CPU103は、作図レイヤ設定手段、CADデータ入力手段、CAMデータ変換手段、及びCAMデータ出力手段等の主体をなすものである。また、キーボード106あるいはマウス107は、CPU103とともにCADデータ入力手段手段の主体をなすものである。さらに入出力インターフェース102は、作図が終了した電子回路基板の設計図面を印刷出力する図面出力手段の他、CAMデータ変換手段がCADデータに基づいて変換・作成したCAMデータを出力するCAMデータ出力手段として機能する。
HDD110には、オペレーティングシステムプログラム(以下、OSという)161及びアプリケーションプログラム(以下、アプリケーションという)162が格納されている。アプリケーション162は、CAD/CAMシステム100の機能を実現するためのコンピュータプログラムであり、OS161上にてアプリケーションワークメモリ152を作業領域とする形で作動するものである。これは、例えばCD−ROM120等にコンピュータ読み取り可能な状態で記憶され、HDD110上の所定の記憶領域にインストールされるものである。また、HDD110には、作成済の図面のデータファイル(CADデータファイル)163と、それに基づいて変換・生成されたCAMデータファイル164、さらに、CADデータをCAMデータに変換する際に使用する、補正テーブル(変換テーブル)などを含んだ補正データファイル165が記憶されている。一方、RAM105には、OS161のワークメモリ151、及びアプリケーションのワークメモリ152がそれぞれ形成される。
図1は、上記CAD/CAMシステム100の適用対処となる電子回路基板の一例を断面構造にて示している(この電子回路基板1はオーガニック基板として構成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、セラミック基板への適用も可能である)。すなわち、電子回路基板1は、耐熱性樹脂板(例えばビスマレイミド−トリアジン樹脂板)や、繊維強化樹脂板(例えばガラス繊維強化エポキシ樹脂)等で構成された板状のコア材2の両表面に、所定のパターンにコア導体層M1,M11がそれぞれ形成される。これらコア導体層M1,M11はコア材2の表面の大部分を被覆する面導体として形成され、電源層又は接地層として用いられるものである。他方、コア材2には、ドリル等により穿設されたスルーホール12が形成され、その内壁面にはコア導体層M1,M11を互いに導通させるスルーホール導体30が形成されている。また、スルーホール12は、エポキシ樹脂等の樹脂製穴埋め材31により充填されている。
また、コア導体層M1,M11の上層には、感光性樹脂組成物6にて構成された第一ビア層(誘電体層あるいはビルドアップ層)V1,V11がそれぞれ形成されている。さらに、その表面にはそれぞれ線路導体7を有する第一配線導体層M2,M12がCuメッキにより形成されている。なお、コア導体層M1,M11と第一配線導体層M2,M12とは、それぞれビア34により層間接続がなされている。同様に、第一配線導体層M2,M12の上層には、感光性樹脂組成物6を用いた第二ビア層(誘電体層あるいはビルドアップ層)V2,V12がそれぞれ形成されている。その表面にはそれぞれ第二配線導体層M3,M13がCuメッキにより形成されている。これら第一配線導体層M2,M12と第二配線導体層M3,M13とも、それぞれビア34により層間接続がなされている。ビア34は、ビアホール34hとその内周面に設けられたビア導体34sと、底面側にてビア導体34sと導通するように設けられたビアパッド34pと、ビアパッド34pと反対側にてビア導体34hの開口周縁から外向きに張り出すビアランド34lとを有している。
次に、コア材2の第一主表面側の第二ビア層V2上には表面配線導体層M3が形成され、ここに複数の半田ランド10や、その一部と導通する線路導体7が設けられている。これら半田ランド10は、無電解Ni−PメッキおよびAuメッキにより基板のほぼ中央部分に正方形状に配列し、各々その上に形成された半田バンプ11とともにチップ搭載部40(図4)を形成している。なお、半田ランド10が配置される誘電体層6(第二ビア層V2)の表面を、半田バンプ高さの基準として用いるバンプ基準面CPとする。
他方、コア材2の第二主表面側の第二ビア層V12上には、裏面配線導体層M13が形成されている。裏面配線導体層M13には、ボールグリッドアレー(BGA)やピングリッドアレー(PGA)などの周知の接続形態にて、基板1をマザーボードなどの主基板に接続するための複数のランド17が形成されている。そして、表面配線導体層M3及び裏面配線導体層M13上に、それぞれ、感光性樹脂組成物よりなるソルダーレジスト層8,18(SR1,SR11)が形成されている。表面側のソルダーレジスト層8には、半田ランド(金属パッド)10,10’を露出させるために、これら半田ランド10に一対一に対応する形で開口8aが形成されてなり、その内側に半田ランド10と導通する形で半田バンプ11が配置されている。
半田ランド10は、ランド(パッド)直下にビアが一体化されていないビア非随伴型のものと、ランド直下にビア34fが一体化されたビア随伴型のものとの2種類がある。後者のビア34fはビアホール34h内がメッキ金属にて充填された、いわゆるフィルドビア34fとして形成される。いずれも、ランド(パッド)主表面にビアが開放せず、中実のパッド面が形成されたパッドオフビアである。そして、該パッドオフビアに対応してソルダーレジスト層8に形成された開口が第二種開口8aである。
一方、表面配線導体層M3には、半田ランド10以外に、ロゴマーク、位置合わせ用マークあるいは方向確認用マーク等の金属パッド10’も形成されている。この金属パッド10’は、直下のビルドアップ層V2(誘電体層)に形成された中空ビア34’がパッド主表面に開放したパッドオンビアとなっている。パッドオンビアとして構成された該金属パッド10’には、ビアホール34hの内面に倣う、内部を充填しないビア導体34sが一体化されている。そして、該パッドオンビアに対応してソルダーレジスト層8に形成された開口が第一種開口8a’である。なお、本実施形態においては、金属パッド10,10’が、いずれもSMDパッドとして形成され、第二種開口8a及び第一種開口8a’が、いずれも金属パッド10,10’の外径よりも小さな内径を有し、ソルダーレジスト層8の開口内周縁部が、金属パッド10,10’の外周縁部と重なるように配置されている。
以下、CAD/CAMシステム100の作動について詳細に説明する。
図2のアプリケーションプログラム162を起動させると、モニタ113には、図4に示すように、作図画面40が表示される。本実施例のアプリケーションプログラム162は、公知のCADシステムと同様にドロー系グラフィックソフトウェアとして構築されており、作図画面40上にて、マウス107の操作により、電子回路基板1の基板要素(以下、エレメントともいう)の図形を、CADデータとして個別に入力しながら作図作業を進めるものである。本実施例では、新規図面の作図画面40を立ち上げると、別途HDD110等に記憶された表示データに基づき、該作図画面40内には、設計・作図すべき基板の主面外形線に対応した四辺形状の基準領域51と、デフォルトエレメント図形として、基板表面に標準的に形成される基板要素(本実施形態では、パッド53,55)の図形が表示されるようになっている。この場合、デフォルトエレメントデータを品番と対応付けて記憶するデフォルトエレメントデータ記憶部を例えばHDD110に設けておき、品番をキーボード106(あるいはマウス107による画面上のソフトボタンクリック)により入力することで、対応するデフォルトエレメントデータを読み出し、これを作図画面に表示するようにしておけば、標準的に形成される基板要素上に線路導体54等の図形を直ちに作図入力できるので便利である。
ここで、設計の対象となる基板は、複数の配線層が誘電体層を介して積層されるパッケージ基板等である。そして、形成すべき配線層に対応する複数の作図レイヤが作図画面40に対して設定される。これら作図レイヤ(以下、単にレイヤともいう)は、図4においては重なっているため視覚的には判別できない。また、各レイヤに書き込まれた図形は作図画面40上では重ね表示されるが、特定のレイヤ上の図形のみを表示させたり、あるいは色彩、明るさ、濃淡、塗りつぶしパターンの変更等により、他のレイヤ上の図形とは表示状態を異ならせることが可能である。
図13は、作図処理の流れを示すフローチャートである。まずS1では、エレメントを書き込みたいレイヤを選択する。このレイヤ選択は、例えばマウス107(図2)により、画面上に表示されたレイヤ選択のためのソフトボタン(図示せず)をクリックすることで行なうことができる。そして、図形として入力できるのは上記したエレメントと、異レイヤ間のエレメント同士を接続するためのビアの図形であり、S2及びS8では、そのどちらを選択するかがコマンド入力により決定される。このコマンド入力も、エレメント入力あるいはビア入力を選択するソフトボタン(図示せず)のマウスクリックにより行なうことができる。
エレメント入力が選択されたらS2からS3に進み、エレメント描画を行なう。エレメントの描画に際しては、公知のCADシステムソフトウェアと同様に、配線描画、パッドやランドあるいは面導体の描画など、描きたいエレメントの種別毎に描画ツールが用意されている。描画ツールも、画面上にソフトボタンとして形成された描画ツール選択ボタン(図示せず)のマウスクリックにより選択できる。そして、所望の描画ツールを選択したら、図4に示すように、作図位置を示すポインタPをマウス操作により移動させつつ、マウスクリックあるいはドラッグ(マウスボタンを押したままマウスを移動させること)等の操作を組み合せながらエレメントを描いてゆく。図4では、各パッド53と55とをつなぐ線路導体54の図形をエレメントとして描き終わった状態を示している。
図6に示すように、エレメントは1つ描き終わる毎に、その図形データであるエレメント記述データが、エレメント特定データ(例えばエレメントコード)及びレイヤ特定データ(例えばレイヤ番号)と対応付けた形で、図2の図面データメモリ152gに記憶されてゆく。エレメント記述データは、例えば図5に示すように、エレメントOB11,OB12,OB13,OB14等の形状、大きさ及び描画位置を、画面40(図4)上に設定される座標平面上で規定するためのベクトルデータ、関数式データあるいは特定の基準点の座標及び半径や長さ等の寸法規定データの組として表される。例えば、エレメントOB11は面導体であり、外径輪郭(外形線)の特定により、当該外形線の内側の面領域を規定する面データとして記述され、基準点A11(x0,y0)を起点として所定の向き(例えば右回り)に周回しながら、A11(x1,y1)、A11(x2,y2)、A11(x3,y3)、A11(x0,y0)の順でベクトルを連ねることによりエレメントの外形輪郭を描いた場合の、各ベクトル(線分)の終点位置の座標のデータ組として表わされている。エレメントOB12も同じである。また、パッドやランド等を表す円形のエレメントOB13は、その中心座標C13(x0,y0)と半径r13とのデータ組として表わされている。さらに、例えば幅Wが一定した線路導体の図形であるエレメントOB14などは、その起点位置B14(x0,y0)及び終点位置B14(x1,y1)の座標と線幅W14のデータ組として表わすことができる。なお、図5では、4つのエレメントOB11,OB12,OB13,OB14が全て同じレイヤ(M1)に描かれている。
図13に戻り、エレメントの描画を行った場合はS4に進み、図7に示すように、同一レイヤ内にその入力したエレメントOB12に部分的に重なる(すなわち、接続されている)入力済のエレメントOB11が存在するか否かを判定する。NoであればさらにS5に進み、図9に示すように、ビアVA11を介した異レイヤ間接続により別のエレメントOB31に接続していないかどうかを判定する。これもNoであればS6に進み、そのエレメントOB12を配線ネット図形として、例えばエレメント特定情報のみを、図面データメモリ152g内の配線ネットデータ登録メモリ152i(図3)に、ネット特定情報(例えばネット番号)を付与して新ネットデータとして書き込み、これを登録する。
また、図13のS4(図7参照)あるいはS5(図9参照)においてYesの場合はともにS7へ進み、そのエレメントを接続先となるエレメントが属する登録済の配線ネット図形に組み込む処理、すなわち新たに描いたエレメントのエレメント特定データを、配線ネットデータ登録メモリ152i内の対応するネットデータに付加する処理を行なう(S4→S7)。また、ビアによる接続の場合は、そのビア特定データもネット特定情報に付加する(S5→S7)。こうして、図3に示すように、配線ネットデータ登録メモリ152i内には、各ネット特定情報net1,net2,・・と、その配線ネットに属するエレメントの特定データOB11,OB12,・・あるいはビアの特定データVA11,VA12,・・とが互いに対応付けられたネットデータが記憶されてゆくこととなる。
他方、図8に示すように、異レイヤ間で重なるエレメントが発生した場合は、それらエレメント特定データの重なり先のネットデータへの付加は行われない。しかしながら、図13のS10において、新たに入力されたビア図形により互いに接続される配線ネット図形が発生した場合はS11に進み、それらの配線ネット図形のネットデータ同士を統合(マージ)して、それを1つの配線ネット図形のネットデータとして再登録する処理が行われる。この場合、ネット特定情報は、統合前の配線ネット図形の一方に対応するものを残し、他方を削除してこれを欠番として扱うようにしてもよいし、両方のネット特定情報を消して新たなネット特定情報を付与するようにしてもよい。
上記のようなエレメントやビアの入力の作図入力を繰り返した後、作図作業を終了する場合は、S12からS13へ進み、図面データメモリ152g内に蓄積されている図形のデータ、すなわち図面データを、配線ネットデータ登録メモリ152i内のネットデータとともにファイル名を付与して、HDD110(図2)の図面データファイル163に書き込み、保存する。
次に、図10に示すように、各作図レイヤLY1,LY2‥には、各々これに対応する形で補正レイヤLX1,LX2‥が設定され、補正エリア参照テーブル72の形で記憶されている。各補正レイヤには、エリア外形線を特定する補正エリア特定データが入力されている。補正エリアは、補正レイヤLX1上にて補正エリアを面データとして記述するものであり、補正エリアID(B11,B12,‥)と、エリア種別特定データ(J11,J12,‥)とが付与されている。図11に示すように、作図レイヤ上の各エレメント(ビア含む)には、対応する補正レイヤのどの補正エリアに属するかが、例えば補正エリアIDを介して、データ上にて対応付けられている。そして、図12に示すように、各エレメントのCADデータをCAMデータ化するに際しての補正情報の内容が、補正エリアの種別毎に定められている。
上記のようにして作成された、各エレメント(作図対象要素)のCADデータは、CAMデータに変換される。CAMデータは、エレメント又は該エレメントと関連付けた形で電子回路基板1に形成される付加要素(例えばエレメントをなす半田ランド上に形成される半田バンプ)からなる製造対象要素の、製造途上での寸法、形状及び配置位置、あるいは製造対象要素を製造するための治具(例えば、ビアパターンや配線パターンを露光するためのマスクや、半田バンプ形成に使用する半田ペースト塗布用マスクなど)の、該製造対象要素に対応した部分の寸法、形状及び配置位置を特定する図形データである。
図14は、CADデータをCAMデータに変換する処理の一例を示すフローチャートである。S51においては、ペースト塗布マスクのCAMデータ、具体的には、ペースト塗布マスクに形成する半田ペースト充填用の開口部の寸法及び配置位置を記述するデータを作成する。半田バンプ自体の図形データは上記の作図処理において作成されず、従って半田バンプが属するレイヤや、半田バンプを直接記述するCADデータは存在しない。従って、半田バンプと関連付けられたエレメントのデータ、すなわち表面側配線導体層M3のレイヤ上で作成された半田ランドのCADデータか、ソルダーレジスト層8のレイヤ上で作成された半田用開口8aのCADデータを用いて、半田ペースト充填用の開口部のCAMデータが作成されることになる。
S52以降は、CADデータファイルのレイヤ毎の変換処理となる。図14の処理においては、図1の各レイヤのエレメントCADデータを、順次自動的にCAMデータ変換する処理になっているが、工程別に、必要なエレメントのCADデータのみを選択して、CAMデータ変換するようにしてもよい。以下、ステップ毎に説明する。まず、S52で最初のレイヤを選択し、そのレイヤがソルダーレジスト層ならば(S53;Yes)、S59に進んで、ソルダーレジスト層用のCAMデータを作成する。具体的には、半田充填用の開口部(図1:符号8a)の設計上の寸法(あるいは形状)及び形成位置を表す図形データを、感光性樹脂組成物フィルムに該開口部のパターンを転写するための、露光マスク上の対応部分(ネガ型組成物の場合は遮光部、ポジ型組成物の場合は露光部)の寸法(あるいは形状)及び形成位置を表す図形データに変換する。
また、選択したレイヤが導体層である場合(S54;Yes)はS58に進み、導体層用のCAMデータを作成する。具体的には、線路導体、パッド、ランドあるいは面導体の、設計上の寸法(あるいは形状)及び形成位置を表す図形データを、線路導体や面導体に対応したメッキウィンドウをメッキレジスト層にパターニングするための、フォトリソグラフィー用露光マスク上のメッキウィンドウパターン(ネガ型フォトレジストを用いるの場合は遮光部、ポジ型フォトレジストを用いる場合は露光部)の寸法(あるいは形状)及び形成位置を表す図形データに変換する。さらに、選択したレイヤがビア層である場合(S55;Yes)はS56に進み、ビア層用のCAMデータを作成する。具体的には、形成すべきビアの設計上の寸法(あるいは形状)及び形成位置を表す図形データを、フォトリソグラフィー用露光マスク上の対応部分(ビルドアップ層を、ネガ型感光性樹脂組成物フィルムを用いて形成する場合はマスク上の遮光部、ポジ型感光性樹脂組成物フィルムを用いて形成する場合はマスク上の露光部)の寸法(あるいは形状)及び形成位置を表す図形データに変換する。なお、ビア穿孔をフォトビアプロセスではなく、レーザービーム穿孔により行なうこともできるが、この場合は、形成すべきビアの設計上の寸法(あるいは形状)及び形成位置を表す図形データに基づき、レーザービーム強度やビーム径、あるいはフォーカス深度などのレーザービーム特定情報と、レーザービームの照射位置情報とを含むCAMデータに変換すればよい。
なお、レイヤが上記のいずれでもなかった場合は、CADデータが不存在のレイヤとしてスキップする。上記の処理を、S60、S61→S53の流れでレイヤを次々と変えながら実行し、全てのレイヤについてCAMデータ変換処理が完了すれば処理を終了する。なお、各エレメントのCADデータを上記のCAMデータに変換する際に使用する変換テーブルは、図2の補正データファイル165に記憶されているものを使用する。
次に、導体層の各導体要素はいわゆるパターンメッキの手法により形成される。図18は、その工程の一例を示すものである。すなわち、工程1では、誘電体層6のほぼ全面に、無電解Cuメッキ等によりメッキ用下地導電層BPLを形成し、さらにそのメッキ用下地導電層BPLを、周知のフォトレジストにて構成されたメッキレジスト層PRで覆う。次に、該メッキレジスト層PRに露光マスクMKを重ねる。露光マスクMKは、線路導体や面導体に対応したメッキウィンドウをメッキレジスト層にパターニングするためのものであり、ガラス等の透明基板GB上にメッキウィンドウパターンWP(ネガ型フォトレジストを用いるの場合は遮光部、ポジ型フォトレジストを用いる場合は露光部:本実施形態では遮光部としている)を写真技術あるいは印刷により形成したものである。該露光マスクMKをメッキレジスト層PR上に配置し、露光することにより、露光マスクMKに形成されたメッキウィンドウのパターンをメッキレジスト層に転写する。その後、工程2に示すように、メッキレジスト層PRを現像することにより、メッキレジスト層PRにはメッキウィンドウPWDが形成される(メッキレジスト層形成工程)。なお、図面では露光マスクMKは、便宜的にメッキレジスト層PR上に重ねる形で描いてあるが、実際には、実パターンを拡大する形で形成した露光マスクをメッキレジスト層PRの情報に配置し、マスクに形成されたメッキウィンドウパターンを、適当な光学系を用いてメッキレジスト層上に縮小投影する形で露光を行なう。
次に、工程3に示すように、メッキウィンドウPWD内の領域に、メッキ用下地導電層BPLを導通路とする形で電解Cuメッキにより、導体要素を構成するパターンメッキ層PLを成長する(パターンメッキ工程)。その後、工程4に示すように、メッキレジスト層PRを除去し、さらに、パターンメッキ層以外の領域に残留する不要なメッキ用下地導電層BPLを、パターンメッキ層PLをエッチングレジスト層で覆わずにエッチング除去する(エッチング工程)。このとき、パターンメッキ層PLはメッキ用下地導電層BPLとともにエッチングされるので、得るべき導体要素の設計寸法に対しエッチング代分だけ面積拡張した形でパターンメッキ層PLを形成する必要があり、CAD/CAM変換に際しても、導体要素の図形データを面積拡張しつつメッキウィンドウPWDの図形データに変換する必要がある。
ここで、導体要素が線路導体である場合、メッキウィンドウの図形データに変換する際の線路幅の拡張比率ηは、線路幅の小さい線路導体において線路幅の大きい線路導体よりも大きくなるように設定する。図19に示すように、線路導体同士で比較した場合、幅の狭い線路導体(設計幅Wp1)の方が、幅の広い線路導体(設計幅Wp2)よりも導体体積に対するエッチング表面積の比率が大きくなるので、該幅の狭い線路導体の線路幅拡張比率η1(メッキウィンドウ幅W01)を、幅の広い線路導体の線路幅拡張比率η2(メッキウィンドウ幅W02)よりも大きくすれば、オーバーエッチングによる線幅不足不良を効果的に防止することができる。
また、導体要素の図形データをメッキウィンドウの図形データに変換する際の面積拡張比率は、導体要素が面導体である場合よりも線路導体である場合の方が大きくなるように定める。これは、幅の狭い線路導体は、面導体と比較して導体体積に対するエッチング表面積の比率が大きく、同じ条件でエッチングを施した場合に、エッチングによる面積縮小率が高くなるからである。
エッチング代分を補正してパターンメッキ層を形成するときに、図21(a)のようにメッキレジスト層PWDの幅が狭い場合、パターンメッキ工程において図21(b)のようにメッキレジスト層PWDとメッキ用下地導電層BPLとの接合部の隙間からメッキ液が浸透してパターンメッキ層を形成してしまうことがある。これは、メッキ用下地導電層BPLの厚さが増加したことと同じで、この後のエッチング工程で不要なメッキ用下地導電層BPLを除去した場合に該箇所については完全に除去が出来ず、図21(c)のように浸透したパターンメッキ層の厚さの分だけメッキ用下地導電層BPLが残留し、場合によっては隣り合うパターンメッキ層PLが短絡する可能性もある。
また、図22(a)のようにメッキレジスト層PWDの幅がさらに狭い場合、パターンメッキ工程において図22(b)のようにメッキレジスト層PWDとメッキ用下地導電層BPLとの接合部の隙間からメッキ液が浸透し、その浸透圧力によってメッキレジスト層PWDがメッキ用下地導電層BPLから剥離してしまうことがある。これにより、本来メッキレジスト層PWDが存在する箇所にもパターンメッキ層が形成され(図22(c))、エッチング工程で不要なメッキ用下地導電層BPLを除去した後も図22(d)のように隣り合うパターンメッキ層PL1およびPL2が短絡することになる。
上記の現象を回避するために、図23(a)のように、メッキレジスト層PWDの幅Wpwdが基準値よりも狭い、即ち、メッキレジスト層PWDとメッキ用下地導電層BPLとの接合部の隙間からメッキ液が浸透してパターンメッキ層を形成したり、メッキレジスト層PWDがメッキ用下地導電層BPLから剥離してパターンメッキ層PLが短絡する可能性がある場合には、メッキレジスト層PWDの幅を短絡防止可能となる最低幅(基準値)になるように拡張する。こうすれば、パターンメッキ工程において図23(b)のようにメッキレジスト層PWDとメッキ用下地導電層BPLとの接合部の隙間からメッキ液が浸透してパターンメッキ層を形成しても、接合部全体に広がることはない。よって、図23(c)のように、この後のエッチング工程で不要なメッキ用下地導電層BPLを除去した場合に隣り合うパターンメッキ層PLが短絡することはない。
図15は、上記工程を前提とした導体層CAMデータ作成処理の詳細を示すフローチャートである。この処理は導体層のレイヤ毎に行なわれる。まず、S101においては、当該のレイヤ(導体層)上のエレメント(導体要素)の最初のものを選択し、S102では、そのエレメントの最小幅がエッチングによって除去されてしまわない基準値以上であるかどうかを判断する。該エレメントの最小幅が該基準値を下回る場合(S102;No)には、エッチング代を考慮した標準補正(詳細は後述)を行なう(S105)。また、該エレメントの最小幅が該基準値を上回り(S102;Yes)、かつ、隣接するエレメントとの距離がメッキレジスト層形成可能な基準値以上の場合(S103;Yes)にも、エッチング代を考慮した標準補正を行なう(S105)。
一方、該エレメントの最小幅が該基準値を上回るが(S102;Yes)、隣接するエレメントとの距離がメッキレジスト層形成可能な基準値を下回る場合(S103;No)には、メッキレジスト層保護用の補正(詳細は後述)を行なう(S104)。その後S106に進み、次のエレメントがあればS107からS102に戻って以下の処理を繰り返し、次のエレメントがなければ処理を終了する。
図16は、エッチング代を補正する標準補正における導体層CAMデータ作成処理の詳細を示すフローチャートである。S302では、そのエレメントが線路導体であるかどうかを判断する。線路導体であればS303に進み、その線幅Wpを読み出す。前述の通り、線幅拡張の補正係数ηは、線幅Wpの絶対値が小さくなるほど大きく設定される。例えば図20のごとく、種々の線幅Wp1,Wp2,‥に対応する補正係数η1,η2,‥が、補正テーブル75の形で、前述の補正データファイル165に記憶されている。S304では、リードした線幅Wpに対応する補正係数ηの値を、上記補正テーブル75上にて見出す。リードした線幅Wpに直接対応する補正係数ηがテーブル上に存在しなかった場合は、テーブル上にある前後の線幅Wpの値から補間演算により補正係数を求める。そして、S305に進み、メッキウィンドウ幅となる補正後線幅Wp’をWp’=η・Wpとして算出し、S306において、露光マスクのメッキウィンドウ図形データ(CAMデータ)として記憶する。
一方、S302でNoの場合はS307に進み、ここでエレメントが面導体であった場合はS308に進む。面導体の図形データ(CADデータ)は、前述のごとく、面導体の頂点間を連結する線分データの集合として規定され、各頂点の座標データを、周回順を規定した形で配列したものである。そして、これを面導体用のメッキウィンドウ図形データ(CAMデータ)にするために、図24に示すように、面導体が面積拡大する方向に、各線分データつまり頂点(B11,B12,‥)の座標データを予め定められたオフセット量ζだけ移動させる形で補正し、該補正後の線分データ(移動後の頂点(B11’,B12’,‥)のデータ)の集合を、ウィンドウパターンの図形情報として定めることになる。
具体的には、図16のS308にて、面導体の図形データをメッキウィンドウ図形データ(CAMデータ)に変換するための、外形線オフセット量ζを読み出し、S309にて、面導体の頂点データを該オフセット量ζが得られるように移動させる(つまり、外形線の構成成分をオフセットする)。そして、S310で、移動後の頂点データ(オフセット後の外形線)をCAMデータとして記憶する。
図24に示すように、面導体の外形線が、CADデータの座標軸(x軸及びy軸とする)と平行な線分のみで構成される場合は、移動後の頂点がもとの面導体の外側へ移動するように、頂点座標のx座標及びy座標のζを加算又は減算する処理を行なえばよい。なお、CADデータが規定する設計寸法の面導体の面積は、線路導体の面積よりも通常十分に大きく(例えば10倍以上)、ζの値は、面導体の図形データをメッキウィンドウ図形データにCAD/CAM変換したときの面積拡大率が、最大幅の線路導体をCAD/CAM変換したときの面積拡大率よりも小さくなるように定められている。
図17は、メッキレジスト層保護用の補正を行なうCAMデータ作成処理の詳細を示すフローチャートである。まず、該メッキレジスト層の幅Wpwdを読み込み(S201)、メッキレジスト層を保護可能な最小幅とWpwdとの差Waを求め(S202)、オフセット値WofをWa/2とする(S203)。次に、該エレメントおよび該メッキレジスト層を挟んで対向するエレメントの、CADデータの外形線の構成成分についてWofだけ該当するエレメントの内側方向にオフセットする(S204)。このとき、オフセット後の該2つのエレメントの最小幅がパターンメッキ層形成可能な基準値以下である場合(S205;Yes)には、該当するエレメントのCADデータの外形線の構成成分について、最小幅が基準値になるまで該当するエレメントの外側方向に移動し(戻し)オフセット値を減ずる(S206)。そして、オフセット位置確定後の外形線をCAMデータとして記憶する(S207)。
図25に上記処理によるメッキレジスト層保護用の補正の実施例を示す。図25(a)のエレメント1はWof分内側にオフセットされても(導体幅が減少しても)導体層を形成するために必要な最小幅Wminに対して十分余裕があるので、オフセット位置はWofだけ減じた位置で確定する(図25(b))。一方、図25(a)のエレメント2はWof分内側にオフセットされると、導体層を形成するために必要な最小幅Wminを割り込んでしまうので、該最小幅Wminを確保することを優先し、オフセット位置はWofよりも小さい値のWof1だけ減じた位置で確定する(図25(b))。
該エレメント(導体層)におけるCADデータの外形線の構成成分について内側にオフセットする方法としては、上記方法とは別に、対向する2つのエレメントのうちで導体幅により十分余裕がある方のエレメント(例えば、図25のエレメント1)のみで外形線を内側にオフセットする方法、オフセット量を対向する2つのエレメントのオフセット可能量に応じて分配し、分配されたオフセット量に従ってそれぞれのエレメントの外形線を内側にオフセットする方法を採ってもよい。
図26は、同一面上の導体層90内に隣り合う2つの開口部91,93を形成し、それらの開口部91,93の内側にそれぞれ導体層92,94を形成する例である。開口部91と93との最小距離をD1、開口部91と内側の導体層92との距離をD2とする。このとき、D1<D2の場合は開口部91と開口部93との間の導体層の形成を確実に行なうためにエッチング代を考慮する標準補正を実施し、D1>D2の場合は開口部91と導体層92との間のメッキレジスト層の形成を確実に行なうためにメッキレジスト層保護補正を実施するというように、導体層の幅とメッキレジスト層の幅との大小関係によって、いずれの補正を優先して行なうかを決定する方法を採ってもよい。また、D1を導体層の形成のために必要な最小幅の値で割った値を導体層余裕度、D2をメッキレジスト層の形成のために必要な最小幅の値で割った値をメッキレジスト層余裕度としたとき、2つの余裕度のうち小さい方についての補正を優先する方法を採ってもよい。
前述の補正処理において、メッキレジスト層保護のための補正量(オフセット量)を、該エレメントの幅の一定割合とする方法を採ってもよい。これは、該エレメントの幅が導体層を形成可能な基準値を下回らないために行なうものである。該エレメントの幅が導体層を形成可能な基準値を下回る場合はオフセット量の割合は0%で、補正(オフセット)は行なわない。該エレメントの幅が該基準値を超える場合は、オフセット量を該エレメントの幅と該基準値の差の値の一定割合とするものである。つまり、該エレメントの幅が該基準値に対して十分広い場合はオフセット量を大きくとることが可能で、該エレメントの幅が該基準値と差がない場合はオフセット量は小さくなる。
以上のようにして作成されたCAMデータは、必要に応じて図2の入出力インターフェース102から出力され、電子回路基板1の製造に供される。例えば、ペースト塗布マスクの開口部内径は、ペースト塗布マスクの作成時に、マスク作成用の加工装置(例えば、レーザー穿孔装置)に出力される。加工装置側では、このCAMデータが示す開口部の内径と形成位置のデータに従い、金属板等の素材に開口部を順次穿孔して、ペースト塗布マスクが作成される。ソルダーレジスト層のフォトリソグラフィー用露光マスクの開口用マスクパターン外径は、該露光マスクの作製装置(例えば写真製版装置)に出力される。装置側では、このCAMデータが示す開口用マスクパターン外径と形成位置のデータに従い、露光マスクが作製される。さらに、導体用CAMデータは、導体層のフォトリソグラフィー用露光マスクの作製装置(例えば写真製版装置)に出力される。装置側では、このCAMデータが示すメッキウィンドウの図形データに従い、パターンメッキ用の露光マスクが作製される。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
電子回路基板の一例を示す断面図。 本発明の電子回路基板用CAD/CAMシステムの電気的構成を示すブロック図。 配線ネットデータ登録メモリの内容を示すマップ。 本発明の電子回路基板用CAD/CAMシステムにおける作図画面上での操作過程の説明図。 エレメントの概念図。 エレメントのCADデータの概念図。 エレメントの重なり接続状態の第一説明図。 エレメントの重なり接続状態の第二説明図。 エレメントのビア接続状態の説明図。 補正エリア参照テーブルの一例を示す概念図。 補正エリア/エレメント対応テーブルの一例を示す概念図。 エリア別補正係数用の補正テーブルの一例を示す模式図。 作図処理の流れを示すフローチャート。 CAMデータ作成処理の流れを示すフローチャート。 導体層補正処理の流れを示すフローチャート。 標準補正処理の流れを示すフローチャート。 メッキレジスト層保護用補正処理の流れを示すフローチャート。 導体層をパターンメッキする工程の説明図。 線路導体の幅に応じて、パターンメッキ後のエッチング代に差が生ずる様子を説明する図。 線路導体の図形データをCAM変換する際に用いる補正テーブルを示す概念図。 メッキレジスト層の幅が狭いときに、パターンメッキ層がメッキ用下地導電層との接合部に形成される様子を説明する図。 メッキレジスト層の幅が狭いときに、パターンメッキ時にメッキレジスト層が剥離する様子を説明する図。 メッキレジスト層保護用補正を行なった場合の、パターンメッキおよびエッチングの様子を説明する図。 面導体の図形データをCAD/CAM変換する概念を示す図。 パターンメッキ層とメッキレジスト層のうち、いずれの補正を優先して実施するかを説明するための図。 同一導体面上に隣接する開口部を形成する際に、本発明を適用するための説明図。
符号の説明
101 電子回路基板用CAD/CAMシステム
102 入出力インターフェース(CAMデータ出力手段)
103 CPU(作図レイヤ設定手段、CADデータ入力手段、CAMデータ変換手段、CAMデータ出力手段)
105 RAM
106 キーボード
107 マウス(CADデータ入力)
108 CD−ROMドライブ
110 ハードディスクドライブ
112 コンピュータ本体
120 CD−ROM(コンピュータプログラムを記録した記録媒体)

Claims (2)

  1. 誘電体層と、導体線路又は面導体からなる導体要素を含む導体層とが交互に積層された構造を有し、メッキウィンドウをフォトリソグラフィー工程により形成したメッキレジスト層を、メッキ用下地導電層で覆った誘電体層上に形成するメッキレジスト形成工程と、前記メッキウィンドウ内の領域に前記導体要素を構成するパターンメッキ層を成長するパターンメッキ工程と、前記メッキレジスト層を除去し、その後、前記パターンメッキ層以外の領域に残留する不要なメッキ用下地導電層を、前記パターンメッキ層をエッチングレジスト層で覆わずにエッチング除去するエッチング工程とを順次実施することにより、前記導体要素を形成する前記メッキウィンドウを作成する電子回路基板の製造方法であって、
    前記導体要素の設計寸法を、前記エッチング工程におけるエッチング代を反映した補正量により面積拡張方向に補正しつつ前記メッキウィンドウを作成するとともに、該補正に際して同一導体層内にて隣接する2つの前記導体要素間の距離が基準値以上に確保されている場合には、予め定められた標準補正量を使用する一方、前記距離が前記基準値を下回る前記導体要素に対しては、それら導体要素に対応したメッキウィンドウ間に位置する前記メッキレジスト層の過度の狭幅化を抑制するために、前記標準補正量よりも小さいメッキレジスト層保護補正量を使用することを特徴とする電子回路基板の製造方法。
  2. 誘電体層と、導体線路又は面導体からなる導体要素を含む導体層とが交互に積層された構造を有した電子回路基板を設計かつ製造するためのCAD/CAMシステムであって、
    電子回路基板に形成すべき導体層及び誘電体層に対応する複数の作図レイヤを設定する作図レイヤ設定手段と、
    前記電子回路基板を構成する基板要素のうち、作図対象として予め定められたものを作図対象要素として、それら作図対象要素の設計上の寸法、形状及び配置位置を特定するためのCADデータを、前記作図レイヤ上に入力するCADデータ入力手段と、
    前記作図対象要素又は該作図対象要素と関連付けた形で前記電子回路基板に形成される付加要素を製造対象要素として、該製造対象要素自体又は該製造対象要素の製造用治具の対応部分の、製造工程上の寸法、形状及び配置位置を特定するCAMデータを、前記CADデータからの変換により作成するCAMデータ変換手段と、
    該CAMデータを出力するCAMデータ出力手段と、を備え、
    前記電子回路基板は、メッキウィンドウをフォトリソグラフィー工程により形成したメッキレジスト層を、メッキ用下地導電層で覆った誘電体層上に形成するメッキレジスト形成工程と、前記メッキウィンドウ内の領域に前記導体要素を構成するパターンメッキ層を成長するパターンメッキ工程と、前記メッキレジスト層を除去し、その後、前記パターンメッキ層以外の領域に残留する不要なメッキ用下地導電層を、前記パターンメッキ層をエッチングレジスト層で覆わずにエッチング除去するエッチング工程とを順次実施することにより前記導体要素を形成したものであり、
    前記CADデータ入力手段は、製造対象要素を前記電子回路基板の前記導体要素として、設計寸法を反映した前記導体要素の図形情報からなるCADデータを前記導体層の作図レイヤに入力するものであり、
    前記CAMデータ変換手段は、前記フォトリソグラフィー工程の露光マスクに形成するメッキウィンドウの図形情報を、作成すべきCAMデータとして、設計寸法を反映した前記導体要素の図形情報からなる予め作成されたCADデータを、前記エッチング工程におけるエッチング代を反映した補正量により面積拡張方向に補正するとともに、該補正に際して同一導体層内にて隣接する2つの前記導体要素間の距離が基準値以上に確保されている場合には、予め定められた標準補正量を使用する一方、前記距離が前記基準値を下回る前記導体要素に対しては、それら導体要素に対応したメッキウィンドウ間に位置する前記メッキレジスト層の過度の狭幅化を抑制するために、前記標準補正量よりも小さいメッキレジスト層保護補正量を使用して、該導体要素の図形情報を前記メッキウィンドウの図形情報に変換する際の前記補正量を調整することを特徴とする電子回路基板用CAD/CAMシステム。
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